『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』刊行記念
アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会 2013年5月18日
日時: 5月18日(土)午後6時30分~
会場: 星陵会館
主催: チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト
共催: ピースボート、グリーンピース・ジャパン、FoE Japan、グリーン・アクション、
原子力市民委員会
協賛: 岩波書店
解説: 崎山比早子
司会: おしどりマコ
崎山比早子さん

http://youtu.be/lcdA5Xge0cI?t=14m10s
14:10
福島原発事故から2年が過ぎました。
事故が起きた当時、毎日テレビを見て、原子炉の破壊状況を見ていた時に、
2年後にこのような生活があるなどとは、その時は想像もできませんでした。
事故現場で被爆をしながら懸命に働いていらっしゃる労働者のみなさんのおかげで、
幸いにして私たちの今日があるのだと思います。
しかし今、福島から離れた都会、あるいは福島県の中ですら
事故当時のあの衝撃は徐々に薄れてきて、放射線に対する注意を忘れてきていると思います。
この時期に報告書が刊行された意味は大きいのではないかと思います。
この報告書には、
いま日本において沢山の方が放射線のリスクを考え、
これから自分たちの生活をどうするか、判断する基礎になる情報があります。
特に注目されるのは、これまで国際原子力機関とか、国際放射線防護委員会、ICRPですね。
WHO等の国際機関で否定され続けてきた放射線による非がん性疾患の発症を
豊富な資料に基づいて紹介している事です。
これまで西側でほとんど読まれる事が無かった
ロシア、ベラルーシ、ウクライナ国内で発表されてきた論文に加えて、
ドイツ、スウエーデン、トルコなど
チェルノブイリ事故によって放射能汚染が起こった国々からの報告も入っています。
また放射線の人体影響だけではなく、チェルノブイリ地方における野菜や果物などの汚染の程度。
汚染食物を取り込んでしまった場合の対処の仕方など、
実生活に役立つ情報。
それから環境汚染による野生の動植物への影響も網羅しています。
そういう意味でこれは大変貴重で、私たちの実生活に役立てたい報告書です。
福島事故以来、日本では低線量被ばくのリスクに関して、
これまで決められていた公衆の年間被ばく限度制御
1ミリシーベルトが20ミリシーベルトに見逃されてしまいました。
事故があったからといって、人の放射線に対する感受性が20分の1になったわけではありません。
1ミリシーベルトという限度線量自体安全量ではありません。
それは理論的にも、基礎実験でも、それから広島・長崎原爆被爆者をはじめとする疫学調査でも、
放射線に安全量は無いということは明らかに証明されているからです。
1ミリシーベルトと決めたのは、
原発を運転し電気を売るためのコストとリスクをはかりにかけて、
「これ以下に限度線量を下げるともう採算が取れなくなる」という事情からです。
その事は原子力産業の影響下にあると言われているICRPの委員長であるゴンザレスさんも、
昨年福島のシンポジウムでそんなふうにおっしゃっていた事です。
1ミリシーベルト事態が安全量ではなく、経済的政治的な要因で決まっているのに、
日本の放射線専門家が「100ミリシーベルトまではリスクがあるという証拠は無い」と
いかにも科学的であるかのように主張しているのはおかしなことです。
しかも見る気にさえなれば100ミリシーベルト以下でも、
統計的に有意に白血病や脳腫瘍などの癌が増えるという論文はあるんです。
放射線リスクにしきいちが無いという事は、
水爆の父と言われたアンドレイ・サハロフが1958年に発表した本のタイトルにすでに書いてあります。
自然放射線科学というのは、
新しい事実が発見されるとその発見をベースにして前にどんどん進んで行くというのが普通の姿です。
しかし放射線のリスクに関しては、いくら科学が進んでも、それが取り入れられず、
分かっていることも分かっていない事にされ、
何時まで経っても同じ議論を蒸し返しているという事があります。
これは明らかに問題が科学からずれて、経済的政治的な領域に入っているのに、
相変わらず科学であるかのような装いのもとに論争しているからだと思います。
放射線による非がん性の疾患が無い事にされ、
チェルノブイリ事故による脳神経系の疾患に対しては「放射線恐怖症」という診断名が発明されたのも、
同じような事情によると思います。
放射線の障害は基本的に放射線が体内を透過した時にできる反応性の高いフリーラジカルを通して生じます。
がんの原因になるのも、多くがこのフリーラジカルがDNAを傷つけるからです。
このフリーラジカルがどのように細胞の中のいろいろな分子を傷つけて、
報告書に出てくるようなあらゆる病気を引き起こし、老化を促進するのか。
これから研究が必要です。
しかし病気に対して最も効果的なのは予防です。
予防は被ばくをしない事です。
そのために政府は住民を汚染地域から避難させる義務がありますし、
これ以上汚染が広がらないように、国家的なプロジェクトとして
一日も早く事故現場を安定させることが急務です。
政府をそのように動かしていくのは市民の力です。
その力のベースになるのは、科学的に正確な知識です。
そのような意味で、今日ヤブロコフ博士のお話を伺う事が出来るのは、
大変有力ですし、幸運だと思います。
よろしくお願いいたします、どうもありがとうございました。
星川淳さん チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト代表

http://youtu.be/lcdA5Xge0cI?t=06m11s
06:11~
翻訳チームとしてどんな事をやったかというお話をしたいと思います。
まずお詫びとしては、こんなに長くかかってしまったという事をみなさんにお詫びしたいと思います。
2年以上ですね、出るまでにはかかりました。
当初は、あと書きに書いたように、
インターネット上でボランティアの翻訳者を募ってですね、ガガガッ!とやれば、
長くても1年位で何とかなるんじゃないかと思ったんですけれども、
いくつかの理由で長くなりました。
ひとつはですね、一番大きいのはやっぱり正確に訳したいと思ったんですね。
そうすると本当の専門家は翻訳者が23人位、
そして専門家としてアドバイスを頂いてお手伝いいただいた人が10人、
その他いろんなリサーチとかでお手伝いいただいた人が数人。
それから学生の大学院のグループが一つという、
だから総勢40人を超えるぐらいのチームでやったんですけれども、
訳す人達は本当の専門ではないので、正確を期そうとすると非常に一生懸命やらなければならない。
そして僕らは、英語版の、ニューヨーク科学アカデミーの本から訳し始めたんですけれども、
結構この英語版がですね、バグが多かったんですね。ロシア語から英語への。
そういうものをちゃんと全部正していったりするとですね、
なかなか、時間がかかりました。
途中でキエフ版という、ロシア語でも新しい部分が加わったりして、
それも全部取り入れてですね、
ちょっとでも疑問があったら全部ヤブロコフさんに聞いてですね、
もう何百、何千という質問をして、全部それをしっかり答えていただいて、
「日本語版が世界一だ」というふうに言っていただいたので、
まあ2年かけた甲斐はあったかなと。
でも本当はもっと早く出したかったんです。必要な人がいると思ってたんで。
で、二番目は、お詫びはもうひとつありまして、
高い。
5,250円はやっぱり高いんですよね。
でもこれは、ぼくらが岩波に「1万部出るよ」という事を説得できなかった責任なんです。
ですから、今から皆さん是非ご協力をいただいて、1万部を超えるぐらいにしていきたいと思います。
高くなってしまったので翻訳チームとしてはその償いに、
今回のような4つの会場とそれから東京の外国人記者クラブでの記者会見というのを
主に賄うという事にしています。
それからもしそれが余ってまた増刷になっていけばですね、この本を送る
必要な人、読んでほしい人や団体や場所に送るというキャンペーンをやりたいと思っています。
内容についてはここにいらしている方もそうでない方も、
いろいろと疑問とか批判とか、もちろん同意とかってあると思うんですけれども、
翻訳チームにはそれは処理できないので、
「はじめに」というところの最後に4人の著者関係の住所とメールアドレスがありますので、
そちらへ質問や疑問、批判などがありましたら投げて下さい。
それから、出るちょっと前からこういう声が聞こえてきているんですけれども、
「あのニューヨークサイエンス科学アカデミー版というのは、
もう、内容がおかしいから廃版になってるんだぞ」という話がすこしまわっているようですけれども、
それはちょっと違うと思います。
サイトを見ると「在庫切れでもう重版はしません」と書いてあるんですけれども、
見た人はご存じのように、無料でPDFをダウンロードできますから、
それは廃版という意味とはずいぶん違うと思いますね。
世界に提供している訳ですから。
それから本を読んでいただくと分かるんですけれども、
日本語版というのは正確に英語版を訳したものではないです。
それよりもさらに改善して加えた部分もあります。ロシア語から新しく加えた部分もあって、
日本語版には日本語版の原本というのがありまして
それは岩波のサイトから、全部読んでいただけますので、
疑問とか、もっと詳しく調べたいという方はそちらの、
英語とロシア語がちょっとちゃんぽんになっていますけれども、それを見ていただく事が出来ます。
それから訳注とか、これからインデックス、索引とかも整備していきますので、
本とサイトとの2本立てでさらに充実していきたいと思っています。
もう時間が無いのでこれで終わります。
ぼくたちが始めたのは人類はまだ、放射能被害というものを理解しているとは言い難いと。
だから「こうだ」と決めてしまうことは禁物で、
やっぱり真摯に誠実に「どうなんだろう」という事を調べ、そしてデータを集め蓄積して、
こういう形で問いかけを深めていかなければいけない。
対応もいろいろと工夫していかなければいけないと思います。
この本がその一助になり、
そして今日のヤブロコフさんのお話が、日本での努力に役立つように是非期待しています。
よろしコネが意思ます。
ーーヤブロコフ博士講演に続くーー
<講演部分>アレクセイ・ヤブロコフ博士5/18(内容書き出し)
<質疑応答部分>アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会5/18(内容書き出し)
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アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会 2013年5月18日
日時: 5月18日(土)午後6時30分~
会場: 星陵会館
主催: チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト
共催: ピースボート、グリーンピース・ジャパン、FoE Japan、グリーン・アクション、
原子力市民委員会
協賛: 岩波書店
解説: 崎山比早子
司会: おしどりマコ
崎山比早子さん

http://youtu.be/lcdA5Xge0cI?t=14m10s
14:10
福島原発事故から2年が過ぎました。
事故が起きた当時、毎日テレビを見て、原子炉の破壊状況を見ていた時に、
2年後にこのような生活があるなどとは、その時は想像もできませんでした。
事故現場で被爆をしながら懸命に働いていらっしゃる労働者のみなさんのおかげで、
幸いにして私たちの今日があるのだと思います。
しかし今、福島から離れた都会、あるいは福島県の中ですら
事故当時のあの衝撃は徐々に薄れてきて、放射線に対する注意を忘れてきていると思います。
この時期に報告書が刊行された意味は大きいのではないかと思います。
この報告書には、
いま日本において沢山の方が放射線のリスクを考え、
これから自分たちの生活をどうするか、判断する基礎になる情報があります。
特に注目されるのは、これまで国際原子力機関とか、国際放射線防護委員会、ICRPですね。
WHO等の国際機関で否定され続けてきた放射線による非がん性疾患の発症を
豊富な資料に基づいて紹介している事です。
これまで西側でほとんど読まれる事が無かった
ロシア、ベラルーシ、ウクライナ国内で発表されてきた論文に加えて、
ドイツ、スウエーデン、トルコなど
チェルノブイリ事故によって放射能汚染が起こった国々からの報告も入っています。
また放射線の人体影響だけではなく、チェルノブイリ地方における野菜や果物などの汚染の程度。
汚染食物を取り込んでしまった場合の対処の仕方など、
実生活に役立つ情報。
それから環境汚染による野生の動植物への影響も網羅しています。
そういう意味でこれは大変貴重で、私たちの実生活に役立てたい報告書です。
福島事故以来、日本では低線量被ばくのリスクに関して、
これまで決められていた公衆の年間被ばく限度制御
1ミリシーベルトが20ミリシーベルトに見逃されてしまいました。
事故があったからといって、人の放射線に対する感受性が20分の1になったわけではありません。
1ミリシーベルトという限度線量自体安全量ではありません。
それは理論的にも、基礎実験でも、それから広島・長崎原爆被爆者をはじめとする疫学調査でも、
放射線に安全量は無いということは明らかに証明されているからです。
1ミリシーベルトと決めたのは、
原発を運転し電気を売るためのコストとリスクをはかりにかけて、
「これ以下に限度線量を下げるともう採算が取れなくなる」という事情からです。
その事は原子力産業の影響下にあると言われているICRPの委員長であるゴンザレスさんも、
昨年福島のシンポジウムでそんなふうにおっしゃっていた事です。
1ミリシーベルト事態が安全量ではなく、経済的政治的な要因で決まっているのに、
日本の放射線専門家が「100ミリシーベルトまではリスクがあるという証拠は無い」と
いかにも科学的であるかのように主張しているのはおかしなことです。
しかも見る気にさえなれば100ミリシーベルト以下でも、
統計的に有意に白血病や脳腫瘍などの癌が増えるという論文はあるんです。
放射線リスクにしきいちが無いという事は、
水爆の父と言われたアンドレイ・サハロフが1958年に発表した本のタイトルにすでに書いてあります。
自然放射線科学というのは、
新しい事実が発見されるとその発見をベースにして前にどんどん進んで行くというのが普通の姿です。
しかし放射線のリスクに関しては、いくら科学が進んでも、それが取り入れられず、
分かっていることも分かっていない事にされ、
何時まで経っても同じ議論を蒸し返しているという事があります。
これは明らかに問題が科学からずれて、経済的政治的な領域に入っているのに、
相変わらず科学であるかのような装いのもとに論争しているからだと思います。
放射線による非がん性の疾患が無い事にされ、
チェルノブイリ事故による脳神経系の疾患に対しては「放射線恐怖症」という診断名が発明されたのも、
同じような事情によると思います。
放射線の障害は基本的に放射線が体内を透過した時にできる反応性の高いフリーラジカルを通して生じます。
がんの原因になるのも、多くがこのフリーラジカルがDNAを傷つけるからです。
このフリーラジカルがどのように細胞の中のいろいろな分子を傷つけて、
報告書に出てくるようなあらゆる病気を引き起こし、老化を促進するのか。
これから研究が必要です。
しかし病気に対して最も効果的なのは予防です。
予防は被ばくをしない事です。
そのために政府は住民を汚染地域から避難させる義務がありますし、
これ以上汚染が広がらないように、国家的なプロジェクトとして
一日も早く事故現場を安定させることが急務です。
政府をそのように動かしていくのは市民の力です。
その力のベースになるのは、科学的に正確な知識です。
そのような意味で、今日ヤブロコフ博士のお話を伺う事が出来るのは、
大変有力ですし、幸運だと思います。
よろしくお願いいたします、どうもありがとうございました。
星川淳さん チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト代表

