たね蒔きジャーナル
「電力不足・・・ホントのところを聞く」2012年5月16日
NPO法人環境エネルギー政策研究所所長で、大阪市特別顧問の飯田哲也さん
たねまきジャーナル今日の特集です。
今日のテーマは「電力不足ホントのところを聞く」と題してお送りいたします。
大阪府市エネルギー戦略会議という会議が今ずっと開かれているんですね、
2月に発足して9回、ずっと会議を開いていらっしゃいました。
ここで関西電力の幹部の人達を招いて意見をずっと聞くと、いろんなやりとりをしてやっているわけなんですが、
その戦略会議の座長代理でもあり、大阪市特別顧問の飯田哲也さん、
NPO法人環境エネルギー政策研究所所長でもいらっしゃいます。
飯田哲也さんとお話しをさせていただきます。
水野:飯田さんはじめまして、こんばんはよろしくお願いいたします。
飯田:こんばんは
水野:そして東京には近藤さんがいらっしゃいます。
近藤:どうも、毎日新聞の近藤です、よろしくお願いいたします。
水野:飯田さん、昨日も、このエネルギー戦略会議って開かれたんですよね?
飯田:はい
水野:
で、そこでは関西電力から、また、これまでとは違った回答を得ているようなんですが、
つまり今年の夏どれだけ電力が不足するんだという事を、ずっと詰めてきている訳ですよね。
昨日の会議ではどういう状況でしたか?
飯田:
あの、約束するんだじゃなくて、関西電力はもともと4月いっぱいで、
原発なしでも足りるという数字を出してくる約束だったんですけど、
水野:えっ?4月いっぱいで原発再稼働無しでも足りるようにどうしたらいいかという数字を出して下さいと
飯田:出す約束だったんですね、最初。
水野:出す約束だったんだ
飯田:
ええ、言われていたんですが、結局、国の需給検証委員会もあって、
結局彼らは一歩も歩み寄らず、
安定供給責任は関電にあるにもかかわらずですね、
とにかく足りないという数字をずっと出していたんですが、
で、先週の10日も国の需給検証委員会で、
14.9%足りないという数字を出してきて、平然としていたんですけれど、
水野:そうですね、14.9%という数字が出ていましたよね。
飯田:ええ、そうですね。
で、メディアが誤報、誤報と言った方がいいと思うんですが、
結局足りないというふうに流したんですけど、
ま、それは足りないんじゃなくて、関西電力は足りるようにしなきゃいけないんですよ、ね。
水野:あっ、関西電力は足りるようにしなければいけない責任を負っている
飯田:
責任が、供給責任があるんですよね。
それを、ようやく昨日は彼らが歩み寄って、
まだ足りるところまでは来なかったんですけれども、
まず、「停電は絶対に起こさない」という事を彼らは約束したと、
水野:停電は起こさない
飯田:はい
「原発を動かさなくても絶対に停電は起こさない」という約束をしたうえで、
一応彼らが詰める数字を積んできたら、僅か5日間でマイナス14.9%がマイナス5%まで来ましたから。
水野:これがビックリしますねんわ~
飯田:
多分来週になったら、・・5日でマイナス10が10%つまるという事は、
もう5日するとですねプラス5%になるんです
水野:ちょっとビックリしました。
マイナス15%程と言っていたのが5日間でマイナス5%!10ポイントも!!
飯田:あと5日経てばプラス5%になる。
続きを読むに
続く
マイナス5%を提示・関電は変わった?
水野:ホンマですね~、
そこのところをね、リスナーの方も聞いてらして、
「関西電力はこんなに違う数字を僅かな日数で出してきたっていう事はね、一体どういう事なんですか?」と。
「これは要するに原発を再稼働させたいと、そのための事のように思えるんですけれども、
飯田さんはいかがお考えですか?」聞いていらっしゃいます。
飯田:
これまではね、関電と経産省がもう、・・っていうか経産省に関電が羽交い絞めにあっていたし
関電もその方が都合がいいから、お互いに羽交い絞めにしあって、
とにかく「原発再稼働あり」で数字をつくろうと、ま、裏で約束していた訳ですよね。
それでずーーっと足並みをそろえていたところ、
「あんたたちには安定供給責任があるだろう」とつきつめられたので、
ようやく彼らは、見えないガラスのバリアを破って、一歩踏み出てきたということですよね。
水野:
じゃ、昨日の会議では随分と様相が違っているなというふうに
飯田さんはお感じになったんでしょうか?
飯田:ええ、
だから本当は5月4日で彼らは足りる数字を出してくる筈が、全く出してこなかったと、
しかし、先週の政府でも出さなかった、
彼らは足りるように努力をしますという事で、前向きに先週の政府の14.9から今回のマイナス5まできましたから、
ま、そういう意味では彼らは姿勢を改めたと。
だから、ま、学生で言うと、今回も赤点を取ったんだけど、
前回はさぼりまくって赤点を取ったけど、今回は努力の姿勢の中でも赤点だったから、
まあ、来週の再試験では、
今度はちゃんと、ま、優良可の可ぐらいは出してくるんじゃないかな?と思って期待していますね。
水野:はー、近藤さん
近藤:
すでに関西の経済界の中で、JR西日本が間引き運転とかね、
色々と、すでにそういう動きが出ているでしょ?
そうすると、この不足分が5%程度になるっていう見通しのもとだったら、
こういう動きっていうのは、なんか、ど、どうすりゃいいんだっていう気がするんですけど、
そこらあたりもしばらく、5日ほど見ていれば収まりますか?
水野:(ノ∀≦。)ノウフフッ・・
飯田:
そうですね、それはやっぱり国と関電の責任は非常に重いですよね。
間引き運転をするっていうのは、不便になるわけじゃないですか。
同じ節電でも、不便になるとか、生産を落とすという節電は悪い節電ですよね。
そうじゃなくて、もっと知恵を尽くせば、生産も落とさず、便利さを落とさずにちゃんとやれるのに、
彼らが「足りない足りない」っていうから、JRみたいにですね、「じゃあ間引き運転しようか」だとか、
一般の人が熱中死しても、とにかくエアコン止めようかというような、間違った節電を彼らが追いやっていたので、
だから、これからはちゃんと足りる。
でも節電の努力はいるんですね。
節電の努力入るんですけれども、それはムリをする節電ではなくて、
ちゃんと生産も維持し、減らせるところは頑張って減らすけれども、
減らせないところは逆にお金を払ってでも減らさないというですね。
合理的な、かしこい節電というところで努力をすれば十分足りるんだという今ストーリーで、
大体固まりつつありますから、
水野:あ、そうですか
原発再稼働なくても、あの、ま、適当な節電が、
適切な節電があれば、十分いけるというストーリーで、
関電の方もそれに数字を合わせてくるような動きになっていると飯田さんは、
飯田:
今そうなってきましたね。
もちろん節電だけじゃなくて西日本6社が協力をするとか、
他の電力会社管内も節電目標をマイナス5%の節電目標で努力をしながら、
全体として安定供給だけはしっかりと頑張りましょう。で、
近藤:火力と水力で実は稼働が十分できるのにそれを計算に入れていないとか、そういう事はないんですか?
