「使用済み核燃料の処理」原子力委員会・小委員会の出した答
・再処理後ガラス固化体にする
・そのまま地中に埋める
2012年5月9日水曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
使用済み核燃料:全量再処理支持なし…原子力委小委
毎日新聞 2012年05月16日 11時59分(最終更新 05月16日 12時22分)
原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」のあり方を検討する
内閣府原子力委員会の小委員会(鈴木達治郎座長、委員6人)は16日、
処理方法ごとに経済性や克服すべき課題などを総合評価した結果をまとめた。
各委員の意見では、従来の国の方針だった使用済み核燃料をすべて再利用する
「全量再処理」を積極的に支持する委員はおらず、
再処理と直接処分(地中埋設)の併用を支持する意見が多数となった。
政府のエネルギー・環境会議が夏にもまとめるエネルギー中長期戦略に影響を与えそうだ。
小委は、使用済み核燃料を
▽全量再処理
▽全量直接処分
▽両方の併用--の三つの政策選択肢について評価した。
小委として意見の一本化はしないが、16日までの議論で示された委員の意見では、
全量直接処分を支持する委員は1人で、併用支持が最多の4人。
残る1人は、将来の原発比率や青森県六ケ所村の日本原燃再処理工場の稼働状況を見極めるまで
政策決定を先送りする「留保」を支持した。
続きを読むに
内容を書き出しました
水野:
まず伺いたいのは、「原発から出てくる使用済み核燃料をどうするか」という話なんですね。
今回、原子力委員会の小委員会が、「もっとも望ましいやり方だ」というふうに結論付けたのが、
「使用済み核燃料を再処理する」
取り出したプルトニウムを再利用するというやり方ですね。
「これと併せて地中への廃棄を進める事である」と、こういう結論を出してきたようなんですね。
ただ、これわたくしは意味がよく分かりませんで、
使用済み核燃料の再処理と合わせて地中への廃棄を進める事って、
これ、どういう意味ととったらよろしいんですか?
小出:クククッ・・要するに彼らが混乱しているのです。
水野:はぁ~~
小出:
もともと地球上にあるウランというのは、大変貧弱な資源でして、
普通の原子力発電所でウランを燃やして、それを使用済みになったという事で廃棄をしてしまいますと、
原子力なんてエネルギー資源にならないのです。
水野:あ、次々ウランを使い果たしてしまったら、枯渇するっていうことですね。
小出:
もうすぐに枯渇してしまうのです。
だから困るので、使用済みの燃料の中からプルトニウムを取り出して、
それを高速増殖炉という特殊な原子炉で燃やすことによって、
初めて原子力を意味のあるものにしようとする計画だったのです。
ですから最処理をしてプルトニウムを取り出せない限りは、
もう原子力なんてもともとやる価値がなかったという事で、
これまではとにかく、「再処理を何でもかんでもするんだ」という路線で日本は来たのですが、
水野:「全ての使用済み核燃料は再処理するんだ」というのが国策だったんですよね。
小出:そうです。
水野:で、実際できたんですか?
小出:実際は何にも出来ていない
水野:何にも出来てない。
小出:
はい、高速増殖炉の実験炉「常陽」も潰れてしまいましたし、
原型炉として造った「もんじゅ」も1kW/hの発電もできないまま潰れてしまっているのです。
再処理工場自身も、作ってはみたものの、トラブル続きで、結局動くこともできないということになってしまっていて、
これまで原子力を進めてきた人達が描いた夢が全く実現ができないまま巨額の国費を捨ててしまったのです。
水野:
それだったら、
「今まで描いた夢は無理でした、ごめんなさい。今度はこういうふうにします」っていうんだったら
私も意味が分かったと思うんですよ。
でも、再処理もする。それと合わせて土地の、ね、中に捨てるって言っているんでしょ、
小出:そうです。
水野:それで余計に意味が分からないんです
小出:
そうですw
全く、だから意味のわからない選択を彼らがまた言いだしたんですね。
水野:
という事はですね、使用済み核燃料の再処理と合わせてというけれども、
これはもう、もともと出来ないという事が、もう分かってきて、
「もう出来ない」と、本当は言っているというふうに取っていいんですか?
