<歴史家ジョン・ダワーの警告>安倍政権の言う「普通の国」とは 憲法を改正することで、自ら軍隊を持ち、武器を保有し、戦闘に参加できる国を意味しています。アメリカは「普通の国」でしょうか?5/2報道特集(文字起こし)

素晴らしい番組だったので紹介します。


2015/05/02
報道特集:「戦後70年歴史家からの警告」



戦後70年
歴史家 ジョン・ダワーの警告


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金平:
今年は戦後70年。
日本の近代史研究の分野で、アメリカでも屈指の歴史家ジョン・ダワー氏にインタビューしました。
70年前、戦後の焼け跡から奇跡的な復興を遂げた日本は、その後の歴史の歩みを経て、今後どこへ向かおうとしているのか?
歴史認識、戦争責任、憲法、沖縄、半世紀以上に渡って日本を見つめ続けてきた歴史家からの警告です。

ナレーター
ジョン・ダワー氏、76歳。
マサチューセッツ工科大学名誉教授。
日本の近現代史研究の第一人者だ。
1999年に出版された「敗北を抱きしめて(Embracing Defeat)」において、敗戦に打ちひしがれた日本で民主主義が生き生きと根付いていく過程を記述し、ピュリッツアー賞を受賞した。
2年後には日本でも翻訳本が出版された。
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この種の固い内容の本としては、異例に版を重ね、これまでに上下巻合わせて24万部が出版され、ロングセラーとなっている。

ーインタビューはアメリカ・ボストンのマサチューセッツ工科大学で行われた。ー


第1章 
戦後70年 戦争の美化


第二次世界大戦1939年〜1945年  死者数は6200万人超とも
ベトナム戦争 1960年〜1975年  世界規模で友戦運動が起きた


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ジョン・ダワー:
あなたとここにこうして座ってお話をしている2015年の今日、
話題の一つは戦後70周年という節目についてです。
かつて第二次世界大戦がありました。
でも実は、もう一つの戦争があります。
今年は、ベトナム戦争にアメリカが本格介入してから50周年の節目を迎える年でもあるのです。
ですから、第二次世界大戦70周年と、ベトナム戦争介入50周年の二つの節目の年なのです。

私が興味を感じるのは、アメリカ国内では、
政府、特に国防総省ペンタゴンがベトナム戦争を追悼する数々のイベントを準備していることです。
実際、私は危機感を抱いているのですが、彼らは戦争を美化しようとしています。
”歴史の1ページ”として捉えるのではなく、”愛国的な記憶”として考えているのです。
アメリカでもすでに物議を醸しています。
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政府は「戦争には意味があった」としています。
「崇高なアメリカ人が大義を抱えた戦い命を落とした」というのが彼らの解釈です。

しかし悲惨な戦争でした。

今日の日本についても同じことが言えると思います。
日本も70年前を振り返り、第二次大戦について考える機会ですが、
当時の記憶とどう向き合うのかが難しいのです。

日本でも保守派は戦争を美化しようとしていますが、
それはアメリカの保守派がベトナム戦争を美化しているのと同じです。
彼ら日本の保守派は、「勇敢な日本兵が自らの命を犠牲にして国を守った」というでしょう。
それこそが靖国神社が物議をかもす理由です。


私にはベトナム戦争の記念碑と靖国神社が重なって見えます

戦争で亡くなったアメリカ兵の名前が刻まれている記念碑を見ると心を打たれます。
あなたはご覧になったことがありますか?
とても美しい記念碑です。
すべてのアメリカ兵の名前があります。

しかしながらそこには、亡くなったベトナム人、カンボジア人、ラオス人の名前は一切書かれていません。
彼らはアメリカの空爆で亡くなっているのに。


ですから私たちは戦争をもっと広い視野で見つめ直さなければなりません。
それは、真の意味での戦争です。
政治家たち、保守派もそうした視野がないのです。
けれども、私たちジャーナリスト、教師、一般市民は広い視野で戦争を振り返るべきです。

私が一番興味深い戦争記念碑と思っているのは沖縄にあるものです。
太田元沖縄県知事の素晴らしい発想から出来たものですが、
沖縄の戦没者慰霊碑は実に興味深いものです。
彼らは戦争の意味をとてもよく理解しています。

沖縄の慰霊碑には日本兵だけではなく、亡くなったすべての犠牲者の名前が記されています。
その中にはアメリカ兵の名前も記されています。
アメリカ人、沖縄の市民、中国人、韓国、朝鮮人など、すべての人々の名前が記されています。


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戦争の記憶をより広い意味で捉えています。

靖国神社に祀られているのは、天皇のために命を捧げた人たちです。
「英霊」という言葉が使われていますが、英語では「英霊」は「亡くなった英雄」のことです。
彼らはある意味で「国のために亡くなった崇高な人々」とみられています。

アメリカでは国のために亡くなった人は全て「英雄」と呼ばれています。
つまりアメリカでも日本と同じ概念で「英雄」という言葉が使われているのです。

つい最近アメリカで、あるリベラルなコメンテーターが、
「戦いに携わったアメリカ人全てが英雄ではない」と発言しました。
彼ら全員が「英雄」ではありません。
中には戦争犯罪人も、残虐なことをした者もいます。


第2章
戦争責任 日本とドイツ


2015年4月9日 安倍・メルケル会談
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2015年4月30日 「Deep Remoese」(痛切な反省)を表明
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金平:
記者会見で、メルケル首相はこう強調しました。
「過去に向き合うことは和解への前提条件の一つである」
それに対して安倍首相は沈黙していましたが、この二人の違いはなんなのでしょうか?

ジョン・ダワー:
日本人が言うところの「戦争責任」について考えましょう。
ジャーナリストからはいつもそれについて質問されるのです。
ドイツは戦時中に行った残虐な行為は決して忘れてはいけない。
そうした残虐な行為は二度と繰り返さないと言います。
またドイツでは、国民がその態度を尊重しています。

しかし日本では、そうしたことがとても困難を伴っているのです。
実際、これまで日本では戦争中に行ったこと、他の国で行ったことに対して、多くの人が謝罪したり反省の念を表明しています。

私は現在の天皇陛下の発言に大変感銘を受けました。


傘寿(満80歳)にあたっての記者会見(2013年12月)
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前途に様々な夢を持って生きていた多くの人々が、若くして命を失ったことを思うと、
本当に痛ましい限りです。

天皇・皇后両陛下のパラオ訪問(2015年4月9日)
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ジョン・ダワー:
天皇陛下は戦争と平和について本当に真剣に考えておられると思います。
ですから日本においても真摯な発言はあったのです。
しかし、現在の日本政府、とりわけ自民党を見ていると、全く異なる印象を受けます。


戦後70年となった今、何が起きているのかを考えるために、20年前の当時の村山総理の談話を思い起こしてください。
あれは戦後50年の節目の年の談話でした。
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村山総理は強烈な印象を残す談話を発表しました。
戦争だけではなく、植民地支配に関する謝罪も行いました。

10年前の戦後60年の時には、当時の小泉総理が談話を発表しました。
小泉総理の談話は本質的には村山談話を踏襲したものでした。

数年前にさかのぼって、1990年代には慰安婦に関する河野談話(1993年8月)が発表されました。

ですから日本政府も戦争に対する反省を示す非常に強い発言を残してきてはいるのです。
ただ、時間がかかりすぎた印象はありますが。
そうした発言はあったのです。

しかし日本はそうした発言をしてきても、著名な政治家や、
特に今は安倍総理自身が、そうした発言を後退させてしまうのです。
世界はそれを見て、「日本には誠意がない」と思ってしまう。


今ではドイツと全く異なるイメージを持たれてしまっている。
メルケル首相は「戦争で犯した罪は決して忘れてはならない」と明言しています。
しかし日本の一部の指導者達は「そんな出来事はなかった」などと、様々な形で何度も繰り返しています。
南京虐殺で相手国の発言を認めなかったり、
慰安婦についても「まずは検討してからだ」などと発言しています。
ですから公式レベルでの日本のイメージは、村山総理以降重要な談話があったにもかかわらず、
保守派や新たな国家主義者らによって、日本ではそうした談話が後退させられてしまっているのです。
実に残念なことです。


第3章
沖縄の声を聴け


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新基地建設が進められている名護市辺野古近海(提供:琉球新報社)

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金平:
先ほど沖縄についてのお話がありましたが、
日米両政府は沖縄県民の民意に反して、新基地建設を強行しようとしています。
これは民主主義と言えるのでしょうか?

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2015年4月28日「屈辱の日」県民集会

ジョン・ダワー:
私は沖縄の方々が草の根運動を通じて自らの声を届けようとしている姿勢に、心から敬意を表したいと思います。
沖縄の人々は、あの戦争を忘れることはできない。
「沖縄に軍事基地はいらない」と訴え続けています。
わたしは基地についての彼らの訴えを心から尊重しています。
沖縄はこれまで日本政府の犠牲になってきました。
同時にアメリカの犠牲にもなってきました。
沖縄は他の日本のどこよりも辛い思いを強いられてきました。

沖縄は歴史上3回、犠牲になってきました。

ひとつ目は沖縄戦です。
ー沖縄戦 沖縄では地上戦が展開され、民間人を含む20万人以上が死亡した。
本土を守るための「捨て石」にされたとも言われている。ー

戦争が終わると、アメリカ軍が駐留し、太平洋の主要拠点として利用しました。
日本の占領は日本がサンフランシスコ講和条約に調印(1951年9月)して、1952年に終了しましたが、
その条文で、「沖縄は講和条約には含まれない」。
「沖縄に主権はない」とされていたのです。

ー日本の主権回復と引き換えに、沖縄は事実上、日本から切り離されたー

ですから1952年から72年までは沖縄はアメリカの植民地、あるいは新種の植民地でした。
1972年に沖縄が日本の領土に復帰した時も、グロテスクな米軍基地はそのままでした。

終戦以来日本政府とアメリカ政府が沖縄に対して行ってきたこと。
それは1945年、終戦の記憶の一部として私たちは決して忘れてはいけないことです。

なぜなら、沖縄にとっての本当の悲劇は、1945年、終戦の年から始まったのです。
70年間搾取されてきました。


沖縄の人々が戦争の恐ろしさについて語る時、そして戦争の悲惨な歴史について語る時、
彼らは今も、非常に鮮明に話します。
私たちは彼らの話に真摯に耳を傾けるべきです。


第4章
「普通の国」の正体


日米両首脳、同盟関係の強化で合意(2015年4月28日)
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ハイテク兵器による無差別攻撃(2007年イラク・バグダッド)
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ジョン・ダワー:
日本の保守派が「日本を普通の国にしたい」という時、
彼らの言う「普通の国」とは
憲法を改正することで、自ら軍隊を持ち、自ら武器を保有し、戦闘に参加できる国を意味しています。


今日の世界で「普通の国」とは一体どのような国なのか?と、私は自問しています。

アメリカは「普通の国」でしょうか?

保守派が主張している目標は、
日本が普通の国となって、海外で軍事行動を展開する際に『アメリカとより緊密に協力できる』ようにすることなのです。


一人のアメリカ人として、今日のアメリカを見た時、
とりわけ9月11日の同時多発事件以降はよく使われる言葉なのですが、
我々は英語で「『安全保障国家(National Security State)』になった」と言うんです。
この国はどうかしています。

特定秘密保護法 強行採決(2013年12月)
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「日本を普通の国に」という言葉を耳にするたびに、彼らはアメリカをモデルに話しているのだと思いますが、
それは安全保障国家、監視国家を意味しています。
より秘密主義で透明性が乏しい国家を意味しているのです。

また、核兵器近代化のビジネスへと向かう国家を意味し、
さらに、アメリカ支援を意味しているのです。

1945年から今日に至る70年間の、アメリカの軍事政策を見ると、ひどい大失敗でした。
その一つがベトナム戦争です。
ベトナム戦争は本当にひどい戦争で、行う必要のない戦争でした。

それから9月11日の同時多発テロ事件への対応をテロとの戦いの名の下にイラクへの軍事介入を行い
(イラク戦争 2003年〜)、それらがさらなるテロを引き起こしました
「イスラム国」なる国家を名乗る集団(イスラム国の興隆 2014年〜)も、アメリカの行動から生まれたものです。

普通の国」は将来何をもたらすのでしょうか?
ドローン(無人攻撃機「プレデター」)、無人機による戦争です。
日本の保守派は大歓迎するかもしれませんね。
テクノロジーは日本の得意分野ですから。

「強い味方になれる」と。
「標的だけを正確に攻撃することができるのだ」と。
「これなら我々も戦いに参加できる」と。

けれども、ドローンによる戦争を行えば、テロリストの数はさらに増えるでしょう。

「普通の国」とは今日「精度が高い戦争」を意味するのです。
ドローンやハイテクを駆使した戦争です。

私には日本の保守派のこんな姿が目に浮かびます。
「この流れに加わるんだ」と安倍総理がそれについて言及すると、
「どんな武器なら製造や輸出ができるのか」といった議論が起きています。
狂った状況ですよ。


しかし、その狂った状況は、アメリカが発信源なのです。
私は日本がそうした意味での「普通の国」になることを望んではいません。
なぜならば、日本は様々な意味で素晴らしい国だからです。
日本には戦争を経験したことで学んだことを、戦争の教訓を、スポークスマンとして広く発信して欲しいのです。

日本の方々が憲法を変えたいのならば、それもできるでしょう。
憲法9条だけじゃなく、前文も変えることができるでしょう。
けれども、そこに書かれている理念は、大変に素晴らしい理想です。
私は多くの日本人がその理想を共有していると思いますし、
アメリカがとっくの昔に忘れ去ってしまった尊いものです。

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日本人の多くがそれらの憲法の理想を共有しています。
それを書き換えたいというのなら、それもいいでしょうが、
憲法こそが先の第二次世界大戦から得た財産です。
日本の財産であり、日本の財産になったのです。


終章
日本の若者たちへのメッセージ


ジョン・ダワー:
私は50年以上に渡って日本を見つめてきました。
日本は素晴らしい国だと思います。
日本は本当に素晴らしい国で、誇るべきものを数多く持っています。

伝統文化もその一つです。
今は経済問題を抱えていても、素晴らしい国です。

日本を訪問し、そこに暮らす人々や彼らの暮らしに触れると、
とても心地よいものがありますし、魅力を感じることも数多くあります。

日本は終戦当時の感情を今日まで大切に受け継いでおり、
私はその姿勢に敬意を表したいと思っております。
戦争は本当に悲惨な出来事でした。
終戦のとき私たちは、その悲惨さを痛切に感じました。
私たちは、それぞれが他の国に対してひどい行いをしました。
あのような戦争は二度と繰り返してはなりません。

私は日本でごく普通の人々が書き残した文献や主張について研究したことがあるのですが、
私がいた1960年ダイヤ70年代には市民運動が日本各地で起きていました。
「公害反対運動」や、「アメリカのベトナム戦争に反対する市民運動」などが起きていました。
さらには「核兵器反対運動」なども盛んでした。
私はそうした運動には敬意を払います。
日本がベトナム戦争に直接引き込まれなかったこともとても良かったと思います。

ただ、私たちの世代が持っていた理想は今は無くなってしまいました。
日本には行き過ぎた愛国主義者たちが存在しているので、
戦争が日本にもたらした結果や、日本人がアジアで行ってきたことに真摯に向き合えなかったのです。
そして未だに真摯に向き合えていないのです。
それは自虐的だ。
あるいは東京裁判しかりだ、などと言って。
しかしながらあれは、本当にひどい戦争でした。
二度と繰り返してはなりません。

戦後70年というこの機会に、私たちは
「あれはひどい戦争だった」という声にもう一度耳を傾けるべきです。

「かつての日本にあった理想や希望が今ではなくなってきたのでは」と感じるときがあります。
そのことを、とても悲しく、虚しく感じます。

日本には「アメリカのミニチュア版(Little America)」になって欲しくありません。
絶対にならないで。
そうなったら最悪ですよ。








<リニア新幹線>「もしトンネル内で止まったら?」「その場合はお客様同士で助け合っていただきます」〜河川の水枯れ〜4/13樫田秀樹氏 岩上安身単独インタビュー(文字起こし)

「世界で初めて時速600kmを超えた」ということで、また最近チラチラッとニュースになっているリニア新幹線。
だけど、なぜか、リニアに関しては、いいことしか言わない。
日本のメディアはどこでも、その速さだけを「すごいすごい」と報じ、マイナス面に関しては一切何も言わない。
日本の中心である南アルプスを掘ってしまうというのに、そのことに関して全く何も言わない。
とても不思議だ。



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2015年4月13日(月)19時 
樫田秀樹氏 岩上安身単独インタビュー



岩上:
トンネルをとにかくやるっていう話なんですけれどもね。
これは山梨県の上野原市の、これは非常口。
非常口というのはこれはどうなんでしょう?
リニアが通って、それを通すトンネルが通って、
そしてそこから、何か問題があったときに脱出する為の出口というような意味ですか?

