2016/09/04 に公開
みなさんこんにちは、後藤政志です。
今日はマスコミ…といいますか、
今何が問題であるか?と考えました時に色々みなさんと、私も感じるところがあるんですけれど、
その中で是非これだけはという、特に原発がらみのことでマスコミに取り上げて欲しい問題があります。
それについて何点かお話しさせていただこうと思います。
細かい技術的な問題はまた別途にいたしますので、そういう話でよろしくお願い致します。

まず1点目。
新潟県の泉田知事が突然ですけれども「立候補しない」という話が出ています。
これはみなさんご存知のように寝耳に水で、びっくりしたんですね、私も同じですけど。
この問題は「なぜ?」というところもありますけど、
ご承知のように泉田さんは今までの日本の各県知事の立場としては、非常に原発について慎重な方で、
特に福島事故を捉えて、その「事故の原因が分からなかったらそれは当然安全の確保はできないんだ」とか。
それから東京電力の責任。
東京電力がなぜそうなったのか、という問題。
さらに今の原発。
特に沸騰型の原発BWRはどうであるとか、
じゃあ、事故になった時にフィルターをつけレバいいのか?という、そういう議論を通じて
一つ一つきちんとものを話していく。
しかも、逃げられるか?と。
特に一番重要な避難の問題ですね。
この問題も含めてトータルを考えて発言をしてきたのが泉田さん。
しかもその中で、今のまま再稼働することは非常に慎重な立場をとっていらっしゃる。
というのが泉田さんの一般的な評価で、私もそのように思っていたわけです。
ですからある意味で泉田さんが原発について慎重になるということは、日本の今、西日本を中心にどんどん原発が再稼働に入っていますけど、そのなかで、それでも加圧水型なんですね。
これを「福島と同じタイプの沸騰水型を初めて新潟県の柏崎刈羽で」という話になってきたと。
そこのところで慎重な立場になっている知事がいて、
それを特に地元の人たちも含めて県民の人たちも含めて議論している。
しかも新潟県には「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」というのがあって、新潟県の中で独自に、今までの国とは別個にさらに安全性について調査をしている。
そういう立場ですから、そうすると、実は今国会事故調が残してきた課題。
前にお話し致しましたけれども、原発の事故の原因、事故原因、直接の原因だけじゃなくて、広い意味で何が必要なのか、安全性の面で。
あるいは枠組み、制度、規制とは何か?安全とは何か?という基本的な問題を提起してきたのが国会事故調なんです。
そのことをほおかむりしている状態のままにしていることが非常に問題なんですね。
それを具体的になんとかしなくちゃいけないということで、具体的にやっているのが今の新潟県の、一部でありますが立場だと。
そこが新潟県の技術委員会(新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会)が持っている質なわけです。
そこのところに私たちは一縷の望みをかけてきたと。
そこに理解のある知事がいればいいですけど、そうではなくなった場合には、非常に原子力の問題について後退してしまうという危惧を持っているわけです。
それが泉田知事の問題になるかと思います。
なぜそんなことになってしまったか?ということについては私もわからないわけでして、
原因もわからないし、裏も、マスコミとの関係とかもわかりません。
ですけど大事なことは、これだけ重要な問題が明らかにならないままで物事が進んでいくことだけはまずいと思います。
それはマスコミの使命だと思う、そのことを明らかにするのはですね。
なぜそこまで言うのかとい今すと、例えば原子力がらみというのはいっぱい歴史がありまして、
たとえば佐藤栄佐久さんが福島県の知事の時に失脚させられたこととか、そういうことを思いますと、
今の泉田さんがどういうことかはわかりませんけれど、そういう政治的な圧力がなかったのかどうか?
あるいはそういうこととの関係はどうなっているのか?
そういうことをきちんと、やはりマスコミが追いかけていく。
そういう必要が、絶対に必要だというふうに思います。
それは単に泉田さんを守るとかそういうレベルではありません。
そういうことではなくて、日本の本当に根幹、民主主義の根幹であるとか、安全の問題の一番根幹である原発の問題をきちんと私たちが捉える状態にするという意味です。
その意味においてこれは譲れないところで、マスコミがまず第一にやっていただきたい。
これが1点です。
https://youtu.be/cJHT9r2Y01A?t=5m28s
ー文字起こしここまでー
追求してくれそうなメディアに連絡しましょう。
テレビ朝日モーニングショー そもそも総研 番組へのご投稿
http://www.tv-asahi.co.jp/m-show/randing
TBS報道特集 情報募集
http://www.tbs.co.jp/houtoku/want/
日本テレビ 真相報道バンキシャ
https://apps.ntv.co.jp/bankisha/form/1ef008c7-d2ee-4e23-955c-56beba335542.html
報道ステーション ご意見ご感想
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/opinion/form.html
他ににきちんと追求してくれそうな番組どこかありますか?
あったら教えてください。
文春とかが記事出したら、ワイドショーがやるようになるのだろうか?
IWJが9月2日、新潟日報に対して直接取材を行っています。
「泉田知事は説明責任を果たせ」と迫りながら、県からの回答を掲載しない新潟日報にIWJが直撃取材!さらに「新潟日報が力になってくれる」という韓国企業の不可解なメールが明らかに! 2016.9.4
反原発のシンボル 泉田新潟知事が突然「出馬撤回」の背景
日刊ゲンダイ 2016年8月31日
反原発派には痛手(泉田新潟県知事)/(C)日刊ゲンダイ
原子力ムラはニンマリだろう。4選出馬を表明していた泉田裕彦新潟県知事(53)が30日、突如文書で“出馬撤回”を明らかにした。柏崎刈羽原発の「再稼働」を認めず、“反原発”のシンボルになっていた泉田知事に何が起こったのか。
この半年間、泉田知事は新潟県が出資する第三セクターの子会社によるフェリー購入をめぐり地元紙の「新潟日報」と対立。泉田知事は、出馬撤回の理由を「臆測記事や事実に反する報道が続いた。このような環境の中では十分に訴えを県民に届けることは難しい」としている。
地元紙からの攻撃だけでなく、新潟県内では“泉田包囲網”が出来上がっていたという。
「新潟日報は今年に入ってフェリー問題をしつこく批判していました。新潟日報は泉田さんの政治手腕に疑問を持っていたようで、社内には“泉田嫌い”が蔓延していたといいます。新潟日報には東電が広告を出していた。さらに、今月には泉田さんと近い自民党県議が県連会長を辞任している。泉田さんは嫌気が差したようです」(新潟県庁関係者)
泉田知事の出馬撤回によって10月に行われる新潟県知事選は、すでに出馬を表明している全国市長会長の森民夫長岡市長(67)の当選が濃厚となっている。安倍官邸と近い森市長が知事に就いたら柏崎刈羽原発を再稼働させるのは間違いない。
泉田知事という“反原発”のシンボルを失った「反原発派」からは、森市長の対抗馬として地元出身の森裕子参院議員や田中真紀子元外相の出馬に期待する声も上がっているらしいが、肝心の民進党は対立候補を立てるつもりがないようだ。
原発問題に詳しいジャーナリストの横田一氏は言う。
「泉田知事と同じ経産省出身の古賀茂明さんにも待望論が出ていると聞いています。いずれの候補を出すにしろ、野党が協力しなければ勝つことは難しい。ここで協力できなければ何のための野党かと批判されても仕方がありません」
東電の高笑いが聞こえてくるようだ。
続きを読む
1 川内原発工事認可審査について
・固有周期と地震動の周期
・減衰常数の意味と恣意的適用
・長周期地震動の影響
・川内原発工事認可審査の白抜きデータ
・耐震設計は、地震動を変更したとき、その前後でデータを比較分析して示せ!
2 APAST企画イベントの紹介
川内原発工事認可審査について
川内原発はすでに一番最初に新規制基準がありまして、
新しい基準を作って、この基準を満たせば立地許可が出るという話だったんですね。
それはすでに通りまして、
パブコメでは膨大なコメントがついたんですけど、
それはかなり無視しながらやってきた経緯がありました。
その上で今度は工事認可。
それと工事認可の内容ですね、審査を今やっている途中なんですけれども、
主として問題になりますのは、そもそもどういう基準で満足するかっていう、その根幹ですね。
これが本来問題なんですね。
ところがそれをすっ飛ばしてしまって、今実際の工事認可と言っているのは、
例えば、地震動がありますね。
その地震がどういう地震だとか、そういう設定をするのが立地段階の話なんですね。
それで、こういう地震動で計算すればいいんだっていうのを決めてたら、
それを具体的にやってみて、耐震設計で持つか持たないか?っていうのが工事認可。
工事認可というのはですね、私ども技術屋のいう、いわゆる設計の計算。
強度計算ですね。
そういうものが含まれていいる。
ですから量的に言いますと、立地段階の初期の計画段階の話と、
後者のまさに今やっている工事認可ですね。
これにさらに保安規定というのが一応入るんですけれども、
工事認可というのは非常に膨大な量があるんですね。
それの審査をしているんですけれども、
どうも審査の過程を見ていますと、非常に、その…ものすごい分量のものを短期間にやるという、
かなり無理をしながらやっている節があります。
それで、今回実は、川内原発の件でですね、わざわざ鹿児島まで参りましたのは、
現地の方で川内原発に対て、Goをかけるという話がありましたので、
それに対して技術的な側面から違うんではないかという見解を表明するために
原子力市民委員会の立場で行きました。
原子力市民委員会の吉岡座長と、
それから規制部会と言いまして、技術的なことをやっている筒井さんと私と、
3人で記者会見という形をとりました。
あと、事務局に菅波さんがいらっしゃるんですけど、その4名で行きました。
中身につきましては、いろいろとポジションの問題ですね。
全体としてどうこうという話を、ま、大枠でしまして。
私の方からは、そもそも原発の安全性についての基本的根幹にあたる問題を指摘した後、
工事認可の内容は耐震が主なんですね。
と言いますのは、今までの従来のところはほとんど変わっていなくて、
地震動を変えたから、そこだけを修正する、こういう形になっているんですね。
あとは過酷事故関係ですね、そういうふうになっています。
私の一番指摘したかったことは大きく見ますと、2点か3点なんですけど、
そもそも入り口でですね、これ、見てびっくりしたんですけれど、
膨大な、全部やると万の単位になるんですが、ページですると。
私が見たのは数千ページですけど、
それでも、その中で、例えば、プラントの中で物の配置、配置設計ってありますね。
どの機械をどこに置くとか、どの装置がどこにあるか。
この配置関係を全部伏せています、白抜きです。
だから、どこに何があるのかわからない状態になっているのが一点ですね。
それから耐震強度の計算をするときに、
高さ方向に何m、何mとやって、材料がどうだとか構造を計算するんですね。
いわゆる耐震計算モデル、解析モデルと私たちは言うんですけど。
それの高さ方向のあれが全部白抜きになっているんですね、全てですね。
それと、もっとすごいのはですね、
強度計算とかの中に入っていった時に、
例えば、ある物に力がかかって、それがどういうふうに力がかかるから、どういう計算をして、
発生する応力っていうんですけど、計算上でてくる力が材料の上限に達しないか?
そういうチェックをするわけですよね。
ところがそこの、いろんな過程の途中のところですね、
計算の途中のところで伏せて、白抜きになっています。
これは大量にそれがなっているんですね。
ひどいところになりますと、一体何の計算書かわからない。
その中でさらに構造の図についても伏せていた、そうこともあります。
これは以前から工事認可というのは伏字をやってたんですけれども、
こんなにひどい伏字は私は初めて見ました。
これはもう論外ですね。
はっきり申し上げて私はもう読む気がしなくなったんです。
これを見ましてですね、バカらしくて。
その時に特に感じましたのは、
いったい、規制委員会はこれをもってどのように考えているのか?ですね、
つまり、規制委員会の立場は、
たぶん白抜きにしているという意味はですね、
一つはセキュリティと言いますか、対テロ行為とか、
そういうものに対して心配して伏せるというのが一つの意味です。
もう一つは企業秘密ですね。
これはどう見てもセキュリティの問題が関係ないところもありますし、多いですし、大半がそうだと思います。
それと企業秘密と言いますけど、
例えば水素を処理する装置がありますね。
その「装置の性能とかは企業秘密だから出さない」って言うんですね。
ですけど、この装置というのはどういうものかと申しますと、
万一といいますか、炉心が溶融するような事故になりますと、水素が大量に出るわけですね。
それをどうやって処理するか?っていうのは
実は処理できるかどうかも私は怪しいと思っているんですけれども
そういうものの性能を伏せるということは、いったいどういうことを考えているのか?
私には理解できないんですね。
安全を担保するためのキーになる部分を伏せるということは
説明することを放棄しているの等しいんですね。
しかも私は説明されたからといって、
いいのか?っていうのは疑わしいところがいっぱいあるし、
これは福島の事故でもはっきりわかりましたし、
今もそのように思っています。
耐震上の話にいきますと、
実際、耐震というのは地震がきますよね、
だから地震動を決めて、
その地震動というのは、昔はせいぜい200ガルとか、200数十ガルだったんです。
川内原発もそんなもんですね。
それが、そのあと400とか500ぐらいに一旦なりまして、
それはなぜなったか?というと、いろんな大きい地震が起こったので、地震動を見直すと。
活断層を見直したり、いろんなものを見直したらどんどん大きくなったんですね。
で、今度また見直して、それが何割か大きくなって620ガルぐらいになっている。
そういうふうになって、それを強度計算で示すわけですけど、
その時に実際には非常に難しいと言いますのは、
技術的な意味がありますのは、
一つは地震というのは、地震の揺れにはこう、癖があるんですね。
非常にゆっくりした場合と、バババっと早い場合がある。
これは周期と言いますが、早い揺れとゆっくりしている、という波があります。
それに対して構造物、物の方はやっぱり固有周期がありまして、揺れやすい周期があるんですね。
例えば配管があって、配管が細かくサポートされていると細かく揺れるんですね。
広い範囲でサポートされているとゆっくり周期になる。
その代わり、振幅が大きくなるんですね、揺れが大きい。
地震動が来て、その地震動と物の固有周期が一致すると、
共振状態になって非常に大きくなって揺れるということになるんです。
ほとんどの場合、強度計算で大事なのは共振状態。
共振になった時に非常に問題になるんですね。
その共振になった時はどうするか?というと、実は材料の、構造も含めてなんですけど、
減衰常数というのがありまして、振動を弱める特性があるんですね。
その特性をどう位置付けるかによって、振動は大きくもなるし小さくもなります。
そういう関係になります。
そのデータの作り方の問題。
それから非常に長周期の地震が来た時に大丈夫か?ということですね。
これは高層ビルで問題になっているような、
普通の構造物は1秒とかそれ以下の短い周期が細かくくるやつなんですけど、
長周期というのはゆっくり揺れるやつですね、数秒単位で。
高層ビルだと5〜6秒になりますけど、原発でも一部長い周期になるところがある。
そういうところについては長周期波動の関係があります。
さて、この川内原発の工事認可の耐震設計につきまして、私の提案です。
これは(記者会見で)申し上げたんですけれども、
地震動が変更になりましたら、その地震動を変更した前後で、全データを示すべきです。
地震動を変える前は、こういう応力でこうだった。
地震動を変えたらこうなった。
それで基準値は全部並べること。
それで、その計算の内容について、過去とやり方を変えたら、それは全て説明をすること。
その根拠を示すこと。
これは当然ですけれども、全部それを綺麗にわかる形で一覧で示すべきです。
膨大な計算書を読めというのはそれは無理があってですね、
当然、そういう耐震上問題になる議論になる部分については、きちんと抽出して、
その部分だけを見えるような形にして説明する。
最低限それくらいのことはやるべきだと思います。
これからなんか、高浜原発もそうやってパブリックコメントを出すというふうに言っておりますけれども、
今のような、川内原発でやっているようなパブリックコメントですと、
そういう対話のやり方をしているんでしたら、全く意味がないと私は思います。
むしろ、人に対して説明してわかってもらおうという姿勢が全く見えないので、
大変失礼なパブコメだと思います。
もう少し、本当にですね、一からそこのところを大切にして丁寧にやらないと、
信頼関係は全く失われてしまいます。
そうでなくても福島の事故で電力会社と原子力保安院は、その信頼は地に落ちたわけです。
それでそれではまずいというので、今新しく規制委員会を作ってやっているわけですから、
規制委員会がきちんと、市民の、それぞれ地元の人も含めて、
私たちみんなの了解というんですか、
納得のいくような説明をしていくことは最低限必要なことだと、私はそのように思っております。
是非、繰り返しますけれども、耐震設計における結果の表明ですね、わかりやすくすること。
これは是非やっていただきたいと、そういうふうに思います。
それでもって、説明して、納得いくようにするのが最低限のルールだと思います。
なお、技術的な問題につきましてはこれ以降です。
こういうものが示された後で、初めて議論の対象になる。
そのように私は思っています。
12:55
13:03
一つ忘れましたけれど、
データで、先ほどの話の中で、地震動の話で、
物の固有周期と地震動の話を簡単な表に示しておりますので、
ここで、非常に周期の短い0.01秒、つまり100分の1秒ですね。
グァーッて揺れるのから、5秒10秒という長い周期の、
いろんな地震動の説明があります。
これと構造物を対比したものがありますので、ご参考に見ていただけましたらと思います。

