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02.16
Sun
3.11以来、東京近郊の在住者および福島からの避難者など
子どもたち一人ひ­とりに時間をかけて診察されてきた三田茂医師のお話です。
これからの甲状腺疾患について要点を話されていましたので、その部分を文字起こししました。


2014年2月14日
三田茂医師「関東の子どもたちの異常について」
放射線被ばくを学習する会(top page)




文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/VfuEZPvsWm8?t=17m31s

三田茂医師(小平市三田医院・院長):
僕の大学は信州大学で菅谷先生の学校です。
同級生に聞くと「菅谷先生に教わって講義が面白かった」というんですけど、
僕はよく覚えていないんですけど(笑)
菅谷先生の一応教え子という事になっています。

で、とても厳しいんです、信州大学は甲状腺に関して。
これは、長野県というのは甲状腺疾患の多発地帯だったんですね。
海がないから。
だから地方性の甲状腺腫のこんな大きな写真なんかも見せられましたし、
試験も厳しかった。
卒業して東京に帰ってきて、病院で甲状腺のことを、ちょっと困った時にまわりを見てみると、
東京には甲状腺の病気が得意な人はあんまり居ないんです。


・甲状腺がんは高齢者の病気である(あった?)
甲状腺がんという病気。
これは今子どもの甲状腺がんが問題になっているけれども、「高齢者の病気」なんですね。
あるいは、今まではそういう理解だった。
だから、甲状腺がんが40代で無いことは無いんだけれども、
甲状腺がんを扱い慣れてる先生たちは、
「放っておいても大丈夫なんで、もうちょっと待っても大丈夫」っていう感じです。


・甲状腺がんは進行してから手術しても大丈夫である(あった?)
甲状腺がんは進行してから手術しても大丈夫で、ある、あった。
今まではね。
だから「ちょっとグリグリしていたものが大きくなってきました」と、
そういうのをすぐに甲状腺、内分泌科の先生にみせても
「こういうのはまだ内科医のガイドラインではいいんですよ」っていう
「どんどん大きくなっても、大きささえ大きくなければいい」みたいなことを平気で、今までは言われました。


・小児科医は甲状腺疾患の経験がない
これはね、ほとんど「ない」と思います、小児科医は。
上に書いてある通り甲状腺がん自体が高齢者の病気であるし、
小児科が診る甲状腺疾患というと、さっきのびまん性の機能性障害ですよね。
甲状腺機能低下症とか、バセドウ氏病とか、せめてそれ位。
「私は小児甲状腺の専門です」っていう小児科の先生と今回何人か話をしましたけれども、
甲状腺がんはみた事がない」とみんな言っています。

それから、小児甲状腺の専門の先生は、「超音波を触ったことがない」とみんな言います。
当然自分で機械を持っていないです。
ですから小児科の先生に、「子どもなんだから甲状腺をみてくれ」というのはやっぱり無理なんです、これは。


・東京は甲状腺疾患が少ない土地であった
さっき言った通りですね。
病院に入って見回してみると、だれも甲状腺の事をよく知らない。
こんなに大きな都市で、何千万もこの地域に住んでいるのに、「伊藤病院」ぐらいで事が足りていたんですね。
こんなところに病院が一つで足りていい訳がないけれども、
やっぱり東京には甲状腺疾患が少なかったので、
「東京の医者というのは甲状腺に対してのセンスは悪い」と僕は思いますね。


・甲状腺エコーは発展途上
これはデジタルの機械が出始めてどれ位になるんでしょうか、10年位になるのかな。
で、それまでのアナログの機械と、今のデジタルの機械は見え方が全く違います。
それから、デジタル機器というのはテレビでも何でもそうだけれども、
4年、5年経つともう世代が違うんですね。
ですから「昔の10年、15年前のいろんな論文と比べてどうだ」というのは
ちょっとナンセンスなんじゃないかとおもいます。
「じゃあ比べようがないじゃないか」と言われちゃうかもしれないけれども、比べようがないですね、今ね。

だから、昔の事と比べているよりは、
みんなでこれからどんどんどんどん検査をして症例を積み重ねていくという事が大事じゃないかと思います。
いずれにしても僕はずっと訴えてきたつもりですけれど、なかなか乗ってくれる医者はいませんでした。


・甲状腺がんはヨウ素のみが原因ではないらしい!
やっぱりヨウ素が原因だっていうのは、
ベースはそうなんでしょうけど、IAEAもそう言っているし、WHOもそう言っているかもしれないけれど、
ベラルーシとかウクライナに行った先生、僕はチョト暇がなくてまだ行っていないんですけど、
行った先生たちがむこうのドクター達と話をしてくると、
どうもヨウ素だけでは無くてセシウムとか他の核種も関与しているらしい
と向こうの先生たちは思っているようです。
ですから「ヨウ素だけだから」という事で話を進めるのは、
前提としては僕は間違いじゃないかと思うんですね。



・放射能が甲状腺がんに与える影響は?
放射能が甲状腺腫瘍に与える影響。
これはもともと高齢者の病気で、
多分若い時に小さいのが出来たのが、だんだんだんだんゆっくりゆっくり大きくなると、
しばらく進行してから手術して、たとえば
「リンパ節転移があってから手術しても、多くの甲状腺がんが大丈夫なんだよ」っていう、
そういう感覚が今まで甲状腺を扱っている先生たちにはあるんですけど、
今回被ばくしましたからね、私たちは大いに。
子どもたちだけではなくて、甲状腺腫瘍。

たとえば30年かけてようやっと表在化するような癌が、
もしかしたら半年で大きくなっているかもしれない。


それから、ある程度大きくなって転移しなかったような癌が、
1~2cmで転移しているかもしれない。


甲状腺の検査もそうですけれど、子どもたちだけではいけないと思います、いろいろ調べるのは。
全年齢で調べるべきです。


うちに子どもたちが心配で連れてくるお父さんお母さんのエコーもやってます。
1700人、述べにすると2000人以上はやっているんですけれど、
複数回やっている人も沢山いますから。
東京近郊、あるいは関東地方位の子どもに関して言えば、
子どもの甲状腺の、さっき言った結節性の疾患ですね。
のう胞みたいなもの以外の充実性結節。
ですから良性腫瘍も含めて腫瘍はほとんどみた事がないです。

大人の、お母さん、お父さんには、もう癌が何例も見つかっています。
40歳ぐらい。


一番若い人は30代のお母さんで、6mm位の癌です。
で、リンパ線は腫れてないと思ったんだけれども、耳鼻科の先生に、内科じゃないですよ、
耳鼻科の先生に頼んで手術をしてもらったのが、リンパ節に転移していました

ですから、「今後は今までの常識とは違うかもしれない」という目で見ないと、
甲状腺に関してもですね、大変嫌な思いをするかもしれない、と思います。

甲状腺に皆さん興味があるかもしれないけれど、甲状腺の話はこれ位にさせて下さい。



ーー血液検査に続く




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