樫田:
そうです。
工事中は資材をここから入れて。

岩上:
なるほど、搬入する。
営業開始後は脱出口になると。
しかし、「86%もがトンネルのリニア」と。
車両が緊急停止したらどう脱出するんだろうか?と。
JR東海は「お客様同士で助け合っていただきます」と。


樫田:
そうです。
これは、ある住民説明会で私が質問したことなんですね。
つまり、「最悪の場合を趣味レーションしているんですか?」って質問したんですね。
例えば私が考える最悪っていうのは「真冬の南アルプス」豪雪地ですね。
その地下のトンネルでもし緊急停止して、どうやって1000人の乗客を誘導するんですか?
と。

岩上:車両の事故とかということがあって、

樫田:そうです。

岩上:
リニアといえば僕らは鉄道のイメージがあるんですけど、
あれは浮いているわけですよね。

樫田:そうです10cm。

岩上:
10cm浮いているわけですよね。
仮にこれが緊急停止ということになると、もしかすると。
ある種の低空飛行、飛んでいるようなものですよね。
高速で飛んでいる飛行機が、わずか10cmですよ。
それが着陸するようなもんじゃないですか!

摩擦も起きるでしょうし。
イメージとしては摩擦も起きるしね、火事とかが起きるんじゃないかとか、
いろいろ僕はイメージしちゃいますけどね。


樫田:イメージは大事ですね。結局JR東海は

岩上:
なんていうか、鉄道というときちんと着地しているわけですから、
脱線というのは問題ですけど、緊急停止という場合はギューって止まって、決して落ちるわけじゃないですよね。
ちょっと、恐いなと。

樫田:
もちろんリニアが走る時と止まる時は一応タイアが出し入れはあるみたいなんですけど、
それにしてもなんらかの電気系統の事故があって、途中で、

岩上:出なかったらどうするんだとかね。

樫田:
それで「もし、トンネルのど真ん中で止まったらどうするのか?」と。
そういうことを私は質問したんですよ。
そうしたら彼らの答えがこうですね。
「その場合は、お客様同士で助け合っていただきます」と。
それは人間ですから、

岩上:助け合いますけどね。

樫田:助け合いますけど、それを前提にしちゃあ、ちょっと違うなと。

岩上:
しかも、86%がトンネルで、しかも山岳地帯。
”ものすごく深い”じゃないですか。
この深いトンネルからいつでもどこの地点においても、事故が起こっても
「すぐ近くに脱出口がある」っていうぐらいの数が用意されていると言えるんでしょうか?
例えばエレベーターがあるとかね。
そういうものはあるんでしょうか?

樫田:
エレベーターに関しては、都市部はある。
都市部については地下40mぐらいのところで掘っていきますから、エレベーターなんかは設置されるようです。

岩上:駅ですよね。

樫田:でもこういった山岳部なんかにはそういったものは作りませんから、

岩上:深いんでしょ?山頂から。

樫田:
一番深いところで1400m。
ま、そんなエレベーターは作れっこありませんから、
そういったところは横に非常口を掘って、横に斜めに。

岩上:山腹みたいなところに出られるようにすると。

樫田:そうです。これはまさしくそうですね。

岩上:どの位の距離を歩かなければいけないんですか?

樫田:非常口はですね、

岩上:場所によってでしょうけどね、

樫田:
違いますね。
JR東海は5kmおきと説明していますけど、よくよく地図を見ると、
5kmのところもあれば、短い2kmのところもあるんですけど、
長いところは15kmとか20kmというところもあるんです。
ただ、そのど真ん中だったら10kmですね。
10km歩くと。

岩上:それは地中を歩いていくわけですね。

樫田:
そう。
歩いてもまだここには着かないと。
トンネルとの分岐点に着くまでが5kmですね。
そこからさらにこの非常口用のトンネルを歩くということです。


岩上:ここまで上がっていかなければいけないわけですね。

樫田:上がる、斜めに行けば、階段かなんかがあるんでしょうね。

岩上:それはどの位なんですか?

樫田:
ここの場合で、本線まで5〜600mと言われていました。
ただ他の場合はまた違います。
建設の、地理の状況で500mのところもあれば1kmのところもある。
ま、まちまちです。

岩上:
やっぱり一番の不安はこのトンネルの中での火災の事故ですよね。
その時には、先ほどね、落ちるようなものじゃないかと言いました。
いろいろ技術的なリカバリーがあるのかもしれませんけれど、
車両の火災というのは、これは従来型の鉄道であろうと、車のトンネルであろうと、起こってますよね。
そういう場合は大変な凄惨な事故になる可能性があるわけですよね。

樫田:あります、はい。

岩上:
トンネルがそんなに長くなければ脱出もそんなに多くならないし、
消火もスムーズにいくわけですけど、
ものすごく長いトンネルだったら、それだけ困難が付きまとうわけですよね。

樫田:
そうです。だからそういったシミュレーションを出して欲しいんですよ。
「火災の時はどうするのか」とか。

岩上:それは答えるんですか?そういった質問に。

樫田:いいえ、具体的には全然答えませんね。

岩上:いやこれは怖いですよね、どうやっても

樫田:
都市部の場合はね、下半分を道路にしますとか、
山岳部の場合は横に道を設定しますぐらいの説明はしますけど、
どういった体制で、どういった係員が、どう対応するのか、という説明が無いんですね。


岩上:
なるほどね。
これ、直近で起こったものですから、先ほど急遽ちょっと挟んだんですけど、

つのる不安〜青函トンネル事故を事例に
・4月3日、青函トンネルで車両から火花が出て発煙する事故が発生
・乗客124人はトンネル内2.4キロを歩き、ケーブルカーで地上に逃れた。
・リニア中央新幹線のトンネル対策は十分なのか?


青函トンネルでも事故が起きたと、4月3日ですよ。

樫田:そうですね。

岩上:
つい最近である。
青函トンネルで車両から火花が出て発煙する事故が発生と。
そして乗客124人はトンネル内を2.4キロ歩き、ケーブルカーで地上に逃れたと。
リニア中央新幹線のトンネル対策は十分なのか?って、やっぱり思わざるを得ないですよね。


樫田:
この事故でここ(リニアのトンネル対策は十分か)をちょっと思っちゃいましたね。
これが幸いだったのは、非常口の近くで止まったからよかったけど、
これが青函トンネルのど真ん中で止まっていただどうなっていたか?ですね。
しかもこれだけの距離で5時間とか6時間もかかっているわけですよ、脱出まで。


岩上:
これがやっぱり、青函トンネルというのも長いトンネルですけれども、
しかし、リニアは空前ですよね。
東京ー名古屋ーしかも関西大阪間のそのほとんどがトンネル。
長大なトンネルを走っているようなもので、
ここでしかも非常に大深道であると。
「どうするんだ」とやっぱり考えざるを得ないですよね。
乗る人もやっぱり不安なんじゃないか、って。

樫田:
そうですね、だから100%安全なものって多分できないと思うんです。
だから、事故が起きることを想定して、
「こうやって皆さんを助けますよ」ってシミュレーションを見せて欲しいんですよね。
だけど無い!
だからみんな不安なわけですね。


岩上:
JRっていうのはね、世界一安全で、これまでで大きな事故を起こしたことがない。
ま、JR西日本は大きな事故がありましたけれども、
「新幹線はない」っていうことが売り物だったんじゃないかって思うんですけれども、
そういう安全と信頼のブランドを持っているJRが、すくなくても新幹線のさらに次世代型の夢の超特急で、
このリスクについての説明、情報公開、アカウンタビリティー(Accountability:説明責任)というものが不十分であるというのは、これは日本国内で済む話だからいいだろうというのでは済まされないですよね。
おかしいですよね。

樫田:おかしいですね。

岩上:
こういうことがまた報じられないのもおかしい。
思わざるを得ないです。


8:17

岩上:
2番目です。
「河川の水枯れ」
これっていうのは、なかなかこれはパッとは思いつかないことなんですけど、
1997年の4月に山梨県で走行実験。
先ほど写真で紹介しましたけれども、
あの実験線がスタートすると、それだけで周辺河川や沢が次々と枯れ始めたと。
これは現地取材もされているようですけど、どんな感じだったんでしょう?

樫田:
最初は住民の方からメールが着まして、
私のブログを読んだと。
「僕の家の近くの川も枯れているんで見に来てください」というメールがきたんです。
その時は「水がチョロチョロ状態なのかな」と思っていたら、完璧に流れてない!

岩上:そうなんですか

樫田:砂漠になっているわけです。

岩上:枯れ砂漠

樫田:
本当に、一滴も流れていない。ビックリしました。
つまり、実験線にしろほとんどがトンネルなわけです。
やっぱりそのトンネルを掘ったことで地下水の

岩上:「水脈を断つ」ということですか。

樫田:断ってしまったんですね。

岩上:
99年9月、山梨県大月市朝日小沢地区ですか、簡易水道の水源が枯渇してしまったと。
これは報告されているんですね。
2009年山梨県笛吹市御坂町では、2008年に実験線の延伸工事が始まると、町の一級河川「天川(てがわ)」が枯れてしまった。
トンネル内で異常出水が起こり、
これ、一方では枯れておきながら、トンネルの中では異常出水が起こっていると。
JR東海はそれを天川に戻しているんですか?

樫田:
ポンプアップして戻していますね。
つまり天川というのは地元の農業者の方々の農業用水でもあったわけですね。
さすがにこれは因果関係を認めて、ポンプアップをして水を戻しています。

岩上:
しかも、トンネルの中で異常出水ということは、今後も考えると怖いですね。
さっき火の話をしました。
けれど、水が出る可能性もあるんですね。

樫田:
まあこれはリニアに限らずトンネル工事をやれば出水は必ずあります。
だからまたね、南アルプスの話になると思いますけど、
出水ってチョロっとと流れているんじゃなくて、本当に人が流されるぐらいのそういった異常出水も、ある。


岩上:
南アルプスの天然水って、よくペットボトルで売られているんですけれども、
それのイメージで言うと、天然の水瓶。
山全体が天然の水瓶みたいなイメージがありますよね、新鮮な水があって。
今までそうしたトンネルが掘られたり、人の手が入るっていうことが無かった山なんですね?

樫田:
無かったです。
本州の中で唯一横断する人工の建築物が、鉄道とか道路とか、そういうものが無い、
そういった山、山岳地帯なんですね。

岩上:
手付かずで残ってきた。そこに穴を開けると。
そういう意味では環境問題にもなるわけですよね。


樫田:なります。

岩上:
2011年夏、上野原市。
無生野地区の簡易水源である「棚の入沢」が枯れた。
棚の入沢という川なんですね、沢が枯れてしまったと。
尺サイズのイワナやヤマメが泳いでいた沢だったけれど、これも枯れてしまった。
笛吹市役所によるとリニア工事が始まったことにより緯度が枯れたという意見が数10件寄せられたと。
これはまだまだ続いていて、これはごく一部だと。

樫田:ごく一部だと思います。

岩上:
これから、要するに東京から大阪に至るまで、30年かけてこんなことをやっていくわけですから、
至る所で起きていくかもしれないと。

樫田:そうです、そうです。

岩上:
それだけ、やっぱり桁違いな大きなトンネルを掘っているっていうことなんでしょうね。
これも非常に大きな問題ですね。

樫田:
今の笛吹市の三坂町。

リニア1

岩上:
実験線のトンネル工事。
トンネル内が光っているのは出水しているから。
あ、向こうですか。

樫田:
そうですね。
こっちは道路が走っているんですけど、
道路にはですね、ここからの水がダーーッと、川のように流れてきていました。
暗い中を水が流れてきていましたね。
こうやって水が流れることによってどこかが枯れるわけですね。

岩上:
なるほど。
水がただ出てきてそれだけの話じゃないと。
どこかが枯れてくるという。

樫田:
もうプラマイゼロですね。
どこかが出てどこかが枯れる。
いま御説明のあった棚の入沢ですね。
これはある自治体の広報誌の表紙を飾った写真なんですけど、2005年に撮影された写真です。

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岩上:これが枯れちゃっているんですか!?

樫田:そうです。

岩上:「魚釣りのメッカだった」って。

樫田:これが枯れたんですね。

岩上:ほぉ。

樫田:今もこっち(右)はちょろっとだけ流れているんですけど、もう、枯れましたね。

岩上:
リニア実験線のトンネル工事が始まると2011年に沢が枯れる。
これはなんか大変な。
やっぱり生態系なんかにも大きな影響が出てくるんじゃないですかね。

樫田:
もうね、魚はいなくなる。
虫もいなくなる。

岩上:
それから、この水を使っている住民の方たちがたくさんいらっしゃるわけですから、
影響が出ますよね?

樫田:
そうです。
ここはもともと地元の方々の簡易水道の水源だったわけです。
ですから、ここへの補償として井戸を掘っています。
井戸を掘って、井戸から水を汲み上げる電気代の補償もやっています。
ただしそれは30年間だけです。

30年間だけ。

岩上:それは工事の後だけじゃないですか。営業開始したら止まっちゃうんですか。

樫田:
それは国土交通省が書いた通達があるんですよ。
こういった「水枯れが起こった場合は補償期間は30年間」
つまり、「31年目からはあなたたち自分でやりなさい」っていうことですね。

岩上:ほー。しかもその水がずーっと出続ける保証とか、そういうことの見通しとか誰もわからない

樫田:わからないです。

岩上:
わからない。ですよね。
あーなんか、生活が破壊されていく感じがします。

リニア3

樫田:
これは今の滝から50m〜100mぐらい下流ですね。
これは、元川だったところです。

岩上:川だった!

樫田:ええ。

岩上:これは道路かなと一瞬思いましたけれども、道路じゃない。

樫田:川です、川です。

岩上:尺サイズのヤマメやイワナが泳いだ川が砂漠化しちゃった!

樫田:
ええ。
彼が私にメールをくれた地元の若者ですけど、本当に悲しんでいました。


岩上:
JR東海はトンネル工事との因果関係を認め、代替補償の井戸を掘り、揚水に必要な電気代を負担と。
国交相の通知に従い30年間だけと。
いや、なんか、ただ非常に機械的な話ですよね。
この、「補償が30年間のみ」という話ですが、
工事を担当したのは、独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」
そういうところなんですね、JR東海ではないんですね。
現場事務所は取材に対して「水枯れの原因は水脈を予測できなかったから」と回答。
因果関係が認められたなら、JR東海と「鉄道建設・運輸施設整備機構」は井戸掘削、代替水の補給・水道補給にかかる電気代の金銭補償をしなければならない。
でも補償期間は30年。
31年目からは自前で水を補給しなければいけない。
なるほどね〜。
静岡県の場合。
この河川水枯れの話がちょっと続きますけれども、大井川。
大井川といえば大変水量の多い大きな川というイメージですけど。
えっ!?「大井川の流量が最大毎秒2トンも減る」
大井川は細ちゃうんですか?これは大変なことですよねえ。

樫田:
そうですね。
これは先ほど説明した環境影響評価準備書、2013年9月に出ました。
こういった環境アセスメントをやりましたという報告書です。
その中にこういった予測があったんです。
これを読んでですね、静岡の人たちはビックリしたんですね。



岩上:自分たちは関係ないと思ってたんですか?

樫田:
関係ないと思ってたんです。
静岡県というのは唯一駅もできなければ何の施設もできないところなんですね。
わずか11km通るだけですから。


岩上:一応通りはするけれどもかすめるだけですか

樫田:
かすめるだけです。
だからほとんど静岡県は「関係ないよ」と思ってたんです。

岩上:「山梨を通るよね」というイメージだったんですね。

樫田:
ところが大いに関係があると。
というのは、

岩上:上流を通っちゃうんだ。

樫田:太平洋に近い7市2町の水歴飲料と全く同じ量なんですね。

岩上:毎秒2トンというのはそんなに重大なことなんですね。

樫田:そうなんです。

岩上:
毎秒2トンだとピンとこないんですけど、「毎秒」ですからね。
秒って、そう考えてみたら大変な水量ですよね。

樫田:
そこの7市2町の首長たちが本当に焦ったんですね。
「生活用水はどうなるんだ」と。
「農業用水、工業用水どうなるんだ」と。
で、静岡の場合はお茶が有名ですよね。
お茶というのは私も聞いた話ですけど、
「大井川のもや・霧。あれが良い茶葉を作ってくれる」と

岩上:
水量豊かな川が蒸気を作ってくれると。それがうっすらとモヤを作る。
それは要するに湿り気をもたらすわけで、その湿り気がお茶にいい。

樫田:
いい茶葉を作ってくれると。
それがどうなるか?っていうね、それはお茶業界にとっても大変。

岩上:
パサパサになるかもしれない。
潤いがなくなってしまうかもしれない。
あー、なるほど。
静岡県でリニアは県北部に無人の南アルプスを11km通過するだけと、ほどんどの人がリニア計画に無関心。
ところがJR東海が「大井川の流量が毎秒最大2トン減る」と準備書に記載したから、各自治体はビックリしたということなんですね。
今説明のあった太平洋側の7市2町には独自の水源は乏しく。
独自の水源が乏しいわけですね。

樫田:そうです、なかには100%が大井川という自治体もありますから。

岩上:じゃあ、枯れちゃったら大変なことになりますね。

樫田:大変なんです。だから冗談じゃないんです。

岩上:
毎秒2トン減るというのも、絶対かどうか?
根拠とかセンサとか今後どうなるとか全くわからないわけでしょ?

樫田:
そうです。
そもそもなぜ2トンという数字が出てきたのか?
この計算根拠が書いてない!


岩上:書いてない。それは質問しても出てこないんですか?

