中国電力
原発推進の姿勢示す 清水新社長就任へ /広島
毎日新聞2016年1月30日 地方版 広島県
29日に中国電力が発表した人事で、清水希茂副社長(63)が新たに社長に就くこととなった。就任は6月の株主総会後が通例だが、4月からの電力小売り全面自由化に合わせて4月1日付となる。同時に苅田知英社長(67)は会長に就き、山下隆会長(72)は相談役に退く。社長交代は5年ぶりとなる。
清水氏は呉市出身。大阪大卒業後、1974年に入社した。長年火力発電を担当した後、電源事業本部副本部長、島根原子力本部長などを経て2011年に副社長に就任した。
山下会長は「電力小売り自由化で電力業界は新しい時代が始まるなか、経営陣の世代交代にちょうどいいタイミング」と説明し、清水氏を「強いリーダーシップと柔軟な発想で、経営を託すのにふさわしい」と評価した。
新社長となる清水氏は「小売り全面自由化や発送電分離など、入社当時とは環境が様変わりしているが、どんな変化にも対応していきたい」と抱負を語った。島根原発(松江市)2号機については「安全確保を大前提に早期(再)稼働で業績回復を図りたい」と述べ、また上関原発(山口県上関町)も「重要性はゆるぎない」とし、引き続き原発を推進していく姿勢を示した。【加藤小夜】

清水希茂(しみず まれしげ)
【生年月日】 昭和27年 2月19日生
【出 身 地】 広島県
【学 歴】 昭和49年 3月 大阪大学基礎工学部卒業
【職 歴】 昭和49年 4月 中国電力株式会社入社
「日本列島は他国に原発を売るためのモデルルーム。下手すると日本列島が最終処分場に使われる可能性がある」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)より一部抜粋
その最悪のシナリオは、日本でもう一つ原発事故をやって、そうすると関東東北の汚染。
それから九州、中国地方、関西の汚染をやって、そうすると満遍なくね。
そうすると2箇所やって、日本経済がもっと衰退、もっともっと袋小路に入っていって、それであるときから日米共同の研究機関があちこちにつくられて。
その研究機関は何か?というと、「アメリカの高レベル放射性廃棄物を置く場所」なんですよ。
そういうふうにもう日本は受け入れるしかないんですね、経済的にはもう、アウトだから。
現実味がより一層強くなる
こわい…
実験段階の高速原子炉「常陽」 再稼働申請へ
テレ朝News (2016/01/26 17:01)
高速実験炉「常陽」が再稼働へ動き出しました。
茨城県大洗町にある常陽は実験用の原子炉です。
「もんじゅ」と同じく、冷却に水ではなくナトリウムを使います。
炉内のトラブルで2009年から運転が止まっていましたが、日本原子力研究開発機構は、復旧作業が終わったとして2016年度中に再稼働へ向けた審査を原子力規制委員会に申請する方針を固めました。
馳浩文部科学大臣
「
新規制基準に従って、再稼働に向けての申請の段階。手順を丁寧に進める必要があると思う」
審査が順調に進んだ場合、常陽は数年以内に再稼働する見通しです。
常陽
常陽(じょうよう)は、茨城県東茨城郡大洗町にある、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉である。
熱出力 7.5万 kW
燃料 MOX燃料
着工 1971年1月10日
概要
常陽は日本で最初の高速増殖炉であり、高速増殖炉開発のために必要な技術・データおよび経験を得るための基礎研究、基盤研究を目的として建設された実験炉である。目標は自主技術で新型炉を開発することに貢献することであり、日本の国産技術である新型転換炉 (ATR) と並列して計画が進んでいた。
常陽ではそのほか燃料・材料等の照射実験なども行われており、民間への施設の提供も行っている。
応用
ここで得られた技術・データは、次の段階となる原型炉であるもんじゅの建設につながった。
高速増殖炉の実験の最終段階である実用炉の開発は2050年頃とされているが、開発計画は事故などにより何度も遅延している。
名称の由来
常陽の名称の由来である「常陽」は、江戸時代の茨城県東部に立地した常陸国の中国風の呼称であり、公式サイトによれば「高速実験炉「常陽」の設置場所大洗は、太平洋に面した明るく雄大な地形にあり、まさに「常陽」の名にふさわしい所です。」とある。
実験炉「常陽」の名称は、新型動力炉「もんじゅ」「ふげん」とともに、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の副理事長・清成迪(きよなりすすむ)が発案したものである。
現況
ナトリウム循環を除き、休止中である。
2007年にMARICO-2と呼ばれる照射試験用実験装置の上部が大きく破損する事故が発生したため、炉の運転休止を余儀なくされている。(2014年11月28日復旧完了)
歴史
1960年(昭和35年):設計開始
1970年(昭和45年)2月12日:原子炉の設置許可
1971年(昭和46年)1月10日:格納容器建設開始
1977年(昭和52年)4月24日:MK-I炉心が初臨界を達成。高速増殖炉による臨界はこれが日本では最初、世界では5番目であった(出力5万kW)
1978年(昭和53年)7月:MK-I炉心にて通常出力(7.5万kW)による運転を開始
1982年(昭和57年)
1月10日:MK-I炉心の運転を終了
11月22日:MK-II炉心で初臨界を達成
1997年(平成9年)9月12日:50000時間を超える運転の後に、MK-II炉心の運転を終了
2003年(平成15年)7月2日:MK-III炉心で初臨界達成
2007年(平成19年)6月11日:炉心で燃料棒の交換装置と計測線付実験装置(MARICO-2)が衝突する事故が発生。燃料交換機能の一部に障害が発生しているが復旧作業を行って2016年度の運転再開を目指している。
2010年(平成22年)1月22日原子炉付属建屋内で、ぼやが起きたと日本原子力研究開発機構が発表した。外部への影響や作業員の被曝はなかった。
2014年(平成26年)11月28日燃料交換機能の復旧作業(MARICO-2試料部の回収及びUCSの交換)が終了。
高速実験炉「常陽」

部長挨拶
部長 前田幸基
高速実験炉「常陽」は、我が国初の高速炉として、 国内の英知を集めて茨城県大洗町に建設され、昭和52年4月に初臨界を達成しました。その後、段階的にプラントを高度化し、 原子炉出力も初期の約3倍の14万kWにパワーアップし、高速中性子(エネルギーの高い中性子)の照射施設として世界でもトップクラスの性能を有しています。
「常陽」は、平成19年の運転終了後に発生した実験装置(計測線付実験装置)の不具合により、一部の燃料集合体を交換できない(燃料交換機能の一部阻害)状態となりました。 この復旧作業として、原子炉容器内に設置された炉心上部機構の交換と実験装置の回収を進めてきましたが、平成26年5月に炉心上部機構を原子炉容器から引き抜き、 9月に実験装置を原子炉容器から回収した後、11月に新しい炉心上部機構の設置を完了しました。その後、これらの作業の実施に伴って取り外していた機器を再度設置する作業を行い、 平成27年6月に燃料交換機能を復旧いたしました。
「常陽」には、限りあるエネルギー資源の有効活用や放射性廃棄物の減溶化等の環境負荷低減に関する研究開発、高速中性子を使った幅広い分野の基礎研究、 技術者・研究者の養成など、多くの役割が世界的にも期待されています。
「常陽」の運転を再開し、これらの期待に応えるため、今後、原子炉施設の新規制基準への適合性確認に向けた対応を進めてまいります。
ーーー
<廃炉作業で出た配管や金属>東海村山田村長「しょうがないね」と東海原発敷地内に埋める計画容認
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高浜原発3号機が再稼動
プルサーマル発電の「死角」
2016年1月29日 報道ステーション(文字起こし)
考えてみると高浜の3・4号機はですね、去年の4月に「これは地震のこととか色々含めて危険だから再稼動するな」という仮処分が出て。
そして去年の12月にそれがひっくり返されて「再稼働よし」というふうに変わりました。
で、それから1ヶ月でえぇっ!として再稼動なんですね、3号機が。
それともうひとつここで注目していただきたいのが、プルサーマルなんです、3号機というのは。
これを見ていただきますと、「プルサーマルってなんだ」というのをこれからご説明しますけれども、

原発から使用済み核燃料が出る、と。
使用済み核燃料を再処理すると。
これ(再処理工場)、まだ動いていません、日本において。
処理をするという理屈。
で、プルトニウムを抽出して、商業ウランと混ぜてMOX燃料なるものを作るというんですけど、この燃料工場(MOX燃料工場)は日本はまだできていません。
MOX燃料が再処理を経てできたらまた原発に戻る。
つまりこの循環を、よくこの図を見ることって、ありますよね。
グルグルグルグル回るという意味じゃないですか。
違うんですよね、これがあるんです。

これもちょと触れたいと思いますね、時間の限り。
これは、MOX燃料を理屈上原発に、まだできませんけれども入れたとして、日本で作ったものを。
入れて、使用済み核燃料というよりは、使用済みを使っていますから、使用済み使用済み核燃料MOX、どこへいくとおもいますか?
VTR
福井・高浜原発 午後5時

「制御棒引き抜き開始します」
「制御棒引き抜き開始」

今日午後5時。
福井にある高浜原発3号機が再稼動した。

発電所が動けばね、経済の方も活性化するでしょうし、それから電気代の方もね、かなり下がるんじゃないかとみんな期待しているんじゃないですか。

自分は反対の方なんやけど、やっぱり動かさない方がいいと思うけど、そやけど地元の住民、それで生活している人がおるから。
高浜原発の3号機と4号機については2015年4月、福井地裁が再稼動を差し止める決定をした。

だが、関西電力がこれに異議を申し立て、先月別の裁判長がこの仮処分を取り消したばかりだった。
それからわずか1ヶ月余りの再稼働。
再稼動に対する抗議活動をする女性:
関西一円だけじゃなくて、その周辺の地域にまで原発事故の被害が及びますし、みんなで「辞めたい」という声をあげていきたいと思います。
震災後にできた規制基準での再稼動は、鹿児島の川内原発1・2号機に続く3基目。
ただ大きく違うのは、高浜3号機はプルサーマル発電であることだ。

プルサーマルはウランとプルトニウムを混ぜて加工したMOX(モックス)と呼ばれる燃料が使われる。
原発から出た使用済み燃料を再処理して、ウランとプルトニウムを取り出し再加工したものだ。
午前11時過ぎ

林幹雄経産大臣
プルサーマルの推進。
あのーー、そしてまぁしいては、核燃料サイクルの推進という観点から、非常にあの〜異議があるものと考えておりまして、
と、林大臣が言うように、国はプルサーマルを、いわゆる核燃料サイクルが重要な発電だと位置付けている。
こちらがその核燃サイクルのイメージ図。

稼動のめどが立たない高速増殖炉もんじゅに絡む部分はあえて省いて考える。
原発から出た使用済み燃料は、青森県六ヶ所村にある工場で再処理され、取り出されたプルトニウムがMOX燃料に再利用される。

ただ、再処理工場はトラブルが相次ぎ稼動に至っていない。
MOX燃料を作るための工場も完成していない。
ちなみに、高浜3号機で使われているのは、核燃料を遠く離れたフランスで再処理し、加工してもらったMOX燃料だ。
フランスから運び込まれるMOX燃料 高浜原発2013年6月

プルサーマルでは、さらに大きな問題点が指摘されている。
実は、この図には隠された見えない矢印があるのだ。

共同通信 太田昌克編集委員
使用済みMOX燃料の最終的な行き場が、今、ないという現実があります。

プルサーマル発電で出た使用済みMOX燃料は、現在ある六ヶ所村の再処理工場で同じように再処理することはできない。
新たな再処理工場が必要なのだが、その計画は白紙の状態。
つまり、原発から発生するゴミの行き先が決まっていないのだ。
共同通信 太田昌克編集委員
今回、高浜原発3号機が再稼動することによって、新しいゴミ問題が発生し、新しいツケをですね、我々次の世代に残す恐れが出てきた。
そういうふうに考えていいと思います。

古舘
散々言われてきた「トイレのないマンション」がどんどん出来ていくという流れになっております。
=関連ブログ=
2015年4月
高浜原発 「再稼働認めない」仮処分決定
2015年12月
高浜原発3号機「燃料集合体下部ノズルと燃料移送コンテナの接触で警報」〜再稼働を認めた林潤裁判長
判決をひっくり返すために出てきた別の裁判長↓


プルサーマルの「プル」はプルトニウムの「プル」
石油ストーブでガソリンを燃やすようなこと
プルサーマルとMOX燃料「一度プルサーマルで燃料を燃やすと超ウラン元素が沢山…」小出裕章ジャーナル6/22ラジオフォーラム(内容書き出し)より一部抜粋
西谷:
普通の原子炉から出てくる使用済み核燃料棒と、
プルサーマルから出てくる使用済み核燃料棒はやっぱり違うんですか?
小出:
ちがいます。
一度プルサーマルという事をやってプルトニウムの燃料を燃やしてしまいますと、
私たちが超ウラン元素と呼んでいる特別に寿命の長い放射性物質が
西谷:超ウラン元素
小出:
超ウラン元素というのですが、ウランを超えるというような。
ウランというのは自然界にある一番重たい元素なんですけれども、
西谷:プルトニウムは超ウランですよね?
小出:
そうです。
プルトニウムも超ウランですし、プルトニウムよりももっと重たいキューリウムとか、
そういうような原子核が沢山その使用済み燃料の中に溜まってきてしまうのです。
それの取り扱いは大変厄介ですし、寿命が長いので、
再処理をするにしても、ガラス固化にするにしても、
今までやってきたような時間の長さでは到底できないで、
何十年も、まずは原子力発電所の中で冷やしておかなければならない。
西谷:またこれ、子々孫々までツケを後回しにするという事ですね。
小出:
そうです。
日本にある、あるというか今作ろうとしている六カ所の工場では、
プルサーマルの燃料を再処理する事すらができませんので、
「どうしていいのか全く分からないもの」をまた生み出してしまうという事になります。
<高浜のプルサーマル・40年期間延長・高温ガス炉・福島第一原発>小出裕章氏12/31報道するラジオ年末特番(文字起こし)より一部抜粋
プルサーマル発電 高浜原発
水野:
まず伺いたいのは、再稼動に向けて動く高浜原発についてなんです。
この高浜の3号機4号機というのは、
「プルサーマル発電を前提として再稼働の申請をした」ということなんですが、
この「プルサーマル発電」というのは簡単に言うとどんなものでしたっけ?
小出:
「プルサーマル」という言葉は日本で作った造語なのです。
「プル」の方はプルトニウムの「プル」です。
「サーマル」というのはいわゆる「熱」という意味ですけれども、
このプルサーマル発電というのは、
「プルトニウムを現在普通に動いている原子力発電所で燃やしてしまおう」という計画のことです。
水野:
プルトニウムを一般の原子炉で燃やすということで、
何かリスク、危険性というのはないんですか?
小出:
皆さん石油ストーブをお使いですね。石油ストーブの燃料は「灯油」です。
「灯油」というのはいわゆる石油、原油というのを汲み上げるわけですけれども、
その原油を精製していきまして、ある成分は「灯油」にいく、ある成分は「重油」にいく、ある成分は「ガソリン」にいく
というふうに分けて出来たのが「灯油」なのですね。
その「灯油」を燃やそうとして石油ストーブというのは設計されているわけです。
でもその石油ストーブで、例えば「ガソリン」を燃やそうとすれば、
水野:えええぇー!!
小出:
火事になってしまうわけですね。
灯油に例えば、5%ぐらいガソリンか何かが混じってしまった、というのであれば、
爆発したり火事になったりしないかもしれないけれども、
ガソリンの量をどんどん増やしていけば、どこかの時点で火事になったりしてしまうわけです。
今日の原子力発電所というのは、「ウラン」という物資とを核分裂させてエネルギーを得ようと、
そのために設計された原子炉です。
水野:「ウラン」を燃やすための設計なんですね。
小出:
そうです。
で、「プルトニウム」という物質も長崎の原爆になったように、ウランと同じように核分裂はするんですけれども、
核分裂の仕方がウランと少し異なるのです。
ですから、灯油とガソリンが同じ原油だったのに燃え方が異なるように、ウランとプルトニウムも燃え方が異なるのです。
で、ウランを燃やそうと設計した原子炉でプルトニウムを燃やしてしまおうというのが、プルサーマルというもので、本当はやってはいけない、のです。
石油ストーブでガソリンを燃やすようなことになってしまう訳です。
危険が必ず伴うということは、もちろん原子力を推進しているしている人たちも知っているわけで、
「プルサーマルといってもプルトニウムだけを燃やすんではないんだ」と、
「ウランの中にプルトニウムを少し混ぜるだけだからいいじゃないか」というのが彼らの言い分でして、
現在までのところ、「30%までは、まぁ入れてもいいだろう」というような話になっているわけです。
ただ、もともとやってはいけないことをやろうとするわけで、危険は必ず増えますし、
経済性も失われるということは、彼ら自身がもうはっきりと認めていることなのです。
水野:
じゃあ、一般の原発と違うプルサーマル発電のリスクっていうのはどういうものですか?
例えば、燃料棒がどの状態で溶けるか?とか、いろいろありますよね?
小出:
はい、
核分裂の連鎖反応をなんとかその制御棒で制御しているんですけれども、
「その制御がしにくくなる」ということもありますし、
「燃料が溶けやすくなってしまう」ということもあります。
おまけにプルトニウムというのは、ウランに比べれば20万倍も放射線の毒性が強い物質ですので、
そういうものを取り扱うと、あるいは事故も起こりうるわけで、
そのようなことを考えれば大きく危険が増加してしまうということになります。
水野:プルトニウムはウランの20万倍の放射線の強さがあるんですか?
小出:
生物学的な毒性というんですか、
同じ1gずつのウランとプルトニウムを持って来れば、「20万倍危険だ」ということです。
福井県・高浜3号機再稼働「プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電では初めて」
プルサーマル導入の討論会でも「やらせ」質問文を入手9/29放送(内容全て書き出し・動画あり)
MOX燃料の設計・品質管理も行っているという核燃料工場でウラン漏えい 横須賀2011年4月27日 GNF-J
<横須賀>2013年6月の"臨界危機一髪"に続き「ウラン外部飛散防止設備が7時間停止」グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン
「日本列島は他国に原発を売るためのモデルルーム。下手すると日本列島が最終処分場に使われる可能性がある」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)