http://youtu.be/lcdA5Xge0cI?t=06m11s
06:11~
翻訳チームとしてどんな事をやったかというお話をしたいと思います。
まずお詫びとしては、こんなに長くかかってしまったという事をみなさんにお詫びしたいと思います。
2年以上ですね、出るまでにはかかりました。
当初は、あと書きに書いたように、
インターネット上でボランティアの翻訳者を募ってですね、ガガガッ!とやれば、
長くても1年位で何とかなるんじゃないかと思ったんですけれども、
いくつかの理由で長くなりました。
ひとつはですね、一番大きいのはやっぱり正確に訳したいと思ったんですね。
そうすると本当の専門家は翻訳者が23人位、
そして専門家としてアドバイスを頂いてお手伝いいただいた人が10人、
その他いろんなリサーチとかでお手伝いいただいた人が数人。
それから学生の大学院のグループが一つという、
だから総勢40人を超えるぐらいのチームでやったんですけれども、
訳す人達は本当の専門ではないので、正確を期そうとすると非常に一生懸命やらなければならない。
そして僕らは、英語版の、ニューヨーク科学アカデミーの本から訳し始めたんですけれども、
結構この英語版がですね、バグが多かったんですね。ロシア語から英語への。
そういうものをちゃんと全部正していったりするとですね、
なかなか、時間がかかりました。
途中でキエフ版という、ロシア語でも新しい部分が加わったりして、
それも全部取り入れてですね、
ちょっとでも疑問があったら全部ヤブロコフさんに聞いてですね、
もう何百、何千という質問をして、全部それをしっかり答えていただいて、
「日本語版が世界一だ」というふうに言っていただいたので、
まあ2年かけた甲斐はあったかなと。
でも本当はもっと早く出したかったんです。必要な人がいると思ってたんで。
で、二番目は、お詫びはもうひとつありまして、
高い。
5,250円はやっぱり高いんですよね。
でもこれは、ぼくらが岩波に「1万部出るよ」という事を説得できなかった責任なんです。
ですから、今から皆さん是非ご協力をいただいて、1万部を超えるぐらいにしていきたいと思います。
高くなってしまったので翻訳チームとしてはその償いに、
今回のような4つの会場とそれから東京の外国人記者クラブでの記者会見というのを
主に賄うという事にしています。
それからもしそれが余ってまた増刷になっていけばですね、この本を送る
必要な人、読んでほしい人や団体や場所に送るというキャンペーンをやりたいと思っています。
内容についてはここにいらしている方もそうでない方も、
いろいろと疑問とか批判とか、もちろん同意とかってあると思うんですけれども、
翻訳チームにはそれは処理できないので、
「はじめに」というところの最後に4人の著者関係の住所とメールアドレスがありますので、
そちらへ質問や疑問、批判などがありましたら投げて下さい。
それから、出るちょっと前からこういう声が聞こえてきているんですけれども、
「あのニューヨークサイエンス科学アカデミー版というのは、
もう、内容がおかしいから廃版になってるんだぞ」という話がすこしまわっているようですけれども、
それはちょっと違うと思います。
サイトを見ると「在庫切れでもう重版はしません」と書いてあるんですけれども、
見た人はご存じのように、無料でPDFをダウンロードできますから、
それは廃版という意味とはずいぶん違うと思いますね。
世界に提供している訳ですから。
それから本を読んでいただくと分かるんですけれども、
日本語版というのは正確に英語版を訳したものではないです。
それよりもさらに改善して加えた部分もあります。ロシア語から新しく加えた部分もあって、
日本語版には日本語版の原本というのがありまして
それは岩波のサイトから、全部読んでいただけますので、
疑問とか、もっと詳しく調べたいという方はそちらの、
英語とロシア語がちょっとちゃんぽんになっていますけれども、それを見ていただく事が出来ます。
それから訳注とか、これからインデックス、索引とかも整備していきますので、
本とサイトとの2本立てでさらに充実していきたいと思っています。
もう時間が無いのでこれで終わります。
ぼくたちが始めたのは人類はまだ、放射能被害というものを理解しているとは言い難いと。
だから「こうだ」と決めてしまうことは禁物で、
やっぱり真摯に誠実に「どうなんだろう」という事を調べ、そしてデータを集め蓄積して、
こういう形で問いかけを深めていかなければいけない。
対応もいろいろと工夫していかなければいけないと思います。
この本がその一助になり、
そして今日のヤブロコフさんのお話が、日本での努力に役立つように是非期待しています。
よろしコネが意思ます。
ーーヤブロコフ博士講演に続くーー
<講演部分>アレクセイ・ヤブロコフ博士5/18(内容書き出し)
<質疑応答部分>アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会5/18(内容書き出し)
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2012年11月24日「フクシマ・アクション・プロジェクト決起集会」より
動画はこちら↓
1.「という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです」
崎山比早子氏11/24(内容書き出し)
この日の崎山先生の講演はこのブログでは5編になりました。
これで最後です。
ーーーーー
放射線の影響が過小評価される理由
国会事故調が明らかにした事
こういう事は前置きで、国会事故調で調べた時に、
こういう事が分かっているのに、どうして放射線の影響というものが過小評価されるのか?
ということなんです、と思います。
まず放射線被害の事で国会事故調で明らかになったことは、
東電の内部資料を見て分かった事なんです。

東電にとって一番の大きいリスクというのは、「原子炉の長期間の停止」という事で
あとは裁判に負けること。
それは東電にとってのリスクなんですね。
私たちにとってのリスクというのは
原発の事故が起こって放射能が飛散して、それを浴びて被ばくする。
それが一般市民が考える一番のリスクですね、原発事故の。
ところが東電は
事故を起こさないようにするために、規制が強くなれば、
事故を起こさないようにするために、原子力発電所を長期間止めて工事をしなきゃいけない。
それが東電にとっての一番のリスク。
後、裁判に負けるという事、それも非常に大きなリスク。
で、そういうことが、自分のリスクを減らすために
「それじゃあ何をすればいいのか」っていうと、
規制を緩めるという事です。
それから東電は、原子力安全委員会にも、原子力安全保安院にも、
いろいろなところに働きかけて、規制を緩めるという事を非常に一生懸命やっている。
それは東電の内部資料、あるいは電気事業者連合、電事連というふうに言っていますけれど、
電事連の内部資料で分かっている。
そして放射線に関してもそうなんですね。
放射線の規制。規制というのはどういうところがやるかというと、国際放射線防護委員会ですね。
ICRPという、皆さんご存じと思いますけれども、
ICRPが勧告を出す。
そしてその勧告に従って、各国は防護基準というのを決めるわけです。
ですからICRPが規制を緩めれば、各国の防護基準というのは緩くなるわけです。
だから、ICRPに働きかけるという事を一生懸命やったということなんです。

ICRPにはどういうふうに働きかけるか?というと、
日本ではICRPの委員が8人いるわけですけれども、その委員を通じて働きかけるんですね。
で、この資料を見ますと、
2007年勧告というものが出たんですけれども、
その勧告に電力会社の主張が全て反映されているというふうに書いてありますね。
ICRPの委員だって、タダじゃそんな事をやらないと思うんですけれども、
ICRPの委員の国際会議に出る旅費、それを全て電事連が出しているという事なんです。
ですからその電事連がお金を出したくて金を出したんじゃない訳ですから、
その会議のいろいろな情報というのを電事連のほうに流しているという事が言えると思うんですね。
そういう事でICRPの基準を緩めるという事を一生懸命やっているということがわかった。

その他にこれは東電の武藤副社長、元副社長ですけれども、
「悪い研究者に乗っ取られて研究が悪い方向に行かないように、その動向を監視しておくこと」
というのを言っているんですね。
ですから研究費の配分とか、
自分たちに不都合なような研究をやっているグループにお金が行かないようにする
という事をずっと考えていた。
ま、それから非がん性の疾患というものも認めるとですね、規制がもっと強くなる。
だからそういうことにならないように、
研究に「非がん性の疾患がない」という事が研究に出てくれば嬉しいわけ。
そういう事がいろいろと東電は画策をしている訳なんです。

こういうことが、東電もそうですし、文部科学省も、経済産業省も、
原子力発電を推進したいというふうな人たちにとって、
低線量の放射線にリスクがあるという事をみんなが知るという事が非常に不都合なことである、
ということが、圧力として続いたわけです。
それが研究者にもずっと圧力としてかかっている。
だから、100ミリシーベルト以下でもリスクがあるという、
今日ご紹介しましたのはほんの一部ですが、
リスクがあるというデータがあるにも関わらず、そういうのを一般の市民の人に専門家が説明しない。
それはこういう背景があるからだという事が
国会事故調の調査で明らかになったという事です。
原発事故とヨウ素剤
それから話題がちょっと変わってヨウ素剤の事なんですが、
ヨウ素剤は配られなかった、あるいは配られても服用指示が出なかった。
それはどういうことか?という事なんです。

ヨウ素剤を飲むというのはヨウ素を、放射性ヨウ素が甲状腺に溜まるのを防ぐためなんですね。
で、甲状腺にヨウ素がどうしてたまるか?といいますと、
甲状腺というのは甲状腺ホルモンをつくっている器官です。
甲状腺ホルモンをつくるためには、ヨウ素じゃないとダメなんです。
ヨウ素がないと甲状腺ホルモンがつくれないので、甲状腺は血液の中からヨウ素をどんどん取り込みます。
どの時に放射性であるか放射性でないか、
それは科学的な性質が同じですから、ヨウ素を取り込んでしまうのです。
その取り込まれる前に、ヨウ素剤を飲んで、
ヨウ素剤というのは安定ヨウ素、放射性ではないヨウ素です。
安定ヨウ素を飲んでおいて、血液の中の安定ヨウ素の量をはねておくと、
放射性ヨウ素の相対的な濃度が下がりますから、甲状腺に取り込まれるのを防ぐことができる。
ところがこれもタイミングが重要で、
放射性ヨウ素が身体の中に入っちゃってからヨウ素剤を飲んでもダメなんです。

だから、身体の中に入る前、24時間から同時ぐらいまでに飲んでおけば
90%以上の取り込みを押さえることができる。
で、飲まれちゃって24時間以降ですとほとんど阻害効果がないという事で、阻止効果がないという事で、
ヨウ素剤を飲むというのはタイミングが非常に重要。
で、理想的に言えば、自分で、各家庭で持っていて、「危ない」と思ったら飲む。
そういうふうに体制を整えておく。
いつも防災訓練をやる時にですね、
ヨウ素剤の効用と飲むタイミングというのを住民の皆さんに周知させておいて、
それでたとえばサイレンが鳴ったら飲む。
というようなことを徹底させておけばよかった。
そういうことをしないと、ヨウ素剤というものは持っていてもしょうがないということになります。

