<食品の放射線量>「北関東産は平気で100ベクレルを超えて売っているものが多い。検査体制が不十分なんじゃないかな」小豆川勝見助教5/20「放射能汚染と被ばくをどう考えるか」松戸(文字起こし)

5/20「放射能汚染と被ばくをどう考えるか」@松戸市民劇場




小豆川勝見助教(東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻、環境分析化学研究所 松尾研究室)
22分頃から

測定の難しさ 24:46〜


原子力発電所の放射性物質ってなに? 27:35〜


放射線からの防護って? 36:23〜

放射線は鉛で止められますよ、と。
でも私たち現場にいるものがどういうふうに解釈しているか、実際にはどういうものなのか?
鉛のベストで実験。
1枚、2枚、4枚までは放射線を通す。
8枚でやっと線量計の音が小さくなる。
鉛でも分厚くなければ放射線は止められない。
鉛のベストだけでは放射線は止められない。
分厚い鉛を着ているよりは、さっさと仕事をしてその場を離れるというのが放射線防護の基本。

食品の放射線量 39:32〜
https://youtu.be/JSLjz4twtFY?t=39m32s

やっぱり気になるのはご飯です。
ご飯の中に放射性物質がどれだけ含まれているか?
胃の中に鉛を入れることはできません。

じゃあ、実際にどれぐらい放射性物質って含まれているのか?
これは去年1年間私がそこらへんのスーパーマーケットで、なんでもいいから片っ端からカゴの中に入れて、測ってきたものの結果です。

1

そうしたときによく比較の対象になるのはカリウムですよね。
カリウムというものはもともと地球上にあった放射性物質なんですが、

一番含まれていなかったのは、ミネラルウォーターとか、そういったものです。
何もなさそうですよね、ただの水ですからね。

一番含まれていたのは、「やさしお」っていう、味の素が出している「高血圧の方にいいですよ」ってコマーシャルをしている塩ですけど、だいたいカリウムで8300ベクレル位含まれていました。
で、それはちょっと極端な例にしても、
大体普段から買い物カゴに入れるものの真ん中を取ってみると70ベクレル位のカリウムが含まれています。

これは震災前後にかかわらず、大体これぐらいの値であることは間違い無いと思います。

では、セシウムはどうでしょうか?

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同じようにかたっぱしからいろんなものを買って調べております。
低いものはもうほとんど、10のマイナス2乗ですから0.01ベクレルといったものもあるんですが、
ダラダラっと見ていくと、時々基準値を超えているものもあるんです。

3

基準値は100ベクレルと今日本国内では決まっています。

どういったものが基準値を超えていたか?と言いますと、
北関東の道の駅で売っていたキノコですね。
それを普通に持って帰ってラボに行って測ってみると「あ、基準値超えじゃない」と。
こんな簡単に見つかってしまうんです。


ちなみに国のデータベースでは、一件も無いことになっています。

つまり、なかなか目の届かないところでは、こういった100ベクレル以上の放射性物質が見つかってしまう。
食材が見つかってしまうというのが現状だと思います。


今までの傾向としては、大体北関東産のものの方が大きいです。
ここから(真ん中へんの一部切れている部分より左)は大体スーパーで売っているものになるので、
流通しているもので、スーパーで買うもので基準値を超えるものはほとんど無いと思いますが、
普段誰でもが手に入れることができる販売所という点で見てみると、
道の駅で売っているものなどは結構高い場合がある」というのが私の印象です。


もちろんそういったのは関係機関に通達しておりますけれども、
「まだまだ結構あるんじゃないかな」、と実感を持った測定を続けています。

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特に北関東産
群馬の北部ですとか、栃木、茨城ももちろんそうなんですが、そういったところは、
どうやら福島県のものよりも「平気で100ベクレルを超えて売っているものが多いな」という印象を受けています。
その最大の要因としては、自治体の方とお話ししている限り、
検査体制が不十分なんじゃないかな」というのが私の印象です。


基準値は今100ベクレルなんですけれど、
その基準値をずっと維持していく限り、ずーっとこの話って続く筈です。
なので、「またあそこ100ベクレル出たじゃない」
「またあそこで100ベクレル超えてるじゃない」っていうのは、
別に今4年後、というのではなくて、きっと今後もずーっとこの手の話は繰り返される筈です。

そのために、少しでも、もうちょっとちゃんと「測る」という意識を持ちましょう。
100ベクレルという値が決まっているんだったら、それを超えないようにものを作り、
そしてそういったものを安心してみなさんに提供してあげられるためにも、
まず、「測定を続けてきちんとしたものを作りましょうよ」ということを、その自治体の方々には色々とご説明を続けています。


原発から出された放射性物質の量 43:45〜

将来を見据えていく上でどうしても大切なのは、原発から放出された放射性物質の量です。
これは、大気に撒かれた量と、地下水とか海に撒かれた量の両方があるんですが、
空に撒かれた方は両手に載るぐらいの量で、ほぼ間違いがないと思います。
地下水とか海に撒かれた量は、先週も原発の海に行ってきましたが、やっぱりわかりません。


放射性物質の飛び散り方 45:17〜

その放射性物質は、関東域、千葉県東葛も含めてですが、
関東域には2回汚染が入っています。
3月15日と3月21日の2回です。
3月15日はぴゅーっと風が吹いただけだったので、まだよかったんですが、
3月21日の時にはちょうど放射性物質が飛んできたときに雨が降ってしまったので、
ここにビタッと張り付いてしまったわけですね。

ー略ー放射性物質が飛ぶ様子

今も残っている放射性物質は、2回目の汚染がほとんどなんですが、
このときの雨の濃度は非常に汚染が強かったです。

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ただ、これは見ていてわかると思うんですけれども、ほとんどが海に行っているって、お気づきでしょうか?
偏西風というか、海側に風が流れているので、運が良くといいますか、陸地の人間からするとラッキーだったわけなんですが、
もしこれが日本海側で起きたら、一様にこっちに降ってきてしまうということでもあるので、
本当に今回の事故というのは大惨事ではありましたが、本当に運がよかったと言って間違いないと思います。


https://youtu.be/JSLjz4twtFY?t=46m54s
降ってきた放射性物質なんですが、それは降ってきたままずっと留まっているのか?というとそういうわけではないんです。



放射性物質が集まっているところ、見つけられますか? 57:28〜





ーーおまけーー

"やさしお"の線量を測っているyoutubeがありました。






愛媛県伊方原子力発電所3号機 原子力規制委員会の審査合格!「使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを混ぜたMOX燃料を一部使う」

伊方原発 事実上合格の審査書案取りまとめ
NHK 2015年5月20日 16時55分

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愛媛県にある伊方原子力発電所3号機について原子力規制委員会は、再稼働の前提となる審査に事実上合格したことを示す審査書の案を全会一致で取りまとめました。

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全国の原発で3か所目になりますが、検査や地元の同意などが必要で、四国電力の目指す再稼働は早くてこの冬以降になるとみられます。

原子力規制委員会の田中俊一委員長は会見で、
「最初は審査に合格するのが早いのではないかと思ったが、震源となる活断層の長さや想定される津波の高さの評価などに時間がかかったと思う」と審査を振り返りました。
そのうえで、「規制基準は新たな設備の設置とそれを使う人間の力量を含めて要求している。そうしたことを行ったうえで、さらに安全性を高める取り組みを積極的に行うことが原則だ」と述べ、四国電力に今後も安全性を高める取り組みを継続するよう求めました。


伊方原発3号機の安全対策を審査してきた原子力規制委員会は20日の会合で、「新たな規制基準に適合している」として事実上合格したことを示す審査書の案を全会一致で取りまとめました。

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この中では、想定される地震の最大の揺れの強さを引き上げ、これに耐えられる緊急時の対応拠点を新たに設けるなどした対策を適切だと評価しています。また使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを混ぜたMOX燃料を一部使うことも想定され、重大事故が起きた場合でもメルトダウンなどを防ぐ対策が有効だと判断されました。

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一方、今回は1号機と2号機を運転しない前提で審査が行われ、これら2基の申請があった場合、複数の原子炉で同時に事故が起きた時の体制など3号機の一部の審査をやり直す必要があります。

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会合で田中俊一委員長は「今後、設備の詳しい設計の認可などの段階に入るが引き続き、きちんと審査に取り組みたい」と述べました。

審査書案が取りまとめられたのは鹿児島県の川内原発、福井県の高浜原発に続いて3か所目で、規制委員会は、21日から30日間、一般からの意見募集を行ったうえで審査書を正式に決定します。

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ただ、耐震補強の工事がこの秋まで予定されているほか、今後、詳しい設備の設計の認可や検査それに地元の同意が必要なため、四国電力が目指す伊方原発の再稼働は、早くてこの冬以降になるとみられます。

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愛媛県知事 審査は最終段階と認識
愛媛県の中村時広知事は、「審査書案が原子力規制委員会から示されたことは、審査が最終段階に進んだものと認識している。今後は、県の伊方原発環境安全管理委員会の原子力専門部会で、判断の根拠を含めて国から説明を受け、県として安全性の確認を行ってまいりたい」というコメントを出しました。

伊方町長 国からの要請受け意見集約へ
伊方町の山下和彦町長は、「審査書案が了承されたことにより安全審査は近く終結を迎えるものと受け止めている。再稼働に対する地元同意については審査の正式決定を経て国から要請があったのち町議会や町環境監視委員会の意見を集約して判断する」というコメントを出しました。

四国電力 今後も最善の努力尽くす
四国電力は、「今後も、原子力規制委員会による審査に真摯(しんし)に対応し、速やかに新規制基準に適合しているとの評価をいただけるように最善の努力を尽くしてまいります」というコメントを出しました。





<台湾の輸入制限>林農水相「科学的根拠なし」は本当か?〜台湾の衛生福利部食品藥物管理署をチェックしてみた

林農水相「科学的根拠なし」台湾輸入規制 2015年5月15日


台湾輸入規制 台湾では15日から、福島第一原発の事故を受けて行っている日本食品の輸入規制を強化­する。
これについて、林農林水産大臣は15日朝、
1
科学的根拠に基づいておらず、極めて­遺憾」だとして、撤廃を求めていく考えを示しました。
同時に、農林水産省では輸出業者に対­して、
輸出検疫証明書などこれまでも輸出に必要な証明書を産地証明書として活用するこ­とを指導していて、
台湾側もこれを了承しているということです。  
一方、放射性物質に関する検査の証明書については
「時間と経費がかかると思う」と懸念­を示しました。






「科学的根拠」は本当にないのか?

