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10.24
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報道が決して国民に伝えないもの(1) 外国のエネルギー計画
(平成24年10月22日)武田邦彦

このシリーズで、
「日本の報道が決して国民に伝えないもの」をグラフや証拠と音声で整理を進めていこうと思っています。
「情報」は国民のものであって、一部の報道の専有物ではないと考えるからです。

第一回は「原発に変わるエネルギーを世界各国はどのように考えているか?」ということについて
絶対に必要なのに、決して伝えられないグラフを使います。


音声↓
http://takedanet.com/files/tdyno.290-%287%EF%BC%9A51%29.mp3

第二次世界大戦の前に、日本の報道が非常に戦争をあおる報道をしたと。
ドイツに頼ったわけですが、ヒットラーが日本人の事を「サル」と言っていたのを、ま、消してですね、
またアメリカの軍事力とか戦闘能力も隠して、
国民は戦争に突入したというような歴史があってですね、
戦後はそういうことの反省で、報道もかなり正確になってきましたが、
それも60年経ちまして、もうだんだんさびれてきましてですね、

この頃は報道が決して国民に伝えない事っていうのがあるんですね。
もちろんこれは重要な事を伝えない訳で、

大体の筋はですね、「政府の政策を進めるうえで具合の悪い報道はしない」というのが、
NHKなんかを中心とした考え方だと思うんですね。
この考え方がいいのかどうか?という事はよく分かりません。

つまり大政翼賛会的(※)な報道という事の方が日本の発展のために良いという考え方もありますけれどね、
もちろんその当人がそうしているのですから、
NHKの首脳部がそう思っていることは間違いないわけですが、

もうひとつの考え方は民主主義だから、国民には重要な情報を伝えるという、
二つの考え方があるわけですね。

で、現在に日本の報道は
「政府の政策に反するものは報道しない」という、基本的な姿勢がありますので、
このブログでは、それを補う意味で、私が個人で補う必要があるかは別としまして、
非常に重要なものを、ここではブログを使って伝えていきたいというふに思っております。

第1回は原発に代わるエネルギーを世界各国はどのように考えているか?という事で
私はエネルギーの方が専門ですので、典型的なグラフを一つ示したいと思います。


このグラフは世界の一次エネルギー消費という事で、
これはですね、資源エネルギー庁なんかも同じグラフを使っていると思いますし、
専門家によってグラフが違うという事のない、比較的使用しやすいグラフでありまして、
2005年ごろ作られたものであります。

世界のエネルギー資源

世界は大体石油換算で50億トンぐらいをそれぞれのものが使っている訳ですね。
石油も大体5~60億トン。
石炭もそう、天然ガスもそう、という事で、
この三つで大体そういうふうなグループを成しております。

それから少ないものでは原子力とか、いわゆる日本で言われる再生可能エネルギー。
ま、再生可能エネルギーというのは非常に怪しいものなので、
ちょっと定義が難しいので水力と。
これはまぁ大体10億トン以下のものであります。

こういったものが世界で使われているもので、
この中でミスプリントといえば原子力が7%か6%で減少するという図になっております。
これは多分、間違いで6%から7%だと思います。
それから、その他に%が随分変わっているのは、これはちょっと違う意味かもしれませんね。
あ、そうか!
これは%はですね、全体の量とそれから比率との関係ですね。
%は比率を書いてありますので、
たとえば石油ですと現在は37%。
量としては現在の36億トンぐらいが、将来54億トンぐらいに増えるんだけれども、
比率としては37が34に減るということですね。
ま、こういった事で増えるのは比率としては天然ガスが主ですよという事を示していえるわけですね。

このグラフで分かることは日本以外の国、ほとんどの国でですね、
実は2005年から2030年までに、何をエネルギーとして使っていくか?といいますと、
石油・石炭・天然ガスを増やしていくという事がほとんどなんですね。

伸び率で言いますと全体で1.9%のうち
天然ガスが2.5%
石炭1.7%
石油1.6%で伸びていくと、年間ですね。

原子力だとか、再生可能エネルギーだとか水力というものは
補助的なものとして考えられているという事ですね。

これは非常に重要なことです。

現在日本は
「原子力を止めたら再生可能エネルギーでやらなければならない」というような議論がされておりますが、
これは政府の方針であります。

私はこの政府の方針というのは日本国としてはいいことではなくて、
私の考えはですよ、
おそらくは原子力の利権を再生可能エネルギーの利権で取ろうとしていると思います。

つまりですね、石油・石炭・天然ガスではもう利権は取れないんですよね。
これは従来のエネルギーですから利権がとれないので新しいエネルギーを持ちだしてくる。

ところが私が最近のみなさんの質問なんかを見てるとですね、
どうも日本人は石油・石炭・天然ガスは無いと思っている傾向があるんですね。

ま、1000年後はどうなるか?というのはいろいろと議論があるんですが、
100年とか200年のところではですね、
「石油・石炭・天然ガスが無くなる」なんていう事を考えている他の国はないわけですね。