小出:
私ははっきりと言うべきだと思いますし、
まだ、片足をそっちに突っ込んでいる状態なのですけれども、
いずれその足も抜かなければならない日が来ると思いますので、
早くこんな夢から覚めなければいけません。
水野:そうですね、無理なら無理と言って次を考えるしかないですよね。
小出:そうです。
水野:それでも、なんで片足突っ込み続けたいんですか?
小出:それを言ってしまうと、原子力が全く意味のないものである事を認めてしまう事になるからです。
水野:
そうか、ウランの燃料はすぐに枯渇するんですから、
どだい原子力でやっていくことは無理であるという事に繋がるわけですね。
小出:そうです。
水野:
じゃあ、実態は、これ地中に廃棄。って、
つまり地面を掘ってそこに使用済み核燃料を埋めるっていう意味ですよね。
小出:そうです。
水野:捨ててしまう。そのまま放って置くという事ですよね?
小出:そうです。
水野:結局これを100%するしかないんですという意味になるんですか?
小出:
私自身は再処理なんてやってはいけないと発言をしてきましたし、
使用済み燃料をそのままの形で何か処分するように考えるべきだと主張してきましたので、
え・・・・再処理をやらないという決定はいいのですが、
ただ、私自身も使用済み燃料をそのまま地面に埋め捨てにするなんていう事を、
もちろんいいと認めたことなんてかつて一度もありませんし、
やってはいけないとおもいます、それも。
近藤:
これ先生、どういうイメージなんですかね。
穴掘って埋めるんですか・・
小出:
そうです。
今までは再処理をした後に核分裂生成物というものを、ガラスと混ぜて固めて
それを地下深くに埋めると言ってきたのです。
水野:ガラスと混ぜたらどんな形になるんですか?
小出:えー、要するにガラスになる。ガラスにする。
水野:固形物になるわけですか、
小出:そうです。
水野:それは割れない、ようなものになるんですか?
小出:いいえ、割れてしまいます。
水野:割れるんだ
小出:
割れてしまウのですけれども、ま、比較的ガラスというのは安定な物質だと、これまでも思ってきたわけですから、
まあ、何とかそれがいいのではないかという事で、そういう計画を立ててきたのですが、
ガラスも割れてしまいますし、発熱もしますので、
本当に安全な形に出来るのかどうかすら分からないというままここまで来てしまっていたのです。
ただ、それは地面に埋めるという計画でした。
今回の場合は、もうガラスにするもなにも全部止めて、
使用済み燃料という、そのままのものを同じように地面に埋めてしまうという計画を出してきているのです。
水野:えぇぇぇぇぇ~~っ!!
近藤:計画っていうのも、それも言葉の上だけの話で、技術というものはともなうんですか?
小出:
ありません。
どこの国もそんな事をやったことがないのです。
水野:ありません!?
小出:はい
水野:はぁ~っ?
せめてガラスと混ぜて、ちょっとでも安定させてやろうということじゃなく、
もうそれもやめちゃうなんて、なんでそんな計画になるんですか?
小出:
ガラスにするためにはまず再処理という作業をして、
プルトニウム等を取り出して、残った核分裂生成物をガラスに固めるという作業だった訳ですが、
再処理自身がもう出来ない状態に陥ってしまっていますし、
六ヶ所村の再処理工場でも、とにかく、核分裂生成物の分離はしてみたわけですけれど、
それをガラスにしようと思ったら、ぜんぜん出来ないで、
水野:出来ないんだっ!
小出:はい、壊れてしまったのです。装置が。
水野:えぇーっ・・・
じゃ、世の中にどうしていいかの処方箋はないという事ですか?
ね?いまは。
小出:
もともと原子力発電所はトイレのないマンションと呼ばれてきましたし、
生み出したゴミをどうすればいいのか、誰も知らないままここまで来ているのです。
水野:
もしですよ、使用済み核燃料を何にもしないでそのままの形で地中に埋めますね、
放っておきますね、
どうなるんですか?