飯田:
そこはね、これまでは割と、細かいセコイ話で黒部第3第4を止めてるとかですね、
なんか、そういうレベルの話もあったんですけど、
昨日からですね、関電のモードが変わったような感じがするんですよね。
水野:へぇー
飯田:
経産省に?じゃなくて、やっぱり安定供給の責任を果たそうというふうに、ま、
ハッキリと態度が変わったように見えますので、
水野:この態度が、姿勢が変わった要因はここにきてなんだ?っていうふうに飯田さんはご覧になります?
飯田:
やー、そこはよく分からないんですけれども、
すくなくても、安定供給責任は関電にあるっていうふうに、もう、我々は毎回それを突き詰めていましたから、
水野:でもその責任があることは元から分かっていた事ちゃうんですか?
飯田
ええ、でも安定供給の前に再稼働という、彼らはずっとそのドクマに入っていたんですが、
ようやく再稼働を後回しにして安定供給をまじめに尽くすという姿勢に、
なんかちょっと変わってきたなというのが昨日の私たちの印象で、
ですからまた来週関電に出していただく数字には、すごく期待をしているんですよね。
水野:そうなんですね~
近藤:関電は、しかし、それはすごい成長ですね。
飯田:経産省は全く成長しませんけれど、関電は成長したと思いますね。
近藤:イッヒヒヒッ・・
水野:
あの、わたしはね、たとえばですよ、
それは関西電力がやはり原発を再稼働させないとしんどいから、
飯田さんら、大阪府市の人らを怒らせたらアカンみたいな・・ww
そういう思いがあって、ここまで歩み寄りはった、そこらはないんですか?
飯田:
どうなんでしょうね?
でもやっぱり、一人一人の人間に悪い人はあんまりいないので、
やっぱり全体として経産省に縛られていた部分もあるけど、
安定供給がやっぱり本筋じゃないかっていうふうに関電の中で見直したんじゃないかと思うんですよね。
水野:ふ~ん~~
これからの関電の経営
飯田:
で、実際には、原発の話しは彼らにとっては経営問題で、
電力需給問題じゃないというのはみんな分かっているわけで、
水野:いわゆる企業としての経営問題だと、
飯田:そうなんですよ。
水野:
あっ!需給問題じゃなかったんですか!!
わたしら需給問題かと思っていましたよ。
飯田:
そういうふうに数字で一般の人をごまかしていたんですけれど、
でも、プロはみんな分かっている訳ですよね。
だからさすがにプロの目はごまかしきれないという事で、
彼らも「じゃあそれはそれでちゃんと正面から向き合いましょうか」という態度に変わったと思うんですよね。
水野:
エネルギー戦略会議のプロのみなさん達の、そのやりとりが、いかに良いところを突いてきたか、
という事でしょうね、多分ね、そこは。
飯田:
そうですね、今回とにかく、我々もね、だから喧嘩のための喧嘩じゃなくて、
関電さんと本当に正面からガチンコでですね、
安定供給がまず大事だと、で、
我々も無茶を言うつもりはないので、関西電力をつぶすつもりはないんですね。
それはやっぱり、国の無策とか不作為の影響も大きい訳ですから、
そこに対しては次のステージで、国に対してはしっかりと問いかけていって、
関西電力の株主の利益というものを、大阪市は株主ですから守ると。
それは短期的なマネーの利益ではなくて、安全性も含めた利益をやっぱり大阪市は追求するということで、
そこではやっぱり関電といずれはきちんと共存できると思うんですよね。
水野:利益を共有できるという事ですね。
飯田:はい
長期的な社会的な利益という事ですよね。
近藤:
あの、いまね、関電の黒部のダムですよね、
映画で、何かまた、裕次郎の映画でどうのこうのやっているでしょ?
僕あの宣伝なんか、あの映画も見ましたけど、
関電という企業は、そういう意味では水力の発電にあれだけ力を入れて取り組んでね、
今、なんですか、原子力の割合というのが一番多いんですか?関電は。
-2-
飯田:そうですね、
関電は昔の黒部をやっていたころの日本電力、日本発電でしたっけ?
その頃は本当にリスクを取る会社でしたよね。
近藤:うん、そうですね
飯田:
それが、だんだん、だんだん目先の利益を追いかけるようになって、
ま、古い原発を長々と使っていくという、
私はずっと「原子力一歩足打法」といっているんですけれど、
一本足打法、それがコケちゃったので安定供給と経営、どっちもコケちゃった。
っていう話しになっているので、
そういう意味では関西電力、昔のリスクを取れる経営者マインドにもう一回戻ってもらってですね、
近藤:
そうです、それ私ちょっと言いたかったんです。
精神的なかつての取り組みっていうものが、あの映画を見ている限りは感じる訳ですよね。
なんかそういうものを持っている企業だなっていう、
飯田:
だから関電の経営者の中にも、今でもですね、取締役で私も何人か知っていますけれども、
本当に素晴らしい人が多いんですよね。
やはりそういった人たちの創意工夫が生かせる企業になっていただくというのが、
我々大阪市の株主としてもですね、期待している事で、
やはり今回の東京電力がコケた後の日本の電力のリーダーは関電ですから、
でもそれは古いタイプのリーダーではやっぱりダメなわけですね。
新しい電力システムを自ら切り開いていくという事が必要だと思いますよね。
自然エネルギーへの転換プロセスは?
水野:
飯田さんに、リスナーの方のご質問ですけども、
「飯田さんは早くから自然エネルギーの転換を言ってらっしゃったわけなんですが、
じゃ、ズバリ飯田さんの自然エネルギーの転換のプロセスを、大雑把でいいですから教えて下さい」
とおっしゃっているんです。
今の状況で本当に自然エネルギーに変えていくことはできると思っていらっしゃいます?
