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09.30
Wed
オリンピック追加競技5種目について報道があった。

5競技、18種目を東京2020大会の追加種目としてIOCへ提案
東京2020 2015年09月28日

本日(9月28日)、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、国際オリンピック委員会(IOC)へ提案する東京2020大会の追加種目を決定しましたのでお知らせいたします。
組織委員会からIOCへ提案する追加種目は以下の通りです。
2020



∑(`□´/)/ ナニィィイイイ!!
「サーフィン」だって!!∑o(*'o'*)o
どこの海でサーフィン!?Σ(・ω・ノ)ノ!

とりあえず2015年9月だけで福島第一原発はこんな感じ↓
<2015年9月の東京電力福島第一原子力発電所>作業員一人死亡・一人宙づり・高濃度汚染水漏れ→セシウム合計148万Bq/L、ストロンチウム90など330万Bq/L・他、汚染水漏れ多数

魚もこんな感じ↓
福島第一原子力発電所20km圏内海域魚介類のストロンチウム90とトリチウム測定結果2015年9月

海って広いけど、繋がっているんだよね…
海に出ちゃった放射性物質って、回収できないんだよね…

東京湾も↓
<東京湾の汚染>国の発表とズレ


そんな状態なのに、遠藤利明オリンピック・パラリンピック担当大臣って…

五輪追加種目の予選 福島などで開催要請
NHK 2015年9月29日 18時45分

遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣は、東京大会の組織委員会の会長を務める森元総理大臣と会談し、東京オリンピックの追加種目の予選を、東日本大震災からの復興を目指す福島県などで開催するよう要請したのに対し、森氏は前向きに検討する考えを示しました。
2020年東京オリンピックの追加種目について、組織委員会は28日、「野球・ソフトボール」や「空手」など5競技の18種目を、IOC=国際オリンピック委員会に提案することを決めました。

これを受けて、遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣は29日午後、組織委員会の会長を務める森元総理大臣と会談し、「福島県は、東日本大震災の被災地の中でもいちばんダメージの大きい地域で、福島県の内堀知事からは、例えば、野球やソフトボールなどを開催できないかという要望をいただいている」と述べました。

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そのうえで、遠藤大臣は「予選は何試合かできると思うので、福島県をベースにしていくつかの地方で開催する大会になれば、東京オリンピック・パラリンピックが、日本全体のオリンピック・パラリンピックになる」と述べ、追加種目の予選を、福島県などで開催するよう要請しました。

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これに対し、森氏は「福島県のことは当然考える必要があり、日本国民全体がオリンピック・パラリンピックに関心を持って喜んでもらえるなら、福島県だけでなく、地方で開催することも、十分意義のあることだ」と述べ、前向きに検討する考えを示しました。

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地方開催で盛り上がり期待
遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣は、記者団に対し、「ソフトボールや野球の予選ができて、日本中の多くの県で、自分のところで1試合でも開催できるとなれば、その地域の盛り上がりも違ってくる。予算や日程の問題があるので、簡単ではないと思うが、できればいろいろな地域で予選を開催できればありがたい」と述べました。






∑(゚∇゚|||)うっ!……


comment 3
09.30
Wed

福島第一原子力発電所の状況について(日報)
東京電力株式会社


2015年9月1日
《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日8月18日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。9月1日午前10時17分より海洋への排水を開始。同日午前10時25分に漏えい等の異常がないことを確認

報道関係各位一斉メール 2015年
福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr1)からの排水について

2015年9月1日 東京電力株式会社

本日(9月1日)午前10時17分、福島第一原子力発電所における地下水バイパス一時貯留タンク(Gr1-1,Gr1-2,Gr1-3)に貯留してある水の海洋への排水を開始いたしました。
排水状況については、同日午前10時25分に漏えい等の異常がないことを確認しております。

なお、当該タンクにおける分析結果については、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照願います。
 URL:http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/monitoring/index-j.html

福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr1)からの排水について(続報)
2015年9月1日 東京電力株式会社

地下水バイパス一時貯留タンク(Gr1)からの排水についての続報です。
本日(9月1日)午前10時17分より海洋への排水を実施しておりましたが(お知らせ済み)、同日午後5時50分に排水を終了しました。
排水終了後に漏えい等の異常がないことを確認しております。

排水量については1,875トンでした。



2015年9月2日
※本日午前4時55分頃、福島第一原子力発電所H2北エリアのタンクにおいて、協力企業作業員がタンクの梯子を昇る際に、負傷。フルハーネスタイプとD環付きベルトの安全帯を装着していたため落下は免れたが、梯子に引っかかった状態で当該作業員が助けを呼び、共同作業者に発見された。午前5時14分に入退域管理棟救急医療室へ入室し、医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると判断したことから、午前5時56分に救急車を要請。なお、当該作業員の身体に放射性物質の付着はない。

《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日8月18日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。9月1日午前10時17分より海洋への排水を実施していたが、午後5時50分に排水を停止。また、排水停止状態に異常がないことを確認。なお、排水量は、1,875m3。

報道関係各位一斉メール 2015年
福島第一原子力発電所 サブドレン他水処理施設の運用開始に伴うサブドレンからのくみ上げ開始について

2015年9月3日 東京電力株式会社

 福島第一原子力発電所の汚染水対策の基本方針である「汚染源に水を近づけない」、「汚染水を漏らさない」の対策として設置したサブドレン他水処理施設について、本日(9月3日)午前10時より、41基あるサブドレンの内、山側にある20基から地下水をくみ上げ、運用を開始しております。

 なお、午前10時40分、運転状態については異常のないことを確認しております。

 本日くみ上げた地下水は、中継タンクを経て、集水タンクに貯められます。

 また、本施設の運用開始にあたり、常務執行役福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデントの増田からのコメントを、当社HPにてお知らせさせていただいております。
 URL:http://www.tepco.co.jp/news/2015/1259122_6888.html

 サブドレン他水処理施設の日々の運用状況については、当社HPに特設ページを設け、公表してまいります。
 URL:http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/sub-drain/index-j.html
subdrain_c_2.jpg

img_sectional03.jpg




報道関係各位一斉メール 2015年
3号機使用済燃料プールへの重機からの油漏れについて

2015年9月3日 東京電力株式会社

 本日(9月3日)8時3分頃、福島第一原子力発電所3号機の使用済燃料プール内において、がれき撤去用鋼材カッターの油圧ホースと養生材が接触し、プール水面に油圧ホースからの油漏えいが発生したことを確認しました。このため、8時14分に双葉消防本部へ連絡しました。

 がれき撤去用鋼材カッターの動作を停止したことにより漏えいは停止しました。燃料プールにはオイルフェンスを設置しており、油はその中にとどまっているため使用済燃料プール代替冷却系への油漏えいの影響はないものと考えております。

 なお、油回収のため燃料プール代替冷却系を8時15分に停止しました。燃料プール水温度は現在25.8℃であり、運転上の制限値65℃に対して余裕があります。

 使用済燃料プール内の油を回収した後、冷却を再開します。



2015年9月3日
※本日午前8時3分頃、3号機使用済燃料プール内において、がれき撤去用鋼材カッターの油圧ホースと養生材が接触し、プール水面に油漏えいが発生。がれき撤去用鋼材カッターを停止したことにより漏えいは停止した。なお、燃料プールにはオイルフェンスがあり、使用済燃料プール代替冷却系には影響がないものと考えているが、油回収のため使用済燃料プール代替冷却系を午前8時15分に停止した。冷却停止時の燃料プール水温度は25.8℃であり、運転上の制限値65℃に対して余裕があるため、使用済燃料プール水温度の管理上は問題ない。
午前10時45分に油回収作業が完了したため、停止した使用済燃料プール代替冷却系を午後0時30分に再起動し、運転状態に異常がないことを確認。現在の燃料プール水温度は、午後1時30分現在26.1℃と安定している。

※サブドレン他水処理施設については、8月12日から8月25日にかけて、各装置、機器の健全性確認(漏えい確認を含む)を行い異常が確認されなかったことから、本日午前10時に建屋周辺の地下水を汲み上げ、サブドレン他水処理施設の運用を開始した。


2015年9月4日
※9月2日午前4時55分頃、福島第一原子力発電所H2北エリアのタンクにおいて、協力業作業員がタンクの梯子を昇る際に、負傷。フルハーネスタイプとD環付きベルトの安全帯を装着していたため落下は免れたが、梯子に引っかかった状態で当該作業員が助けを呼び、共同作業者に発見された。
同日午前5時14分に入退域管理棟救急医療室へ入室し、医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると判断したことから、同日午前5時56分に救急車を要請。
なお、当該作業員の身体に放射性物質の付着はない。
その後、いわき市立総合磐城共立病院にて9月2日より検査入院をしていたが、特記すべき外傷などなく、9月3日、退院するとともに今後の通院治療は不要と診断された。


2015年9月5日
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施中(2015年9月4日午後5時14分~)
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施中(2015年9月4日午後5時33分~)

※2014年8月29日午後0時45分頃、3号機使用済燃料プール内瓦礫撤去作業において、燃料交換機の操作卓が当該プール東側中央付近に落下したことを受け、当該プール水のサンプリングを継続実施中。放射能分析結果が前回と比較して有意な変動がないことから、燃料破損等の兆候は確認されていない。
使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:9月4日)
・セシウム134:2.6×102 Bq/㎝3
・セシウム137:1.1×103 Bq/㎝3
・コバルト60:検出限界値未満(検出限界値:1.1×100 Bq/㎝3)


《K排水路の状況》
※耐圧ホースから漏えいした水が側溝からK排水路を経由し、港湾内に流出したことから、K排水路排水口ならびに港湾口連続モニタの監視を実施。

2015年9月7日
※K排水路の排水については、同排水路内に堰を設けて、移送ポンプを設置し港湾内に繋がるC排水路へ移送しているが、9月7日、K排水路に設置したカメラ映像を確認したところ、降雨の影響により、午前2時55分から午前4時6分の間で雨水が堰を乗り越え、外洋側へ一部排水されていることを確認。その後は、K排水路内の雨水は全てC排水路に移送しており、外洋への排水はなし。
<高濃度汚染水太平洋へ>福島第一原発K排水路「14ミリ以上降れば海に出ます」9/7東京電力記者会見文字起こし


2015年9月8日
<最新のサンプリング実績>
9月7日に採取した水の分析結果(セシウム134、セシウム-137、全ベータ値)が前日の分析結果よりも上昇していたが、昨日の降雨の影響により一時的に上昇したものであり、過去の変動範囲内に収まっている。引き続き、継続監視を行う。

2015年9月9日
※9月9日午前10時40分頃、タンクパトロール中の当社社員が、H5タンクエリアに設置された内堰の北東側の継ぎ目から雨水が漏えいしていることを発見した。このため同日午前10時45分、H5タンクエリア外堰の排水弁を閉にし、H5タンクエリア堰内に溜まっている雨水については同日午前11時24分にH6タンクエリア堰内への移送を開始。また、当該の漏えい箇所については、土嚢を設置。
H5タンクエリアに設置された内堰の継ぎ目からの漏えいについては、漏えい当初はえんぴつの芯2本分の漏えいであったが、暫定処置として継ぎ目に詰め物を行い、1秒に2滴程度で土嚢に替えてドレンパンで受けているため、現在堰外への流出はない。なお、当該エリアに設置されているタンクの水位に変動が無いこと、およびB・C排水路の連続側溝モニタにおいて有意な変動が無いことを確認。

※9月9日午後12時45分頃、入退域管理棟2階のトイレにて、協力企業作業員が意識不明の状態で発見されたため、同日午後12時56分に救急車を要請。当該作業員は同日午後12時57分に入退域管理棟救急医療室へ入室したが、心肺停止の状態だった。その後、同日午後1時32分に救急車にて出発し、いわき市立総合磐城共立病院に向かう。

<最新のサンプリング実績>
9月7日に採取した1号機取水口(遮水壁前)、2号機取水口(遮水壁前)および1~4号機取水口内南側(遮水壁前)海水の分析結果において、セシウム134、セシウム137および全ベータの値が前回値より上昇しているが、過去の降雨の際に同程度まで値が上昇していることから、今回の上昇についても降雨による影響と考えている。 なお、港湾内の分析結果については、有意な変動は確認されていない。


報道関係各位一斉メール 2015年
福島第一原子力発電所 海側遮水壁の鋼管矢板の打設作業再開およびサブドレン他水処理施設の一時貯水タンクからの排水開始の予定について

2015年9月9日 東京電力株式会社

2015年9月3日より、サブドレンからの地下水のくみ上げを開始したことを受け、9本残っている海側遮水壁の鋼管矢板の打設作業を、準備が整い次第、9月10日午前中に再開する予定(※)です。
また、サブドレン他水処理施設について、準備が整い次第、9月14日午前中に一時貯水タンクから港湾内への排水を開始する予定(※)です。

(※)天候などの状況により、日程が変更となる可能性があります。

当日排水を予定している一時貯水タンクの水(昨年のサブドレン他水処理施設の浄化性能確認試験において貯水した水)については、当社および第三者機関による分析結果において、運用目標値を満足していることを確認しております。
 URL:http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2015/images/handouts_150902_07-j.pdf
    (11ページ参照)

なお、海側遮水壁の鋼管矢板の打設作業再開に関する資料を、当社ホームページに掲載しておりますので、あわせてお知らせいたします。
 URL:http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2015/images/handouts_150909_09-j.pdf

福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr3)からの排水について
2015年9月9日 東京電力株式会社
本日(9月9日)午前10時3分、福島第一原子力発電所における地下水バイパス一時貯留タンク(Gr3-1,Gr3-2,Gr3-3)に貯留してある水の海洋への排水を開始いたしました。


福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr3)からの排水について(続報)
2015年9月9日 東京電力株式会社

地下水バイパス一時貯留タンク(Gr3)からの排水についての続報です。
本日(9月9日)午前10時3分より海洋への排水を実施しておりましたが(お知らせ済み)、同日午後6時25分に排水を終了しました。
排水終了後に漏えい等の異常がないことを確認しております。
 
排水量については2,095トンでした。



2015年9月10日
その後、漏えい箇所にコーキング処置を行い、同日午後8時55分に漏えいが停止。また、外堰に溜まった雨水の回収を実施。
H5タンクエリア内堰および外堰内の雨水の分析結果
<H5タンクエリア内堰内の雨水>
 ・セシウム134:検出限界値(0.58 Bq/L)未満
 ・セシウム137:検出限界値(0.73 Bq/L)未満
 ・全ベータ  :34 Bq/L
<H5タンクエリア外堰内の雨水>
 ・セシウム134:検出限界値(0.92 Bq/L)未満
 ・セシウム137:検出限界値(0.80 Bq/L)未満
 ・全ベータ  :13 Bq/L
 内堰からの漏えい量については、同日午前7時40分のパトロールにおいて漏えいが無いことを確認しており、それ以降に当該箇所から漏えいが発生、当該箇所の漏えい拡大防止処置が完了した同日午後0時まで漏えいが継続したと仮定し、約63L(鉛筆芯2本程度(14.4L/h)で漏えいが継続していたと仮定)と算出。
 なお、外堰の排水弁については、H5タンクエリア外堰の分析結果が排水路の通常の降雨時の値より低い値であったことなどから、同日午後10時58分に「開」とした。

※9月9日午後12時45分頃、入退域管理棟2階のトイレにて、協力企業作業員が意識不明の状態で発見されたため、同日午後12時56分に救急車を要請。当該作業員は同日午後12時57分に入退域管理棟救急医療室へ入室したが、心肺停止の状態だった。その後、同日午後1時32分に救急車にて出発し、いわき市立総合磐城共立病院に向かう。当該作業員については、同日午後3時10分に搬送先の病院にて死亡が確認された。

※9月9日午後5時38分頃、タンクパトロール中の協力企業作業員が、C東エリアA1タンクに接続している配管と内堰との貫通部から雨水が出ていること、およびC西エリアB1タンクに接続している配管と内堰との貫通部から雨水が出ていることを発見。その後、同日午後6時28分に当社社員が当該箇所を確認し、内堰の貫通部から外堰内への漏えいであると判断。外堰の排水弁については、同日午後4時頃に「閉」状態としていた。
 内堰から外堰への漏えいについては、発見当初それぞれ鉛筆1本分の漏えい。
 C西エリア内堰に溜まっている雨水については同日午後7時4分、C東エリア内堰に溜まっている雨水については同日午後7時8分、H5エリアへ移送を開始。
 雨水の移送によって、貫通部の高さよりも水位が下がり、C東エリアは同日午後8時20分、C西エリアについては同日午後10時7分に漏えいが停止。
 その後、漏えい箇所にコーキング処置を実施。また、外堰に溜まった雨水の回収を実施。
 Cタンクエリア(C東エリアおよびC西エリア)内堰および外堰内の雨水の分析結果
<C東エリア内堰内の雨水>
 ・セシウム134:検出限界値(0.59 Bq/L)未満
 ・セシウム137:検出限界値(0.71 Bq/L)未満
 ・全ベータ  :30 Bq/L
<C西エリア内堰内の雨水>
 ・セシウム134:検出限界値(0.60 Bq/L)未満
 ・セシウム137:検出限界値(0.72 Bq/L)未満
 ・全ベータ  :25 Bq/L
<Cタンクエリア外堰内の雨水>
 ・セシウム134:検出限界値(0.70 Bq/L)未満
 ・セシウム137:1.1 Bq/L
 ・全ベータ  :44 Bq/L
 なお、外堰の排水弁については、Cタンクエリア外堰内の雨水の分析結果が排水路の通常の降雨時の値より低い値であったことなどから、9月10日午前10時2分に「開」とした。

※K排水路の排水については、同排水路内に堰を設けて、移送ポンプを設置し港湾内に繋がるC排水路へ移送しているが、9月9日、K排水路に設置したカメラ映像を確認したところ、降雨の影響により、午前0時28分から午前2時34分および午前3時58分から午前4時24分の間で雨水が堰を乗り越え、外洋側へ一部排水されていることを確認。その後は、K排水路内の雨水は全てC排水路に移送しており、外洋への排水はなし。

2015年9月11日
2号機タービン建屋で、2015年9月11日午前8時17分、漏えい検知器が作動したことを示す「#2T/Bポンプ出口弁スキッドA漏えい検知」の警報が作動し、午前8時19分、タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設プロセス主建屋への滞留水移送を停止。午前9時6分に現場の状況を確認し、当該漏えい検知器の動作については雨水と思われる滴下が原因であり、滞留水設備からの漏えいによるものではないと判断し、午前9時27分、溜まり水について拭き取りを行い、警報はクリアした。

なお念のため、以下の滞留水移送を一時停止したが、警報のクリアとともに移送を再開した。
2号機原子炉建屋→集中廃棄物処理施設プロセス主建屋(9月11日午前8時23分~同日午前9時46分)
2号機廃棄物処理建屋→集中廃棄物処理施設プロセス主建屋(9月11日午前8時25分~同日午前9時46分)

※K排水路の排水については、同排水路内に堰を設けて、移送ポンプを設置し港湾内に繋がるC排水路へ移送しているが、9月11日、K排水路に設置したカメラ映像を確認したところ、降雨の影響により、午前3時3分から午前4時20分および午前5時20分から午前5時50分、また午前6時13分から午前7時7分の間で雨水が堰を乗り越え、外洋側へ一部排水されていることを確認。その後は、K排水路内の雨水は全てC排水路に移送しており、外洋への排水はなし。

2015年9月12日
Cタンクエリア内堰および外堰内の雨水のストロンチウム分析結果
<C西エリア内堰内の雨水>
 ・ストロンチウム90:15 Bq/L
<C東エリア内堰内の雨水>
 ・ストロンチウム90:16 Bq/L
<Cタンクエリア外堰内の雨水>
 ・ストロンチウム90:24 Bq/L

H4北タンクエリアにおいて、9月11日午後0時10分頃、同タンクエリアに設置された内堰から雨水が漏えいしていることを発見。漏えい状況は、鉛筆1本程度であり、同タンクエリアの外堰の排水弁については、「閉」状態であることを確認。その後、同日午後2時12分に、止水セメントによる止水処理を実施し、漏えいが停止。9月11日午後3時55分からH4北タンクエリア外堰内に溜まっている雨水について、H4タンクエリア内堰内に移送を実施していたが、回収作業が終了したことから、9月11日午後10時に移送を停止。

H4北タンクエリア内堰内、外堰内、および漏えい箇所から採取した雨水の分析結果については以下の通り。

<H4北タンクエリア内堰内の雨水>
 ・セシウム134:検出限界値(2.1 Bq/L)未満
 ・セシウム137:3.3 Bq/L
 ・全ベータ  :1000 Bq/L
<H4北タンクエリア外堰内の雨水>
 ・セシウム134:検出限界値(2.1 Bq/L)未満
 ・セシウム137:検出限界値(2.8 Bq/L)未満
 ・全ベータ  :420 Bq/L
<漏えい箇所から採取した雨水>
 ・セシウム134:検出限界値(2.1 Bq/L)未満
 ・セシウム137: 5 Bq/L
 ・全ベータ  :1200 Bq/L

また、H4北タンクエリアにおいて、9月12日午前11時30分頃、現場パトロールを行っていた当社社員が、9月11日に漏えいが確認された箇所から約10m離れた場所の内堰より、10秒に1滴程度の滴下があることを確認。そのため、滴下箇所にビニールの受けを設置し、漏えい拡大防止措置を実施。その後、同日午後0時7分に止水材による止水処理を実施し、滴下が停止したことを確認。また、当該箇所周辺に水溜まりは確認されていない。


2015年9月14日
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果について、H4エリア周辺(E-2)の全ベータ放射能の値が前回値(9月8日採取分:検出限界値未満(検出限界値:17Bq/L))から200Bq/Lと上昇したが、大雨の影響により当該観測孔にH4北タンクエリア外堰内の水が混入したことによるものと考えられる。その他の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

報道関係各位一斉メール 2015年
福島第一原子力発電所 サブドレン他水処理施設の一時貯水タンクからの排水について

2015年9月14日 東京電力株式会社

2015年9月3日より、地下水のくみ上げを開始しているサブドレン他水処理施設について、本日(9月14日)午前10時1分、一時貯水タンクAから港湾内への排水を開始いたしました。
排水状況については、同日午前10時23分に漏えい等の異常がないことを確認しております。
サブドレン他水処理施設の運用にあたっては、運用方針や運用目標をしっかりと遵守してまいります。

なお、当該タンクにおける分析結果については、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照願います。
URL:http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/drain_stank_15091101-j.pdf

福島第一原子力発電所 サブドレン他水処理施設の一時貯水タンクからの排水について(続報)
2015年9月14日 東京電力株式会社

サブドレン他水処理施設の一時貯水タンクAからの排水についての続報です。
本日(9月14日)午前10時1分より港湾内への排水を実施しておりましたが(お知らせ済み)、同日午後3時47分に排水を終了しました。
排水終了後に漏えい等の異常がないことを確認しております。

排水量については838トンでした。



2015年9月15日
H6タンクエリアにおける内堰から雨水の漏えいについて
・9月14日午後5時35分頃、H6タンクエリアにおいて、内堰から雨水が漏えいしていることをタンクパトロール中の協力企業作業員が発見した。漏えい箇所は、配管貫通部1箇所と鋼鉄製の堰の平板と平板を接続する補強用の鋼材との接合部2箇所の計3箇所。
・漏えい状況は、配管貫通部1箇所については約5cmの幅で、鋼鉄製の堰の平板と平板を接続する補強用の鋼材との接合部2箇所については約1cmの幅で、それぞれ壁伝いに流れている状況。なお、外堰の排水弁は9月13日より閉止しており、外堰から外部への漏えいはない。
・9月14日午後6時30分頃より止水剤による止水作業開始、午後8時8分に内堰内の水の移送を開始(→H4北内タンク)。午後11時00分 漏えいが「にじみ」まで低減していることを確認。
・9月15日午前7時25分頃、雨水漏えいが確認された3箇所において、漏えいが停止していることを確認。

<漏えいした水の分析結果:H6タンクエリア内堰内の雨水>
・セシウム134:検出限界値(0.64Bq/L)未満
・セシウム137:1.7Bq/L
・全ベータ  :300Bq/L

2015年9月16日
H4北タンクエリア内堰からの漏えいについて、内堰内、外堰内、および漏えい箇所近傍(内堰内)から採取した水のストロンチウム90の分析結果について

<H4北タンクエリア内堰内水>
・ストロンチウム90:620 Bq/L

<H4北タンクエリア外堰内水>
・ストロンチウム90:310 Bq/L

<漏えい箇所近傍(内堰内)から採取した水>
・ストロンチウム90:740 Bq/L

H4北タンクエリア内堰から漏えいした水については、同エリアに設置している汚染水タンク等からの漏えいは確認されていないことから、同エリア内堰内に雨水が溜まったものではあるが、2013年8月19日に発生した「福島第一原子力発電所汚染水貯留設備RO濃縮水貯槽からの漏えい」によって同エリアには汚染が残存※しており、その影響で同エリア内堰内に溜まった雨水の放射能濃度も高くなっていることから、漏えいした水は「核燃料物質等により汚染された水」に該当すると判断。
※2013年8月19日の漏えい事象発生後に、H4北タンクエリア内の床面洗浄・塗装は実施しているものの、タンク底部の床面には汚染が残存している状況。

また、漏えい箇所近傍(内堰内)から採取した水の放射性物質の濃度(告示濃度限度に対する割合の和)は「25」であり、実施計画にて定めた排水基準(0.22)を超えていることから、9月15日午後8時17分に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき」に該当すると判断。

3号機タービン建屋において、9月16日午前2時3分、漏えい検知器が動作したことを示す「♯3T/Bポンプ出口弁スキッドB漏洩検知」の警報が発生。
警報発生時において、2号機各建屋から集中廃棄物処理施設高温焼却炉建屋への移送を行っていたが、移送配管が3号機タービン建屋を通っていることから、以下の通り滞留水移送を停止。

・午前2時20分:2号機原子炉建屋 → 集中廃棄物処理施設高温焼却炉建屋
・午前2時21分:2号機タービン建屋 → 集中廃棄物処理施設高温焼却炉建屋
・午前2時21分:2号機廃棄物処理建屋 → 集中廃棄物処理施設高温焼却炉建屋

その後、午前2時54分に現場状況を確認した結果、滞留水移送配管からの漏えいはないこと、および当該漏えい検知器付近の天井から結露水と思われる滴下があることを確認。
このため、当該漏えい検知器の動作は結露水の影響によるもの判断。
その後、午前3時11分、当該漏えい検知器周辺に溜まった結露水の拭き取りを行い、「♯3T/Bポンプ出口弁スキッドB漏洩検知」の警報はクリア。
なお、2号機各建屋からの滞留水移送については、今後、協議した上で再開する予定。

報道関係各位一斉メール 2015年
福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr2)からの排水について

2015年9月16日 東京電力株式会社

本日(9月16日)午前10時5分、福島第一原子力発電所における地下水バイパス一時貯留タンク(Gr2-1,Gr2-2,Gr2-3)に貯留してある水の海洋への排水を開始いたしました。
排水状況については、同日午前10時21分に漏えい等の異常がないことを確認しております。

なお、当該タンクにおける分析結果については、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照願います。
URL:http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/monitoring/index-j.html

福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr2)からの排水について(続報)
2015年9月16日 東京電力株式会社

地下水バイパス一時貯留タンク(Gr2)からの排水についての続報です。
本日(9月16日)午前10時5分より海洋への排水を実施しておりましたが(お知らせ済み)、同日午後4時24分に排水を終了しました。
排水終了後に漏えい等の異常がないことを確認しております。

排水量については1,583トンでした。



2015年9月18日
※9月17日午前7時54分頃、チリ中部沖で、マグニチュード8.3の地震が発生。その後、9月18日午前3時、気象庁から福島県沿岸部に「津波注意報」が発令されたことから、午前3時5分、発電所構内で作業している当社社員および協力企業作業員に対し、発電所構内一斉放送にて高台への待避指示を出し、午前4時5分に避難を完了。なお、発電所港湾内に設置している潮位計の監視において、午前7時30分から午前7時40分にかけて、潮位計約12cmの変化を確認したが、1~6号機のプラントパラメーターおよびモニタリングポスト指示値に有意な変動は確認されていない。

※H6タンクエリア内堰からの漏えいについて、採取した水のストロンチウム90の分析結果等は以下の通り。
 <H6タンクエリア内堰内水>
 ストロンチウム90:160 Bq/L

H6タンクエリア内堰内の水については、同エリアに設置している汚染水タンク等からの漏えいは確認されていないものの、9月11日に発生したH4北タンクエリアからの漏えい事象の際に、H4北タンクエリア内堰内の水※1がH6タンクエリアに移送されていることから、漏えいした水は「核燃料物質等により汚染された水」に該当すると判断。※2
このため、本事象については、2015年9月11日に発生した炉規制法報告事象の一連の事象として、H4北タンクエリアからの漏えい事象と併せて、原因と対策について検討する。
 ※1:2013年8月19日の「福島第一原子力発電所汚染水貯留設備RO濃 縮水貯槽からの漏えい」事象発生後に、H4北タンクエリア内の床面洗浄・塗装は実施しているものの、タンク底部の床面には汚染が残存している。
 ※2:H6タンクエリア内堰内から採取した水の放射性物質の濃度(告示濃度限度に対する割合の和)は「5.3」であり、実施計画にて定めた排水基準(0.22)を超えている。
なお、9月9日に発生したH5タンクエリア及びCタンクエリア内堰からの漏えい 事象についても、原因と対策を検討する。