この中で非常に長周期の中に、
超高層ビルとか、大きな橋とか、石油タンクの様な様な水の、液体の揺れですね、スロッシングといいます。
スロッシング問題、そういうものがあります。
13:54〜APAST企画イベントの紹介

APASTというのはNPOのもう一つの科学技術の未来という意味で作ったNPOなんですけど、
現在はかなり原発を中心にやっています。
それで「福島第一原発の「もっとも危険な瞬間」」というタイトルで
12月7日日曜日の13時半から17時半まで立教大学の池袋キャンパス5号館の5225室でやります。
これは無料ですので、ぜひご興味のある方はお誘いの上ご参加いただけましたら幸いです。
駅から7〜8分だろうと思います。
第一部が問題提起という形で、私と小倉志郎さん、それから佐藤暁さん。

小倉志郎さんというのは、最近こういう本を出された、
「元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ」という形で出しまして、
この方は、私の東芝の先輩でもあるんですけれども、
原子力について、本当に隅から隅まで、彼の、小倉さんとしての技術屋の生涯と言いますか、
それは原発と共にあった、それも含めて非常に、
原発に対する自分の自責の念も含めていろんなことをおっしゃっているんですね。
非常にこれは読み応えのある本で、ぜひお読みいただけたらと思いますが、
ま、彼が原発について思いを語るということで、ひとつです。
それと、もうひと方の佐藤暁 (さとし)さんという方は元GEの技術者で、
柏崎とか、日本の原発に深く関わっていた人です。
現在も原子力のコンサルタントとして活躍されている方で、
この方も非常に原子力について、きちんとした見方をされている方です。
ですから、私と3名でこの問題提起をさせていただきまして、
第二部でパネルディスカッションで議論を進めていくということになります。
ちなみにこのパネルディスカッションにはかなりいろんな分野の方。
安全対策の関係者の方もお招きしていますし、いろんな方がいらっしゃるので楽しみにしています。
ここでもう一度福島第一原発について議論をしようと、そのように思います。
よろしくおねがいいたします。
ーーー
![]() 【楽天ブックスならいつでも送料無料】元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ [ 小倉志郎 ] |
2014年7月1日
皆さんこんにちは、後藤政志です。
今日は原発事故免責という内容で、
東京新聞に実は6月30日、1日前です、昨日ですね。
昨日の新聞の1面に出た記事です。
これを元にですね、ちょっとお話をさせていただきます。