九州電力が、川内原発(鹿児島)の事故時の重要な対策拠点となる免震重要棟の建設計画を撤回したことに、原子力規制委員会の不信感が強まっている。
26日には、計画変更の具体的根拠を示すよう指示。
経済性を優先し、新基準による審査で約束して計画を反故にする姿勢に、他の原発を抱える自治体からも批判が広がっている(原発取材班)
免震重要棟は、東京電力福島第一原発事故で現地対策本部として使われ、東電幹部たちが「この施設がなければ、どうなっていたかわからない」と明言した施設だ。
テレビ会議で本店や政府と対策を協議し、作業員たちは爆発の恐れが高まった時などに一時退避、体を休める場ともなった。
新基準では、緊急時に要因を守る拠点の設置が義務づけられた。
九電は今年3月末までに、約600㎡の免震重要棟を建設する方針を審査申請書にも明記。
再稼働(昨年8月)には施設感性が間に合いそうにないため、必要最低限の機能を備えた170㎡の代替施設でしのぐ方針を示した。
狭い上に、トイレやシャワーは仮設などの問題点を抱えていたが、規制委基準は満たしているとして2014年9月に審査をパスさせた。
この時点では、九電は約束通り、1、2号機から400mほど離れた森を切り崩し、建設用地の造成に入っていた。
本誌も同年10月、現地で造成が急ピッチで進んでいることを確認した。
しかし、昨年8月に1号機、10月に2号機が再稼働した後は、免震重要棟計画は密かに後退していた。
同10〜11月、本誌が九電に工事がどこまで進んだかチェックの取材を入れると、担当者は「再検討している」と言い始めた。
その後の昨年12月、九電は突然、免震棟建設計画撤回を表明。
「費用面も全く無関係ではない」と話した。
九電から計画の補正申請を受けた1月26日の審査会合では、九電は、新規の免震重要棟より、経験ある耐震構造物を新造し、代替施設と組み合わせて使う方が「早く安全性を向上できる」と強調した。
しかし、規制委の更田豊志委員長代理から「どれくらい早くなるのか」と問われると答えられず、更田氏から「(計画を変える)動機の説明がなく、最も重要な根拠を欠いている」と指摘された。
他の規制委担当者からも、計画変更を申請し直すことも視野に、入念に検討した上で対応するよう指示された。
九電は、審査中の玄海原発(佐賀県)でも、今年3月完成予定の免震重要等の新設計画を見直す考えを表明。
佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は「免震棟は重要だ。(九電は)信頼関係を築くためにも、自らやると言ったことはやるべきだ」と述べている。
ということで、原子力規制委員会では実際に誰がどのようなことを言っているのか?この日の審査会合を文字起こししました。
第321回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(平成28年01月26日)
https://youtu.be/F7UTB4g5Rg0?t=4m52s

九州電力 中牟田 康
昨年12月に申請した内容についてご説明します。
3ページに申請の概要を記載してございます。

川内原子力発電所の緊急時対策所につきましては、「代替緊急時対策所」及び「緊急時対策所(免震重要棟内)」の設置変更許可を平成26年9月にいただきましたが、早期の緊急時対策所機能の拡充を目的として計画を見直しました。
今回の設置変更許可申請は昨年の12月に(H27.12.17)に申請させていただきましたが、これにつきましてはは、既設の耐震構造の「代替緊急時対策所」を正規の「緊急時対策所」とし、「緊急時対策所(免震重要棟内)」の設置を取りやめるものでございます。
なお、「代替緊急時対策所」の隣に耐震構造の「耐震支援棟」を設置して、両施設を合わせて運用することで早期の緊急時対策所機能の拡充を図ろうというものでございます。
4ページでございます。

緊急時対策所に設けるべき機能をここに記載してございます。
緊急時対策所は、重大事故等が発生した場合においても適切な措置が講じられるように、必要な機能を設ける必要があるということで、AからDについて記載してございます。
続きまして5ページです

それらの機能を実現するために緊急時対策室、免震重要棟内で計画していました概要をここに記載しています。
https://youtu.be/F7UTB4g5Rg0?t=6m10s
略(中牟田さん、どんどん早口になる><。ただ資料を読み上げる)
16分頃〜九州電力 原田昭治

受電系統の変更概要についての説明。(略)
https://youtu.be/F7UTB4g5Rg0?t=20m40s
更田豊志:
まず緊急時対策所について
こちらからこれくらいの時間で説明をというふうにお願いをしていて、その中に豊富に内容を入れ込もうとされているのはわかるんですけど、もう少し落ち着いてゆっくり話していただいても、私たちそんなに時間にこだわりませんので。
質問
小坂淳彦 原子力規制部安全規制管理官(PWR担当)付安全規制調整官

9ページ
前回の申請で許可されているものと比べて安定性が向上しているとは、このページだけでは、まず見れないということですね。
それから支援機能の充実というのは安全上重要なものであるというふうに考えておりますので、そういった意味ではそういったことはいいのかもしれませんけれども、今回申請されている範囲につきましてはこれが入っていないということで、わたしどもとしては審査をするのはあくまでも、今出されている緊対所担ってしまいますので、そうしますと先ほど申し上げた「安全性がこれで向上している」というのはなかなか難しいんではないかと。
そこに対する九電さんのお考えをお聞きしたいと思います。
九電 中牟田 康

確かに小坂班長、調査官のおっしゃる通り、おっしゃる通り、いまの申請書でありますと、あのー、代替緊対所だけが、ま、規制対象ということで、支援棟の方の実施設備ということでしてございまして、そういう安全性の向上につきまして、あの、私共の中で、社内では、ま、しっかり検討してつもりなんですけれども、それがちょっと伝わらないということで。
で、今回ちょっとあのー、ま、申請後の、あ、今回申請後の設計見直しということで、ちょっとあのー、今回ですね、あの、さらに私共としてチェンジングエリアをちょっと耐震支援棟側にしたり、休憩室の方をちょっと申請の範囲を耐震支援棟の方まで広げまして、で、そこの内容全体をですね、あのしっかり見ていただいて、あの安全性が向上しているということを今後ご説明させていただきたいなと思っておる所でございます。
規制庁 小坂淳彦

先ほどの説明にもありましたけど、今後どのような方針で行かれるのかということをですね、しっかりと決めていただいて、私どもに説明いただいた上でですね、審査に当たっていきたいと思っています。
よろしくおねがいします。
九州電力 中牟田 康
またよろしくお願いいたします。
更田豊志委員

今の議論で一点ちょっと気になるのは、仕上がりの姿の比較を説明いただいているんだけれども、そもそもの動機として、早期の機能の拡充を目的としてとあって。
早期とあって要するに時間の概念であって、仕上がりの姿は同等以上のものに持って行くとしても、そちらの段階でなるべく早くての打てるところに打ちたいというのは、それは理解できるんだけど。
この「早期」というのは、わたしが聞き漏らしたのかもしれないですけど、時間のアレが全く出てこないんですけれども、「これならいつまでに出来る」「これならいつまでかかる」っていうのは、それを示さずに「早期に出来るから」って言われても納得がいかないんですけど。
時間については言えるんですか?
九電 中牟田 康

そういう意味でいきますと、あの、あの〜、申し訳ないんですけど、定性的なちょっと言い方しかできないんですけれども、あの当社の場合、あの、資料に書いてありました通り、あの、免震構造での、ま、ちょっと、許認可実績じゃないですけれども、ま、7ページのところでございますけれども

ま、ちょっと、そういう事で、今後そういう設計をしていく上で、ちょっと、ま、あのー、ま、ノウハウ等もございまして、そういう、そこらへんでちょっと「時間がかかるんじゃないかな」という、ちょっと定性的な判断をしたというとこは正直なところでございます。
で、一方耐震構造につきましては、ま、いろいろあの、許認可を経た建設実績が豊富で、あのーー、あるので、ま、設計についてももう、免震構造よりは耐震構造の方が早いだろうという、ま、そういう定性的な比較の元でちょっと、あの、考えたという事でございます。
更田豊志委員
時間の要素が入ってこないんだったら、仕上がりの姿だけで比較する事になってしまうけど、それは正しい判断とは言えないので、時刻。
「これなら2年でできるけど、これなら3年、5年かかる」っていうのは、ある程度の幅でもって言ってもらわないと。
今回の目的がそもそも、これなら早くできるという事なのだから、それについて示してもらわないとには。
九州電力 上田親彦

一応資料の方で整理させていただいて、実際な行程的なものもご説明させていただいて、今後ご説明させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
山形浩史 原子力規制部安全規制管理官

今回申請後、普通初めてのところで概要説明をしていただくっていう事なんですけども、ですから、申請したものの概要説明をしていただくというのはこの場なんですが、その間に「さらに考え直したので変更があります」ってご説明をされたのは、あの、初めてのケースになります。
それと、実際、われわれ審査官の方は先週実際にヒアリングをさせていただいたんですけれども、その時からも今日の資料は内容が変わっているという事なので、
ちょっとここで、この内容が良い、悪いとは言わないですけれども、やはり九州電力としてしっかりとした検討をした上で「これで申請して、安全性がしっかりと向上してる」っていうものを、あの、申請していただかないと、
「申請はとりあえずしましたけれど、考えて少し変わります」という、「1週間経つとまた変わります」というものでは、我々はこれを元に審査をしていく、そういうものにちょっと時間をかけるっていうことはできないんですね。
「またなんか変わられるんじゃないか」というのがありますんで。
やはりここはしっかり。
あの、我々は安全性を向上するためにしっかり検討していただきたいです。
ですから、まずは一度取り下げるかなんかしてですね、一度しっかりと検討し直して、「これなら自信を持つ」というものを作ってですね、それで出しなおしていただきたいんですけれども。
え、ま、急にここで返事というのは無理かもしれませんけれども、我々の方、ま、我々の方としては、一度取り下げるかなんかしてですね、もう一度しっかりとご検討していただいた上で、申請の範囲ですとか安全性の向上、そういうところをきっちり詰めた上で、なんですかね、御社として自信のあるものを再度提出していただきたいと思いますので。
あの、これは手続きとしてのことですけれども、まずそこから検討していただきたいと思っています。
九州電力 中村 明

ちょと非常にちょっと混乱したような形で申し訳なかったと思いますけれども、基本的にあの、あのー、やろうと、耐震支援棟でやろうとしたことは基本的に変わっていないというふうな感じで、あ、考えております。
で、それを今回よりはっきり見える感じで、1階部分を増やしたりした、ことの変更でございまして、あの、ひじょうにその、混乱して設計不足という…ことよりも、あの、あのー、もうちょっと。
そういう感を抱かれたのは大変申し訳なかったと思いますけれども、基本的には、あのー、やろうとしていた基本的な向上対策は、あの、お…変わらなくて、え、その、よりはっきりと、お、させた、というところ、あの、例えば退避、えーー、緊急時対策所の範囲ともはっきりさせたというところでございます。
で、あの今のコメントについては、あの、検討させていただきたいと思います。
更田豊志委員

ま、元々の経緯ですけれども、川内1号機の新規制基準適合審査の中で代替緊対と免震重要棟との組み合わせについて、ま、運用等々についても審査をした上で許可に至ったわけですけれども。
その時点での審査はその二つの施設を使った上でのオペレーションについて議論を重ねた上で「これでいける」ということで議論を進めてきたのですけれども。
それがあの、おー…、ま、そもそもこれで向上になる。
「この方が安全性が望ましい」ということで申請が行われているんだろうと理解しますけれども、安全性の向上になっているという一つの論点が「これなら早く手当ができる」。
で、その「早く」も定性的にしか説明ができないというのも申請理由を変えているんじゃないか。
そもそも変更の動機が説明できていない。
「5年かかるところが2年でできます」と、「機能についてはこういう違いがあります」
それであれば変更申請の根拠になると思いますけれども、大きな、ここの資料を見る限りにおいては、大きな根拠は「早くできる」ということにあると。
「早く」というと定性的に早いことには間違いはありません。
概要ではありますけれども、最も重要な、変更申請の根拠に変えている説明だというふうに感じました。
それからそもそも山形管理官の方からお話をしたように、申請内容とは別に将来の補正について触れていますけれども、
「将来の補正」含みで現申請について審査をするというのは、審査の理想図の観点からしても、好ましいことではないというか、できれば避けたいことであるので、山形管理官の指摘をちょっと重く受け止めていただいて、検討の上改めて回答していただきたいと思います。
櫻田道夫 原子力規制部長

いま更田委員からお話があった「今後補正申請する」というふうに、今の段階で言われているという話に関してなんですけれども、実は「もうこれは取りやめます」と言った免震重要棟ですけれども、免震重要棟を評価するために必要な地震動というのをわざわざ当初の申請、あるいは許可にあたってですね、検討してそこを評価して審査の過程で「ま、これならいけますね」という検討をしているんですね。
それが今の時点では無駄になっているということです。
そういうことはやっぱり避けたいと思いますので、よく考えてください。
九州電力 中村 明
中村です、了解しました。
https://youtu.be/F7UTB4g5Rg0?t=32m3s 文字起こしここまで。
ーーー
なんか…、こんな話し合いで、日本の未来に関わる原子力発電所を動かしているのかと思うと、
本当にこれでいいのでしょうか?
ほんの一握りの人が勝手に決めている。
ーーー
<詐欺会社 九州電力>騙して再稼働…川内原発 報道ステーション「等」の罠 大竹まことゴールデンラジオ「再稼働してから…」(文字起こし)
原発再稼働に免震重要棟は必要ない?! 原子力規制庁「免震、耐震どちらの構造でもかまわない」
4「30km県内自治体の了解がとれていないのは違法だ」菅元首相&広瀬隆氏 対談(文字起こし)
<川内原発>九電の安心の理由はローマ字だらけの目くらまし「何か起きたら帰れないということは書いてない」 樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
福島第1原発 東京電力、汚染水タンク3万トン分増設決定
(福島16/01/26)FNNLocal

福島第1原発の汚染水の発生量が想定を上回ったため、東京電力は、汚染水をためるタンクを3万トン分増設することを決めた。
東京電力は、建屋周辺の土壌を凍らせて、地下水の流入を抑える凍土遮水壁の稼働を前提に、タンクの設置を計画していたが、原子力規制委員会から認可を得られていない。

また、2015年10月に海側遮水壁が完成したことで、浄化できない地下水のくみ上げ量が増え、汚染水の発生量が当初の想定を上回った。
このため、東京電力は汚染水タンクを7月から9月にかけて、3万トン分増設するとともに、汚染水漏れが問題となったボルト型のタンクを、継続して使用することにしている。
プルサーマルの「プル」はプルトニウムの「プル」
石油ストーブでガソリンを燃やすようなこと
高浜3号機がきょう再稼働 新基準適合で3基目
2016年1月29日 東京新聞朝刊
関西電力高浜原発3号機(奥)の再稼働を控え、入り口付近を警戒する警察官=28日午後、福井県高浜町で
関西電力は29日夕、高浜原発3号機(福井県高浜町)の原子炉を起動し、再稼働させる。原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発では九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に次いで三基目。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電では初めてとなる。
関電によると、原子炉に制御棒が規定時間内に挿入できることを確認する駆動試験を29日午前に実施。問題がなければ同日午後5時ごろに原子炉を起動させる。30日午前6時ごろに核分裂が安定的に持続する「臨界」に達し、2月1日に発電・送電を開始する。
高浜4号機は31日に核燃料を装填(そうてん)、2月下旬に再稼働する。政府は原発30キロ圏の自治体の広域避難計画を了承したものの、これに基づく訓練は実施されておらず、実効性への懸念は強い。
高浜3、4号機は昨年2月、規制委の審査に合格。12月に福井県知事と高浜町長が再稼働に同意した。二基の再稼働を禁じた仮処分決定を福井地裁が取り消し、法的にも動かせる状態になった。
3号機は157体の燃料集合体のうち、24体がMOX燃料。4号機でもMOX燃料が使われる。
2015年12月
高浜原発3号機「燃料集合体下部ノズルと燃料移送コンテナの接触で警報」〜再稼働を認めた林潤裁判長


2015年4月
高浜原発 「再稼働認めない」仮処分決定
<高浜のプルサーマル・40年期間延長・高温ガス炉・福島第一原発>小出裕章氏12/31報道するラジオ年末特番(文字起こし)より一部抜粋
水野:
プルトニウムを一般の原子炉で燃やすということで、
何かリスク、危険性というのはないんですか?
小出:
皆さん石油ストーブをお使いですね。石油ストーブの燃料は「灯油」です。
「灯油」というのはいわゆる石油、原油というのを汲み上げるわけですけれども、
その原油を精製していきまして、ある成分は「灯油」にいく、ある成分は「重油」にいく、ある成分は「ガソリン」にいく
というふうに分けて出来たのが「灯油」なのですね。
その「灯油」を燃やそうとして石油ストーブというのは設計されているわけです。
でもその石油ストーブで、例えば「ガソリン」を燃やそうとすれば、
水野:えええぇー!!
小出:
火事になってしまうわけですね。
灯油に例えば、5%ぐらいガソリンか何かが混じってしまった、というのであれば、
爆発したり火事になったりしないかもしれないけれども、
ガソリンの量をどんどん増やしていけば、どこかの時点で火事になったりしてしまうわけです。
今日の原子力発電所というのは、「ウラン」という物資とを核分裂させてエネルギーを得ようと、
そのために設計された原子炉です。
水野:「ウラン」を燃やすための設計なんですね。
小出:
そうです。
で、「プルトニウム」という物質も長崎の原爆になったように、ウランと同じように核分裂はするんですけれども、
核分裂の仕方がウランと少し異なるのです。
ですから、灯油とガソリンが同じ原油だったのに燃え方が異なるように、ウランとプルトニウムも燃え方が異なるのです。
で、ウランを燃やそうと設計した原子炉でプルトニウムを燃やしてしまおうというのが、プルサーマルというもので、本当はやってはいけない、のです。
石油ストーブでガソリンを燃やすようなことになってしまう訳です。
危険が必ず伴うということは、もちろん原子力を推進しているしている人たちも知っているわけで、
「プルサーマルといってもプルトニウムだけを燃やすんではないんだ」と、
「ウランの中にプルトニウムを少し混ぜるだけだからいいじゃないか」というのが彼らの言い分でして、
現在までのところ、「30%までは、まぁ入れてもいいだろう」というような話になっているわけです。
ただ、もともとやってはいけないことをやろうとするわけで、危険は必ず増えますし、
経済性も失われるということは、彼ら自身がもうはっきりと認めていることなのです。
水野:
じゃあ、一般の原発と違うプルサーマル発電のリスクっていうのはどういうものですか?
例えば、燃料棒がどの状態で溶けるか?とか、いろいろありますよね?
小出:
はい、
核分裂の連鎖反応をなんとかその制御棒で制御しているんですけれども、
「その制御がしにくくなる」ということもありますし、
「燃料が溶けやすくなってしまう」ということもあります。
おまけにプルトニウムというのは、ウランに比べれば20万倍も放射線の毒性が強い物質ですので、
そういうものを取り扱うと、あるいは事故も起こりうるわけで、
そのようなことを考えれば大きく危険が増加してしまうということになります。
水野:プルトニウムはウランの20万倍の放射線の強さがあるんですか?
小出:
生物学的な毒性というんですか、
同じ1gずつのウランとプルトニウムを持って来れば、「20万倍危険だ」ということです。
<高浜原発>プルサーマル発電の死角1/29報道ステーション(文字起こし)
日本で最初の高速原子炉「常陽」茨城県大洗 再稼働申請!!!
NHKニュース 2016年1月26日