※K排水路の排水については、同排水路内に堰を設けて、移送ポンプを設置し港湾内に繋がるC排水路へ移送しているが、K排水路に設置したカメラ映像を確認したところ、降雨の影響により、9月17日午後11時23分から午後11時31分、午後11時45分から9月18日午前0時16分および午前0時29分から午前2時3分に、雨水が堰を乗り越え、外洋側へ一部排水されていることを確認。その後は、K排水路内の雨水は全てC排水路に移送しており、外洋への排水はなし。

2015年9月19日
<最新のサンプリング実績>
9月18日の分析結果[採取日9月16日]において、1号機放水路立抗水下流側のセシウム134、セシウム137、および全ベータの値が引き続き上昇傾向にあることを確認。また、1号機放水路立坑水上流側のトリチウムの値についても、前回値より上昇していることを確認。
同立抗の上流側および下流側の測定値は、これまでゆるやかな上昇傾向にあり、今回の値が特異的に上昇したものではないと推定。今後も監視を継続していく。
なお、港湾内海水のサンプリング結果については、有意な変動は確認されていない。
他の放水路立坑水サンプリング結果については、前回と比較して有意な変動はない。

報道関係各位一斉メール 2015年
福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr1)からの排水について

2015年9月23日 東京電力株式会社

本日(9月23日)午前10時00分、福島第一原子力発電所における地下水バイパス一時貯留タンク(Gr1-1,Gr1-2,Gr1-3)に貯留してある水の海洋への排水を開始いたしました。
排水状況については、同日午前10時5分に漏えい等の異常がないことを確認しております。

なお、当該タンクにおける分析結果については、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照願います。
URL:http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/monitoring/index-j.html


福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr1)からの排水について(続報)
2015年9月23日 東京電力株式会社

地下水バイパス一時貯留タンク(Gr1)からの排水についての続報です。
本日(9月23日)午前10時00分より海洋への排水を実施しておりましたが(お知らせ済み)、同日午後6時56分に排水を終了しました。
排水終了後に漏えい等の異常がないことを確認しております。

排水量については2,236トンでした



2015年9月24日
※2015年9月11日に発生したH4北タンクエリア内堰からの漏えいに関して、当該タンクエリア内堰内、外堰内、および漏えい箇所近傍(内堰内)から採取した水の分析結果(セシウム134およびセシウム137)について、以下のとおり訂正。なお、本訂正は、より精度の高い分析(計測時間を長時間確保したもの)を行った結果によるもの。
 また、漏えい箇所近傍の内堰内から採取した水の放射性物質の濃度(告示濃度限度に対する割合の和)は「25」とお知らせしているが、本訂正においても数値の変更はない。

プレスリリース 2015年
プレスリリース 2015年
福島第一原子力発電所H4北タンクエリア内堰から外堰内への堰内雨水の漏えいに関する「発電用原子炉施設故障等報告書」の提出について

2015年9月25日 東京電力株式会社

当社は、2015年9月11日に発生した、福島第一原子力発電所H4北タンクエリア内堰から外堰内への堰内雨水の漏えいについて、本日、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条に基づく報告(事故故障等の報告)を原子力規制委員会に行いましたのでお知らせいたします(別紙参照)。
 
また、同年9月14日に発生したH6タンクエリア内堰から外堰内への堰内雨水の漏えいについても、H4北タンクエリア内堰内の雨水をH6タンクエリア内堰内へ移送していたことから、漏えいした水は「核燃料物質等により汚染された水」に該当すると判断しており、本報告書において併せて報告しております。
 今後も引き続き調査を行い、その結果を取りまとめ、原子力規制委員会に報告いたします。

○別紙
 ・発電用原子炉施設故障等報告書(PDF 188KB)PDF
(件名:福島第一原子力発電所H4北タンクエリア内堰から外堰内への堰内雨水の漏えいについて)
以 上





2015年9月26日
セシウム吸着塔一時保管施設第二施設に保管されているHICについては、7月22日より行っていた2巡目の点検(水溜まりの確認)が9月10日に完了し、9月14日より3巡目の点検を実施中。
2巡目の点検結果については、全685基の点検を実施し、8月19日時点で232基の点検を実施時に、新たに2基のHICについて、吸水ブロックに水が染み込んでいることを確認以降、新たに吸水ブロックに水が染み込んでいることが確認されたHICは認められていない。
このことから、1巡目と2巡目の点検で水溜りが確認されたHICは合計で34基。3巡目の点検については、9月24日時点で99基の点検を実施しており、新たに吸水ブロックに水が染み込んでいることが確認されたHICは認められていない。
また、セシウム吸着塔一時保管施設第三施設に保管されているHICについては、9月24日時点で184基の点検を実施しており、新たに水溜まりが確認されたHICは認められていない。引き続き、HICの点検を行うとともに、原因調査を行う予定。


2015年9月29日
※9月29日午前5時29分頃、集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)内のサンプリングラック(試料採取装置)から、床面に水が漏れていることを、パトロール中の協力企業作業員が発見。同日午前6時31分、サンプリングラックにつながっているサンプリングライン10箇所の弁を閉止し、その後、午前8時2分に漏えいが停止していることを確認。漏えいした水は、第二セシウム吸着装置の各吸着塔出口におけるサンプリングラインの水で、漏えい範囲は約3m×約4m、深さ約3mmで漏えい量は約36リットル。漏えいした水は当該建屋内に留まっており、建屋外への流出はない。
その後、漏えいした水については、午後0時20分に回収を終了。
また、漏えいした水の放射能分析結果は以下の通り。
 ・セシウム134:2.8×105Bq/L
 ・セシウム137:1.2×106Bq/L
 ・全ベータ :3.3×106Bq/L
原因については、サンプリング水を排水するラインが排水不良となり、逆流した水が3箇所のサンプリングシンクから溢水したものと推定。

報道関係各位一斉メール 2015年
福島第一原子力発電所高温焼却炉建屋サンプリングラックからの漏えいについて

2015年9月29日 東京電力株式会社

本日(9月29日)午前5時29分頃、福島第一原子力発電所集中廃棄物処理施設高温焼却炉建屋内のサンプリングラック(試料採取装置)から、床面に水が漏れていることを、パトロール中の協力企業作業員が発見しました。

同日午前6時31分、サンプリングラックにつながっているサンプリングライン10箇所の弁を閉止し、その後、午前8時2分に漏えいが停止していることを確認しました。

漏えいした水は、第二セシウム吸着装置の各吸着塔出口におけるサンプリングラインの水で、漏えい範囲は約3m×約4m、深さ約3mmで漏えい量は約36リットルであることを確認しています。
また、漏えいした水は当該建屋内に留まっており、建屋外への流出はありません。

福島第一原子力発電所高温焼却炉建屋サンプリングラックからの漏えいについて(続報)
2015年9月29日 東京電力株式会社

 高温焼却炉建屋サンプリングラックからの漏えいについての続報です。
 漏えいした水については、午後0時20分に回収を終了しております。
 漏えいした水の放射能分析結果は以下の通りです。
  ・セシウム134:2.8×10^5 Bq/L
  ・セシウム137:1.2×10^6 Bq/L ※セシウム合計→148万Bq/L
  ・全ベータ  :3.3×10^6 Bq/L  ※ストロンチウム90など→330万Bq/L

 原因については、サンプリング水を排水するラインが排水不良となり、逆流した水が3箇所のサンプリングシンクから溢水したものと推定しています。



※東電の報告と新聞記事が違う
・漏れた汚染水の量約36リットル→210リットル

福島第1原発:汚染水漏れ210リットル 外部流出なし
毎日新聞 2015年09月29日 19時50分(最終更新 09月29日 19時56分)

 東京電力は29日、福島第1原発の敷地内にある放射性汚染水浄化装置から、高濃度汚染水約210リットルが漏れたと発表した。放射性物質の濃度は、セシウムが1リットル当たり148万ベクレル、ストロンチウム90などを含む全ベータが同330万ベクレル。汚染水は施設内にとどまり、外部への流出はないという。同日午前5時半ごろ、巡回中の作業員が、装置から水が漏れているのを発見。排水管の弁を閉め、同8時ごろに汚染水の漏れが止まった。【斎藤有香

福島第一 高濃度汚染水210リットル漏れる 除染装置の排水悪化
東京新聞 2015年9月30日 朝刊

東京電力は29日、福島第一原発で、処理中の高濃度汚染水210リットルが、除染装置から漏れたと発表した。汚染水には一リットル当たり148万ベクレルもの高濃度の放射性セシウムが含まれていたが、東電は、装置のある建屋の外には漏れておらず、汚染水処理にも影響はないとしている。
 
漏れた場所は、タービン建屋にたまった汚染水を複数のフィルターに通し、セシウムを取り除く装置。除染の効果を確認するため、各フィルターを通した後の水のサンプルを採る部分から漏れた。
 
東電は、採取部分から除染装置に水を戻すホースを、別の作業の邪魔にならないよう持ち上げて縛ったところ、排水が悪くなり、水が漏れたとみている。漏れが見つかった後も除染装置を動かし続け、採取部分に枝分かれする弁を閉めて漏れを止めた。




2015年9月30日
※9月30日午前7時48分頃、H1東タンクエリアにおいて、当該タンクエリア内堰のボルト部から1分間に1滴程度の水が滴下していることをタンクパトロール中の協力企業作業員が発見したとの連絡があった。午前9時に現場状況を確認したところ、当該タンクエリアの鋼製の内堰のボルト部4箇所において、幅10~30cm程度のにじみ痕があること、および水は鋼製の内堰に沿って設置されているコンクリート堰の上部にとどまっていて、コンクリート堰側面および床面には至っていないことを確認。また、当該タンクエリアの外堰の排水弁については「閉」状態であることから、環境への影響はないものと考えている。止水処置を行うため、にじみのあったボルト部の拭き取りを行ったところ、水の滴下はなくにじみ程度であることを確認。にじみを確認したボルト部4箇所については、午前9時35分に止水セメント等による止水処置が完了した。水は拭き取りにより回収している。


報道関係各位一斉メール 2015年
福島第一原子力発電所H1東タンクエリアにおける内堰からの水のにじみについて

2015年9月30日 東京電力株式会社

本日(9月30日)午前7時48分頃、福島第一原子力発電所H1東タンクエリアにおいて、当該タンクエリア内堰のボルト部から1分間に1滴程度の水が滴下していることをタンクパトロール中の協力企業作業員が発見したとの連絡がありました。

午前8時46分に現場状況を確認したところ、当該タンクエリアの鋼製の内堰のボルト部4箇所において、幅10~30cm程度のにじみ痕があること、および水は鋼製の内堰に沿って設置されているコンクリート堰の上部にとどまっていて、コンクリート堰側面および床面には至っていないことを確認しました。

また、当該タンクエリアの外堰の排水弁については「閉」状態であることから、環境への影響はないものと考えております。
止水処置を行うため、にじみのあったボルト部の拭き取りを行ったところ、水の滴下はなくにじみ程度であることを確認しました。にじみを確認したボルト部4箇所については、午前9時35分に止水セメント等による止水処置が完了しました。
水は拭き取りにより回収しております。




報道関係各位一斉メール 2015年
福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr3)からの排水について

2015年9月30日 東京電力株式会社

本日(9月30日)午後2時35分、福島第一原子力発電所における地下水バイパス一時貯留タンク(Gr3-1,Gr3-2,Gr3-3)に貯留してある水の海洋への排水を開始いたしました。
排水状況については、同日午後2時42分に漏えい等の異常がないことを確認しております。
なお、排水終了については本日夜間になることから、実績については、明朝にお知らせさせていただきます。

福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr3)からの排水について(続報)
2015年10月1日 東京電力株式会社

地下水バイパス一時貯留タンク(Gr3)からの排水についての続報です。
昨日(9月30日)午後2時35分より海洋への排水を実施しておりましたが(お知らせ済み)、昨日(9月30日)午後10時35分に排水を終了しました。
排水量については2,003トンでした。







comment 1
09.29
Tue

【神奈川】
横須賀入港前のGW「原子炉の過酷な訓練」 航海日誌に放射性物質排出?も記述

2015年9月29日 東京新聞

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市民の会が入手した航海日誌の一部=横須賀市で

米海軍横須賀基地(横須賀市)に配備されていた原子力空母「ジョージ・ワシントン(GW)」が2011年、原子炉の急停止、急再稼働の訓練を入港前日に行っていたことが、横須賀市の市民団体「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」が入手した航海日誌から分かった。放射性物質を含む冷却水や気体を、日本の排他的経済水域の200カイリ(約370キロメートル)内で排出していることをうかがわせる記述もあったという。
 
市民の会は「過酷な訓練で原子炉事故の危険性を増大させる」としている。横須賀基地には10月2日、GWの後継として原子力空母「ロナルド・レーガン」が配備される予定。
 
日誌は米国の情報公開制度に基づいて入手。市民の会によると、訓練は2011年4月18~19日の二日間に計三回行われ、それぞれ急停止、急再稼働を一時間前後の短時間のうちに行っていた。GWは翌20日、横須賀基地に入った。
 
冷却水の排出について、市民の会は米海軍の資料などから「原子炉補助室の過剰液体廃棄物処理タンクの船外への排出作業を開始」などと判読し、放射性物質を含んだ冷却水を艦外に排出したとしている。
 
市民の会は「米軍は日本の沖合12カイリ(約22キロメートル)以遠の外洋での排出を否定していないが、物質の濃度や分量、排出頻度などは不明で、明らかにするべきだ」と指摘している。 (加藤寛太)




原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会

横須賀

2015年
G・ワシントンからロナルド・レーガンに原子力空母交代へ


2014年1月15日,在日米海軍と外務省は,横須賀基地を母港としている原子力空母ジョージ・ワシントンを、2015年後半に変視力空母ロナルド・レーガンへ交代させると発表しました。

G・ワシントンからR・レーガンへのバトンタッチは,単なる原子力空母の交代ではありません。
原発ゼロが大きな争点となっている日本で、横須賀だけはその例外として、原子力空母が居続ける、という新たな提案です。

黙っていたらこの町は、この先ずっと、原子力艦事故に怯えながら暮らす街になってしまいます。
今こそ横須賀視聴・市議会は,原子力空母母港を継続していいのか、安全対策は十分なのかなどについて、市民の意見を問う機会を設けるべきです。

2度に渡って、原子力空母母港の是非を問う住民投票の直接請求に取り組んできた私たちは、今回「1万人市民アンケート」を実施します。
この街の重要なことは市民が決める。
そのためのアンケートです、ご協力ください。

(※アンケートは締め切りました。)


レーガン被ばく問題
f原子力空母レーガンは、トモダチ作戦で福島原発事故直後の重大な放射能被ばくを受け、多数の乗組員が被ばくして癌等の重大な病気になり、現在200名以上が東京電力を相手取って米国で裁判を起こしています。
現在の放射能レベルは大丈夫なのでしょうか。
米海軍は今こそ横須賀市民に同感の被ばくの実態と現在の放射能レベル等を明らかにすべきです。

安全審査なしで配備
原発は日本政府の厳しい安全審査を受けています。それでも事故は起きました。
原子力空母は、その安全神座すら受けていない、全くのノーチェック状態です。

3・11原子力空母は
星条旗新聞は「(横須賀にいた原子力空母の)水位は6フィーと(183cm)下がり、揺れは非常に強くて船を埠頭岸壁から話すほどだった」と乗組員の証言を伝えています。
大規模地震が基地を直撃すれば、原子力空母の原子炉も決して安全ではありません。

高濃度の燃料棒
原発の核燃料のウラン235の濃縮度は3〜5%。
これに対して、原子力空母の核燃料ウラン235の濃縮度は約95%で、原爆並みの高さです。

爆弾やジェット燃料も
原発周辺には,爆発物貯蔵庫や燃料タンクを作ることはできません。
しかし原子力空母は、艦内の至近距離に、大量の爆弾やジェット燃料を積んでいます。

25年分の死の灰
原発の燃料交換は1年に1回。溜まる死の灰は最大1年分です。
原子力空母の燃料交換は25年に1回。溜まる死の灰は最大25年分です。

動かなかった非常用冷却装置
米海軍は、原子力空母には電力に頼らず原子炉を冷却できる能力があるといいます。
非常用復水器(冷却装置)と呼ばれるものですが、福島原発1号機にも同様の装置がありましたが、メルトダウンを食い止めることはできませんでした。

原発の原子炉と米海軍の原子炉は兄弟
原子力空母は2期の原子炉を積んでいます。
原子炉に核燃料を装填し、核分裂反応による熱で作った水蒸気でタービンを回して航行します。

原子力発電用の加圧水型軽水炉(福島第一原発は沸騰水型・川内原発と同じ)は、海軍の原子炉が原型です。
両者の原理は同じもの、つまり、原子力発電の原子炉と海軍原子炉は「兄弟」の関係です。

横須賀1

原子力空母が地震・津波に襲われたら
・津波で乗り上げ、海水の取水不能
・冷却施設の電源喪失
・館内の非常用施設の機能喪失
     ↓
水素爆発、メルトダウン・水蒸気爆発による格納容器等の破壊
艦外への放射性物質の放出
横須賀湾内で原子炉が稼働中ないし停止後の想定です。
原子炉停止後も、崩壊熱の冷却が必要です。

横須賀2

空母原子力事故発生で…三浦半島の全域致死被害申告に
横須賀3

時代遅れの二重基準と5マイクロシーベルトと100マイクロシーベルト
横須賀5

原子力災害対策指針の改定で、原発周辺で毎時5マイクロシーベルト(通常の約100倍)が検知された場合、周辺5km以内の住民は即時避難すべきと決定されました。
原子力艦防災マニュアルでは、横須賀基地周辺で、100マイクロシーベルト(通常の約2000倍)が検知された場合に、原子力空母から3km以内の住民の屋内退避が定められているだけです。
このままでは、原子力空母が原子炉事故を起こしたとき、避難が遅れ、被ばくが拡大する恐れがあります。


横津ks7
横津ks8

「横須賀には原子炉が2基ある」小出裕章氏・松田美由紀氏5/26(動画・書き出し)
横須賀に原子力発電所が、何の審査も受けないままあるんだぞという事を
常に忘れないでいて欲しいと思います。

「原発の輸出について・横須賀」小出裕章ジャーナル2/9ラジオフォーラム

トモダチ作戦米兵2名が骨膜肉腫と白血病で死亡〜3月13日に三陸沖に到着〜OPTV(文字起こし)

停泊中の原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)横須賀出港した訳


追記

原子力艦、避難線量下げる 毎時5マイクロシーベルト超、原発と同じ
2015年11月20日 東京新聞夕刊

 政府は20日、米軍空母などの原子力艦で事故が起きた際に周辺住民が避難を始める放射線量の判断基準を、原発事故と同じ毎時5マイクロシーベルト超に引き下げた。

 国の災害対策マニュアルも改めた。自治体は今後、新基準で住民に避難指示や避難勧告を出す。従来の原子力艦事故の避難判断基準は、毎時100マイクロシーベルト超で原発事故の20倍だった。

 国内で原子力空母や原子力潜水艦が入港する米海軍基地があるのは神奈川県横須賀市、長崎県佐世保市、沖縄県うるま市の三市。

 基準引き下げは10月に河野太郎防災担当相が指示し内閣府が手続きを進めていた。原発事故による屋内退避の範囲が半径30キロ圏内となっていることを踏まえ、原子力空母の事故では半径3キロ圏内とされる範囲の見直しも今後、検討する。
 河野氏は記者会見で「横須賀市など関係自治体から聞き取りをし、専門的な見地から議論してほしい」と述べた。




都内・千葉も避難対象に? 原子力艦の事故時「範囲」見直しか
2015年11月22日 東京新聞朝刊

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 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)などに配備されている原子力艦で事故が起きた際の国のマニュアルを検証する政府の作業委員会が今月発足し、議論が始まった。早速、周辺住民が避難を始める放射線量の判断基準の引き下げを決定。今後は、避難範囲を見直すかどうかが焦点となる。基地問題に携わる専門家は「原発事故並みの30キロに拡大すべきだ」として、東京都内や千葉県内でも避難計画の策定が必要だと訴える。 (加藤寛太)

 「知りませんでした」。作業委員会が発足した11月初旬。横須賀基地から30キロ圏内に位置する東京都大田区や千葉県木更津市、富津市の担当者は、いずれもマニュアルの検討作業が始まっていることを知らなかった。作業委は6日の初会合で原子力艦で事故が起きた際の避難判断基準について従来の毎時100マイクロシーベルトから、原子力災害対策指針と同じ毎時5マイクロシーベルトに引き下げることを決定。政府は20日、正式に基準を変更した。

 これからの作業委の議論で焦点になるのが、原発事故と原子力艦の事故の避難範囲の違いだ。

 東京電力福島第一原発事故を受け、国の原子力規制委員会は原子力災害対策指針をまとめ、原発から30キロ圏内を緊急時防護措置準備区域(UPZ)とし、自治体に避難計画の策定を求めた。だが、2004年に国の中央防災会議が策定した原子力艦の事故のマニュアルは、「半径3キロ以内は屋内退避」などとなっている。

 作業委の事務局を務める内閣府の担当者は「原発指針がマニュアルにどう影響を与えるかを今後、検証する。単純にマニュアルを指針に合わせるということではない」と説明する。

 しかし、避難範囲が仮に30キロに拡大されれば、大田区などに加え、百万人以上の人口を抱える横浜市や川崎市も避難計画が必要となる。UPZの人口が96万人で最も多い東海第二原発(茨城県)で同県内の市町村は、避難場所の確保の難しさなどから計画はいまだ策定できておらず、横浜市などで計画を作ろうとすれば難航は必至だ。

 お膝元の横須賀市はより深刻だ。原子力災害対策指針は原発から半径5キロ圏内を予防的防護措置準備区域(PAZ)と定め、事故が起きたら、ただちに避難を開始したり、住民にあらかじめ安定ヨウ素剤を配布したりすることが決められた。稼働している九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)のPAZの人口は約4千9百人。一方、横須賀市は20万人を超え、40倍以上だ。

 「そもそも首都圏という人口過密地帯で原子炉を稼働させること自体が間違っている」。横須賀市で原子力空母の配備に反対してきた呉東(ごとう)正彦弁護士は話す。

 10月に横須賀基地に配備された原子力空母「ロナルド・レーガン」は動力として加圧水型原子炉二基を搭載熱出力は二基の合計で120万キロワットと想定され、福島第一原発1号機(同138万キロワット)に近い。

 「政府の責任で横須賀への配備を認めた以上、原発と同様の基準で対策を取るのは当然で、大変でも先延ばしは許されない。国が基準を変えれば30キロ圏内の自治体も万一を想定した準備を進め、住民が原子力艦の是非を考えるきっかけにもなる」と指摘する。

 <原子力艦災害対策マニュアル検証作業委員会> 原子力災害対策指針と原子力艦マニュアルとの間で、事故時の避難判断基準や避難範囲に食い違いが生じており、設置された。日本原子力研究開発機構の本間俊充・安全研究センター長や原子力安全技術センターの下吉拓治参事ら有識者5人と内閣府、警察庁、原子力規制委員会事務局の原子力規制庁など関係省庁の担当者ら12人-の計17人の委員で構成している。








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09.29
Tue

オスプレイが東京の上空をこんなに何回も飛んでいたこと,知らなかった。
しかも全て「目視の情報」というところが…なんというか…><

東京都八王子市 オスプレイの飛来情報について

オスプレイの横田基地への飛来について(平成27年6月)

情報提供内容(6月6日)
北関東防衛局から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。

【防衛局職員による目視の情報】
6月6日 午後1時07分 オスプレイ3機 横田飛行場を離陸
       午後1時33分 オスプレイ3機 横田飛行場に着陸
(※ 6月4日に横田基地へ着陸したオスプレイです。)





情報提供内容(6月8日)
横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。

【防衛局職員による目視の情報】
6月8日 午前10時05分 オスプレイ3機 横田飛行場を離陸

横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
本日(6/8)午前中に、3機のオスプレイが横田飛行場を離陸し、その後岩国飛行場に着陸するとの情報がありましたのでお知らせします。(なお、内容の変更の可能性もあります。)

【防衛局職員による目視の情報】
6月8日 午前11時54分 オスプレイ1機 岩国飛行場に着陸
      午前11時57分 オスプレイ1機 岩国飛行場に着陸
      午前11時59分 オスプレイ1機 岩国飛行場に着陸
(※ 6月8日午前中に、横田基地から離陸したオスプレイです。)


オスプレイの横田基地への飛来について(平成27年8月)


情報提供内容(8月23日)
北関東防衛局から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
 オスプレイが、本日(8月23日)、横田飛行場に飛来する可能性がありますので、お知らせします。なお、本計画は天候等により変更の可能性があります。

【防衛局職員による目視の情報】
8月23日 午前7時53分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸
午前8時04分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸

8月23日 午前8時20分 オスプレイ1機 横田飛行場を離陸
午前8時22分 オスプレイ1機 横田飛行場を離陸

8月23日 午後3時12分  オスプレイ1機 横田飛行場に着陸
       午後3時22分  オスプレイ1機 横田飛行場を離陸





情報提供内容(8月25日)
横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
 オスプレイが、本日(8月25日)、横田飛行場に飛来する可能性がありますので、お知らせします。なお、本計画は天候等により変更の可能性があります。

情報提供内容(8月31日)
横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
 オスプレイが、本日(8月31日)、横田飛行場に飛来する可能性がありますので、お知らせします。なお、本計画は天候等により変更の可能性があります。

【防衛局職員による目視の情報】
 8月31日  午前10時27分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸



オスプレイの横田基地への飛来について(平成27年9月)


情報提供内容(9月1日)
横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
オスプレイが、本日(9月1日)、横田飛行場に飛来する可能性がありますので、お知らせします。なお、本計画は天候等により変更の可能性があります。

【防衛局職員による目視の情報】
9月1日 午後1時42分 オスプレイ1機 横田飛行場を離陸
9月1日 午後2時17分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸
9月1日 午後2時37分 オスプレイ1機 横田飛行場を離陸し、午後3時02分に厚木飛行場に着陸


情報提供内容(9月2日)
横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
オスプレイが、本日(9月2日)、横田飛行場に飛来する可能性がありますので、お知らせします。なお、本計画は天候等により変更の可能性があります。

【防衛局職員による目視の情報】
9月2日 午後0時08分 オスプレイ2機 横田飛行場に着陸
9月2日 午後0時20分 オスプレイ2機 横田飛行場を離陸し、午後2時27分に岩国飛行場に着陸

情報提供内容(9月14日)
横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
オスプレイが、本日(9月14日)、三沢飛行場を離陸し、横田飛行場に飛来する可能性がありますので、お知らせします。なお、本計画は天候等により変更の可能性があります。

【防衛局職員による目視の情報】
9月14日 午後1時1分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸
9月14日 午後1時5分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸

横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
オスプレイが本日(9月14日)、岩国飛行場を離陸し、横田飛行場に飛来するとの情報がありましたのでお知らせします。

【防衛局職員による目視の情報】
9月14日 午後3時57分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸


情報提供内容(9月15日)
横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
【防衛局職員による目視の情報】
9月15日 午後4時55分 オスプレイ2機 横田飛行場に離陸

【防衛局職員による目視の情報】
9月15日 午後5時09分 オスプレイ2機 東富士演習場上空に確認
9月15日 午後5時55分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸

【防衛局職員による目視の情報】
9月15日 午後8時30分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸





情報提供内容(9月16日)
横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
【防衛局職員による目視の情報】
9月16日 午後4時51分 オスプレイ1機 横田飛行場を離陸

北関東防衛局から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
【防衛局職員による目視の情報】
9月16日 午後7時11分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸


情報提供内容(9月18日)
北関東防衛局から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
【防衛局職員による目視の情報】
9月18日 午前10時08分 オスプレイ1機 横田飛行場に離陸


横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
オスプレイが本日(9月18日)午前、横田飛行場を離陸し、正午頃、岩国飛行場に飛来するとの情報がありましたのでお知らせします。
【防衛局職員による目視の情報】
9月18日 午前10時27分 オスプレイ1機 横田飛行場に離陸
9月18日 午前10時32分 オスプレイ1機 横田飛行場に離陸

北関東防衛局から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
【防衛局職員による目視の情報】
9月18日 午前10時54分 オスプレイ1機 横田飛行場に着陸


情報提供内容(9月18日)
横田防衛事務所から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
【防衛局職員による目視の情報】
9月15日 午後12時02分 オスプレイ1機 岩国飛行場に着陸
9月15日 午後12時26分 オスプレイ1機 岩国飛行場に着陸


情報提供内容(9月21日)
北関東防衛局から、次のとおり情報提供がありましたので、お知らせします。
【防衛局職員による目視の情報】
9月21日 午前10時00分 オスプレイ1機 横田飛行場を離陸
9月21日 午前11時48分 オスプレイ1機 岩国飛行場に着陸


オスプレイも登場…恒例の横田基地日米友好祭、機内見学に長蛇の列
2015年9月23日(水) 08時00分 response.jp

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オスプレイの周囲は昼過ぎになると大混雑。

在日アメリカ空軍・横田基地(東京都福生市)は19日と20日、「横田基地日米友好祭(フレンドシップフェスティバル)」を開催した。今年も1日あたり10万人を超える来場者が訪れ、「MV-22オスプレイ」などの機内見学を楽しんだ。

様々な航空機が展示され、一部は機内へ立ち入っての見学もできるようになっていたが、一番人気はMV-22オスプレイ。一時は機内見学が約2時間待ちとなり、部隊章などのグッズも飛ぶように売れていた。

通好みとされたのは、退役が近いとされる電子戦機「EA-6プラウラー」と、横田では昨年初めて機内が公開された早期警戒管制機(AWACS機)の「E-3セントリー」だった。前者は操縦席が、後者はコンソールの並ぶ機内が公開されている。
《石田真一》













オスプレイ事故



神奈川県のオスプレイ情報はこちら↓

神奈川県
オスプレイの飛来関連情報

米海兵隊のMV-22 オスプレイの飛来に関して、防衛省南関東防衛局から提供された情報をお知らせします。
神奈川県





「日本は戦後処理がまだきちんと終わっていない」10/08 『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』 矢部宏治・孫崎享対談(文字起こし)より一部抜粋


矢部:
米軍の基地を写したものなんですけど、
丘の上から見ていると、普天間基地から飛び立った飛行機がブンブンブンブン島の上を飛び回っているんです。
陸上、海上関係なく飛び回っているんですけれども、そして低空飛行をしているんですけど、
唯一低空飛行をしないところがあるわけです。
知っていますか?