飯田:
そりゃできますよ。
私はですね、皆さん、その絶対値というか、大きな数字にごまかされるんですけど、
もっと、ミクロな変化量というか、変化量にもっときちんと注目したほうがいいと思うんですね。
水野:ちょっとずつ変化している・・
飯田:
その変化が加速するような状況をいかに作るか、という事がすごく大事で、
結果として出来る、たとえば電量の比率だとかですね、企業としての業績というのはこれは結果なので、
いかにその変化のプロセスを作るのかという事が大事ですね。
水野:
でもそれには政治、ま、具体的には経済産業省の政策が大きく変わらないとダメなんじゃないですか?
それともその、電力会社がもっと自由にですね、
いろんな、「うちはこういう電力の作り方をします」というようなかたちで、
自由競争するような、そんなふうになっていかないと進まないっていう事はないですか?
飯田:
もちろんそうですね。
だけどそこにはマクロとミクロがあって、
たとえば電力会社の人も、ミクロというか、一人ひとり個人とすれば、新しい事をやりたい人も多いんですよね。
で、そういう意味では、
でも、マクロの状況っていきなり変わらないので、
ミクロな一つ一つの取り組みの中で新しい変革を作ると、どんどん応援団が増えてくる。
電力会社の中の人ですら、そこに乗りたいという人ができてきて、
そのプロセスが加速するような状況をいかにするか?っていう事がすごく大事でですね、
そのプロセスが加速し始めれば、
量的には小さくても、加速をするというのは時間が経てばものすごい量になってきますから、
ここはそういう状況を作るためのマクロとミクロをしっかりと見ていくという事をずっといつも気にかけていて、
水野:
あのそうしますとね、やはりその政治、政策が変わっていくと加速もしていくのかなとも思うのですが、
リスナーの方が
「橋下市長はホンマのところこの原発に頼らないエネルギーというのをどこまで考えてはるのか?
再稼働についてもどうなのか?
橋下さんの本心はどうなんでしょうか?教えて下さい」と、くださっているんですね。
どうでしょう?
橋下市長の本心は?
飯田:
あのー、本心はね、私自身もそうですし、みんな変わるというか、
それは「女心と秋の空」というふうに変わるんじゃなくて、進化するんですよね。
学んでいくと
水野:いい意味で進化するんですか?
飯田:うん。
だから、僕は橋下さんとけこう日常的にもいろいろとお話しをするんですけれども、
素直に学べる人ですから、
原子力を無くしていくというのは最終的に、たとえば核廃棄物というとんでもないものを、
いかに少ない量で原子力を無くしていくのか、という事に関しては、私はコンセンサスはあると思っているんですね。
水野:はぁー
飯田:そうは言っても、産業界とか既存の原子力業界の人達の勢力も非常に大きいので、
水野:きのうも会談なさっていましたよね、財界と。
飯田:ええ。
ですから、橋下さんが全ての原発を止めるスイッチを持っていれば今すぐ止めるかもしれませんけど、
なかなかそういう訳にはいかないだろうから、
やっぱりそこはコンセンサスを作りながら、でも原子力は最終的にはゼロにする。
そこのところは、私は全くブレてないと思っていますし、
この本質は理解されていると思っていますね。
関電の株主総会
近藤:
6月にいわゆる関電の株主総会がありますよね、
その時は原発廃止とか、発送電の分離とか、そういう問題は突き付けていく姿勢だということですか?
飯田:もちろん
はい。
もうそこの質問は全部ぶつけてありますから、
そこは、なかなか感電は今直ちには乗れないものも結構ぶつけてあるんですけれども、
でもまあ、ぶつけることによって、
100の物をぶつけて、まずは1でもですね、動いていく。
あるいは、10の株主が理解をしていくという事が来年にはその10が20にもなり、
関電の変化の1が5にも10にもなるというふうに思っていますので、
そこではきちんと、イデオロギーではなくて、
合理的に論理的にぶつけられる質問をしっかりと橋下さんの声でぶつけていくという事が
来年に繋がっていくと思っているんですよね。
水野:ふぅーん、
近藤:関電は原発は国策だっていう事で逃げないですかね?
水野:ねぇ
飯田:
もちろん、ほとんどの問題はとにかく逃げると思うんですけど、
だけどもそこは、メディアも注目していますし、
その場では逃げたとしても彼らは内部のやっぱり企画とか、経営レベルでは、
やはり真剣に受け止めると思うんですよね。
それが100の物をぶつけて、真剣に受け止めた結果が1の変化になるだけでも、
これはすごく大きなことだと思うので、
正論をきちんとぶつけていくという事はすごく大事なことだと思っています。
大飯再稼働の見通し
水野:
そうしますとね、大飯原発の再稼働という事に対して、
いま飯田さん達が非常に大きな影響力を持っていらっしゃると思うんですが、
再稼働についての見通しはどうお考えですか?
飯田:
再稼働そのものはですね、最終的には政府と関電が決めて行く事なので、
我々自身がどこまで大きいか分かりませんが、
ただ、もともと大阪府市で作った8条件が、志賀・京都の7条件になり、
脱原発首長会議も8条件、あるいは原発ゼロの国会議員超党派の会も8条件という形では、
論理的にきちんと合理的に出したものというのはしっかりと広がっていくと思うんです、ね。
かと言って我々は止めるための無理難題を言っているんじゃなくて、
当然再稼働するに当たっては満足するべき条件というものを出しているので、
誰もが納得するから広まっていく訳で、
それは何らかの形で政府にしっかりと入っていくと僕は思うんですね。
で、そこで、
かといって現実的にムチャクチャなものは要求できないので、
ムチャクチャというか、理想が現実にはいきなりはならないので、
一定程度の物がクリアできれば僕は再稼働も私はというか、橋下さんもありとは考えていますよ。
私も、ま、それは合理的だろうとは思うんですね。
ただ、その時には
「10年とか20年とかの単位で確実に原子力はゼロになっていく」っていう事との取引だと思いますね。
水野:はぁ・・・はい、お忙しいところ今日はどうもありがとうございました。
飯田:はい、こちらこそ。
水野:大阪市特別顧問の飯田哲也さんでした。
ーーー
水野:
近藤さ~ん、今日はですね、橋下さんのエネルギー問題のブレーンと申し上げていい、
飯田哲也さんのお話しを聞いていただきましたけれど、
どんな感想を持たれました?
