田中優さん 2013年4月20日
Sawada:本日は田中優さんに来ていただいています。優さんは今度本を出すそうですね。
田中:「放射能下の日本で暮らすには」というタイトルでちくま書房から本を出す事にしています。
Sawada:
なかなかタイトルとしてはシビアなタイトルになっていますが、
優さんが認識されている日本、東京エリアも含めどういうふうに認識されていますか?
田中:
日本で一番問題なのは、とにかく被害を過小評価し過ぎていて、それが心配なんですね。
たとえば、福島も今や20ミリシーベルト、1年間にですね。
そういう地域でも再び人が戻って行って住むというような状態になっちゃったんですが、
本来これは「1ミリシーベルトまで」というふうに上限が決まっているのに、
それが20ミリシーベルトにまで上げられちゃったんですね。
で、それを考えるとあんまりにも過小評価なんじゃないかって。
そして人々の方も困ったことに、
日本人というのはどうしても空気を読むんですよね。
周りの人達が「どうか」っていう事をいつも読んでそれで行動を決めていくから、
その結果実際には「危ないんじゃないか」というふうに思ったとしても、
テレビやラジオや新聞で「大丈夫だ、大丈夫だ」という事ばっかり報道されていくと、
そうすると言えなくなっちゃうんですね。
そうなっていくと、いつの間にか誰もがその危険性について言わなくなってしまう。
という事が一番懸念している事です。
Sawada:
そうですね。
「危険だ」って言う多分、友人がいたり、家族の方がいたりすることはあるんですけれども、
それをどこまで信じたらいいのか?とか、
もしくは実態として何を信じたらいいのかが分からなくなるという時があると思うんですけども、
どの程度危険だというふうに優さんは認識されていますか?
田中:
その点は僕は、ちょうど汚染レベルでよく似ているのは、
チェルノブイリ原発事故の時のウクライナとか、あの辺の状況がよく似ているんです。
そのウクライナだけは、その後にどんな事が起こったかについて、
国家が徹底的に調査して発表もしているんです。
ですからそのウクライナのデータを見てもらうのが良いなというふうに思っていて、
底からこう、まず判断していってほしいなと思うんですね。
Sawada:
おっしゃっているのはあれですよね、ウクライナ・ベラルーシ・ロシアと別れた後で、
ウクライナだけが25年経った後に報告書を、結構中身的には衝撃的なものを出されていましたよね。
田中:
おっしゃるとおりです。
それこそ100万人を超えるような人たちのデータを全部取りそろえて、それで出しているんですね。
それをみていくと、とても怖いのは子どもたちに対して出ている影響なんですね。
これがたとえば2005年位のデータでも、
ほとんど子どもの8割ぐらいに病気が出ているんですね。
よく癌が出るって言われるんだけど、癌よりもより怖いのが病気で、
その病気が出ている原因というのはいったいどこにあるのかなぁ?というふうに見ていくと、
結局のところ一番大きいのは体内被曝。
放射能を身体の内側に、食べるなり呼吸で吸うなりしちゃって、
身体の中に入れちゃったことが一番大きいようだ。
で、それを考えると、
ただ「安全だ」とか、「食べて支えよう」とかいうことではなくて、
きちんと放射能汚染されたものを避けるという事が大事だということに感じています。
Sawada:
そうなりますといまの日本の食品の汚染基準というのは、
暫定値で一時期は500ベクレルといわれてて、
昨年4月に100ベクレルにまで落ちましたが、
この基準自体はいかがですか?
田中:
それは、ベラルーシにゴメリ医科大学というのがあって、
そこの学長をなさっていたバンダジェフスキーという人が徹底的な調査をしているんですけど、
その結果によるとですね、
身体の中の体重1kgあたりのセシウムが5ベクレルを超えると心臓に不整脈とか出てくるんですね。
で、それを見ていくと、体の中に入れていいのは、
おそらく、最大で体重1kgあたり5ベクレル。
そうすると、食品に直してみると、
1ベクレルを超えるものはその身体の中の5ベクレルを超えてしまうんです。
Sawada:1ベクレルというのは1ベクレル/kgっていうことですね。
田中:
そうです。
だから日本政府が言っている基準は100倍あまいように見えます。
Sawada:
ん・・・、
今ドイツの基準が子ども4ベクレル/kg、大人8ベクレル/kgといわれますよね。
これもじゃあ、そういう意味でいくと優さんのおっしゃる1ベクレル/kgからすると、
ある程度許容せざるを得ないリスクの中で決められているというところで、
出来れば、目標値としては1ベクレル/kgというものが
本来であればあるべきなんじゃないかという事ですかね。
田中:そう思います。
Sawada:
そんななか、100倍あまい。
特に年齢に応じて被ばくについては対応度が違うというか影響度が違うと思いますけれども、
特にお子さんについては特に心配という事がございますが、
今後どういった形で対応していけばいいもんでしょうかね?
田中:
それはまず、放射能汚染されたものを身体の中に入れない。
取り込まないという事が一番大事なんですけれど、
その時にやっぱり、汚染されている可能性のあるものは避けるという事がまず大事です。
で、今言われたように、「大人の場合大丈夫なんじゃないか」っていうふうな見解があるんですが、
ところがベラルーシでは今、一番の死亡原因が「心臓病」になっているんですね。
これは世界的に見ても普通は癌になる新生物になるわけですけど、
それが心臓病になっているというのは奇妙なんです。
その心臓には、筋肉の塊なのでセシウムが溜まりやすいんですね。
それを考えると、
まずは「食べて取り入れることを避ける」というのがまず大事で、
その次に大事なのは、今度は身体の中に入れても外に出す効果のあるものがるので、
そういうものをなるべく食べて欲しいんですね。
具体的に言いますと食物繊維。
よくセロリかじった時に、ツーッと歯の間からのびる繊維が、
あれが食物繊維じゃないかと思う人が結構いるんだけど、
あれは植物の繊維であって食物繊維じゃないんですよ。
食物繊維というのはヌルヌルです。
わかめのヌルヌルとか、昆布のヌルヌルとか、オクラのヌルヌルとか、
あのヌルヌルしたものが食物繊維で、
あれを身体の中に入れるとセシウムを引っ掛けて身体の外に出してくれる効果があるんです。
で、そういうものをとって欲しいなという事が二つ目ですね。
Sawada:
食品を気にしているお母さんからよく話を聞くんですけれども、
特に海産物。
おっしゃるようにヌルヌルをとりたいという思いもありながらも、
東日本を中心とした太平洋岸の海産物がどこまで、
ま、本来ならば身体に良いものという事でとりやすかったもの、積極的にとっていたものがちょっと怖くて、
どこまでがいいか、どこまでが悪いか?
良いと思ってとったものがむしろストロンチウム等の心配があるんじゃないだろうか
というような所がありますけれども、
具体的にどんな形で、そういう体にいいものと言われるものを摂って行けばいいんでしょうか?
田中:
海の汚染は結構勘違いをされているんですけれども、
日本の場合は非常に強い海流があって、
黒潮という流れが犬吠埼の先端からハワイ側に流れているんですね。
その海流のおかげで、福島から流れてしまった放射能は南におりて、
犬吠埼から今度はハワイ側に向かっちゃっているんです。
ま、一部乱流がありますから、少し汚染が他にも流れていますけれども、
主な汚染はほとんど福島沖、茨城沖、その後はハワイ方向へ向かっちゃっているので、
それ以外の海域というのは比較的大丈夫なんです。
Sawada:
大きな海の中でどこが大丈夫っていうのは分かりにくいですが、
そういう方向性は今あるわけですね。
そういった中で、後はじゃあ、個人個人のレベルでいったときに、
それを測定したものを是非本当は取り込みたいところですよね。
田中:
そうですね。
今は生協であるとか、イオングループも今は放射能レベルを調査したりしているので、
そういうところのものを選択するのがいいかと思います。
Sawada:
そうやって積極的に動いている、測定しているようなところのものを中心に、
皆さんがやっぱり動いていくことによって、
お店側もそういった形での配慮がだんだん増えてくるという事なんでしょうかね。
田中:そういう事だと思いますね。
Sawada:そんな中で、日々食卓を担当しているお母さん方にどんなメッセージを頂けますか?
田中:
そうですね、後もうひとつはやっぱり体が強くなる要因というのは、
やっぱり免疫力が高くなると強くなるんですね。
その免疫力はやっぱり高い人がいるわけなんですけど、
その人たちを調べてみると前向きな人達なんですね。
とにかく絶望してしまったり、諦めちゃったりすると免疫力が弱くなるので、
常に前向きに考えてほしいという事。
それとですね、やっぱり免疫力を高めるには抗酸化物質というのをとるのが良いんですけれども、
この抗酸化物質はほとんど野菜に含まれているので、
だから野菜は汚染をあまり集めていない食品の一つですから、
そういうものを選んでなるべく野菜を食べてもらうということ。
もうひとつは日本の食文化って発酵食品が多くて、
発酵食品は何故か免疫力を高めるので、
その発酵食品とかをなるべく食べて、
要は日本的な食をするということに心がけてもらうのが良いかなと思います。
Sawada:
ありがとうございます。
そういった内容が優さんの本に書かれているんでしょうか?
田中:
そうなんです、そこを。
とにかくいろいろ講演に行くたびに聞かれるので、徹底的に書いたんですね。
Sawada:
そうですか。ぜひそちらの方も楽しみにさせていただきたいと思います。
また今後ともよろしくお願いいたします。
田中:こちらこそありがとうございました。
チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告「ウクライナは訴える」(動画・内容全て書き出し)
ウクライナ政府報告書。
この報告書でウクライナ政府は原発事故の被災者の間に深刻な健康被害が発生していると訴えています。
甲状腺疾患、白内障、心筋梗塞、脳血管障害などがふえており、
その原因の一つが放射線であるという見解をしましました。
その根拠とされたのは被災者230万人以上の健康状態を追跡して得られたデータです。
原発事故の前から現在まで、被災地で治療してきた現場の医師たちの声が報告書で採用されたと言います。

「未来のための安全」と記されたウクライナ政府報告書
被災地に起きる様々な事故と原発事故とに関連があるという訴えは、
国際機関にも、そして日本政府にもいまだ受け入れられていません。
チェルノブイリ・フクシマを忘れない! 集会とデモ
武藤類子さん
除染作業

18:59
今除染という言葉が出てきたんですけれども、これは除染の様子なんですね。
http://youtu.be/N6zjaKGCLr0?t=19m10sから除染作業の写真など
20:34~動画(Youtube)→http://youtu.be/N6zjaKGCLr0?t=20m34s
私の友人もここに除染に出ているので様子を聞いてみました。
彼女は一日1万円の日当を貰っていると言っていました。
そして、支給されるものは薄いマスクが1枚と布の手袋が1組とゴムの手袋が1組ということで、
そういう軽装、ま、支給されるものはそうなんですね。
白いタイベックという防塵服とかそういうものは支給されていないというふうに言っていました。
素人が除染をしてはいけない 児玉龍彦氏
それでこれも後で述べますが、
だから除染とかなんかは研究事業を除いた素人の方がやるのは勧めません。
マスク一つ、防護具一つをとっても
やっぱりアスベストとおんなじような、かなり専門的な知識のもとに行われるものなんだ。
そういうものが必要なものが大量に環境中にまき散らされてしまったということが、
今回の事故の非常に複雑な問題だというふうに思っています。
4.「除染はなぜ必要か?」 児玉龍彦氏
除染というのはなにか?と言うと、緊急時はしょうがないです。
だけど本当の緊急時じゃなくて恒常的にやる作業というのは、
基本的にはかなり毒物を扱う専門家がきちんと防具をもって、
どこに放射性物質があるかを確かめながら行う専門的な作業。
やっぱり、結構重労働な作業らしいんですね。
身体にロープを付けて斜面の土を削ったりとか、
そんな仕事もあったりして、なかなか除染を続けるのは難しいということも言っていました。
そういう作業が行われているんですけれども、
1軒の家を除染した時に出てきた放射線の廃棄物ですね。
これは今福島県内ではこのようにフレコンバックと呼ばれているんだそうですけれども、
それに沢山詰められていろんなところに山積みにされているという状況なんですね。
中間貯蔵施設はもとより、仮置き場も決まっていない所があるんですけど、
莫大なお金が除染に投入されたので、どんどん除染作業が進められている訳なんですね。
もちろん子どもがいるところとか、除染が必要な場所はあると思うんですけれども、
先が詰まっているのにどんどんゴミが出続けている。まるで原発のようなそんな状況になっています。

これは私が住んでいます三春町から二本松市というところに行く途中の道なんですね。
こういうのが、本当に道路際に沢山あります。
これにちょっと線量計を近づけてみたら、2マイクロシーベルトぐらいあったんですね。
1軒の家から出るのが123456って、番号もちゃんとふってあって、
20個とか30個とか、その家の敷地の広さによって違ってくるんですけれども、
それはなるべく家そのものですね、屋敷よりは遠くに置きたいと思うと思うんですね。
で、遠くに置くと隣の人の家の敷地のすぐそばだったりとか、そういうことがあって、
いろんな軋轢があったりしているというふうに聞いています。
それからどうしても道路際に行ってしまうんですね。
そこが子どもたちの通学路であったりするわけなんですね。

手前の方にフレコンバックがあります。その向こうにもありますね。
この道路を走っていくと次々と何軒も何軒もこういう光景がずーっと続いているんですね、
そんな状況が続いています。
この袋自体がすごく重いんだそうです。
何重にもなっていて、なにも入っていない袋を持ち上げるのは、
ひとりで1枚がようやくだというふうにも言っていました。
非常に高価なものだそうですね。
1枚何万円もする物だというふうに聞いています。
そうであったとしても、やがてこれも劣化していくと思うんですけれど、
そうなったらどうなるのかな?というふうに思います。
5.「農地・道路・森林・水・そして海の浄化、放射性物質の保管と管理」児玉龍彦氏
ところがこれ(フレコンバック)は土の中に埋め込まれてしまいますと、
後で掘り起こして除く時にパワーショベルみたいので引っかいて壊れてしまう。
それから夏になると、たとえばいろんな雑草やなんかを刈った分は、
これが水がありますと発酵してきて、すでに
フレコンバックが爆発するというのが昨年何例か起こっております。
ですから、この生ごみやなんかも
フレコンバックに入れて何年も保管するというのもほとんど無理だと思っています
24:17
これは鮫川村というところ。
福島県のちょっと県南の方に入っていくんですけれども、
そこに突然降ってわいたように8000ベクレル以上の農林関係の廃棄物ですね、
それを燃やす焼却場が、焼却実験炉が出来るという事が分かったんですね。
そしてこれは、実に水面下でずっと進められていたんだそうです。
それでここの地権者だけには、30人ぐらいの地権者だけには承諾をとったんだけれども、
他の村の人達は何も知らないままにこういうのが検察され始めていたんだそうです。

0.13という放射線の数値が見えると思うんですけれども、
福島県内では比較的線量が少ないというか、低いところなんですね。
原発から50kmぐらいなのかな?ここ。5~60kmだとおもうんですけれども、
その割には線量が低いというふうに言われている場所です。
村の人が気が付いた時にはもう焼却炉を立てる基礎まで出来ていたという状況なんですね。
それで分かった人がビックリ仰天して、
こういう焼却施設というものをつくるのは本当に安全なんだろうか?という事で、
いろいろと反対運動を始めたんですね。
で、ここの場所はこのように湧水がいっぱいあるところなんですね。
水が豊富なところです。
これは隣にあるいわき市というところ、海沿いにある大きな都市なんですけれども、
そのいわき市の水源地になっています。
それから隣の茨城県の高萩市というところの水源にもなっているところなんですね。
それでいわき市も高萩市もこれについては市民達が
水源を汚されては困るんだという事で反対運動を始めました。
それで最初に承諾した地権者たちも、水が汚れたんでは大変だという事で、撤回したんですね。
3分の2ぐらいの人達が承諾を撤回をしたそうなんですけれども、
いままた、撤回した人たちを一人ひとり回っては
村の村長や村の職員の人達が切り崩しをしているというふうな状況なんだそうです。
撤回した時点で工事はいったん中止になったんですね。
中止になったんだけれども、今また攻防戦が起きているという事だそうです。
こういう焼却炉とかをつくる時に、必ず環境アセスメントというのがありますよね。
環境影響調査という、それをやるんですけれども、
普通焼却炉の場合には
1時間に200kgの焼却能力がある場合は必ず環境アセスメントをするという事なんですけれども、
ここの場合は、1時間に199kgという推定なんだそうですね。
そういうことをですね、実はこれは環境省直轄でやっている事なんですね。
本来だったら
そういう環境アセスメント逃れのようなものをする業者を取り締まるのが環境省だと思うんですけれども、
その環境省が直接やっている事業だそうです。
で、これは鮫川村だけではなくて、川内村、南相馬市、飯館村という
その他にもね、つくる予定があるようなんですね。
でも一番最初にこの鮫川村になっています。
28:23

この下の方に赤い丸があって、焼却試験場というふうに書いてありますね。
で、これ、地図を見ていただくと、
これは早川教授の地図なんですけれども、ちょっと色が薄くなっているところなんですね。
このように線量が、本当に(原発から)近くても奇跡的に低かったという、そういうところなんですね。
こういうところに、もしかしたら水を汚したりですね、
空気が汚れる焼却場がつくられるというのはいったい何なのだろうか?
そういうことを疑問に思います。
こういう事がったんですけれども、分かりますか、
焼却施設の「焼」の字の真上のところに塙という地名があるんですけれども、
ここ、塙町は隣町なんですけれども、
この焼却場の問題にみんなが注目していたら、また別の事が分かったんですね。
それは木質バイオマス発電所というものがこの塙町に出来るということになりました。
すでに福島県には、会津若松には元々あったんですけれども、
事故後に白河というところにも一つ出来ました。
この塙町だけではなくて、結構沢山のところに出来る予定なんですね。
先ほど言った川内や南相馬、飯館などにも出来て、いわき市とかにもできるみたいなんですけれども、
山林地帯なんですね。
で、この木質バイオマスの木質なんですけれども、
これは除染のために伐採した木を燃やすという、そんなことも言われているんですね。
それはもちろん汚染された木質な訳ですね。
これはやはり、国が半分、そして市町村が半分、という、
復興のために事業の一つとして行われるんだそうです。
一応こういう焼却する場合には、
「バグフィルターとかそういうものが使われる」と言われているんですけれども、
そのフィルターが果たして全ての放射性物質を除去出来るんだろうか?
という事を疑問に思って発言されている方もいらっしゃいます。
そういうものが次々とですね、良く分からないうちに起きているんですね。
私たちも一つ一つに「あ、大変、あっ、大変」と思って対応していくんですけれども、
なかなか追いつかないという状況です。
なによりも、その焼却場にしても発電所にしても、
秘密裏、意図的に秘密にしているのかどうかは分からないけれども、
本当に県民や自治体の人々にあまりよく分からないままに進められて行くという、
そういう状況が続いているんですね。
その事自体もとても問題じゃないかなというふうに思っております。
<なぜ燃やすの?環境省>
8000ベクレルを超える指定廃棄物を燃やす焼却施設建設着工・中断“鮫川村”
&森林除染木材でバイオマス発電“塙町”326政府交渉ネット2/12(文字起こし)
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28:03~
農地
それでですね、もうひとつ土の処理の場合に難しいのは農地の場合です。
実は放射性セシウムは、農地の場合には
表層の5cmぐらいの粘土のところへほとんどくっついていますので、
先ほど鹿島幼稚園の例でも示しましたが、表面5cmを除けばかなり除けます。
だけれども、実はこの粘土のところが
いわゆるテロワール(Terroir)とかよく言われるような物質を決めるような
いろんなミネラルやなんかをいっぱい含んでいますから、
これを全部除いてしまうと客土(きゃくど)しない限り土地の質が戻らない、農業に向かない。
※きゃく‐ど【客土】
耕地の土壌改良のため、他から性質の異なる土を運んで混入すること。また、その土。
それで、除染をやると言った場合に二つ目的がありまして、
ひとつは農作業に当たる方の健康維持の問題と、
もうひとつはここの農産物に放射性物質が入らないようにするという目的があると思うんですが、
この二つをやるのにどういう手法を使うかというと、これはかなり問題があります。
たとえば環境省やなんかは、農水省も、
上下反転耕というのを勧めていまして、
逆にこの粘土を下に埋め込んでしまうという格好での反転も勧められています。
だけども反転した場合、南相馬かなんかでやってみますと
かなり、石が多い層がすぐに出てきてしまいますので、
上げると逆に放射性物質に一部汚染されているような石がいっぱい出てきてしまって、
処理に非常に困るという事があります。
それで、農地のこういうところをどういうふうに管理するかというのも
私の目から見ますと、やっぱり地元の農民とよく相談しながら決めていく以外にないんじゃないかと、
環境省が「こういうマニュアルで決めたからこれ以外のやり方は認めない」というやり方は、
やっぱりやらない方がいいのではないかというふうに思っております。
それで現在のやり方は、
たとえば森林とか、いろんなのうちのゴミとか、
たとえば可燃のゴミなんかをみんな集めてフレコンバックというバックに入れて、そのまま集めていく。
場合によっては土の中に埋め込むという事が行われています。

ところがこれは土の中に埋め込まれてしまいますと、
後で掘り起こして除く時にパワーショベルみたいので引っかいて壊れてしまう。
それから夏になると、たとえばいろんな雑草やなんかを刈った分は、
これが水がありますと発酵してきて、すでに
フレコンバックが爆発するというのが昨年何例か起こっております。
ですから、この生ごみやなんかも
フレコンバックに入れて何年も保管するというのもほとんど無理だと思っていまして、
これは実際の焼却の過程、
先ほど言ったような、温度管理や線量流量計をしっかり付けたような、
セシウム回収型の焼却にもっていくという事が非常に大事だと思っております。
それでこうやって回収されて濃縮されたセシウムというのは、きちんとしたコンテナに入れる。
それでコンテナ保管として、将来、たとえば移動するという時にも
移動できるような格好にしていくという事がすごく大事です。
道路

それから除染の中でもうひとつ大きいのは道路の除染でして、
これも、常磐自動車道を通そうという事で、
私も明日も常磐自動車道のところへ行って除染作業を見てまいりますが、
実際に今残念ながら、普通の国道の常磐道も常磐線も原発から割と近いところを通っています。
それで余震の状況とか4号炉の状況とかを色々考えますと、
やっぱり異常事態を考えますと、
第一原発のすぐ傍を通る道路というのを公共道路にするのは難しいと。
それで一番可能性がありますのが、常磐自動車道が9割方工事が出来あがって、
原発から6kmのところにありますので、ここを除染していくという作業を
今大成建設がやっていますが、
そうするとここに出ていますみたいに大体大きい面積をやると
8割方一回の除染で下げる事が出来るというデータがすでに出ています。
除染作業というのは我々、先程も申し上げたように
「放射性物質がどこにあるか」っていうのは分かりにくいですから、
一回だけの作業では無理だと思っていまして、
何サイクルか行うことによって、この…、
いま、南相馬といわきの間って、交通機関がないんですよね。
それで南相馬の経済がこのままでは窒息していく。
たとえば南相馬には日立の工場がありますが、
日立と南相馬を今行くのに、二本松の方を経由していくとか
そういう事をやらないといけないという格好では、
産業の復興が非常にむずかしいです。
すでに避難されている住民の方が、三春から南相馬の眼科の病院へ行こうとして、
同じように避難された住民の方が
建材運搬用のトレーラーと正面衝突して5人の方が亡くなるという事故も去年起こっておりますので、
今のままで、北と南とう回路、
山の中のう回路を行くというような事をやっていくという事はできないと言っています。
この点でやっぱり省庁間ですごく問題なのは、
実際は今常磐自動車道の除染も環境省が除染をやって、国土交通省が後を通すというふうになっています。
ところがですね、たとえば高度交通省がアスファルトのところをバーーッとやっていくのには
前の方でアスファルトを除いて後ろでアスファルトを貼っていくような機械を持っています。
これを通せば除染とあれはいっぺんに出来ちゃうわけですよね。
そうすると、省庁別の考えでのんびりずっとやっているうちに、
もう、この被災地区の経済というのがどんどんどんどん悪化してきてしまっていますので、
まず、ともかく交通網の回復がないと、実際の住民生活はもとへは戻れません。
一時復帰とかをするにしても、まず道路をきちっとつくるというのは急務だというふうに思っています。
森林
あともうひとつは森林の問題ですね。
森林の問題でもやっぱり非常に大事なのは、
実は、森林にやっぱりかなりの量の汚染物が溜まっておりますので、
森林は、ただ、一度に伐採とかできないです。
それと先ほど言いましたように、森林の伐採やなんかは、ただ伐採してやっていくだけでは無理なんで、
やっぱりどうやってもセシウム回収方を考えながらバイオマス発電と焼却炉を組み合わせたような、
要するに発電量をつくりながらやっていく。
そのためにはですね、やっぱり機械化が必須です。
というのは、作業に携わる方が被ばくしないようにするためには、機械化して
たとえば運転席は陽圧にして外からの埃が入らないように、
それから運転席のガラスはたとえば鉛ガラスと言われるような、
医療機関で使っているような、ガンマ線をシャットするようなガラスにしたような機械でもって、
機械化の林業みたいなことにしていくという事が必須ではないかと。
それを30年から50年かけて、やっぱり汚染地区の森林というのも綺麗にしていくというのが
必須なんかではないかというふうに思っております。
それでただ一つだけ幸いなニュースがありまして、
実は日本では、ずっと1955年から飛散したセシウムやストロンチウムの記録があります。
これをみるとですね、いったん森林やなんかに落っこったものが、
日本の場合は雨が多いものですから、簡単に舞い上がるという現象が記録されていません。
それでよく山からセシウムが降ってくるという事を簡単におっしゃられますが、
われわれも南相馬の幼稚園でずっとダスト線量を測っていますが、
森林から何回か雨が降った後で、降ってくるセシウム量というのは非常に落ちています。
花粉に乗って一部出てくるという事は報告しておりますが、
全体像としてはこの50年以上の歴史の中で、日本の森林の場合には、
いったんセシウムが沈降すると簡単に空気に舞い上がって降りてくるということはない。
そうするとどこへ出てくるか?と言うと水です。
水
そして水の系統への除染というのがすごく大事だというふうに考えています。
それで水の中で、ここら辺の地域で一番大きいのは、大垣ダム。
先ほど申し上げました、汚染地区の真ん中にある大垣ダムというダムがあります。
それで、そこを今ずっと調査に入っているんですが、

これが1月ごろに行った時の大垣ダムですが、
大垣ダムでは幸いなことに表層の水は大体最近では10ベクレル以下に落ち付いています。
ところが、底の土砂が20万ベクレル/kgを超えるものすごい量のセシウムが溜まっています。
それでちょうど、風の谷のナウシカっていう映画が昔ありましたが、
森林にいろんな毒性の物を溜めているんだけども実は森林がそれを浄化しているというのがありましたが、
一番の問題はこれ、時限爆弾みたいになってしまった。
要するに日本のダムというのは年々土砂が溜まってまいりますから、
それを浚渫(しゅんせつ)して綺麗にしないと、いつかダムが決壊してしまう恐れというものをもっています。
それで大垣ダムも適当な段階で浚渫やなんかが必要になります。
※浚渫(しゅんせつ、dredging)
港湾・河川・運河などの底面を浚(さら)って土砂などを取り去る土木工事のことである。
そうすると一つはですね、この大垣ダムの場合は、この大垣ダムがここにありまして、

これが高い線量、浪江やなんかの高い線量のど真ん中に大垣ダムがあります。
それで大垣ダムの水が、
実は南相馬の小高区、それから浪江町、双葉町の全ての農業用水をまかなっております。
という事は、一つは大垣ダムから出てくる水っていうのを
たとえばもう一段回の凝集沈殿なんかによって、土砂やなんかが入らないようにする。
こういう仕組みを設ける。
それからもうひとつは大垣ダムのところで浚渫
?やなんかで行われている、実は日本にある低圧浚渫という技術がありまして、
そこを拡販しないで、そーっと底の泥を吸い上げていくという技術があります。
この浚渫を行って、逆にここでセシウム回収型の中心的な焼却施設をつくることによって、
逆に、森林地域からこの被災地域の、水の、農業用水とかの汚染を防ぐ事が出来る。
そういう可能性があります。
ですから一番汚いとされているこの地域の一番中心にある、
実は大垣ダムのところできちんとした復興対策を組んでいくという事が、
一番有効なんではないかというふうに考えています。
海
それからもう一つ最後に残る問題は海の浄化の問題であります。
それで実はですね、日本に残っていますいろんなセシウムなどの沈降から見ると、
ひとつは…、ある面では、海は非常に大きなボリュームがありまして、
海に入ったものはある時期でやっぱりかなり希釈されてきています。
それで海の希釈力というのがやっぱり一つの大きなファクターであるのは違いない。
だけれども、今問題になっていますのは、川から流れ込む、
海の底へ流れ込んでいる先程の粘土を含んだ土砂。
これのある地域の海産物はかなり危険が残ってしまいます。

それともうひとつは福島の原発のところから海へいったいどの程度、
どういう格好で放射性物質が流れ出しているかという事が
まだ全面的には分かっていないという問題が残っています。
海の問題はまだ本当の意味ではこれからの課題と言わざるを得ないと思っています。
放射性物質の保管・管理
最後に放射性物質をどのように保管・管理するか?という時に
実際にはですね、今回の福島で出ているのはアルファ線・ベータ線・ガンマ線で、
中性子線があるとすごく遮蔽が難しいんですが、
中性子線の例は一番よくご存じなのがJCO事故っていう、東海村の傍で1990年代ですか、
バケツでウランを濃縮をやって臨界を起こして、
東大病院で引き取って亡くなられちゃった方がいらっしゃった恐ろしい事故がありますが、
ああいうふうに臨界になったところでのところから中性子線が出てきていますが、
今回の飛散では中性子線の出る核種はあまり検出されていないという事がわかっています。
そうするとアルファ線・ベータ線・ガンマ線で、
先ほど申し上げたようにアルファ線・ベータ線までは比較的遮蔽が簡単。
で、ガンマ線もだいたいコンクリートを50cm程度あれば大体遮蔽できるという事が分かっています。
それで今の一番の問題は、この保管の仕方であります。
たとえばこれは横浜のところで、保土ヶ谷ですか、南保土ヶ谷だったかな、
一部横浜市が埋め立て処分に使うという事で、ここですね、
処分場に入れようとして住民の反対で1日で撤回したということで、
それからこれは福島第一原発で、ここで矢印が書いてあるのが汚染水が溜まっているんですが、
こういうふうな格好での処分というのはあまり勧められないというふうに思っておいrます。
それともうひとつご理解いただきたいのは、
「濃縮すると危険が増すか?」というと、
実際に外に出てくる放射線量は濃縮するから危険が増すという事ではありません。
濃縮すると、濃縮によって無くならしていくものはなにかというと、
実際には放射性物質でないものを除いていくというのが濃縮の一番大事なステップであります。
それで、出てくる放射線の遮蔽の必要量というのは総量で決まってまいります。
ですからガンマ線がほとんど飛んでくるので、
この「ガンマ線がどの程度あるか」という事で決まってまいりますと、
少なければ少ないほど管理がしやすい。
だから一番濃縮してしまえば、たとえば東京大学やなんかに持ってきてもいい。
そういうようなものになるという、そういうような考え方であります。
ですからいま、
これは一番最初の頃に国会で使ったスライドなんですが、
先ほど申し上げたように一番下にちゃんとしたコンクリートやなんかの遮蔽層を置いて、
その上にドレーンがあって、どの程度の水が出ているかというのがわかるようにしておく。
それから入れるものはコンテナのようなものを入れて濃縮してためておく。
それで、仮置きとか一時保管とかいうんですが、非常に難しいのはですね、
もし何10万トンという土をやろうとすると、
そもそも工事をやる時に雨が降ってきた時に10万トンレベルのもので雨が降ってきた時に、
工事を上手く維持できるかどうか?
それから10年以上経った時に、この何10万トンというのを本当に…、
今回も水だってすぐに漏れ出しています。
そういうものをきちんと監視できるか?と言うと非常に難しいと。
ですからこれを量をなるべく濃縮してきちんとした遮蔽の中で、バリアをはっきり置いたものに置いて、
浅地中処分を中心にやる。
それで30年経ったら掘り起こすというのは、私は現実的に非常に難しいんじゃないかと思っています。
ですから、仮置き場という恰好よりも、
かなり長期の保管をしながら減衰を待つという格好での施設をきちんとつくる。
そうするとどうしても焼却場と保管所というのを一体化して、
ま、林野庁が国有林を開放してというのを言っていますから、
こういうような抜本的な仕組みをつくる必要があるんじゃないかと、
それでもうひとつは、先程から申し上げている通り、
国の審議会やなんかに、国から予算を貰うという事でずっとやってきた人だけでやるのでは無しに、
やっぱり今の日本の環境技術が一番進んでいる物なんかを入れる。
それから地元の自治体の代表の人を入れる。
こういう格好での透明性と公開性と先進的な科学的な話が入るような格好での
処分の仕方というのを考えるのがすごく大事だなと。
これは私の家のそばにある目黒の清掃工場ですが、
この目黒の清掃工場なんかは環境技術のかなり、一番いいレベルの物を集めてつくられています。
これは日本が世界に輸出している環境技術なんですが、
福島にもぜひ、やっぱりこういうものを活かす。
それで目黒の場合には、清掃工場をつくる時に
昔はどぶ川だったみたいな目黒川も綺麗にして桜並木になって、
イタリアンなんかのお店がいっぱいあるような素晴らしい文化的な地域になっています。
それで福島における復興とか除染というものも、
やっぱり、日本が持っているいいものを最大限引き出せるような格好での、
最新の科学とか技術とかを使ってやっていく。
それで「散ったものがもう手が出せない」という議論を一部の週刊誌やなんかが非常に書いていますが、
これは今地元で暮らしている住民の苦難そさらに増す議論である。
やなんかには様々な議論があります。
最初に食品を継続すると言った時も……どちらかというと放射線事故に責任のある人が、
そんな全袋検査なんか出来るわけがない。
金がかかりすぎる。という事を繰り返し言いました。
だけど日本の今の科学技術でやったらば、
その全袋検査を現実にやっていくという機械は1年足らずの間に開発する事が出来ました。
そういうなんかこう、本当の国民の力を集めて、
やっぱり住民が、いろんな意見が分裂して苦労したりする事がないような、
地元の方がどういう点で悩み苦しみ考えているかという事を
応援していただく様な事を是非考えていただきたい。
そういう一つの例は、これは実は鹿島保育園のその後です。

鹿島保育園を土をどけて除染をしたけれども、
お母さんたちの中には土埃の立つ川砂を持ってこられたために、外遊びを好まないという。
それでもう一方では、これで低いから遊んでいいんじゃないかという人がいました。
それで私どもは園の方とも相談して、
東日本復興財団という孫さんのところへ走り込んで、
「あんたらダイエードームの人工芝があるじゃないか」と。
「あれと同じくらいのものを寄付してくれませんか」と言ったら、
この鹿島保育園に寄付してくれました。
そしたら鹿島保育園でやるんならという事で、
南相馬の桜井市長が全部の保育園に人工芝かそういうものを置いて、
親御さんが分裂しないでみんな外遊びやなんかもできるようなものにしようという事を考えるに至った。
で、やっぱりいろんな知恵を集めて、住民がどうやったら復興に向けて足を踏み出していけるかという、
そういうところでの知恵をあつめて、全部のところでおんなじように出来ないかもしれないけれど、
最初のどこかで出来るところから一つづつ良い事を積んで行くことによって、
大きな変化が生まれてくるんじゃないかということに考えております。
ご清聴をありがとうございました。
ーーー質疑応答に続く
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18:21
次にですね、この環境問題で「除染はなぜ必要か?」というお話に移りたいと思っています。
これはですね、皆さんにぜひご理解いただきたいのは
実は非常に間違った意見がよく言われています。
熱力学の第二法則というのがあって、
世の中というのはエントロピーというのが増大するという法則があるから、
いったん散ってしまったものは元には戻らないんだと。
だから除染とかなんかはやっても無駄なんだという議論が非常によく言われていますが、
これは私ども熱力学の第二法則をやっている者に対しては、全くの理解の不足であります。
熱力学の第二法則というのは、
一つの物質の相互作用の中で、乱雑さが増える方向で進んで行くという事を示しているんですが、
それがコンパートメン化されますと、
熱力学というのは外部にエネルギーを出せば内部に複雑さを増す事が出来るという、
これが熱力学の第二法則エントロピーの本当の法則であります。
そうすると熱力学の第二法則から出てくるのは、
除染やなんかを本当に効果的にやろうとしたら、無駄のない除染をやっていかないけない。
外部に出すエネルギーを少なくして内部を綺麗にするというやり方をやらなくてはいけないというのが、
熱力学の第二法則の示す結論であります。
※エントロピーの増大
熱力学第二法則とも呼ばれる。
「何かの現象が起こるとき、エントロピーは必ず増大する。また勝手に減少する事は無い」
という法則である。
ミルクとコーヒーが接触すれば、かならずそれらは交じり合う。
熱いものと冷たいものを接触させると、両者は最終的に同じ温度になる。
例えば冷たい水の中に熱した鉄の棒を突っ込んだ場合、水が熱せられて鉄の棒が冷める。
ぬるいお湯に同じ温度の鉄棒を突っ込んで、水が冷たく、鉄が熱くなることはない。
こういう一方通行の出来事、不可逆な現象(逆向きは起こらない)があることをこの法則は意味している。
それで、実際にそういう事をやっていかないとどういう事が起こるか?
これは福島の汚染している地域ですが、
黄色以上が住めない地域だとすると、20年以上住めない地域というのがかなり広範に残るという事。
それからこれはチェルノブイリから出てきたいろんな歴史ですが、
6年度目以降からはほとんど下がらなくなる。
それは何故か?というと、
最初の6年はいろんな核種の中でキセノンだとかヨウ素だとか、それからセシウム134みたいな、
割と足の短いものがいきますが、
最後に残るセシウム137からは半減期が30年ですから、
6年位見たって全く下がっていかない。
そうすると最初の6年はピューッと下がるのでチェルノブイリの方もかなり期待していたんですが、
それからあとは全く下がらなくなる。
そうすると実際にここの環境に散っているものを
「どういうふうに集めていくか」という事が非常に大事になります。
それで除染というものがどういうものか?と言うと、
これは、水をかけたり土を集める事が除染ではなくて、
除染の本質というのは環境中に散っている放射性物質を隔離して濃縮して保管していくという事。
これが一番大事になっています。
それでこういうことをやってみて福島で有効かどうか?という事を私どもが最初に経験いたしましたのは、
南相馬の鹿島幼稚園というところで、
最初に入って、南相馬で市長さんと相談した時に、
妊婦と子どもが弱いんだったら一番年齢の小さい子どもなんで、
「じゃあ幼稚園の除染を担当して下さい」って言われて鹿島幼稚園の土を除いた時に、
一番下がったのがどこか?というと、
実は園庭の中央でありまして、
これが年に4ミリぐらいあったものが1ミリ以下にする事が出来たというので、
園庭の中央が、ま、これは土をバーッと広い面積で除きますと、
60m×60mぐらい除けばかなりドーンと下がってしまう。
ところが建物の中の方は屋根なんかにくっついていますとなかなか落ちない。
上から降ってくる。
だから線量計を上に向けて高い値を示せば、屋根とか雨どいに結構ついている。
ところが屋根をかえると鹿島幼稚園でもやっぱり2000万円かかってしまいますから、
なかなか簡単には出来ないという状態が続いています。
それであのー、もうひとつ、
この除染の作業やなんかに入り出した時にすぐ感じましたのは、
「住民の方やなんかがやるのは非常に危ない」と。
それを最初に感じましたのは、
幼稚園でですね、お母さんたちが金属製の遊具を研磨かけだしちゃったんですね。
グラインダーでバーッと削れば落ちます。
※グラインダー
グラインダ(Grinder・Grinding Machine,研削盤)とは、
研削砥石(切断といしを含む)を使用し、その回転運動によって加工物の表面の研削又は切断を行う機械をいう。
だけど研磨というのはアスベストの時にも一番危なかった技術でして、
肺の中に金属片と一緒に放射性物質が入ってしまいますと、ずーっと吸収されずに残ってしまう。
それでですね、このマスクを見ていただいて、
たとえば専門家の場合にはこっちがN95でこっちがN100ですという、
あのー、微粒子のカットが、
こちらが95%カットで、こちらが99%カットなんですね。
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それで普通作業をやる時はすこしマスクが浮いていないと息がすぐに苦しくなってしまいますから、
マスクを外しがちになってしまいます。
ですから、そうすると除染やなんかの作業にあたる人というのは、
できたらこのN100のマスクみたいな方をやっていかないと粉やなんかを吸いこんでしまう。
粉の割賦率、皮膚へのですからマスクの密着率と縛り方でですね。
除染というのはなにか?と言うと、緊急時はしょうがないです。
だけど本当の緊急時じゃなくて恒常的にやる作業というのは、
基本的にはかなり毒物を扱う専門家がきちんと防具をもって、
どこに放射性物質があるかを確かめながら行う専門的な作業。
それで住民とかボランティアの人はそれがきちんと行われたかどうかをチェックする。
「ここを特に落として欲しい」「こっちが優先だ」「こちらが子どもが多い」「ここの家に妊婦がいる」とか
そういう事をきめ細かく見ていくということが住民とかボランティアの方にお願いしたい事で、
本当の放射性物質が入っている埃や土や水を扱うのは、
かなり専門家がきちんとやる業務だと、難しい仕事だという事をご理解いただきたいと思います。
それでもうひとつは、こうした土などのゴミが出た時に私どもが一番気にしますのは、
「濃縮して保管したい」と。
この間も福島で大きい水の漏れが起こりましたよね。
あれは二重の失敗をしています。
大量の水を保管するというのはものすごく難しいです。
もうひとつはセシウムやなんかの処分は浅地中処分(せんちちゅうしょぶん)。
浅い地中処分で終えるべきであって地下水の層までは掘ってはいけない。
こういう2原則があります。
世界的にもいろんなアメリカの処分場などもつくったのは、
結構日本のプラントメーカーやなんかがやっているんですが、
日本で行われている処理ではそういうのが行われていなくて、
仮置き場とか中間処分場とか安易に言われていますが、基本的にはあんまりそれは勧められない。
それできちんとした保管場をつくって、なるべく濃縮して、それでコンテナみたいなものに。
浅い地中処分にして、最初に第一層の防水層を置いて、その上に第二層の防水層を置いて、
第一層と第二層の間の水はドレンしてチェックできるようにする。
っていうのはですね、普通水分が入ってくる可能性のあるところのゴミの場合には
10年以上防水効果を持たせ足り、非常に難しいです。
地震カミナリ火事オヤジじゃないですけれども、
いろんな事でそういう廃物層というのもひび割れが入ったりする。
そうすると一番大事なのはチェックの仕組みになるような保管層をつくるという事。
それで日本でカドニウムやなんかのいろんなゴミ処理に使われていますのは、
これは焼却、物理的な焼却による分別です。
どうやってやるか?と言うと、セシウムの場合は641度で気化します。
むしろですね、この時に土やなんかの場合はガラス化防止剤という、固化防止剤を入れます。
一般にですね、土やなんかの処理というのは今までにカドニウムやなんかで開発されてきた技術というのは、
土がガラス化されると金属帯びるから抜けないです。
それで、セシウムやなんかを除く場合にはこれをガラス化防止剤を入れて気化させる。
そして温度管理が一番大事です。
安定的にたとえば700度以上にするんだったら、安定的に700度以上にして、
工場コージョネやなんかで必ず200度以下にします。
※コージェネ
「コージェネレーションシステム」とは、
熱源より電力と熱を生産し供給するシステムの総称であり、
国内では「コージェネ」あるいは「熱電併給」、
海外では、”Combined Heat & Power”あるいは”Cogeneration”等と呼ばれる。
そうすると、沸点が640のセシウムは必ず液体か固体になります。
かなりのものは塩化セシウムになります。
それでバグフィルターかなんかで何回かおいて除くと言っているのは、
この液体や固体になったセシウムをフィルターで除いていくという過程に移していく事によって、
かなりこれを除く事が出来ます。
それを一番端的に証明できますのは、
たとえば私どものアイソトープセンターやなんかは排気のところに
全部線量流量計というのがくっついています。
ですから24時間線龍はモニター出来ます。
その線量流量計を付けてやっていくのが一番大事だと。
それでこれでよく誤解があるのが、
2段階の焼却というのがよく行われる格好になっていまして、
実はこういうセシウム回収型の焼却炉というのはコストが非常に高くつきます。
昇華型の焼却炉。
環境省が言っているのは、1段階目の焼却炉の方で、
こちらの場合も温度管理をしっかりすれば、外に出るのをかなり防ぐ事が出来ます。
それでフィルターで同じように防ぐ事が出来ますが、
残念ながらほとんどのセシウムは灰の中に残ってしまいます。
ですからバイオマス発電なんかで出てくる場合は灰にかなりの線量が出ます。
それで排気のラインも同じようにコーデネや線量流量計でチェックすれば、
外に出さないようにすることは同じようにできます。
昇華型の場合は、燃やす時の温度を必ず1000度以上というように安定的にやるという事と、
ガラス化防止剤というのをきちんと入れてやっていくということになっています。
1.「東京大学という組織・放射性核種の飛散と性質」
児玉龍彦氏4/18放射能連続講座2大地を守る会(内容書き出し)
2.「”医療用に使われたから安全”ということはない」
児玉龍彦氏4/18放射能連続講座2大地を守る会(内容書き出し)
3.DNA修復エラー・放射性物質の人体蓄積・食品からの内部被ばく4/18児玉龍彦氏(内容書き出し)
チェルノブイリ・フクシマを忘れない! 集会とデモ
武藤類子さん

動画(Youtube)→http://youtu.be/N6zjaKGCLr0?t=12m08s
福一作業員辞める人続出「汚染水は浴びたくない」
12:08
1号機から4号機まで
とにかく水をザーザーザーザーかけて冷やしているという状況が毎日続いているんですけれども、
その水をろ過したりしながらこういうタンクにためているんだそうですね。
それがどんどんどんどん敷地を占めてきて、置く所が無くなってきているという、
そういう状況があるようです。
この間水漏れ事件というのが起きましたよね。
私たちも本当にビックリしましたけれども、
あの穴を掘ったところに3層のシートを敷いて、そこに汚染水を入れていた。
しかも本当はストロンチウムを除去するべきそうだったんですけれども、
それが除去されないままにそこに入っていたという事があったんだそうなんですね。
で、その汚染水の事が出てきてからですね、
ここで働いている人達は、みんなその汚染水を浴びるという事にとても危機感を感じて、
辞めている人が沢山いるという事なんですね。
あの、もちろん高線量の線量を浴びながら作業をするんですけれども、
でも、空気、見えないものと違って汚染水だと実際に浴びるわけじゃないですか。
だからとてもその事を「いやだ」と思って辞める方が続出しているという事を聞いています。
やっぱりサイト内のお仕事というのは沢山被曝をするわけですよね。
だからそこを辞めて除染作業の方に移っている方も沢山いるというふうに聞いています。
今ここで、第一原発の中では3000人の人が働いているそうなんですね。
毎日3000人の人です。
それで、「その中の60%の人が福島県民だ」というふうに言われています。
もともと原発で働いていた方もいらっしゃいますけれども、
事故によって仕事が亡くなった方が沢山いたんですね。
たとえば農家の方ですとか、林業、漁業、そういう方がおられます。
それから観光関係の仕事の方ですね。
そういう方が仕事が無くなって、原発サイトで働いている。
それからまたは除染作業に出ている。
そういう状況なのだそうです。
モニタリングポスト

14;27
これは事故から半年ぐらい経った時に
福島県内2700カ所に設置されましたモニタリングポストです。
これは10分おきの空間線量が表示されているんですね。
これはソーラーパネルが付いています。
先日福島県に行ったら、
「2700カ所も電気を使ったら大変なのでソーラーにさせたんだ」って
なんか、県の人がちょっと威張っていたんですけれども、
あの…、こういうものが、本当に街の風景の中にね、今は溶け込んでいるぐらいに沢山あります。
公共施設が多いんですね。
学校とか幼稚園とか公園とか。
これは三春町というところのコンサートホールの前にあるものなんですね。
このモニタリングポストなんですけれども、
これが、果たして本当に。その地域の、その場所の空間線量を正しく表示しているんだろうか?
そういう疑問が持ち上がってきたんですね。
それでいくつかの団体が測定をしました。
このモニタリングポストのそばで測ったんだけれども、
全てでもないんだけれども、どうも周りの空間線量後違うという事が分かったんですね。
それはいくつか理由がありますけれども、
たとえば、ソーラーパネルを使っていてエコなんですけれども、
ここでつくられた電気がバッテリーに溜められるんですね。
そのバッテリーというのには普通鉛が入っているんですね。
測定器のそばにバッテリーがあるという事で、鉛が放射線を遮蔽して、
そして低く測られているんではないかということもでてきました。
ついこの間、郡山市というところで、
今まで合同庁舎というところで郡山市でテレビなんかに発表される数値がそこで測定されていたんですね。
その郡山の合同庁舎にある機械がですね、違う機械に代わったんですね。
それと同時に測定している場所が別のところに移動しました。
そしたらですね、数字が急に下がったんですね。
0.6ぐらい出ていた所が0.3ぐらい。0.2とか、そのぐらいに下がったんですね。
一体これは何なんだろうと思ったんですけれども、
ネットのニュースでちょっと見たんですけど、
郡山市の職員の方が、「せっかくのこういう装置なので除染をしました」というふうにおっしゃっていました。
だからそこの場所を除染をして置いたんですね。
だから周りの空間線量と違うというのは当り前の事かなというふうに思いました。
それからいろんな機械があるんですね。
たとえば単位が違うものもあるんですね。
マイクロシーベルトで測定されるもの。
それからナノグレイという単位で測定されるものがあるんですね。
今まで合同庁舎では、マイクロシーベルトという単位で測られていたんですけれども、
急にナノグレイというものになったんですね。
だから、当然ながらその数値が違ってくる訳なんですね。
どちらで測っても正しくはあるかもしれないけれども、
単位が違うので数値が違うという事なんですね。
そういう事が詳しく市民に説明されないんですね。
で、その事で随分電話が郡山市に行ったそうなんですけれども、
それで初めて単位が変わった事と、除染がされたという事が分かってきたという状況です。
自分たちが住んでいるところの空間線量というのは、本当に最低限必要な情報だと私は思うんですけれども、
それがきちんと発表されていないのではないかという、そういう懸念と言いますか疑問があります。
ーーつづくーー
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第16回放送
■放送日 2013年4月27日(土)~5月3日(金)
■Web公開日 2013年4月30日(火)
■ゲスト リ・ハナさん(日本在住の脱北者)
■パーソナリティ 西谷文和(ジャーナリスト)
小出裕章ジャーナル
西谷:
小出さん、早いもので4月26日と言えばチェルノブイリの事故ですよね。
27年経ちましたね。
チェルノブイリは石棺に囲まれているわけですけれども、
この石棺が老朽化してヒビがいっていると。
そして雨が降ったら地下に汚水が浸みこんでいって汚染をしていると、
ま、そういう事を聞くんですが、
小出:そうです。
西谷:現在のチェルノブイリはどんな状況なんでしょうか?
小出:
はい。
1986年4月26日に原子炉が爆発しまして、
ほぼ1週間の間に大量の放射性物質が環境に噴き出してきました。
そのため、当時「地球被曝」という言葉ができたように、
地球全部が汚染を受けてしまいました。
日本はチェルノブイリから見ると8000km以上離れている所にあるのですが、
その日本にすらチェルノブイリからの放射性物質が飛んでくるというようなことになって、
西谷:先生は当時計測されていたんですよね。
小出:
そうです。
私は原子炉実験所で
自分が呼吸している空気の中にどれだけ放射能が飛んでくるかという事を測定していました。
初めはまさか地球の裏側から
物質が飛んでくるということはないだろうと思いながら始めた仕事だったのですが、
西谷:8000kmですもんね。
小出:
そうです。
5月3日になりまして、チェルノブイリからはるか離れた日本まで放射能が到達して、
大変驚いた経験をしました。
ただその後10日、あるいは20日経つとですね、
一度減っていった放射能がまた私が呼吸している空気中に増えてくるという事が起きてですね、
西谷:地球を1周してきたんですか?
小出:
そうです。
もう一週地球を回って日本まで戻ってくるという事があったのです。
西谷:その時はやっぱりセシウムが多かったんですか?
小出:セシウムもありましたし、ヨウ素も沢山、もっと沢山ありました。
西谷:ヨウ素。8日で半減ですけれどもヨウ素もあった…。
小出:
ただし、ヨウ素自身は8日で半減してしまいましたので、すぐに測定ができなくなったのですが、
セシウムはほぼ3か月ほど、ずーっと私が吸っている空気中に存在している事が測定できました。
その時に私は、もうこういう事故とは二度と起こしたくないと思ったのですが、
残念ながら福島の事故が起こってしまったのです。
それでチェルノブイリの方はその後、とにかく放射能を閉じ込めなければいけないという事で、
今おっしゃって下さったような石棺というですね、
石の棺で原子炉全体を封じ込めようという作業が始まりました。
西谷:あの時作業した方が、どんどん癌で死んでいきましたよね。
小出:
はい。
60万人とか80万人とか言われているような、軍人、退役軍人、あるいは労働者が駆り出されて、
本当に過酷な被ばく作業に従事しました。
それで多分沢山の方々がですね、
その作業に従事したが為に癌などになってすでにお亡くなりになって来たのだと思います。
西谷:
当時はね、勲章貰って表彰されていた方が、
10年後20年後にね、ガリガリに痩せて…、
小出:
はい。
そうやって苦労をしてつくった石棺なんですけれども、
さすがにやはり年が経つとですね、コンクリートの構造物だった訳で、
あちこちにひび割れが入ったりですね、天井が落ちてしまったりして、
西谷:あ、天井が落ちてしまっているところもあるんですか。
小出:
はい。
あちこちに穴が開いてしまって、きました。
放射能を閉じ込めるという意味では、どんどん性能が悪くなってきているわけで、
いつか何とかしなければいけないという事はずっと前から言われていたのです。
ただし、なんとかするにしても放射能を相手にしての作業で、被ばくはしてしまうし、
お金も膨大にかかるという事で、なかなか取りかかる事が出来ないできました。
西谷:27年間ずっとそのままという事ですね。
小出:
そうです。
でも何とかしなければいけないという事で、EUの方がかなりのお金を提供しまして、
ようやく今、第2石棺という、初めにつくった石棺の全体をまた覆ってしまうような構造物を
西谷:もうひとつ、外側から
小出:
そうです。
はい、つくる作業が続いています。
多分そんなに長くかからないで、その第2石棺というものでもう一度覆いをつくるということになると、
西谷:今だから、被ばくしながらそれをやっていただいているという事?
小出:
そうです。
ただあまり、壊れてしまった原子炉建屋自身に近付くことすらが好ましくないので、
原子炉建屋から少し離れたところで、その第2石棺という構造物を今つくっています。
それが完成した時に、第2石棺をレール上で引っ張って行って、
原子炉建屋そのものの上にまで動かして覆いをつくろうという、
そんな作業をいま進めています。
西谷:
それでね、福島との繋がりなんですけれどもね、
今、汚染水が漏れている問題がありまして、
で、いつか福島を石棺で覆わなければいけないですよね?
小出:そうです。
西谷:
これはまた、そしたら、
その膨大な作業と膨大な被ばくをしながら、いつかそれをつくっていかないといけない。
小出:おっしゃるとおりです。
西谷:
これはまた、誰がやるのか?とかですね、どういうふうに補償するのか、
ものすごい大きな問題が横たわっていますよね。
小出:
そうです。
もうこれから何年という単位では済まない、
何十年という単位の時間をかけて放射能を閉じ込めるという作業を福島でやらないといけないのですが、
西谷:気の遠くなるような。
小出:
本当に私が思うだけでも気が遠くなるような作業が長い年月にわたって必要になってしまいます。
で、そのためには大量の労働者が必要になるでしょうし、
日本というこの国で一体どうやってその労働者を調達できるんだろうかと、
それも大変不安です。
どうも聞くところによれば海外からですね、労働者をまた調達してくるということも
なんか…進んでいるように聞いていますし、
西谷:やりかねないなぁ、いまの原子力ムラやったら…。
小出:そうです。恥ずかしい国だなと思います。
西谷:
あのですね、この原発が安いとか言っているけど、
このコスト考えただけでも、もうメッチャ高くなりますよね。
小出:
そうです。
もう、そんなことは誰が考えても当たり前のことで、
経営者というような人であれば、責めてちゃんと金勘定ぐらいすべきだと思いますし、
西谷:
でもいまだにね、原発止めたら日本経済が止まるとか言うけど、
これだけでものすごいお金じゃないですか。
もうメチャメチャね、コストが高いのに本当にごまかしがあると思うんですけど、
小出:そうです。
西谷:
あの、熊本のリスナーの方から質問が届いております。
日本で子どもや被災者支援法がつくられるという事なんですけど、
ウクライナではチェルノブイリ法というのがあって、
その法律によってこの補償がされているというふうに聞いていますが、
このチェルノブイリ法というのはどういう法律なんですか
という質問なんですが。
小出:
すみません、私は法律の専門家ではないので詳しい事は知りませんが、
チェルノブイリの場合にも大量の放射性物質が噴出してきてしまいまして、
事故の直後は日本政府が取ったのと同じようにソ連の政府も事故を隠そうとしたり、
あるいは過小評価をしようとしたり、
きちっとした対応が出来ないでゴテゴテまわるということがありまして、
大量の人達が被ばくをしてしまう。
子どもたちも被ばくをしてしまうという事が起こりました。
で、そのために甲状腺がんを中心にして、
被ばくが原因でこんな病気になっているという事が分かっている病気も沢山出てしまったわけです。
避難という事を余儀なくされる人々もいたわけですし、
もう経済的に持たないで汚染地帯に取り残されている人々も、
今、福島で起きている事と同じような事がチェルノブイリでも起きましたし、
そういう方々の健康状態を調査をしたり、
あるいは保証したりということはもちろん必要なことであって、
チェルノブイリでも何とかそれを保障しようという法律はあるのです。
それがチェルノブイリ保障法というやつだと思いますが、
実際にはソ連という国自身が
西谷:なくなりましたからね。
小出:
崩壊してしまうというほどのですね、重荷になってしまっていて、
なかなか救済というのは進んでいないと思います。
西谷:
あの、チェルノブイリの事故をきっかけに、やはりソ連が崩壊したという説があるんですが、
やっぱりこのチェルノブイリ事故というのはソ連崩壊のきっかけになったんでしょうね。
小出:
はい。
もちろん、「いわゆる社会主義というものの破綻」というものがあったとは思いますし、
世界的な政治状況というのもあったとは思いますけれども、
チェルノブイリ事故がソ連の崩壊に果たした役割は大きかったと私は思います。
西谷:少なくても引き金を引いていったという、
小出:はい。
西谷:
それとですね、日本では20ミリシーベルト以下を帰還させるということなんですけど、
チェルノブイリは、どういう…?どれぐらいだったんでしょうか?
小出:
実際にはですね、現在日本で取っている方策と、私はあまり変わらないと思います。
ただしチェルノブイリの場合には20ミリシーベルト以下であっても
「避難をする権利」というものを認めています。
ですからその場所に踏みとどまってやはり生活をしたいという方は居るだろうと私は思いますけれども、
「避難をしたい」という希望があれば、
その方に何がしかの保証をするという法律はあるのです。
日本の場合にはもう「20ミリシーベルト以下なら勝手に住め」と。
「国家は何の補償もしない」と今言っている訳で、そこに大きな違いはあると思います。
西谷:旧ソ連の方がまだましだったという、
小出:私はもう、日本というこの国よりははるかにましだったと思います。
西谷:
わかりました。
小出先生ね、本当に27年前のチェルノブイリ事故の話を中心に聞きましたけど、
ソ連よりも日本の方がひどいという事が分かりました。
今日はどうもありがとうございました。
小出:ありがとうございました。
「チェルノブイリの犠牲者」原発作業員の証言と現実 2003年スイス(動画・内容書き出し)
サクリファイス The Sacrifice
- 犠牲者ー事故処理作業者(リクビダートル)の知られざる現実
<福島第一原子力発電所の今と未来>
「福島はチェルノブイリよりもっとずっと困難です」小出裕章氏インタビュー(文字起こし)より
チェルノブイリ 事故の原子炉覆う工事
NHK 2012年11月28日 6時12分