孫崎:知らない。

矢部:米軍の住宅の上は飛ばないんです。

孫崎:ひどいねーーー。

ー略ー

矢部:
一言で言うと「日本は戦後処理がまだきちんと終わっていない」ということになるんですけど。
今日ひとつどうしてもしたい話がありまして、今出た「空域」という話がありますね。
首都圏の上空を米軍が支配しております。これをいま、どれくらいの人が知っているんでしょう?
要するにこの空域の下に、横須賀、厚木、座間、横田っていう、巨大な米軍基地があるわけです。
その基地の中は完全な治外法権になっているので、
要するに勝手に空域を通って飛んできて基地に着陸して、もう勝手に出られるわけです。
要するに「日本に国境はない」と。








comment 1
09.28
Mon
ほとんど測定されることのない魚介類に含まれるストロンチウムとトリチウムの量です。


東京電力 
福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果
魚介類の分析結果


魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域>
2015年度 第1四半期採取分

2015年 9月 9日 東京電力株式会社


魚介類に含まれるストロンチウムの測定結果
ストロンチウム90
アカエイ (筋肉) 小高区沖合3km付近2015年5月22日
Sr90→0.036Bq/kg(生) セシウム合計→256Bq/kg(生)

マコガレイ(筋肉) 木戸川沖合2km付近 2015年4月13日
Sr90→ 0.46Bq/kg(生) セシウム合計→166Bq/kg(生)

ババガレイ(筋肉) 2F敷地沖合2km付近 2015年4月13日
Sr9→00.64Bq/kg(生) セシウム合計→91Bq/kg(生)

ババガレイ(筋肉) 2F敷地沖合2km付近 2015年6月5日
Sr90→0.54Bq/kg(生) セシウム合計→84Bq/kg(生)

ババガレイ(筋肉) 熊川沖合 4km付近 2015年5月11日
Sr90→0.25Bq/kg (生)セシウム合計→77Bq/kg(生)
※魚全体で測定

魚介類に含まれるトリチウムの測定結果
トリチウム
【魚介類のトリチウム(半減期 約12年)測定結果】 採取場所(地点番号):熊川沖合4km付近
ヒラメ(筋肉) 2015年5月11日
組織自由水型0.11Bq/L 組織自由水型→0.090Bq/kg(生) セシウム合計→7.5Bq/kg(生)
ヒラメ(筋肉) 2015年6月8日
組織自由水型→0.091Bq/L 組織自由水型0.070 Bq/kg(生)ND(0.038)セシウム合計→ NDBq/kg(生)

※組織自由水型トリチウムとは魚の筋肉に含まれる水分に含まれるトリチウムをいい、魚が生息する海水中のトリチウム濃度と比較される。
有機結合型トリチウムとは乾燥させた魚の筋肉に含まれるトリチウムをいい、乾燥させた魚の筋肉を燃焼させたときに発生する水に含まれるトリチウム濃度をあらわす。

熊川沖合4km付近 海水のトリチウム濃度
2015年4月19日 0.11Bq/L
2015年5月10日 0.095Bq/L
2015年6月7日 0.086Bq/L


ーーーー

わざわざBq/kg(生)と記載されています。
(生)と書かれているのは、乾燥させた検体よりも生の方が濃度が低く測定されるからでしょうか?

20km圏内ですが、アカエイ・マコガレイともに100Bq/kg(生)を超えています。
そして「※魚全体で測定」されているにもかかわらずストロンチウム90はしっかりと取り込まれています。
ストロンチウム90はセシウムと違い、体内に取り込むと排出されず骨などの組織に溜まると言われています。

トリチウムに関してはヒラメたった2検体のみの測定!
「組織自由水型トリチウム」は海水の濃度と同じような数字です。海水が汚染されていれば、そこにいる魚は同じ程度にトリチウムを含んでいるということになるのだと考えていいのだと思います。

「有機結合型トリチウム」に関してはNDということですが、
「有機結合型トリチウムとは乾燥させた魚の筋肉に含まれるトリチウムをいい、乾燥させた魚の筋肉を燃焼させたときに発生する水に含まれるトリチウム濃度をあらわす」ということなので、で測定しても検出されるものなのでしょうか?疑問です??

福島沖の毎日トリチウムをそのまま放出している海に住んでいる魚には、トリチウムは含まれていると思って間違いないですね。
放射性物質に汚染された物質は今後も海に流れることはあっても回収することはできない。
魚介類を食べようと思う時にはそのことを常に頭に入れておいた方がいいと思います。

テレビの報道に惑わされないでね。
私はキャスターやタレントの健康がとても心配です。
無理やり食べさせられちゃってますもんね(>人<;)






comment 2
09.28
Mon

http://ir.library.tohoku.ac.jp/re/bitstream/10097/41554/1/kaken-14390006.pdf
トロトラスト被注入例の解析を中心としたα線発がんの分子機構の解析(14390006)
平成14年度~16年度科学研究費補助金(基盤研究(B) (2) )研究成果報告書

平成17年3月 研究代表者 福本 学(東北大学加齢医学研究所)



トロトラスト症、放射線発がん機構解明の温故知新
平成17年3月
研究代表者 福本 学 (東北大学加齢医学研究所)

はじめに
放射線の内部被ばくは、核種によって体内分布が異なるために被ばくの標的臓器が異なる。今後、放射性廃棄物の管理に伴う事故やテロも想定されるため、内部被ばくの人体への影響研究は重要であるが、一般に線量評価が困難なために、外部被ばくに比べて研究は進んでいない。自然α放射線源である二酸化トリウムのコロイド溶液、トロトラストは、投与時の急性の副作用がない.ために、第二次世界大戦中から終戦直後において血管造影剤として、主に傷痍軍人に使用された。トリウムは、生物的半減期が400年と長く、血管内に注射されて起こる病態はトロトラスト症と呼ばれている。そのため、旧厚生省援護局による健診と病理解剖のために集積線量を含めて貴重な資料が残されている。トロトラストの半分以上は肝臓に沈着し、α線よる被ばくを与え続けるため、多くの場合、投与後数十年して肝腫癌を発症する本邦の原発性肝がんは、 肝実質細胞由来と考えられる肝細胞癌(HCC)が圧倒的に多いが、トロトラスト症では胆管上皮由来と考えられる、肝内胆管癌(ICC)が最も多い。さらに血管肉腫(AS)、 HCCもほぼ同様な比率1/3ずつで発症することから、トロトラスト症のICCとASの発がん機構を解析し、比較することは、ヒトにおける低線量α線の持続的被ばくが、どのような遺伝子にどのような変異を引き起こすかを理解することにつながる。さらに、その結果として起こるヒトの放射線発がん機構の解明にとって不可欠な研究と言える。

図1

現在、発がんはその要因が物理的、化学的、生物的に拘わらず、多段階のがん遺伝子の活性化とがん抑制遺伝子の不活性化の複合、すなわち遺伝子の傷害の積み重ねの結果起こるとされている(図1)。古典的な放射線発がん機構は、以下のように考えられていた。放射線によるDNA傷害は直接損傷と、反応性の高いフリーラジカルによる間接的損傷であり、欠失の形をとることが多い。その結果、細胞の生存に重要な遺伝子が傷害されれば細胞死が起こり、誤って修復されればがんになる、というものである。特にトロトラスト症では、高LET放射線であるα線によるDNAの二重鎖切断とその修復異常が、発がんの原因であると考えると単純明快である。

今日、放射線の晩発障害としての発がん機構を考える上で、重要な考え方が加わっている。一つは、放射線によって細胞に遺伝子変異を起こし易くなるという、ゲノム不安定性の獲得、もう一つは、ある細胞が直接被ばくしていなくても、周囲の細胞が被ばくすれば、被ばくしたと同様な放射線影響を受ける、というバイスタンダー効果である。それらがヒトの放射線発がんに当てはまるかについての解答は出ていないため、我々はトロトラスト症肝腫瘍を丹念に解析することによって、放射線発がん機構を解明することを目指した。

トロトラスト症発がん
トロトラストは発がん性のために、敗戦後すぐに使用禁止となったこと、現在トリウムは国際規制物質であるために入手と動物実験はほぼ不可能に近い。そこで検討対象は解剖後作製された病理標本に限られる。しかし、上述のようにトロトラストは戦中に投与されたため、ほとんどは15年以上以前に亡くなった症例で、古い症例ほど保存状態が悪いという条件から出発した。そのため、 PCR (短時間に目標とする特定のDNA領域を増幅する技術)による200bp以下のDNA断片の増幅とその解析を中心として、非トロトラスト症の腫癌と比較した。その結束種々のことが明らかとなった。

1一4bp単位の繰り返し配列であるマイクロサテライト(MS)がヒトゲノム中に万遍なく存在する。各MSの両端はゲノム上の特定の配列をしているために、その配列をプライマーとしてPCRを行えば、染色体上の特定のマイクロサテライト配列を増幅させることができる。もし、そのMSの繰り返し数が同一アリルで父方と母親由来で異なれば、 PCR産物の長さも異なる。そのような場合、 ヘテロであるといい、長さが等しい場合、ホモであるという。癌抑制遺伝子は、両親からの一方に変異が起こり、他方に欠矢が起こることによってがん化に寄与するとされているため、非がん部でヘテロ、がん部でホモの場合、 ヘテロ接合性の消失(loss of heterozygosity, LOH)が起こったとされ、ゲノム上のその部位にがん抑制遺伝子候補の存在が考えられる。また、 MS配列は繰り返し数をDNAポリメラーゼが読み違う可能性が高く、DNAミスマッチ修復機構が働かなければ、長さの異なった複数のPCR産物がみられるようになる。これをMS不安定性(MSI)がある、といい、ゲノム不安定性形質のひとつとして考えられている。ミスマッチ修復にはいくつかの分子が関与しているが、特にhMLHlとhMSH2遺伝子の変異やプロモーター領域のメチル化による不活性化がMSI形質を引き起こすことが知られている。我々はK-ras癌遺伝子活性化、 p53癌抑制遺伝子不活性化、 LOH、 MSIについて検討した結果、種々の事実が明らかとなった。また、組織標本について、トロトラストの沈着様式の三次元再構築を行い、 α線被ばくと発がんの発生母細胞の関係が明らかになるかを検討した。

トロトラスト症肝腫癌から明らかになったこと
①トロトラスト症ICCでは癌抑制遺伝子p53の変異頻度が高く、フリーラジカルが原因である、 transversion型変異よりも、化学発がんにみられるtransition型がほとんどであること、非がん部にもクローナルな変異がみられること、腫癌の発生が多発性であることが明らかとなった。

②トロトラスト症肝内胆管がんを含めて、肝胆道系の発がんに関わる遺伝子変異は、発がん要因よりも発がんの発生母地となる細胞に特異的であることが明確になった。そして、トロトラスト症肝内胆管癌はHCCとICCの中間にあること、すなわち肝細胞と胆管細胞の両方へ分化しうる幹細胞由来の可能性が明らかとなった。これは被ばくの標的細胞と発がんの標的細胞が必ずしも一致している訳ではないことを現している。

③ゲノム不安定性形質のひとつであるMSIを検討した。その結果、トロトラスト症ICCのMSI形質は非トロトラスト症の2倍以上の頻度でみられた。ゲノム全体としてみた場合、放射線被ばくによってメチル化が低下することが知られている。
しかし、トロトラスト症ICCでは、 DNAミスマッチ修復遺伝子であるhMLHl遺伝子プロモーター領域のメチル化による不活性化が関与していることが明らかとなった。さらに、非がん部にもLOHやMSIのみられる症例があり、傷害DNAを有する細胞のモノクローナルな増殖も、一見、 MSIのように見えていることが明らかとなった。以上からトロトラストICCではDNAミスマッチ修復遺伝子のメチル化によるゲノム不安定性と、ランダムなDNA傷害が混在していることが明らかとなった。

④トロトラストの沈着様式の三次元再構築から、 α線被ばくと発がんの発生母細胞の関係が明らかになるかを検討した。病理切片についてイメージングプレートを用いて、通常のパラフィン切片上で沈着したトリウムのα線を検出し、定量することができた。その結果、病理切片一枚から肝全体のトリウム沈着量の推定も可能となった。トリウムは非がん部の門脈域の胆管周囲に最も多く沈着していたが、がん部にも非がん部同様、沈着を認めた。さらに、トロトラストは主にマクロファージに貧食されて肝内を循環しているため、 α線の飛程は80ミクロンと短いものの、肝全体が被ばくしていることが明らかとなった。また、貧食マクロファージはお互いに集族し、周囲の組織改変と線維化が著明であった。

⑤組織所見で、類洞内にも有意にトロトラスト沈着が観察され、特に中心静脈周囲の沈着と実質細胞の変性と線維化が著明であった。この事実は類洞内皮がα線被ばくの直接の標的であることを示唆している。トロトラスト症ASについてゲノム全体に26cM間隔でLOH解析を行ったところ、全体のLOH頻度はトロトラスト症の方が非トロトラスト症ASに比して2倍高く、大きい染色体で、しかも、短腕よりも長腕に高い傾向がみられた。トロトラスト症では標的の大きさに関連してα線による直接DNA傷害が起こっている可能性が高い。トロトラスト症ICCもASも投与後、発がんまでの潜伏期間は約40年、集積線量は8Gyと両者に有意差を認めなかった。しかし、トロトラスト症ICCとASの高頻度LOHの分布は全く異なっていた。これらは、トロトラスト症ICCとASCは、発がんに必要な遺伝子変異の数はほぼ等しいが、発がんの標的細胞によって変異を受ける遺伝子が異なると考えられる。現在、トロトラスト症ICCとASに共通して、染色体8qと13qに高頻度LOHを伴った2ローカス(遺伝子座)を見出した。これは、放射線発がんに共通した遺伝子変異が存在する可能性を示唆している。また、病理解剖によってICCと最終診断された肝組織を再検したところ、 ASや血管内皮の異常増殖した症例がみられた。これはLOH解析が診断困難な症例の補助診断として有用であることも示している。

まとめく図2)
トロトラスト症肝腫癌はヒトにおいて、 α線による体内被ばくの影響を知るために、最適で貴重な試料である。トロトラスト症ICCの発がんに関しては、ゲノム不安定性が関与しているが、非がん部のモノクローナルな増生も特徴的に観察された例もあり、発がん早期にゲノム不安定性が誘発されている可能性が高い。 LOH解析から、トロトラスト症ICCの発生母地細胞は肝細胞と胆管細胞の両方へ分化しうる、いわゆる、幹細胞であることが示唆された。

図2

組織所見から、肝に沈着したトロトラストの一部はマクロファージに貧食されて肝内を常時移動しているため、肝全体がある程度α線に被ばくしていること、それによって組織改変が絶え間なく起こっていることを明らかにした。トロトラスト症ASとICCは、ほぼ同一数ではあるが、異なる遺伝子の変異が関わっていると考えられる。ASでは放射線によるDNAの直接傷害の関与の大きいことが考えられるが、ICCと共通したLOHローカスが存在したことから、放射線発がん過程に特異的な遺伝子変異の存在も否定できない。以上から、放射線発がんは、従来考えられていたように放射線によるDNAの傷害・修復異常による遺伝子変異の固定という単純な機構ではなく、被ばく組織の改変や炎症など、生体側の反応が発がんに大きく関与していることを明らかにした。


ーーーーここまでーーーー


トロトラスト=体内被曝

トロトラストの半分以上は肝臓に沈着し、α線よる被ばくを与え続けるため、多くの場合、投与後数十年して肝腫癌を発症する。

体内被曝の半分以上は肝臓に沈着し、α線よる被ばくを与え続けるため、多くの場合、投与後数十年して肝腫癌を発症する。

本邦の原発性肝がんは、 ・肝実質細胞由来と考えられる肝細胞癌(HCC)が圧倒的に多いが、トロトラスト症では胆管上皮由来と考えられる、肝内胆管癌(ICC)が最も多い。さらに血管肉腫(AS)、 HCCもほぼ同様な比率1/3ずつで発症する

本邦の原発性肝がんは、 ・肝実質細胞由来と考えられる肝細胞癌(HCC)が圧倒的に多いが、体内被曝では胆管上皮由来と考えられる、肝内胆管癌(ICC)が最も多い。さらに血管肉腫(AS)、 HCCもほぼ同様な比率1/3ずつで発症する

トロトラスト症では、高LET放射線であるα線によるDNAの二重鎖切断とその修復異常が、発がんの原因であると考えると単純明快である。

体内被曝では、高LET放射線であるα線によるDNAの二重鎖切断とその修復異常が、発がんの原因であると考えると単純明快である。

トロトラスト症肝内胆管癌(ICC)のMSI形質は非トロトラスト症の2倍以上の頻度でみられた。

体内被ばく肝内胆管癌(ICC)のMSI形質は非体内被ばくの2倍以上の頻度でみられた。

トロトラストは主にマクロファージに貧食されて肝内を循療しているため、 α線の東程は80ミクロンと短いものの、肝全体が被ばくしていることが明らかとなった。

体内被曝では主にマクロファージに貧食されて肝内を循療しているため、 α線の東程は80ミクロンと短いものの、肝全体が被ばくしていることが明らかとなった。


ーーー


トロトラストによる放射線の晩発障害 (09-03-01-11)
2001年03月  ATOMICA

<概要>
 二酸化トリウムコロイドを主剤とするX線 造影剤トロトラストは、わが国では広島、長崎の原爆に次ぐ大規模な放射線による健康障害をもたらした。体内に注入されたトロトラストは肝臓や骨髄などに沈着しα線を長年月にわたって放出する。数十年経過後、肝がん、肝硬変や白血病を発症し、死亡率も高いことが明らかにされている。
<更新年月>
2001年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)
<本文>
1895年、レントゲンによってX線が発見されて間もなくX線の透過力と写真作用は1915年頃から病気の診断に利用されるようになった。鮮明なX線写真を得るために造影剤が用いられるがヨウ素系の造影剤にくらべて、二酸化トリウム(ThO2)はきわめて勝れていることが明らかになった。当初は血管塞栓や痛みを伴うことが問題になったが、1929年にドイツのハイデン社が、二酸化トリウムのコロイド状水溶液を開発し、「トロトラスト」という商品名で市販された。気管支、肝臓、ひ臓および血管の造影に威力を発揮し、1930年以降ドイツを中心にポルトガル、デンマーク、スウェーデン、日本などで広く使われるようになった。
 
トロトラストは、30~100オングストローム(平均55オングストローム、1オングストローム=0.1nm)という微細で均一な二酸化トリウム(25%)に安定剤としてデキストリン(20%)などを加えたコロイド状水溶液である。
 
血液内に注入されたトロトラストコロイドは血管内を循環した後、網内系細胞に異物として取り込まれ、その後、肝臓、ひ臓、骨髄に蓄積される。トロトラストは殆ど排泄されないので長期間トリウムからのα線や娘核種からのγ線を照射されることになり、肝がん(癌、ガン)や白血病を誘発するのである。初めは血管内に使用してもアレルギーなどの早期の障害が認められなかったことから血管造影剤として利用され、威力を発揮した。とくに、これまで注入時の血管痛のため不可能とされていた脳血管造影が可能になった。世界各国で広く用いられるようになり、その数は数万に達するという。
 
1942年、Wohlwillはトロトラスト血管内注入者に発生した急性白血病を初めて報告したが、その後、肝硬変、肝血管肉腫、白血病などが続出した。これらの報告を受け、放射線防護の立場から ICRP、IAEA、WHOは各国に呼びかけトロトラスト晩発障害の共同研究が始まった。
 
血管内注入例における二酸化トリウム(ThO2)の臓器別分布は 表1 に示すように肝臓に最も集まる。 図1 はトロトラスト障害の肉眼像と電子顕微鏡像である。


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図1

トロトラスト障害は、X線やγ線にくらべてRBE(生物効果比)の高いα線障害であり一般の放射線障害でのそれと比較する時は線質の違いを考慮しなくてはならない。また、トロトラスト顆粒の巨大化に伴う問題がある。すなわち、自己吸収および臓器内の不均等分布による局所的な大線量被ばくの問題もある。
 
血管内注入で臓器および組織がトリウムとその娘核種から放出される放射線を吸収する線量はα線オートラジオグラフィー法、α線スペクトロメーター法、γ線シンチレーションスペクトロメーター法などで調べることができる。現在、国際的な標準法としてα線シンチレーションスペクトロメーターで測定したトリウムおよびその娘核種のγ線の値を各種の要素を考慮して補正しα線の値を求めている。

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表1
 
表1は各国における調査結果で対象者、注入理由となった疾患や注入量が異なるので厳密な比較はむつかしいがいずれも生存率の低下が明らかである。
 
わが国のトロトラスト血管内注入例で肝線量率と悪性腫瘍発生数、死亡までの期間を 表2 に示す。

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表2

ドイツの研究でも注入量もしくは肝線量率が増大すると、肝悪性腫瘍で死亡するまでの期間が短縮することが認められた。
 

わが国のトロトラスト血管内注入例における累積死亡率および累積死亡数の経時変化を 図2 に示す。

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図2

トロトラスト注入から死亡までの期間は 表3 に示すように肝線量率が増大すると、期間が短縮する。

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表3

また、各国における血液疾患の発生数と発生率は 表4 に示すようにかなり高いことも明らかにされている。

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表4

トロトラストの使用が中止されて長い年月が経過しているため患者の数や実態は不明な点も多いが、現在でも研究は続けられている。
 
なお、トロトラストは、がん抑制遺伝子P53に突然変異を起こしてがんを発生するといわれている。また、精巣にも沈着し、父親の精子の遺伝子を傷つけた影響が子供たちに伝わる恐れも指摘されているが、今後の課題であろう。




ーーーー

「肝内胆管癌」という肝内の胆管にできるガンは内部被ばくによって誘発されるガンである





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09.25
Fri


ヒトにおける内部被ばく誘発癌のモデル
トロトラスト症肝癌は肝内胆管癌(ICC)が多いとされている
放射線に対する生物学的な反応の結果、がんが誘発される

セミナー:放射線医療国際コンソーシアムセミナー
内部被ばくによるヒト放射線誘発がんの分子機構―トロトラスト症から

福本 学 東北大学 加齢医学研究所

被爆者に癌の発症が増加することが知られており、放射線が発がんの一因であることは確実である。原子力発電の結果生じる放射性廃棄物は増加一途をたどり、劣化ウラン弾など所謂「汚い核兵器」による被ばくの可能性も高まる一方である。しかし、放射線発がん、特に内部被ばくによる発がんの分子機構の解明は未だしである。発がんが、体細胞の癌関連遺伝子の異常の積み重ねの結果であることが明らかになった。また、変異ばかりでなく、癌関連遺伝子の発現調節の異常も発がんに関与していることも明らかとなった。

第二次大戦中に用いられた血管造影剤である、トロトラスト(ト)はα線放射性物質であり肝に沈着し、注射後数十年して肝腫瘍の発生をみるため、ヒトにおける内部被ばく誘発癌のモデルとして貴重である。ト症肝癌は肝内胆管癌(ICC)が多いとされている。そのためト症肝癌の発生母地細胞を明らかにすべく、癌抑制遺伝子の不活性化を表す、ヘテロ接合性消失(LOH)をマイクロサテライト(MS)マーカーを用いて解析した。非ト症肝細胞癌(HCC)とICCについて包括的解析を行い、LOH頻度から両者を鑑別するために46ローカスを選択し、ト症ICCにおいて検討した。ト症ICCは肝細胞と転換上皮へ分化し得る幹細胞由来と考えられた。LOH頻度はMS不安定性陽性例と、高分化型に高い傾向がみられたが、有意ではなかった。LOH頻度は発癌までの期間や総被ばく線量とは無関係であった。

さらに血管肉腫(AS)は放射線誘発腫瘍として特徴的であるため、ト症ASの網羅的LOH解析を行った。その結果、LOH頻度は染色体の長さに比例することからAS誘発には放射線の直接被ばくの効果が大きいと考えられた。ト症ICCとト症ASに共通してLOH頻度の高い5ローカスを見出した。組織学的にトはマクロファージに貪食されていること、ICCとASでは潜伏期間、沈着量に差がないにも拘わらず、オートラジオグラフィーではASよりもICCにαトラック数が多いことも明らかとなった。

以上の結果から、放射線発がんが、単に放射線によって起こったDNA二重鎖切断の修復時に起こった突然変異である、遺伝子の傷がDNA複製とともに固定されて、その積み重ねが発がんにつながる、という単純なものではなく、放射線に対する生物学的な反応の結果、がんが誘発されることを説明する。
胆管癌



http://ir.library.tohoku.ac.jp/re/bitstream/10097/41554/1/kaken-14390006.pdf
トロトラスト被注入例の解析を中心としたα線発がんの分子機構の解析(14390006)
平成14年度~16年度科学研究費補助金(基盤研究(B) (2) )研究成果報告書

平成17年3月 研究代表者 福本 学(東北大学加齢医学研究所)
    ↑
P7から詳しい説明があります


川島なお美さんが昨夜お亡くなりになった。
肝内胆管癌はワインの飲みすぎではなく内部被曝の可能性が高いのではないか?
ご冥福を心からお祈りいたします。

川島なお美さん死去 昨年胆管がん手術 54歳若すぎる…
スポニチアネックス 9月24日(木)23時8分配信

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川島なお美さん
 女優の川島なお美(かわしま・なおみ、本名・鎧塚 なお美=よろいづか)さんが24日午後7時55分、胆管がんのため、都内の病院で亡くなった。54歳だった。愛知県出身。



川島なお美がワイン再開 手術から7カ月
2014年8月13日19時50分 日刊スポーツ

 肝内胆管がんの手術を受けてから“ワイン断ち”していた女優の川島なお美(53)が13日、最近アルコールの摂取を再開したことをブログで報告した。

 川島は今年1月に肝内胆管がんの手術を受けて以来、禁酒していた。しかし、ついに8月13日、「ずっと禁酒してますが最近なめる程度にたしなんでおります」と飲酒再開を発表した。夫でパティシエの鎧塚俊彦氏と笑顔でワイングラスを傾ける写真を公開し、「弱くなりました~ひとくちでもうぽわんぽわん」と語っている。
 [2014年8月13日19時50分]






2011年6月事故からまだ5ヶ月しか経っていない時期に福島へ

がんばっぺ福島!
2011-06-26 06:49:32

700人の方々が暮らす避難所、ビッグパレット福島にやってきました
川島なお美オフィシャルブログ「『なおはん』のほっこり日和」by Ameba-DVC00214.jpg
原発の影響で、安全にもかかわらず売れなくなってしまった地元の野菜たち
トマトはジューシーで甘くてめちゃ美味しいです
胡瓜も地元のもろ味噌をつけていただきました(ふだん胡瓜食べられない私が)

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マスコミを通して安全性をアピール

ー略ー



2012年5月 骨折

肋骨骨折川島なお美に、夫「あっそ」
2012年5月25日23時25分 日刊スポーツ

 タレント川島なお美(51)が肋骨(ろっこつ)を骨折していたことを25日のブログで明かした。
 5月5日、出演ミュージカルのレッスン中にポールダンス用のポールで逆上がりを練習中、胸を強打し、骨折したという。
 それでも痛みを我慢し、翌6日もバレエのレッスンを受け、7日もゴルフへ出かけた。ところが痛みが尋常ではなく、ハーフラウンドで終え、同日夕方に病院へ向かった。診断の結果、肋骨にひびが入っていたという。
 現在でも入浴時以外は常にコルセットを装着し、6月13日のミュージカル初日へ備えているという。
 それでも一番のショックはパティシエの夫鎧塚俊彦氏(46)に骨折を伝えたところ、「あっそ」とだけ返されたことだという。
 川島は「なんも心配してくれない! まるで目にごみ入ったくらいのもん。そっちのほうがショックだっつーの」とつづっている。

 [2012年5月25日23時25分]









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09.25
Fri

マンモグラフィにおける被爆について、患者さんにどのように答えたらよいですか?
東京都立府中病院診療放射線科 角田博子

確定的影響と確率的影響
 放射線被曝を受けた場合、常に「確定的影響」と「確率的影響」の2 つを考えなければなりません。
 確定的影響とは、ある値(しきい線量)を超えて被曝した場合、必ず発生する影響のことです。たとえば、精巣が1回に3.5~6Gyの被曝をすると永久不妊となり、水晶体では5Gyで白内障が生じます(表1)。しきい線量以下の被曝であれば、これらの危険を完全に防止することができます。これに対して、確率的影響にはしきい線量がありません。ごく少量の被曝でも、可能性は非常に低いものの癌発生のリスクを負うことになるのです。宝くじを買うとき、まさか皆さんは1等があたるとは思わないでしょう? しかし、低いながらもあたる可能性を手に入れたことになるのと同じなのです。
マンモ1

マンモグラフィでどのぐらい被曝するのか?
 米国放射線専門医会は、1方向あたり吸収線量で3mGy以下という勧告を出していますが、これが現時点での日本での基準となっています。最近の撮影技術をもってすれば、1~2mGy以下で撮影できることがほとんどです。これを実効線量で示すと、0.05~0.15mSvの被曝があるといわれています。数字だけいわれてもピンときませんが、表2を見てください。私たちは、まったく知らない間に年間約2.40mSvの自然放射線を浴びています。また、東京からサンフランシスコまで飛行機で移動する間に受ける自然放射線は0.038mSvというデータもあります。さらに、地域による自然放射線の差も、岐阜では年間0.78mSv、神奈川では0.42mSvと意外と大きいのです。
 これらのデータをマンモグラフィでの被曝の値と比べてみてください。確率的影響は決して生じない量であることがおわかりいただけると思います。確率的影響は0ではありませんが、自然放射線や飛行機旅行と比べてもその線量は多くありません。もちろん、だからといってむやみに撮影していいということにはなりませんが、不必要に恐れる必要もないということです。
 あなたは、被曝を恐れて出張をとりやめますか?
マンモ2



0.05~0.15mSvの被曝
5年連続でマンモグラフィ検査をすれば累積線量は0.25~0.75mSvになる
この被曝はレントゲン写真1枚につきだから、実際は何枚撮影するのだろう?
3枚〜4枚だとすると1回の検査での被曝線量は0.05~0.15mSv×3〜4倍になる。
つまり、間をとって1回0.1mSvだとすると0.3~0.4mSvの被曝になる。
これを私たちが日常的に目にしているμSvに換算すると、300~400μSv !!

