<3.逃げて>「そもそもつくるのを国策でやったんだから後片付けも国策でしょ。国策なんだから国で雇えば良いじゃん」林哲哉氏(福島第一原発の元作業員)&山本太郎氏(文字起こし)

2013年6月27日
「本当の事を言って、何か不都合でも?」― 山本太郎が学んじゃうよ―
~「逃げて」福島第一原発元作業員の話を聞く ~

林哲哉氏(福島第一原発の元作業員)

動画はこちらにあります↓
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87132



20130630112.jpg


山本:林さん、これ本当に実名なんですよね、これ。

林:うん、実名。

山本:でも、実名で自分自身でこういう事をしゃべるって、かなりリスクがありますよね。

林:
まァ、そう言われるんですけど、
でも、自分は何にもやましい事がないんで、
何にも悪いこともしていないし、
行って、たとえば行った先で、疑問に思った事をその場で聞いただけとかそれだけなんで、
何が悪いの?って

山本:
たとえば大企業ですよね、東電だったりとか、国。
国ですよね。原発とかは、この日本の中では。
この国っていうものに対して告発するっていう事と一緒ですものね。
その大きな権力に対して告発するっていう事、実名でやるっていうのは何故なんですか?


林:
いや…、もうただ単に、自分は何にも悪いと思っていないんで、
なんも責められる理由もないし、
で、じゃあって納得いかない事がいっぱいあるじゃないですか。
それを「なんで?」って聞いているだけなんですけどね、
簡単に言うと。

山本:一点の曇りもないよと。

林:はい。

山本:自分自身は。

林:はい。

山本:
だから実名でいくんだと。
うーん、なるほど。
でもたとえば東電から訴えられるとか何とか、そういう可能性も無くはないわけですよね。

林:なに訴えるんですか?

山本:
わかんないですけど、なんかいちゃもん付けて
その上げ足を取ろうと思ったらいくらでもとれるじゃないですか。
たとえば、裁判とかいう事になってしまったらどうするんですか?

林:いや、いいっすよ。

山本:(笑)裁判(屮゚Д゚)屮カモォォォン!!そういう事ですか。

林:
もう、言って下さい、逆に。
全部の会社に向こうから訴えて欲しいくらいです、どっちかっていえば。


山本:「クローズアップしてくれ」と。この事に。

林:
どんどん訴えて下さいって。
今まで、あそこでかかわった会社全部訴えてくれて全然構わないですよ、誰でも。

山本:その部分に光を当てて、林さんが世の中の人達に伝えたい事ってどういう事ですか?

林:いやぁ・・・・・「にげて」
「逃げた方がいいよ」って。

山本:それは、作業員のみなさんにですか?

林:いや・・・・・・、周辺で暮らすっていうか、周りの人達。

山本:国が棄権としているエリアはあまりにも狭すぎるっていう事ですか?

林:はい。自分はそう思います。行ってみてそう感じました。


被ばく量

山本:林さん自身はどれ位被ばくしているというか、原発で。

林:
自分は多分トータルでも2ミリちょっとぐらいですかね。
それが多いのか少ないのかは分からないですけれども、

山本:
でもね、国際基準年間1ミリという事からいくと、
その作業、その短い期間の間だけで2ミリ被曝したっていう事ですものね。

林:
それは自分は承知の上で行ったんで、
最初に行く時に、ま、20ミリは自分で受け入れようって。
その先どうなるか分からないけれど、とりあえず20ミリまでは自分で受け入れようと思って、
そのつもりで行ったんで、

山本:
これ、年間、1年間に被曝していい量っていうか、
その限度が20ミリなんですね?

林:
えーっと、国の基準では年間50とか、で、5年で100っていうのがあるらしいんですね。
で、東電の基準は一応年間20を目安にしている。
そもそも、行く時からしておかしいんですよね。
自分は最初2月か3月に言って、4月から来てくれっていう事で行ったんですけど、
4月になっても音沙汰がないんですよ。
すぐにでもね、最初は「来てほしい」って。
「もう20ミリでどんどん人が居なくなるから」って言ってたんですね。
なのに、4月になって全然音沙汰がなくて、
「いつから?」って、何回電話しても
「いやちょっと延びてる」「今延びてる」っていうようないい訳ばっかりで、
最終的に、なんか、
年間20っていう基準があるんですけど、年度末で区切られる」っていうんですよ。