樫田:「2トン以上じゃないの?」と疑う人もいます。

岩上:
だいたい今の工事だって、ごく一部始めただけで「イヤイヤ予測と違った」と言っているわけですから、
これから実際に進捗していくと予測通りじゃなかったことが起きる可能性はいくらでもありうる

樫田:
あります。
JR東海は「何もしない場合は2トンだ」と。

岩上:
ちょっと待ってください。
JR東海はリニア沿線に位置しないという理由で、これらの自治体に対して説明を行っていない」
ビックリですね、これ。

樫田:
これはですね、さっきの報告書とか準備書とか、JR東海が作るこんなに分厚い報告書ですけど、
それは一応ですね、関係市町村には送るんですよ。

岩上:通過するところにですね。

樫田:
ところが、この7市2町には、もうリニアのルートから遠く外れているから関係市町村ではないということで、そういった報告書も準備書も送っていません。
だから住民説明会も行っていません。
ですからその準備書が出たときにですね、

岩上:こういう人たちは伝え聞いてびっくりしたんですね?

樫田:
そうです、伝え聞いたんですよ。
「市長さん、これこれこういうことが載ってるよ」ということで、それでびっくりしたんですよね。


岩上:
いやあこれも、先ほど原発の話もちらっとね、関係あるし、色々と似通った点がありますよと言いましたけれども、ちょっと似通っていますよね。


樫田:そうです。

岩上:
関係立地自治というのは非常に狭く取られているんですけど、
いざ事故が起こったり問題が起きたりすると実は非常に広域に影響すると。
まだ事故が起こったわけではない。
これから作ろうという段階で、やっぱり巨大工事なんですね。
垂に、非常に広域のエリアに影響が出るということがもうわかっている。


ーー

JR東海 葛西敬之会長
葛西 敬之(かさい よしゆき、1940年10月20日 - )
日本の実業家、東海旅客鉄道(JR東海)代表取締役名誉会長
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リニア14

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【内容情報】
総事業費9兆円。この史上最大の鉄道事業は、その問題点をほとんど報道されることなく着工目前まで来た。東京・名古屋間の286キロのうち86%の246キロがトンネルになることで発生する水枯れの可能性、処分方法の決まらない膨大な建設残土、掘り当てるかもしれないウラン鉱床、1日に1700台ものダンプカーが12年も走る村、10年以上も続く騒音と振動と土ぼこり、喘息、生活と交通阻害、生態系の劣悪化、立ち退き等々。今からでも遅くはない。JR東海は関係者、特に住民を軽視せず、徹底議論を図るべきだ。


2015年4月4日 樫田秀樹さんの講演




ーー


<報道自主規制か圧力か>メディアが報じない”リニア新幹線の危険性”
某月刊誌での連載を基に構成、すでに3千部を印刷し、さぁ翌週には書店に並ぶぞというタイミングで、その出版社の上部組織である某大学から「待った」がかかったのだ。

大学曰く、「本校において、研究者や卒業生で鉄道関連の事業に携わる者もいる。(リニアを批判する)この本の内容が大学の意図と思われるのは困る」。

そして出版停止。3千部刷られた本は日の目を見ることなく断裁されてしまった。

せめて、校正段階での出版停止ならわかるが、印刷後の出版停止はどんなベテランジャーナリストに尋ねても「極めて異例」との反応だった。本当に大学側の言い分だけが理由のすべてなのか…あるいはなんらかの圧力があったのか、未だ真相はわからない。

ー略ー

NHKの会長人事が安倍首相やそのブレーンである葛西敬之・JR東海名誉会長に握られていることを把握している。首相の経済ブレーンである財界人の集まりが「四季の会」で、その幹事役を務めるのが葛西名誉会長なのだ。

リニアという超巨大事業は、公共放送にもまるで問題点を報じられることなく、不都合な真実を検証すらされず着々と推進されている。




「リニア新幹線狂気の計画」 文字起こしブログ
動画はこちらにあります↓
<リニア新幹線狂気の計画ー1ー>
「間違いなくこれは浜岡と抱き合わせの計画だ。
これはもう間違いなくね、このままいくと我々はもう殺されますよ」広瀬隆氏(文字起こし)



<リニア新幹線狂気の計画ー2ー>
「97%反対止めます。っていうのが普通でしょ?どんどん決定していくんですよ」
広瀬隆氏(文字起こし)


<リニア新幹線狂気の計画ー3ー>
「一部の利権者が動き出して、これは遊びなんです。最後に失敗するんですから」
広瀬隆氏(文字起こし)


<リニア新幹線狂気の計画ー4ー> リニアの電磁波問題
「これはきちんと理解したらみんな乗りませんよ、怖くって」
広瀬隆氏(文字起こし)


<リニア新幹線狂気の計画ー5ー> 電磁波を浴びる利用者の利便性
「日本人の誰も、高い金を払って時速500キロで景色も見えない鉄道が宙に浮いたまま、
目が回るような高速度で目的地に到着したいとは思っていない」 広瀬隆氏(文字起こし)


<リニア新幹線狂気の計画ー6完ー> 「運転手がいないんですって」
リニアは乗客の命を考えない、とてつもなく危険な鉄道である 広瀬隆氏(文字起こし)


広瀬隆さん長野県富士見町2011年9月20日講演(内容書き出し)




<狂気>リニア中央新幹線試乗会
「ただすぐにトンネルに入ってしまいました」9/22 TOKYO MX(文字起こし)



「採算は取れない」と自ら言っているのになぜトンネルを掘るの?
アルプルに穴を掘りたい理由が別にあるのではないかと勘ぐりたくなる。
防空壕にする?
核のゴミ捨て場にする?


<福島原発事故>今も緊急事態宣言は解除されていない〜「もし、私が安倍さんであれば、まず真っ先にやることは子供たちを汚染地帯から避難させるということです」小出裕章氏4/25日本外国特派員協会(全部文字起こし)

Hiroaki Koide: "The Trouble with Nuclear Power"

FCCJchannel 日本外国特派員協会 2015年4月25日


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福島第一原子力発電所の事故からすでに4年が経ってしまいました。
日本政府、あるいは東京電力の発表される報道というものは、非常に限られたものだし、
誤りに満ちたものだと私は思ってきました。
今日は、福島の現状がどうなっているか?ということをかいつまんで聞いていただこうと思います。

ご存知だと思いますが、これが事故を起こした福島第一原子力発電所の写真です。
一番右にあるのが1号機、次が2号機、次が3号機です。

小出2

1号機、2号機3号機は2011年3月11日に運転中でした。
そして地震と津波に襲われて原子炉の「炉心」と私たちが呼んでいる部分が溶け落ちてしまいましたし、
その過程で、水素という爆発性の気体が噴き出してきて、爆発して、原子炉建屋が吹き飛んでしまった、という時の写真です。

一番左にあるのが4号機ですが、これは2011年3月11日に運転していませんでした。
すべての燃料も、炉心にはありませんでした。
そのため炉心が溶けるということは「なかった」のですが、
なぜかこの原子炉建屋でも水素爆発が起きまして、このように建屋が吹き飛んでしまいました。

4号機の燃料は炉心から取り出されて、使用済み燃料プールというプールの底に移されていたのですが、
そのプールは、今この写真で写っている原子炉建屋の、全て壁が抜けてしまった4階という階に埋め込まれていました。

たくさんの放射性物質が原子炉の運転によって生み出されてきているのですが、
その中で私が一番人類にとって危険を加えるだろうと思っているのは、セシウム137という放射性物質です。

この4号機の半分壊れた原子炉建屋の中に、使用済み燃料プールが宙づりになっているのですが、
そのプールの底には広島原爆に換算すると、約1万4000万発分のセシウム137が含まれていました。
それがプールの底で発熱を続けているわけで、プールの水が干上がってしまって、燃料が溶けるようなことになれば、「東京すら放棄するしかない」と当時の原子力委員会の近藤駿介委員長が報告書を出しました。

記者のみなさんはご記憶かもしれませんが、当日から数日間にわたって、
自衛隊のヘリコプターが福島第一原子力発電所に飛んで行って、上空から水を落としたことがありましたし、
東京消防庁は放水車で現場に駆けつけたこともありましたが、
それらはこの4号機の使用済み燃料プールの中に、なんとかして水を補給しなければ東京が壊滅するという、そのためでした。

そうしながらすでに4年が経ってしまいましたが、これもみなさんご記憶かもしれませんが、
2011年という事故が起きた年には、民主党という政権が政党を握っていました。

12月になって当時の野田首相という方が「事故収束宣言」というのを出しました。

私はその時にも「冗談を言わないでください」と思いました。
事故からずでに4年経っていますが、残念ながら事故は全く収束できないままです。

先ほど聞いていただいたように、運転していなかった4号機の場合には、使用済み燃料プールに、広島原爆に換算すれば1万4000発分ものセシウム137が眠ったままだったのです。
危機がずーっと続いていて、一刻も早くそれをなんとかしなければいけない状態でした。
そして、その危機に関しては東京電力も国も十分に知っていて、
一刻も早く危機を除去しようと努めてきました。
そして2013年の11月から、使用済み燃料プールの底の燃料を運び出す作業をようやくに始めて、
2014年、昨年の11月に使用済み燃料プールから燃料を取り出して、
少し危険が少ないであろう、隣の共用プールというところに移動を終えました。

このことに関しましては、私は本当にホッとしました。
この作業が曲がりなりにも終わったということで、東京を放棄しなければいけないという自体は、たぶん避けられただろうと私は思います。

しかし、それで危機が去ったわけではありません。
先ほど聞いていただいたように
2011年3月11日に運転していた1号機から3号機は、原子炉が溶け落ちてしまったわけですが、
その溶け落ちた炉心が、今現在どこに、どのような状態で存在しているか、誰もわかりません。

なぜなら、4年経った今でも現場に行くことができないからです。
人間が行けば即死します

そのため、ロボットを行かせようとしているのですが、ロボットも放射線というものに関しては大変弱いので、送り込んだロボットはみんな戻ってこられないという状態ににっています。

4年経っても現場に行くようなことができないという事故は、原子力発電所以外には決して起きないという、そういう過酷な事故です。

仕方がないので、これ以上炉心を溶かすことはできないというので、ひたすら4年間水を注入し続けています。
しかしそんなことをすれば、送り込んだ水が放射能で汚れた汚染水になってしまうということは避けようがありません。
今現在も毎日300トンから400トンというような放射能汚染水が増加しています。
それをなんとか環境に出さな(いようにしな)ければいけないということで、労働者が福島第一原子力発電所の現場で苦闘しています。

その労働者たちはもちろん東京電力の社員ではありません。
下請け孫請け、そのまた下請け、孫請け。
8次、9次、10次というような、多重な下請け関係の中で、
労働者が賃金を受け取る時には最低賃金にも満たないというような労働者が現場で苦闘しています。

皆さんもご存知だろうと思いますが、1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所の事故の場合には、
60万人とも80万人とも言われる軍人、退役軍人、労働者、一部は囚人と呼ばれるような人たちが、
事故の収束作業に狩り集められました。

この日本でそれだけ大量の労働者を確保できるか?といえば、多分出来ないだろうと思いますし、
今現在もすでに外国人労働者が大量に福島に連れてこられています。

今現在、日本というこの国は自民党という政党が政権を取っていて、安倍さんという人が首相をやっていますが、
安倍さんは「何よりも経済最優先だ」ということで、オリンピックを誘致しようとしています。
そのために「福島第一原子力発電所はアンダーコントロールだ」と彼は言ったわけですが、
残念ながらいまだに苦闘は続いていますし、
これから労働者がどんどん被曝をしながら、何年も何十年も戦わなければいけないという、
そういう状態になってしまっています。

労働者の苦闘によって、これから環境に放出する放射性物質の量をなんとか少なくしなければいけないと私は思いますけれども、残念ながらすでに大量の放射性物質が環境に放出されてしまいました。

今この瞬間も福島県を中心にした汚染地帯で、人々が被曝をし続けているわけですが、
その状況はこれから何年も、何十年も、あるいは何百年も続かざるを得ないという状況になっています。

小出5

これが福島第一原子力発電所の上空からの写真です。
1号機、2号機、3号機、4号機が、北から南に並んでいます。
そのほか、5号機と6号機がもう少し北に2基あったのですが、
この2基は、本当に幸いなことに、非常用発電機の1機が生き延びたために、原子炉の炉心が溶け落ちるということは防がれました。
そして1から4の、この部分の炉心が溶けたり、あるいは使用済み燃料プールが危機に陥ったりしたわけです。
そして大量の放射性物質が噴き出してきて、あちこちにお汚染を広げている。
そして、水をかけ続けているので、放射能汚染水が増加しているわけですが、
それを東京電力はとにかくタンクを作って溜め込もうとしてきました。
それがここに、一群のタンク群としてどんどんどんどん膨れ上がってきているという状態です。
今現在50万トンを超える放射能汚染水がこの中に溜まっています。

何れにしても福島第一原子力発電所の敷地には限りがありますので、
タンクの増設も無限にできるわけではありませんし、
あまり遠くない将来、「東京電力は放射能汚染水を海に流す」という、そういうことになるだろうと私は思っています。

そしてこういうタンクは、ほとんどが応急タンクです。
きちっとしたタンクを作ろうとすれば、労働者がどんどん被曝をしてしまいますので、
応急タンクしか建設できないという状態できていますし、
あちこちで漏れが進んでいます。

その上、壊れてしまった原子炉建屋、タービン建屋などにも汚染水がたまって、
そこからどんどん、日常的に放射能汚染水が敷地の中に漏れてきてしまって、
今現在福島第一原子力発電所の敷地全体が、放射能の沼のような状態になってしまっています。

東京電力は福島第一発電所の中の敷地の中にある井戸水を分析していましたが、
去年の10月に撮った井戸水の分析結果を東京電力が公表しました。
その結果、「セシウム134が1リットル当たり6万1000ベクレル入っていた」と公表しました。
セシウム137が1リットル当たり19万ベクレル
全ベータと私たちが呼んでいる放射性物質は、1リットル当たり780万ベクレルあったということです。

日本の法律で環境に放出が許されているような、これらの放射性物質の濃度は、
セシウム134の場合は、1リットル当たり60ベクレル。
6万1000ベクレルに比べれば1000倍というような、そういう濃度のものが井戸水にありました。


セシウム137の場合の環境に放出してもいい濃度は1リットル当たり90ベクレルですから、
この場合には2000倍以上というようなものが、もう井戸水の中にあふれてきてしまっているというような状態です。


さらにこの全ベータと呼んでいるものの正体は私はストロンチウム90だと思っていますが、
ストロンチウム90の環境に放出していい濃度は1リットル当たり30ベクレルでしかありません。
ですから、何十万倍というような猛烈な放射能を含んだ汚染水が敷地の中にあって、それが井戸としてくみ上げられているという状態です。

こういう危機がこれからずーーっと続いていくし、
その危機を少しでもなんとか乗り切るために労働者が被曝を続けるということになるわけです。

その上もっと困難な課題が残っています。
それは、溶け落ちてしまった炉心をこれから一体どうするか?ということです。

東京電力と国は、その溶け落ちた炉心をいつの時点かで外につまみ出して、安全に保管するという工程表を書いています。

これが東京電力が示した工程表のスライドで、日本語で大変申し訳ないのですが簡単に説明させていただきます。

小出6

東京電力の説明によると、
「溶け落ちた炉心は原子炉圧力容器の底に一部が残り、そして格納容器の床の上に饅頭のように堆積している」
と彼らは主張しています。

今現在は格納容器という、放射能を閉じ込める最後の防壁として設計されたこの容器もすでに破壊されてしまっていて、いくら水を入れても中に水が溜まらないという状態になっています。

東京電力はいつの時点かで圧力容器の底に残っている燃料と格納容器の底に落ちた燃料を上方向に取り出そうとしています。

しかしこの状態で圧力容器の蓋を開けてしまうと、大量の放射線が下から上方向に飛び出してきてしまって、全く作業ができません。
そのため東京電力は、
「今は壊れてしまっている格納容器をまず補修して、格納容器全体に水が張れるようにする」と言っています。
その上で上の方から機器を下に挿入していって、圧力容器の中にある燃料、あるいは格納容器の中に饅頭のように溜まっていた燃料を上につかみ出す、というのが東京電力と国の計画です。

しかし、「こんな作業は決してできない」と私は思います。

何よりもまずは、穴の空いた格納容器をきちっと調べることが困難を極めていますし、
「どこに穴が空いているか」ということがわかっても、それを補修することすらできないだろうと思います。

仮にその補修ができて、水が格納容器の中に蓄えられるようになったとしても、
実は、溶け落ちた燃料は格納容器の床の上に饅頭のように堆積しているということは決してないと私は思います。

事故は非常に過酷な状態でドラスティック(drastic)に進行したわけで、
溶け落ちた燃料は、もうそこらじゅうに、格納容器の中に散らばってしまっている。
あるいは既に格納容器の床を突き抜ける。
あるいは横方向を突き破ってそこらじゅうに散らばっていると私は思いますので、
この絵にあるように、上方向から機器を入れて掴み出せる燃料の量などというものは知れていると思います。

そのことは原子力の専門家であればみんなわかるはずだと私は思いますし、
最近になって福島県の新聞がこのような記事を出しました。

1

今聞いていただいたように、
溶け落ちた燃料が圧力容器の真下の格納容器の床の饅頭のように溜まっているようなことはなくて、
「もうそこらじゅうに散乱してしまっている」と、国の方の研究者も認めているという、そういう情報です。