内容が非常に、タイトルを見ていただくと分かるんですけれど、
政府が加盟を目指しています「原子力補償条約」というものですけれども、
正確には「原子力損害の補完的補償に関する条約」という、略称「CSC」と言っています。
それにこの秋に政府が加盟するという動きがあるという事なんですね。
その意味するところが非常に気になりましたので、ちょっとお話をさせていただきます。
内容は、そもそもこれは米国が中心になって
米国とアルゼンチン、それからモロッコ、ルーマニアの4カ国がすでに加盟しています。
ただ、これはカナダの加盟の話もあるみたいなんですが、
実は日本に、民主党政権時代から加盟のお誘いがあって、
ただこの条約は制限があって5カ国以上。
それと熱出力でトータル5億キロワット以上の原発、合計の出力ですね、熱出力で。
という制限があるんですね。
実はカナダが入ったとしても足りないらしいですね。
で、「日本に是非入って欲しい」と、ま、そんな意味背景はそんな事らしいです。
原子力事故の免責
ただですね、この持っている意味が非常に問題です。
政府が何を言っているかと言いますと、
この条約に加盟する意義をハッキリ言っています。
その一番大切な話が、
「我が国のメーカーが海外にプラントを輸出する場合に原子力事故の責任を免除する」
「免除される」と。
そういう事がこれの一番大きな意味だと思います。
他にもあと4つばかり並べておりますけれども、
一番とにかく問題なのは「事故の時に免責される」という事が真っ先に来るんですね。
そうすると、日本の場合には原発を輸出するのは道義的に
福島の事故があって、それをそのままにして原発を輸出することは
道義的に許されないだろうというふうに考えるところもあるんですけれども、
それをわざわざ免責してしまうということですね。
これは非常に問題があるというふうに思います。
それで「免責する」という事は、
本来ならば福島のような事故が起こった時にどういうふうな責任を取るかというのは、
今まさに原発訴訟に、メーカー訴訟まで含めてですね、
いろんなところが訴訟を起こしているところがあります。
被害を受けている人々が電力会社とかメーカーに対して訴訟を起こすという動きが、
少しずつ今流れがあるんですね。
それが何を意味しているかと言うと、
あれだけ大規模な事故を起こしておいて、だれも責任を取らないというのは本当ですか?
という、ごく当たり前の市民感情から来ています。
これはいろんな事故の時に、たとえばJR西日本の鉄道の事故の時にですね、
当事者はともかくその企業の責任を問うという動きがあったんですね。
で、訴訟が起こっているんですけれども、
結局最終的には全部責任を逃れる形になってしまって、
それは何故かというと、個々人の責任を問いますと、
その人はその立場で、たとえば事故の予見は出来たか?そういう事になるわけですね。
そうすると一人一人を見ていくといろんな逃げを打っていく訳です。
私はこの事は知らなかったとか、関与の仕方がこうだとか、
そうするとたとえば福島の事故だったら東京電力があって、多くの人がかかわっていますよね。
それが、会長がいて社長がいて福島のサイトの所長がいてとか、
それぞれの役割の人がいるんですね。
それを、一人一人の事を見ていくと、それぞれ部分的には役割を果たしているのは当然だけど、
「その人がこういうミスをしてこうだから事故になった」というのはなかなか言えないですよね。
それは当然なんですよ。
そうするとこれだけの大規模な事故だと「みんなでやった」という事になるわけですよ。
決定的に予見、なにかが、
事故が起こることが分かっていたじゃないかということが証明されない限り免責になる、という、
そういう構造になっちゃっているんです。
それは非常に問題で、そういうやり方をなんとかしなきゃいけないというのが、
法律の学者の中にもそういう事を一部言っている人がいるんですね。
「責任を追及すべきである」
私も事故そのものを直接的な担当者の責任という事はあまり、そういう事は重視しない方なんですけれども、
構造的に起こった事故と言いますか、それに対する責任というのはきちんとしないと再発防止にならない、
というふうに思っているんですね。
それで今一つ話を飛ばしましたけれども、
ひとつ話を戻しまして、
今回の条約の加盟の意義というのを今の事故の時の免責というのがありました。
1カ国70億の補償金
それだけではなくて、
事故の時には加盟している各国から1カ国当たり70億円の事故の時に対する補償が出てきます。
ですから、「日本で原発事故が仮に起これば各国から70億円補償が入ってくる」と、そういう事を言っているんです。
ですけど、ご存じのように原発の事故というのは70億って・・・、桁が何桁も違う。
数兆円で済めばいいですよ。
数兆円で済むのは難しいですね。
数10兆になる可能性すらあります、トータル積算していくとね。
そういう事故の規模。
あるいは一番最初福島は、一番最初にポーンと出た数字で200兆ですよ。
最大被害を受けると200兆ぐらい行くんじゃないかという、そういう試算も会った位です。
そうするとそれに対して70億円ですか、10カ国あったって700億円ですね。
100カ国だって7000億円でしょ。
桁が違う訳ですね。
そんなものを補償だって言っているのは詭弁なんですね。
またもうひとつは「国際的に賠償する条約に未加盟というのは非常に不都合だ」と。
「だからそれを解消したい」。
で、「今回これに加盟する」という事を言っているんですね。
これもなんていうんですか、内容が内容ですから、形の上だけで入って、
しかも自分たちは免責される側になるんだ、むしろですね輸出する。
そういう構造を持っていますから、この意味合いというのは
私は福島の事故を出した日本の国でありメーカーの立場としては、これは非常に無責任だというふうに思っています。
米国からの要請
それからもうひとつあるんですけれども、
「米国からの強い要請があってそれに答える」と言っているんですね。
つまり米国の顔色をうかがっているんです。
これもまたおかしな話であって、
そもそも原発事故に関して、今回の福島の事故で言えば東京電力がけしからんという事もありますけれども、
そもそも原発の事故なんてシステムの大きなプラント事故ですから、
運用がどうこうというよりは、もっと基本的な設計がいけなかったとか、
そもそもの脆弱性とかそういう事が関わるわけですから、
当然、東京電力があるところに関わったのは当然ありますが、
もっと根本的にはGEとか東芝・日立がその問題に少なくともまずコミットしなければいけない。
関わらなければいけない。
事故原因の究明がそうなんですね。
事故の原因究明
ですからこの問題は何が問題かと言いますと、
「福島の事故原因はなぜだれも責任を取っていないか」というのが根底にあります。
それは想定外の津波が来て、それで事故の予見、可能性予見が出来なかった、想定外だったと。
こういうシナリオにしているんですね。
そうすると実は地震か津波かという話に関しましても、
津波が来る前に地震で損傷しているところがあるために、一部機能しなかった可能性があるところがあっても、
それは証拠が無いから分からないという事だったんですね。
その事を問わないまま物証、つまり物的な証拠がありませんから、
今でもプラントの中に立ち入れないですからね、そんなに。
そうすると、どういうふうに壊れてどうなったか分からないままに、原因はもう分かったことにしている訳ですね。
これは非常に非科学的なんです。
たとえば航空機事故などがあったら、部品の1個1個を海の中をさらっても引き上げてきて調べるんですね。
それで初めて「あ、こういうメカニズムで壊れた」という理論がそういう物的に証明されるんです。
原発においては全くそれをやっていないんです。
単にシュミレーションでやったことから、多分こういうふうにしてメルトダウンしたんだろう。
こうなってこういうふうに融けていってこうなったんだろう。
じゃあどこに溶融物があるんですか?
それすら分からないんでしょ?
犯人がどこにいるか分からないまま被疑者不詳でやられているだけで、というのが現実ですね。
これは非常に問題だと思います。
それからもうひとつは、
事故原因解明のための全調書。朝日新聞で出ていましたね、
吉田所長の書簡なるものが一部ヒアリング(吉田調書)
それが公開されていなかったっていう、朝日新聞が出していましたけど、
で、ああいうヒアリングした内容ですとか、事故調査委員会が調べた内容というのは、
非常に重要な一証拠なんですね。
それを本人がいいとか悪いとか、プライバシーの問題で言うレベルじゃないです、ハッキリ言って。
私はそれはよほどのことがなければ出す義務があると思います、道義的に。
福島の事故に関わった問題に対してですね、
これはプライバシーにかかわるなんていう事を持ってね、話が出来ないあるいは出てこないという事になると、
事故原因が究明できなくなる。
これは、私は、そのしゃべった人の責任を追及する意味じゃなくて、
事故原因を究明するために絶対にそれはしゃべるべきだと思います。
罪を問うんじゃなくて、その中身をちゃんと調べる。
それが絶対に必要です。
<政府事故調 吉田調書>
「3号機の格納容器の圧力異常上昇を報道機関に流すのを止められた」
5/21報道ステーション(内容書き出し)
それともうひとつはデータです。
これは木村俊雄さん、東京電力のね、木村俊雄さん。
彼が元技術者ですけど、「データがちゃんと出ていない」と言って、
「コンピューターデータを出せ」と言って、
彼は東京電力が出してきたデータを彼なりに解釈していろいろ質問している。
格納容器の蓋さえも開いていない状況で、 「安全だ、妥当だ」ってよく言えるもんだよね
「原発再稼働わたしはこう思う」木村俊雄氏元東電社員4/3(動画・内容書き出し)
で、そういうプロセスが行われていないんです、いまだに。
そういう事が開示されていない。
つまり、事故に対するいろんな聞き取り調査とか、
直接かかわった人の、吉田さんの証言だとか、
そういう事をリアルにちゃんと見ないでおいて、問題がなにかなんてわかる筈ないんです。
またデータも、コンピューターのデータをちゃんと出さないでおいて、
非常に粗いデータだけ。
コンピューターのデータは非常に細かい、時間が短い分析ができるので詳細が分かるんですね。
そこの事を分析せずに事故原因が分かったとするのは、言い過ぎなんですね。
ですから私もそれがないと全く分からないまでは言いませんけど、
それは当然のこととしてやらなければいけないということ。
企業秘密
さらにもうひとつ言います。
今規制基準の審査に入っていますけれども、各原発で。
あの中でたとえば、圧力容器の圧力が上がったので、安全弁をふかします。
その安全弁は何気圧でふくかというのは、白塗りになっている。
つまりデータを出していないんです。
安全にかかわるデータがいっぱい白塗り黒塗りになっているんです。
これは考えられないんです。
これはね、企業秘密だそうです。
何を言っているんですか、あれだけの事故を起こしておいて。
その性能はなんだ、これは企業秘密だと。
物事の軽重というか、重要な事と大したことがないことの重みがみんな分からないんですよ。
特にマスコミの人達。
全くこれはおかしいと思いますよ。
こんなことを許していたら事故なんか防げるはずがありません。
審査も、
今規制委員会がやっている審査ですね、
そのデータを開示しなくてもいいなんていう事を何であれ許しているんですかね?規制委員会は。
出させるべきです、全部。
出ないと、規制委員会には出していると思うんですよ、もちろん数字は。
ですけど他の人には見えない訳ですよ。
そうだと、規制委員会のある一部の人達がみて、それでもしそれに対して違う考えとか何かがあったら、
他の人から本来だったら「それは違うんじゃないか」とか本当だったら出てくるんですね。
私も気が付いたらそこで言いたい事があるわけです。
ところが、そういうデータを出さない訳ですね。
これは非常にひどい話です。
事故を、私に言わせると隠蔽していると言ってもいい位ですね。
それから、そもそも東京電力がどこまで事故について分かっているかと言いますと、
吉田所長の発言を聞いていてもですね、いろんなものがちゃんと分かっているとは思えない。
たとえばアイソレーション・コンデンサー(非常用復水器)というい号機の電気がない時に駆動する筈だったのが駆動しなかったですね。
あれなんて動いているとか動いていないとか、
それがどういうシステムになっているとか、そういう細かいデータが分かり切っていないんですよ。
そうすると、運転している側の人達が、どこまでそれを理解できているか?というのは怪しい。
だいたい、アイソレーション・コンデンサー非常用復水器というんですけど、
原子炉を電気がなくても冷却できる装置が動いていると。
動いている時に1時間当たり何度ぐらい温度が落ちるかというそういう評価があるんですね。
それ以上急激に冷やさない方がいい。
これは一般的にそうなんですけど、それを緊急時にそんなのを適用するのはおかしいんですけど、
そうすると、そういう運転操作そのものの意味とか、緊急性とか、そういうことだって混乱して見える。
そうすると本当に事実を分かって運転している状態になっていないんじゃないかというのが1点。
原発メーカーの関与
それともうひとつは、ではそれだったら、
事故についてはGEと東芝が積極的に関与すべきですね。1点。
それと、その時に電力会社の陰に実は隠れているんですよ、メーカーは。
多分裏では東電とのやりとりはしているでしょうけれども、
表へメーカーを出さないことによって東電が表に出てやり取りしている。
東電が分かり切っているのではなくて、本当はメーカーの方が遥かに分かっているのに、それを出さないんです。
それによって、原子力ムラという原子力の産業自身を維持するためなんです、私から言わせると。
実際にメーカーが、ちゃんと分かっている人達が正面に出て説明するべきなのに一切やっていない。
未だにやっていないんですね。
事故後も、これからもやってこない。
それは電力会社の所有物であって、メーカーはそれに従っているだけだというポジションです。
ですから先程話したように、電力会社が分かっていない部分があるのはあたりまえですよ。
設計しているレベルと運転しているレベルが違うのは当たり前です。
自動車をつくったトヨタ自動車と、それを運転する運転手とね、
事故が起こった時にこのメカニズムはどうか、という事は自動車メーカーの方がわかっているんですよ。
自動車メーカーが責任を負うにきまっているじゃないですか。
なんで原発においてはGEと東芝は出てこないんですか?
おかしいと思いませんか?
そうするとですね、表向きに責任を電力会社が負って、
しかも実質的には東京電力、電力会社は責任を回避しておいて、
で、メーカーには責任が及ばないようにしている。
こうやりますと、原発の基本的な問題ですね。
計画から設計、基本的な考え方、
そういうふうなところに関しては問われないようになっているんですよ。
せいぜいあってもこの装置がどうであったか、作動したのか、
そういうレベルの、浅いレベルの直接的な問題だけを問題にして、「ああわかりました」と。
じゃあそれを、今度はうまくやります、新しい装置を付けてOKです。
そのレベルで原発の安全性を語っているんです。
私はそんなのは全く考えられないと思います。
あれだけの大事故に至ったという事はある装置がきっかけであるかもしれない。
それが全体像をどう構成していって、
じゃあ、どうやって原発というものの安全性を考えるかという、根本に立ち返る。
そもそもGEの、東芝の設計は正しかったか?
GEのあのタイプはどうだったか?というこの根本的な問題に行かない限り事故原因の究明とは言えないんですね。
日本原子力学会
しかもついでに申し上げますと、日本の原子力学会が「もう事故原因は分かった」
「事故の直接的原因も根本の原因も分かった」と報告書を出している。
「分かった」と言っているけれど、本当に信じられないのは
先ほども言いました物的な証拠がある訳じゃないのに、今までに出てきた報告書を舐めてですね、
それを「こうだ」ってまとめているだけなんです。
特に国会事故調が疑問として出している事についてはことごとく否定している。
という事を表明しています。
それは一つの表明でいいんですけれども、問題なのは
「全部分かった」という事ですね。
直接的あるいは間接的な根本原因まで分かったという表現は、
これはとても学者が言っている話じゃない!
とんでもない話ですね。
もし原子力学会が学者の集団だとするならば、これは信じられないですね、私はそういうふうに思います。
今の福島の事故において、ある程度分かったことは認めますけれども、
分かっていないのもいっぱいあって、
「もしかしたら」と、こう、推測されているんですね、いろんな事が。
その状態においてあくまで「全てが分かった」というのはこれは非科学的だし、
物事を色眼鏡で見ているというふうにしかみえません。
それが原子力の学者であるならば、
その人達はもう、また原子力ムラとしてやっている以外の何物でもないという批判にさらされると思います。
過失の有無にかかわらず、原発が福島のような事故を起こす。
起こせば膨大な被害を生ずるわけですね。
それは十分わかっているはずなんです、原発というものの特性をみれば。
スリーマイル島、チェルノブイリ以降分かっているはずなんですよ。
それで事故を起こしてしまったんでしょ。
そしたらその責任は少なくともどこであるか、という事はある面で自明なんですよ。
今の法体系がそれを許さないだけなんです。
と私は思います。
このままですと、各電力会社もメーカーも民間の損害賠償、そういう意味でも担保できない、被害に対してですね。
それを肩代わりして政府、あるいは政府という事は我々自身国民が負担してやるという構造になっていて、
しかも今度は輸出をして、輸出をした時には免責だからいい、という事で原子力を進めようとしているんですね。
これはですね、もう、とても話にならないと思います。
原子力詐欺
とくに輸出の時に私が心配していますのは、
そんな契約を結ぼうと、事故を起こしますよね、輸出して。
そうしたら、大体原子力の技術に対して日本が輸出するというのは、
相手の国はあまり原子力について分かっていないことが多いんですね。
そうすると中身においては日本が責任を負うにきまってるじゃないですか。
その時に事故については仮に免責とか言っていたり、
そもそも事故をどういう契約にしているか、ですね。
日本が相手と契約する時に、「事故は起こらない」という表現を、
全く起こらないかどうかは分かりませんけれど「ほとんど起こらないんだ」と。
つまり相手を安心させるような言葉を今までも並べている訳です。
福島の事故があったけれども、それを反省して今回は充分に安全なものを作ったとか、
そういう物のいい方で輸出していく訳です。
そうすると、安全なものとして抽象的に物を言っているのであって、
具体的にこれで安全性を確保できるなんていうものはないんです。
基準として何々を満足したと言っているんだけど、
それが安全の担保になるわけではないですね、それだけでは足りないんです。
そうすると、そういうものを輸出した時に、
輸入した側は「福島を受けて充分に安全だと言うから、一応輸入して、日本に任せましたよ」
でも、万が一それで事故が起こったらどうなるか?
必ず言うと思いますよ。
「安全だというから輸入したんだんでしょ、事故を起こしたのはどうしてですか?」
というふうになります。
その時に「免責条項ですから」と言って、当事者の国の責任だというふうに今押し付けようとしているんです。
それがですね、めちゃくちゃに無理がある。
原発というものの特性すら相手がどこまで理解しているか怪しいんです。
被害の規模がどうなるかもちゃんと説明しきれていない。
そうすると、普通に私たちが民間で損害保険契約とかをしますよね。
その時にこれで損害が起こった時にどこまでが補償の範囲ですか、という契約のなかには、
明確に最大の規模でこういう事があったらこうだということを、
一番被害が大きい時のことをきちんと説明する筈です。
その被害に対して補償がどうこうという議論をしている筈です。、
それを言わずにね、「大丈夫だ」と言ってあいまいな形でサインさせておいて、もし契約したなら、
それはあとから言ったら民法上の常識的に無効ですよ。
詐欺と一緒。
安全だと言って輸出しておいて事故になって、
「いや、これは当事者の、そちらの問題でしょ」というのはですね、詭弁もいいとこで、
こんなことをやったら、今、韓国や中国との関係でいろいろ摩擦があったりします。
未だに第二次大戦の話が、引きずっている状態ですよ。
それを考えたらね、これに加えて原発を抱えるんですから、
これはもう取り返しのつかないことになる、私はそう思います。
特に日本は、
今回は確かに地震津波が関係があったので、一つあるんですけれども、
それでも日本はその中でも原発としては相対的に比較的、技術力と経験とそういう体制ができている方なんです。
世界的にみると。
それでも事故を起こしている。
そうすると、そうでないと言いますか、まだこれから築こうとしている国がそんな簡単にできると私は全く思いません。
もし、日本がやっているレベルに持っていくだけでも何十年もかかる筈です。
そうするとその間に事故が起こる可能性はものすごく高いです。
これは明らかです。
そうするとその時に一体、誰がどうやって何を言い訳するんでしょうか。
事故が起こった時。
責任者不在
そういう意味の本当の責任が、じゃあ、原子力規制に関して考えますと、
原子力規制委員会、規制庁は、その規制基準を守りさえすればそれでOKしているんですね。
ですけど、それを守るという事はそれで事故が起こらないということを意味していないんですよ。
こういうルールを作ったけれどこれを守ればいいことにします。
たとえば飛行機が突っ込んできても、飛行機は確率的にはここには来ないから、
確率がある程度小さかったらいいとします。
そういうルールをつくっているんです。
ぶつかっちゃったらもうおしまいになっちゃうんだけどそれでいいとしている。
基準を満たすという事はですね、
たとえ事故が起こってもそれは不可抗力だからいいという考え方を取っているんです、規制委員会は。
それはですから、「安全に対しては補償していません」と言っているんです。
その次に、では政府はどうなのか?
政府は行け行けどんどんで、規制委員会がOKだったらOkだということで、
全然安全保障について担保なんてしていませんよね。
そうすると、過失の有無にかかわりなく原発が福島のような事故を起こして、
その被害が先ほど言いましたように当然あります。
そうすると、電力会社もメーカーも規制委員会も、それから規制庁、そして政府も、
一切どこも原発については原発を推進はするけれども責任は負わない。
この無責任な体制が続くという構造になるかと思います。
わたしはそれが一番間違っているというふうに思うんですね。
そう考えますと、いまの、
昨日今日ですね、特に集団的自衛権の問題が閣議決定で強行に持っていこうとする不穏な空気がありますし、
それも非常に重要な問題だと思うんですが、
原発に関してもある面では同じように、強引に政治的に物事を進めようとしている節があって、
ごく普通の私たちの生きていくという、生きるという生活実感というか、人間が生きていくという事とか、
それから経済性ですね、普通の意味の経済を回していくという事とか、
そういう常識的なものに対して、真っ向から反することをやっている。
今の自民党政権はそういうふうにやっていると見えます。
これは単に自民党政権と言うよりも今の安倍政権が特にそういう傾向が強くて、
こういう強引な事をやっていることはですね、やがて私は破綻するだろうとは思うんですが、
それよりも何よりもそこに行く前に、破たんする前に被害が出たらどうしようもないわけですから、
これはなんとかしなければいけない。
根本から考え直さないと私は取り返しがつかなくなると思います。
だんだん原発の事も忘れられつつある状態でにあると思いますけれど、
これはとんでもないことだというふうに私は思っています。
そういう意味でこの原発輸出に関する国際協定ですね、
条約を結ぶとかそういう事についてきちんと私たちは見ておかなければいけない。
そのように考えます。
どうもありがとうございました。
東京新聞 2014年6月30日 朝刊