小出:
100万年間安定であってもらわなければいけませんので、
私は多分いつの時点かで、それが環境に漏れてくるだろうと思っています。
水野:ええ…地震もありますよね、活断層もあります。
小出:
そうです。
日本なんていう国はもう活断層のない場所はありませんし、
年がら年中地震が起きている訳ですから、
100万年なんていう時間の長さにわたって保証できるような土地はどこにもありません。
水野:
はぁ~、近藤さーん、
なんかものすごい事を突き付けられているんですね、
近藤:
そうなんですよね、だからそういう事をある意味最初から分かった上で、
もう見たくないものを、考えたくないものを考えないできたんじゃないですかね、
小出:おっしゃる通りです
水野:
私、去年映画でですね、
フィンランドの「10万年後の安全」という映画を見ました。
これはフィンランドでの、高レベル放射能廃棄物を最終処分するところを地下に造っているという話だったんですよ、
ドキュメンタリーで。
小出:そうです。
水野:
あれたしか、地下500メートルまで硬い岩盤をずーっと掘っていくっていう、
で、ものすごい地下都市みたいになっていますよね。
小出:そうです。
水野:あんなところにフィンランドは置こうと、捨てようとしているわけですよね、
小出:
世界中がそれしかもう無いから、なるべく深い穴を掘ってそこに埋めようとしているのです。
日本も、ま、それしかないだろうという事で、
再処理をした上に出来たガラス固化体をそうしようという計画だったのです。
水野:はぁ、しかしそれさえも破たんしたと・・・
小出:はい
水野:それなら破たんしたと言ってくれた方がまだ、まだしも現実が見えやすいんですが、
小出:そうですね。
水野:見えたら困る人がいるんですか・・・?
小出:
原子力の世界というのは、私は何度もこの番組でも聞いていただいたとおもいますが、
失敗をしても誰も謝りもしない、責任もとらないという、そういう世界なのです。
近藤:ま、なんていうんでしょう、「今さえよかったらそれでいい」というような考え方ですよね
小出:そうですね。
近藤:ん・・・
水野:事態は100万年後まで続くわけですよね
小出:はい
・再処理後ガラス固化体にする
・そのまま地中に埋める
2012年5月9日水曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
使用済み核燃料:全量再処理支持なし…原子力委小委
毎日新聞 2012年05月16日 11時59分(最終更新 05月16日 12時22分)
原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」のあり方を検討する
内閣府原子力委員会の小委員会(鈴木達治郎座長、委員6人)は16日、
処理方法ごとに経済性や克服すべき課題などを総合評価した結果をまとめた。
各委員の意見では、従来の国の方針だった使用済み核燃料をすべて再利用する
「全量再処理」を積極的に支持する委員はおらず、
再処理と直接処分(地中埋設)の併用を支持する意見が多数となった。
政府のエネルギー・環境会議が夏にもまとめるエネルギー中長期戦略に影響を与えそうだ。
小委は、使用済み核燃料を
▽全量再処理
▽全量直接処分
▽両方の併用--の三つの政策選択肢について評価した。
小委として意見の一本化はしないが、16日までの議論で示された委員の意見では、
全量直接処分を支持する委員は1人で、併用支持が最多の4人。
残る1人は、将来の原発比率や青森県六ケ所村の日本原燃再処理工場の稼働状況を見極めるまで
政策決定を先送りする「留保」を支持した。
続きを読むに

水野:
まず伺いたいのは、「原発から出てくる使用済み核燃料をどうするか」という話なんですね。
今回、原子力委員会の小委員会が、「もっとも望ましいやり方だ」というふうに結論付けたのが、
「使用済み核燃料を再処理する」
取り出したプルトニウムを再利用するというやり方ですね。
「これと併せて地中への廃棄を進める事である」と、こういう結論を出してきたようなんですね。
ただ、これわたくしは意味がよく分かりませんで、
使用済み核燃料の再処理と合わせて地中への廃棄を進める事って、
これ、どういう意味ととったらよろしいんですか?