で、実際に配られてちゃんと服用したのは三春町ですね。
それから後、大熊とか、双葉、富岡町のみなさんは、
全体としては、全体に徹底しては飲んではいないですけれども、
一部の人は飲んだと。
いわき市とか楢葉町とか浪江町は配布はしたんですけれども飲んではいない。
服用指示というのが出なかった。
それで飲まなかったんですね。
服用指示が出なくてものませるというようにちゃんと決定したのが三春町だった。

で、こういうふうにですね、何故飲むという事を徹底しなかったのか?というのは、
原子力安全委員会は本当は服用指示を出したわけです。
ですけれど、服用指示は、ま、出したことは出したんですけれども、
原子力対策本部までいった。
そのFAXはいったんですが、その各市町村の長のところまでは届かなかったんですね。
届かなかったのを、
原子力安全委員会はそれを徹底して届いたか届かなかったかというのを確かめなかった。
ただ送りっぱなしだった。
そのFAXは混乱の中でどこかに埋もれてしまって、町長さんは服用指示を出さなかった。
こういう原子力安全委員会からそういう服用指示が出なかった場合には、
防災訓練のマニュアルがあるんですけれども、
そこに、福島県知事が服用指示を出すという事が決められている。
ですから、本当に来なかったなら、県知事が出せばよかったんです。
ところが県知事は出さなかった。
私たちがヒアリングをした時にですね、
県知事さんに「どうして服用指示を出さなかったんですか?」と伺ったらですね、
ご自分が指令するとは思っていなかったんじゃないかな、
ちゃんと認識していらっしゃらなかったんじゃないかなと思うんですね。
それでひたすら「国が服用指示を出すというのをひたすら待っていた」
そういうふうにおっしゃったんです。
ですから、やっぱりこれはもう、福島県知事に責任があるというふうに私は思います。
あと、配布しても服用指示を出さなかったというのは、各市町村がですね、
副作用をすごく恐れたっていうところがあるんです。
これは、原子力安全委員会が持っていたヨウ素剤検討委員会というのがあるんですが、
そこでヨウ素剤の副作用をすごく強調したんです。
ヨウ素剤って本当に副作用があるんですけど、ほとんどない。
で、チェルノブイリの事故の時にポーランドでは1050万人の子どもにヨウ素剤を飲ませた。
でも、副作用の報告はないんです。
大人の人は何人か、気分が悪くなったとか、そういうような事はありますけれども、
子どもの副作用の報告はなかった。
ですから、たとえば気持ちが悪くなったとか吐き気がしたとか、そういう事があったとしても、
ヨウ素剤を次に飲まなければいいんです、後遺症は残らないです。
ですから、甲状腺がんになるかならないかっていう瀬戸際だったら、
ちょっとぐらいたとえば副作用があったとしても、
そっちを選択する方が私は賢明じゃないかなというふうに思うんです。
ヨウ素剤アレルギーなんかの人がいますから、
そういう人はちょっと気をつけなければいけないんですけれども、
甲状腺機能低下症とか、甲状腺機能疱疹症とかというような病気を持っていらっしゃる方は
そういう方は、普段から主治医の先生と相談して、
そういう時にはどうしたらいいか?という事を相談しておいた方がいいと思うんですが、
一時的に症状が増悪したとしても、それを飲まなければもっとひどいということを、
で、そういう事でヨウ素剤についてはこれからどういうふうに、
どうなるか分からないですね、いまの事故の経過がですね。
これからずっと放射能が出てこなければいいんですけれども、
また放出されるような事があったとしたら、「どうなるか」という事を考えるとですね、
常に防災訓練の時にヨウ素剤を傍に置いておいて、
「いつ飲むか」という事を周知徹底しておくという事は非常に重要だというふうに思います。

その次の要領と書いてありますがそれは後からご覧になって頂ければと思います。
緊急被ばく医療体制の現実
後もうひとつ重要なのは、緊急被ばく医療体制です。

これは事故が起こった時に病院がありますね、
初期被ばく医療機関、二次被ばく医療機関、三次被ばく医療機関と3段階になっています。
初期被ばく医療機関で処置ができない人を二次にまわして、二次で出来ない人を三次にまわす。
そういうふうになっています。
三次の被ばく医療機関は日本は放医研ですね。
二次医療は広島大学、
これはチェルノブイリの時の写真ですけれども、

モスクワの大学病院で300人ぐらい入院されているんですね、
で、この方たちは非常に重症だったとおもいますね。
隔離されていますから、骨髄機能なんかも低下してしまっていて、
もうほとんど消防士の人たちは全部亡くなっています。
こういうふうに大事故が起こった場合には、
急性の処置を取らなければならない人がワッ!と出てくる可能性があるんです。
で、日本でその体制があるか?という事なんですけど、

東日本では、まあ、放医研ですね。重傷者は8人入院ができる。
で、それほどではない人は10人。
合わせて18人ぐらいしか入院できない。
西日本でも、広島大学とかそのぐらいしか入院できないですね。
重傷者が沢山出た場合はどうするんだろう?という問題が一つあります。
それからもうひとつは一時被ばく医療機関。

それが原発とどういう関係にあるか?
だいたい10km圏内にあるのが23%
10~20km圏内はもう、35%ですね。
で、30kmまで行くと6%という位にあるんですけれど、
大体、この30km圏内64%ですね、
この間の事故の時でもお分かりと思うんですけれども、
一次被ばく医療機関なんかは普通の、日常の診療もやっているわけですよね。
入院患者さんもいるわけです。
で、避難という場合に寝たきりの人を運ばなければいけない。
これで60人ぐらい亡くなったわけですね。
点滴したり、吸引しなければ、時間的に何時間おきに吸引しなければならない
そういう人達は入院している病院があるわけです。
そういう病院もこういう被ばく用機関に認定されるわけです。
その入院患者さんや外来患者さんを診療するだけでも大変。
その人たちを移動させるだけでも手いっぱい。
で、その中で何人か亡くなるというような事は全く余裕がないわけです。
そこへアクシデントで被ばく者が来たらどうなりますか?
もうほとんど何もできないです。
こういう状態で今の医療機関というものがあるということです。
福島の第一原発の事故以降、全国で被ばく医療機関の指定とかがかわったとか、
30キロ圏以外のところに新たに入れた、そういうことは一切ないです。
まだ、このまんまです。
こういう事で大変なんですけど。
それで、こういうところに入院出来ますか?っていうアンケートですけれど、

一次も二次も一人か二人ぐらいしか受け入れられない。
これを受け入れたとしても非常に不安で貧しいというか、そういう所で、原発は再稼動されてしまっている。
これ、もし事故が起こった時に、どうするんだろうと、他のところもそうです。
ですから、原発自身に対してももちろんものすごく大事ですけれども、
そういう周りのですね、何かがいざあった時の準備というものがまるっきり出来ていない。
それで原発は動いているという事が実際にある。
これが現実だという事をみなさんもよく理解しておいていただければと思います。
どうもありがとうございました。

ーーー
原子力規制委員会中村佳代子委員のもとで「緊急被ばく医療に関する検討チーム会合」が開かれています。
第二回のヨウ素剤に関する部分です。
中村佳代子原子力規制委員「ヨウ素剤配布服用は汚染検査の後でいい」
検討チーム会合12/3OurPlanetTV(内容書き出し)
中村佳代子サンという人じゃなくて、崎山先生のような方が原子力規制委員だったらと、
強引に規制委員のメンバーを決めた野田佳彦を怨みます。
動画はこちら↓
1.「という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです」
崎山比早子氏11/24(内容書き出し)
この日の崎山先生の講演はこのブログでは5編になりました。
これで最後です。
ーーーーー
放射線の影響が過小評価される理由
国会事故調が明らかにした事
こういう事は前置きで、国会事故調で調べた時に、
こういう事が分かっているのに、どうして放射線の影響というものが過小評価されるのか?
ということなんです、と思います。
まず放射線被害の事で国会事故調で明らかになったことは、
東電の内部資料を見て分かった事なんです。

東電にとって一番の大きいリスクというのは、「原子炉の長期間の停止」という事で
あとは裁判に負けること。
それは東電にとってのリスクなんですね。
私たちにとってのリスクというのは
原発の事故が起こって放射能が飛散して、それを浴びて被ばくする。
それが一般市民が考える一番のリスクですね、原発事故の。
ところが東電は
事故を起こさないようにするために、規制が強くなれば、
事故を起こさないようにするために、原子力発電所を長期間止めて工事をしなきゃいけない。
それが東電にとっての一番のリスク。
後、裁判に負けるという事、それも非常に大きなリスク。
で、そういうことが、自分のリスクを減らすために
「それじゃあ何をすればいいのか」っていうと、
規制を緩めるという事です。
それから東電は、原子力安全委員会にも、原子力安全保安院にも、
いろいろなところに働きかけて、規制を緩めるという事を非常に一生懸命やっている。
それは東電の内部資料、あるいは電気事業者連合、電事連というふうに言っていますけれど、
電事連の内部資料で分かっている。
そして放射線に関してもそうなんですね。
放射線の規制。規制というのはどういうところがやるかというと、国際放射線防護委員会ですね。
ICRPという、皆さんご存じと思いますけれども、
ICRPが勧告を出す。
そしてその勧告に従って、各国は防護基準というのを決めるわけです。
ですからICRPが規制を緩めれば、各国の防護基準というのは緩くなるわけです。
だから、ICRPに働きかけるという事を一生懸命やったということなんです。

ICRPにはどういうふうに働きかけるか?というと、
日本ではICRPの委員が8人いるわけですけれども、その委員を通じて働きかけるんですね。
で、この資料を見ますと、
2007年勧告というものが出たんですけれども、
その勧告に電力会社の主張が全て反映されているというふうに書いてありますね。
ICRPの委員だって、タダじゃそんな事をやらないと思うんですけれども、
ICRPの委員の国際会議に出る旅費、それを全て電事連が出しているという事なんです。
ですからその電事連がお金を出したくて金を出したんじゃない訳ですから、
その会議のいろいろな情報というのを電事連のほうに流しているという事が言えると思うんですね。
そういう事でICRPの基準を緩めるという事を一生懸命やっているということがわかった。

その他にこれは東電の武藤副社長、元副社長ですけれども、
「悪い研究者に乗っ取られて研究が悪い方向に行かないように、その動向を監視しておくこと」
というのを言っているんですね。
ですから研究費の配分とか、
自分たちに不都合なような研究をやっているグループにお金が行かないようにする
という事をずっと考えていた。
ま、それから非がん性の疾患というものも認めるとですね、規制がもっと強くなる。
だからそういうことにならないように、
研究に「非がん性の疾患がない」という事が研究に出てくれば嬉しいわけ。
そういう事がいろいろと東電は画策をしている訳なんです。

こういうことが、東電もそうですし、文部科学省も、経済産業省も、
原子力発電を推進したいというふうな人たちにとって、
低線量の放射線にリスクがあるという事をみんなが知るという事が非常に不都合なことである、
ということが、圧力として続いたわけです。
それが研究者にもずっと圧力としてかかっている。
だから、100ミリシーベルト以下でもリスクがあるという、
今日ご紹介しましたのはほんの一部ですが、
リスクがあるというデータがあるにも関わらず、そういうのを一般の市民の人に専門家が説明しない。
それはこういう背景があるからだという事が
国会事故調の調査で明らかになったという事です。
原発事故とヨウ素剤
それから話題がちょっと変わってヨウ素剤の事なんですが、
ヨウ素剤は配られなかった、あるいは配られても服用指示が出なかった。
それはどういうことか?という事なんです。

ヨウ素剤を飲むというのはヨウ素を、放射性ヨウ素が甲状腺に溜まるのを防ぐためなんですね。
で、甲状腺にヨウ素がどうしてたまるか?といいますと、
甲状腺というのは甲状腺ホルモンをつくっている器官です。
甲状腺ホルモンをつくるためには、ヨウ素じゃないとダメなんです。
ヨウ素がないと甲状腺ホルモンがつくれないので、甲状腺は血液の中からヨウ素をどんどん取り込みます。
どの時に放射性であるか放射性でないか、
それは科学的な性質が同じですから、ヨウ素を取り込んでしまうのです。
その取り込まれる前に、ヨウ素剤を飲んで、
ヨウ素剤というのは安定ヨウ素、放射性ではないヨウ素です。
安定ヨウ素を飲んでおいて、血液の中の安定ヨウ素の量をはねておくと、
放射性ヨウ素の相対的な濃度が下がりますから、甲状腺に取り込まれるのを防ぐことができる。
ところがこれもタイミングが重要で、
放射性ヨウ素が身体の中に入っちゃってからヨウ素剤を飲んでもダメなんです。