昭和42年、日本で初めて商業用の原発として営業運転を始めた東海原発。
平成10年に営業運転を終え、その3年後、解体作業が始められました。
廃炉も商業用原発として国内初でした。
最大の課題は放射性廃棄物の処分です。
国は使用済み核燃料を再処理した際に出る放射性廃棄物、いわゆる核のゴミについては前面に立つとしています。
一方で施設を取り壊した際に出る低レベル放射性廃棄物は電力会社が責任を負うことになっています。

この低レベルの廃棄物。
原子炉の中の部品など、放射性物質の濃度がもっとも高いL1から
配管や金属などもっとも低いL3まで3つの区分があります。

このうちL3について東海原発の事業者日本原子力発電は、原発の敷地内に埋めて最終処分する計画を表明。
この計画を地元が容認するかどうかが焦点の一つになっています。
NHKの取材に応じた茨城県東海村の山田修村長は

「このまま、その処理処分地が決まらない状況が続いて、解体作業がストップしてしまうということも避けなければなりませんし、他に選択肢がない中では、L3であればやむなし、というところは、今感じているところであります」
廃炉に伴う放射性廃棄物の処分計画を村として容認する考えを、全国の自治体で初めて明らかにしました。
ただ、東海原発ではより濃度の高いL1やL2の処分場が、さらに他の原発ではL3の処分場のめどすら立っていません。
こうした状況について、放射性廃棄物に関する国審議会の委員を務める専門家は、
「処分場選定の議論は、企業と地域との話し合いにとどまる問題ではない」と指摘します。
東京電機大学寿楽浩太助教

原子力発電所の中で処分するのか、それ以外の場所にするのかと。
原子力施設を立地している自治体・都道府県の中で処理するのか、あるいはむしろそうではない地域が引き受けるべきなのか。
政府が主導して社会的な合意を作り上げていくことが求められるのではないかなと。
茨城・東海村 原発廃炉の放射性廃棄物 一部処分容認へ
2016年1月26日 18時06分 NHK
商業用の原子力発電所として国内で最初に廃炉になった、茨城県にある東海原発の、解体作業で出る低レベル放射性廃棄物の一部について、敷地内に埋め立て処分する計画を、地元の東海村が容認する方針であることが分かりました。廃炉で出る放射性廃棄物の最終処分場は国内になく、計画を容認すれば、全国で初めてになります。
東海原発は平成10年に営業運転を終え、平成13年から商業用原発として国内で最初に解体作業が始められました。
事業者の日本原子力発電は、解体で出る低レベル放射性廃棄物のうち、建物に使われているコンクリートや金属部品など、放射性物質の濃度が最も低い「L3」と呼ばれる区分の1万2000トン余りについて、原発の敷地内に埋めて最終処分する計画を、去年7月、明らかにしています。
これについて、東海村の山田修村長はNHKの取材に対し、「処分地が決まらない状況が続き、解体作業がストップすることは避けなければならず、ほかに選択肢がないなかでは『やむなし』と感じている」と述べて、「L3」の廃棄物の処分計画を村として容認する考えを、全国の自治体で初めて明らかにしました。
廃炉で出る低レベル放射性廃棄物の最終処分場は国内になく、計画を原子力規制委員会が審査で認め、茨城県と東海村が正式に了解したのちに、実際の処分が行われることになります。
「廃炉の時代」に廃棄物処分場がない
5年前の原発事故をきっかけに巨額の安全対策が求められているうえに、原発の運転期間を原則40年とする制度が導入されたことを受けて、去年、電力各社は4原発5基の廃炉を決定し、日本も「廃炉の時代」を迎えたと言われています。
課題となっているのが、施設の解体で出る低レベル放射性廃棄物の処分です。
原発では、使用済み核燃料を再処理した際に出る、高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」だけでなく、廃炉作業でも金属やコンクリートといった低レベル放射性廃棄物が発生します。
放射性物質の濃度に応じて、最も高いL1から最も低いL3まで3つに区分されていますが、いずれも処分場がありません。
これらの廃棄物の量は、全国57基すべての分を足すと、およそ45万トンと見積もられ、処分場がない状況が続くと、いずれ解体作業が滞るのではないかと指摘されています。
放射性廃棄物の処分の責任は、「発生者責任の原則」の考え方から、電力会社が負うことになっています。
高レベル放射性廃棄物に関しては、処分地の選定が進まないことに国民の批判が高まり、おととし閣議決定されたエネルギー基本計画で「国が前面に立って問題の解決に取り組む」とされましたが、廃炉で出る低レベルの廃棄物の処分場は、あくまで電力会社が確保するべきだというのが国の立場です。
こうしたなかで、平成13年に国内で最初に廃炉が始まった東海原発では、日本原子力発電が敷地内の貯蔵施設に廃棄物を仮置きしながら作業を進め、去年、濃度が最も低いL3を敷地内に埋め立て処分する許可を国に申請しましたが、より濃度の高いL1やL2の処分場のめどは立っていません。
東海原発に次いで平成21年に廃炉に着手した、静岡県にある浜岡原発1号機と2号機では、中部電力が去年までとしていた計画どおりにL3の処分場を確保できず、建物内の空きスペースに仮置きしながら解体することを国に申請しています。
これ以外の原発では、処分場の選定に向けた具体的な動きは見られません。
原発がある自治体 国の主体的関与求める声多く
去年11月から先月にかけて、NHKは原発がある全国22市町村と47都道府県すべてに、廃炉で出る低レベル放射性廃棄物の処分場に関するアンケートを行いました。
この中で、原発が立地する市町村と道と県の合わせて35の自治体に「廃棄物を原発の敷地内に埋め立て処分したいという申し入れがあった場合、容認するか」を尋ねたところ、「容認する」や「条件付きで容認する」という回答はなく、「仮定の話なので答えられない」など態度を留保する回答が71%、「容認できない」が26%でした。
また、47都道府県に「処分場を地元につくりたいという申し入れがあった場合、容認するか」を尋ねたところ、「容認する」と「条件付きで容認する」という回答はなく、「仮定の話なので答えられない」など態度を留保する回答が55%、「容認できない」が26%でした。
さらに、電力会社が処分場を確保する現在の枠組みをどう考えるか、対象の69の自治体すべてに尋ねたところ、「国が処分場の確保にもっと積極的に関わるべきだ」という回答が39%と最も多くなりました。次いで多かった「その他」を選んだ自治体からも、「最終処分先については、国が前面に立って早期に確保できるよう取り組むべきだ」とか、「国の主体的な関わりが必要不可欠だと考える」といった意見が多く寄せられました。
こうした結果について、科学技術社会論が専門で、放射性廃棄物に関する国の審議会の委員を務める、東京電機大学の寿楽浩太助教は、「自治体からすると、今後廃炉がどう進められ、低レベル放射性廃棄物の処分場が何か所ぐらい、どのぐらいの広さが必要かなど、具体的な道筋や全体像が見えず、受け入れるかどうかを考える状況にはないというのが率直な受け止めだろう」と分析しています。
そのうえで、「原発の敷地内で処分するのか、それ以外で処分するのか、全国で何か所ぐらいの施設を作るべきか、集中させたほうがリスクやコストの面で有利なのか、あるいは分散して負担を引き受けるのかなどを、本来、政府が主導して、社会的な合意を作り上げていくことが求められるのではないか」と述べ、処分について電力会社が一定の責任を負う必要があるとしながらも、国が主導して処分場選定の進め方を議論し、国民に示すところから始めるべきだとしています。
廃炉で発生の低濃度廃棄物 東海原発に埋設容認
2016年1月27日 東京新聞朝刊
茨城県東海村の山田修村長は二十六日、村内にある日本原子力発電東海原発の廃炉作業で発生した低レベル放射性廃棄物の一部について、原発敷地内での埋設処分を容認する考えを示した。立地自治体の首長の容認表明は初めて。最終的には原子力規制委員会の許可や村議会などの了承も必要になるが、首長の容認は一定の影響力を持つとみられる。実現すれば、国内の商業炉の中で、廃炉に伴う低レベル放射性廃棄物の処分場が初めて確保される。
山田村長は取材に対し、容認の理由について「最も濃度が低い廃棄物は、条件が整えば受け入れはやむを得ない。廃炉が最も進んでいる東海村が決断しないと、他原発での廃炉に影響が出かねない」と述べた。山田村長は三月の村議会に放射性物質の濃度が最も低い「L3」と呼ばれる廃棄物の埋設について意見を求める考え。
原電の事業計画によると敷地内に縦八十メートル、横百メートル、深さ四メートルの穴を掘ってL3約一万六千トンを「フレコンバッグ」と呼ばれる袋などに入れて埋設、放射性物質の強さが減衰する三十~五十年間管理する。日本原電によるとL3の濃度の上限値は物質によって異なるが、セシウム137の場合は一キログラム当たり一〇万ベクレル。
<低レベル放射性廃棄物> 原発の廃炉などで出る放射性廃棄物。放射性物質の濃度に応じ「L1」から「L3」まで三つに区分されている。L1は制御棒など原子炉の中心に近く比較的濃度が高い設備。L2は原子炉圧力容器など、L1の周辺に位置する設備。L3はさらにその外側にある原子炉建屋のコンクリート廃棄物など。

もう原発を作ってしまったから放射性物質に汚染されたゴミが出てくることは避けられない。
だからと言って、あちこちに埋めてしまっていいのだろうか?
東京電力の福島第一原発事故によって関東以北の地域は汚染されてしまったけれど、
でも、土の中に埋めていいのだろうか?
茨城県は年中地震で揺れている。
地下水へ影響はないのだろうか?
また、同じ2016年1月26日に「海底へ高レベル廃棄物を埋めることを考えている」というニュースが同時に流れた。
<核のゴミ>高レベル放射性廃棄物を日本沿岸20キロ以内の海底の下に!?経産省
福島第一原発からは今現在も放射性物質でめっちゃ汚れた水が太平洋へ流れ続けているけれど、
日本の周りの海の底に「国が前面に立つ」と言っている高濃度の核のゴミを埋めるということを国は考え出した。

想像してみると末恐ろしくなる。
狭い日本列島を取り囲むように建っている原子力発電所。
東海村が「いい」と言ったように、すべての原発がその敷地内にレベルは低いとは言っても、普通に考えればとても汚染されたゴミをどんどん埋めていく。
そして、その周りを取り囲む海の下には使用済みの核燃料が埋められる。
そんなことを想像してみて、あー、……
「日本列島は他国に原発を売るためのモデルルーム。下手すると日本列島が最終処分場に使われる可能性がある」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
アーサーさんは「日本列島が最終処分場に使われる可能性がある」と話していた。
「僕はその最悪のシナリオは、日本でもう一つ原発事故をやって、そうすると関東東北の汚染。それから九州、中国地方、関西の汚染をやって、そうすると満遍なく」
日本列島が原発事故によってすべて満遍なく汚染されてしまって、世界中の核のゴミの最終処分場になってしまうのではないかという話だっだけど、もう一つの原発事故が起こらなくても、日本にある原発の廃炉作業で出てきたゴミだけで十分に大地も海も汚染されていく様子が簡単に想像できる。
いったい、どうすればいいのか?
日本列島を取り囲むように原子力発電所をバンバン造って、処理の仕方もわからないのに、どんどん造って。
どうにかしなければならないけれども、地中に埋めてしまっていいのだろうか?
海の底に埋めてしまっていいのだろうか?
そんなことを、今生きている人間が決めてしまって実行してしまっていいのだろうか?
小さな東海村という村長の一任でで土の中に埋めてしまってもいいのだろうか?
「核のごみ」海底埋設を検討へ 陸地めど立たず
(2016/01/26 11:52)テレ朝News
「核のごみ」の処分場は海底も視野に入ってきました。
原発から生じた核のごみは現在、1万7000トン以上あり、政府は候補地を検討しています。しかし、陸地では住民の反発が予測されるため、海底の地下も候補地にできるのか、経済産業省はその研究会の初会合を26日午前に開きました。
(経済部・朝日健一記者報告)
研究会ではまず、「なぜ沿岸海底を検討するのか」という基本的な説明から始まり、海底処分場を造るうえでの検討課題について議論されました。26日の研究会では、海底にすると陸上輸送の距離が短くなる点や土地利用の制約が少ない点などのメリットが挙げられ、実際、海外では海底で低・中レベルの放射性廃棄物処分場が操業していることなどが紹介されました。
ただ、課題は少なくありません。処分場の建設や処分場の操業の際に安全性が確保できるのか、さらに、津波災害や建設時の海の水圧に対応できるのか、また、漁業関係者から強い反発の恐れもあります。経産省は今年中に有望地の提示を目指していますが、海底に関するデータが少ないという声もあり、本当に海底処分ができるのか実現性を含めた検討になりそうです。
高レベル放射性廃棄物、海底下を処分場候補に検討
2016年1月26日(火) 12時37分 TBSニュース
原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物=いわゆる“核のごみ”の最終処分場について、経済産業省は日本沿岸の海底の下を候補地にできないか、検討を始めました。
26日に開かれた専門家の研究会では、日本沿岸の海底の下が高レベル放射性廃棄物の最終処分場として適性が高い「科学的有望地」にふさわしいのか検討を始めました。
経産省は去年、火山や活断層が近くにある地域を除く日本沿岸20キロ以内の海底の下などを処分場の有望地として「適性が高い地域」に分類。
海底の下などは地権者との交渉が不要な上、海上で廃棄物を輸送しやすい利点もある一方、海水による侵食や塩分の流入などの懸念もあり、技術的な精査が求められていました。
研究会は地質のデータなど元に技術的な精査をすすめ、政府は今年中にも日本全国を適性に応じて色分けした「有望地」の地図を公表したい考えです。(26日12:18)
経済産業省
「沿岸海底下等における地層処分の技術的課題に関する研究会」を設置します
本件の概要
経済産業省は、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関し、沿岸部の海域における地層処分の技術的課題を検討する場として、「沿岸海底下等における地層処分の技術的課題に関する研究会」を設置することとしました。
1.背景及び目的
総合資源エネルギー調査会地層処分技術WG(以下、「技術WG」という)では、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関し、「科学的により適性の高いと考えられる地域」を「科学的有望地」として国が提示するとの国の方針を受けて、この科学的有望地の要件・基準に関する検討を行い、昨年12月にこれまでの議論の成果を中間整理として公表しました。
中間整理では、廃棄物輸送時の安全性確保の観点から、海岸からの距離が短い島嶼部を含む沿岸部(地下施設が沿岸海底下に設置される場合を
含む)が「より適性の高い地域」として整理されるとともに、沿岸部に期待される一般的特性や事業を進める上で留意すべき事項もあわせて整理され、それらについては、専門家を交えた具体的な検討を進めて行くことが重要であると整理されています。
こうした整理を踏まえ、沿岸部の特に海域に着目し、関連する研究成果等を整理するとともに、技術的信頼性を更に向上させるために取り組むべき課題を抽出・整理し、それらを効率的かつ着実に実施していくための今後の指針を取りまとめるため、本研究会を設置することとしました。
本研究会は、別添に示す通り、専門的な知識を有する委員に加え、原子力発電環境整備機構(NUMO)及び基盤研究開発機関等のメンバーで構成されます。
2.第1回会合の開催予定
日時:平成28年1月26日(火)10:00~12:00
場所:経済産業省別館9階944共用会議室
議題:沿岸海底下等における地層処分の技術的課題について 等
公表日
平成28年1月20日(水)
委員名簿
(委員)※五十音順、敬称略
大江 俊昭 東海大学工学部原子力工学科 教授
大西 有三 関西大学環境都市工学部都市システム工学科 特任教授 【主査】
佐藤 治夫 岡山大学大学院自然科学研究科 准教授
竹内 真司 日本大学文理学部地球システム科学科 准教授
登坂 博行 東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授
山崎 晴雄 首都大学東京大学院都市環境科学研究科 教授
吉田 英一 名古屋大学博物館 教授
(関連研究機関等)※五十音順
海洋研究開発機構
原子力環境整備促進・資金管理センター
原子力発電環境整備機構
産業技術総合研究所
電力中央研究所
日本原子力研究開発機構
放射線医学総合研究所
(オブザーバー)
文部科学省
2016年1月27日 東京新聞朝刊