台湾の衛生福利部食品藥物管理署
衛生福利部食品藥物管理署 最新食品輻射監測專區(最新の食品放射線モニタリング)
より、最新のデータ2015年5月19日
104年5月19日-日本輸入食品輻射檢測結果(採樣單位:衛生福利部食品藥物管理署)
(2015年5月19日 - 日本語入力食品照射試験結果(サンプリング部:保健省と食品医薬品局))
のpdfをダウンロードしてみました。

102=2013年 103=2014年 104=2015年
貝克/公斤=ベクレル/kg


最新の部分↓
4
2014年9月に綠茶茶包(緑茶ティーバッグ)から52.5ベクレル/kg
2014年10月には焙茶(ほうじ茶)から54.7ベクレル/kg
2014年12月 抹茶 58.6ベクレル/kg
直近の2015年5月13日 焙茶粉末(ほうじ茶粉末)からも2.48ベクレル/kgが検出されている。

以前の検査結果↓
1_201505200919479ed.png
2011年4月 小麦粉から100ベクレル/kg超
2011年6月 鮭魚薄片(鮭フレーク)外包裝微量檢出(外包微量検出)81.2ベクレル/kg
「外包微量検出」というのがこの先も時々出てきます。
食品そのものだけではなく、包装にも放射性物質がくっついているということ。
日本ではそこまで検査していません。

2_20150520091949d33.png
洋芋條ポテトスティック(外包裝微量 檢出) 108.3ベクレル/kg
薯條棒フライドポテトスティック(外包裝微量 檢出) 11.2ベクレル/kg、121.5ベクレル/kg、114.1ベクレル/kg
緑茶 203.4ベクレル/kg

事故直後の2011年なので、全ての数値が高いです。
日本の基準が500ベクレル/kgだった頃。
それにしても、汚染された食品を輸出しすぎじゃないでしょうか?

3_20150520091950ea6.png
巧克力脆皮冰棒(外 包裝微量檢出)=クリスピーチョコレートアイスキャンデー 68.2ベクレル/kg
冷凍沙丁魚=冷凍イワシ 6.5〜16.3ベクレル/kg
冷藏鯽魚=冷蔵鯉 156.1ベクレル/kg

4_201505200919511c4.png
冷藏黃鰤魚=冷蔵黄ブリ 
冷藏鰤魚魚片=冷蔵ブリの切り身
冷藏正鰹=冷蔵カツオ
冷藏巴鰹魚=冷蔵バーカツオ(?)
紅鮭魚鬆(外包裝微 量檢出)=紅鮭のフロス(外包装微量検出) 77.2ベクレル/kg

5_20150520091953051.png
冷藏鯽魚=冷蔵鯉 122.5ベクレル/kg
油漬沙丁魚(外包裝 微量檢出)=オイルサーディン イワシ(外包装微量検出)  80.1ベクレル/kg
油漬秋刀魚(外包裝 微量檢出)=サンマのオイル漬け(外包装微量検出) 72.8ベクレル/kg

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緑茶 96.2ベクレル/kg,119.3ベクレル/kg
鮭魚薄片(外包装微量検出)=サーモンフレーク(外包装微量検出) 64.9ベクレル/kg
緑茶粉 321.0ベクレル/kg


7_20150520092053612.png
莓果萃取精華(外包 裝微量檢出)=ベリーエキス(外包装微量検出) 20.5ベクレル/kg
ほうじ茶 150.0ベクレル/kg

8_20150520092054aa8.png
日本玄米綠茶=日本の玄米茶 181.5ベクレル/kg
綠茶袋茶=緑茶ティーバッグ 103.1ベクレル/kg

9_20150520092056c2a.png
壽司粉茶 44.0〜127.0ベクレル/kg

10_20150520092057ddf.png
煎茶 123.9ベクレル/kg

11_20150520092140009.png
蒲燒沙丁魚罐=イワシの蒲焼缶
奶茶醬(外包裝微量 檢出)=お茶のソース(外包装微量検出)乳製品 23.8ベクレル/kg
茶類組=ティーセット 

12_201505200921418e9.png
櫻花萃取物=チェリーエキス 43.4ベクレル/kg

1

2

3
茶類はずっと出続けている


ーーー


日核災區食品闖台 283項下架
2015/03/24



日本輸入食品輻射檢測情形說明(新增影音檔 3/26 18:00)
行政院原子能委員會

”午後の紅茶”を測定しています


日核災食品竄台! 輻射食物下肚恐癌變
TVBS 2015/03/25

1
頭痛、記憶力衰退
視力悪化
反覆感冒(風邪を繰り返す)、口内炎
甲状腺肥大
過敏悪化(アレルギーの悪化)
帶状疱疹(ヘルペス)
血●異常
腎發(腎臓脂肪)炎、膀胱炎
糖尿病

把關不夠嚴格,可能導致民眾誤把輻射食物吃下肚。毒物科醫師顏宗海:「萬一又有放射性物質銫137的污染的話,搞不好民眾會增加得到甲狀腺腫瘤,還有血癌、淋巴癌的機率,這些發病都是10年、20年、30年。」

營養師張斯蘭:「輻射物質在食物上面的話,其實我們身體細胞也會受到影響,然後可能就是細胞病變,產生癌細胞,碘離子可以幫忙把輻射物質,排出身體外面,海帶的碘離子含量,就可以幫忙。」




表示偽装について

台湾衛生福利部食品藥物管理署 
日本食品管理工作專區


日本輸入食品製造商產地辨識說明
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22_2015052011104193b.png
23_20150520111042e47.png
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製造工場の住所は記載して欲しいと、私も思っている。

記載住所と工場の所在地が違っている加工食品(放射線量は未検出)
ここに全ての企業と食品名が載っています↓
疑似自日本禁止輸入五縣之品項清單 104年5月6日 16:00
それぞれのメーカーの工場の記号などが全部網羅されている!すごい!

たとえば、
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味覚糖の特濃8.2牛奶袋糖 105g →表示は大阪市 だけど、製造した工場は福島県
ネッスルのKitKat巧克力餅乾 162.4g →表示は兵庫 だけど、製造した工場は茨城県

他にも西日本の表示で関東東北で製造している会社
日清 大阪→茨城
Nestle 神戸→茨城
pokka sapporo  名古屋→群馬
永谷園 岐阜→福島
永谷園 広島→茨城
はごろもフーズ 静岡→群馬
日本製粉 美國(=米国)→茨城
日本日清食品 大阪→茨城
ハウス食品 大阪→栃木
カバヤ食品 岡山→茨城
卡巴食品株式會社 岡山→茨城
森永製菓 兵庫→群馬
株式會社Mizkan  愛知→栃木
大森屋株式會社 大阪 →千葉
日本サンガリア  大阪→群馬
味の素  日本 →群馬
VALOR  岐阜→福島
kabaya株式會社  岡山→千葉
大森屋 大阪→千葉
東洋水產 東京→福島
lion 菓子株 東京→福島
Mizkan 愛知→栃木
ライオン 東京→福島
戶隱そば本舗  長野→茨城
大創產業 広島→群馬
昭和產業株式会社 長野→群馬

他、東京表示で製造は茨城、千葉、栃木など多数あります。


ーーー

台湾で調べた結果放射線量が未検出なんだから、
ちゃんと表示すればいいだけのことなのだ。



でも、お茶は今も出ているので、要注意。

台湾のニュース番組なんか見ると、外から日本を見たらどんななのか?っていうのがよくわかる。






続きを読む

「あなたが石橋信者だからそんなことを言っているだけだよ! (米谷仁の方を見て)もうアウトだよ!」田中俊一原子力規制庁会見(文字起こし)


専門家の異論を門前払い…原子力規制委員長の「妄言」が話題
2015年5月19日 日刊ゲンダイ

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原子力規制委員会の田中俊一委員長(C)日刊ゲンダイ

「異論」を唱える学者は宗教家なのか!?――。原子力規制委員会の田中俊一委員長の「妄言」が問題になっている。

仰天発言が飛び出したのは4月28日の会見。記者が、原子力規制委や九電が鹿児島の川内原発の「基準値地震動」(想定される最大の揺れの強さ)を過小評価している――と地震学者の石橋克彦・神戸大名誉教授が指摘していることについて質問したところ、田中委員長がムッとした表情でこう切り捨てた。

石橋さんが言っているだけであって、あなた(記者)が『石橋信者』だから、そんなことを言っている

専門家の異議をハナから「宗教扱い」とはアキれたご仁だ。「基準値地震動」は、鹿児島地裁が川内原発の再稼働を「容認」する判断基準にもなった。そんな重要な「指標」に専門家が疑義を唱えているのである。

田中委員長も学者のハシクレなら、きちんとデータを示し、科学的な根拠を示して反論すればいい。まるで異論を“邪教”扱いにして門前払いし、寄せ付けないとは学者の風上にも置けない人物である。

鹿児島地裁に再稼働差し止めを申し立てた原告弁護団の内山成樹弁護士はこう言った。

「(規制委や九電は)最大地震動が原発のところに来たら、もう諦めるという考え方なのでしょう。許せませんよ」

いやはや、こんな組織が日本の原子力行政を左右しているのかと思うと恐ろしい。トップである田中委員長の現状認識こそ「神懸かって」きているんじゃないか。
(取材協力=ジャーナリスト・横田一)




原子力規制委員会 定例記者会見 (平成27年4月28日)
フリージャーナリスト横田一氏の質問



ー田中俊一委員長の言葉は正確に文字起こしー

記者:
石橋克彦教授(日本の地球科学者。神戸大学名誉教授。専門は歴史地震、地震テクトニクス)が
「1月に原子力規制委員会に異議申し立ての主張をしたんだけれども、3ヶ月経ってもまだ、なんの回答もない。
田中委員長は非常にお忙しくて、まだお読みになっていないのか?理解していないのか?わからないが」
とおっしゃっていたんですが、石橋教授の異議申し立て、主張に対してどうお考えになっているのか?