だから、身体の中に入る前、24時間から同時ぐらいまでに飲んでおけば
90%以上の取り込みを押さえることができる。
で、飲まれちゃって24時間以降ですとほとんど阻害効果がないという事で、阻止効果がないという事で、
ヨウ素剤を飲むというのはタイミングが非常に重要。
で、理想的に言えば、自分で、各家庭で持っていて、「危ない」と思ったら飲む。
そういうふうに体制を整えておく。
いつも防災訓練をやる時にですね、
ヨウ素剤の効用と飲むタイミングというのを住民の皆さんに周知させておいて、
それでたとえばサイレンが鳴ったら飲む。
というようなことを徹底させておけばよかった。
そういうことをしないと、ヨウ素剤というものは持っていてもしょうがないということになります。

で、実際に配られてちゃんと服用したのは三春町ですね。
それから後、大熊とか、双葉、富岡町のみなさんは、
全体としては、全体に徹底しては飲んではいないですけれども、
一部の人は飲んだと。
いわき市とか楢葉町とか浪江町は配布はしたんですけれども飲んではいない。
服用指示というのが出なかった。
それで飲まなかったんですね。
服用指示が出なくてものませるというようにちゃんと決定したのが三春町だった。

で、こういうふうにですね、何故飲むという事を徹底しなかったのか?というのは、
原子力安全委員会は本当は服用指示を出したわけです。
ですけれど、服用指示は、ま、出したことは出したんですけれども、
原子力対策本部までいった。
そのFAXはいったんですが、その各市町村の長のところまでは届かなかったんですね。
届かなかったのを、
原子力安全委員会はそれを徹底して届いたか届かなかったかというのを確かめなかった。
ただ送りっぱなしだった。
そのFAXは混乱の中でどこかに埋もれてしまって、町長さんは服用指示を出さなかった。
こういう原子力安全委員会からそういう服用指示が出なかった場合には、
防災訓練のマニュアルがあるんですけれども、
そこに、福島県知事が服用指示を出すという事が決められている。
ですから、本当に来なかったなら、県知事が出せばよかったんです。
ところが県知事は出さなかった。
私たちがヒアリングをした時にですね、
県知事さんに「どうして服用指示を出さなかったんですか?」と伺ったらですね、
ご自分が指令するとは思っていなかったんじゃないかな、
ちゃんと認識していらっしゃらなかったんじゃないかなと思うんですね。
それでひたすら「国が服用指示を出すというのをひたすら待っていた」
そういうふうにおっしゃったんです。
ですから、やっぱりこれはもう、福島県知事に責任があるというふうに私は思います。
あと、配布しても服用指示を出さなかったというのは、各市町村がですね、
副作用をすごく恐れたっていうところがあるんです。
これは、原子力安全委員会が持っていたヨウ素剤検討委員会というのがあるんですが、
そこでヨウ素剤の副作用をすごく強調したんです。
ヨウ素剤って本当に副作用があるんですけど、ほとんどない。
で、チェルノブイリの事故の時にポーランドでは1050万人の子どもにヨウ素剤を飲ませた。
でも、副作用の報告はないんです。
大人の人は何人か、気分が悪くなったとか、そういうような事はありますけれども、
子どもの副作用の報告はなかった。
ですから、たとえば気持ちが悪くなったとか吐き気がしたとか、そういう事があったとしても、
ヨウ素剤を次に飲まなければいいんです、後遺症は残らないです。
ですから、甲状腺がんになるかならないかっていう瀬戸際だったら、
ちょっとぐらいたとえば副作用があったとしても、
そっちを選択する方が私は賢明じゃないかなというふうに思うんです。
ヨウ素剤アレルギーなんかの人がいますから、
そういう人はちょっと気をつけなければいけないんですけれども、
甲状腺機能低下症とか、甲状腺機能疱疹症とかというような病気を持っていらっしゃる方は
そういう方は、普段から主治医の先生と相談して、
そういう時にはどうしたらいいか?という事を相談しておいた方がいいと思うんですが、
一時的に症状が増悪したとしても、それを飲まなければもっとひどいということを、
で、そういう事でヨウ素剤についてはこれからどういうふうに、
どうなるか分からないですね、いまの事故の経過がですね。
これからずっと放射能が出てこなければいいんですけれども、
また放出されるような事があったとしたら、「どうなるか」という事を考えるとですね、
常に防災訓練の時にヨウ素剤を傍に置いておいて、
「いつ飲むか」という事を周知徹底しておくという事は非常に重要だというふうに思います。

その次の要領と書いてありますがそれは後からご覧になって頂ければと思います。
緊急被ばく医療体制の現実
後もうひとつ重要なのは、緊急被ばく医療体制です。

これは事故が起こった時に病院がありますね、
初期被ばく医療機関、二次被ばく医療機関、三次被ばく医療機関と3段階になっています。
初期被ばく医療機関で処置ができない人を二次にまわして、二次で出来ない人を三次にまわす。
そういうふうになっています。
三次の被ばく医療機関は日本は放医研ですね。
二次医療は広島大学、
これはチェルノブイリの時の写真ですけれども、

モスクワの大学病院で300人ぐらい入院されているんですね、
で、この方たちは非常に重症だったとおもいますね。
隔離されていますから、骨髄機能なんかも低下してしまっていて、
もうほとんど消防士の人たちは全部亡くなっています。
こういうふうに大事故が起こった場合には、
急性の処置を取らなければならない人がワッ!と出てくる可能性があるんです。
で、日本でその体制があるか?という事なんですけど、

東日本では、まあ、放医研ですね。重傷者は8人入院ができる。
で、それほどではない人は10人。
合わせて18人ぐらいしか入院できない。
西日本でも、広島大学とかそのぐらいしか入院できないですね。
重傷者が沢山出た場合はどうするんだろう?という問題が一つあります。
それからもうひとつは一時被ばく医療機関。

それが原発とどういう関係にあるか?
だいたい10km圏内にあるのが23%
10~20km圏内はもう、35%ですね。
で、30kmまで行くと6%という位にあるんですけれど、
大体、この30km圏内64%ですね、
この間の事故の時でもお分かりと思うんですけれども、
一次被ばく医療機関なんかは普通の、日常の診療もやっているわけですよね。
入院患者さんもいるわけです。
で、避難という場合に寝たきりの人を運ばなければいけない。
これで60人ぐらい亡くなったわけですね。
点滴したり、吸引しなければ、時間的に何時間おきに吸引しなければならない
そういう人達は入院している病院があるわけです。
そういう病院もこういう被ばく用機関に認定されるわけです。
その入院患者さんや外来患者さんを診療するだけでも大変。
その人たちを移動させるだけでも手いっぱい。
で、その中で何人か亡くなるというような事は全く余裕がないわけです。
そこへアクシデントで被ばく者が来たらどうなりますか?
もうほとんど何もできないです。
こういう状態で今の医療機関というものがあるということです。
福島の第一原発の事故以降、全国で被ばく医療機関の指定とかがかわったとか、
30キロ圏以外のところに新たに入れた、そういうことは一切ないです。
まだ、このまんまです。
こういう事で大変なんですけど。
それで、こういうところに入院出来ますか?っていうアンケートですけれど、

一次も二次も一人か二人ぐらいしか受け入れられない。
これを受け入れたとしても非常に不安で貧しいというか、そういう所で、原発は再稼動されてしまっている。
これ、もし事故が起こった時に、どうするんだろうと、他のところもそうです。
ですから、原発自身に対してももちろんものすごく大事ですけれども、
そういう周りのですね、何かがいざあった時の準備というものがまるっきり出来ていない。
それで原発は動いているという事が実際にある。
これが現実だという事をみなさんもよく理解しておいていただければと思います。
どうもありがとうございました。

ーーー
原子力規制委員会中村佳代子委員のもとで「緊急被ばく医療に関する検討チーム会合」が開かれています。
第二回のヨウ素剤に関する部分です。
中村佳代子原子力規制委員「ヨウ素剤配布服用は汚染検査の後でいい」
検討チーム会合12/3OurPlanetTV(内容書き出し)
中村佳代子サンという人じゃなくて、崎山先生のような方が原子力規制委員だったらと、
強引に規制委員のメンバーを決めた野田佳彦を怨みます。
2012年11月24日「フクシマ・アクション・プロジェクト決起集会」より
動画はこちら↓
1.「という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです」
崎山比早子氏11/24(内容書き出し)
放射線被ばくによる非がん性疾患
無視され続けているのは何故?
次に非がん性のものなんですけれども、
その前にですね、放射線によるがんとか非がん性の疾患が、
何故、「ない」、あるいは「軽く見られる」のか?という事を考えると、
皆さんはお分かりと思いますけれども、
これは文部科学省からお金をもらっていて、
学校の先生に放射線教育をしている団体。
放射線教育フォーラムというのがあるんです。

で、そこは文部科学省からお金をもらっているんですけれども、
先生に、いろいろと「放射線が安全だ」という教育をするんですね。
毎年報告書が出ているんですけれども、
その報告書の一番初めにこういう事が書いてある。
「原子力の安全とは、つまるところ放射線の安全性に他ならない」
ですから、
現状を保持しておくと人々がわずかな放射線を恐れて、原子力の需要が進まず、
エネルギー問題の観点から日本の前途が危うくなる恐れがある。
こういうふうに書いてある。
という事は、僅かな放射線を恐れさせないように学校で教育しなければいけない。
そのために先生を教育している、そういうことなんですね。
で、文部科学省が、この事故後すぐですね、4月に出したものです。

「放射線を正しく理解するために教育現場の皆様へ」というものを出しました。
これには、
チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺がん以外のがんの増加は認められていません。
放射線の影響そのものよりも、
「放射線を受けた」という不安を抱き続ける心理的ストレスの影響の方が大きい。
そういうことを文部科学省は言っているわけです。
これは、チェルノブイリで「放射線恐怖症」という事で、
精神的なものに全部除外してしまったというのとまったく同じ構図ですね。
「チェルノブイリの大惨事 これまでの評価」という事で、
今日後で竹内さんからもお話があると思うんですけれども、

国際原子力機関IAEAは、急性障害による死亡が31人。
最大4000例の癌、白血病の過剰死。
で、がん以外の疾患は被ばくとは関係がない。
神経系の疾患には今言いました「放射線恐怖症」ですね、これによる
根拠のないヒステリーが原因である。
ということをIAEAは言ったと。
国際放射線防護委員会の方も、だいたい似たようなもんのですけれども、
100ミリシーベルト以下であれば先天性奇形は発生しない。
というような事を言っている。
で、これは本当か?って言う事なんですね。
チェルノブイリ以前広島長崎の追跡調査があります、先ほどお話しましたように。

心臓病とか、脳卒中とか、
消化器官、呼吸器官系の疾患が増えているという事は、
もう広島長崎の追跡調査で分かっていた訳です。
チェルノブイリで非がん性の疾患が増えて、もう100万人ぐらいが
チェルノブイリの事故で死亡したという事を言ったのが、
このニューヨークアカデミーの報告書です。

これはいま、岩波で翻訳してもう直出ると思います。
もうひとつは核戦争防止国際医師会議という、
これ「チェルノブイリの健康影響 大惨事から25年」という本がありますけれども、
出版で翻訳して出ています、合同出版で。
こういう本、報告書を見るとですね、
この表は両方に出ていた訳なんですけれども、
事故処理者が、1986年に事故が起こったんですけれども7年後、1993年までの間に
どういう疾患が事故処理者の中に増えているか?
10万人当たりの疾患数ですね。

そうしますと、この1986年の数と、1993年の数を比べると、
一番多いのがこれですね、内分泌系、ホルモン異常ですね。
それから神経系の異常。
それから、あ、消化器系の異常が一番多いですね。
血管心臓系の疾患も増えている。
これを見ると、腫瘍よりもむしろ非腫瘍性の病気の方が増えているという事がわかると思うんです。
で、どういうものが増えたかという事が順序で書いてあるんですけれども、

こういう疾患が増えていて、特徴なのは、たとえば私たちが病気になる場合は、
たとえば風邪をひくとか、肺炎になるとか、
そういう病気になる場合は一つですよね。
だいたい、いっぺんにいくつもの病気にかかるというのはあまりないですね。
正常な社会では。
でも、事故処理者の特徴は、
こういういろんな病気を同時に4種類から5種類の病気にかかるというのが特徴なんです。
で、よく言われるのは老化の促進という事ですね。
実際の年齢よりも10歳から15歳ぐらい年取った体力、抵抗力しかないという、そういう事があるのです。
加齢というか、歳をとると増えてくる病気というのがここに書いてありますけれども、