原発事故 メーカー免責
政府が加盟目指す「原子力賠償条約」
東京新聞 2014年6月30日 朝刊
臨時国会提出準備 輸出容易に
政府は、原発を持つ国同士が重大事故時の賠償金を支援する条約を、米国などと結ぶ方針を決めた。表向きは被害に備えるためだが、条約では事故の賠償責任は発生国の電力会社が全て負うルールで、本当の狙いは、日本から原発輸出をしやすい環境づくりにある。条約加盟で、日本は脱原発からさらに遠ざかる。 (岸本拓也、山川剛史)
この条約は、米国が中心の「原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)」。日本が加われば発効条件を満たすため、米国はかねて参加を強く求めていた。安倍晋三政権は既に米国に加盟の意思を伝え、今秋の臨時国会に承認案を提出する準備を進めている。
条約加盟の意義をめぐり、2011年11月、文部科学省が原子力委員会に出した文書には、「わが国メーカーが海外にプラント輸出する場合、(中略)原子力事故の責任を免除される」ことが、トップで書かれていた。同省は本紙の取材に、現在も重要な理由であることを認めている。
条約では異常に巨大な天災の場合を除き、賠償責任は全て、事故発生国の電力会社が負うルール。輸出先が加盟国なら、日本製の原発でもメーカーは免責される。日本の原発メーカーにはリスクが減る分、輸出が容易になるとみられる。
外務省の担当者は条約加盟の意義を「外国企業が東京電力福島第一原発の事故収束作業に参加しやすくなる」とする。損害賠償訴訟も全て発生国で行われることになり、廃炉作業で事故が起きても米国に多い超高額の訴訟リスクが低くなるから-との理屈だ。だが、これが条約でいう原発事故に当たるかすらも不明だ。
安倍政権は原発輸出を成長戦略に掲げ、輸出先と見込むアジア各国に条約加盟を働き掛ける考えだ。<原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)> 米国、アルゼンチン、モロッコ、ルーマニアの4カ国が加盟するが、「5カ国の加盟と原発の熱出力が計4億キロワット」の要件を満たさず未発効。カナダが近く加わるが出力が足りない。米国は日本に、民主党政権当時から加盟を強く求めてきた。同種の国際条約には欧州が中心のパリ条約、東欧や中南米を中心としたウィーン条約がある。日本政府は対米関係や国内制度との近さを理由に、CSC加盟を進めたい考え。
00:45~
1.福島第一原発4号機燃料取り出しの技術的問題

それでは最初に4号機の使用済み燃料取り出しの問題です。
これは東京電力が発表している写真になります。
燃料取扱全体と書いてありますけれども、要はオペフロと言って一番最上階ですね。
その上に、これ、爆発で吹っ飛んでたんですね。
それをひとつはこれ燃料取扱の設備として大きな上のクレーンと、
燃料を吊るための設備を設置しております。
これは新しく設置したんですね。
ですから本来はもともとあったものを作り直しているものですから、
この機会そのものがちゃんと機能するかどうか?というそういう検査が必要です。
これは東京電力がそれを実施したという事になります。

同じく写真でこれは分かりやすいんですが、この下に使用済み燃料があります。
そしてここで燃料を1本1本取り出して、ここから取り出したものをキャスクの中に詰める作業です。
何両をつかむところ他下にあるんですね、小型のクレーンみたいな。
で、こちらに大型のクレーンがありましてこれでキャスクを吊る。

技術的なもんたいとしてはこういうことになります。
まずはキャスクを使用済み燃料プールの中に水に浸けて入れます。
その状態で、今度は燃料を1本1本吊ってですね、キャスクの中に移すという作業をやります。
それが全部で1533体ありまして、
そのうち202たいだけは新燃料で放射線帯びていないんですけれども、
それ以外の1300体以上は使用済みの燃料なので非常に放射線量が強い。
放射線が強いですから水の上に出せません、人が被曝してしまいますから。
それで水中で作業をします。
水中で作業する時の、この時の技術的な問題をいくつか指摘しておきたいと思います。
これは東京電力も当然いろんな検討をしている訳ですが、
私がみたところいくつかの疑問があります。
その一つの疑問は
これは一番最初から課題になっているんですけれども、
ラック、今収めてあるところから引き上げる時ですね、
がれきが今までいっぱいあったわけです。
そのがれきをわかる範囲で取り去っているんですけれども、残っている可能性がある。
その時には上げて行く途中で引っかかる可能性があります。
引っかかってしまうとどうなるか?というと、
一応引っかかった時にはそれ以上力がかからないようにインターロックがかかっているんですね。
1トン以上かからないように。
それは燃料を壊さないためです。
ただ、ここは計測しながらですね、加重計が付いている、計測しながら人がやるんですね。
コンピューター制御じゃないんです。
そうすると引き上げていく途中で見ている訳ですけれども、
たとえばそれをちょっと人が見落としてしまったり、
あるいは計測系に不備がちょっとあったりすると、とたんにグーッっと上がってしまって、
その時には最大の力、つまりインターロックで決められた力までかかるんですね。
その状態になりますと多分噛みこみますので、
そこまで行くとこの吊っている機械を緩めても燃料が多分落ちない。
引っかかっ他状態になっている、途中で。
そうすると中途で引っかかってこういう状態になりますと、
その状態でもうホールド、つまり止めるしかないんですが、
問題は、その状態で安全の状態を保てるか?という事なんですね。
その状態自身はずっと維持しながら、ま、外せばいいんですけれども、
一番怖いのはその状態で地震がくるとどうなるか?という事ですね。
途中でつっかえて、真ん中のところで支えて、地震でゆすられますから、
燃料が損傷する可能性が極めて高い。という事があります。
ですから問題は、「引っ掛かった時に対策」というのが、
東京電力は「いろいろと検討している」と言っているんですが、
本当に引っ掛かった時にどうやってやるか?という、非常に難しい問題を抱えている。
特にそれに地震が絡んだ場合という事になります。
さて、使用済み燃料をキャスクという大きな容器に入れます。
そのキャスクというのはですね、これがキャスクです。

こう言うふうに断面をとっていますけれども、非常に
ここの蓋をとって立てた状態で上から燃料を入れます。これが22体入るかっこうになります。
で、キャスクの中に入れて、外側は遮蔽されていて、
当然もちろん放射能も出ないようにしてあるんですけれども、
このキャスクに入れる作業が一つは大事なんですね。
キャスクに入れた後、今度は大きいクレーンでキャスクを吊りあげる
吊りあげて建物の外へ持ってくる訳ですね。
その時に、一つはですね地震がきた時にどういうふうになるか?という事ですけれども、
先ほどの噛みこんだ状態のものですけれども、
フリーで吊っている状態ですね、この状態も水の中にありますので、燃料は。
多分水の中にあると地震がきてもですね、水の抵抗があるのでそんなに大きくは揺れないはずなんです。
問題は、この水が長周期の地震でスロッシング、水が大きく動揺する可能性があります。
その時にはその水と一緒に燃料も揺れます。
これがものすごく力を発生します。
で、そういう事が起こると燃料を損傷しやすい。
あるいはキャスクを吊った状態ですね。
このキャスク地震がやっぱりゆすられる。スロッシングで。
これは非常に問題です。
東京電力によるとこれ(キャスクをつり上げるクレーンの腕)が長いので、あんまり共振しない。
「地震がきても大丈夫だ」と言っているんですが、それは間違っているんですね。
地震の種類では周期が長い波がありますから、
実際に石油タンクがそういう長周期の揺れでスロッシングで壊れているんですね。火災を起こしています。
これですと、大体5mぐらいから一番長い時には30m近くまであるんですけれども、
これで周期が数秒から10数秒くらいまで動きます。
そうするとその長周期がですね、
普通の地震というのは0.何秒とか1秒とかそういう数値なんですけど、
長周期の場合は数秒から10秒ぐらいあるんですね。
実際に高層ビルが揺れるのが大体数秒から10秒ぐらいのオーダーです。
そういう状態になるとですね、もう手がつけられないんですね、それが起こってしまったら。
だから東京電力は「そういう事は共振しない」と言っているんですが、
私はそういう考え方は間違っていると思います。
「共振する可能性がある」と見て判断するべきで、
その時にどうするか?という事を言っています。
そうすると最初からロープで引っ張っておくとかね、なんか対策をとっておかないと、
いったんこれが揺れ始めるとどうしようもないです。
それが一番心配される事です。
さて、ここで積み出します。
積み出しまして、問題になりますのはあと、