このグラフをおそらく、テレビや新聞なんかでご覧になった人はいないと思うんですよ。
たとえば日本ではですね、
「エネルギーの選択」と言って、政府がゼロ%・15%・25%といって、原子力の比率を示して、
これに対して、「どうするか?」っていうのが全部再生可能エネルギーなんですね。
それで「三つのケースを選びなさい」というのがあったんですが、
実はその時にこのグラフを出せなかったんですよね。

出しますとね、
「なんだ、石油・石炭・天然ガスでいいじゃないか」と、
再生可能エネルギーが可能だとか、42円だとかっていう事が
なんか関係あるの?って言う事だったんですね。

ところが、このグラフを報道が出さなかったのは、
これを出しますと、太陽電池の買い取り価格42円なんか潰れちゃいますからね。
もちろん石油・石炭・天然ガス買えばいいんですから。
それで「石油・石炭・天然ガスを買うと高くなる」って言ったらですね、
そんな事を言ったら他の国ですね、これはほとんど発展途上国なんですから、
「発展途上国ってそんなにお金があるの?」っていう事になって、
たちまちテレビの討論会なんかですと矛盾が出てきますね。

ですからこの事は絶対に隠すという事で、
報道が国民に決した伝えないグラフの一つであります。

このグラフと、この前政府がですね、エネルギー選択として国民に出した表との間に、
どうしてこんなに大きな開きがあるのか?

この前ある講演会に出ましたらですね、
「原発ゼロ%がいいんだけれど、再生可能エネルギーが30%もできることはないので、
やっぱり原発はなくすことができないんじゃないか?」っていうご意見の方がおられましたが、
その方はこのグラフをご覧になってないからなんですね。

当然テレビも新聞も絶対に伝えませんから、それは仕方がないんですが、
普通の考え方だったらですね、
「原子力をやめれば天然ガスでいこうじゃないか」と、素直にこうなりますからね。
別に天然ガスも日本の近くのシェールオイルだとか、
それからメタンハイドレードでなくても、べつに外国から買ってくればいいんで、

外国から買ってくるというのは全然どうってことないんですね。
というのは、かつてはエネルギーは特殊なものでしたけれど、
今では産出国が増えましたので、
自動車とかテレビと同じような工業製品なんですね。
エネルギーっていうのは今や工業製品なんです。
したがって、国内にテレビを作る会社が無いから、
テレビが無くて困っちゃうとか、そういう事が無いんですね。

工業製品は単なる輸出入の問題です。

食料だけはまたちょっと違うんですけれども、
他の事は工業製品になりましたので、
輸出入が止まるという事はちょっと考えにくい事なのでですね、
このグラフは非常に重要であると。
しかし重要であるが故に日本の報道は決して国民に伝えられない
ま、こういうものであります。


大政翼賛会(たいせいよくさんかい)
1940年(昭和15年)10月12日から1945年(昭和20年)6月13日まで存在していた公事結社。
国粋主義的勢力から社会主義的勢力までをも取り込んだ左右合同の組織である。





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10.24
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病気が2008年から2010年で大きく増えた
ベラルーシの子どもの健康はチェルノブイリ事故の後で悪化したという事を認めなければならない。
そして、循環器系、腫瘍、先天性異常、出生異常、目と関連する器官の疾病が、
チェルノブイリの影響を受けた子どもの間で増えていることが大きな問題である。

ーーー

ベラルーシの小児科医の話を聞いて
私が一番驚いたのは
チェルノブイリ事故1986年に起きたのに、
2010年になっても年を追うごとに心臓病などの病気が増加し続けているという事。
時が経つほどに、子どもたちの健康被害が増えているという事実です。



ベラルーシの小児科医の現地報告


in Geneva, on May 12th 2012 ベラルーシ 市民の放射線計測協会



医師12

牛乳、ベリー類ですね。
ベラルーシでは人口動態的に壊滅的な影響を被っています。
子どもの人口が減っています。
2011年初めには、わずか173万7400人しか子どもがいない状態です。

医師11

そしてこれが、18歳の子供を含めた数です。

次のスライドをご覧ください。

医師13

この2003年ですね、
2003年以降少しだけ増加したのがご覧いただけるかと思います。
しかし、死亡率がすごく高く、ですから人口は増えていない訳です。

人口動態的に非常に危険な状態にあります。
2003年以降増えていないという事が分かっているからです。

わたくしは小児科医です。
小児科医として、汚染地域、非汚染地域を問わず子どもを診ています。
そして2009年の公式のデータを参考にしながら申し上げたいと思います。

まず、第一の集団は子どもです。
健康に関する公式のデータを考えますと分かりますのは、
比べると子どもの健康が非常に悪化しているんです。

医師14

2007年から2009年には慢性疾患を患う子供の数が増えています。
そして2009年には健康な子どもが減って

医師15

健康な子どもが減る一方で慢性病の子どもが増えている訳です。
この表には健康省の公式データが示されています。
2009年、10年の間で、子どもが始めに病気にかかる症例というのを見ますと、
子どもの病気が年々増えているという事が分かります。