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2016年1月20日夕刊 1面 中日新聞
報道の「顔」、降板次々 テレビ自制懸念
古舘伊知郎さん(中央)と岸井成格さん(右下)と国谷裕子さん(左下)のコラージュ
テレビ報道の「顔」が大きく変わろうとしている。放送業界への政治的な“風当たり”が強まる中、歯に衣(きぬ)着せぬ看板キャスターらの相次ぐ降板。現場には政権の意向を忖度(そんたく)し報道内容を自制する雰囲気もあるといい、識者からテレビジャーナリズムのあり方を危ぶむ声が上がっている。
三月末での降板を発表したのはテレビ朝日「報道ステーション」メーンキャスター古舘伊知郎さんとTBS「NEWS23」アンカー岸井成格(しげただ)さん。NHKも「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターの降板を検討している。
番組での発言が政権側から何度も批判された古舘さん。降板の発表会見でも「キャスターは反権力の側面がある」と自説を曲げなかった。大物政治家にも鋭い質問を浴びせる国谷さんも「降板させられるのでは」との臆測が何度も流れていた。
岸井さんは番組で、安全保障関連法案に対し「廃案に向けて声を上げ続けるべきだ」と発言。保守論客が名を連ねる団体から「政治的に公平であることを定めた放送法に違反する」と批判される中での降板発表だった。
「各局それぞれ事情があるのだろうが、三人続くと、政権に批判的だったから降ろされたという印象を視聴者が持つだろう」と指摘するのは砂川浩慶・立教大准教授(メディア論)。「報道番組が長いものに巻かれて、当たり障りのない一面的な情報提供しかできなくなったら、視聴者にとっても、民主主義社会にとっても良くないことだ」
政権与党がテレビ報道に「圧力」と取られかねない注文を強めたのは、一昨年末の衆院選のころからだ。在京各局に選挙報道で「公平中立、公正の確保」を求める文書を出し、自民党は昨年「報ステ」「クロ現」で局幹部を事情聴取した。
そんな中、テレビの報道現場では政権に批判的な報道を控えようとする雰囲気も出ているという。民放の若手スタッフは「危ない橋は渡りたくない」。あるNHK関係者は「政権の意向を忖度する空気が局内に漂っている」とため息をつく。
碓井広義・上智大教授(メディア論)は「メディアの中でテレビの影響力はまだまだ大きい。権力に対し、批判すべき点は批判するというジャーナリズムの役割をきちんと果たすべきだ」と注文する一方で、視聴者にもこう呼び掛ける。「報道番組が今後何を伝えるのか、そして何を伝えなくなったのか、しっかりとチェックしてほしい」
そして翌日、1月21日の産経新聞
東京新聞と中日新聞は同じ新聞社だが、産経新聞は全く別の新聞社。
なのに、まるでお友達の作文を見ながら書いたような内容になっている。
文中に出てくるインタビューした人もコメントも全く同じ。
産経新聞は記者の名前を書かないけど、だれがこんなパクリ記事を書いたんだろう??
一番最後の文章まで東京中日新聞と全く同じだ><;
テレビ報道の「顔」相次ぐ降板… 各局「公正」注文で及び腰?
2016.1.21 07:30 産経ニュース
「報道ステーション」降板の記者会見を終えて引き揚げる古舘伊知郎さん=2015年12月24日、東京都港区六本木(斎藤浩一撮影)![]()
TBS「NEWS23」アンカー、岸井成格(しげただ)さん(共同)NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子(くにや・ひろこ)さん=2011年2月(共同)
テレビ報道の「顔」が大きく変わろうとしている。放送業界への政治的な“風当たり”が強まる中、歯にきぬ着せぬ看板キャスターらの相次ぐ降板。現場には政権の意向を忖度(そんたく)し報道内容を自制する雰囲気もあるといい、識者からはテレビジャーナリズムのあり方を危ぶむ声が上がっている。
「視聴者は降ろされた印象持つ」
3月末での降板を発表したのはテレビ朝日「報道ステーション」メーンキャスター、古舘伊知郎さんとTBS「NEWS23」アンカー、岸井成格さん。NHKも「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターの降板を検討している。
番組での発言が政権側から何度も批判された古舘さん。降板の発表会見でも「キャスターは反権力の側面がある」と自説を曲げなかった。
大物政治家にも鋭い質問を浴びせる国谷さんも「降板させられるのでは」との臆測が何度も流れていた。
岸井さんは番組で、安全保障関連法案に対して「廃案に向けて声を上げ続けるべきだ」と発言。保守論客が名を連ねる団体から「政治的に公平であることを定めた放送法に違反する」と批判される中での降板発表だった。
「各局それぞれ事情があるのだろうが、3人続くと、政権に批判的だったから降ろされたという印象を視聴者が持つだろう」と指摘するのは砂川浩慶・立教大准教授(メディア論)。
「報道番組が長いものに巻かれて、当たり障りのない一面的な情報提供しかできなくなったら、視聴者にとっても、民主主義社会にとっても良くないことだ」
「局内に政権忖度する空気」
政権与党がテレビ報道に「圧力」と取られかねない注文を強めたのは、一昨年末の衆院選のころからだ。在京各局に選挙報道で「公平中立、公正の確保」を求める文書を出し、自民党は昨年、「報ステ」「クロ現」で局幹部を事情聴取した。そんな中、テレビの報道現場では政権に批判的な報道を控えようとする雰囲気も出ているという。民放の若手スタッフは「危ない橋は渡りたくない」。あるNHK関係者は「政権の意向を忖度する空気が局内に漂っている」とため息をつく。
碓井広義・上智大教授(メディア論)は「メディアの中でテレビの影響力はまだまだ大きい。権力に対し、批判すべき点は批判するというジャーナリズムの役割をきちんと果たすべきだ」と注文する。
その一方で、碓井教授は視聴者にもこう呼び掛ける。
「報道番組が今後何を伝えるのか、そして何を伝えなくなったのか、しっかりとチェックしてほしい」
「テレビから政権批判が消えれば日本はもう民主主義国家ではない」古舘さん降板他メディアの危機
2015年12月26日のこちら特報部↑
太田:
水曜日の東京新聞の記事をご紹介したいと思うんですけれども、
安倍さんは「景気が良くなった、景気が良くなった」と言って数字を持ち出しますが、ちょっと実感がなかなか得られていないというところもあるんですけど、
その、ある種カラクリみたいなものが水曜日の東京新聞に事細かに書いてあるんですけれども、
今回の国会で共産党の小池晃さんが「日本は貧困大国になってしまった」と安倍さんを追求したんですね。
その根拠となる数字が厚生労働省が発表している国民生活基礎調査。
これで2012年の相対的貧困率は16.1%という数字を挙げて安倍さんを追求したんですが、
一方の安倍総理は総務省による2009年全国消費実態調査というデータを持ち出してきまして、これだと相対的貧困率が10.1%。
16.1と10.1だとずいぶん違いますよね。
で、安倍さんは「日本は世界の標準で見てかなり裕福な国」と返したんですけど、ちょっとデータの取り方、出処が違うので議論らしい議論になっていないと。
どうしてこんな数字になるのか?ということなんですけれども、
厚生労働省の調査は全国2000カ所の全世帯を対象に、「所得はいくらですか?」など聞き取り調査で調べる方法で16.1%。
総務省の調査は家計簿をつけてもらう方式なので、時間的余裕のない生活に困っている人はそもそも調査に応じない傾向があるとされていて10.1%。
この数字の違いがあると。
ただ、貧困率は上昇傾向を示していて、総理の示した数字は7年前のものなので、
「どっちがデータとして信用できるかな?」というところは個々の判断になると思うんですね。
例えば賃金が、安倍さんは「上がってますよ」と言っていますが、経団連の調べだと、
安倍政権が発足して間もない2013年は1.83%上がってます。
2014年、2.28%上がっています。
2015年、2.52%上がって、トントントンと上がっています。
でも、この調査の対象は原則東証1部上場の大企業。
従業員500人以上のおよそ250社が対象で、大半が正社員のデータなんですね。
じゃあ、中小企業も含めるとどうなるのか?
厚生労働省の毎月勤労統計調査では5人以上の事業者を対象に雇用形態に関係なく、正社員か非正社員かの関係なく賃金を調べているんですが、実質賃金は
2012年は総額ベースで前の年に比べて0.9%減っています。
2013年も0.9%減っています。
2014年は2.8%減っています。
大企業の正社員の給料を考えるとトントントンと増えていますが、
非正規も含めて、中小企業も含めると減って減って減ってと。
これ、どのデータを元にするかでずいぶん違ってくる。
そのほかにもいろんな対象で東京新聞が特集している記事なんですね。
室井:
ここを読んで私この記事、
あっ!「私が多分書いてもらいたかったのってこういうことだ」って思ったの。
太田:デスクメモっていうところですか?
室井:
私は、ほら、コメンテーターやってるけど、何かの専門家っていうわけじゃないから、専門家が出てきて数字を出されるとさ、
大竹:弱い
室井:
うん、そうなのよ。
あら?って思っちゃうのよ。
大竹:なんて書いてあるんですか?
室井:デスクメモがいいのよ。
太田:
「多くの人たちはアベノミクスの効果を実感できない」と。
「にもかかわらずそんな体感、実際に体で感じるよりも巨大な大本営発表に飲み込まれてしまう」と。
「これは感性を乗っ取られているのに等しい」と書いてあるんですね。
大竹:デスクメモにね。
室井:
だから、自分のアベノミクスに関しても「あれ?」って。
「そんなに景気って良くなっているっけ?」と思うと、ここにも書いてあるけどさ。
「私がどうかしてるのかな」って思っちゃうわけ。
「私の周りだけそうなんじゃないか」って。
「別に景気が良くなってないんじゃないか」って思っちゃうけど違うんだね。
だから、さっき話した「現実」って、その人が見るものじゃない。
だとすると、違ったところを見ているから、
別に政府が嘘をついているわけじゃないけど、違った現実を捉えちゃってるからさ、
大竹:
なんか、でも、冷静に考えればさ、
日本っていう国は、90%以上が中小企業なわけでしょ?
太田:そうですね。
室井:そうだよ。
大竹:
ね。
残り12%、10%?の大企業を見たって、数値。
だから本当のことを言ったら、90%の人の感じていることと、10%の感じていることの違いじゃない?
だって、それは、ね。
だから、そういうふうに分析はしないのかね?
室井:
いやだから、それをしないからさ。
でも、堂々と10%の人たちのデータを言うわけじゃない。
それは嘘じゃないし、
大竹:ま、嘘じゃないよね。
室井:
数字で出されちゃうと、私なんか素人だから簡単にごまかされちゃうのよ。
だから本当にさ、SF映画じゃないけど、「違った現実があるんだ」って思っちゃってたわけよ。
太田:
例えば失業率でいうと、安倍政権になってからずいぶん失業率が減ってるんですね。
みんな仕事ができるようになってる。
この数字を突きつけられると「あ、やっぱり景気が良くなっているんだ」というふうに思いますけど、
同じように正社員の数が減って、非正規社員の数が増えているんです。
だから一人当たりの収入が実は減っているかもしれない。
室井:
「減っている」っていうか、調査、いろんな数字の抜き出しがあるんだけど、
私が一番重きを置いているのは、
「一番収入の層が多いところ」の、金額っていうのが、それが下がってきているから、それが本当じゃないの?
大竹:ん?意味わかんない。
室井:
一番人数が多いところ。
いまどこを低賃金とか、working poorってするか?っていうと、一番人数が多い(年収の)ところの半分以下っていう考え方が正しくて、そうじゃない?
大竹:
ま、そうだけど、日本を見ていると、俺の友達なんかもそうだけど、
65歳を超えているわけで、普段なら「これで細々やっていけばいいや」と思っている人たちが、
「ちょっと待てよ、不安だな」と。
「働いとこうか」と。
雇用される場所もそんなにないけれども、それでなんか、働き始めた感というのはちょっと感じているよね。
それは、俺の周りだけかな?と思ってたらそれは現実で、
この間バスで事故を起こして多くの方が命を亡くした、運転手さんやっぱり、65歳。
そのあとに起こったバスで、今度は周りの人がハンドル握ってどうのこうの、その運転手さんは70歳です。
室井:えっ、70歳だったの?
大竹:うん、だから、
室井:長距離運転キツイよね。
大竹:
でも最初の65歳の方は「バスの運転はちょと苦手だ」というようなことがあったわけだよね。
もちろんね、社会はちゃんとテストもしなくちゃいけないし、その人の技能がうまく合っているかどうかもしれべなくちゃいけないし、経験も大事だし、そういう人を雇わなくちゃいけない。
またちゃんと整備の整ったバスを用意しなくちゃいけない。
正規のルートのお金、例えば27万円かかるならそれを19万円で下請けに出しちゃいけないわけじゃない。
そういう社会。
あっちこっちに切羽詰まった事情があって、それで最後に65歳の方が事故を起こすわけじゃない。
だけど、その65歳の方だけの問題じゃないじゃない、それは。
70歳の人の問題だけじゃないじゃない。
室井:だけじゃない。
大竹:
だから、食品のことに関しても、ね。
ま、ふつーーに考えればだよ、産業廃棄物、産廃業者から物買うか?って、思うわけだよ。
室井:
そうだよ、でもその産廃業者だって怪しいかもしれないけど、安い値段で引き取ってくれるからそこにしたわけでしょ。
大竹:
しかもそこの業者が引き受けた時には、大手の業者はちゃんとダンボールを潰して、ビニール潰して、中身だけにして、しかもこれがどういうルートで廃棄物になったかっていう、ちゃんとルールがあるわけじゃない。
そのルールもあるんだけど、現実には起こっちゃって、しかもこれはちゃんと行政が監査しなくちゃいけなかった、どの場所でも。
その監査も社会で慣例化して「明日行きますからね、よろしくね」みたいなことで、監査がちゃんと行われていなかった。
人数も足らないし。
どういったこと全部が65歳の方一人にしわ寄せがきちゃっているみたいな気がしてしょうがないよね、俺は。
太田:それで、ツアーで亡くなっている方がほとんど大学生だったというので、本当に辛いですね。
大竹:よけいだよ、もう。ね。だからそういうシステム自体がこうなんていうの、
室井:おかしい。
だって、「人が足りない足りない」って言うけど、そこにお金が入っていかなきゃ給料が少ないからそんなことになっちゃうんだもん。
大竹:
規制緩和でね、多頭時代になったのはいいんだけど、でもそれはちゃんとルールがあってっていう。
これはどの社会でも、ルールがなんかこう、ちょっと横に退けられて、で、最後に事故みたいな。
最後のことに、なんか、食べ物が流通しちゃったりするようなことに繋がってくるよね。
これでまた、軽い食中毒ぐらいならいいけど、そうじゃない場合も当然想定されるわけで、
現実的には豊かな感じがしなくなってきてるね。
室井:みんなで疑り合わなければならない世の中って…
大竹:それが嫌だよな。
室井:どうなの?
ーーー
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2016年1月16日
https://youtu.be/7HcBPRn7oXY?t=4m7s
政治と自分自身の距離。
「政治は俺の生活には関係ない」という人がいらっしゃったらこう言ってあげて欲しいんですよ。
例えば政治で消費税8%というのが決定されました。
8%の消費税というのが決定された段階で、全員が8%の消費税を何か買うたびに払わなきゃいけないんですよね。
「いや、俺は消費税に反対だから、消費税は1円も払いません」という判断はできないですよね。
政治が決定したことに従って生きなければならないということの一つの例だと思うんですけど。
そんなことで例えば税金一つとってもすべてに、全てのことにおいて政治がルールを決めていく。
その中で、ルール決定にみなさんが関われるようなプロセスになっているか?ということですね。
みなさんの代表は国会の中にいますか?
地元の議会にいますか?
ということになると、「選挙」というものに真剣にならなければいけないということだと思うんです。

生意気言ってすみません、全然(政治に)興味持ってこなかったくせに。
原発事故があって、この状況が見えた時に、すごく自分の中で焦っちゃったんですよね。
2011年の3月大きな地震がありました、津波がありました。
その時テレビの映像でいろんなものが流れてきた時に、非常にショッキングでしたよね。
やばいな、どうなるんだろうこれ。
でも、結局みんなで力を合わせて復興していくしかないよな。
兵庫県も大きな震災があったし、
この国というのはそういう大きな自然災害というものを色々と経験してきているわけですよね。
その度に人々が協力してきて復興していくしかない。
しかも復興してきているという過去があるわけだから、2011年にその自然災害を見た時にも同じような思いだった。
だけど、その日の夕方ぐらいにテレビの速報ですよね、
ニュース速報が流れるじゃないですか。
あれを見た時にちょっと、血の気が引いたんです。
どうしてか?
「福島東電原発の電源が喪失した」と。
「冷やせなくなりました」ということなんですね。
冷やせなくなったらどうなるか?
原発は1秒間に70トンの水を取り込むことができなきゃ冷やせないんです。
逆に言うと、海岸線上に建っている理由は、それだけ大量の水を取り入れることができるのは川や湖じゃダメなんですよね。
だから海岸線上に建てたというようなことを、昔環境NGOのホームページで見たことがあったんです。
社会問題などに対して口は出してないけれども、
社会問題には少しは興味があった。
特に自然環境というところには少しだけ興味があった。
自分がサーフィンをやっていたからなんです。
海岸の砂浜がどんどん削られていく。
その理由はなんだ?と言ったら、実は人工物によって砂がどんどん減っていくということを、サーフィン始めて本当に何年間かで目の当たりにしているんです。
サーフィン始めた年とそこから5年ぐらいたった時とでは全然砂浜が無くなってしまっている。
そういうところから少し自然環境に興味を持ち始めて。
でも芸能人はそういった社会的な問題に口を出すと、徳がないんですよ。
どうしてかというと、社会問題に対して何か口を開いたとしたら、直接スポーンサーにつながることが多いんですよね。
原発問題だったら、電力会社、三菱、東芝、日立、お金を融資する三菱UFJ、みずほ銀行、それだけじゃなくて株主。
日本生命だったり、明治安田生命だったり、鉄鋼も関わるし、大手建設会社も関わるし、って考えた時に、
芸能界という世界は、例えばテレビだったらコマーシャル。
映画だったら政策委員会。
みんなスポーンサーがお金を出して回っている世界なんですよね。
東京電力1社で、1年間に260億円ぐらいの広告宣伝費をかけていた。
電力10社で800億円から900億円の宣伝広告費を1年間でばらまいていた。
全てみなさんの電気料金から。
っていう話になると、原発のことを言おうと思ったら、いろんな企業が関わってきたらこれもう言えないですよ。
口止料。
コントロールするための広告宣伝費を払っているというふうなことも言えるかもしれませんね。
【樋口健二×アーサービナード】 コラボトーク講演会
2015年12月20日
https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=42m33s
アーサービナード:
(樋口さんは)自分の置かれている立場と被写体が一緒。
そうじゃない写真を撮る人、そうじゃない目線で世の中を見る人はいっぱいいるんですけど、
でも、突き詰めていくと、さっきの中産階級っておっしゃったんだけど、
中産階級って、要するに貧乏人のことなんだよね。
ただ、極端な貧乏じゃない。
貧乏人って、つまり、ビルゲイツとソフトバンクの孫さんとか、
今の世の中はそういうとてつもない富を得ている人たちが本当の金持ちで、
この間証券会社の人と会ったんだけど、ミリオネラーっていう言葉はもう誰も使わなくなったって。
どうしてか?っていうとうじゃうじゃいるから。
ミリオネラーっていうのは貧乏人のことなの。
ビリオネラーじゃないと金持ちじゃないんですよ。
ビリオンって、丸を三つ増やすことをビリオン。

樋口健二:こんな差があるんだよ。
アーサービナード:
そう。
その人たちが、実は金持ちなんですよ。
だから、ファーストホールディングスのYさん、Yさんのぼっちゃま、Yさんのもう一人のぼっちゃま、
彼らの資産を合わせれば国家予算みたいなものですよ。
ね、でも僕らは彼らと比べたら、中流だろうと下流だろうと、本当に日雇いしかないっていう人、生活保護の人と、本当は仲間なんだよね。
仲間じゃないっていうのが実は錯覚で、いつでもそこに落ちていけるし、いつでも僕らも同じように扱われる。
福島ではそれが示されたんですよ。
福島の原発の風下にいた人たちは、中流も下流もみんなSPEEDIの情報を得られなかった。
みんな誰もまともな避難をさせてもらえなかった。
本当に選ばれし人は、もしかしたら米軍のヘリで運ばれたかもしれないけど、
僕らはその情報も得られないという。
それが、もう、はっきりしたんですよね。
樋口健二:
ちょうどいい、ちょっと一言言わせて。
みなさん電通っていうのを知ってるでしょ。
日本の最大規模の広告会社。
その電通があの事故でほとんど外国へ一度逃げたそうだね。
すごいですよ。
広告とつながっているからね、これは早いですよ。
●で安保闘争のアレを決めたのは電通だからね。
すごいじゃないですか、びっくり仰天したんだ。
金の力。
【樋口健二×アーサービナード】 コラボトーク講演会2015年12月20日 文字起こしブログ
<川内原発>九電の安心の理由はローマ字だらけの目くらまし「何か起きたら帰れないということは書いてない」 樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「避難訓練は故郷を捨てる練習なんです」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「脱原発だけじゃダメだ。脱オタンコナスをやろう」 樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「突き詰めていくと、中産階級って要するに貧乏人のことなんだよね」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
<玉音放送を読み解く>天皇・A級戦犯の地位を守った「残虐なる爆弾」の利用 樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「ポツダム宣言について僕はこう考えています」って安倍さんが言ったら安倍政権は潰されるんです。樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「日本列島は他国に原発を売るためのモデルルーム。下手すると日本列島が最終処分場に使われる可能性がある」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
自分が政府と向き合っているというのを絶えず示す必要がある 「空気を読むな」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
ーーー
「隠された被爆労働」樋口健二氏1995年イギリス(内容書き出し)
2016年1月13日
南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟第二回口頭弁論期日 報告集会より
中間貯蔵施設とは?
彼らの言葉で言うと浄化物。
放射能ではなくて浄化物という形で再生してしまおうということを彼らは進めようとしているわけです。
中間貯蔵施設の配置図を見るとびっくりするんですけど、
実は除染ゴミを取っておくということではなくて、
実際には減容化施設ということで、焼却化してそれを資材化してしまう施設。
あるいは分別処理施設といって、分別処理を行うところがあります。
こういうところで異物を取り除いて、放射能が多少下がったら、もう一度資源として使ってしまうというような形で、
実際には貯蔵施設ではなくて「放射能を処理する」そういうプラントを彼らは頭の中で考え出しているということが現実としてあるということです。
今までの説明の中で出てきました、「熱処理」ということについて少し詳しくご説明しますと、
これが熱処理のモデルプランととして彼らが考えているものなんですけれども、
これが蕨平と南相馬と飯舘村の間に今実施しようということで作られようとしています。
ここで除染した非常に高い焼却灰等を1300度で加熱して、セシウムを気体にして飛ばして、それを回収すると言っているわけです。
要は、灰の中にセシウムがくっついている、あるいは高濃度の土壌。
粘土質のものにセシウムがくっついているんですが、
それにわざわざ1300度の熱をかけて、そして気体としてセシウムを飛ばす。
そしてそれを回収する。
「残ったものを再資源として使うんだ」と彼らは言うわけです。
みなさん、よく考えてください。
原発は放射能を閉じ込めて安全ですよと言ってきたわけです散々。それが閉じ込めに失敗した。
今何をやろうとしているか?と言ったら粘土やは灰にくっついているセシウムをわざわざ飛ばして、それを回収するという、真逆なことをやろうとしているわけですね。
これは、私たちは絶対に信用してはいけない。そういうふうに考えます。
https://youtu.be/Erjk3lh-h4s?t=1h6m57s