1
田中委員長ではなく、原子力規制庁総務課庁米谷仁が答える

記者:委員長はお読みになっていないんでしょうか?

田中委員長:はい、拝見していません

記者:
昨日石橋教授は
島崎委員という地震学者の方がいたけれども、思い込みで南海トラフ巨大地震のリスクを過小評価したんではないか?という疑問も提示されているんですが、それについてはいかがですか?

田中委員長:
まあ、島崎サーーーーーーンがいろいろご判断されてきたことに対して、私から何か申し上げるだけの私は知識も何もありませんし、あの、石橋先生は石橋先生のご持論があるんでしょうけれども、
まあ、島崎委員に、当時の委員は、それ、それなりに、あの、判断されたと思いますし、
そのいろんな議論はみんな公開されているから、分かるはずなんじゃないの?

規制庁の総務課庁の米谷仁:今整理していて、いずれ委員会で議論になるからそこまでお待ちいただきたい。

記者:
昨日石橋教授は鹿児島地裁の仮処分却下に関して、
直下地震留萌支庁南部地震に関して、これも過小評価しているんじゃないか?
仮処分の決定は観測地点のデータをもとに検討しているんですが、シミュレーションすれば、その値の1.5倍から2倍になると指摘していて、
シミュレーションするんは当然のことだと指摘しているが、その点についてはいかがか?

田中委員長:
あの、石橋さんのことも、その裁判所の決定のことについても、私はコメントする立場にないし、あの・・・何も言うことはありません。
あの…個人がどういう主張をされようが。


記者:
仮処分の根幹的な部分で、直下地震のリスクの評価が小さすぎると。
原告側の弁護士が、原発地震想定の

原子力規制庁:すみません、個別のことなので改めて広報室を通して、

記者:
いや、じゃ、一点だけ。
シミュレーションの手法を考慮しない今回の鹿児島地裁の決定というのは、
最新の知見を駆使したものと言えないとお感じにならない、
シミュレーションした結果も考慮するべきだとお考えにならないのですか?

総務課庁の米谷仁が答える。「委員長が先ほど申した通り、コメントする立場にない」

記者:
留萌市庁南部地震の件で確認したいのですが、
鹿児島地裁の却下についてはコメントできないということだが、
九電が地震についてリスク評価して、それを追認したというのが原子力規制庁なので、
その姿勢を今お聞きしている
ので、
この留萌市庁南部地震の観測点が最大だとご覧になっているのか、
シミュレーションすると1.5倍から2倍に、ちょっとずれたところに最大があるだろうというふうに考えてる二つの考え方があるんですが、委員長はどちらを取られるんですか?


規制庁:個別の話なので担当課の方に問いあわせいただけますか?

記者:川内原発の再稼動の根幹的な問題で

田中委員長:
我々の審査の結果を、一応裁判の方はそのそのそういうふうに判断しただけであって、
あのー、また別の方はまた違ったことを言っているし
いちいちそんなことに付き合っている暇はないですね


記者:留萌市庁南部地震の…

2
田中委員長:
そんな、だって、シミュレーションやるのが正しいなんていうのは、あの、公知の事実でもなんでもなくて、石橋さんが言っているだけで、
あなたが石橋信者だからそんなことを言っているだけだよ!

(米谷仁の方を見て)もうアウトだよ!


記者:地域地盤環境研究所のシミュレーションの(マイクの音声切られる)

規制庁:見解の相違になっていますのでこれ以上の質問はお控えください。





ーーー


こうやって、自分に都合の悪い意見には「いちいちそんなことを聞いている暇はない」と耳を貸さず、
記者を「信者」呼ばわりして、まるで真実の報告ではない宗教の次元だとする。

原発の再稼動は、こんなふうに進められている。



ーーー

神戸大学名誉教授・石橋克彦氏、元GE原発技術者・佐藤暁氏 外国特派員協会記者会見
2015年4月27日








オスプレイ事故

「沖縄ばかりに押し付けて悪いから」ではなく
「アメリカには日本から出て行ってもらおう」だと思う。

U.S Marines, 1 killed, others hurt in Hawaii military aircraft crash 
MV-22

2015/05/18



オスプレイがハワイで着陸失敗 1人死亡
2915年5月18日 11時45分

1

アメリカ海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイが、ハワイで演習中に着陸に失敗し、海兵隊員1人が死亡したほか、20人余りが病院に運ばれて手当てを受けています。
アメリカ海兵隊によりますと、ハワイのオアフ島にある空軍基地で17日昼前、アメリカ海兵隊のMV22オスプレイが演習中に着陸に失敗したということです。
オスプレイには当時22人の海兵隊員が搭乗しており、病院に運ばれましたが、1人が死亡し21人が手当てを受けています。
このオスプレイは、西部カリフォルニア州のペンデルトン基地に拠点を置く第15海兵遠征部隊に所属しており、海兵隊は事故の原因を調査しています。

2

オスプレイを巡っては、沖縄県の普天間基地に海兵隊のMV22オスプレイ24機が配備されているほか、アメリカ国防総省は先週、東京の横田基地に再来年以降、空軍の特殊作戦などに使うCV22オスプレイを10機配備する方針を明らかにしたばかりでした。
また、陸上自衛隊も、2018年度までにオスプレイ17機を導入する計画ですが、今回、死亡事故が起きたことで、国内から不安の声や安全対策の徹底を求める声が高まることが予想されます。

過去にもトラブル相次ぐ
アメリカ軍の新型輸送機、オスプレイを巡っては、開発段階に墜落事故が相次ぎ、安全性を疑問視する見方が出ました。
その後、アメリカ軍は機体の設計の変更や改良を繰り返した結果、安全性が高まったとして2007年からオスプレイの配備を開始しました。
しかし、その後もオスプレイの事故は続いており、2010年にはアフガニスタンで墜落し兵士4人が死亡したほか、2012年にもモロッコで墜落し兵士2人が死亡しました。また、同じ2012年にはアメリカ南部フロリダ州の基地で、墜落事故が起き5人がけがをしたほか、翌年2013年の8月にはアメリカ西部ネバダ州で着陸に失敗し、オスプレイの機体が大きく破損する事故が起きています。
日本国内でも飛行範囲を拡大
3年前、沖縄に配備されたオスプレイは、去年から飛行範囲を関東や北海道などにも広げていて、再来年以降には東京のアメリカ軍基地にも配備されることになっています。
海兵隊のオスプレイは、3年前の平成24年、アメリカ本土から、いったん山口県のアメリカ軍岩国基地に運ばれたあと、沖縄のアメリカ軍普天間基地に配備されました。おととしからは配備先の沖縄だけでなく、岩国基地を拠点に、四国上空や、滋賀県にある陸上自衛隊の演習場などで訓練を開始しました。
そして去年から本土での飛行範囲を広げていて、7月、神奈川県のアメリカ軍厚木基地や東京のアメリカ軍横田基地にも初めて飛来しました。その後、北海道や東北にも飛来していて、今月も横田基地に飛来しているのが確認されています。
さらに再来年以降、空軍のオスプレイが、横田基地に配備されることが明らかになっています。また、陸上自衛隊も、オスプレイを導入する計画です。

官房長官 情報提供を申し入れ
菅官房長官は午前の記者会見で、「政府としては、アメリカ側に対し、今回の事案の関連情報を速やかに提供するように申し入れているところだ」と述べました。
また、菅官房長官は、記者団が「アメリカ国防総省がオスプレイを東京の横田基地に新たに配備する方針を示したなかでの事故だが、影響をどう考えるか」と質問したのに対し、「いずれにしろ、政府はアメリカ側に対して、安全な運用に最大限配慮するよう求めているので、そうしたことをしっかりと主張していきたい」と述べました。

翁長知事 沖縄県内での飛行停止要請を検討
オスプレイがハワイで演習中に着陸に失敗した事故について、沖縄県の翁長知事は記者会見で「憤りを感じている。県民の安心安全を守る見地からしっかり対応したい」と述べ、事故原因が究明されるまでの間、アメリカ軍に対し沖縄県内での飛行停止を求めることを検討する考えを示しました。
そのうえで翁長知事は「県としてはオスプレイの配備に反対で、日米両政府に対し、配備撤回を求めているところだ」と述べ、日米両政府に対し、引き続き配備撤回を求めていく考えを示しました。




オスプレイ事故:「やはり」「ぞっと鳥肌」住民不安
毎日新聞 2015年05月18日 22時46分(最終更新 05月19日 00時25分)

「やはり危険だった」。18日朝(現地時間17日)ハワイで発生した米軍の新型輸送機オスプレイの事故。原因が分からないにもかかわらず、菅義偉官房長官は「安全だと思っている」と強調。しかし、配備が進む全国各地の住民から、一斉に不安の声が起こった。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)には事故機と同じMV22オスプレイが24機ある。滑走路の延長線上に住む上大謝名(うえおおじゃな)自治会の大城ちえ子会長(61)は、事故の一報を聞いて「ぞっと鳥肌が立った」。「同じオスプレイが自宅の真上を日常的に飛んでいる。常に『もしかしたら墜落するんじゃないか』という不安があり、事故で改めて恐怖を感じた」と語った。

米空軍嘉手納基地を抱える沖縄県嘉手納町の福地勉町議(65)は「上空を飛ぶオスプレイを毎日のように見ているが『やはり』という思い。危険性が証明された」と憤り「配備は沖縄だけでなく全国に広がっており、本土の人にも危険性を分かってほしい」。

日米両政府は2012年10月の普天間飛行場へのオスプレイの配備にあたり、「人口密集地上空をできる限り飛ばない」、「午後10時以降は必要最小限度に制限」などのルールを決めた。だが、県基地対策課によると、13年10〜11月の2カ月間で457件のオスプレイの飛行情報が寄せられ、うち約7割の336件がルール違反とみられるという。