5年連続でマンモグラフィ検査を受けたとしたら7.5~10mSv(7500~10000μSv)になもる。


「CTスキャンによる低線量被ばく後の発がんリスク」ジョン・マシューズ
9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)

「CTスキャンの約6割というのが頭部に照射されるため、平均臓器線量は40mGyでした。
これは4.5mSvということになります」
ということなので、



精巣 一時的不妊 0.15 Gy →0.05mSv
    永久不妊 3.5~6 Gy →0.35~0.6mSv 
卵巣 永久不妊 2.5~6 Gy →0.25~0.5mSv 
水晶体 水晶体混濁 0.5~2 Gy →0.05~0.2mSv 
     白内障   2~10 Gy →0.2~1mSv 
造血組織 機能低下 0.5 Gy →0.05mSv 
(※mSvは”およそ”の数字)



北斗晶さんのブログ【またね】と言わせて下さい。より一部抜粋
私の右胸の乳癌は、分かった時には既に約直径2㎝大の大きな腫瘍になっていました。
残念ながら、進行が異常に早く1年間でここまで大きくなってしまった様です。

1番初めに何かがおかしいと感じたのは、うつ伏せになって床に転がった時でした。
うつ伏せで、胸を圧迫した事で右胸にチクッとする痛みを感じました。
年頭のまだ寒い時期です。
でも、身内にも乳癌の人はいないし、毎年マンモグラフィーもエコー検査も受けてるの、その安心感から圧迫されただけの痛みだとしか思いませんでした


春が過ぎ夏に差し掛かって暑くなって来た頃、右胸にチリチリする痛みを感じる気がして、毎年秋頃に乳癌検査をしていましたが、秋まで待たずに知り合いの先生に胸の痛みを相談してみました。

後日…
胸を少し切り中の組織を取って細胞を調べて貰いました!



北斗晶「乳癌検診に行ってください!」……呼びかけが多くの女性に響く
2015年9月24日(木) 17時20分

 元女子プロレスラーでタレントの北斗晶が乳がんを患っていることを告白。「女性の皆さん、若かろうが年を取っていようが乳癌検診に行ってください!」との訴えが、多くの人々に響いている。

 北斗は23日に更新したブログで、乳がんを患っていること、そして右乳房全摘出手術を受けることを告白。“鬼嫁”の元気で豪快なイメージの北斗の突然のがん告白は、世間の人々に大きな衝撃を与えた。

 ブログでは乳がんが発覚した当時の思いや症状、そして手術へ向けた覚悟、家族への思いをつづるとともに、「女性の皆さん、若かろうが年を取っていようが乳癌検診に行ってください!」と呼びかけた。

 自身の場合は腫瘍が乳頭に近い場所にでき、毎年乳がん検査を受けていたにも関わらず、触診でも確認しにくいケースだったことから発見が遅れてしまった。進行も早く、すでに脇のリンパに転移している可能性もあるという。しかしそのことを「私だからこそ、みんなが乳癌の話しに耳を傾けてくれるかもしれないから。もしかしたら、それを大勢の人に伝えられる私だから乳癌に選ばれたのかも…そう思うしかありません」と前向きにとらえ、「乳癌の専門医にしか分からない自分では直視出来ない、触っても分からない乳癌の位置もある事を、このブログを読んでくださった皆さんにも知ってもらいたいです」「乳癌は遺伝だから、身内に乳癌の人はいないから大丈夫と安心しないでください。そして、自分の体の小さな異変を見逃さないで。体は正直です!」と訴えた。

 北斗の呼びかけは世の女性の心に強く響いた。モデルの中村アンは「私は今まで 乳がん検診を受けたことがなく 確信もないのに どこか大丈夫だろうと思っていたけれど ちゃんと受けようと思いました」とツイート。タレントの小倉優子はブログで「明日、私は検査の予約をします」と早速行動にうつし、「病気は、決して他人事ではありません。皆さんは、検査は大丈夫ですか?」と自らも呼びかけた。

 フリーアナウンサーの小林麻耶は現在日本では女性の12人に1人が乳がんになっていることを周知した上で、「女性の皆さん、自分を守るため、検診に行きましょう。男性の皆さん、大切な女性を守るため『検診に行ってね』とぜひ伝えてください」と、女性だけでなくパートナーである男性に向けてもつづった。

 タレントのフィフィはTwitterで、北斗の呼びかけを受け「自分の身体と向き合う事の大切さを再認識させられました。北斗さん有難うございます」と感謝。お笑いトリオ・森三中の大島美幸の夫で放送作家の鈴木おさむ氏は「勇気を持ってああいう発表をしてくれたことで、、あらためて自分にもいつ何が起きるかわからないと自覚して、検査を受けたりすることが大切」とつづった。

 そのほか、タレントの薬丸裕英はブログで「北斗さんの恩に報いる為にも多くの皆さんに検診に行って頂きたいと切に願います」と呼びかけ、北斗と同年齢のタレント・江口ともみも「女性の皆さん、乳癌検診受けていますか?面倒くさい、時間がない、自分は大丈夫 そんな事では大切な身体を守れませんよ」「改めて、女性の皆さん乳癌検診受けましょうね」と呼びかけた。《花》



でも、乳癌検診では発見されなかった。
北斗さんの場合は自覚症状があっても「乳癌検診は毎年受けているから気のせいだ」と考え、かえって乳癌検診を受けていたがために病院へ行く時期が遅れたとも言えると思います。

乳癌検診をしていなくて乳癌になった人と違って、
毎年検診をしていた北斗晶さんでさえ初期に見つける事ができなかったのに、
「乳癌検診に行きましょう」と呼びかけるのはちょっと違うのではないかと思います。


マンモグラフィ 日本放射線技術学会
Q1:マンモグラフィはどんな検査ですか?
マンモグラフィとは乳房のX線撮影のことです。乳房は皮膚や脂肪、乳腺などX線の透過の差が少ない組織から構成されています。そこで、コントラストのよい画像を作るため、エネルギーの低いX線を使って撮影します。
装置はいろいろな角度をつけることができます。標準の撮影では、上下方向(頭尾方向)と、台を斜めにして体に沿った角度をつけた斜め方向(内外斜位方向)との2方向が撮影されますが、50歳以上の乳がん検診などでは、斜め方向だけ撮影する場合もあります。

Q6:マンモグラフィの被ばく線量はどのくらいですか?
マンモグラフィのX線の量は平均乳腺線量といって、乳腺の線量で表します。
日本やアメリカのガイドラインでは、厚さが42mm、脂肪と乳腺の割合が半分ずつの乳房模型(ファントム)を撮影したとき、1枚あたりの平均乳腺線量が3mGy以下になるように決められていますが、現状では、日本のマンモグラフィの装置では、ほとんど2mGy以下で撮影されています。
また、少なくとも1年に1回は線量測定を行い、装置と線量の管理をしています。実際には、受診者の方の乳房の厚みや、乳腺の量の割合によって線量は変わってきますが、将来、白血病や発がんなど、身体に影響が出るような線量ではありません。
当学会も構成団体のひとつであるNPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会では、医師・技師の個人認定を行うとともに、基準以上の画像が提供され、また機器や線量の精度管理も実施されている施設の認定も行っています。ホームページで公表されていますので、参考にしてください。




そうだろうか …?
毎年マンモグラフィの検査をして被曝をして、それでも癌は発見されず、癌は2cm大にもなり、リンパにも転移しているかもしれないというしれないという状態になってしまっている。
それじゃあ、無駄に被曝を重ねていただけになるではないか!
私なら「マンモグラフィなどという検診は受けない方がいい」と声を大にして言いたい。



「CTスキャンによる低線量被ばく後の発がんリスク」ジョン・マシューズ
9/21第5回 市民科学者国際会議(文字起こし)
より一部抜粋

そして英国におきましては、2012年パラレル、私たちと同時にピアース等がイギリスのデータを用いて小児期のCTスキャン後の脳腫瘍と白血病の実質的な増加がみられた、それが示されたと言っています。

そして我々の調査ですけれども、これはオーストラリアの調査なんですけれども、実質的な脳腫瘍、白血病、さらにその他の固形がん、ほとんどすべての固形がんの実質的な増加がみられたということを示しています。


脳腫瘍、軟部組織、甲状腺、白血病、というものがあるわけですが、脳腫瘍というのが最も顕著であった。
というのはCTスキャンというのは、だいたいその6割が脳に照射されるということで脳腫瘍が増えています。

子供が5歳未満でCTスキャンによって頭部に被ばくをすると、実際の非被ばく群と比べると脳腫瘍の平均発生率が3倍になると。

CTスキャンの約6割というのが頭部に照射されるため、平均臓器線量は40mGyでした。
これは4.5mSvということになりますけれども、これによってCTコホートによる脳腫瘍の増加というのは驚くことではないということがわかります。



CTスキャンだって「脳ドック」などと言って受けた方がいいという風潮が日本にはあります。
CTスキャンに関しても医療関係では「しきい線量(mGy)よりはるかに少ない量なので、症状が現れてくることはありません」と書かれています。
でも実際に数多くの人々を調べてみると、ジョン・マシューズ先生がおっしゃるように有意に癌が発生していることがわかってきました。

マンモグラフィの被曝について調べてみても推進側からの答えしかありません。
「マンモグラフィを生涯検査したとしても100mSv未満なので癌にはならない」と書いてあります。

放射線被曝の影響ではっきりと増えてくる病気は甲状腺がん、白血病、、脳腫瘍、乳がんだとわかっています。
それがわかっていながら乳房に直接放射線を照射するという検診って、本当はどうなのだろう?


NPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会

マンモグラフィ線量測定サービスについて 2015年06月08日
 マンモグラフィによる乳がん検診の精度管理において、描出する乳がんの画像も大切ですが、画像を作り出すために使用する放射線量を、一定量以下となるように管理することが、画質と同じように重要な事項です。
 一定量の放射線量(平均乳腺線量:AGD)は、「デジタルマンモグラフィ品質管理マニュアル」(精中委編集)に、一回の放射線の照射量は「3mGy以下」と定められています。
 NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)は、受診者の安心と安全を担保するためにAGDを年1回測定することを義務化といたしました。
 このAGDは、低エネルギー用電離箱線量計等を用いて計測することもできますが、精中機構の施設画像評価で使用していますマンモグラフィ用品質管理バッジ(株式会社千代田テクノル製 ガラス線量計:略称MQB、図1,図2)により簡便に2回の照射にて、正確なAGDが測定できます。また、無鉛X線遮蔽板によりX線検出器の残像現象を防ぐことができます。
 MQBの特性評価は、株式会社千代田テクノルと放射線量の国家標準を維持している国立研究開発法人産業技術総合研究所が共同で行っており、AGDが正確に測定できるようになっています。 また、当機構と株式会社千代田テクノルはMQBの精度維持に努めています。
 線量計をお持ちでない施設は、ぜひ、線量管理としてご検討いただきお申し込みいただければ幸いです。
 なお、平成28年3月31日までにお申し込みいただきますと、料金はそのままでシステムの鮮鋭度(SCTF:System Contrast Transfer Function)も測定いたします。
マンモグラフィ線量測定サービス内容

半価層(mmAl) 第一半価層、第二半価層、均等度
入射空中線量(mGy)
1mAs当たりの入射空中線量(mGy)
実効エネルギー(keV)
平均乳腺線量(mGy)
判定の合否



どこの医療機関も「マンモグラフィ線量測定」を必ずしているのだろうか?

「線量測定を義務付ける」ということは被曝によるリスクがあるということだ。
昔は毎年毎年小学生や中学生が強制的に受けさせられていた胸部レントゲンもいまはやらなくなった。
それだって、レントゲンによるリスクがあることを国が認めたからだ。
胸部レントゲンもCTスキャンもマンモグラフィも結局は同じ放射線である。

巨大な医療放射線のビジネスに関して、日本人はもう少し疑問を持った方がいいと思う。


しかも、いまの日本は原発事故の影響によって日々の生活においての被曝量が大幅に増えている。
食べ物や呼吸による内部被曝も事故前には考えられないくらいに多くなっていることだろう。
東京に住んでいればなおさら、ただ生きているだけで多くの被曝を強いられているのだから、

安易に「もっと乳がんの検診を受けよう」などと発言しない方がいいと思う。



ー追記ー

アメリカでは推奨しない
「米国では2009 年 11 月『40 歳代の女性に対しては、マンモグラフィを用いた定期的な乳がん検診を行うことを推奨しない』という推奨を発表した」という事を教えていただきました

米国予防医学専門委員会による乳がん検診推奨に対する日本乳癌検診学会の見解
2010 年 5 月 日本乳癌検診学会

日本乳癌検診学会(以下、本学会)は、検診によって早期の乳がんを発見し、乳がんによる死亡の減少に寄与することを目的としています。

2009 年 11 月、米国予防医学専門委員会(US Preventive Services Task Force, USPSTF)は、それまで「40 歳以上の女性に対して、マンモグラフィを用いた乳がん検診の 1~2 年に 1 回の受診を推奨する」としていた推奨(グレードB)を、「40 歳代の女性に対しては、マンモグラフィを用いた定期的な乳がん検診を行うことを推奨しない」という推奨(グレードC)を発表しました。(その後、推奨の表現は「50 歳未満の定期的なマンモグラフィ検診を行うにあたっては、対象者個人ごとの利益と不利益に関する価値判断を考慮すべき」と修正されていますが、推奨グレードCの判断自体は変わっていません。)

推奨グレードがBからCに変更された理由として、マンモグラフィ検診による利益(乳がん死亡率減少効果)は 40 歳代の女性に対しても認められるものの、不利益(要精検の結果、がんではなかった人に対する不必要な検査や放置しても臨床的に問題にならないがんに対する治療等)が存在し、利益と不利益を比べた場合に 50 歳代以上の女性と比較して、40 歳代では利益が不利益を上回る度合いが小さいことが挙げられています。

この専門委員会の勧告に対し、米国対がん協会(American Cancer Society, ACS)は、40 歳代に対しても引続きマンモグラフィによる乳がん検診を行うとして、専門委員会の勧告に反対する意見を表明しています。一方、 米国立がん研究所(National Cancer Institute, NCI)は中立的立場をとっています。その後、この勧告に関して米国議会で公聴会が開催され、セベリウス保健福祉長官は「USPSTF は政府の外部独立委員会であり、今回新たな推奨を示したものの、政府の政策を決定する機関ではなく、米国政府のマンモグラフィ検診を保険でカバーするかどうかの判断を変更しない」と発表しました。

年齢別に乳がん罹患率を比較すると、米国では 40 歳~50 歳代に比べて 60 歳以上の女性で高くなるのに対して、日本では 40 歳~50 歳代の女性の方が 60 歳以上よりも高いことから、今回の米国専門委員会の勧告(40 歳代のマンモグラフィ検診)は日本に対して、より大きな影響を及ぼすものと考えられます。

本件に関する今年3月の米国政府機関等(NCI, CDC)の専門家との意見交換の結果を踏まえて、本学会の見解を以下に示します。

1. USPSTF の今回の改訂は、科学的根拠に基づいた概ね適切なものであるが、アメリカのデータに基づいた判断であり、日本にそのまま適用することはできない。

2. わが国の推奨はわが国のデータに基づいて改訂すべきであるが、不利益に関するわが国独自のデータが不足しており、早急にこれを収集する必要がある。

3. 死亡減少効果についても、①検診を実際に受けた人と受けなかった人の比較ではなく、評価研究において検診群に割りつけられた人と対照群に割りつけられた人の比較なので死亡減少効果を過小評価している点、②観察年数調整をしていないので観察年数の短い 40 歳代の死亡減少効果を過小評価している可能性がある点について、検討を加える必要がある

4. わが国における科学的根拠に基づいた推奨度の改訂を行うまでは、当面現行の推奨を継続することが妥当である。

本学会は、乳がん検診に関して、利益のみでなく不利益に関する科学的知見の集積に務め、国民の皆様にとって、よりよい乳がん検診が実施できるよう、これからも努力していきたいと考えています。

まんも




スイスでは廃止勧告

2014年10月2日 6:00 AM
転機迎える「ピンクリボン」、マンモグラフィーで被る負担深刻、10月乳がん月間も

スイスでは廃止勧告、負担を問題視、超音波検査に注目の動きも
 
10月1日は、ピンクリボンの日とされ、10月は乳がんの啓発強化月間となっている。一方で、ピンクリボン運動は転機を迎えていると言っていいだろう。

従来、ピンクリボン運動で推進されてきたマンモグラフィー検査が国際的に否定され始めているからだ。日本も何らかの対応を迫られるのは間違いない。

「受ける人が選べるように」
9月19日の記事(マンモグラフィー検診には廃止勧告も、スイス医療委員会「有益な効果認めず」)で伝えている通り、スイス医療委員会は、マンモグラフィーを検診として健康な人も含めて実施することに対して、廃止勧告を出した。有益な効果はないと見なしたためだ。

海外の報告は、マンモグラフィーの課題を徐々に浮き彫りにしている。

このたび新たにマンモグラフィーで「がんではない」にもかかわらず、検査の結果は「がんですね」と分かった場合に、費用的にも時間的にも負担が生じてしまうデメリットが証明されている。

米ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるジェファーソン公衆衛生大学院のマシュー・アルクスキー氏らの研究グループが、2014年9月23日付けのジャーナル・オブ・ウィメンズ・ヘルス誌で報告したものもそうだ。

研究グループは、米国の雇用保険のデータベースに基づいて、マンモグラフィー検診を受けている40歳から75歳の女性を対象として、がんでないにもかかわらずがんとされた場合の負担を検証した。

この結果、マンモグラフィー検診を受けて乳がんではなかった約170万人のうち、15%に当たる約26万人もの女性が再度の検査を受けていた。乳房に針を刺して生検を受けたり、診断的に改めてマンモグラフィーや超音波検査を受けたりして、経済的、時間的な負担は過度であると見られた。

一方で、有力医学誌のBMJ誌9月25日号でもマンモグラフィーで過剰に「がんかもしれない」と健康な人を拾い上げる弊害について考察している。「がんである可能性が高い」と検診で言われるのは「深刻で、新しい問題」と指摘している。

というのも、がんかもしれないと言われた場合、再検査にとどまらず、実際に誤った治療にまで踏み込んでしまう場合も多いからだ。オーストラリア、シドニー大学を中心とした研究グループでは、マンモグラフィーを実施する上では、事前に受ける人が有害情報も受け取ってから「選べる仕組み」を導入するのが重要だと強調している。
超音波検査が優れるとの研究結果も
 
マレーシアからの報告では、マンモグラフィーと超音波検査を比べたところ、マンモグラフィーではがんがあっても「ない」と判断される場合が多いと指摘している。20%の乳がんはマンモグラフィーではみつけられず、超音波検査だけで見つけられたと判明した。

検査の方法も含めて、乳がんの拾い上げの仕組みをめぐっては大きな転機を迎えているのは間違いない。

啓発運動に関わっている国内の関係者は、「医療関係者を含め、乳がんに関わっている人は、みなマンモグラフィーの問題を認識しているが、動けなくなっている。これまでやっていたことをやめることにインセンティブが働かないからだ」と指摘する。

世界の潮流の中で、日本のピンクリボン運動は少なくとも何らかの行動を起こす必要はあるだろう。





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09.23
Wed
第5回 市民科学者国際会議
~東京電力福島第一原子力発電所事故の放射線被ばくによる
健康影響を科学的に究明し、防護と対策を実現するために~

日時:2015年9月21日(月・祝)9:30 ~ 
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(国際交流棟 国際会議室)


2日目



CTスキャンによる低線量被ばく後の発がんリスク―逆の因果関係について何が言えるのか?

CTスキャン

ジョン・マシューズ
所属:メルボルン大学 人口学・国際保健学大学院
専門:疫学
プロフィール
ジョン・マシューズ氏は、パプア・ニューギニア、オックスフォード、メルボルン、ダーウィンおよびキャンベラでの経験を持つ疫学者である。枯れ葉剤(Agent Orange)、電離放射線、インフルエンザのパンデミック、SARS、先住民の健康、BSE、v-CJD、研究方針、保健サービスおよびデータ結合などのさまざまな分野にわたり、オーストラリア政府の顧問を務めている。メンジーズ・スクール・オブ・ヘルス・リサーチの理事長(1984-99)、およびオーストラリア政府の上級顧問(1999-2004)を務めた。近年はメディケアの匿名化データを用いて、小児期のCTスキャンの発癌リスクを研究している。



スライド 
診断用放射線被䜀く後䛾がん 低線量放射線被䜀く後䛾線量反応曲線についてわかっていること



ジョン・マシューズ:
私の今日の話のテーマですが、CTスキャンによる被ばくの影響ということで、オーストラリアの、特に若年層を対象とした調査の結果について共有したいと思います。
この研究の重要性としましては、CTスキャンというのは通常10mSv以下の被ばくにとどまります。
これは今語られている100mSvというしきい値、「これ以下は全く影響がない」というふうに一部の人が言っている、このしきい値よりももっと低いレベルでのお話であるということで重要な研究結果となっているというふうに考えています。

テーマでありますけれども、診断用のCTスキャンの被ばくによるがんのリスクはどうなっているのか?

20歳以下におけるリスクはどうなっているのか?ということについてお話します。

また、幾つかのバイアスの可能性についても、逆の因果関係などについてもお話します。

また速報としまして、核医学検査後の電離放射線被ばくによる発がんのリスクについても、新たな情報を共有したいと思います。
そしてまた、我々のデータとLSSの研究結果の比較を試みたい。またそれ以外の研究結果との比較も試みたいと思います。

過去のデータ、そして新たなデータというのが混在するわけでありますけれども、
これらが示唆しているのは、線量反応曲線につきまして、この形状が過去のものと少し異なっているということを示しています。
そしてもちろん、将来の診断用放射線のリスクということについても懸念しなければいけないということで、これについてもお話いたします。

日本人が低線量被ばくに関して関心を持つべき3つの要因
さて、ここで重要な点としましては、「日本というのは3つの要因から低線量被ばくに関して関心を持つべき」ということであります。
まず、原爆の投下による長期的な影響というのが一つ目の要因です。
この情報によりまして大変良いデータというものが、この被ばくの影響というものが提供されております。

低線量被ばくに関して日本が関心を持つべき二つ目の理由としましては、CTスキャンを世界で最も診断用に活用している国民であるということです。

CTスキャン1

これは一人当たりという値でみますと、アメリカよりも、オーストラリアよりも、そしてイギリスよりもはるかに高いレベルで活用されているわけです。
ということでそのリスクについても検討するべきでしょう。

そしてもちろん今回のこの会議の主なテーマとしまして、福島の原発事故による低線量被ばくの影響、そして短期長期的な被ばくの影響というテーマが三つ目の要因であります。


小児期CTスキャン後のリスクの増加について
CTスキャンの背景としまして何が言えるかと言いますと、
2000年頃にブレナーが小児期のCT後のリスクの増加について研究結果を出しています。
これはLSSの結果に基づいた研究結果です。

そして英国におきましては、2012年パラレル、私たちと同時にピアース等がイギリスのデータを用いて小児期のCTスキャン後の脳腫瘍と白血病の実質的な増加がみられた、それが示されたと言っています。

そして我々の調査ですけれども、これはオーストラリアの調査なんですけれども、実質的な脳腫瘍、白血病、さらにその他の固形がん、ほとんどすべての固形がんの実質的な増加がみられたということを示しています。

この電離放射線の被ばくというのは、イギリスの調査と比べてオーストラリアは約4倍の被ばく量でした。
またLSSの低線量被ばくの量におきましては、約4〜5倍でありました、LSSと比較してということですね。
これがオーストラリアの研究の詳細となります。

もちろんLSSのスパンの方が長期的ではありますが、医療被ばくのコホートの長期的な追跡調査を行うことによりまして、低線量の放射線問題の答えというのがLSSよりもより出やすくなるだろうというふうに考えるわけです。

さて、我々の研究ですけれども、CTスキャンの記録というのがオーストラリアのメディケアという、国民簡易保険の0〜19歳の人口。
1985年から2005年の間のCTスキャンの記録を元のデータとして使いました。
そしてCT被ばく12ヶ月以降のデータのみを使いました。
もちろんデータ結合におきましてはオーストラリアの保険福祉研究所の高セキュリティユニットにおいてデータ結合、データの収集を行って、さらにメルボルン大学において匿名化されたデータの分析を行いました。

CTスキャン2

CTの被ばく群は68万人でした。
そして対照群、非被ばく群は1000万人以上でありました。
もちろん複雑な手法を活用したんですけれども、これによりまして年齢というものを1年ごとに計算していく、というような手法を活用しました。
そしてその結果出てきたことというのが、大変よく、統計的にも基盤が築かれているというふうに申し上げられます。
データというのは我々が予期した通りのものとなりました。

これが白血病の年齢別の発症率を示したグラフであります。
CTスキャン3

そしてこちらの方が典型的な曲線がみられていますが、
これが年齢別の脳腫瘍の発症率を示した曲線となっています。
CTスキャン4

ということで、どれくらいの追跡人年があったのか、ということですけれども、

CTスキャン5

被ばく群におきましては648万人年、そして非被ばく群におきましては1億7千719万人年という人年になりました。
そして追跡年間の中央値が9.5年と17.3年。
そしてがんの発症数というのが、被ばく群においては3150件、そして非被ばく群においては5万7524件となりました。


CTスキャン6

3150という被ばく群のがん観察があったわけですが、ここは12ヶ月以内に発症したがんに関しましては、CTスキャン後1年以内ということですけれども、これは検討しませんでした。含みませんでした。

そして5年10年という中では、このがんの件数というのが減っていきました。
けれどもいずれにせよ被ばく群のがんの期待数というのをこの3つの期間においてそれぞれ計算することができたわけです。
そしてIRR(罹患比率)と95%信頼区間というのを下の方にそれぞれ示しています。

1年ラグで24%。そして5年で1.21、そして10年で1.18というIRRとなっているわけです。


そして関係性としましては、がんの発症率とCTスキャンの回数ということをこのように図で表しますと、
CTスキャン7

CTゼロのところは増加なし、というところからスキャンの回数ごとに増加がみられるということが言えると思います。
このトレンドというのは被ばく群だけを見たとしても、CTスキャン1回でも大変有意な統計結果が出ているということが言えます。


CTスキャン8

そしてすべてのがんの種類、ほとんどすべてのがんの種類について同様のことが言えるわけです。
例外は後ほどお話しします。
脳腫瘍、軟部組織、甲状腺、白血病、というものがあるわけですが、脳腫瘍というのが最も顕著であった。
というのはCTスキャンというのは、だいたいその6割が脳に照射されるということで脳腫瘍が増えています。

そしてさらに、このように脳腫瘍のリスクというのが平均的に高まっているわけですが、これはIRR2.03ということで、その信頼区間が2.43となっています。

これ、どのように測定するのか?
CTのがんのリスクはどのように測定することができるのでしょうか?