山本:はぁ・・・あー、そういうことですか。

林:
要は、4月1日から3月31日までで年間20以内であればOK。
だから、


山本:それ・・・すごい

林:
2月3月にやったやつは20浴びても、そのまんま、
4月からまたゼロからカウントするから、もう20までOK!
4月5月、2ヶ月大丈夫ですよ、
っていう。

山本:
めちゃくちゃやな、やっている事。
「年間20ミリまで被ばくしたら許しませんよ」っていう顔しておきながら、ね。

林:「年度末できるからいい」っていう

山本:3月いっぱいまでに20ミリまで被曝させておいて、
4月1日からまた20ミリ被曝させることができる。
「都合40ミリだよ」っていう…。

林:
OKみたいなんですね、それが。
「そういう基準でそこで区切るからいい」って。
一遍に浴びちゃいけないから年間20ミリっていう基準にしてるんでしょ?
だから少しずつ浴びて少しでも被ばくを。っていう事のルールでしょ?おそらく。
なのに、3月31日で人の身体をきれるのか?っていう・・・えぇっ??みたいな。

山本:
・・・・・・すごいな。
あの、その後体調とかに変化はないですか?

林:いまのところは。

山本:
たとえば、作業員の仲間だったりとか、先輩だったりっていう方が沢山いらっしゃると思うんですけれども、
そういう中で話を聞いたりとかはありました?

林:
結局みんな初心者、初心者っていうか素人っていうか、今回新しくっていう人が多いんで、
まだ、最初に入った人達は1年2年しか経ってないじゃないですか。
だから、特別…っていう人は自分の周りにはいなかったですね。

山本:なんかこう、現場の中に長老っていう人が絶対に居なくては

林:そう、わからないんで。

山本:
毎回新しいチームで、全国から集まってきて、またバラバラになるから。
その後、その人たちがどうなったかもわからないし、

林:
そうですね、だからそういう情報は入ってこないですね。
ただ、配管があって、もともとの排水の水を通していたところなんですけれども、
それを覗いたら一瞬で目がやられた
っていう人は聞きましたけれどね。

山本:どういうことですか?

林:
えーっと、汚染水を通していた管らしいんですよ。
それをなんか、溶接かなにか漏れているところをするって工事に行った人が居て、
何人かで行くじゃないですか。
で、ここに居る分には何ともないんですよ。
でも、覗いた瞬間に警報機が一瞬で鳴って、
で、目が網膜をやられて…っていう人がいましたね。


山本:粘膜から入って

林:
覗いた人だけは、みんな、片っ端からなって行く。
覗かなかった人は大丈夫
みたいな。

山本:どうなったんですか?目が。

林:その人は1週間ぐらいの間ずっと真っ赤で、失明とかはないみたいですけど

山本:
でもなんか、チェルノブイリに僕は2011年の冬に行ったんですけど、
その時に収束作業員のメンタルケアをしていた女性の方が、
「目の手術を5回やった」って言ってましたね。

林:ん~~。

山本:
「角膜の手術を5回やった」って。
だからやっぱり、線量が高いところだったりっていうのは、ブロックしないとダメなんですよね。

林:
やっぱり粘膜とかそういう所、網膜とかそういう弱いところから多分やられていくんでしょうね。
その人がこれからどうなるかは分からないですけど、

山本:
やっぱり、作業してて被ばくすることを覚悟して、現場に入るんですよね。
ということは、それを雇う方もそれのケアというか、
被爆者手帳みたいなものもお持ちなんですか?

林:
はい、あります。
一応、放射線管理手帳というのがあって、
そこに一回の作業とか、一回入ったごとに何ミリ浴びたというのを累積で足していくのかな。


山本:
で、もしもそれで、なにか病気が起こったとしても、
なにかこう、無いんですか?そういうケアみたいなものは。
原発作業に入った人達、そして年間20ミリ浴びた人たちだったりとか、っていう人たちに対して、
生涯補償的なものは?

林:そういう説明は一切なかったですね。

山本:
「因果関係が」っていう話になってくるんですね。
質問です。
健康診断とかちゃんとやってもらえているのかな?
現場作業を辞めたら健康診断とか、被ばく管理だけじゃなくて、
作業員の人達の後追いっていうのは全くされていませんか?

林:全く。聞いたこともない。

山本:
聞いたこともない、無いそうですよみなさん。
こういう質問もきています。
これはあんまり今回の事とはあれなんですけど、
フランスからMOX燃料が届きます。
現在も荷上げ中という事です。
政策の破たんによる余剰プルトニウムのために国をあげて
プルサーマル発電の必要性がこれからどんどん宣伝されていくことになると思います。
という話ですけど、
どうですか、林さんは、その事についてはどう思われますか?