翁長雄志(おなが・たけし)知事は墜落事故を受けた18日の記者会見で「このような環境でのオスプレイの配備は県民からすると到底納得できない」と強い口調で指摘。県幹部は「危険性に対する不安が払拭(ふっしょく)できていない中で起きた事故。きちんと対応してほしい」と強調した。

一方、普天間飛行場のある宜野湾市の佐喜真淳(さきま・あつし)市長は「事故は誠に遺憾。原因究明を早急に行い、今後の運用に一層の安全対策を講じるよう日米両政府に強く求める」とのコメントを出した。

防衛省が配備を計画する佐賀空港(佐賀市)の周辺にも不安は広がる。

「昨年11月の住民説明会で防衛省は『安全性は大丈夫』と説明していたが心配だ」。空港に近い同市西川副校区で自治会役員を務める田中信さん(74)は危機感を募らせた。「地区沖合の有明海の海上ではノリの養殖も行われている。騒音も問題だが、事故が一番恐ろしい」と話す。

何度もオスプレイが飛来している米軍岩国基地(山口県岩国市)。飛行差し止めなどを求めている「岩国爆音訴訟」の津田利明原告団長(68)は「改めて危険性が示された事故。岩国から、本土各地に張り巡らされたルートで低空飛行の訓練をしている。公園や学校などに落ちたらと思うとぞっとする。首都圏のど真ん中の横田に配備するなど論外だ」と述べた。

その横田基地のある東京都立川市で働く熊田真弓さん(40)は「安全と思えず横田でも事故が起きないかと心配だ」と話した。【佐藤敬一、岩崎邦宏、賀川智子】




オスプレイ横田配備「影響ない」 米軍、日本での運用変更せず 
2015年5月19日 47News

【ワシントン共同】米国防総省のウォーレン報道部長は18日の記者会見で、ハワイで起きた海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイの死亡事故に関し、空軍のCV22オスプレイを米軍横田基地(東京都福生市など)に配備する方針への影響は「ない」と明言した。

日本国内に配備しているオスプレイの運用計画についても「現時点で変更する予定はない」と述べ、安全確認のために飛行停止などの措置を取る必要はないとの認識を示した。事故当時、火災が発生したとする一方、火災が起きたのが事故の前なのか後なのかは不明だとした。

2015/05/19 06:50 【共同通信】



横田基地にオスプレイ配備で400人配置へ
2015年5月13日 10時40分

アメリカ空軍は新型輸送機CV22オスプレイを再来年以降東京の横田基地に配備するのに伴い、特殊部隊の要員400人近くを横田基地に新たに配置する計画を明らかにしました。
アメリカ国防総省は11日、アメリカ空軍が東京の横田基地に特殊作戦などに使うCV22オスプレイを再来年に3機、2021年までに7機の合わせて10機を配備する方針を発表しました。
これを受けてアメリカ空軍の当局者はNHKの取材に対して、オスプレイの配備に伴い、運用を担う空軍の特殊部隊の要員400人近くを横田基地に新たに配置する計画を明らかにしました。
また、横田基地ではオスプレイの整備施設などの関連施設の建設が早ければ来年後半にも始まり、2019年後半には完成する予定だということです。

3

さらに、横田基地に創設されるオスプレイの部隊は沖縄の嘉手納基地に司令部がある第353特殊作戦群の所属になるとしているほか、今回の配備は機種の更新が目的ではないため特殊部隊が嘉手納基地に配備する別の輸送機MC130も削減せずに維持するとしています。
空軍のオスプレイを巡っては当初、嘉手納基地への配備も検討されましたが、沖縄での反対の声に配慮して横田基地に決まったものとみられていますが、横田基地への負担が増えることで周辺の住民からは懸念の声が上がることも予想されます。





軍用機オスプレイの事故映像 MV-22


衝撃的なオスプレイの着陸


2012年
<分かち合い>「オスプレイの飛行訓練を全国で受け入れていただく」11/1NHKニュース9長島防衛副大臣と大越アナ(内容書き出し)

2013年
沖縄だけの問題じゃない。横田へオスプレイ(東京新聞7/30夕刊)



3<リニア残土問題>「穴を開けて膨大な量の土が出て、持って行き方が場当たり的で、最終責任も考えられていない」〜静岡県最北部の南アルプス 4/13樫田秀樹氏 岩上安身氏インタビュー(文字起こし)

2015年4月13日(月)19時 
樫田秀樹氏 岩上安身単独インタビュー


残土

静岡県最北部の南アルプス。
JR東海は建設残土360万立方メートルを、大井川渓流部に6カ所、標高2000メートルの稜線に1カ所置く予定。
静岡県知事も静岡市長も「回避せよ」と意見を出したが、反映されなかった。
トンネル工事を大井川の流量が1秒最大2トン減ると予測されている。
焦ったのは、大井川を利用する下流の7市2町だ。

1

樫田:
見やすくなるように書いたんですけれども、
この大井川のカタカナの、ア、イ、ウ、エ、オ、カ。
これがここの6カ所です。残土を置こうとしているところですね。

2

そして、キが標高2000m
3_20150510141847aff.png
白根庵嶺ですが、通称「扇沢」
でここの残土はここから持ってくるんですね。
非常口、さっきのトンネルですね、ここに非常口を作ります(緑の三角)。
ここからこのトンネルの残土を出すんです。
で、ここ(緑の三角)からこのルートを使って(黒い線)山まで持ってくる。
ここは標高1500mです。
500m上です。どうやって運ぶか?
ここ(緑の三角の右上の黒い点)にですね、トラックじゃなくて、トンネルを掘るんですよ。


岩上:えっ!!また!?

樫田:
トンネルを掘って、トンネルの中にベルトコンベアーを設置すると。
そのベルトコンベアーで残土をザーっと、500m上の標高2000mの山の上に置くといった計画ですね。


岩上:
その残土を積み上げちゃうことによる、
またこれが環境影響というのはどのように出るのか?というのはどう説明しているんですか?

樫田:
これは地元の、方法書といって準備書ですね。
準備書が出た後に、みんなビックリしたんですね。
7市2町の首長さんと、静岡県知事も、静岡市長も、「これは許されない」と。
許されないから回避してよと。
後、県が設置した環境影響評価審査会という、そういった県独自の審査会があるわけです。
そこに在席した研究者も専門家の方たちも「ここには置くな」と。
「危険だ」と。

何が危険か?というと、
まず「残土そのものが、標高2000mの稜線から崩落する可能性がある」ということと、
残土の重みで山そのものが崩れる可能性がある」と


岩上:あ……

樫田:「だからここは回避せよ」と。

岩上:そんなこと今まで聞いたことがないですよね。

樫田:
ですからその答申を受けて、静岡県知事もJR東海に対して、「
ここに残土を置くのは回避せよ」という意見を出したんです。

岩上:
崖崩れとか山崩れが起きてしまうかもしれないから、残土そのものを。
それから残土どころか、その重みで山自体が崖崩れ、山崩れを起こす。
これは周りがものすごく危険な状態になるわけですよね?

樫田:そうですね。

岩上:こんなことってかつてやったことあるんですか?

樫田:無いんじゃないですかね。

岩上:日本のどこかの公共事業とかで、山の上に積み上げるという、

樫田:聞いたこともないですね。

岩上:
膨大な大きさの山とか。
これ、今までだったら、山を崩すとかは普通はどこか埋め立てに使うとか、そんなのだったですよね。

樫田:そうですね。

岩上:だから埋め立てにも持っていけないほどの量だっていうことなの?

樫田:
でも不思議なのは、残土というのは廃棄物じゃないわけですね。
残土は資源なんですよ。
法律で資源なんです。
ということはですね、置くだけではなくて、いつかは再利用するという前提が残土なんです。
じゃあ、ここに置いてどうするんだ?ということなんです。
そういう計画は全然聞いたことがないですね。


岩上:それは誰のものなんだ?っていう話ですよね。

樫田:
そうですね、そうです。
だからこれ本当に残土もですね、JR東海が自分の名において、最後まで保管しているのか。
それともどこかの業者に売り渡して、「後はあなたたちの責任でどうぞ」ということでやっちゃうのかもわからない。


岩上:わからない。

樫田:それはわからない、まだこれからです。

岩上:
だからその残土の行く末自体では、今言ったように崖崩れが起きるかもしれないというような問題についての最終責任がわからない…。

樫田:わかりません。

岩上:
あ………、ビックリするなぁ。
これは本当に、このリニアの計画のうちの一部ですね。
一部でももう、こういう問題が発覚してきているという、見えてきているという。

樫田:
そうですね、約5800万リューベ(立法メートル)の残土のうち、静岡県はわずか360万立方メートルですから。


岩上:5千800万!

樫田:ええ、東京から愛知まで。

岩上:イメージできないですね。それが東京ドームの30杯って言いましたっけ?

樫田:
これ(360万立方メートル)で東京ドーム3杯ちょっとですね。
東京ドーム1杯で100万リューベちょっとですから、5800で、ま、50杯ちょっと位でしょうか。

岩上:
東京名古屋間ですよね。
大阪間まで入れると、

樫田:ちょっとわかりませんが、

岩上:
はるかにもっと多いわけですよね。
それだけ穴を開けて、膨大な量の土が出て、その持って行き方というのも場当たり的ですよね。
場当たり的な処理しか今の所思いついていないし、その後の最終的な責任ということもきちんと考えられていないし、説明されていない。


樫田:そうです。

岩上:あるいは合意が形成されていないわけですね。

樫田:合意は住民合意はもう全然ですね。されていません。

岩上:あれは国民との合意って言ってもいいですよね。全然説明されていない訳ですね。

樫田:国会でも審議されていません。

岩上:これはものすごく重大なことですよね。

樫田:
で、これなんで大井川の河原に置くのか?(ア、イ、ウ、エ、オ、カ)
JR東海の言い分は、ここは開閉された土地であると。
つまり、かつて一度使ったことがあると。
ま、確かにそうなんですね。
何かの宿舎後ですとか、何かの資材置き場だとか、小さな残土捨て場だとか、
確かにこれ(ア、イ、ウ、エ、オ、カ)はそういったところなんですね。
でもこれは後で写真を見せますが、ここの「カ」。
ここに関しては、開閉っていうかね、何かコンクリートを作っていたような施設があったらしいんですが、それは数十年も前の話で、今はもう本当に自然に戻っているんですね。


岩上:なるほど。

樫田:
数十年前に開閉された工場で「ここ(カ)に置くんだ」と言っているんですけれども、
ここ(カ)はとんでもないですね。
これは後で写真で説明いたしましょう。

4

岩上:
はい。残土問題について、
この実験線で排出された残土のうち160万リューベが、山梨県お笛吹市境川町の谷を埋める、
谷を埋めてしまっている!?