ここ、オペフロって、ま、一番上ですけれども、
ここからカバーを付けておりまして、建物の外に出します。
それで、キャスクをですね、台車の上に乗せて搬出する。
これで共用プールの方に持っていくんですが、
ここはちょっと勘違いするんですけれども、ここは切っています(赤丸)
つまりここの高さは上から下までの高さが非常に高いんですね。
で、全部入れるとこれは30m超える、32mというふうに考えられます。
問題は、この非常に高いところから間違えて落っこちたらどうか?という事です。
その時にキャスクがもつかどうか?
実際キャスクの設計というのは輸送する時、それからその時の落下ですね、
それから火災、それから放熱も含めて、
それで放射能を外へ出さないというそういう設計になっているんですが、
実際には9mの高さから落下実験をやって、漏れないことを確認しました。
燃料も損傷しないというふうにやっています。
これは実際にそういう基準になっていまして、
キャスクの設計はそういうふうにしなくちゃいけないんですね。
ところがそれ以上の高さについてはやっていませんので、
それで調べたところ、東京電力が言ってたのは、
電力中央研究所がやっていた研究では17mの高さから落とした実績がある、研究した。
それでなんとか大丈夫だと、いうふうに言っています。
で、問題はですね、17mでやっている。
それが十分かどうかは分からないんですけれども、
17mが仮にOKだとすると、「32mの時はどうですか?」ということになりますね。
で、原子力規制委員会の委員長も、それについては、
「下にちゃんとクッションがあって、計算でやってみると、たぶん32mまで大丈夫でしょう」
なんて言い方をしている。
ただ私が非常に違和感がありますのは、
「じゃあ本当に32mから落として大丈夫だと言えるんでしょうか?」という、
「そういうデータがあるんでしょうか?」
実証と言います、実際に証明されていない。
それが非常に問題で、実はこれは今までにもやってきた事ですよ。
問題は9mの高さで基準はいいとしているんですけど、
実際の運用は30m、32mの高さから降ろしているんですね。
「じゃ、そこで落ちた時にはどうなるか?」という事は、データ無しに今までやってきている。
9mという基準は何で決まっているのか?
32mやっていいというのは何処で保証されているのか?
という基本的な問題になります。
今回起こった問題じゃありません、今までも問題だった。
私はそういうふうに見ています。
そうすると、もちろんいろんなところですね、
ロープを二重にするとか、いろんなところを故障したりしても、
故障があっても落ちないようにしていると言っているんですが、
一番大切なのはいろんな事が重なって仮に落っこっても
大丈夫なようにしておくことが一番大事なのであって、
その事にデータがないというのは実証性に乏しいという事になるかと思います。
ですからそこは私は、やはり32mから落っこどしても大丈夫だという証拠を出すべきだと思います。
100歩譲って、もしそれが出来ないのであればこういう方法もあります。
ここをですね、32mずっと落ちてしまったら問題になりますから、
ここに一回段差を付けるんですね。
15mですか。16mのところにいったん段差を付けてやってみる。
そして、2回に分けて下すと。
そうするとこの落差ですね、落としても16m以上の落差が生じませんので、
きちんとそういう台をつくってやるくらいの慎重さがあればいいんではないかと私は思います。
そういうことも考えないで、
「たぶん大丈夫であろう、計算で大丈夫であろう」というのは、
原子力のように、特にこの使用済み燃料は
万が一落として容器が壊れてそこから放射能が出てくると近寄れなくなります。
そうなると、手がつけられなくなるんですね。
そういうことを考えますと、
「やはりこれは慎重にやらなければいけないんではないか」というふうに思う訳です。
そういうデータ無しにやるのはいかがなものか、というふうに思います。
今までも、今までの原子力で福島の状態、汚染水問題、みんなそうです。
憶測でやっているんですね。
「これで大丈夫であろう」という憶測のもとでやってきたのが、結果として非常にまずい事になっている。
今回もそういう事だけはして欲しくないんですね。
そういう意味できちんとした事をやってほしいというのが私の意見です。
実際の構造をちょっと見てみますと、こういう資料が付いていました。
これは巻き上げた時にブレーキがあって、本来止めなきゃいけない時にブレーキをかけるんですけれども、
こういう格好になって言えるんですね。

これは回転しているものを、ディスクといって回転します。
それをブレーキをかけるんですけれど、
これは電磁石があってバネがありまして、このバネで押し付けているんです、実は。
押しつけている状態で電気を流して、ブレーキを外しているんです。
この状態で回転します、動きます。

で、スイッチを入れるとこの電気が切れて電磁石が消える。
そうするとバネの力でこのように外れてブレーキがかかるという、こういう構造です。
これは何がいいか?というと、万が一電源が無くなってもブレーキがかかるんですね。
つまり電源喪失の時に安全になるという事です。
その意味ではすごくしっかり設計している。
で、「こういう事だから大丈夫だ」という説明を盛んにしているんですが、
私が気にしているのは、電源に関してはそれではいいです、
でも他の故障についてはどうか?ということも一緒に考えなければいけない。
たとえばブレーキディスクがダメだった時、
擦り減ってしまった、ここに油が入ってしまった時には効きませんから、そういう時にはどうだとか、
そういう事を考える必要があります。
東京電力の発表によると、
「このシステム自身も二重になっていて大丈夫だ」というふうに説明しているみたいです。
それであるならば、ま、よろしいわけですけど、
それでも二つ仮にあったとしても、両方が一度に壊れる、多重故障と言いますが、そういうことがないように、
共通要因ですね、共通要因故障と言います。
そういう事が起こらないか?という事はきちんと精査する必要があって、
原子力規制庁はその事を全体に渡ってチェックする、という事をやっている、
「やっているんだろう」と思いますけど、
「そこのところはきちんとしていただかなければ困る」というふうに思っています。

また、これが格納容器で、圧力容器がここにあります。
で、原子力建屋があって、建屋にこういう骨組の大きな構造でクレーンを中につくって、
ここのところの放射能を外に出すのを、ま、少しこの、出にくくするというんですかね、
抑るためのカバーをしています。
これが全体の設計で、非常に大きなものです。
長さも結構ありますし、高さも非常に高いです、そういう状態になっている。
で、問題はここの構造をつくってやる時に、ここから取り出してこう持ってくる。
この作業をずっとやるんですけど、
これの全体の設計がちゃんとできているか?というと、
先ほど言いました高が、ここからここまでですでに32m位あるという事ですね、
そこが一番のポイントになります。
で、実際にここから先共用プールまで、これは大した距離じゃない「100m位だ」と言っています。
作業自体は通常やっているものと変わらないので、
「いつもと同じだから問題ない」と言っている訳ですけど、
一つはこういうふうに新しくつくったという事ですね。
その時に一つ私が気になったのは、設計基準が少し甘く見ているところがあります。
一部の設計にですね、設計基準地震度SSというんですけれども、
その設計基準地震度SS特にクレーンについてですね。
クレーンは普段はプールの真上に置いておかないので、
常に脅威にさらされている訳ではない。
滅多にないので、そんな大きな基準地震動を使わなくてSDという、
設計基準地震動よりも大体半分ぐらいの地震動ですね、
それで設計していいという基準があるんですけれども、
その基準、緩い方の基準を使っているんですね。
それは短期管理と言いまして、短いある期間、限定的になにかやる時の対応用に設計されている、
「それでいい」としてるんですね。
ただ今回は1530体以上もの燃料取り出しをやりますから、1年かけてやるんですね。
1年間フル稼働でずっと動かしてやるんです。
実際速度がゆっくりしか動かさないので、毎秒25mm位の速度で動かすと言っているんですね。
そうすると非常にゆっくりですから、時間がかかるわけですよ。
で、一回取り出せば何日かかかる格好になるわけですから、
そういう事をやっていると常に動いて稼働している状態が、常時動いている。
クレーンが常時動いてこうやっている格好になりますから、
燃料取り出し装置とクレーンがですね、
そういう状態なのにいまの、荷重をそうやって甘く見てもいいのか?という事になります。
他にもいくつかありますけど、ま、今お話ししたようなところがですね、
大体、特に地震がらみ、
地震でスロッシングの問題とか、ロープが長いけど長周期で動揺しないか?とそういう問題。
それから最初に申し上げたがれきが引っ掛かったら、
ま、そういうとこ度が一番問題になると思います。
http://youtu.be/7z3t1S4HwhE?t=18m58sからは
「福島第一原発1号機格納容器のサンドクッションドレン管の漏えいについて」の後藤さんの説明です
福島第一原子力発電所4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業 (初日)
撮影日:平成25年11月18日
提供:東京電力株式会社
4号機燃料取り出し関係ブログ
<今更公表・損傷核燃料3体>
25年前使用済み燃料棒が「く」の字になって4号機燃料プール内に
ー東京電力はやっぱり信じられないー
核燃料全体の4分の1破損(福島1号機)18日から燃料棒取り出し(4号機)
4号機燃料棒取り出し開始 トラブル発生時の東京電力の対応
<特定秘密?>東京電力公開のキャスク写真にモザイクあり!
4号機使用済み燃料プール現地取材11/6ニコ動七尾さん他
大丈夫?4号機からの使用済み燃料取り出し間近!
2014年8月17日
今日は2件ほどお話をさせていただきます。
ひとつは福島第一原発の汚染水問題。
これについて、技術的な中身は何回もお話ししているので、
細かい事についてお話しするというよりも、
これの意味するところについて、もう一度完気て見たいと思います。
それでは早速第一件目になります。
一つ目の話としましては、