26年前に史上最悪の原子力発電所の事故を起こした、
旧ソビエト・ウクライナのチェルノブイリ原発では、放射性物質の拡散を防ぐため、
事故を起こした原子炉を覆うアーチ型の建造物が建設されており、初めて工事の様子が報道陣に公開されました。
チェルノブイリ原発:
建物崩落、ずさん修理が招く「石棺」も腐食進行−−ウクライナ政府報告書
毎日新聞 2013年04月25日 東京朝刊

建設が進む新シェルター(左)と奥に見える4号機母屋=大前仁撮影
旧ソ連ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所で
今年2月に建物の一部が崩落した事故について、
1986年の爆発事故後のずさんな修理と老朽化が原因とする報告書を
ウクライナ政府の事故調査委員会がまとめていたことがわかった。
同時期に造られたシェルター(通称「石棺」)もコンクリートや鉄筋部分の腐食が進んでおり、
同原発のクプニー元副所長は
「石棺を含め(86年に爆発した)4号機の建物が非常に危険な状態にあることを示した」と指摘。
26日に史上最悪の放射能漏れ事故から27年を迎える施設が崩壊の危険に直面していると警告した。
86年に爆発事故を起こした4号機は、同年秋に完成した石棺で覆われている。
この石棺に隣接するタービン建屋の屋根と壁の一部が
今年2月12日、約600平方メートルにわたって崩落した。
今年の冬は例年より雪が多く、非常事態省は当初「雪の重みが原因」との見方を示していた。
だが調査委はこの見方を撤回し、2月末にまとめた暫定報告書で
「積雪は想定された許容量を超えなかった。幾つかのマイナス要因が重なって屋根の留め具が壊れた」と
結論づけた。
タービン建屋の一部は86年の爆発で吹き飛ばされ、翌87年に造り直された。
修理箇所が建物に想定外の負荷をかけ腐食や稚拙な溶接が留め具の損壊につながった可能性があると
分析している。
ウクライナ政府は石棺とタービン建屋の一部を覆う金属製の「新シェルター」を2015年に完成させ、
その中で古い建物を解体する方針だが、
クプニー元副所長は「完成が遅れれば(石棺を含め)建物損壊の可能性が高まる」と警告している。
【チェルノブイリ(ウクライナ北部)で大前仁】
石棺覆う巨大ドーム出現 チェルノブイリ原発事故27年
中國新聞 2013年4月24日
旧ソ連時代の1986年に起きたウクライナ北部のチェルノブイリ原発事故から26日で27年。
事故を起こした4号機を覆う石棺が老朽化したため、
石棺全体を覆い放射線の拡散を防ぐかまぼこ形の巨大ドームが全容を現した。
ウクライナ政府が23日、共同通信などに公開した。現地では、東京電力福島第1原発の周辺と同様、
放射線との長い闘いが続いている。
ドームは鉄製で重さ2万9千トン、幅257メートル、高さ110メートル。
石棺の隣接地で昨年3月に建造が始まり、既に基本構造はほぼ完成。
耐用年数は100年だ。
丸く湾曲した屋根が陽光を受けて銀色に輝く。くすんで角張った石棺とは対照的だ。
準備が整えばレールの上を約300メートル移動させ、2015年10月には石棺密閉作業が完了する。
同原発の安全担当責任者アレクサンドル・ノビコフ氏は
「チェルノブイリには二つの色がある。悲劇の色と未来の色だ」と述べ、
計画が順調に進んでいることを強調した。
作業の状況は外部から見えないが、
クレーンを動かすような低音と、鐘を鳴らすような金属音が絶え間なく響く。
石棺周辺の放射線量はこの日、手元の線量計で毎時約7マイクロシーベルト。
130キロ離れたキエフ市内の30倍を超す。長時間の作業は難しい。
石棺の耐用年数は約30年で、16年には極めて危険な状態となる。
ドームが完成する15年10月は「滑り込み」に近い際どい期限だが、問題はその後にある。
密閉した石棺と原子炉を解体、内部に残る核燃料をどのように処理するかは全く未知の領域。
ドーム建設には欧州を中心に国際社会が資金を出したが、完成後の計画内容は事実上白紙の状態だ。
(チェルノブイリ共同=松島芳彦)
チェルノブイリ・フクシマを忘れない! 集会とデモ
http://youtu.be/N6zjaKGCLr0?t=1h7m23s
1:07:25~武藤類子さん

これが私の住んでいたところなんですけれども、
ちょっとですね、「子どもの本棚」という本があるんですけど
そこに投稿させていただいた文章がありますので、
それをちょっと読ませていただいてお話を終わりにしたいと思います。
冬枯れの柴山を背景に音もなく降り続ける雪が
野原も小屋も真っ白に染めていきます。
福島原発事故から2年がたとうとしている私の家の前の風景です。
いまだに毎時0.2マイクロシーベルトを計測する放射性物質が確実に存在していますが、
それでもなお美しい森です。
私は原発事故が起きる前までは
福島県の阿武隈山系の中にある雑木の森で細々とカフェを営みながら暮らしていました。
カフェの名前は「里山喫茶燦(きらら)」といいました。
人生には様々な波があり、私にもドドンと落ち込んだ時期がありました。
そんな時に始めたのですが、何とか気を取り直し、
今からきらめく様な人生を生きようとつけた名前でした。
森にはこなら、さくら、漆、かえで、ヤマボウシなどの広葉樹があり、
秋には色とりどりに紅葉し、冬には一枚の葉も残さずに落葉した枝枝が夕焼けの空に映えました。
早春のパステルカラーの芽生えは、夏至のころには圧倒的な深緑になりました。
四季折々の光景の中で、
「私はなんと美しい星に暮らしているんだろう」とひとり呟く事が何度もありました。
森にはいつも小さなドラマがありました。
私は日々観察しては驚嘆し、森の暮らしは退屈することはありませんでした。
原発事故以来、私はほとんど戸外で過ごす事がなくなりました。
草の匂いも、せせらぎの音も、割った薪が渇く時にピンピンと奏でる音。
頬を撫でる風も、甘酸っぱい木イチゴの実も、雪の上の獣の足跡も、
窓ガラスの向こうの世界のものになりました。
どんなに美しくても触れる事の出来ない世界は悲しいものです。
原発事故がもたらしたものは人類だけに及ぶものではありません。
地球に生きる生き物としての私たちは、今からどんな世界をつくっていったらいいのでしょうか。
この文章を書いている間に夕闇が迫ってきました。
雪は20cmほど積もって今は止んでいます。
のぼってきた月に光に照らされて、透明な青い世界が広がっています。
深く考えなければいけない時ですね。

という事で、この店に今も住んではいるんですけれども、
ちょうどこのお店を始めたのが2003年の4月26日だったんですね。
「チェルノブイリを忘れないように」と思って始めたお店でした。
震災以来閉じてしまっていたんですけれども、休業していたんですね。
もう再開の見込みはないなと思って。
つい2週間ほど前にここを廃業にいたしました。
本当に、原発事故というものがもたらすものの
もたらすものというのは、もちろん健康に被害があったり、経済的な被害があったりしますけれども、
あの、人の心っていうんですかね、
そこに与える影響というのは非常に大きいなと思っております。
この前ETV特集というのを見ていたら、
アメリカの規制委員会の委員長さんが辞められてねその事をやっていましたけれども、
彼が言ってたのは「人はどういう影響を受けるのか?」という、
「人の暮らしというものがどういう影響を受けるのか」
その事がすごく重要だという事をおっしゃっていました。
ーーつづくーー
武藤類子さんのこの日のお話を今後書き出していく予定です。
「福島からあなたへ」武藤類子さんインタビューOurPlanetTV2/9(内容書き出し)
9・19「さようなら原発集会」全員の集会の発言内容完全書き出しました
「私達は静かに怒りを燃やす東北の鬼です」
9月19日の武藤類子さんのスピーチ書き出し
この日の武藤類子さんの講演 書き出し分
「原発事故以来、私はほとんど戸外で過ごす事がなくなり窓ガラスの向こうの世界になりました」
武藤類子さん4/21(内容書き出し)
「作業員『汚染水は浴びたくない』・モニタリングポスト数値半分」
武藤類子さん4/21郡山(内容書き出し)
「除染・鮫川村・バイオマス発電」武藤類子さん4/21郡山(内容書き出し)
「IAEAがやってきた」武藤類子さん4/21郡山(内容書き出し)
「福島エートス・福島原発告訴団」武藤類子さん4/21郡山(内容書き出し)
【日時】2013年4月18日(木) 18:30~20:30
【会場】千代田区立日比谷図書文化館・コンベンションホール
【講師】児玉龍彦さん (東京大学アイソトープ総合センター長)
Video streaming by Ustream
DNA修復エラー
他の地域の子どもの甲状腺がんと比べて、今ゲノム全体を見ることができまして、
2万5000の遺伝子を全て調べる事が出来るように。
そうすると、一部の染色体が三つに増えているという事がある。
これはどういうことか?と言うと、
パリンドローム増幅といわれている修復エラーがあります。
これはどうして起こるのか?と言うと、
「たけやぶやけた」みたいに、DNAは2本線になっていますから、
GAATTCみたいな配列があると、逆向きから行くとGAATTCと
右から読んでも左から読んでも同じように生物では認識するという配列があります。
※パリンドローム(palindrome)
2本鎖DNAの塩基配列を同じ方向(5'から3'の方向)から見たときに、
下にあるように相補鎖が同じ塩基配列になっていること。
5’・・・・・・GAATTC・・・・・・3’
3’・・・・・・CTTAAG・・・・・・5’
そういうもののそばにクロムゾームブレイクサイト(Chromosome Break)切断点がありますと、
修復する時に間違えて修復してしまう、方向を。
それももう一本の染色体をもとに修復という事が行われるのですが、
もう一本の染色体がどっち向きにしていいかがわからないと、
こういうふうに二つ、コピー数をもっと増やすように修復してしまう。
これは「たけやぶやけた」みたいな配列を“回文”と言いますので、
“回文的増幅”と言いまして、パリンドローム増幅というんですが、そういうのが起こっている。
そうすると先ほどの
「低線量の被ばくの時はDNA修復が盛んになるから切れてもいいんだ」という議論の逆でありまして、
このDNA修復の時には使われる酵素も違いまして、
普通の酵素の100倍エラーが多い事が知られています。
そうするとかなり沢山の、
実はDNA修復エラーが起こっているんではないかと、
だけど大半の修復エラーは、癌になるとかそういうはっきりした表現系が分からないために、
その修復エラーであるのが認識されていない。
それで修復エラーが
ハッキリ染色体の7番の傍にあるというのが分かった子どもだけで4000人いたということは、
かなりの数のDNAの修復の問題というのが、
実際に地元住民の方に起こっていたんじゃないかという事が、
ゲノム科学からの推測という事になります。
それに何故こういう現象の検出が難しいかというと、
これはアメリカの学士委員の会報に
そういう低線量被ばくの影響を高く評価する人も低く評価する人もみんな入って、
そのコンセンサスを作っている論文なんですが、
そういうので見ますと、
大体たとえば50ミリシーベルト以下のところでのいろんな現象というのをみるのには、
10の6乗、100万人ぐらい調べないと検出できない、統計的に。
ですから私も内閣府の低線量被ばくのワーキンググループというのに行ってビックリしたんですが、
そこの議論は「エビデンスがあるかないか」という議論をしていました。
だから子どもさんはその低線量被ばくの問題が甲状腺以外で起こっているかどうか
YesかNoかで答えなさいと言われたんですが、それは非常に違和感を覚えました。
と申し上げますのは、もともと理論的に20ミリシーベルト以下のものを見るのには、
100万人調べないと意見が言えない。
そうすると、広島長崎でも100万人は調査されていないです。
広島長崎の被爆者のフォローアップでも
せいぜい数10万人の下の方で、というのが現実の有効なデータとして出ているのですから、
20ミリシーベルト以下のものを統計学的に議論するという事は非常に難しい。
それで、チェルノブイリでああいう事が分かってきたという事で、
非常に、実は大変な事を私は示唆しているのではないかというふうに思っております。
03:35
放射性物質の人体蓄積
次に放射性物質が人体にどう蓄積したかという事を見ていきたいと思います。
これはちょうどセシウムの話をご理解いただくのに、
セシウムの議論というのが健康被害を何故簡単に言う事が出来ないか?というと、
実は放射性のセシウム137というのは、
地球上には1944年以前には散らばっていない。
要するにアメリカで核実験、
核の開発での実験が始まってから。
だから一番いい例が何に使われているか?と言うと、ワインの鑑定で
ワインを開栓して、そのワインにセシウム137が出てきたら
1945年以降のワインというふうに見られるというふうになっています。
そうすると、セシウム137の健康被害を言うのが非常に難しいというのは、
半減期30年の核種が、まだ生まれてから地球上にまき散らされ出してから60年しか経っていないもの。
それで健康被害をどうこうと言っても非常にセシウムの健康被害というのを見るのは難しいと思う
これは有名な、あれですよね、問題になっている。
これが本当か嘘かというのが問題になっている有名なワインがありまして、
このワインは少なくともセシウム137が入っていなかったんで
1944年以前のワインだというように認められたと。
それで、私どもはセシウム137が最初に散らばったという時に、南相馬に行って、
2011年に、これは南相馬市民病院の坪倉先生達が発表されたデータなんですが、
この中学生以下の中で
3割の子どもに250ベクレル以上のセシウム137と134が検出されたという事を聞いて、
ぼくは除染という事を言っていたんですが、非常に悩みました。
というのは以前環境中に無かったものが
子どもの身体に明らかに検出されるように溜まり出しているという時に、
そういうところに居住していて
本当に子どもの健康を保てるかどうかという事が一番大きい心配だった訳で、
それで坪倉先生の方からその後の進捗として2012年の前半に殆どこれを一生懸命防護して
食事とか、それから小学校やなんかの除染だとかその他をやって、
ほとんどセシウムが消えていったという事を聞いた時に非常にほっとした事を覚えています。
それでその結果というのはこちらに出ていますが、
南相馬市民病院での坪倉先生達が報告されているセシウムの検出率の推移というのをみますと、
9月10月11月とどんどん下がっていって、1月2月で。
それで高校生以上の場合はそれよりも下がり方が遅いという結果が出ている。
それはどういうことか?と言うと、こちらの図に坪倉先生がお出しになっているのは、
これは南相馬市のホームページへ行っていただければ出ていますので見ていただけますが、
大半の人は反復して測ると下がってきています。
ところが一部に下がってこない人がいます。
それもほとんどが大人です。
それで、そういう事になりますと一番の問題は食べ物が心配になります。
食べ物でちょうど2011年の秋に
二本松というところで最初にコメがセシウムに汚染されているというのが出てきました。
それでこの時にですね、実は非常に注目されたのは、
土壌のセシウム量とコメの中に入っているセシウム量が相関しない。
一見不思議な現象が出てきました。
それで東大農学部の塩沢先生達がこの南相馬の田んぼに入ってさらにその稲を詳しく調べました。
そうすると、稲にセシウムが入っているのは7月から8月に成長した層に一番入っている。
それで、実地の田んぼを調べましたところ、
実際の可能性として一番注目されていますのは、落ち葉とか有機物。
要するに木の葉っぱにくっついていたようなやつが田んぼに落っこって、
ですから普通にセシウムが入ったやつは粘土にくっついてしまうと簡単に離れていない。
それで一番離れてくるのは有機物にくっついて有機物が落っこって、夏に分解される。
塩沢先生達は
「それでいくと初年度と比べて2年度以降は大幅に減るでしょう」という事を予測されました。
というのは、粘土にくっついているセシウムが測っていると出てくる一番多いセシウムなんですが、
それが移行率が非常に低いという事になっていると、
むしろ有機物にくっついている奴というのは1年目にいっぱい落ちてきますが、
2年度からはたとえば広葉樹も葉っぱが生え換わってしまいますから、
ずーっと減ってくるだろうと。
それで実際にそういう事が分かってまいりました。
それで、ここでですね、ちょっと気になりますのは、
よく南相馬なんがに行くと、
「まぁ、子どもとか妊婦なんかは心配するけど私たちは良いよ」という話が、
最初お年寄りの方からあったんですが、
実際には年齢別の検出割合というのを見てみますと、
年齢が行くほどセシウムが沢山溜まっている。
多分、もうひとつは食生活で、
高齢の方ほど、やっぱりもともと食べていた物から変えるのが難しい。
南相馬なんかだと一つの地産地消のいいところで、魚から野菜だとか果物だとかいろいろあります。
食品からの内部被ばく
それでイメージングプレートで見てみますと、
これはたとえば南相馬で採れた柿ですが、柿の実はやっぱりセシウムが入ってしまう。
でもセシウムが入っていると言ってもどうも見ると種にすごく多い。
それとこっちは南相馬じゃなくて埼玉の栗で、山林にある栗ですが、
栗でもたとえば実に入っている。
そうすると、どういうものにどう入っていったか?というのを
調べてみないとよく分からないという現象があります。
それで一番こういうので、皆さんもご存知かもしれませんが、
セシウムを集める性質を持っているのはコケとかキノコです。
それでチェルノブイリの経験で、事故後数年間野生のキノコのセシウムが増加した地域もありました。
それから大気圏内の核実験が行われた60年代からかなり長期にわたって、
日本全域で100ベクレル/kg以上、今の食品の検査値、
これ以上は食べちゃいけないですよという線が検出された歴史があります。
それで今回もですね、セシウムが飛散した、福島だけではなしに、
かなりもっと、実際にはセシウムが飛散していた伊豆とか新潟とか山梨
300km範囲まで、やっぱりいろんなキノコにセシウムの上昇というのが検出されちゃっています。
それももうご存じの通りだと思いますが、
キノコの栽培方法というのは違う方法がありまして、
いろんなこういう森林の中でやられているのと、工場みたいなところでやられているものがあって、
やっぱり露地物とか、自然の環境の中でやられているものの方が、
残念ながらセシウムの蓄積量は多いと。
ただし、工場みたいなところでつくられている物でも、
使われた原木やなんかにセシウムが入っていると、
かなりそこから溜められてしまうという事が知られています。
それで、ちょっとご注意頂きたいのは川魚と海の魚で、
坪倉先生達が見ていて一番高い、体内にセシウムを蓄積が出たのが2万5000ベクレル。
田村に住んでいて、川魚をいっぱい食べていた。
それでその方に、ヤマメだとかニジマスとかを持ってきてもらったら、
その食べていた川魚にかなりセシウムが沈着していた。
これは、海の魚というのは塩の高いところで生きていますから、
塩分を排出しないと生きていけないんです。
ところが川の魚というのは、淡水の中で生きていますから、
塩分を排出してしまったら生きていけないです。
それで海から川へ上がってくる魚は、そこで遺伝子の発現を変えて、
塩分を溜めるように切り変わる事で生きていける。
逆に言いますと川魚は今後かなり長期にわたってセシウムの汚染の可能性がある。
特にコケを食べる川魚は、やっぱりそういう意味での食物連鎖がまだ残っています。
それでじゃあ、海の魚はどうなっていったか?と言うと、
表面にあるコウナゴとかシラスは最初1万ベクレル/kgを超えるようなものも獲れていましたが、
これはどんどん減りまして100ベクレル/kg以下になっている。
ところがヒラメみたいなものは逆に最初は10ベクレル/kg以下だったのが、
1年ぐらいたってから100ベクレル/kg以上のものが結構福島沖で獲れてしまっているという事で、
先ほど申し上げたセシウムの移動していく所につれて、魚も汚染されてしまうという傾向が続いています。
それで一応、最初にはいろいろ議論があったんですが、
私どもも100ベクレル/kg以下というのは、
国際的に見ても厳しい基準にやっていくというのがやっぱり大事だという事を申し上げまして、
そういうのが今の国の基準になっています。
それでこの国の基準に従って100ベクレル/kg以下というのを決めようということを
放射線審議会で昨年の2月ごろに議論した時に、
「そんな事を検査できる機械があるわけがない」とか、
それから「農民を鞭打つようなものだ」という事を言われていた方がいらっしゃいました。
ですけれども私どもは事故の後、島津製作所と一緒に
PETやなんかに使うBGO検出器なんかを使った機械の開発という事が大事だという事で、
島津の北村博士という人がこういう機械を一生懸命作って下さっていまして、
実際には1月にはこの機械が京都の三条工場で出来上がっていたと。
それで私も放射線審議会の方に、かなりこの機械の説明にいったんですけれども、
全然理解されてなかった。
だから、先ほど東大教授という話をしましたが、
残念ながらですね、今の政府の色々な放射線関係の審議会に、
本当に先端的な環境技術や計測技術に詳しい方というのがあんまり入っていない。
それでどちらかというと、政府機関で政府からお金を貰っている原子力関係の人が非常に多いという事。
それで放射線審議会はそんな議論をやった後に、
3月に私ども、
この島津の機械は、二本松。
二本松は市長の三保さんという方が非常に食品検査やなんかを熱心にやっていまして、
毎週のように電話を頂きまして、「まだその食品の検査機は出来ないのか」と。
それで、JAの二本松にこの機械がいって、それで大体10秒で
従来の400倍のスピードで検査が出来ます。
これはですね、私どもが、さっき言った人体内にある微量のガンマ線から
1mmの癌から0.5mmの癌を見付けるという努力をやっている者にとっては当然の数値でありまして、
「たぶん今までのチェルノブイリ時代の数100倍の検査機は出来る筈だ」
というのはずっと思っていた訳です。
ところが放射線審議会の中にその事を理解している人が一人もいないという事に、
私はちょっと愕然としております。
ですから「大学の研究者でテレビに出てくる人が本当の大学の研究者の中心ではないんです」
とさっき申し上げたのが、
おんなじことが放射線審議会やなんかにもあって、
放射線審議会というところに
本当に計測技術とか先端技術、環境技術に詳しい人が入っていないという事が、
非常に今日本の、さまざまな福島原発からの復興の上で問題になる。

それでその、結局放射線審議会という、ですから委員長の丹羽(にわ)先生という方も辞めちゃって、
その後殆ど開かれていないという体たらくになっておりまして、
結局その専門家としては先端的な技術の事を全く知らない
それでこういう機械の開発が
民間企業とか大学の研究者で1円も国からの援助を貰わないで行われたということも、
よく覚えておいていただきたいと思います。
それで全体にはこの機械が100台以上入りまして、
現在では1000万袋のコメが去年検査されて、
それで20~50ベクレルが2万袋。
50ベクレルからが1600袋。
76ベクレルからが389袋。
100ベクレル超えが71袋。という、かなり詳細な割合が分かってまいりまして、
福島の中でも99.8%はこの25ベクレル以下。
一応50ベクレル以下、乳幼児の基準も入れると、これが一つの基準だと私どもは思っておりますが、
それ以下のものが99.8%以上が、福島の物でも担保されている。
それで風評被害といういい方が良くされますが、
それは私はあまり適切ではないと思っています。
実際にお米にこういうものが入っているというと、
それは風評被害が生まれるというのはきちっとした全袋検査が行われていないからであって、
風評ではなくて現実の危険性の問題がある。
それでそれに答えるのには、実際には全体の検査しかない。
これは実はですね、
風評被害問題と言われたBSEの検査の時にも、全く同じ傾向が出ている。
日本の肉牛の値段が単位当たり1400円位だったものが
BSE問題が出た時に400円まで下がりました。
それで全頭検査をやったら1カ月後に1300円まで戻った。
これは風評被害と言うよりも、危機を避けようという一つの反応であったというふうに思っております。
そういうのに対してきちんと全袋検査が可能になってやっていけば、これはむしろ、
今はただ残念ながら全袋検査というのが行われているのがこれが福島だけでありますから、
それ以外の府県ではまだ残念ながら全袋検査というのは行われていないという、
ちょっと逆転した現象も起こっています。
つづく
児玉先生がおっしゃっているコメの全袋検査の機械ってこれかな? ↓
福島県新米の「全袋検査」ニュースを見て、検査機械の性能を調べてみた
島津製作所の機械です。
出荷制限区域(管理計画対象区域)の全量全袋検査の結果(速報値)
平成25年3月14日
続きを読む
こういう緻密取材が報道の本来の姿勢だとおもう
ーーー
「週刊朝日」Twitterで話題の画像検索

鹿児島県南大隈町長の森田俊彦が勝手に原発関連施設の誘致活動の委任状を出した問題で渦中のミスターX氏を調べてみた。週刊朝日のライターさんが取材写真をアップしててミスターXさんの邸宅の画像を拡大してみたらこうなった→
http://twitpic.com/cluaaj

原幸一社長
"先月13日、東京都千代田区麹町にある「オリエンタル商事」の本社を訪ねたが、同社の原幸一社長は面会による取材を拒否、電話で話を聞くことになった。以下、オリエンタル商事本社事務所前での原社長とのやり取りである。"
"森田町長ら町の有力者と、オリエンタル商事の原幸一社長との交遊はつい最近まで続いていたと、関係者は取材に対して語った。海外旅行にまでいっしょに行く関係だったことが明らかになっている。証言によれば、「森田町長、県議、商工会長、漁協組合長、建設会社社長らで海南島に出かけた。去年も、ほぼ同じメンバーで大連に行った」という。"
一方、町長らを東電の勝俣会長に引き合わせることができる原社長について、関係者でさえ、どんな人物かわからないという。町長らの同処分場候補地の海上視察にクルーザーを提供したり、町の有力者を原発視察旅行にタダで連れて行ったり、原子力関連のコネクションを持つことが、関係者の証言から浮かび上がる。指宿市に支店として豪華別荘があり、町の有力者を招いたり、東京のクラブで飲食接待したり、かなりのお金を動かしていることも間違いない。
原社長に取材を申し込んだが、現時点で一切、コメントがない。オリエンタル商事の本社に電話しても、従業員は会社の業務内容さえ回答しなかった。オリエンタル商事は、本社が東京都千代田区。東京商工リサーチの企業情報によると、事業内容は船舶のリース業となっているが、その実態が皆目つかめない。
オリエンタル商事が一体なんの会社か実態がつかめない
"これまで関係者の証言をみてきた。森田町長に収賄の疑いが生じているのは誰の目にも明らかだ。森田町長は取材に対し、疑惑を否定することができなかった。
証言によれば、「核のゴミ」最終処分場誘致の問題が起きた早い段階から、南大隅町の森田俊彦町長が誘致に関わってきたことになる。東電を訪問して誘致を約束する一方、オリエンタル商事の原幸一社長から飲食接待を受けていた。モーターボートを譲渡されていることもわかった。"
暗躍するフィクサーに見た、原子力ムラの底知れぬヤミ
"温泉地で有名な鹿児島県指宿市に
目もくらむような、とんでもない豪邸をもっていた。"
"ペルーのフジモリ元大統領まできたそうや。
近くの港には、豪華なクルーザー。
会社には、自民党の大臣経験者が役員で名前を連ねている
ときもあったそうや。"
http://hunter-investigate.jp/news/2013/03/-5322-1526-12-19-13.html
これが核心人物の会社支店!~南大隅町長、核のゴミ収賄疑惑(1)
NET-IB NEWS 2013年3月11日 11:31
高レベル放射性廃棄物最終処分場の誘致をめぐって贈収賄疑惑が浮上した鹿児島県南大隅町。同処分場誘致問題が表立った動きになった前町長時代から、 現在の森田俊彦町長(当時商工会長)が深く関わっていたことが複数の関係者の証言でわかった。誘致をめぐって森田町長らと東京電力を結んだキーマンに、あ る会社社長が浮上してきた。原幸一氏、東京都千代田区に本社があるオリエンタル商事(株)の代表取締役だ。原社長が所有していたボートが森田町長に譲渡さ れており、さらには現・前町長がそれぞれ原社長から飲食接待を受けていたという証言がある。複数の関係者の証言によると、森田町長ら町の有力者が同社の鹿 児島支店を訪れている。オリエンタル商事とはいったいどんな会社なのか。原社長とはいったいどんな人物なのか。謎がふくらむ。
取材班は、現地を訪れた。
支店の所在地は、錦江湾をはさんで大隅半島の対岸、指宿市。東シナ海を一望する「砂むし温泉地」に近い。車を走らせると、目の前に、ハリウッド映画のロ ケに使われそうな豪華別荘が現れた。白い壁に囲まれた海沿いの広大な一角だ。黒い西洋風の門の脇にはローマ字で「HARA」の表札がかかっている。
エントランスの落ち葉を掃除している男性に声をかけた。「オリエンタル商事の支店は、ここでいいのでしょうか?」
男性は「そうです」。記者の「表札は原さんで、別荘みたいですが?」との問いかけに、「原社長の別荘でもあります」と答えた。
この男性は、オリエンタル商事の従業員で、別荘の管理をしているという。「オリエンタル商事」と書かれた軽トラックも停まっている。2つのプールがあり、馬が飼われている。
水面は南国の日差しに輝き、白馬は、のどかに草を食んでいた。
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蠢き続けた黒い人脈~南大隅町長、核のゴミ収賄疑惑(2)
NET-IB NEWS 2013年3月12日 14:00
オリエンタル商事(原幸一社長)の支店である豪華別荘には、森田俊彦町長ら町の有力者が招かれている。緑に囲まれ、東シナ海を一望する別荘で交わされた会話はなんだったのか。関係者の証言によれば、森田町長らと原社長の関係が、個人的付き合いで済まないものだった。
<発端となった「ニューモ勉強会」>
南大隅町で「高レベル放射性廃棄物最終処分場」誘致の動きが起きたのは2007年。当時町長だった税所篤朗氏が取材に応じた。税所前町長は、自宅で当時のことを思い出すようにしっかりした口調で語った。
税所前町長によれば、原氏を知ったのは、ある人物の紹介だった。ある人物から「高レベル放射性廃棄物最終処分場」に関連して、「会ってみないか」と頼ま れたという。税所前町長は「この問題では先輩の町長が何人も失敗している。同じ轍を踏みたくない」と答えると、「話だけでも聞いてくれ」と言われ、断れな かったという。
その直後、原氏が六ヶ所村の元村長を連れて、町役場にやってきた。元村長の話を聞いて、最終処分場がいかに安全か、原子力施設誘致によって六ヶ所村がど れだけ活力をもらったかということがわかったという。その後、町議会全員協議会で「原子力発電環境整備機構」(ニューモ)に来てもらって、「高レベル放射 性廃棄物最終処分場」の勉強会を開いたと、前町長は話した。
この勉強会を開いたことが報道され、誘致の動きが表面化した。そのときには伊藤祐一郎知事が反対を表明していったんは動きがストップしたと思われてきたが、誘致の動きは町民に隠れるようにして、森田現町長に至るまで連綿と蠢いている。
<誘致一任の念書、東電訪問>
税所前町長は、オリエンタル商事という会社も、原氏がその社長であることもまったく知らなかったと話す。税所前町長が誘致をめぐって語った話をまとめると、次のような内容になる。
<原さんは東京電力の役員さんだと本人が言っていた。紹介した人が偉い人なので、そうだとばかり思っていた。議会で勉強会を開いた前後、後でしょ うね、原さんに放射性廃棄物処分場についてすべて任せるという内容の念書を書いた記憶がある。覚書というのかな。署名したと思う。誰あてかていえば、原さ んあてです。原さんに一任したんだから。
町を挙げて誘致する、原さんに任せるという内容です。取りまとめは助役がして、議長、商工会長(現在の森田町長)、漁協組合長が書いたと思う。>
<原さんはしょっちゅう役場に来て、議長室で議長、助役の3人で話していた。誘致を盛り上げる誘致振興会を立ち上げようと、当時商工会長だった森田町長が旗を振って受け入れ態勢ができた。>
<その後、原さんの依頼で、東電の勝俣さんに会いに行った。原さんもいっしょだった。勝俣さんが会長になったばかりの頃だった。公務出張中で東京 にいるところに、原さんから電話があり、東京にいるなら勝俣会長に会いに行こうと連れて行かれた。私は「町のなかがまとまったので説明に来ました。町を挙 げて誘致します」と話したと思う。原さんも会長室では、相手がお偉方なので控え目だった。原さんの存在は、不思議な力があった。>
<その前後に、議会などと一緒に佐多岬近くの処分場予定地を海から視察した。1回は海上保安庁の船で、もう1回は原さんのクルーザーだった。メン バーは同じ、主だった者です。町長を辞める直前の平成21(2009)年、東京に出張中、私と森田商工会長、漁協組合長、議長の4人が、プリンスホテルで 原さんにご馳走になった。>
<「東電のドン」に引き合わせたキーマン>
前町長は原社長から飲食接待を受けていたことを認めた。原氏への委任状など放射性廃棄物処分場誘致の見返りだったと見られても仕方がない。
委任状と前町長への飲食接待は、核のゴミ最終処分場誘致をめぐって展開する贈収賄疑惑の一部、ほんの始まりに過ぎなかった。
税所前町長の話に出てくる勝俣会長とは、東京電力の勝俣恒久前会長のことだ。2008年2月、柏崎刈羽原子力発電所のトラブルで社長を引責辞任して会長に就任していた。前町長が会ったというのは、時期的に符合する。
勝俣氏は、「東電のドン」と呼ばれ、原発との関係も深い。社長就任は、前任者が原発データ改ざん事件で引責辞任したためだし、会長就任は柏崎刈羽のトラ ブルの自らの社長引責辞任、そして福島第一原発事故では入院した社長に代わって陣頭指揮を執り、その後会長を引責辞任している。
「東電のドン」に町長を引き合わせたり、町長らの視察にクルーザーを提供した原社長とはいったいどんな人物なのか。核のゴミ最終処分場誘致をめぐって、当時商工会長だった森田・現町長、議長、漁協組合長ら、原社長をキーマンに東電につながった人脈は今も続いている。
忽然と消えたモーターボート~南大隅町長、核のゴミ収賄疑惑(3)
2013年3月13日 11:50
疑惑の発端は、1隻のモーターボートだった。
2010年夏のことだった。森田町長が港に船を運んできた。長さ約4.5メートル、幅約1.8メートル。5トン未満。船外機で動かすモーターボートだ。
関係者らによれば、運んできたときには、町長の同級生の友人がいっしょだった。関係者は、森田町長から「親戚からもらったと聞いた」と話す。船を港に置 くには、港湾使用許可が必要なほか、港を使う船の所有者らでつくる親睦団体「みなと会」に加入することになっている。森田町長は、ほどなく入会している。
その後、町長が船に乗っている姿も見られた。海に囲まれた町だけに、モーターボートを手に入れて、多忙な公務の合間にさぞかし船釣りやマリンレジャーを楽しんでいたことだろうと想像する。
ところが、昨年のある朝、モーターボートが港から忽然と消えていた。
後になってわかることだが、このモーターボートの元の所有者がオリエンタル商事の原幸一社長だった。
<原社長との関係をひた隠し>
一方、高レベル放射性廃棄物最終処分場問題は、2007年に町と町議会が「原子力発電環境整備機構」(ニューモ)の勉強会を開いた後、10年、一部町民が 同処分場誘致に賛成する陳情が提出して再燃。これに対し反対団体が結成され、誘致反対の陳情も出され、町を二分する状態になっていた。町議会が福島原発事 故後の11年3月、「(誘致の)具体的な動きもない」として、いずれの陳情も不採択とする結論を出した。
しかし、原発事故が収束していないように、「核のゴミ」処分場誘致問題も収束していなかった。
森田町長がこのモーターボートを手に入れた経緯と入手先について真っ赤なウソを述べていることが、調査報道サイト「HUNTER」で報じられ、「核のゴミ」処分場をめぐる贈収賄疑惑が明るみに出てきた。
モーターボートは10年6月、オリエンタル商事の原社長から森田町長に売買によって譲渡されたと、小型船舶登録原簿には記載されている(同年8月、変更 登録)。ところが、町長は、4月の町長選挙での対立候補陣営の画策だとして、原社長から入手したことを否定したというのだ。
それがウソなのは、NET-IBが入手した小型船舶登録原簿の登録事項証明書から明らかだ。
小型船舶登録原簿というのは、小型船舶登録法に基づいて、船舶番号や船の大きさ(長さや幅)、所有者などが登録されたものである。レジャーボートなど 20トン未満の船が対象で、自動車の登録と同様に、船舶も小型船舶登録原簿に登録されている。なお、登録事務は、日本小型船舶検査機構が国に代わって実施 している。
すぐにばれるウソをついてまで、森田町長は、なぜ原社長との関係を隠そうとしたのか。「HUNTER」によると、知人に貸していたお金の代わりに 取り上げたなどとウソを並べ立てた後、原社長から15万円で購入したと説明したという。無償譲渡や、市価よりも低い価格での購入は供与に当たる。
<町長「もう終わりましたから」>
取材のため、森田町長を町役場2階の町長室に訪ねた。
記者「高レベル放射性廃棄物処分場をめぐって、オリエンタル商事の原社長との関係をお聞きしたい。モーターボートをオリエンタル商事の原社長から入手したと一部報じられているが事実ですか?」
町長「もう終わりましたから」
記者「返したんですか?」
町長「違います」
その後、町長室を出た森田町長は、記者の質問に押し黙ったまま、駐車場に停めてあった車に乗り込んで去っていった。
「町長、お答えください」との呼びかけを振り切るまで、町長室を出てから約2分30秒。森田町長が唯一質問に答えたのは、「ノーコメントですか?」の問いに、「そうですね」と一言だけ。町長は、汚職疑惑を否定できなかった。
「私がやります」~南大隅町長、核のゴミ収賄疑惑(4)
2013年3月14日 11:07
「福島の事故がなければ誘致を続けていた。私たちは命拾いした。それなのに森田(俊彦)町長が町民にウソを言って誘致を続けているのが許せない」。複数の関係者が口を開いた。
<勉強会直後、六ヶ所村視察の誘い>
ある関係者は、取材に対し、こう語った。
「町と町議会が勉強会を開いたことが報じられて、ニュースを見ていたら、税所(篤朗)町長がなぜ誘致したのかと問い詰められて、『町議会も同意しています』と答えていた。おかしいな、勉強会をしただけなのに、なぜそこまで言うのかと思った」。
今までに高レベル放射性廃棄物最終処分場候補地として報道されたのは、福井県和泉村、高知県東洋町、鹿児島県宇検村など、いずれも過疎の自治体だった。しかし、名前が挙がると反対運動が起こり、いまだに候補地すら決まっていない。それほど危険な施設である。
名前が挙がっただけで反対運動が起きてきただけに、誘致にのめりこんでいても「勉強しているだけです」とシラを切るのが普通だ。実際に、勉強会を開いただけだったのに、あえて「議会同意」と発言したのは、何か事情があったからに違いないと、この関係者はみている。
しかも、この関係者は、勉強会の後、ある人物から「六ヶ所村に行ってもらえないか」との申し出があったと明かす。「私は、行くなら自分のお金で行くと断った」という。
では、税所前町長が今も、森田俊彦町長の裏から糸を引いているのだろうか?
この関係者は、それは違うという。「勉強会の直後くらいに、税所町長が『森田商工会長が「町長の立場ではやりにくいから私がやります」と言った』と話していた。旗を振っていたのは、当時から、森田町長(当時は商工会長)だよ」。
<「誘致するために町長になった」>
南大隅町で誘致の動きが蠢いている「高レベル放射性廃棄物最終処分場」とは、使用済み核燃料を数万年以上にわたり人間の生活環境から隔離するため地下300メートル以上の安定した地層に処分する施設だ。
使用済み核燃料といっても、福島第一原発事故の核燃料プールの危機が示すように、核分裂は止まっても猛烈な熱を出し続けるので、長い年月にわたって冷却 をし続けなければならない。無毒化する技術は開発されていないうえ、核燃料ウランの1億倍も危険な放射性物質に変わっているため、人間の生活環境から遠ざ けるしか方法がない。日本では、さらに厄介なことには、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出した後の液状の廃棄物になる。国の基本方針では、これを固 めて(ガラス固化)、冷却のために30~50年貯蔵した後、地層処分するとしている。
「核のゴミ」最終処分場誘致をめぐって、森田町長はどこまで関わっているのか。原社長との関係、東電とのつながりを探るうちに、ほかにも証言する複数の関係者が現れた。
森田町長の疑惑は、モーターボート譲渡だけではなかった。
関係者によれば、森田町長は当選直後の2009年5月、東電に行って、勝俣会長に会っていた。議長ら町の有力者が同席していたという。
「森田町長は勝俣会長に『核廃棄物処分場を誘致するために町長になった』と言った。同席した人が『そこまではっきり言い切ってびっくりした。まだ勉強の段階なのに』と話していた」。
<森田町長も飲食接待受けていた>
別の関係者は、ある原発視察旅行を語った。09年の町長選挙で森田俊彦氏が第2代南大隅町長に就任した後のことだ。
オリエンタル商事の原幸一社長に連れられて、森田町長の友人3人が、福島の原発と青森の六ヶ所村を視察したと話す。上京した後、福島へ行き、福島第1原 発、第2原発を見学して、いったん東京に戻って1泊。翌日は、六ヶ所村を視察して青森県から鹿児島へ空路で帰途に着いた。「旅費は全部原さんが出した」と いうのだ。
ところが話は、民間人同士の視察旅行にとどまらなかった。
関係者によれば――。東京では赤坂プリンスホテルに泊まったが、福島からホテルに到着したら、森田町長がそこにいた。「私らは町長がいるとは思わなかっ たけど、日程を合わせて上京してきたんでしょうね」と振り返る。一行は、森田町長と一緒に、夕食を共にし、さらには六本木のクラブで飲んだ。クラブでも森 田町長が一緒だった。一行の1人が、原社長が飲食代をゴールドカードで支払ったのを見ていた。
森田氏が現職町長になってから、原社長から飲食接待を受けたという証言だ。
森田現町長は、税所町長時代から当時商工会長として「核のゴミ」最終処分場誘致に深く関与し、町長になってからは、飲食接待やモーターボート譲渡など収賄疑惑が生じるほど、ずぶずぶの関係が築かれていたことになる。
年間20億円の原子力マネー~南大隅町長、核のゴミ収賄疑惑(5)
2013年3月15日 15:43
南大隅町で高レベル放射性廃棄物処分場誘致問題は、2007年の「原子力発電環境整備機構」(ニューモ)の勉強会以降、表面化するたびに沈静化してきたが、水面下では動きが止まっていなかった。
【高レベル放射性廃棄物最終処分場誘致をめぐる動き】
2007年3月 「原子力発電環境整備機構」(ニューモ)の勉強会
2008年10月か11月 税所篤朗町長(当時)ら東電訪問
2009年4月 南大隅町長選挙。森田俊彦氏が2代目町長に当選。
2010年8月 モーターボートの所有権変更登録
2010年12月 高レベル放射性廃棄物最終処分場誘致に賛成する陳情が議会に提出される
2011年3月11日 東日本大震災と福島第一原発事故
2011年3月 陳情不採択
2012年8月 南大隅町が除染土などの処分場の有力候補地と民放が報道
(※関係者の証言などをもとに作成)
森田町長ら町の有力者と、オリエンタル商事の原幸一社長との交遊はつい最近まで続いていたと、関係者は取材に対して語った。海外旅行にまでいっしょに行く 関係だったことが明らかになっている。証言によれば、「森田町長、県議、商工会長、漁協組合長、建設会社社長らで海南島に出かけた。去年も、ほぼ同じメン バーで大連に行った」という。
一方、町長らを東電の勝俣会長に引き合わせることができる原社長について、関係者でさえ、どんな人物かわからないという。町長らの同処分場候補地 の海上視察にクルーザーを提供したり、町の有力者を原発視察旅行にタダで連れて行ったり、原子力関連のコネクションを持つことが、関係者の証言から浮かび 上がる。指宿市に支店として豪華別荘があり、町の有力者を招いたり、東京のクラブで飲食接待したり、かなりのお金を動かしていることも間違いない。
原社長に取材を申し込んだが、現時点で一切、コメントがない。オリエンタル商事の本社に電話しても、従業員は会社の業務内容さえ回答しなかった。オリエ ンタル商事は、本社が東京都千代田区。東京商工リサーチの企業情報によると、事業内容は船舶のリース業となっているが、その実態が皆目つかめない。
これまで関係者の証言をみてきた。森田町長に収賄の疑いが生じているのは誰の目にも明らかだ。森田町長は取材に対し、疑惑を否定することができなかった。
証言によれば、「核のゴミ」最終処分場誘致の問題が起きた早い段階から、南大隅町の森田俊彦町長が誘致に関わってきたことになる。東電を訪問して誘致を 約束する一方、オリエンタル商事の原幸一社長から飲食接待を受けていた。モーターボートを譲渡されていることもわかった。
過疎地に原発を押し付け、そこに巨額の原子力マネーが動き、おこぼれをもらおうと、反社会集団まで群がってきたことは、原発事故後、多くの国民が知ること になった。高レベル放射性廃棄物最終処分となると、候補地になるだけで、文献調査の段階で年間10億円の「電源立地地域対策交付金」が自治体に転がり込ん でくる(概要調査段階になると年間20億円)。
今回明らかになった事実は、全体の一端に過ぎない。
最終処分場候補・鹿児島県南大隈町の山林8/23~25(追記)
最終処分場候補地に南大隅町が浮上 TBSニュース 2012年8月23日(木) 20時10分他。
南大隅町・自然エネルギー自給率170%超の町へ「放射能汚染土」を持ち込む!?
この漁港は、自民党の代議士である山中貞則議員が防衛相時代に整備した港。
港には、”山中代議士の功績を称える”記念碑が建っている。
読めば、自衛隊の射撃場を近くに造るので迷惑代としてプレゼントされた旨の説明が書いてあった。
自民党は昔からこのように田舎の人を手なずけて、
好き放題に税金を使って、自分の懐にも収めてきたのだろう。
「東京電力の情報公開・最終処分場候補地・現在の汚染地図」
小出裕章ジャーナル2/23ゲスト山本太郎(文字起こし)
山本:
なるほど。
先日、鹿児島県の南大隅。
本州最南端のところに「そこに誘致しようじゃないか」というのがずっとあるんですよね。
今西:最終処分場を、
山本:
そうなんですよ、最終処分場を。
で、地元にちょっと応援に行ったんですよ、その反対の。
という事なんですけれどもやっぱり水面下でいろいろと動かれていて、
小出:そうです。
山本:
それで、漁協だったりというのがもう買収されてしまっていたりとか、
たとえばJAというところは「中立」と言っちゃったりとか、
というような状況なんですよね。
でも、あの南大隅という町は100%自然エネルギーでもう賄えているし、
小出:そうですね。
山本:食料自給率も100%以上だと。
小出:はい。
東電勝俣会長にお手紙を届けに行ったら税金の超無駄使いを目撃!
貯水槽周辺井戸から微量放射性物質
NHK 4月27日 6時24分

汚染水の水漏れが相次いだ東京電力福島第一原子力発電所の地下の貯水槽の周辺に設けた
22か所の井戸のうち、半数以上の13か所から微量の放射性物質が初めて検出されました。

東京電力は放射性物質の濃度が低いため、貯水槽から漏れた影響か判断できないとして、
今後も継続して測定し慎重に調べるとしています。
福島第一原発では汚染水を保管する地下の貯水槽で水漏れが相次ぎ、
地下水に汚染が広がっていないか調べるため、
貯水槽の周辺に新たに22か所の井戸を掘って、毎日、放射性物質の濃度を測定しています。
このうち、すでに水漏れが確認されている1号から3号までの貯水槽などの周辺に設置した
13か所の井戸の地下水から26日、放射性物質が初めて検出されました。
検出されたのは貯水槽から10メートルから20メートル前後離れた場所で、
値は1cc当たり最大0.048ベクレルと、
汚染水が入っていない5号貯水槽などの周辺の値とほぼ同じだということです。
東京電力は漏れた汚染水についてはくみ上げて貯水槽に戻す対策を取っていて、
今回、検出された放射性物質の濃度が低いため、漏れた影響か判断できないとして、
今後も継続して測定し慎重に調べるとしています。
ーーー
「汚染水が入っていない周辺の値とほぼ同じ」ということは、
貯水槽から漏れた影響じゃなくても、もうすでに井戸の地下水が汚染されているという事になる(。◔‸◔。)??
けれど「13か所から微量の放射性物質が初めて検出」初めて検出と言っている。
ならば、周辺の値とは一体何なんだろう(。◔‸◔。)??
周辺は何時から検出されていたんだろう(。◔‸◔。)??
こんなに短い単純なニュースなのに、意味がよく分からない。
私が意味をよく理解できないという事は、国民のためのNHKのニュースなのに、
原稿の書き方が非常に抽象的でヘタクソだということだ。
この原稿を書いたのは誰だ!?
意味が分かりにくいニュースの場合は大切な事を言えないのかまたは隠している場合が多い。
最近作った22か所の井戸の中から初めて13か所から放射性物質が検出されたが、
「他の場所と同じくらいの濃度だから…」という事は
前からつくられていた井戸からはとっくのとうに放射性物質が検出されていたということになる。
つまり、地下水はすでに汚染されてしまっているのだ。
1リットル当たり48ベクレル程度の濃度で。
東京電力は「放射性物質の濃度が低い」と言っているし
NHKも「微量」と言っている。
1ccあたり0.048ベクレルという量は、果たして本当に濃度が低くて微量なのか(。◔‸◔。)??
1000cc=1リットル=1Kg ←これでいいんですよね?
1cc当たり最大0.048ベクレル
1000cc=48ベクレル=48ベクレル/kg
ということは、食品の基準では「飲料水」は10ベクレル/kgなのだから、
すでに基準よりも5倍近く地下水が汚れているということになる。
NHKはきちんと誰にでもわかりやすく
汚染水の水漏れが相次いだ東京電力福島第一原子力発電所の地下の貯水槽の周辺に設けた
22か所の井戸のうち、半数以上の13か所から微量の放射性物質が初めて検出されました。
値は1cc当たり最大0.048ベクレルで、
汚染水が入っていない5号貯水槽などの周辺の値とほぼ同じだということです。
1kgは1000ccですので、
飲料水の基準の約5倍である48ベクレル/kg地下水の汚染が確認されたことになります。
汚染水が漏れていない地区からも同等の汚染が確認されていたことから
今回の井戸の地下水汚染は、貯水槽から漏れた影響か判断できないとしています。
けれどこの東電の話から、
汚染水が漏れていなくても地下水が48ベクレル1/kg程度汚染されているという事実が
明らかになりました。
このように報道するべきじゃないのかな(。◔‸◔。)??
「今後も継続して測定し慎重に調べる」ということですが、
何の対策も取らずにただ調べているだけでは、当然どんどん漏れていくのだと思います。
「調べることで“いい”」のではなく、
しっかりとした対策を取った上で継続して測定して調べるのが筋だと思います。
ーーー
原発の建屋周辺に遮水壁設置を 汚染水対策委が議論
47News 2013/04/26 21:30
東京電力福島第1原発の地下貯水槽から放射性物質に汚染された水が相次いで漏れたトラブルを受け、
政府の汚染水処理対策委員会(委員長・大西有三京大名誉教授)は26日、
1~4号機の原子炉建屋を遮水壁で取り囲み汚染水の増加を抑える方策について議論した。
第1原発では1日約400トンの地下水が原子炉建屋などの地下に流れ込み、
原子炉を冷却した後の水と混ざって汚染水が増え続けている。
このため建屋に流れ込む地下水の量を減らすことが対策委の検討課題になっている。
この日は、大手ゼネコン2社が遮水壁の工法案を説明した。
【共同通信】

原子炉へ注入した水が漏れるなどし、建屋や立て坑にたまった放射性物質を含む水。
4〜5月に高濃度汚染 水の海への流出が2回見つかったほか、
移送先確保のため比較的低濃度を1回、意図的に放出した。
電力中央研究所の津旨大輔(つむね・だいすけ)上席研究員 らは、
これまでに海に流出した汚染水中のセシウム137の総量は3500テラベクレル(テラは1兆)に上ると推計。
この数値は過去の大気圏核実験で海に降 下した総量よりは少ない。
ただ原発周辺の海で検出された最高濃度は1リ...