結局、溶け落ちた燃料を取り出すことはできないと私は思いますし、
チェルノブイリ原子力発電所でやったように
「石棺」というもので封じ込めるしかないと思います。

しかし、1号機、2号機、3号機にも4号機と同じように使用済み燃料プールがあって、
そのプールの中に、未だに使用済みの燃料が沈んだままです。
それをなんとかして掴み出さない限りは、石棺を作ることすらができません。

1号機2号機3号機の使用済み燃料プールの底から、燃料を少しでも危険の少ない場所に移すまでに、
何年かかるのか?私にもわかりませんし、東京電力も国も、ほとんど分かっていないだろうと思います。

その石棺を作る作業に作手するわけで、一体石棺というものが何年後にできるのか、それすらがわかりませんし、たぶん私は死んでしまっているのではないかと私は思います。

仮に石棺ができたとしても、皆さんがご存知の通り、
チェルノブイリ原子力発電所では、29年経った今、はじめ作った石棺がボロボロになって、第二石棺というものを作ろうという作業が進んでいます。

チェルノブイリで壊れた原子炉はたった1基ですけれども、
福島第一原子力発電所では少なくても1号機2号機3号機という3つの原子炉が溶け落ちてしまっているわけで、
これから何十年、あるいは何百年という期間に渡って、放射能を閉じ込めるという作業をしなければいけません。


これがこれから戦いを続けなければいけない課題ですけれども、
すでに放出されてしまった放射性物質にどうやって向き合うか」という課題も現に存在しています。

福島第一原子力発電所の事故でどれだけの放射性物質が環境に放出されたか?ということに関しては、
日本国政府がIAEA国際原子力機関に報告書を出していますので、その数字を今から見ていただこうと思います。

私が見ていただくのは、
先ほど聞いていただいたセシウム137という放射性物質がどれだけ放出されたかというデータです。

小出8

左の下にいま黄色い四角を書きましたが、これは1945年8月6日に日本に落とされた広島原爆が、どれだけのセシウム137を大気中に放出したか、というデータです。
黄色の四角の大きさでそれを表しています。
数字はテラベクレルという単位で示した放射能の量です。

福島第一原子力発電所の場合には
「1号機だけで広島原爆の6発分から7発分のセシウム137を大気中に放出した」
と日本国政府が言っています。

一番大量に放射性物質を吹き出したのは2号機だと国と東京電力が言っています。
3号機もやはり吹き出させて、
当日運転中だった1号機2号機3号機を合わせると、
「広島原爆が放出したセシウム137の168発分を環境にばらまいた」と、日本国政府が言っているのです。

そしてこれは待機中にばらまいたセシウムだけであって、
先ほど聞いていただいたように、今現在も放射能汚染水としてどんどん海へ流しているという、事故が進行しているわけです。


つまり、福島第一原子力発電所の事故というのは、
広島原爆の何100発分というような放射性物質を環境にまき散らし、
今現在も撒き散らし続けている事故だということです。


大気中に吹き出してきた放射性物質はどうなるか?といえば風に乗って流れるだけです。

結局どんな腑に放射性物質が汚染を広げていったか?というと、
これはフランスの研究機関のデータですけど、こんな風に汚染を広げたと考えられています。

小出9

ここが日本で、赤いところが一番汚染の強いところで、その周りに黄色いところが東北地方関東地方にありますが、少し汚染の少ないところ。
それから青いところがありますが、ここが汚染のもっと少ないところです。
汚染の程度は右に書いてありますが、赤が一番汚染が強い。
黄色が汚染が少ない。
だんだん汚染が少なくなってくるに従って青くなるという色分けをしてあります。

もちろん日本の東北地方関東地方は猛烈に汚れているわけですけれども、
日本というこの国は北半球温帯という地域に属していて、上空では偏西風という強ーい西風が吹いています。

そのため福島から吹き出してきた放射性物質は偏西風に乗って太平洋の方向に流れていって、
北アメリカ大陸の西海岸を強く汚染しています。

一つの事故がその現場だけではなくて地球全体に及ぶような汚染を引き起こす。
というようなものも、やはり原子力発電所以外には起きないはずだと思います。

ともあれ日本国内は強い汚染を受けました。
上空では偏西風が吹いていたとしても、
地上では南風の日もある、北風の日もある、東風の日もあるわけですから、
東北地方を中心として、このような汚染が生じたと日本国政府が地図を公表しています。

2

赤、黄、緑と色分けしたこの地域が猛烈な汚染を受けた地域で、
今現在も10万人を越える人達が故郷を追われて流浪化してしまっています。

そのほかにも汚染はもちろん生じていて、青く塗ったところ、あるいはくすんだ緑で塗ったところというのがあちこちにありますが、こういうところは一番汚染が少ないところでも1平方メートルあたり3万ベクレルを超える放射能で汚れています。

日本には放射能に関する法律がたくさんありまして、
放射能を取り扱う場所は、放射線管理区域という地域に指定して、その中で厳密に取り扱えということになってきました。
その放射線管理区域から何か物を持ち出す時には、1平方メートルあたり4万ベクレルを超えているようなものはどんなものでも持ち出してはいけないというのが日本の法律でした。

放射線管理区域というのは普通のみなさんが立ち入ることすら禁じられる場所ですし、
私のような職業的な労働者であっても、中に入ったら最後水すらが飲めないという、そういう場所です。

放射線管理区域の外側には、1平方メートルあたり4万ベクレルを超えて汚れているようなものはどんなものでも存在してはいけないというのがこれまでの法律だったのですが、
この青いところは1平方メートルあたり6万ベクレルをすでに超えてしまっていますし、
くすんだ緑のところも3万ベクレルから6万ベクレルという汚染を受けているのです。

日本が法律を守るというのなら、およそ1万4000平方キロメートルに及ぶ場所を放射線管理区域にしなければいけないほどに汚れていると、日本国政府自身が地図に示しているのです。

しかし日本国政府は原子力緊急事態宣言を出して、
「今は緊急事態だから法律を守らなくてもいい」ということにして、
人々をこの汚染地に捨ててしまったのです。


今、「放射性セシウムが大気中に放出されたのは広島原爆の168発分ぐらいだと日本国政府が言っている」
と私が言いました。
その量が1万5000テラベクレルという放射能の単位です。

その大部分が偏西風に乗って太平洋の方へ流れていきました。
そして一部分が、日本の東北地方関東地方に降り注いだわけですが、
その量は約2400テラベクレルです。

今私は放射能の単位でセシウム137の量をみなさんに聞いていただいたのですが、
このセシウム137を重量にする、重さで測ったらどのくらいになると思われるでしょうか?

福島第一原子力発電所が撒き散らしたセシウム137は、全量でも、4.7kgしかありません。

日本の東北地方関東地方を中心に、広大な地域を放射線管理区域にしなければいけないほど汚染したセシウム137の重量は、わずか750gです。

3

放射能は人間の五感で感じられないとよく言われますけれども、当たり前です。
感じられるほどの放射能があれば人間なんて簡単に死んでしまうという、そういう生き物なのです。


そういう汚染の中で今、福島を中心にして、人々が被曝をし続けているわけですが、
なんとか被曝を少しでも少なくしたいと言って、
自分の家の周り、学校の校庭、とかいうところから、土を剥いで集めています。
もちろん田畑の土を全部剥ぎ取るということもできませんし、
山の線を剥ぎ取ることもできないのです。
ごくごく一部の汚染を剥ぎ取って、こういう袋に詰めて積み上げてきています。
何千万袋というような袋が、汚染地帯にこんな形で積み上げられて、
どんどんどんどん、今現在も増えてきてしまっています。

4

しかしこれは袋ですので、どんどんどんどん破れてきます。
実際にはこのように一度は詰めたつもりでも、中から植物が袋を突き破って外に出てくるということになっていて、

5

この袋をこれから一体どうやって管理をしていくのか、ということは今の課題になっています
し、
これから何十年も何百年もこういう放射能に向き合わなければいけないという状態になっています。

時間を大幅に消化してしまいましたが、
福島の事故は未だに進行中だということを皆さんにもわかっていただきたいと思います。
終わりにします、ありがとうございました。


質疑応答
小出4

https://youtu.be/nCbXX3DURd0?t=1h1m37s

バレーンの大使:もし先生が安倍首相だったらどういう対策を取りますか?この問題に対して。

小出:
対策はたくさんやらなければいけないことがありますが、
まずは汚染水というものの増加を防がなければいけないし、その環境への漏れというものを防がなければいけません。
そのためにやるべきことは、私は二つだと思っています。
まずは、これまではひたすら水を注入することで、溶け落ちた炉心をこれ以上溶かさないということをやっていたのですが、水での冷却ということを諦める
私の場合は金属というのを候補としてあげていますし、場合によっては空冷も可能だと思っていますので、それをまずやるべきだと思っています。

次には、すでに敷地の中が放射能の沼のようになってしまっていると私は先ほど聞いていただきましたが、
その沼のような水が環境に出ていくことを防がなければいけませんので、
原子炉建屋周辺に、地下にダムを張り巡らせるということをやらなければいけないと私は思って、
2011年5月からその主張を続けています。

そのことは国も東京電力も最近になってようやく気がついてきて地下にダムを作る。
ただし、そのダムは凍土壁という土を凍らせて作るんだということを公表しています。

しかしその凍土壁というのは深さが30m、長さは1.4kmというような凍った壁を作らなければいけないわけで、そんなものは決してできないと私は思います。

やはりコンクリートと鋼鉄の遮水壁、ダムを作らなければいけないと思いますし、早急にそういうような形で対策を講じていくべきだと思います。

ご質問に対して今はあまりにもテクニカルなお答えになったかもしれませんので、もう少し基本的なことをこれからお答えしたいと思います。

事故は残念ながら起きてしまいました。
そしてその日に原子力緊急事態宣言というのが出されて、
4年以上経った今も緊急事態宣言は解除されていないのです。
だからこそ、日本の法律では許されないような場所に「人々を捨てる」というようなことも今現在行われているのです。

日本の国家にとって一番大切なことは、自分が出した原子力緊急事態宣言というものを撤回できるように最大限の努力をするということだと私は思いますし、
オリンピックなどと浮かれている場合では今はないのだと思います。

ご質問では「私が安倍さんだったら」という過程でご質問をいただきましたが、
もし、私が安倍さんであれば、まず真っ先にやることは「子供たちを汚染地帯から避難させる」ということです。

やらなければならないことは山ほどあって、全てお答えすることはできないと思いますので、
まずこれでよければ次のご質問に移りたいと思います。

1:07:47

フリー藤田:
フリーのジャーナリストの藤田裕行と申します。
サリーという科学者の団体がありまして、
例えばオックスフォード大学のウェード・アリソン先生、「放射能と理性」という本を出されていますけれども、そういった科学者の知見を聞きますと、
年100mSv程度の低線量放射線は健康に害を及ぼすどころか、むしろガンが減るとか健康にいいとか、
そういうことを言われているんですね。
その観点に立つとですね、もちろん除染も必要ないし、
子供達は学校の校庭で外で元気よく遊んだらいいし、汚染水も全然ためる必要がないと。
「どんどん、すぐ全部海に流したらいい」と
放射線が、今すごい放射線量が空気中に出たといってもですね、「放射線は低線量で全然健康に問題はない」と。
「癌にもならない」というようなことになるんですが、
そういう、ま、結構そういう人が増えているんですよ、今。
その辺はどう思ってらっしゃるんですか?

小出:
あまりにも愚かな主張だと思います。
人類が放射線を発見したのは1895年で、それ以降たくさんの放射線被曝と健康への影響が積み重ねられてきました。
その結果、現在の学問の到達点としては、
「被曝というものはどんなに低いものであっても必ず健康に影響がある」
というのが現在の学問の定説なのです。
だからこそ、この地球上でほとんどすべての国に「放射線の被曝に関する法律の規制がある」という、そういうことになっているわけです。

日本の場合も、「被曝には危険が伴うから、一般の方々は1年間位1mSvしか被曝をしてはいけない」という法律があるわけだし、私のような放射線業務従事者という労働者であっても、「1年間位20mSv以上の被曝はしてはいけない」ということを法律で定めているわけです。

それが全く間違いで「被曝は健康にいいんだ」というのであれば、法律でそういう制限を撤廃するというのがまずはじめにやるべきことだと私は思いますし、世界中の国々がそういう法律を決めている以上は、法律の定めによって国をきちんと運営するというのが、国の責任だと私は思います。



ーおまけー 藤田裕行さん
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南京虐殺否定を無断加筆 ベストセラーの翻訳者 
2014/05/08 19:00 【共同通信】

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共同通信の取材に答える英国人の著者ヘンリー・ストークス氏=7日、東京都千代田区

米ニューヨーク・タイムズ紙の元東京支局長が、ベストセラーの自著「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」(祥伝社新書)で、日本軍による「『南京大虐殺』はなかった」と主張した部分は、著者に無断で翻訳者が書き加えていたことが8日明らかになった。

英国人の著者ヘンリー・ストークス氏は共同通信に「後から付け加えられた。修正する必要がある」と述べた。翻訳者の藤田裕行氏は加筆を認め「2人の間で解釈に違いがあると思う。誤解が生じたとすれば私に責任がある」と語った。

同書はストークス氏が、第2次大戦はアジア諸国を欧米の植民地支配から解放する戦争だったと主張する内容。「歴史の事実として『南京大虐殺』は、なかった。それは、中華民国政府が捏造したプロパガンダだった」と記述している。

だがストークス氏は「そうは言えない。(この文章は)私のものでない」と言明。「大虐殺」より「事件」という表現が的確とした上で「非常に恐ろしい事件が起きたかと問われればイエスだ」と述べた。

藤田氏は「『南京大虐殺』とかぎ括弧付きで表記したのは、30万人が殺害され2万人がレイプされたという、いわゆる『大虐殺』はなかったという趣旨だ」と説明した。

だが同書中にその説明はなく、ストークス氏は「わけの分からない釈明だ」と批判した。

同書は昨年12月に発売、約10万部が売れた。ストークス氏単独の著書という体裁だが、大部分は同氏とのインタビューを基に藤田氏が日本語で書き下ろしたという。藤田氏は、日本の戦争責任を否定する立場。ストークス氏に同書の詳細な内容を説明しておらず、日本語を十分に読めないストークス氏は、取材を受けるまで問題の部分を承知していなかった。

関係者によると、インタビューの録音テープを文書化したスタッフの1人は、南京大虐殺や従軍慰安婦に関するストークス氏の発言が「文脈と異なる形で引用され故意に無視された」として辞職した。(共同=ベン・ドゥーリー、木村一浩)





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約1年後に800兆ベクレルのセシウム137が北米沿岸に到達…そして20~30年かけて日本沿岸に戻る(青山道夫教授)

北米沿岸に8百テラベクレル着へ 原発事故で海洋放出セシウム
47News 2015年4月24日

【ウィーン共同】
東京電力福島第1原発事故で海洋に放出された放射性セシウム137の約5%に当たる800テラベクレル(テラは1兆)が北米大陸の西海岸に到達するとの研究結果を福島大学環境放射能研究所の青山道夫教授がまとめ、24日までにウィーンの学会で発表した。約1年後にはほぼ全量がたどり着くという。

日本の原子力規制委員会は、100テラベクレルを放出する大事故の発生確率を原子炉1基につき100万年に1回以下に抑える安全目標を決めているが、今回の数値はその8倍に相当する。

2015/04/24 17:22 【共同通信】



福島大学環境放射能研究所の青山道夫教授


メバルの濃度は加齢と関係 福島大環境放射能研が報告
(2015年3月20日 福島民友ニュース)

青山道夫福島大環境放射能研究所教授(地球化学)は19日、富岡沖で採取したメバルの放射性セシウム濃度を調べたところ、筋肉に取り込まれた放射性セシウムが年齢とともに増加していたとの調査結果を発表した。青山教授は「なぜ年齢とともに増加するのか説明できれば、漁業再開につながる」と、研究を進める考えを示した。
 
同大で同日開かれた同研究所の成果報告会で示した。青山教授によると、本県沖のほとんどの魚種で放射性セシウム濃度は低下しているが、メバルなど特定の魚が現在も高い傾向を示している。漁業再開に向け原因解明を求める声が上がっていた。
 
青山教授によると、若いメバルの放射性セシウム濃度は低かったが、4歳を超えたメバルは高かった。青山教授は「年を取って(放射性物質を体外に排出する)代謝が下がったのか、濃度が高いものを食べているためなのかは今後の研究だが、加齢が関係していると話した。




2014.03.20 青山道夫教授のインタビュー記事
2014年3月6日、青山道夫福島大学環境放射能研究所教授が韓国聯合ニュースのインタビューに答え、聯合ニュースのウェブサイトに掲載されました。
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=104&oid=001&aid=0006816463
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=101&oid=001&aid=0006816464
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東京都千代田区衆議院第一会館で福島原発事故の影響などについて説明する青山道夫教授。

環境放射能研究所が日本語に翻訳しましたので、以下に掲載します。
東京電力の放射線量測定水準は0点
(東京=聯合ニュース=李世元特派員)青山道夫福島大学環境放射能研究所教授は東京電力の放射性物質測定水準について「基本がなっていない」と批判した。