近藤:
あの、最後の方の言葉がちょっと気になってですね、
つまり再稼働も肯定的に織り込んでいけば、
事故がないとかそういう事を織り込んでいけばあるんじゃないかという趣旨の発言なかったですか?
水野:そうでしたね。
近藤:
あれは、かなり本質的な話で、・・うん、
なんかそこらあたりを落とし所にしているのかな?と受け止めましたけれどもね。
水野:
うん。
再稼働を容認するための条件整備はいるけれども、何年で止めるとか、
でも、基本的にはそこが一つの落とし所になるのかもしれない、
そんな可能性を発言から受け取りましたがね、
近藤:ぐじゃぐじゃしてますな、まだ。
水野:はあ~・・・、
ま、あの、いろいろと伺ってみないと、ニュースの本質って見えてこないし、
今日はいい機会を得ていろいろとしゃべっていただけたなと、思いましたね。
またいろんな形でエネルギー問題を考えていこうと思います。
近藤さんありがとうございました。
ーーーーー
5%の数字を出してきた関電の姿勢に対して、
飯田哲也さんの受け取り方と古賀茂明さんの受け取り方に違いがあるような気がします。
同じ5月16日、古賀さんはこう話していました。
関西電力の不足なぜ5%に?古賀氏が解説5/16モーニングバード(動画・内容書き出し)
(上記ブログより一部抜粋)
羽鳥:古賀さん、最初から5%という数字は出せなかったんでしょうかね?
古賀:
いや、それは本気になれば出せた筈なんですね。
ですけど、彼らにも色々都合があって、
あんまり早く出してしまうと、さらに、
「もっとその上にこれができるじゃないか」、「あれができるじゃないか」と我々に言われてですね、
どんどん上積みされていくと、
結局「原発動かさなくても十分に足りるね」というところに持って行かれちゃうのでですね、
それを恐れてずっと出さなかったのが、
ま、もう大体ここまでくれば時間がないだろうという事で、
いまでも5%足りないって言っている訳ですよね。
ですから、この5%のところを埋められなければ、結局「原発動かせ」と、そういう話になってくるので、
ま、彼らにしてみれば、「もう時間切れで、今出しても何とかなるだろう」と、
そんな感じになってきたんではないかと私はみていますけれど。
羽鳥:
実際に何度も直接会われて会議をされて、
対応とか印象とかは変わってきていますか?
古賀:
いや、基本はね、変わっていないんですよ。
要するに、もう本当に時間がないので、必死になっていなくちゃいけないんですね。
ー略ー
ま、ちょっとこのまま行くとですね、本当に「ちょっと足りないぞ」というところを押し通されてしまう可能性があるので、
あの、我々ん方からはですね、さらに新しい提案を出した数字を入れてですね、
「十分足りるんじゃないか」という話しも出していますんで、
さらにこれからもっともっと具体化して数字が積み上がっていくというふうに持っていきたいなと思っています。
ーーー抜粋ここまでーー
「電力不足・・・ホントのところを聞く」2012年5月16日
NPO法人環境エネルギー政策研究所所長で、大阪市特別顧問の飯田哲也さん
たねまきジャーナル今日の特集です。
今日のテーマは「電力不足ホントのところを聞く」と題してお送りいたします。
大阪府市エネルギー戦略会議という会議が今ずっと開かれているんですね、
2月に発足して9回、ずっと会議を開いていらっしゃいました。
ここで関西電力の幹部の人達を招いて意見をずっと聞くと、いろんなやりとりをしてやっているわけなんですが、
その戦略会議の座長代理でもあり、大阪市特別顧問の飯田哲也さん、
NPO法人環境エネルギー政策研究所所長でもいらっしゃいます。
飯田哲也さんとお話しをさせていただきます。
水野:飯田さんはじめまして、こんばんはよろしくお願いいたします。
飯田:こんばんは
水野:そして東京には近藤さんがいらっしゃいます。
近藤:どうも、毎日新聞の近藤です、よろしくお願いいたします。
水野:飯田さん、昨日も、このエネルギー戦略会議って開かれたんですよね?
飯田:はい
水野:
で、そこでは関西電力から、また、これまでとは違った回答を得ているようなんですが、
つまり今年の夏どれだけ電力が不足するんだという事を、ずっと詰めてきている訳ですよね。
昨日の会議ではどういう状況でしたか?
飯田:
あの、約束するんだじゃなくて、関西電力はもともと4月いっぱいで、
原発なしでも足りるという数字を出してくる約束だったんですけど、
水野:えっ?4月いっぱいで原発再稼働無しでも足りるようにどうしたらいいかという数字を出して下さいと
飯田:出す約束だったんですね、最初。
水野:出す約束だったんだ
飯田:
ええ、言われていたんですが、結局、国の需給検証委員会もあって、
結局彼らは一歩も歩み寄らず、
安定供給責任は関電にあるにもかかわらずですね、
とにかく足りないという数字をずっと出していたんですが、
で、先週の10日も国の需給検証委員会で、
14.9%足りないという数字を出してきて、平然としていたんですけれど、
水野:そうですね、14.9%という数字が出ていましたよね。
飯田:ええ、そうですね。
で、メディアが誤報、誤報と言った方がいいと思うんですが、
結局足りないというふうに流したんですけど、
ま、それは足りないんじゃなくて、関西電力は足りるようにしなきゃいけないんですよ、ね。
水野:あっ、関西電力は足りるようにしなければいけない責任を負っている
飯田:
責任が、供給責任があるんですよね。
それを、ようやく昨日は彼らが歩み寄って、
まだ足りるところまでは来なかったんですけれども、
まず、「停電は絶対に起こさない」という事を彼らは約束したと、
水野:停電は起こさない
飯田:はい
「原発を動かさなくても絶対に停電は起こさない」という約束をしたうえで、
一応彼らが詰める数字を積んできたら、僅か5日間でマイナス14.9%がマイナス5%まで来ましたから。
水野:これがビックリしますねんわ~
飯田:
多分来週になったら、・・5日でマイナス10が10%つまるという事は、
もう5日するとですねプラス5%になるんです
水野:ちょっとビックリしました。
マイナス15%程と言っていたのが5日間でマイナス5%!10ポイントも!!
飯田:あと5日経てばプラス5%になる。
続きを読むに

マイナス5%を提示・関電は変わった?