樫田:そうですね。

岩上:
用途は未定。
用途は未定!
谷を埋めちゃって、その埋まっちゃった土地をどうするの?っていうことになっている訳ですか?

樫田:
これは、もともとは、境川は笛吹市に合併する前は境川村だったかな、町だったかな、自治体だったんですけど、
そこが、「この谷を残土で平坦にして、住宅開発をやるんだ」と言ったことで盛り上がったんです。

岩上:はぁ。

樫田:
ところが頓挫しました。
っていうのは、JR東海にすればね、元々は「リニアは東京大阪間を21世紀の初頭には走るんだ」ということを言っていた訳ですよ。
それをみんなは信じていたんだけど、実験ばっかりやっててなかなか本線工事が始まらない。
そのうちバブルの崩壊もやってきたといったことで、住宅の開発は頓挫。
で、これは今もそうですよ。
何に使うかは未定です。


岩上:はぁ〜…

樫田:だから言ってみれば、本当に自然破壊が起こっただけ

岩上:
あぁ、なるほどね。
JRの事業としてリニア建設で使うだの、自治体の事業として処分するだの、処分場を造るだの、
三つの方法を説明するが、実際には具体的にどのようなものなのか?説明はされていないと。

樫田:そうですね。

岩上:
ま、「こういうことを考えていますよ」と言っているだけで、
「ここの地区のこれはこうしますよ」と。
で、かくかくしかじかで皆さんにはご迷惑がかからないようにしますよみたいな話でも

樫田:
でもない
それ以前です。
残土が全部で5800万リューベ出てきますけど、
そのうちですね、さっきの静岡も含めて、
「残土をこうやって処分しますよ」と言っているのは、そのうちの2割も無いんです。
8割以上は、「都県を窓口にいたします」と、それで終わっているんですね。


岩上:
ほほ〜。
全部押し付けちゃうっていう話じゃないですか。

樫田:
そうです。
どこに持っていくか?も、どうやって処分するか?も分からない。


岩上:
全体としてこれは本当に、リニアという壮大な巨大な計画のほんの一部ですよね、入り口の、実験線の。
一部ですけれども、その一部でことごとく無責任な体系みたいな感じになっている。
全体はどうなるんだ?非常に不安になってきますよね。

樫田:
不安です。
これが今のところですね。
これは谷だったところが、2、3年前に撮った写真ですけど、

5

岩上:
なるほど、リニア実験線から排出された建設残土160万リューベを、谷を埋めてしまったと。
そして平坦にしたと。
ここがその谷だったところを埋めちゃった、

樫田:そうです。

岩上:住宅開発が予定されていたけれども頓挫。

樫田:頓挫。

岩上:
もう要するに全然需要も見込めないし、
ここをデベロッパーが買ってくれるという見込みだったんでしょうけど、誰も手をあげないし、
ま、そもそも値がつかないんでしょうね。

樫田:
そうですね。
最初はね、山梨県にリニアの駅ができれば、ま、ここに住む

岩上:人がいっぱい増えると。でもそういうことも無い。

樫田:無いですね、はい。

岩上:
全然話が違う、どんどん変わっていくっていうことですね。
残土問題、まだ続きます。

6_201505101540183fd.png

リニア実験線の誘致が決まったのが1989年である。
翌年、県の土地開発公社は埋立地での「境川分譲地造成事業」を発足。
39億円を投じたと。
98年までに144人の地権者から21.9ヘクタールを購入。
残土で造成した後は、住宅365区画を分譲するという見込みだった。

こういう話だったんですね。
そして境川村では1000人の人口増を見込んで、幼稚園親切、下水道整備を構想。
だが計画は頓挫。
2012年夏に確認すると、土地は後者の手を離れ県に売却されていた。

あら、いつの間に。
なんですか、それ。

樫田:いまこれですね。

岩上:
はー、なんの開発も始まら無いのに利払いだけで7000万円もの負担が、
年7000万円の負担が、これは県に

樫田:かかっている。

岩上:
ようするに、税金でそのされられてしまっているということですか。
一方土地を買った県も埋立地の用途は未定。
残土は地域活性どころか、豊かな自然を壊しただけだった。
あちゃーっていう話ですけど、これは山梨県もなんでこんなもの受け入れるんですか?
あるいはこれについて、ま、JR東海が秘密主義だっていうのはわかりましたけど、
山梨県はきちんと説明しているんですか?こういうのを。
経過とか、どういう責任でもってね、県民に負担になるわけですから、
それは説明しているんですか?

樫田:していないと思います。
後、山梨県もリニアが始まった場所ということもあるので、
言ってみれば県民の方は、国会議員もようやく去年ぐらいからですね、
国家事業なんですよ。
本当は国家事業なんだけど。
リニアが国土交通省が認可してから動き出した。
田舎の人間は村八分が怖い。
だから反対が出来ないという、
だからこういった状況になってもなかなか「あの埋め立ては間違っているよね」という声は

岩上:国に盾突けないよね、みたいな感じになっちゃうんですか。





【内容情報】
総事業費9兆円。この史上最大の鉄道事業は、その問題点をほとんど報道されることなく着工目前まで来た。東京・名古屋間の286キロのうち86%の246キロがトンネルになることで発生する水枯れの可能性、処分方法の決まらない膨大な建設残土、掘り当てるかもしれないウラン鉱床、1日に1700台ものダンプカーが12年も走る村、10年以上も続く騒音と振動と土ぼこり、喘息、生活と交通阻害、生態系の劣悪化、立ち退き等々。今からでも遅くはない。JR東海は関係者、特に住民を軽視せず、徹底議論を図るべきだ。






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ニューヨークから60〜80kmのインディアンポイント原発で爆発火災・クオモ知事「原発での事故であり軽視すべきものではない」

ニューヨーク近郊の原発 変圧器火災で自動停止
NHK 2015年5月10日 10時54分


1
ニューヨーク近郊にある原子力発電所で9日午後、変圧器から火が出て運転中の原子炉が自動停止するトラブルがあり、アメリカのNRC=原子力規制委員会によりますと外部への影響はないということですが、運営する電力会社が出火の原因を調べています。

2
トラブルがあったのは、ニューヨーク中心部から北におよそ60キロほどのところにある「インディアンポイント原子力発電所」で9日午後(日本時間の10日午前)、敷地内に設置されている変圧器から火が出ました。

3
運営する電力会社によりますと火はすぐに消し止められ、けが人などは出ていないということですが、運転中だった2つの原子炉のうちの1つが手順に基づき自動停止したということです。

4
また、NRCによりますと火が出た変圧器は、放射性物質を取り扱う区域からは離れた場所にあり、原子炉の状態も安定しているということで、外部への影響はないということです。
アメリカのメディアは、目撃者の情報として、大きな爆発音があったと伝えていますが、出火の原因は明らかになっておらず、電力会社が調べています。

6
今回のトラブルについて、電力会社は事故の深刻さを示す4段階のうち最も低いレベルとNRCに報告したということです。


ーーー

米NY州の原発で火災、1基停止 安全上の問題は発生せず
CNN 2015.05.10 Sun posted at 14:29 JST

NY市近郊のインディアンポイント原発で火災が起き、運転を停止した

ニューヨーク(CNN) 米ニューヨーク州政府などは9日、同州ブキャナン近くにあるインディアンポイント原子力発電所で同日夕、爆発と火災が発生したと報告した。米連邦政府の原子力行政当局は、この事故で原子炉1基が自動停止したと発表した。

負傷者は出ていない。火災は変圧器の不具合が原因とみられ、同原発を保有するエンタジー社の広報担当者は自動消火装置の作動で火災を消し止めたと述べた。現場にいた作業員も消火活動に当たったという。同原発の公式サイトによると、原子炉は2基ある。

広報担当者は、火災は原子炉から約183メートル離れた、放射性物質を処理する区域外で起きたとも説明した。原発内の状況は安全で、安定していると主張した。火災発生を受け、現地時間の午後5時50分ごろ、「異常事態」の発生を宣言、それに見合う緊急対応を原発内に指示したという。火災は同6時15分までに鎮火した。

同原発はツイッター上で、公共の安全への脅威は終始発生しなかったとし、原発での緊急事態に備えたシステムは想定通り作動したと述べた。

インディアンポイント原発はニューヨーク市マンハッタン地区から北へ約80キロ離れた地点に位置する。火災発生で原発周辺の上空には黒煙が立ち上ったという。

今回の事故を受け、ウェストチェスター郡やニューヨーク州の州警察など多数の緊急事態対応当局が出動。原子力規制委員会の報道担当者は、対応した要員3人が原子炉の冷却などの処理に当たったと述べた。火災原因を調べる方針。

同州のクオモ知事も原発を訪れ、事故の説明を受けた。知事は「小規模な事故だが、非常に深刻な状況ととらえている。原発での事故であり軽視すべきものではない」と語った。
同原発は、ニューヨーク市とウェストチェスター郡の電力需要の約25%を供給している。







【特別企画】小出裕章さんに聴く~被ばくと避難~「子供達を被ばくから守るということは、大人たちの最低限の義務」4/25ふくしま集団疎開裁判の会(文字起こし)


【特別企画】小出裕章さんに聴く~被ばくと避難~
2015年4月25日 UPLAN

【ふくしま集団疎開裁判の会・特別企画】
社団法人日本外国特派員協会にて収録


https://youtu.be/3N0AleLL6DU?t=34s

被ばくの影響

質問者1:
まず、フクシマの原発事故なんですが、子供たち、特に健康面だけではなくて精神面にも、
たくさんの人に影響を及ぼしたと思うんですけれども、
中でも子供たちへの影響が多いと聞いていますが、どのような問題が考えられますか?