そして、彼らが説明しているのは、実は実証炉という前にモデルプラントがあるということで、
それは何か?というと、実は東京の西の端、日の出町にありますエコセメント工場というところです。
ここは東京三多摩地区の焼却炉から、
東京都はやっぱり焼却灰にはセシウムが多量に含まれています。
それを、セメントの原料としてすでにずっと、加熱処理をしてエコセメントと称してそれを実際に商品化するようなことをやっているわけです。
これをモデルプラントとして、さらに実証炉という形で蕨平に持ってこようとしているということなわけです。
この東京日の出町のエコセメント工場がすでに様々な問題を引き起こしていまして、
ずっと長年地元で裁判等を含めてたたかってこられた多摩の会の中西さんからより詳しくご説明していただきたいと思います。
https://youtu.be/Erjk3lh-h4s?t=1h8m26s
実は今青木さんからお話ししていただいたように、
日の出町には今度の蕨平の資源化施設と同じようなものが、すでに8年前に出来ていまして、
大変な健康被害も含めて汚染の問題が起きています。

非常に良く、メカニズムとか毒性とかいろんな意味でよく似ているので、ちょっと耳を傾けて頂きたいと思います。
まず、私たちのところでは焼却灰は、今まではダイオキシンだとか有害なものと言われたものだったんですけど、
残念ながら放射能の害というのはその数万倍ですね。
一般的には基準値というものを、今日も色々問題にされていますけれど、20mSvなんてとんでもないと。
1mSvでもあってはいけないんですよね、本来は。
というのが私たちの、実際にこの運動に関わって健康被害を受けてきた者たちからの提言といいますか、
そういう考え方を私たちは持つようになりました。

これは南相馬の地形なんですけど、山があって、平地があって、こちら側に海がある。
そういう地形の中で、大気汚染が起こったときにどういうことが起こっているか?というのを、去年の8月からこちらにお邪魔して色々調べさせていただいています。

海の水というのは非常に温度がゆっくり動きます。
昼間はどんなに太陽が照ってもそんなにあったかくならない。
ところが陸地の温度というのは太陽が出るとすぐに熱くなって、太陽が陰ると非常に冷たくなるということはみなさんわかると思います。
凪が朝夕2回あって、その凪を挟んで海から吹いてくる風と山の方から吹き降ろしてくる冷たい風。
こういうものが常に循環していたんですね。
そらまめくんという環境省が粉塵などを調べているところがありまして、Hさん宅に一つ測定器をおいて、合わせて気象測定器が3台で空気の流れ、汚染の流れを見ています。
蕨平というのは山のてっぺんにありますね。
こういうようなところで、もし粉塵が、国のいうように99.9%ではなくて、汚染が起きたときにどういうふうな汚染の循環濃縮が起こるか?ということを今調べています。

これは風の流れを示しています。
赤と青があるんですけど、海からくる風は大体昼間赤いところ。
上と下が朝と夜の山から冷たい空気が降りてくる。
そういうものが行ったり来たり毎日しているということが気象測定器からわかってきました。
要するにここの地域の風の流れというのは、山から吹き降ろしてきて、海からまた吹き戻されてまた山の方に持って行かれて、冷たい空気で下の平地のみなさんがお住まいのところに降りてくるという。
日の出町でもこういうことが起こっていましたので、今こういう調査をやっています。
これは中学校か小学校か、陸風海風とかの話の記憶があるかもしれませんけれども、まさにそういう状態で、山谷風と書いてありますけれども、昼間は谷をのぼっていく風、夜や朝は山から降りてくる風という順番が起こっているんですね。

汚染が一旦起こっているところで循環が起こると、上に赤い写真みたいなものがありますけど、あれは冷たくて思い風の流れの図を示していますけど、頭のてっぺんが渦みたいに回っているんですね。
要するに、汚染が閉じ込められながら、降りてくるんです。
汚染された空気が、冷たい空気が。
要するに、ただ風が吹いたり戻ったりということではなくて、動きながら常に常に濃縮が始まっているということがこれでわかると思います。
頭のところに渦があって、降りてくる風は常に渦に巻き込まれながら汚染物質を濃縮しているというのが、この冷たい空気の流れなんかも含めて一般的に言われている現象なんです。
そういう意味では汚染が起こっているということですね。

さきほど、セシウムがあっためられて気体になっているという話ですけど、
99.9%本当に捕獲されたとしたらバグフィルターは本当に素晴らしいものだと思うんですけど、

一番上の「払い落とし直前」というのが100%取れるんですね。
払い落とし直前というのは、粉塵が目いっぱいついてそれ以上バグフィルターに流し続けると爆発する、破裂する状態なんです。
これは経済産業省の、一般企業が公害を出さないためにダイオキシン対策のためのバグフィルターの昨日のマニュアルみたいなものです。
そこから借用していますけど。
それでその下に「5回払い落とし直後」というのがありますね。
そしてさらに一番下には新品のバグフィルターの状態「未使用」。
これらはほとんど、新しい状態のときは30%、20%ぐらいしか粉塵を取ってくれないんです。
後は全部筒抜けなんですよ。
5回払い落としをすると、60%から、粒子の大きさによって確率は変わりますけど、多少高くなってくる。
ところが粉塵は1ミクロンとか2ミクロンというレベルですから、
当然99%なんていうのは、僕から言わせると文科省は真っ赤な嘘をついているというのがこれでわかると思います。

これは日の出町のエコセメント施設から出ている放射能の、
左側が空間線量率です。
空間線量率というのは全くいい加減なものなんですけれども、
真ん中に棒みたいなものが立っているのが、エコセメント工場の煙突です。
その周りには大きい丸があって、だんだん遠くに行くにしたがって小さくなっているのは、空間線量率が低くなっている。
空間線量率でもある程度大雑把な目安はつけられますけど、
やはりそのものを測らない限りは汚染の実態がわからないですね。
右側の青い丸は表面の土壌を全部ゲルマニウムで測った、かなり正確なゲルマニウム半導体での値ですね。
やはり遠くに行くに従って汚染は低くなります。
これは丸の大きさが汚染の濃度の大きさを示しています。
ですから一番上の七国峠がありますけど、同じ地域でもここではほとんど影響がないということがありますけど、
エコセメント施設は南北に多摩川と多摩川の支流の川の両方に挟まって出てますね。
そこにはやはり川の流れに沿って空気の流れも出てます。
皆様方の一部の方は新田川を水源とした浄水の水を飲まれているかと思いますけど、もしそういう施設が出来ましたら、
空気の流れというのは一番低いところへ流れやすい。
障害物のない川のようなところ、蕨平の新田川。蕨台の上にありますけど、私たちもその現場に行きましたけど、下側には新田川がくねくねと曲がっていますけど、そこを通り抜けて浄水所の方に汚染した空気が流れて行っていくと思うんですね。
その時に川の朝夕の冷えた時には川霧というのが出て、霧という、汚染粒子が霧の核として、日の出町でもそうでしたけど、包んで、どんどん新田川の汚染自体もそういう状態で非常に問題を起こすようなことになっていくと思います。

これは具体的にリネンという麻ですね。
リネンという布で大気中に実際粉塵がどのくらいあるかという調査をしたところ、
やはりエコセメント施設のところには大気中にかなりの粉塵が浮遊しているのがわかりました。

4〜5km離れたところに置いた布には全く付いていない。
そういうふうなことで大気中の粉塵、具体的にはみなさん呼吸をしていますから、口の中からあるいは鼻の中から体内に呼吸によって入ってくる。
そういう危険があるわけで、日の出町でもこういう実験をした結果、こういう状態が起こっています。

しかし、これは福島県の郡山市、南相馬含めて、私たちも現場を案内していただいて、同じような感じで大気中に抛社脳がどのくらいあるか?セシウムがどのくらいあるか実験して測った結果です。


日の出町は一番下の方に2.93ベクレルという、1kgあたりですけど、そういう値で出ていますけど、
南相馬の方はもっともっととんでもない75ベクレルとか、75ベクレルとか、42ベクレルとか、
…
数十倍違う高い値を出しているんですね。
いま20mSvが云々という話なんですけど、
この結果、日の出町の、一番小さい2.93ベクレルの周辺で、どんな健康被害が起こったか?というのを。

これが日の出町の過去10年間、実は日の出町というのはエコセメントか技術といって、
蕨平でいう資源材料かな、そういうものを作っているのがこの青い線で区切られていますけど、
そこまでは一般的な処分場で埋め立てられて粉塵が出ていたんですね。

上は日の出町の子供たち、あるいは日の出町の隣の青梅市の子供達のアレルギーの罹患率です。
そういう施設が稼働するまでは、赤いのが東京都の子供たちの罹患率ですけど、
東京都も結構車が多くて全国的には高いはずなんですけど、青梅市はいつの間にか東京都レベルをパーンと跳ね上げて、
あらゆる種類のアレルギーの病気の子供達が。
これは学校保健健康かなんかの、学校の先生が記録してくれるデータですね。からわかりました。

さらにはこれは、脳血管疾患、

それから、心疾患による死亡率。
日の出町と全国の死亡率の比較なんです。

肺炎気管支炎での死亡率です。
ある時期までは日の出町も非常に環境のいいところでしたので、全国より低い時もありましたけど、
残念ながらある時期を境に、はるかに全国の何倍という値で死亡率が上がってしまいました。
さきほどの2.93ベクレルという、リネンの布で調べたあのレベルの場所でさえ、そういう健康被害が起こっています。
従いまして、みなさんたちの75ベクレルが一番高いところですけど、
45ベクレルのようなところであれば、当然時間が経過することによってそういう。
いままで、甲状腺癌が主に問題になってきたと思いますけど、
心疾患だとか、いわゆる生活習慣病と言われるものは、実は放射能に非常に関係している。
あるいは放射能だけではなくて、化学物質の被害などにも関係しているということは医学的にわかっています。
さきほど弁護士さんの方からタバコが云々とありましたが、
実はタバコの化学物質の健康被害というのは数エレクトロンボルトから数10エレクトロンボルトなんです。
ところがセシウムは660キロエレクトロンボルトで、キロは1000倍ですから、660という数字を考えるとおそらく数万倍のエネルギー、力を持った放射性物質の粒子が体内に入ると、体の中で、
電磁放射能とよく言われるのは、中に入ったら臓器の中を、
活性酸素などフリーラジカルという非常に暴れん坊のものをいっぱい作ってしまう。
その量が放射能においては半端ではないというのがわかると思いますけど、

ここに列挙されたあらゆる病気が、フリーラジカルとか活性酸素による原因だということが、最近の医学によっても発表されたり、はっきりし始めています。
そんなようなことと、いまの待機中にある汚染の濃縮とを考え合わせると、
20mSv以下での帰還なんていうのはとんでもないことだと思っていますので、
今後も私も研究したいと思いますけど。

最後に落合栄一郎さんといって、日本には普段はいないんですけど、原発による影響で、

福島医大の病院で罹患している白内障、脳出血、食道がん、胃がん、大腸ガンなど様々なガンですね、
いろいろありますけど、
一番左は2010年。
原発事故前の状態から、かなり罹患率が上がっているデータ。

それから福島だけではなくて、福島近くの各県でも、一番左の青いのが原発事故が起こる前を100として、どんどん上がっているというのがもう疫学的に発表されています。
従いまして20mSvという裁判が行われていますけど、実際にこういう実態が出ているということで裁判にこういう資料を運用していただければと思います。
<悪魔の第二処分場>東京たまエコセメント製造施設周辺の放射能汚染問題2012年6月梶山正三弁護士講演(文字起こし)
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文字起こし部分のYoutune→https://youtu.be/wcAMa9zKCrc?t=43m20s
経団連の提言

ロクでもない提言をし続けている経団連なんですけど、それだけじゃないよ。
労働環境や税金問題というところに首を締めるだけじゃなく、
この国に生きる人々の生活というものをより破壊していく、リスクを負わせるようなことにも提言を続けているのが経団連なんですね。
武器輸出

経団連が武器輸出の提言をずっとしているんだよ。
先ほどお話ししたように、防衛省ばっかり商売する、ほとんど防衛省ばっかりじゃないか。
世界のいろいろな企業を見てみろよ。
もともと電化製品とかで食っていたような企業が今や軍事で9割の売り上げが出ていたり、
8割7割売り上げが出てるんだぞって。
俺たちにもこの分野に参入させろっていうことで、このような提言を行っているわけですよね。
それだけじゃない、集団的自衛権も急げよというような提言も行っている。
経団連提言
「我が国の基本問題を考える〜これからの日本を展望して〜」(2005年1月18日)
↓
2015年9月 戦争法案成立
もちろん「急げ」とは書いてありませんよ、提言にはね。
これがもう、2005年の段階から言われているっていう話ですよね。
これも10年越しで叶ったという、「集団的自衛権行使容認」という形ですね。
ま、「一部」とか言われていますけど、どうやって一部とか一部じゃないっていう話になるんだ?
結局、全部だよっていう話ですよね。
どうしてこういう状況になるのか?
経団連の中に「防衛産業委員会」という委員会があって、この中に60社が関わっています。
いろんな企業が入っています。
自動車も入っているし、繊維という部分でも入っているし、
とにかく金儲けしたくてしょうがないんだと。
もっと簡単なサイクルの早い金儲けをさせろよということを、この「防衛産産業委員会」を中心に言っているわけですよね。
どうしてサイクルが早いか?って言ったら、それは作ったものは消費されなければならないし、
消費されるだけじゃなくて古くなったものも新しくしていかなければならないし、
消費するためには紛争や戦争をしなければならないという、アメリカのようなその国の基幹の産業、一番柱になる産業の一つが軍事ということになって行けば、どんどん皆さんの税金も横流しにできるし、企業はどんどん儲かるっていう話ですよね。
2015年11月9日現在
一般社団法人 日本経済団体連合会 委員長一覧
.防衛産業委員会
委員長 宮 永 俊 一 (三菱重工業社長)
でも儲かってもいいじゃないか、儲かったほうが雇用も増えるし賃金も増えるんじゃないか。
ということについては先ほど説明した通りです。
それはあり得ませんと。
結局儲けた企業が自分たちの懐にどんどん儲けをため込んでいく。
300兆円を超えるっていう話になっていますよね。
経団連はさらに武器輸出でも命令をしていると。
いろんなところで提言をし続けているということですね。

これは、集団的自衛権が通ったんで、防衛装備庁っていう、武器をいろいろ采配する中核に防衛装備庁っていうところができたんです。
「適正な予算を確保しろ」っていうようなことを言っている。
「適正な予算を確保する」ってどういうこと?っていったら、
しっかりと金を用意しろよ、俺たちに流すための。
俺たちはスタンバイは十分にできているからね、っていう話なんですけど。
その提言の中でこんなことを言っているんです。
「武器などの防衛装備品の輸出を国家戦略として推進すべきである」
恐ろしい国家戦略ですね。
その一方で少子化対策というような持続可能な国家戦略というものがほぼ考えられていないというね。
でも金儲けのための国家戦略。
目の前の金儲けのためだけの国家戦略だけは、一生懸命提言し続けている、命令し続けているっていうことなんです。

経団連は憲法改正も提言しているんですよ。
すごくないですか?
2005年。
これは96条、憲法96条っていうのは皆さんがご存知の通り、憲法を変えるためのルールですよね。
憲法を変えるためには3分の2以上の議員がOKと言わなければならない。
それだけじゃなくて、その後に「国民投票に移るよ」ということですけれども、
この「3分の2の議員のOK」っていうのは、結構ハードルが高いんじゃないかと。
「それはもっとなんとかならんか」という話をしているわけなんです。
もっと憲法を変えやすくする条件というのを考えろと。
「発議要件を緩和すべき」ということも支持しているんです。
すごいですね。

武器輸出や集団的自衛権、憲法改正というのは、これは一つなんです。セットです。
経団連のハッピーセット。
私たちにとってはアンハッピーセットです。
でも目的ははっきりしているんです、気持ちいいくらいに。
「我が国を取り巻く安全保障環境が」とか声高に言っているけれども、実はそれがメインではないということなんです。
一番のメインは大企業。
自分たちが支援を受ける大企業にいかに金儲けをさせるかということ以上でも以下でもないと。
で、もう一つよろこばせなきゃいけない相手が、大企業以外にもいらっしゃるということなんですね。
もう一つ言いなりになっているんじゃないの?っていう部分に関しまして、アメリカという存在があると思うんです。
「アメリカ」と一言で言ってしまっても、これは誤解が生まれると思うんです。
アメリカ政府が言うことをそのままやっているか?といったらそうでもない。
民間のシンクタンクがあるんですね。
CSISという。
そこにいらっしゃるアーミテージさんやナイレさんという方が作ってくださった提言。
第3次アーミテージ・ナイレポートといって提言をしてくださているんです。
ありがたい話ですよね。
で、このCSISという機関が現在のオバマ政権に影響力があるか?って言ったら、そこまでではないだろうなという感じなんです。
だから勝手にこういうところと懇意にしているんですね。