2010年
にはこのようなデータがあります。

医師16

ベラルーシの二つの地域、ゴメリおよびモゲギョフの地域での子どもの健康状態を調査しました。

非常に沢山の病気、たとえばですね、ま、
他の地域に比べはるかに多くの病気が見つかっているという事が分かりました。

医師17

1993年にはWHOによって、放射能による病気の上昇が研究されるようになりました。
そしてベラルーシの総人口、子ども成人を問わず
この全人口を見ましても、病気が2008年から2010年で大きく増えたという事が分かります。


癌はベラルーシの子供に大きな苦しみを与えていますが、
とくにゴメリ地域です。

医師18

ゴメリ地方に1989年から2006年の間で、甲状腺がんが増えています。


この疾病はベラルーシのほかの地域にもおいて、
都市部農村部を問わず、疾病が増加しています。

医師19

世界的にみるとこのような癌の症例が増えていますけれども、
このベラルーシの状況を他の旧ソ連の諸国と比較してみることが有効だと思います。
最も症例が多かったのがベラルーシです。

医師20

他の国々の数字もみられます。
そして旧ソ連諸国では下がってます。
WHOによりますと、25年間の間にチェルノブイリ関連のほかの疾病が増えているという事です。

医師21

科学は何かが起こっているという事は分かりますが、
子どもたちがたとえば動脈高血圧、といった様々な要因が重なって、
たとえば肥満ですとか喫煙、運動不足といったような、
昔から言われている要因が重なって、発生率が高まっているというのも確かにそうなんですけれども、
それだけではありません
非常に深刻な問題というのは、他の集団ですね、
ベラルーシ、他の集団を見ましても子どもに深刻な影響がみられます。
たとえば循環器系がチェルノブイリの影響で子どもの健康に悪影響を及ぼしています。
それが毎年増えています。
心臓疾患を患う子供の数も増えています。

このスライドでは新生児の心臓病について述べています。

医師22

たとえば先天性心臓奇形、これが全ての出生異常のうち30%を占めています。
この度合いは軽度のものから重度のものまで、
先天性心臓奇形には様々な病気がありますけれども、
毎年ベラルーシで生まれる90万人の子供のうち800人が先天性の心臓疾患を持って生まれてきます。
この、汚染が新生児の心臓の発達にどのような影響をおこすか?ということは、
公式には全く議論されていないのです。


これはわたくしが現在勤務しておりますクリニックからのデータです。

医師23

これには先天性心臓奇形、そして不整脈、伝導障害のデータがあります。
循環器系、心臓がダメージを受けております。
たとえば、不整脈や伝導障害が新生児で起こっております。

1995年から1996年には健康な子どもが。学童ですね。
小学児童を診察した結果、心臓外科医の治療を必要とする疾患が沢山見つかりました。

ゴメリなどでの調査が行われてから10年が経っていますが、
子どもの不整脈がさらに深刻な疾病に繋がっています。
心臓外科医は5歳6歳7歳の子供たちがすでに不整脈を患っているという事を日々目撃している訳です。

私がここでもうひとつ申し上げておきたいのは、目の問題です。
子どもの目の病気です。

医師24

たとえば白内障が子どものうちから発症しています。
こんな病気は高齢者にしか起こってはいけない問題なのです。
子どもには起こる筈がない病気が起こっているのです。


そしてここから三つの結論を引き出すことができると思います。

一つは、
ベラルーシの子どもの健康はチェルノブイリ事故の後で悪化したという事を認めなければならない。

そして、循環器系、腫瘍、先天性異常、出生異常、目と関連する器官の疾病が、
チェルノブイリの影響を受けた子どもの間で増えていることが大きな問題である。


そして、非常に重要なことは、具体的な対策を講じるという事。
政府の様々な、たとえば健康省など様々な部局が協力をして具体的な対策を取る
そうすることによって放射線防護の専門家が実際的な助言を行い、
科学者は予防策と治療を研究し導入することができるか、です。


ーーー

この日の他の講演↓
「チェルノブイリ事故以外の説明はあり得ない」
ダウン症・奇形・がん死亡率~隠されていた真実のデータ~アレクセイ・ヤブロコフ博士
(動画・内容書き出し)


「正しい情報を普及させるために」
ベルラド放射能安全研究所・アレクセイ・ネステレンコ所長(動画書き出し)


「日本で私はいろんな見解を持っている人に会いました」
ウラジーミル・バベンコ氏(動画・通訳書き出し)


ーーーー


これからの日本の未来を考えると、とても恐ろしくなります。
1日でも早く、対策を講じなければ、
人口密度の高い日本の汚染地域は大変なことになってしまう。

私たちは危機感を持たなければいけないのに、
一般的には広く知られていないこの問題。
NHKや各民放が視聴率の高い時間枠でどんどん、どんどん放送しなければいけない事なのではないか?
私はそう思います。
20年後、もっと後、日本の子供たちがさまざまな病に苦しむことになった時
今見て見ぬふりをし、知らない顔をしてどうでもいい番組を放送し続けている大手メディアの責任は
とてもとても重いものだと思います。






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