林:いや、あ…「まだ続けるの?」って。

山本:
ハッキリ言って、この国はこの国の未来を諦めているからこそ、まだまだこれを続け様とするんですよね。
「行けるとこまで行こうぜ」っていう感覚だと思うんですよ。
じゃなかったら、林さんが見た景色、現場で感じた事っていうのはおかしなことだらけだったじゃないですか。

林:
そうですね、
自分は現場で見て、やっぱ、線量が高いところはほとんど人がいない。
「手が付けられない」っていうのを見てきているから、


山本:何も進んでいない?

林:
はい、何も進んでいないと思います。
本当に、肝心なところは何にも進んでいないという…。のを見てきているから、
「手に負えないっていうのを分かっているのにまだやりたいんだ」って。

でも、行ってる時も確かなんかニュースとかでやってたんですけど、
「東芝だかが、20年分のプルトニウムを買って、さらにもう20年分を買おうとしている」とか。
「えぇーー?」って。
「日本中で一個も動いてないのに、買うの?それ」って。
「あ、買うんだ」って、それをパソコンで見ながら、こっち見たら、自分ちのテレビが東芝って書いてあって、
「あぁ・・><」

山本:
別にね、テレビつくったり冷蔵庫作ったりしたってたいして儲からないですもんね。
ポンッ!っと大きく儲けるためには、ね。


林:結局回さないと、もう既に買っちゃった20年分が回せば資産だけど、ゴミになったら多分負債だから。

山本:
そうですよね
これはもう今止めないとどうしようもないところまで行っちゃいますよね。
っていうかまあ、「もうやるしかないんだ」
もう突き進むしかないんだという人たちが今国を動かそうとしているから、
これ何とか止めないといけないんですよね、本当に。
で、それ止めるためにどうするんだって言ったら、沢山の人に知ってもらうしかないいんですよね。


林:そうですね。

山本:
で、もう未来は無いんだから、もう突き進むんだ。もう、儲けられるだけ儲けようぜ。
最後の人儲けやっているんだよっていう、利害が一致している人たち、
マスコミもそうですけど、っていう情報で。
だって、こんな林さんが言われている事だったりとか、
昨日の今野さん、初日の安倍がしているようなことが、
テレビで大々的に報じられたりする事ってほとんどないですもんね。


林:そりゃぁ無いでしょうね。

山本:
だから、知れないんですよ。
なんでみんな立ち上がらないのか?って、立ち上がれるわけがない。
知らないから。
だからこう言った場に林さんに来ていただきて、
どれ位の人が見ているのか?って言うと、爆発的な数字ではないですけれども、
こうやって、少しずつでも知って行ってもらうっていう事がそのきっかけになる。
「このままじゃ本当に危ないんだ」っていうのを。

林さんやっぱり、中に入られて、
「裁判逆に訴えて欲しいよ」
「世の中の人に話をいっぱい聞いてもらいたい」
「知ってもらいたい」
「どうしてですか?」
「危ないんだ」
「今国が引いている安全の線というのはおかしな線なんだ」っていうことですよね。


林:おかしいと思いますよね。

山本:
これ、この先どうなっていくと思われますか?
現場を見てね、
福島第一原発という部分だけにフォーカスを当てたとしたら、収束はしますか?


林:いや、みえない。
っていうか、それが見える人がいるのか?っていうのが疑問でもあります。
どうなの?どうなんですかね??

山本:
もう収束宣言という事を言わないと、どうしようもない状況だったんでしょうね、建前としては。
収束の仕方が分からないから。

林:
だって、現場で東電の放射線管理教育というのがあって、最初に基礎教育を受けるんでね、
それ、多分社員の人だと思うんですけれども、みんなにこう、放射線知識っていうのを教えながら、
ぼそっと言ってましたもん。

山本:なんてですか?

林:「あれはまァ、収束とは言えないんだけどねぇ」

山本:
現場の人達が一番よく分かっているっていう事ですね。この状況に。
で、実際はほとんど進んでいない日回この収束作業なんですけど、
でもやっぱり、その現場に居て動いてくれている人たちがいなかったら、
ぼくたちは今こうやって暮らせていないわけで、本当に頭が下がる思いで
その人たちに対してちゃんと被ばく管理だったりとか、
ピンハネされずにちゃんと労働対価を支払うっていう当たり前のことが必要ですよね。


林:
「そもそも、国策なんだから国で雇えば良いじゃん」って。
「つくるのを国策でやったんだったら、後片付けも国策でしょ」って。
そうしたら、「公務員でちゃんと雇いなさいよ」みたいな。
「それが普通じゃないですか?」って。


山本:
ね。なるほどーー!どうですか、皆さん本当に。
どよ~んとしました?でもこれが現実なんですね。
この現実を何とか変えなきゃ、ね、本当に。


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