ミネラルウオーターなど清涼飲料水の原料になる。
飲料の原料のほか、生活用水や工業、農業用などにも 使われ、重要な水資源となっている。
日本では大半が地表から約5〜20メートルに水脈がある。
100メートルより深い場合もあり、雨水が地層を通って地下 水になるまでには数年以上かかる。
ーーー
報道するラジオ 「小出裕章さんに聞く汚染水漏れ」
4/12(文字起こし)
水野:
この地下の遮水壁も、小出先生はずっと前からおっしゃっていたんですが、
「今からでも間に合いますか?」
小出:
要するにもう間に合わないのですね。
この間事故が起きてもう2年経ってしまっている訳で、
2年の間は何の防壁も無いまま原子炉建屋の地下、タービン建屋の地下から汚染水が環境に漏れていたし、
その一部はもう多分海へ出てしまっていると思います。
水野:ただ東電は「漏れていない」と言うので、そこのところが進まないですね。
小出:
そうですね、
「漏れていない」というなら、きちっとした証拠を提出すべきだと私は思います。
クローズアップ2013:
福島、子供の甲状腺検査 高まる県民の不信
毎日新聞 2013年04月22日 東京朝刊

NPO法人による甲状腺検査。
県の検査への不信から独自に検査をする動きが出ている
=福島県いわき市で3月16日午前11時半ごろ
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質から子供の健康を守るとして、
福島県が実施している甲状腺検査が揺れている。
これまでに3人のがん患者が確認され、7人にがんの疑いがあるとされたが、
県側は「被ばくとの因果関係は考えにくい」と強調する。
「県民の不安解消」を検査の目的に掲げる県だが、
情報公開に消極的な姿勢も相まって、保護者の不安と不信はやむ気配がない。【日野行介】
◇4観察項目省略、公表せず
福島県二本松市の主婦、鈴木麻記子さん(39)は昨秋、長男(6)の検査に付き添った。
検査技師はモニターを見つめて何かを測っている様子だったが、
結果について何も話さず、2分ほどで終了した。
不安になった鈴木さんは、一般の病院で改めて検査を受けさせた。
10分ほどかかった検査で、7ミリの結節(しこり)が見つかった。
県の判定基準では2次検査が必要な「B」に当たる。
だが、約1カ月後に県から届いた通知は、経過観察にとどまる「A2」だった。
鈴木さんは検査画像とリポートの情報公開を請求した。
約3週間後に開示されたリポートには
1・6ミリののう胞(液体がたまった袋のようなもの)があると記されていたが、結節は「なし」だった。
「県の検査は一人一人の子供を真剣に見ていない。本当に親の気持ちを大事にしているとは思えない」
と鈴木さんは憤る。
実は県の検査では、甲状腺検査で一般的に実施される12の観察項目のうち4項目を省いている。
だが、県はこのことは公表していなかった。
識者からは「精度に疑問がある」との指摘も出ている。
日本乳腺甲状腺超音波診断会議などが編集する「甲状腺超音波診断ガイドブック」は、
観察項目として「甲状腺の形状」「大きさ」など12項目を挙げる。
検査を委託される県立医科大は住民説明会でこのガイドブックを引用し「高い精度の検査だ」と強調してきた。
しかし、実際には「甲状腺の内部変化」「血流の状態」など4項目を実施していない。
検査責任者の鈴木真一教授は「短時間の1次検査では見る必要はないと考えた。
(内部変化や血流の状態は)一律には見ていないが、必要な場合は見ている」と説明する。
検査対象となる事故当時18歳以下の子供は約36万人に上り、
検査のスピードアップのために省略したという。
県の検査方法に関し北海道がんセンターの西尾正道名誉院長は
「血流の状態の確認をしないと、小さなのう胞と血管の区別はできにくく、精度が高いとはいえない。
大きな病気がないかどうか簡単に見るだけの内容だ」と指摘している。
◇独自検査の動きも
保護者の根強い不信と不安の背景には、情報公開に消極的な県側の姿勢がある。
県立医大が開いている住民説明会では、
確認されたがん患者の居住地や、被ばく線量の推計値の説明を求める声が上がった。
だが、鈴木教授は「個人情報だ」として明かさず、
「被ばく線量は低い」「見つかったがん患者と被ばくの因果関係は考えにくい」と繰り返した。
こうした姿勢に、参加者からは「『被ばくの影響なし』という結論ありきだ」との批判も出ている。
会津若松市で3月に開かれた説明会では、ある母親が立ち上がり、
「『親の不安を解消する』と言うが、私たちは不安を解消してほしいのではなく事実を知りたい。
私たち自身が判断する」と訴えた。
今回開示された「自治体別データ」は、今年1月の開示に合わせて市町村に伝達されたが、
それも自らの自治体分だけで「比較できない」と不満も出ていた。
そんな中、自治体や市民団体が独自に検査に乗り出す動きも広がる。
既に本宮市、浪江町などが開始。
NPO法人「いわき放射能市民測定室たらちね」は3月17日、
最新機器の寄付を受けて検査を始め、印刷した画像もその場で手渡している。
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■ことば
◇福島県の甲状腺検査
原発事故当時18歳以下の約36万人が対象で、2年半で一回りし、
20歳までは2年ごと、以後5年ごとに受ける。
1次検査は超音波でしこりなどの有無と大きさを検査し、A1〜Cに分類。B、Cは2次検査の対象。
2011年度にB判定となり、2次検査を受けた子供から、3人のがん患者と7人の疑い例が見つかった。
放射線医学県民健康管理センター

平成25年4月22日の毎日新聞報道について
2013年4月24日
4月22日付毎日新聞報道において、県と県民健康管理センターの実施する甲状腺検査について、
スピードアップのために本来必要な検査項目を故意に外しているかのような報道がなされました。
これは事実に反しております。
このような報道は、県民健康管理調査事業における甲状腺検査の精度管理について
県民の皆様の信頼を不当に損なうものであり、毎日新聞には強く抗議するとともに、訂正を求めております。
「検査責任者の鈴木眞一(真一は記事の誤り)・県立医大教授は開示後の2月13日の記者会見でも
『地域が特定されて本人に迷惑がかかる』と述べ、市町村別の判定結果を明らかにしなかった」
との報道について。
2月13日の検討委員会後の記者会見において鈴木教授は正確には
「B、C判定については非常に数が少なく、
地域が同定されて本人に迷惑がかかる可能性があるというのは十分に配慮しなければならない。」
とコメントしました。
一覧表そのものから直接個人を特定することはできないにしても、
地域が特定されれば、該当人数が少ない分、個人特定にたどりつく可能性を危惧したものです。
チェルノブイリにおいても、
放射線による健康影響についての情報が子どもの心に及ぼす影響は非常に大きいとの指摘があります。
その教訓からも、個人特定につながる可能性のある情報の公表はできるだけ慎重であるべき、
という考えが背景にあります。
なお、同時に鈴木教授は
「当然、統計学的には市町村単位や線量単位での検討というのは、今後必ずしなければならない」
ともコメントしております。
6歳のお子様に見つかったとされる7ミリの結節について
記事にある6歳のお子様の検査結果の食い違いについて、
県と医大が実施した検査結果が間違っているということはどのように確認されたのか
毎日新聞に問い合わせをしております。
検査のスピードアップのために検査項目を省略した という記事について
検査のスピードアップのために検査項目を省略しているというようなことは一切ございません。
甲状腺検査には手順、段階があります。
結節が認められない方に、結節の良・悪性を確認する検査項目をおこなうことはない、というように、
個人個人の甲状腺の状態に応じて必要とされる検査項目を手順にしたがっておこなっております。
例えば記事にある「血流の状態」という観察項目についても、
検査を行う医師・技師への説明資料内「観察項目」の頁に記載はありませんが、
腫瘍、びまん性甲状腺腫を疑う場合には必然的に血流状態の観察、確認をおこなっております。
このように、資料中に項目記載がないから検査を「実施していない」、
「観察項目を省略したことを公表していない」とすることは事実に反します。
検査のスピードアップのために検査項目を省略するようなことは一切ございません。
この点についても、毎日新聞には訂正を求めております。
ーーー
福島県が開示した甲状腺検査の自治体別判定結果(2011年度)
第10回「県民健康管理調査」検討委員会2013.2.13 <質疑応答文字起こし・ほとんど全部>
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福島県立医科大の放射線医学県民健康管理センターが毎日新聞に強く抗議したことに関して
OurPlanetTVでは2011年の資料を入手し、
「ガイドブックに沿った診断が実施されてい ないことが明らかである」と指摘しています。
続きを読むに

2013年4月12日 首相官邸前
みなさんこんばんは。
私は福島第一原発から1.2kmに住んでいました。
着の身着のまま裸で逃げてきました。
今現在港区にお世話になっています。
先月の6日、浪江町、隣の浪江町に入りました。
現状はどんなだったか、わかりますか?みなさん。
安倍総理も行きましたよね。
家の中に入ったら、友達の家はネズミ
30cmからの大ネズミが13匹も死んでいました。
ウンコはね1cmぐらいの、一皿すごい太いウンコだらけです。
そして柱から全部削られて。
ああいうところをなんで安倍総理は見なかったんでしょうか!
中まで見て、ちゃんと視察して下さいよ!
帰宅解除する前に、ちゃんと水道も、電気、道路、スーパー、歯医者、病院でもつくって、
それからにして下さいよ!
あんな所に帰っても、誰も帰る人なんかいません。
すごいですよ。

それで、後報道陣も福島の事をもっと調べて下さい。
この前、若い女の子が死にましたよね。
白血病で。
そしたらすぐに直ちに若い人がマスクかけたそうです。
なんで早くマスクをかけさせてくれなかったのでしょうか
あと、若い人から年寄りから心筋梗塞で結構亡くなっています。
だから早く報道陣はよく調べて報道を
ちゃんと福島県内の事を調べて発表して下さい!
原発は絶対反対です。
自分たちは苦しみましたから。
みなさん、絶対に再稼動を許さないでください。
よろしくお願いします。
松崎道幸先生 2013年4月26日
Sawada:
本日は松崎道幸先生に来ていただいています。
4月24日になりますが、郡山の集団疎開裁判というのが行われまして、
こちらの方の判決が出たという事で、原告団の方で記者会見を行っておりました。
その中で松崎先生も当初原告承認の意見書というふうな形で出されたりしておりまして、
この中に深くかかわっていたということもありますので、
是非ご解説いただければと思っているんですけれども、
大きい意味では前半の低線量における健康被害の部分は大枠認められたんですが、
集団疎開するまでには、それ単体では意味がないんではないだろうかという事の、
ちょっとぼかされたような結果だったように感じたんですけれども、
その中で低線量の部分が認められてきたというのはすごく大きな事だと思うんですけれども、
その部分の解説を頂けますか?
松崎:
結局、ちょうど国が
「毎年20ミリシーベルトまでの被ばくの場所だったら住んでもいいよ」という立場を否定した判決が、
判決文というか認定がていはんなんですね。
それは、余計に毎年1ミリシーベルト以上被曝するとか、
それから郡山市とか福島市でいろんな公的機関が測定するとやっぱり年間数ミリとか
シーベルトを余計に被ばくする状況があるというふうにまず認定してて、
そして、判決文の後、チェルノブイリでは郡山市並みの汚染の状態でも、
事故後に先天性疾患とか白内障とかですね、
心臓病、糖尿病、それからがんが増えたという調査結果があると。
それから、福島県が3万8000人の甲状腺を調べたら、
甲状腺がんが3人と疑いの子どもさんが7人見つかって、
これはチェルノブイリの事故の数年後に
チェルノブイリで同じ形の調査をした時に見つかった比率と同じ位だという事を認定してですね、
これは僕が意見書を書いた部分なんですけれども、
そういうふうな事が裁判所が認定した事と。
で、そういう事を受けて「由々しき事態である」という事を裁判所が認定したんですね。
それで、このまま福島の中通り地域にいるとすると余計な放射線被ばくをして、
チェルノブイリで起きたような様々な健康障害が福島でも同じように起きる恐れが
そういう蓋然性が強いという事で由々しき事態であるという事を判決文に書いてあるんですね。
※【蓋然性】がいぜんせい
ある事柄が起こる確実性や、ある事柄が真実として認められる確実性の度合い。
確からしさ。これを数量化したものが確率。
由々しき事態が起きているから疎開をするべきなんだけど、
本件がちょうど、学校教育を県外というか、放射線汚染のないところで出来るように
そういう権利を保障するべきだという内容なので、
それはいいけれども、じゃあ、
一日8時間県外で授業を受けて16時間はまた県内に戻ってきたなら意味がないじゃないかと、
「由々しき事態の場所に戻ってくるのは意味がないから、訴えは認められない」みたいな感じの判決文、
原告の請求を却下するという内容になったんですね。
ですから、もし、政府の言うとおりの判決文を書くとするんなら、
「放射線の汚染状態は20ミリシーベルトには達する見込みはなさそうだから今のままで大丈夫だよ」
というふうに,そういう理由を付けて却下するんじゃないかと思ってたんですけれども、
そうじゃなくて、私たちが言ったような
「本当にもう避難しなくちゃいけないような状態、汚染状態ではないのか」ということを
きちんと認定してくれた。
だから私自身は、とりあえずは敗訴だけれども、この判決文を活かして、
より徹底的なというか、子どもたちをはじめとして
放射線被ばくを知らせる事が出来るような対策を県とか国にしっかり要求していく、
一つの基盤が出来たんじゃないかと思っています。
Sawada:
そうですか。
そういった意味ではこういう判決というのは
まさに次のアクションへの礎になるというところが多分多く考えられると思うんですけれども、
昨年政府の方で出ていました「被災者子ども支援法」というのもありましたけれども、
私どもの方でなかなかわかりにくいんですけれども、
こうしたものによる被害を受けたということを、
受けた証明を出さないと救済してもらえない法律があるのと、
逆に言うとそういう受けていないという事を証明しないといけないというような、
証明を素人に求められるという、どちらに求められるか?と。
東電、もしくは政府の側が
「そうじゃないという事を証明する」というのは難しいですけれども、彼らはやるべきだという事ですけど、
逆に素人がそういうことを証明するというのはすごく大変な話でありますよね。
で、そんな中で今回のでいきますと、
政府と司法とで、ま、日本に三権分立があるのかというのがよく出ますけれども、
司法の判断としては低線量被ばく1ミリを超えるという現行の法律に照らすとなれば、
「これは由々しき事態であり健康被害があるんだ」というところまで踏み込んで認めたというのは、
やっぱりそうとう画期的なんでしょうかね?
松崎:
そうですね。
結局、病気が起きちゃってから「こんな病気が起きて具合が悪くなりました」
という事で申告をして救済してもらうという事では遅すぎるし、
今回の判決はチェルノブイリの例などから考えると
放っておくと将来いろいろと深刻な病気が起こる可能性が充分にあるという事態だと認定して、
なにもまだ表に健康障害が見えてないけれども、
今から対策を取る必要があるんじゃないかということなので、
予防的な認定をしたというのは非常に意味があると思いますね。
Sawada:
そうですね。
あの日本人がですね、良く言われるところで「怒りを表現する仕方を最近忘れてしまった」と。
たとえばデモに行く人も初めは行くけれどもだんだんにかなくなってしまうと。
もちろん怒ってはいるんだけれどもなかなか表現する方法がないという中で
一つこういった形で一つ一つの事態に対して訴えていくと、
「提訴するというのも一つの手じゃないか」という方もたまにいらっしゃいますけれども、
そういった意味で今回勇気ある、
これは中学生でいらっしゃいましたっけ、原告の方。
ですので、そういった形で勇気ある活動、行動がですね、
こういった形で一つの成果になってきているという、アクションの始まりになっていますよね。
これについては先生はいかがですか?
松崎:
とっても貴重で大事な事で、
結構こういう裁判とかをやるというのは、もういろんなしがらみもある中でやるという事だから
精神的にきつい、とてもきつい事だと思って、
本当に途中で降りたいと思って悩んだ事も多かったんじゃないかと思うんですけれども、
ここまで頑張っていただいて、こういう判決を引き出してくれたのは、
すごく、あの…大人にとっても意味のある事だったなというふうに思います。
Sawada:
そうですよね、そういった意味で、そういった事を決意した福島の方がたとえばいらっしゃった場合に、
そういうことをサポートする、たとえば松崎先生のような
医者という立場の方からの意見書を出していただけるですとか、
弁護士の方も含めですね、
そういった方というのはやっぱりいらっしゃるものなんでしょうかね?
松崎:
そうですね、あの…、
繋がっていないけれどもきっといろんなところでそれなりにやっている方がいらっしゃる筈だし、
たとえば今回、甲状腺の検診が福島でああいうデータが出たので、
他のところで本当に福島よりも多いのか少ないのかっていうのを確かめるために、
数百人の全国から甲状腺の子どもの検診を受けていただく子どもさんを募ってですね、
生活クラブ生協が検診をしたんですね。
それで調査をして、その結果が大体まとまってきたんで、
来週郡山に行って、どういうふうにデータを見るか?とか、
そもそも福島の子どもたちの状態をどう見るか?という話をする予定なんですけれども、
やっぱり全国にいろいろと子どもさんの事を心配して立ちあがって行動をしている方が、
医師ですとか科学者以外でも一般の方々が沢山出てきていらっしゃるので、
とっても、その、普通の方が頑張って、
そうするとにわかには行動を移さない方のことを少しずつ動かして、
なにか決定的な時にそのアクションとか行動が出来る、
そういう原動力をつくっているんじゃないかという気がするんですね。
ですから、ぼくたち、私が出来るのはそういう医学的に解説してということぐらいしかできませんけれども、
子どもさんに接しているとか、それから不安を抱えている親御さんとか、
いろんな方と繋がって
この問題をもっといい方向で解決できるようにしていかなければいけないなというふうに思います。
Sawada:
そうですか。そんな中今回の裁判の結果としましては
「集団疎開させる義務はない」というところである意味敗北であったんですが、
それ以外に大きい意味でエリアとしてですね、
松崎先生が以前から提唱されています中通りの汚染状況について、
大変厳しい見方をされていたというのもありますし、
判決の中でもそのような事が出てきているという事を受けて、
先生としては正直、どうですかねホント
移住したいと希望している方は出来る方はみなさんされているかもしれませんし、
今残っていらっしゃる方はしたくてもなかなかできないという方が多いところでありますけれども、
先生からなにか、そこについてお医者さんとして何かアドバイスがございますか?
松崎:
とにかく、一つは裁判所でさえ由々しき事態だと認定したので、
「どう由々しいのか?」という事をしっかりと
福島に住んでいらっしゃる方とか、政策を決める方々に知っていただいて、
その上で「今このままでいいのかい?」という問いかけですよね、それをして。
それから、それが必要と。
ですからそのうえで、やっぱりいろいろな情報を知ると、これは本当に、
移住とか疎開をしたいなという、そういう方々が沢山出てきた時に
ちゃんとそれをサポートできるような、資金だとか援助だとかを行政がやらなくてもいいのか?
というところまでやっぱり話を進める必要があると。
で、あと、…、
もうひとつは、あの、
低線量被ばくの事をやっぱりもっとしっかりと
「大変なことなんだ」という事を理論的にというか科学的に検討するような
医学者とか科学者のしっかりとした集まりというのも必要と思いますし、
ちょうどこれから夏休みなどに向けて保養ですとか、
一時的に福島から離れたところで何日間か何週間かもつような取り組みが
少しずつまた広がってきているので、
そういう取り組みも経済的にサポートしてもらうとか、
多くの人がその取り組みに参加して協力していくということも必要です、
もっと最近感じたのは福島だけじゃなくて、
首都圏でやっぱり検診をしたら甲状腺に異常があって、
小さなしこりがあってすごく心配だったよ、なさっている親御さんが沢山いらっしゃるようなので、
そういう方々のサポートというものも必要になってくるだろうと。
ですから、いろいろな課題はありますけれども、
医学的に見て科学的に見て大変な状態が今引き起こされているんだから、
みんなで何とかしようじゃないかという、そういう輪をつくってですね、
やっぱりあんまりその問題に関与してこなかったいろんな医学会ですとか科学会ですとかの協力というか、
どの子どもものっていく必要があるんじゃないかなと思っています。
Sawada:
そうですね、先生がおっしゃった通り先ず知ることから初めないと、
なかなか先ず情報が今、なくなってきているところがございますのでね。
ま、インターネットメディア中心に、真実と思われることは出るというのはもちろんありますけれども、
今後ともこのペイフォワードでは、先生を中心に良心のある専門家から正しい解説を頂いて、
知ることから始めていきたいと思っておりますので、
今後ともぜひよろしくお願いいたします。
松崎:はい、よろしくお願いします。
1.「東京大学という組織・放射性核種の飛散と性質」
児玉龍彦氏4/18放射能連続講座2大地を守る会(内容書き出し)
あらためて内部被ばくを考える~未来のためにただしい知識を~
上記のブログの続きです。
ある時期から児玉先生の文字起こしをすると、批判のコメントを多くいただくようになりました。
今回も、書き出したらきっと批判のコメントを頂くのだろうなと思いながらUPしましたが、
やはりそうでした。
私は、今回の大地を守る会が主催した児玉龍彦氏の講演を最後まで書き出しながら聞いてみることにしました。
ですので、これからもシリーズで続きます。
じっくりと聞いてみましょうd(◕‿-。) ネ❤
ーーー
25:52(動画は1にあります)

「医療用に使われたから安全」は安全じゃない
次に放射性物質が人体にどう影響するか?というのを見ていきます。
そうすると、ま、私どもがやっていますのは
いろんながんの治療にアルファ線、ベータ線、ガンマ線を薬にくっつけてみるという事をやっています。
それでちなみに、アルファ線というのはかなり大きな粒子線のものですので、
わりと短い距離でいろんな原子とぶつかってしまいますから、下敷き一枚でもかなり防げます。
それに対して、ベータ線というのはもうちょっと遠くまで飛びますが、
それでも人体内だったらせいぜい数ミリしか飛べないです。
それに対してガンマ線というのはかなり遠い、空気の中だったら60mぐらい飛びますから、
ガンマ線の空間線量を測っていろいろとやるという場合に、除染というのは非常に難しいです。
というのは自分の周り60mの中のどこかに線源があれば、それが飛んでくるという事になりますので、
これはかなり難しいものがある。
それで私どもがやっています仕事の中で、一番、大きいのは
癌の治療のお薬に放射性物質をくっつけるということ。
そうするとガンマ線をくっつけても、あんまり
あの…、ま、かなり線量が当たれば小さくなるんですが、癌細胞には効かない。
逆にそれを使ってがん細胞に集まる薬にガンマ線をくっつけてやっているのが「PET」
よくがん診断に使われますね。
最近は、我々の開発で1mm以下の0.5mmの腫瘍を見付けるっていうんで、
あとで出てきますが、私国会で、
イメージングに使っている検知器を使って、その食品検査をしようというのをやっている。
それで、BGO検出器というんですが、今福島でそれは全部BGO検出器の機械が使われていて、
だいたい5秒とか10秒で50ベクレル/kgのセシウムの存在を検出する事が出来るようになった。
それは逆に言うとイメージングに使えるという事は、癌がどこにあるかが分かるけど、
あんまりがん細胞をやっつけるのには効果がない。
そしてベータ線はかなり良く効きますが、
それでも一番よく効くのはアルファ線なんですね。
私も昔、アルファ線をくっつけた薬を使ってみたらどうか?という事を会議で提案しましたら、
放射線科の先生に怒られまして、「それはとんでもない話ですよ」と。
実は日本では、日本とドイツではトロトラストという造影剤に昔アルファ線が入っていた事があって、
それで、そしたらトロトラストを使った人の2割から3割に30年ぐらいたって癌が、
肝臓癌が出来てきてしまってきている。
しかもちょっと特殊な格好の肝臓がんだったもんで、
かなり「これはトロトラストによるものです」というのがハッキリわかっているのが起こっています。
ところが30年後に起こる障害というのは非常に、この、なんていうんですかね、
お医者さんの側も認識するのが難しい。
それでよくですね、最初に私が「キセノンが散った」というのを申し上げますと、
ホームページやなんかで、
「キセノンは肺やなんかの換気量をみるのに使われた事がある位で問題ない核種です」
というのが書かれていますが、
実はアルファ線の問題でもみていただくと分かるんですが、
医療用に使われたものが後に害があるというのが分かったのが、ほとんど放射性物質の歴史なんで、
「医療用に使われた事があるから安全です」というのは、
殆どそれは安全とは言えていない。
特に30年後とかに問題になるということは非常に難しい問題があります。
それでちなみにこういうネズミにうめた細胞に放射性物質を入れて、
どの程度の距離、効果があるのかというのの実験も我々はいろいろとやっているんですが、
アルファ線の場合はたとえば0.04mmしか効かなかったと。
ガンマ線の場合は体内では2.4mmしか効かなかった。

なにか?っていうとですね、
2.4mmとか、0.04mmっていうと、身体の中に入らなければほとんど問題はない。
だからアルファ線とかベータ線が被害が与えるのは、かなり内部被曝という体の中に入らない限り、
DNAを切ったりとか、そういうことは起こさないということ。
それで30年経ったら起こる問題で私自身が一番痛い経験を持っているのはアスベストがあります。
わたしも1980年代半ばから東大の施設部の職員というのを外来で診たりしていましたが、
80年代の頃に「なんかアスベストが危ないってイギリスで言われてますよ」と言われても
自分が診ている患者さんでさしあたってアスベストの問題が脅威があるという事を感じていませんでした。

それで自分の患者さんで最初に東大の施設部の方でアスベストの肺がんを見たのは
2005年。
ですから20年とか経って起こるものというのに対して、
専門家というものは非常に検出感度というのは低いというか、気付くのが遅い。
それで外部でそういう統計があると言っても、
自分が経験していないと、やっぱりなかなかそれを見るという、気付くというのは難しい問題があります。
それで放射線によるいろいろな障害を理解していただく、
こういう、あの、多分福島原発事故というのは、
私の目から見ますと、日本で起こった歴史上最大級の環境汚染事故であったと思っているのですが、
そういう環境汚染事故やなんかの問題というのは、アスベストとかトロトラストとかいろんな例が、
ま、トロトラストは医療事故ですけれども、
そういうのを見ましても20年から30年かかる問題というのは、
非常にやっぱり慎重に扱わなくてはいけない。
素人が除染をしてはいけない
それでこれも後で述べますが、
だから除染とかなんかは研究事業を除いた素人の方がやるのは勧めません。
マスク一つ、防護具一つをとっても
やっぱりアスベストとおんなじような、かなり専門的な知識のもとに行われるものなんだ。
そういうものが必要なものが大量に環境中にまき散らされてしまったということが、
今回の事故の非常に複雑な問題だというふうに思っています。
それでそういう場合に、内部被ばくだとか低線量の被ばくというのが、
いろんな問題を起こすという事は容易に想像がつくもんなんですが、
実際にはですね、国際的な放射線の学者さんとかそういう人たちは、
「低線量被ばくは身体に悪くないという事が定説だ」という事を繰り返しおっしゃられます。
その根拠になっているのは
オークリッジハーベル研究という1950年代に、実はこれは大論争がありました。
それはなにか?と言うと、アメリカでジョン・ゴフマンという天才的な物理学者がいまして、
日本で起こったプルトニウムの先生なんかは
このゴフマンさんがやった方法でシーポート?なんかを作った訳ですが、
彼は途中からお医者さんになって、それでゴフマンの一番有名な業績というのは
皆さんが最近知っているHDLとかLDL。
超遠心法によるリポタンパクの分離というのをやったのがゴフマンっていう人で、
この人がオークリッチとか、ローレンス・リバモア国立研究所の所長になって
低線量の被ばくが危ないという事を1950年代に。
それはDNAを、遺伝子を傷つけるからじゃないかという、
それに対して当時のオークリッチっていうアメリカの研究所と、ハ―ウエルという研究所で、
ネズミを百万匹ぐらい使って精子の精巣のところへ放射線を当てて影響を見ました。
その当時はゲノムなんかが分かっていないですから、
耳の格好とかしっぽの長さとか毛の色という、
我々が見ても表現系というので見るという、そういう分かりやすい
ショートイヤーとか、尻尾の格好とか毛の色の
(残念><、ここで動画が終わってしまいました。ゴフマンの話は途中で終わりです。)
ーー動画2へ続く
小出裕章氏&松崎道幸氏のコメント4/24(会見書き出し)
動画はこちらにあります↑→http://www.ustream.tv/recorded/31892201

14:32~
柳原
きょう12時過ぎに仙台高等裁判所から事務所の方に連絡がありまして、
裁判所の判断、これの判決、ま、決定というんですが、仮処分の事件なので、
出ましたので取りに来てほしいという事で、それでいろいろと手続きをしまして、
その後この判決内容を入手して、
実は検討に時間がかかりまして、参加に遅れて申し訳ありませんでした。
先ほど井戸弁護士の方から内容があったかと思うんですが、
もう一回私の方から今日の判決について報告させていただきます。
一言で言って、今回の判決は私や先程の井戸弁護士も含めて、
普通の法律家にとってみたら狐につままれた様な判決です。
と言いますのは会い番署の判断の理由が大きく二つ分かれていまして、
前半がいわば総論部分です。
福島の、郡山の子どもたちがどの位被ばくの危険があるかという、一般的な判断で、
後半がそれを踏まえて今回の申立人の子どもたちが避難する権利があるのか、
避難させる義務はあるのかという事の個別の判断ですが、
前半の総論の判断ではさっき言いましたように、
このまま郡山市、福島県に子どもたちがいては、彼らの、
児童生徒の生命身体健康について由々しい事態の進行が懸念されると
ハッキリと被ばくの危険性、健康被害の危険性について明言しました。
で、その後結論に入るところでですね、
途端に論調が変わりまして、いろんな理由を付けて、
結局この裁判の当事者は避難させる権利、避難を求める権利もなければ、
郡山市にも避難させる義務はないという、
前半の結論とどう結びつくのかが分からないような結論になっています。
これがどうしてこのような結論を導くのかについて
少し してきたところをこれから解説させていただきます。
判決の決定がお手元に届いたと思うのですが、
最初の前半部分はこの事案の概要の部分で、
7ページの終わりから3行目から裁判所の判断になっていまして、
このメインテーマは8ページの下から5行目。
ここからがこの裁判のメインテーマの判断です。
最初に裁判所はどういう事を言ったか?と言うと、
福島第一原発によってどのような被害、被ばくが、
この福島に住む子どもたちに及ぼす一般的な認定を行っています。
で、この認定について、基本的には私たちの主張を、ほぼ9割9分認定をしております。
具体的には10ページの真ん中に2というところがあるんですが
私どもは今回の事故によって子どもたちの被害というのは
直ちに被害が起きるようなそういった傾向じゃなくて、
晩発制と言って、ある程度数年経ってから初めて被害が発生するようなそういう健康被害について、
重大な懸念を持っているんだという事を主張していました。
それについて裁判所はこの10ページ2のところで
詳細にこの晩発制被害の症例に関しての事実認定を私たちの主張で認定しています。
矢ヶ崎さんの意見書を基にした、チェルノブイリ事故との対比。
これを基にしてチェルノブイリ事故で発生した甲状腺の被害について、
同じような汚染地域である福島県の、これは郡山市ですが、
同等の被害が発生するという事を認定しています。
その後松井英介医師のチェルノブイリの、甲状腺以外のさまざまな疾病に関して、
糖尿病とか心臓病の多発に関する、
この、最近ですね、日本でも出版されましたヤブロコフレポート。
チェルノブイリの詳細な医療事故の報告、これを基にした松井英介氏の報告書、これも認定して、
こういった甲状腺以外の沢山の病気、
糖尿病、心臓病の多発を指摘する意見もあるという事を認定しています。
さらには、今回の甲状腺の検査の結果を踏まえて、北海道の松崎医師が報告書を出しました、
「福島の児童には、被爆から数年後のチェルノブイリの高汚染地域の児童に匹敵する頻度で
甲状腺がんが発生して今後もこの癌が激増する恐れがあるという指摘もある」
ということも認定しています。
で、このような晩発の健康被害が発生するという証拠を認定したうえで、
他方で、では実際にですね、福島県の学校の空間線量がどうかという事についても
私どもが主張した、
これは神戸大学の山内教授が実際にこちらの原告の子どもたちの学校に行って、
詳細に空間線量を測った結果、
年間1ミリシーベルトの基準になるような毎時0.193マイクロシーベルト以下のところは
その測定、152か所の測定のうち1カ所しかないということ。
環境省によって汚染の基準とされた0.23マイクロシーベルトを下回ったところは、
9か所にすぎなかったという山内報告書をここでもきちんと取り上げて認定しています。
空間線量においても郡山に住む子どもたちは
年間1ミリシーベルトを遥かに上回る高い線量のところに暮らしているという事を、
裁判所は認定しています。
他方で、郡山市がこの間ずっと主張してきた、
校庭の表土除去、校庭での除染作業において十分な成果が上がっているという主張に対して、
こういうふうに認定しています。
一定の成果をあげている事は認めるけれども、
いまだ十分な、 これは11ページの下から10行目です。
いまだ十分な成果が得られるとは言えないのであるが、
その主要な理由の一つとして校庭外から飛散するガンマ線の影響が表れていると。
山内教授の指摘をいいます。
ガンマ線は100m以上離れたところから飛来するため、
放射線量を下げるためには、半径数100mの地域一帯を除染しなければならないとされており、
学校周辺、すなわち地域全体の除染を実施しなければ、
学校内の放射線量も下がらないか、除染により放射線量ゼロのためには
屋根瓦や側溝のコンクリート道のアスファルトなどにこびりついたセシウムは、
高圧洗浄によっても除去出来ないため、
屋根のかわらやアスファルトやコンクリートを剥がしての工事のやり直しを要するが、
ガンマ線の被害を考えると地域ぐるみの除染が必要であり、
しかも除染は一回では不十分で何回もする必要があるという事がされている一方、
除染による汚染土の仮置き場が見つからないため、やむなくこれをその地域内に置いている
(学校内においては校庭の一面に埋めてある)
こうした仮置き場が容易に見つからない事が除染の作業が進まない直接な理由とされていると。
このように除染を理由に子どもたちの安全を主張する郡山市には、
除染のむしろ限界、様々な未達成の理由について裁判所は詳細に認定しています。
このような実際にチェルノブイリ事故と対比をして被害を認定し、
なおかつ山内神戸大学教授の測定した実際の子どもたちの学校の空間線量の高い値を認定し、
なおかつ、郡山市が実施している除染の成果が表れない理由についても詳細に認定したうえで、
このように結んでいます。
12ページの終わりから6行目。
以上の事実によれば、郡山市に対して抗告人が通っている学校は
強線量ではないが、低線量の放射線に破断なくさらされていると認められることから、
そうした低線量の放射能に長期間にわたり継続的にさらされることによって
その抗告人の子どもたちの生命身体健康に対する被害の発生が危惧されるところであり、
チェルノブイリ原発事故に一同に発症されたとされる被害状況にかんがみれば、
福島第一原発付近一帯で生活居住する人々、
とりわけ児童生徒の生命身体健康について由々しい事態の進行が懸念されるところである
このようにハッキリと今回の原発事故によって
子どもたちの生命身体健康について由々しい事態の進行が懸念されるときちんと認定しています。
私どもはここまで認定したのは、
実は一審の郡山支部ではこういった認定は全くしておらず、
「100ミリシーベルト以上でなければ健康に被害の証明はない」といった
例の100ミリシーベルト問題を取り上げて今回の被害の問題を蹴ったわけですけれども、
それに対して今回の高等裁判所の認定はこのようにハッキリと
子どもたちの生命身体健康についての由々しき事態の進行が懸念されると認定しました。
そこまで読んだところで私どもは、もうここまで行くと次のだいたい展開が読めるんですが、
さらにこういう展開になっています。
もっとこれを裁判所は、実は厳しい目で把握しています。
こう言っています。
放射性物質により汚染された土壌などを除染するため、
相手方郡山市などの地方公共団体をはじめとする各地方団体や法人などが、
今まで土壌の入れ替えや表土のはく離などに取り組み、
多くの費用と様々な努力が傾注された結果、一定の除染の成果をあげるに至ったとはいえ、
なお広範囲にわたる拡散した放射性物質を直ちに人体に無害とし、
あるいはこれを完全に封じ込めるというような科学技術が
いまだ開発されるに至っていない事は公知の事実であり、
またその大量に発生した汚染物質や、これを含む土壌などの保管を受け入れる先が乏しいこともあって、
これを付近の仮置き場に保管するほかないまま経過していることから、
今なお郡山市の管轄行政区域内にある各地域においては
放射性物質が放出される放射線の被ばくの危険から容易に開放されない状態にあることは、
長期認定の事実により明らかである
こういうふうに言いまして、
郡山市では除染の技術はまだ完全に解されていないし、
除染によって発生した土壌等を保管する場所の問題も解決されていないために
引き続き郡山市に の放射性物質から排出される放射能による被ばくの危険から、
容易に解放されない極めて危険な状態である事が認定できると裁判所は言っています。
これはさらに郡山市の危険性を駄目押しで、
健康被害の問題だけじゃなくて、除染の限界についてもこういう厳しい認定をしています。
で、ここまで認定したうえで、
普通であれば子供たちの避難の問題にいくんですが、
ここからが実は私どもが首をかしげるキツネにつままれる様なロジックの展開がここから始まります。
そのまま読み上げます。
もっとも、郡山市の管轄行政区域においては、
特に強線量の放射線被ばくの恐れがあるとされているわけでも、
また、避難区域等として指定されているわけでもなく、
いまなお多くの児童生徒を含む市民が居住し生活しているところであって、
上記認定にかかる相手方(郡山市)の管轄行政区域における空間線量率を見る限り、
そこで居住生活をする事によりその居住者の年齢や健康状態などの身体状況による差異があるとしても、
この生命身体健康に対しては、放射線被害のしきいちはないとの指摘もあり、
中長期的には懸念が残るものの、
現在直ちに不可逆的な悪影響を及ぼす恐れがあるとまでは証拠上認め難いところである
これは先程井戸弁護士や小出さんが、
子どもたちの生命や健康に対して由々しい事態が進行が懸念されると言っておきながら、
一転して今度は、子どもたちの生命身体健康に対しては
現在直ちに不可逆的な悪影響を及ぼす恐れがあるとまでは証拠上認め難いところであるというふうな、
キツネにつままれる様な認定をここでしています。
でその後、次は14ページなんですが、ここもちっともロジックが分かりません。
そのまま読ませていただきます。
14ページ1行目。
このように福島第一原発から流出した放射性物質から放出される低線量の放射線は、
抗告人が現に居住し生活する空間にあまねく存在しているのであって、
抗告人が現住所に居住して生活し、
そこから相手方(郡山市)の設置する抗告人の中学校に登校する限りは、
その通学する学校外においても、日夜間断なく相当の量の放射線にさらされている事になる
ま、これは正しい事実です。
子どもたちは学校だけではなくて学校外のその居住地域において
昼夜間断なく24時間相当量の放射線に当たっています。
実際上、上記認定の郡山市の管轄行政区域における空間線量率もですね、
ここで数値をあげています。
平成24年の2月から25年の2月の3回の測定値を見ても、
抗告人が平均被ばく量の上限とする0.193マイクロシーベルト毎時の倍以上である
0.41マイクロシーベルト毎時以上に達するものであるということで、
数値も非常に高いと。
で、この数値を前提とする限り、
抗告人が通う中学校において学校生活を送ると考える8時間を除外した
その後の16時間の、学校外での空間生活での生活をした場合、
被ばくするものと算定される1年間の積算追加放射線量は、
抗告人が主張する1ミリシーベルトを3割以上の超過すると。
ようするに1.3ミリシーベルト以上の被ばくをこの抗告人は学校と学校が居合わせたところで
年間で被ばくするんだという事を裁判所は認定しています。
すなわち抗告人は郡山市に引き続き居住する限りは、
郡山市が設置する学校施設以外の生活空間において、
すでに抗告人が生命身体健康に対する被害を回避し得る上限値として使用する年間積算被ばく量
これは年間1ミリシーベルトを超える量の放射線を被ばくすることは避けられない事になると。
従って、学校生活において被ばく量の多寡(たか)に関わらず、
その主張する被害を避ける事が出来ない計算になると。
そしてここにおいて、現在学校施設外での被ばく量を減少させる事が出来るような施設設備のもとで
日常生活を送ったり、あるいは送る事が出来る状況にあるとの特別な事情も認める事が出来ない
そうしてみると、ここからが結論ですね。
抗告人が引き続き郡山市に定住する限りはそれを主張するような、
教育活動の差し止めを求めてみても、
抗告人が被ばく線量の年間積算量の上限と称する量(1ミリシーベルト)
を超える空間線量の被ばくを回避するという目的は達成することはできず、
その回避のためには、そうした空間線量率以下の地域に居住するほか通常取り得る手段はなく、
そうであれば年間の積算空間線量の被曝回避を目的とする抗告人主張の差し止め請求権などの発生を
認める余地はない
というのが裁判所の結論です。
これを読んで直ちに理解することが出来る人は天才か常人ではないと思われます。
実は私ども弁護団もこれが何を言っているのかさっぱり分からず、
先ほども井戸さんが解説していたと思いますが、
彼が分からなければ他の人間でも分からないと思ってもいい位というのが、
ちんぷんかんぷんのロジックです。
どうもその…私が思うには
この、今の郡山市の事態は、
学校内における1年間の被ばく量と、
学校外におけるその子どもが通う環境での1年間の被ばく量を合計すると、
もう悠に1ミリシーベルトを超えると。
したがって、このような場所にいる以上は、
「年間1ミリシーベルト以下で教育をせよ」という事を実現することは不可能であると。
「不可能であるから私たちは避難させろ」と言っているのだけども、
「不可能であるからそういうことを求める権利はない」というふうに裁判所は結論付けたんですね。
そこがどうしても理解できないんですが、
ただ裁判所の結論はそういうロジックです。
もうここはとても人が住めるような環境じゃないから、
ここで住むような事を求める、
「ここで住んで教育するような事を求める権利はない」というような事を言っているように思います。
ただ、まァ、それでバッサリ切るんだと裁判所は本当に無茶苦茶なんですが、
後半でですね、もう一回私どもが実は主張した問題にも一応答えています。
私どもは裁判所があそういうような言い逃れをしてくることは想定して、
年間1ミリシーベルト以下の安全な場所で、それは郡山市に限らないで、
外でもいいからそこに避難して教育せよという要求もしているので、
それについて次の15ページの(5)のところでこの問題についても一応裁判所は回答しています。
これはある意味ではここが本命です。
私どもは郡山市内で教育を工夫してやれなんていうことはもう不可能ですので、
そういう主張をするつもりなんてなくて、
「郡山市外の安全な場所で教育をしろ」ということを決めているんで、
それに対する回答がここです。
こういうふうに裁判所は言っています。
次に抗告人は一定の空間線量率以外の、
これは1ミリシーベルト以下の学校施設における教育活動の実現を請求する
と言っています。
これについて検討したものがここです。
上記(4)で説時したところによれば、
抗告人が現に居住している自宅周辺を含む郡山市の管轄行政区域においては
あまねく放射性物質による放射線被ばくが避けられないのであって、
抗告人が主張するような年間1ミリシーベルト以下という積算空間線量率の環境が確保されるような
学校生活を含めた生活を送るとなると、抗告人は自宅を離れた地に転居して、
ようするに郡山市外の場所に転居して教育活動を受けることは避けることができない
ま、これはまともな事を言っています。
「抗告人はそうした前提で上記請求をするようであるが」と。
ま、これも一応行わせ、え、そんな回りくどい事は、「しろ」と言っているんですが、
するようであるが、他方で郡山市は現にその設置する抗告人の中学校で、
多数の生徒に教育活動を行っているものであるところ、
現にその学校施設の教育を受けている生徒がそこにおり、
その教育活動を継続する事が、
直ちにその生徒の生命身体健康の安全を侵害する危険があるとまでは認め得る証拠がないから
ということで、
郡山市は現在の学校施設での教育活動を継続する事が直ちに不当であると言うべき物ではない
という事を
結論として導いています。
ここが全く分からないんですが、
さっき12ページの終わりから13ページのところで、
「福島第一原発付近一帯に居住する人と、とりわけ児童生徒の生命身体健康について由々しい事態の進行を懸念するところである」という事を決めておきながら、
郡山市の現在の学校施設の教育活動を継続することは
「彼らの生命身体の安全を侵害するほどの危険があるとまでは認め得る証拠もない」という事です。
先ほどの12ページの1行目で主張している事と15ページのところがどういう関係になるのか?
小出さんがおっしゃったようにこの各論がどう繋がるのか、
どう関係あるのかというのが全く理解が出来ません。
関連性が書いてありません。
で、さらに16ページでこう言っています。
ところで抗告人が転居する地域、
転校する地域に、郡山市は学校施設を開設して、そこで教育活動を施すという事は、
現に抗告人が被っている放射線被害から開放される一つの選択肢であろうけれども
これは認定しています。
抗告人が今被っている放射線被害から解放される選択肢の一つとして
郡山市が別の安全な地域に学校の施設を解説してそこで教育活動を施す事はひとつの選択肢であるという事を
裁判所は、ある意味初めて認定しました。
ただしその後がこういう展開になっています。
そうした転居先の地での教育はその地における教育機関によって行われることが原則であり、
遠隔地での公的教育機関が、わざわざ地元の公的機関を差し置いてまで、
別の学校施設を開設する必要があるとはいえない
これは、原則は分かるんですが、私どもは常々、
「今は原則は言っている場合ではない」と、「非常時である」と。
「前代未聞の非常時に対してどういうふうに決断すべきか」という事を求めているんですが、
それについては全く触れていません。
その上で、転居する場合には
転居先での公的教育機関による教育を受けることでその目的を充分に達する事が出来るはずである
これは、自主避難という事を前提にした議論です。
なぜなら「転居先の公的教育機関による教育を受ける」という事は、
「子どもたちが自分で自主避難して転校しろ」という意味です。
しかし私どもは
「郡山市が自ら子どもたちを安全な所で教育する義務を果たせ。
そのために具体的に安全な場所で学校施設を開設してそこで教育活動を施せ」と言っているんだけれども、
その問題に対して答えないで、
「転校するんだったら転校先の公的教育機関に教育を受けることで目的は十分に達成できる」と。
まるで郡山市が転居先の教育機関に転校するかのような議論をしていますが、
これはあくまでも子どもが自主避難する事を前提にした議論であり、
全くかみ合っていません。
で、これについてさらにこう言っています。
抗告人はこの点について、同窓の友人らをはじめとする教育環境を従事するべきであるとして、
個人での自主転居(自主避難)に否定的な意見を述べるが、
本件は抗告人が現地(郡山地裁)に一貫して主張し、抗告理由においても強調するように、
郡山市の管轄行政区域にいる全ての児童生徒に対する教育活動に関する請求ではなく、
あくまでも抗告人個人の放射線被ばくを回避するため
その人格権ないし安全配慮義務の履行請求権に基づく抗告人個人の請求なのであるから、
他の生徒の動向については当然にこれを斟酌すべき物ではない。
としても、就学希望者やその収容能力その他の関係上、
希望者全員が同一の施設で教育を受ける事が出来るとは限らないはずであり、
教育上の配慮の要請があると入っても、各個別の対応を取る事さえあり得よう
これもなんかお経のようで、ほとんど念仏を唱えているようで、
え…、わたくしどもは理解が出来ません。
一応続けます。
したがって、
何がしたがってか分かりませんが、
抗告人が主張するような集団疎開は、
抗告人が主張するような被ばく被害を回避する一つの抜本的方策として
教育行政上考慮すべき選択肢ではあろう
こういう認定はしています。
なんか上げたり下げたりなんですが、
ここでは初めて裁判所がこういうふうに、
私どもが直接裁判の目的ではないんだけど裁判の暴論としてですね、
集団疎開というものが抗告人をはじめとする
同じような危険な環境におかれている福島県の多くの子どもたちの
被ばく被害を回避するための抜本的な方向性だという事を主張してきましたが
これを裁判所が自ら
「一つの抜本的な方策の一つとして教育上考慮すべき選択肢である」ということは認めました。
しかしここからまた「けれども」というふうに文書が続きます。
けれども、
もとより抗告人個人の請求件に係る本件請求に関する判断の対象外というべきものである
ということで、
「この問題は個人については集団避難という事を考慮することはできない」と言っています。
ここに関してはちょっとひとこと言わせていただきたい、実は
「抗告人は何故自主避難しないのか?」について裁判所から質問がありまして、
それに対する回答をした中で、
ようするに自主避難というのはお金の問題、経済的な理由の問題も大きいけれども、
友人の問題。
やっぱり自分ひとりだけでですね、仲間を置いて逃げることはできないんだと、
同じ様な危険にいて同じような思いをしている子どもたち、仲間と一緒に逃げたいと。
それが実現できるようでなければ自分は自主避難できないと。
それはあくまでも自分だけ逃げる事が出来ない事が、困難であることを説明にいったんです。
ところが裁判所はそういうことをですね、
自主避難が困難であるという事を認めるんじゃなくて、
他の友達のですね、他の人間の事を配慮してこの問題を議論してはいけないみたいな事を言うんですね。
私どもはなにも、他の人間も一緒に避難できるようにしろという要求をしているんじゃなくて、
ここでその問題になっている、抗告人が、この子どもが
「なんで自分で逃げられないんですか?」と裁判所に聞かれたんで、
自分はこういう友達関係が非常に大事だから自主避難する事が出来ないんですよという事、
その自主避難が困難な理由をいろいろと説明したにもかかわらず、
裁判所はそれを正面から受け止めて、
「だから自主避難は困難である」という認定をするんだったらわかるんですけれども、
他の子どもの事を言いだすようなことはこの裁判の問題からは外れるというような事をですね、言って、
無理やり他の子どもの事考える事をこの裁判の事実認定から外すんじゃないかという事は、
この抗告人が自主避難できない理由についての判断を正面から取り上げるという事はしませんでした。
これは非常におかしな、チンプンカンプンじゃなくて、不当な判断だと思います。
その上でこういうふうに裁判所は結論にもっていきます。
16ページの下から4行目です。
このように抗告人の主張するような放射線被害を回避するためには、
現居住から転居して郡山市の管轄行政区域外に居住する事を前提とするほかはなく、
その場合には、その転居先での公的教育機関が開設置した学校施設で
学校教育を受けることに何らの妨げもない以上は、
これはもう、「自主避難をすればいいんだ」という議論ですね。
抗告人の人格権に基づく妨害排除請求として、
郡山市の管轄行政区域外の地で相手方に学校教育を行う事を求めることはできず
ようするに郡山市以外の地で郡山市に学校教育を求めることはできないんだと。
相手方(郡山市)はその管轄行政区域外に移住する事になるものに対する関係で、
引き続き教育活動の実施をすべき安全配慮義務を負うものではない
という事を言う訳です。
なぜこの郡山市がですね、
市内で教育する事が危険な時に、市外に、安全な所に行って教育することが、そういう義務がないのか?
その安全配慮義務がないと言っているんですけれども、
その理由に関しては全く書いてありません。
というふうに私は思うんです。
結論としては、
郡山市は郡山市の市内がもう危険であって、
その中で教育すると子どもたちの生命身体健康に対する由々しき事態が危惧されるという事を言っておきながら、
それをですね、郡山市外の場所で教育をするような、
そのような安全配慮義務がないんだというふうに裁判所は認定して、こちらの主張を退けました。
さらにこれは保全の必要性と言いまして、
今回は本来の裁判と違って仮処分と言ってですね、緊急の救済を求める裁判なので、
その場合には緊急の救済を求める必要性について、一応証明をする必要があります。
一般的には生命身体の健康に関する危害が認められる場合には、
もうこれは緊急にですね、この生命身体を守る必要があるので、
わざわざそれ以上仮処分の必要性を議論する必要はないんですが、
今回これについて裁判所は次のように言っています。
17ぺーじの(6)です。
上記(4)(5)のとおり、
抗告人が主張するような被ばくを逃れる環境の下で教育を受けるためには、
郡山市が管轄行政区域外に学校施設を設ける場合を含め、転居する以外には他に方策がない
ということ。
これを裁判所は認めた訳ですね。
この「安全な環境で教育をするためには郡山市は市外に出て教育するしかないんだけども、
証拠によればですね、
今回の抗告人の父親は
抗告人の居住地(郡山市)から通勤する事が出来ないような地に単身赴任をしており、
東北地方太平洋沖地震直後には抗告人の家族も父親方に避難することを検討したが、
抗告人が友人と離れて生活することを嫌がったことなどもあり、実現には至らなかった事が認められる。
そうであれば抗告人が郡山市の管轄行政区域外(郡山市外のですね)安全な地に転居して
被ばくを逃れる環境で教育を受けることには大きな支障があるとはいえず、
これを困難とすべき事情は証拠上認める事が出来ない。
ま、簡単に言えば、自主避難しようと思えば容易にできるんだと。
従ってこの子がですね、「自主避難できない」と言っているのは理由はないんだと。
ようするに簡単に言えば、勝手なわがままを言っているににすぎないというそういう理屈で蹴っています。
さらに結論として、
そうしてみると、
抗告人についてその人格権ないし安全配慮義務の履行請求件に基づいて教育活動を差し止めてみても
その主張する権利の保全(仮処分のですね)につながるものとは言えず、
また、抗告人の主張する被ばくを回避するためには転居するほかないが
これは認めているんですね。
「被ばくを回避するためには郡山市にいてはいけない」と、転居するしかないんだけれども、ただし、
転居する事については、抗告人には格別の支障があるとは認められないんだと。
ようするに簡単に自主避難できるんだと。
しかも、転居先の公的教育機関による教育を受ける事にも特別に妨げもないはずであるから、
抗告人の主張するような、
抗告人に生ずる著しい損害や危機をもたらすような被ばくを避けるために
抗告人が求める仮処分を出す必要性があるとは認めることはできない
ようするに自主避難すればこの子は容易にですね、郡山市から安全な場所に逃げられるんだから、
この裁判で仮処分で救済を求める必要性はないという、
以上から細かい処分というのが認められないというのが裁判所の結論です。
53:40
二回目なんですが、一回目よりは少しは中身が理解できたんですが、
まだ半分ぐらいチンプンカンプンな判決でよく分かりません。
ただ裁判所は、今年1月22日に3回の裁判の最終に審議を終えまして、
当初私どもは数週間で結論が出ると思っていました。
2月の終わりか3月の初めにはもう結論は出ると思っていたんですが、
それがここまで、さらに二カ月近くこの判断が出るのが延びたというのは、
おそらく裁判所の中でどういう判断を下すか、喧々諤々の議論があったものだと思われます。
その喧々諤々の議論が、
私の率直な感想としては十分に整理整頓されないまま、放り出されたままですね、
なんか、矛盾したものが平気でというか、
並行したまま判決の中にぶち込まれているという印象を受けます。
簡単に言うと、
前半の判決を書いた裁判官と、後半の判決を書いた裁判官が別人間で、
ひょっとしたら二人は全く逆の結論を持っていたんじゃないかと。
前半の裁判官は子どもを被曝させるという事で由々しい事態だという事を認定し、
後半の裁判官はとは言ってもやっぱり子供を避難させるのはいろいろと問題があるよねということで、
結論としては子どもたちを避難させないという結論を打ち出して、
したがって前半と後半では支離滅裂というか、脈略がどうしてもつかめない形になってて、
おそらくその前半と後半をつなげるために裁判官で議論をしたんでしょうけれども、
裁判所でこのように判断が割れた理由は
私どもでこの疎開裁判に期待をかける、子どもを守って欲しいという、
その声が非常に大きなものになってきていると、
それにかける思いを裁判所は真摯に受け止めざるを得なくて、
それでここまで厳しい判断を。
内容がある意味では期待をする判断も入っていたように思われます。
~57:00
仙台高等裁判所による判決文(PDF)
http://www.ourplanet-tv.org/files/20130424sokai.pdf
「一歩離れて今の日本を見てみよう」お隣韓国の番組”世界は今”(動画&内容書き出し)
ふくしま集団疎開裁判が始まったばかりの時の韓国放送動画
原発と国「もと裁判官に聞く司法の限界」井戸謙一氏
たねまきジャーナル1/25(内容書き出し・参考あり)
「法の番人たる裁判所までもが、いわゆる原発ムラによる圧力に屈したのです!」郡山市
モニタリングポストに人為的操作!?「郡山・相馬・南相馬30~65%も少なく表示」
10/5矢ヶ崎克馬氏(会見内容書き出し・資料)
世界に訴える!<ジュネーブ後半>フェルネックス博士・柳原弁護士・福島の母・郡山市中学生
(ツイート同時通訳と日本語は書き出し)
<選挙・政党の判断材料>高線量地域に住む子どもたちを疎開させるか否か?各党の答
12/13ふくしま集団疎開裁判より
「マスコミが伝えない福島の現実・被害の現状」柳原弁護士
1/18ふくしま疎開裁判会見(内容書き出し)
ーーー
確かに、分かりにくい矛盾した判決と思いますが、
この判決文、裁判所が「郡山にそのまま住んでいては危険だ」という事を認めたと私は受け止めました。
生命身体健康を守りたいなら避難しろと裁判所が言っているのだと。
ふくしま集団疎開裁判の訴えは却下されたけれど、
「それぞれ自主的に避難してでも、自分の身は自分で守れ!」と裁判所が言っているように感じました。
今回の判決はとても重大な意味を持っていると思います。
2013年4月14日ふくしま集団疎開裁判の判決が出ました。
その会見で、小出裕章さんと松崎道幸さんのコメントが紹介されました。
コメントの読み上げの部分を書き出しました。
動画はOurPlanetTVのUstより。
Video streaming by Ustream
11:43~
京都大学の小出裕章助教と医師の松崎道幸さんから
この判決のコメントを頂いていますので読みあげたいと思います。
まず小出裕章さん。
疎開裁判判決いただきました。
私は昔から裁判には期待しないと発言してきましたが、改めてその思いを深くしました。
判決は直ちに影響が出るものではないと言いながらも、
低レベル放射線被ばくの危険そのものは認めています。
そして、学校だけかわっても地域で生活する以上は、年間1ミリシーベルトを超える被ばくをしてしまい、
避難、移住をする以外にないと結論しています。
その通りです。
子どもを年間1ミリシーベルト以上被曝させないためには
郡山を含め汚染地から逃がすしか方法はありません。
そうする責任が国にあると私は思いますし、そう主張もしてきました。
それなのに、年間1ミリシーベルト以下にしたいのなら逃げるしかなく、
個人の力で逃げられない訳でもないのだから実態に理由がないとしています。
問題は子どもたちに被ばくを強いている責任が、
汚染地に取り残されている個人にあるのではなく、国にこそあるという事です。
それを問題に出来ない裁判とは国家の奴隷のようなものですね。
4月24日 小出裕章
13:20~
続けて医師の松崎道幸さんです。
裁判所は福島原発事故により福島の児童生徒の生命、身体、健康について
由々しい事態の検討が懸念されると認定しましたが、
通学先を変更しても残りの3分の2の時間を
汚染地域に留まっているのでは意味がないとして訴えを却下しました。
しかし、この判決は福島中通り地域からの全面的な疎開が必要であるという
新たな運動の根拠をつくりだしたと考えます
子どもたちを含めた多くの人々の生命と健康を守るため
戦いをさらに続けましょう。
福島県の中通りは放射能汚染によって由々しき事態が進行中だと
裁判所が認識したという事を武器にしていきたいと思っております
小出さんと松崎さんに早速のコメントを頂きましてありがとうございます
ーー柳原弁護士の会見へ続く
仙台高等裁判所による判決文(PDF)
平成24年(ヲ)第12号 仮処分申し立て却下決定に対する即時抗告事件
(原審・福島地方裁判所郡山支部平成23年(ヨ)第29号)
主文
1 抗告人らの答申における申し立てをいずれも却下する。
2 当審における手続き費用は抗告人らの負担とする。
・
・
・
・
・
第4 よって、抗告人らの答申における仮処分命令の申し立ては、いずれも日保全権利の存在を認める事が出来ず、
また、抗告人については保全の必要性も認められないので、これを却下することとそ主文のとおり決定する。
平成25年4月24日
仙台高等裁判所第2民事部
裁判長裁判官 佐藤陽一
裁判官 鈴木陽一
裁判官 小川直人
相手方=郡山市
抗告人=子ども