見ていくとどういうことを提言しているか?というと「原発再稼動」
「TPP交渉」
これは2012年ですから。
他にも「集団的自衛権」のこともそうだし、もう全てですよね。
「特定秘密保護法」もそうだし、
国連平和維持活動(PKO)の法的権限の範囲拡大。
だから結局「駆けつけ警護OKにしちゃえよ」っていうことを言っているわけですね、これ。
とにかくいろいろ、いろんなことを言ってくださっているんですよ。
全くありがたみはないんですけどね、この国の人々にとっては。
で、結局利害が一致していませんか?
大企業が言っていたこと。
要は経団連が提言していることと、被っているところだらけですよね。
アメリカ側の大企業の利害関係もあるんじゃないかと思われるような、民間シンクタンクと。
日本の大企業と。
利害が一致しているという人たちの意見を聞き続けているっていうか、それを前に推し進めていると考えるのがいいのかなと。
結局「日本もアメリカも政治をコントロールしているのは大企業」という形になっていっちゃうんでしょうね。

こちらがアミテージさんですね。
見てください安倍さんのこの笑顔。
こんなの見たことありますか?
だって予算委員会なんて嫌な顔しているじゃないですか。
ね、疲れた顔をされているでしょ。でもこの笑顔。
ジョセフ・ナイさんは後頭部しか見えていませんけれども、どんな方かちょっとわからないと思うんですけれども、
でも、いま言ったレポートは何も珍しいものじゃなくて、ネットの中にいっぱい転がっています。
海上自衛隊の幹部学校とかにも、この人たちの話とかが出てくる、
こういうものが見つけられるという、ね。
もう大の仲良しじゃないか。
なんでそんなに中がいいんだ。
っていう話を聞いたんですけど、国会で。
そしたら「いやいや、ただの民間のシンクタンクですよ」っていうことを言うだけなんですよ。
見てください、この顔。
「そんなことないでしょ」っていう顔でしょ、これ。
しかもこれ、首相官邸じゃないですか。
そういう話なんです。
恐ろしい話でした。
2015年12月20日
樋口健二氏&アーサービナード氏 コラボトーク講演会
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=1h23m59s

質問:麹菌、納豆菌について
アーサービナード:
カルチャーとか文化の話をしていて、カルチャーって英語で言うと、納豆菌もチーズ菌も麹菌もみんな入るんですよね。
カルチャーって「培養する」って言う意味だから、土の中の微生物も含めた土壌が農作物を作ってくれる。
それを見守って大切に育てることが、納豆菌の働きたちの集まり。
で、僕らも実は人間同士でそういう醸し出して、日本語で生活して日本語で話し合ってみんなで、信州なら信州弁、諏訪地方の言葉でみんなで生活しながら何かをしようとすると、そこである種の発酵作用が起きて、それで文化が。
文化は踊りだったり、建築物だったり、言葉そのもので作った作品だったり、いろんな文化がある。
でも自分がそういう発酵していく存在だっていうことが実感できれば、「無力だ」とか「虚しい」とか「何も変わんないじゃん」とかっていうふうに、絶望する、あるいはガッカリする、落ち込むことがなくなる気がする。
樋口さんは「40年後に自分の作品を見て自分の作品に引き込まれる人がいるかもしれない」
自分が作った本が2000人もの人に届いたっていう、それがまず発酵ですよね。
そこでいろんな大事な反応が起きて醸し出されているものがあるという。
それを、集まってデモの時だけこうやって、それで終わるんじゃなくて、
納豆菌は24時間納豆菌なんですよ。
麹菌は24時間ずーーっと麹菌。
だから僕らは24時間日本語菌。
日本語の文化を、もちろん英語に切り替えてもいいしロシア語でもいいんだけど、自分の言語と生活を使って作り出すっていう。
デモに行って声を上げて、帰りにスターバックスに寄ってお金落として、また自動販売機から何かを買って、家に帰って公共放送なんか見たりしていると、もうデモなんか行かなくていいんだよ。
ここだけの話だけど、受信料を打ち切る方がずっと効果があると思うね。
ー拍手
ここだけの話。
っていうか、もう特に干されているからいいんだ。
いや、公共放送は、まともな公共な放送ならまだ必要かもしれない。
でも、受信料を払うっていうことはもう、原発推進ジャーに「どうぞやってください」っていうようなもんでしょ?
樋口健二:そうそう。
アーサービナード:
それを考えなきゃいけない。
で、まぁ、「うちの妻はどうしてもNHKを見たい」って言うんなら、ま、何か妥協しなければいけない。
みんな生活は妥協だし。
だけど、「テレビを捨てる」っていう選択肢もあるよ。
テレビなんかいらないよ。
僕はテレビに出るけど見ないよ。
いらないですよ、そんなの見ている暇ない。
納豆菌として、アーサー菌として色々やることがあるから。
だからそういう、自分がやることは全部関係がある。
自分が何を買うか。
これを誰が買ってきたのか、僕は自動販売機を使わないから。
だから自分の生活の中、全部繋がっている。
何を食うか。
どこで何を買うか。
何に乗るか。
どこを歩くか。
もう全部関係があるから。
で、そういうことがわかってくると、別に選挙がどうなったかでガッカリすることはないんですよ。
毎日毎日楽しいんですよ。
後ろの方を振り向くと夫婦漫才がいます。
マコさんたちは文房具屋にいってボールペンで試し書きで「原発いらない」
刺激的ですよ。
デモでは届かない、他人に。
どうやって届けるか。
タクシーに乗るとずーっと運転手に口説いてる。
変な口説き方じゃないよ、まともな思想とか。
そういうことをずーっとやるって面白いんですよ。
樋口さんだってね、もう24時間ですよね。
樋口健二:
僕も真面目に同じ用語でやってるのよ。
「原発反対」なんて言ったらね、国家からしたら「あいつらとんでもない」ってなるんだから。
アーサービナード:
そうですね。
だからそういう風に自分が、政府と向き合っているというのを絶えず示す必要がある。
その話をするんです。
「空気を読むな」
全然空気を読む必要はないんです。
ちょっとだけね、嫌われすぎないように気をつけなきゃいけない。
樋口健二:僕なんか嫌われすぎちゃった。
アーサービナード:いやぁ、樋口さんほど愛されている人はいないよ。
樋口健二:
こういう人たち(会場にいる人たち)には愛されてるけど、本当に。
だけど、電力会社からは本当に、ブラックリストもいいところですよ。
経産省の資料があるんだけど、俺の名前とか、俺のみんな親友だ、広瀬隆も鎌田慧も。
みーんなブラックだよ。
名前だけ消してあるんだよ。
だけど本はちゃんと書いてあるんだよね。
アホか、って言ったの。
アーサービナード:僕は出てこないんですか?
樋口健二:
アーサーはアメリカ人だから迂闊なことは出来ない。
アメリカの人たちは日本国家がやったらどうする?大変ですよ。
だってアメリカの属国なんだから、日本は。
アーサービナード:じゃあ、僕は本国から来たんだ。
樋口健二:あなたはここでうんとやってくれればいい。
アーサービナード:
わかりました。
でも樋口さんがそうそうたるメンバーと一緒にブラックリストに載ってるって、すごく偉大なことですよね。
樋口健二:
偉大でもなんでもないのよ。
俺はただひたすら売れないことをやってきただけ。
アーサービナード:
でも、みんながそれを目指せばいいんですよ。
だから別に職業は関係ないですよ。
写真家だからとかじゃないんだよね、鎌田さんも広瀬さんも。
だからみんなで同じリストに載りましょう。
樋口健二:国民がみんな載るようになったら変わるんだよな。
アーサービナード:
ですよね。
後ろの漫才師も載っているかもしれないし。
でも、みんなが載るぐらいの楽しい運動をやっていきたい。
樋口健二:そうだね。
アーサービナード:ぜひ、やりましょう。
樋口健二:
あなたいいこと言いますね。
言いつづけて、本当。
大好きなのよ本当に。
こういう外国人っていないもの。
アーサービナード:
ありがとうございます。
でもね、樋口さんの写真を見ていると、ちゃんと、今、どこから来たのか。
今がどうしてこうなっているのか、っていうことがわかるんですよ。
福島第一原子力発電所が建設中の写真があるでしょ。
それが僕らに一番欠けていること。
どこがどう繋がっているか。
樋口さんの写真は本当に、何度見ても新しい発見があって、何度検証しても自分が気づいていない事実が必ずそこにあるんですよね、本当にありがとうございます。

樋口健二:
本当に嬉しいね。
こういうもののわかった人がものを言うっていうのはね。
ありがたい。
アーサービナード:
実は今日、これからロンドンいいくんです。
ウエールズには世界で一番古い、今も動いているポンコツ原発があるんです。
樋口健二:ポンコツ原発です。
アーサービナード:
そこのすぐ風下に僕の幼馴染が住んでる。
これから行ってきます。
ロンドンって言ったけど、飛行機はロンドンに飛ぶんですけど、これからウエールズに行ってきます。
セラフィールドまで行けるかどうか。
あのね、イギリスって面白いところで、クリスマスとかその次の日は電車とか全部止まるの。
だから行けなかったら次にまた行きますけど。
樋口健二:あなたは行動力がいいから、頑張りなさいね。
アーサービナード:
なにをおっしゃる。
行動力、(樋口さんは)行動力の塊じゃないですか。
樋口健二:いや、そうでもないよ。
アーサービナード:ありがとうございました。
樋口健二:本当にありがとう、今日は。
アーサービナード:みなさん本当にありがとうございました。
おわり
「空気を読んでいたら空気は変わらないのです」大澤茉実さん(大学生)10/25学者と学生によるシンポジウム(文字起こし)
【樋口健二×アーサービナード】 コラボトーク講演会2015年12月20日 文字起こしブログ
<川内原発>九電の安心の理由はローマ字だらけの目くらまし「何か起きたら帰れないということは書いてない」 樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「避難訓練は故郷を捨てる練習なんです」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「脱原発だけじゃダメだ。脱オタンコナスをやろう」 樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「突き詰めていくと、中産階級って要するに貧乏人のことなんだよね」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
<玉音放送を読み解く>天皇・A級戦犯の地位を守った「残虐なる爆弾」の利用 樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「ポツダム宣言について僕はこう考えています」って安倍さんが言ったら安倍政権は潰されるんです。樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
「日本列島は他国に原発を売るためのモデルルーム。下手すると日本列島が最終処分場に使われる可能性がある」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
自分が政府と向き合っているというのを絶えず示す必要がある 「空気を読むな」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
ーーー
「隠された被爆労働」樋口健二氏1995年イギリス(内容書き出し)
「ポツダム宣言について僕はこう考えています」って安倍さんが言ったら安倍政権は潰されるんです。樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
2015年12月20日
樋口健二氏&アーサービナード氏 コラボトーク講演会
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=1h10m21s
アーサービナード:
でもね、根っこが深い。
原発は根っこが本当に深い。
だから僕らがデモやって声あげてステッカー作ったりいろんなことをやらなきゃいけないんだけど、
それよりもっと深いところで、自分の生活や経済も含めて、自分の日々の行動も含めて、
やっぱり歯止めをかけるしかないと思う。
樋口健二:そうです、みんな犠牲ですよ。それがなきゃできないって。
アーサービナード:
僕らはこの写真を見て、労働者の写真だと思うけれども、
今の日本で普通に生活していて、その原発労働者と同じくらいに被曝している人たちがいっぱいいるんです。
僕らも含めて。
だから僕らは今みんな、1億総原発労働者になっている。
樋口健二:1億総被曝
アーサービナード:総被曝
樋口健二:の、時代が来てるんです。
九州電力がとんでもないPRを出してるけどさ、ね、これ、老人を騙すにはもってこいですよ。
質問