小出:クククッ・・要するに彼らが混乱しているのです。
水野:はぁ~~
小出:
もともと地球上にあるウランというのは、大変貧弱な資源でして、
普通の原子力発電所でウランを燃やして、それを使用済みになったという事で廃棄をしてしまいますと、
原子力なんてエネルギー資源にならないのです。
水野:あ、次々ウランを使い果たしてしまったら、枯渇するっていうことですね。
小出:
もうすぐに枯渇してしまうのです。
だから困るので、使用済みの燃料の中からプルトニウムを取り出して、
それを高速増殖炉という特殊な原子炉で燃やすことによって、
初めて原子力を意味のあるものにしようとする計画だったのです。
ですから最処理をしてプルトニウムを取り出せない限りは、
もう原子力なんてもともとやる価値がなかったという事で、
これまではとにかく、「再処理を何でもかんでもするんだ」という路線で日本は来たのですが、
水野:「全ての使用済み核燃料は再処理するんだ」というのが国策だったんですよね。
小出:そうです。
水野:で、実際できたんですか?
小出:実際は何にも出来ていない
水野:何にも出来てない。
小出:
はい、高速増殖炉の実験炉「常陽」も潰れてしまいましたし、
原型炉として造った「もんじゅ」も1kW/hの発電もできないまま潰れてしまっているのです。
再処理工場自身も、作ってはみたものの、トラブル続きで、結局動くこともできないということになってしまっていて、
これまで原子力を進めてきた人達が描いた夢が全く実現ができないまま巨額の国費を捨ててしまったのです。
水野:
それだったら、
「今まで描いた夢は無理でした、ごめんなさい。今度はこういうふうにします」っていうんだったら
私も意味が分かったと思うんですよ。
でも、再処理もする。それと合わせて土地の、ね、中に捨てるって言っているんでしょ、
小出:そうです。
水野:それで余計に意味が分からないんです
小出:
そうですw
全く、だから意味のわからない選択を彼らがまた言いだしたんですね。
水野:
という事はですね、使用済み核燃料の再処理と合わせてというけれども、
これはもう、もともと出来ないという事が、もう分かってきて、
「もう出来ない」と、本当は言っているというふうに取っていいんですか?
小出:
私ははっきりと言うべきだと思いますし、
まだ、片足をそっちに突っ込んでいる状態なのですけれども、
いずれその足も抜かなければならない日が来ると思いますので、
早くこんな夢から覚めなければいけません。
水野:そうですね、無理なら無理と言って次を考えるしかないですよね。
小出:そうです。
水野:それでも、なんで片足突っ込み続けたいんですか?
小出:それを言ってしまうと、原子力が全く意味のないものである事を認めてしまう事になるからです。
水野:
そうか、ウランの燃料はすぐに枯渇するんですから、
どだい原子力でやっていくことは無理であるという事に繋がるわけですね。
小出:そうです。
水野:
じゃあ、実態は、これ地中に廃棄。って、
つまり地面を掘ってそこに使用済み核燃料を埋めるっていう意味ですよね。
小出:そうです。
水野:捨ててしまう。そのまま放って置くという事ですよね?
小出:そうです。
水野:結局これを100%するしかないんですという意味になるんですか?
小出:
私自身は再処理なんてやってはいけないと発言をしてきましたし、
使用済み燃料をそのままの形で何か処分するように考えるべきだと主張してきましたので、
え・・・・再処理をやらないという決定はいいのですが、
ただ、私自身も使用済み燃料をそのまま地面に埋め捨てにするなんていう事を、
もちろんいいと認めたことなんてかつて一度もありませんし、
やってはいけないとおもいます、それも。
近藤:
これ先生、どういうイメージなんですかね。
穴掘って埋めるんですか・・
小出:
そうです。
今までは再処理をした後に核分裂生成物というものを、ガラスと混ぜて固めて
それを地下深くに埋めると言ってきたのです。
水野:ガラスと混ぜたらどんな形になるんですか?
小出:えー、要するにガラスになる。ガラスにする。
水野:固形物になるわけですか、
小出:そうです。
水野:それは割れない、ようなものになるんですか?