でも却下でした。
<ふくしま集団疎開裁判>「判決文を読み解く」柳原弁護士の解説4/24(会見書き出し)
放射能連続講座2
Video streaming by Ustream
あらためて内部被ばくを考える~未来のためにただしい知識を~
2013年4月18日
【会場】千代田区立日比谷図書文化館・コンベンションホール
【講師】児玉龍彦さん 東京大学アイソトープ総合センター長
【コーディネーター】 戎谷徹也さん (株)大地を守る会 事業戦略部 放射能対策特命担当

東京大学という組織
06:02~
東京大学のアイソトープセンター長の児玉と申しますが、
今回の原発事故の最初の頃は、
テレビを見ていますと毎日のように東大教授という人が出てきて、
それで見ていると「まだメルトダウンしていない」とか、
「これから何とかするから大丈夫」という事を言っていましたけれど、
現実にはもう事故が起こったら1日でメルトダウンしていたという事が分かっています。
それで、東京大学という組織がこの原発事故やなんかとまったく無関係ではないと思っていまして、
原発を推進したり、絶対に安全だという事を言ってきたりしていた。
それで、ですから、むしろそういう意味でのすごく責任のある立場ではないかと思っていまして、
講演の間もいろんな、もしここが違うんじゃないかとか、
なんというか、もっと、東京大学とかそういうものも権威で何かをおしていくという組織から
実質的にはかなり、中の普通の研究者は変わってきていますが、
ところがテレビに出てきたり何とかっていうところになると全然違った像が出てきてしまう。
それで東大も中から見ているとですね、一番最初の頃はですね、
環境安全本部っていうところから、
「科学的に根拠のある正確なデータでないものは出すな」っていう事が随分言われました。
それから東大の教授である??気象学会長という人が
「単一な正確なデータを発表するのが大事だ」という事を
気象学会というところから出していました。
ですけれども、これ、今の科学、普通の科学者の考え方とは全く違うものであります。
それに東大では半部以上の教員はそういうふうには考えていない。
科学というのは物事を一つに見て、それを上から下へ教えるという考え方は、
少なくても私は内科の医者ですが、内科では20世紀的見方になっています。
たとえば乳腺の癌、乳癌の手術の時に、今私どもがやる時は、
普通いろんな見方があって、
放射線をかける方法もあるし、それから内科的にお薬でやるのもあるし、外科的に切り取る。
ぼくらが研修医の頃は、ハルステッド手術と言って、拡大の、ま、全部切り取る。
それで、胸筋から後背筋まで取るみたいなのが一般的だと言われていたんですが、
21世紀になったら「それは間違っているでしょう」と。
いろんな治療法があって、いろんな不確定性がある。
それでもうひとつ問題になるのが、
たとえば10人の中で一人、「これは治療法で副作用がありますよ」と、
9人はいいかもしれないと言ってもその一人になった人には100%な訳ですよね、副作用は。
だからそういうところでいろんな判断というのは、
自分がどういう材料にどういう方向でやったしか発言できないんじゃないかっていうのが科学の見方。
逆に科学者間で議論が成り立つのは方法と対象マテリアルとメソットっていうんですが、
方法と対象がハッキリしているから、
こういう方法とこういう対象ではおかしいっていう事が議論できる。
そうするとですね、原発事故みたいにいろんなスペクトルがある場合に、もともと一つの結論
特に今日お話しする低線量被ばくだとか、食品だとか、環境の浄化といった問題には
いろんなアプローチがあって、いろんな人が自分が持っている方法と、自分の対象で考えを持っている
それで、専門家というのはそれに対して
自分はこういう方法とこういう対象でこういう結論を持っているという事を言得るけれども、
それが一つの結論の強制ではなくて、いろんな見方がある
それが現実の中で問われてだんだん絞られていく。
だから本当は原発事故みたいな時にはいろんな見方、いろんな可能性、いろんな考え方の議論が出て、
それの中でどれが当たっていたか、どれが違っていたか、っていう事を
検証していくことが非常にすごいスピードで進んで行きますから、
見方も考え方もどんどん変わっていく。
ですから東大で研究している人も、
多くの人は普通の、ごく普通の科学の見方というものでやっているんであって、
そのテレビに出ていて一連解説をやってた人たちが、私たちから見ると、
東京大学の主要な研究者という事ではないという事を
ちょっとご理解いただいておきたいというふうに思っています。
ベント排出の放射性物質は史上最大ベクレル数
それで、ちょうどその話から入りますと、
最初に放射性物質がどのように散っていったか?というところから正確にご理解いただきたいと思います。
それで今度の福島原発事故というのは非常に大きな特徴を持っています。
それは人為的にベントという格好で排出された放射性物質が歴史上最大規模のベクレル数を持っています。
この事自体がまだきちんと説明されていないと思います。
これは、ここに書いてあるのは原子炉というのは水の中に核燃料があって冷却されていますと。
それで今回は、原発で前電源の停止というのが起こった時に、
もう3月12日からベントがはじめられています。
それでベントをやりますと、まだ機械本体が壊れていようといまいと、
内部にある、たとえばキセノンと言われるような希ガス、こういうものとか、
放射性のヨウ素はかなり大量にもうすでにこの時点で放出されます。
それで福島原発事故は3基の原子炉内にあったキセノンやヨウ素が
最初の段階からかなり後半に放出されていますから、
これは最初の段階で人為的に放出された放射性物質の量で、歴史上最大規模。
チェルノブイリをしのいだものが出ています。
さらにその後で3月15日に、実は4月14日深夜からなんですが、
それとは比べ物にならないような異常な格好での大量の放射性物質の放出というものが起こっています。
それでもうひとつの問題が、その放射性物質の放出というのが起こった時に、
政府の発表では「さしあたり健康に被害はない」という事がいわれておりました。
ですけれども、その3月14日の深夜に、
たとえば私の知っております第一種の放射線取扱の主任なんかは、
原発から非常に近い所にあった大熊町のオフサイトセンターから、
命からがらみんな逃げだすようにして、
原子力保安院の人も50km以上離れた所に避難してしまうというふうに、
専門家が逃げ出すような量の大量の放出がが3月14日の夜中から起こりだしていた時に、
「さしあたり健康に被害はない」という事がいわれていました。
そしてこの事が今日に至るも、地元の住民が政府の発表を信用できない
それは政府の発表を信用できないというのは、
「なにか政府が嘘の数値を言っている」というような格好での信用のされ方ではなくて、
「政府が言っている事というのが、全部のデータを開示していないんじゃないか」という、
そういう心配を常に与えている
たとえばあるところですごく悪いデータがあって、あるところでそんなに大したことがないと、
こっちだけ(大したことがない方)を発表するのはウソではないけれども、
もっと悪い事があるんじゃないかという心配を絶えず与えている。
予測だから意味があるSPEEDI
それでその心配はたとえばこのSPEEDIという予測が発表されていなかった。
私も専門はスーパーコンピューターで、医薬品の設計というのもやっておりますんで、
我々のスーパーコンピューターっていうのは3月11日から維持するのにすごく、
節電とか何とかの中で大変でした。
それで僕からの東大のセンター系のスーパーコンピューターはその中ずっと動いていて、
電気を使っていた訳ですが、
同じように使っていたのがSPEEDIだというのは、我々はよく知っておりました。
ところがそのSPEEDIのシュミレーションの結果というのは、
後になったらシュミレーションだったからという事で発表されていない。
だけど、シュミレーションで予測は予測ですよね。
予測だから意味があるんであって、
本当に測ったら実測という事になる訳ですが、それが発表されなかった。
それで私はいま除染委員長をやっていますが、
南相馬っていう町の住民は、この海側の北の方に逃げれば被ばくをほとんどしないで済んだものを、
浪江町とか、それから飯館村という方向、
まさにこの、
ちょうど海の側は津波が来たあとですから、
原発側に向かって逃げる人はいませんから、
海の北側の方へ行くというのがまだ正しい避難の仕方だったんですが、
ほとんどの方は、この図で見てみて、ちょうど行っている方向へ避難された、
その事がいまだに住民にとってはこの政府の発表というのが信用できないという大きな問題。
核種がどのように出てきたか?
それでもうひとつですね一つ注意してほしいのは、
これから述べるほとんどのデータというのは、東京とか関東で得られたデータで話がされています。
だけれども実は福島は3月16日未明に雪が降っています。
それで東日本全体は3月21日に低気圧で雨が降って、
3月22日に金町浄水場にヨウ素が大量に飛散して初めて、
今回の原発事故というのは健康に差し迫った被害、影響のあるレベルにすでに到達しているという事を、
東京中の方が痛感されたのが3月22日。
だけど福島ではこの実際の大量の放射性物質の降下自体が、もう3月16日から起こっている。
そういう事がいえます。
それでこれは東京のデータなんですが、東京の、これは千葉ですね。、
日本分析センターのデータですが、
最近になってこういうのが全部そろってまいりまして、
核種がどのように出たか?と。
そしてこの緑色が総線量という事になります。
それで最初総線量のほとんどを出しているのが、この黒い方の点線。
要するに先ほど申し上げたキセノンとか希ガスです。
それから次に3月15日から21日までの間は、
この赤線はヨウ素131とかヨウ素132これが中心です。
それでセシウム、今問題になっているセシウムが大量に降ってくるのが、
3月の、東京の場合は21日、22日以降ということになります。
それから、これは対数のグラフですから、
一メモリが10倍ですから、10倍100倍というレベルで違いがある
だからこの放射性物質がですね、よく私どもも見ていてビックリするのは、
ヨウ素の量からセシウムの量を概算するなんていう報告がありますが、
まったく当てになりません。
キセノンの分散と、ヨウ素の分散と、セシウムの分散は
違った層で起こっているという事をよくご理解いただきたい。
これは沸点、気化する温度が全然違います。
希ガスはもう最初から原子炉内でガスになっています。
ヨウ素は200度以下で気化します。
セシウムは700度以下で、
それでプルトニウムやなんかは今回の気化する温度が非常に高いものですから、
幸いには今回の事故でもそんなに気化して出ているという格好では出ていません。
むしろ水素爆発で散ったがれきの散っている所に散っているという特徴があるかと思います。
半減期が短い核種は非常に危険
それでこの希ガス、キセノンはたとえば、半減期が5日です。
放射性ヨウ素は半減期が8日です。
それに対して放射性セシウムが、セシウム134が2年。
それで最大今問題になっているセシウム137というのは半減期が30年かかります。
この半減期はどういうことか?と言うと、
たとえばここに16この放射性物質があったとすると、
放射性物質は放射線を出して安定な状態に移っていってしまうという格好で、
半減期8日という事は、ま、たとえば16個あったものが、8日経つと8個に、
それで次の8日では4個に次の8日では2個にという事になりますから、
8日で半分、16日で4分の1、そして24日では8分の1
だから大体、ひと月で10分の1になる
そうするとヨウ素なんかは3か月経ったら、だいたい1000分の1で測れなくなります
6カ月経ったら100万分の1で、ほとんど検出は無理であります。
逆に言うと、この半減期が早いという事は、その時期には非常に危険であります。
崩壊数が多いから、どんどん、どんどん放射線が出ていくという事になります。
それですから、一番最初のヨウ素が大量に飛散した時は、これはかなり逃げるしかない。
私自身も放射性物質を扱っているのが、
昭和52年から扱っていますので、1977年から今日まで扱っていますが、
自分の体内に入ってしまったものは、やっぱりMITにいた頃に1987年ごろに
ヨウ素125というのを使ったんです。
グローブボックスで使っているから、被ばくする筈はないんですが、甲状腺の数値でやっぱり。
それは非常に難しいです。
気化しているものがどこにある?というのは
それで、隣の人が吸っていないから私が吸っていないなんて事は、
気体の場合にはほとんど言えないという、非常に難しいのがあって、
ヨウ素を今から見て積算をするというのは実際にはほとんど不可能ではないかと考えられています。
セシウムの場合
今残っているものとしてみる事が出来るのがセシウムなんですが、
セシウムの落ち方というのを見ても、
この非常に強いプルームというのが通ったのが、いかに激しい現象だったかということを、
これは私どもの東大のアイソトープセンターの車というのはGPSと線量計を付けていましたので、
これは初期のころですが周っていくと、ま、20km圏を周っていって、
この赤いところは大体居住できない。
それから灰色のところは帰還がほとんど100年位出来ないんじゃないかと思うところなんですが、
たとえばこの浪江町なんかを見ると、
先ほどの予測(SPEEDI)が何で大事か?と言いますとね、
プルームの通過したところとそうでない所がものすごくきれいにわかります。
浪江町でたとえば浪江町役場。
これは東大の柏キャンパスなんかと同じぐらいの汚染しかない。
それで、一番原発に近い請戸港(うけどこう)の一部なんかは年に1ミリシーベルト以下位。
原発から。だから原発から近い・遠いで決まるっていう事ではないっていうことであります。
それで現在の空間線量で見ますと、
この同じ浪江町でも常磐線を超えたあたりからどんどん居住不能になって、
あとで述べます、ここが大垣ダムっていうところなんですが、
この辺は、ここの住民が生きている間はもう戻ることは難しいかもしれないというような
線量のところになってしまっているという事がお分かり頂けると思います。
それでこのセシウムの場合には今よく分かっていますが、
どういうふうに散ったかというと、
641度で気化する、かなり高い温度で気化しますから、
結局21日にワーッって降ってきたっていうのはなにか?っていうと、
3月12日過ぎからずっと東日本の上空に、こういう放射性物質の雲があって、
そこに雨が降った日、雪が降った日にドドッと落っこってきたという事になっています。
それで汚染地区の7割が山林ですから、
セシウムの場合もかなりは山林に溜まっています。
それで落ちてまいりますと、表面近くの粘土と言われるケイ酸アルミニウム、
雲母の砕けたものが中心なんですが、それにくっつきます。
それで初期はイオン?として流れますが、次第に粘土に結合して流れていきますので、
水の中には、今測るとセシウムはあまりないです。フリーのセシウムは。
水の中にあるセシウムはほとんどもう粘土にくっついているものというふうになっています。
それで粘土に結合したセシウムは、川の底からも今どんどん消えていっている。
そうするとどういうところに溜まっていっているか?というと、
先ほど言ったような、大垣ダムとかいろんなため池の底、
それから一部は河口近くの海底に沈澱しているというような格好になっています。
それに対して森林に落っこったセシウムはちょっと違いまして、
大体最初は高い部分の葉に付着します。
だけれども、広葉樹でしたら1年でそれはかなり落っこっていってしまいますし、
針葉樹でも3年から5年で大体下に落っこってくる。
それとともに葉っぱからの吸収というものもありまして樹皮にはかなり強い線量が残っております。
それで初年度は腐葉土のところへすごく沢山集まりますが、
2年度目以降はこの下の層に溜まってきています。
そうすると、一部で言われている森林除染によって線量が増えるというのは、
実は初年度は、環境省がマニュアルをつくった最初の年は、
この腐葉土のところを除けばかなり線量が下がったんですが、
2年目になって除染作業をやると、この下の土がむき出しになると遮蔽効果が無くなって、
測ったところで線量が高くなるという事が起こってくる。
それから海です。
海の場合は、初年度は放射性の汚染水が海へ流れ込んだり、それから降下して、
最初はコウナゴだとかシラスのような回遊魚にかなり多く出ます。
それがそのうちに1年経ちますと、底魚。
さっき言ったようにいろいろなものに付着して底に沈殿してくる。
そうすると、ヒラメやなんかに多くなるという事が起こってまいります。
そしてこういう環境への沈降と同時に、
セシウムの沈降は、たとえば住宅地ですと、空から住宅地を見ると一目でお分かりのように、
一番多いのは屋根です。
屋根にかなりの量が沈着しています。
それで屋根は、金属の屋根やなんかだと落ちやすいんですが、
スレートやなんか他度かなり付着したまんまになる。
※スレート屋根 【スレートヤネ】
スレートとは、玄昌石のような「粘板岩」の事。
屋根材や壁材として利用される。石綿スレート、無石綿スレート、
コンクリート系スレート、天然スレートなどがある。軽量、施工性、安価という利点がある。
それから次に行くのは雨どいです。
それで雨どいもですね、雨どいのものにくっついている場合もありますが、
雨どいの中にコケやなんかが生えていると、
コケとキノコというのは強烈にセシウムを集積しますから、
コケやなんかにくっつく場合も多いです。
同じように木とかウッドデッキにもかなり付くし、
車だとフィルターやなんかにもいっぱい。
それで砂利や、場合によっては水の染み込むコンクリートだと、
そういうところに染み込んで行くという事になっていきます。
ですから今のセシウムやなんかの分散というのは、
セシウムの例ですが、これは放射性物質の分散の一つの恰好であります。
それでヨウ素やなんかはこれとはまた違った分布をしている。
つづくーー↓
2.「”医療用に使われたから安全”ということはない」
児玉龍彦氏4/18放射能連続講座2大地を守る会(内容書き出し)
「大本営の発表以来鳥肌が立ち私は80日間家に引きこもりをする事になりました」
生井兵治氏1/26前口上(文字起こし)
日本気象学会からのおしらせ
東北地方太平洋沖地震に関して日本気象学会理事長から会員へのメッセージ(2011.03.21)
(2013年4月23日22時01分 読売新聞)
【ジュネーブ=石黒穣】
核実験全面禁止条約機関(CTBTO)準備委員会は23日、
北朝鮮が2月12日に行った核実験で放出されたとみられる放射性キセノンを観測したと発表した。
同機関の国際監視網を構成する、群馬県高崎市の観測施設が
4月8、9日、大気中からキセノンを検出したほか、
ロシア沿海地方のウスリースクでも確認したという。
同位体の組成を分析した結果、50日以上前の核爆発が起源であることが判明した。
◇
外務省によると、
高崎市の観測施設で検出したキセノンは最大で通常の5倍弱の濃度で、健康への影響はないという。
<どこから来たの?>愛知上空で放射性キセノンーキセノン検出は核分裂が今起こっている証拠ー
("「国の安全を守るために真面目に仕事をしていただきたい」..." この動画は、TV- Asahi Corp. から著作権侵害の申し立てがあったため削除されました。 )
新潟県知事が激怒 原子力規制委は…
新潟県知事が怒り心頭
泉田裕彦知事 新潟県:
行政機関の話も聞かない。
現場の声も聞かない。
そんな安全基準がどうして役に立つと思うんですか?

泉田新潟県知事が原子力規制庁の池田長官と面会し怒りをぶつけた。
規制委員会が今月10日新規制基準案を了承した事に関係する。
泉田裕彦知事 新潟県:
上から目線で決めている独立行政委員会が
「いい」って言えば全部いいんだという態度は間違いだと思いますよ。
じゃあ3月の段階からあって、それで、ここまで引き延ばしたんですよ。
知事は原発を抱える新潟県の疑問点などを新基準に反映するため、3月に面会を申し出たが拒否され、
そのまま基準案が策定されたという。
自然災害と原子力災害が同時に起きたらそれぞれの法律の間で“不具合”が生じるという。
泉田裕彦知事 新潟県:
そもそも、法体系が二重になっているのは問題だと思いませんか?
新潟県は福島の事故が起きる前に複合災害(2007年地震で原発に影響)を経験していますからね。
地震の中で原子力災害が起きた場合に、このオフサイトセンターに知事が行ったら
災害対応の指揮が出来なくなるんですよ。
他にもいくつかの問題を訴えた。

泉田裕彦知事 新潟県:
国の安全を守るために真面目に仕事をしていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
池田克彦長官 原子力規制庁:それはちょっと言い過ぎじゃないですか!
泉田裕彦知事 新潟県:
じゃあ、どうしてね、今日まで引っ張るのか。
そもそも原案が出来るまでですよ、会わないというのがおかしいでしょ?
ーーー
「住民守る気あるのか」新潟県知事、原子力規制委を批判
投稿者: ourplanet 投稿日時: 月, 04/22/2013 - 08:22

新潟県の泉田裕彦知事は22日、
同県が独自に設置した東京電力福島第1原発事故の検証委員会の議論に基づいた要請書を手渡すため、
原子力規制庁の池田克彦長官と面会した。
泉田知事は冒頭から、「原発と住民の安全を守る気があるのか」と原子力規制委員会を批判。
「なぜ田中俊一委員長が会わないのか」と怒りをあらわにした。
泉田知事が提出したのは、同県が3月29日にまとめた
「原子力発電所の安全対策及び住民などの防護対策について」と題した田中委員長宛の要請文。
同県の検証委員会の議論に基づいたもので、
原発事故対策のほか、緊急時の広域避難ルートの明確化や物資の調達、
福祉病院施設の対策を含め、具体的な対応策の検討を求めている。
泉田知事は、去年10月に田中委員長宛てに、
原発事故対策と住民の避難対策の強化を求める質問状を送ったにも関わらず、
4ヶ月間も回答がないまま、原子力災害対策指針や新基準を策定していると厳しく批判。
新潟県 泉田知事:原子力発電所の安全と、それから住民の安全。守る気があるんでしょうか?
規制庁 池田長官:それは当然です。それが我々の責務でございますので、えー、それは当然ですよね。
新潟県 泉田知事:立地地域と向き合う気はありますか?
規制庁 池田長官:もちろんです。
新潟県 泉田知事:あるんですね。
規制庁 池田長官:はい。
新潟県 泉田知事:なぜ、田中委員長は今日会いに来ていただけないんですか?

規制庁 池田長官:中身につきましては我々がきちんとあげております。えー、それをね、あの
新潟県 泉田知事:どうして間接話法にしようとするんですか?じゃあ。
規制庁 池田長官:
いや、それは、あ~、ま、いろいろな団体からですね、面会を受けて非常に多いんです。
それを、おー、おー、お…片方は
新潟県 泉田知事:新潟を団体の一つだと思っているんですか?行政を所管しているんですよ。
規制庁 池田長官:いや行政を所管しているけれども同じです
新潟県 泉田知事:原子力安全行政の一部を担っている訳でしょ
規制庁 池田長官:いやいやとにかく

新潟県 泉田知事:
原子力規制委員会っていうのは、避難をどうするのかという事に対しても責任を持つ機関じゃないんですか?
規制庁 池田長官:あー、あの、許可を住民にとるという話ですか?
新潟県 泉田知事:
そういうことです。
どうしてそれをね、現場の実際の話を聞かないで出来るんですかね?
どうしてそれで完全な、完全なというか、内容ですよね。
今回の安全基準と言われるもの。
少なくても新潟県は柏崎刈羽の中越沖地震の際に火災事故と複合災害を経験しているわけですよ。
で、いったい何が起きるのか?
現場がどうだったか?というのを聞かないでどうして判断できるんですかね?
我々が現場で何が起きて困ったのか。
たとえば複合災害の場合は電源車がそもそもたどり着けない可能性だってある訳ですよ。
どうするんですか?
福島の検証もしていない。
行政機関の話も聞かない。
現場の声も聞かない。
そんな安全基準がどうして役に立つと思うんですか?
どうしてこれを15分で説明できるんですか、そもそも。
「15分しかダメ」っていうのはそちらからですよ。

原子力規制庁広報課 佐藤暁課長:
今日の15分というのも、わたくしは新潟県さんから15分でいいというふうに聞いています!
※佐藤暁課長ってこんな方 http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2388.html
新潟県 泉田知事:
いい加減にしてほしいですよね。
それで原子力安全行政を国民に「安心しろ」って放れますか?
記者:知事、最初から相当お怒りでしたけれども。
新潟県 泉田知事:
そりゃそうですよ。
だって3月からね、安全基準を検討している中で、
県の技術委員会で専門家が検討した事をお知らせをしてですよ、
「より安全になるように」という形で申し入れをしているのに会わない訳ですよ。
さらに記者会見で田中委員長が
「なぜ新潟県知事の質問に答えなければいけないのか。義務はない」というような発言をしている訳ですよ。
これは、「国民の安全を守ろうという意識が組織としてあるのか?」と
やっぱり疑問を感じざるを得ないんですよね。
記者:あらためてどういった事を規制委員会に求めていきたいと思っていますか?
新潟県 泉田知事:
これはね、安全を守るっていうことですよ。
福島の事故がなぜ起きて、
そしてそこにどう対応したのかという事をしっかりやるという事が一番大事であって、
それを透明性を持ってですね、情報を提供していくっていう事が一番重要なんじゃないでしょうか。
情報は提供しない。それから話も聞かない。独善で進めると。
我々は指針を書きました、終わり。と、
これで信頼を得るのは難しいんじゃないでしょうか?
記者:柏崎刈羽原発の再稼働について
新潟県 泉田知事:
だから再稼働の議論は福島事故の検証が先でしょうと質問もしている訳です。
答えられている所が答えていないという事ですもんね、今日の話だと。
先ずそっちが先だと思います。
記者:じゃあ、何年かかっても?
新潟県 泉田知事:だから、時間の概念じゃありません。
ーーー
原子力規制委員会の定例記者会見(平成25年3月13日)
動画はこちら↓
http://youtu.be/5D0ozCwRWtE?t=14m44s
14:44~
雑誌科学 田中:
ありがとうございます。
では、最後の質問、第4番の質問をさせてください。
昨年 10 月 29 日付で新潟県の泉田知事から委員長宛てに出された質問状に対して、
2月6日の規制庁から知事への回答は、
具体性を欠き、正対したものになっていないことからお考えを伺いたいと思います。
質問状には高放射線量率下での収束作業が必要な場合に
労働法制上、民間事業者である電力事業者等の従業員に
収束作業の実施を命じることができるとお考えでしょうかという問いがあります。
もう一つ、高線量率下で緊急時対応を実施する特殊部隊を国として創設すべきと考えますが、
どのようにお考えでしょうかという問いがあります。
委員長のお考えをお聞かせください。

田中委員長 :
まぁ、個人の考えをいま述べるような質問ではないですね。
今後、あの大事なことかもしれませんが、
あのこれから検討そういうことも含めて、あの、検討する必要があると思いますが、
えっとー、日本の場合は今までは、そういう、あのー体制が整っていなかったという、
御指摘があるのは分かっていますけれども、
すぐにそれをできるかと誰かが命令して、かなりあの、ま、言い方はあれですけれども、
アメリカだと FEMA(米国連邦緊急事態管理庁)かな?
あういうような、そういう組織を作るべきだという御指摘はあるんだけれども、
日本でそれがすぐにそういうことができるかどうかというのは、そう簡単な課題ではないです。
田中記者:
もちろん簡単ではないですが。
田中委員長:
でも、それが新潟県知事から出されたからって、
私がいちいちそれを答えていく義務があるとは思えません。
司会:
田中さん、ほかにも質問されたい方がいらっしゃるのでちょっとよろしいですか
「原子力発電所内の方を外よりもクリーンにしておくルールとは一体何なのでしょうか?」
記者会見他・新潟県泉田知事
がれきの広域処理の問題点が全て見えてくる!
「新潟県知事が環境大臣に宛てた”がれき広域処理”に関する再質問全文」
新潟県泉田裕彦知事に繋がる政治家を!がれき広域処理に関しての県議会での答弁12/10
原子力規制委員会の広報課長は
「福島県民に無用の被ばくを避ける権利があるかどうかは分からない」と言った佐藤暁
OurPlanetTV は
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市町村別、甲状腺検査結果を開示 福島県、請求拒めず
毎日新聞 2013年04月22日 東京朝刊
東京電力福島第1原発事故を受けて福島県が実施している子供の甲状腺検査で、
市町村別の判定結果一覧表が、情報公開請求していたNPO法人に開示された。
県側は「プライバシー保護」を理由に公表を拒み続けていたが、
県の情報公開条例上は非開示にする理由がなく、開示を余儀なくされた。
識者からは「一覧表で個人が特定される恐れはなく、情報を出そうとしない県の姿勢は疑問だ」と
批判が出ている。
県の甲状腺検査(1次検査)では、しこりの有無などを超音波で調べ、4段階で判定している。
開示されたのは、2011年度に検査した子供3万8114人の判定結果を市町村ごとにまとめた一覧表。
検査を委託されている県立医大が昨年4月に作成した。
NPO法人「情報公開クリアリングハウス」(東京都)の三木由希子理事長が同12月に請求し、
今年1月下旬に開示された。
2次検査が必要な「B」と判定された人の割合は0〜1・7%、
5ミリ以下のしこりなどがある「A2」は25・2〜41・6%と、自治体間でややばらつきがあった。
公害調査に詳しい津田敏秀・岡山大学教授(疫学)は
「1回の数値だけで明確なことは言えないが、
放射性物質(ヨウ素131)の拡散状況と甲状腺がんの因果関係を調べるのに重要な情報。
変化の動向を見るためにも定期的な公表が不可欠だ」と指摘する。
開示決定について、県の県民健康管理課は「条例の規定を踏まえて判断した」と説明した。
条例は個人情報や県民に誤解や混乱を与える情報などが記載された公文書は開示しないと定めているが、
一覧表はこれらに該当しない。
しかし、検査責任者の鈴木真一・県立医大教授は開示後の2月13日の記者会見でも
「地域が特定されて本人に迷惑がかかる」と述べ、市町村別の判定結果を明らかにしなかった。
【日野行介】
==============

※判定結果は、
▽A1=しこりなどがない
▽A2=5ミリ以下のしこりなどがある
▽B=5.1ミリ以上のしこりなどがある
▽C=すぐに2次検査が必要。
A以外が2次検査の対象になる。
11年度はC判定はなかった。
「その他」は他の自治体に居住しているが、
検査対象の13市町村の学校に当時通学していたことなどを理由に検査を受けた子供の数
第10回「県民健康管理調査」検討委員会2013.2.13 <質疑応答文字起こし・ほとんど全部>
まさに、いま
私はその恐怖を感じています。
戦争がしたくてたまらない様子の安倍政権。
10年以上前に書かれたのに、ちっとも古くない。
ちゃんと読みたくて本を買いました。
忌野清志郎さんが生きている間に、もっといろんな事を聞きたかったと、
今更ながらですが、とても強くそう思います。
まさに、今の事を語ってくれていると思います。
憲法を変えられてしまったら大変なので、
9条の部分書き出しました。
ーーー
忌野清志郎「瀕死の双六問屋」

没原稿その2
日本国憲法9条に関して 人々はもっと興味を持つべきだ
……
時々ムカつくけど、ガキみたいにキレるわけにもいかない。
そうさ、俺はもうオヤジだからな。
ガキの頃はよくキレていたよ。
今の画一化されたキレ方じゃないけどね。
みんなキレまくってムカついていた。
地震の後には戦争がやってくる。
軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。
国民をバカにして戦争にかり立てる。
自分は安全なところで偉そうにしているだけ。
阪神大震災から5年。
俺は大阪の水浸しになった部屋で目が覚めた。
テレビをつけると5ヶ所ほどから火の手がのぼっていた。
「これはすぐに消えるだろう」と思ってまた眠った。
6時間後に目が覚めると神戸の街は火の海と化していた。
この国は何をやっているんだ。
復興資金は大手ゼネコンに流れ、神戸の土建屋は自己破産を申請する。
これが日本だ。
私の国だ。
とっくの昔に死んだ有名だった映画スターの兄ですと言って返り咲いた政治家。
弟はドラムをたたくシーンで俺はロックン・ロールじゃありませんと自白している。
政治家は反米主義に拍車がかかり、もう後もどりできやしない。
そのうちリズム&ブルースもロックも禁止されるだろう。
政治家はみんな防衛庁が大好きらしい。
人を助けるとか、世界を平和にするとか言って実は軍隊を動かして世界を征服したい。
俺はまるで共産党員みたいだな。
普通にロックをやってきただけなんだけど。
そうだよ、売れない音楽をずっとやってきたんだ。
何を学ぼうと思ったわけじゃない。
好きな音楽をやっているだけだ。
それをなにかに利用しようなんて思わない。
せこい奴らとは違う。
民衆をだまして、民衆を利用して一体何になりたいんだ。
予算はどーなっているんだ。
予算をどう使うかっていうのはいったい誰が決めているんだ。
10万円のために人を殺すやつもいれば、10兆円とか100兆円とかを動かしている奴もいるんだ。
いったいこの国は何なんだ。
俺が生まれて育ったこの国のことだ。
君が生まれて育ったこの国の事だよ。
どーだろう、……この国の憲法第9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか?
戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるっていってるんだぜ。
俺たちはジョン・レノンみたいじゃないか。
戦争はやめよう。
平和に生きよう。
そしてみんな平等に暮らそう。
きっと幸せになれるよ。
ーー2回目のあとがきーー
・・・
しかしガンが全身に転移してガリガリに痩せて痛みの中で死んでいくと医者に言われた俺が、
こうして鼻歌まじりで「瀕死の助六問屋」の文庫本化に向けて2回目のあとがきを書いているという事実。
友人のライブに何度も飛び入りし、何曲も歌っているという事実。
自転車で走り回っているという事実。
死んでいないという事実。
「瀕死の助六問屋」の物語は俺が唯一(絵本以外で)というくらい、
まじめに(ゴーストライターやインタビューおこしではなく)自分で書いたものだ。
たいして話題にならなかったが、とても気に入っている1冊である。
文庫として復活するとはゴキゲンなことだ。
俺の再生、完全復活の先駆けのようで、幸先の良い出来事だと思う。
沢山の勇気を与えてくれた皆さんに感謝します。
忌野清志郎/2007年7月
ーーー
「きっと幸せになれるよ」
最後の一言で、なんか…、うるっときた。
。・゚゚ '゜(*/□\*) '゜゚゚・。 ウワァーン!!と…、泣きたくなった。
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・発売日: 2007年09月11日
・著者/編集:忌野清志郎
・出版社:小学館
・サイズ:文庫
・ページ数: 278p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
日本の「キング・オブ・ロック」清志郎の衝撃の問題作がついに文庫化された。
理想郷らしき「双六問屋」に住む男が縦横無尽に音楽への愛、社会への怒りを語り尽くす。
憲法、君が代、自殺問題からレコード発禁事件まで、エピソードは多岐にわたり、
七年前に発売された本とはとても思えないその文章は最高にクールでホット!
それは、まるで、彼のロックを聴くようだ。
また、各話の後ろに付いているオーティスやジミヘン、
清志郎自身の作品について語り下ろしたレコード評も読みどころのひとつである。
【目次】(「BOOK」データベースより)
問屋からきた男/小部屋へ向かう道/孤独の叫び/防波堤は風の中/悪い星の下に/新しい旅立ち/
リスト・バンドを残していった男/恋のダイヤモンド・リング/双六問屋へ帰りたい/
エレファントラブがやってくるヤァー・ヤァー・ヤァー〔ほか〕
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瀕死の双六問屋完全版
・発売日: 2012年02月
・著者/編集:忌野清志郎
・出版社:新人物往来社
・サイズ:単行本
・ページ数:255p
・注記:付属資料:CD1
1998年11月~2001年4月にかけて『TV Bros.』(東京ニュース通信社)で連載され、
キヨシローが、
「俺が唯一(絵本以外で)というくらい、
まじめに(ゴーストライターやインタビューおこしではなく)自分で書いた」(「あとがき」より)と語る、
「瀕死の双六問屋」を加筆修正した本書は、
「理想郷」である「瀕死の双六問屋」で暮らす男が縦横無尽に音楽への愛、
社会への怒りを語り尽くすというサイケな作品。
君が代、憲法、自殺問題、さらには反核・反原発曲の収録問題を理由とした
レコード発禁事件等々エピソードは多岐に亘り、
10年以上の時を経ても、その文章はサイコーにクールでホット!
本書は、2000年9月に発売され、その後絶版となった、
伝説のサイケデリック・ノベル&エッセイ『瀕死の双六問屋』に、
当時未収録だった「最終回を含む18話分」(全話収録)+「未収録イラスト&写真」を収録し、
さらに同書のために制作された極上のロックン・ロール4曲を
「リマスター・バージョン」で復活収録(音楽CD付き)。
さらに、さらに! 装画を浦沢直樹氏が、解説を町田康氏が担当した、まさに「完全版」と言える一冊です!!
※ CD収録の4曲は、この本の付録でしか聴くことができません。
著者について:
'70年3月5日、RCサクセションとして「宝くじは買わない」でデビュー。
'91年のバンド活動休止後も、ソロ活動のほか、映画・ドラマ出演、絵本の執筆、
サイクリストなど活動は多岐に渡る。
2011年11月、清志郎本人のセレクションによる珠玉のスウィート・ソウル・バラード・アルバム
『sings soul ballads』発売。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
音楽への愛と社会への怒りに満ちたサイケデリック・ノベル&エッセイ、ついに完結。
最終話を含む幻の原稿18話分を収録。
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
忌野清志郎(イマワノキヨシロウ)
1951.4.2~2009.5.2。
’70年3月5日、RCサクセションとして「宝くじは買わない」でデビュー。
’91年のバンド活動休止後も、ソロ活動のほか、映画・ドラマ出演、絵本の執筆、
サイクリストなど活動は多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
忌野清志郎はもういないけど・・・
Love Me Tender -The Timers-
この歌が現実になりました
RCサクセション サマータイムブルース~LOVE ME TENDER
メルトダウン・タイマーズ(歌詞付き)
Long time ago ・タイマーズ (歌詞あり)
空がまた暗くなる・忌野清志郎と斉藤和義(歌詞書き出し)
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放送日:2013年4月20日(土)~26日(金)
※放送日、放送時間は放送局によって異なります。くわしくはこちらをご覧ください。
Web公開日:2013年4月23日(火)
ゲスト:李政美(イ・ヂョンミ)さん(歌手)
パーソナリティ:石井彰(放送作家)
小出裕章ジャーナル
石井:今日のゲストは歌手の李政美さんです。
李:大ファンで、今日はこうやってお電話で話せるなんて光栄です。
小出;こちらこそ光栄です。ありがとうございます。
石井:
小出さんね、基本的な質問をいくつか聞かせて下さい。
先ずですね、電力会社が沢山ありますけれども、
こんなに、私からみればリスクが多い原子力発電所を、なぜこんなに沢山つくってきたんでしょうか?
小出:
それには沢山の思惑があると思います。
“国家”という側からみれば、原子力の技術というのは核の技術と全く同じものですので、
「平和利用」と言いながら原子力を進める事で核兵器を開発する能力を身につける事が出来る。
という理由はあったと思います。
“電力会社”からみれば、
「電気事業法」という法律で、電力会社が守られていたが為に、
原子力発電をつくればつくるだけ利潤が膨れ上がるという、そういう法律的なシステムがありました。
そのため電力会社としては「とにかくお金を儲けたい」と思う訳ですから、
「なにがなんでも原子力」という事になってしまいました。
石井:
コストの問題ということも、いつの間にか私たちは刷り込まれてしまっていて、
火力発電は、石油ショック以降ですね、「石油が無くなるぞ」と。
「次はもうプルトニウムの原子力発電」と。
もうこれしかないというように私たちはいつの間にか思わされてきてるんですが、
どうも「石油は無くならない」。
その一方で「実はウランがそんなに沢山はない」というふうに小出さんはおっしゃっていますが。
小出;
そうです。
私自身も1960年代に中学、高校時代というのを過ごしていたのですが、
その時に「化石燃料は無くなってしまうからいずれ原子力しかない」と言われましたし、
もし原子力が発電に利用できるようになれば、
「発電単価は値段が付けられない位安い」と宣伝を聞かされました。
そして私はその宣伝を信じて原子力の場に来てしまったわけですが、
事実をきちっと知ってみると、原子力発電の燃料であるウランは
石油に比べても数分の1しかありませんでしたし、
石炭に比べると数10分の1しかないという大変貧弱な資源でした。
ですから初めから考えていた事が間違えていた訳ですし、
電気代が安いというのも真っ赤な嘘で、
日本なんかは原子力をさんざんやってきてしまったが為に、
世界一高い電気代の国にすでになってしまいました。
石井:
原子力発電の方が安いという事が一つと、
それからもうすでに3分の1以上原子力発電による電力を使っているから、
「原子力を止めたら真っ暗になるぞ」というふうに、
みんないつの間にか思い込まされてきちゃっていますよね。
小出:
そうですね。
日本の国がそのように言ったわけですし、
電力会社や大企業も全てそれに乗っかって、
「原子力は安全だし安いし、止めたら停電しちゃうぞ」と言って、
マスコミも含めて脅しをかけてきていたのです。
そのため多くの人たちが
「原子力をやめたら自分たちの生活が大変になってしまう」と思ってしまったわけですが、
実際には原子力なんてやめても停電なんかには決してなりません。
現在日本には水力発電所と火力発電所が膨大にありますので、
それらがちゃんと動くように管理が出来ているのであれば、
真夏のピーク電力の時ですら原子力発電がなくても停電にはなりません。
それはもう私が言っているのではなくて、政府の統計データがそれを指しているので、
みなさん何の心配もないという事をまずは知って欲しいです。
石井:
そうですね。
その上でもう一つですね、その経済性の問題だけでなくて安全の問題についてお聞きしたいんですが、
「原子力発電所は何重もの安全装置を持っているから安全だ」と。
「決して事故は起こしません」という形で私たちは説明を受けてきました。
しかしそれが今回の福島の事故でですね、「ウソだった」というふうにやっと私たちが分かったというか、
大変不幸な事態だなと僕は思っているんですが、
小出;
はい、ま、何重もの安全装置を付けているから「安全だ」というのが、
いま石井さんがお話し下さったように、政府、あるいは電力会社からの宣伝だったんですね。
でも逆に言えば、
「何重もの安全装置をつけなければ動かす事が出来ないほど危険な機械だった」のです。
そして機械というのは時に壊れるというのは当たり前のことであって、
誰も原子力発電所が壊れて欲しいなんて願う筈はないのですけれども、
でもやはり機械ですから時には壊れてしまうという事が
今回の福島第一原子力発電所の事故で、本当に残念ながら示されてしまいました。
石井:
ということは、小出さんにこんなお話をするのも変ですが、
原子力発電ほど割に合わない電力のシステムって無いですよね。
小出:
そうです。
まともに動いている時ですら、「発電単価は原子力が一番高い」ということは、
電力会社の有価証券報告書のデータを使って計算してみれば、もう分かってしまっていたのです。
おまけに事故が起きてこんな被害が出て、それを電気料金に上乗せしようとすれば、
もう一体いくらになるのか分からなくなるほど高くなってしまいます。
さらにその上、仮に事故が起きなくても、
生み出した核分裂生成物、それを10万年あるいは100万年お守をしなければいけないと言っている訳で、
その費用などを考えたら到底割に合いません。
本来であれば経済界というのは金勘定をする人たちな訳ですから、
「せめてしっかり金勘定ぐらいしなさいよ」と私は言いたくなります。
石井:
あのー、良くも悪くも資本主義の原則を徹底していただければ、
原子力発電所などというものを造ってもいけないし、
稼働させてもいけないっていうことに普通になりますね。
小出;要するに経済人が普通にそう判断する筈のものなのです。
石井:
今後も基礎的なところを一つ一つ
私たちがいつの間にか勘違いしているところをですね、
小出さんとお話しながら改めて行けたらなと言うふうに願っています。
小出:ありがとうございます、とても嬉しいです。
より被害の実態に即した賠償が行われるための一つのステップになって欲しい
国や東電が引い目に見えないラインに関係なく放射能というのは広がってそこに汚染があるのは事実。
その汚染から逃げたい気持ちはみんなの権利であって、
私たちはその権利を行使して、賠償していただくということも私たちの権利
今回、「合理性がない」と一度言いきった事に関して慰謝料が出たというのは、
実は汚染があって、「そこから逃げた事は合理性があるんだ」という事をはっきり認めたという事。
2013年4月17日(水)
「自主的避難等対象区域外からの避難者への賠償実現記者会見」
対象区域外の母子避難、賠償実現 SAFLAN福田弁護士
Aさん福島県白河市から札幌市へ母子避難

私は2011年の12月からサフランの先生方にお力添えを頂きながらADRの方を進めてまいりました。
すでに1年と4カ月の時間が経っております。
私どもが最初にこのADRという事を耳にして、こういった方法があるんだよという事が分かったのは、
本当に避難後間もない時期でした。
確かまだ夏から秋にかけての時期に「こういう方法がありますよ」というのが
サフランの先生方の方から、郵送で送られてきたんですね、避難者宛に。
で、それを見まして、全く知識もなく、
これがどういう方法であるのか、これで何を認めてもらえるのかが分からないという
手探りの状態だったんですけれども、
やはり私たちが避難をしたという事を、全く意味のないものとして済ませようとしている
東電あるいは国に対して、私たちが出来るまず第一歩なんではないかと思いまして、
いろいろ考えて、家族の中でも相談をしまして、
2011年11月に正式にADRの方のスタートが切られたんですけれども、
スタートした時点では3~4か月ほどで何らかの結果が出るんではないかというような話がなされていました。
ADRというのは「裁判とは違って素早く結果が出るんだ」というところがメリットの一つであるという事が、
私たちの中では一つの知識としてあったので、
それもあって、それだったらと思ってスタートしたんですけれども、
実際は本当に店晒しにされたまま、何の反応もなく、ほったらかしにされていたような状態で、
すごく長かったんですね。
で、その間も少しでもこちらの思いを分かってもらおうと思いまして、
私たちが避難するまでの間に
白河市の自宅周辺の放射線量を私は毎日毎日数カ所測って表にまとめておりました。
そういったものを全部提出させていただいたり、
残っている主人の心情を綴った手紙などを書かせていただいたり、
子どもの言葉として提出させていただいたりしながら、
こちらがどういう思いで避難という事に至ったのかというのを分かって頂こうと、
本当にあらゆる手段を尽くしてきたんですけれども、
この1年4カ月、この3月に和解という形でご連絡を頂くまでは、
「なぜわかってもらえないんだろう?」という気持ちがこちらの方でも湧いてきてしまう位に
店晒しの状態が続いておりました。
「店晒し」というと、本当に「放っておかれて何にも反応がない」というふうに思われがちなんですけれども、
それだけではなくて、私たちの方から提出したものに対して、
「あなた達の避難は合理性がない」とはっきり書かれた書類が送られてきたこともございました。
本当にその書類を見た時には、福田先生と電話で話しをしながら、
「もうこの手紙破いてもいいですか?」と福田先生がおっしゃったように、私もそれを見た時に、
あれだけはっきりとした汚染があって、
今現在も除染が勧められているような場所から避難をしたにもかかわらず、
「あなた達の避難に合理性はありません」という答が返ってきた時のあの悔しさと、
なんて言うんでしょう…遺憾という言葉では現わせない位の本当に悲しい怒りがいっぱいでして、
もしこのまま何も方向性が決まらずにADRが進まなければ私たちはどうしたらいいんだろうなというのを、
少しずつ、こうなんとなく福田先生と話を進めていたころの
本当に突然の、実は、和解というご連絡だったんですけれども、
わたしたちがこのADRというものをやろうと決めたのは、
もちろん避難には沢山のお金がかかりまして、
私たちが「これだけあれば足りるだろう」と思った、本当にその数倍のお金が実際はかかってしまっていて
いろいろなものを切り崩しながら今まで生活をして来ているんですけれども、
「お金を目当てにしてこういった事をしているんだろう」という言葉も、実は言われたりもするんですが、
私はそうではなくて、
あの場所に実際に汚染があったという事を、
私たちはそれを怖がって逃げる権利があるという事を
ぜひ、実際に怖くても我慢をしている人や、
怖くて逃げたのにそこにかかった費用が請求できていない方々に
「あなた達の避難は正当だったんだよ」という事を伝えるために、
この国や東電が引いたラインを、
本当に目に見えないラインですけれども、
そんなラインに関係なく放射能というのは広がって、そこに汚染があるのは事実なので、
その汚染から逃げたい気持ちはみんなの権利であって、
私たちはその権利を行使して、
逃げた先にかかったお金をまた、きちんと受け取る、賠償していただくということも、
それも私たちの権利なんだという事をしっかりと認めていただくために、
「ADRをやろう」というのを私は決心をしたので、
今回、多分この金額を見た時に、たとえば私の慰謝料4万円というのも、
「この4万で果たして何が出来るんだろうか?」と思ったりもするんですけれども、
もちろん金額的に満足がいくかと言えば、
私がこの1年8カ月、9カ月、避難してからたっている時間の間に、
本当にいろんな思いをしてきました。
お金も沢山かかりました。
でも「その4万円で、じゃあ何がカバーできるのか」と言われてしまえば、
なにも、実はできません。
でも今回、「合理性がない」と一度言いきった事に関して慰謝料が出たというのは、
実は汚染があって、
「そこから逃げた事は合理性があるんだ」という事をはっきり認めたという事だと思っています。
ですから、今まだ悩んでいる方、
または悩んで考えて避難をしたけれども、
そこから先、一方的にお金が出ていってしまって何にも貰えていない方々に、
「あなた方にも同じ事をする権利があるんだよ」という事を是非分かって頂きたいなと思ったので、
この金額云々というのはちょっと横に置いておきまして、
今回ちょっと主人の分の慰謝料が出ていないというのが、私も本当に悔しい思いでいっぱいなんですけれども、
大まかな部分に関しては認めていただいた部分は、
私としては評価できる点で特筆できる天だなと思っております。
本当にずっと、店晒しの時間が長かった間、励まして下さったサフランの先生方、
福田先生、本当に感謝をしております。ありがとうございます。
Q:北海道にはなにか親戚がいらっしゃったりするんですか?
A:全くおりません。
Q:札幌を選ばれた理由は?
A:
まず避難先を考えた時に「福島からある程度の距離がなければ何の意味もないな」と思いまして、
北に行くか南にいくかしか場所的には選べないので、
「北か南か?」と子どもに聞きましたら「北がいい」と言ったというのがあるんですけど、
実は当時、札幌、北海道からの情報発信が一番インターネットですぐれていたというのが私の感想ですね。
それが理由です。
Q:
避難された時の家の周辺の線量を測られていたという事なんですけれども、
大体どのくらいで、いつ引っ越しをされたのか教えて下さい。
A:
引越し…、避難をしたのは2011年7月21日です。
ちょうど子供たちの1学期の学校が全部終わった翌日に避難をしました。
これが4カ月経っているという事で、
「この4カ月何をしていたんだ」という事を言ってこられたこともあるんですけれども、
この4カ月間はですね、
「安全である」と「焦るな」というのを繰り返し言われていたというのが現実です。
避難をしようとした人たちを笑うという人もいましたし、
そういう中で焦って飛び出ていくのをみっともない事であると、
そういった風潮もありました。
実際に私が、最後に家を出る時に測った玄関付近の線量は、0.68でした。
0.68マイクロシーベルト/時でした。
で、私が一番「これはもうここにはいられない」と思った決定的なものは、
2階に子どもの部屋があるんですけれども、
その子どもの部屋の2段ベットの上の段がものすごい線量だったんですね。
それはもう、しばらく子どもたちをそこに寝かして生活をしてしまってから、
ふと気が付いて調べようと思って、
普段は通常自分が生活をする状態で調べていたんですけれども、
ふと思って2段ベットの上の段に上って天井付近を調べてみたら、本当にものすごい線量でした。
あの時多分最初に測った時は0.7~8ぐらいありまして、
そこに子どもたちを結局「数か月寝かして生活をしてしまった」という、
自分のこの無知さと、「いや大丈夫だ」と言われ続けて、いい続けていた事についての、
すごい怒りが一気にその時に噴き出しまして、
「もうここにはいられないな」と。
「ここで子育てをするのは私にとっては絶対に無理なことである」と思いまして、
7月21日に最終的に避難する事になりました。
福田健治弁護士 福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク副代表サフラン