https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=1h12m51s
質問:アメリカのほうではアーサーさんが知っている昔と今とでは、原発労働者は自分たちの被曝のこととかなどはどう考えているのでしょうか?
アーサービナード:
ん、そうですね、基本的には日本と同じように、他に仕事が選べない人が、原発の現場のきつい被曝にさらされる仕事をする。
差別を受けている側がそういうところに送り込まれる可能性が高いというのもあるんです。
さきほど黒人労働者の写真のお話もあったんですけど、それがアメリカ国内でも。
でも、アメリカと一つ大きく違うのは、原子力業界のそういう被曝させられる仕事の他にもう一つ、どこにも生き残る道が見いだせない人が行くところがあるんです。
それは何かというと、アメリカ国防総省がやっているアメリカの陸軍、海軍、空軍、海兵隊。
兵隊です。
兵隊のほうがはるかに数が多いし、組織がでかいです。
で、原子力と軍の組織はどういう繋がりがあるかというと、深いところではもう同じ組織なんです。
アメリカはそれを隠そうとしない。
だからニュークリア(nuclear)とかニュークス(nukes)って言ったら、核兵器も原発もみんな入る。
こんなに「平和利用」がまかり通っている、こんなに「平和利用」に騙されている人が多い国は日本だけですね。
アメリカでいうとジョークみたいだよね、噴き出すでしょ。
「Atoms for Peace 」って懐かしい、アイゼンハワーの演説か、面白いね。
日本でまだそんなこと言っているからね、真顔で。
原発労働者の問題にひとつに絞って運動しようとすると、
いやだってね、「海兵隊に吸い込まれていっている貧困にあえぐ若者をどうするんだ」みたいな。
だから繋がっているんですよね、そこが。
軍隊と原発が。
で、今のアメリカの企業と政府の動きを見ていると、もちろん原発は2016年に無くすとか、そういう流れにはなっていないけれども、でも明らかに原発は止める方向で全てが進んで廃炉にしている。
それはどうしてかっていうと、もう利益が出ない。
どうして日本は逆に、なんか大間にフルMOXの、ね、フランスで壊れる原発を作ろうとしているのか?
あれは大間違い原発ですよね。
それから上関。
あの山口の上関の原発も白紙撤廃じゃないんですよ、「やる」って言ってるんですよ。
アメリカはもう、新規を時々造るふりをするんですけど進まないで、廃炉は進んでいて、
なんでもう出口戦略が動いているのに日本がまだまだ「やるやる」って言っているのかというと、
多分「属国が一番最後に残って貧乏くじを引く」
樋口健二:本当にその通りだ。
アーサービナード:
だからフランスと日本がカモ。
アメリカは終わるときにはもう引いている。
だからリーマンショックならぬ廃炉ショックは、他に押し付けるつもり。
ね、だから早々とジェネラルエレクトリックも売っちゃったね。
樋口健二:売っちゃったですよ。
アーサービナード:ウエスティングハウスも原発製造部門は、
樋口健二:東芝に買い取らせた。
アーサービナード:
ねぇ。
東芝を見てごらんなさい。
可哀想だよね。
昨日東芝で働いている友達と今朝まで一緒だったんだけどね、もう悲惨ですよ。
で、どうなっているかっていつ米政府の政策です。
樋口健二:
4000から5000。
おそらく4000人は完全に切るんだよ。
あの3人の社長があんな悪しなかったら良かったのに。
アーサービナード:
でもそもそも、ウェスティングハウスという友達を送ったところからなってたんですよね。
で、そういう流れを見れば、もう原発から早く引かないと貧乏くじ。
下手すると日本列島が最終処分場に使われる可能性がある。
僕はその最悪のシナリオは、日本でもう一つ原発事故をやって、そうすると関東東北の汚染。
それから九州、中国地方、関西の汚染をやって、そうすると満遍なくね。
そうすると2箇所やって、日本経済がもっと衰退、もっともっと袋小路に入っていって、それであるときから日米共同の研究機関があちこちにつくられて。
その研究機関は何か?というと、「アメリカの高レベル放射性廃棄物を置く場所」なんですよ。
そういうふうにもう日本は受け入れるしかないんですね、経済的にはもう、アウトだから。
樋口健二:受け入れないとやっていけない。
アーサービナード:
やっていけないし、TPPに入っているから、「飛んで火に入るTPP」でとんでもないパートナーシップでがんじがらめになって。
これは最悪のシナリオで、僕は受け入れるつもりはないよ。
絶対にこれは止めなければいけないと思うんだけど、もうそういう、嫌な縁起でもない予言が成立するところまで僕らはきちゃっているというふうに思うんですね。
僕は、根拠はないですよ、CIAの工作員じゃないから、具体的な情報はこないし。
でも見てれば、状況を見てればそういうこともあり得るんじゃないかって、多分言えるんじゃないかなって思います。
樋口健二:
結末がもう見えちゃってる。
僕はいつも言うようにね、核兵器で終わるんじゃなくて原発で地球は終わるんです。
で、一番先に日本がおしまいになる。
アーサービナード:
だから薩摩川内、伊方を動かすっていうのはもうそういう道を歩むっていうことだよね。
樋口健二:もちろんそうだ。で、何が起きるかわからん。
アーサービナード:ほんとだね。
樋口健二:国家が「安全だ」って口で言っているだけだからね。
アーサービナード:
そう。でもね、薩摩川内が動き出して、1号機2号機。
で、「今度は伊方だ」ってニュースをわーってやっていた時に、安倍総理が中央アジアに行ってたんだよね。
で、いろんな、ばらまきながら「原発買って」って売り歩いてたでしょ。
樋口健二:売り歩いてた。
アーサービナード:
それで見えてきたんです。
だって、樋口さんが言うように原発はエネルギーじゃないもん。
樋口健二:経済。
アーサービナード:
経済。
「電気が必要だから」っていうのはナンセンス!
じゃあなんで動かすか?っていうと、今回は1億総ショールームなんですよ。
樋口健二:なるほどね。
アーサービナード:
日本列島は他国に原発を売るためのモデルルームなんですよ。
だって「日本の原発買ってくださーい」って言ってて、国内では54基のうち1基も動いていないっていうと、ちょっと変ですよね。
樋口健二:それじゃ売れないからね。
アーサービナード:
売れないし、
ちょっとモデルルームを作って、それで鹿児島がそれなんです。
展示即売会。
で、日本のやつを動かして、「ほらほら大丈夫大丈夫」
大丈夫じゃないですよ。
モデルルームですよ。
僕らはモデルルームにされている。
しかもそれだけじゃなくて、日本経済で唯一明るい、
アベコベミクスによってつくられた唯一の明るいニュースは「爆買い」でしょ。
樋口健二:そう。
アーサービナード:
「爆買い」
中国の富裕層とかが来ていっぱい買ってる。
だから日本は、原発展示即売会のモデルルームであり、中国の富裕層のアウトレットなんですよ。
だから日本列島じゃない。
日本アウト列島なんです(笑)
みなさん、日本アウト列島に住んでるんだよ。
こんな屈辱を味わいながら、よくみんな平気で日常生活ができるね。
樋口健二:いいこと言うね。
アーサービナード:
ほんとうにそうですよね。
だから原発を輸出するためにそういうことを背負わされるっていう、本当に残酷。
全然生活者のことを考えてないね。
樋口健二:先は全然見ておりませんから。
アーサービナード:
自分たちだけ、ま、助かる。
自分たちだけ再就職先があるって、なんかそういう。
樋口健二:今とにかく、おまんまが十分食えればいいんだと。今のことしか考えない。
アーサービナード:でも、おまんまって彼らは何千億、何兆でおまんま食ってるから。
樋口健二:それに群がりすぎちゃったのね、この40年間。
アーサービナード:本当です。
樋口健二:いやぁ彼は強烈ないいこと言いますね。
つづくーーー
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2015年12月20日
樋口健二氏&アーサービナード氏 コラボトーク講演会
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=21m23s
アーサービナード:
広島に行ったりきたり、広島にいることが多くて、もちろん広島県だけじゃないんですけど、広島の市民が、なんとかね、福島にいて生活している方々、特に子供達が、比較的線量の低いところで、しかも選りすぐりのためて、夏の間でも、休みの間でも保養して、内部被曝を減らすことができたらいいな、って。
福島のことを、福島以外のこともみんな思っていて、
そういうふうに保養の運動をしている人たちがいっぱいいて、友達も頑張ってるんですよね。
北海道でも野呂美加さんはチェルノブイリの事故の後にベラルーシの子供達を受け入れてそれをずっとやってきてるけども、関東東北の子供達もやってる。
でもね、保養で僕らがチェルノブイリとつなげて考えるときに、一つ忘れちゃいけないことがあって、
これはみんなそれぞれが判断すべきことだと思うんですけど、
もし僕の数字の計算とか、僕が見た地図と汚染の度合いの資料が間違ってなければ、
ベラルーシでは、事故から何年かかけてなんですけど、
今日本政府がいろんな生活者を戻そうとしているところには人は一人も住んでいないんですよね。
で、例えば野呂さんがずーっと受け入れて子供達の内部被曝をなんとかしようとしていた、そのベラルーシの子供達が住んでいる地域っていうと、東京都とか、関東ぐらいの汚染なんですよ。
で、もっと濃い汚染のところには、何年に人が住めなくなった、何年にここはダメだ、っていうふうになったかって、少し年代は違うんですけど、でも基本的には日本にベラルーシから来ていた、あの可愛い素晴らしい子供達が、実は関東の日本の子供達ぐらいの汚染の地域に住んでたんですよね。
住んでいるんですよ。
それが今、日本の市民には見えていない気がする。
どれほど被曝が強いか。
それでどれほど低線量が、警戒しなくちゃいけないかっていう。
で、僕はいつもそう考えるときに、樋口さんがちゃんと労働者の被曝、労働者が30mSvだったらどうなったか?って。
その一人一人の人生、一人一人の体験を踏まえて撮ってるので、
もちろんベラルーシ、ウクライナ、チェルノブイリのデータと29年の体験があるから、そこを踏まえてもいいんですけど、
でも、日本国内でも労働者に目を向けていれば、もうちょっと、今政府に何をつきつけなきゃいけないのか、
保養をやる市民でも、何をしようとしているのか、もうちょっと具体的になるんですよね。
樋口健二:
そうだね。
これちょっといい?
皆さんね、この被曝問題が3.11以前に持ち上がらなかった理由があるんですよ。
これが末端の労働者達だったから。
これが皆さんのようにね、ハイクラスの集まり、中産階級の人たちにもし及んでいたら、これは社会問題になってたんじゃないですか。
違いますか。
これは大きなネックだったね。
それからどうしてそういうふうに抑えてきたかっていうのは、さっきも言いましたね。連合ですよ。
本気になって、ここでこういうことが起きてる。
自分たちの労働者はあれだけど、末端の人たちを皆さん、助けるようなことをしましょう、ってもし言ったらね、
ただこれを言っても仕方がないから、前を向いていくしかないんですよ、今。
というのは、ここにこんなに集まっている。
この人たちが変えてってくれる。
だから僕はそういう意味で、ちょっと時間はかかったけど、
世の中が変わるっていうのは皆さん、容易なことじゃない。
つまりね、今の日本は民主主義で手をあげたらさ、ほとんどが自民党になっちゃう。
だけど、少数真理という言葉があるじゃないですか。
少数の中にとても重要な意見があると。
これで行きたいなと僕は思っています。
アーサービナード:
樋口さんは政治家ではないので、政治屋でもないし。
だからちょっとね、僕が効くのはお門違いかもしれないんですけど、
樋口健二:いいよ。
アーサービナード:
原発が嫌だって、ちょっとやめてほしいって言っている人は、多分この日本列島の人口の半分以上はいるんですよね。
樋口健二:半分どころじゃないの、70%と思ってください。
アーサービナード:
はい。
でも、さっきおっしゃったように、自民党に入れちゃうんです。
いれちゃう。
樋口健二:これはね、アンポンタンだから。
アーサービナード:そういうことなんですか。
樋口健二:もちろん。
いや、これねほんと、ここにいる人たちは入れないだろうけどね、
アーサービナード:入れてるかわかりませんよ。上流階級、ハイクラスの
樋口健二:
あのね、実は選挙がね。
うちの国分寺っていうところがあるんだけど、民主党が来ても誰もこない。
自民党がきたらね、老人がみんな集まる、駅前に。
これわかる?
みんなそういうふうに通達を出している。
昔から保守的な人たちがいるじゃないですか。
それで生活は非常に逼迫しているのにね、「自分ところになんかしてくれる」って思っている。
アーサービナード:あべこべのことをされてるのに。
樋口健二:
そういうところが勝っちゃうんですよ。
だって、投票率が実は22%
ね、これですよ。日本の保守層っていうのは最後には自民党。
こういうところからこれから変えていくしかないんですよ。
変えてくぞ、これから。
アーサービナード:
僕も、全くそう思う。
駅前のそういう光景も僕は見たことがあって、
そういう光景を見ると、なんか言い方が失礼だけど老害みたいな感じですよね。
ー(笑)
樋口健二:ああ、老害だね。
アーサービナード:
でも、僕は大学生とか高校生といろいろ話す機会があって、そういう意味ではすごく恵まれているんだけど、
大学で教えているわけじゃないけど、呼ばれて。
そうすると、なんかこう、変な存在としてすっと入れるんですよね。
ま、樋口さんがいろんな現場に行って、
樋口健二:俺なんかもっと変ですよ。
アーサービナード:
僕も大学に行って、それで英文学の話をしたりいろんな話をするんだけど、大学生と話す機会がいっぱいあるから、聞くんですよ。
みんなどう考えているか。
で、投票はこれから18歳からやるから、高校生にもちょっとそういう話を振ってみるんですけれども、
以外と、18、19、20に21、22も自民党に入れちゃうの。
樋口健二:そういう教育を永遠とやってきているんです。
アーサービナード:
そうです。で、さっき言ったアンポンタンか。
アンポンタンじゃなくて、彼らはオタンコナスなの。
もっとわかってないんだから。
すごいんですよ。
樋口健二:
とってもいい言葉。
日本人が今のあなたのようなことを言ったら
アーサービナード:
彼らは何にもわかってないですよ。
見事に。
だから可愛くていい子達だなって思うんだけど、でもそれじゃあ餌食にされるだけじゃない。
樋口健二:そういうことです。
アーサービナード:国分寺の駅前に集まる、貧困にあえいでいる老人の方と、あんまり変わらないんですよ。
樋口健二:ほとんど変わりません。
アーサービナード:
だからそこが。
僕も希望を別に失っているわけじゃないし、アンポンタンだって言いながら、自分だって20歳の時アンポンタンの最たるものだったし、
樋口健二:みんなそうなんですよ。
アーサービナード:
ですよね。
だから、自民党は延々とみんなオタンコナスなまんま、いまの与党は愚民政策以外何にもやっていないですよね。
でも、それに対抗する、僕らの、少数派であったとしても、
学んで見抜く流れを作らないといけないです。
これも「10年かけて」とかってやっていると、憲法を潰されて弾圧の時代に入りかねないので、
なんかこう、樋口さんの写真展以外に
樋口健二:
この運動が3.11から持ち上がって、反原発にだいぶこう、持ち上がったよね。
1000万署名、ものすごいと思ったよね。
それで最初はみんな、ここにいるような人たちばっかりだったんだよ。
ところがね、大学生が立ち上がった。
高校生も最近は、少数だけど立ち上がってるんだ。
一番素晴らしいのはインターネット。これがあるから僕は希望を持っていますよ。
優秀な子が世の中にはいますよ、やっぱり。
この連中が一生懸命やってくれている。
で、あなたが言うアンポンタンを変える力を持っていると思う。
で、あなたはね、そのいまの言葉は遠慮なくいろんなところで、大学で言ったらいい。
言ってやって。
「あなたらはアンポンタンよ」って。

アーサービナード:
だからその言葉もね、山本太郎さんと中国地方でツアーを組んで、ずいぶん前ですね。
彼が芸能界から外されて、俳優の仕事が全然なくて、でも、いまの職業に就く前のとき、
その時に中国地方を回っていて、
「脱原発」というふうに話を聞きに来てくれた人たちが言ってたんだけど、
僕は「脱原発だけじゃダメだ。脱オタンコナスをやろう」って。
だって、原発だけじゃないからね。
樋口健二:そう、いろんなものがみんな絡んでいるものね。
アーサービナード:
そう、さっきの利権の話がすごく重要で、
原発が何も偶然に続いているわけじゃなくて、
なにも止められない必然性もなくて、
でもこれだけの企業、メディア、経済力と政治力を持った組織が全部これにがんじがらめになって、
それで、抜ける方法すら失っている。
この状況の中では簡単には止められない。
樋口健二:そうそう。
アーサービナード:だからそこなんだよね。
樋口健二:
でもね、そこだからこそ。
相手が大きければ大きいほど我々は頑張らなきゃいけないっていうことなんですよ。
しょぼくれちゃ絶対にいけないの。
アーサービナード:
でも樋口さんは色々と、どんなに素晴らしい写真を撮っても載せてもらえなかったり、
どんなに声をあげても無視されたり、
落ち込むことはない?
樋口健二:
ない!
いい質問をしてくれました。
実はね、僕の写真は大体、陽の目を見るのに最低10年かかるんだよね。
一番僕が辛いのはね、患者たちが「早く発表してくれないのか、我々は死んでいくんだ」
僕もね、説得力が非常にうまいですよ。
百姓だ。
相手もみんな百姓だ。
あるいは漁民だから、俺は信州弁丸出しでやるわけ。
安心するのよね。
朝日新聞の記者たちと違うのよ。
こうやって上からものを見ない。
そこに行って座るの。だから真正面。
で、百姓言葉を使うからね、これがぴったり来ちゃってね。
ま、そういうことで、希望を絶対に失っちゃいけない。
もう一度言うよ。
40年間無視されてきたんだよ。
でも必ず誰かが共鳴してくれる。
共感してくれる。
俺の写真に感動してくれる。
おきがあるかもよ、そしたらあったじゃないの。
でもね、ありがたいことで3.11以後は6冊の本が出たね。
とにかく僕がやってきたことをみんな本にしてくれました。自費出版は一冊もありません。
だから、いまバーっと6冊じゃなくて、その前にプチプチプチプチと出るでしょ。
そうするとこれがね、全国ネットで僕の本を買ってくれる人が2000人ぐらい多いんだぜ。
2000人もいるんだぜ。
そんなわけで、とにかく支援をしてくれた人たち、これを裏切れなかったということでしょうね、僕も。
頑張りたいと思っています、よろしく。
つづくーー
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原発再稼働のための物足りなすぎる規制基準でさえも守られず、簡単にガタガタと崩されていく。
<再稼働安全審査>半数の7原発15基、「免震」断念
毎日新聞 1月19日(火)8時30分配信
◇全国16原発26基の事故対策拠点「緊急時対策所」
原子力規制委員会に再稼働の安全審査を申請している全国16原発26基の事故対策拠点「緊急時対策所」について、約半数にあたる7原発15基で免震構造によって作る当初計画を撤回して耐震構造に変更したり、再検討を進めたりしていることが分かった。免震構造は揺れを抑える機能に優れ、ビルなどで導入が進んでいるが研究の蓄積が少なく、安全性の証明が難しいため、電力会社は二の足を踏んでいる。
建物の強度そのものを高める耐震構造に対し、免震構造は建物と土地の間に緩衝装置を設置して、揺れを吸収する。建物内の設備も壊れにくくなり、余震の際にも作業員が落ち着いて業務できることがメリットとされる。
免震構造で作られる緊急時対策所は「免震重要棟」と呼ばれ、東京電力福島第1原発事故が発生した際に事故対応の指揮所として大きな役割を果たした。だが、比較的新しい技術である免震構造はこれまでの技術的データの蓄積が少ない。大手電力幹部によると、大規模な地震が起きた場合に鉛が入った緩衝装置などが変形して揺れを吸収するが、地震後に元の形に戻り、余震にも耐えられるということなどが立証しづらいという。
規制委の再稼働審査は、これまでに九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の3原発5基が合格している。高浜、伊方両原発は緊急時対策所について当初目指していた免震から耐震構造に転換して審査に合格した。
新規制基準は緊急時対策所について「想定される最大の地震に対して、免震等により機能を喪失しないようにする」としている。免震構造は一般建物で耐震よりコストがかかるとされる。規制委の田中俊一委員長は川内原発の耐震施設について「おカネを節約ということなら厳しく審査する」と述べた。ただ、原子力規制庁は「機能を失わなければ免震、耐震どちらの構造でもかまわない」と説明する。【遠山和宏】
規制委員会の田中委員長を無視して規制庁が暴走しているように見える
<詐欺会社 九州電力>騙して再稼働…川内原発 報道ステーション「等」の罠 大竹まことゴールデンラジオ「再稼働してから…」(文字起こし)
原子力規制庁の事務方はとにかく急いで原発を再稼働をさせたいらしい。
「日本列島は他国に原発を売るためのモデルルーム。下手すると日本列島が最終処分場に使われる可能性がある」樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
2015年12月20日
樋口健二氏&アーサービナード氏 コラボトーク講演会
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=14m16s
アーサービナード:
避難計画もね、この資料で「事故が起きた時にどういう風に避難するか」地図も載っているんですけど、
僕は、広瀬さんもおっしゃってたんですけど、「避難訓練をやってはならない」と。
一切。
樋口健二:僕は意味がないと思っています。
アーサービナード:
意味は無いし、僕は心理的に精神的にやっちゃいけないことだと思うんですよ。
どうしてか?っていうと、今おっしゃったように、ま、本当に運が良くて、ものすごく珍しい原発事故のケースで、先に、放射線物質が降ってくる前に情報がきたとするでしょ。
樋口健二:(笑)
アーサービナード:
これも例え話だけど、でも、本当に避難できたとするでしょ、原子力だよりかごしまに書いてあるみたいな感じで。
それで、あんまり初期被曝もせずに、自分の住んでいる地域にセシウム、ストロンチウム、放射性ヨウ素、プルトニウム含めて降ってきた時に、自分が先に離れたとするでしょ。
でも、そんなことができたとしても、ふるさとはもう無い。
樋口健二:無い。
そのことが非常に重要でね。原子力だよりかごしまにはそんなこと一言も書いて無いよね。
アーサービナード:
無いです。
二度と戻れないし、戻れたとしても、それは被曝を覚悟して、劣化した環境で残酷な被曝を強いられるような生活になる。
つまり、避難計画が作られて、それで避難訓練とかをやって、地域でみんなで頑張って、
それで、確率はもうね、1%以下だと思うんだけど、奇跡的に本当に避難できたとしても、自分たちで、自分たちからすすんで故郷を捨てて、先祖の山、先祖の川、この美しい列島のあるところを全部潰したということになる。
だから避難訓練は故郷を捨てる練習なんです。
精神的にそんなことをやっちゃいけないんですよ。
もう日本人じゃなくなる。
僕が言うとおかしいんですけどね、
樋口健二:
いえいえ、あなたの指摘はね、外国の人の指摘はとってもいいものを持っているんですよ。
でね、ひとつだけここでちょっかい入れさせて。
実は皆さんね、JCOの臨界事故が1999年9月30日にあったでしょ、
あの前にね、避難訓練をやってたんですよ。
やってたけどなんの役にも立たなかったね。
僕はそれで被曝して今、再生不良性貧血になっているわけだけど、
本当に皆さん、放射線をあの当日、最初はね、350mって言ったんだよ。
アーサービナード:350mってね。もう敷地の中ですよね。
樋口健二:
それで周りに知らない人たちがみんな居ちゃったんだよ。
だからあんなこと(避難訓練)をやってもなんの意味もありません。
それからね、事故のわーって知らせがあったらね、車で逃げるはずでしょ。
今度は渋滞でアウトですよ。
だからなんの意味もありません。
まず原発をやめればこういうことは起きないっていうことだよ。
そうだよね。
何にも意味なんて、彼が言う通りですよ。
意味無いんですよ。
それでこれをあんまりやっているとね、一般の国民は「ああ、ああやって逃げればいいんだ」
要するにマスコミにいいように乗せられたっていうことですよ。
マスコミを批判すればいいんですよ。
なんであんなことを報道するんだって。
その先のことはどうなってるんだって。
今彼が言う、故郷なくなってそれ以降どうするんだっていう話。
そこが欠けてるんだよね。
いいこと言いますね。
アーサービナード:
本当に。だから「故郷を捨てる訓練」って意味があると思うんですよ、彼らにとっては。
原発をやりたい人たちは、みんなに、半ば強制的に避難訓練をやらせることで、予行練習をさせてる。
僕はアメリカ国籍なんですけど、今年(2015年)の年末は危なすぎてやらないと思うんだけど、
時々年末になると米政府が予算が通らないとデフォルトして、それで債務不履行に、要するにアメリカが借金を踏み倒すの、やってたでしょ。
あれはいつかやるつもりだから練習してる。
樋口健二:練習ね。
アーサービナード:
練習。
ニュースとか、権力がやるようなことって、よく見ていると結構練習が多いんですよね。
みんなにまず。こう慣らして、「ちょっと過激に聞こえることを言ってみて、どのくらいみんなが抵抗するか」って。
だからこの避難訓練も、もしかしたら「故郷を捨てることに慣れる」
「故郷を捨てる」という選択肢があるようにみんなが考え始める。
みんながそういう人間に成り下がっていくための心理作戦だっていうことも、僕は考えていいと思うんですね。
樋口健二:安心感を植え付けるね。
アーサービナード:
そう、安心感と諦め。
つまり「もうそうなったらしょうがないね」
自分の故郷がいつかそうなるかもしれない。
「だったら逃げればいい」って。
そういうふうに、思考回路を作っていく。
でも本当はそういう思考回路の中に僕らは入っちゃいけないんですよ。
だって、故郷捨てるって最低じゃないですか。
だから僕デトロイトにいないんですけど(笑)
でも、捨ててはいない。
樋口健二:
故郷っていうのはね、何十年たっても。
僕は信州の山の中だけど、年取ってきたら故郷に帰りたい。
アーサービナード:信州のどこですか?
樋口健二:
信州の諏訪郡富士見町で標高1000mだよ。
だから僕は逃げ出したのよ、食えないから。
アーサービナード:そうか。
樋口健二:でも故郷はやっぱり、歳とれば取るほど懐かしい。捨てられませんよ。
アーサービナード:でも放射能汚染が。
樋口健二:放射能汚染がないからね。
アーサービナード:放射能汚染が自分の故郷に降ったら、
樋口健二:
放射能汚染が起きる前に、やっぱり止めさせる運動をしなければね。
福島があの通りだから。
もっとはるか遠くのチェルノブイリは30km圏内はみんな住めなくなってるよ。