水野:ホンマですね~、
そこのところをね、リスナーの方も聞いてらして、
「関西電力はこんなに違う数字を僅かな日数で出してきたっていう事はね、一体どういう事なんですか?」と。
「これは要するに原発を再稼働させたいと、そのための事のように思えるんですけれども、
飯田さんはいかがお考えですか?」聞いていらっしゃいます。
飯田:
これまではね、関電と経産省がもう、・・っていうか経産省に関電が羽交い絞めにあっていたし
関電もその方が都合がいいから、お互いに羽交い絞めにしあって、
とにかく「原発再稼働あり」で数字をつくろうと、ま、裏で約束していた訳ですよね。
それでずーーっと足並みをそろえていたところ、
「あんたたちには安定供給責任があるだろう」とつきつめられたので、
ようやく彼らは、見えないガラスのバリアを破って、一歩踏み出てきたということですよね。
水野:
じゃ、昨日の会議では随分と様相が違っているなというふうに
飯田さんはお感じになったんでしょうか?
飯田:ええ、
だから本当は5月4日で彼らは足りる数字を出してくる筈が、全く出してこなかったと、
しかし、先週の政府でも出さなかった、
彼らは足りるように努力をしますという事で、前向きに先週の政府の14.9から今回のマイナス5まできましたから、
ま、そういう意味では彼らは姿勢を改めたと。
だから、ま、学生で言うと、今回も赤点を取ったんだけど、
前回はさぼりまくって赤点を取ったけど、今回は努力の姿勢の中でも赤点だったから、
まあ、来週の再試験では、
今度はちゃんと、ま、優良可の可ぐらいは出してくるんじゃないかな?と思って期待していますね。
水野:はー、近藤さん
近藤:
すでに関西の経済界の中で、JR西日本が間引き運転とかね、
色々と、すでにそういう動きが出ているでしょ?
そうすると、この不足分が5%程度になるっていう見通しのもとだったら、
こういう動きっていうのは、なんか、ど、どうすりゃいいんだっていう気がするんですけど、
そこらあたりもしばらく、5日ほど見ていれば収まりますか?
水野:(ノ∀≦。)ノウフフッ・・
飯田:
そうですね、それはやっぱり国と関電の責任は非常に重いですよね。
間引き運転をするっていうのは、不便になるわけじゃないですか。
同じ節電でも、不便になるとか、生産を落とすという節電は悪い節電ですよね。
そうじゃなくて、もっと知恵を尽くせば、生産も落とさず、便利さを落とさずにちゃんとやれるのに、
彼らが「足りない足りない」っていうから、JRみたいにですね、「じゃあ間引き運転しようか」だとか、
一般の人が熱中死しても、とにかくエアコン止めようかというような、間違った節電を彼らが追いやっていたので、
だから、これからはちゃんと足りる。
でも節電の努力はいるんですね。
節電の努力入るんですけれども、それはムリをする節電ではなくて、
ちゃんと生産も維持し、減らせるところは頑張って減らすけれども、
減らせないところは逆にお金を払ってでも減らさないというですね。
合理的な、かしこい節電というところで努力をすれば十分足りるんだという今ストーリーで、
大体固まりつつありますから、
水野:あ、そうですか
原発再稼働なくても、あの、ま、適当な節電が、
適切な節電があれば、十分いけるというストーリーで、
関電の方もそれに数字を合わせてくるような動きになっていると飯田さんは、
飯田:
今そうなってきましたね。
もちろん節電だけじゃなくて西日本6社が協力をするとか、
他の電力会社管内も節電目標をマイナス5%の節電目標で努力をしながら、
全体として安定供給だけはしっかりと頑張りましょう。で、
近藤:火力と水力で実は稼働が十分できるのにそれを計算に入れていないとか、そういう事はないんですか?
飯田:
そこはね、これまでは割と、細かいセコイ話で黒部第3第4を止めてるとかですね、
なんか、そういうレベルの話もあったんですけど、
昨日からですね、関電のモードが変わったような感じがするんですよね。
水野:へぇー
飯田:
経産省に?じゃなくて、やっぱり安定供給の責任を果たそうというふうに、ま、
ハッキリと態度が変わったように見えますので、
水野:この態度が、姿勢が変わった要因はここにきてなんだ?っていうふうに飯田さんはご覧になります?
飯田:
やー、そこはよく分からないんですけれども、
すくなくても、安定供給責任は関電にあるっていうふうに、もう、我々は毎回それを突き詰めていましたから、
水野:でもその責任があることは元から分かっていた事ちゃうんですか?
飯田
ええ、でも安定供給の前に再稼働という、彼らはずっとそのドクマに入っていたんですが、
ようやく再稼働を後回しにして安定供給をまじめに尽くすという姿勢に、
なんかちょっと変わってきたなというのが昨日の私たちの印象で、
ですからまた来週関電に出していただく数字には、すごく期待をしているんですよね。
水野:そうなんですね~
近藤:関電は、しかし、それはすごい成長ですね。
飯田:経産省は全く成長しませんけれど、関電は成長したと思いますね。
近藤:イッヒヒヒッ・・
水野:
あの、わたしはね、たとえばですよ、
それは関西電力がやはり原発を再稼働させないとしんどいから、
飯田さんら、大阪府市の人らを怒らせたらアカンみたいな・・ww
そういう思いがあって、ここまで歩み寄りはった、そこらはないんですか?
飯田:
どうなんでしょうね?
でもやっぱり、一人一人の人間に悪い人はあんまりいないので、
やっぱり全体として経産省に縛られていた部分もあるけど、
安定供給がやっぱり本筋じゃないかっていうふうに関電の中で見直したんじゃないかと思うんですよね。
水野:ふ~ん~~
これからの関電の経営
飯田:
で、実際には、原発の話しは彼らにとっては経営問題で、
電力需給問題じゃないというのはみんな分かっているわけで、
水野:いわゆる企業としての経営問題だと、
飯田:そうなんですよ。
水野:
あっ!需給問題じゃなかったんですか!!
わたしら需給問題かと思っていましたよ。
飯田:
そういうふうに数字で一般の人をごまかしていたんですけれど、
でも、プロはみんな分かっている訳ですよね。
だからさすがにプロの目はごまかしきれないという事で、
彼らも「じゃあそれはそれでちゃんと正面から向き合いましょうか」という態度に変わったと思うんですよね。
水野:
エネルギー戦略会議のプロのみなさん達の、そのやりとりが、いかに良いところを突いてきたか、
という事でしょうね、多分ね、そこは。
飯田:
そうですね、今回とにかく、我々もね、だから喧嘩のための喧嘩じゃなくて、
関電さんと本当に正面からガチンコでですね、
安定供給がまず大事だと、で、
我々も無茶を言うつもりはないので、関西電力をつぶすつもりはないんですね。
それはやっぱり、国の無策とか不作為の影響も大きい訳ですから、
そこに対しては次のステージで、国に対してはしっかりと問いかけていって、
関西電力の株主の利益というものを、大阪市は株主ですから守ると。
それは短期的なマネーの利益ではなくて、安全性も含めた利益をやっぱり大阪市は追求するということで、
そこではやっぱり関電といずれはきちんと共存できると思うんですよね。
水野:利益を共有できるという事ですね。
飯田:はい
長期的な社会的な利益という事ですよね。
近藤:
あの、いまね、関電の黒部のダムですよね、
映画で、何かまた、裕次郎の映画でどうのこうのやっているでしょ?