CTスキャン9

過剰相対リスクというのを見ることができますが、この平均リスクというのがCTスキャン1回ごとに16%増えている
そしてこれは14%という全体の数字が出ていますが、これはより何回もCTスキャンを受けている対象者が多かったからです。

そして被ばく後に早い段階でがんが発症したという絶対リスクに関しましてはCTスキャン2000回ごとにがんが1過剰発症しているということが言えます。
CTスキャン2000回ごとにがんが過剰発症しているわけでありますけれども、時間が経過するにつれてこれが増え続けるというふうに言えます。

そして被ばく後のがん発症者の寄与リスクですが、だいたいCTスキャン1回ごとに14%上がると、こういった可能性である、
ただサブグループで若い時に被ばくをした場合、患者はその3倍の67%になります。

次のスライドをご覧ください。
CTスキャン15

これは一つの例です。
子供が5歳未満でCTスキャンによって頭部に被ばくをすると、実際の非被ばく群と比べると脳腫瘍の平均発生率が3倍になると。
単純に3倍という簡単な数字を使っていますが、この寄与リスクですが、
被ばくによるがんの寄与リスクというものを被ばくをしないもので引いて3で割るということは3分の2ということで、全被ばくの中の過剰発生率が67%ということになります。
若い頃に被ばくをした場合の寄与リスクが67%になります。

また考えるポイントとして、がんのリスクと放射の位置です。
発がんのリスクというのは実際に照射された箇所で最も増加する傾向があります。

実際に頭部の使用の後脳腫瘍が多く見られています。
これは原因仮説とも一致していますが、おそらくCTスキャンの照射によって脳腫瘍が増えているということも言えるんですが、ただ実際に前癌状態がある、もしくはがんの初期状態があるからこそCTを使用したと主張する人もいるかもしれません。

こういった可能性に逆の因果関係があるということを考えますと、違った期間を見て検討を行いました、

CTスキャン17

最も短い遅滞期間ですが、この場合は当然「逆の因果関係」というものが見られます。
実際にがんの症状、もしくは前癌状態があったからこそCTスキャンが行われたということになります。
こういった問題でBMJの論文の中では被爆後の12ヶ月以内の遅滞期間に発症したがんは除外することを選択しました。
後でこの詳細はカバーしていきます。


それでは、がんの診断率を見ていきたいんですが、
CTスキャン18

CTスキャンを受けた後の診断率がここに示されています。
これは重要なポイントを示しているスライドであるんですけれど、

左上の箱、これはCTスキャンをとったあと3ヶ月以内に初めて取られた診断率になります。
CTスキャンががんの診断のために行われたということが明確にわかっています。

ただ、がんの診断率ですが、CTスキャンが行われてから1年〜2年後のがんの診断率はかなり低いと。
しかしその後急に診断率が上がっていく。
この遅滞期間が長くなれば年齢が高くなる。
つまりがんの罹患率が高くなるわけです。

CTスキャン19

↑こちらが示すのは同じデータなんですがちょっと違ったフォーマットでデータを見せています。

で、こちらのデータですが、↓

CTスキャン20

こちらは細かく区切って最初のクオーターをみて、今度はロングスケールでみて、
で、被ばく率がここに書いてあるわけですが、
なぜこのレグ期間の中で6歳、それから
この期間の中で、どのようにこの被ばくグループと非被ばくグループの違いがあるのかということを見ているわけです。
こちらの平行のラインは、我々の前提であるリスクモデルに一致しています。
このなかに過剰リスクというものが見られるわけです。

CTスキャン21

これはちょっと複雑なスライドですが、ここで言いたかったのは複数のモデルを見てそれを二つの分布を最後のスライドから見て、これを逆の因果関係というものを見ているわけです。
それと遅滞関係との関係を見ています。
遅滞期間と若年化関係ですが、2歳の段階で出てきます。
ですからがんで1年以下の遅滞期間の部分は除くと。
おそらく2年のほうがいいかもしれませんが1年ではなくてですね。
少なくともこういった重要なベンチマークができましたので、1年もしくは2年経てば、それ以降のCTスキャンの被ばくというのが逆の因果関係で問題にならないということがわかっています。


CTスキャン22

逆の因果関係モデルですが、95%の信頼区間を示しています。
ERRは95%の信頼区間を測定していますが、若い時に被ばくをした人のほうがリスクが高くなるという前提でこの仮説を見ています。
年齢に依存した結果と非常によくあっているわけです。
ここでわかることは、10歳の頃のERRですが、mSv当たり0.11~0.16になると出てくると。
30歳になるとERRの数字が大きく下がることがわかります。
逆の因果関係を調整した推計値ですが、われわれのBMJの論文の結果とも一致していますが、以前の論文の推計値よりも高くなっています。


CTスキャン23

我々のこの結果は信頼できるのか?ということなんですが、可能性のある問題としてはがんになった方をみた場合
(動画切れる)
それほど違っていないと思います。
すべてのこういった調査というのは、測定のエラーというのは発生する可能性はあるわけです。
もちろんバイアスもあるかもしれません。
線量のバイアスもあるかもしれません。
私たちのモデルは年齢に関する感受性というものを明確に考慮しているために、より効率的にデータを利用できるということもあります。
ですからこの分析のほうがBMJよりも、より効率的な結果が出ていると、これは一貫した結果が出ていると言えますが、それ以外の可能性としては初期のがんというのは実際に遺伝的、もしくは確率的選択により最も感受性の強い人に発症しやすいということもあるかもしれません。

もう一つの可能性として考えるべきポイントとしては、この線量反応曲線の傾きですが、ERRは線量ということなんですが、これを見た場合低線量域のほうが、例えばCTスキャン、こういった低線量のほうですが、10mSv以下の部分、こちらの方が高線量のエリアよりもLSSにおけるERRmSvの数字よりも大きくなると。
で、こういった効果ですが、250mSvを超えるような線量にこのような差ができます。
ですからここでは驚くことではないんですけれども、この線量の反応ですが、実際の線量によって大きく変わってくると、この考え方をもう少し詳しく説明していきたいと思います。


CTスキャン24

CTスキャン25

その前に少し簡単ではありますが、新たな核医学という医療の領域における結果というものも出ているということでお話ししたいと思います。

端的にお話ししますと、全体の被ばくグループにおける、これも若年層の被ばくなんですけれど、被ばくの調査というのがこのように出ています。
核医学検査でがんの検知目的以外のものを除いた場合には少しその数値は下がりますが、けれども統計的に有意な数字というものがそれでも出ているという速報が出ています。

この研究に関しましては、逆の因果関係についてはまだ完全に調査が進んでいるわけではございません。
大変膨大な作業となるわけでありますけれども、このような速報が出ています。



CTスキャン26

CT、そして核医学検査ERR線量の主な相違でありますけれども、LSSよりも大幅に、ERR/線量の数値というものが大きくなっています。
ここには何か拡大をしているようなバイアスが存在するのでしょうか?
一つのあり得る可能性としましては、逆の因果関係があるというふうに言えます。
また被ばく群のCT線量の過小評価をしているという可能性というのも完全には否定できません。

けれども、どのように生物学的な差異というものを説明できるんでしょうか?
学術学的の観点からは低年齢の被ばくの方がセンシティブであると言えますし、初期のがん症例の方が最も影響を受けやすいということも言えるわけであります。

現行のモデルではそのような限定的な側面があるわけですけれども、それについても回避策というのをみつけています。

ここで焦点をおくべきは、低線量域におけるERR線量係数の方が大きいということなわけなんですけれども、
ここでのCTスキャンの線量の中央値というのはちなみにLSSより大幅に低いということを覚えておかなければいけません。
高線量においては細胞死という可能性もありますし、低線量においてはバイスタンダー効果の影響、そのたホメオパシー効果というのもありまして、これによって曲線が変わってくるという可能性も否めないわけです。


CTスキャン27

少し距離を置いた形で、被ばくということについて全体的に見ていきたいと思うんですけれども、
放射線治療というのはがんの治療に有効であるという考え方が一般化していきています。
そして大変高線量という、特定の臓器に照射して、ターゲットした形で照射しているわけでありますけれども、
これががんに当たるという治療でありますけれども、このグレイ(Gy)ごとの線量の範囲とそのリスクというものが原爆の生存者をCTスキャンした等々と比較してこのようにわかってくるわけです。


CTスキャン28

このような低い線量で最も急勾配になるという曲線でありますが、これを一つグラフにまとめるためにはこのようなグラフを作成する必要があるのですけれども、ここで明らかに負の相関関係というのが有意に現れています。

この結果というのをこのように、線量反応曲線モデルに置き換えることもできるわけです。
CTスキャン29

この曲線でありますが、これは直線ではない。
一つの可能性としましては、被ばくといっても低線量の被ばくの方に我々は可能性が高いと。
そして高線量においては細胞死、そして放射線保護という影響もあって、センシティビティ、その可能性が低まるという可能性があるということをこの曲線は示しています。


CTスキャン30
ということで、ブレナーやその他の研究者がBMJその他の論文で発表していますように、そして多くの研究者が言及していますように、この曲線、線量反応曲線というのは超線形のカーブであるということが示唆されるわけです。
それが我々の研究においても繰り返されました。
DNAの修復、バイスタンダー効果など、低線量においてはそのような影響が考えられるということもその影響の一つではないでしょうか。

結論の重要な一部としましては、単位線量、本当に低線量域における単位線量あたりの発がんリスクの方が大きいのならば、バックグラウンド放射線のがんのバックグラウンド発症率に影響を与えている可能性があるということ、これが大変重要な点であるわけです。

これが福島の汚染においても大きな意味を持つと言えるのではないでしょうか。

CT被ばくの被ばく量というのが大変低線量であるため、この長期的な影響というのをより長期間追跡調査することによりまして、低線量放射線の問題の答えを出すということに貢献すると大きく期待しております。


CTスキャン31

まとめでありますけれども、オーストラリアのCTスキャンの研究というもの、100ミリグレイ未満という低線量の放射線でみていきました。
ということで原爆生存者のLSSコホートよりも低い平均線量、そして低い平均年齢で被ばくした人々を対象とした調査でありました。
CTスキャン放射線照射の白血病のリスクに関しましては、原爆生存者のLSSのリスクとよく一致しているということが確認されました。

CTスキャンの約6割というのが頭部に照射されるため、平均臓器線量は40mGyでした。
これは4.5mSvということになりますけれども、これによってCTコホートによる脳腫瘍の増加というのは驚くことではないということがわかります。


CTスキャン32

またモデル化によりましてわかったこととしましては、CT後12ヶ月以降のほぼすべての過剰がんが実際にCTスキャン被ばくに起因することを示唆しています。

そして被ばく後初期の数年間の過剰がんというものは、おそらく確率的および遺伝的な理由で最も可能性が高い患者に発生するということがわかりました。

さらに放射線の曲線、線量反応曲線は低線量、そして短い遅滞期間で非常に急勾配になるということがわかります。
その理由としては様々ですかれども、
遺伝的感受性、確率的選択、バイスタンダー反応、ホメオパシスメカニズム、そして高線量における細胞死などがありうる。
そしてこれは今後の放射線防御において大変重要なことを示唆しているということが言えると思います。


私の発表に関しましては以上でおしまいとなります。
この結果について懐疑的な人々から幾つか鋭い質問というのが投げかけられていますので、それに関しましても私の方からパネルのディスカッションで例えば午後にでもお応えできると存じます、ありがとうございました。


CTスキャン32


3053

崎山比早子:
二つ質問があるんですけど、CT検査は機械によって随分動作が違うと思うんですが、オーストラリアでは1回の被ばくが平均で4.5mSvでしょうか?
それで、どのくらいのバリエーションがあるか?ということが一つと、

それからCTを受けて1年以内の患者さんの、腫瘍ができた人を除くとおっしゃっていますけれども、腫瘍によってはすごく早く出るものと遅く出るのとがあると思うんですね。
で、1年以内に出たというのを除くのは、たとえば白血病とそれからたとえば脳腫瘍なんかで1年以内に出たのを除くというので、腫瘍によって影響が変わるかどうか?っていうことをお伺いしたいんです。

ジョン・マシューズ:
ありがとうございます、こういった質問は非常に重要な質問だと思います。
平均のCTスキャンの線量ですけれども、BMJのドキュメントの中では4.5mSvとなっています。
これは早い段階で受けた場合には高くなるんですが、数字は下がっています。
現在は個別の臓器ごとの実際の線量の影響をみているんですが非常に複雑なんですね、この環境をみるのは。
アルゴリズムを正しく出さなければいけない。
また様々なマシーンを使って、プロコトールもいろいろ使っていかなければいけないということで、我々としてはまだそこまでは文書化はまだできていません。
66万8000のマシーンの設定をすべて確認したということもまだやっていないんですけれども、ただこの推定ですが、こちらはベストケースということでその当時の機械、その当時使われた設定上の状況をベースに考えています。
ですからこれよりもより良い推定を出していくためには、コホートを集めて数年間かかってやっと意味のあるコホートを集めていって、それで線量の情報を集めていくことが必要になります。
その間は、ベストの見積もりという形で、我々はコホートの今ある推定値を使って出していくのがベストの数字だと思っています。

二つ目のご質問ですが、がんの種類によって遅滞期間が変わること、その逆因果関係の可能性があるのかどうかということだと思うんですが、その可能性もあります。
この文献を見ると多くの研究が行われて、そのなかで研究者の方が遅滞期間を見て最初の症状が出てから、最初の診断が出てから、たとえば脳腫瘍の場合は、1年以上の場合ですけれども、
まず脳腫瘍が一番大きな影響でデータが間違っていて影響が出てこの逆因果関係に合わせるような状況になっているのではないかと思っています。



35;38

瀬川:
瀬川と申しますけれども、広島長崎のLSSよりも大きくなるという理由は、黒い雨とか、丘のバックグラウンドとか、50年代になってから始めたとか、その寄与があり得るだろうというのは思うんですけど、もう一つ低線量率との関係。
CTは一回で10ミリあるいは4、5mSvということですから、決して低線量率ではないわけですね。
むしろ高線量率であると。
で、低線量率というのは自然放射線ですとか、まさに今の福島の状況で、1時間あたりにマイクロシーベルト単位であると。
そこにずっと暮らしていたり、そういうものを体内に取り込んで行ったりという低線量率だと思うんですね。
最近自然放射線のいろいろな結果が出ていて、それらとの比較はされているか?
その辺を今後どう考えるか?
なんか一見したところ変わらない感じが私の印象としてはあるんですが、何かお考えはあるでしょうか?


ジョン・マシューズ:
現在環境線量のデータはありませんので、今ご質問されているのは我々が使う言葉。
この10mSvというのは低線量なわけです。
それは環境線量と、福島の環境被ばくの部分を見た場合、その場合は確かにおっしゃるように10mSvは高いと思います。
我々として必要なのは、言葉、文言をちょっと変えていかないといけないと思います。
高い低いという部分ですね、この線量が。
ですがもう少し具体的にですね、(音声切れる)と思っています。


キース・ベーヴァーストック:
皆さんは1mSv/年間というのが低線量だと思うんですが、たとえば皆さんの子供が10歳になった時、10mSvになる。
これが環境、バックグラウンドの線量になるわけです。
線量は蓄積されていきますので、こういったものも低線量の範囲に入ります。









※通訳の方が3人(?)いらっしゃって、途中で何度か交代されています。その日本語訳をそのまま書き出しました。


ーーー


年間20mSvで避難指示解除「どうぞお帰りください」
帰ってしまっていいのでしょうか?







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comment 2
09.21
Mon


2015/09/25号のFRIDAY
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2度の手術も、リンパや肺に転移。弟2人も甲状腺にのう胞が…
福島原発事故後に甲状腺ガン 20歳女子の悲痛な日々
取材・文 明石昇二郎 

「小児甲状腺ガンという診断をうけたときは、『えっ!?なにそれ』という感覚でした。それまでなんの自覚症状もなかったんですから。ガンがリンパや肺にも転移し、その後2回も手術を受けることになるとは思っていませんでした」
こう明かすのは福島県中部(中通り地方)に住む、20歳の女性Aさんだ。

8月31日の福島県の発表によると、11年3月の福島原発事故発生当時18歳以下だった県民36万7685人のうち、甲状腺ガン、またはその疑いがあるとされた人は137人。発症率は10万人あたり37.3人で、通常の100倍近くも高いとくに左ページ下の地図で示した「汚染17市町村」の発症率は10万人あたり42.9人で、ガンが見つかったAさんも同地区内で悲痛な日々を過ごしている。

東日本大震災が起きた当日は、Aさんの中学校の卒業式だった。原発事故直後の3日間は外出をひかえていたものの、その後は通常の生活を続けていたという。

「県立高校への進学が決まっていました。事故から1週間後には、制服を注文するため母と一緒にJR福島駅前にあるデパートに出かけたんです。高校入学をひかえた子供たちが押しかけ、デパートは超満員。建物の外にまで行列がのび、私たちも30分ほど屋外で待たされました」(以下、ことわりのない発言Aさん)

当時は県内の空間放射線量が非常に高く、福島市内では毎時10マイクロシーベルトを記録していた。そうした事実をしらされず、Aさんはマスクをつけずに外出していたのだ。

通い始めた大学も再発で退学

翌年の夏休み。自宅近くで行われた県の甲状状検査で、Aさんに異常が見つかる。県からは「福島県立医大で精密検査をお願いします」との通知が届く。

「ノドが少し腫れていましたが、自分で気づかなかった。県立医大で2回目の精密検査を受けたときに医師から『深刻な状態だ』と告げられ、ガンであることがわかったんです。高校3年の夏休みに手術を受け、甲状腺の右半分と転移していた周囲のリンパ組織を切除しました」

だが、これで終わりではなかった。高校で美術部に所属していたAさんは「ウェブデザイナーか学芸員になりたい」という夢を持ち、卒業後、県外の芸術系大学に進学。入学後の健康診断で「血液がおかしい」との結果が出たのだ。

「夏休みに帰郷し、県立医大で検査を受けると『ガンが再発している』と言われたんです。治療に専念するため、通い始めたばかりの大学も退学せざるをえませんでした。10月の再手術では、残っていた左半分の甲状腺とリンパ組織を切除。甲状腺は全摘出することになったんです。肺への転移も判明し、術後しばらくはかすれた声しか出ず、キズの痛みを」こらえながらリハビリを続けていました」

生理不順にもなりホルモン剤を投与。今年4月には肺がん治療のため「アイソトープ治療」も受けた。放射性ヨウ素の入ったカプセルを飲み、転移したガン細胞を破壊するという療法だ。

「カプセルを飲む2週間ほど前から食事制限があり、大好きなお菓子も食べられません。飲み物は水だけ。カプセルを飲んだ後も3日間の隔離生活を強いられます。強い放射能のため周囲の人が被曝する可能性があるからです。お風呂に入るのも家族で最後。医師からは『トイレの水も2回流すように』と言われました」

Aさんは4人兄弟の長女で、弟2人も「甲状腺に嚢胞がある」との診断を受けている。だが県立医大の担当医は発病と原発事故との因果関係は「考えにくい」としか言わない。

疫学と因果推論が専門の岡山大学大学院、津田敏秀教授が解説する。
「最も空間線量が高かった時期に、福島県では県立高校の合格発表が屋外で行われていました。生徒も線量の高さを知らされず無用な被曝をしていた。Aさんが暮らしている場所は、住民が避難していない地域で最大のレベルの甲状腺癌多発地域です。Aさんのケースも原発事故の影響である確率が非常に高い」

東京電力の回答はこうだ。
「事故で大変なご迷惑をかけていることを深くお詫び申し上げます。(病気に対する補償や謝罪のお問い合わせには)個別に伺い適切に対応します」(広報室)

現在Aさんは小康状態を保っているが、てえのしびれや動悸が起きることもあり、月に一度の血液検査を継続している。



ーーー

(右上写真の中の文字)
現在でも月に6万円ほどの治療費がかかるAさん。「東電には退学した大学の学費ぐらい賠償してほしい」と語る

(左ページの文字は読めなかった><;)


Aさん、勇気を持って明石さんの取材に応じてくださってありがとうございます。









comment 7
09.15
Tue
2015年9月14日 国会前





20150914



元自衛官 泥憲和さん:

ありがとう、おつかれさまです。
私は今日、参議院の議員会館である集会に参加してきました。
それは「自衛官の人権を守る」そういう集会です。
私ね、びっくりしました。
自分が自衛隊にいた時には「自衛官は大学に来るな!学ぶ人権はない、お前達に人権はない!」と言われていたのに
なんて日本の民衆の人権感覚って広くなったんだろう。
本当にびっくりしました。
もう、うれしくてうれしくって。
ところが私が自衛隊の時に「私たちが誰を守るか」という事を教えてくれた時にベトナム戦争の真っ最中でした。
全国で反対デモが起こりました。
「自衛隊をなくせ」という声もたくさんありました。
私たちは、教官に教えられました。
「『自衛隊をなくせ』というああいう国民を、有事の時には君たちは命をかけて守るんだ」
「だから文自衛隊というのは崇高な使命なんだ」
そういう風に言われたんです。
それが私がいた時の自衛隊です。

ところが今、安倍総理はその自衛隊をとんでもないものに変えようとしています。

いま、水島先生の話を聞いたら、遠い遠いアフリカに行って、大国と一緒になってアフリカの国々で縁もゆかりもない人を撃つとしたら、自衛隊は殺すかもしれない。

みなさん、大洪水があったじゃないですか、大雨の。
そして陸上自衛隊、災害派遣の隊員達が一生懸命住民を救助していました。
あれが自衛隊の姿ですよ。

そして、一人一人の自衛官は「ああいう事がしたい」と言って、自衛隊という職場を選んだんです。
遠い遠い大国で人殺しをするために自衛隊に入った人なんていませんよ。


ところが「自衛官は政治的活動に関与してはならない」という、そういう法律があります。
だから自分では声をあげられません。
そこで私たちOBが現役に成り代わって、彼らの胸の内を語らなければならないと思っています。

私はミサイル部隊にいました。
今こちらに元レンジャー部隊の井筒さんが来ていらっしゃいます。
それから今日の自衛官の人権を守る集会でスピーチなさったのは、
なんと今年まで自衛隊の戦車部隊にいた末延(すえのぶ)さんという方です。
補給部隊の井上さんという人も顔と名前をあげて、今、戦争法案反対を訴えています。
元自衛隊OBが●されています。

そしてこの前国会で自衛隊の機密文書が出てきたじゃないですか。
24万7000人いる自衛官の中でたった350人しか出席できない会議だったんです。
そこで配られた資料なんです。
たった350人しかいないエリート中のエリート。
そこから資料がリークされました。

どういうことですか?
最高幹部ですよ。
その資料をリークした事がばれたらその人の一生は台無しです。
守秘義務違反という事で刑事罰にされます。
懲戒免職されたら退職金もない。
自衛隊の関係者の中で、もう、信用も何もなくなっちゃってて、一生を●にしてしまう。
だけど、そのリスクと日本が戦争に向かっていくリスクと天秤にかけたら、
「俺の人生かける時だ」と思ってあれをリークしてくれた幹部自衛官がいたという事ですよ。


その決意をね、その決意を引き出したのはみなさんのこの集会そのものです。
本当に感謝します。

今日は私もちょっと賢いところを見せたいと思います。

安倍総理は「日本は国際貢献が足りない」と言うでしょ。
だから「PKOにこれからどんどん積極的に参加していくんだ」そんなふうに言います。

じゃあね、国連常任理事国がPKOにどれくらいの兵隊を出しているか?

国連資料で去年の数字が上がっています。
ドイツが204人です。
イギリスは280人ぐらいです。
自衛隊は250人近く出しています。
もう西側先進国並みの貢献はちゃんとしているんですよ。

じゃあアメリカは何人出しているか!?
去年1年間で113人しか出していないんですよ。
自衛隊の半分以下ですよ。

自分の勝手な戦争には何万人も送り込む、そんなアメリカですけど、
世界の平和と安全のために手伝ってください、PKO出してください、って国連が頼んでも、113人しか出さない。
そういう国なんですよ、アメリカは。

おかしいでしょ。

しかもですね、そのアメリカが自分たちのする戦争の教科書を作っているんですね。
「低強度戦争の軍事戦略」という、テロとの戦いのことを書いた教科書があります。
米軍の教科書です。
それを読んだらどういうことが書いてあるか?
一番初めに書いてあります。
テロとの戦いはアメリカの国際的利益を守るためだ、推進するためだ
自分の都合でやっているんですよ。
なにもテロから世界を守るんじゃない。

そんなアメリカと自衛隊が一緒になって海外に出て行ったらどんな使い方をされるか。
冗談じゃないよということです。


この法案を廃案にするまで諦めないで諦めないで、毎日毎日ここに結集して集会をやってデモをやって、
それも全国の全国で集まって、国会に声を届けて、安倍総理を引きずり下ろして廃案にしましょう!

最後に警備の警視庁の皆さん、どうもご苦労様です。
私も自衛隊で散々なことを言われたので、みなさんが色々と散々なことを言われているけれど、
それはみなさん仕事でやっているんで、上から言われてやっているんで、
好きでやっているわけじゃないことはわかります。
あなたがたを、そんなに人の嫌われ者にさせているのはね、やっぱり安倍ですよ!
市民と手をつなげる警察にするためには、みなさんも安倍総理を引きずり降ろすために今度の選挙、お願いします。

ありがとうございました。


低強度戦争
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=156626

参考
http://blog.goo.ne.jp/torl_001/e/7cb31dcd348c112b20ab7101ce999c6f




早稲田大学水島先生









comment 7
09.14
Mon

飯舘村で除染廃棄物を入れた袋が流出 管理方法見直しへ

(福島15/09/12) FNNLocal

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福島・飯舘村で、河川が氾濫し、除染廃棄物を入れた袋が流れ出た問題で、望月環境相が­管理方法を見直す考えを示した。
望月環境相は「まずは、おわびを申し上げたいと思います」と述べた。
福島市で取材に応じ、謝罪した望月環境相。

この問題は、大雨の影響で飯舘村の河川が氾濫し、仮置き場に運ぶ前に、水田に置いてい­た「フレコンバッグ」が周辺に流れ出たもの。

1

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3

中には、除染で刈り取った草などが入っていて、これまでに82袋を発見、37袋を回収­しているが、環境省では、流れ出た全体の数を把握できていなかった。

4
望月環境相は「袋に入れたら、すぐにタグをつけて、どういう状況に置いてあるのかとい­うものを、しっかりと全数管理をできるような形をとっていけば。今回の反省をふまえて­、そういったものを改善していきたい」と述べた。
環境省では、現場の状況確認とフレコンバッグの回収を急ぐことにしている。




除染袋 川に流出 飯舘
2015年9月12日 福島民報

 環境省は11日、大雨の影響で飯舘村の新田川などが氾濫し、東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物の入った除染袋が流出したと発表した。発見した82袋のうち37袋を回収したが、流出した総数は不明。回収した袋は破損しておらず、中身の漏えいは確認されていない。
 同省によると、流出したのは約1立方メートルの「フレコンバッグ」と呼ばれる収納袋で、付近の農地除染で刈り取った草などが入っているという。重さは1袋200~300キロ程度。仮置き場に運ぶ前、一時的に新田川近くの水田に置いていた。
 11日午前6時ごろ、飯舘村役場から環境省福島環境再生事務所に「冠水している箇所に袋が浮いている」と連絡があった。連絡を受けた除染業者が重機で袋を回収した。
 環境省福島環境再生本部の小沢晴司副本部長は「村民の不安が解消されるように、早急に回収を進めていく」と話している。
 このほか、飯舘村と川俣町、楢葉町の仮置き場計5カ所で汚染土などの入った袋が水に漬かったが、いずれも中身の漏えいは確認されていないという。

( 2015/09/12 09:12 カテゴリー:主要 )




<除染廃棄物の袋>流出確認240個に 福島・飯舘
毎日新聞 9月12日(土)21時27分配信

除染袋
豪雨で流出した土のう袋=環境省提供

 東京電力福島第1原発事故の除染による廃棄物を詰めた大型袋(容量1立方メートル)が、大雨で氾濫した福島県飯舘村の河川に流出した問題で、環境省は12日、同村内で238袋、下流の南相馬市原町区で2袋の計240袋を発見したと発表した。南相馬市の2袋は中に何も入っておらず、流失したとみられる。飯舘村では111袋を回収したが、残る127袋は重機や人が近づけない河川の中州や対岸にあり、水位の低下を待って回収する。

 中身が入っていなかった2袋について、同省は「いずれも最近刈り取られた草などで放射性物質濃度は比較的低く、周辺環境への影響はほとんどない」と説明している。【大塚卓也】



除染廃棄物入り土のう袋流出 240袋のうち113袋回収 飯舘村
(福島15/09/13)FNNLocal

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福島・飯舘村で、除染で出た廃棄物を入れた袋が大雨によって流出した問題で、環境省は­、240袋の流出を確認し、113袋を回収した。
この問題は、大雨で飯舘村の河川が氾濫し、除染で出た廃棄物を入れていた袋が流れ出た­もの。
環境省によると、12日までに240袋の流出を確認し、113袋を回収し、残りの12­7袋についても、川の水位などの状況を見ながら、回収を進める方針。

また、240袋のうち2袋は、南相馬市原町区で発見され、中身がない状態だったという­。

からっぽ

環境省では、中に入っていたのは、最近、刈り取られた草で、放射性物質の濃度は、比較­的低いとしている。




除染廃棄物流出 新たに53袋発見・飯舘
2015年9月14日 河北新報

 東京電力福島第1原発事故で出た除染廃棄物の保管袋が大雨の影響で福島県飯舘村の水田から流出した問題で、環境省は13日、河川の水位低下に伴い新たに53袋が見つかり、流れ出たのは計293袋となったと発表。このうち2袋は廃棄物が漏れ出たとみられる。
 環境省によると、293袋のうち290袋は飯舘村内で発見された。ほか3袋は同村の水田から15キロ以上離れた南相馬市原町区の河原で見つかり、うち2袋は中身が入っていない状態だった。1袋は回収作業が難航している。
 袋には農地除染で刈り取った草などが入っていた。流出前の重さは一つ200~300キロで、仮置き場に運び出すまで水田に一時的に置かれていた。





大雨で除染ごみの袋が川に流出 福島・飯舘村


除染袋1

除染袋2

除染袋3


大雨で川に流れる 除染廃棄物10数袋が未回収になる



流出1

池のように見えるこちらの場所はもともとは田んぼでした。

流出2
普段整然と並んでいる除染した廃棄物が入っているフレコンバックも点在しています。

流出3
田んぼの水が冠水したことによって、隣の、こちらの川の方から流されてしまった可能性があるということなんです。

除染廃棄物の袋が川に流されたのは飯館村の深谷地区などの除染現場です。
田んぼの除染で出た草などを詰めた廃棄物の袋を一時的においていたところ、お雨で川に流されたとみています。




ー追記ー


飯舘村で大雨により流出した除染廃棄物の袋、半数以上破損 福島

15/09/15 FNNLocal

福島・飯舘村で、大雨によって川に流れ出た除染廃棄物の袋は、半数以上が破れていたこ­とがわかった。

395

環境省の試算によると、流出したのは395袋で、このうち、314袋が発見されたが、­163袋は中身がなかったり、袋が破けていたりしたことがわかった。
環境省では、「放射性物質の濃度が低いため、周辺の環境への影響はない」としていて、­流出した袋の回収を急いでいる。







comment 4
09.11
Fri
遅くなりました。
2015年7月31日に4月から6月末までの上水(蛇口水)のモニタリング結果が公表されていました。




原子力規制委員会 
上水(蛇口水)のモニタリング

<測定方法>
水道の蛇口から毎日一定量の水道水を採取し、
水分を蒸発させて濃縮したものを3か月分まとめて
ゲルマニウム半導体核種分析装置を用いて分析。
全都道府県の水道水の数値が3カ月ごとに公表。


環境放射能水準調査結果(上水(蛇口))(平成27年4-6月分) 平成27年07月31日

(クリックするとpdfが開きます↓)
水道水


(↓クリックすると大きく見ることができます)
水道水201506


それでは2015年4月〜6月の水道水セシウムランキングの発表です!