血管系の病気だとか血液系。それから白内障、糖尿病、中枢神経系の高度な知的能力の損失。
こういうことも起こるわけです。
これが、事故処理者とか被ばく者に増えている非がん性の疾患です。
これはバンダジェフスキーさんが発表された論文なんですが、

死因の1位は心臓です。
悪性腫瘍よりもずっと心臓病で亡くなる人が多いということです。
ーーつづく

チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害
科学的データは何を示している
2012年03月 発売
核戦争防止国際医師会議
松崎道幸 合同出版
1,680円(税込)送料無料

放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響
チェルノブイリ原発事故被曝の病理データ
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1.「という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです」
崎山比早子氏11/24(内容書き出し)
放射線被ばくによる非がん性疾患
無視され続けているのは何故?
次に非がん性のものなんですけれども、
その前にですね、放射線によるがんとか非がん性の疾患が、
何故、「ない」、あるいは「軽く見られる」のか?という事を考えると、
皆さんはお分かりと思いますけれども、
これは文部科学省からお金をもらっていて、
学校の先生に放射線教育をしている団体。
放射線教育フォーラムというのがあるんです。

で、そこは文部科学省からお金をもらっているんですけれども、
先生に、いろいろと「放射線が安全だ」という教育をするんですね。
毎年報告書が出ているんですけれども、
その報告書の一番初めにこういう事が書いてある。
「原子力の安全とは、つまるところ放射線の安全性に他ならない」
ですから、
現状を保持しておくと人々がわずかな放射線を恐れて、原子力の需要が進まず、
エネルギー問題の観点から日本の前途が危うくなる恐れがある。
こういうふうに書いてある。
という事は、僅かな放射線を恐れさせないように学校で教育しなければいけない。
そのために先生を教育している、そういうことなんですね。
で、文部科学省が、この事故後すぐですね、4月に出したものです。

「放射線を正しく理解するために教育現場の皆様へ」というものを出しました。
これには、
チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺がん以外のがんの増加は認められていません。
放射線の影響そのものよりも、
「放射線を受けた」という不安を抱き続ける心理的ストレスの影響の方が大きい。
そういうことを文部科学省は言っているわけです。
これは、チェルノブイリで「放射線恐怖症」という事で、
精神的なものに全部除外してしまったというのとまったく同じ構図ですね。
「チェルノブイリの大惨事 これまでの評価」という事で、
今日後で竹内さんからもお話があると思うんですけれども、

国際原子力機関IAEAは、急性障害による死亡が31人。
最大4000例の癌、白血病の過剰死。
で、がん以外の疾患は被ばくとは関係がない。
神経系の疾患には今言いました「放射線恐怖症」ですね、これによる
根拠のないヒステリーが原因である。
ということをIAEAは言ったと。
国際放射線防護委員会の方も、だいたい似たようなもんのですけれども、
100ミリシーベルト以下であれば先天性奇形は発生しない。
というような事を言っている。
で、これは本当か?って言う事なんですね。
チェルノブイリ以前広島長崎の追跡調査があります、先ほどお話しましたように。

心臓病とか、脳卒中とか、
消化器官、呼吸器官系の疾患が増えているという事は、
もう広島長崎の追跡調査で分かっていた訳です。
チェルノブイリで非がん性の疾患が増えて、もう100万人ぐらいが
チェルノブイリの事故で死亡したという事を言ったのが、
このニューヨークアカデミーの報告書です。

これはいま、岩波で翻訳してもう直出ると思います。
もうひとつは核戦争防止国際医師会議という、
これ「チェルノブイリの健康影響 大惨事から25年」という本がありますけれども、
出版で翻訳して出ています、合同出版で。
こういう本、報告書を見るとですね、
この表は両方に出ていた訳なんですけれども、
事故処理者が、1986年に事故が起こったんですけれども7年後、1993年までの間に
どういう疾患が事故処理者の中に増えているか?
10万人当たりの疾患数ですね。

そうしますと、この1986年の数と、1993年の数を比べると、
一番多いのがこれですね、内分泌系、ホルモン異常ですね。
それから神経系の異常。
それから、あ、消化器系の異常が一番多いですね。
血管心臓系の疾患も増えている。
これを見ると、腫瘍よりもむしろ非腫瘍性の病気の方が増えているという事がわかると思うんです。
で、どういうものが増えたかという事が順序で書いてあるんですけれども、

こういう疾患が増えていて、特徴なのは、たとえば私たちが病気になる場合は、
たとえば風邪をひくとか、肺炎になるとか、
そういう病気になる場合は一つですよね。
だいたい、いっぺんにいくつもの病気にかかるというのはあまりないですね。
正常な社会では。
でも、事故処理者の特徴は、
こういういろんな病気を同時に4種類から5種類の病気にかかるというのが特徴なんです。
で、よく言われるのは老化の促進という事ですね。
実際の年齢よりも10歳から15歳ぐらい年取った体力、抵抗力しかないという、そういう事があるのです。
加齢というか、歳をとると増えてくる病気というのがここに書いてありますけれども、

血管系の病気だとか血液系。それから白内障、糖尿病、中枢神経系の高度な知的能力の損失。
こういうことも起こるわけです。
これが、事故処理者とか被ばく者に増えている非がん性の疾患です。
これはバンダジェフスキーさんが発表された論文なんですが、

死因の1位は心臓です。
悪性腫瘍よりもずっと心臓病で亡くなる人が多いということです。
ーーつづく

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国会事故調から見た放射能問題
-20ミリシーベルトは安全かー
2012年11月24日「フクシマ・アクション・プロジェクト決起集会」より
動画はこちら↓
1.「という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです」
崎山比早子氏11/24(内容書き出し)
白血病は増えている
それから後、チェルノブイリの事故処理者。

チェルノブイリ事故の後ですね、現場を処理して放射性物質何かを綺麗に片づけた人ですね、
事故処理者。
そういう人たちの中に白血病が増えているということが、
これもまた最近、今年の11月に出た論文です。
こういう事故処理者の線量を推定して、どのくらい白血病が増えているか?という事を言ったのが
なんですけれども。

これは去年福島で国際専門家会議というのがありまして、去年の夏。
いつでしたっけ、9月でしたっけ?
それでこの馬淵さんという人がいらして、東京新聞にコメントを書いているんですけれども、
「認められているのは小児の甲状腺がんが増えたという事だけだ」という事を言っているんですね。
「今後、白血病が増えていくことが分かっても驚かない」というような事を、去年の新聞で言ってらした。
馬淵さんという方は、ずーっと広島の放影研で、原爆被爆者の追跡調査をずっとやっていらした方で、
だからずっと論文を書いていられて、その論文の中には癌以外のですね、
広島の被爆者の中に、心臓血管系の病気だとか呼吸器系の病気だとか
いろいろながん以外の病気が増えているという事を知っている人なんです。この人は。
そういう事を知っていながら、この福島で行われた国際会議の時に、
「チェルノブイリで増えたのは小児甲状腺がんだけ」という事をおっしゃった。
で、「白血病が増えてくることが分かっても驚かない」という事をおっしゃったんですね。
それで、この甲状腺がんのことだけえをみてるんですね。

これは、この黒いのが小児です。子どもです。
これ(グレー)が青年ですね。
白い棒は40歳以上のがんです。
確かに早く増えたっていうのは、この小児ですね。
鈴木先生がよく「4年後ぐらいから増えた」なんて言う事をおっしゃっていますけれども、

チェルノブイリで甲状腺の手術をずっとしていらした菅谷先生は、
「もう次の年から甲状腺がんが増えている」という事をおっしゃっています。
で、甲状腺は小児甲状腺がんだけではなくて、これをみると、
これは45歳以上です。
ですから当時、20歳以上ですね。
当時20歳以上の人の甲状腺がんが増えている。
この甲状腺がん一つとってみても小児だけではないという事がよく分かると思うんです。
これは今お話しした馬淵先生の論文の共同者になって

今年出たんですけれども、去年この結果を知っていた筈なんです。
だから、ww・・「増えるという事が分かっても驚かない」なんていうふうにおっしゃったんだけど、
「増えている」というふうにおっしゃればいい訳なんです。
自分でやっている研究なんですから。
で、全ての白血病も、事故処理者に増えているという事です。
今度は、イギリスの自然放射線ですね。

土の中に何%か持つ、いろいろなラドンが多いですか、イギリスなんかでは。
ラドンで何%か被ばくをすると言っていますけれども、
こういうところの子どもたちに白血病が増えているという事が、最近、
これも本当に最近わかった事です。
これは上が白血病で下が全がんですけれども、
これが5ミリシーベルト、

10ミリシーベルト、15ミリシーベルト。
だから自然放射線でも、
こういうふうに5ミリシーベルトや10ミリシーベルトぐらいでも、
コントロールの・・相対係数1と書いてあるところが、コントロールです。対象群です。
それよりも増えているという事が、これを見ればわかると。
つづく
ーー東京新聞の記事を探しましたーー

被ばくリスク 具体的な説明を
東京新聞 2011年9月
専門家会議 馬淵清彦座長に聞く
国際専門家会議に座長として参加した馬淵清彦・米国立がん研究所チェルノブイリ研究ユニット長に
原発事故の影響についての考えを聞いた。
Q:チェルノブイリと福島との違いは。
馬淵:
放射性物質の方ぢゅつ量がかなり違い、しかも一部は海に流れている。
住民の被ばく量はずっと少ない。
Q:最近チェルノブイリでは膀胱がんが増えているという研究が出たが。
馬淵:
癌はいろいろな原因で増える。
膀胱がんに関しては、高齢化が進んでいるためかもしれない。
現在のデータからは何とも言えない。
認められているのは小児の甲状腺がんの増加だけだ。
ただ、白血病などに関して今後の研究で増えているという事が分かっても驚かない。
Q:福島住民のために今後できる事は。
馬淵:
個人個人に対しては、自分の被ばく量を知ることで不安を減らすことができるだろう。
その際、根本的に確立を理解してもらうように、説明を工夫しなくてはならない。
たとえば喫煙や車の運転など、他のリスクと比較するとわかりやすい。
リスクを説明する専門家の応援が必要になるかもしれない。
「心配するな」というのではなく、データを示して本人に判断してもらう方がいい。
会議で米国の研究者が指摘したように心の健康にも留意しなくてはならない。
福島県では200万人の健康調査をする計画がある。
長期間、継続的な調査研究が重要である。
まぶち・きよひこ
2000年から米国・ワシントンの国立がん研究所で研究。
チェルノブイリ周辺の甲状腺がんや白血病の疫学研究が専門。
阪大卒。
広島市の放射線影響研究所疫学部長などを経て渡米。
70歳。
ーーー
「小児甲状腺がん事故無関係」危うい即断 チェルノブイリ翌年から増加
医師の菅谷松本市長が警鐘9/27東京新聞
<一部抜粋>
菅谷市長が注目するのは、ベラルーシの場合、
86年には2例だった小児甲状腺がんが、翌年には新たに4例、
88年には5例、89年には7例と増加している点だ。
今回の福島県での結果(検査対象は18歳以下)について、
検査を担当する県立医大の鈴木眞一教授は
「チェルノブイリ事故でも、甲状腺がんが見つかったのは最短4年」と説明したが、
同市長は
「事故後、早い時期に甲状腺がんが発症する可能性は否定できない。
現段階では『わからない』としか言えないはずだ」と即断をいさめる。
福島の子どもひとりに”甲状腺がん”
「原発事故が原因の可能性は低い」福島県立医科大学鈴木教授9/11たねまきJ(内容書き出し・参考あり)
<一部抜粋>
その理由を福島県立医科大学の鈴木眞一教授は、
「チェルノブイリでも甲状腺がんは発症まで最も短くて4年かかっている
福島では広島・長崎のような外部被ばくやチェルノブイリのような内部被ばくも起きていない」
と話しています。
「日本の子どもはチェルノブイリとは違ってヨウドが過剰だから大丈夫!」
県民健康管理調査『甲状腺検査』説明会 11/10鈴木眞一氏質疑応答(内容書き出し)
「”市をあげての人体実験”南相馬・甲状腺がんは”38人中一人”・”命より便益”文科省の資料」
めぐちゃん10/17新橋駅前(スピーチ書き出し・参考)
千葉の小児科医の声「子どもの甲状腺がんについては非常に珍しいので医学部でも学ばない」
10/12金曜デモ文科省前(内容書き出し)
-20ミリシーベルトは安全かー
2012年11月24日「フクシマ・アクション・プロジェクト決起集会」より
動画はこちら↓
1.「という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです」
崎山比早子氏11/24(内容書き出し)
白血病は増えている
それから後、チェルノブイリの事故処理者。