僕あの宣伝なんか、あの映画も見ましたけど、
関電という企業は、そういう意味では水力の発電にあれだけ力を入れて取り組んでね、
今、なんですか、原子力の割合というのが一番多いんですか?関電は。
-2-
飯田:そうですね、
関電は昔の黒部をやっていたころの日本電力、日本発電でしたっけ?
その頃は本当にリスクを取る会社でしたよね。
近藤:うん、そうですね
飯田:
それが、だんだん、だんだん目先の利益を追いかけるようになって、
ま、古い原発を長々と使っていくという、
私はずっと「原子力一歩足打法」といっているんですけれど、
一本足打法、それがコケちゃったので安定供給と経営、どっちもコケちゃった。
っていう話しになっているので、
そういう意味では関西電力、昔のリスクを取れる経営者マインドにもう一回戻ってもらってですね、
近藤:
そうです、それ私ちょっと言いたかったんです。
精神的なかつての取り組みっていうものが、あの映画を見ている限りは感じる訳ですよね。
なんかそういうものを持っている企業だなっていう、
飯田:
だから関電の経営者の中にも、今でもですね、取締役で私も何人か知っていますけれども、
本当に素晴らしい人が多いんですよね。
やはりそういった人たちの創意工夫が生かせる企業になっていただくというのが、
我々大阪市の株主としてもですね、期待している事で、
やはり今回の東京電力がコケた後の日本の電力のリーダーは関電ですから、
でもそれは古いタイプのリーダーではやっぱりダメなわけですね。
新しい電力システムを自ら切り開いていくという事が必要だと思いますよね。
自然エネルギーへの転換プロセスは?
水野:
飯田さんに、リスナーの方のご質問ですけども、
「飯田さんは早くから自然エネルギーの転換を言ってらっしゃったわけなんですが、
じゃ、ズバリ飯田さんの自然エネルギーの転換のプロセスを、大雑把でいいですから教えて下さい」
とおっしゃっているんです。
今の状況で本当に自然エネルギーに変えていくことはできると思っていらっしゃいます?
飯田:
そりゃできますよ。
私はですね、皆さん、その絶対値というか、大きな数字にごまかされるんですけど、
もっと、ミクロな変化量というか、変化量にもっときちんと注目したほうがいいと思うんですね。
水野:ちょっとずつ変化している・・
飯田:
その変化が加速するような状況をいかに作るか、という事がすごく大事で、
結果として出来る、たとえば電量の比率だとかですね、企業としての業績というのはこれは結果なので、
いかにその変化のプロセスを作るのかという事が大事ですね。
水野:
でもそれには政治、ま、具体的には経済産業省の政策が大きく変わらないとダメなんじゃないですか?
それともその、電力会社がもっと自由にですね、
いろんな、「うちはこういう電力の作り方をします」というようなかたちで、
自由競争するような、そんなふうになっていかないと進まないっていう事はないですか?
飯田:
もちろんそうですね。
だけどそこにはマクロとミクロがあって、
たとえば電力会社の人も、ミクロというか、一人ひとり個人とすれば、新しい事をやりたい人も多いんですよね。
で、そういう意味では、
でも、マクロの状況っていきなり変わらないので、
ミクロな一つ一つの取り組みの中で新しい変革を作ると、どんどん応援団が増えてくる。
電力会社の中の人ですら、そこに乗りたいという人ができてきて、
そのプロセスが加速するような状況をいかにするか?っていう事がすごく大事でですね、
そのプロセスが加速し始めれば、
量的には小さくても、加速をするというのは時間が経てばものすごい量になってきますから、
ここはそういう状況を作るためのマクロとミクロをしっかりと見ていくという事をずっといつも気にかけていて、
水野:
あのそうしますとね、やはりその政治、政策が変わっていくと加速もしていくのかなとも思うのですが、
リスナーの方が
「橋下市長はホンマのところこの原発に頼らないエネルギーというのをどこまで考えてはるのか?
再稼働についてもどうなのか?
橋下さんの本心はどうなんでしょうか?教えて下さい」と、くださっているんですね。
どうでしょう?
橋下市長の本心は?
飯田:
あのー、本心はね、私自身もそうですし、みんな変わるというか、
それは「女心と秋の空」というふうに変わるんじゃなくて、進化するんですよね。
学んでいくと
水野:いい意味で進化するんですか?
飯田:うん。
だから、僕は橋下さんとけこう日常的にもいろいろとお話しをするんですけれども、
素直に学べる人ですから、
原子力を無くしていくというのは最終的に、たとえば核廃棄物というとんでもないものを、
いかに少ない量で原子力を無くしていくのか、という事に関しては、私はコンセンサスはあると思っているんですね。
水野:はぁー
飯田:そうは言っても、産業界とか既存の原子力業界の人達の勢力も非常に大きいので、
水野:きのうも会談なさっていましたよね、財界と。
飯田:ええ。
ですから、橋下さんが全ての原発を止めるスイッチを持っていれば今すぐ止めるかもしれませんけど、
なかなかそういう訳にはいかないだろうから、
やっぱりそこはコンセンサスを作りながら、でも原子力は最終的にはゼロにする。
そこのところは、私は全くブレてないと思っていますし、
この本質は理解されていると思っていますね。
関電の株主総会
近藤:
6月にいわゆる関電の株主総会がありますよね、
その時は原発廃止とか、発送電の分離とか、そういう問題は突き付けていく姿勢だということですか?