小出:
まずは、”子供”という生き物ですけれども、「放射線の感受性がとても高い」のです。
ごくごく平均的な、ま、たくさんの人々を、年寄りから子供まで集めてきて、
それぞれの放射線の危険度を平均化していって、
”平均的な危険度”というものをもし計算することができるとすると、
赤ん坊などは、その平均的な危険度の4倍も5倍も被曝の危険度が大きいという、そういう生き物なのです。

ですから、今福島原子力発電所の事故の後、
汚染地帯に子供も含めて捨てられてしまっているわけですけれども、
これから、被曝による影響というものが、様々な形で現れてくると思いますが、
その多くは子供達に現れてくるだろうと思います。

そして、そういう環境で人々が生活しているわけですから、
例えば、子供を持っている母親などは、
「自分の子供を被曝させないように」と、多分細心の注意を払っているだろうと思います。

そうなるとどうするか、というと、
「泥んこ遊びはしてはいけない」
「雑草に触れてはいけない」
「花が咲いていてもそれをとってはいけない」
というように、多分子供達を育てざるを得なくなっていると思います。
そうなれば、子供達からみれば、
単に被曝によって健康被害を受けるということだけではなくて、
子供らしく成長していくという、そのこと自身を奪われてしまうという、
今、「精神的な」とおっしゃったと思いますけれども、
そういうことも抱えながら、子供達が生きざるを得ないという状態になっていると思います。


質問者1:
「被曝」についてですが、福島の子供の甲状腺癌による病状が拡大しつつあるということを聞いたんですが、その現状について少し教えていただけますか?

小出:
人間が、放射線というものを発見したのは1895年です。
ドイツのレントゲンという物理学者が、実験中に不思議な光というものが出ていることに気がついて、
正体不明の光だということで「X線」という名前をつけた。
それが初めてだった、のです。

その頃は「放射線」というものが何だかもわからなかったわけで、
たくさんの学者や研究者が「その不思議な光、X線って一体なんなんだ?」ということで調べ始めるわけですし、
その他にも様々な放射線というものがあることにも気がつく訳です。

しかし、「放射線がどれだけ危険か」ということを彼らは知らなかった。
そのためにたくさん二歩と他人が死んでしまったり、
あるいは健康の被害を受けるという歴史をずーっと続けてきたのです。

そういうことを世界中の学者も研究者もだんだん気がついてきて、
放射線というものに被曝してしまうと、「様々な被害を受けるのだろう」ということがわかってきた。

そして、一番決定的な証拠というのは、
広島・長崎の原爆被爆者、の被害によって私たちの目の前に知らされたものなのです。

たくさん被曝をしてしまえば、もちろん死んでしまう訳ですし、
髪の毛も抜けてしまう、
火傷をする、吐き気をもよおす。
下痢をしてしまうというような、
被ばく直後からたくさんの被害が出るということが、すぐにわかりました。

では、そういうすぐに現れる被害だけで済むのか?ということで、
また研究が始まりました。

米国という国がABCCという研究所を広島と長崎に作りまして、
その研究所に、被爆者を、10万人近い被ばく者を集める訳です。
そして被ばくをしていなかった人たちも集めまして、
健康調査を1950年から始めました。
そして長い間、被ばく者と被ばくをしていない人たちの間にどんな健康被害の差が出るだろうか?
ということの調査を続けたのです。

その調査というのは、被ばく者、あるいは非被ばく者というのをABCCの研究所に呼び寄せて調査をするのですが、決して治療はしません。
治療をしてしまえば、データにならないのですね。
治療をしないでほったらかしにしておけばどうなるか?ということを彼らは知りたいのですから、
健康の診断はするのだけれども、治療は一切しないという調査をずーっと続けたのです。

で、その結果何がわかってきたか?というと、
被ばくというものは直後に影響が現れなくても、いずれ白血病が出てくる、ということが始めにわかりました。

その次には白血病だけではなくて、その他のガンも増えている、ということがわかりました。
さらに長く調査を続けていけばいくだけ、爆心地から離れて、被ばく量が少なかった人たちの中にも癌や白血病が増えてきているということがわかってきたのです。

最近になっては、癌や白血病だけではない、循環器系の病気であるとか、様々な病気が、やはり被ばく者の中に多いということがわかってきているのです。
でも、まだまだ分からないことというのはたくさんあるのです。
これからまだまだ被ばく者という人の調査を続ける訳で、でも、何れにしても何十年か経てば、被爆者の方々も亡くなってしまって、結局調査もあるところで行き詰まってしまうということになるのですが、
私自身は、どんな病気も生じるだろうと思っています。

私はもともと物理的なものを専門にしてきた人間ですけれども、
放射線が持っているエネルギーというのは、生き物が自分の体を維持するための化学結合。
ケミカルな結合を支えているエネルギーに比べれば、10万倍も100万倍も高いという、そういうエネルギーを持っていますので、
放射線に被ばくをするということは、生命体にとってありとあらゆる被害を受けるだろうと思っています。

現在福島県では、子供達の間に甲状腺癌というのが出ているわけで、
出て当然だろうと、私は思います。
ただ、因果関係というものを確定するまでには、まだまだ長い間の調査をしなければいけないと思います。
それに対しては国の方は「今出ている甲状腺癌は被ばくとの因果関係はない」というようなことを言っているわけですけれども、あまりにもサイエンスからかけ離れた主張だと思います。
何よりも必要なのは、きちっとした調査をするということだと、私は思います。


質問者1:
原発事故後から今日まで被害を受けた方々の、特に子供達に対する調査もですけれど、
医療サポートだとか、その重要性とか必要性、あと問題点について少し教えてください。

小出:
まず、何よりも必要なことは、
本当であれば、子供達を汚染地帯から避難させる、移住させるということなのです。

「被ばくをしてしまえば、もちろん体に傷がつく」というのは今聞いていただいた通りなのであって、
本当であれば子供たち、せめて子供達は逃がさなければいけないということをやるべきだと、私は思います。

残念ながらこのデタラメな国はそれをやらないで、子供も含めて汚染地帯に捨ててしまっているわけです。
そうなれば、仕方がない。
やはり調査をして、子供たちにどんな被害が出るのか?そしてどうやればそれをサポートできるのか?
ということを考えるしかないと思います。


1年間に20ミリシーベルトまでは帰還させる

質問者1:
事故直後から現在まで、放射能汚染はどれくらいひどいと思いますか?
私達も少し、わかりにくくて、そこがちょっとわからないんですけど。

小出:
日本というのは法治国家と言われてきたのですね。
国民が法律をもし破るようなことをすれば、国家が処罰すると言ってきた。
悪い奴がいれば刑務所に入れちゃうから、街には悪い奴はいない。
安全で安心な国なんだと、日本の国が私達にそういうふうに言い続けてきたわけです。

それならば法律を決めた国家が、自分の決めた法律を守るのは最低限の義務だ、と私は思います。
そして、日本の国家が作った法律、被ばくに関する法律はたくさんあったのです。
例えば、普通の皆さんは1年間に1mSv以上の被ばくをしてはいけないし、させてもいけないという法律がありました。

それから、私自身は先ほどもちょっと聞いていただきましたが、
京都大学原子炉実験所という特殊な職場で、原子炉や放射能を相手に仕事を続けてきた人間なのです。
放射線業務従事者という、法律的なレッテルを貼られた人間です。
その私が放射性物質、放射能を取り扱って仕事をする、実験をしようと思えば、こういう、例えば普通の場所ではできないのです。
私がそういう仕事をしようと思うときは、放射線管理区域という中に入って、その場所でしか仕事ができない、という場所なのです。
そういう場所には普通の皆さんはまず、入ることすらができない場所です。
私のような放射線業務従事者であっても、その場所に入ったら最後水すら飲んではいけない。
食べ物も食べてはいけない。
トイレもありませんから排泄もできない、という、そういう場所が放射線の管理区域なのです。

私は仕事柄仕方がないので、そういう場所で仕事をしてきました。
そして、放射線管理区域の中で仕事を終えて、外にもちろん出てくるわけですけれども、簡単には出られないのです。
放射線管理区域の入り口にあるドアはいつも閉まっています。
そのドアを開けるためには、まず私自身の体が汚れていないかどうかということを測定しない限り、ドアは開かないのです。
なぜなら、私の体が汚れていて、管理区域の外にでてしまえば、普通のみなさんが生活をしているわけで、普通の皆さんをまた被ばくさせてしまう。
そんなことはいけないことなので、体が汚れていないかをきちっと測定しない限りはドアは開かないということになっているのです。

では、その時の基準というのはどのくらいの汚れなのか?というと、
1平方メートルあたり4万ベクレル、というのが基準です。

ですから、私の実験着が1平方メートルあたり4万ベクレルを超えた放射能で汚れていれば、ドアが開かないのです。
ですから私はそこで実験着を脱いで、放射線管理区域の中で、放射能で汚れたゴミとして、私の実験着を捨てる以外ないと、そういう場所なのです。
持ち込んだ実験道具が汚れていれば、もちろんそれも捨てるしかないという。
それが放射線管理区域の基準だったし、日本の法律がそう定めていたのです。

しかし、福島第一発電所の事故以降、広大な地域が放射能で淀れてしまって、
放射線管理区域の基準以上に汚れている地域は、おそらく面積にして1万4000平方Kmあります。
福島を中心とした東北地方、あるいは関東地方の一部というような地域が、それだけ汚れてしまっているのです。

ところが日本の国は、もうどうしようもない。
1平方メートルあたり60万ベクレルというような、猛烈な汚染地帯はさすがに人々は住めないので、強制避難させるということにしたのですけれども、
それ以外のところは、現在は原子力緊急事態だ、ということで、もう人々をそこに捨てる。
「逃げたい奴は勝手に逃げろ」ということをやってしまったわけです。

今は「一度逃げた人々も帰還しろ」と言っているわけですけれども、
その帰還の基準というのは、「1年間に20ミリシーベルトという被ばくまでは帰還しろ」と、日本の国が言っています。


その数字は一体なんなのか?というと、
私のような放射線業務従事者に対して、初めて許された被ばく量が1年間に20ミリシーベルトです。

それは、私のような特殊な人間が、仕事をすることによって給料をもらう。
それと引き換えに、「ここまでは我慢しろ」と言って決められた基準あのであって、
普通の人々にそんな基準を押しつけるというのは、到底許してはいけないことですし、
特に、被ばくに感受性の高い子供達にそんな基準を許すということは、私はありえないほどの暴挙だと思います。


子供達をとにかく逃す

質問者1:
そんな中、福島の方々の避難の必要性とか重要性とか、少しお話しされましたけれども、
そういう中で生活している子供達の避難する権利だとか、生きる権利、人権についてはどう思われますか?