青山教授は20日、聯合ニュースとの電話及び書面インタビューで「放射能を測定した場合、毎回同じ数値が出ることはない。例えば100ベクレル±5ベクレルのように不確実性を表記しないといけないのに、東京電力はそうしていない」と指摘した。

「測定方式によって後ろに付く±数値が変わり、これを見ればどういう作業をしたかが分かる」という。「大学1、2年生で放射線量測定を学ぶ時に、必ず不確実性を付与しなければならないと教わる。もし学生のレポートだと東京電力は0点」と酷評した。

教授は、ゲルマニウム半導体検出器を利用して放射能を測定する時、もともと自然界に存在する放射能の影響を考慮をしなければいけないのに、東京電力は1年半の間過ちを続けて来た、と主張した。

また、ベータ線を測定する時、ある程度の放射能があると一種の飽和状態になり放射線量が過少評価されるのに、これに注意しないで間違った数値を公表してきたと語った。

実際に東京電力は今年初め、高濃度放射性物質がきちんと測定されていないという事実を認め、再検査方針を明らかにした。

教授は東京電力が放射性物質を汚染水形態で数十万tも保管することも深刻な問題だと話した。
「固体のほうが液体より封印することが簡単。水溶液の状態で保管すると漏水の危険がつきまとう」として「水溶液が一番保管が難しくて危険だということは常識」だと指摘した。


青山教授は2013年9月、気象庁気象研究所主任研究員としてIAEAフォーラムに出席し、福島原発で放射能物質であるセシウム137とストロンチウム90に汚染された水が一日に約600億ベクレル太平洋に放出されていると事態の深刻性を指摘して注目された。

東京電力原発事故対応問題
(東京=聯合ニュース=李世元特派員)福島大学で環境放射能を研究している科学者が東京電力の福島原発事故の対応について、深刻な憂慮を表明した。

気象庁気象研究所から、2014年に福島大学環境放射能研究所に移籍した青山道夫教授は、東京電力が公表した各種放射性物質測定値の正確性に疑問を感じると20日聯合ニュースとのインタビューで明らかにした。

教授は放射性物質に対する不安感に関連して、消費者が自身の食べ物を自由に検査出来るシステムが必要だという意見を提示した。
現在、日本の一部の自治体は自家消費を目的として栽培した作物が一定の要件を充足すれば放射性物質検査を受けられるようにしている。しかし、消費者が流通業者から購買した食品を検査することは現実的に難しいからだ。

(IER補足:各自治体に多少の違いはあるが、予約が必要で、(1)1kg以上、(2)細かくみじん切り、あるいはフードプロセッサーしたものが対象となる。山菜・野生の肉魚・地下水の検査が可能な自治体もある。なお、購入した食品は検査対象外である。 )
次は青山教授との一問一答

-東京電力の放射性物質測定能力が非常に低いとお話されましたが、その理由をお聞かせください。

▲東京電力が不確実性を付与して公表していないからです。ゲルマニウム半導体検出器でマリネリ容器(放射線量計側に使用する容器)を使用して測定する時のバックグラウンド評価の方法も間違っています。また、標準物質によるチェックを行っていません。ベータ線を計側する時、ある一定以上の放射能があると飽和状態になって過少評価されるのですが、その時注意をしないで測定して過少評価された数値を公表したからです。

-バックグラウンド評価とは何でしょうか。

放射性物質を測定する際に、数値の差を計算して放射能の量を把握することです。例えばマリネリ容器に放射能汚染水を入れて測定した数値から、汚染されていないない水を入れて測定した数値を引く方式です。放射能は自然状態ではゼロにならず、あらゆる物質、更に容器にも放射能があるからこのようにします。東京電力は1年半もバックグラウンド評価をきちんとしませんでした。

-不確実性を表記しなかったというのはどういう意味でしょうか。

▲大学1、2年生の時、放射線計測を学ぶ時に必ず不確実性を考慮するべきだと教わります。同じ放射線を10回測定するとそれぞれ違う数値になります。例えば100ベクレルを測定すると、95ベクレル、105ベクレル・・・・と、このような値がでます。なので100ベクレル±5ベクレルという方式で不確実性を表記しなければなりません。しかし東京電力はこのようにしていません。測定方式によって後ろに付く±数値が変化するので、これを見ることでどういう作業をしたか分かります。もし学生のレポートだと東京電力は0点ですね。

-福島第一原発から放出される放射性物質の量に変化はありますか。

▲福島第一原発5・6号機排出口の(放射性物質)濃度には変化がなく、相変わらず1m³当り1000ベクレルで漏水が続いています。放出されている放射性物質の量や種類に変化があるかどうかは東京電力の測定に疑問があるので厳密な論議ができない状態です。

-昨年、国際原子力機関(IAEA)が多核種除去設備(ALPS)で除去出来ないトリチウムが含まれた汚染水の処理に関連して、海洋放出を検討すべきだと報告しましたが、どうお考えですか。

▲海に放出しないで解決が出来るなら、間違った情報伝達や心理的不安を起こさせないので、放出しない方が良いですが、現実的に放出しないことは難しいだろうと考えます。その際、少なくとも海水や海産物の正確なトリチウム測定ができる体制を整える必要があります。

-日本の食品についての放射性物質管理をどのように評価しますか。

▲福島県は食品の放射能検査体制が世界的に高い水準だと言えます。一人一人の不満を無くすという点からは測定値の公表だけでなく、(消費者が)食品の放射性物質測定を自由に出来るようにしなければなりません。私はなんの心配もしないで流通しているものを食べていますが、信じない人もたくさんいます。やはり目の前で自分が食べるものを測定できるようにすることが重要でしょう。私は科学的に不必要だと思いますが。

-汚染水による影響は福島第一原発の港湾内の0.3km²範囲内で完全にブロックされている、という安倍首相の発言をどう評価しますか。

▲政治家の発言は科学者の言葉ほど正確に使用されないため評価の対象ではありません。現在の最大のリスクは原子炉の中に残っている溶けた燃料ですが、これに関してはあまり正確に伝わっているとは思いません。

-福島原発事故収束のための国際協力は十分でしょうか。

▲言葉の問題や、官僚の問題に対する認識の違いが国際協力の障害となっていると思います。日本国外から見ると、国際協力が不十分なことは明らかです。特に日本の情報提供に問題があります。資料の大部分が日本語で、英語の資料はごく一部しかありません。

-日本政府が避難者の帰還を急いでいるようですが。

▲汚染除去が簡単なことではないというのはセシウムの化学的性質から明確です。帰還をどうするかは、実際の放射線量だけの問題ではなく社会の生活基盤をどのように再構築するかの問題であると思います。




外洋に1日600億ベクレル放出 福島第1の放射性物質
日本経済新聞 2013/9/19 1:50

【ウィーン=共同】東京電力福島第1原発の汚染水問題を巡り、気象庁気象研究所の青山道夫主任研究官は18日、国際原子力機関(IAEA)の科学フォーラムで、原発北側の放水口から放射性物質のセシウム137とストロンチウム90が1日計約600億ベクレル、外洋(原発港湾外)に放出されていると報告した。

東電は「法定基準以下の濃度と確認して放水しており問題ない」としており、事故後に海洋モニタリング調査を続けてきた青山氏も濃度については1リットル当たり1ベクレルで基準値以下との見解。しかし放出総量については法的な規制がない。東電には放水口から出る放射性物質の総量について詳細な説明が求められる。

青山氏は総量に注目し「この水の中に魚が生息すると放射性物質が濃縮され、日本の規制値を超える」と指摘したが、周辺海域への影響は「沖合では薄められ、漁業に影響しない」と分析した。

セシウム137の半減期は約30年、ストロンチウム90は約29年。1~4号機の原子炉建屋側からいったん港湾内に染み出た後、炉心溶融を免れた5、6号機の取水口から取り込まれ、北側放水口から外洋に放出されている。

青山氏の調査によると、第1原発の放水口から出るセシウム137は、事故後の2011年3月26日~11年4月7日は1日当たり約100兆ベクレルだった。その後、徐々に低下し12年初めごろから現在まで約300億ベクレルで推移。ストロンチウム90も現在、約300億ベクレル出ているとしている。



井上伸氏のインタビュー記事

福島原発の海洋放出セシウムは20~30年で日本に戻る、長期に渡る放射能汚染、原発つくれる場所ない日本
井上伸 (国家公務員一般労働組合執行委員、国公労連書記、雑誌編集者)
2015年1月5日 21時21分

201504
気象研究所による福島原発事故で大気中に放出された放射性セシウムの試算

毎日新聞が「ビキニ水爆実験:船員被ばく追跡調査 福竜丸以外で初」として次の報道をしています。

1954年に静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」が被ばくした太平洋ビキニ環礁での米国の水爆実験を巡り、厚生労働省が近く、当時周辺で操業していた他の船員について健康影響調査に乗り出すことが分かった。被災船は全国で少なくとも500隻、被災者は1万人に上るとされるが、国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった。当時の放射線検査の記録が昨年見つかったことを受けたもので、ビキニ水爆実験での被害の位置づけが大きく変わる可能性が出てきた。
出典:毎日新聞1月5日付「ビキニ水爆実験:船員被ばく追跡調査 福竜丸以外で初」



このビキニ水爆実験での第五福竜丸の被曝を契機に放射能観測をスタートさせた国立研究機関の気象研究所(私たち国公労連に加盟する労働組合がある研究所です。私は国立研究機関の担当です)の当時主任研究官の青山道夫さんに、私、インタビューしたことがありますので、その記事を紹介しておきます。(※2012年3月に行ったインタビューです。福島原発事故での放射能観測をめぐる青山さんの奮闘は、朝日新聞の「プロメテウスの罠」の第3章「観測中止令」においても取り上げられています)

福島原発から海洋に放出されたセシウムは
20~30年で日本沿岸に戻る


――放射能汚染は長期観測が不可欠
青山道夫氏(気象研究所地球化学研究部主任研究官)インタビュー

気象研究所は、半世紀以上に渡る世界最長の放射能観測を継続しています。東京電力福島第一原子力発電所で過酷事故が発生するなか、放射能観測の中核を担っている気象研究所の地球化学研究部・主任研究官の青山道夫さんにお話をうかがいました。

ビキニ事件を契機に放射能観測スタート
――気象研究所が放射能観測研究を始めるきっかけは何だったのでしょうか。また、どのような観測を行っているのでしょうか。

1954年3月1日、アメリカが南太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験によって、静岡の漁船・第五福竜丸が被曝しました。このとき、第五福竜丸の乗組員が被曝しただけでなく、海洋も大気も放射能で広く汚染され、日本列島にも「放射能雨」が降り注ぎました。このビキニ事件を契機にして気象研究所は1957年から海洋と大気の放射能観測研究をスタートさせたのです。ビキニ事件の当時、気象研究所にいた故三宅泰雄氏や故猿橋勝子氏をはじめとする研究者たちが、ねばり強く放射能汚染の実態を調査した結果によって、核実験による環境汚染の問題が広く認知されるようになったのです。

私は1984年に気象研究所に呼ばれ、放射能観測研究を託されることになり、現在は主に海洋汚染の問題を担当しています。海洋における放射能の観測は、太平洋を航行するさまざまな船に海水をくんで来てもらって分析します。大気については、気象研究所の敷地内(茨城県つくば市)に、大気中の微粒子をフィルターでつかまえる方法と、2メートル四方と1メートル四方の器に雨をためることで大気中に漂う微粒子を集める方法で、放射能を測定しています。

長期継続の放射能観測と実際の避難に役立つ拡散予測が必要
――1957年以来54年間にも渡って途切れることなく海洋と大気の放射能観測を行い、今後も継続していくことがなぜ重要なのでしょうか。

私の研究の役割を説明することで、継続した放射能観測の重要性が分かってもらえるかと思います。環境放射能についての私の仕事は大きく言うと二つあります。

一つは、核実験やチェルノブイリ事故、福島原発事故などで放出された人工放射能が海洋においてどうなっているかを研究する仕事です。人工放射能が、どれだけ海に降り注いで、どのように海洋汚染が広がっていくのかを観測によって明らかにするのです。放射能は長期に渡って地球規模の汚染をもたらしますから、観測自体も長期間継続的に実施する必要があるのです。

二つめは、長期に渡る観測を分析して、海洋の放射能汚染がどう広がるのかを研究し、さらに物質輸送モデルなどを使って再現計算を行うことです。1950年代や60年代の核実験での海洋の放射能汚染が30~40年でどう動いてきたかを分析すると、海洋の放射能がどう挙動するのかが分かります。地球環境が激変しない限りは同じ挙動をするので放射能汚染の予測モデルをつくることができます。日本だけでなく、世界にこれだけ多くの原発が存在する限り、私は世界のどこかで必ず原発事故が起きると思ってきました。

私は、岩波書店の雑誌『科学』1999年1月号に「動燃東海事故による放射性セシウムの関東平野への広がり」と題した論文を発表しています。この論文の中で「今回も示されたように観測データはしばしば人間が予測できないことを教えてくれるので、切れ目のない試料採取と観測・計測は事故時の評価とともに、事後の評価をおこなう上でも重要である」と述べるとともに、「事故が発生してから予測モデルを動かすのではなく、あらかじめ典型的な気象条件と放出条件を想定して、拡散予測をおこなっておくことも必要」と指摘していました。

また、アメリカや旧ソ連などが1945年から1980年にかけて実施した大気圏内核実験で降り注いだ放射性セシウム137の海中濃度が、日本近海で最近約10年間、ほとんど減らず横ばいのままであることが2010年10月に私の研究チームの分析で分かっています。約30年の半減期のセシウム137の放射線が減少し続ける一方で、南から来る黒潮に乗ったセシウム137が再び流れ込み濃度が維持されているのです。

核爆発で成層圏に上った後、ジェット気流などに乗り日本列島の太平洋側とアメリカ東海岸に最も多く降下し、中国が最後に大気圏内核実験を実施した1980年以降は、1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故を除き、新たに発生する原因はありません。

ところが、海水を採取したところ2000年から2010年にかけて、日本列島の近くでは、黒潮に沿った深さ約400メートルの海中で海水1立方メートル当たり2.0~2.5ベクレルのセシウム137が検出され続けました。

過去の核実験で日本列島の太平洋側に降下したセシウム137は海中に沈み、太平洋を東に移動します。途中で西に方向を変えた後、フィリピン沖で折り返し赤道に沿って東方向に進んでいるのですが、この折り返し地点で一部が黒潮に乗っていることが判明したのです。

こうした放射性物質の移動状況を参考にして、原発事故が起きたときの被害の広がりを予測することができるのです。

科学者の社会的責任を果たそうとした仲間の奮闘が世界最長の観測を継続させた
――福島原発の事故直後の観測はどうだったのでしょうか。

福島原発からつくば市にある気象研究所は約170キロ離れていますが、3月15日以降は大気ダスト中の放射能は高過ぎてゲルマニウム半導体検出器による通常の測り方では無理になり、計測の方法を工夫しながら計測する状態が続きました。

そうしたなか、原発事故からまだ1カ月も経過していない3月31日に突然、放射能観測の予算が凍結され、半世紀以上も継続してきた観測が途切れる危機に直面しました。財務省が予算を緊急の放射線モニタリングに回したいとしたのが観測予算凍結の根本的な原因でした。

放射能による地球環境の変化は長年にわたって観測し続けることでとらえることが可能となります。まして福島原発事故という重大局面のなか、今もっとも必要とされている放射能観測をやめるわけにはいかないと私は思いました。予算がストップされてもお金を使わなくてもいいよう、分析は後回しにしてもサンプルだけは取り続けることにしました。

不幸中の幸いでしたが、海水採取を委託していた日本郵船の船は、予算凍結を連絡する前にすでに出航していました。

予算凍結の原因だった緊急モニタリングに対して補正予算が付くことになり、8月から予算が戻り、気象研究所の放射能研究は続けられことになりました。

福島原発のセシウム137は20~30年で日本沿岸に戻ってくる
――福島原発事故による海洋汚染は今後どうなるのでしょうか。

これまでに福島原発事故で海に流出されたセシウム137は、黒潮に乗って東へ拡散した後、北太平洋を時計回りに循環し、20~30年かけて日本沿岸に戻ると私たちは予測しています。

海に直接出たセシウム137は、5月末までに3,500テラベクレル(テラは1兆)と試算し、ほかに大気中へ放出された後に海に落ちた量が12,000~15,000テラベクレル程度あるとみており、総量は15,500~18,500テラベクレルで、過去の核実験で北太平洋に残留している量の二十数%に当たります。

私たちは、核実験後に検出された放射性物質のデータなどを基に、今回の事故で出たセシウム137の海洋での拡散状況を分析しました。福島県沖から北太平洋へ水深200メートル以下の比較的浅い部分で東へ流れ、日付変更線の東側から南西方向に水深400メートルを中心とした深さで運ばれることになります。フィリピン付近から一部は黒潮に乗って北上し日本沿岸に戻ります。

フィリピン付近からはインドネシアを通過してインド洋、さらに40年後には大西洋に到達する流れのほか、赤道に沿って東に進み太平洋の東端で赤道を越えた後、赤道南側で西向きに流れるルートもあります。

海への流出量は、東京電力が作業用の穴の割れ目などから約1,000テラベクレルが出たと当初発表していましたが、海水で検出された濃度などから流出量を試算したところ、東電発表の3倍以上となっています。