飯田:もちろん
はい。
もうそこの質問は全部ぶつけてありますから、
そこは、なかなか感電は今直ちには乗れないものも結構ぶつけてあるんですけれども、
でもまあ、ぶつけることによって、
100の物をぶつけて、まずは1でもですね、動いていく。
あるいは、10の株主が理解をしていくという事が来年にはその10が20にもなり、
関電の変化の1が5にも10にもなるというふうに思っていますので、
そこではきちんと、イデオロギーではなくて、
合理的に論理的にぶつけられる質問をしっかりと橋下さんの声でぶつけていくという事が
来年に繋がっていくと思っているんですよね。
水野:ふぅーん、
近藤:関電は原発は国策だっていう事で逃げないですかね?
水野:ねぇ
飯田:
もちろん、ほとんどの問題はとにかく逃げると思うんですけど、
だけどもそこは、メディアも注目していますし、
その場では逃げたとしても彼らは内部のやっぱり企画とか、経営レベルでは、
やはり真剣に受け止めると思うんですよね。
それが100の物をぶつけて、真剣に受け止めた結果が1の変化になるだけでも、
これはすごく大きなことだと思うので、
正論をきちんとぶつけていくという事はすごく大事なことだと思っています。
大飯再稼働の見通し
水野:
そうしますとね、大飯原発の再稼働という事に対して、
いま飯田さん達が非常に大きな影響力を持っていらっしゃると思うんですが、
再稼働についての見通しはどうお考えですか?
飯田:
再稼働そのものはですね、最終的には政府と関電が決めて行く事なので、
我々自身がどこまで大きいか分かりませんが、
ただ、もともと大阪府市で作った8条件が、志賀・京都の7条件になり、
脱原発首長会議も8条件、あるいは原発ゼロの国会議員超党派の会も8条件という形では、
論理的にきちんと合理的に出したものというのはしっかりと広がっていくと思うんです、ね。
かと言って我々は止めるための無理難題を言っているんじゃなくて、
当然再稼働するに当たっては満足するべき条件というものを出しているので、
誰もが納得するから広まっていく訳で、
それは何らかの形で政府にしっかりと入っていくと僕は思うんですね。
で、そこで、
かといって現実的にムチャクチャなものは要求できないので、
ムチャクチャというか、理想が現実にはいきなりはならないので、
一定程度の物がクリアできれば僕は再稼働も私はというか、橋下さんもありとは考えていますよ。
私も、ま、それは合理的だろうとは思うんですね。
ただ、その時には
「10年とか20年とかの単位で確実に原子力はゼロになっていく」っていう事との取引だと思いますね。
水野:はぁ・・・はい、お忙しいところ今日はどうもありがとうございました。
飯田:はい、こちらこそ。
水野:大阪市特別顧問の飯田哲也さんでした。
ーーー
水野:
近藤さ~ん、今日はですね、橋下さんのエネルギー問題のブレーンと申し上げていい、
飯田哲也さんのお話しを聞いていただきましたけれど、
どんな感想を持たれました?
近藤:
あの、最後の方の言葉がちょっと気になってですね、
つまり再稼働も肯定的に織り込んでいけば、
事故がないとかそういう事を織り込んでいけばあるんじゃないかという趣旨の発言なかったですか?
水野:そうでしたね。
近藤:
あれは、かなり本質的な話で、・・うん、
なんかそこらあたりを落とし所にしているのかな?と受け止めましたけれどもね。
水野:
うん。
再稼働を容認するための条件整備はいるけれども、何年で止めるとか、
でも、基本的にはそこが一つの落とし所になるのかもしれない、
そんな可能性を発言から受け取りましたがね、
近藤:ぐじゃぐじゃしてますな、まだ。
水野:はあ~・・・、
ま、あの、いろいろと伺ってみないと、ニュースの本質って見えてこないし、
今日はいい機会を得ていろいろとしゃべっていただけたなと、思いましたね。
またいろんな形でエネルギー問題を考えていこうと思います。
近藤さんありがとうございました。
ーーーーー
5%の数字を出してきた関電の姿勢に対して、
飯田哲也さんの受け取り方と古賀茂明さんの受け取り方に違いがあるような気がします。
同じ5月16日、古賀さんはこう話していました。
関西電力の不足なぜ5%に?古賀氏が解説5/16モーニングバード(動画・内容書き出し)
(上記ブログより一部抜粋)
羽鳥:古賀さん、最初から5%という数字は出せなかったんでしょうかね?
古賀:
いや、それは本気になれば出せた筈なんですね。
ですけど、彼らにも色々都合があって、
あんまり早く出してしまうと、さらに、
「もっとその上にこれができるじゃないか」、「あれができるじゃないか」と我々に言われてですね、
どんどん上積みされていくと、
結局「原発動かさなくても十分に足りるね」というところに持って行かれちゃうのでですね、
それを恐れてずっと出さなかったのが、
ま、もう大体ここまでくれば時間がないだろうという事で、
いまでも5%足りないって言っている訳ですよね。
ですから、この5%のところを埋められなければ、結局「原発動かせ」と、そういう話になってくるので、
ま、彼らにしてみれば、「もう時間切れで、今出しても何とかなるだろう」と、
そんな感じになってきたんではないかと私はみていますけれど。
羽鳥:
実際に何度も直接会われて会議をされて、
対応とか印象とかは変わってきていますか?
古賀:
いや、基本はね、変わっていないんですよ。
要するに、もう本当に時間がないので、必死になっていなくちゃいけないんですね。
ー略ー
ま、ちょっとこのまま行くとですね、本当に「ちょっと足りないぞ」というところを押し通されてしまう可能性があるので、
あの、我々ん方からはですね、さらに新しい提案を出した数字を入れてですね、
「十分足りるんじゃないか」という話しも出していますんで、
さらにこれからもっともっと具体化して数字が積み上がっていくというふうに持っていきたいなと思っています。
ーーー抜粋ここまでーー
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- 「嘉田さん、橋下さん、小沢さん、そしてがれき問題」飯田哲也氏インタビュー11/28岩上安身氏(一部分書きだし)
- 「第4の革命」 飯田哲也さん(動画・内容書き出し)NO NUKES 2012
- 「急展開・大飯原発再稼働の裏側」5/31たねまき飯田哲也氏(内容書き出し)
- 「原子力ムラ」が秘密会合5/24報道ステーション・飯田哲也氏(動画・内容書き出し)
- 「電力不足・・・ホントのところを聞く」 飯田哲也氏5/16たねまきJ(内容書き出し)
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コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2012.05.17 18:49 | 編集
まだまだ監視しなければなりませんが、関電が「地域独占権を得るが供給義務も負う」と言う当たり前の考え方をしだしたらとしたら大きな前進だと思います。
baka1187 | 2012.05.17 20:11 | 編集
いつもたくさんの書き起こしお疲れさまです&ありがとうございます。
>昨日からですね、関電のモードが変わったような感じがするんですよね
穿った見方をすれば、今日の↓↓↓この件を知らされていたのかも…
腹立たしさとむなしさでいっぱいです。
>政府、計画停電は1日2時間程度で準備
>政府が北海道、関西、四国、九州の4電力会社に計画停電を1日1回、
>2時間程度求めることが判明。 2012/05/17 18:58 【共同通信】
ようやく、西宮市と尼崎市へのがれき受け入れ反対の動きが盛り上がってきて、少し成果が見えてきたところなのに…なにが計画停電だ!