水道水セシウムランキング2706

1 栃木県 0.00403Bq/kg
2 茨城県 0.00255Bq/kg
3 東京都 0.00218Bq/kg


岩手県(盛岡市)が 0.00074Bq/kg 検出され復活しました。

セシウムランキング前半

セシウムランキング26から


で、今回ちょと気になったこと。
セシウム137が同じくらいの量検出されているのに、セシウム134が検出されない都道府県がある。
群馬県はセシウム137が0.0011Bq/kgでセシウム134が0.00059Bq/検出されている。

274から6

セシウム134が不検出の都道府県は
岩手県(盛岡市)
宮城県(仙台市)
秋田県(秋田市)
山形県(山形市)
埼玉県(比企郡)
千葉県(市原市)
神奈川県(茅ヶ崎市)
新潟県(新潟市)

セシウム137が群馬県よりも多く検出されているのは
栃木県
山形県(山形市)
茨城県
東京都
福島県
埼玉県(比企郡)
宮城県(仙台市)

赤字の山形県と埼玉県、宮城県ではセシウム134の測定方法に疑問が残る。


水道水セシウム合計と137

セシウム合計の順位だと
1 栃木県 0.00403Bq/kg
2 茨城県 0.00255Bq/kg
3 東京都 0.00218Bq/kg
4 山形県 0.00200Bq/kg
5 福島県 0.00180Bq/kg
6 群馬県 0.00169Bq/kg
7 埼玉県 0.00120Bq/kg
8 宮城県 0.00110Bq/kg
9 千葉県 0.00080Bq/kg
10 岩手県 0.00074Bq/kg
11 神奈川県 0.00044Bq/kg
12 新潟県 0.00029Bq/kg

セシウム137のみで順位を出すと
1 栃木県 0.00320Bq/kg
2 山形県 0.00200Bq/kg
3 茨城県 0.00180Bq/kg

4 東京都 0.00160Bq/kg
5 福島県 0.00130Bq/kg
6 埼玉県 0.00120Bq/kg
7 宮城県 0.00110Bq/kg
7 群馬県 0.00110Bq/kg
9 千葉県 0.00080Bq/kg
10 岩手県 0.00074Bq/kg
山形県と埼玉県の順位がUPしました。
(宮城県も群馬県と同じ0.00110Bq/kgで7位)








comment 0
09.10
Thu

福島第1原発 大雨の影響で汚染雨水が2度にわたって海洋流出
2015/09/09 FNNLocal 福島

1

台風18号の接近にともない、福島県内では、これから10日にかけて、広範囲で激しい­雨になる見込み。
この雨の影響で、福島第1原発では、9日未明に、2度にわたって汚染­した雨水が排水路から海に流れ出た。

2

東京電力の担当者は「降雨の影響で、排水ルートから、せきを乗り越えて越水して、一部­(海へ)排水された」と話した。

3

東京電力によると、9日午前0時28分から2時間にわたって、汚染した雨水が排水路の­せきを乗り越えて海に流れ出た。

4

また、その1時間20分後にも、同じ排水路から、再び海への流出が確認された。

5

いずれも降雨量は、1時間あたり11mmから13mmで、ポンプ8台をフル稼働させて­水をくみ上げていたが、処理が追いつかなかったという。

6

この排水路から汚染した雨水が流れ出るのは、これで7度目となる。






7

<高濃度汚染水太平洋へ>福島第一原発K排水路「14ミリ以上降れば海に出ます」9/7東京電力記者会見文字起こし







comment 1
09.08
Tue

きっと今日も明日も高濃度に汚染された水が太平洋にじゃぶじゃぶと直接流れ出すだろう。
「1時間14ミリの雨が降れば海へ出ます」
東京電力は記者会見できっぱりと何度もそう断言した。


IMG_1266.jpg
2015年9月8日 夜7時のニュースNHKより



福島第1原発 排水路から放射性物質含む雨水が海に流出 福島

2015年09月07日 FNNLocal

福島

6日夜から7日朝にかけての雨で、福島第1原発の排水路から、放射性物質を含む雨水が­海に流出した。

汚染水

東京電力によると、7日午前3時ごろ、福島第1原発の当直の担当者が、排水路の雨水が­海に流出しているのを監視カメラで確認した。

雨だと

福島第1原発の構内では、午前2時からの1時間で、14.5mmの強い雨が観測されて­いた。
流出した量はわかっていないが、流出は、午前4時すぎまで、およそ1時間10分にわた­って続いたという。

流出

東京電力は、流出への対策として、8月、70cmの堰(せき)の高さを15cmかさ上­げする工事を終えたばかりだった。




2015年9月7日
東京電力記者会見 文字起こし



Broadcast live streaming video on Ustream


日本テレビ:
K排水路の流出の件なんですけれど、今回で5件目ということでしたけれども、
改めて5件全部、その時期とどれくらい出ているのか?ちょっと整理したいので教えていただきたい。

36分60秒頃
東電20150907
東電:
まず、4月21日になりますけれども、
あ、失礼しました。
まずは4月17日からこれの運用を開始しております、ポンプでくみ上げてC排水路に動かす。

で、4月の21日の午前8時45分から8時9分、あ、20時9分になります。
こちらにつきましてはポンプを動かしている電源、発電機が故障したことによってくみ上げができなかったということで、
えー、海の方に排水をして、されてしまったといった状況でございます。

続きまして7月の16日
こちらにつきましては午前8時24分頃から午後8時10分頃でございます。
こちらにつきましては、ポンプ8台全台起動しているといった状況ですけれども、
お、おー、一部出たということになります。

あと、7月20日になります。
こちらは雨が降っていたんですけれども、え、こちらはポンプが6台に切り替わって、そのあと、
つまりこちらはちょと、可能性としては詳細は今確認できていないんですが、
雨が降り続いていて、ポンプ台数が増えて、止まったということが確認されています。
で直接、その頃はカメラが設置されておりませんでしたので、実際に出ているかどうかはわからないといった状況でした。

続いて8月17日になります。
こちらにつきましては午後9時24分から午後9時28分の間、この4分間になりますけれども、
堰の上流側で波打つような形になりまして、
で、その波の一部がこの堰を乗り越えたといった状況でした。

そのあと8月27日
こちらにつきましても0時17分から0時25分。
約8分間の間です。
こちらも一部、ウーー、短い時間ですけれども、水が、あ、越えていたといった状況でございました。

あとは本日、の状況でございます。




ー会見の前半文字起こしー


20150907東電

K排水路からの一部水の海への移水(流出)ということでございます。
こちら本日9月7日になります。
2時55分。
朝の2時55分から4時06分の間で、雨水が堰を超えて外洋側へ一部排水されたといったことを確認してございます。
で、4時6分以降につきましては、すべてポンプでくみ上げてC排水路への移送という状況でまた元へ戻っているといった状況です。

で、この件につき、こちらにつきましては、
昨日の夜、深夜ぐらいから発電所に多く雨が降ってございます。
で、本日うー、0時から1時までの1時間の降雨量としては5.5ミリ。
1時から2時までの降雨量としては7ミリ。
2時から3時につきましては、14.5ミリ。
3時から4時までが11.5ミリ。
4時以降につきましてはほとんど降っていないといった状況でございました。
え、まだ雨、だいたい1時間当たり14ミリ程度というものを目安としまして、
ま、こちらを越えると外に出る、一部排出される可能性がある
ということでお知らせをしてごいました。

で、今回先でお話をしましたように、2時から3時、3時から4時で、この14ミリ前後といった雨が降っておりまして、その影響ということで、え、考えてございます。
で、お手元に、い、・・・・・・・

先ほど追加でK排水路の放射能分析結果という資料を配らせていただいたかと思います。
昨日9月6日の朝と、こちら本日海に出たということがございましたので、
7時27分のサンプリング結果をつけさせていただいてございます。

(クリックすると大きく見ることができます)
2015年9月7日 福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果
K排水路
(※ 海に流出した9月7日の放射能濃度が激高している!!「海に出た」と言った後にはいつも放射能濃度が急増しているのがわかる)


ま、従来通りと同様になりますが、
あ、雨が降ったことによって、え、表層土の流入等により放射能濃度が上昇しまして、
その(放射能濃度が上昇した)状態で流れ出ていった
というふうに考えてございます。
K排水路につきましては以上でございます。


東京新聞
K排水路のかさ上げはしているんでしたっけ?もう終わった?
13:03

東電:
堰につきましては70cmあったところ15cmかさ上げをしております。
ただあの、かさ上げにつきましては、これ、かさをあげたことによって、
え、えーー、水が外に出にくくなるといったものではございませ、ある一定のも量が、何ミリの量だったものがさらに何ミリまで耐えられるといったようなものではございません。
あくまでも、排水路に入ってきた水をポンプでくみ上げて出していますので、
そのポンプの所定の能力以上の雨が降ってきた場合には、堰が高くなったとしても、あの、入ってくる量が多いものですから、数分の遅れがあった段階でまた溢れると、越えて排水するといったことになります。


本来15cm上げた理由としましては、その前の段階でポンプが全通起動する前で、6台ぐらいの段階で、波が乗り越えるような形で水が外に出てしまうというようなことがございました。
で、これを避けるために、堰の高さを高くして、
ポンプ6台だけではなくて、しっかり8台確実に運転できるような状態にしようといったことを目的として、えー、15cm、え、上の方に足した、ものでございます。


東京新聞:
ポンプをつける時に、「年間5回程度あるれる」といった話だったんですけど、確か、これでもう5回目ですよね?

東電:はい。
あのーーー、我々の方の説明がちょっと不十分だったところがあるかな、と思ってお詫びしたいと思います。
年間5回と言っているのよりは、まず、ポンプの台、運転の状況は台数は決まっています。
なので、ポンプでくみ上げられる量は決まっていますので、
え、だいたいあの、1時間あたり2000トンになります。
で、こちらにつきましては、今までの結果等からみると、
大体それに相当するのが、1時間当たり14ミリの雨が降った状態と。
で、これ1時間当たり14ミリということで、いわゆる、1時間トータルとして14ミリになるような雨、ということを想定して、で、それを超えるような雨というのは、主に台風ですとか、そういった非常に強い大きな雨が来た時になります。
といったことで、そういった雨については5回程度ということでお話を差し上げてございました。

で、今までに何回か(海に)出ていますけれども、
あの、1時間当たりではなくて、10分間で14ミリを超えるような雨が降っていた時、
いわゆる集中豪雨的に何時間でまとめて降った時、に、堰を止めきれずに一部(海に)排出しているといった状況でございます。
ですので一回外に出ましたけれども、時間も数分程度で、10分とかそのくらいで確か収まっていたと思います。
あのー、そういったあの、我々の方でご説明させていただいていたのは、
いわゆる平均的に1時間14ミリということで、短時間の雨で14ミリ、え、短時間で、10分とか20分でそれに相当するような雨といったことについてはちょっと我々の方から、えーー、ちょとご説明がきちっとできていなかったといった点になるかと思います。
それにつきましてはちょっと我々の説明不足ということで、え、ご理解いただければと思います。





東京新聞:
説明不足というか、10分とか15分で14ミリを超える雨というのは想定していなかったということですか?

東電:
え、あの、「想定していなかった」ではなくて、
あのーー、1時間当たり14ミリという雨、に耐えれると、雨の水を移送できるようなポンプしか設置できませんでした。
ですので、それを超える雨が降るという時につきましては、外に、エーー、堰を乗り越えて出るということがあります、ということは、これは設置をした時にお話を差し上げてございます。


東京新聞:
今後、これから台風シーズンが続くわけですけれども、
これをC排水路に付け替える工事というのはどういう状況にあるんでしょうか?

東電:
C排水路に付け替える工事につきましては、現在、い、K排水路とC排水路を繋ぐためのトンネルを、の、作らなくてはいけません。
それの作業に着手したところでございます。
で、3月末までに付け替えを完了するということで、今作業を続けているところです。


東京新聞:
素人目でもうちょっと簡単というか、もうちょっと早く済む工事なんじゃないかなと思っていたんですけど、
かなり難しものなんですか?

東電:
はい、あのー、作業する現場そのものが非常に海の護岸部分に近いところで、しかもこれは平らなところではなくて、えーー、海抜で言うと10mぐらいの高いところからそれこそ護岸部分に今C排水路を付け替えたC排水路と言っているわけですから、7mぐらい斜面になっているところ、そういったところにまずはアクセスできるように道を作るですとか、
また斜めのところで作業することになりますから、それなりにきちんと地盤を、作業しやすい環境を整える都いった作業をするとどうしても必要になってきます。
また、トンネルを掘るだけではなくて、護岸部分から今度、次に港湾側にまた管を数100m設置をするといった工事にもなります。
トータルの作業量としては非常に大きな工事になりますので、3月に着手してから約1年ぐらいかかるでしょう、そういった状況でございます。


共同通信:
K排水路の問題ですけど、先ほど説明が不十分だったというお話がありましたけど、
実際に1時間当たり14ミリというのは年に数回だということですけど、
短時間でも14ミリを超える雨がどれくらいあるということに関する調査というか、する調査というか、想定というのはしていなかったということでいいですか?

東電:
短時間にどれくらいの雨が降るというよりは、まず、現場に設置できるスペース、ポンプですとか、そういった設置できるスペースとかを見て、今は8台設置してございます。
その8台について、ポンプを設置して、設置できたポンプでの排出量が2000トン/hと。
これが雨に相当すると、どうも今までの経験、台風等で発電所の雨が降った時の雨の状態と排水路に流れている水の量の関係から、調べていくと14ミリぐらいの雨だったと。
それは1時間当たりでの話です。
そういった結果から、1時間あたり14ミリの雨といったことでお話をさせていただきました。
で、短時間で何ミリ降っても大丈夫かと、そういった意味での評価はしておりませんし、それに耐えうるようなポンプの設置と、今現在マックスで設置できるポンプは設置しておりますので、
ま、そこまでが…限界というか、今現状の設備ではいっぱいいっぱいのところということができると思います。


共同通信:
これまでの説明として、そこの場所に設置できるものとして最大限やったらこれだけだったということは理解していますけれども、その対策がどういうものなのかということを説明する時の説明の仕方として、問題があったということなんですよね。

東電:
そうです。
今までは1時間当たり14ミリという説明をしていましたので、
これに相当する雨というと、10分間で3ミリとかそれぐらいの雨になります。
今までも短時間でもそれぐらいの雨の時に(海に)出ておりまして、そういった説明につきましては当社の方から差し上げてございませんでしたので、それにつきましては「説明不足があった」と言わざるを得ないかと。

本日は長時間そういった雨が降り続いていましたので、相当の雨が降ったと思っております。


共同新聞:
回数は今回で5回目ということでいいんですか?
6回目ですか?

東電:
えっと、本格運用を開始してから、今回を入れますと、今回を入れて5回ということになります。
あと1回7月20日の時に、これポンプが6台動いて、
で、運転台数の関係から、実際に一部(海に)排水したかどうかは確認されていないんですが、
えーー、「その可能性がある」といったものが7月20日に一回ございます。
ですので可能性も含めると今回を入れると6回ということになります。


<福島第一原発>1年近く隠蔽し対策もとらず「2号機屋上の高濃度汚染水が外洋に流れていた」と今日発覚

<福島第一原発>また、高濃度汚染水がK排水路から外洋へ〜対策用のポンプ8台全部停止!



やっぱりね! <福島第一原発>どんどん汚れる太平洋





comment 1
09.06
Sun
2015年8月31日 東京新聞 こちら特報部
IMG_1246.jpg

不正会計問題で揺れる東芝。
経営陣刷新などで信頼回復を図ろうとしているが、注目されたのが、原子力事業部門の会計処理だ。
日本では、東芝を含む大手3社が原子力事業を続けている。
世界では採算の悪い原発を諦める企業が少なくない中、日本のメーカーがこだわるのは、なぜなのか。
政府が進める「国策」も見え隠れする(木村留美)

原発に固執 日本企業
不正会計の東芝 消えぬ損失懸念


東芝グループとしては、原子力事業での燃料サービスビジネスに軸足を置いていく」。
新経営陣などを発表した今月18日の記者会見で、室町正志社長は、こう強調。
国際エネルギー機関(IEA)による世界のエネルギー需要予測や原子力発電容量の予測が増加することを引き合いに、原子力事業の将来性に強い期待を示した。

東芝は、収益目標の達成に向け、損失の先送りなど不正な会計処理を繰り返していた。
経営幹部は不正会計処理について、社員に圧力をかけていたとされ、歴代3社長が辞任に追い込まれた。

批判にさらされた東芝は、半導体事業やパソコン事業などの資産価値をあらためて見直し、経営陣を刷新することで、信頼回復を図ろうとしている。

実は、一連の不正会計問題の中で、市場関係者の注目を最も集めていたのは、原子力事業をめぐる会計処理だった。
東芝は2006年、米原子力関連企業ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)を買収。
世界の原発市場に本格的に乗り出した。

買収額は約6400億円。
当時から「評価額が課題では」との指摘があったが、東芝は、WHの資産と買収価格の差額役3500億円を会計用語で言う「のれん代」として資産に計上した。
これは、将来の収益が見込めず、回収が難しいと判断されれば損失処理する必要がある。

業績開示せず
東芝は、WHに関して「(損失の処理が必要となるような)状況の変化は生じていない」(室町氏)とし、
今も評価を変更していない。
アナリスト説明会の出席者からは、WHや原子力事業に関する質問が相次ぎ、原子力事業の業績開示を求める声も上がったが、東芝側は「(業績開示は)検討しているところ」と回答するにとどめ、懸念はくすぶったままだ。

不採算、欧米では撤退加速
世界の原子力プラントメーカーなどが置かれている環境は厳しい。

スリーマイル島、チェルノブイリ、東京電福島第一と大きな原発事故を経て世界の原子力産業の勢力図は大きく変化している。

資源エネルギー庁によると、1980年代には原発プラントを製造する主なメーカーは欧米で原発の新増設が困難になったことや福島第一原発事故の影響などから、撤退や再編が進み2014年には8社にまで減少した。
米国単独のメーカーは消滅。
欧州でも次々姿を消し、変わって韓国や中国のメーカーが台頭している。

ドイツのシーメンス社は2009年に本格的に原発事業に乗り出そうと、ロシアのロスアトムと合併会社設立の覚書まで交わしたが、2011年に計画を撤廃してしまった。
シーメンス社の広報担当者は「原発事業は収益が望めないと判断した。将来的にも原発の主要な技術には関わらない」と説明する。
福島第一原発事故とドイツ政府が脱原発を宣言したことが決定的だったという。

米国のゼネラル・エレクトリック(GE)は今のところ「原子力事業は重要な位置付け」(担当者)としているが、2012年にはジェフリー・R・イメルト最高経営責任者(CEO)が「原発の正当化は難しい」と発言したことがあった。

日本ではこの間、三菱重工、東芝、日立の三社が合弁会社を作るなどして生き残った。
三菱重工はフランスのアレバ社と共同開発にも乗り出しており、世界の原発勢力図で占める割合は日本勢が最大となっている。

業績に関しては、東芝と三菱重工はともに「個別の事業の業績は開示しない」とし赤字か黒字かすら公表していない。
日立は原子力事業の収益について本業の利益を示す営業利益ベースで「12〜14年度まで黒字だった」としているが、広報担当者は「売り上げ自体は落ち込んでいて厳しいのは間違いない。コスト削減などの努力でなんとか黒字にしている」と説明する。

東芝にしてもWH株については「株式を過半数持つことは必要だが、多ければ多いほどいいとは思っていない」(東芝担当者)として、2006年以来、一貫して売却先を探し続けている。
パートナーとなる引き捕手を見つけられずにいるのが実情だ。
それどころか、当初は77%だった持ち株が、現在では87%にまで膨らんでしまっている。
一般的に市場から有望な事業とみられていれば、買い手を見つけるのはこれほどまでに難しくないはずだ。

丸抱え 国策見え隠れ

業績が見通しづらく先進国のメーカーが撤退する中、それでも日本勢が原子力事業に固執するのは、なぜなのか。

「日本の株主の性質」を理由に挙げるのは経済ジャーナリストの町田徹氏。
「世界的には原子力事業は曲がり角に来ている。米国であれば不採算事業を株主が許すことはない。日本では『(原子力事業は)国策だから大丈夫』などと説明されれは、納得してしまうことも多い。本来は切るべき不良債権も見逃されがちだ」と指摘する。

元経済産業相でエネルギー政策に詳しい古賀茂明氏は「各社は原発技術者をたくさん抱えていて、その中から出世した幹部もいる。過去にはプラントなどを電力会社に高値で売って、もうかってきた歴史もある。未だに梅を見ているのだろう」と話す。

実際に「国策」そのもののような国の政策も進んできた。

東芝がWHを買収し、日立とGE、三菱重工とアレバが連携して、三つどもえの現在の構図が出来上がったのは2006年だった。
これは「原発は2030年以後も発電電力量の30〜40%以上」とすることを盛り込んだ資源エネルギー庁の原子力立国計画が策定された時期と重なる。

国内ダメなら海外売り込み

ところが福島第一原発事故で、国内での原発の新増設が見込めなくなる。
すると、今度は安倍晋三首相自らトップセールスを働きかけるなど海外への積極的な原発輸出を展開。
トルコ、ベトナムとの優先交渉権を獲得し、複数の国への輸出も模索している。

世界の流れに逆行

さらには、経済界や電力会社からの要望の強い将来的な原発の新増設の動きもちらつく。

「原発事業は儲からなくなっているのに、国があらゆる面で支えている構図だ」と古賀氏。
「日本は先進国が進めている再生可能エネルギーでも遅れを取ってしまっている。世界の流れに逆行している」


デスクメモ
♪ひかる、ひかる東芝〜♪かつて、テレビから頻繁に流れていた企業CM曲。
時代は高度経済成長期。
原発の生み出すエネルギーを想起させるような未来を示唆した画像だった記憶がある。
もはや、原発に明るい未来などないことがはっきりした。
原発と早く縁を切ることが東芝再生への早道ではないか。(国)








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09.06
Sun
避難指示解除
国の指示で役場とすべての住民が町ぐるみで避難した原発周辺の7つの町と村では初めて

東大で「楢葉産米」食べて! 松本町長が利用協力を要望
(2015年9月4日 福島民友トピックス)

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五神総長に要望書を手渡す松本町長(右)

 楢葉町の松本幸英町長は3日、東大を訪れ五神真総長と面会し、楢葉産米の利用協力を要望した。

 楢葉町と東大は、放射性物質汚染の測定や除染などで連携・協力する協定を結んでいる。同町では、5日の避難指示解除後、営農再開に向けた動きが本格化する。町は、同町の農作物に対してのイメージアップと消費拡大に向け、学内での利用促進と関係団体への利用促進の呼び掛けを依頼した。

 松本町長が同大本郷キャンパスで五神総長に要望書を手渡した。松本町長は「コメの全量・全袋検査により安心でおいしいコメを作れるよう努力する」と述べた。五神総長は「楢葉町の復興に向け継続的な支援を考えている。科学的な見地から安心をアピールしたい」と要望書を受け取った。




福島・楢葉町 原発事故に伴う避難指示解除
NHK 2015年9月5日 0時50分

東京電力福島第一原発の事故で、福島県内に出された避難指示のうち、楢葉町のほぼ全域に出されていた避難指示が、5日午前0時に解除されました。原発事故に伴う避難指示の解除は3例目ですが、役場とすべての住民が避難していた自治体での解除は初めてです。

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福島第一原発の事故で避難指示が出されている地域のうち、楢葉町はほぼ全域が原発から20キロの距離にあり、早期の帰還を目指す「避難指示解除準備区域」となっていました。
政府は、国による除染が終わるなど自宅に戻って暮らす環境がおおむね整ったとして、5日午前0時に避難指示を解除しました。原発事故に伴う避難指示の解除は、田村市都路地区と川内村の東部の一部地域に続いて3例目ですが、国の指示で役場とすべての住民が町ぐるみで避難した原発周辺の7つの町と村では初めてです。

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避難指示の解除で、楢葉町では7300人余りの住民が住み慣れた自宅での暮らしを再開できるようになるほか、これまで許可が必要だった商店や企業などの事業が自由に行えるようになり、復興に向けた動きが活発化することが期待されます。
一方で、放射線への不安をどう解消していくかに加え、買い物や医療などの町の機能を4年半ぶりに再開させて、住民が安心して戻れる環境をどう整えていくかが大きな課題となります。
福島第一原発周辺では、今も9つの市町村、およそ7万人の住民に対して避難指示が出されています。政府はできるだけ早く元の生活を取り戻せるよう、除染を終えるなど生活環境がおおむね整った地域から、避難指示を解除していく方針です。

ろうそくに火をともし町の再生誓う
原発事故による避難指示が解除された福島県楢葉町で、復興への思いを込めて、およそ3000本のろうそくに火が灯され、住民たちが町の再生へ気持ちを新たにしていました。&&&。この催しは、避難指示が解除された楢葉町の復興に向けた思いをろうそくの明かりに込め、住民の思いを1つにしようと町が開きました。役場の担当者や住民、それに県外から訪れたボランティアの大学生たちが4日夕方から町の総合グラウンドに集まりました。用意されたおよそ3000本のろうそくには、「笑顔あふれるならはが続きますように」とか「大好きな町楢葉」などと、避難を続けてきた住民たちの思いが、メッセージとして書かれています。参加した人たちは1本1本地面に並べ、震災後に楢葉町がキャッチコピーとしてきた「こころつなぐならは」ということばをろうそくで作りあげ、日暮れとともに火をともして町の再生へ気持ちを新たにしていました。そして避難指示の解除の時刻となった午前0時には、松本幸英町長が最後の1本に火を灯しました。
松本町長は「すべての町民が避難した町としては、初めての解除なので、けん引役としても一歩一歩着実に復興に向けて取り組んでいきたい」と話していました。
いわき市に避難している63歳の男性は「うれしさと今後への不安が半々ですが明るく頑張っていきたい」と話していました。