「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク」という自主避難者の支援を行っている
法律家の団体の副代表をしています。
本日は私たちの団体で、何件か東京電力に対する原発事故に関する損害賠償の案件を代理してきましたが、
その中の1件において和解が成立したという事でご報告をさせていただきます。
福島県白河市という、福島県の一番南のところから札幌に
母子避難された世帯の賠償請求の件についてという事になります。
白河市からの避難ということが特筆すべきであるのは、
当初賠償の指針を定めていた原子力損害賠償紛争審査会が
「自主避難者に対する賠償指針」というのを2012年12月6日に定めていたんですが、
この時に賠償の対象となった区域、これ「自主的避難と対象区域」という長い名前になっていますが、
そこから外れた、福島県内であるにもかかわらず「外れた」という事で、
「この案件が実際に賠償されるかどうかが分からない」という事で、すっと東京電力との間で
原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)を通じてやり取りをしていた案件です。
最終的には4月5日に、
福島市や郡山市などの自主的避難等対象区域と同様の水準で和解が成立することになったという事で、
ご報告させていただきます。
事案の概要ですが、
今申し上げた通り避難されたのは4人のご家族のうち、お母さんと子ども2名。
事故当時に中1小5。
実際に避難されたのは2011年7月ですので、その時には中2と小6という事になりますが、
この3名の方が札幌市に避難をされた事案です。
で、お父さんの方は白河市に残っていらっしゃって、
今でも白河市で生活を続けていらっしゃいます。
この世帯が東京電力に対して、避難の費用あるいは慰謝料について賠償を求めたという事案で、
私たちサフランの弁護士が弁護団を務めてこれまでこのセンターを通じて行ってきました。
今回、和解の内容という事になりますが、
原発ADRから和解案が出たのは3月の事でして、
その和解案に基づいて、最終的に東京電力も含めて和解を受諾するという事になりました。
具体的内容としては、請求していたのは2011年分の損害という事で、
この白河市の子ども妊婦に対してひとり当たり20万円。
今回の世帯の場合は40万円支払われていた以外に、
「合計134万7190円を支払う」という内容で和解が成立しています。
合計額としては174万7190円ということになります。
具体的な中身としては、避難をされたお母さんと子ども2名に対して、
お母さんについては慰謝料4万円、
それから子どもについては一人当たり20万円の慰謝料が認められたほかに、
具体的な費用として、避難にかかった交通費、家財道具の購入費、
日常生活、お父さんがまだ白河市に残っていますで、2重生活に伴って増加した生活費の増加分。
それから、お父さんが札幌にいる家族のところを訪問するための面会交通費。
それから、お母さんが白河市で英語教室を行っていましたので、
これを辞めざるを得なくなったという事で、それに伴う減収分等が今回賠償の対象として認められております。
一方ですね、もうひとつ特筆すべきなのは、
白河市にまだ残っているお父さんの慰謝料。
お父さんについては慰謝料が認められなかったという事になっております。
今回の和解に対する評価申し上げたいと思います。
今回、原発ADRが少なくても2011年4月22日以降に避難した案件としては、
この福島県の白河市、県南地域からの避難案件としては初めての和解であるというふうに
当方としては認識しております。
これまで東京電力は福島市、郡山市からの避難者に対しては賠償の請求を認めてきたわけですが、
県南地域については基本的には「子ども、妊婦の方には20万円配る」という対応しかしておらず、
それ以外の請求は一切認めていないという事になります。
今回それを相当上回る水準での和解がなされたということで、
今後県南地域から避難された方々が東京電力に対して賠償請求していくという案件が
増えていくのではないかと思っておりますし、
また、東京電力の方はこの県南地域についてもきちんと避難者に対する賠償を直接。
原発ADRにわざわざ申し立てるまでもなく直接受け付ける体制を確立すべきであろうと考えております。
特に今回の件が重要であるのは、
原発事故後様々な形で政府が区域分け、線引きをしてきました。
今回、この自主的避難対象区域という事で、
「郡山市と白河市の間に賠償の差が出てきてしまっている」という事についても、
まさに政府がこれまで行ってきた線引きの非常に良くない一面だと思いますが、
その線引きが今回一つの事案ではありますが打破することが出来たと。
より被害の実態に即した賠償が行われるための一つのステップになって欲しい
というふうに私たちは期待しております。
一方ですね、問題点として2点ほど申し上げたいと思います。
まず一つは慰謝料の判断。
これは今、原発ADRの特に自主避難案件に対する慰謝料の判断が極めて画一的でありまして、
とにかく大人4万円子ども妊婦20万円、それ以外は認めないという対応をずっと続けてきておりまして、
個別具体的なその家庭あるいは個人の思い事情というものを詐称した形で
ずっとこのような一定額の賠償という事にセンターが固執しているというのは非常に問題だと思います。
そして今回の場合さらに問題だと思うのは、
実際に今、まだ白河市に居住していらっしゃるお父さんの賠償請求の慰謝料の部分を
全くセンターが認めなかった事であります。
もちろんお父さんは原発事故による恐怖、
あるいは、まだ放射線量が決して低くはなっていない中で生活していると、
これに伴う精神的苦痛というのもあります。
で、それだけではなくてですね、実際このような形で母子避難という形になって、
子ども、あるいは奥さんと離れ離れの状態で一人で白河市にお仕事の関係で住まなくてはいけないと。
この精神的苦痛に対して今回の和解案というものが対応していないと、
「そのようなものは認めない」という対応に、
センターが終始したという事が極めて遺憾であると考えております。
センターが今回賠償をするという和解案を出した理由というのは、
これは和解案の提示理由書というものを昔はいっぱい作っていたんですけれども
今センターが作らなくなっていまして、
私たちもこれを今回のケースについては貰っていません。
ただ、センターとの議論の中で聞いているのは、
「基本的には線量の問題である」と聞いています。
具体的には自主的避難等対象区域の線量が色々なんですね。
高いところは福島市や郡山市なんかは結構高いですし、
いわき市とか相馬市というのも対象区域なんですけれども、それほど高くありません。
で、白河市というのは大体その中間ぐらいの線量であるという事なので、
「この件については自主的避難等対象区域と同様の線量の状況にあるという事にかんがみて
避難の合理性を認めるという事にした」という事をセンターから口頭で説明を受けております。
自民党の憲法改憲案と東電が作った賠償請求書12/192012年FFTV(一部文字起こし)
福田弁護士 賠償額に関して、重要な部分の要旨
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貯水槽建設当初から 国に報告せず
本紙取材で判明
しんぶん赤旗 2013年4月16日(火)
高濃度の放射能汚染水が東京電力福島第1原発の地下貯水槽三つから相次いで漏れた問題で、
東電は貯水槽の建設当初から、水漏れ防止に使ったシートの漏水事例を把握していたことが
本紙の取材で分かりました。
建設中に行った国への説明では、
シートを使った工法の実績を強調しながら、漏水事例は報告していませんでした。
東電は2012年4月から13年1月にかけて、地下貯水槽7基を建設。
この際、産業廃棄物処分場の構造を参考に、合成樹脂のシートで水漏れを防止する工法を採用しました。
この工法について東電は12年8月15日に原子力安全・保安院(当時)に行った説明で、
シートを使った処分場などが「全国で400カ所以上ある」とし、
すでに安全性が確認された技術であるかのように強調していました。
実績のなかでシート破損などによる複数の漏水事故が起きていることは示していませんでした。
東電は本紙の取材に、
「ほかの事例で漏水していたことは建設前から知っていた。
把握した漏水事例はシートが1枚だったので、2枚にすれば漏れないと考えた。結果としては漏れた」
(広報部)と説明しています。
ーーー
貯水槽水漏れ想定しつつ“シート3重構造”なら安全
2013年4月17日 報道ステーション
福島第一原発の地下貯水槽で汚染水漏れが相次いでいる問題で
東京電力が産業廃棄物処理場などに設置された同じ構造の貯水槽で
水漏れの前例があるのを知りながら建設を進めていた事が分かった。

東京電力の会見 午前10時すぎ

Q:水漏れがあったということを承知でこの工法を使った?

東電:
当社としてはそういう事例についても承知しておりましたけれども、
高性能のシートを使って施工するということで漏えいは起きないものと考えていました。

東電の説明では
水漏れがあった産業廃棄物処理場にあった貯水槽は二層構造であったために不十分だった可能性を指摘。
東電ではこれにシートを1層増やし3層構造にする事で安全を確保したつもりだったという。
ーーー
赤旗と報道ステーションの説明に
2層と3層の違いはあるけれど、そんなことはどっちでもいい。
同じ構造で過去水漏れがあった事を把握しながら、シートを一枚増やせば大丈夫だと思う。
この思考回路が真実ならば、東京電力の人は本当にプロなのか?と疑いたくなる。
しかも中に入れるのは1cm四方、1ccあたり29万ベクレルという、
恐ろしく高濃度に汚染されている放射能の塊みたいな液体だ。
「知っていたのに」というところに、
人類史上初めての大事故を起こしても、その場しのぎのごまかしで動いている東京電力の体質は
全く変わっていないという事をハッキリと見せてくれた事件だと思う。
ーーー
報道するラジオ 「小出裕章さんに聞く汚染水漏れ」 4/12(文字起こし)
漏れないプールはあるのか?入れれば漏れる汚染水&読売新聞エライ!7100億ベクレル→35兆ベクレル
新たに別の池も!収束後最悪の漏れ「漏れて当たり前の構造に見える汚染水の池」
福島第一原発汚染水漏れを読み解く4/6デモクラTV(文字起こし)
大飯原発の運転停止認めず 大阪地裁
NHK 4月16日 15時59分
国内で唯一運転している関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機について、
福井県などの住民たちが「大規模な地震で重大な事故に至る危険がある」と主張し、
運転停止の仮処分を求めていたのに対し、
大阪地方裁判所は「合理的な安全基準を満たしている」と判断し、住民らの申し立てを認めませんでした。
去年8月、営業運転を再開した福井県にある関西電力の大飯原発3号機と4号機について、
福井県や近畿地方などの住民262人が、
「周辺の3つの活断層が同時に動く地震が起きれば、
運転を止めるための制御棒が決められた時間内に原子炉に入らず、重大な事故に至る危険がある」
などと主張して、原発の運転停止を求める仮処分を大阪地方裁判所に申し立てていました。
これに対し、小野憲一裁判長は16日、
「制御棒が原子炉に入るまでに一定の時間を超えるとは認められず、具体的な危険性があるとは言えない。
福島第一原発の事故のあと、
原発の安全性に関して国が決めた緊急対策や基準は、現在の科学技術の水準に照らして合理性があり、
大飯原発は安全上の基準を満たしている」と判断し、
住民たちの申し立てを認めない決定を出しました。
決定の中で裁判長は、
「大飯原発の敷地にある破砕帯が活断層と認めるに足りる事情はなく、
地震で安全性の限界を超える大津波に襲われる可能性も認められない」と指摘しました。
決定について、住民側の弁護士は、
「原発の危険性を警告してくれると期待していたが、裁判所に裏切られ、残念だ」と話しています。
関西電力は、
「今後も安全対策に万全を期し、原子力規制委員会が策定する規制基準を確実にクリアするとともに、
世界最高水準の安全性を目指していく」というコメントを出しました。
ーーー
小野憲一
所属 大阪地方裁判所部総括判事
異動履歴
H.20. 4. 1 ~ 大阪地方裁判所部総括判事
H.15. 4.21 ~ H.20. 3.31 大阪高等裁判所事務局長
H.14. 4. 1 ~ H.15. 4.20 大阪高等裁判所
H. 9. 4. 1 ~ H.14. 3.31 最高裁判所裁判所調査官
H. 7. 4. 1 ~ H. 9. 3.31 東京地方裁判所
~ H. 7. 3.31 大阪地方裁判所
「無主物」裁判、裁判の在り方を問う・神保&青木ニュースコメンタリー12/3(内容書き出し)
神保:
基本的に運転停止差し止め請求とかの裁判っていうのは、だいたいね門前払いなんだけど、
使われる言葉っていうのがね、
ま、要するに原告側が原発の危険性を色々と証拠を提示する訳ですよ。
そうしてもね、「専門的技術的判断は司法判断になる」っていう言葉が大体入ってきちゃうわけ。
でもそれは何を言っているかっていうと、
もし、専門的技術的評価をしないんであれば、安全だっていう評価も出来ていない事でしょ?
なのに、原子力委員会や国が「安全だ」という事は、もうそのまんま受け入れていて、
「いや、そうじゃない」っていうものについては
専門的判断を出してはいけませんという事を言っていることが、
そもそもさっきの中立性の問題があるわけですよね。
要するに自分たちは技術的判断をしないんだったら、
安全だっていう人達と、そうじゃないっていう人達がいて、
それなりに、ただ言っているだけじゃなくて、それなりにデータとか出されているんだったら、
やっぱりそれをもう一回吟味するために、
いったん仮処分になっているものは、いったん差し止めるんですよね。
それで、吟味したうえで、それは裁判所じゃない所でやるんならやるで構わないけれども、
でも、自分たちはそれが出来ないからと言って、すでに動いているんだから、国が安全だと言ったんだから、
って言ったら、それは実はもう、技術判断をしているじゃないかと。
安全だという判断をそのまま採用しているじゃないかとなるんで…
青木:
例えば自分が裁判官やっててね、
原発のね運転差し止め請求の訴訟なんか受けてやって、
僕自身は反原発だとしてもですよ、
その、それを出した瞬間に、おそらく裁判所の中では「アイツは超変わり者だ」と、
「こんな裁判官はね、非常にバランスを逸している」と。
「反原発の運動家かなんかに毒されたんじゃないか」みたいな烙印を押されて、
一生、永久にね、出世の芽はないし、場合によっては支部から支部へ
支部っていうのはどういうことかって言うと
東京とかじゃなくて、地方の地裁のさらにその支部ですよね。
もう、そういうところに飛ばされて、一生転勤で…
要するに最高裁事務総局に睨まれたら、永久に支部支部支部みたいな感じになって…
だからやっぱり、人事。
だから人事で、人事っていうのは裁判所の場合は転勤が伴うのでお金にもかかわるし、
それから、生活にもかかわる、家族にもかかわる、人間としての裁判官の全てにかかわるわけじゃないですか。
だって、出世欲っていうのもある。
だからそれを、最高裁事務総局がギュッっと握っちゃって、もう、「こういう判決出したら干されるぞ」と。
で、実際に干しちゃう訳でしょ?
神保:干しちゃいますね。
ーーー
大飯原発「事前確認」週内にも提出 関電、新基準で規制委へ
福井新聞 2013年4月16日午前7時04分
国内で唯一稼働している大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について
関西電力が、7月に施行される新たな規制基準に適合していると判断し、
原子力規制委員会の事前確認に向け、週内にも適合状況を提出する方針を固めたことが15日分かった。
規制委が安全上問題はないと判断すれば7月以降も運転を継続することになり、
予定通り9月に定期検査に入る。
規制委は10日、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、
過酷事故や地震、津波対策を盛り込んだ新基準案をまとめた。
長期停止している原発が再稼働するための前提条件となる一方、
稼働中の大飯3、4号機については新基準の適合状況を事前に確認する方針を示していた。
田中俊一委員長は
「新基準ができて即停止させるのではなく、次の定検で対応を確認する」と
運転継続を認める考えを示唆している。
一方で、新基準に照らして安全性を点検し
「非常に具合が悪いところがあれば、早めに停止しなければいけない」とも述べている。
新基準では、多額の投資と時間がかかるハード対策の実施を要求している。
このうち、即時対応が義務づけられた免震機能などを持つ「緊急時対策所」について関電は、
耐震性のある中央制御室横の会議室が代替機能を果たすとしている。
本格的な事故対策拠点となる免震事務棟は2015年度に完成する予定。
防潮堤に関しては、原発ごとに定める最大規模の「基準津波」がまだ決まっていない。
現状では大飯原発に到達する津波の想定は2・85メートルで、
敷地の高さ(9・7メートル)を下回っている。
水密扉は既に取り付けており、安全上問題ないと説明する見通し。
防潮堤の整備は14年3月に完了する。
緊急時制御室を備えた「特定安全施設」と
事故時に原子炉格納容器の圧力を下げるフィルター付きベントは未整備だが、
5年の猶予期間が認められている。
ーーー
大飯原発、6月下旬に評価結果 新規制基準適合で規制委方針
福井新聞 (2013年4月17日午後6時58分)
原子力規制委員会は17日、定例会合を開き、
国内で唯一稼働している関西電力大飯3、4号機(福井県おおい町)が
原発の新規制基準に適合しているかどうかについて、
6月下旬をめどに評価結果を取りまとめる方針を決めた。
7月の新規制基準施行前に、基準への適合状況を事前確認する。
初の評価会合を19日に開き、検討を始める。
会合では、
地震・津波関係は島崎邦彦委員長代理、
施設や機器の安全面などに関する評価は更田豊志委員が担当する。
審基準に基づく安全審査をする原子力規制庁の職員も参加する。
関電に対するヒアリングを行い、結果は会合で報告する。
評価の過程で現地調査も検討するほか、
必要に応じて評価会合に外部有識者の出席を求めるケースもあるという。
委員からは外部有識者の活用について
「何らかのルールをつくるなど、安定した活用方法の検討が必要」との意見が出た。
これに対し規制委の田中俊一委員長は、
重要な判断が外部有識者任せになっていたことが東京電力福島第1原発事故の一因と指摘し
「規制委と規制庁が責任を持ってやる」と強調した。
新基準では最大規模の「基準津波」に耐える
防潮堤や免震機能などを備える「緊急時対策所」などの整備が義務づけられる。
大飯原発はいずれも未整備だが、基準津波はまだ決まっておらず、
緊急時対策所は耐震性のある中央制御室横の会議室で代替できるとしている。
田中委員長は、事前確認の結果、
安全上の重大な問題が認められなければ、7月の基準施行時に運転停止を求めず、
次の定期検査に入る9月までの運転を認める考えを示している。
大飯原発敷地内の破砕帯調査の結果が6月末までに出ない可能性も考えられるが、
田中委員長は
「できるだけ早く結果が出るように事業者に求めており、
現時点で安全上問題があるかどうかを私が述べるのは適切でない」と話した。
ーーー
「安全系設備に猶予期間を設けて運転するのは 故障した航空機をそのまま飛ばしているのと全く同じ」
後藤政志氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
後藤:
より信頼性を高めると称して重要な設備の設置に猶予期間を設けています。これは最悪です。
福島事故から、
「発生する可能性が小さくても大規模な事故につながる可能性がある」というのは確実に存在する訳です。
そしたらその事を確実に抑えない限りは再発するんですね。起こり得る。
つまり、安全系の設備に対して猶予期間を設けて運転してしまう。
OKしてしまうということは、
故障した航空機をそのまま飛ばしているというのとまったく同じです。
そうしますと、こういうものをもしそのまま認めるとしますと、
原子力規制の信頼性の根幹を失います。
私はこれだけは絶対に許しちゃいけないと思っています。
<5年猶予問題>原子力規制を監視する市民の会4/2坂上武氏&デモクラTV4/5
坂上:
要するに「5年猶予して下さい」というのを電力会社が言うのならまだわかるんですね。
資源エネルギー庁が言うのなら、それもまだわからないことはない。
なぜね、電力会社もなにも言わないし、それから資源エネルギー庁もなにも言わないのに、
事もあろうに原子力規制委員会が
「5年猶予してもいいですよ」というのを率先して文書を出しているというのは、
これはやっぱり異常な事態だと思います。
これについては
何故原子力規制委員会が規制の立場で「5年猶予してもいいですよ」というような文書をわざわざ出したのか?
それも田中委員長という、上からドーンとですね委員長試案という形で降りてきたわけですけれども、
これについては、理由は言えないはずです。
ま、これは、原子力規制庁の役人どもとこの件については折衝していますけれども、
何故それをわざわざ規制の側の立場でそういう文書を出すのか?理由はなにか?って言ったら、
理由はないんですよね。
内田:
中央制御室みたいなものを、最後につくる特定安全施設とか言う、
まさにシビアアクシデント対策ですよね。
後藤:
そのシビアアクシデントっていうのは起こらないと思ってきて、
実は福島は起こしたんでしょ。
だから、
今我々が考えるべきことは最悪の状態というものを考えなきゃいけないのに、
最悪の状態の可能性はまァないだろうと。
全く同じ構造でいま行っているんですね。文脈で。
そうすると、そんな事を国民、我々自身がね、なに一つ信じられなくなっちゃうんですよ。
報道するラジオ 「小出裕章さんに聞く汚染水漏れ」 4/12(文字起こし)
水野:
「時間的な猶予を与える」という項目があるんですね。
たとえば非常時のバックアップシステムである第二制御室。
これは中央制御室の変わりにいざという時になるものなんだそうですが、
「これはすぐに出来なくてもいい、5年間猶予しましょう」という事だそうです。
これって、そんなにすぐにいらないものなんですか?
小出:
事故というのは予測できませんので、
ひょっとしたら第二制御室が必要で無い事故かもしれないのですね、次に起きるのは。
ですから、
「何がどうやって必要か」という事は事故に関しては予測が出来ないという者だと私は思っています。
でも事故というのは、私たちが望むと望まざるとに関わらず起きる訳ですし、
原子力発電所が事故を起こしてしまえば、今現在起きているような大変悲惨な事になってしまうわけで、
私はもう原子力から足を洗うべきだと思います。
対策をもし、取るというのであれば、
「自分たちが思っている対策が出来るまでは、やはり動かさせない」
という位の事は言うべきだと思いますけれども、
残念ながら原子力規制委員会というのはそこまでの力を持っていないという事だと思います。
ーーー
多分大地震は5年も待ってくれないと思う。
<イラン・地震>マグニチュード6.3の地震から6日後にM7.8
4月13日05時33分頃 淡路島付近 M6.0 震度6弱
4月17日17時57分頃 三宅島近海 M6.2 震度5強
4月17日21時03分頃 宮城県沖 M5.8 震度5弱
震度5では普通になってきている今の日本の状態は311前には考えられなかった状況だと思う。
次はどこ?
大飯原発の真下かもしれない…。
小野憲一さん、ご自身の判決に責任取れますか?言うまでもなくそれくらいの覚悟の上の判決でしょう。
イラン・パキスタン国境付近でM7.8
NHK 4月16日 20時27分
アメリカの地質調査所によりますと、日本時間の16日午後7時44分ごろ、
イランとパキスタンの国境付近を震源とするマグニチュード7.8の地震がありました。

震源地はシスタン・バルチスタン州の町、ハッシュの東南東86キロで、
震源の深さは15.2キロと推定されています。

震源地からおよそ1300キロ離れたイランの首都テヘランにあるNHKの支局では、
揺れは感じられなかったということです。

イラン 過去にたびたび大地震
NHK 4月16日 20時58分
イランは、プレートとプレートがぶつかりあう場所に位置する世界でも有数の地震が多発する地帯で、
過去20年余りの間に3万人を超える死者がでる地震が2回起きるなど、
たびたび大地震の被害を受けています。
2003年には、今回の震源と同じイラン南東部の都市バムを中心とする地域で、
マグニチュード6.7の地震があり、4万人以上が死亡しています。
また、1990年6月にイラン北西部で起きたマグニチュード7.7の地震では、
多数の家屋が倒壊しておよそ3万5000人が死亡しています。
今月10日にも、南部のブシェール州で、マグニチュード6.3の地震が起きて30人以上が死亡し、
850人以上がけがをしています。
イラン南部地震 死者30人超す
NHK 4月10日 4時7分
イラン南部のブシェール州で、マグニチュード6.3の地震が起き、
家屋が倒壊するなどして、これまでに37人が死亡しました。
この州では、イランで初めての原子力発電所が稼働していますが、
原発の管理責任者は被害はないとしています。
アメリカ地質調査所によりますと、
イラン南部のブシェール州で、9日(日本時間の9日夜)、マグニチュード6.3の地震が起きました。
イランの国営放送などによりますと、
この地震で震源地から20キロほどの町や村で、多くの家屋が倒壊するなどして
これまでに37人が死亡し、850人以上がけがをしたということです。

地震が起きたブシェール州にはイランで初めて稼働が始まったブシェール原子力発電所があり、
IAEA=国際原子力機関の監督の下で運用されています。
原発の管理責任者は
「原発は震源地から100キロ近く離れているうえ、大地震にも耐えられるように建設されており、
通常に稼働している」と述べ、被害はないとしています。

イランでは、10年前に南東部のバムで4万人以上が犠牲になる地震があったほか、
去年8月には北西部の東アゼルバイジャン州でマグニチュードが6を超える地震が起きて、
300人以上が死亡しています。
この地震に関連して、IAEA=国際原子力機関は9日、声明を発表し、
ブシェール原子力発電所は震源地から91キロのところにあり、
イラン側から地震による被害はないとの報告を受けたとして、
原発の安全は確認されているという見方を示しました。
イラン南部でM6.1の地震、少なくとも35人が死亡
2013年 4月 10日 10:43 JST

黒い点が州都ブシェール、赤い点が震源地
イラン南部ブシェール州で9日午後、マグニチュード(M)6.1の地震が発生し、
少なくとも35人が死亡、850以上が負傷した。同州にある原子力発電所には被害は出ていない。
この日イランは、2006年の同国初のウラン濃縮成功を毎年祝う「原子力技術記念日」に当たり、
アハマディネジャド大統領が新たな核燃料開発施設2カ所の落成式に出席していた。
震源地はブシェール州の農村地カキ。
約55の村が集結し、簡素なレンガや泥造りの家が立ち並ぶ地域で、人口は約10万人。
地元当局によると、地震による死者数は救援隊の遠隔地到着とともにさらに増える見通し。
イランの報告によると、余震が18回発生しており、うち2回はM5.0超。
今回の地震による揺れはペルシャ湾を挟んだ対岸のドバイやカタールでも感じられた。
震源地はブシェール州にあるイラン唯一の原発から約55マイル(約89キロ)の場所。
イラン当局と同原発を建設したロシア企業によると、原子炉に損傷はないという。
またイランのメディアによると、作業員は仕事を続けており、放射線量は通常の範囲内にあるという。

ーーー
マグニチュード6.3の地震があってから6日後に7.8の地震があったイラン。
日本も4月13日5時33分に淡路島でマグニチュード6.3があったばかり…。
6日後にどこかで大きく揺れるんじゃないか?って思ってしまう。
19日は金曜日。(311も金曜日)
なんにもありませんように。
そして今回の大地震でも、イランのブシェール原発は無事なのだろうか?
ーーー
淡路島で震度6弱/県内13年ぶり5以上
四国新聞社 香川ニュース 2013/04/14 09:41
13日午前5時33分ごろ、兵庫県の淡路島で震度6弱を記録するなど、
近畿、中四国を中心に広範囲で地震があった。香川では、東かがわ市、小豆島町で震度5弱を観測。
高松、さぬき両市や土庄、綾川両町が震度4となるなど、ほとんどの市町で震度3以上の揺れとなった。
警察庁によると、5府県で計23人が重軽傷を負った。香川はけが人はなかった。
気象庁によると、震源地は淡路島付近で震源の深さは約15キロ。
地震の規模はマグニチュード(M)6・3と推定され、津波はなかった。
関西の震度6以上の地震は1995年の阪神大震災以降初。
香川で震度5以上を観測するのは、2000年10月の鳥取県西部地震以来。

共同通信の集計で、淡路島を中心に損壊した住宅は1200戸を超えた。
兵庫県洲本市の市立洲本第一小学校ではグラウンドから校舎にかけ約40メートルにわたり地割れが発生、
沿岸部では液状化現象とみられる被害が出たほか、近くの津名漁港付近で約10センチの地盤沈下も起きた。
香川では、土庄中学校(土庄町)で、
体育館の天井パネル(幅約30センチ、長さ約90センチ)が計3枚落下。
東かがわ市内の温浴宿泊施設では、空調設備の配管が破損し、ロビーなどが水浸しとなった。
水道管の破損や停電などはなかった。
気象庁は「今後1週間は最大震度5弱程度の余震に警戒してほしい」と呼び掛けている。
大阪管区気象台によると、最大震度3の余震が16回続いた。
負傷者は1~95歳の男女で、うち7人が重傷。
内訳は兵庫県14人、大阪府5人、徳島県2人、福井、岡山の両県で各1人。
大阪府大阪狭山市の女性(87)は転倒して頭を打ち重傷を負った。
福井県敦賀市の女性(82)はラジオの緊急地震速報に驚いてベッドから転落し、左脚を骨折。
堺市美原区の住宅で壁の額縁が落下し、寝ていた女児(1)が顔に軽いけが。
電力会社によると、関西電力大飯、美浜、高浜の各原発(全て福井県)、
四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)、中国電力島根原発(松江市)に被害はない。
気象庁によると今回の震源は阪神大震災の余震域南端付近だが、
発生メカニズムは異なり、断層が縦にずれ動く「逆断層型」だった。
政府は官邸危機管理センターに官邸対策室を設置。兵庫県も災害対策本部を設置した。
大阪、神戸、関西、高松などの各空港は平常通り運航した。
瀬戸大橋と明石海峡大橋は通行可能。
JR西日本は山陽新幹線が一部で一時運転を見合わせたほか、
在来線や京阪神の私鉄各線、地下鉄にも運休や遅れが出た。JR四国では、瀬戸大橋線などで一部が運休した。
一方、開催中の瀬戸内国際芸術祭の作品への被害はなく、通常通りの公開となった。
■ゲスト:おしどり(漫才師)
■パーソナリティ:今西憲之(ジャーナリスト)
■放送日:2013年4月13日
ニュースのたね/福一での冷却システム停電
10:35~http://youtu.be/pkfxJ6ouhTg?t=10m35s
今西:
東京電力の記者会見と言いますと最近のトピックですと3月18日ですね、午後7時ぐらいでしたっけ、
停電しました。
マコ:しましたねぇ。
今西:
福島第一原発の中でですね。
それで、その中にですね、使用済みの燃料プールの冷却システムが止まってしまった。
という事なんですけれども、その再稼働が出来るまでですね、復旧するまで29時間もかかってしまった。
おまけに「停電をした」いうことがですね、3時間もかかってやっと発表された。
マコ:
そうですね。
本当に情報が出てくるのが遅かったという事と、
あと使用済み燃料プールの冷却装置が止まってたということで、
ま、ネズミがショートしたのは仮設の3,4号のメタルクラットという配電盤なんですけど、
そこの信頼性向上対策における自主計画というのを読みなおすと、
そこに負荷がかかっている、そこを経由していつのは他に原子炉の注水システムも入ってたんですね。
でも、炉注のシステムが止まったという報告はなかったので、
今西:なるほど心臓部のね、いわゆる一番大切なところですね。
マコ:
それは炉注システム、もうネズミがはさまった所にかかっているけどどうなんだ?と聞きますと、
「これはバックアップシステムだ」っていうんですね。
これを(この放送)オンエアしている4月の段階では分かりませんけれども、
現段階では原子炉の注水システムのバックアップは無いんです。
それが、私は一番肝だと思っています。
今西:
なるほど。
ぼくもう一つ気になったのがね、東京電力のホームページを見てたらですね、
「今回の停電は不具合」
「不具合」
記者会見を聞いていると「事象」と言ってある。
「事故」やねん!
マコ:事故です。
今西:
なにをいうてまんねん。
不具合、不具合は東京電力やろ!と。お前らが不具合やろ!
これは思わず横山やすしさんやないけれど、突っ込みたくなる。
ケン:でもほんとですね。不具合っておかしいですよね。
マコ:おかしいですよね、言葉がね。
今西:その辺は指摘が記者会見とかで出たりしたんですかね?
マコ:えー、・・言葉の指摘は出ませんでしたね。
今西:言葉というか、やっぱりそういう言葉が出てくるという体制がおかしいね。
マコ:おかしいよね、でも記者会見では「事故」とは言っていましたけどね。
今西:
けど本当にそういう原子力ムラが事故を小さく見せたい、「誤魔化したい」みたいなですね、
そういう感じがしてならないんですよね。
マコ:
そうなんですよ。
それを復旧するのに作業員の方が直接染料の高い所にケーブルを配設して、
ネズミがはさまったところを迂回して配電をちゃんと接続させたんですね。
だからその方々が、ものすごく被ばくをされているんですよ。
今西:もちろんそうですよね。
マコ:
だからそういう場合の作業計画とか、計画被ばく線量というのはどうなっているんだ?って
ずっと聞いているんですけど、現時点でまだ出てきておりません。
今西:
「都合の悪いことはなかなか発表せぃへん」というのが原子力ムラのとんでもないところ、
相変わらず変わってないなぁと思います。以上ニュースの種でした。
<禁句ポロリ>
「電気事故」って言っちゃった3/20東電尾野(東電会見文字起こし)&東京新聞記事
30:07http://youtu.be/pkfxJ6ouhTg?t=30m7s
はなしのたね/原発事故と福島の子どもたち
31:31~
今西:
それで、今よく取材されているのが福島原発事故と福島の子どもたち。
放射能がどんな影響をね、福島の子どもたちに及ぼすんかいな?と。
マコ:
はい。
汚染は福島だけではないので、
茨城とか千葉とか宮城とか岩手とか栃木とか群馬の汚染地域の方々もいらっしゃると思っています。
今西:
そうなんですか。
実はみんな「汚染されているのは福島の中だけや」と思っているんですよ。
マコ:そうなんですよ。
今西:
よくね、福島の子どもさんについては、
たとえば放射線量の測定器とかを持ったりしてケアーをされていると思うんですけど、
実際、それ以外の汚染地域の子どもさんのケアというのはされてへんわけですか?
マコ:
されてないですねー。
「されてない」ので、福島県は県が主導してやっているんですね。
他県は、県として動いていないので、
汚染されている市町村が独自で動いているところもたまにあるんですよ。
自治体独自で大学の研究施設や民間の研究所に依頼して、
土壌や子どもの尿を「放射性物質が含まれていないかどうか」検査に出しているところもあります。
でも、残念ながらその情報はなかなか公開されていないという現状です。
今西:
なるほど、それをきちんと情報公開しないと、
どういうところにケアをすればいいのか、気をつければいいのか、どういう対策をとればいいのか
っていうのが、ようわからんですよね。
マコ:そうなんです。
今西:
で、実際にそういう子どもたちの健康問題を取材されていて、
今一番危惧されているというのはどういうような点でしょうか?
マコ:
わ、むずかしぃー、いっぱいあるんですけどね。
でも、まず、さっき今西さんがおっしゃってたガラスバッチの件なんですけど、
ひとりずつ身につけていて、何日間でどの位被ばくしていたか?という
積算線量といういい方をするんですけれども、それを出すバッチを付けておく件なんですけど、
福島県内の子どもたちが
もう全員きちっとガラスバッチを付けていて、きちんと測定しているか?と言ったら
全くそういう訳でもなくて、
ケン:ちがうの?
マコ:ちがいます、ちがいます。
ケン:それ確かね、政府で予算付いた
マコ:
予算はね、文科省が予算を付けただけで、
それをちゃんと運用しているかどうか?というのは全く違うんですよ。
ケン:へぇ~
マコ:
その自治体によって、
教育長とか、そこの村長なり市長なりが「つけます」と判断をしなければ、ガラスバッチは付けていないので、
たとえば、「ガラスなので子どもがコケたら割れた危ないからガラスバッチを付けない」とか、
「子どもが放射線の事を気にしながら遊ぶのはかわいそうだ」っていうので付けさせないとか、
各市町村でいろんな判断をして、付けているところの方が少ないんです。
今西:
あー、なるほどねぇ。
放射線の事はやっぱり見えないんで、
より客観的なものできちんと計測をして気を付けていかないとダメなんですけれども、
よく「頑張ろう福島」という言葉があるじゃないですか。
大切な事なんですよ、けれども精神論で
「頑張れば放射能に打ち勝てる」みたいな事をおっしゃる方がいるんですけれども、
どんなに、空手やら柔道が強くても、放射能には勝てへんのよね。
ケン;
そうです。
ちゃんと測定とかして確実な数字を残していくべきだと思いますよ、僕は。だから、「頑張ろう測定」ですよ。
マコ:それは本当にそう。
今西:実際今取材をしている中でですね、やはり鳥取大学にいた経験というのはすごく役立ちますか?
マコ:
そうですね、役立ちますね。
本当に事故直後に言われていた「レントゲン1回分の被ばく線量だから大丈夫だ」とか
「東京とニューヨーク間の航空機に乗っている時の被ばく線量だから大丈夫」とか
そういうリスクの比較の物差しが全部矛盾しているというのは、
大学で習った時の知識を思い起こして、「わぁ、すごい、ウソばっかり言ってる」とビックリしました。
今西:へぇ~、そういうときは思わず突っ込んだりした事ありますか?
マコ:
しますね。
「レントゲンで受ける医療被曝も日本が一番高いんじゃないか」と言われてる位にすごく問題になってて、
レントゲン手帳というのを持って歯医者さんとか、整形外科とか、健康診断で受けるレントゲンで
受ける被ばく線量を年間きちんと自分で把握していこうというのが、
事故前からとっくに日本であるんですよ。
放射線技師協会でレントゲン手帳を配っていて、
きちんとみんなで管理していこうということに、もうとっくになっていたんです。
今西:
はぁ~。
ぼくは身体に毒やさかいあんまりレントゲンを受けた事無いんやけど、
そんな手帳があるのは初めて聞いたね。
マコ:
だから、そうやってレントゲン手帳を持ちましょうってなっているのに、
もう、生きているだけで「レントゲン1回分の線量ですから大丈夫です」
「え?なんの話?」って思いましたよ。
今西:
そうよね、たとえばケンちゃんみたいに全然しゃべりへん人なんかはね、
「レントゲン何回とりましたっけね」って考えている間にその手帳があったらこれだけですってわかるのに、
ケン:そうですね、すごい便利なものですよね。
今西:10分経っても30分経っても答えがでないのやから。けど今日はがんばってしゃべってるね。
ケン:しゃべってますよ。
今西:
だから、レントゲン手帳とかそういういろんなシーンで被ばくというのは受ける可能性があるのに、
日本の場合はそういうののケアがなかなかされてない。
それはどうしてなんでしょうね?
マコ:
なんというか、医療被曝についてはすごく、こう、言いにくいんですけれども、
やはり、「お金儲けをしたいお医者さんもいらっしゃる」ということですかね。
本当は必要のない医療被曝があるんじゃないかと言われています。
新しく病院に受診をして、
「うちの病院ではレントゲンを撮ってないからとっておきましょうか」
みたいなレントゲンの撮り方がダメなんじゃないかと、いわれております。
今西:「とりあえず一回撮っておきましょう」っていう、なんか気休めみたいな、
マコ:はい。
ほんとうは、どこの病院で撮っても、インターネットの世界ですからね、
どこで撮っても共通にみんながちゃんと共有できるようになっていたら、
そんなあっちこっちで撮る必要はありませんから。
今西:
そうですよね。
逆に、その辺を考えていくとですね、やっぱり今の福島の子どもたち、
それから福島から避難している子どもたちなんかの、そういうデータ、情報、
さっきのガラスバッチ含めてですけれども、
いろんな数値が出ている訳ですよね、甲状腺に関するものとか、
そういうものも本当にきちんと情報公開をして、データ化して、
そういう子どもさん達も将来どこへ引っ越してどういう仕事をされるとか
いろいろ将来的には分散していくので、
きちんとデータベース化しないといけないなと思うんですが、
そういう発想とか動きというのはあるんでしょうか?
マコ:
ないですね。
それで、データベース化の動きは一応あるんですけれども、
どこまで公開するか、誰に見せるかといった議論は密室で行われているので、
ほとんど進んでもいないし、どう決定されるのかもわからないという事と、
後、そのデータベース化も大切なんですけれど、
自分のデータを自分で保管するという事が行われていないんで、
だから福島県で子どもたちが甲状腺の検査を、エコーやなんかをかけた、超音波検査を受けたとして、
返ってくる結果が文章一枚なんですね。
「なにもありませんでした」とか、「少し何かがありました」と言うだけで、
甲状腺エコーを受けた画像が欲しいとか、
普通の、通常の診療で受けていただけるような画像のデータが
いただけなくなっているというのが問題だと思います。
今西:自分の検査結果の数値が分からへんの?
マコ:
わからないです。
情報開示請求をしないと詳しい情報は返ってこないんです。
今西:そこまでせんと教えてくれへんわけか、つめたいなぁ。
マコ:
これを聞くと、いま福島県でやっている子どもたちの甲状腺エコー検査は、
医療ではなくて調査だから、患者のデータという扱いではないそうです。
今西:
はぁ。
いろいろと方便というかねぇ。
言葉が適切かどうか分かんないけれども、曖昧に。
悪く言えば「ごまかす」というようなね、気がするなぁ。
それでもって、今甲状腺の話が出ましたけれども、
もう甲状腺でかなり悪い数値が出ているという話が出たりするようなこともあるんですが、
そのあたりについてはいかがですか?
マコ:
2月にあった福島県の第10回県民健康管理調査検討委員会というところで、
平成23年度の子どもの甲状腺エコー検査で10人の子どもが悪性もしくは悪性の疑い。
3人が悪性で残りの7人もかなり悪性の可能性が高いんですけれど、
今後手術をしていってその後の確定診断ということで、
10人はもう手術をするということは決まっているんですね。
今西:そうなんですか、はい。
マコ:
で、それで私はその3人手術をした方の中で、何人か、とても個人的に知っておりまして、
原発事故以降、わりと、比較的線量の高い所にずっと住み続けていたご家族なんですね。
なので、検討委員会に対して、
その異常があった子どもたちの住んでいる地域はプライバシーの関係で公表できないというので、
「被ばく線量を公表してくれないか」って言ったんですよ。
そうすると検討委員会はその10人の悪性もしくは悪性の疑いがある子どもの被ばく線量は、
「把握しているが公表しない」という回答でございました。
今西:
あー、そうなんですか。
一番基礎になるのはその情報公開なんやけど、それがなされへん。
マコ:
そうなんです。
で、その10人の子どもが被ばく線量が少なかったり高かったりバラバラなのであれば、
被ばくとの因果関係は考えられないということになるかもしれませんけれど、
被ばく線量が公表されないまま「関係ない、関係ない」ということになるので、
ちょっとそれは不思議だなと思っています。
今西:
そうですよね。先ほども出たんですが、
東京電力の一番の問題点というのは「情報公開」をきちんとしないというところですよね。
やっぱり子どもさんの健康問題についてもやはり「情報公開」という事ですよね。
ん・・・、なるほどわかりました。
以上“はなしのたね”でした。
第10回「県民健康管理調査」検討委員会2013.2.13 <質疑応答文字起こし・ほとんど全部>
(平成25年4月11日) 武田邦彦
音声↓
http://takedanet.com/files/genpatsu_shokuzai01tdyno.145-%2810%EF%BC%9A09%29.mp3
原発事故から2年経ちまして人の心も随分と変わってきているのですが、
セシウム137の半減期というのは変わらない訳ですね。
これは半減期が30年で、これは物理的なものなので。
で、土から取れる食材ですね、
農家の方が撮る食材は土壌が汚れていればどうしても汚染される訳です。
それから、まぁ「被ばくと戦う」という変なのもあったんですけれど、
人間の身体は毒物が入ればやっぱり打撃を受けるんですね。
そこで、2年がたちまして食材全体がどうなっているのか?ということを、
民間で食材の汚染を調べてずっといただいている複数の方からの情報の収集を行って整理をいたしまして、
国や農水省がずっと「大丈夫だ」って言いっ放しなので、分からない訳なんですね。
現在注意する食品
で、民間の人達が本当にお金のない中で、一生懸命測定をされて整理をされている訳です。
今回は直接的な測定をしている福島のデータですね。
市民放射能測定所(CRPS)情報を中心にお話をし、
次回はですね、少し厚生省とかいろんなところで発表されているデータ、
もしくは、いろんなところのデータを整理したものを示したいと思いますが。
ここに一枚のグラフを示しました。
食品注意情報。
これはこの福島の市民測定所で測定されたものを全体として整理したものですね。
実は「個別の食品にどれくらい何月何日に入っていた」というのは、もう膨大なので、
それを全部示しても我々の頭に入らないんですね。
この棒グラフは上の方に行けば危険、下の方に行けば安全ですね。
食品全体で見れば、きのこなんかは比較的危険な食材であるというのが分かりますね。
それに対して、ジャガイモとかかぼちゃとかなすとか、トマト、ニンジン、
ま、こういったものはですね、根菜類、それから果菜類は比較的安全な食べ物だという事が分かるんですね。

それから棒グラフが長い奴。
たとえば、肉類はイノシシとか魚とかは危ないんだけど、
豚肉鶏肉は非常に安全だというふうに、「肉は安全です」というふうには言えないというものが、
この棒グラフの長いものですね。
そういったもので全体的に見ますと、
きのこ、それから肉の一部、木の実、山菜、ハーブ位が危ないと。
やや特殊ですね、肉以外はそんなに大量に食べるものではありません。
それに対してですね、
野菜が結構安全になってきたという事が我々にとっては非常にうれしい事だという事になりますね。
それでは、ちょっと個別のものを当たってみますと、
かなり危険で買わない方がいいかなと思うものが、
野生のものですね、
野生のキノコ、原木のしいたけ、
イノシシの肉、熊の肉、
海底にいる魚、ヒラメみたいなものですね。
それから川魚、アユ。
それから、栗ゆずコゴミ、タケノコ、干し柿、切干大根。
これはですね、かなり危険なものが多いという事なので、
買わなくて済めば買わない方がいいという事ですね。
やや危険
これは人によっては買っても大丈夫だと思いますが、
やや危険というものが、
キウイ、ブルーベリー、
ふきのとう、コシアブラ、タラの芽、セージ、
ローリエ、タイム、ミント、
大豆、小豆、
つるむらさき、ホウレンソウ、小松菜、菜の花、茎立ち菜、レンコン、芋がらですね。
えっと、このなかでね、「あれ?」と思うのが大豆なんですよ。
国産大豆が結構今汚れていてですね、
たとえば宮城県の大豆はですね、1kg90ベクレルというのがあるんですね。
これはちょっと食べない方がいいんですよね。
大豆は他の地方でも汚れておりまして、
これもちょっと、また何かの機会に整理をしようと思っていますが、一応そういう事です。
これは海外のものは大丈夫ですよ。
それから、柑橘類は一時かなり汚れておりましたけれども、
最近安全になってきました。
それからタケノコもですね、まぁいいんですが、広い範囲で汚れているんですね。
たとえば神奈川県でも数ベクレルの汚れたタケノコがあるというような事ですね。
それから、かつて注意を要したのに最近は安全になったもので、「もうこれはいいな」というやつが、
豚肉、鶏肉、リンゴ、ナシ、シソ、玄米、白菜、
ジャガイモ、ヤーコン、大根、にんじん、玉ねぎ、
ナス、トマト、キュウリ、イチゴ
これはですね、かつて注意を要したんですけど、今は安心して買えるというものですね。
ま、そういうことで一応説明しました。
それからこのブログで何回も説明していますけれども、
実は「赤痢」とかそういうものは、体の中で増殖しますのでね、
たとえば赤痢菌が付いたものを食べたりするといけないんですけれども、
放射性物質は幸いなことに平均値なんですね。
平均値ですから、たとえば「一個だけ何か悪いものを食べちゃった」という位ではですね、
えーっと、大丈夫だという事ですね。
たとえば一個悪いものを食べても他の9個が良ければ10分の1になるということですね。
ですから、平均的には福島だとか東北関東の物を少し避けて、
そして西日本だとか北海道産のものを買うというのが正しいと思います。
東大の発表
それからこの前ニュースで、東大の先生がですね、
「福島の子どもたちの内部被ばくは少ない」との報道があったわけですが、
実は体内の放射性物質はそれほど簡単に測定できるものではありませんので、
なんか、聞くところによると「一人2分で測った」と・・・w。
2分じゃ、ちょっとね、出てこないんじゃないかと思いますが。
これは私の感じでは、
国のお金をもらっている東大の先生が誠意のない測定をしたんだろうと思います。
この東大の発表した研究室は国からお金をもらって無いという事を、まず公にして欲しいと思いますね。
今回の場合、どのような裏取引があったかどうかわかりませんけれども、
私もそうやって長い間現場に研究としていましてね、
東大の先生と役所の連係プレーというのをこの目で見てきた一人なんですけれども、
大体こんなふうに行われるんですね。
先輩後輩関係が結構多いんですけれども、
同じ学科を出たとか、同窓会が一緒だとか、そういうところから電話が来るんですよ。
「ちょっと、反対派が福島の被ばくを騒いでいるし、農家の農作物が売れないから、
もう大丈夫だっていう測定値を出してくれないか?金は出すから」
というような事を友達に電話するんです。
たとえば先輩が後輩に電話するんですね。
そうすると東大の先生がそれを請け負って
「ああ、分かった分かった。じゃあ出しとくよ。
大体反対派の連中っていうのは無茶苦茶言っているからね。主婦はヒステリーだし」という話でですね、
それで税金がその先生に渡るんです。
その先生としてはですね、その税金を貰った機会に高い機械なんかを買えるんで、ま、買うんですね。
そうするとその後の研究が上手くいくんです。
だから、自分のやりたい研究をするためには
一度はこういったことにちょっと手を染めなきゃいけないという、悲しい事実もあるんですね。
ところがですね、この問題はどうしてこういう事を私が言うかっていうと、
学校の先生っていうのはですね、大学の先生っていうのはですね、
結果がこうなったというのだけじゃダメなんですよ。
この場合はですね、福島の子どもたちの被ばくが少ないというなら、
皆さんが注意して子どもに放射性物質で汚染されたものを食べさせないようにしたからという説明がありましたが、そういうのは全然ダメで、
学問的にはですね、土壌が汚染されているんです。
その土壌から食品をとっている訳ですから、
福島の移行係数というのは土壌から食物に移行する放射性物質が移行する係数というのは低かったのか?
体内の滞留はどの位だったのか?
というですね、全体の結果を説明をきちっとしなければいけないんですね。
事実だけ書けばいいだろうという事は無いんですよ。
実は事実というのはそれほどハッキリしないんですね。
事実というか、実験データそのものというのはですね、
もちろん実験データそのものは事実なんですけれども、
それをある条件、たとえば測定方法なり、サンプルの抽出方法なり、
いろんな条件があるから、結構任意のデータが出てくるんですね。
ですからそれを防ぐためには、それにきちんとした理屈をつけて、
それで私がその場にいて、発表現場にいたら、
「先生、ところでの土壌が汚れていて、
福島でとれたものを食べている児童が何故内部被ばくしないんでしょうか?
そこのところをちょっとご説明していただけませんか?」って質問をするんですね。
そこできちっとした説明をしなければ、
「こういうデータが出ました」だけでは、これはまぁ、小学生みたいなもの…、
小学生という事はないけど、大学生みたいなものでですね、
ま、まだ学問的には全然だけという感じがしますね。
ま、これには意図がありますからね、
福島の野菜を売ろうという、食材を売ろうというウラがありますから、
データとしては全く信用が出来ない。
今のところ東大の先生が測定して発表したものは信用できませんよ。
だって、「原発から遠くに逃げたら安全だ」なんていう全くウソな事を言った訳ですからね。
だからまず東大は
「そういう嘘を何故言ったのか」
「嘘を言った先生は今どこでどうしておられるのか?」
そういうことをはっきりさせて説明してからこういった実験をしないとですね、
いくら実験をしたってみんな信用しませんよ、もちろん。
だからそこのところもよく反省してもらいたいと思いますね。
それから民間の測定は千葉県の柏市で最初に測定を始めた方も、本当に立派な方ですけれども、
文鳥姉さんとか、マダムトモコの厚生労働省日報ダイジェスト、浅田さんのところのプロジェクトなんかもありますから、
順次よくまとめまして発表していきたい、示していきたいと思います。
ただ、福島のこれは福島県のものですけれども、福島県が一番汚れていますからね。
だからこれをだいたい見てお買い物をされればですね、かなりの程度守れるという事ですね。
このグラフの下の方に書いてある、ま、たとえば
豚肉とかナスとかニンジンって書いてあ利ますが、こういうところはもう安全ですからね。
ですから、安心してお買いになったらいいんじゃないかというふうに思います。
この食品の汚染もだんだんと変わっていきますから、
また、3か月か半年ごとにですね、その時の状態を書いていきたいと思っています。
ーーー
福島県住民99%に内部被ばくなし 東大研究チーム
テレビ朝日 (04/11 05:58)

原発事故の後、福島県の住民について内部被ばくの調査をしたところ、
99%の住民からは放射性セシウムが検出されなかったことが分かりました。

東京大学の研究チームは、
去年の3月から11月にかけて、福島県の住民など2万人余りを対象に内部被ばくの状況を調査しました。
その結果、

年間0.01ミリシーベルトを超えるセシウムが体内から検出されたのは212人で、全体の1%でした。
15歳以下の子どもは去年5月以降、1人も検出されませんでした。

研究チーム(東京大の早野龍五教授らのチーム)は

「食品の出荷規制が守られ、市場に流通した商品のセシウム濃度が極めて低かったことが理由とみられる」
と分析しています。
また、
「1986年のチェルノブイリ原発事故と比べて、内部被ばくが非常に低いことが示された」としています。
ーーー
福島の内部被ばく 食品からはほぼなし
NHK4月11日 0時22分
(一部抜粋)
調査をまとめたグループでは、食品の検査の適切な実施で、
体内への放射性物質の取り込みはほぼ防ぐことができていると考えられる、としています。
東京大学の早野龍五教授は、
「こうしたデータを積み上げ、福島で安心して暮らしてもらうことにつなげたい」と話しています。
ーーー
早野龍五(はやの りゅうご、1952年1月3日 - )
日本の原子物理学者である。専門はエキゾチック原子研究。岐阜県大垣市生まれ。
経歴
長野県松本深志高等学校、東京大学理学部物理学科、
東京大学大学院理学系研究科を経て1979年より東京大学理学部付属中間子科学実験施設助手。
1982年に高エネルギー物理学研究所助教授、
1985年東京大学理学部客員助教授、
1986年に東京大学理学部物理助教授、
1997年より東京大学大学院理学系研究科教授。
2000年肺がんが見つかり右肺上葉の摘出手術を受ける。
2011年3月、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故に際し、
自身のTwitterから現状分析と情報発信をおこなう。
早野による情報発信は早野を中心とした東京大学の学生・大学院生による情報収集と分析チームの成立、
一般社団法人サイエンス・メディア・センターによる情報収集ウェブサイトの開設、
東京大学医学部附属病院放射線科放射線治療部門の
中川恵一准教授を中心とした「チーム・ナカガワ」による情報発信などに発展した。
放射線漏れにどう対処すれば? 東大・早野教授がコメント
2011年03月14日 13時07分
東北地方太平洋沖地震で緊急停止した東京電力福島第1原発の今後が懸念され、デマ情報も飛び交っている。
そんな中、東京大学理学系研究科の早野龍五教授(@hayano)が、Twitter上で寄せられた質問に回答。
その内容をサイエンス・メディア・センターがまとめて公開している。
東京電力の福島第一原発から仙台までの距離は90キロ、
東京までの距離は220キロ、大阪までの距離は580キロほど。
「東京在住の人は、肌を露出しての外出は控えるべきでしょうか?」との質問には、
「その必要はありません。20キロという政府の避難指示は妥当です。
被ばくは風で運ばれる放射性物質によって引き起こされ、遠くなればなるほど放射能は薄まるので、
東京にいる方が心配することはありません」と回答している。
ーーー
福島 給食で地元米の使用再開
2013年4月10日
「原発事故から2年経っても敬遠する傾向」200年の間違いでは?
福島産農産物の取り引き拡大を JAが催し 4月15日 18時11分
“風評被害”と言うならちゃんと検査しろ!
「検査対象外へ→静岡のお茶、牛乳、川魚・会津の野菜果物・厚労省はホウレンソウ、モモ、サバ等など」
NHK 4月15日 18時11分