小出:いいえ、割れてしまいます。
水野:割れるんだ
小出:
割れてしまウのですけれども、ま、比較的ガラスというのは安定な物質だと、これまでも思ってきたわけですから、
まあ、何とかそれがいいのではないかという事で、そういう計画を立ててきたのですが、
ガラスも割れてしまいますし、発熱もしますので、
本当に安全な形に出来るのかどうかすら分からないというままここまで来てしまっていたのです。
ただ、それは地面に埋めるという計画でした。
今回の場合は、もうガラスにするもなにも全部止めて、
使用済み燃料という、そのままのものを同じように地面に埋めてしまうという計画を出してきているのです。
水野:えぇぇぇぇぇ~~っ!!
近藤:計画っていうのも、それも言葉の上だけの話で、技術というものはともなうんですか?
小出:
ありません。
どこの国もそんな事をやったことがないのです。
水野:ありません!?
小出:はい
水野:はぁ~っ?
せめてガラスと混ぜて、ちょっとでも安定させてやろうということじゃなく、
もうそれもやめちゃうなんて、なんでそんな計画になるんですか?
小出:
ガラスにするためにはまず再処理という作業をして、
プルトニウム等を取り出して、残った核分裂生成物をガラスに固めるという作業だった訳ですが、
再処理自身がもう出来ない状態に陥ってしまっていますし、
六ヶ所村の再処理工場でも、とにかく、核分裂生成物の分離はしてみたわけですけれど、
それをガラスにしようと思ったら、ぜんぜん出来ないで、
水野:出来ないんだっ!
小出:はい、壊れてしまったのです。装置が。
水野:えぇーっ・・・
じゃ、世の中にどうしていいかの処方箋はないという事ですか?
ね?いまは。
小出:
もともと原子力発電所はトイレのないマンションと呼ばれてきましたし、
生み出したゴミをどうすればいいのか、誰も知らないままここまで来ているのです。
水野:
もしですよ、使用済み核燃料を何にもしないでそのままの形で地中に埋めますね、
放っておきますね、
どうなるんですか?
小出:
100万年間安定であってもらわなければいけませんので、
私は多分いつの時点かで、それが環境に漏れてくるだろうと思っています。
水野:ええ…地震もありますよね、活断層もあります。
小出:
そうです。
日本なんていう国はもう活断層のない場所はありませんし、
年がら年中地震が起きている訳ですから、
100万年なんていう時間の長さにわたって保証できるような土地はどこにもありません。
水野:
はぁ~、近藤さーん、
なんかものすごい事を突き付けられているんですね、
近藤:
そうなんですよね、だからそういう事をある意味最初から分かった上で、
もう見たくないものを、考えたくないものを考えないできたんじゃないですかね、
小出:おっしゃる通りです
水野:
私、去年映画でですね、
フィンランドの「10万年後の安全」という映画を見ました。
これはフィンランドでの、高レベル放射能廃棄物を最終処分するところを地下に造っているという話だったんですよ、
ドキュメンタリーで。
小出:そうです。
水野:
あれたしか、地下500メートルまで硬い岩盤をずーっと掘っていくっていう、
で、ものすごい地下都市みたいになっていますよね。
小出:そうです。
水野:あんなところにフィンランドは置こうと、捨てようとしているわけですよね、
小出:
世界中がそれしかもう無いから、なるべく深い穴を掘ってそこに埋めようとしているのです。
日本も、ま、それしかないだろうという事で、
再処理をした上に出来たガラス固化体をそうしようという計画だったのです。
水野:はぁ、しかしそれさえも破たんしたと・・・
小出:はい
水野:それなら破たんしたと言ってくれた方がまだ、まだしも現実が見えやすいんですが、
小出:そうですね。
水野:見えたら困る人がいるんですか・・・?
小出:
原子力の世界というのは、私は何度もこの番組でも聞いていただいたとおもいますが、
失敗をしても誰も謝りもしない、責任もとらないという、そういう世界なのです。
近藤:ま、なんていうんでしょう、「今さえよかったらそれでいい」というような考え方ですよね
小出:そうですね。
近藤:ん・・・
水野:事態は100万年後まで続くわけですよね
小出:はい
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コメント
原子力ムラの住人はみんな逮捕だー。いつも大量の情報発信、誠にありがとうございます。では。
カッシー | 2012.05.17 22:58 | 編集