5/16の尼崎市長とともに考える対話集会が
ユーストリームで中継され、録画も公開されているので、
紹介させて下さい。
http://www.ustream.tv/recorded/22621884
会場で発言された市民の声は反対100%です。
特に、避難されてきたお母さんの意見と有機農業をしている農家の意見は本当に切実なものです。
そして、ツイッターでも広く流れた西宮市長の発言について、意見を求められた稲村市長は「そうだから、西宮市と協力するのはやめて、尼崎独自で検討する事にした」と認めていました。
5/19にももう一度対話集会をやります。こちらもネット中継されます。
>昨日からですね、関電のモードが変わったような感じがするんですよね
穿った見方をすれば、今日の↓↓↓この件を知らされていたのかも…
腹立たしさとむなしさでいっぱいです。
>政府、計画停電は1日2時間程度で準備
>政府が北海道、関西、四国、九州の4電力会社に計画停電を1日1回、
>2時間程度求めることが判明。 2012/05/17 18:58 【共同通信】
ようやく、西宮市と尼崎市へのがれき受け入れ反対の動きが盛り上がってきて、少し成果が見えてきたところなのに…なにが計画停電だ!
5/16の尼崎市長とともに考える対話集会が
ユーストリームで中継され、録画も公開されているので、
紹介させて下さい。
http://www.ustream.tv/recorded/22621884
会場で発言された市民の声は反対100%です。
特に、避難されてきたお母さんの意見と有機農業をしている農家の意見は本当に切実なものです。
そして、ツイッターでも広く流れた西宮市長の発言について、意見を求められた稲村市長は「そうだから、西宮市と協力するのはやめて、尼崎独自で検討する事にした」と認めていました。
5/19にももう一度対話集会をやります。こちらもネット中継されます。
mamako | 2012.05.17 23:31 | 編集
キーコちゃん。いつもありがとう!
昨日のたね蒔きジャーナル、初めて聞きました。
飯田さんの話の最後の10秒はショックでしたね。
要するに何年後かに全ての原発から撤廃することを条件に
原発再稼働を容認すると。。。
そのへんの落としどころを今調整中なんだというようなニュアンスでしたね???
これはどうみても
フクシマや日々放射能の脅威に悩まなされている多くの国民に対する
裏切り的発言だと思います
飯田発言を聞く限り
条件次第では原発再稼働は容認するってことですよね?
それって絶対に許しちゃいけない
トンでもない発言ですよね?
確かにキーコちゃんのいう通り
飯田発言と
古賀発言の間には
決定的なニュアンスの違いがあると思います
それは、
政府や関電がいかなる条件を持ち出そうと
原発の再稼働を認めるか否かだろうと思います。
大飯再稼働を許せば
次は伊方再稼働をになり、
原発マフィアどもは
一挙に息を吹き返し
日本は破滅の道を突き進むことになりかねないです(ー_ー)!!
ここは
飯田さんや橋下さんにアッピールして
いかなる条件の下でも再稼働を許すな!
って言いたいです。
同時に古賀さんにも
絶対に妥協しないで再稼働を阻止して下さいって
メッセージを送るべきだと思います。
そのへんのことキーコちゃんやここのブログのみんなの力で
何とかできませんか?
オレも及ばずながら協力したいと思います。
どうぞよろしく!!!
昨日のたね蒔きジャーナル、初めて聞きました。
飯田さんの話の最後の10秒はショックでしたね。
要するに何年後かに全ての原発から撤廃することを条件に
原発再稼働を容認すると。。。
そのへんの落としどころを今調整中なんだというようなニュアンスでしたね???
これはどうみても
フクシマや日々放射能の脅威に悩まなされている多くの国民に対する
裏切り的発言だと思います
飯田発言を聞く限り
条件次第では原発再稼働は容認するってことですよね?
それって絶対に許しちゃいけない
トンでもない発言ですよね?
確かにキーコちゃんのいう通り
飯田発言と
古賀発言の間には
決定的なニュアンスの違いがあると思います
それは、
政府や関電がいかなる条件を持ち出そうと
原発の再稼働を認めるか否かだろうと思います。
大飯再稼働を許せば
次は伊方再稼働をになり、
原発マフィアどもは
一挙に息を吹き返し
日本は破滅の道を突き進むことになりかねないです(ー_ー)!!
ここは
飯田さんや橋下さんにアッピールして
いかなる条件の下でも再稼働を許すな!
って言いたいです。
同時に古賀さんにも
絶対に妥協しないで再稼働を阻止して下さいって
メッセージを送るべきだと思います。
そのへんのことキーコちゃんやここのブログのみんなの力で
何とかできませんか?
オレも及ばずながら協力したいと思います。
どうぞよろしく!!!
himadarake | 2012.05.18 00:09 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2012.05.18 05:45 | 編集
毎日更新 有難うございます。
古賀さんと 飯田さんの温度差のような感じ はっきり感じます。
橋本市長 私は やっぱり なんだかなあ・・・・・と感じてます。
関電から 選挙資金でも 引っ張り出そうなんて 考えていそうです。
古賀さんは 真摯なひとだなあ 頑張ってくれていますよね。
古賀さんと 飯田さんの温度差のような感じ はっきり感じます。
橋本市長 私は やっぱり なんだかなあ・・・・・と感じてます。
関電から 選挙資金でも 引っ張り出そうなんて 考えていそうです。
古賀さんは 真摯なひとだなあ 頑張ってくれていますよね。
ころ | 2012.05.18 14:58 | 編集
足りないから再稼働させるんですよね?
再稼働容認するって事は、足りないって事ですよね?
でも足りるって言う。
この矛盾を誰か説明して欲しいですね。
再稼働容認するって事は、足りないって事ですよね?
でも足りるって言う。
この矛盾を誰か説明して欲しいですね。
| 2012.05.21 16:20 | 編集