チェルノブイリ事故の後ですね、現場を処理して放射性物質何かを綺麗に片づけた人ですね、
事故処理者。
そういう人たちの中に白血病が増えているということが、
これもまた最近、今年の11月に出た論文です。
こういう事故処理者の線量を推定して、どのくらい白血病が増えているか?という事を言ったのが
なんですけれども。

これは去年福島で国際専門家会議というのがありまして、去年の夏。
いつでしたっけ、9月でしたっけ?
それでこの馬淵さんという人がいらして、東京新聞にコメントを書いているんですけれども、
「認められているのは小児の甲状腺がんが増えたという事だけだ」という事を言っているんですね。
「今後、白血病が増えていくことが分かっても驚かない」というような事を、去年の新聞で言ってらした。
馬淵さんという方は、ずーっと広島の放影研で、原爆被爆者の追跡調査をずっとやっていらした方で、
だからずっと論文を書いていられて、その論文の中には癌以外のですね、
広島の被爆者の中に、心臓血管系の病気だとか呼吸器系の病気だとか
いろいろながん以外の病気が増えているという事を知っている人なんです。この人は。
そういう事を知っていながら、この福島で行われた国際会議の時に、
「チェルノブイリで増えたのは小児甲状腺がんだけ」という事をおっしゃった。
で、「白血病が増えてくることが分かっても驚かない」という事をおっしゃったんですね。
それで、この甲状腺がんのことだけえをみてるんですね。

これは、この黒いのが小児です。子どもです。
これ(グレー)が青年ですね。
白い棒は40歳以上のがんです。
確かに早く増えたっていうのは、この小児ですね。
鈴木先生がよく「4年後ぐらいから増えた」なんて言う事をおっしゃっていますけれども、

チェルノブイリで甲状腺の手術をずっとしていらした菅谷先生は、
「もう次の年から甲状腺がんが増えている」という事をおっしゃっています。
で、甲状腺は小児甲状腺がんだけではなくて、これをみると、
これは45歳以上です。
ですから当時、20歳以上ですね。
当時20歳以上の人の甲状腺がんが増えている。
この甲状腺がん一つとってみても小児だけではないという事がよく分かると思うんです。
これは今お話しした馬淵先生の論文の共同者になって

今年出たんですけれども、去年この結果を知っていた筈なんです。
だから、ww・・「増えるという事が分かっても驚かない」なんていうふうにおっしゃったんだけど、
「増えている」というふうにおっしゃればいい訳なんです。
自分でやっている研究なんですから。
で、全ての白血病も、事故処理者に増えているという事です。
今度は、イギリスの自然放射線ですね。

土の中に何%か持つ、いろいろなラドンが多いですか、イギリスなんかでは。
ラドンで何%か被ばくをすると言っていますけれども、
こういうところの子どもたちに白血病が増えているという事が、最近、
これも本当に最近わかった事です。
これは上が白血病で下が全がんですけれども、
これが5ミリシーベルト、

10ミリシーベルト、15ミリシーベルト。
だから自然放射線でも、
こういうふうに5ミリシーベルトや10ミリシーベルトぐらいでも、
コントロールの・・相対係数1と書いてあるところが、コントロールです。対象群です。
それよりも増えているという事が、これを見ればわかると。
つづく
ーー東京新聞の記事を探しましたーー

被ばくリスク 具体的な説明を
東京新聞 2011年9月
専門家会議 馬淵清彦座長に聞く
国際専門家会議に座長として参加した馬淵清彦・米国立がん研究所チェルノブイリ研究ユニット長に
原発事故の影響についての考えを聞いた。
Q:チェルノブイリと福島との違いは。
馬淵:
放射性物質の方ぢゅつ量がかなり違い、しかも一部は海に流れている。
住民の被ばく量はずっと少ない。
Q:最近チェルノブイリでは膀胱がんが増えているという研究が出たが。
馬淵:
癌はいろいろな原因で増える。
膀胱がんに関しては、高齢化が進んでいるためかもしれない。
現在のデータからは何とも言えない。
認められているのは小児の甲状腺がんの増加だけだ。
ただ、白血病などに関して今後の研究で増えているという事が分かっても驚かない。
Q:福島住民のために今後できる事は。
馬淵:
個人個人に対しては、自分の被ばく量を知ることで不安を減らすことができるだろう。
その際、根本的に確立を理解してもらうように、説明を工夫しなくてはならない。
たとえば喫煙や車の運転など、他のリスクと比較するとわかりやすい。
リスクを説明する専門家の応援が必要になるかもしれない。
「心配するな」というのではなく、データを示して本人に判断してもらう方がいい。
会議で米国の研究者が指摘したように心の健康にも留意しなくてはならない。
福島県では200万人の健康調査をする計画がある。
長期間、継続的な調査研究が重要である。
まぶち・きよひこ
2000年から米国・ワシントンの国立がん研究所で研究。
チェルノブイリ周辺の甲状腺がんや白血病の疫学研究が専門。
阪大卒。
広島市の放射線影響研究所疫学部長などを経て渡米。
70歳。
ーーー
「小児甲状腺がん事故無関係」危うい即断 チェルノブイリ翌年から増加
医師の菅谷松本市長が警鐘9/27東京新聞
<一部抜粋>
菅谷市長が注目するのは、ベラルーシの場合、
86年には2例だった小児甲状腺がんが、翌年には新たに4例、
88年には5例、89年には7例と増加している点だ。
今回の福島県での結果(検査対象は18歳以下)について、
検査を担当する県立医大の鈴木眞一教授は
「チェルノブイリ事故でも、甲状腺がんが見つかったのは最短4年」と説明したが、
同市長は
「事故後、早い時期に甲状腺がんが発症する可能性は否定できない。
現段階では『わからない』としか言えないはずだ」と即断をいさめる。
福島の子どもひとりに”甲状腺がん”
「原発事故が原因の可能性は低い」福島県立医科大学鈴木教授9/11たねまきJ(内容書き出し・参考あり)
<一部抜粋>
その理由を福島県立医科大学の鈴木眞一教授は、
「チェルノブイリでも甲状腺がんは発症まで最も短くて4年かかっている
福島では広島・長崎のような外部被ばくやチェルノブイリのような内部被ばくも起きていない」
と話しています。
「日本の子どもはチェルノブイリとは違ってヨウドが過剰だから大丈夫!」
県民健康管理調査『甲状腺検査』説明会 11/10鈴木眞一氏質疑応答(内容書き出し)
「”市をあげての人体実験”南相馬・甲状腺がんは”38人中一人”・”命より便益”文科省の資料」
めぐちゃん10/17新橋駅前(スピーチ書き出し・参考)
千葉の小児科医の声「子どもの甲状腺がんについては非常に珍しいので医学部でも学ばない」
10/12金曜デモ文科省前(内容書き出し)
2012年11月24日「フクシマ・アクション・プロジェクト決起集会」より
動画はこちら↓
1.「という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです」
崎山比早子氏11/24(内容書き出し)
CTの危険
それからこれはCTですけれども、

子どもにCTというのはよく撮ると思うんですね。
頭をちょっとぶつけたり、おなかが痛いって言ったりしてCTを撮る機会があると思うんですけれども、
これはイギリスの例ですけれども、
0歳から20歳までの間で、CT検査を受けた子どもに、
白血病と脳腫瘍が増えるという論文が、最近ランセットというイギリスの医学雑誌に載りました。

これを見てみますと、やはり線量に比例して、リスク、癌になる、白血病、脳腫瘍になる危険性というのは、
線量に比例して増えるというのがこれでお分かりになると思うんですね。
で、どのぐらいか?といいますと、たとえば
1ミリグレイ浴びると1.036倍白血病が増える。
1ミリグレイで1.023倍脳腫瘍が増える。
約30ミリシーベルト浴びると、3倍になるんですね、白血病が。
それから脳腫瘍だと、60ミリシーベルトで3倍になる。
そういう結果になっています。
ですから子どもというのはよく頭を打ったりして、
お医者さんに連れていくと「念のためCT撮りましょう」ということがよくあると思うんですけれども、
どうしても必要な場合、
CTを撮らなければ診断ができないとか、あるいは治療方針が決まらないとか、
どうしても必要な場合は受けなければいけないんですけれども、
そうじゃない場合ですね、
「ちょっと念のために撮っておきましょう」というような感じではCT検査は受けない方がいい。
何故かといいますと、胸の単純なエックス線撮影というのがありますけれども、
みなさんよく胸の撮影をなさったことがない方はいらっしゃいませんよね。
学校でよく、毎年撮っていた、
私たちの年代は毎年撮っていましたが、
その胸のエックス線撮影の大体200倍から400倍ぐらい線量が高いです。
ですからCTを撮るというのは気を付けた方がいい。
つづく
ーーー
被ばくと検診と癌の関係
動画はこちら↓
1.「という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです」
崎山比早子氏11/24(内容書き出し)
CTの危険
それからこれはCTですけれども、

子どもにCTというのはよく撮ると思うんですね。
頭をちょっとぶつけたり、おなかが痛いって言ったりしてCTを撮る機会があると思うんですけれども、
これはイギリスの例ですけれども、
0歳から20歳までの間で、CT検査を受けた子どもに、
白血病と脳腫瘍が増えるという論文が、最近ランセットというイギリスの医学雑誌に載りました。

これを見てみますと、やはり線量に比例して、リスク、癌になる、白血病、脳腫瘍になる危険性というのは、
線量に比例して増えるというのがこれでお分かりになると思うんですね。
で、どのぐらいか?といいますと、たとえば
1ミリグレイ浴びると1.036倍白血病が増える。
1ミリグレイで1.023倍脳腫瘍が増える。
約30ミリシーベルト浴びると、3倍になるんですね、白血病が。
それから脳腫瘍だと、60ミリシーベルトで3倍になる。
そういう結果になっています。
ですから子どもというのはよく頭を打ったりして、
お医者さんに連れていくと「念のためCT撮りましょう」ということがよくあると思うんですけれども、
どうしても必要な場合、
CTを撮らなければ診断ができないとか、あるいは治療方針が決まらないとか、
どうしても必要な場合は受けなければいけないんですけれども、
そうじゃない場合ですね、
「ちょっと念のために撮っておきましょう」というような感じではCT検査は受けない方がいい。
何故かといいますと、胸の単純なエックス線撮影というのがありますけれども、
みなさんよく胸の撮影をなさったことがない方はいらっしゃいませんよね。
学校でよく、毎年撮っていた、
私たちの年代は毎年撮っていましたが、
その胸のエックス線撮影の大体200倍から400倍ぐらい線量が高いです。
ですからCTを撮るというのは気を付けた方がいい。
つづく
ーーー
被ばくと検診と癌の関係
国会事故調から見た放射能問題
-20ミリシーベルトは安全かー
2012年11月24日「フクシマ・アクション・プロジェクト決起集会」
23:45~
崎山比早子氏

皆さんこんにちは、崎山です。
国会事故調委員と書いてありますけれども、元です。
国会事故調の報告書を7月7日に出しまして、その日にもう解任されましたので、
今はもう委員ではありません。
私は今までずっと放射線の遺伝子に与える影響の事をずっとお話してきました。
それでどこでも同じような話しをしていますので、皆さんそれは飽きちゃったんじゃないかなという感じで、
今日は少し視点をお変えてお話したいと思います。
低線量被ばくのリスク
事故後盛んに低線量被ばくのリスクで言われていたことは
100ミリシーベルト以下ではリスクがないと、ほとんど分からないと。
100ミリシーベルトでもがん死率は0.5%上昇するだけなので、
疫学調査で調べても、他の癌になる原因に隠れてしまってわからない。
そういうことを原子力安全委員会とか文部科学省や福島医学大学学長とか、
いろいろな人たちがおっしゃっていたんですね。
で、がん以外の疾患は引き起こさないというのもその中に埋まっているわけです。
本当に…それじゃ癌の事なんですけれども、
癌になる原因というのはどういう事があるのかをまず考えてみたいと思うんですね。