被災地復興の「試金石」として注目
今回の楢葉町の避難指示解除は、今後の被災地の復興の「試金石」として注目されています。
東京電力福島第一原子力発電所の事故で福島県内では多いときで11の自治体に避難指示が出され、去年から解除の動きが始まりました。初めて避難指示が解除されたのは去年4月、田村市の都路地区で、去年10月には川内村の一部の地区でも避難指示が解除されましたが、いずれも自治体の一部で、対象は合わせて600人余りでした。
今回の楢葉町は、避難指示の解除としては3例目ですが、対象は町のほぼ全域の7300人余りに上り、役場とすべての住民が避難していた自治体での解除は初めてのケースです。楢葉町では去年6月以降、役場の機能を段階的に元の庁舎に戻し、行政機能はすでに再開しています。一方、4年半近く町ぐるみの避難を続けてきたため解除の時点では町に医療や福祉のサービスを受けられる施設はなく、買い物のできる商店も少ないなど、住民が安心して帰還できる環境が整うにはまだ時間がかかるとみられています。
楢葉町の解除のあとも、福島県では9つの市町村で避難指示が出されていますが、現在、南相馬市と川俣町、それに葛尾村の3つの市町村が来年春の避難指示解除を目指しています。
また、政府はことし6月、放射線量が比較的高い「帰還困難区域」を除き、避難指示を再来年の平成29年3月までに解除する指針を閣議決定しています。
こうしたことから福島県では今後、各地で避難指示の解除が続く見通しで、楢葉町が、買い物や医療、それに教育や産業などといった生活の基盤をどう整備し、住民の帰還と復興を進めていくか関心が集まっています。



楢葉町:全域避難を解除…すぐに帰還1割未満、再生険しく
毎日新聞 2015年09月05日 00時09分(最終更新 09月05日 07時23分)

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楢葉町の位置

 政府の原子力災害対策本部(本部長・安倍晋三首相)は5日午前0時、東京電力福島第1原発事故で全域避難となった福島県楢葉町の避難指示を解除した。解除は田村市都路地区と川内村東部に続き3例目で、全域避難した県内7町村では初めて。国は今後、楢葉町を拠点に沿岸部に広がる避難指示区域の除染やインフラ整備を進める。一方、放射線への不安や病院などの生活基盤の不備などから、すぐに帰還する住民は約7300人のうち1割に満たないとみられ、町再生への道のりは険しい。

 ◇財源確保が課題

 国は2017年3月までに放射線量の特に高い「帰還困難区域」を除き、県内の避難指示を解除する方針だ。3段階ある避難指示区域の中で最も放射線量が低い「避難指示解除準備区域」(年間積算放射線量20ミリシーベルト以下)の楢葉町を「復興の拠点」と位置づけ12年9月から除染に着手。道路などの整備も14年度中にほぼ完了した。

 国によると、楢葉町では宅地の空間線量が1時間当たり平均0.3マイクロシーベルト(昨年7〜11月)に低下。国は「年間被ばく量が帰還の目安の20ミリシーベルトを下回ることが確実になった」として、町や住民らとの協議を経て、解除を決定した。医療や買い物への不安を緩和するため、病院への無料送迎バスの運行や町内のスーパーによる宅配サービスも始まる。

 町内には福島第1原発の収束作業や除染を請け負う大手ゼネコンの作業員の宿舎が急増。しかし、住民の転出が相次ぎ、町の人口は事故前の8100人前後から約1割減少した。

 町の税収も減り、震災前に6割を超えていた自主財源率も3割程度と低迷が続く。一方、復興関連事業費は膨らみ、今年度の当初予算は10年度の5倍となる過去最高の200億円を突破。復興の財源確保は解除後の大きな課題だ。

 復興庁が昨年10月実施した帰還意向調査(回収率55.6%)では、「すぐに戻る」「条件が整えば戻る」と答えた町民は46%で、うち帰還時期を避難指示解除から「1年以内」と答えた人は37%だった。しかし、今年4月に始まった「準備宿泊」に登録した町民は約780人にとどまった。17年4月に同県いわき市の仮設校から町に戻る町立小中学校に「通学する」とした児童生徒数も、町のアンケート調査で就学対象者の7%しかない。【栗田慎一、小林洋子】




【楢葉町避難指示解除】
「今日が始まり」「希望は、ないね」 交錯する住民らの思い

2015.9.5 21:22 産経ニュース

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避難指示が5日午前0時に解除された福島県楢葉町。避難先のいわき市から帰宅し除草作業を行い、妻のシゲコさん(76)さんとともに休憩する米農家の山内忠良さん(78)。原発事故の影響で農作物が作れないなか、先祖代々の土地を守り続けるという=5日福島県楢葉町 (大西正純撮影) 

 東京電力福島第1原発事故の影響で福島県楢葉町に出ていた避難指示が5日、全域避難の自治体では初めて、約4年半ぶりに解除された。住民の帰還と町の復興を願い、町内で祈念式典が開かれ、松本幸英町長が「(事故以来)止まっていた時計の針が再び動き始めた」とあいさつ。県警双葉署も同町での駐在所業務を再開した。思いを新たに故郷での生活を再開させる住民がいる一方、帰還をあきらめる人も。思いが交錯する町内を歩いた。(野田佑介、緒方優子)

 ■「やっぱり、ここが好きだなぁ」
 「あぁ、久しぶりー」「お帰りなさい、元気だった?」-。5日昼、静かな住宅街の一角に、再会を喜ぶ声がこだました。
 東日本大震災の発生直後に避難所として使われた楢葉町営団地区の集会所では、5世帯10人ほどが集まり、バーベキューでささやかな祝杯を上げた。数カ月ぶりに会う顔、数年ぶりに会う顔。近況報告や子供の話に、話題は尽きない。

 同地区の区長だった橋本盛一さん(67)は「自然があって、みんながいて、穏やかに時間が流れる。やっぱり、ここが好きだなぁ」とつぶやいた。

 同地区の約90世帯は原発事故後の避難でばらばらになったが、「帰町の日に、久しぶりに集まろう」と提案された。
 かつて50人ほどが集まっていた宴席に比べて、この日のテーブルの数は5分の1程度と、まだ寂しい。それでも、橋本さんは「今日が始まり。これから、徐々に大きくなっていけばいい」と笑顔を見せる。

 ■「仮設が本当の家って言うんだよ」
 「ドルちゃんにご飯あげてもいい?」
 生後まもなく1年になるラブラドルレトリバーの小屋の前で、小学1年の孫、根本あかりさん(6)がそう尋ねると、祖母の根本里子さん(61)は笑顔で、「いいよー」と返す。あかりさんは、掃除や洗濯のときも、里子さんのそばを離れようとしない。

 原発事故前までは楢葉町の自宅であかりさんの両親ら家族7人で暮らしていた。4月から始まった準備宿泊で、里子さんは帰還。4畳半2間しかない仮設住宅では、隣近所に気を使い大きな音を立てないようにしてきたが、わが家では誰に気兼ねすることもなく、のんびり過ごせる。
 だが、あかりさんらは戻らず、一緒に過ごせるのは週末だけ。原発事故当時、2歳だったあかりさんに楢葉の家の記憶はほとんどない。「ここで過ごしたんだよって言っても、仮設が本当の家って言うんだよ」

 ■「スタートにしては寂しいな」
 「正直なところ、解除はピンと来ないな」。町北部に自宅のある無職の男性(69)は力なく、つぶやいた。
 避難指示の解除に先立って4日夜に行われた灯籠に火を灯す記念イベントの会場に妻(67)と2人で足を運んだ。夫妻はすでに、故郷に「戻らない」と決断している。
 「どれぐらいの人が来るのか見たくてね。でも、これじゃあな。スタートにしては寂しいな」

 福島第2原発にほど近い自宅は東日本大震災で半壊。震災直後は修復して故郷に戻るつもりだった。原発事故で避難し、現在はいわき市内の仮設住宅で母親と3人で暮らす。楢葉町の自宅は「ねずみにやられて住める状態じゃない」といい、解体することを決め、いわき市に新居を建てた。

 記念イベントがあった陸上競技場は、消防団の出初め式で何度も足を運んだ場所だ。芝生のグラウンドを眺めていると、当時のことがよみがえった。新たな町のスタートを喜ぶ催しだったが、「希望はないね。ただの明かりにしか見えないよ」との妻の言葉に、男性は静かにうなずいた。





楢葉町避難解除 住民帰還のモデルにしたい
2015年09月06日 03時05分 読売

 福島第一原子力発電所の周辺地域の再生に向けた一つの節目である。
 原発事故により、町の大半が避難指示解除準備区域に指定されていた福島県楢葉町の避難指示が解除された。自治体ぐるみで避難した区域では、初の解除だ。

 第一原発周辺では、なお9市町村で避難指示が続いている。楢葉町のケースが本格的帰還のモデルとなるよう期待したい。

 楢葉町内では生活圏の除染が完了し、電気や水道などのインフラも復旧した。それでも、帰還に備えた長期宿泊の登録者は、解除直前で約780人にとどまった。町の人口の1割強に過ぎない。
 多くの住民が戻ろうとしないのは、不自由なく暮らせる環境が整っていないためだ。買い物ができるのは仮設スーパーとコンビニだけで、小中学校も当面は再開しない。帰還を軌道に乗せるには生活環境の整備を急ぐ必要がある。

 雇用創出も不可欠である。

 昨年秋に行われた町民の意向調査では、高齢者には帰還の希望が強いが、40歳代以下では「戻らない」「今は判断できない」が7割以上を占めた。働き口がなければ、震災前からの高齢化や人口減に拍車がかかるのは避けられまい。
 政府は、補助金を出して企業の進出を促すといった支援策を講じてきた。避難中の商工業者の相談に乗る政府や県の職員らによる合同チームも発足したが、帰還の進捗しんちょく状況次第では、対策の再検討を迫られるだろう。

 原発関係の仕事に就く人が多かったこの地域で、雇用創出のカギを握るのが第一原発の廃炉だ。関連する事業所や研究施設の集積を図り、若者を呼び戻したい。

 政府は、放射線量が極めて高い帰還困難区域を除く全域で、2017年3月までに避難指示を解除する方針を掲げる。8月末には南相馬など3市町村で長期宿泊が始まっている。
 一方で、第一原発が立地する双葉町や大熊町には帰還困難区域が広がる。古里の近くに戻りたいと願いながら、帰還時期を見通せない住民の受け皿となることも、楢葉町などには求められよう。
 復興庁が設けた有識者検討会は7月、第一原発周辺自治体の将来像に関する提言を公表した。行政機関や商業施設を各自治体の復興拠点に集めるコンパクトな街づくりや、市町村の枠を超えた公共サービスの提供などが柱だ。
 各自治体が別々に取り組むのではなく、連携して地域の再生を図る視点が大切だろう。






除染や生活基盤に不安 福島・楢葉町で避難指示解除
2015/9/5 0:31日本経済新聞 電子版

 今年4月から始まった準備宿泊で町に戻った住民からは、生活環境の整備の遅れや除染への不安などを指摘する声が上がっている。

 「もう農機具はすべて売り払った」。7月にいわき市から自宅に戻った稲作農家の男性(80)は水への不安から営農の再開を諦めたという。自宅前に広がる田んぼは雑草が生い茂ったままだ。

 心配の種は水源となっている木戸川。環境省の調査で、上流にあるダムの湖底の泥からは高濃度の放射性物質が検出された。政府は「表層の水は安全」として泥の除染はしない方針だが、男性は「今は水道水を飲まず、ミネラルウオーターを買っている」と話す。

 商店や公共施設などの再開も大きな課題となっている。楢葉町商工会に所属する242事業所のうち、町内で営業を始めたのは58事業所。スーパーは縮小営業中の仮設店舗のみだ。医療機関は10月以降、小中学校は2017年春の再開を見込んでいる。

 小中学生の子供2人を持つ女性会社員(40)は解除後も、いわき市の借り上げ住宅から週末のみ自宅に戻る生活を続ける。「子供の学校や買い物のことを考えると、ずっと楢葉で生活するのは無理かもしれない」

 治安面に不安を感じる高齢の町民も多い。一時帰宅した町民の家財道具が盗まれる事件が起きているほか、町中にやってくるイノシシの存在も生活を脅かす。町によると、準備宿泊の開始後、イノシシと車の衝突事故などのトラブルが毎月10~15件起きている。

 4月に埼玉県の避難先から戻った男性(64)は8月、体長1~2メートルほどのイノシシ6匹に愛犬を殺された。「もし人を襲ったらと思うとぞっとする。高齢者ばかりだと自分たちの身を守ることもできない」と話す。




空き家を有効活用 楢葉町バンク事業
2015年09月01日火曜日 河北新報

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が5日に解除される福島県楢葉町が「空き家・空き地バンク事業」を実施する。賃貸借や売却が可能な町内の物件を登録・公開し、有効活用を図る。県宅地建物取引業協会と31日、物件調査や仲介に関する協定を結んだ。
 楢葉町では、住民の帰町の遅れや町外での住宅再建、荒廃家屋の解体などで空き家・空き地の発生が見込まれている。「バンク」は、町内での転居や他自治体からの移住などの受け皿を整えるとともに、無秩序な利用を防ぐのが狙い。一般社団法人「ならはみらい」に事業を委託する。
 所有者が同法人に依頼すると、宅地建物取引業者が物件を審査。合格物件はバンクに登録され、法人のホームページで公開される。賃借や購入の希望があった場合、法人から連絡を受けた取引業者が仲介業務に当たる。既に物件の募集を始めている。
 協定書に調印した松本幸英町長は「バンク事業で家屋の老朽化や治安の悪化も防ぎ、美しい町づくりを進める」、県宅建協会の安部宏会長は「避難している人には一戸建てに住みたいとの希望も多い。安全安心な物件を提供し、復興を後押ししたい」と述べた。




楢葉町公式ホームページ2015年9月5日現在
解除


解除1
病院一覧
現在楢葉町は、東京電力福島第一原子力発電所事故により、避難中のため、町内の医療機関は休診中です。
避難先自治体及び避難先の医師会のホームページ等をごらんください。

解除2
休日当番医
現在楢葉町は、東京電力福島第一原子力発電所事故により、避難中です。
避難先自治体及び避難先の医師会のホームページ等をごらんください。

水道水中における放射性物質のモニタリング結果
「不検出」の文字が並ぶ
※「不検出」とは、一定の条件で測定機器が検出できる最小値(1.0Bq/kg)未満であることを示しています。 分析装置:ゲルマニウム半導体検出器

東日本大震災:
福島第1原発事故 楢葉あす避難解除 救急搬送時間1.5倍 郡内の2次病院ゼロ

毎日新聞 2015年09月04日 東京夕刊

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来年2月に開設される県立診療所の予定地=福島県楢葉町で2015年8月30日、三上剛輝撮影

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福島第1原発周辺の2次救急病院

 東京電力福島第1原発事故によって全町避難している福島県楢葉町の避難指示が5日午前0時に解除され、住民の帰還が始まる。だが、周辺の双葉郡(同町を含む8町村)の医療態勢は元に戻っておらず、救急搬送に要する平均時間は震災前に比べ約1・5倍に延びている。住民帰還を前に、救急医療関係者が危機感を募らせている。【三上剛輝】

 双葉郡8町村は、楢葉町のほか、浪江町や大熊町など全域避難の5町村、川内村(一部に避難指示)、広野町。震災前の郡人口は約7万2800人だったが、現在は1割に満たない。震災前は郡内に病院・診療所が54あり、うち重症患者を受け入れる2次救急病院は3病院あったが、現在は病院・診療所が五つあるだけで、2次救急はゼロだ。

 双葉地方広域市町村圏組合消防本部によると、震災前の2010年の年間搬送者は2454人だったが、14年は396人と激減した。

 一方で住民や除染などの作業員が増加しており、15年は500人を超えそうという。

 搬送先は、10年は郡内が63%だったが、14年は23%に減少。いわき市や郡山市など郡外への搬送が増加し、通報から病院搬送までに要する平均時間は10年の36・8分から、14年は55・8分と19分長くなった。県全体の平均43・6分(14年の速報値)より12・2分、全国平均の39・3分(13年)より16・5分遅い。

 同本部の大和田仁次長は「一分一秒を争う救急現場では命取りになる可能性がある。綱渡りの状況だ」と危機感をあらわにする。特に郡内の2次救急病院がゼロになり、「施設が整った病院が近くにないことが不安だ」と話す。同本部は当面の対策として、救急救命士を順次増員し、これまで救急車に1人だけ乗っていた救急救命士を、2人体制にする方針だ。

 県などによると、来年2月に楢葉町に県立診療所(常勤医師1人)が新設されるなど、帰還に合わせて郡内の診療所は徐々に増える見込みだ。ただ、県地域医療課は「住民がどこにどれくらい帰るかが見通せない中、病院開設の時期や場所の決定は難しい」と話し、今月7日に国や県、8町村による検討会議を初めて開く。

 楢葉町からいわき市の仮設住宅に避難している主婦(75)は当面、自宅に戻るつもりはない。10年冬、買い物中にめまいで倒れ、大熊町の県立病院(現在は閉鎖)に救急搬送された。脳の血管が詰まりかけていたという。「万が一の場合に頼れる病院が近くにないと、戻りにくい」と話す。








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09.05
Sat
そもそも総研 2015年9月3日

安保反対デモ “普通の女性たち”が立ち上がる理由 投稿者 tvpickup

玉川:
今日のテーマ
「そもそもなぜ今 普通の女性たちが立ち上がっているのだろうか?」
どこで立ち上がっているのか。
ここで立ち上がっている。

まずこの写真、これは60年安保闘争の写真なんですけれども、
この横にある写真は何か?

8301

先日の8月30日のデモですよ。
なんか彷彿とさせるものがあるということで、警察官系の方に私は取材しました。

国会前の車道、ここは車道ですけれども、人で埋め尽くされたのは何年ぶりですか?」って聞いたら、
やっぱり「55年ぶりでしょう」と。

8302

つまりこの「60年安保以来だよ」と、いうふうなこと。
「これくらい大きなデモだった」ということになるんですね。

で、私はもちろんデモの取材もしたんですけれども、
今回注目したのは女性たち。
普通の」とここに書いてありますけれども、
ま、「普通の女性って何ですか」というのもありますけれども、
私の取材観なんですが、
例えば組織動員されているような人たちとは、やっぱりちょっと違ったんですね、いろいろ取材をしてみたら。
本当に普通のありきたりな女性たちがここにいっぱい居たと。

その中で私は今回3人の方にお話を伺ったんですが、
まず、SEALDs(シールズ)。

聞いたことがあると思います。
若者たちの団体なんですけれども、
この若者たちが今核になって、それでこういう風な運動が大きくなっているという部分があるんで、このお二人に話を聞いています。

大学生とOLさんなんですけど、なんでこういうことやってんの?

ーVTRー

今国会に向かって車が進んでいます。
前をみてください。
本当はここは国会までずーっと道路なんですね。
しかし、正面にバリケードが見えると思うんですが、バリケードの向こう側はもうみんな人です。
車道も、こうやって人が溢れていると。

8303

今ちょっと中に入りますから。
本当はでも車道ですから、警察も、もう「車道まで人が出ないと危ない」という判断だと思いますね。

なるべく国会まで近づいてみたいと思います。
あ、創価学会の方もいる。
なんか創価学会の方がいっぱいいますね。

8304

向こう側が多分SEALDsだと思います。

すごいな。
こういう状況は本当に何十年ぶりじゃないですかね。

ほぼこれで先頭まで来たんですけれども、
とにかく、「どの団体が何をやっている」じゃなくて、
とにかく皆さんここに集まってですね、
「反対だ」という声をあちこちで挙げていると、そういう状況ですね。


ナレーション
集まった人数は主催者発表でおよそ12万人。
警察関係者によると国会周辺でおよそ3万3000人ということでしたが、

8305

玉川:
ここは外務省と総務省の間だよね、ここね。

8306

国会の反対側国土交通省の前ですね。
国交省の前にもずーーっと人がいますね。

8307

ここ、相当国会から遠いんですよ、ここは。
これは民主党本部前ですね。

8308

ナレーション:
この日、霞が関や日比谷公園まで人で埋め尽くされ、さらにスタート時間を過ぎてからも改札の出口から続々と人が上がってきていました。

830

8309

国会周辺以外にも人が溢れかえっていたのは確かです。

一方この抗議行動に対し政府は。


83010
菅義偉内閣官房長官
「戦争法案」だとか、あるいは「徴兵制復活」だとか宣伝され、
ま、大きな誤解を受けていることは極めて残念だという風に思っております。

ナレーション
菅官房長官によると「大きな誤解をしている」という数万人の参加者たち。
その中で私たちは抗議行動の中心にいる若者たちのグループSEALDsの女性に話を聞きました。

83011
SEALDs 大学4年生 福田和香子さん(21)
私は誰も殺したくないし、誰にも死んでほしくないし。
友達と遊んだり、親と喧嘩してみたりとか、もちろんデートに行ったりとか、そういうことが大事なんであって、
そういうものを、そんな勝手な、「立憲主義もわかりません」みたいな政権に奪われたくないんですよ、私は。

ー:そうだーー!

ナレーション:
このスピーチをしているのが福田和香子さん、21歳。
都内の大学に通う4年生です。


玉川:僕の頃も含めて、大学っていうのは享楽的に過ごす場所っていうイメージがずっとあったんですけど、

福田:それがやっぱり大半だと思います。

玉川:ああ、いまでも大半。

83021
福田:
たまたまこういうことに黙っていられなかったから来たけど、
これ以外の生活って享楽的だと思っている大学生と何も変わらないので、
これ(デモ)を日常に取り入れただけで、基本は何も変わっていなくて、
なにも革新的な大学生っていうことでもなくて、
たまたまそういうところにアンテナを張った人が、たまたま一定数集まってこうなったから、
享楽的な大学生活の中にデモを取り入れてみたらこうなりましたみたいな。


ナレーション:
社会人2年目の橋本紅子さん(24)にも話を聞きました。

玉川:
今日も日曜日で、ま、休みの日ですよね。
そういう時、これ(デモ)がなかったら、もっと楽しいこととかね、ということもできると思うんだけど、

83022
橋本:
語弊を恐れずにいうと、戦争になってしまうような状況に、本当になり始めてしまったら、
それこそ休みの日に買い物に行く余裕もなくなってしまうかもしれないし、
きっと(武力行使の報復として)テロが起きる場所って、
例えば新宿とか、渋谷とか、きっと人が集まる所じゃないですか。
じゃあ、新宿、渋谷って、いつも私たちが買い物に行く場所はどこか?って言ったらそういう場所であって、
いつ起きるかわからないことを「関係ない」とは絶対に言えないですし、
そうならないために、今ちょっと遊びに行く時間を我慢してでもやらないと、
長期的にみて、それこそ自分の生活が自由じゃなくなってきちゃうと思います


ナレーション:
実は二人とも国会の安保法案が成立したらその先にある事態が心配だと言います。


福田:「経済的徴兵制」って今何回も言われていて、

橋本:あくまでも政府側はそれを「経済的徴兵制」とは絶対に呼ばないと思いますけど。

ナレーション:彼女たちが心配する「経済的徴兵制」とは。



83023
福田:
「経済的徴兵制」って今何回も言われていて、
うちら大学生の中でも、奨学金を借りて、それこそ事実上の多額の借金をかかえて、
就職が決まらなくて自衛隊って考えている人が周りにいっぱいいるし、


ナレーション:
すでに今、大学の理学部や工学部の学生を対象とした防衛省の学費の対応制度が始まっています。
審査に合格すると、一部の額資金が貸与され、卒業後自衛隊に勤務すれば学資金の返還が免除される仕組みです。

83024

83025


83026
橋本:
あくまで政府側はそれを「経済的徴兵制」とは絶対に呼ばないと思いますけど、
強制はしないけど、でも行かざるを得ないような状況が着々と出来ていっているのではないかと思います。


ナレーション:現実の徴兵制についてもどう思うかを聞いてみました。

玉川:
総理も含め、「『憲法で意に沿わない苦役はできない』ってあるんだから徴兵制なんてできませんよ」と。
「何を心配しているんですか」って言うんですよね。

83031

橋本:
そうやって、徴兵制とかそういう話が出た時だけ「憲法で禁止されているからない」って言っている政府が
実際に解釈改憲の、手続きをしないでもう変えてしまっている現状があるわけで、
じゃあ「徴兵制は苦役に当たりません」って政府が判断したら、
それはまた解釈の仕方でそこに該当しないということになっていくらでも通してしまうということは可能だと思います。



玉川:
こういうふうなこと(デモ)をやるっていうのは、ちょっと昔はあんまりなかったんですよね。

橋本:
デモをやったから、じゃあ総理の意思がころっと変わりましたなんて、そんな安直なことを考えては誰も参加していなくて、
本当にちょっとずつちょっとずつそうやって、「あ、反対している人がいるんだ」
「反対している若い子がいるんだ」っていう認識が知られていることでも、デモをやっている意味はあると思うから、
ちょっとずつそういう認識が広まっていくことが目的かな、っていうふうに思います。


ースタジオー

玉川:
やっぱり彼女たちは自分たちの今の生活っていうか、日本を肯定しているんですよね。
だけど、それがもしか失われたら、っていう危機感に突き動かされてやっているっていうことは間違いないと思うんです。
彼女たちが誤解しているかどうかは別にしてね。
どういうふうに思われますか?

羽鳥:
いや、まあ、一見普通の女の子が非常に意識が高いな、と。
で、そういう人が今回は女性、お母さん、たくさん集まっているんですよね。

玉川:
そういうことですね、ええ。
今、お母さんという話が出たんですけど、
お母さんにも私、ちょっと、この会場でね、お母さんを見つけて話を聞いているんです。
シングルマザーの方で3人のお子さんをお持ちなんですけれども、
この方のお話もぜひ聞いていただきたいと思います。


ーVTRー

83032
安保関連法案に反対するママの会墨田 中村華子さん(35):
私は墨田区に住む中村と申します。
6歳、4歳、1歳の子供と暮らすシングルマザーです。
今までデモ活動や、こういった集会に参加することは一度もありませんでした。
そんな私が「安保関連法案に反対するママの会墨田」というのを立ち上げて、
今こうしてみなさんの前で声をあげさせていただいているそのきっかけとなったのは、
安保関連法案のニュースで聞いた「海外での武力行使を可能にする」。この言葉です。

日本人が海外で誰かを傷つけるようなことをすれば、日本人は全員報復の対象になってしまいます。
こうして今、たくさんの人がここに集まって声をあげたり、私も署名を集めたり声をあげたりできる。
これは70年前、声を上げることすら許されず、涙を流すことすら許されなかった多くのママが残してくれた、
かけがいのない大切な民主主義という権利だと思っています。


ナレーション
スピーチをする女性は中村華子さん、35歳。
3人の子どもを女手一つで育てています。

玉川:こんばんは。

ナレーション:
連日抗議行動に参加する中村さんですが、彼女の口から出たのは意外な言葉でした。

中村:
本当は今すぐこの運動もやめたいな。
大変だからと思うんですけど、

玉川:大変なんですよね。

中村:
大変なんですよ、もう。
今日国会前に行くのも、もう本当にうんざりだなって。
雨降ったじゃないですか。
だから全員分のカッパを持っていかなきゃいけなくて、荷物は増えるし、
そもそもこの3人のメンツで乗り換えて電車に乗るとか、ものすごく大変。
そもそも土曜日曜なんて、本当は遊びに行ってもいい日じゃないですか。
それを「戦争反対」なんていうこと自体がもう、「アホか」って思いますよ。


玉川:自分で?

中村:思う。

玉川:だけど、それはやるっていうこと?

83033

中村:
やらなきゃいけないから、しょうがなくやっているんであって、
「デモが趣味」とかじゃないですからね、全然。

玉川:だけど行かざるを得ない。

83035

中村:
だけど行かざるを得ない。
今だと反対の声をあげなければ、もう、可決しちゃうじゃないですか。
黙っているのは賛成と同じ」だから、

ナレーション:
彼女の収入は現在月に10万円程度で、子ども手当を含めても日々の生活はギリギリだと言います。


玉川:子供が3人いてね、で、シングルマザーなんですよね。
生活だって、決して楽なわけじゃないですし、

中村:そう思います。

玉川:それだけどやらなきゃならないと突き動かされているということですか?

中村:
そう。
だって、どんなに子供の健康を気にしていいご飯を作ったり、
一生懸命仕事して、子供達が欲しいものや学べるようにってしても、
命が絶たれたちゃったらもう、何の意味もないじゃないですか。


玉川:子供達の。

中村:
そうそう。
健康とかも、命がなかったら意味がない。


ナレーション:
中村さんが心配しているのは自分のことではありません。
子供達とのこれからの生活が不安なのだと言います。

中村:
海外で日本人が武力の行使をしたら、もう日本人全部が憎しみの対象になるじゃないですか。
報復される対象になる。
そうなれば日本での生活は脅かされるし、
今愛されている日本なのに愛されなくなってしまう。
子供達も海外に行った時にどんな扱いを受けるかもわからない。
海外に行けるようにならないかもしれないし。


ナレーション:
海外だけでなく、日本で平和な生活を送ることもできなくなるかもしれないと心配する中村さん。
さらに徴兵制についても聞きました。

玉川:どうですか、徴兵に関しては不安心配というのは。

83036

中村:
もちろん、もちろんあります。
今の政府が「絶対徴兵はしない」とか言っているのも、
「そんなことをさせないための法案だ」って言っていることも知っているけど、
あんな無理なやり方で可決させて、今だって「憲法違反」じゃないですか、この法案自体が。
憲法違反の法案を、「憲法を変えるのが大変だから憲法解釈を変える」というやり方でねじ込んじゃおうとしている政府の言うことが正しいとは到底思えない。

ースタジオー

玉川:聞いていただきましたけど、どうですか?