福島第一原発の汚染水問題の対策が足りないのはなにか?って、
何が足りないのか?って言う話を書いていますけれども、
これはこの間でお分かりのように、
もともと原子炉本体がメルトダウンして、
そこから溶融物が外に出てしまって、
しかも格納容器も損傷し、それで建物の中に水があるという事です。
建屋は、原子炉の建屋とタービン建屋と。
そのさらに海側にはトレンチと言われる溝があって、
そこのトレンチとタービン建屋の間も水が行き来していて、
つまり建物全体にですね、一万数千トンずつ、1号機から4号機までですね、
プラントの下にその汚染した水があるわけですね。
これは溶けた溶融物がどこにあるか分からないわけで、
それを冷やすために回って冷却していた水が汚染されて、
その建屋の下、およびトレンチにまで流れ出ている。
こういうふに見えるわけですね。
それだけじゃなくて、
その時に地下水が上から流れてきて、
その地下水は最近の情報だと、1日当たり1000トンぐらい
この地下水が、建物の周囲を周ったり、中にきて、
建物の中に大体400トンぐらい入ってたんではないかと言われているんですね。
その分、それで汚染水が増えてくる状態になる。
汚染水が増えるという意味は、
建物の中の奴は別個に汲み出して循環させてろ過しているんですけれども、
そこに外から地下水が入りますから、その分が増えてきているという事があって、
その事が一つなんですね。
それで、汚染水のタンクがいっぱい必要になる。
こういう構造になっている、これはずーっと続いていますね、事故の後から。
で、今回はそれだけではなくて、周囲ですね。
「汚染した水が外に出ていないか?」という事で、観測緯度みたいなものをつくってみていたわけですね。
当初から東京電力は「海の方にはほとんど出ていない」と。
当初は一時海に流れていた事があったんですけど、それ以降は汚染水は増えていないという主張をしてた。
ところが今年の7月ぐらいですかね、
「どうも汚染水が出ている可能性が高くなってきた」ということで、
いろんな遮蔽と言いますか、遮水壁ですけど、
土の中に壁をつくって、特に海側にですね、つくって、
汚染した水が、地下水が流れてきてそれが汚染水になったやつが外に出てこないように。
ま、どういう経路かはよく分からないんですけど、
とにかく海側に出ていくのを防ごうとしたんですね。
ところがこの遮水壁というのが、前にもお話ししたんですが
要は、地下水がダーッと一日1000トンぐらい流れてきて、
それを海側で、海へ流れ込むのを阻止しようという事で壁をつくるわけですね。
それでもって防ぐという事は出来ないのは自明のことで、
いったん流れている奴を遅くするって言いますか、
その時間を遅らせて、海へダーッって流れ込むのを防ぐという意味はあるかもしれませんけれども
所詮壁をつくって、上から1000トン当たり流れているから、
それは何処へ行くんですか?その水は?と。
当り前ですよね。
そうすると、その水の流れの処理とか、どういう経路を通ってきているのか?
そもそも原子炉建屋ですね、一番汚染しているその溶融物があるところの周囲の構造体。
その破損状態。
どこから水が漏れているのか?
この事をきちんと把握しないとですね、対策にならないのは自明なわけですね。
その事をずっと。
ま、技術的に難しいのは分かりますが、その事に対して、真正面から取り組んできていなかった節があると。
それが見えるですね。
その構造、そのやり方がおかしいので、
しかもそういうふうにすると、今になって地下水の水位がどんどん上がってきて、
海側のところの遮水壁という壁をつくって、
そこよりもどんどん地下水の水位が上がってきて「超えちゃいそうだ」と。
だから海へ行くのはまずいので、そこからまた水をくみ出すといってですね、
これはもう本当に対処療法の何物でもなくて、
そんな事やったって、解決の道は、
ま、やらないわけにはいかないんですよね。
海にながしちゃいけないからなんですけど、
それはバケツリレーでこうやっているみたいなものであって、
全く意味をなさない、意味をなさないというか、根本的な解決にはならないという事ですね。
そうすると山側、地下水が流れてくる側のプラントの手前のところで、
以前から、実際には850トンぐらいの水をくみ出していたと言う事を言っていますね。
それは事故の後機能していなくて1000トンぐらい流れてきていて、
そのうち400トンがプラントの中に流れ込んでいる。
そうすると水位がですね、
地下水の水位の方が高いですね。
建物の中の水位の方が低いわけです。
「だから建物の中に400トンぐらい流れ込んでいるんだ」とそういう説明をしている。
それも一面。ある面は事実なんでしょう。
ところが問題は今回、地下水の水位が高いのでその水位を下げようとする努力をしているんですね。
「山側で今度は阻止しよう」とか、
あるいは「プラントの手前で汲みだす」とかそういうことを言っている。
それは、そういう措置も必要だという側面もあるんですけれども、
問題はそれによって地下水の水位が下がってしまえば、プラントのなかの汚染した水が出てくる。
これが一番問題なんです。
これはみなさんが指摘しているところですね。
そういう構造になっていて、そういう非常に微妙なバランスの上に乗っかって、
その対策とかがきちんとできないままにずるずるきている。
しかもその汚染水のタンクがどれだけ持つのか?
もう敷地いっぱいになってきていますよね。
そうすると汚染水問題というものは、
まず原子炉の建物の格納容器が破損している。
どこが壊れているのか?
建物はどこに穴があいているのか?
それは何処で防げるのか?
流れは何処から何処に、プラントの中の循環はどうなっていて、
外から地下水はどうきて、それはどういうふうに回りこんで汚染水と一緒にして流れていくのか?
この全体像を把握しない限りですね、解決の道が無いのは自明なわけですよね。
その事は当初から言ってたわけですよ。
「汚染水をどうするのか」という議論の時に、どこで計測するか?
それを本当に海側で1点取るとか、
「もしかして漏れたらどこかで測ろう」という、そういう発想な訳ですね。
で、そこで見てて、データーから見ていて
「漏れてなさそうだ」だからずっと待っていたら、
「実は最近になって漏れてた」みたいな話になっている。
これは全く本末転倒なんですね。
なぜか?というと、
建物が壊れて損傷していて、
格納容器損傷、建物はある程度穴があいている。
その状態で水が出てくるとしたならば、
「汚染水は必ず出てくる」というふうに考えるのが普通なんですよね。
そしたらそれを、なるべくプラントの近いところとか、いろんなところでデータをとって、
観測しながら一番有効な定点を取る。
しかも、地下水の流れについてはちゃんと把握している筈だと。
それなしにですね、この議論は全くないんですね。
ところがそれを2年半ずーーっと引っ張ってきた結果
結局どうしようもない状態に追い込まれている。
これは全体像で見ますと、
一番最初、当初から汚染水もんたいに対してきちんとした戦略を立てていなかった。
議論はしてたのに、「どこでやろうか」ってやっていたのに、結局はうやむやにしてやらなかったんですね。
で、最後にこれは、
一番ひどい話は最近になって
「もう水処理できなくなるかもしれないから、じゃあ、ある程度基準以下の水は海に流そう」
と原子力規制委員会の委員長さんが言っている。
これはとんでもない事を言っているんですよね。
規制値以下という発想は、ルール上の問題でそういうことに約束をしたとしてもですね、
実はその、濃度が低い、放射性物質が薄められた水が出てくる事を許したとしたらですね、
それは量的に少なければいいんですね、それはわかります。
けれど、これだけ大量に出てきて、しかもこれからずっと出てくるわけでしょ。
そういう状態でそんな事を許してはいけないのに決まっている。
つまり、放射性物質の絶対量がどれだけ出るかが問題ですから、
であるならば汚染水を、低濃度であるとはいえ汚染された水を外へ出すんじゃなくて、
どうやって有効にためて、それを浄化させるかというシステムを作るべきなんです。
そんなのはもう、事故の当初から私は言っています!
他の方も言っています。
小出さんなんかも言ってたけど、タンカーを持ってくるとか、手立てはあるんですよね。
技術的に手立てはある。
で、福島の地で出来なかったら他へ回すという手もある。
そういうことも考えなければいけない。
ところが、こういう事すら考えないで、
「東京電力はけしからん」確かにやっていない。
今度は政府がそれが「けしからん」から、
「もう任せておけないから政府がやる」とそんな話を始めてますけど、
これは単なるお金の問題じゃないんですね。
全体像の問題ですね。
で、その問題は私は一番下に書いています。
「汚染水問題の性格とプロジェクト組織」という書き方をしていますが、
これは、政府関係の事に対して検討会をいろいろと仲間たちとやっているんですけれども、
その中に、エンジニアリングというんですけれども、
ものをつくる製造業じゃなくて、ある事業、たとえば今回のこれで言えば「汚染水問題」
「汚染水をどうするか?」という課題に対して、
どうやってその問題を解決するか?という組織で、
これはエンジニアル組織でプロジェクトという言い方をするんですけど、
その仕事に応じた機能を持った事に対して一番有効な組織と人、それからお金、あらゆる機材。
そういうものを導入する。
場合によってはそれはすぐ近くの、周りにいなかったら海外だってどこでもいいんですよ。
誰がやるかとかそういうものではなくて、誰が出来るか。
有効な人。
そういう技術力を持った人たちを集める。
しかもその分野は1分野とか2分野じゃない、大量にいる。
たとえば汚染水問題で言えば、
原子力プラント、原子炉の専門家ももちろんいります。
それから放射性物質の専門家がいます。
それから建物自信の設計とかもいります。
それから土木建築、そういう人がいる。
それから地下水の専門家がいります。
で、それに対してタンクとか、船が必要なら船とか、そういう総合的なものがいります。
それが全て、もちろん機械とか電気もありますから、そういう専門家がいる。
そうするとその専門家をバッ!とこの汚染水問題に集約して、
それをプロジェクトとして、一つの目的に対する
「汚染水をどうするか」という事に対して徹底的に人とお金を投入してやっていく。
そこに絶対権限を持たせるんですね。
そういうやり方をするのが、これは業界と言いますか、産業界ではあたりまえなんです。
大きなプロジェクトは大体そうやっている。
そういう形のものを、化学プラントとかもそうですし、
単にものをつくるんじゃなくて、手配も含めて、
「ここにおいては何をやるべきか」という事を課題に置いてやっていく。
その発想が全くないっていう事ですね。
世界に対して「技術力がある」なんていう事は言えないんですよ。
日本に技術力があるっていうのは、単に「ものづくり」って言っていますけど、
こんなものじゃだめなんです。
もっときちんと全体像を把握して、それぞれの優秀な専門家を集めて、
それでプロジェクトをつくってやっていく。
これが日本の技術力のはずなんでしょ。
そういう事に対して有効にできないという事は、
原発の輸出の事を平気で言う人がいるけれど、そんな事が出来る筈がない!
こんな問題が出来ない奴が輸出だなんておこがましくてですね、それこそおかしな話です!
全くおかしな話ですね。
ただ、一つ言うのは原発のように物をつくるのとは違って、
こういう不特定な課題ですから、そこに難しさがあってですね、
対応の仕方がフレキシブルじゃなkればいけない。
汚染水問題があったら、汚染水のタンクならタンクだけをやっていればいいんじゃないんです。
地下水の流れに対してどうするか?とかね。
地下水の、もし流れを変えたらですね、環境問題になるんです。
環境にどういうインパクトを与えるかとか、
汚染がどう広がるか、
大きなプロジェクトがいっぱいできてきてきます。
そういう事全体をやる事がこういう問題の解決なんですね。
くどいようですが、日本ではそういうエンジニアリングに対してきちんとやる。
そういう人間もいますし組織もある。
企業もあると思います。
そういうところが導入されないのがおかしい。
それは、東京電力のような体質の会社にはそれはできないということは明らかなんです。
しかもいま、規制委員会の中でいろいろと議論しているのを見ますと、
どうも「そういう発想に立っているのか」と、
本当の専門家、そのわかる人達を本当に呼んで、その方達の意見が入り、
しかもそこに強力なプロジェクトリーダーがいてですね、引っ張っていく人材。
そういう昨日、そういう組織が出来ているのかどうか!?
そういう心配があります。
これた私から見た汚染水問題の対策に何が足りないか?ということになります。
単に壁をつくるとか、タンクがどうとか、調査がどうとか
そういう個別の問題ではないという事を言っている。
これは同時に予算面、金銭面も含めての事になりますが、
で、もっと大きな社会的な問題も含みますけれど、
とりあえず私としては、
そういう事を解決するための技術組織、動員という事が必要であるという事を指摘して
一つ目の話を終わります。
文字起こしはここまで。
続きはこちらです↓
~14:31Youtube→ http://youtu.be/j9NwIwqC2qo?t=14m31s

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「原子力規制を監視する市民の会」
アドバイザリーグループ 5人の元原発技術者が「新安全基準骨子案」の問題点を暴く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/72000
■出席者 「原子力規制を監視する市民の会」アドバイザリーグループメンバー
小倉志郎氏(元東芝原発技術者)
後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)
滝谷紘一氏(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)
田中三彦氏(元日立原発設計技術者、元国会事故調査委員会委員)
藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員)
司会 菅波:
続きまして元東芝の原発の設計技術者で
ストレステストの意見聴取会の委員もつとめられました後藤政志さんにコメントをお願いします。
後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)

私の方からは大きく分けて3点位あるんですけれども、
時間の関係で後で資料を見ていただくことになるかと思います。
まず一つは、タイトルにありますように
私はベントを前提とした格納容器、これが間違っていると。

私自身は格納容器の設計をしておりましたので、本来格納容器というものはですね、
放射性物質を中に閉じ込める機能を持っている訳ですね、
これがきちんと機能すれば、希ガスとか、さっき希ガスの話がありましたが、
希ガスのようなものが出てしまうんですけれども、
一応今回のような大量の放射性物質は出ないはずなんですね。
しかも動的な、つまり動力を使わないでですね、
隔離弁と言ってバルブを閉めてしまえば、その容器の中に放射能を閉じ込めるんですね。
ところがそれをベントしてしまうということは外に出してしまう訳ですから、
じゃあ、「出すからフィルターを付けてこすんだ」と言っているんですね。
ですけど、放射性物質の放出はですね、フィルターの性能に依存しますし、故障したらどうするんですか?
容量が足りなかったら抜けちゃいます。
そうするとですね、
こういう新しいものを付けて格納容器の機能を持たせるというのはおかしいんですよ。
格納容器機能というのは、配管とかが切れた時に大きな容器の中に閉じ込めるためにつくったんでしょ。
それが機能しなくなるということは、もう破たんしているんですよ。
だから格納容器の設計を変えるべきだというのが私の主張です。
つまり少なすぎる、小さすぎるんですね。

あと、同時に圧力抑制プールというのがあってですね、
それが、蒸気が圧力抑制プールの中に入って冷えることになっているんですが、
この二つが非常に大きな問題を含んでおります。
これが格納容器の型式になる、左からMARKⅠ、MARKⅡ。

これがですね、容量をちょっと計算してみますと、こんな形になるんですね。
たとえば熱出力あたりの空間部分の容積とか、
熱出力あたりの圧力抑制部分の水量とか、4から、だいたい4ですね。
ABWRも4以上と書いてある。
こういう数字を考えてみますと、そもそもMARKⅠ型はですね、
今回BWR4のMARKⅠなんですけれども、
これが最初に破たんしたんですね。
つまり炉心溶融したらその後一気にダメになって結果として機能しなくなった。
じゃあ、他のヤツは改良されているか?って言うと、
改良型だってたいして変わらない。
MARKⅡだって変わらないんですよ。
ABWRなんて3.41ですよ。ここの容量がですね。
これは何なんだろうか?という事になる訳ですね。
そうしますと、つまり格納容器の大きさが小さすぎる。それ自体が問題になるというのが私の意見です。
それをベントを持ってやるというのは、
そもそも、もともと持っている性能をちゃんとキープできないものを
小手先の事で逃げようとしている事になります。
なお、加圧水型もフィルターベントがいります。
これは容量が大きいですから時間がちょっとかかりますけれども、
同じように機能喪失するものとされています。

それから次のお話をいたしますと、
スロッシングと言いましてここに圧力プールの水面があるんですけれども、
こいつが地震でこのように動揺しますと、
そうすると水面が、これは断面なんですけど、
水面が蒸気を水の中に引くダウンカマという、このカタンが露出してしまう。
そうすると圧力がバンバン上がってしまう。こういう事が起こり得ます。
福島で起こったかどうかははっきりしませんけれども、
こういうことを基本的に耐震設計上入れていなかったら物は壊れなくたって機能しないんですよ。
という事を申し上げたんですね。
これがその絵です。

そういうことを考えますと、スロッシングというこの問題が非常に重要だという事が一つです。
それとなお付け加えさせていただきますと、
圧力容器そのものの水面の動揺も原子炉の出力振動というものに関係します。
これもコメントしておりますが、「どういうふうにするのか?」という事で私は聞いております。
また、耐震設計につきましてはですね、
今の話は地震と炉が冷却材喪失事故が同時に起こる事を考えるべきだという事をここに示しております。
最後の問題は航空機の衝突があるか。

これは事故、あるいはテロにおいて、当然考えなければいけない。
万一格納容器に当たったという場合、大変なことになりますからね。
これは話に出ているんですけれども、これを確率的に逃げることはやめて欲しいですね。
「確率的に事故が起こる可能性は小さい」という事でもって
「良い」というルールにしようとしているんですね。
確率をベースにするのは非常におかしいです。
ちゃんと評価をするべきです。
それが主張です。
最後に一つだけ。
この規制の信頼性はですね、原子力規制の信頼性ですね。