それは遺伝子ですね、DNAに放射線は非常に大きなエネルギーを持っていますので、傷を付ける。
細胞は傷をそのままにしておくと死んでしまうので修復する。
修復するんですけれども、それを間違える。
間違えたが為に突然変異が起こって、そのために癌になるということなんですね。
それじゃあ、原因になるそのDNAの傷というのはどのぐらいの放射線の強さから出てくるのか?っていうと、
放射線は一本細胞の核を通ってDNAを傷付けてもその複雑な傷はつく。
それはなぜか?というと、
私たちの身体を構成している分子が結びついている力と
放射線の力というのは1万5000倍から2万倍大きい。
しかもそれで1本通ったとしても傷がつくんだ。
だからこれは、放射線が1本通っただけでも癌になる原因はある。ということなんですね。
これはもう理論的に全然異論のないところです。
放射線による発がんのメカニズムという所では異論がない。
これはその説明ですけれども、

放射線が細胞の核のDNAに傷を付けた。
それの傷の直し間違いが変異を起こす。
いったん細胞に変異が起きますと、その変異というのは元に戻らない。
細胞がそこに生きている限り、ずっと残るわけです。
その残った細胞がまた増結するわけですね。分裂して増えていく。
その時にDNAというのは倍に増えるのですけれども、
DNAの増え方というのは、非常に忠実に、
DNAが2倍になる時に、そのあったDNAと同じものができるわけです。
で、そういう時に、変異があってもそれはそのまま蘇生される。
だから、細胞はその子孫にずっと伝わっていく。
そういう細胞にまた放射線が当たってですね、変異、または直し間違いが起こると、
他の遺伝子の所に変異が起こるという事で、
変異が細胞の中にたまっていくという事になります。
という事は、放射線のリスクというのは、蓄積していくという事なのです。
放射線作業従事者が線量計をつけて作業をする。
それは何故か?と言いますと、その時の放射線量をどの位浴びたかというのを記録するわけですね。
それがいくら1マイクロシーベルトであっても、0.1マイクロシーベルトであっても、
それが細胞の遺伝子に傷を付けるということには変わりがないわけです。
ですから、少しの被ばくでも全部積算して、最後に累積した線量でリスクを推定する。
それは世界中の放射線作業従事者はやっていることなんですね。
ですから、
もし少ない線量でそういうリスクがないんだったならば、足す必要はないわけです。
足すという事は、リスクがあることを認めているから足しているんですね。
それはもう世界中共通な事です。
癌
で、これは癌の話しになるわけですけれども、

癌というのは、遺伝子が変化して起こる病気で、
インフルエンザや食中毒のように外から原因が入ってきて、治ればきれいさっぱり治る。
そういうものではないんですね。
自分の持っている遺伝子が変化して起きるのが癌。
で、その癌になるのが、一つの遺伝子の変化では起きない。
それも通説になっています。
いくつかの遺伝子の変化が積み重なって癌になる。
ですから、一番初めに放射線が当たって、がん遺伝子の活性化というものが起こると、
一つ階段を上ることになるわけです。
それを上って、そういう細胞というのは、遺伝子が放射線によって傷ついたわけです。
で、それを直したとしてもその細胞というのは遺伝的不安定性という性質を獲得するわけです。
遺伝的不安定性とはどうおいう事かというと、実態はよく分かっていないんですが、
とにかく現象として、変異を起こしやすくなる。変わりやすくなる。
そういう性質を獲得するわけですね。
ですからそういう細胞がずっと生きていると、この階段を上って、最終的に癌になるということになる。
ただ、一歩その癌への階段をのぼったからと言って、全てが癌になるわけではない。
途中で死んでしまう細胞もあるでしょうし、
もし、癌になったとしても、身体の中の免疫システムでそれが殺される可能性もある。
ですから、そういう訳で一歩がん遺伝子の活性化が起こったとしても、
最後まで、悪性化になるまでにかなりの時間がかかって、
身体の中に癌ができるというのはそんなに頻繁に起こることではないんですね。
そういう事で、癌になるにはいろいろな遺伝子が変化しなければ出来ない。
ですから、癌になるまでに時間がかかるという事は、
高齢化社会ですね、日本のような高齢化社会ですと癌が増えるというのは当然なことな訳です。
それは、ある意味、放射線が当たったりなんかしなければですね、
一種の寿命と言ってもいいはずなんですね。
高齢化すれば、人は誰でも何らかの理由で死ぬわけです。
長生きして、自分の遺伝子が自然に変化していっ癌で死ぬと言ったら、それは自分かもしれない。
ただ、いまのように放射能が原発事故のところから出てきてですね、
本来なら被ばくしなくても済むような小さい子たちが被ばくをするという事になると、
いくら、たとえば30年かかったとしても、
ゼロ歳の子が被ばくするのと、60歳の人が被ばくするのとでは意味が違うわけです。
60歳の人が被ばくして30年後に癌になる。
その時は90歳ですから、ま、それは寿命というふうに考えてもいいかもしれない。
でも、ゼロ歳の子が被ばくをする。
そうすると30年後というのは30歳ですよね。
だからそういう意味でも子どもの被ばくというのは、非常に気をつけなければいけないということです。
非がん性疾患
で、今がんの話をしましたけれども、
放射線被ばくでどういう障害が起きてくるか、
癌だけではなくて非がん性疾患というものもあるんです。
それを調査した集団というのは沢山あるんですけれども、
一番よく知られているのが広島長崎の原爆被爆者ですね。
それからチェルノブイリ事故の被ばく者。
あと、核施設で働いている、原子力発電所とかですね、そういう所で働いている作業従事者とか、
そういう人の健康調査というのもあります。
それからテチャ川という川があるんですけれども、
これは旧ソ連にあって、そこは核兵器をつくっていたマヤークという核兵器工場があるんですが、
そこから住民に知らせないで、テチャ川という所に核廃棄物を流したんですね。
そこの流域の人達は随分癌になって、亡くなった方も…そういう調査がある。
※2.「1957年ソ連マヤーク核施設の爆発とテチャ川の汚染」
終わらない悪夢2009年仏(内容書き出し)
それから自然放射線が高いところ、
そういう所で自然放射線の低いところと比べると、癌が加発するかどうか。
そういうような調査も沢山あります。
今日ご紹介するのは、広島長崎とチェルノブイリと、
それから自然放射線が高い地域の白血病ですね、子どもの白血病が増えるというような話をします。
一番よく知られている広島長崎なんですけれども、
これは被爆後5年経ってから始まったわけですね。

1950年ですから、5年経ったあとから始めたんで、
放射線に感受性が高い方は、もうすでに亡くなっているということがあるんで、
ですからそういう意味で、この疫学調査はバイアスがかかっていると考えられています。
そういう事をよく知った上で、調査結果を見た方がいいと。
で、広島の原爆症はみんな高線量被ばくだというように考えられている方が多いと思うんですが、
高線量被ばくの方はもうみんな亡くなっちゃったわけです、急性障害で。
生き残った人をずーっと追跡調査しているんです。
ですから、その追跡調査の平均被ばく線量というのは200ミリシーベルトです。
低いですよ。
それで、50%以上の人が50ミリシーベルト以下。
で、最近出たのが1950年から2003年までの結果ですね。

これを見てみますと、ゼロからずっと赤い線が引いてある
これは実際の経過もありますけれども、それをずっと引いていくと、
閾値無しの直線モデルと言っているんですけれども、
ある線量以下では、急にリスクが無くなる、ゼロになるという線量はないんですね。
上からずーっとゼロまで、直線的に延びています。
これで、放射線に安全量がないという事が言えるわけですが、
低い線量の部分ですね、低い線量の部分はちょっと分かり辛いので、拡大して見てみるという事で、

すると、線量当たりでどのくらいリスクがあるか、危険性があるかという、
そういう事に計算し直すと、
そうすると、全部の線量を計算した場合には、
1グレイ。
1グレイというのは1シーベルトと同じです。
1シーベルト当たり、がん死亡率が1.42倍になるんです。
ところがですね、200ミリシーベルト以下のところを見てみると、
1シーベルト当たり1.56倍にがん死率が増える。
これは、過剰相対リスクというふうに書いてあるので、
対照群が、対照群を1とすると、どれぐらい増えるのか?という事だと0.56になる
相対リスクで対照群からどのくらい増えるか?と言うと1.56倍になる。
対照群から何倍になるか?と言うと1.56倍になるという事なんです。
ですから、現況を見ると1.42倍なんだけれども、
200ミリシーベルト以下を見てみると、1シーベルト当たり1.56倍になる。
という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです。
これがなぜこうなっているのかという理由は、
まだ分からないというのが業界の論文には書いてあるんですけれども、
あの、これを見てですね、
100ミリシーベルト以下、あるいは20ミリシーベルトは、
「リスクがない」、あるいは「分からない」とは言えないと思うんですね。
ポインターがないので。ここがコントロール

上の線が全体で、
コントロールから被ばくした人が多いか何ですね、ですから20ミリシーベルトを被ばくした場合は、
これが20ミリシーベルト被ばくした人の癌死率です

そういうことを考えると、0.1というのは、100ミリシーベルトというのはこれですけれども、

これ以下になるとリスクがゼロ以下になる
あるいはゼロと同じという事は言えないという事が分かると思いますね。
こういう図をみなさんが知っているという事が大切です。
で、専門家は結構ごまかしますから、こういう事をみなさんがご存じだったら、
専門家が「わかりません」と言っても「そうじゃないでしょ」と言えると思うんですね。
ですから、こういう結果を知っておくという事が大切です。
今までは全固形がんについていっているわけですけれども、
一つ一つの臓器を見てみますと、臓器によって随分感受性が違うんですね。

たとえば肺とか、それから女性の場合は乳房ですね。
それから、腎臓とか膀胱とか、
そういうところは全体の平均したところよりも感受性が高い。
臓器によって随分放射線の感受性が違うという事です。
それから後、内部調査があります。

男性よりも女性の方が、大体2倍ぐらい放射線に対する感受性が強いんですね。
あと白血病なんかを見てみますと、
他の固形がんよりもずっと、白血病の方が引き起こされやすい。
という事は、放射線を浴びた時に何が一番起きやすいか?というと白血病なんです。
白血病が起きやすい、こういうことなんです。
それから年齢差ですね。

これは年齢と性別ですけれども、黒い方が男性、それから白い方が女性で、
0歳から80歳までかいてあります。
たとえば40歳の女性は0歳の女の子と比べると大体
0歳の女の子は40歳の女性の感受性のだいたい4倍高ある。
そういう事を考えると、子どもたちが被ばくするという事は非常に深刻だという事です。
子どもたちは余命が長いんです。
余命が長いので、その後も被ばくしたり他の発がん物質があったり、
そういうことで癌になる機会がある。
そういうことに加えてさらに子どもたちは感受性が高いということがあって、
子どもの被ばくというのは気をつけなければいけない。
つづく
-20ミリシーベルトは安全かー
2012年11月24日「フクシマ・アクション・プロジェクト決起集会」
23:45~
崎山比早子氏

皆さんこんにちは、崎山です。
国会事故調委員と書いてありますけれども、元です。
国会事故調の報告書を7月7日に出しまして、その日にもう解任されましたので、
今はもう委員ではありません。
私は今までずっと放射線の遺伝子に与える影響の事をずっとお話してきました。
それでどこでも同じような話しをしていますので、皆さんそれは飽きちゃったんじゃないかなという感じで、
今日は少し視点をお変えてお話したいと思います。
低線量被ばくのリスク
事故後盛んに低線量被ばくのリスクで言われていたことは
100ミリシーベルト以下ではリスクがないと、ほとんど分からないと。
100ミリシーベルトでもがん死率は0.5%上昇するだけなので、
疫学調査で調べても、他の癌になる原因に隠れてしまってわからない。
そういうことを原子力安全委員会とか文部科学省や福島医学大学学長とか、
いろいろな人たちがおっしゃっていたんですね。
で、がん以外の疾患は引き起こさないというのもその中に埋まっているわけです。
本当に…それじゃ癌の事なんですけれども、
癌になる原因というのはどういう事があるのかをまず考えてみたいと思うんですね。

それは遺伝子ですね、DNAに放射線は非常に大きなエネルギーを持っていますので、傷を付ける。
細胞は傷をそのままにしておくと死んでしまうので修復する。
修復するんですけれども、それを間違える。
間違えたが為に突然変異が起こって、そのために癌になるということなんですね。
それじゃあ、原因になるそのDNAの傷というのはどのぐらいの放射線の強さから出てくるのか?っていうと、
放射線は一本細胞の核を通ってDNAを傷付けてもその複雑な傷はつく。
それはなぜか?というと、
私たちの身体を構成している分子が結びついている力と
放射線の力というのは1万5000倍から2万倍大きい。
しかもそれで1本通ったとしても傷がつくんだ。
だからこれは、放射線が1本通っただけでも癌になる原因はある。ということなんですね。
これはもう理論的に全然異論のないところです。
放射線による発がんのメカニズムという所では異論がない。
これはその説明ですけれども、