高木:
いろんな政策とかはね、専門家が、政治家とか官僚とか、様々な専門家が作っていくものだ、理論的に作っていくものだと思っていて、今まで私もね。
で、メディアですらそれに対抗するのって、なかなか政治が大きくなって、数の力を増してくるとできない中で、
これで応援されている、実はメディア人ってすごく多いんじゃないかってことを一つ感じたのと、
それから、やっぱり物事は人の気持ちが作っていくんだ、っていうことを改めて思い出しましたね。
なんか、原点にむしろ変えることができた、というか。

玉川:赤江さんどうですか?

赤江:
やっぱり、国のトップがその時代時代で変わっていく中で、
政治と国民の信頼関係って、やっぱり憲法で成り立っているんだなっていうのが、
すごく強くこのデモを見ても思いますよね。
その信頼関係がないと、何を言われてもそれをそのまま受け止められないという人がでて、それは当然なんじゃないかなと思いますね。

83037

玉川:
今回お話を聞いた3人の方は、
どなたも楽しくてやっているわけではなくて、
趣味でやっているわけでもなくて、
まさに、やむにやまれぬそういう思い。
まさにやむにやまれぬ思いで立ち上がっているっていうのを私は感じたんです。
で、彼女たちの背後にはどれぐらいの女性がいるんだろう?
いわゆるサイレントマジョリティーと呼ばれるような女性たちがいっぱいいるんじゃないのかな、って私は思ったんですけどね。


高木:
わからないで済ませないで、わかろうと、とにかく努力をして、
勉強して自分なりの答えを持って行動に移しているっていうのは
ちょっと今までに無かったかもしれないですね。

赤江:今回もSNSとか、口コミとかでこうやって広がっていっているわけですよね。

玉川:
そうですね。ただ、動員じゃないんですよね。
組織動員じゃないんですよ。

羽鳥:
本当に学生とか、普通のお母さんの意識がものすごく高いな、と。

玉川:
多分、若い人だけじゃなくてお年寄りの女性の方だってきてたしね、
だからそういうのが今までとは全然違うんじゃないかというふうに感じた今日のそもそも総研でした。




comment 6
09.03
Thu

少なくとも3000件 安全上の分類の誤り

高速増殖炉もんじゅ 安全上の重要度分類に誤り
NHK 2015年9月3日 16時02分

福井県にある高速増殖炉もんじゅで、設備や機器の安全上の重要度を決める分類の誤りが少なくともおよそ3000件あることが国の検査で分かりました。中には重要度が高い設備や機器を低く分類する誤りも含まれているということで、原子力規制庁などが詳しく調べています。

もんじゅ1

日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅでは、大量の機器の点検漏れが見つかり、おととし、原子力規制委員会が事実上、試験運転を禁ずる命令を出しています。

もんじゅ2

こうしたなか、年4回行われている国の保安検査で、設備や機器の安全上の重要度を決める分類の誤りが少なくともおよそ3000件あることが分かりました。

もんじゅ3

分類は3段階に分かれていますが、原子力規制庁によりますと、重要度が高い設備や機器を低く分類する誤りも含まれているということで、必要な検査が行われなかった可能性もあるとして詳しく調べています。

分類の誤りは分かっているだけで、ナトリウム漏れ事故を受けた改造工事に伴って、新たな許認可が出された平成19年から続いているということで、この間、国も見過ごしていたことになります。

もんじゅ4

もんじゅの青砥紀身所長は、「指摘を踏まえ、検査に真摯(しんし)に対応したい」と述べました。また、原子力規制庁の宮脇豊安全管理調査官は、「これから内容を聞き取ってどのような問題があるか確認したい」と述べました。

もんじゅ5

原子力機構は来年3月までの試験運転再開を目指していますが、禁止命令の解除の時期は見通せない状況です。




他にも…
新たに800件の書類が適切に保管されていない

「もんじゅ」書類の不適切な管理800件
2015年08月05日 (水) NHKかぶんブログ

大量の点検漏れなどが相次いでいる福井県の高速増殖炉「もんじゅ」で、国の保安検査の結果、修理などを依頼する書類が適切に保管されていないケースが800件見つかりました。原子力規制委員会は、改善策の策定後も規定違反が続いており、「憂慮すべき事態だ」として監視を強めるとしています。

日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」は、大量の点検漏れなどが相次いでいるため、原子力規制委員会が、機構に保守管理の改善策を去年12月に提出させ、監視を続けています。

これについて、ことし6月に行った国の保安検査の結果がまとまり、5日の委員会に報告されました。

それによりますと、故障などが発生した際に修理などを依頼するための書類が、担当の部署に届けられていないなど、手順どおり管理されていなかったケースが、新たに800件見つかったということです。

実際には、手順にないコンピューターで管理するリストに基づいて修理などが行われており、安全上の問題はなかったということですが、規制委員会は、これまでと共通の問題点があるとして、保安規定違反と認定しました。
このほか、10年間の保存義務がある記録の一部を紛失していたケースも見つかり、規制委員会は、改善策の策定後も違反が続いており、「憂慮すべき事態だ」として監視を強めるとしています。




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2013年

夢の原子炉『もんじゅ』真の姿5/17田坂広志氏(内容書き出し)
およそ1万か所の点検漏れのあったもんじゅ。
「禁止命令」
去年9月保安院の抜き打ち検査
「点検をした」と嘘の報告
もんじゅは停止していても年間200億円の予算を費やす。
これまでに投入された国費は1兆円近い。

田坂:
これは、私はよく申し上げるんですが、
よく「原発の安全性を保つためには基準を厳しくして技術的にしっかり対応すれば良いんだ」
という方が多いんですが、実はそれだけではないんですね。

これをいくら頑張ってみても、それを品質管理したり確認する組織とか人がいい加減だった時には、
俗に、人為的組織的制度的文化的安全性と言いますけれども、
こちらがいい加減だと原子力全体の安全性は非常に低いものになる。


これまで世界で起こってきた原発事故のほとんどが、むしろこちらの要因なんですね。
その事を考えると、今回の原研機構の、
島崎さんが「これほどのいい加減な組織をよく許してきた」というふうな言い方をされていましたけれども、
これは国民の実感でもあると思いますね



「もんじゅと敦賀原発」小出裕章ジャーナル6/9ラジオフォーラム(内容書き出し)
今西:
せんだてから大きなニュースとして伝えられているなかで、
やはり福井県敦賀市にある日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅで、
重要な機器に点検漏れが1万点も見つかったと言うニュースが伝えられていますけれども、
1万点のそういう機器、部品なんかが、
点検時期が過ぎていたにもかかわらずそのまま放置されていたということが、
原子力規制委員会の調査で分かったという事なんですが、
1万点も期限が切れてたという事で、
こんなものを放っておいて、もし運転再開したらエライ事になるなと思うんですが、
小出さん、その辺いかがお感じになりましたでしょうか?


小出:
もちろん私もそう思います。
ただし、なにか日本原子力開発機構だけがサボっていたというふうに報道されているようですが、
いったいこれまで国の規制機関は何をしていたのか?と、
私はむしろそちら側が不安です。



原子力規制委員会がもんじゅを停止命令?田中委員長答弁(文字起こし)
田中俊一 原子力規制委員会委員長:
えぇっと、日本原子力機構、研究開発機構が所有しているもんじゅについては、
昨年の秋に、ん、立ち入り保安検査の結果、点検不備という事象がみつかりまして、
その後詳細に調べたところ、1万件近い、あのー、う、
保安検査、あー、をしていないという事実がわかりました。
その後そういった事実が発生したという事で、
えー、あの、き、せいちょうとして、規制委員会としては、
その状況を正確に把握するために調査を進めてまいりました。
で、今お尋ねの件ですけれども、まだ調査結果を取りまとめ中ですので、
ぎゅうえん時点で、そのー、どういった対処をするかという事について、
本委員会では決定した事実はございません。





もんじゅって、優秀な人材がどんなに頑張っても、
とてもとても、きちんと管理できないほどに複雑なのかな?






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09.03
Thu



3号機の燃料プールに油が流出

3号機燃料プールの冷却を停止して使用済燃料プール内の油を回収


報道関係各位一斉メール 2015年
3号機使用済燃料プールへの重機からの油漏れについて

2015年9月3日 東京電力株式会社

 本日(9月3日)8時3分頃、福島第一原子力発電所3号機の使用済燃料プール内において、がれき撤去用鋼材カッターの油圧ホースと養生材が接触し、プール水面に油圧ホースからの油漏えいが発生したことを確認しました。このため、8時14分に双葉消防本部へ連絡しました。

 がれき撤去用鋼材カッターの動作を停止したことにより漏えいは停止しました。燃料プールにはオイルフェンスを設置しており、油はその中にとどまっているため使用済燃料プール代替冷却系への油漏えいの影響はないものと考えております。

 なお、油回収のため燃料プール代替冷却系を8時15分に停止しました。燃料プール水温度は現在25.8℃であり、運転上の制限値65℃に対して余裕があります。

 使用済燃料プール内の油を回収した後、冷却を再開します。




油圧ホースって、なんとなく想像はつくけどどんなのかな?

油圧より
油圧システムは 比較的小型のポンプで大きな力を発揮できる、出力や速度の制御が容易である、遠隔操作が可能である等の特徴を有している。

作動油
油圧は、大きく分類して石油(鉱物油)系作動油と難燃性合成作動油を使用する。最近では植物油や合成油を使用した、環境対応型の生分解性作動油も登場した。



燃料プールに石油がはいっても大丈夫なのだろうか?

ホースより
建設機械では、例えばショベルカーのアームなどの先端に油圧駆動用の高圧の油を伝えるために、関節部に沿って高圧に耐えるホースが取り付けられている。これらは頻繁な取り付け・取り外しは前提とされないため、ボルト止めされていたり締め付けリングで固定されている。


油圧ホース製作交換 現場出張作業より
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3号機の燃料プールの油、完全にとりのぞけるのだろうか?



ー追記ー

3号機使用済燃料プールへの重機からの油漏れについて(続報)
2015年9月3日 東京電力株式会社

 漏えいした油については、本日(9月3日)午前10時45分に油回収作業が完了し、午後0時30分に使用済燃料プール代替冷却系を再起動しました。

 午後0時38分に運転状態に異常のないことを確認しました。燃料プール水温度については、午後1時30分現在26.1℃と安定しており、停止時(25.8℃)より0.3℃の上昇となっております。






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09.03
Thu
福島第1原発 汚染水タンク解体の作業員、足を踏み外しけが(15/09/02)
FNNLocal  2015年9月2日

1

2日朝早く、福島第1原発で、汚染水タンクの解体作業をしていた男性が、足を踏み外し­て、宙づりになり、けがをした。

2

東京電力によると午前5時前、福島第1原発で働く協力企業の20代の男性作業員が、高­さ10メートルほどの場所で、汚染水タンクの解体作業中に、はしごから足を踏み外した­。

けが3

男性は、安全ベルトをつけていて落下は免れたが、宙づりになった際に、首や頭にけがを­したとみられ、いわき市内の病院に緊急搬送された。

けが4

男性の命に別条はなく、放射性物質の付着もないという。

けが6

男性は、タンクの中段で足を踏み外したとみられ、東京電力は、解体作業を中断して、く­わしい状況を調べている。


福島第一原子力発電所の状況について(日報)
東京電力株式会社 2015年9月2日

※本日午前4時55分頃、福島第一原子力発電所H2北エリアのタンクにおいて、協力企業作業員がタンクの梯子を昇る際に、負傷。フルハーネスタイプとD環付きベルトの安全帯を装着していたため落下は免れたが、梯子に引っかかった状態で当該作業員が助けを呼び、共同作業者に発見された。午前5時14分に入退域管理棟救急医療室へ入室し、医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると判断したことから、午前5時56分に救急車を要請。なお、当該作業員の身体に放射性物質の付着はない。




ー追記ー

福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
2015年9月4日 東京電力株式会社

※9月2日午前4時55分頃、福島第一原子力発電所H2北エリアのタンクにおいて、協力業作業員がタンクの梯子を昇る際に、負傷。フルハーネスタイプとD環付きベルトの安全帯を装着していたため落下は免れたが、梯子に引っかかった状態で当該作業員が助けを呼び、共同作業者に発見された。
同日午前5時14分に入退域管理棟救急医療室へ入室し、医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると判断したことから、同日午前5時56分に救急車を要請。
なお、当該作業員の身体に放射性物質の付着はない。
その後、いわき市立総合磐城共立病院にて9月2日より検査入院をしていたが、特記すべき外傷などなく、9月3日、退院するとともに今後の通院治療は不要と診断された。





よかった❤️






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09.02
Wed


福島の小児甲状腺がん137人を受け、津田敏秀教授スカイプ中継

2015年8月31日
岡山大学 津田敏秀教授 
白石草氏



白石:津田先生は今どちらにいらしているんでしょうか?

津田:
ブラジルのサンパウロです。
国際環境疫学会という、要するに環境汚染による人体影響の研究を行って議論するような国際学会がありまして、
それが今ブラジルのサンパウロで開かれています。

白石:
昨日また福島県で県民健康調査の検討会が開かれまして、
津田先生もそちらの方のデータをご覧いただいたかと思います。
で、今回のデータは検査した方々のうち、1巡目で新たにお一人の方が甲状腺癌というような診断を受けて、
そして、2巡目の方は悪政、悪性疑いの方が10人増えて25人
というような数字になりました。

今回のこのデータの発表を受けましてどのようなことが言えるというふうにお感じになっていらっしゃいますか?

津田:
みなさん、甲状腺癌というのはご存知のように、特に小児において珍しい癌ですね。
したがって発表が最初に4名出た時点でもう「多発」だったわけです。
それが8名になって、全開で15名になって、今回25名になって、
多発がよりはっきりしてきたという感じです。

で、今で大体18倍か19倍の多発ですね、日本全国で比べて。

残りの人たちが全員、検査が進んでいない分、全員が甲状腺癌ではないという非常に低めの過程をしても、18倍から19倍の多発であるということが言えます。



白石:
23名の方は前回の検診ではA1判定、もしくはA2判定で、「何か大きな問題がある」とされていなかった子たちが、
2年のうちに…。
ま、今回の津田先生の計算では3年を有病期間というふうに当てはめて出されているということですけれども、
今後残りの部分を全部検査して、一人も今後出なかったと考えて18倍から19倍ということですか?


津田:
そうですね。
しかもこの、3年を当てはめていますけれども、これは本来なら2年ぐらいでいいんですけれども、
それは長めに当てはめれば当てはめるほど過小評価されますので、低めで見てもそのくらい。
かなり低めで見てもそのくらいの多発であるということですね。



白石:
多発についてはすでに「過剰診断」ないしは「被曝による過剰発生」というようなことは国立がんセンターの津金昌一郎先生の口からも出ているわけですけれども、
実際のところ、最近のデータでは北茨城で甲状腺癌が出ていたり、
あるいは日光市などでもC判定のお子さんが3名(4名?)出ているというようなことから考えると、
津田先生はこれまでも環境問題含めて、あるいは食品公害とか、そういうものに対応されてきているのですけれども、
何か対策が必要というふうにお考えになりますか?

<甲状腺検査>北茨城市平成26年度の結果 3593人中3人が甲状腺ガン


<甲状腺検査結果>福島県と福島県以外〜2015年3月31日現在〜
栃木県日光市 放射性物質対策事業
更新日:2015年4月21日
平成26年度日光市甲状腺検査結果報告書
20150521193704c94s_20150902112544549.png



津田:
多発が、私が予測していたよりも、あるいはWHOが予測していたよりも、はるかに早く進んでいますので、
しかも、甲状腺腫瘍の大きくなり方が早い。
早くてしかもリンパ節転移の割合が高いですので、
そういうことを考えると、できるだけ早期診断ですね。
スクリーニングがたとえ無理だとしても、
例えば、甲状腺というのはここ(首)から触れますので、自己診断の方法をいろんな人に言ったりですね、
それから、甲状腺エコーというのは「それなりに技術がいる」という先生がいる一方で、
腹部エコーよりは臓器が表面にあるので、比較的一般のお医者さんでも少しのアドバイスでできるようになると思われます。
したがいまして、福島県内ではもうすでに甲状腺の専門医の先生以外でも(検査を)していただけるような体制がかなり進んできていますので、そういうような形で、やはり隣接する県においても、そういうのに応えられるような体制を少しずつ、できるだけ早く構築されて。
それと同時に、私たち公衆衛生の立場としては、もっと患者把握をきちっと、行政当局は行う。
という体制を強化する必要があると思います。


白石:
ちなみに今回そちらの国際環境疫学会ではシンポジウムとポスター発表されて、福島原発事故での関連でもご発表されたということなんですけど、内容とか反応とか。
すでに終えられたんですよね。


津田:
はい、そうですね。
内容は、一つは前回の検討委員会で発表されたデータを疫学的に分析して、それを発表しました。

白石:甲状腺癌についてですか?

津田:
はい。
これは、あの、こういう研究者の人たちは非常に関心が高いので、非常に関心を持っていただけて、
日本人の研究者の方はそれほど、ちょうど地球の裏側ということであんまり参加されていないんですけど、
来られた方も日本になかったようでその情報を非常に熱心に見ていらっしゃいました。
もう一つのシンポジウムの方は、ま、「100mSv以下でガンは出ない」あるいは「放射線によるガンが出たとしても『わからない』」という言い方が日本でよくされていますけれども、それは明らかに間違いの情報ですので、そのことについて参加者に対して訴えまして、やっぱりきちっと情報は知らせるべきだという意見がかなりの部分占めていました。


白石:
海外の疫学者の皆さんというのは、この甲状腺癌の問題、あるいは100mSv以下は「わからない」とかあるいは識別できないという理油で「大丈夫」という形のコメントが日本では多いんですけれども、そういう形で、ま、あんまりご存知ないかもしれないんですけれども、専門家としてどのようにおっしゃってる方がいらっしゃいましたか?

津田:
「検診だけではダメだ」という感じですね。
検診自体はずっと続けていてもどんどん参加者は少なくなるし、コストもかかるし、
そういうような観点から検診だけに頼るんではなしに、もっと積極的に疫学調査なり、あるいはガン登録システムなんかをきちんとやって、症例をきちんと把握して、大体どういう規模で何が起こっているのかをよく把握するべきだというのが、
私たちの専門では非常に意見が大勢を占めるわけですけれども、そういう意見とか、
やっぱりリスクコミュニケーションは住民の協力を得るために、できるだけちゃんと話しなさい、

パターナリズム(paternalism 強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉すること)という言葉をご存知ですか?
ま、言えば、上から目線から住民を指導するみたいな態度でリスクコミュニケーションをやるんではなしに、
全部ディスクローズ(disclose 明らかにすること。発表すること)して住民の自律的な判断というのを促すというような、生命倫理学の原則の一つなんですけど、
それから社会正義という意味でも、情報はちゃんと透明性を持って開示するべきである。
という意見というのが一般なので、若干驚かれたみたいですね。

まぁ、中国もそういう傾向があるわけですけれども、それにやっぱり
「日本はアジアだからそういうのがあるのかな」という感じでもありましたね。


白石:
なるほど。
ちなみに甲状腺癌の、前回の数ですので3月末の数字、126という数だったと思うんですけれども、
それについては、そのぐらいの数が出ているということについては、皆さんご存知というか反応というのはどうですか?関心というか。


津田:
非常に詳しい人は、今回の140人近く、総計が140人近くになるんですけれども、
非常に詳し人はそういうのをちょっとご存知ですけれども、
ほとんどの方はご存知なくて、ま、「多発がこれからも続くのかな」という感じで思われていたと思います。


白石:わかりました、ありがとうございました。またよろしくお願いします。





2013年
<甲状腺がん>原発の事故の話しが無ければ、「原因不明の多発」です3/6津田敏秀教授OurPlanetTV (文字起こし)




甲状腺がん疑い含め137人へ、2巡目は25人〜福島健康調査より一部転載
投稿者: ourplanet 投稿日時: 月, 08/31/2015 - 23:27

福島県は31日、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて実施している福島県民健康調査の専門家会議を開催し、新たな甲状腺がんデータなどを公表。甲状腺がんと疑われる子どもは検査対象の38万人のうち、137人となった。すでに手術を終えたのは105人。病理診断により1人は良性結節、残りの104人が甲状腺がんと確定した。
 
今回、公表されたのは今年6月30日までのデータ。2011年から2013年までの「先行検査」では、2次検査の穿刺細胞診断で悪性または悪性疑いと診断されたのは1人増え、113人に増加。そのうち99人が手術を実施し、一人が良性結節と確定診断されたほかは、95人が乳頭がん、3人が低分化がんと診断された。今回、新たに増えた1例はいわき市
 
また2014年〜2015年にかけて行われている2巡目の「本格調査」で、悪性・悪性疑いと診断されたのは前回より10人増え、25人となった。新たに診断された10人の市町村は、浪江町1人、 南相馬市1人、伊達市3人、福島市2人、本宮市1人、郡山市1人、桑折町1人。そのうち、1人が新たに手術を終え、これまでに6人が乳頭がんと確定診断された。今回がんと診断されや25人の子どものうち10人が、1巡目ではA1、13人がA2と診断されており、計23人が「問題なし」とされていた。

過剰診断か?〜県立医大が手術症例を公表
「過剰診断なのではないか?」
こうした疑問に答えるため、福島県立医大は県の要請に対応し、「手術症例」を公表した。福島県立医科大学の甲状腺内分泌外科部長・鈴木眞一教授の公表データによると、今年3月31日までに外科手術した104例のうち、福島県立医大が手術を実施したのは97例。術式は甲状腺すべてを摘出する全摘が6例(6%)。片葉切除90例(94%)だった。
 
全症例96例のうち、病後病理診断で甲状腺外浸潤(pEX1)のあったのは38例(39%)リンパ節転移は72例(74%)。肺への遠隔転移は3例10ミリ以下の腫瘍で、リンパ節転移も、甲状腺外浸潤、遠隔転移のないもの(pTlapN0M0)は8例(8%)だった。いずれも、術後出血、永続的反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症、片葉切除後の甲状腺低下などの術後合併症はないという。








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09.02
Wed


「原発の収束作業で発がん」 札幌の男性、東電など提訴へ
北海道新聞 2015年09/01 06:30、09/01 16:17 更新

 東京電力福島第1原発事故の収束作業に従事した後に三つのがんを併発した札幌在住の元作業員男性(57)が、がんになったのは作業中の放射線被ばくが原因などとして、東電などに約6500万円の損害賠償を求める訴訟を1日、札幌地裁に起こす。弁護団によると、事故収束作業の被ばくと発がんの因果関係を争う裁判は全国で初めて。

 この因果関係をめぐっては現時点では労災が認められていないが、救済への道を開くのか、司法の判断が注目される。

 男性は2012年6月にぼうこうがん、13年3月に胃がん、同5月に結腸がんを、転移ではなく別々に発症した。

 男性は東電に対し、原子力損害賠償法に基づく賠償を請求。手作業でのがれき撤去などで無用な被ばくをさせたとして、元請けの大手ゼネコン(東京)と1次下請けの建設会社(同)には安全配慮義務違反の慰謝料を求める。

 男性は11年7月から10月まで、福島第1原発で、がれきの撤去作業などに従事した。男性の記録上の被ばく線量は4カ月間で56・41ミリシーベルトと、通常時の原発作業員の年間法定限度の50ミリシーベルトを超えている。




東日本大震災:福島第1原発事故 「作業で発がん」 がれき撤去従事 東電など提訴
2015年9月2日 毎日新聞

 東京電力福島第1原発事故の収束作業中に被ばくしたためがんを発症したとして、札幌市の元作業員の男性(57)が1日、東電などに計約6472万円の損害賠償を求め札幌地裁に提訴した。男性の弁護団によると同原発事故の収束作業とがん発症の因果関係を争う訴訟は全国初という。

 訴状などによると、男性は事故の約4カ月後の2011年7月上旬から10月末までの間、原発構内で、がれきを重機で撤去する作業などに当たった。

 事前の説明では、鉛で覆った操作室内から重機を無線で遠隔操作するはずだったが、重機が使えない場合などには、屋外に出て手作業で撤去したという。

 公式の累積被ばく線量は4カ月間で56・41ミリシーベルトに上り、通常時の原発作業員の年間法定限度の50ミリシーベルトを超えた。線量計を身に着けなかったこともあり、実際の被ばく量はさらに高くなるとみられるという。男性は12年6月にぼうこうがん、13年3月に胃がん、同5月に結腸がんをそれぞれ発症。転移ではなく別々に発症した。

 東電に対し、原子力損害賠償法に基づき約5472万円を請求。安全配慮義務違反に当たるとして、元請けの大成建設(東京都)と下請けの山崎建設(同)に計1000万円を支払うよう求めている。

 東電は「訴状が送達されていないため詳細は承知していないが、真摯(しんし)に対応したい」とコメントした。

 男性は13年8月、福島県の富岡労働基準監督署に労災認定を申請したが、15年1月に不支給の決定が出たため、福島労働局に審査を請求中という。

 提訴後、記者会見した男性の弁護団代表の高崎暢(とおる)弁護士は「廃炉に向けて何十年も危険な作業に携わらなければならない作業員がいる。責任の所在を明らかにし、被害者救済の道を開きたい」と話した。【日下部元美】






2013年10月6日
<福一作業員労災申請>膀胱と胃と大腸、転移でなく、それぞれの臓器で独立して癌発病。より

福島第1原発で4カ月 がん「被ばくが原因」 札幌の55歳男性が労災申請
北海道新聞 2013年10月6日(10/06 07:25、10/06 14:43 更新)

東京電力福島第1原発事故後の2011年7月から10月まで同原発で作業し、
その後膀胱(ぼうこう)がんなど三つのがんを併発した札幌市在住の男性(55)が、
発がんは作業中の放射線被ばくが原因だとして労災の申請をしていたことが5日分かった。
原発事故後、被ばくを理由に労災を申請した人はこの男性を含めて全国で4人。
いずれも審査中で、労災が認定された例はまだない。

男性は重機オペレーターとして同原発の原子炉建屋周辺でがれきの撤去作業などに従事した。
被ばく線量が4カ月間だけで原発作業員の通常の年間法定限度である50ミリシーベルトを超えたため、
同年10月末で現場を離れた。

12年5月に膀胱がんが見つかり、札幌で手術。
今年3月には大腸がんと胃がんも見つかった。
現在も通院しながら抗がん剤治療を続けている。
転移でなく、それぞれの臓器で独立して発病していた。
<北海道新聞10月6日朝刊掲載>



「まずいな」線量計外す合図 
原発労災申請の男性「命懸け、結局使い捨て」
北海道新聞 2013年(10/06 10:11、10/06 11:49 更新)


「線量計はピーピー鳴き続けた」「赤いバツのついたがれきを手作業で運んだ」。
東京電力福島第1原発の事故処理の最前線で4カ月働き、
放射線被ばくが原因でがんになったとして労災申請した札幌市内の男性(55)は、
北海道新聞の取材に、2年前の現場の現実を生々しく語った。

56・41ミリシーベルト。
厚生労働省の「特定緊急作業従事者等被ばく線量等記録手帳」に記された
2011年7月から10月までの4カ月間の男性の被ばく線量だ。
「本当はこんなもんじゃない」と男性は言う。


放射線量の高い現場に到着すると5分もたたずに胸の個人線量計の警告音が鳴る。
「まずいな」。
現場責任者のつぶやきを合図に作業員が線量計を外す。
マニュアルでは線量が高ければ現場から退避することになっているが、
実際は放射線を遮る鉛を張った車中に線量計を隠すなどして作業を続けたという。

男性は重機オペレーターとして道内外の工事現場を渡り歩いたが、原発は初めてだった。
大手ゼネコンの下請けで、月30万円近い基本給に1日1万円の危険手当が付いた。

主に担当したのは重機の遠隔操作だが、
重機に乗り込むことやコンクリートの破片を手作業で取り除く作業も多かった。

線量の高い現場では遠隔操作のロボットも使う。
だがロボットが通る道を確保するには、どうしても人の手が必要だった。

水素爆発で建屋が吹き飛んだ3号機の周辺には、
1時間いただけで20~30ミリシーベルト被ばくしてしまう場所があちこちにある。
特に線量の高いがれきには赤いスプレーで「×」と印が付けてある。
前線基地の免震重要棟での朝礼で「赤い×には近づくな」と注意した現場責任者その人自身が、
最前線に行くとがれきを手作業で運ぶ。
作業員も黙って手伝う。
「言っていることとやってることが、まるで違った」

防護マスクのあごの部分にびっちりと汗がたまり、
放射線対策の鉛が入った重さ15キロの防護服を着て原子炉近くで作業したこともある。
「命懸けで作業した。そして、使い捨てにされた」。
男性は今、そう思っている。

膀胱(ぼうこう)と胃、大腸。
転移したわけでもなく3カ所でがんが見つかったのは被ばくと関係あるはずだと考え、
今年8月に労災を申請した。(報道センター・関口裕士)
<北海道新聞10月5日朝刊掲載>






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