東京電力福島第一原子力発電所の事故から2年がたっても、
消費者が福島県産の野菜や果物を敬遠する傾向が続いていることを受けて、
福島のJAなどが、市場や流通の関係者に取り引きの拡大を呼びかける催しが都内で開かれました。
この催しは、JA全農福島と福島県が去年に続いて開いたもので、
東京・千代田区の会場には、主に関東地方の市場や流通の関係者など300人余りが集まりました。

この中では、福島県の担当者が、除染は桃などの木の樹皮の洗浄を行っているほか、
放射性物質の検査では99%以上が国の基準値内で、
一部基準を超えたものも流通していないことを説明しました。

また、JA福島中央会の担当者は、
「JAでは野菜や果物のすべての農家を対象に、
県の放射性物質の検査の前に、自主的な検査を行っていて、その結果をホームページで公表している」
と話しました。
そのうえで、JA全農福島の担当者が流通関係者に向けて、
「原発事故から2年たっても厳しい状況が続いている。
安全なものだけを出荷しているので震災前と同じように取り扱い、
ほかの地域と同じように棚に置いてほしい」と呼びかけました。
会場に訪れた東京の卸売業の男性は、
「検査態勢を説明すれば消費者にも十分理解してもらえると思う。
安全性は全く心配ないと広めていくことが必要だと思う」と話していました。
(以下書き出し)

JA全農福島 本田:
自信を持って安全を保障しますので、消費者のみなさんに何とかして知っていただいてですね、
風評被害を払しょくしていきたいと

卸業者:
検査体制。
あれをきっちり説明すればね、十分に理解できると思いますし、
福島県産のは「あん…ぜんなんだ」という事を十分説明されていると思うんですよね。
書き出し部分の音声↓
ーーー
消費者の立場としてどうしても引っ掛かるところは
「放射性物質の検査では99%以上が国の基準値内」
基準値は100ベクレル/kgです。
基準値そのものが高すぎます!
なので、
JA全農福島の本田さんが「自信を持って安全を保障します」と言い切る事が事実ならば、
JA全農福島は、卸売業者や消費者に買ってくれと頼む前に、
国の基準値を下げてもらうよう、国家に訴える方が先なのではないかと思います。
「今、食材でなにが汚染されているか?」武田邦彦氏(音声文字起こし)&
「福島県民内部被ばく無し」早野龍五教授の東大チーム
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福島民報 2013/04/14 11:09
東京電力福島第一原発事故を受け、
収穫前と出荷前の計2回、実施している野菜・果実の放射性物質検査で、
県は平成25年度、会津地方17市町村に限り出荷前の1回とする。
昨年の検査の結果、
同地方産の野菜・果実の放射性セシウム検出値は最大で1キロ当たり50ベクレルだった。
食品衛生法の基準値の半分の数値で、「安全性に不安はない」と判断した。
県によると、昨年4~11月の出荷前検査で
会津産の野菜1164点、果実256点の放射性物質を調べた結果、
野菜は1149点(98.7%)、果実は240点(93.8%)が放射性セシウムの検出下限値未満だった。
最大値はハワサビの1キロ当たり50ベクレルで、
食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)の半分だった。
県は、放射性物質が時間の経過で今後さらに減少することや、会津の空間放射線量が比較的低いことから、
「これからも基準値を上回る野菜、果実が生産される可能性は低い」と判断した。
安全性を確保するため出荷前検査は続ける。
放射性物質:県産品の検査対象変更 茶や牛乳、重点品目から外す
/静岡
毎日新聞 2013年04月12日 地方版
食品の放射性物質の検査指針を国が見直したことを受け、
県衛生課は4月から、県産農水産物の検体を減らすなどの変更を行った。
同課によると、基準値を大幅に下回る状態が続いている茶や牛乳は、
重点検査品目から外し検体数を減らした。
またニジマス、アユの川魚は、放射性物質がほとんど検出されなくなって
国が一部地域を除いて検査品目から除外したため、対象から外す。
一方、管理が難しいイノシシ、シカや山菜類、昨年に基準値を超えた野生キノコ類は新たに検査対象とする。
検査品目は46から47になるが検体数は318から216に減った。
放射性物質の検査結果は県ホームページ(http://www.pref.shizuoka.jp/index.html)内の
衛生課のページで公表しており、同課は「問題があれば速やかに情報提供していきたい」としている。
【平塚雄太】
食品のセシウム検査縮小へ 厚労省
47News 2013/03/19 21:06
政府は19日、自治体が実施している食品の放射性セシウム検査で、
葉もの野菜や、果実の一部とイワシなど魚類の一部などを
4月以降、原則として重点検査対象から除外すると発表した。
厚生労働省によると、対象食品数(品目・類)は132から98に減る。
重点検査の大幅見直しは初めて。
同省は「検査で放射性セシウムが検出されない食品が多くなっているため」としている。
具体的には、
野菜類ではホウレンソウやレタス、キャベツ、ダイコン、ジャガイモなど、
果実ではモモ、リンゴ、ナシなど、
魚類ではコウナゴ(イカナゴの稚魚)、イワシ、サバ、ブリなどが除外される。
【共同通信】
ーーー
水産特区:自前の販路、競争力に 宮城・桃浦漁港
毎日新聞 2013年04月14日 21時00分(最終更新 04月15日 01時45分)
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた漁業の復活に向け、
宮城県が10日、漁業権を民間企業に開放する「水産業復興特区」を国に申請した。
対象地の石巻市・桃浦(もものうら)漁港で一足早く設立され、
受け皿となる見込みの会社は3月、養殖カキの初出荷にこぎつけ順調に滑り出している。
県は桃浦をモデルケースに「漁協任せ」からの脱却を目指す。
震災から2年1カ月。もともと先細り状態だった水産業に、特区が風穴を開けることができるか。
【宇多川はるか、久木田照子】
海の底まで透き通る美しい入り江・桃浦。
漁業施設も家も根こそぎ津波で流され、集落の存続さえ危ぶまれた小さな漁港に
9日早朝、次々とカキが水揚げされた。「やっとここまで来た」。
“サラリーマン漁師”となった後藤建夫さん(65)は、朝日を浴びて輝くカキの山を見つめた。
後藤さんは、地元漁師と水産物専門商社「仙台水産」(仙台市)が特区を念頭に作った
有限責任会社(LLC)「桃浦かき生産者合同会社」の社員。
同社は桃浦産のブランド化を狙い3月、春先の出荷を試みた。
秋冬のイメージが強いが、産卵に向け養分を蓄える春物もうまい。
それを知る漁師で代表社員の大山勝幸さん(66)らが、同水産からの出向者に提案。
“漁師の目”と“バイヤーの目”で生育状況を確認・相談し、出荷時期を見極めた。
同じ社内に二つの目があって初めてできたことだ。
「今まではただ取るだけだった。ブランド力を高めるため、
利益が上がる販売方法も考えながら漁師も動くんだ」と大山さん。
社員18人はサラリーマンとなることで収入も安定する。
初出荷約7トンの販売先は大手スーパーの県内店舗。仙台水産の販売網がいきた。
他のカキより高い150グラム398円と強気の価格だったが飛ぶように売れた。
販売まで一手に担うLLCのカキは、水揚げ翌日には店頭に並ぶので新鮮だ。
漁協を通す共同販売(共販)だと3、4日はかかる。
仙台水産の担当者は
「共販は差別化も困難で、品質にもムラがあった。春先の出荷で、競争相手の広島産と差別化できる」と話す。
養殖から販売まで一貫して行う「6次産業化」を民間参入で実現し、漁業の近代化を図るのが特区の狙いだ。
◇「漁場管理妨げ」漁協と対立残る
だが、県漁協とは相いれない。
漁業法の規制を緩和する特区は、漁協の存在意義にもかかわる。
同法が定める優先順位に基づき漁業権を事実上「独占」することで組合員を管理下に置き、
生産調整や漁場管理を図ってきたからだ。
具体的には
▽養殖いかだ数の上限などを決められず秩序を維持できない
▽密殖防止などのための漁場の一元管理ができない−−と県漁協は主張。
申請後の記者会見でも「浜を分断・混乱させ復興の妨げになる。不要のもの」と批判した。
ただ、厳格な管理は、新規参入を阻み漁業者減少を招く、もろ刃の剣でもあった。
県漁協の反対で2カ所目のめどは立たない。
桃浦の成否が特区の広がりを左右する。
大山さんは特区を希望の光に例える。
「震災で打ちひしがれた時に光が見えた。(漁協などと)協調し水産を復活させたい」
◇漁協主体で担い手確保 岩手
脱漁協の手法を探る宮城県に対し、岩手県は漁協主体の復興を掲げる。
水揚げ量は回復しつつあるが、震災で深刻化した後継者不足がネックだ。
収入の増加・安定化により担い手確保を目指している。
同県内の組合員数は1万3057人(12年3月現在)。
前年から約1000人、震災前の07年からは2000人以上も減った。
危機感を募らせた大船渡市の漁師ら10人が昨年5月に作った
「三陸漁業生産組合」は従来の「未利用資源」の加工・販売に活路を見いだす。
組合は、漁船の漁師と養殖業者がタッグを組んだ。
食用にならなかったツブ貝のむき身や、漁獲が少なく出荷できなかった魚の干物の販売を開始。
滝沢英喜組合長は「若い人が漁業をやりたいと思える環境を整えたい」と力を込める。
主力の一つだったワカメ養殖業者が半減した大槌町の新おおつち漁協は直営養殖に乗り出す。
5月から養殖棚を整備し収穫は来春の予定だ。
ベテラン1人と中堅ら3人の養殖業者、漁協直営の定置網漁船乗組員5人が1組で働き、収入安定化も図る。
漁協の佐々木敦博参事は「新たな担い手の受け皿と育成の場にしたい」と話す。
原発事故影落とす福島 福島県は、福島第1原発事故に伴う海洋汚染で沿岸の漁自粛が続く。
放射性物質検査で安全確認されたコウナゴなど14種類の試験操業や出荷にこぎつけたが、
原発敷地内の地下貯水槽からの汚染水漏れなど「再汚染」の懸念はやまない。
県漁協連の野崎哲会長は「原発周辺の漁港再建も手つかずで、他県と同じようにはいかない」と嘆く。
【宮崎隆、蓬田正志】
ーーー
ブランド化したカキの養殖についてはテレビでも報道していました。
とても大きくってぷりぷりの美味しそうなカキでした。
宮城・桃浦漁港というのはどこに位置しているのでしょうか?

新聞記事では海の放射性物質による汚染の事については最後に軽く書いてあるだけですが、
カキやワカメなど、移動しない魚貝類はその海がどの程度の汚染状態なのか?
その事が一番の問題であり、私たちの関心事です。
当り前です。だって、自分の身体の中に取り込む食べ物なのですから、
毒が入っているかもしれないと疑いながら口に運ぶことはできません。
入り江のようなので、もしかしたら綺麗なのかもしれないけれど、
福島原発方向に開いている湾なので、入ってしまうと出にくいのでは?とも想像します。
そして、地図を見る限りにおいてはかなり汚染されていてもおかしくない場所のように感じます。
つまり、ここの地域を出来るだけ丁寧にきちんと計測し、
どのような放射性物質がどの程度含まれているのか?
海水も海底も。
ちゃんと調べた上でその数値をきちんと公表し、
そして養殖をしたものも、確実に検査して販売するのならば何の問題も無いと思うけれど、
汚染に目をそむけたままのこのような復興ならば、
今まで良心的に漁をしてきた漁師さんまでもが、してはいけない事をしている人のように見えてしまう…。
会津の野菜果物で言えば50ベクレルも出ていればそれは私からすればものすごく多い量であって、
検査対象から外すと言う事は、健康を考える国民としては、
「ますますそちらの地域のものを購入できなくなる」という事になる。
静岡も同じで、
お茶は牛乳は初期のころから問題になっている食品で、
これらの物をきちんと限りなく低い数値まで検査してあってこそ、
静岡のお茶を今年は買ってもいいかどうかを判断できるのに、
検査対象外になってしまうのであれば、これからは一生静岡のお茶は飲めない事になる。
また川魚も同じで、
検査対象外にするとここで言われているもの、ニジマスもアユも今まで危険だと思っていた魚である。
一般人が滅多に食べないないイノシシやシカ肉を検査する位ならば、
多数の人が口にするお茶やニジマスを検査するべきであると思う。
厚生労働省が検査除外とする項目すべてが
放射性物質をためやすいと言われている食物であって、
このように検査対象から外してしまうという事は、もう食べられなくなったと思わざるを得ない。
これらは、全てが逆行している政策だと思います。
「風評被害だ」という前に、「実害がない」という事を証明してから市場に出して販売していただきたい。
放射性物質は大量に降り注いでいるし、海へも大量に放流されている。
そしてそれは今でも毎日続いている。
その事から目をそむけて、なにも無かったように物事を進めていく姿に、非常に疑問を感じる。
私たち国民は騙されてはいけない。
「今、食材でなにが汚染されているか?」武田邦彦氏(音声文字起こし)&
「福島県民内部被ばく無し」早野龍五教授の東大チーム
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平智之先生Vol.025
2013年4月12日
前衆議院議員の平智之先生をお迎えしております。
平先生は京都大学工学部物理工学科を卒業後UCLA大学院を経て
2009年から衆議院議員としてご活躍されてきました。
311当初は政権与党の一員として「原発は即刻禁止すべき」という禁原発を訴え、
科学雑誌のネーチャーでも核爆発の可能性などを指摘し、原発国有化を提唱されてきました。
物理系修士を持つ専門的な政治家として今後も活躍が期待されています。
Sawada:今回はベイフォワード環境情報教室に御出演いただきましてありがとうございます。
平:いや、こちらこそ。
Sawada:
良心ある専門家をお呼びして解説・提言を頂くという番組で、
政治家の人にぜひ来ていただきたいと思っておりましたが、
そのためには平先生しかいないとずっと心に決めては居たんですが、
やっと機会を頂きましてありがとうございます。
平:光栄です、こちらこそ。
Sawada:
そんな中で、まずは平ら先生を皆さんご存じの方も多いと思うんですけれども、
311以降ですね、大変注目を浴びたところもありますが、
それまでのやられてきた事のバックグラウンドのお話なんかいただけますか?
平:
はい。
先ず私の原発を止めなきゃならんっていう思いは30年に及んでいます。
自分自身が学生の時代に高温の金属の勉強をしたと、
その時に熱く燃え盛る鉄をずっと見て、
その中でね、原発は絶対に実現不可能だという事を30年前から思っていました。
当時の私の同級生や幼馴染と「原発は危ないぞ」という事をずっと言ってきたんです。
ですから2009年の政権交代で民主党の議員として当時は国会に行きましたが、
民主党のマニフェストよりもより深く、私は
「原発を絶対にゼロにする」という思いを持って国政に行ったんです。
材料、金属材料の観点から、原発は絶対に成功しません。
その事をずーっと強く、私は今でも主張している形ですね。
Sawada:
その中で311を迎えましたが、その後政権与党としてやれる事、やれない事、
いろいろともどかしい事があったかと思いますけれども、
今振り返っていかがですか?
平:
私は2012年の6月に野田当時総理が大飯原発の3号機の再稼働を決断されたそのニュースを見て
自分は民主党の離党を決意したんですね。
それは、平さん、党の中で、与党の中でやるべきだったんじゃないですかと言うのが沢山ありますが、
実は私はここで声を大にして言いたいけれども、
その当時与党の中で自分なりにやるべきだけの事はやったという自分なりに思いがあります。
原発は止めなきゃならんという、議員同士のチームもつくりましたし、
ネーチャーという科学雑誌にも福島第一原発を国有化しないと情報が外に出てこないという事を、
世界の各者にも訴えました。
やるだけの事をやってだめだったから民主党を飛び出して、
今、断固として原発ゼロと言っているみんなの党で、私は今頑張ろうと思っていますが、
私はとにかくどこの党にいても何をしていても、
とにかく原発をゼロにするという思いは一貫せなあかんという思い、もうその熱い思いだけですね。
Sawada:
先生のその思いをですね、やっぱり私たち市民で活動していても、
つまるところ、除染する、それから収束作業をしている、いろんな事をしているんですけれども、
復興が進まない。
復興が進まないというのも表現が難しくて、
たとえば箱ものが上手くいけば、復興が進んだように見えるということでは決してなくて、
福島原発由来のですね、人々の強いられた暮らし、厳しい暮らしというのがある中で、
政治が果たす役割。
復興予算というものがちゃんと上手く使われているのか、
こういうことを決めるのはやっぱり市民の代表である政治家のみなさんであると。
平:そうですね。
Sawada:
是非政治家のみなさんに期待している所があるんですが、なかなか市民から見ていてもどかしい。
政治家の皆さんとのギャップがすごくあるように感じるんですけれども、
政治家の皆様がこれからやってくださる役割は
今後どうあるべきかみたいなのはいかがあるべきなんでしょうかね?
平:
先ず原発の災害に、原子力災害に関して言いますとね、
この原子力災害が今どうなっているかの事実を政治家が掴まなきゃいかんです。
官僚の資源エネ庁の今は規制委員会ですか、そこの話だけを信じたらダメなんです。
自分の目で見て、自分の科学的知見を自分の独自の科学者の懇談から得て、
自分で判断しなきゃいかんですね。
で、今何が起こっているかというと、福島第一は今もドロドロに溶けた溶融燃料が、あそこにあるんです。
そしてあそこから毎日何千万ベクレルというのが今でも出ているという事です。
除染というのはなんですか?と、
一兆円二兆円かけて除染をしている事の意味とはなんですか?ということですね。
ここは大変厳しい議論が大事ですが、
是非日本国民全体でね、今でも毎日何千万ベクレル出ている、
放出源がある状態で、除染をするという事の意味をよく考えてほしいですね。
何兆円かけても除染は完了しないです。
Sawada:
これは、そういうふうに思っている市民も多いと思うんですけど、
何故これがそういった形に、しかも方向としてですね、流れないのかというのは何なんでしょうかね?
平:
私は「問題の本質から目をそらす」っていう事が行政の感覚です、まず。
行政は毎年の予算獲得ですから、「いずれ破たんする」という事に絶対に目をやりません。
Sawada:ハーーー、
平:
政治家はその官僚にお手伝いしてもらって成り立つ商売だと思っている人が多いから、
「商売」だと思っている訳です。
こういう政治家がいる間はこの収束の問題は終わらないです。
破綻に向かっていくという事です。
Sawada:
今、現在政治家と呼ばれる方は何百といらっしゃいますけど、
皆さんそういう、なんて言いますかね、おんぶにだっこの割合と、
ある程度、先生のような骨のある方って、どれくらいこの骨のある方がいらっしゃるものなんでしょうか?
平:
私は当時の巨大与党であった民主党の中だけしか知りませんが、
自分が国会議員で、必ずこれだけは成し遂げると熱く思って、そこをぶれずに動く人っていうのは、
10人いないと思います。
Sawada:そうですか。
平:
はい。
で、10人今名前を挙げられるかと言われると挙げられませんが、
私の場合ですと、議員のバッチを付け続ける事に、その事自体は目的じゃないですからね。
「原発を止めるため」と、その一心で私は国政で働きたいと思っています。
そのような思いを子育てや、国防や教育、福祉、
こういうのを持っている先生方が、私は非常に少ないと思いますね。
Sawada:
先生からお話を聞くと大変悲しくなるんですけれども、
それが今の現実というところでしょうね。
特に、それが自民党にはいらっしゃるもんなんでしょうかね?
平:
自民党の先生方とそういう政策の議論をした事が、私はまだ経験が浅くて無いので、
是非、有権者の皆さんは、その政治家は、自分の目の前にいるこの議員さん、あるいは候補者は
「自分の全生命を賭けてね、何をしようとしているのか」というこの1点を見つめて欲しいんです。
Sawada:そうですよねぇ~
平:
その党の、所属している党のマニフェストや政策になにがあるか、
TPPやACTA、いろいろあるでしょう。
それはそれで大事なんですけど、その政治家個人が
何に信を問うて今国政に参加しているのかという事をね、あるいは参加しようとしているのかということも、
深く深く見て欲しいですね。
Sawada:
そうですね。
前回山本太郎さんが杉並から出られましてそうでしたね。
平:
まさにそこの点だけを押し通して、でも勝てなかったと、
ちょっとあまりにも大きな敵だったということもありますが、
勝てなかったと言ってもすごい得票をされています。
ですので、そういう思いを形にしたいと思っている民意というものもあると。
でもそれをちょっと形になってきていないと。
Sawada:
そういうところをもう少し市民と政治家が近づいてきて、
本当に実現したい政策はなんなんだというところがもう少し
私どもの方で勉強していかなければならないというところなんでしょうね。
平:
そうですよね。
わたしは山本太郎さんにお目にかかった事がないので
知らない限りで申し上げるのは若干誤解があるかもしれないけど、
私も一人の国民として、共に同じ選挙で戦った、
私も実は落ちたけれども、山本さんのすごかったのはね、
「いろいろ難しい事があるじゃないか」って一言もおっしゃいませんでしたね。
「止めようじゃないか」という一点をおっしゃいましたね。
その姿勢は有権者に通じたと思いますね。
で、私も同じ立場で、「原発を止めるんだ」と。
そうは言っても「原発を続けなければならない理由はいろいろある」とか、
あるいは「電気が足りなくなるかもしれない」とか、
「経済にとって悪くなるから」とか、そういう余条件の事を言っちゃダメなんですよ。
「子どもたちのために、私たちは次世代のために原発を止めるんだ」と、
その後どうするかの議論がまさに国民をあげてやらなければいけない事。
そこがブレちゃダメなんですよ。
みんなブレているんです。
Sawada:
おっしゃるとおりですね。
もう、このラジオを聞いて下さっている方は大抵の方がある程度311に気付かれて、
自分で勉強されていろんな情報を入れてというところで、
もう気付いてきている方が多いんですけれども、
正直、大多数の方が気付いていない方が多くて、その方に伝えるのが難しい。
また、先生で言うと、それを有権者に届けるのもなかなか難しい。
私たち市民レベルで横に広げていくことを先生のレベルから落としていただくこととを、
両方で多分やっていかないと、
結果的にその大きなうねりみたいなものが造れないと。
平:
ほんとうにそうです。
これは、ですからね共同作業なんですよ。
私たち、私は今候補予定者内定者ですけど、
国政に向けて私たちもできる限り分かりやすく、
そして論点をはっきりとお伝えする義務が私たちにあります。
同時に有権者、国民の皆さんにもそれを同時に見定めて欲しいです。
この共同作業がセットになって初めてね、
あるいはセットにならないと原発は止まらないです。
Sawada:
そうですね、わかりました。
今後、平先生には政治の場で今後もご活躍頂くという事で、
政策の専門家ということで今後もベイフォワードの方へ参加いただきたいと思っています。
今後もよろしくお願いいたします。
平先生には本番組の政策コースの主任講師としてこれからもご登場を予定しております。
数時間の間に消えた記事「東電実質国有化」
ネーチャー記事あり
ーーー
平智之公式ホームページより
1983年4月 同大学院に進学
京大修士1年のときに金属ではなくファインセラミクスに関心を持ち、米国留学を決意しました。
当時国内には、まだ窯業学会があるのみで、京都セラミックス(現、京セラ)以外は、
大学も企業もファインセラミクスの可能性を過小評価していたと思います。
金属はレア(希少)だけれども、セラミクスの原材料は二酸化ケイ素(つまり地球そのもの)ですから、
もし曲げたりねじったりしても割れないセラミクスが作れたら
地球は再び「石器時代に戻る」という信念を持っての渡米でした。
(注意)もし私が米国で割れないセラミクスの発想を見つけていたら、
その後「禁原発」を主張することはありませんでした。
2700℃でも溶けないセラミクスを圧力容器にできるからです。
でも、それは工学的に不可能だというのが当時の、そして現在でも私の認識です。
平智之の活動ブログより一部抜粋
●多重防護ってなに?
政府も原子力学会も原子力産業も、「多重防護」という用語で原発の絶対の安全を主張してきました。
5重で守るから多重だそうです。
5重の壁で守っているから、万一事故が起こっても、
外部に放射性物質が飛散することはないのだという理屈でした。
●5重の壁の正体
それでは、5重の壁とはなんでしょうか?以下に列記します。
(第1の壁)ペレット
1センチ角のサイコロ状の核燃料 融点は約2700℃
(第2の壁)被覆管
ペレットを包む合金の被膜 融点は約1800℃
(第3の壁)原子炉圧力容器
肉厚一六センチの鋼鉄の容器 融点は約1500℃
(第4の壁)原子炉格納容器
肉厚三センチの鋼鉄の容器 融点は約1500℃
(第5の壁)原子炉建屋
鉄筋コンクリート造の建築構造物 融点は約1250℃
●融点が外に向けて低くなる
ご覧のとおり、融点は外に向けて低くなっています。
第一の壁であるペレットが崩壊熱で2700℃に達して溶けだしたら、
あとはドミノ倒しのように第2の壁から第5の壁まで順次溶けます。
真中が溶けたら全部溶ける。
熱に弱いという性質を5重にしてみたところで防護的な意味はありません。
今回の過酷事故でそれが実際に起きたのです。安全対策に対するこの戦略性のなさは尋常ではありません。
●5重の気休め
ところで第5の壁の原子力建屋は内部の爆発に耐えられません。
爆発による破壊で現在も上から下から放射性物質が漏えいしています。
つまり5重の壁とは名ばかりで、単に5重に包んだというだけです。
5重の壁ではなく、5つの気休めに過ぎません。
●工学的に不可能
運転を止めても自発的に2700℃まで熱くなる核分裂生成物を確実に閉じ込めることができない以上、
原発の利用は工学の観点で原理的に不可能なのです。
「イラク戦争から10年、子どもたちの未来が奪われている。イラク・ファルージャ調査報告会」
2013年4月11日高遠菜穂子さんの報告会がありました。

http://www.ustream.tv/recorded/31289455
Q:テレビの映像の中での先天性異常でなにか共通している事
高遠:
共通しているのは、出産を含めてでいいのかな?
一応、砲攻撃中に何処にいたか?というのをいろいろと聞いたんですけれども、
わりと避難。
中心部の砲撃された所ばかりなのかなと、ちょっと思ったんですけれども、そうでもなくて、
郊外に避難していたという人も結構いました。
あの、深刻な4人子どもが死んだんだっていうご夫婦は
二人ともずっと市内にいて一度も逃げていないんですね。
幼馴染の同じ地区なんですけど、
旦那さんの方は、その時はまだ結婚していないんですよね。

旦那さんはその救急活動をしていました。
で旦那さんは、
ものすごい真っ黒焦げの、あんなに焦げた遺体というのは見た事がない。
なのに建物はそんなにダメージを受けていないんだけども、
建物にいた死傷者がものすごい焼け焦げていて、ビックリした。
というのは言っていました。
で、何人か、その激しい火傷の人を救急車で運んだと。
やっぱりご本人達は、詳しい知識はないけれど、噂の域を出ないと言いますか、
あのご夫婦は たりしていますけれども、
全体的になんとなく「これはきっと劣化ウラン弾。米軍の劣化ウラン弾だ」という人もいるし、
「いや、分からないけど米軍が使用した兵器なんじゃないか」というふうに聞いているとか、
それは大体共通しています。
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第14回放送
■放送日 2013年4月13日(土)~19日(金)
■Web公開日 2013年4月16日(火)
■ゲスト おしどり(漫才師)
■パーソナリティ 今西憲之(ジャーナリスト)
■テーマ 原発事故と福島の子どもたち
小出裕章ジャーナル
今西:おしどりの二人が今日はスタジオにゲストに来て下さっています。
マコ:お久しぶりです。
小出:こんにちは、ケンさんもですね?
ケン:そうですよ、僕もいてます。
今西:
それでですね、ロフトプラスワンのシンポジウムの時に、ギャラリーの方から質問があって、
全て答えられなかったものがあるんですが、
そこで出たもので、3月12日の、
2年前の3月12日、福島第一原発の事故の時に1号機が爆発しました。
その時に専門家の方がいろんな話をテレビとか新聞でされておられたんですが、
まずですね、メルトダウンという事についてですね、
先生、簡単にちょっと解説を頂ければと思います。
小出:
はい。
原子力発電所というのはウランを核分裂させて、その時に出るエネルギーで水を沸騰させて蒸気にする。
それでタービンを回しているわけですが、
何か事故が起きると原子炉で起きている核分裂反応自身は比較的容易に止める事が出来ます。
原子炉の中に制御棒というものを入れることで、核分裂反応を止めることは出来ます。
しかし、それまでの運転で
原子炉の中には核分裂生成物という放射性物質が膨大に溜まってしまっている訳です。
核分裂生成物というのはそれ自身が放射線を出す、つまり発熱しているという、そういうものなのですね。
ですから核分裂の連鎖反応事態を止められたとしても、
すでに炉心の中に核分裂生成物が溜まってしまっていると、
その発熱を止めることができない、のです。
その熱をどこかに逃がさない限りは原子炉の温度が上がってしまって、
どっちにしても溶けてしまうという事を避けられないというのが原子炉という装置なのです。
今西:
なるほど。
それでですね、1号機のオペレーションフロアですね。
これはどういう部分に当たるのでしょうか?
小出:
「原子炉」と私たちが普通呼んでいるものは炉心という部分がまず一番中心にあって、
それを原子炉圧力容器という鋼鉄製の圧力釜の中に入れてあります。
その圧力容器のさらに大きな原子炉格納容器と呼ぶ、
福島第一原子力発電所の場合には、
理科の実験で使うフラスコのような形をしている大きな容器があるのですが、
その中に入れてあります。
その格納容器というのが、原子炉になにかトラブルがあった時に、
放射能を閉じ込めるための最後の防壁なのですが、
その格納容器も含めて、さらにまた原子炉建屋という皆さんが映像で見られた四角い建物が、
四角の大きな建物があるのです。
今西:
白とブルーの、あの建物の事ですね。
小出:
そうです。
で、オペレーションフロアというのは原子炉建屋の最上階の部分に相当するところを
私たちはオペレーションフロアと呼んでいます。
今西:
なるほど。
それでオペレーションフロアがですね、爆発で吹っ飛んだという事は、
メルトダウンしているに違いない。
というのが原子力の専門家の常識であるという事なのですが、
そのあたりについてお願いします。
小出:
なぜ、あんな大きな爆発が起きたのか?と言えば、
原因はひとつしか考えられません。
要するに水素なのです。
水素というのは非常に軽い気体ですので、もしそれがどこからか漏れてくる事になれば、
建屋なら建屋の最上階に集まってくるという、そういう性質のものなのです。
で、1号機の爆発も原子炉建屋の最上階に相当しているオペレーションフロアで起きたのです。
そうなればあの爆発は水素爆発だということはすぐにわかりますし、
一体じゃあ、その水素というのは何処から出て来たのか?という事が次に問題になります。
そしてこの水素は、ウランの燃料というのは通常セトモノに焼き固めてあります。
直径1cm高さ1cmという小指の先ぐらいの小さなセトモノに焼き固めてあるのですが、
今西:よく言われるペレットというものですね。
小出:
そうです。
そのペレットを約400個ほど細いパイプの中に詰めてあるという、
そんな形で炉心の中に存在しています。
そのパイプの材料がジルコニウムという金属で出来ているのですが、
そのジルコニウムという金属は温度が850度程度になると、周辺の水と反応して水素を発生するという、
そのような化け学的な性質を持っているのです。
ですから、原子炉の中にあった核分裂生成物が熱を出したが為に、炉心の温度がどんどん上がっていって、
850度を超えて、ジルコニウムが水と反応して水素を出したという事が分かります。
今西:なるほど。
小出:
そしてその反応は発熱反応と私たちが呼んでいる反応で、
一度その反応が始まってしまいますと、その反応自身によってまた熱が出てくる。
そうすると温度がまたさらに上がってしまう。
そうすると反応がさらに加速する。
そうするとまた温度が上がってしまうという悪循環に陥ってしまいまして、
どんどん温度が上がっていって、
一気にジルコニウムという金属が水と反応して大量の水素を発生してしまうという事になる事が分かっています。
で、同時にそのジルコニウムという金属はウランのペレットを中に包んでいたものなわけですし、
発熱によって、次はウランのペレット自身が溶けてしまうということになるというのが、
私たちの事故を想定してのシナリオだったのです。
まさにその通りの事が起きました。
今西:いわばあの原子力の専門家の方々が言われる、教科書通りの事が起こったというわけですね。
小出:そうです。
今西:
けれども、ま、私の知る範囲でですね、当時テレビですとか新聞ですとか、
専門家の方がいろいろ解説をされておりましたが、
小出さんのように、そういう明快な解説をされた方というのはあまり記憶にないのですが、
どうしてなんですかね?
小出:
まぁ、マスコミに出させてもらえる専門家というのは、
いわゆる原子力ムラ、原子力を推進していた人達だけだった訳ですし、
そういう人たちは「決して事故など起きない」と言い続けてきた人だし、
「炉心が溶けることはあり得ない」と発言し続けてきたわけですから、
彼らからみれば「今もう溶けてしまっています」という事はやはり言いたくなかったのだろうと思いますし、
もしそうでないとすれば、よっぽど無知な人だったという事だと思います。
今西:なるほどねぇ~。
マコ:
あの、4つの事故調を全部読みなおしていて、
国会と民間や政府と社内の、
それも全て今小出さんがおっしゃった、
ジルコニウムで反応があって、水素がいっぱい出て爆発しましたという事が全部書いてあるんで、
もう、小出先生が事故当時からね、直後からおっしゃっていた事を
1年経って全部報告書にまとまって上がってきたっていう感じになっているよね。
で、事故調の各報告書を読んでいて、
炉心が冷却できなくなって、どんどん水が減っていったっていう、
水位計がきちんと機能していなかったんじゃないかっていうふうに、
ちょっと読みとれる箇所があったんですけど、
この、水位計がきちんと読みとれなければ、原発事故の時にものすごく致命傷だと思うんですけど、
これは何とかならないものなのでしょうか?
あの、現在の各地の原発でも。
小出:
多分難しいと思います。
要するに想定している通常の運転状態であれば、原子炉の、
今問題にしているのは沸騰水型というのですけれども、
沸騰水型の原子炉の中の、どの部分でどのくらいのボイド、
私たちがボイドと呼ぶ泡ですね。
水が沸騰して蒸気になるかという事はそれぐらいの角度を持って、確実性を持って計算できるのですけれども、
事故のような事が起きてしまいますと、
猛烈にドラスティック(drastic)に事故が進行していくわけで、
どんな状態になっているかという事自身が正確にはなかなか分からないという事がありますので、
通常測っている水位計で事故時の水位という事が
本当に正しく測られているかどうかということは分からないと思います。
出来る限り、だから、「わかるような装置をつけろ」という事はもちろんそうなのですが、
本当の事故になってしまうと、「どこまで確かなのか」ということはよく分からなくなってしまいます。
マコ:
なるほどありがとうございます。
そうですね、通常は分かるけれども事故になると見せかけの圧力とかで、
水はいっぱいあるように思っていたけれど、実は全くありませんでしたっていう状態だったっていうのが
すごいその。
小出:
それは1979年にスリーマイル島というところで、
それは今度は加圧水型の原子力発電所というものだったのですが、
それも水位計というものが「付いてはいた」のですけれども、
通常運転の時と全く違う挙動をしてしまいまして、
「原子炉の中に水はある」と運転員は思いこんだんですが、実は「水は全くなかった」という、
それで事故になってしまいました。
今西:
水位計というのも想定外には対応できんもんなんやね。あてにならんもんやね。
わかりました。小出さん、今日はありがとうございました。
小出:ありがとうございました。
2013年4月10日
Sawada:
今日は阪南大学準教授の下地真樹先生をお迎えしております。
下地先生は大阪市での震災がれき活動において説得力ある抗議活動で住民活動を支えています。
下地先生は昨年末大阪のデモで不当逮捕されてというような事がありましたが、
今般、同じく活動を共にされている方が釈放されたというニュースを私は見まして、
じつはもっともっと、
もうそんな方はいらっしゃらないのかなと思っていたんですけど、
まだまだ釈放されていない方もいるということもあるというのがありますが、
こんどぱおんさんという方ですね、しゃくほうされたということを聞いていますけど、
この経緯とかはいかがだったんでしょうか?
下地:
そうですね、ぱおんさんも順当に行けば、多分保釈されていないと思いますね。
今回保釈されたのは、警察と検察のやり方があまりにもひどくてですね、
彼女は持病があるんですけれども、
その持病に対して薬を一時処方してもらえないとか、
あるいは処方した薬の処方箋を見せてくれないという、そういう扱いを受けた事があります。
これは、些細なことでは全くなくて、
「何の薬か分からない薬を飲まされる」というのは、ま、普通の人は怖い事ですよね。
そういう、非常にひどい。
これは、憲法研究者のみなさんに検討してもらって、
「これは憲法に記入されている拷問に当たる」という事で抗議の声明を出していただきました。
それも含めて参議院で院内集会なんかも開いて、
今回、ぱおんさんに対する権力の仕打ちというのは、これはもう絶対に許せないという事で、
かなり、運動的な圧力を強めました。
その中で「拷問」これ以上病状が悪化すると大変なことになる、
「国際問題にするぞ」みたいな形で圧力を加えた中で、
まぁ、「渋々認める」という形で保釈が実現したと、そんな感じです。
そのかわり、向こうも悔し紛れというか、非常に苦しい保釈の条件が付いています。
大体、そんな経緯です。
Sawada:
そうですか。
ブログなんかを拝見した時に、釈放されてからもちょっと元気がないというのがでていましたが、
それは保釈の条件がとても厳しかったという事からなんでしょうかね?
下地:
まず、彼女はどれくらいかな?11月からなので、3か月以上入っていますね。
100日ぐらい入っているんです。
その100日の間、そういったかなりひどい嫌がらせを受けていますし、
また、これはみなさん是非知っておいて欲しいんですけど、
非常に些細なことで懲罰というのを受けるんですね。
「荷物が多すぎる」って言って注意されるんです。
荷物が多すぎるっていう事を注意されること自体がまずひどいんですけど、
注意された事にちょっと不満を持ったような態度を見せると、それを理由に懲罰を加えると。
その懲罰っていうのはどういうものか?って言うと、
たとえば軽いものですと、日中の起きている時間、壁に向かって座らせられて、
本を読んだりとか書き物をしたりとか、そういう事をさせてもらえないっていう、
昔学校でやった体罰のひどいものなんですけど、そういうことをします。
でもみなさん、思い出してほしいんですけれども、
まだ犯罪者と決まる前の裁判を受けるという段階の被疑者の生活に、
とてつもない生活上の制限、制約を加えたうえで、
それにちょっと、従う、従わないということで、すぐに「怒る」と。
そういうひどい管理を、扱いをした上で、
たとえば「逆らう」という事でもないですね。
不満を持った態度を見せる、ただそれだけで懲罰。
ですから、実際に「未決拘留」って言うんですけど、
実際に有罪か無罪かが確定する前に拘留されている期間の間というのも、
非常に多様な嫌がらせを受けます。
これはやっぱり拷問に当たるだろうと。
薬の話もそうです。
ですからそういった扱いを100日間受けている。
自分の生活を他人にコントロールされているという事自体が、心身ともにひどいダメージを与えます。
でまた、彼女は大阪拘置所に結構長い期間いましたが、非常に寒いところです。
ですから、まず、中にいた期間で大分ダメージを受けているという事を承知して下さい。
さらに、外に出てきてからの保釈条件っていうのが、
非常に曖昧で、かつ厳しいものでありまして、
「彼女が逮捕された時にですね、
現場付近にいた不特定多数の人々に会ってはならない」という条件がついているんですね。
で、これは誰に会ったらいけないのか?ということも、
実は本人にも分からない。
本人は知らないけれども、実は現場近くにいたという人にたまたま会いましたというと、
それを理由にして再び拘置所にですね、再収監される恐れがあると。
ですから、彼女は保釈されたという状態ではありますが、
ほぼ自宅軟禁に近い状態です。
ですから友達に会ったりとか、いろんな人と交流したりとか、
もちろん市民運動で以前行っていたような活動も出来ない。
そういう、自宅にいる、かなり快適な状態ですね。
拘置所に比べると、かなり快適な状態にいるけれども、
でも、拘留されているのとほぼ変わらない。
何処まで言っていいのかな、かなり行動の制限がかけられている状態です。
ですから、なかなか彼女の動向や声などが聞こえてこないと思いますが、
そういう行動制限をかけられているせいだというふうにはちょっとご承知置き下さいと、
そんなところです。
Sawada:
そうですか。
そもそもなんですけれども、下地先生もそうですし、ぱおんさんも、
私どもがYoutubeなどで活動されているのをみられている中で、
昔のよく言うデモの過激な部分ではなくて、
大変まっとうな主張をされているというようなシーンばかり見た記憶しか私はないんですけれども、
そもそも、こんな事で逮捕されるというのはどういう事なんでしょうね?
下地:
そうですね、
長くこういう市民弾圧の事をやっている弁護士さんも、
「こんなことはここ20年なかった事だ」とおっしゃっていますね。
まぁ、起訴はもちろん無いですし、20日間の拘留もさすがにひどいと言われるような案件ですね。
ですから、やっぱり何と言うんでしょう、
弾圧が強化されているという雰囲気は多くの人が感じていると思います。
Sawada:
そうですか。
で、もう皆さん釈放されたかと思ったら、まだ4人いらっしゃるっていうことでしたよね。
下地:
10月5日に逮捕された人が一人。
この方は半年ですね。半年過ぎました。
4月5日で半年なんですね。
この半年拘留されているっていうのが、何をやったのか?というと、
警察官のいわゆる「転び攻防」ですね。
自作自演で警察官が勝手に転んで、「お前押し倒しただろう」というような容疑で捕まっています。
公務執行妨害と転んだ時の怪我という事で傷害罪。
これは全部警察側の言い分で、傷害罪の診断書も全部警察病院というような恐ろしい事件なんですけれど、
これで裁判が始まっていますが、これだけでもう半年間拘留されています。
そういう人が一人います。
11月13日にぱおんさんと一緒に逮捕された人のうち、
1名は昨年12月に入る時に釈放されていますが、3人起訴されています。
3人起訴されているうちのぱおんさん以外の二人は現在も大阪拘置所にいます。
で、もう一人10月5日の件で11月に入ってから事後逮捕された人が一人いまして、
この人も現在大阪拘置所にいると。
ですから、半年入っている人が一人、
5か月入っている人が3人という感じですね。
非常にひどい状態です。
Sawada:
これ、どうにか透明性を高めて主張して、正義を訴えてということで、
一日も早い釈放という事を望むところですけれど、
これはなかなか難しいものなのでしょうか?
下地:
そうですね、
こういう拘留の必要性というのはいわゆる在所隠滅。証拠の隠滅の恐れがるという事と、
あるいは、逃亡の恐れがある。
少なくてもそのどちらかですね。
あと住所不定とか、その三つのうちのどれかの条件を満たしていなければいけないんですが、
あの…、ま、逃亡の恐れはないですし、証拠隠滅の恐れも無いんですね。
現行犯逮捕ですから、証拠隠滅のしようがない訳ですけれども、
ですから、そもそも
そういう拘留の理由が成り立たないのに、拘留の請求をする検察もかなり問題があります。
で、こういった拘留請求に対して裁判所が簡単に認めてしまうっていうのも問題です。
弁護士さん達はたびたび保釈請求というのを行っているんですが、
拘留の理由がない訳ですから保釈請求が通ってもよさそうなものなんですが、
これが不思議と認められないんですね。
裁判所もチェックする意欲がないというか意思が内というか、非常に問題だと思います。
ぼくはこの一連の事件の中で、
裁判所がやっぱり、僕らが思っているよりずっとひどいなと、かなり強い印象を持ちました。
Sawada:
今後こういう市民運動と取り締まりというところでいくと、
今後はどういうふうになっていくと先生は考えておられますか?
下地:
今回の逮捕なんかもですね、
たとえばぼくの事件なんかでも、威力業務妨害という罪名で逮捕されているんですけど、
ぼくは前にもお話ししたかと思うんですけど、JRの駅の構内を黙って歩いていただけなんですね。
それが何で威力業務妨害かって言うと、
威力業務妨害をしたという人と共謀したとかそういう話をされているんですね。
その威力業務妨害行為があったのか?ということも、ま、問題なんですけれども、
たとえば駅の中で警備員の人に注意をされた。
その注意に納得いかなかったので「おかしいじゃないか」って言うようなやり取りがあったとすると、
それがもう威力業務妨害だって。
それだけでも威力業務妨害の拡大解釈でひどいのに、
さらにその人と黙示の共謀。
言葉に表してはいないけれども、実は共謀があったんだ。ということで、
全然違う場所にいた僕もひっかけて逮捕するという事をやっているんですね。
こういうふうに法律の拡大解釈をどんどんどんどん裁判所に認めさせて逮捕しやすいような、
こういう前例というのを作っていくっていうのが今の警察のやり方です。
とにかく逮捕して裁判にまで持ち込めるような、
そういうテクニックというものを開発するというのが今の公安の手段です。
そういった中でそういう流れの中でいきますと、
たとえば最近在特会の非常に暴力的なというよりも、
暴力そのものの差別表現満載のあのデモの行動とかがあって、
それに対するカウンター行動とかが行われたりしています。
そういった差別表現、「ヘイトスピーチ(憎悪発言 hate speech)に対しては規制を加えるべきだ」
というような声が出てきているんですね。
ぼくは「ヘイトスピーチ規制」というのはほぼ賛成なんですけれども、
ただし非常に怖いのは、ヘイトスピーチ規制をした時に、それを実際に現場で実行するのは、
こういう腐敗した警察だっていうことなんですね。
そうすると何が起こるか?って言うと、
ヘイトスピーチ規制を口実にして取り締まられるのは、
実はヘイトスピーチで攻撃されていた側が取り締まられる可能性があります。
その規制が出来た事によって在特会のデモは多少は穏やかになるかもしれないが、
相変わらずそういう在日外国人をターゲットにしたような敵対的なデモは行われる。
他方でそれに対して反対する。
あるいは原発含めてそういった抗議行動、
公安が弾圧した抗議行動にそういった表現規制を適用して弾圧する。
そういうふうにして、どんどんですね、公安が市民運動を弾圧するための道具を増やしていくような、
非常に怖い流れが出来るかもしれないということで、
ちょっと心配はしています。
それとも在特会を使って警察がそういう手法を。
簡単に市民を逮捕するためのテクニックやハウツーをですね
蓄積しつつあるというところをちょっと注意していきたいと思います。
Sawada:
そうですか。
そんなところ、いろいろと気にしなければいけない所がありますが、
下地先生はこれからも活動を続けられるんですか?
下地:
そうですね。
こういうやり方を認めているとやっぱり怖いので、
「市民の側からどういう反撃の手段があるかな」という事を今ちょっと検討中です。
具体的には、僕の事件というのは警察官が本当に嘘をついて逮捕したんじゃないかという事が
疑われる話なので、これをどういうふうに訴えるかですね。
告訴するとか、そういうことが可能なのかどうか。
あるいは、行政法とか、刑事訴訟法とかを調べて、
法的に反撃していくというようなやり方が出来ないかというのを今検討しているところです。
感触としては結構面白いんじゃないかと思っています。
Sawada:そうですか、また今後もぜひよろしくお願いいたします。
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2013年4月12日
水野:
今日最初のテーマは、汚染水問題について
京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんに私が先ほど伺いました。
水野:
福島第一原発の汚染水の漏えいがずっと続いております。
きのう明らかになりました新しい情報なんですが、
漏れの見つかった貯水槽から別の、漏れの確認されていない貯水槽に汚染水を移そうとしたんですが、
「移し始めて僅か3分後に汚染水が漏れた」ということです。
で、今度は、「配管の接続している部分から」というんですね。
ですからこれまでやってきた貯水槽も構造的にダメだし、
配管もダメだという話になってきました。
で、今回漏れた汚染水は、「放射性セシウムを除去した汚染水だ」と言うんですが、
セシウム以外にいろんな放射性物質が入っているという事になりますよね、
小出:そうですね。
水野:「中にはストロンチウムというものが多く入っている」と言う事なんですが、
小出:多分そうだと思います。
水野:
この放射性ストロンチウムなどの放射性物質の濃度がですね、
1立方センチメートル、1cm四方ですよね。
小出:そうです。1ccですね。
水野:
1ccあたり、29万ベクレルというんですが、
これは…、リスナーの方からも質問がきています。
これってどれぐらいの危なさなんでしょうか?
配管の水漏れの場所には近づけるものなんでしょうか?
小出:
ほとんど近づけないと思います。
私は京都大学原子炉実験所で放射性廃液の処理を担当している人間です。
原子炉実験所で様々な放射性廃液が出てくるのですが、
それを処理して何とか放射能だけを捕まえて、
水をきれいにして環境に放出するというような事をやっているのですが、
その時に環境に放出される濃度は1ccあたり、セシウム137であれば0.09です。
水野:0.09ベクレル
小出:
ベクレルです。
それ以下でなければ環境に出せないというものですし、
ストロンチウムの場合には、1ccあたり0.03です。
水野:ストロンチウムの場合0.03。
小出:
はい。
それが29万ベクレルというような値になっているのですから、
もう、私からみれば途方も無い濃度ですし、
こんな廃液に近付くことすらためらってしまうというほどのものです。
水野:
これ、たとえばですよ。
この廃液に皮膚が…、ま、触ってしまったというか、
手でその液に触ってしまった場合、どうなりますか?
小出:
直ちに洗い落せばいい訳ですけれども、
気がつかないままずーっと汚染を付けてしまっていれば、
きっと、ベータ線で火傷をすると思います。
水野:そこに長くは居られないような水なんですか?
小出:はい、現場に近づくことすらが困難だと思います。
水野:
はぁー、それぐらいの汚染水。
ま、昨日は22リットルというふうに伝わっているんですけれども、
小出:それは配管の継ぎ目から漏れた量ですね。
水野:
そうですね。
で、これまで漏れたとされる汚染水を合わせると、120トンとも言われているんですね。
もしも仮にですね、この1立方センチメートル当たり29万ベクレルの計算で120トンとなりますと、
35兆ベクレルというふうに、荒っぽい計算ですが、なります。
小出:はい、そうですね。
水野:この値、35兆ベクレルというのはどういうものだと考えたらよろしいでしょうか?
小出:
たとえば広島の原爆というのが、
1945年8月6日に爆発して、放射性物質をまき散らしたのですけれども、
私が一番重要だと思っているのがセシウム137ですが、
そのセシウム137の量は89兆ベクレルと考えられています。
ですから広島原爆がばら撒いたセシウムの量の3分の1ぐらい、
2分の1か3分の1ぐらいをすでに地下に漏らしてしまったという事になります。
水野:えぇ~~っ、
広島原爆の半分にはいかないかもしれませんけれど、半分近い放射性物質ですね。
小出:
そうですね、
あ、ただ私はセシウム137の量を89兆ベクレルだと言ったのですが、
多分この29万ベクレルのほとんどは私はトリチウムではないかと思うのですが、
トリチウムというのはセシウムに比べればはるかに、はるかにと言ったらおかしいかな、
生物毒性が低いですので、単純には比べられませんけれども、
でも、本当に恐ろしい量がすでに漏れてしまっているという事です。
水野:このトリチウムというのはどういう性質でどれ位の危険性があるんでしょう?
小出:
トリチウムというのは水素なのです。
自然界にある水素というのは放射性を帯びていません。
普通の水素のほかの重水素という、ごく変わった水素もあるのですが、
それも放射能を持っていないのですが、
このトリチウムというのは3重水素という別名が付いている位に、3倍重たい変わった水素なのです。
これが放射能を持っているという、そういう物質です。
放射線のエネルギー自身は高くないので、
放射線の危険性という意味では大きくないのですけれども、
でも水素ですので、環境に出てしまうと必ず水になってしまいますし、
もう回収する事が出来ないという、そういうものなのです。
水野:水になってしまうから回収が出来ない。
小出:
そうです。
ですからこの汚染水というものも、セシウムを捕まえたり、
あるいは今度新しいアルプスという除去装置を使ってですね、
様々な放射性物質を捕まえようとしているのですが、
要するに、やろうとしている事は
水の中から放射性物質を捕まえて水を綺麗にするという作業をやろうとしているのです。
しかしトリチウムというのは水素で水そのものになってしまっていますので、
どんなに放射性物質を水から除去したとしても、トリチウムだけは絶対に取れないのです
水野:はぁ~~
そんなトリチウムが大量に地下に流れ込んでいると…、
小出:そうです。
水野:
ただ、東電はですね、「汚染水は海には流れ出ていない」と言っているんですが。
これはそうなんでしょうか?
小出:
まぁ、私は「随分とぼけた事を言う人たちだな」と思います。
要するに地下に漏れてしまえば、地下水というのはあっちへ流れたりこっちへ流れたりしているわけで、
海の方から流れてくるものもあるでしょうし、海の方へ流れていっているものもあるはずで、
「海へ行っていない」なんていうことは決して実証できないと思います。
遮水壁
水野:
リスナーの方が、
「事故当初から小出先生は地下水汚染を心配されておりましたけれども、
今、貯水槽の汚染水の話にばかりなっていますが、本当にそれだけなんでしょうか?
私は原子炉建屋内の汚染水漏れの方を心配しているのですが、どうでしょう?」
とおっしゃっています。いかがでしょうか?
小出:
私もそう思っています。
今回の漏れというのは、新しく作った貯水槽の方から漏れているのですけれども、
その前に汚染水は原子炉建屋の地下とか、タービン建屋の地下、トレンチとかピットとかいうところに
もう、いっぱい溜っているのです。
それら全てがコンクリートの構造物ですので、割れないコンクリートなんかは無い訳ですから、
「必ず漏れている」と、私は事故当初から警告をしてきましたし、
それをなんとか海へ出ないように、
「地下に遮水壁をつくらなければいけない」と言ってきたのですけれども、
残念ながらそれはまだ出来ていないという状態で、
「海へ向かって汚染水が流れていってしまっている」と私は思います。
水野:
この地下の遮水壁も、小出先生はずっと前からおっしゃっていたんですが、
「今からでも間に合いますか?」と聞いていらっしゃいます。
小出:
要するにもう間に合わないのですね。
この間事故が起きてもう2年経ってしまっている訳で、
2年の間は何の防壁も無いまま原子炉建屋の地下、タービン建屋の地下から汚染水が環境に漏れていたし、
その一部はもう多分海へ出てしまっていると思います。
水野:ただ東電は「漏れていない」と言うので、そこのところが進まないですね。
小出:
そうですね、
「漏れていない」というなら、きちっとした証拠を提出すべきだと私は思います。
タンカー
水野:
また、ラジオを聞いていらっしゃる多くのみなさんがお便りをくださっているのは「タンカーについて」です。
もう、2011年の3月のうちからですね、
小出先生は「大きなタンカーを持って来て処理すればいい、それしかないんじゃないか」と、
汚染水の事を心配してらしたんですが、
「この“タンカー案”は今からでも間に合いますか?」と、皆さんが聞いていらっしゃいます。
小出:
間に合うか間に合わないかという意味で言えば、
すでに2年間、間に合わないで環境に放射性物質が漏れてしまっている訳ですから、
この2年の分はもう取り返しがつきません。
しかしこれからもまた次々と汚染水が溢れてくる訳ですから、
東京電力は次々とタンクを作る。
でも、それでは間に合わないからと言って、
今回漏れたような水槽をつくるというような事でやろうとしてきたのですけれども、
それでは結局しのげなくなりますので私はタンカーは一刻も早くやるべきだと思います。
水野:はぁ~…、政治家にいろいろ言ったんですがね。
小出:そうでしたね、
水野:本当に全く進まない。
※たねまきジャーナル2時間スペシャル。小出氏と3人の政治家の生討論No1(内容書き出し)
何年経っても出続ける
水野:汚染水というのは、いつまで出続けるんですか?
小出:ずーっと出続けます。
水野:ずーっとって、…、何年ですか?
小出:もう何年経ってもです。
水野:えぇッ!
小出:
溶けてしまった炉心という部分が、いまだに「どこにあるか」すらが分からないのです。
人間が現場に行くことができませんし、それを調べるための測定器の配置すらがありませんので、
とにかく「どこかに溶けたものが落ちている」ということなのです。
仕方がないので「ひたすら水をかけてこれ以上溶けないようにする」という事が、
出来る唯一の事で、2年間ずっとやってきている訳です。
ただ「水をかけてしまえなあふれてくる」というのは当たり前なことであるので、
これまでも沢山あふれてきているし、
これからもあふれてくるという事なのです。
水野:
ハァ~、東電は1日当たり400トンずつ汚染水が増える。
それはタンクをどんどん作って、「6月の初旬までには地上のタンクに今の貯水槽の物を移す」と。
「だから大丈夫なんだ」という話をしているんですが、
6月以降の事は分かって無いですよね、何にも。
小出:
タンクを次々と東京電力はつくってはきているのですけれども、
福島第一原子力発電所の敷地にももちろん限りはありますし、
無限にタンクが増設できる訳ではありませんので、
いつか破たんすると私は思います。
廃炉
水野:つまり、廃炉は40年と一応言っていますね?
小出:はい。そんなことできませんけれども、
水野:少なくても40年は汚染水が出続けるんですね?
小出:そうです。
水野:小出先生は本当のところ、廃炉は何年位と今思っていらっしゃるんですか?
小出:
わかりません。
人類が遭遇した初めての経験な訳で、
これをどうやって「廃炉」というですか…、
どういう状態にすれば一応安心できるのか?ということも、私にはよく分からないです。
70年、あるいは100年という単位がかかってしまうかもしれないとおもいます。
水野:
そうした中で、原子力規制委員会はですね、
今はこの貯水槽が構造的に欠陥があると言われていますけれども、
事前にOKを出したんですよね?原子力規制委員会が。
小出:そうですね。
水野:これ、どうなっているんですか!
小出:いや、規制委員会が無能なんでしょう。
新安全基準
水野:ハァ~
で、また「その原子力規制委員会がやっている事はなにか」と言いますと、
原発の新しい規制の基準案をまとめたんですね。
この内容をどうご覧になっていますか?
小出:
え…、
問題は、今私たちの目の前で福島原子力発電所の事故が進行中なんだという事です。
その事故の原因すらがいまだに分からない。
もちろん津波は原因の一つだったし、地震というのも大きな原因の一つだったと私は思っていますし、
国会の事故調査委員会もそう主張しているわけですけれども、
その調査すらが東京電力の妨害によってなされなかったのです。
ですから原因自身がまだ分かってもいないという、
そうなれば対策だって決めようがない訳で、
「どんな事をしたら基準が出来るのか?」私にはそれがまずわかりません。
水野:
内容はいろいろとありますが、たとえばですね、
「時間的な猶予を与える」という項目があるんですね。
たとえば非常時のバックアップシステムである第二制御室。
これは中央制御室の変わりにいざという時になるものなんだそうですが、
「これはすぐに出来なくてもいい、5年間猶予しましょう」という事だそうです。
小出:そうですね。
水野:これって、そんなにすぐにいらないものなんですか?
小出:
事故というのは予測できませんので、
ひょっとしたら第二制御室が必要で無い事故かもしれないのですね、次に起きるのは。
ですから、
「何がどうやって必要か」という事は事故に関しては予測が出来ないという者だと私は思っています。
でも事故というのは、私たちが望むと望まざるとに関わらず起きる訳ですし、
原子力発電所が事故を起こしてしまえば、今現在起きているような大変悲惨な事になってしまうわけで、
私はもう原子力から足を洗うべきだと思います。
対策をもし、取るというのであれば、
「自分たちが思っている対策が出来るまでは、やはり動かさせない」
という位の事は言うべきだと思いますけれども、
残念ながら原子力規制委員会というのはそこまでの力を持っていないという事だと思います。
水野:はい、どうもありがとうございました。
原子力規制委員会は怠慢だ!
水野:いかがでしたでしょうか?平野さん。
平野:
改めて、この汚染水の放射線量の凄まじい単位というものを感じるんですけれども、
やっぱり、原子力規制委員会の怠慢ですよね、改めて思う。
先生がおっしゃっていますけれども、これ、東電はもう当事者能力が私は無いと思うんですよ。
だったらもう国が率先して、他の電力の技術者も集めてですね、
チームを組んでやらなきゃダメなんですけれども、
これ、もう任せっきりですよね。
これはもう、ほんとうに怠慢ですよね。
それと、海の汚染というのが、もう、間違いなく進行しているというのが、
東京の海洋大学の魚の最終調査でも、基準の数千倍、数万倍の単位が出ているんですよね。
だから東電の言う事はもう全く信頼できませんよね。
水野:
小出先生が大学でなさっている、
「セシウム、あるいはストロンチウムがどれだけだったら捨ててもいいか」のような汚染水の値。
たとえばストロンチウムの0.03ベクレル以下でないといけないというのが、
いま結局計算してみたら、流れているのが1000万倍になりますね
平野:そうですね、広島原爆の3分の1なんていうのもビックリしますね。
水野:
それだけの量の放射性物質に換算できるという、
凄まじい数字が出てまいりました。
小出先生のお話をお届けしました。
ーーー関連記事ーーー
汚染水漏れ
漏れないプールはあるのか?入れれば漏れる汚染水&読売新聞エライ!7100億ベクレル→35兆ベクレル
読売新聞の汚染濃度に関する記事。
漏れたプールから異動した場所のプールも漏れた。
移動のための配管からも漏れた。(番組中で話している)記事。(2013年4月11日)
新たに別の池も!収束後最悪の漏れ「漏れて当たり前の構造に見える汚染水の池」
汚染水漏れ最初の報道。
福島第一原発汚染水漏れを読み解く4/6デモクラTV(文字起こし)
5年猶予
「安全系設備に猶予期間を設けて運転するのは 故障した航空機をそのまま飛ばしているのと全く同じ」
後藤政志氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
<5年猶予問題>原子力規制を監視する市民の会4/2坂上武氏&デモクラTV4/5
戦争から10年後のイラク「増加する新生児の先天異常」4/6TBS報道特集(内容書き出し)
上記番組に出演されていた高遠菜穂子さんの報告会がありました。
「イラク戦争から10年、子どもたちの未来が奪われている。イラク・ファルージャ調査報告会」
2013年4月11日