福島原発事故で放出されたセシウム137の全体像を把握するには、太平洋全域での高精度の測定が必要になっているのです。

地震と火山の巣の上に原発をつくるのは愚か
日本には原発をつくっていい場所はない
――最後に、科学者の社会的責任についてお聞かせください。

科学者・研究者の社会的責任は、科学的データをきちんと分析して、客観的な事実を事実として正確に伝えていくことにあります。とりわけ、原発事故の放射能の問題は「風評被害」などの実害が伴いますので、マスコミに対しては、研究結果が正確に伝わるよう科学者として解説などで補足する必要もあると思います。

そして、科学的な事実は隠してはいけません。日本政府は国民に事実を知らせると「パニックになるから」などという理由で隠そうとする傾向がありますが、これは愚民政策であり間違っていると思います。

あわせて、科学者・研究者の自由な発言や発表を制限することも大きな間違いです。

私と研究者仲間の3人で『ネイチャー』(世界的に最も権威ある科学誌の1つ)に論文「福島原発から出た放射性物質の海洋環境への影響」が掲載させることが決まっていたのですが、掲載直前になって発表することが制限されました。結果的には別の科学誌『エンバイロメンタル・サイエンス&テクノロジー』に昨年10月、掲載されましたが、こうしたことも大きな問題です。この論文で指摘したのは、福島原発から海洋に放出された放射能は過去の核実験より数桁高く、チェルノブイリ原発事故で黒海やバルト海が汚染されたレベルより少なくとも1桁高いということでした。

そもそも、日本列島という地震と火山の巣の上=ファイヤーゾーンに原発をつくるのは愚かだと思います。アメリカにしてもヨーロッパにしても、ほとんど周辺に何もない地震の少ない場所に原発をつくっています。安全をきちんと考えれば日本には原発をつくっていい場所はありません。もともと日本において原発を推進するのは無理なのです。私は、こうした科学的真理を社会に向けて伝えていくことが、本当の科学者の社会的責任だと思っています。

私は昨年度まで数年間、気象研究所の労働組合の委員長や学研労協の常任幹事などをつとめましたが、労働組合としても研究機関に働く研究者の社会的責任が発揮できるよう取り組みを強める必要があると思います。


――以上が当時気象研究所主任研究官の青山道夫さんへのインタビューです。



有識者から測定データに疑問の声 ~海洋モニタリングに関する検討会 第1回会合
IWJ 2013年9月13日

東京電力や環境省、原子力規制庁などが行っている福島県沖の海水・海底土モニタリングについて、その調査・分析方法などを検討する会合が13日、原子力規制庁で開かれた。この日の会合では、規制庁がまとめた測定データに対して、外部有識者からその信頼性を疑問視する声が相次いだ。

外部有識者の一人、気象研究所の青山道夫氏は、資料データの中に「不確かさ」の値がないことを問題視し、「学生のレポートなら0点だ」と厳しく批判。規制庁側に説明を求めた。それに対して、検討会の座長を務める、原子力規制委員会の中村佳代子委員は「いわゆる論文のレビューとは違うと解釈していただきたい」などと的外れの回答を繰り返した。(IWJ・大西雅明)








<福島第一原発>汚染水の対策・凍土壁の課題「凍らせるためには不凍液を使って動かさなければならないので、 年間20億と言われるような電気代がかかると言われております」4/13NHKラジオ 前半(文字起こし)

先読み 夕方ニュース
NHKラジオ第1 2015年4月13日放送

特 集
福島第一原発 難航する汚染水対策“凍土壁”の課題は?

東京電力・福島第一原子力発電所の汚染水対策の柱として建設が進められている“凍土壁”について、 3月中とされていた凍結の開始が、今月に遅れることになりました...

出演者:丸井敦尚さん
(産業技術総合研究所 地下水研究グループ長/汚染水処理対策委員会 委員)

キャスター
畠山智之
黒崎瞳
コメンテーター
二村伸




黒崎:特集、今日のテーマは福島第一原発の難航する汚染水対策についてです。

畠山:
お伝えする福島第一原発では、放射性物質によって汚染された水が増え続けているんですよね。
溶け落ちた核燃料がある原子力建屋に地下水が流れ込んでいるからなんですね。
そこで、地下水が入らないようにする工事が今進められています。
建屋の敷地を取り囲むように地下深く土を凍らせて、いわばシャッターのようにしようという工事なんですね。
土を凍らせて壁にすることから「凍土壁」とも呼ばれています。
しかし、先月から凍結を始める予定だったんですけど、未だに始まっていないんです。
何が作業のネックになっているのか?
そしてこのままの状態でいると何が起きてしまうのか?
政府の汚染対策委員の委員も務める専門家の方の聞きます、

黒崎:それではまず東京都内で聞いた皆さんの声です。

男性:
自分は福島のいわきなんですけど、
遮蔽壁とかね、いろいろやってはいるんだけど、
その都度何か、他から漏れちゃったりしているから、
だから、抜本的な対策ができていないんじゃないかなと思うんですけど。
一番困っているのは、やっぱり漁業関係の人でしょ?
ま、風評被害もたくさんありますから。
汚染水の出てくる量とか、海に排出されているものとかをね、
みんながわかるように監視をしていっていただきたいと思います。
対策についてどのくらい効果があるかどうか?っていうのは、
まだちょっとよくわからないところが多いと思うので、
筋道を立ててあらわして欲しいと思います。

男性:
いやぁ、一番懸念しているのはいっぱい溜まっている貯水槽。
大きな地震でも発生したらどうなるのか?と。

女性:
日本の政府がきちんとね、責任を持ってやっていかないと、
世界に対する信用問題にもなるので、
いくら口で言ってもね、やっぱり行動で示さないと、と思います。

黒崎:
ゲストは地下水の研究がご専門で産業技術総合研究所地下水研究グループ長の丸井敦尚さんです。
よろしくお願いいたします。

丸井:よろしくお願いします。

畠山:
丸井さんは国の原子力災害対策本部のもとにある「汚染水処理対策委員会」で、
東京電力に対して汚染水対策の実施方法の提言などを行ってらっしゃるんですけれども、
丸井さん、この凍土壁の計画なんですが、
凍結をスタートさせるのが3月だったんですが、今のところまだ始まっていません。
なぜ凍結が始められないんですか?


凍結が始まらないのは?

丸井:
はい、まずその理由の前にですね、
ちょっと一般の方にわかりやすく凍土壁とその周辺のことについて説明をさせてください。
おっしゃる通り凍土壁と言いますのは、土を凍らせる壁でございます。
シャッターのように水をシャットアウトするんですが、
「凍ってしまうから地下水が流れない」というところで、
地下水をシャットアウトする効果が非常に高いという理由で選ばれました。

で、その遅れている理由なんですけれども、
1号機から4号機の原子炉建屋があるのは皆さんご存知だと思うんですが、
そこからそれぞれ海側に向かって、
トレンチと呼ばれる大体1.5mぐらいの四角いトンネルが、建屋から海へ向かって通っています。
この中に配管や何かがあるんですけれども、
壁を作る際にそのトレンチが邪魔になって、壁を邪魔しているんですね。
ですので現在その壁を作る工事が、
建屋の海側で遅れているのが原因で凍土壁をスタートできないという状況にございます。


畠山:
今回この凍土壁の設計というのは、
原子炉建屋およびタービンなどがあるところの施設をぐるりと四方を囲むというような形ですよね。
そこを土を深く凍らせて、地下水が侵入しないようにしようと。
それの海側の部分がうまくいかなかった、ということですか。


丸井:
そうです、はい。
全長で約1500mあるんですけれども、
山側の部分、それから北側と南の横の部分ですね。
この部分については、もう、ほぼできております。

畠山:工事は完了している。

丸井:はい。

畠山:
工事が完了というのは、
「スイッチを入れれば土を凍らせ始めることが出来る」という状況になっていると。


丸井:
そうです。
凍結管というのは、これは三重のパイプなんですけれども、
真ん中のパイプに凍土用の不凍液が降りて行って、
それが外側のパイプのところを上がってきながら周りの土を凍らせる、深さ30m以上のパイプを大体1mぐらいの感覚で入れていくんですが、
山側と、北側南側の横の部分については、もうほぼ出来ております。

畠山:
あ、そうですか。
黒崎さん、この凍土壁っていうのは、言葉を初めて聞いたかもしれませんけど、
なかなか分かり辛いもの、

黒崎:
そうですね、字から見ると土を凍らせるというのはわかるんですけど、
どういう効果があるのか?っていうところがちょっと見えてこないんですけど。

丸井:
先ほどから申し上げましたように、
三重管の中を不凍液が回って、周辺の土を凍らせることによって、
山側から海へ流れていく地下水の流れをシャットアウトしまして、
1号機から4号機の建屋の中に地下水の侵入が、今毎日大体350トンぐらい入っているんですが、
その侵入を食い止めるというものでございます。

黒崎:ずっと電気を流して凍らせ続けなければならない、

丸井:
そうですね。
凍らせるためには不凍液を使って動かさなければならないので、
年間20億と言われるような電気代がかかると言われております。

地下水と冷却水

畠山:
あの、原子力施設の事故によって、核燃料が溶け落ちてしまったという状況がありますね。
そこの核燃料を冷やすための水というものと、
今おっしゃっていた地下水、流れ込む地下水というものは、同じものですか?別のものですか?

丸井:別のものです。

畠山:
別のものですね。
じゃあ、最初に原子炉で溶け落ちてしまった燃料を冷やす水というのは、
これはどこからかもってきている水で冷やしているということで?

丸井:
そうです。
循環水と申しまして、今は原子炉、どこか壊れているかもしれないんですが、
今後まずは凍土壁で地下水の流れを止めまして、原子炉建屋の中の水を抜いてですね。
その原子炉を覆って補修しまして、
そこから15年ないし20年かけて燃料を冷やそうという計画になっています。


畠山:で、いま凍土壁というのは、建屋の方に外から流れ込んでいる水を遮断すると。

丸井:はい、その通りです。

畠山:遮断しないと次の作業が進まないということですね。

丸井:そなんです、はい。

畠山:二村さん、この辺りってあれですよね、今後の計画にも大きな影響を与えるでしょうからね。

二村:
そうですね。
山側と、また海側ということもあるわけですよね。
その辺のところの、これから先どういうふうに進めていくのか?
あるいはどんな見通しが立っているのか?というのが、まだよくわからないんですけどね。

丸井:
はい、おっしゃる通りです。
現状では、
1号機から4号機の建屋の地下を地下水が通り抜けて、海側に汚染物質を運んでいる」というふうに言われております。
これは世界のみんなが心配していることでありまして、
この間もカナダの西海岸に事故当時の汚染物質が到達したなんていうニュースがありましたけれども、
そういった意味でも、今後全てをしっかりとシャットアウトして、それをみなさんにお示ししなければ廃炉は進んでいかないと思いますので、
まずは海側遮水壁と呼ばれる海岸部分にある壁をしっかり作りまして、地下水が海へ流れていくのを止める。
あるいは凍土壁によって、地下水が建屋の中に侵入していくのを止めて、
さらにその次のステップである循環冷却へ進んでいくということが考えられる。
ですから、まだやるべきことはたくさんあります。

遮水壁と凍土壁

畠山:今その海側の遮水壁という言葉がありましたが、その遮水壁と凍土壁とはまた別のものなんですね?

丸井:
海側遮水壁と申しますのは、大体同じように長さ30mぐらいあるんですけれども、
鉄のパイプをぴったりくっつけて海岸べりに打ち付けて、コンクリートで固めて、
水が完全に外に出ないようにするというものでございます。

畠山:その「水」というのはなんですか?

丸井:地下水です。

畠山:あ、同じ地下水ですか?建屋に流れ込んでいるようなものと考えていいんですか?

丸井:
福島第一原子力発電所は、東京電力のですね。
もともと35mぐらいの標高がある、海岸部にあるテーブル状の台地だったんですね。
そこを削っていろいろな建屋を作りましたので、
その台地の中にある地下水が、本来は海岸を通り抜けて海へ流れていくんです。
それが、第一原子力発電所の1号機から4号機の下を抜けていくのが、
だいたい毎日1000トンから2000トンぐらいと言われておりまして、
「その大量の水が海へ流れ続けていくのをまず止める」
というために海側遮水壁という鉄管の棒を打ち込んでコンクリートで固めるというものを作りました。

畠山:流れているその水には放射性物質は含まれているんですか?

丸井:
(放射性物質が含まれて)います、はい。
第一原発の1号機から4号機の下を通りますので、多少なりとも汚染はされています。

畠山:なるほど。

黒崎:
今、山側の工事がほぼ終わっているというふうなお話がありましたけれど、
そこから始めるということはないんですか?

丸井:
おっしゃる通り、地下水の流れを考えると上流側を止めたほうが効果的ですので、
まずは下の下流の方を、海側遮水壁を仮に止めてですね、前にあったようにダムアップしてしまったら元も子もないので、山側から止めていくというのはとても論理的です。
リーズナブルな回答だと思います。

汚染水流出

畠山:
海に流れていく汚染水のことについてはですね、こういうニュースがありました。
2013年の5月なんですけれども、
海に近い観測用の井戸で国の排出基準を大きく上回る濃度の放射性物質が相次いで検出された。
で、2ヶ月後に東京電力は高濃度の汚染水が海に広がっている可能性を認めたんですね。
経済産業省の試算によりますと、
「毎日およそ200トンあまりの地下水が、放射性物質が検出された井戸の周辺を通って汚染水となって港湾内に流出している」
というふうにされているんです。
で先ほど話しを進めた凍土壁というのは、
「原子力建屋およびその周辺に地下水が入ってこないようにするもの」ですよね。
それが「海の方に流れないようにするための壁も今作ってある」ということですね。
で、それによって汚染水が建屋の中にも流れ込まず、海の方にも流出しないようにする、という作業が今行われていると考えればいいですね?

丸井:さようでございます。

畠山:
で、その中で、いわゆる凍土壁という原子炉建屋およびタービン建屋などを、
ぐるりと取り囲む土を凍結させる壁というのを、凍結時期がちょっと遅れてしまっている。
それができない限りは、次の作業に進めないっていうことですよね。

丸井:はい、その通りです。

汚染水はタンクにあとどのくらい溜められる?

畠山:これ、そのままにしておくとどういうことが起きますか?

丸井:
毎日大体350トン程度、建屋の中に地下水が入り込んできますので、
その地下水を、現状ではくみ上げて、アルプスと呼ばれる汚染水処理の装置を使って綺麗の浄化しようという計画になっています。
ですから、凍土壁で地下水の流れを止めないと、汚染水は増え続ける一方なんですね。
当然、汚染水を貯めておくタンクにも限界がありますので、
いずれパンクしてしまうということになります。

畠山:
福島第一原子力発電所周辺の敷地には、上空から見ると大きなタンクがたくさんありますね。
汚染水をためるタンクだというふうに聞いています。
あれはどのくらい今あって、どのくらいまできているんですか?

丸井:
現状では、容量として80万トン分のタンクがあります。
現在60万トンの汚染水がたまっています。
敷地全体の中では、90万トンをちょっと超えるぐらいまでのタンクを作る面積・容量があるんですけれども、
あと10万トンぐらいタンクを作ったら、もう敷地の中がいっぱいになってしまうんです。
現状では年間13万トンぐらいずつ水が増えていますので、
このままのペースで行ったら、あと2〜3年でいっぱいになってしまいます。


畠山:
今の所はくみ上げて、それをタンクの方に移しているからということですよね。
そういう面からいっても建屋内に流れ込む地下水をなんとか止めなければいけない。

丸井:はい。

対処法

畠山:これを進めていくための最大のネックを解除するには何が必要なんですか?

丸井:
まず、地下水の流れを止めて、建屋の中に入らなくする、と。
汚染水の量を増やさないということが大切ですので、凍土壁を作ること。
それから地下水の元は雨ですので、
敷地の中に降った雨を、浸透させて地下水にしないことが今考えられています。

畠山:それはどういう方法があるんですか?

丸井:
それはですね、フェイシングと申しまして、
地面をコンクリートで覆ってしまって、雨水が染み込まないようにする方法。
それによって地下水を減らして流れる量を減らすということを考えています。

畠山:
そのフェイシングという、地下の方に雨水が染み込まない工法というのは、
もう作業は進んでいるんですか?

丸井:
大体敷地の中でもう70%ぐらいの面積を覆うことができています。
あとは建屋の、本当に汚染が酷くて、作業員がなかなか行けないところがいくつか残っていますが、
あのー、仕事は順調に進んでいます、今のところ。

海側凍土壁の工法

畠山:
そうですか。
で、ごめんなさい、先ほどの凍土壁。
これから作らなければ汚染水がどんどん増えてきてしまうんですが、
それがネックになっているのが、今、海側の方のトレンチという部分があって、
「そこの部分でうまく壁が作れなかった」って今おっしゃいましたね。
そこを乗り越えるためにはどういったことが必要なんですか?

丸井:
まず、通常の工法ですと、上から打ち込む3重管、凍結管をですね、
トレンチを貫通して打っていくんですけれども、
現在トレンチの中にも汚染物質がございますので、
それが漏れ出したら元も子もないから、いろいろな工法を考えています。
3重管を4重管5重管にしてですね、段階的に打ち込む方法などもありますし、
あるいはトレンチの部分を避けて、氷の壁を先に作ってしまって、
後から別の方法や何かで、トレンチの部分を凍らせるということを考えています。


畠山:そういったことは計画当初には想定はされていなかったことなんですか?