放射線が細胞の核のDNAに傷を付けた。
それの傷の直し間違いが変異を起こす。
いったん細胞に変異が起きますと、その変異というのは元に戻らない。
細胞がそこに生きている限り、ずっと残るわけです。
その残った細胞がまた増結するわけですね。分裂して増えていく。
その時にDNAというのは倍に増えるのですけれども、
DNAの増え方というのは、非常に忠実に、
DNAが2倍になる時に、そのあったDNAと同じものができるわけです。
で、そういう時に、変異があってもそれはそのまま蘇生される。
だから、細胞はその子孫にずっと伝わっていく。
そういう細胞にまた放射線が当たってですね、変異、または直し間違いが起こると、
他の遺伝子の所に変異が起こるという事で、
変異が細胞の中にたまっていくという事になります。
という事は、放射線のリスクというのは、蓄積していくという事なのです。
放射線作業従事者が線量計をつけて作業をする。
それは何故か?と言いますと、その時の放射線量をどの位浴びたかというのを記録するわけですね。
それがいくら1マイクロシーベルトであっても、0.1マイクロシーベルトであっても、
それが細胞の遺伝子に傷を付けるということには変わりがないわけです。
ですから、少しの被ばくでも全部積算して、最後に累積した線量でリスクを推定する。
それは世界中の放射線作業従事者はやっていることなんですね。
ですから、
もし少ない線量でそういうリスクがないんだったならば、足す必要はないわけです。
足すという事は、リスクがあることを認めているから足しているんですね。
それはもう世界中共通な事です。
癌
で、これは癌の話しになるわけですけれども、

癌というのは、遺伝子が変化して起こる病気で、
インフルエンザや食中毒のように外から原因が入ってきて、治ればきれいさっぱり治る。
そういうものではないんですね。
自分の持っている遺伝子が変化して起きるのが癌。
で、その癌になるのが、一つの遺伝子の変化では起きない。
それも通説になっています。
いくつかの遺伝子の変化が積み重なって癌になる。
ですから、一番初めに放射線が当たって、がん遺伝子の活性化というものが起こると、
一つ階段を上ることになるわけです。
それを上って、そういう細胞というのは、遺伝子が放射線によって傷ついたわけです。
で、それを直したとしてもその細胞というのは遺伝的不安定性という性質を獲得するわけです。
遺伝的不安定性とはどうおいう事かというと、実態はよく分かっていないんですが、
とにかく現象として、変異を起こしやすくなる。変わりやすくなる。
そういう性質を獲得するわけですね。
ですからそういう細胞がずっと生きていると、この階段を上って、最終的に癌になるということになる。
ただ、一歩その癌への階段をのぼったからと言って、全てが癌になるわけではない。
途中で死んでしまう細胞もあるでしょうし、
もし、癌になったとしても、身体の中の免疫システムでそれが殺される可能性もある。
ですから、そういう訳で一歩がん遺伝子の活性化が起こったとしても、
最後まで、悪性化になるまでにかなりの時間がかかって、
身体の中に癌ができるというのはそんなに頻繁に起こることではないんですね。
そういう事で、癌になるにはいろいろな遺伝子が変化しなければ出来ない。
ですから、癌になるまでに時間がかかるという事は、
高齢化社会ですね、日本のような高齢化社会ですと癌が増えるというのは当然なことな訳です。
それは、ある意味、放射線が当たったりなんかしなければですね、
一種の寿命と言ってもいいはずなんですね。
高齢化すれば、人は誰でも何らかの理由で死ぬわけです。
長生きして、自分の遺伝子が自然に変化していっ癌で死ぬと言ったら、それは自分かもしれない。
ただ、いまのように放射能が原発事故のところから出てきてですね、
本来なら被ばくしなくても済むような小さい子たちが被ばくをするという事になると、
いくら、たとえば30年かかったとしても、
ゼロ歳の子が被ばくするのと、60歳の人が被ばくするのとでは意味が違うわけです。
60歳の人が被ばくして30年後に癌になる。
その時は90歳ですから、ま、それは寿命というふうに考えてもいいかもしれない。
でも、ゼロ歳の子が被ばくをする。
そうすると30年後というのは30歳ですよね。
だからそういう意味でも子どもの被ばくというのは、非常に気をつけなければいけないということです。
非がん性疾患
で、今がんの話をしましたけれども、
放射線被ばくでどういう障害が起きてくるか、
癌だけではなくて非がん性疾患というものもあるんです。
それを調査した集団というのは沢山あるんですけれども、
一番よく知られているのが広島長崎の原爆被爆者ですね。
それからチェルノブイリ事故の被ばく者。
あと、核施設で働いている、原子力発電所とかですね、そういう所で働いている作業従事者とか、
そういう人の健康調査というのもあります。
それからテチャ川という川があるんですけれども、
これは旧ソ連にあって、そこは核兵器をつくっていたマヤークという核兵器工場があるんですが、
そこから住民に知らせないで、テチャ川という所に核廃棄物を流したんですね。
そこの流域の人達は随分癌になって、亡くなった方も…そういう調査がある。
※2.「1957年ソ連マヤーク核施設の爆発とテチャ川の汚染」
終わらない悪夢2009年仏(内容書き出し)
それから自然放射線が高いところ、
そういう所で自然放射線の低いところと比べると、癌が加発するかどうか。
そういうような調査も沢山あります。
今日ご紹介するのは、広島長崎とチェルノブイリと、
それから自然放射線が高い地域の白血病ですね、子どもの白血病が増えるというような話をします。
一番よく知られている広島長崎なんですけれども、
これは被爆後5年経ってから始まったわけですね。

1950年ですから、5年経ったあとから始めたんで、
放射線に感受性が高い方は、もうすでに亡くなっているということがあるんで、
ですからそういう意味で、この疫学調査はバイアスがかかっていると考えられています。
そういう事をよく知った上で、調査結果を見た方がいいと。
で、広島の原爆症はみんな高線量被ばくだというように考えられている方が多いと思うんですが、
高線量被ばくの方はもうみんな亡くなっちゃったわけです、急性障害で。
生き残った人をずーっと追跡調査しているんです。
ですから、その追跡調査の平均被ばく線量というのは200ミリシーベルトです。
低いですよ。
それで、50%以上の人が50ミリシーベルト以下。
で、最近出たのが1950年から2003年までの結果ですね。

これを見てみますと、ゼロからずっと赤い線が引いてある
これは実際の経過もありますけれども、それをずっと引いていくと、
閾値無しの直線モデルと言っているんですけれども、
ある線量以下では、急にリスクが無くなる、ゼロになるという線量はないんですね。
上からずーっとゼロまで、直線的に延びています。
これで、放射線に安全量がないという事が言えるわけですが、
低い線量の部分ですね、低い線量の部分はちょっと分かり辛いので、拡大して見てみるという事で、

すると、線量当たりでどのくらいリスクがあるか、危険性があるかという、
そういう事に計算し直すと、
そうすると、全部の線量を計算した場合には、
1グレイ。
1グレイというのは1シーベルトと同じです。
1シーベルト当たり、がん死亡率が1.42倍になるんです。
ところがですね、200ミリシーベルト以下のところを見てみると、
1シーベルト当たり1.56倍にがん死率が増える。
これは、過剰相対リスクというふうに書いてあるので、
対照群が、対照群を1とすると、どれぐらい増えるのか?という事だと0.56になる
相対リスクで対照群からどのくらい増えるか?と言うと1.56倍になる。
対照群から何倍になるか?と言うと1.56倍になるという事なんです。
ですから、現況を見ると1.42倍なんだけれども、
200ミリシーベルト以下を見てみると、1シーベルト当たり1.56倍になる。
という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです。
これがなぜこうなっているのかという理由は、
まだ分からないというのが業界の論文には書いてあるんですけれども、
あの、これを見てですね、
100ミリシーベルト以下、あるいは20ミリシーベルトは、
「リスクがない」、あるいは「分からない」とは言えないと思うんですね。
ポインターがないので。ここがコントロール

上の線が全体で、
コントロールから被ばくした人が多いか何ですね、ですから20ミリシーベルトを被ばくした場合は、
これが20ミリシーベルト被ばくした人の癌死率です

そういうことを考えると、0.1というのは、100ミリシーベルトというのはこれですけれども、

これ以下になるとリスクがゼロ以下になる
あるいはゼロと同じという事は言えないという事が分かると思いますね。
こういう図をみなさんが知っているという事が大切です。
で、専門家は結構ごまかしますから、こういう事をみなさんがご存じだったら、
専門家が「わかりません」と言っても「そうじゃないでしょ」と言えると思うんですね。
ですから、こういう結果を知っておくという事が大切です。
今までは全固形がんについていっているわけですけれども、
一つ一つの臓器を見てみますと、臓器によって随分感受性が違うんですね。

たとえば肺とか、それから女性の場合は乳房ですね。
それから、腎臓とか膀胱とか、
そういうところは全体の平均したところよりも感受性が高い。
臓器によって随分放射線の感受性が違うという事です。
それから後、内部調査があります。

男性よりも女性の方が、大体2倍ぐらい放射線に対する感受性が強いんですね。
あと白血病なんかを見てみますと、
他の固形がんよりもずっと、白血病の方が引き起こされやすい。
という事は、放射線を浴びた時に何が一番起きやすいか?というと白血病なんです。
白血病が起きやすい、こういうことなんです。
それから年齢差ですね。

これは年齢と性別ですけれども、黒い方が男性、それから白い方が女性で、
0歳から80歳までかいてあります。
たとえば40歳の女性は0歳の女の子と比べると大体
0歳の女の子は40歳の女性の感受性のだいたい4倍高ある。
そういう事を考えると、子どもたちが被ばくするという事は非常に深刻だという事です。
子どもたちは余命が長いんです。
余命が長いので、その後も被ばくしたり他の発がん物質があったり、
そういうことで癌になる機会がある。
そういうことに加えてさらに子どもたちは感受性が高いということがあって、
子どもの被ばくというのは気をつけなければいけない。
つづく
06.01
Wed
5月20日に衆議院で
科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件(放射線の健康影響について)があり
(参考人)
原子力安全委員会委員久住静代君
琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬君
高木学校元放射線医学総合研究所主任研究官
医学博士崎山比早子君
中部大学教授武田邦彦君
以上の方がたの参考人意見と質疑応答が行われました
医学博士崎山比早子の参考人意見です。
放射線がDNAに与える影響について
20110520 科学技術特別委員会
医学博士崎山比早子氏参考人意見
続きを読むに
議事録が作成されていましたのでその部分の内容書転記します。続きを読む
科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件(放射線の健康影響について)があり
(参考人)
原子力安全委員会委員久住静代君
琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬君
高木学校元放射線医学総合研究所主任研究官
医学博士崎山比早子君
中部大学教授武田邦彦君
以上の方がたの参考人意見と質疑応答が行われました
医学博士崎山比早子の参考人意見です。
放射線がDNAに与える影響について
20110520 科学技術特別委員会
医学博士崎山比早子氏参考人意見
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05.22
Sun
福島みずほ氏に対して 今まで特別な思いで政治で応援してきた事はあまりなかったのですが
今回の福島原発事故後では尊敬できる先生方との対談を沢山されています
そして勉強会も沢山されているようです
この、崎山比早子先生の医学の立場からの内部被曝に関する話しは
内容が簡潔でとても分かりやすいものです
元放射線医学総合研究所主任研究官
医学博士 崎山比早子氏
「放射線量基準値は我慢量」 2011/04/28
このブログの中でも
福島原発は津波ではなく地震で壊れた">福島原発は津波ではなく地震で壊れたと母乳におもう・・・遅すぎる不誠実すぎると。">
母乳におもう・・・遅すぎる不誠実すぎると。
の中で崎山比早子氏の解説の言葉が載っています
続きを読む
に福島みずほ氏のサイトに内容の書き出しがありましたので転記します
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今回の福島原発事故後では尊敬できる先生方との対談を沢山されています
そして勉強会も沢山されているようです
この、崎山比早子先生の医学の立場からの内部被曝に関する話しは
内容が簡潔でとても分かりやすいものです
元放射線医学総合研究所主任研究官
医学博士 崎山比早子氏
「放射線量基準値は我慢量」 2011/04/28
このブログの中でも
福島原発は津波ではなく地震で壊れた">福島原発は津波ではなく地震で壊れたと母乳におもう・・・遅すぎる不誠実すぎると。">
母乳におもう・・・遅すぎる不誠実すぎると。
の中で崎山比早子氏の解説の言葉が載っています
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