http://www.ustream.tv/recorded/31289455
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田中優さん
第23回の今日は未来バンク理事長の田中優さんをお迎えしています。
田中優さんへチェルノブイリ事故以降、
脱原発活動ならびに既成のお金の流れを変える未来バンク創設や、次世代エネルギー提案など
積極的に活動されています。
Sawada:
田中優さんは今までずっと、未来バンクということもそうですけれども、
311以前も含め、ずっといろいろな活動をされてきています。
具体的にはどのような活動を今までされてきているんですか?
田中:
そうですね、僕は元々チェルノブイリの時に子どもが生まれたばっかりで、
その子どもが具合が悪くなっちゃって、生まれてすぐ後に。
で、その時に、
その時は実は全然気にしていなかったんですけど
後になって気付いてみると、実は奥さんのお腹の中にいた時に、チェルノブイリの原発事故が起こっていて、
その時に高濃度に結構汚染されていた牛乳を、僕は奥さん経由で子どもに与えてしまっていたんですね。
その事に後から気付いて、
「これはまずい事をしたな」というふうにぼくはすごく反省しまして、
そこから脱原発の運動に入った、という流れです。
Sawada:そうですか。これ、日本にいらっしゃったんですうよね?
田中:そうです。日本でも結構降ったんですよ。
Sawada:そうですか、そこがまずきっかけという事なんですね。
田中:はい。
Sawada:具体的にはその後どのような活動をされていたんですか?
田中:
その後、なんですけれども、
脱原発の運動をやっていたんですけれども、
ところがその後にだんだん運動の方が盛り下がっていってしまったんです。
なんでか?って言うと、やっぱり危機感というのは長続きしないんですね。
だから、危機感で運動していた人達が多かったので、
そうすると、しばらく経つと「大丈夫じゃないか」みたいな気分が生まれてしまって、
そのせいでだんだん盛り下がっていってしまったんです。
「その時にだれでもかかわれる運動をやりたい」というふうに思って、
ゴミ問題を取り上げてですね、
そしてなおかつインドネシアにムリア原発というのが原発輸出されそうになっていまして、その当時。
で、それを調べていたら、付近を調べてみると実は私たちの貯金している郵便貯金に絡んでいたんです。
そこからですね、我々のお金自体が問題じゃないか?というふうに考えて、
先ほど肩書きに紹介していただいた「未来バンク」という、
自分たちで勝手にお金を出資して、
自分たちで必要だと思うところに融資するという活動を始めていったんです。
Sawada:
そうですか。
その、活動が盛り下がっていったというお話に戻りますけれども、
チェルノブイリの原発事故が起きてから何年ぐらい続いたイメージなんですか?
田中:
そうですね、ものすごく盛り上がったのは2年目でした。
2年目の4月で一番盛り上がったんですけど、
その後1年間ぐらいで、殆ど各地域に生まれた脱原発のグループがですね、
人が集まらないので消えていってしまう。という状態になっていたんです。
Sawada:やはり危機感ってなかなか長続きしないものなんですね。
田中:
そうなんですよね、
だから、危機感に頼ってやらない運動というものをしようというふうに思いまして、
そこで我々が考えたのは、
日常生活からいつでも気にするようなゴミ問題とか、貯金の問題とか、
そういうところから始めていきたいって思ったんです。
Sawada:
そうですか。
こちらの活動をずっと長い事されていてですね、
その中で今回311を迎えてといった形になりますけど、
311を迎えて、優さんから見て今の現状をどういうふうにお考えですか?
田中:
正直言って原発事故が起こった時には、
当然起こるべくして起こったという印象が強かったんですね。
というのは世界的に見ても日本とアメリカの原発の管理が非常に良くなかったものですから、
「これはどっちかの国で事故が起こっちゃってもしょうがないだろう」というふうに思っていて、
だから事故が起こった時には「やっぱりきてしまったな」という感じがしました。
Sawada:
そんな中、当然日本でも反対運動が起きて、脱原発・反原発という活動が行われて2年を迎えています。
いかがでしょうかね?この活動の盛り上とその後の継続という意味合いで行きますと。
田中:
まぁ、今回は日本で起こってしまったので、
日本に放射能が降り注ぎましたので、東日本を中心に持続的に今後被害が出ていってしまうので、
その点では簡単には今回は消えたりましないだろうなとは思っています。
ただもうひとつ僕の方が気にしているのは
これを機にですね、実は電気の問題で考えた時に、
「原子力は決して安く無い」という事を知ってもらいたいなと思っているんです。
Sawada:
よくあれですよね。
原発は安いから、もしくはCO2を排出しないというような意味合いで、
経済学的に有利だということで進められというお話がありますけれど、
そうじゃないということなんですね。
田中:
大島堅一先生、立命館大学の先生ですけれども、
その方が岩波新書で原発のコストという本を書いていて、
そちらに詳しく載っているんですけれども、
要は実際にかかっている金額を調べてみると、他の発電よりもずっと高いんです。
今現在実は日本の電気料金というのは、世界一高いんですね。
で、よく言われている「ドイツが高い」
自然エネルギーをやっているから「高い」と言われるんですけれども、
調べてみると「ドイツよりも高い」んです。
で、そんな形になっているという事が、
もし、政策決定者にきちんと届く事が出来たならば、
原子力は経済的号合理性から「やらない」という選択になっていく筈だと思っているんです。
Sawada:
そうですね、それを見ますとそこでの問題が一つありますし、
また、あれですかね、原発の電気というのが「蓄電出来ない」というお話もありますよね。
田中:
はい、その通りで、実際に電気が必要になるというのは、
実は夏場のほんの一時だけなんですよね。
2010年の東京電力のデータでみてみると、
いちばん最大の消費から100万kwの範囲のところに、
いちばん最大のところに来てしまったら何時間か?って調べてみると、
わずか5時間しかないんです。
Sawada:1年間で5時間。
田中:
そうです。3760分の5です。
それっぽっちしか電気が足りなくなるっていう時がないのに、
その一時のために発電所を造るというのは非常に不合理で、
そのせいで日本の電気料金は世界一高くなっていて、
その結果、国際競争力を失わせているんだと思っています。
Sawada:
そうなりますと、経済的にも高くて困る。
需給の問題でしても1年間に5時間しか足りない時間がはないというなかにいて、
今後つくる理由、もしくは維持していく理由というのはあんまり見当たらないという事でしょうかね?
田中:
合理的に考えたら必要なないと思います。
その時に、たとえば昼間のピークの時って決まった時しか出ないんですよ。
夏場・平日・日中の午後1時から3時にかけて・気温が最高気温を記録するとき。
その時しか出ないんですね。
だからあらかじめ検討が付きますので、
その時だけ電気料金を高くするという仕組みを入れれば、これは簡単に解決できます。
Sawada:
そうすると解決する方法があるにもかかわらず
日本政府はまだやってきてないというところなんでしょうね。
田中:
それは結局のところ原子力というものが利権に結び付きすぎていて、
そのせいでこんな形になっているんだ、というふうに思っています。
Sawada:
そうですか。
ま、今後ですね優さんには色々ご出演頂きたいと思っているんですけれども、
その中で今後は代替エネルギーの可能性。
また、私たち一般市民が出来る事、未来に向けて出来ることというような形。
また長い間ずーっと活動してきたということもありますんで、活動されてきた先輩としてですね、
私たちも知りたい事が多々あると思いますので、また今後も出演頂いて、お話しいただければと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
田中:よろしくお願いします。
Sawada:
田中優さんには本番組の次世代エネルギーコースの主任講師として
これからもご登場を予定しております。
NHK 4月10日 17時50分

原発事故のあと、学校給食への地元産の米の使用を控える動きが広がっていた福島県では、
放射性物質の検査態勢が強化されたことなどから、使用を再開する市町村が増え、
新年度がスタートした今月の時点で、およそ7割の自治体が地元産を使っていることが分かりました。
福島県学校給食会や各市町村によりますと、
県内では、原発事故の前は、給食を実施している58の自治体すべてが、
それぞれ地元産の米を使っていましたが、
事故からおよそ9か月がたった平成23年末の時点では15まで減りました。
その後、放射性物質の検査態勢が強化されたことなどから、
使用を再開するところが増え、新年度がスタートした今月の時点では、
7割に当たる40の自治体が地元産を使っていることがNHKの取材で分かりました。
このうち、伊達市は1年半ぶりに10日の給食から使用を再開しました。

給食に出す米は、県が行う全袋検査に加えて、精米する前と後など4回にわたって検査が行われ、
10日の検査でも放射性物質が検出されなかったため、
38の小中学校と幼稚園にごはんが届けられました。

大田小学校の教室では、児童たちが、おかずのきんぴらごぼうなどと一緒に、ごはんを口に運んでいました。


伊達市学校給食センターの氏家利美所長は
「万全の検査態勢で安全性を確かめているので、安心して地元のおいしい米を食べてほしいです」
と話していました。
---
「10日の検査でも放射性物質が検出されなかったため」

検出されなかった=ゼロベクレルではない?
検出限界値があるように見えましたが…。
>セシウム合計15.2ベクレル/Kgという表示です。
15.1ベクレル入っているかもしれません。
毎日5ベクレル以上摂取するのは危険です。
給食で強制的に食べさせる事だけは止めて欲しいです。
給食で取り入れる市町村が増えたのはお金のためですよね。
とても許せない気持ちになります。
福島県内の学校給食 「県産食材」震災後も使用
さらに新年度、県産食材使用市町村に食材購入費を補助
補助金のため・・・・・
ーー5~10ベクレルを毎日摂取する事の危険
<ウクライナ報告>
「5から10ベクレルの食品で被害が出ているという事を確認しました」小若順一氏11/2(内容書き出し)
<質疑応答・ウクライナ報告>
「5~10ベクレルの食事を食べ続けると起こる身体の痛み」小若順一氏11/2(内容書き出し)
1.「という事は、線量が低い方が癌を引き起こしやすい、ということなんです」
崎山比早子氏11/24(内容書き出し)
続きを読む
辛くても、見たくなくても、知っておかなければならない現実がある。
内部被ばくの危険性として放送したことは、
地上波のテレビ放送として、今までにない正しいメディアの姿だと思いました。
なので、書き出しました。
ーーー
高遠:この健康被害の問題で言うと、内部被ばくとの問題としてもどうしても…、
金平:福島とか?
高遠:はい。関連してくる事なので、やはりどうしても見るべきだと思うんですね。
直視すべきことだと思うんです。
ファルージャ総合病院 サミラ・アラーニ医師(小児科):
先天異常の発症率はおよそ14.4%です。
私たちは先天異常の子どもが生まれた25の家族から髪の毛を集めました。
そしてすべてのケースで髪の毛から化学汚染物質が見つかりました。
普通の環境ではあり得ないものです。
それはウラン。
それも濃縮ウラン。濃縮なんです。
新生児の先天異常 イラク戦争から10年
2013年4月6日放送 TBS報道特集

金平:
イラクでは新しく誕生した子どもたちの先天異常が大きな問題になっています。
アメリカ軍が使った武器が原因だとの説が現地では有力です。
これからご覧いただくVTR映像の中には衝撃を受ける映像も含まれていますけれども、
報道特集では今のイラクの状態をお伝えするために必要であると考え、
あえて映像の加工処理などは行わずそのままお伝えします。
これがあの戦争から10年後のイラクです。
戦争から10年 イラクは今ー
ー略ー
少女に寄り添っている日本人女性がいた。
高遠菜穂子さん。
高遠さんは開戦直後からボランティアとしてイラクに入り、
一時武装勢力に拘束されるという体験をしながらも10年に渡ってイラクの支援活動をしてきた。
こんかい高遠さんはファルージャ総合病院に寝泊まりしながら現場の医師達と共にある調査を行っていた。

その調査とは・・・、


生まれつき腸が体外に出てしまっている赤ん坊。
イラクでは戦争後新生児の先天異常が増えている。
特にファルージャではその発症率が高いという。

高遠さんはこうした現状を自分の目で確かめながらデータを集めている。
高遠菜穂子さん:
イラク人じゃない第三者の私が1カ月ここに滞在して毎朝目撃したっていうのをまず。
最初の一歩にもならないかもしれないけど、なにかのきっかけにしたいなと思っています。
イラクの子どもやその親たちに、今、何が起きているのか?
爪痕深く 激戦地の10年
2003年3月20日イラク戦争は始まった。
大量破壊兵器を持つテロ支援国家としてアメリカを中心とした多国籍軍がイラクを攻撃したのだ。

小泉純一郎首相(当時):
米国の武力開始を理解し、支持いたします。
小泉総理は日本政府として武力行使を指示すると表明した。
そして開戦から21日後(2003年4月9日)首都バグダットが陥落。
フセインが政権崩壊した。
だが、開戦から1年が経過しても旧フセイン政権の残存部隊やアルカイダ系武力組織の犯行が続き、
2004年4月、
アメリカ軍は武装勢力の拠点になっていたファルージャで市街地を封鎖しての掃討作戦を展開。
さらに11月にも大規模な攻撃を行い、多くの一般市民が巻き添えになって傷つき命を落とした。
翌2005年、アメリカのブッシュ大統領は演説でこう述べた。

アメリカブッシュ大統領(当時)2005年12月14日:
(大量破壊兵器などの情報の多くは)結果的に間違っていました。
イラク攻撃を決断した事には大統領として責任があります。
イラクに大量破壊兵器が存在しなかったことを認めたのだ。
「大義なき戦争」はその後もイラクに暗い影を落とし続ける。
シーア派とスンニ派によるイスラム教の宗派間抗争に発展し、
イラク人同士が血で血を洗う内戦状態に陥っていく。
そして現在も爆破テロが各地で頻発し反政府デモによる混乱が続いているのだ。
激戦の傷跡が今も色濃く残っているファルージャ。
高遠:
ほとんどの儀税者はアメリカ軍の攻撃で亡くなった人達です。
先週の金曜日の亡くなった方の墓地もあるそうです。

その中には犠牲となった子どもの墓も多い。
この墓地は元々サッカー場だった場所だ。
高遠:
あー。思い出したぁ。
ファルージャ滞在中、高遠さんはある場所を訪ねた。
高遠:お久しぶり、元気ですか?
ここでは多くの避難民が暮らしている。
バグダットのスンニ派の人達が迫害を恐れてこの地に流れ着き、
その多くはアメリカ軍やアルカイダの攻撃で親を亡くした子どもたちだという。

廃墟となった学校に彼らは住み付き、今では194人で共同生活を送りそのうち7割が子どもだ。

世話役のサルワさん:
病気や障害を持つ子どもたちも多いわね。
見てのとおり雨漏りもするし、衛生状態はとても悪いの。
高遠さんはこの日、人形やお手玉を子どもたちにプレゼントした。
ファルージャ総合病院
高遠さんが今特に力を入れているのが医療支援だ。
滞在中毎日、新生児病棟や分娩室をまわっていた。
高遠:なまえは?
医師:オマール
中には深刻な状態で生まれてくる新生児もいる。
高遠:この子のママは?
ーー:まだ会わせていません。
※衝撃的な画像が多いので、

読売新聞 2013年4月8日10時38分

東京電力福島第一原子力発電所の地下貯水槽で5日に判明した汚染水の大量漏出について、
漏れた放射性物質の総量を7100億ベクレルと推定した東電の計算に対し、
「見積もりが甘い」との指摘が専門家から上がっている。
貯水槽内の汚染水の50分の1という低い濃度を使って計算したためだ。
冷温停止状態の宣言後では最大規模となった今回の汚染水漏れで、
環境への影響は東電の推計を大幅に超えている可能性がでてきた。
貯水槽は、3層構造の止水シートで覆われている。
最も外側のシートと真ん中のシートの間にたまった水から、
1立方センチあたり約6000ベクレルの放射性物質が検出された。
東電は、この濃度と漏水量120トンを掛け、漏れた放射性物質の総量を7100億ベクレルと算出した。
しかし、貯水槽内の汚染水の濃度は、約50倍高い同29万ベクレル。
普通に120トンと掛け合わせれば、約35兆ベクレルの放射性物質が貯水槽の外へ漏れ出したことになる。
東電は
「外部に出る部分の濃度で計算することにしている。どちらかが誤りだというわけでもない」と強調しながら、
「シートに放射性物質を吸収する能力はなく、濃度低下の理由は不明」という。
外から水が加わって薄まっていた場合、同6000ベクレルに対応する漏水量は120トンより多くなる。
汚染水漏れ3か所 綱渡り対応続く
NHK 4月10日 4時7分

東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける汚染水を大量に保管できる地下の貯水槽で、9日、
新たに1か所で水漏れが確認され、水漏れが見つかった貯水槽は3か所になりました。
貯水槽の信頼性が大きく揺らいでいますが、地上のタンクには余裕がなく、
当面、監視しながら貯水槽を使わざるをえない状況で、抜本的な対策を打てない綱渡りの状況が続いています。
福島第一原発では、汚染水を保管する7つある地下の貯水槽のうち、
2号と3号の貯水槽で水漏れが明らかになっていましたが、
9日、新たに1号貯水槽でも水漏れが起きていることが分かりました。

1号貯水槽は、最初に水漏れが見つかった2号の汚染水を移し替える移送先の1つで、
東京電力は、当初、水漏れは上の方で起きている可能性があるとして、
ためる水の量を抑えて対応するとしていました。

ところが、1号の水漏れは水位が半分程度の時点で確認され、想定が外れたことになり、
東京電力は1号への移送を停止し、
問題の2つの貯水槽の汚染水を地上のタンクに移し替える検討を始めました。
地下の貯水槽はタンクに比べて多くの汚染水をためられることから、
東京電力は汚染水の重要な保管先として位置づけていただけに大きな誤算で、
保管計画の見直しを迫られています。

しかし、東京電力によりますと、すでに貯水槽にたまっている合わせて2万7000トンの汚染水に対し、
地上のタンクで空きがあるのは最大で2万9000トン分で、余裕がない状況だということです。
このため貯水槽の信頼性は大きく揺らいでいますが、
1号と2号を除く、ほかの5つの貯水槽については、当面、監視しながら使わざるをえないとしています。
ただ、別の貯水槽でさらに水漏れが見つかれば、貯水槽がすべて使えなくなるおそれもあり、
東京電力はタンクの増設を早める一方、ほかに保管できる場所がないか探す作業も進めていますが、
抜本的な対策を打てない綱渡りの状況が続いています。
移送先の貯水槽でも水漏れか
NHK 4月9日 13時41分

貯水槽からの水漏れが相次いでいる東京電力福島第一原子力発電所で、
最初に水漏れが確認された地下の貯水槽から移送していた先の貯水槽でも、
水漏れが起きている可能性があることが分かりました。
東京電力は、水漏れの可能性が見つかった貯水槽への汚染水の移送を9日午後、停止しましたが、
移送先の貯水槽には、まだ半分程度しか汚染水はたまっておらず、
水漏れは下の方でも起きている可能性が出てきました。

福島第一原発では、今月3日から5日にかけて、
地下に設置した貯水槽から汚染水120トン余りが漏れているのが見つかったのに続き、
7日、東隣にある別の貯水槽でも漏れていることが分かりました。

このうち、最初に水漏れが見つかった貯水槽では、
保管されているおよそ1万3000トンすべてを別の2つの貯水槽に移す作業を続けていますが、
東京電力によりますと、9日午前、移送先のうちの1つの貯水槽で、
水漏れを検知するための穴の中から、910ppmの濃度の塩素が検出されたということです。
この場所は、3重の遮水シートの内側から2番目と3番目の間で、
8日時点の塩素濃度が4ppmだったことから、東京電力は、水漏れが起きている可能性があるとしています。

ただ、遮水シートの外側の地盤付近では、塩素濃度に変化はないということで、
東京電力は、9日午後0時47分に汚染水の移送を停止するとともに、
現在、放射性物質の濃度を測定しています。
貯水槽からの水漏れについて東京電力は、
構造上の問題などから貯水槽の上の方から漏れている可能性があるとして、
上部に水が達しないようにするため、水位を80%以下に管理しながら使うと説明していました。
しかし、今回、水漏れが見つかった貯水槽の容量は1万3000トンで、
9日午前10時現在の水位は55%にとどまっていて、水漏れは下の方でも起きている可能性があり、
東京電力は、再び汚染水の管理方法の見直しを迫られることになります。
ーー追記・ポンプも漏れたーー
汚染水移し始めたら、ポンプ配管接続部で漏れる
読売新聞 2013年4月11日(木)15:52
東京電力は、福島第一原子力発電所で漏水が発覚した3号地下貯水槽の汚染水を、
11日午後2時から6号貯水槽へ移送し始めたところ、
ポンプの配管の接続部から汚染水が漏れたと発表した。
移送開始の3分後に気づき、ポンプを停止したが、
放射性物質を含む汚染水は約6平方メートルの範囲にこぼれ、地面に染み込んだ。
漏水量は約22リットル。
地下貯水槽は1~7号の七つあり、このうち1、2、3号で漏水している。
汚染水を別の貯水槽やタンクに移す作業は、漏水量が多い1、2号を優先し、
3号からの移送はこの日に始まった。
ーーー
新たに別の池も!収束後最悪の漏れ「漏れて当たり前の構造に見える汚染水の池」
福島第一原発汚染水漏れを読み解く4/6デモクラTV(文字起こし)
アドバイザリーグループ 5人の元原発技術者が「新安全基準骨子案」の問題点を暴く
■出席者 「原子力規制を監視する市民の会」アドバイザリーグループメンバー
小倉志郎氏(元東芝原発技術者)
後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)
滝谷紘一氏(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)
田中三彦氏(元日立原発設計技術者、元国会事故調査委員会委員)
藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員)

司会:
最後に坂上さんの方から改めて、
今の規制庁が進めている5年猶予の問題についてのコメントをお願いしたいと思います。
坂上武氏

原子力規制を監視する市民の会の事務局をしています坂上といいます。。
今、原子力規制委員会の方はこの新安全基準の検討については、
骨子案のパブコメの検討がだいたい終わって、
規則案というのがおそらく、明後日の木曜日の検討会の方で出てくるというような形になっています。
コメント案に対しての向こう側の考え方というのがですね、ペーパーで出てるんですけども、
ご紹介のあったようにこちらの方から出していただいた根本的な問題提起については
殆ど対応が成されていない状態です。
たとえば「福島事故の原因究明についてしっかりやるように」と、
「それを優先的に」というコメントに対しては、
「解明されていない部分があるのは事実だが、
政府や国会等の事故調査委員会による報告書において明らかになっている事実を踏まえて、
基準を策定することが可能」。というようなコメントになっております。
で、今国会事故調の田中三彦さんがおられますけれども、
地震による影響についてはまだ明快ではない所があって、
これが明らかになれば今の基準は根底からまた検討し直さなければいけないような状況というのが、
現に残っている訳ですよね。
そういった所が全く飛ばされているというのが非常に問題ではないかと思っています。
それからこの間、検討チームでの検討で、
電力会社からのヒアリングというのは5回以上地震と合わせてやられていると思うんですけれども、
ところがそれ以外から、
こういう根本的な問題定義をする独立した専門家からのヒアリングが一切行われていないということで、
是非、今日の問題を発信していただいて、
そのなかできちんとヒアリングを行うようにというような圧力にしていただけると
ありがたいなというふうに思っています。
この点については私たちとしても規制庁、
規制委員会については引き続き要求をしていきたいと思っています。
次の正式なパブコメというものがありますので、それまでにという事になると思います。
それから最後に5年猶予問題なんですけれど、
これはぜひ大問題、大きな問題にしていきたいと思っています。
これまでの原子力規制委員会というのは、一応再稼働については政治的には中立の立場ですね、
「再稼働についての政治的な判断はしない」という姿勢を一応保っていた訳ですけれども、
それをもう超えるような行為だと思います。
要するに「5年猶予して下さい」というのを電力会社が言うのならまだわかるんですね。
資源エネルギー庁が言うのなら、それもまだわからないことはない。
なぜね、電力会社もなにも言わないし、それから資源エネルギー庁もなにも言わないのに、
事もあろうに原子力規制委員会が
「5年猶予してもいいですよ」というのを率先して文書を出しているというのは、
これはやっぱり異常な事態だと思います。
これについては
何故原子力規制委員会が規制の立場で「5年猶予してもいいですよ」というような文書をわざわざ出したのか?
それも田中委員長という、上からドーンとですね委員長試案という形で降りてきたわけですけれども、
これについては、理由は言えないはずです。
ま、これは、原子力規制庁の役人どもとこの件については折衝していますけれども、
何故それをわざわざ規制の側の立場でそういう文書を出すのか?理由はなにか?って言ったら、
理由はないんですよね。
更田委員もその「猶予期間を設けるのは国際的には当たり前だ」とか、
「日本がガラパゴスにまたがってしまう」とか、非常に意味不明な反応をしていますけれども、
結局理由がないというところで、そこをぜひみなさんもメディアの方、それから国会でも、
是非そこを含めてしっかりと追及していただければというふうに思います。
ーーーデモクラTVデモクラTV本会議 (4月6日)
http://dmcr.tv/tv_archive.html?date=2013/03/23&file=arc_dmcrtv20130406
より関連部分文字起こし

31:00
内田 誠(ジャーナリスト):
特にこのところいろんな、不思議な事がいろいろと起こってですね、ビックリしているんですけれども、
原子力ムラ復活ということで、ここだけは外せないなとちょっと思っている事があって、
田中さんという規制委員会の委員長の存在というのが、やっぱり悩ましいですw
「どう考えていいのかが分からない」という…。
当初は、「自分たちは科学的に結論を出すんだ」
だから「需給電力が足りなくなるとか、政治経済がどうこうだとか、そういうことは一切関係ない」
「私たちは純粋に安全なものをやるために規制するんだ」と言っていたのが、
最近はちょっと話が変わってきて、
もう、たとえば20個ぐらいバタバタっと止めたら
「電力はどうなっちゃうのかな」みたいな事をおっしゃるようになって、
もう、これは完全に後退で、やっぱり政権が、
下村満子(ジャーナリスト):取り込まれた。
内田:取り込まれているんですかね、良く分からないけれども。
後藤政志(工学博士、元東芝・原子炉格納容器設計者):
それはですね、私がみるところ、
規制委員会が出来ましてね、今おっしゃったように経済性とか、いろんな要因を考えない。
これが安全であるかどうかっていう事だけと言っていたと。
それはね、ある程度一定の役割は果たしているんです。
活断層の問題と、いまの骨子安全基準でも一部今までにない視点があります。
ただですね、田中委員長、あるいは更田委員ってプラントをやっている人ですけどね、
彼なんかの言動を見ていると、最初言っていた事とブレてきている。
なぜかというとですね、
推測も含めて言いますと、
やはり原子力ムラがですね、まわりからですね、
「そんな事を言ったらこうだ」という事を、入っているんじゃないかと、
言葉の端々に感じます。
そうすると、安全のためにはこれは必要なんだけれども、
「でも全部装置をつけなくても、一部はちょっと後からでもいいんじゃないか」とかね、
そんな理論はあり得ないでしょ。
5年猶予とかね。
だって、なにか?って言うとね、それが無い事故が小さな事故だからいいんだだったら、これはいいです。本体が大丈夫だったら守れるんでこっちは事故の規模の問題だというならいいけどそうじゃないんですよ。
あれは全部多重防護で突破されたらこれとこれをやるでしょ。
そうすると、ダメなときに最後の砦でやろうとしているものも外しちゃうわけでしょ。
その事故の規模というのは最悪な事故を意味するんですね。
内田:
中央制御室みたいなものを、最後につくる特定安全施設とか言う、
まさにシビアアクシデント対策ですよね。
後藤:
そのシビアアクシデントっていうのは起こらないと思ってきて、
実は福島は起こしたんでしょ。
だから、
今我々が考えるべきことは最悪の状態というものを考えなきゃいけないのに、
最悪の状態の可能性はまァないだろうと。
全く同じ構造でいま行っているんですね。文脈で。
そうすると、そんな事を国民、我々自身がね、なに一つ信じられなくなっちゃうんですよ。
ですからそれではね、規制の、
つまり規制委員会というのは今せっかく立ち上がって、国民の信頼は保安院じゃ駄目だと、
規制委員会、規制庁がやるという事になったんですから、
その質をずーーっと貫いてね、
周りの外野に乱されちゃいけないですね。
今どうもですね、原子力ムラと言いますか、
今までずっと推進をやってきた人学者とか、
その周辺で発言している人の言動が非常にひどいです。
本当に、原発の福島はどこに行ったのか?と、
いまの汚染の状態しか考えていないんじゃないかと思います。
私はですね、福島の事故をね、
福島のデータを取るべきだ。
今の状態をリアルに、どれだけ汚染してどれだけ外界に出ているかを全部出せと。
そのデータを徹底的に出す事をやらないと、空気中はたいして分からないですけどね、
水の底とかいろんなところに出てくる訳です。
それをリアルタイムにちゃんとウオッチするシステムをね、
ちゃんと、東京電力というよりも規制としてやるべきなんですね。
山田厚史(ジャーナリスト、元朝日新聞編集委員):
規制委員会がやる。
後藤:
それをやらなければいけないんですよ。
それをやらないで置いてね、データを全部東電に任せているという事自身がダメなんです。
山田:
それは何でもね、たとえばテレビ会議もそうでしょ。
出すのは「東京電力が出します」
それこそ今度の福島第二だって、「東京電力がどうするかを検討します。
主語は全部東京電力なんですよ。
でも、我々にも「東京電力ってもう終わってんだろ」って、
「その人たちに判断させちゃダメなんでしょ」っていうところが、
一番そこのところの根幹が出来ていない。
それは僕一つはね、やっぱり安倍政権に交代した時に、
主要閣僚の中で、経済財政問題をやっている、甘利さん。甘利明さんというのがやっている。
その人は昔から、ずっと電力会社なんかと一緒にやった商工族で
自民党の中のこの分野のボスだったんですよ。
常にその人の差し金でもって電事連とか電力がやって、
まさかそういう人をやらないだろうなと思った人が今度の経済財政の一番のポイントに据える。
そうするとここの下に規制庁とか経産省とか、要するにみんなすべて組み込まれていますから、
そういうのを見ていると「あ、俺たちの時代がまた来たな」と言って、
原子力ムラの人達が元気になる。
下村:
だけど、それはやっぱり安倍さんの方針だからそういう人事をしたわけですから、
やっぱりこの政権が明らかにそうなんですよ。
だからどういう表現を使おうと、基本的には答えはあるのね彼らには。
「進めるんだ」と。
内田:アベノミクスのもとにはちゃんと原発が入っているという事ですよね。
後藤:
一番怖いのは、その構造の中でね、事故原因の方にこだわるんですけれども、
普通、航空機事故とか墜落するでしょ。
そしたらそれは事故調和委員会が押さえて他は触らせないんですよ。
たとえばものが壊れた、金属が壊れた。
ここを触って動かしちゃうと、証拠が隠滅されるんですよ。
何故壊れたかの原因が分からなくなるんですよ
だから東京電力の福島の第一原発は、
事故原因調査としては差し押さえて、東電は勝手に触っちゃいけないんです。
ところが、冷却しなくちゃいけないから東電は入っているんです。
ですけど、その間に何かものを、本来やっちゃいけないんです。
それを監視下に置かなきゃいけないのに、規制はちゃんとやっていない。
つまり東京電力は自分たちのプラントとして扱っている。
いまだにそうなっている。この構造がダメなんです。
「安全系設備に猶予期間を設けて運転するのは 故障した航空機をそのまま飛ばしているのと全く同じ」
後藤政志氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「重大事故の敷地境界線量評価をせよ」
滝谷紘一氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「『シビアアクシデントは許さない』という記述を入れるべき」
小倉志郎氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「新“告示501号”を使っていない原発は古くて駄目だというのをまず認識すべき」
田中三彦氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「3号機燃料プールの核爆発が新安全基準には全然反映されていない」
藤原節男氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
福島第一原発汚染水漏れを読み解く4/6デモクラTV(文字起こし)
「原子力規制を監視する市民の会」
アドバイザリーグループ 5人の元原発技術者が「新安全基準骨子案」の問題点を暴く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/72000
■出席者 「原子力規制を監視する市民の会」アドバイザリーグループメンバー
小倉志郎氏(元東芝原発技術者)
後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)
滝谷紘一氏(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)
田中三彦氏(元日立原発設計技術者、元国会事故調査委員会委員)
藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員)
司会 菅波:
続きまして元東芝の原発の設計技術者で
ストレステストの意見聴取会の委員もつとめられました後藤政志さんにコメントをお願いします。
後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)

私の方からは大きく分けて3点位あるんですけれども、
時間の関係で後で資料を見ていただくことになるかと思います。
まず一つは、タイトルにありますように
私はベントを前提とした格納容器、これが間違っていると。

私自身は格納容器の設計をしておりましたので、本来格納容器というものはですね、
放射性物質を中に閉じ込める機能を持っている訳ですね、
これがきちんと機能すれば、希ガスとか、さっき希ガスの話がありましたが、
希ガスのようなものが出てしまうんですけれども、
一応今回のような大量の放射性物質は出ないはずなんですね。
しかも動的な、つまり動力を使わないでですね、
隔離弁と言ってバルブを閉めてしまえば、その容器の中に放射能を閉じ込めるんですね。
ところがそれをベントしてしまうということは外に出してしまう訳ですから、
じゃあ、「出すからフィルターを付けてこすんだ」と言っているんですね。
ですけど、放射性物質の放出はですね、フィルターの性能に依存しますし、故障したらどうするんですか?
容量が足りなかったら抜けちゃいます。
そうするとですね、
こういう新しいものを付けて格納容器の機能を持たせるというのはおかしいんですよ。
格納容器機能というのは、配管とかが切れた時に大きな容器の中に閉じ込めるためにつくったんでしょ。
それが機能しなくなるということは、もう破たんしているんですよ。
だから格納容器の設計を変えるべきだというのが私の主張です。
つまり少なすぎる、小さすぎるんですね。

あと、同時に圧力抑制プールというのがあってですね、
それが、蒸気が圧力抑制プールの中に入って冷えることになっているんですが、
この二つが非常に大きな問題を含んでおります。
これが格納容器の型式になる、左からMARKⅠ、MARKⅡ。

これがですね、容量をちょっと計算してみますと、こんな形になるんですね。
たとえば熱出力あたりの空間部分の容積とか、
熱出力あたりの圧力抑制部分の水量とか、4から、だいたい4ですね。
ABWRも4以上と書いてある。
こういう数字を考えてみますと、そもそもMARKⅠ型はですね、
今回BWR4のMARKⅠなんですけれども、
これが最初に破たんしたんですね。
つまり炉心溶融したらその後一気にダメになって結果として機能しなくなった。
じゃあ、他のヤツは改良されているか?って言うと、
改良型だってたいして変わらない。
MARKⅡだって変わらないんですよ。
ABWRなんて3.41ですよ。ここの容量がですね。
これは何なんだろうか?という事になる訳ですね。
そうしますと、つまり格納容器の大きさが小さすぎる。それ自体が問題になるというのが私の意見です。
それをベントを持ってやるというのは、
そもそも、もともと持っている性能をちゃんとキープできないものを
小手先の事で逃げようとしている事になります。
なお、加圧水型もフィルターベントがいります。
これは容量が大きいですから時間がちょっとかかりますけれども、
同じように機能喪失するものとされています。

それから次のお話をいたしますと、
スロッシングと言いましてここに圧力プールの水面があるんですけれども、
こいつが地震でこのように動揺しますと、
そうすると水面が、これは断面なんですけど、
水面が蒸気を水の中に引くダウンカマという、このカタンが露出してしまう。
そうすると圧力がバンバン上がってしまう。こういう事が起こり得ます。
福島で起こったかどうかははっきりしませんけれども、
こういうことを基本的に耐震設計上入れていなかったら物は壊れなくたって機能しないんですよ。
という事を申し上げたんですね。
これがその絵です。

そういうことを考えますと、スロッシングというこの問題が非常に重要だという事が一つです。
それとなお付け加えさせていただきますと、
圧力容器そのものの水面の動揺も原子炉の出力振動というものに関係します。
これもコメントしておりますが、「どういうふうにするのか?」という事で私は聞いております。
また、耐震設計につきましてはですね、
今の話は地震と炉が冷却材喪失事故が同時に起こる事を考えるべきだという事をここに示しております。
最後の問題は航空機の衝突があるか。

これは事故、あるいはテロにおいて、当然考えなければいけない。
万一格納容器に当たったという場合、大変なことになりますからね。
これは話に出ているんですけれども、これを確率的に逃げることはやめて欲しいですね。
「確率的に事故が起こる可能性は小さい」という事でもって
「良い」というルールにしようとしているんですね。
確率をベースにするのは非常におかしいです。
ちゃんと評価をするべきです。
それが主張です。
最後に一つだけ。
この規制の信頼性はですね、原子力規制の信頼性ですね。

より信頼性を高めると称して重要な設備の設置に猶予期間を設けています。
これは最悪です。
福島事故から、
「発生する可能性が小さくても大規模な事故につながる可能性がある」というのは確実に存在する訳です。
そしたらその事を確実に抑えない限りは再発するんですね。
起こり得る。
つまり、安全系の設備に対して猶予期間を設けて運転してしまう。
OKしてしまうということは、
故障した航空機をそのまま飛ばしているというのとまったく同じです。
そうしますと、こういうものをもしそのまま認めるとしますと、
原子力規制の信頼性の根幹を失います。
私はこれだけは絶対に許しちゃいけないと思っています。
以上です。
「重大事故の敷地境界線量評価をせよ」
滝谷紘一氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「『シビアアクシデントは許さない』という記述を入れるべき」
小倉志郎氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「新“告示501号”を使っていない原発は古くて駄目だというのをまず認識すべき」
田中三彦氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「3号機燃料プールの核爆発が新安全基準には全然反映されていない」
藤原節男氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「安全系設備に猶予期間を設けて運転するのは 故障した航空機をそのまま飛ばしているのと全く同じ」
後藤政志氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
<5年猶予問題>原子力規制を監視する市民の会4/2坂上武氏&デモクラTV4/5
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「原子力規制を監視する市民の会」
アドバイザリーグループ 5人の元原発技術者が「新安全基準骨子案」の問題点を暴く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/72000
■出席者 「原子力規制を監視する市民の会」アドバイザリーグループメンバー
小倉志郎氏(元東芝原発技術者)
後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)
滝谷紘一氏(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)
田中三彦氏(元日立原発設計技術者、元国会事故調査委員会委員)
藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員)
司会 菅波:
次に藤原さんからお話を伺いたいと思います。
藤原さんは元三菱重工の原発設計技術者で、元原子力安全基盤機構の検査員もつとめておられました。
藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員) :

藤原節男と申します。通称原子力ドンキーホーテと言っておりまして、
こういう本を書いておりますので(下記参照)、ぜひお買い求めください。
それでまず、3号機の使用済み燃料プール爆発の映像をですね、
これは非常に重要な映像でございますので、皆さんご認識いただきたいということで出します。
これは日本テレビが放映したものですけれど、先ず1号機の水素爆発の映像があります。
これはもう皆さんご存じでしょうけれども、白い煙が水平になっております。

今度はですね、3号機です。先ほど見ていただいたんですけれども、
ピカッ!と光ってですね、600mもの黒い煙が見えておりますけれども、
これが、3号機の核爆発の映像でございます。
それでもうひとつが、当日の速報。
アナウンサーが「炎が見えている所が非常に気になる」と言っております。
「非常に高い温度である」という事、それから「黒い煙が出ている」という事を言っております。
「1号機とは違う」と。
ま、そういう話ですね。
一応そういう話になっております。

今映像を見ていただいたのは3号機、オーストラリアのですね、9チャンネルの映像がありまして、
爆発音が3回聞こえるんですけれども、1回目のが水素爆発で、2回目3回目が核爆発だと推定されると。
それから日本テレビの映像がありました。
で、今回ですね、新安全基準、骨子案はどうなっているか?と言いますと、
旧体以前のままでございまして、
なんらこのこういう3号機の核爆発とかですね、
使用済み燃料プールがどうなったという話は書いておりません。

それで我々のコメントといたしまして、川井康郎さん、藤原節男が言っているんですけれども、
アメリカのアーニーガンダーセンをはじめとしてですね、
いろんな人が「核爆発だろう」という話をしているにもかかわらず、
新安全基準には全然反映されていないということをパブリックコメントとして言っております。
ここにですね、使用済み燃料プールの核爆発の証拠ということで、
次のページと合わせて6ページ示しております。

まず、ご存じのように、ピカッ!と光って、黒い煙が600mも上がったと。
ピカッ!ドンッ!というのが、まず第一ですね。
水素爆発の場合は白煙しか出ません。
これは水素と酸素の結合ですから、水蒸気になって、水蒸気の断熱膨張ということで白煙になります。
2番目。
飯館村、米国にまで飛散したプルトニウム。
水素爆発ではプルトニウムは出ません。
これは燃料が高温になってプルトニウムが気化すると。
二酸化プルトニウムというのはですね、セトモノとかガラスとかと同じような性質がありますので、
高温になっても気化はしないんですね。
つぎ、
屋根のフレームが曲がっている。
超高温でひん曲がっていると。
水素爆発の場合は、大空間の爆発でありますから、発生熱の密度が低いと。
したがって、フレームは曲がらない。
1号機と4号機はフレームの格子はそのままである。
3号機はひん曲がっている。そこの違いがあります。

次に4番目。
使用済み燃料プールの床面でですね、これはオペフロですね。
オペフロで燃料の被覆管の破片が発見されています。
これはですね、水素爆発の場合は要するに水面の上で爆発する訳ですから、
燃料にそういう損傷がある訳はない。
5番目。
きのこ雲からの落下の破片がですね、
がれき破片と言っているものすごく大きなものですけれども、
3号機のタービン建屋の屋根に大穴が開いている。
14mと4mでしたかね。
それで屋根の修理の作業員が12ミリシーベルトの被ばくをした。
ということで、水素爆発の場合はこういうことは起こり得ない。
6番目。
福島4号機は今オープンエアーの中で工事をやっていますけれども、3号機側に衝立を建てているんですね。
これは福島3号機からの高放射能、高放射線を遮蔽するためという説明があります。
ここに高放射線があるというのは核爆発の証拠であると。
以上6点ですね。
それからMRCは燃料ペレットとかそういうものが発見されて、
とアーニーガンダーセンがそういうことを報告しております。
これはちょっと私は証拠を握っておりませんので、どこにも書いておりません。

この使用済み燃料プールの核爆発の理論という事なんですけれども、
アーニーガンダーセンはmoderated prompt criticalityということで、
減速された中性子による即発中性子による爆発と、そういう説明をしております。
これの説明はちょっと長くなりますので、ここに書いてありますところを是非追って読んでいただければ。
また私は別途ご説明をもうしあげます。
もし、ご興味がありましたらこの説明をお聞き下さい。

それから、このシナリオですけれども、

全交流電源喪失で冷却系が停止しますと、プール水が沸騰すると。
それから核爆発への二つの追出があります。
水面低下で、
蒸気がどんどんどんどん蒸発して、水面が低下して燃料が露出した場合。
その場合は燃料被覆管の酸化がありまして破裂をしまして、
燃料ペレットは水中の中へ落下すると。
そうすると積み木崩しのようにペレットが集積しまして臨界に達する。
そういう話ですね。
次にはですね、
MOX燃料の特性として中性子吸収スペクトルというものが非常に硬いんですね、ウランに比べて。
それで、それが沸騰する事によって、水中の中性子スペクトルが硬くなるという現象があって、
最適臨界になって、MOXが臨界に達するというようなことですね。
他の原子炉のように遅発臨界になるということで、
遅発臨界になったあと高圧でボイド消滅、正の反応となって核爆発。
こういう理論が成り立ちます。
で、核爆発を防止するには?ということでですね、
こういう基準じゃ駄目だという話を一番最後にさせていただきます。

先ずですね、今どうなっているか?というと、
福島第一原子力発電所にはですね、ボロンステンレスというものを使用しまして、
以前よりも非常に稠密(ちゅうみつ)に
稠密、隙間なく燃料集合体を配置しているという事がありますので、
そういう事は禁止すると。
それから二番目。
まず、新燃料とか崩壊熱の大きい燃料、原子炉から取り出したばかりの燃料ですね。
こういうものを一カ所にかためておかずに、分散して配置する。
それから3番目。
先ほど1番目のボロンステンレスね。
ボロンステンレスというのはMOX燃料に対してあまり効き目がないのではないかという疑念がありますので、
この効果を見直すという事でございます。
以上3点あれば核爆発を防止する事が出来るということでございます。
以上です。
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1 こうして正義は排除された!記録改ざん命令に背き、再雇用拒否へ
泊3号機使用前検査で検出された“異例の検査結果”
翌日の再検査で「条件付き合格」 ほか
2 提訴、そして社会への告発「3・11」で変わった風向き
原子力安全委員会、原子力安全・保安院への再審議請求
1999年敦賀原発2号機で起きた「冷却材漏えい事故」 ほか
3 40年見てきた「原子力村」の実態
原子力には明るい未来があった
灘高時代に原子力の道に進むことを決意 ほか
4 人類は原子力を放棄すべきか?悪いのは科学技術ではなく、人間だ
脱原発派、そして原子力研究推進派
いまの原発施設では安全を保てない ほか
5 「公益通報」が日本の社会を変える
公益通報者保護法は、実質的には“公益通報者摘発法”!?
「組織の利益」に屈する「公益」 ほか
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
藤原節男(フジワラセツオ)
大阪大学工学部原子力工学科を卒業後、1972年4月、三菱原子力工業(後に三菱重工と合併)に入社。
その後、日本原子力研究所を経て、2005年に原子力安全基盤機構に勤務し検査業務部調査役に。
2009年3月、北海道電力泊原子力発電所3号機の使用前検査を手がけ、
組織的なデータ改ざんなどを公益通報したために
勤務先である原子力安全基盤機構を、2010年3月解雇された。
現在は「脱原発派」として執筆、および全国各地に講演活動を行っている
「重大事故の敷地境界線量評価をせよ」
滝谷紘一氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「『シビアアクシデントは許さない』という記述を入れるべき」
小倉志郎氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「新“告示501号”を使っていない原発は古くて駄目だというのをまず認識すべき」
田中三彦氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「安全系設備に猶予期間を設けて運転するのは 故障した航空機をそのまま飛ばしているのと全く同じ」
後藤政志氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
<5年猶予問題>原子力規制を監視する市民の会4/2坂上武氏&デモクラTV4/5
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「原子力規制を監視する市民の会」
アドバイザリーグループ 5人の元原発技術者が「新安全基準骨子案」の問題点を暴く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/72000
■出席者 「原子力規制を監視する市民の会」アドバイザリーグループメンバー
小倉志郎氏(元東芝原発技術者)
後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)
滝谷紘一氏(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)
田中三彦氏(元日立原発設計技術者、元国会事故調査委員会委員)
藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員)
司会 菅波(すげなみ):
続いて田中三彦さん、元日立の原発設計技術者、国会事故調の委員も勤められました。
田中三彦さんからコメントを頂きたいと思います。
田中三彦:

えっと、元日立というのは間違いですね。
私はバブコック日立という、そういう日立系の会社です。
バブコック日立呉工場というところで日立系の、
日立ブランドの原発というのは格納容器をつくっていたこともあるし、
現在も原子炉圧力容器はずっとそこでつくるという、そういう事になっております。
そこへ勤めていて、もともとここの会社は、
会社のPRするつもりは全然ないんですけれども、
この会社は事業用の火力発電所をつくる。
私は両方経験はしておりますけれども、
私は構造解析屋なものですから、福島の4号機ですか、
福島の4号機の原子炉圧力容器を、主任だったと思いますけど、として設計をいたしておりました。
で、新安全基準に対するコメントというのは、
詳しく読んでいくといろいろと腹の立つ事がいっぱいあって、
個々にはですね、実際に設計をしていない人たちの絵空事とみたいな話もあるし、
「こういうことは考えなくちゃいけないんじゃないか」と思うことはいっぱいあるんですが、
今ここではですね、その話は伏せておいて、
というのはですね、一つの矛盾があって、
「わたしには」ですよ。
「こうして下さい、ああして下さい」というコメントというのはですね、
安全基準、新安全基準を補強するという事ではあるかもしれない。
しかしそれがそのままツールとしてですね、
新安全基準のツールとして、原発の再稼働に使われるということになるとですね、
「こうして下さい、ああして下さい」という事自体に、私は非常に…え…、躊躇するものがある。
原発はですね、
今回学ばなければいけないことは、やっぱり止めるという事だと思いますね。
で、どういう原発も再稼働をしないという、
再稼働というよりも、止めていく方向に舵を切らないと、何を学んだのか分からないという。
したがって舵を切らないためのこういう基準策定というものには、根本的に反対をしているので、
「こうしなさい、ああしなさい」
「ああしてほしい、こうしてほしい」っていうコメントは、今したくないという気持ちが強いです。
にもかかわらず少し提言はしたい。
万一これが適用されていく時の事を考えての事ですが、
まず、この資料を見て下さい。3枚しかございません。
2枚目。