丸井:
もちろん想定はされています。
で、トレンチの部分全体の面積からいうと、2%〜3%ぐらいしか相当しないんですね。
だからトレンチの部分を外したとしても、97〜98%の壁はできますので、
ま、「概ね出来る」という考え方もございます。
あるいはまた、「完璧に全部できなければ水が完全に止まらないから、ダメじゃないか」という考えもあるので、
両方がせめぎあっているところなんですけれども、
まずはトレンチを抜いて、氷の壁を作ってしまって、
そのあと別の工法でやるという方法が、今検討されている
という状況でございます。

畠山:それはいつ頃できるんですか?

丸井:
まだ、えっと、規制庁の許可やなんかが得られておりませんので、いつとは申し上げられませんけれども、
これは先ほど言いましたように「汚染水を増やさない」という観点からは、
本当には1日も早く成されなければいけない問題です。


畠山:
そうですね、この問題についてはまだまだ聞きたいことがありますが、
後半にお話を伺います。


ーつづく
<福島第一原発>
タンクに入っている地上の汚染水〜トリチウムの処分方法
「薄めて海洋へ放出or地下深くに注入して地下水として」4/13NHKラジオ 後半(文字起こし)


ーーー

東電、福島第一原発「凍土壁」の試験凍結を申請
読売新聞 2015年04月09日 21時25分

特集 福島原発
東京電力は9日、福島第一原子力発電所1~4号機の周囲の土壌を凍らせて氷の壁を作り、地下水の流入を抑える「凍土壁」の試験凍結を原子力規制委員会に申請した。

認可が下りれば、東電は4月下旬以降、地中に埋設した凍結管に冷却材を流し、地中を凍結できるか調べる。

東電によると、試験凍結は、全長1・5キロ・メートルのうち、建屋の山側の凍結管22か所(計約70メートル)で実施する。冷却する凍結管は連続して並んでおらず、氷の壁にはならない。東電は、温度変化を調べ、一定の凍結能力が確認できれば、さらに凍らせる凍結管の数を増やして本格的な氷の壁を作る考えだ。

東電は当初、山側の一部の凍結を3月末頃に始める予定だったが、作業員の死亡事故が相次ぎ工事が中断、計画が遅れていた。




2013年7月
井戸と海水の放射性物質―"事故後最高"記録更新中!!ー東京電力福島第一原子力発電所

2013071011.jpg

これについて、地下水に詳しい産業技術総合研究所の丸井敦尚総括研究主幹は、
建屋などから新たに汚染水が漏れ出している可能性を考えて
「護岸を固めるだけでなく、原子炉を囲むように鋼鉄製の仕切り板を打ち込み、
さらにその隙間に水を通しにくい粘土を入れるなどして、何重にも対策をとるべきだ」と述べ、
海への流出を防ぐ徹底した対策が必要だと指摘しています。

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<福島第一原発>タンクに入っている地上の汚染水〜トリチウムの処分方法「薄めて海洋へ放出or地下深くに注入して地下水として」4/13NHKラジオ 後半(文字起こし)

先読み 夕方ニュース
NHKラジオ第1 2015年4月13日放送

特 集
福島第一原発 難航する汚染水対策“凍土壁”の課題は?



出演者:丸井敦尚さん
(産業技術総合研究所 地下水研究グループ長/汚染水処理対策委員会 委員)

キャスター
畠山智之
黒崎瞳
コメンテーター
二村伸

ここまでの部分の文字起こし↓
<福島第一原発>汚染水の対策・凍土壁の課題「凍らせるためには不凍液を使って動かさなければならないので、 年間20億と言われるような電気代がかかると言われております」4/13NHKラジオ 前半(文字起こし


文字起こし部分のYoutube15:32〜 https://youtu.be/adU4SqcFWtI?t=15m32s

黒崎:
特集、今日のテーマは「福島第一原発難航する汚染水対策 凍土壁の課題は」です。
ゲストは汚染水対策委員で産業技術総合研究所地下水研究グループ長の丸井敦尚さんです。
引き続き宜しくお願いします。

畠山:
みなさんからもメールをいただいていまして、東京都にお住いの50代の男性ヒサノブさんという方は、
「いまだに汚染水の対策が立てられない現実に直面して、本当に汚染水は止まるのか疑問に思います」
というご意見。

それから宮城県にお住いのタカヨシさんという40代の男性ですが、
「結果こそ大切と考えます。世界の原子力安全上、福島の事故終息がはかられないと原子力の発電所そのものへの
信頼性は損なわれ続けると考えます。世界の叡知への疑念は増すばかりです」というご意見ですね。

そして広島県にお住いの40代の男性
「東電にしても委員会にしても、詳細でわかりやすい情報公開がかけています」というご意見がありました。

このようなご意見があるんですけれども、
今日は原子力発電所の事故の中でいろんな課題があるんですが、
「汚染水」というものを中心にお話を伺っているんですが、
この「汚染水」というものはですね、一言でいいますといろんな要因が絡んでいる。
先ほど前半の方でお話をしていただいた「凍土壁で抑えよう」
つまりこれは建屋の下の方で地下水を抑える。
地下水も原子力建屋に入ってしまうと、放射性物質を含んでしまった汚染水になります。
で、汚染水の、
核燃料を冷やすために注入していた水。
これは今「循環されている」という話がありましたけれども、
それも放射性物質で汚染をされているので、地上にためるということもあります。

そうなると汚染水というのは、地下にもあり、地上にも置いてあり、
色々と対策が、同時にしなければならなくならないことが沢山あるっていうことですよね。



丸井:そうです、はい。

地上のタンクに入っている汚染水

畠山:
で、今は地下のお話をしたので、地上にある物をちょっとお伺いたいんですけど、
先ほどのお話では地下の方に溜まってしまっている水をくみ上げてタンクに入れておくと。
これが許容限度が間もなく、近づいてきていますよというお話がありましたけど、
それはまた、綺麗にする装置もありますよね?
先ほど「アルプス」とおっしゃいました。
昔ニュースで聞きましたが、そこから汚染する物質を取り除いてきれいにしていこうという作業だと聞きました。
これは、うまくいっているんですか?

丸井:
はい。
現在アルプスは3系等ございまして、このアルプスというのの前に、
今おっしゃられた汚染水というのはですね、
ま、あの〜、爆発を起こしまして、62種類のですね、63種類か。
汚染物質が地下水に混ざり込んでいるんですけれど、



畠山:63種類!

丸井:
はい。
水に混ざり込んでいるんですけれど、

畠山:これは放射性物質とかになる?

丸井:はい、セシウムとかなんとか言っているんですけどね。

畠山:はい。

丸井:
そのうちですね、アルプスを使うことによって、
「トリチウム」というのだけを除いて、他は全部取り除くことができます。

畠山:は

丸井:
現状ではアルプス3系統がちゃんと全部完璧に機能すれば、
1日あたり1500〜1800トン位の処理能力を持っていますので、
現在あるタンクの汚染水は1年強ぐらいで浄化できるという試算が立てられています。

トリチウム

畠山:
あぁー、なるほど。
放射性物質を取り除くことができる。

丸井:トリチウム以外の。ですね。

畠山:と、トリチウム以外!トリチウムはとりくる、取ることができない。

丸井:取り除けない。

畠山:
トリチウムって、ごめんなさい、私あまりよくわからないのですが、
ど、どういう物質で、にほん、人間の体にも悪影響を与えるんですか?

丸井:
トリチウムと申しますのは、日本語では3重水素と言いまして、
水を構成するH2Oの水素がですね、
普通は水素の中に陽子が1個で電子が1個ぐるぐる回っているんですが、
中性子が2つ付いていて、重さが3倍の水素があるんですけど、それを3重水素と言うんですが、
だから「トリチウム」なんですね。

畠山:
はい、1, モノ, mono. 2, ジ, di. 3, トリ, tri.(ギリシャ語数字)の「トリ」ですね。
※トリ(トリプル・トリオ・トリケラトプスの由来になっている)

丸井:
そうです。
で、これはですね、
スリーマイルアイランド島の事故やなんかの時に世界中に拡散したので、知られましたけれども、
ま、「白血病や何かの原因になる」というふうにも言われておりますが、
水と同じように動きますので、他の放射性物質と比べますとですね、例えば魚や体内には滞留しないと、しづらいという、

畠山:あ、蓄積しない

丸井:蓄積しづらいという、ま、そういうことも分かっております。

畠山:
ただそれを取りきることができないということは、
それを、地上に溜まっている水の中からアルプスという、
言ってみればフィルターを使って除去してもトリチウムだけは残ってしまう

丸井:そうですね、はい。

畠山:
ということはその、残ってしまった水というのはどうする?
結局溜まっているままですよね?


丸井:
現状では溜めておくしかないんですけれども、
最終的にはですね、国際基準がございますので、
その国際基準を満たした薄い状態で海洋に放出するということも考えております。

ただ、トリチウムの処分につきまして、処理につきましては、
あらゆる方法を考えるというのが命題でございまして、
例えば地下深くに注入して地下水として
トリチウムは12年で半減期を迎えますので、比較的早く消費されますので、

畠山:いや、でも12年かかるわけですよね。

丸井:
そうですね。
ですから地下深くに入れて、遅い地下水の流れの中に入れてしまうという方法ですとか、
あるいは科学的に処理をしてですね、トリチウムの成分を取り除くということも考えております。


畠山:つまりトリチウムは、濃度がある程度高いと人間の体にも悪さをするという物質ですよね。

丸井:はい。

畠山:
それを、ま、取り除くという基準は一応あると。
でもそれを取り除くためにはやはり時間もかかる、ということですよね。

丸井:そうです、はい。

畠山:
となると、いま溜まり続けている汚染水を浄化したとしても、取り除けない部分があるとすると、
結果的に汚染水はずっと残り続けるような気がするんですけど、地上の上とか。
これはどう考えればいいんですか?

丸井:
おっしゃる通り、現状のままでは増える一方なので、
いずれにしても最終的には海洋に放出するとか、
あるいは他の方法でなんとか処理をしなければいけないということになります。



畠山:
ただ、海に流すということになると、これは環境汚染っていう部分を考えなければいけませんね。
これはどういう…考えをすればいいんですか?

丸井:
まずは世界基準がございますので、IAEAなどが作っている基準に合わせるということ。
それから、周辺の人たちのご意見を伺いながら、コミュニケーションをしっかり図ってですね、皆さんの合意を得るということ。
あるいは、この間カナダの西海岸に到達したということもございますので、
世界の皆さんにちゃんと報告をしてですね、「同意を得る」ということも必要かと思います。

畠山:
IAEAが言うその国際的な基準を満たしたとしてもですね、
いわゆる「風評」という被害が常につきまとってきます。
この部分の解決も含めると、「かなり困難だ」と私は思うんですが。

丸井:仰る通りですね、なかなか難しい問題だと思います。

畠山:んー…。

汚染水対策と廃炉

黒崎:
汚染水対策について今までお話をしてきたんですけど、
これと廃炉というのはどういうふうに関わっていくんですか?

丸井:
廃炉の全体のプランというのがございまして、
まず今は原子炉建屋とタービン建屋が壊れた状態なんですね。
で、それぞれの建屋の中に水が溜まっています。
非常に高濃度の汚染水です。
この水があると、次の廃炉の工程に進めないので、まず水を取り除くと。
これはですね、だいたい2020年ぐらい。
事故が起こってから10年ぐらいのうちに取り除きたい、というふうに考えています。

で、その水がなくなった後なんですけれども、
原子炉をですね、しっかりと水が漏れないように囲みまして、
補修した後で、原子炉の中の水を循環させて、そこに溜まっている燃料を冷やしていくという時期がきます。
これが15年とか20年というふうに言われています。

そのあと、燃料が冷えましたら、
使用済み燃料が冷えた後で、それをドリルかなんかで壊して取り出す
ということになります。

幸い今回、実際に地震が起こった時に動いていなかった4号機というのは燃料棒がそのままでしたので、
それはもう取り出すことに成功していますが、
1号機から3号機までは、デブリと言われる状態になっておりますので、
これからその溶け落ちて固まっちゃった燃料をですね取らなきゃいけないんです。
それが大体15年ぐらい、またかかると言われていますので、
トータルで40年から50年ぐらいかかるんじゃないかということなんです。


黒崎:と考えると、今の地下水が流入しないようにするというのは、本当に基本の基本

丸井:
そうなんです。
一番最初に、次の工事を始めるために、あってはならない地下水の侵入を防ぐ、というところでございます。

黒崎:まず、そこを解決しなければ次に進めないんですね。

丸井:はい、そうです。

畠山:二村さん、いかがですか?

二村:
そうですね、あの〜、ま、これから先もそうなんですけど、
いま、「トリチウムを薄めて海洋に放出する」ということもありましたけれど、
結局、この地元の住人、特に漁業者の方達、の理解がやっぱり必要になってくるわけですよね。
で、あの、これまでもですね、福島第一原発で、2月ですよね。
「汚染された雨水、水、汚染水ですね。これが雨水に混じって、それが流れていたんではないか」
ということも出たわけなんですけども、東京電力の方は10ヶ月間も公表・公開がされなかったという事実もありますし、
<福島第一原発>
1年近く隠蔽し対策もとらず「2号機屋上の高濃度汚染水が外洋に流れていた」と今日発覚


地元の方達の理解を得るためには、やはり情報をいかに公開していくのか。
必要な情報をいかに住民に知らせていくのか、ということが、
やっぱりこれから一番大事ではないかと思うんですけれども、
その点について、情報公開の重要性。
丸井さんはどのように考えていらっしゃいますか?


丸井:
全くおっしゃる通りだと思っています。
日本人としてですね、
海洋に万が一放出するというようなことがこれから始まりましたら、世界中の注目を浴びるわけですから、
そこの責任を果たす意味でも情報の公開ですとか、皆様方とのコミュニケーションというのが最も大事だというふうに思います。
2月の東京電力の事故のことに関して申し上げるならばですね、
実際はどの程度の濃度のものがどのくらいの時間出ていたのか?ということをしっかりお伝えして、
どのくらい危なかったのか、危なくなかったのか、ということをですね、ハッキリと伝えることが重要だと思います。
そういうことがこれからないと、何十万トンある水というのをですね、処理することはなかなか難しと思います。

二村:
それは東京電力だけではなくて、
規制委員会としても十分な対策、あるいは指示というのは必要になってくるわけですよね。

丸井:
はい。
もうここまできたらみんなの問題ですので、
規制する側だとか、推進する側だとか、という事ではなくてですね、
経済産業省も規制庁も両方一緒になって考えるべきじゃないでしょうか。


畠山:
まぁ、原子力発電所の問題っていうのはですね、これまでの歴史的な状況を見ても、なかなかこう、私たちの感覚と、その…電力会社側の部分で、この、…ズレがあるように思うんですね。
「この程度であれば」という考えがもしあるんだとすれば、これは全て情報公開してほしい。
っていうのは僕らの希望なんですよね。

丸井:はい。

畠山:
でも、でもね。
多分この原子力発電所の事故というのは、この今起きている状況がどの程度のことに左右するのか、っていうこと自体もよくわからない部分があるじゃないですか。

丸井:
はい、おっしゃる通りですね。
あのー、例えが悪いかもしれませんけれども、
例えば自分が病気になった時に、病院に行って1日寝ていれば治るのか、1週間で治るのか?という、そういうことと全く同じなので、「どのくらいの大きな問題なのか」ということをしっかりとみなさんにお伝えする。
そのコミュニケーションしっかり取るということが重要だと思っております。

畠山:
そうですね。
そこの部分から本当に初めていただかないと、私は本当に理解ができない、進まないんじゃないかなと思いました。

あの、こういう質問がきていました。
今日は凍土壁の話をしたんですけれども、
福岡県にお住いの60代の男性
「凍土壁で遮断するのではなく、いわば加熱壁みたいなのを作って蒸発 させる。
地下水を蒸発させる、そういう方法で処理はできないんですか?」
というふうにきているんですが、これはどうですか?

丸井:
はい、地下水を全て蒸発させるというのには大変な熱量が必要なので、
論理的には可能かもしれませんけれど、現実的には経済的に合わないというようなことがございます。
で、先ほどのトリチウム問題もそうですけれども、
トリチウムも加熱して蒸発させるとかいろいろな問題がございましたけど、
なかなか現状で考えられている問題、なかなか現実的にできることとできないことがありますので、
そこらへんはこれから十分に検討していきたいというふうに思っております。

畠山:
最後に一点お伺いしたいんですけれども、
凍土壁の問題も3月という予定があったけれども、少しずれ込んでしまっています。
これを、いち早く動かすためには、一番最初に解決しなければいけない問題。
これからなんですか?

丸井:
まずは山側を、試験的にでもいいですから、先行凍結させていただきたいというふうに思っています。
で、流れてくる上流を止めることによって、下流側を少しでも地下水の量を減らすということができれば、成功につながるんではないかと、いうふうに思っております。

畠山:
ただその作業については、これから、ま、議論が必要になってくるわけですね。
いつ頃?