より信頼性を高めると称して重要な設備の設置に猶予期間を設けています。
これは最悪です。
福島事故から、
「発生する可能性が小さくても大規模な事故につながる可能性がある」というのは確実に存在する訳です。
そしたらその事を確実に抑えない限りは再発するんですね。
起こり得る。
つまり、安全系の設備に対して猶予期間を設けて運転してしまう。
OKしてしまうということは、
故障した航空機をそのまま飛ばしているというのとまったく同じです。
そうしますと、こういうものをもしそのまま認めるとしますと、
原子力規制の信頼性の根幹を失います。
私はこれだけは絶対に許しちゃいけないと思っています。
以上です。
「重大事故の敷地境界線量評価をせよ」
滝谷紘一氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「『シビアアクシデントは許さない』という記述を入れるべき」
小倉志郎氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「新“告示501号”を使っていない原発は古くて駄目だというのをまず認識すべき」
田中三彦氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「3号機燃料プールの核爆発が新安全基準には全然反映されていない」
藤原節男氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「安全系設備に猶予期間を設けて運転するのは 故障した航空機をそのまま飛ばしているのと全く同じ」
後藤政志氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
<5年猶予問題>原子力規制を監視する市民の会4/2坂上武氏&デモクラTV4/5
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後藤政志:
本当のリスクというものをですね、
本来の本当の意味での危険性というものを考えていない考え方だと思います。
わたしは、そういう事は自滅への道だと思っています。
これは絶対にやってはいけない事ですね。
これは強く申し上げておきます。
で、もし仮に再稼働を指示される方がいるんでしたら、
その方は是非、ご自分が住んでいらっしゃるところとプラントの距離関係を見て下さい。
ーーーー
ストレステストの審議は最初から「何が何でも稼働する」という事が決まった上で、形式的に行われているという事は
多分誰が見ても一目瞭然だと思う。
2月21日たねまきジャーナルより
平野:結論出ていますよね。
水野:行く前からOKすることを決めている。
小出:原子力安全保安院というのは、原子力発電所の安全を守ると言う事が建前のようになってますが、
昨年の暮れに「やらせ問題」と言うのが出て明らかになったように、
保安院自身やらせを仕組んで、原子力発電所を推進するという役目を担ってきたわけですね。
後藤氏も「何のための審議なのか?」とおっしゃりながらも、
これからも必要な意見を述べるために審議会に出席して下さると、最後に明言して下さいました。
その姿が、とても頼もしく思えました。
「ストレステスト審査」こうして市民は排除された。(一部始終内容書き出し)
↑ この時も後藤さんはものすごくかっこ良かったですヽ(。◕ᆺ◕)ノ
後藤政志さんが語るストレステストの問題点 2012/02/17
原子力情報資料室
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後藤政志さんが語るストレステストの問題点 2012/02/17
原子力情報資料室
06:35
このように、原子炉の状態が不安定な訳ですが、
福島第一原子力発電所の事故の後、他の原子炉がですね、
13カ月に一回定期点検という事が法律で義務付けられていまして、今どんどん停止しております。
その中で、再稼働のためにルとレステストというものが導入されていまして
原発の安全を確認する一つの手段ということになってきたんですが、
それが今、原子力安全保安院の方で検討が行われています。
で、後藤さんがその意見聴取会という、ストレステストの意見聴取会の委員をなさっておりまして、
関西電力の大飯3号機、4号機のストレステストの最初の審査が終了したという事でしょうか、
ま、後藤さん達はそれを認めないという状況になっているのですが、
そのストレステストの意見聴取会の模様と、
個のストレステストがどういう問題を持っているかを後藤さんにお話ししていただきたいと思っています。
原子力発電所の日本版ストレステストは何故安全評価に値しないか
2012年2月17日元原子力プラント設計技術者 工学博士 後藤政志
そもそもストレステストって何だったのか?という事ですね。
もともとは福島の事故がありまして、その後、プラントを再稼働するかどうかというのがあったんですね。
その時に、法的には安全審査というのがいったん通っていますから、
事故が起ころうと何だろうと、そのまま運転が出来ちゃうわけですよね。法律的には。
だけど、福島の事故があれだけの事故を起こしておいて、
えっ!?再稼働って、とんでもないですよね。
そうすると、何かの評価をしなければならないという事で、
当時菅さんが首相だった時に「ストレステストをやるべきだ」というのを出したんですね。
それはヨーロッパでやっているやり方を日本版に焼き直してやるという事でした。
※クローズアップ2011:全原発耐性テスト 再稼働、突然「待った」
※海江田経産相、全国の原発で「ストレステスト」の実施発表
ストレステストで最低限確認して、それが通らないと再稼働は認めないよということになりまして、
ストレステストが終わるとそれが保安院に上がって、保安院から安全委員委員会から政府の方へ持っていくと。
そして政府は、大臣4名位で決めるという、そういうプロセスだったんですね。
で、そうすると考えてみていただきたいのは、
福島の事故、「これはどうしたら防げたか」というふうに考える訳ですね。
そうするとそれは政治で防げるのか?
政治家ががんばって、「いや、ここは事故が起こらないように頑張ろう」と政府が言えば済むのかどうか、
そんな事はないですね、当然。
それは政府が最終的に政治判断をするのは当然のことなんですけれども、
基本的にはそこで、本当に福島の事故を起こすかどうかという事は、
それなりの専門的判断を持ったものがせざるを得ない
誰か?っていうと、それは原子力安全委員会で、
原子力安全委員会が最終的な責任を負っている訳です。
ところが、原子力安全委員会が、どれだけそこを評価する力を持っているかというと、
人員的にも能力的にも、たとえば米国のERCあたりと比べると、全然レベルが違う訳です。
そうすると、保安院から上がってきたものを再チェックするというんですけれども、
専門家が5人ですか?原子力安全委員会は。
さらにスタッフがいるわけですけれども、それにしてもすごく限られているんですね。
で、どういうメンバーが入ったのかは分かりませんけれども、
そもそも、きちんとしたチェックが出来るかどうかという事も、怪しく見えるんです。
何故かっていうと、福島の事故に対しての対応の仕方とか、後の評価なり、
そういう事がきちんとできているかという事が、非常に疑われるからです。
安全委員会がちゃんとできるかというと、保安院から上がってきたものを安全委員会が本当に見て欲しいんですけど、
その、やってくれるかという事をですね。
今までの経過から見ると、大体追認している形になっているわけですから、
保安院から上がったものを「確認したこれでいいよ」と言っているのが、大体安全委員会の役割ですね。
そうすると、保安院は何をしているかというと、
各電力会社からストレステストの報告を受けている訳です、
ストレステストの報告書というのは各地のプラントの、プラントごと、
一基ごとに地震と津波に対しての評価をするという事をやっている訳です。
記者会見の目的
・福島原発の事故以降、日本の全原発54基のうち51基が停止中である(2月17日現在)
・日本政府は、停止中の原発の再稼働に向けて「ストレステスト」を実施してきている。
・日本政府並びに原子力安全委員会、原子力安全保安院は福島原発事故を受けて、
原発の安全性について厳格な評価をする義務を負っており、
その結果を日本国内および、全世界に向けて公表する責任がある。
これは、先月の末の記者会見の時に使った資料なんですけれども、
そもそも、これから政府が判断するにあたって、
ここにあります安全委員会、原子力安全保安院が福島の事故を受けて検査をするんですけれども、
本当に厳格な評価が出来るのか?という事を心配している訳です。
それが現実にどうだったかと言いますと、
記者会見の目的(つづき)
・しかしながら、今回の「ストレステスト」も意味が国内外に正確に伝えられていない。
・井野・後藤は昨年11月より、保安院の「ストレステスト」に対する意見聴取会の委員として発言してきたが、
私たちの主張は必ずしも正面から取り上げられてこなかった。
・「ストレステスト」をめぐる日本の原発の安全性に関する私たちの個人的見解として、
福島原発事故に関心を持っておられる世界中の人々に実情を訴えるものです。
本来、日本政府、あるいは日本の原子力安全委員会、あるいは日本の原子力関係が総体を挙げてですね、
国際的な全世界に向けてこの過去に関する評価を、再発防止に関する考え方を示す義務があるわけです。
それに対して、ストレステストなるものをやっているんですけれど、
私はその委員会の中でいくつか発言をしましたけれども、
あと、井野さんっていう方も一緒に発言をしたんですけれども、
昨年の11月からやってきていますけれども、そのストレステストの委員会の中で、
私達が主張している事が必ずしも正面から取り上げられている感じがしないんですね。
それはもちろん、「私の言う事を聞くべきである」とか、そういう事を言っているんではないんです。
私が発言したことに対して、きちんと正面から受けて、
「これはこうです、こうです」という議論になっているならば、それはそれでよろしいと思うんですね。
意見が変わってもそれは仕方がない事で。
ですけど、どうもですね、後で申し上げますけど、
出たものに対して正面から取りあげないで、一部言い訳的にやっていくところが多い印象があるんですね。
そうすると、そういう形でやりますとね、ストレステストなるもの、しかも手続き的にもですね、
2月8日の委員会、意見聴取会で、大飯3,4号機のストレステストの評価を一応閉じたとしているんですけれども、
実はその日は、2月8日はですね、
その前の時に傍聴に関する問題があって、意見聴取会に井野さんも私も出ていないんです。
※「ストレステスト審査」こうして市民は排除された。(一部始終内容書き出し)
だから、2月8日に出た時には、そうとうの前回から出ている積み残しのことがいっぱいあって、
その質疑をやっていた訳です。
でも、その質疑も全部終わらないまま、まだ、継続審議中だったんですね。
その継続審議中なのに、2月8日をもって、意見聴取会の最後のところで、保安院の市村課長が、
「これをもってとめる」という趣旨の事を言ったんですね。
わたしは、その時の言葉をその場で聞いていたんですけど、
いろんな意見がいっぱい出ていましたから、
それで、もとの素案を修正して、もう一度、再度かかるというふうに思っていたんです。
話の流れからいったらそういうふうに受け取れるんですね。
ところがそうではなくて、
「もう意見は聞いたから、あとは保安院のほうで、中でまとめて出しちゃうよ」
そういうつもりだったということなんですね。
後から分かりました。
で、そのやり方はですね、非常に私は二つの面でいけないと思っているんです。
一つはですね、
個人的な意味合いからしましては、意見聴取会の委員としては、無視された感じがするんですね。
発言して、中途であって、議論している途中で、「もういいよ」と言われている訳です。
「いいよ」という事すらも明確に言わないままそのまま出してしまうという、
そうすると、私たちは、
意見聴取会のメンバーは何のためにあそこに座っているのか?
意味が私にはわからない。
つまり、言いたい事は今言っていいけれども、それは、聞く部分は一部。
「この部分は聞くけれどもここは聞かないよ」と。
もしそうなのであれば明確にそう言えばいいんですね。
そうやるべきなんです。
私がそこで主張したのは、あの、「私の意見を全部通せ」と言っているんじゃなくて、
一応保安院との考え方と違うところがあって、他の委員の人達とも違うところがあったら、
それは、「ノー」としてですね、
こういう少数だけど意見として、・・少数とは限らないですね、合意していた人たちもいますから。
そうすると、「こういう意見、こういう意見もあった」という事を明確にして、
その範囲外のことですね、ここに関してだけ、こういう範囲に於いてはストレステストは認めたと
しかし、こういう問題点を抱えているという事を、明確にするべきなんです。
その事を表現しないで「問題なし」とやるのは欺瞞です。ごまかしていることです。
それは今までの、福島第一発電所の事故の前にやってきたやり方と全く同じです。
こんなことをしていたら福島を再現するに決まっているんです。
しかも、福島の事故の原因調査すら明確に終わっていない
これが非常に由々しき事なのですね。
日本におけるストレステスト
・福島原発事故を受けて、2011年10月より
各電力会社から「発電用原子炉施設の安全性に関する総合評価(ストレステスト)」報告書が
原子力安全・保安院へ提出されている。
・保安院は関西電力から始めに提出された大飯原発3号機4号機のストレステスト評価結果に対して
「地震・津波への体制評価は妥当であり、燃料溶融に対しての対策が講じられている。
サイト内の燃料・冷却水等の供給可能継続時間評価やシビアアクシデント対策も妥当」との見解を示している。
で、日本版のストレステストに戻りますと、「原発の安全性に関する総合的評価(ストレステスト)」
つまり、原発の安全性に関して総合的な評価をするという事なんですね。
これはすごい話なんです。
で、じつは、私はこの第一回の委員会でも言っているんですけれども、
ストレステストのですね、この3号機4号機のストレステスト、
「地震津波への体制評価は妥当であり燃料溶融に対して対策が講じられている。
サイト内の燃料・冷却水等の供給可能継続時間評価やシビアアクシデント対策も妥当」との見解。
こうやってまとめたんですね。
で、これはですね、この総合的評価という事を見ますから、
そうすると、あらゆることを考えてね、安全性について議論がなされたように見えますよね。
ところがわたしは、
私は最初からこの意見聴取会は「総合的な安全性に関する議論をする」ということで出席しました。
そして確認もしました。
「そういうことでよろしいですね」そうしましたら、
「そういう議論でいい」と言いながら、手続き的には、もうすでにストレステストというのは
一次と二次があって、
一次は「炉心溶融まで」
それで、内容は地震津波、それぞれについての評価。
あるいはそれを組み合わせた評価をするんだと。
それで、どこまで持つかを示すんだというそういう定義で、そういう問題を扱うという事になっていますね。
そういう事で議論をしました。
その時に何を議論したかと申しますと、
地震とか津波を取り出して、ただそれを設計上の用件だけをみて、
やれ、どこがどれだけ持つとか、だけやったんでは、総合的な安全評価にならないでしょう?と、
例えば、電源が喪失してこうなったと、
そうしたら、電源の喪失に関するプロセスを追いかける訳ですから、
その時に、福島の事故のメカニズムが関係あるわけですね。
で、その時に何があったかという事を、そこを見ながら評価するという事は当然ですよね。
そうすると、今回の一つには津波、
津波一つとっても、津波がきたら、津波に対して評価をしましたというんですけれども、
津波に随伴する事象、
例えば、福島の津波を見てみますと、瓦礫がいっぱい流れてくる
瓦礫が波といっしょに来るんですね。
そうするとここ(ストレステスト)でやっている津波というのは、
「水が流れてきて当たる」と「津波の高さはどれ位」と、これだけをやっているんですね。
で、わたしはそれは、
津波に対する評価の問題もあります。どこまでっていうのがあるんですけれど、
それと同時に、津波だけじゃなくて物が流れて当たったらどうなのかと、物体とか。を、指摘しているんです。
それに対して何をやったかと言いますと、
つづきは