新安全基準に対する提言としてですね、少なくても新「告示501号」というのがあるんですけれども、
これが1980年にようやく交付されるんですが、と、
旧耐震設計審査指針1978年制定、
で、原子力安全委員会はたぶん81年だったと思いますけれども、
81年か2年にそれを出しているんですけれども、
その双方が適用されていないような原発というのはですね、
1980年代ごろまで10数基に及ぶと思いますが、
これはですね、新安全基準適用範囲外としてもらいたい。
で、即廃炉とすべきであるというふうに思っております。
理由を次のページに説明してございます。

たとえばですね敦賀一号と美浜一号というのはどんな原発か?って言うと、
あれは日本に原発の構造技術基準というものが存在していない時につくられているものです。
したがって、何が適用されているか?というとですね、
化学プラントとしての技術基準がそのまま使われています。
従って美浜1号機というのは、2号機に比べてですね、
たとえば原子炉圧力容器の厚さがですね、かなり違います。
厚くなっています。
なぜ厚くなっているか?というと、適用されている技術基準が違うからです。
「厚ければいい」という話では全然なくて、
いわゆる公式を使った設計手法という、
非常に伝統的なそういうやり方でつくられている原発だという事をご理解いただきたい。
この二つはですね、1970年に動きだしましたけれども
これは原発としての設計構造手法は使われていません。
そういうものに新安全基準というものを適用していくことはこれは論外です。
だからこういうものは即止めなきゃいけない。
で、福島第一が、今度原発が爆発しましたけれども、
あれの1号機というのはほぼ
あれはギリギリ新しい構造基準を使いましたけれども、
「日本が造ったものではない」という意味で言うと、
ほぼ、美浜1号、敦賀1号に並ぶ古い原発です。
それで日本に原子力発電の構造技術基準というのが出来たのは何時なのか?というと、
1970年です。
昭和45年です。
私は昭和43年に入社しているので、その頃をよく記憶しております。
そうすると、昭和45年、1970年に原発が、
まぁ、こういうふうにつくって下さいという、その技術基準。
それのことを、「告示501号」と言います。
この「告示501号」が適用されない原発というものは、
まず、美浜一号と敦賀一号なんですけれども、
じゃあ、「告示501号」というのはそれほど立派なものか?というとですね、
これはアメリカが機械メーカーに、
日本はアメリカの構造技術、設計の方法をそのまま踏襲をしていく訳ですけれど、
マネするわけですけれども、
アメリカが1963年に初めて原発用に技術基準というのを作ります。
これは、原子炉圧力容器用につくるんですが、それが1963年に初めて出てきます、アメリカで。
それをアスメントセクション3とかアスメコードセクション3とか、
専門家の方ならよくご存じだと思うんですけれども、
「それを使って設計をしろ」というのが昭和45年、1970年に初めてそれが出来るんですね。
ところがもうすでにアメリカは、
アメリカがつくって7年後の物を翻訳。
全くの翻訳です。
だから、誤訳もあると思いますし、訳して意味が分からない、
そういう非常に曖昧なまま出来たのが、その「告示501号」1970年ですね。
で、これを使って設計をしていくというような事をやるけれども、
アメリカは翌年の1971年にもう、大幅なそのアスメセクション3のリバイスをします。改定ですね。
最初1963年につくったアメリカのは、この位の厚さしかないです。1cmぐらいです。
その次にですね、1971年にはこのぐらいの厚さに変わってきます。
当然のことながら設計者の人達は、「こんなにアメリカは変わってしまったんだ」ということに驚きを禁じ得なかったんだけれども、内容が緩む事はなくて、当然アメリカの場合は中身が厳しくなっていきます。
だから溶接位置なんかも「こういうところにしてはいけませんよ」と、
「こういうところにすると検査が出来なくなるので、位置を外して下さい」とか、
そういうふうな事をいろいろ厳しく変わっていきます。
しかし日本はそれとは関係なく1980年まで
アメリカの1963年版がずーーっと延々と使われていくという事実があるんです。
当然設計者はアメリカと違うものを使ってやっているという事が分かっている訳だから、
裏ではですね、たとえば、
自主的にそれをアメリカのコードに合わせて設計をするというような事を当然やる訳ですけれども、
「法的義務はない」という事をまず知っておいていただきたいということです。
それで、ようやく1980年にアメリカの1971年だった9年遅れですね、
それをまた翻訳し、それから、この頃の日本は原子力行政、原子力技術に自信を持ち始めて、
特に79年にアメリカがですね、スリーマイルの事故を起こすということもあったので、
それで1980年にようやくですね、
アメリカの71年版というものを吸収した格好の新「告示501号」というのが出てきます。
従って、今建っている原発の中で、
新「告示501号」を使っていないような原発というのは、もう古くて駄目だというのをまず認識すべきです。
それから驚くべき話をもうひとつ。
1979年まで日本は耐震設計審査指針というものを一切持っておりません。
従って、1979年まで日本がやっていたものは独自の審査基準ですね。
そういうものを勝手に、民間を使って、アメリカの主にエルセントロとか、そういうところのカフトだとか、
そういう地震波を使ってそれで設計をしていたという、
恐ろしく耐震制度の悪い原発なんです。
したがってその、二つを考えていくと、1980年代までに建設された原発なんていうのは、
新耐震安全基準に適用するなんていうこと自体がベースがずれている。
だから、これはもうやっちゃいけないです。
それが一つ、理由がそこに書いてあって、
4番目です。
1980年に、そこまで今お話しました。
たとえばです、本当にどんな弊害が起きるか?というと、たとえば、
下から三つ目のポチのところですけれど、
たとえば、福島第一原発の非常用復水器、ICと言われているものですね。
その設計者の意図が十分に理解されていない設備が、システムが存在する可能性がある。
もうこれ、図面がないんですよ。
私はですね、これを一生けん命「どういうものか?」っていう事をしらべてですね、
アメリカからも文書を取り寄せて調べたんですけど、結局分からないです。
40年ぶりに初めて動いて、運転員が操作の仕方も分からない。
それで東京電力が「55℃/hだから止めた」なんていうのは全くのウソです。
それで、現在もすでにそれで頬かむりしているけれども、あの問題は非常に深刻です。
で、私はまだこの問題をずっと調べていますけれども、
こういう古過ぎて分からないようなシステムがへばりついていたりするんですよ。
それから図面がありません。
それで、パッチワークでいろんなものを後から付けていくものですから、
当時の図面が改ざんされているんだけれども、ライディングが分からなくなっちゃっている。
それで実際、今度シビアアクシデントが起きた時に、
懐中電灯で照らして、ベントする配管を探しまわるという、そういうことがでています。
これはもう、文章の問題だとかライディングが分からない。
構造の意味も分からない。
そういうものがいくつもあるのでね、こういうものがある可能性があるので、
そういうものに適用するという事をまず除外するべきだと思います。
で、まぁ、あと当然のことながら、使用されている機器が古い。
コンピューターシステムが古いかもしれない。
制御システムが古いかもしれない。
それから各設備が想定を超えて脆化していたり、
いろいろとヒビが入っていたりする老朽化の問題がある可能性がある。
だからこういうものを一つ一つ考えるんじゃなくてですね、
まず1980年代までの10数基はですね、「全部終わり」と。
で、その上で話をして欲しいというのが私の提案です。
「重大事故の敷地境界線量評価をせよ」
滝谷紘一氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「『シビアアクシデントは許さない』という記述を入れるべき」
小倉志郎氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「3号機燃料プールの核爆発が新安全基準には全然反映されていない」
藤原節男氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「安全系設備に猶予期間を設けて運転するのは 故障した航空機をそのまま飛ばしているのと全く同じ」
後藤政志氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
<5年猶予問題>原子力規制を監視する市民の会4/2坂上武氏&デモクラTV4/5
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「原子力規制を監視する市民の会」
アドバイザリーグループ 5人の元原発技術者が「新安全基準骨子案」の問題点を暴く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/72000
■出席者 「原子力規制を監視する市民の会」アドバイザリーグループメンバー
小倉志郎氏(元東芝原発技術者)
後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)
滝谷紘一氏(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)
田中三彦氏(元日立原発設計技術者、元国会事故調査委員会委員)
藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員)
司会 菅波:
続いて、元東芝の原発技術者の小倉志郎さんからコメントを頂きたいと思います。
小倉志郎氏(元東芝原発技術者):

私の資料は1ページだけです。
ここにあります文章は、規制庁に出した私のパブリックコメントの文章そのまんまです。
そういうふうに見て下さい。
非常にシンプルな文章ですので、
読んでいただければよく分かると思いますが、一応ご説明いたしますと、
いくつかコメントを出したんですけど、これが一番大事だろうという事で、私はこれをここで選びました。
設計審査指針とそれからシビアアクシデントの対応の審査指針というのがありますが、
私のはシビアアクシデント対策。
これについての審査指針の骨子ですね、
これについて読みまして、「おかしいな」と思ったんですね。
で、こういうことなんです。
要するにシビアアクシデント対策というのは、
「シビアアクシデントが起きた場合にこうしなさいよ」と、
「こうなっているか」と、こういうことなんですね。
で、そこにですね、シビアアクシデントというのはどういうものか?という定義が書いてあります。
骨子の中に。
それはですね、この私の文書の理由というところに、ちょっと冒頭に書いてありますが、
こういうふうに書いてあります。
設計基準事象を大幅に超える事象であって、
安全設計の評価上、想定された手段では適切な炉心の冷却、
または反応などの制御が出来ない状態であり、
その結果炉心の著しい損傷に至る事象。
これをシビアアクシデントというんですね。
で、私が言いたいのは、
要するに「炉心が著しい損傷を受ける」というのはどういうことか?というと、
スクリーンの方をちょっと見てください。

これは福島の今事故を起こしています80万クラスのシステムを表しているシートです。
ですから、2号3号4号5号ですね。
これに共通するシートです。
1号は50万キロワットということで、ワンランク出力が下なものですから、
ちょっと違うところがあります。
RCI系というのがなくて、
今、田中さんなんかが注目しています、アイストレーションコンデンサーですね。
これが5,6階にあります。
基本的には同じですが、
ま、そういうことでここに原子炉があります。
次の図をちょっと出して下さい。

これが今のピンク色だった原子炉の断面図ですけれども、炉心というのはここにあります。
この四角であります。ま、上から見ると丸、円筒形の炉心があって、
ここに燃料集合体が沢山集まっている。
次の図をお願いします。

炉心の中にはこの4mの、約4mの長さの燃料集合体が何百本と入っている。
この1本1本が燃料棒。
炉心っていうのが著しい損傷を受けるというのがどういうことか?っていうと、
この1本1本の燃料が、これはジルコニウムの合金の細いパイプの中に
ペレットという二酸化ウランの焼き固めた燃料が詰め込まれているわけですね。
それが著しい損傷を受けるというのはどういう事だ?っていうと、
基本的にはですね。このジルコニウム合金の被覆管。
これが破れるという事なんですね、高温で。
そうすると、要するに燃料の中で、
ウランが分裂してできた放射能の非常に高い核分裂生成物、これが外に出てくる。
つまり、炉心の中に閉じ込められて、
炉心の棒の中に閉じ込められていた非常に放射能の高い物質が、
原子炉の中全体に広がってくる。
そうすると、原子炉に繋がっている配管を通して、
先ほどのBW1のシステム、いろんなところが、要するに原子炉建屋の中に配管が延びています。
そういうところへ放射性物質がどんどんどんどん広がってくると。
特に事故時に原子炉の中に水を入れ、その水を取り出して冷却してまた戻すというようなシステムは放射能だらけになっちゃうわけです。
そしてまた非常に大きな地震があって、そういうところの配管が破れたりすれば、
原子炉建屋の中が、全体に、放射能が高くなっちゃう
原子炉建屋と言いますのは普段は大気よりも少し負圧にしています。
ですから、外からは空気が入ってきますけれども、中からは出ていかない。
でも完全密閉じゃなくて、いろんな隙間があっても放射能が外に出ないというのは
差圧コントロールしているから原子炉建屋から出ていかない。
しかし、事故時にですね、空調設備なんかが止まってしまえば、
原子炉建屋の中から外に出てくる。
ですから、シビアアクシデントが起きたら必ず住民は被害を受けます。
ですから、
そういうシビアアクシデントがあることを前提に議論するというのは私は間違っていると思うんですね。
で、私が現役、つまり2002年。
今から11年前に定年退職する前は、こういうことは許されていませんでした。
フローシートにですね、もう一度フローシートを出していただけますか?
私が現役の時にやっていた仕事はこの原子炉の周りにあります、
いろいろな安全装置のポンプをやっていました。
工学的な安全施設ですね。
これのポンプをやっていました。
工学的安全施設というのはどういう目的を持っているか?というと、
先ほどの被覆管が、
どんな事があっても被覆管が健全性を保てるように冷却できる事。
これが目的だった訳ですよ。
ですから、シビアアクシデントは許されていなかった。
それが私が定年退職してからですね、いつの間にか許されるような状態になった。
これは2006年に新しい耐震設計審査指針が出来た時に、
そこに残余のリスクという形で紛れ込んできました。
これが、2006年の9月20日に保安院が各電力会社の社長さん宛に、
残余のリスク、つまりシビアアクシデント。
「実質的にシビアアクシデントが出た時の評価をしなさい」という形で指示が出ています。
これは私は知らなかったですね、
2006年というと定年退職して4年後ですから、
つまり私が思うに、
2006年の段階で、実は日本の安全規制というのは、実はもう無くなっていたんですね。
シビアアクシデントを許すという段階で、もう規制していないという事と同じ事になるんですよ。
そういうことを2006年にやる。
多少ね、設計の震度、こういうものは上がりましたけれど、
翌年の2007年に中越沖地震が起きてですね、
その設計基準地震度すら、簡単に超えられちゃったんです。
ま、そういう状況ですね。
時間がきましたのでこれで一応終わります。
とにかくですね、シビアアクシデント対策なんて書かないで、
設計審査指針の中に「シビアアクシデントは許さない」と、
そういう記述を入れるべきなんですね。
そうしないとですね、もう基準の体を成しません。
以上です。
「重大事故の敷地境界線量評価をせよ」
滝谷紘一氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「新“告示501号”を使っていない原発は古くて駄目だというのをまず認識すべき」
田中三彦氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「3号機燃料プールの核爆発が新安全基準には全然反映されていない」
藤原節男氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
「安全系設備に猶予期間を設けて運転するのは 故障した航空機をそのまま飛ばしているのと全く同じ」
後藤政志氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)
<5年猶予問題>原子力規制を監視する市民の会4/2坂上武氏&デモクラTV4/5
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1.市民目線のニュース解説を提供します。
「いつ、どこで、誰が、どうした」という現象は伝えるんだけれども、
その本質、解説についてはあまり触れない。
それをどう分析するのか?ということを。
この社会の読み方みたいなものを僕たちが読み説く。
そんなデモクラTVが開局しました。
東電の汚染水漏れに関しての部分を文字起こししました。
アーカイブはこちら↓
http://dmcr.tv/tv_archive.html?date=2013/03/23&file=arc_dmcrtv20130406
22:20

鈴木:たとえば今回、昨日ですか冷却装置が止まりましたよね。
内田:多いですね。
鈴木:
それに対して、これは東京新聞なんですけれども、
東京新聞が「冷却装置が止まったそうですね」という問い合わせの電話を東京電力に入れたら、
「えっ!?本当ですか?」って向こうが逆に聞き返したっていうんですよね。
池田:本店の方に電話したら?
鈴木:はい。
だから要するに東電はそれを知らなかった、掴んでいなかったという話ですよね。
下村:本当に知らなかったんじゃなくて、知らないふりしたとか。
横尾:
汚染水の問題もすごい重要な問題ですよね。
いずれにしてもタンクが満杯になってて、何年か先には
下村:
いや、もう流れてます。いわきの海には。
正直なところ。
みんな知ってますよ。
内田:
これは東電の発表が如何に危ないかっていう事だと思うんですけど。
2011年6月には、いったん「汚染水が海洋に出るのが止まった」と言ってたはずなんですね。
下村:うん、そう。
内田:
それが、それから1年4カ月の間に17兆ベクレル出たんじゃないかという事を
東京大学の先生が、
下村:明らかに出てますよ。
内田:で、「いまも出ているんじゃないか」という話ですよね。
下村:そのレベルがどんどん上がっていますから。海の汚染の。
鈴木:
だいたい、だから今回も「汚染水が漏れた」っていうのは、要するにビニールシートなんですよね。
ビニールシートで堀みたいなものを作って、そこに水を入れている訳ですから、
汚染水を入れている訳ですから、こんなものが長く持つ訳がないじゃないですか。
それすらももう直満杯になるという話ですから、とても収束とか、そんな段階の話じゃないと思いますね。
※新たに別の池も!収束後最悪の漏れ「漏れて当たり前の構造に見える汚染水の池」

山田;
しかも溜めているところだけじゃなくて、
実際格納容器の下がどうなっているのか分からないから、
そこからもう本当に地下から流れている可能性というのもある訳ですよね。
後藤:
建物の中に水が入っちゃっているんですね。
それで建物っていうのは、なんか閉じ込められているように思うかもしれませんが、
そんなことはないんですよ。
コンクリートからなんて漏れて、特に地震がありましたからね。
そうすると、格納容器そのものだけ、格納容器で放射能を出さないようにしているんです。
鉄で、鉄板の容器で。
そいつが漏れている訳ですから、外界と繋がっているんですね。
今もそうですよ。
それがずーーーっと、
しかも汚染水が今、日に400トンぐらい地下水に流入していますよ。
下村;出てますからね。
後藤:
流入しているということは逆に出ている可能性がある訳だから、
非常に、非常に、放射能を計測出来てないだけの話で、
分からないというのが本当の話ですね。
山田:
だからそういうふうな所に焦点を当てて、原発が今どうなっているのか?っていう事を
ちゃんと知らせなきゃいけないし、
それがどうしてそういうふうになっているのか?という事をきちんと説明をしなくてはいけないですよね。
後藤:そうですね。

山田:
でも全然それがなくて、
私がみて随分変わっちゃったなと思うのは、
特に民主党政権の末期から、自民党にかけてそうなんですけれども、
問題の所在が、「原子力の事故をどうするのか」という事よりも、
「東京電力はじめ電力会社の経営がどういうふうになっていくのか」という、
そっちの方に軸がおかれて、
そのために「このままだったらとてもじゃないけど持たない」とか、
「費用がかかる」だとか、なんだかんだいってて、結局お金のための
経営とお金の問題にすり変わっていったんですよね。
そこからすべて
下村:
だから、最初から東京電力を救うために電気料金も値上げだね、
なんで私たちが買ったエネルギーが高くつくんなら電力料金が高くなっても私たちは受け入れられます
だけど彼らが赤字になるとか、何で私たちが払わなきゃならないの?
これだって、拒否できない訳でしょ?
だからそういう国の仕組みってい事が。
だから政府が一緒に、出来レースになっている訳ですよ、完全に。
完全にそうだと思いますよ。
だから、我々が騒いだって、結局粛々と、競争がないから。

山田:
ここにねガス電気新聞というところに書かれた枝廣さんという、
枝廣淳子(えだひろじゅんこ)さんという、いろいろと市民活動をやっている人。
この人はね、ま、総合エネルギー調査会というところの基本問題調査会という、
まさにエネルギーをどうするかというところに入ったんですよ。
ここにはさっき名前が上がった飯田哲也さんもいました。
こういうふうな、ある意味で事故が起きてからですね、
こういう市民はの人達がそういう政府の大事な所に入って、
「やっぱりこういう仕組みっておかしいんじゃないか」と、少数意見でも声が上がったわけですよね。
それがメンバー入れ替えの結果この枝廣さんは外されたし、飯田さんも外された。
内田:後藤さんもそうですよね。
後藤:私はストレステストとかね、あっちだったけど。
山田:
そうやってね、見えない所で大事な人をどんどん抜いていく。
で、何やるか?って言うと、
結局電力業界とか、それこそ経済界とか、政党とかというところの人達に入れ替えて、
政策が少しずつ元に戻されているというのが現状ですよね。
下村:そう。
私が今考えているのは
この事故調査委員会をなさった黒川さんなりなんなりに福島に来ていただいてですね、
先ず福島の人が一番怒って声をあげないとね、どうしようもないじゃないですか。って
その署名運動とかをね、まず勉強してレクチャーを受けて、クールにね。
そしてこれをどうしてくれるんですか?という事を国会に問いかける署名運動を福島から発信して、
あとはずっと広げて行ったら、
鈴木:
福島の人達は、やっぱり原発そのものにね、絶対に反対になっている訳でね。
しかも昨日ですか、安倍首相は国会の答弁で、
福島第二はとにかく今動かすあれではないけれども、「廃炉」という事は言わなかったんです。
内田:言わなかった。
鈴木:
廃炉に言及しなかった。
つまり、まだ「福島の第二原発を動かそうかな」という、
下村:
だからね、なぜそこまでして、何故動かさなきゃいけない?
何故なのか?っていうのが私はね、もう
経済界とか電力会社の既得権益だって、だってなくてやってきているんですよ、ここまで。

池田:
ゆうべ久しぶりに東電の深夜の記者会見があって、
一瞬にして時計が2年前に戻ってしまったような気になりました。
「水が漏れている」っていういまのお話しの事でね。
結局漏れたっていうのは、地面の穴を掘って分厚いビニールシートみたいなものでやってあって、
堀のようなもので、
そこは汚染水を入れるためにつくったんじゃなくて、
アルプスっていう、3月31日に試運転が始まった放射性物質を取り除く、
その取り除いた水を入れるためのものを応急としてやってた。入れてた。
もうバタバタじゃないですか。
それから昨日は冷却も一時止まったんですよね。
それはこの間のネズミさんが犯人という事になっているんだけれども、
そういうのが入らないための針金を張っていた。
内田:それをやっていたらショートした。
池田:
でもね、あれでよく怪我人とかでなかったと思いますよ。
そういう時って、切ったってね今もう、そんなに温度が上がらないですから、
だからそんなにバタバタで、すごく安全が無視されているんじゃないかと思う。
ーーー
福島原発3号機プール冷却、3時間後に再開
作業で金網が配電盤に触れる? 人為的ミスの可能性
産経ニュース 2013.4.5 20:59 [原発]

ネズミなどが配電盤に近づかないよう張られた金網。
作業中に針金が配電盤の端子に触れ、プールの冷却停止につながったとみられる
=5日、福島第1原発(東京電力提供)
福島第1原発3号機燃料貯蔵プールの冷却装置が5日午後、停止したトラブルは、
約3時間後の同日午後5時20分ごろ、冷却が再開された。
東電が原因を調べているが、当時、冷却装置に電気を送る配電盤で作業が行われており、
この影響で停電が発生したとみられている。
東電によると、周辺のモニタリングポストの値に目立った変化はないという。
燃料貯蔵プールの冷却をめぐっては、
3月18日に発生した停電で最大29時間にわたり冷却が停止するトラブルが発生したばかり。
この際は仮設配電盤にネズミが入り込んだことが原因だったが、今回は作業上の人為的ミスの可能性が高い。
東電によると、5日午後2時27分、
3号機のプール冷却装置に電気を送る配電盤が故障したことを示す警報が発生、プール冷却の停止が判明した。
同配電盤では、3月の停電を受け、小動物の進入防止のため、
電源ケーブルの貫通場所の隙間を金網でふさぐ作業が行われていた。
金網が配電盤に触れるなどして停電が発生した可能性があるという。
東電はケーブルなどに異常がないことを確認し、同日午後5時20分に冷却を再開した。
3号機のプールには566体の燃料が保管されている。
同日午後2時時点で15・1度だった水温は、冷却再開直後の午後6時10分で15・2度と、
温度上昇は限定的だった。
東電は安全確保のため、プールを65度以下に管理することを目標にしている。
ーーー
新たに別の池も!収束後最悪の漏れ「漏れて当たり前の構造に見える汚染水の池」
漏れないプールはあるのか?入れれば漏れる汚染水&読売新聞エライ!7100億ベクレル→35兆ベクレル
犯人はでっかいネズミ!?東京電力記者会見3/20午後(主にネズミの部分文字起こし)
<5年猶予問題>原子力規制を監視する市民の会4/2坂上武氏&デモクラTV4/5
NHK 4月7日 15時11分

福島第一原子力発電所で地下の貯水槽から大量の汚染水の漏えいが見つかった問題で、
隣にある別の貯水槽からも汚染水が漏れていることが分かりました。
この貯水槽では水位が下がっていないことから、東京電力は、漏えいはごく僅かで、監視を続けるとしています。
福島第一原発で地下に設置した貯水槽から汚染水120トン余りが漏れているのが見つかった問題を受けて、
東京電力は、同じ構造を持つ、東隣にある別の貯水槽の調査結果を明らかにしました。

それによりますと、この貯水槽では、水漏れを防ぐための3重の遮水シートの外側の地盤付近で、
放射性ストロンチウムなどが検出されたことから、汚染水が漏れていることが分かりました。
この貯水槽では1万トン余りの汚染水が保管されていますが、
水位が下がっておらず、地盤付近のストロンチウムなどの濃度も低いことから、
東京電力は、漏えいはごく僅かで、大量の漏えいが見つかった貯水槽のように水を移す作業は行わず、
監視を続けるとしています。

一方、大量の漏えいが見つかった貯水槽では、
もともとあったおよそ1万3000トンを別の2つの貯水槽に移す作業を進めていて、
作業は9日までかかるということです。

東京電力は
「ご心配をおかけしたことを改めておわび申し上げます。
いずれの貯水槽の漏えいも海への影響は今のところ確認されていない」と説明しています。

増え続ける汚染水を巡っては、タンクや貯水槽の貯蔵容量のうち、すでに8割がうまっていて、
今回、大量に保管できる同じ構造の地下の貯水槽7か所のうち2か所で漏えいが見つかったことにより、
東京電力は、今後、早急に汚染水対策の見直しを迫られることになります。
汚染水 漏出さらに最大47トン
東京新聞 2013年4月7日 朝刊
東京電力福島第一原発の地下貯水池から、高濃度汚染水を処理した水が漏れた事故で、
東電は六日午後、別の貯水池へ約1万3千トンの処理水を移す作業を続けた。
ポンプを5台使い移送を急いでいるが、三日ほどかかり、
既に漏れた120トンに加え、最大で47トンが漏れ出す見通し。
漏れた水が敷地内に拡散したことは確認されていないが、
三重のシートを越え、周辺の土中に染みこみ、地下水などを汚染している可能性がある。
この貯水池に貯蔵を始めたのは二月で、満水になったのは三月。
通常の劣化は考えにくい。
シートは何枚もつなぎ合わせて一枚にしており、
東電はつなぎ目から漏れたり、シートが破れたりした可能性が高いとみて、移送後に詳しく調べる。
東電は三日に、シートの外側の地下水から放射性物質を検出していたが、
漏れの可能性を公表しなかった。
福島第一 漏出汚染水120トン 「収束」後、最悪
東京新聞 2013年4月6日 夕刊

東京電力福島第一原発の地下貯水池から、高濃度汚染水を処理した後の水が漏れ出した問題で、
東電は六日、漏れた量は推定120トンと明らかにした。
周辺の地盤に流出した可能性が極めて高い。
汚染水の漏出量は2011年12月に政府が「事故収束」を宣言して以来最大の規模となった。
地下の貯水池は、上空に送電線があって地上タンクを造りにくい土地を有効利用するために考案され、
地下に深さ数メートルの穴を掘り、三重の遮水シートを施工する方式。
福島第一には大小七つの貯水池が造られ、容量は計5万8千トン。
うち三つの貯水池には既に計2万7千トンの処理水が入っている。
処理水は、放射性セシウムの大半が除去されているが、ストロンチウムなどは残っている。
水漏れが確認されたのは、三つのうちの一つで、入れられている水量は一万三千トン。
三日にシート外側の状況を確認した際、未検出だった放射性物質が検出されたため調べたところ、
五日になって一番外側のシートの内側で採取した水から、
一立方センチメートル当たり約6000ベクレルの放射性物質を確認。
塩分濃度も高かったことから、塩分を含む処理水が内側二層の遮水シートを越えて漏出していることが分かった。
三層目の外の地盤でも、同20~30ベクレルの放射性物質が検出されている。
漏れが確定的となり、東電は六日朝、隣接する未使用の貯水池に、1万3千トンの処理水を移す作業を始めた。
移送完了には五日以上かかる見通し。
東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は、
処理水に含まれる塩分濃度を基準に水漏れを監視していたが、変化がなかったため水漏れを疑わなかったと釈明。
五日、シート内側の水からも放射性物質を検出し、塩分濃度も高く、水漏れと判断したという。
対策 切り札もダメ 増え続ける汚染水
東京新聞 2013年4月6日 夕刊

汚染水が漏れ出した東京電力福島第一原発の地下貯水池(矢印)
=福島県大熊町で、本社ヘリ「まなづる」から
いまだ事故収束が遠い東京電力福島第一原発で、新たな難題が持ち上がった。
溶け落ちた核燃料を冷やすため、日々増え続ける高濃度汚染水。
タンクを増設し、放射性セシウムを除去してため、またタンクの増設…。
増設用地が足りない現状を打開するため編み出された地下の貯水池だったが、
水漏れが確認され、東電は難しい対応を迫られる。 (山川剛史、清水祐樹)
「(すでに)シートの一層目、二層目の遮水効果はないと判断している。
一番外側のシートで漏えいはある程度抑えられているが…」
6日未明、急きょ記者会見した東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理の説明は弱々しかった。
事故収束に向けての最大のネックは汚染水の存在。
二年前の事故発生当時に比べれば、過熱し格納容器にまで溶け落ちた核燃料はかなり冷えた。
その半面、炉心を冷やし、汚染された水の行方が問題となる。
除染しても半分ほどしか再利用できず、残りは比較的低濃度とはいっても汚染水で、
タンクにためるしか手がない。
既に敷地内には1000基近いタンクが造られ、27万トンを超える処理水がたまる。
地下貯水池は、上空に送電線があってクレーンが使えず、
通常のタンクは無理な場所でも、掘って遮水シートを施工すれば完成。
用地不足を大幅に改善する非常に有効な手段となるはずだった。
だが、水漏れは避けられなかった。
東電は漏れた貯水池から、隣にある空の池に処理水を移し始めたが、あくまで応急的な処置。
もし別の池でも漏れが見つかれば、既に池に入った2万7千トンの行き場が大問題になる。
ただでさえ地上のタンクは、次々と発生する処理水に間に合わせるので手いっぱいだ。
ーーー
別の池でも見つかってしまいました。

この側面のシートは波打っているし、水をこの中に入れて、このような池で水漏れを防げるとは…
見れば見るほど漏れて当たり前の作りのように見えますから、
これは当然なるべくしてなっている事なのではと思います。
全てがやっつけ仕事で、時間がたてばどうなるのか?という事に関しての想像力が欠乏しているように見えます。
それともこのようなやり方しかないから仕方のない事なのでしょうか?
今回漏れが見つかった土を掘ったプールもそうですが、立ち並ぶタンク。

このタンクにしても、ビス止めであったり、

タンクの隙間からジャージャーと漏れてくる近未来の姿が目に見えるようです。
今の技術で、もう少し何とかならないものなのか?と素人の私は考えてしまいます。
プロの仕事にはとても思えません。
それからもうひとつ、
記事の中にもありましたが、
「放射性ストロンチウムなどが検出されたことから、汚染水が漏れていることが分かった」と言っています。
ストロンチウムの検査ってとても大変だから、なかなか測定しないのかと思っていたけれど、
「やる気になればできるんじゃないの!」と思いました。
「海への影響は今のところ確認されていない」とのことですが、
海への影響があるかないかを確認しようと努力をした結果の発言なのでしょうか?
確認をしなければ確認もされる筈はないので、
何もされていないから確認もされていないのだろうと私は思っています。
ーーー
漏れないプールはあるのか?入れれば漏れる汚染水&読売新聞エライ!7100億ベクレル→35兆ベクレル
福島第一原発汚染水漏れを読み解く4/6デモクラTV(文字起こし)
そしてトルコは地震国
それでも輸出?
それでも輸入??
事故が起きた時に三菱重工業は責任は取れるのだろうか(。◔‸◔。)??
(2)「半世紀以上前の隠された原子力事故」堀潤さん4/5報道するラジオ(内容書き出し)
堀潤:
サンオノフレ原発という原発が
これが去年の1月の放射性物質を含む水が漏れ出す事故が起きているんですよ。
その問題があった個所というのが、スチームジェネレーターという箇所で、
これは実を言うと日本の三菱重工が作った装置なんですね。
で、NRCが調査をした結果、1万7000カ所近くに異常な摩耗が見つかったということで、
水野:異常な摩耗!1万7000カ所!
※また事故→カリフォルニア州南部のサンオノフレ原発(放射性物質を大気中に放出)
そんな三菱重工の原発がトルコへ
三菱重工と仏企業、トルコ原発受注で大筋合意
産経ニュース 2013.4.4 10:15 [原発]
日本と中国、韓国、カナダの4カ国が受注を目指し争っていたトルコの原子力発電所建設について、
日本が提案する三菱重工業とアレバ(フランス)の合弁企業が受注することで、
日本側とトルコ政府が4日までに大筋で合意した。アンカラの外交筋などが明らかにした。
経済成長が著しいトルコに現在、原発はなく、2023年までに3カ所での建設を計画。
地中海沿岸の1カ所目は既にロシア企業が受注し、
黒海沿岸シノップでの2カ所目の建設を4カ国が争ってきた。
外交筋は「協議は日本にとって良い方向で進んでおり、
優先交渉権獲得を意味する政府間合意の署名に向けて協議を詰めている段階だ」と語った
安倍晋三首相は4月下旬から5月上旬の大型連休中にトルコ訪問を検討、
原発建設推進を確認する方向で調整している。(共同)
ーーー
トルコに原発を売るのは三菱重工業
番組内での話もありましたが、アメリカ・サンオノフレ原発の事故の原因は三菱重工業の装置。

堀 潤 JUN HORI @8bit_HORIJUN 4月5日
カリフォルニアのサンオノフレ原発。再稼働問題に加え、放射性廃棄物の処理費用なども問題に。ロス滞在中から追いかけてきた問題なので今後も継続取材します。
欠陥が見つかった装置は三菱重工製。
San Onofre's other problem
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-alley-san-onofre-20130404,0,5418904.story
ーーー大丈夫?地震国トルコ
そして、トルコは地震国です。
1999年8月17日、トルコ北西部で発生。マグニチュード7.8の地震。
2011年10月23日にトルコ南東部で発生。マグニチュードは7.2。
2011年11月9日再び東部でマグニチュード5.7の地震が発生。
データが古いけれど・・・
世界各国の地震頻度(1980~2000)

マグニチュード5.5以上の地震の頻度(1980年から2000年にかけての20年間の年平均回数)を見ると、
日本は年1.14回であり、中国の2.1回、インドネシアの1.62回、イランの1.43回に次ぐ、
世界第4位の地震大国となっている。
その他の国を頻度の高い順に並べると、
アフガニスタン、トルコ、メキシコ、インド、・・・・・
こんなトルコに三菱重工業が原発を輸出する
ー追記 2013年10月30日ー
トルコ:安倍首相が原発輸出の合意歓迎
毎日新聞 2013年10月30日 11時17分(最終更新 10月30日 11時45分)

【イスタンブール(トルコ西部)宮島寛】
トルコ訪問中の安倍晋三首相は29日夜(日本時間30日未明)、
エルドアン首相とイスタンブールの首相府分室で会談した。
これに先立ち、トルコ政府は、三菱重工業、伊藤忠商事などの企業連合体と原発建設受注で実質合意し、
安倍首相は会談後の記者会見で「大変喜ばしい」と合意を歓迎する意向を表明した。
東京電力福島第1原発の事故発生以来、日本の原発輸出が実現するのは初めて。
安倍首相が5月にトルコを訪問した際、日仏の企業連合が優先交渉権を獲得していた。
トルコ議会の承認を経て、正式に契約を結ぶ。
安倍首相は共同記者会見で
「福島第1原発の経験と教訓を世界で共有することにより、
世界の原子力安全の向上を図っていくことは我が国の責務」と強調。
そのうえで、
「トルコなどの原子力協力を求める国に制度整備や人材育成の支援を通じ、安全確保を促す」と語った。
これに対し、エルドアン首相は
「事故の危険性を無視してはいけないが、私たちは原発が必要だと信じており、進めていきたい」と応じた。
また、会談では、
トルコに原発技術者を育成するための科学技術大学を両国協力の下で早期に設立することで合意。
両首脳はこれらの内容を盛り込んだ共同宣言を発表した。
両国の経済連携協定(EPA)交渉については、エルドアン首相が会見で、
「交渉も早期に開始したい」と述べ、
来年1月にも同国経済人らを伴って日本を訪問し、協議を加速化する意向を表明した。
安倍首相は29日深夜(日本時間30日朝)、政府専用機で帰国の途についた。30日午後に帰国する。
ーーー
安倍が総理大臣になってから初めての臨時国会の開催中なのに、
国会を欠席してまでのトルコ行商訪問です。
安倍総理は三菱重工業とか、伊藤忠商事から、一体いくらお金をもらっているのでしょうか?
これじゃあ、小泉元総理が、「原発ゼロ」といくら言ったって、
安倍は原発を売り続けるんだろう。
2013年10月16日 小泉元総理の講演全容
小泉元首相「脱原発」講演 全容を聞くBS-TBS(小泉演説部分文字起こし)
安倍総理が国会を欠席していることについて維新の会の議員の国会中継あり2013年10月29日
公共放送(NHK)の在り方を考えると、(安倍晋三の)友達ばかりを集めるのは違和感がある
放送開始日:2013年4月6日(土)~
Web公開日:2013年4月9日(火)
ゲスト:保坂展人さん(東京都・世田谷区長)
パーソナリティ:湯浅誠(社会活動家)
小出裕章ジャーナル
湯浅:
この番組には原発についての様々な質問が寄せられています。
中には「もっと原発の基本から学びたい」というリスナーの声も多くあります。
そこで今日は
「そもそも原子力発電とはどういうものなのか?」
「なぜ、原子力発電が危険なのか?」
あらためて考えてみたいと思います。
まず、原子力発電所と火力発電所の違い。
どちらも代表的な発電所と言われますが、
そもそもこの二つの違いというのはどういうことなのか?教えていただけますか。
小出:
どちらも電気を起こすという機械ですけれども、
もともと200年ほど前にジェームスワット達が蒸気機関というものを発明しました。
それまでは、例えば農業をやるためには家畜を使っていたし、
一部の贅沢をしたい人達は奴隷を使っていた訳ですけども、
蒸気機関というものが発明されてからは、
水を沸騰させて蒸気をつくる事が出来るなら、その蒸気の力で機械が動くと。
そうなれば家畜もいらないし、奴隷もいらないという、そういう時代になったのです。
発電ということもいわゆる蒸気機関でして、
噴出してくる蒸気でタービンという羽根車をまわして発電するという、
言ってみれば、200年も前からできている大変古めかしい装置なのです。
火力発電所の方は石炭、石油、天然ガスというような、いわゆる化石燃料を燃料に使いますし、
原子力発電所の場合にはウランというものを使う。というのが違いです。
湯浅:
どちらも蒸気でタービンを回して発電するというところは一緒だけども、
何を燃やして蒸気をつくるか?というところが化石燃料とウラン。
その違いだという事ですね。
小出:そうです。
湯浅:
だとすると、同じ蒸気でタービンを回すなら、
なぜ、原子力発電所だけは都会には決して作る事が出来ない、そういうものなんでしょうか?
小出:
それは燃料が違う。
つまり原子力発電ではウランというものを燃料にしているという事に由来しています。
ウランはもともと放射性物質で危険なものですけれども、
そのウランを核分裂という現象を起こさせてエネルギーを取り出そうとするのですが、
一度核分裂という現象を起こさせてしまいますと、
放射能の強さが1億倍にも増加するというような現象でして、
湯浅:1億倍ですか
小出:
1億倍です。
いわゆる核分裂生成物という放射性物質が大量にできてしまう。
だから原子力発電所だけは決して都会には造れない。という事になりました。
おまけに原子力発電所、先程聞いていただいたように、蒸気機関の一種なのですが、
大変効率の悪い蒸気機関でして、
発生させたエネルギーのうちたった3分の1しか電気にならない。
残りの3分の2はどこかに棄てなければ動く事が出来ないという、そういうバカげた装置なのです。
棄てる場所が必要ですので、なかなか都会では出来ないということにもなりました。
湯浅:
なるほど。
その造られたエネルギーの電気のうちの、3分の1しか使えないと。
3分の2は棄てなきゃいけないと。
小出:そうです。
湯浅:どこに棄ててるんですか?
小出:
基本的には、日本の場合は海に棄てています。
棄てると言っても、じゃあどうやって棄てるのか?という事になりますけれども、
海水を発電所の敷地の中に引き込みまして、その海水に熱を棄てる。
つまり海水を温める。
そしてまた海に戻していくということで、
使えない、本当に無駄になってしまうエネルギーを棄てているのです。
湯浅:
うーん。
げんしりょく発電は作りだしているエネルギーの3分の2を
海を温めるために使っているという事ですね。
小出:
そうです。
私に「原子力というものがどういうものか」という事を教えてくれた人。
私が、ま、数少ない先生と呼ぶ人の中に、
かつて東大の原子核研究所というところで働いていらっしゃった
水戸巌(みと いわお)さんという方がいらっしゃるのですが、その水戸さんがある時私に、
「皆さんが原子力発電所と呼んでいるものをそういう呼び方で呼ぶのは間違っている」と言いました。
「どうやって呼べばいいのかな?」と、私がふと思ったら彼が、
「あれは『海温め装置』と呼びなさい」と、私に教えてくれました。
湯浅:
確かにそうですよね。
3分の2海を温めているのに使っているんだったら、
作られている電気のメインの使い方は海を温めることで、
家庭とか、工場に電気を送サブの役割だっていう事ですね。
小出:
そうです、はい。
その事を私は水戸さんから教えてもらって、
「物事というのはちゃんとやっぱり見なければいけないのだな」という事を学びました。
湯浅:
なるほど。
それで現在日本には54基の原子力発電がある訳ですけれども、
どうして電力会社は、他の選択肢があるにもかかわらずですね、ここまで原発を進めてきたんですかね。
小出:
沢山の理由がありますけれども、
まず電力会社というのは会社ですから、「金儲けをする」という事が基本的な目的です。
そしてみなさん、たとえば何か物を買う時には、
あっちこっちの商店に行ってみたりしながら、自分の気に入った物を
そして少しでも安い物というのを選ぶと思うのですが、
電気の場合には選べないのです、消費者の側からは。
いわゆる地域独占という形になっていまして、電力会社を選ぶことが出来ない。
ではその時の電気代というのはどうやって決めるか?と言うと、
電気事業法という法律で決められているのです。
その電気事業法で、
いわゆる会社ですから必要経費はあるだろう。
その他にも会社ですから儲けも取るのは当然だ。と。
じゃあその儲けというのを一体どうやって決めるか?という事なのですが、
普通の企業であれば、自分の努力で儲けを。
電気の場合には法律でその儲けの仕方が書いてあるのですね。
それを私たちは「総括原価方式」と呼んでいますけれども、
湯浅:
総括原価方式
この間何度も話題になっていますね。
小出:
はい。
電力会社が持っている資産の何%分を毎年も受けてもよいというそのような決め方なのです。
そうすると、電力会社としては資産を持てば持つほど儲けが増えるという、
法律が保証してくれるという仕組みなんですね。
原子力発電所というのは1基つくると4000億円、5000億円という巨大な資産になるわけで、
つくってしまえばもう自動的に金もうけが出来るというシステムが法律的にできてしまっていていた。
ですから電力会社としては、原子力発電所が動こうとうと動かまいと何でもいい。
とにかく造ってしまえば金儲けが出来るという、そういう事になってしまいました。
湯浅:
先日、経産省の委員会でしたっけね、
7年後の発送電分離。
まぁ、自分で電力会社を選べるように、
この間の9つの電力会社の地域独占体制を変えていくんだというふうに答申を出したかと思うんですが、
小出さんはそれによって、今おっしゃられた様な課題が、いくらかでも変わるとお考えですか?
小出:
送電と配電ですか?
その分離をするという事が出来れば、原子力は絶対に潰れます。
ただ電気というのは人々が生きるためにかなり重要なインフラですので、
本当にどうする事が人々の幸せに繋がるかという事は十分に議論すべきことだと思います。
ただいずれにしても現在のように
原子力発電を造ればひたすら電力会社が儲かってしまうというようなことは、
やはり止めなければいけないと思います。
湯浅:はい、ありがとうございました。
ーーー
Wikipedia 水戸 巌
(みと いわお、1933年3月2日 - 1986年12月30日)より
「えこ&ぴーすActio」1252号(2007年9月25日)
何より温暖化対策を真剣に考えるのならば、膨大な温排水を出している原発こそ真っ先に停止すべきです。
100万キロワットの原発の原子炉の中では、300万キロワット分のエネルギーが出ています。
電気になっているのはたった3分の1で、残りの200万キロワット分のエネルギーは海に棄てています。
私の恩師である水戸巌さんは、
「原子力発電という名前は正しくない。正しい名前は『海温め装置』だ」と指摘されました。
私はこれを聞いて、目から鱗が落ちる思いがしました。
確かに原発のエネルギーの3分の2は海に棄てられ、海を温めているのですから
「海温め装置」と呼ぶのが正当です。
これは海の生物にとっては大迷惑な話です。
100万キロワットの原発1基は、1秒間に70トンの海水を7℃温めます。
東京の主要河川である荒川でも、1秒間に30-40トンの流量だと思います。
1基の原発は、荒川以上に巨大な川の水を7℃も温めて海に流しているのです。
日本にある55基の原発全体からは、1年間に1000億トンの温かい水が排出されます。
日本全土に降る雨の量は1年間で6500億トンで、そのうち川に流れるのは4000億トンです。
つまり原発は、毎年日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。
温暖化対策を真剣に考えるなら、炭酸ガスを問題にする前に
真っ先にこの「海温め装置」を止めるべきです。
(小出裕章)
http://youtu.be/DzYP6Stu6o8?t=34m29s
情報の提供と事故の教訓
水野:
堀さんは3.11以前から福島にもいろいろな取材をしてらしたっていうふうに聞いていますけど、
今聞いた「アメリカでも事故隠しがあった」
そしてずいぶん後になってから病気の問題などが出てきている。
こういう話を聞くと、「福島のこれから」を考える時に、
いろいろと示唆するものがあるかと思うんですけど、どう感じられますか?
堀潤:
二つあるんですけど、
一つはアメリカの状況も日本の状況も見ていて、一番改善しなきゃいけないのは、
「本人が自分の意思で決断できる状況をちゃんと作らなければいけない」っていう事だと思うんですね。
水野:たとえば、避難をするかどうか?という事、
堀潤:
避難をするかどうか?とか、
自分がここから遠くへ逃げるのか、それとも留まるのか?とか、
その人がいろんな判断をする時にちゃんとその判断材料になる情報を提供できるかどうか?
これは国もメディアも挙げて一斉にきちんと強化していかなければいけないと思うんです。
福島の問題で今でもやっぱり不安を抱えているお母さんとかに話を聞くとね、
「ああ、知っていればこういう選択があったのに」というふうにおっしゃる。
でも「知らなかったから選択が出来なかった」
これが一番つらい。
これはやっぱり何としてでも、もし次になにか災害があったり事故があったりした時には、
ちゃーんと現場の人達が自分の意思で、自分の行動を決定付ける事が出来る空間をつくること。
これはもう最優先でやった方がいい。
だから僕はメディアはどんどん自分たちの報道を検証して
新しいものを作って行くという思いで向き合った方がいいと思いますね。
で二つ目は事故を風化させない。、
これはどういう意味か?って言うと、
「事故を忘れないで」って言いますよね。
なにを忘れちゃいけないかっていうと、
事故が起きたことで明らかになった課題と、その課題を検証した結果、分かった解決策。
こういうものをきちんと社会のシステムやインフラにまで組み込んでしまう。
そこまでやらないといけない。
ある意味、事故で辛かった、苦しかった、しんどかったという思いを忘れるか忘れないか?っていうのは
その被害にあった、直面した本人の決断なんですね。
その本人の思いなんですよ。
だから外から「忘れないで、事故を」と、無責任には言えない。
でも自信を持って「忘れてはいけない」というのは、
事故の教訓。それをみんなで考えて解決策、
そういうものをたとえ全世界の人が忘れたとしても、
システムの中に組み込んで、機能させるというところまでしっかりやろうと、
そういうことを進めていくという事が、まぁ、我々メディアに関わる人間のね、
こう…、役割なんじゃないかなと思うんですね。
けっこうね、その事故を忘れないという言葉を便利に使う人もいるんですけれども、
毎日毎日事故の事を考えたり、ストレスを感じたりする事に、それを求めるのは酷ですよね。
水野:ん…、本当の解決策がね、ちゃんと見つかればと思いますけれど、
堀潤:
そういう感情的な話ではなくて、
システムとして事故の教訓をどう生かすのか?という事を訴え続けなきゃいけないと思うんです。
「パブリックアクセス」
水野:
本当に堀さん、沢山みなさんからメールを頂戴しました。
「番組の合間にコマーシャルが流れるって、初体験ちゃいますか?」
堀潤:
そうですねw
そうそう、これちょっと新鮮です。「CMです」とか言ってみたい。
水野:
「そして堀さんが目指すパブリックアクセスについてもっと多くの人達に知って欲しいんですけど」
「パブリックアクセス」ってどういう事ですか?
堀潤:「パブリックアクセス」って水野さん、聞いた事あります?
水野:すみません、知りません。
堀潤:
実を言うと、これは僕も震災以降いろいろと調べていくことで知った言葉なんですけれども、
「国民であれば誰でも電波を使える権利」のことなんですよ。
つまり電波を使って放送が出来る、国民であればだれでも。ということで、
実はこれちゃんとアメリカや、ヨーロッパの各国、イギリスであったりとか。
あとアジアで言うと、韓国、台湾などでは法律で保障されている権利で、
その受け皿となるのは大体公共放送なんですよ。
つまり市民がこういうニュースを作りたいと思って、映像を撮りますよね。
映像を公共放送にもっていきますよね。
そしたらそれを流すんですよ。
そのまま。
水野:ん~~、
堀潤:
あとは、そんな市民の手助けをするために、
たとえば、イギリスのBBCは専門のチームがいて、機材を貸し出したりディレクターを派遣して、
「じゃあいっしょに、市民と一緒につくりましょう」と言って研修もかねてね、やったりする。
やっぱりその、なんて言ったらいいのかな、
放送というのが一方通行で、「メディア側がつくって出すものだ」ではなくて、
市民側がきちんと参画して、自分たちの思いをマスメディアの中にのせていくっていうことが、
権利として保障されているんですね。
水野:へぇ~~
堀潤:
それって日本には、かねてより言われているんだけどなかなか実現してこなかった。
これはぜひ、いま実現したらね、
水野:堀さんは具体的に何をするんですか?
堀潤:市民の発信力を強化するんですよ。
水野:どうやって?
堀潤:毎日放送で流してもらう。
水野:
私たちの報道するラジオは、
リスナーの方のご意見を本当にできるだけ沢山ご紹介するというやり方はやっているんですが、
堀さんのやり方はどんな
堀潤:たとえば番組の構成段階からやってもらうんですよ。
水野:は、は、
堀潤:市民に。
水野:はい。
堀潤:
ラジオ局、テレビ局の人はこういう視点で番組を作るかもしれないけど、
私たち市民はそこに関心事がない。
もっと違うテーマにして欲しい。
「あ、じゃあ、一緒に台本作りましょう」みたいなね、形で参画していくと、
もっと双方向のやり取りができる。
今日も、沢山メッセージを頂いたんだけど、
水野:
私たちはね、「構成作家がリスナーの方です」って言ってるんですよ。
本当に何が聞きたいか?
今なに知りたいか。というご意見を下さるんですね。
それを私たちが一緒にやって行きましょうという形は、まァ、一生懸命やってはいますが、
でも、堀さんが目指されるものは、もっともっと具体的にね、取材をして、
堀さんは、ハッキリ言って今までだったらNHKのお金で取材できたじゃないですか。
でもこれからはそうじゃないですよね。
取材にお金も要りますよね。
そのあたりはどうやっていきはりますか?
堀潤:
それはね、インターネットなどで、
たとえばね、僕はこういう取材をしたいんですが、
その取材をきちんと見たい人はぜひ告知でいいので資金を提供してくれませんか?
いわゆるクラウドファンディングみたいなね。
水野:
クラウドファンディング。
ファンドっていったらお金を出して積み立てるっていうことですね。
堀潤:
そうですね。
たとえばね、海外とかアメリカでも進んでいるんですけど、
たとえばもの凄くカッコイイデザインのマグカップを作りたいんです。新しい素材なんです。
でもこれを開発するためには150万円必要なんです。
それに賛同した人が、じゃあ私1万円、私3千円、私20万円とかいって、
インターネット上でどんどん寄付していくとお金が集まってそれによって製品が出来ました。
ぼくはこの製品を基に会社を起こしました。
みたいな、こういう仕組みっていうのが海外では出来上がりつつある。
水野:それを情報でやって行こうという事ですか?
堀潤:
今、メディア側ってお金がないじゃないですか。
調査報道やるのって大変ですよ。
取材費かかるし、
水野:時間とお金と、ほんとかかるんですよね。
堀潤:
テレビ局も出版も新聞も調査報道部門というのがどんどん弱っていっている。
でもその部分ってものすごく大事だから、
本当に市民が求めているものをちゃんと取材してくれるのであれば、
私たちはお金を投じようという企業が少しはあるんじゃないかなって思うんですね。
水野:
あー、平野さん、
たちは今、調査報道、真実に迫っていくためのお金をどうするか?っていう事が、
メディアは大変な時に来ていますものね。
平野:
そうですね、日本でも市民記者という概念でいろいろな試みがあるんですが、
なかなかうまくいかないんですよね。
何故かというと、事実の認定というのを誰がするのか?と、
水野:そうか。
平野:情報は集まるけれども、それが事実なのかどうか?っていう、
これが既存のメディアが吟味してやるというのがやっぱり研ぎ澄ましていかないとダメなんですよね。
だからネットの情報は玉石混沌と言いますけれども、
本当のその中の事実というものを突き止めるという意味では、今我々もですね活用しながら、
ネットのニーズを活用しながら、事実を突き詰めていくという役割が
非常に大きくなっているような気がしますね。
水野:
新しい試みをなさるジャーナリスト、元NHKアナウンサー堀潤さん。
ありがとうございました。
リスナーのみなさんからも応援のメッセージを頂戴しました。ありがとうございました。
(1)「クビを覚悟しないと言えないメディアの在り方とはなんだろう?」
堀潤さん4/5報道するラジオ(内容書き出し)
(2)「半世紀以上前の隠された原子力事故」堀潤さん4/5報道するラジオ(内容書き出し)