小出:
私、実は「人権」という言葉が嫌いなのですけれども、
でも、子供達を被ばくから守るということは、大人たちの最低限の義務だと私は思っています。
なぜかといえば、原子力の旗を振ってきた人、
電力会社であるとか、国であるとか、そういう人たちには猛烈に重たい責任があるわけで、
私は「彼らは犯罪者だ」、と呼んでいますし、「彼らを処罰したい」と思っています。
重大な責任のある人は、まず刑務所に入れなければいけないと思っています。

そして私にしても長い間原子力の場で生きてきました。
原子力の旗は決して降りませんでしたけれども、原子力の場で生きてきた人間として、普通の皆さんに比べれば重たい責任があるだろうと思います。
でも、普通の皆さんは何のでき人もなかったのか?といえば、私はそうではないと思います。

原子力の暴走をここまで許してしまった。
世界一の地震国に58基もの原子力発電所を建てさせるまで、漫然とそれを許してきたということに対して、すべての日本人には責任があるだろうと、私には責任があるだろうと思っています。

しかし、子供に関する限りは、一切の責任もない。
原子力の暴走を許した責任もないし、
福島原子力発電所の事故を引き起こしたことに関しても、子供には責任はないわけです。
おまけに先ほどから聞いてきていただいたように、子供というのは放射線に大変敏感なわけです。
何としても子供達を被ばくから守るということを今、日本の大人たちはやらなければいけないと思っています。

ただ、残念ながらさっきも聞いていただきましたが、
この日本という国は、本当であれば、法律を守るのであれば、人々をそこに立ち入らせてはいけない。
私のような人間が入っても、水すら飲んではいけない都いう、そういう場所に子供も含めて捨ててしまっているのです。
そうなれば、なんとか子供達の被ばくを少なくさせなければいけないと、私は思いますので、
今日この会を開いてくださっている皆さん、疎開裁判をしてくださっている皆さんたちが求めているように、子供達をとにかく逃すと、どんな形であっても逃すというようなことを、大人の責任としてやるべきだと思います。



ひとりひとりが自分の現場で差別に抵抗して戦う

質問者1:
それと少し関係しているんですが、事故後4年経って、このような状況の中で、私たち、学生も含めて大人だったりとかは、どのようにこの原発事故後の状況に対して向き合っていけばいいですか?

小出:とても難しいご質問だと思います。


質問者1:私たち学生にもできることがあったら、ということで。

小出:
そうですか。
もちろんあるだろうと思います。
福島第一原子力発電所の事故、そのことに責任のある人たちというのは、私は、日本の国家の中枢を支えてきた人たちだと思いますし、電力会社、原子力産業の人たちだと思います。
そういう人たちを、先ほども言いましたが、「処罰したい」と、私は心底思っていますが、
残念ながら彼らは、誰一人として責任を取っていないし、処罰もされていないのです。
「大変不思議なことだな」と、思いはしますけれども、
でも「この日本という国は、どうもそういう国なんだな」と、思うようになりました。


というのは、昔というか、何十年か前といったほうがいいのかもしれませんが、
日本というこの国は戦争をしていたのですね。
日本には現人神(あらひとがみ)である天皇陛下がいて、
「神の国だから決して戦争には負けない」と言って戦争を始めて、
そして大本営というものを作って、マスコミも含めてみんなが戦争に突き進んでいった。
結局戦争に負けたわけですけれども、ほとんど誰も責任を取らない。
で、戦後の歴史が始まっているわけです。

一般の人たちは「大本営発表に騙されたんだ」と。
「悪かったのは軍部で、自分たちは騙されただけだ」ということで、
それまでは「鬼畜米兵」だと言っていたものが、いっぺんに「民主主義だ」と言い出して、コロリと変わってしまって、本当に何を自分たちがやったのか?という反省をしなかったと私は思います。

戦争中でも、確かに誰も戦争を止められなかったけれども、戦争に反対した人たちはいたのです。
そういう人たちは軍部につかまって、特高警察に捕まって殺されていったわけですし、
そうでない人というのは、ごく普通の日本人が「非国民」というレッテルを押して、一族郎党抹殺していったという、そういう歴史を辿ってきたわけです。

そういうごく普通の日本人達が、戦争が終わってしまったら「ただ騙されただけだ」と、「自分たちは悪くはなかった」と言って逃れてしまったんだと思います。

そして福島第一原子力発電所。
今、こんな悲劇を起こした責任のある人たちは、誰も責任を取らない。
そして一般の人たちも「なんか騙されたんだな」というぐらいに気がついている人たちはいるかもしれませんが、
それでも、本気で原子力を止めようとしている人たちが多いとは、私には見えないのです。

残念ながら日本で原子力発電を許してきた、というか、58基の原子力発電所の全てに認可を与えたのは、自由民主党という政権です。
そして今でも選挙をすれば自由民主党が、ま、選挙制度の問題もあるけれども、それでも政権の政党になってしまうということになっていて、一般の国民にもまだまだ福島第一原子力発電所に対しての責任の取り方がわかっていないと私は思います

そして、「じゃあ何ができるのか」ということですけれども、人々というのは多様な存在ですね。
私自身は、ある時に原子力に夢を持ってしまって、この場に足を踏み込んだ人間ですので、
そういう場に足を踏み込んだ人間として、私にできること、私にしかできないこと、というのがあると思いますので、それを今までもやってきたつもりですし、これからもやりたいと思っています。

ただし、原子力の問題というのは、単に原子力の安全性、機械としての工学的な安全性という問題ではないのです。
先ほどから聞いていただいたように、責任がある人間が、責任を取らずに逃げ延びてしまうというような、そのような不当な行為をやはり許してはいけないということだと思いますし、
そういうことは、私は一言で言うと「差別」と呼んでいるんですけれども、
そういう問題というのは、原子力の場だけではなくて、どこにでも存在しています。

誰かさんが学生であれば、学生であるという、その存在している場にも不当な差別というのはたくさんあると思いますので、ひとりひとりの方が自分の現場で差別に抵抗して戦うということをやってくださるのであれば、私が今戦っている原子力の問題と必ず繋がってくるだろうと思います。

ひとりひとりの人間がそうしながら、きちっと自分の責任を果たすのだという社会ができれば、原子力なんて簡単に止まるはずだと私は思いますし、子供達の被曝を防ぐことだって、簡単にできるだろうと思います。


定年退職

質問者1:
その中で小出先生が今までされてきた活動と、あとこれからどんな活動をする予定があるのか教えてください。

小出:
私は京都大学原子炉実験所というところにいて、原子力のことを研究するというのは私の仕事だったわけですから、私はひたすらその研究を今日までしてきました。
ただし私は原子力を進めるための研究はしなかったつもりです。
原子力なんていうものをやってしまうと、どんな被害が出てくるのか?
どんな危険を人間が抱えなければいけないか?
ということに関して、私が原子力の現場でできる研究というのをこれまでやってきたのです。

それは、原子力発電所が今枠的にどんな危険を抱えていて、もし事故になればこんなことになるだろうということを調べることも、私の研究のテーマでしたし、
そのためには原子炉実験所という特殊な職場にある様々な測定器を駆使して、その仕事に当たるということをやってきました。
ただし、先ほど聞いていただいたように、私は3月末で京都大学を退職しましたので、それまで使えた膨大な研究機器というものをもう使うことができない、という立場になっています。
それに私は定年退職となったわけです。
ま、定年退職というのは、単に雇用関係が切れるというだけのことであって、社会的な制度ですから、
私という個性を持った生き物にとっては、たいして大きな意味はもちろんないのです、定年退職ということに関しては。

ただいま聞いていただいたように、それまで使っていた膨大な機器が使えなくなったということは、一つありますし、
もう一つは、生き物として私も必ず年老いていく。
そしていつか死ぬというのは避けられないことなのであって、定年ということを機に、私も生き物としての自覚を新ためて持たなければいけないと思っていますので、
これまでも私は、自分しかやらない、自分にしかできないという仕事だけに自分の力を傾けてきたつもりなのですが、
これを機に、自分にしかできないという仕事を、より厳選しながら、生き物としていずれ死ぬということを自覚しながら、少しずつ退いていこうと思っています。


https://youtu.be/3N0AleLL6DU?t=26m53s

2

甲状腺癌と被ばくとの因果関係

質問者2:
今までおっしゃったことについて、質問を3点あります。
まずは、わからなかったことなんですが、
さっき先生が、「被ばくでどんな病気が出てもおかしくない」っておっしゃったとおもいますが、
それだと結構長い時間にわたって病気が出て、そこにどうやって甲状腺に関係しているかわかるんですか?その病気が。

小出:甲状腺癌が被ばくとの因果関係があるかないか、ということがどうやったらわかるか?ということですか?