丸井:
それは本当に、個人的には「1日も早く」と思っておりますし、
我々専門家が議論するだけではなく、どういうふうなステップでどんな日程でするということをですね、地元の方々にも理解していただいて、皆さんの合意を得た上でしっかりとやっていきたいというふうに考えています。

畠山:はい、わかりました。

黒崎:ありがとうございました。



トリチウム


放射線医学総合研究所資料集より
トリチウムに関しての研究 昭和48年〜
トリチウムによる染色体異常~ヒト培養リンパ球での実験結果~


放射線医学総合研究所資料集より
昭和48年〜昭和52年 トリチウムの植物―動物系における動向
<トリチウムの動向ー植物>
部位によるトリチウ摂取量の違い/トリチウム水蒸気の葉からの取り込み
(放射線医学総合研究所資料集書き出し)


放射線医学総合研究所資料集より
昭和48年〜昭和52年 トリチウムの植物―動物系における動向
<トリチウムの動向ー動物系>
数時間で全身にほぼ一様に拡散分布 /脂肪組織、脳、筋肉に高いトリチウム残留
(放射線医学総合研究所資料集書き出し)



放射線医学総合研究所資料集より
昭和48年〜昭和52年 海産魚の胚発生に及ぼすトリチウム水の影響
トリチウム水の魚卵発生に及ぼす影響~
「孵化稚魚の眼径は有意に小さい」放射線医学総合研究所資料集(書き出し)



放射線医学総合研究所資料集より
昭和48年〜52年 メダカ胚核酸におけるトリチウム代謝
<両棲類と哺乳類のトリチウム取り込み比較>
「トリチウム水投与後10日目では脂肪組織に最も多く、 次いで脳、睾丸、肝の順」
放射線医学総合研究(内容書き出し)




<トリチウムによる健康被害>
西尾正道氏「原発を稼働させるだけで、事故が起こらなくても健康被害となりえる」「被ばく列島」より


<トリチウム>「決定的なのは水の惑星である星をトリチウムで汚してしまえば、 全部がその影響を受けて引きずっていくことになるだろうなということです」小出裕章氏12/13(文字起こし&音声)
一部抜粋
トリチウムは崩壊してヘリウムになる→水ではなくなる

小出:
トリチウムというのは非常に弱いベータ線しか出さないのです。
アルファ線も出さない、ガンマ線も出さない。
ベータ線しか出さないけれども、そのベータ線のエネルギーも、
一番高いベータ線でも18.6キロエレクトロンボルトという、そういうベータ線なんですけれども、
セシウムとかストロンチウムは何百キロエレクトロンボルト、
あるいは何ミリオンと言うような何ミリオンエレクトロンボルトというようなベータ線を出します。
それに比べればトリチウムのベータ線はものすごくエネルギーが低いので、
「影響はそれなりに低い」と言われているのですが、

ただ、この地球という星は水の惑星というように、水が全ての命を支えている星なわけで、
その水そのものが放射能になってしまうわけですから、
影響は多分、いわゆる放射線というものの影響だけではなくて、
体の中に例えばトリチウムが入ってきてそれが崩壊していくと
今度は、ヘリウムという原子核に変わってしまうんですけど、
もともと水だったものが、要するに水で無くなってしまったりするわけです。


トリチウム関係ブログまとめ






<除染基準の2000倍>東京豊島区の公園で480μSv/hー東武東上線下板橋駅前ー


480マイクロシーベルトは、除染基準値0.23マイクロシーベルトの2000倍!!

<放射線>池袋の公園で高線量検出…2時間で年間被ばく限度
毎日新聞 4月23日(木)21時39分配信

池袋2
高い放射線量が検出され使用禁止となった滑り台。フェンスで囲われ、利用中止の張り紙がされている=東京都豊島区池袋本町4で2015年4月23日午後6時24分、近藤浩之撮影
 
東京都豊島区は23日、同区池袋本町4の区立「池袋本町電車の見える公園」で、滑り台付近の地表から最大で毎時480マイクロシーベルトの極めて高い放射線量が検出されたと発表した。国の除染基準値(0.23マイクロシーベルト)を大幅に超え、一般人の年間被ばく線量限度(1000マイクロシーベルト)に2時間強で達するレベル。何らかの放射性物質が地下に埋まっているとみられる。区は同日夜、公園を立ち入り禁止とし、池袋保健所に健康相談窓口を設ける一方、原子力規制委員会に助言を求め対策を講じる。

区によると、区民から20日に「放射線量の高い遊具がある」と通報があり、22日から公園を測定していた。

同公園は2013年3月に開園。福島第1原発事故の2年後だったため、これまで放射線測定をしていなかった。東武東上線の下板橋駅下りホームに隣接し、近所の人によると以前は清掃車の車庫だった。遊具のほか中心に芝生広場があり、下校途中の小学生や保育園児の散歩などにもよく利用されているという。【近藤浩之】



朝日新聞の記事によると、
最大値が測定されたのは、二つの滑り台が組み合わさった遊具がある地表部分で、
そこから数メートル離れた滑り台の先端は0・07マイクロシーベルトに下がる。
ということです。

豊島区
「池袋本町電車の見える公園」での高放射線量検出について


昨日4月22日(水曜日)、「池袋本町電車の見える公園」(池袋本町4-41)の遊具の一部から、区の除染基準値(毎時0.23マイクロシーベルト)を超える放射線量(最大2.53マイクロシーベルト)が検出されました。
これを受け、本日23日(木曜日)、原子力規制委員会の助言を受けながら、遊具周辺の放射線量を再度計測いたしました。
その結果、昨日最大値が検出された遊具部分の直近の地表(1か所)で、480マイクロシーベルトとさらに高い数値の放射線量が測定されました。
なお、周辺の地表の放射線量はいずれも昨日同様、基準値以下だったことから、計測地点の地中に何らかの放射性物質が存在することが考えられます。
本日の計測結果を受け、昨日設けた遊具周辺の立ち入り禁止区域について、0.1マイクロシーベルトを基準に拡大するとともに、混乱防止のため、公園への立ち入りについても当面禁止とすることといたしました。
区は、引き続き原子力規制委員会の助言を受けながら、安全性を確保しつつ、早急な除却作業に着手いたします。
また、池袋保健所に、この件に関する健康相談を受け付ける窓口を設置いたします。
池袋1



池袋本町電車の見える公園
豊島区が東武東上線下板橋駅近くの清掃車庫跡地を整備して開園
2013年3月20日 開園式

公園がオープンしたのは2013年3月20日

2013年3月27日号 電車の見える公園オープン
 「いのちの森」植樹祭も
池袋本町に新公園「池袋本町電車の見える公園」(池袋本町4-41、清掃車庫跡)がオープン、3月20日に「公園開園式・『いのちの森』植樹祭」が開催された。


池袋4

池袋3




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愛媛のニュース
家庭ごみにラジウム、運搬車両など表面汚染なし 松山市

愛媛新聞 2015年04月21日(火)

 愛媛県松山市で収集された家庭ごみから放射性物質ラジウム226が検出された問題で、市は20日、放射線源の金属容器が見つかった金物ごみの塊や、運搬車両の荷台に表面汚染がなかったとする専門業者の報告書を公開した。市は同日、調査結果を原子力規制委員会へ報告、警察などと相談しながら処理方法の検討や排出元の特定を進める。
 報告書によると、核種はラジウム226で、線源表面の放射線量は毎時410マイクロシーベルト。現在、容器を保管している倉庫の表面線量は毎時0.06~0.10マイクロシーベルトで、市は「自然界から浴びる線量と変わらず、ただちに人体に影響はない」としている。



愛媛で見つかったラジウム226が毎時410マイクロシーベルトと、
池袋の公園の毎時480マイクロシーベルトに近い数値だ。
けれど、池袋の公園の場合は、土に埋められている可能性が大きいという。
ということは、その本体の放射線量はもっともっと高いということになる。





福島県・30台以上が異常な数値を出したモニタリングポストの謎〜設置企業と契約解除〜

県がモニタPで契約解除を通知
NHK福島 2015年4月22日

モニタリングポスト1
福島県が今月から運用を始めた放射線量を計測するモニタリングポストで実際よりも異常に高い数値が記録された問題で、機器の不具合が一向に改善されないとして、県は、22日付けで委託先の業者に対し、契約の解除を通知するとともに会見を開いて謝罪しました。

福島県 危険管理部長 樵(きこり)隆男
モニタリングポスト2
「県民の安全安心のため、データー提供に支障をきたすという判断から、
納入事業者との契約を解除し、運用を中止するとともに、
原子力規制委員会のホームページでの公表も中止するよう、原子力規制委員会に依頼をいたしました」

この問題は、県が、福島市内の業者に委託して今月、新たに設置した77台のモニタリングポストで異常に高い数値を示すなどの不具合が続き、県が業者に改善を指示していたものです。

モニタリングポスト3

モニタリングポスト4

しかし、20日の段階で不具合がある機器が33台と、一向に改善されないため県は22日業者に対し、契約の解除を通知しました。
県によりますと、新たな機器で計測を始める際、機器の健全性について調べた結果を、業者が県に提出する必要がありますが、提出しておらず、県の担当者も催促や確認を怠っていたということです。
記者会見した県の樵隆男危機管理部長は「モニタリングポストの不具合は直らず業者に契約の解除を通知した。県にも問題があり、申し訳ない」と謝罪しました。
県は業者に対し、問題のモニタリングポストを撤去するよう求めていくということです。
04月22日 20時27分



<福島第一原発>危険注意!!
「30カ所のモニタリングポストが一斉に不具合」〜2号機の温度急上昇も温度計の故障!?

77台の半分近くの30カ所のモニタリングポストが異常な数値を一斉に出した



<福島第一原発2号機>「温度急上昇について」東京電力記者会見4/9(文字起こし)
より一部抜粋

福島県、南相馬市内でモニタリングポストの緊急点検 
FNNLocal  2015/04/08

このモニタリングポストは、南相馬市原町区にあり、4月2日か­ら、ずっと同じ「毎時0.676マイクロシーベルト(μSv)」を示していた。
23
業者が調整をすると0.669マイクロシーベルトに変わり、
県の職員が持ってきた線量計の値と比­べ、問題がないことを確認した。
26
状況を見ると、一時的な電波障害・通信障害が起きて、そこからず­っと、通信が途絶えていた状況。開発期間が短かったというのが、原因としてはあります­」と話した。

県によると、不具合の疑いがあるモニタリングポストは34カ所で、電気信号が影響を及­ぼしているケースや、人為的なミスのケースがあるという。



NHKの映像にあるモニタリングポストはFNNLocal に出てきているのと同じモニタリングポストのようです。

2011年にはモニタリングポストを巡って↓このようなことがありました。

文科省が契約を解除した業者(アルファ通信)との間には何があったのだろうか
より一部抜粋

しかし数値がモニタリングポストより高く出ることに怯えた文科省は、
「アルファ通信」の線量計の数値が低く出るよう仕様変更することを強硬に要求してきたのである。
聞くところ、期限ギリギリになっても「アルファ通信」の技術者を丸一日缶詰にして、
アメリカ標準ではなくここは日本なのだから日本標準にせよとの一点張りで、聞く耳を持たず。
その結果、設置の仕事にも影響が出てしまったというのだ。

このことが指し示している最大の問題点は、
文科省が発表している放射能の線量は人為的に操作され、低く出るようにせよとメーカー側に要求し、
それを飲まなければ切るという理不尽とも思えるやり方をしていることである。



文科省が「誤差が40%ある」と言ったアルファ通信社の放射線測定器と他社の測定器との数値の違い
より一部抜粋

アルファ通信社の数値はシステムトークスのGCーS1で測定した数値とほぼ同じに見えます。
アルファ通信社測定器→2.45μシーベルト
システムトークスGCーS1→2.42μシーベルト
20111204115133079s_20150423085329bd9.jpg
で、文科省はこう言っていました。
「アルファ通信社の測定器の誤差が40%ある」

しかし、システムトークスGCーS1という線量計も同じ数字を出していますので、
アルファ通信社の測定器に誤差があるということは、システムトークスGCーS1という測定器もおかしいということになってしまいます。




過去にこのようなことがあったので、今回異常とされている新しいモニタリングポストの数値の方が、
現実の数値を示しているんじゃないかと、疑いたくなります。
実際、モニタリングポストの数値を調べた結果は↓のように低い数字を示していました。


モニタリングポストに人為的操作!?「郡山・相馬・南相馬30~65%も少なく表示」
10/5矢ヶ崎克馬氏(会見内容書き出し・資料)


<質疑応答>モニタリングポストに人為的操作!?
10/5市民と科学者の内部被曝問題研究会(会見内容書き出し)


福島のモニタリングポストの数値は信頼できない!グリンピースの放射能調査結果

文科省・やっと認めたモニタリングポストのインチキな数値。
けど「低いのはたった1割、しかもバッテリーのせい」


線量が高くなると校正?自由自在に変更可能なモニタリングポスト
「福岡県のモニタリングポストは高数値を示したので修正」東京は?



異常に高い放射線量の数値を記録して一向に改善されないされないモニタリングポストを設置して契約を解除された納入業者とはどこなのか?
モニタリングポスト4
この画像を見て検索してみたら、
(株)JBジャパンブランドという会社の製品で間違いはなさそうです。
所在地は福島県福島市笹谷字南田12-9で、地元の会社のようです。

代表取締役社長 菅藤真利
「私は、東日本大震災直前に海外で起業したばかりでしたが、未曽有の大災害による被害を目の前にし、帰国し地元福島にて再起業を決意して会社を設立しました」

会社沿革
2011年9月  会社設立
2011年10月  中国・大連福島国際貿易有限公司設立
2011年12月 増資500万→1,000万
2014年8月 大連九福餐飲管理有限公司設立



monitaringu.png
経営基本方針
4.ステークホルダーの尊重
利害関係者を大切にし、地域社会に貢献します。


「利害関係者を大切にし」という意味が私にはちょっとよくわからないのだけど、
利害関係者を大切にするならば、数値が低く出るように設定してもおかしくないのに、
それはしていなかったということになります。

本当に間違った数値を表示するのか?

原発事故を受けて福島で会社を設立したのが2011年9月。
中国ではどのような企業だったのか?
会社のホームページを見ると、
商社部門で扱っている商品は、
JB-100というスピーカー
熱感知肌着、
割り箸
を扱っています。
1


海外外食部門では、
中国で九福という飲食店をやっているようです。
2

そのどちらを見ても、放射線関係とは全く無関係です。
放射線測定器部門
3

つまり、原発事故が起きたので、中国製の放射線測定器を販売したら儲かると考えて福島に会社を構えたようにも思えてきます。
(これは、私の想像ですので、事実ではありません)

原発事故が起こる前から測定器を作っていた会社ではないことは事実のようなので、
本当に不良品で、異常な数値が出てしまうモニタリングポストなのかもしれません。

調べていくうちに別の会社の名前も出てきました。
福島電子計算センター

福島県発注の放射線測定器入札に苦情 参加不認可は不当
2014/01/07 06:10 【河北新報】

福島県が放射線測定器納入の入札参加資格を認めなかったのは不当だと、福島市の放射線測定器販売会社「福島電子計算センター」などが県政府調達苦情検討委員会に苦情を申し立てた。

申し立てによると、同社は県生活環境部が昨年12月6日に行った測定器納入入札に参加を申し込んだが、同社の扱う測定器がJIS規格に準拠していないとして参加資格無効と判定され、入札に参加できなかった。

測定器は福島市のJBジャパンブランド社製で、県保健福祉部が前月に実施した測定器納入の別の入札では、同社製の製品で問題ないと判断され、入札に参加して落札した。センターは「部によって製品の評価基準が違い、入札参加の適否判断が正反対になるのは不合理だ」と主張している。

今回の入札では別の業者が落札し、センターの申し立てを受けて契約締結を保留している。納入台数は1100台で浜通り地方の公共施設に配備する予定だが、時期が遅れる可能性がある。

県は「入札資格の適否判断に問題はない」と説明している。




株式会社福島電子計算センターが落札した入札案件、入札結果
全部で8 件の落札があり、その中で 最高落札価格が52,222,816 円
落札
2015年1月8日にリアルタイム線量測定システム 77式が落札されています。

ん?

福島県の入札結果を見てみると
入札結果(物品)平成26年12月実施分 福島県出納局入札用度課
nyuusatu 1
nyuusatu2.png

(株)福島電子計算センターは、
平成26年12月18日にリアルタイム線量測定システム を入札して、
数量として77式  落札金額は 52,222,816円となっている。

河北新報の記事になったのが1月7日でその翌日には落札したことになります。
記事になったから?落札できた??

結局落札できていたということです!
しかも5千200万円超で。
(株)福島電子計算センターが扱っているモニタリングポストはJBジャパンブランド社製ということが、河北新報の記事に書いてあるので、この二つの会社が今回の77台のうちおよそ半分の34台の異常な数値を示すモニタリングポストを設置したということで間違いなさそうです。


「新たな機器で計測を始める際、機器の健全性について調べた結果を、業者が県に提出する必要がありますが、提出しておらず」ということなので、あまりきちんとした会社ではない可能性は高いと思います。


実際は、モニタリングポストの不具合なのか?それとも数値は正しいのか?
事実はどちらでしょう??



原発事故によって国から出て補助金を目当てに
「今こそ儲けよう」という輩がワサワサといるということも、改めて感じさせられました。