載っていました。
ーーーー
関西電力大飯3・4号機ストレステスト審査書提出に抗議する緊急声明
ストレステスト意見聴取会委員
井野博満・後藤政志
原子力安全・保安院は、本日、関西電力大飯原発3・4号機の
一次評価を「妥当」とする審査書を原子力安全委員会に提出しました。
私たちは、このような拙速なやり方は、とうてい認められません。
2月8日の第8回意見聴取会では、様々な技術的な課題が残されていることが明らかになりました。
原子力安全・保安院も、その場で議論を終了するとは明言しませんでした。当然、継続審議となると思いました。
審査書が原子力安全委員会に提出されたことに対して意見聴取会の委員として抗議します。
ストレステスト意見聴取会では、徹底して議論を尽くすことが、国民に対する原子力安全・保安院の責務です。
次のような根本的な問題が残っています。
(1)判断基準について、保安院は
「福島第一原子力発電所を襲ったような地震・津波が来襲しても
同原子力発電所のような状況にならないことを技術的に確認する」としています。
しかし、津波の想定は11.4メートルで、福島事故の14メートルよりも低くなっています。
そもそも、福島事故は収束しておらず、原因もわからない状態です。
(2)評価の対象、基準の適用について以下の技術的な疑問があります。
① 制御棒の挿入性を検討の対象から外しています。
② 基礎ボルトなど機器の強度については、安全率を削って評価しています。
③ 原子炉建屋などの構造強度に関わる許容値について、
耐震バックチェックの基準より甘い許容値を適用することを認めています。
④ 本来の設備は福島原発事故前から改善せず、
消防車や非常発電装置などの外部仮設設備だけで安全だとしています。
(3)ストレステストは、過酷事故対策の検証を含めた二次評価と合わせて評価しなければ、
地域住民が安全性を判断する上では意味がありません。
電力事業者は、原子力安全・保安院の指示により、これを2011年末を目処に提出するはずでしたが、
関西電力は二次評価結果を未だに提出していません。
原子力安全・保安院が、現時点で「妥当」としたことは、
はじめに再稼働ありきの見切り発車と言わざるを得ません。
このような姿勢こそが、福島原発事故を招いた要因です。
このように原子力安全・保安院は、規制当局としての役割を十分に果たしていません。
まずすべきことは、自らのありようについて根本的な反省をすることです。
本日の審査書の提出は、「安全性に関する総合的評価」とされるストレステスト評価の体をなしていません。
以上
ーーーーー
関西電力株式会社大飯発電所3号機及び4号機の安全性に関する
総合的評価(いわゆるストレステスト)一次評価に係る審査結果について
原子力安全・保安院原子力安全技術基盤課 平成24年2月13日(月)
本件の概要
原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、平成23年10月28日に関西電力株式会社から報告のあった、
「東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた
大飯発電所3号機の安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告)」及び、
同年11月17日に同社から報告のあった、
「東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた
大飯発電所4号機の安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告)」について、
これまでに専門家のご意見も伺いながら審査を行ってまいりましたが、
本日、当院としての審査結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。
今後、当院の審査結果の妥当性について原子力安全委員会の確認を受けることとなります。
発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価に係る意見聴取会」名簿
氏 名 所 属
阿部 豊 国立大学筑波大学大学院 システム情報工学研究科教授
井野 博満 国立大学法人東京大学 名誉教授
岡本 孝司 国立大学法人東京大学 工学研究科原子力専攻教授
後藤 政志 芝浦工業大学 非常勤講師
小林 信之 青山学院大学 理工学部機械創造工学科教授
佐竹 健治 国立大学法人東京大学 地震研究所教授
高田 毅士 国立大学法人東京大学大学院 工学系研究科建築学専攻教授
奈良林 直 国立大学法人北海道大学大学院 工学研究院・工学院教授
西川 孝夫 公立大学法人首都大学東京 名誉教授
山口 彰 国立大学法人大阪大学大学院 工学研究科教授
渡邉 憲夫 日本原子力研究開発機構安全研究センター
リスク評価・防災研究グループリーダー
このうち赤字の3名が原子力業界から多額の奨学寄付金や共同研究費を受け取っています。
後藤政志:
溶融物自身がどこにあって
どこが壊れてどうなっているかという事を把握できていない状態では、
制御出来ているとは言わないんですね。技術的には。
「制御もどき」ですね、「制御出来ていると思いたい」という状態だというのが私の考えです。
空間線量が400分の1になったのは確かにものすごく減っているんですね。
ですけど、そこの元。本来ある状態から比べるとずーっと、はるかに危険な状態であって、
その480倍、つまり500倍も通常にあるものを持って、「冷温停止状態」というのはいかがなもんですか?
ということなんです。
二木啓孝:
この、野田さんっていう人は誰に吹き込まれているのかな?って、ずーっといつも思うんですよ。
愛川欽也:
あの人って、その程度のことで含まれるような頭の人なんですか?
斎藤貴男:
いや、損得でいったらこれが得なんじゃないですか?
だってこの人は、財界とアメリカと財務省の言う事を聞けば長期政権だって信じていると思いますよ。
で、そういう人は、いい悪いを別にすれば強いですよ、何にも考えないんだもの。
色々考えるからブレたりね、するわけで、これはちょっと、恐ろしい人だと思いますね。
愛川欽也 パックイン・ジャーナル
「"原発冷温停止達成"とは何ですか」3
<コメンテーター>
田岡俊次(朝日ニュースターコメンテーター)、
斎藤貴男(ジャーナリスト)、
二木啓孝(ジャーナリスト)、
マエキタミヤコ(メディア・クリエイティブディレクター)、
横尾和博(社会評論家)
<コーナーゲスト>
後藤政志(元東芝原子力設計技術者・工学博士)
ここまでの内容はこちら↓
「冷温停止状態」って?後藤政志氏・愛川欽也パックイン/ジャーナル①12/7(動画・内容書き出し)
「絶対安全」って?後藤政志氏・愛川欽也パックイン/ジャーナル②12/7(動画・内容書き出し)
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原発の安全とストレステスト
21世紀に生きる私たちの責任
後藤政志氏:
今回の福島の事故が最悪の事故だっていうんならね、まだ相談の余地がちょっとあるかもしれない
違うんですね、全く違うんですよ。
これはですね、放射性物質が出ているけれど、非常に少ないんです、まだ。
もし、メルトダウンしましてね、あの時、中で水蒸気爆発かなんかが起こって、格納容器が爆発したとします。1基。
そうしますとそこには大量の放射能が出ちゃって、周り中が近づけなくなります。
そうすると、1号機から4号機まで全部近づけないんで冷却不能で全滅するんです。
4基全滅です。
それで、全部ボコボコッって出てくる。
その状態は今の福島のレベルじゃないんです。
チェルノブイリのレベルでもないんですよ。
あり得るんです。最悪のシナリオとして。
それを我々は考えなくてはいけない。
だから、「最悪のシナリオがあってもいいんだ」ということを覚悟して原発を考える必要がある。
っていうのが私の主張です。
愛川欽也:
僕は後藤さんのいうことの方が野田さんよりも信用するんですよ。
多少の犠牲400年先まで、あちこちでいろんな事が起きてもしょうがないっていう事までも考えたうえで、
賛成するかどうかってい事を問われているんだよ。
愛川欽也 パックイン・ジャーナル
「"原発冷温停止達成"とは何ですか」2
<コメンテーター>
田岡俊次(朝日ニュースターコメンテーター)、
斎藤貴男(ジャーナリスト)、
二木啓孝(ジャーナリスト)、
マエキタミヤコ(メディア・クリエイティブディレクター)、
横尾和博(社会評論家)
<コーナーゲスト>
後藤政志(元東芝原子力設計技術者・工学博士)
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後藤政志:言葉というのはそれなりの、当然内容を表す訳ですから、
「冷温停止」ってなんだろう?っていうと、
普通は温度が冷えて、冷却出来ていて、ちゃんと収まったという、
背景に収まったという意味合いが感じ取れるんですね。
あのね、停止したっていう感覚がおかしいでしょ?
爆発してメチャクチャになったものをね、停止とかっていう表現じゃないですよ。
愛川欽也:つまり見えないんだもの、見るどころじゃない。
完全に分かってないものに対して日本の総理大臣が世界に向けてこういう事を言う事自体、
これ、なんでこの方は、こんな自信を持って言えるんですかね?
僕にはわからないね。
二木啓孝:「言葉のいい替え」って言いますか「誤魔化し」って言うね、
「冷温停止状態」って、「冷温停止」とは違う訳ですよね。だから、「状態」って付けるでしょ。
「~のようなもの」っていう事でしょ?
「~のようなもの」ってたとえば、「女のような格好が」って言う時、中は男でしょ?
マエキタ:「安全です」って安全宣言の安売りをしていると思うんですよ。
で、うちの中2の子どもはそれ見て
「ママ、危険だって言っているよ」って言う訳ですよ。
「安全だ」って言っているから「危険」に違いない。
愛川欽也 パックイン・ジャーナル 20111217
「"原発冷温停止達成"とは何ですか」1
<コメンテーター>
田岡俊次(朝日ニュースターコメンテーター)、
斎藤貴男(ジャーナリスト)、
二木啓孝(ジャーナリスト)、
マエキタミヤコ(メディア・クリエイティブディレクター)、
横尾和博(社会評論家)
<コーナーゲスト>
後藤政志(元東芝原子力設計技術者・工学博士)
番組の内容を

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野田総理大臣の国連での発言を受けて
後藤政志さんがものすごく熱く語りました
「全くその通りだ」と私は思いました
日本の政治の進む方向はどんどん私達一般庶民からは離れていくように感じます
野田総理は、原発事故による現実をちゃんと直視しているのでしょうか
世界に対しても日本人としてとても恥ずかしいです
2011/9/23 後藤政志氏による
『日本とアジアの将来を憂う-野田首相の原発・国連演説について』
Video streaming by Ustream
高橋健太郎音楽評論家
後藤政志
司会:
先程福島第一原子力発電所で
水素の確認がされたことについてニュースが流れています
水素発生と爆発の危険性について後藤さんにお話ししていただきたい
水素の測定器が上限が1%までしか測れねない機械で1%以上を確認しています
爆発の可能性危険性について簡単にお願いします
後藤:
水素の問題ですが、燃えるにあたって水素があって酸素があると言う条件
4~5%で水素濃度酸素濃度が入ってくると爆発する可能性がある
水素はどこから来るかと言いますと
今回の事故で分かっていますように
燃料棒が露出した状態でまわりに水蒸気がある高熱がある
ジルコニウムが高温になり、酸素があると爆発する
今回見つかった水素は前回のものが残っていた可能性と
水に放射線が当たると微量の水素が出てきます
長時間にわたって出てくる
実際浜岡で水素爆発があったんですけど(プラントの中で)
水野放射性分解で配管で爆発したことがあります
スリーマイル島の時も水素が沢山出て炉心溶融しました
今回のような沸騰水型の場合には水素爆発を防ぐために窒素を入れている
加圧水型は水素爆発に対しては非常に中止しなければならない
格納容器が爆発するので、福島の比ではない。
格納容器そのものを破壊していなかったことが福島は幸いだった
高橋:
水野放射線分解というのはいつでも出てくるのか
司会:
低レベル廃棄物の中からも水があるので水素が出てくる
続きを読むに内容を書き出しました
前半はパソコンの調子が悪く要点のみ、後半はちゃんと文字起こししました。

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東芝で原子炉の設計をかつてしていた後藤政志氏が招かれました。
20110513 和光大学 後藤政志氏講義 長さ: 12:33
20110513 和光大学 後藤政志氏講義 長さ: 112:09
講師後藤政志氏
8分頃からはじまります。