質問者2:そうです。

小出:
まずは原爆被爆者で白血病や癌が増えている。
あるいは循環器系の病気が増えているということがわかってきた、ということは、
疫学という学問の調査結果なのです。
それはどうやって調べるかというと、
被ばくをした人と、被ばくをしなかった人たちというのを、同じような年齢集団で作って、
それを長い間調べていくことで、こちらの集団とこちらの集団で健康被害に差があるかないかということを調べて、ようやくにしてわかるという、そういう学問の世界なのですが、
福島の甲状腺癌に関しても、被ばくした子供たちを被ばくの度合いによって、分類をしていく。
そして一方に被ばくをしなかった子供たちというのをまた調査集団として作って、
それを長い間調査していって、「被ばくをしている子供達の方に甲状腺癌が多い」ということを見つけるというやり方が疫学というやり方です。
それは私はやらなければいけないと思っていますが、大変時間のかかる調査ですし、私たちが交絡因子(こうらくいんし)と呼んでいる、非常に人間という生き物はいろんな危険にさらされているわけで、放射線の被ばくだけではないわけですね。
そういう他の危険をどうやって切り落としていって、被ばくの影響だけ見つけ出すのかというのがなかなか難しい分野でして、これから長い年月たくさんの子供たちを調査しない限りは、因果関係の立証は難しいだろうと、私は思います。

そして国の方は、それをやりたくない。のです。
国の方は自分たちの責任ということを認めたくないわけですから、なるべくならごまかしてしまおうと思っているわけで、調査自身をやりたくないと思っているだろうと思います。
なんとか調査をきちっとやらせるような方向でいきたいと思っています。

それから、他にも多分手段はあるだろうと思っているのですが、
ま、今は私にはよくわかりません。
癌というものも、ある種の遺伝子が関係しているということがわかっていて、放射線によって遺伝子が傷ついて、それによって癌が発症するということも、少しずつはわかってきているわけですし、
これからは、甲状腺癌というものが、被ばくによって生じる甲状腺癌と、そうではない甲状腺癌というものを遺伝子の分析によって区別することができるというようなことが、これからの学問の進歩でできるようになるかもしれません。

そうなれば、今福島の子供達、たくさんの子供たちが甲状腺癌になっているわけですけれども、
その因果関係をもっと明確に言えるようになるだろうと期待しています。


因果関係を確定するためにも調査は必要

質問者2:
二つ目の質問は、先生が今おっしゃったことに関連していると思いますが、
こういうリサーチとか研究以外に、国にはどういう政策が必要だと思いますか?
福祉でも医療サポートでも、どういう、被ばく関連の政策が必要だと思いますか?

小出:政策ですか?
一番いいのは先ほどから何度も聞いていただいているように、被ばくさせないことです。
まずは。
逃がさなければいけないのです。
被ばくをさせてしまった後は、きちっと調査をするということ。
それは因果関係を確定するためにも調査というのは必要ですし、私の場合にはさきほどABCCの例をひいて、
「ABCCは疫学的な因果関係を証明しようとして治療は一切しなかった」
ということを聞いていただいたわけですけれども、
私はそんなことは到底許せないと思いますので、「調査をしながら確実に治療もする」ということをやらなければいけないと思います。
それによって疫学的な研究の信頼性というのが失われるかもしれませんけれども、そんなことを言っている場合ではないと思いますので、きっちりと調査をしながら治療もして、なおかつ疫学的なデータを得られるようにするべきだと思いますし、そのための組織、そのための資金というものをきちんと国家の方で手当てをするべきだと思います。


謝罪

質問者:
最後なんですけど、質問より、先生から原発事故で被ばくを受けた子供たちとか被ばく者とかにも、みんなに向けてメッセージを送って欲しいんですが。

小出:
すみません。
そういうふうにみなさんにメッセージを送れるような立場に私はないと自分で思っています。
先ほども聞いていただきましたように、私は原子力の旗は決して振りませんでしたけれども、
それでも原子力の場にずーっといた人間として、今回の事故についても重たい責任を持っている一人だと思いますので、私から被害を一方的に押し付けられている子供達、あるいは今汚染地帯で苦しんでいる大人の人々に対して、そういう立場の私から何かメッセージを届けるという立場には私はないと思います。

もし届けるメッセージがあるとすれば、「大変申し訳ないことになってしまった」ということで謝罪をしたいと思います。


日本ではサイエンスに携わっている人は権力に弱い

質問者1:
世界的な観点からということで、海外の科学的な、サイエンスの研究としてのアプローチと、日本のアプローチ。
放射能に対してですが、それが違うのか?という質問が一つと、
二つ目は、日本で今起きていることが、日本はちゃんと世界に伝えられているのかどうか?


小出:
はい。
1番目のことですけれども、
サイエンスという手法は世界共通です。
日本であろうと外国であろうと一緒であって、とにかく真実を知りたい。
今までわからなかったことに対して真実を知りたいというのがサイエンスの目的ですし、
そのための手法は一律であるべきだと思います。
ただ残念ながら、この日本という国では、サイエンスに携わっている人間が、権力に弱いです。
ですから、国家が原子力を進めようとしているときに、その国家が進める原子力に抵抗しようというサイエンティスト、学者がほとんどいないという、そういう状態になってしまっているという。
それが多分外国との違いだろうと思います。

二つ目の日本での出来事が外国に対してきちんと発信されているか?といわれれば、もちろんされています。
私がこの場に来た、外国特派員協会に来た理由もその一つだろうと思います。
先ほども聞いていただきましたけれども、かつての戦争の時、日本では大本営発表という発表しか無かった無かったのです。
日本は絶対に戦争に勝てると言ってきたわけですし、教育の現場でも教室に天皇陛下の御真影を飾って、校庭には奉安殿というのがあって、ま…、戦争にみんなを駆り立てた。

誰も本当のことを言えなかったという、そういう時代がずっとあったわけですし、
福島原子力発電所の事故以降もすーっとそうです。
きちっとした事故の状況、情報を日本の国家は報道しませんでした。

学者に対しても箝口令を敷きました。
個人的に考えていること。
集めたデータを発表してはいけないということで、
私のいる京都大学原子炉実験所でもそういう指示がきましたし、
全国の大学にもみんな行ったと思いますし、
大学どころか、他の研究機関にはもう、初めから発表する機会すらがないという、そういう状態できたと思います。

私はたまたま京都大学という、日本の中では、多分1番2番を争うほど自由な校風の大学にいましたし、
そのうちの原子炉実験所という、遠隔地と呼ばれている、統制のきかない職場にいた、ということもあって、
私自身は国からの指示を、ま、受けずに。
受けてもはねのけることができるという立場で発言を続けてきましたが、
その私にしても貴重な発言の場であった”たねまきジャーナル”というラジオ報道の番組を番組ごと潰されてしまうというようなことにもなりました。

そういう意味では、日本というこの国は、きちっとした情報は国内に対しても、また国外に対しても、発信されていなかったし、これからもされないと私は思います。


国際的なサイエンスの連帯
37:12

質問者3:
これからの、例えば日本の政府とかジャーナリズムであるとか、そういうのがきちんと機能していないと。
外国に正しいことを伝えていない。
それから日本の市民運動が、外国の、例えば国際社会とか、一般の市民の方になかなか知られていないとか、
そういうことが多分あって出てくると思うんですけれども、
あと、海外の科学者の方との連携。
それを市民が中心になって日本の科学者の方と外国の科学者を連携させて、
とにかく国際社会の連携を市民を中心にやっていくのが重要かなと僕は思うのですが、
そのアイディアというか可能性というか、そういうのはどう思われますか?
たとえば、小出先生が外国の科学者の方と連携を。
この放射能の被曝のことを科学的に共同で何かをやっていくという、
それを市民が一緒に協力して、日本の市民と外国の市民が一緒に協力してそれをオーガナイズ(organize:計画する)していくというやり方がすごく好きなんです。
やりたいな、っていうふうに思うんですが、それについては?


小出:
多分やり方は色々だろうと思います。
たとえばいまおっしゃった活動というのは、たとえば日本では市民科学者国際会議という国際会議をずっと続けてきていて、私自身もその国際会議で話をしてきましたし、
他の市民グループの人たちも、たとえば世界の被ばく者問題を、核被ばく者問題を取り扱おうという人たちが、ずっと活動を続けているし、
その人たちも今年の10月11月に大きな、国際的な科学者の集まりを市民レベルで実現させようとしています。
この間私はそのプレ企画で話に行きましたし、貴重なやり方だろうと思います。
でも日本というこの国では、なかなかそういう活動って育ってこなかったし、
私自身も、実はそうですけれども、外国語というのが実はものすごい苦手で、
そういうつながりというものを自分で作っていこうという余力が今のところは無かった。
私に関しては無かったのです。
でも今、若い人たちが、外国語が堪能な若い人たちがたくさん育ってきてくださっているのですから、
そういう人たちが中心になって、いわゆるサイエンスの国際的な連帯のサポートをするという活動は、大切なことだろうと思います。


日本のマスメディア

質問者4:
40年ぐらい活動をされてきたわけですけど、日本のマスコミ、マスメディア。
あるいはジャーナリズムというものの、核に対する取り組みっていうものには変化があったんでしょうか?
それともすっと変わらずに来ているんでしょうか?

小出:全然変わりません。

質問者4:全然変わらない。

小出:はい。

質問者4:
で、今のマスコミの現状というのは、そういう意味ではどういうふうにご覧になっていますか?

小出:
マスコミ総体としては全くダメですね、日本のマスコミは。
でもマスコミの中にも、もちろんどの、
NHKにしても、中にはやっぱりきちんとものを考える人たちがもちろんいるわけですし、
多分読売新聞だって、産経新聞だって、その中にはきちっとものを考えてくれる人はいるだろうと思います。
ただ全体としてはどんどんどんどん悪い方向に、今マスコミ全体が落ちていっていると思いますし、
それはまぁ、安倍さんを筆頭とする自民党が情報をどんどん統制していくということをやっているわけですから、
「これからますます悪くなっていくんだろうな」と私は思っています。





<福島原発事故>今も緊急事態宣言は解除されていない〜「もし、私が安倍さんであれば、まず真っ先にやることは子供たちを汚染地帯から避難させるということです」小出裕章氏4/25日本外国特派員協会(全部文字起こし)

チェルノブイリ原発事故から29年、次世代の子に影響か 5/4News23(文字起こし)