つづくーー
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2016年1月14日
山本太郎トークライブ京都
もう時間がないんですけど、最後に一つだけ言わせていただいていいですか。
緊急事態条項っていうものがあります。
これはなんなんだ?っていう話ですけど、多くの方がご存じかもしれないんですけど、一人でも知らなかったらいけないので言わせてください。
「憲法改憲」ということをもう明言しています。
で、「次の選挙ね」って話をしています。
「それを問うよ」と言っています。
で、「本丸は九条なんだ」と言っています。
憲法九条、これを名文改憲したい。九条を変えたい。
でもね、そんなこと言ったらみんなアレルギーがあるでしょ。
「憲法九条を変える」って言ったら。
平和国家としての歩みが70年間あったんだから。
そのルール、ルール自体を変えるっていうことになったらアレルギーがあるだろうから、
まずは最初、ハードルの低いところから、
みんなが必要だと思うところからやっていくね。

「本音は九条なんですけれども、国民の支持を受けやすいというのは緊急事態条項だ。
本音を言わずにスタートしたい。」
というふうに自民党の憲法改正推進本部長代理、この古屋さん(古屋 圭司)という方がおっしゃってる。
じゃあ、これってどういうことなのか?ということなんですが、
自民党の幹部の方がインタビューに答えています。
「衆院選が災害と重なった場合、国会に議員の空白が生じるため特例で任期延長を認める必要があるよね」
簡単に言うと、衆議院が解散して選挙という間にもし大きな災害があったらどうする?
衆議院空っぽですよ。
参議院しかないんだよ。
これがダブル選挙になったらどうする?
衆議院だけじゃなく、参議院も半分空っぽね。
3年ごとに半分ずつ選挙する参議院議員だから。
その状態でもしも何かがあった時に、特別に何か必要になったとしたら、法律化しなきゃならなくなった時に、半分、こんな状況じゃ何もできませんよね。
っていう話だと思うんですけど。
でも、日本国憲法ってすごいんですね。
今の日本国憲法はすごいんです、完璧なんです。
どういうことか?というと、こういうことを入り口に憲法を変えようとする輩を、輩の登場をもう予測しているんです。
憲法54条2項 「内閣は国に緊急の必要がある時は参議院の緊急集会を求めることができる」
臨時のものですよ、これは。
次の国会を開く時に、10日以内に衆議院が同意しない場合これは無効になりますよ。
すごくないですか。
だから2分の1でもOKなんですよ。
衆議院だけが空っぽでも対応できるし、ダブル選挙で参議院が2分の1しか残っていなくても有効なんです。
だからもうクリアしているはずなんですよ。
だけど、さっきの
「衆院選が災害と重なった場合、国会に議員の空白が生じるため特例で任期延長を認める必要がある」
もっともらしいことを言っているでしょ?
どういうことか?って言ったら、この緊急事態条項っていうのは憲法の中には無いんですよね、日本国憲法の中には。
で、新しく新設しようとしているんですよ。
98条、99条。
これは自民党の改正草案なんですけど、その中に書かれているのはこんなこと。
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
で、次の99条は
内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができるよ。
これが発せられた時にはね、何人も国そのほか公、法の機関の指示に従わなければならない。
結局何を言っているか?といったら、
「法律を作り放題」なんです、自分たちが、内閣が、総理大臣が。
で、お金も好き放題使える、予算も握れる。
そして、地方自治体に対して命令できる。
もう独裁ですよ、これって。
三権分立と言われていたものを一つにすることができる。
怖くないですか?それ。

安倍政権がそれをやったらどうなるのか?ということ以外にも、
こんな魔法のカードがあったら怖くない?
だって、大丈夫じゃないですか。
さっき紹介した参議院議員の緊急集会を開けば、法律として緊急に作れるわけだから。
で、それを衆議院が回復した時に選挙が終わって、次の国会が開かれた時に衆議院で審議して「無効だ」って言われたら、それを無いことにできるんだから。
完璧に作られているにもかかわらず、このようなものがどうして必要になるんですか?っていうことです。
詐欺ですよね、完全な。
で、何が問題なのか?ということを歴史的な観点から見てみると、
ナチスドイツですね。
不当な目的でやられることが多いよ。
「政府は緊急事態の宣言が正当化されない場合でも、宣言を行いがちだ」
期間延長されるよ。
「緊急事態だからいつか解除されなきゃいけないんだけど、いつまでも続くじゃないか」っていう話ですね。
人権制限があるよ。
「政府は緊急事態に対処するために、一般市民の人権を過度に制限しがち」だと。
どうしてか?
単に国側がいうのは災害が起こった時に、何かがあった時に「自分が自分が」という人たちが多かったら、困るでしょ。
物事が前に進まないでしょ。
「だから申し訳ないんですけれども、一時だけ皆さんの人権、停止させていただきます」
「憲法を停止させていただきます」っていう話なんですよね。
だから、過度な人権制限が行われる可能性が高いんです。
司法まで抑制されるよと。
要はそれを握っているのが内閣なんだから、司法の判断だって内閣側に寄るだろうと。
あまりにも恐ろしくないか?この魔法のカード。
じゃあ、災害の時に何が必要か?というと、やっぱり準備が必要だよということです。
準備もできていないのに、権力だけあってどうするんだ?っていう話ですよね。
もうすでに準備はできているのか?っていうことですけど。
じゃあ、川内原発の避難計画から見てみようか。
10km〜30kmのやく220施設は全く避難計画がないんだよ。
あれ?
災害があった時に色々するために権力を集中させるくせに、そのために必要な準備は何もされていないじゃないか。
原発の10km圏内には避難計画が施設に、老人の施設であったり、障害者施設であったりっていうことですね。
10kmから30kmに関しては何も整備していません。
自分でコンピューターで避難先を探すことになっているんですって。
これ、たらい回しにされた人はいっぱいいますよ、福島、東電原発事故の時に。
老人施設から寝たきりの人たちが運び出され、散々いろんなところを回った上で、着いた先が体育館だった。
医療の設備も無い、薬も無い。
で、多くの高齢者が亡くなってしまったことがあるんだけれども、
川内原発で再稼動に関して、その避難計画に対して、何も手を打っていないんですよね。
過去を何も生かしていない。
避難訓練でも試されていない。
オンラインで繋ぐっていう話になっていたけれども、事実上は一つ一つ電話していくしかない。
混乱の中、携帯も通じるかどうかもわからない。
むちゃくちゃですよ、やってること。
で、こんな風に見ていただいたらわかると思うんです。

何もセッティングしていないじゃないか。
原発への弾道ミサイル着弾の影響。
ミサイルが飛んできたらどうする?って。
この間北朝鮮の決議で全員一致で、私は棄権しましたけれども、
「北朝鮮に制裁を強める」っていう話をした。
向こう側の挑発に対して挑発で返すことを決めた。
けれども、もしもミサイルが飛んできたとしても、原発に。
そのあとの影響を想定していないんです、国は。
だったら調子に乗って挑発している場合じゃないと。
まず、挑発するんなら準備が必要だろ、っていう話ですよね。
で、原発事故が起こった際の放射性物質の排出量っていうものも、ざっくりなんですよ。
100分の1から1000分の1。
先程言った川内原発。
特定重大事故対象施設ですよね。
免震重要棟。
これ、再稼動したあとに九州電力が免震重要棟を造らないっていう話になっている。
やっていることがハチャメチャなんですよ。
ね、先程言った避難計画もデタラメだったよと。
言いたかったのはこれ。
「どんな強力な権力をもってしても、想定していない準備していないことは対処しえない」
どんな権力を握ったとしても、その下準備ができていないんだったら、その権力は何の意味も無いよということですね。
こんな恐ろしいカードを与えても大丈夫ですか?っていう話なんですが、わかりますか、皆さん。
ナチスドイツの時には、この大統領の緊急令だったり、いろんなものを通していって、結局、全権委任法に繋がっていったと。
国会議事堂が放火されたという事件があって、それは共産党員がやったという話にされたけれども、
結局そこから令状無しで5000人が逮捕された。
それだけじゃなく、それ以外の人たちもいろいろ拉致されて、暴力行為をいろんなところで受けたと。
もちろん帰ってこなかった人もいるでしょう。
そこを入り口に地方まで飛び火していった。
この緊急事態宣言というものを使いながら、ナチに対してちょっと反対意見を持っているような、連邦制でしょ、州の首長がいるところに入っていってそこで騒ぎを起こして、緊急事態宣言。
そこでどんどんどんどん制圧していって、ナチス一色にしていったというのが、過去あるよね。
日本の憲法に緊急事態条項が入っていないのは、そういう人たちが出てきたら困るから、っていう話なんです。
だからこそ、緊急事態条項がなかったとしても、クリアできるような細かい部分まで、精緻に作られているというのが日本国憲法なんです。
この憲法改正で緊急事態条項っていうことは、完全なペテンだと思っていただいて結構だと思います。
これをなんとかしなきゃならない。
もうなんでもありです。
安保も決まった。
特定秘密保護法もある。
とにかく欲しいものはもう全部揃った。
最後にこれが揃えば最高!みたいな話なんです。
どう考えるかはそれぞれの自由なんですけれども、
少なくても自民党の憲法改正案の98条99条には目を通していただきたい。
それ以外のところも見ていただきたい。
権力を縛るためのものが人々に従うように仕向けられているような内容になっている。
非常に怖いところですね。
綱渡りですね。
でも、絶望しか語っていないように思いますけれども、希望はあると思います。
先程言いました。
皆さんです。
この状況を変えられるのも皆さんです。
一人でも多くの方に、今の政治のあり方というものを、その人のストライクゾーンに向かって投げていただきたいんです。
原発、YPP、いろんなものがありますけど、イメージしないと難しいものは結構ハードルが高いと思うんですよね。
みんなが納税者で、みんなが労働者で、という部分があるわけだから、
税金の話、労働の話、奨学金の話、だったら耳を傾ける人がいると思うんです。
その人の扉を少し開いて、まずはその人が一番距離がなさそうな聞いてくれそうなところをチョイスして、次につなげて頂くっていうことを夏までに大きく広げていくことがいいんじゃないかな、って思います。
憲法改正草案 第98条 (緊急事態の宣言)
(緊急事態の宣言)
自民党改憲案第九十八条
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2
緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
3
内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。
また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
4
第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。
憲法改正草案 第99条 (緊急事態の宣言)
(緊急事態の宣言の効果)
自民党改憲案第九十九条
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
2
前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3
緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。
この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4
緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。
9条からではなく緊急事態条項から。

古屋・自民党本部長代理
「9条改憲の本音 言わず着手」
自民党の古屋圭司憲法改正推進本部長代理は30日、東京都内での会合で改憲に関し、大災害や他国からの武力攻撃の際、首相の権限を強化する緊急事態条項親切から着手したいとの意向を示した。
「本音は9条(改憲)だが、リスクも考えないといけない。緊急性が高く、国民の支持も得やすいのは緊急事態条項だ。本音を言わずにスタートしたい」と述べた。
各党賛同しやすい 緊急事態条項から
各党が賛同しやすい項目から改憲を目指す自民党方針をめぐり、野党などから「お試し改憲」だとする批判が出ていることについて「お試し改憲でいけないのか。問題ない。世界各国は時代の変遷に応じて改憲している」と反論した。
安全保障関連法の成立後、安倍晋三首相が記者会見で経済優先の姿勢を示したことに関し「改憲を放棄したとの見方は全く間違いだ。戦略的にどうしたらいいか考えている。首相とも話をしている」と説明した。
同時に「安倍内閣の時が最大のチャンスだ。絶対に失敗しない取り組みをしないといけない」と強調した。
<続・神社の政治的活動>魂を悪魔に売っってしまった神様(神社)は東京だけじゃなく全国だった。
憲法改憲支持を前面に出す神社
<詐欺会社 九州電力>騙して再稼働…川内原発 報道ステーション「等」の罠 大竹まことゴールデンラジオ「再稼働してから…」(文字起こし)
「テレビから政権批判が消えれば日本はもう民主主義国家ではない」古舘さん降板他メディアの危機
続きを読む
樋口健二さんとアーサービナードさんのトークをこのブログでは玉音放送とポツダム宣言のお話の部分を途中から書き出しました。
もっとちゃんとお話を聞きたいと思ったので、最初から文字起こしすることにしました。
ーーー
【樋口健二×アーサービナード】 コラボトーク講演会
2015年12月20日
https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=46s

アーサービナード:
僕らが原発で働く人たちと自分の、一人一人のつながりを理解していれば、こういう世の中にはならなかったというのは、樋口さんの作品を見れば誰でもわかるんですね。
右・左、保守・リベラル一切関係ないですよね。
自分たちが現場に立つ、あるいは現場に立つ人と同じ景色を見て同じ経験をすれば、誰もこの道を選ばないということですよね。
樋口健二:そうです。
アーサービナード:でも、僕はこの間薩摩川内に
樋口健二:行ってきたの?
アーサービナード:
行ってきた。
でも、薩摩川内の圧力釜の中には入れてもらえなかったけど、そうじゃなくて隣の、
建屋は外から見るしかなかったんだけど、隣のPR館っていうのに行ったんですよね。
そしたら可愛いキャラクターがいてね、それからいろんな新しい資料をもらってきたんですよね。
それによるとね、樋口さんとちょっと、薩摩川内の経営者の九州電力の原子力のイメージ、捉え方が違うんですよね。
樋口健二:全然違いますよ。
アーサービナード:
九電によると、もう安全になったらしいんですよ。大丈夫なんですよ。

「原子力だよりかごしま」
なぜかマヌケなひらがななんですよね、漢字が読めない人が書いたんだか。
表紙

「原子力だよりかごしま」をいただいてきたんですけどね、
事故が起きた場合どうするか、ということもすごく細かく書いていて、
多分樋口さんがイメージしているような対応。
例えば福島第一原子力発電所のメルトダウンの対応と画期的に違うんですよね。
みなさんちょっと、ローマ字に頭を切り替えて話を聞いて欲しいんですけど、
この可愛いパンフレットにはいろんなキャラクターとか市民も書いてあるんだけど、
Q&A方式で作ってあるんですね。
Q&Aでみなさんを安心させるっていうふうに作ってあるんですけど、
まず安心していい最初の理由は何か?っていうと、UPZがあるからなんですよ。
UPZというものを、30kmの輪っかを地図の上に書いて、それをUPZって言うんです。
しかし、UPZだけでは対応できないのでUPZの他にPAZっていうのを作ったんです。
PAZは5kmの輪っかなんですよね。
だからPAZがあってUPZがある。
それを区別するんですけど、どういう風に区別するか?っていうと、EALっていうことで区別して、緊急時活動レベルをEAL1、EAL2、EAL3というふうに分けて、それで対応するので大丈夫なんです。
で、このEAL1、2、3の他に、それだけでは全てに対応できるわけじゃないので、OILというものを設けてあります。
このOILは運用上の介入レベルですから、EALの緊急活動レベルとOILの運用上の介入レベルを組み合わせて、OILの場合は1、2、3、4、4、5、6まであります。
だから本当に細かく、その事態に合わせた対応ができるようになったので、みなさん、とりあえず安心していいみたいです。
P3~P4:鹿児島県の原子力災害対策について(2)

そういうことなんです。
これ作っているやつらだってわかっちゃいないんですよね。
なにがOILか。
これ鹿児島のじいちゃんばあちゃんが頭こんがらかって諦めるように作ってるとしか思えないでしょ?
「ここまで人をバカにできるんだ」っていう、九電らしい、って言えば九電らしいんだけど、これは別に九電に限らずみんなやってるんだもんね。
全部、これは鹿児島の一般市民向けの資料。
そして僕みたいに暇でPR館を見るような人に対して、
PAZとUPZ

要するにここに、可愛いキャラクターになっている建屋があるよね。
30kmがUPZで5kmがPAZ。
これを分けることによって安全性が高まるらしい。
こんな読めない文章ないでしょ。
PAZカッコ予防的防護措置を準備する区域。では、施設内の状況で防護措置が決まる
樋口健二:俺もわからん。
アーサービナード:
EAL緊急時活動レベル
これは地震や津波の発生、または原子炉冷却材の漏洩や電源喪失といった事態、事故など、緊急事態による初期対応の三つの判断基準。
それで、EAL1、EAL2、EAL3
だけど、結局これに、「要配慮者の避難準備」って書いてある
要配慮者、配慮が必要な市民のことを「要配慮者」
要介護じゃなくて、要配慮
こういうものを作る必要あるんですか?
みんな配慮が欲しいよね。
少し配慮して欲しいんだよ、みんな。
「僕は配慮はいりません」っていう人はいないよね。
だけどこのUPZって、ちょっと蒸し返すようなんだけど戻ると、
UPZ(緊急時予防措置を準備する区域)および30km以遠では、空間放射線量の値で該当地域や防護措置が決まる。
それをOILっていうんです。
わかりますか?OIL
OILは運用上の介入レベル。
放射性物質の環境放出後に適切な防護措置を行うための判断基準。
該当する地域では緊急時モニタリングによる空間放射線量の値に基づき、原子力災害対策本部、国と県で協議して決定されます。
樋口健二:なんだかわからん。
アーサービナード:樋口さんがわからないんじゃ誰もわからないね。
樋口健二:あのね、40年前と同じもの作ってんだよね。
アーサービナード:そう。
樋口健二:ほとんど。
アーサービナード:だけど40年前はこんなにローマ字多くないでしょ?
樋口健二:本質的には何も変わってないよ。
アーサービナード:
そうですね。
でも変わっているように見せるためにOILって言ったりEALって言ったり。
これがつまり、樋口さんの作品でいうと、
一流企業の優遇されている正社員がいるコントロールルームの世界。
コントロールルームしか見せないでしょ。
で、これ(原子力だよりかごしま)が市民に渡すコントロールルームと同じ性質のローマ字だらけの目くらましなんです。
だからこれを見るとなんか、ま、TPPに入るし、まぁNHKも見てるし、やっぱりEALとOILも必要だろうな。
これ言語的に非常に確率の低い現象なんです。
原子力に対応する、原子力のメルトダウンを含めて緊急事態に対応するために、必要な言語的表現がすべて、例外なく全部ローマ字の3文字で成り立つっていうのは、これは言語学的になりえないぐらい珍しい。
宝くじが当たるぐらいなんです。
なんでみんな3文字、未熟語、3文字未熟語になんで全部はまるか?っていうと、もう最初からこれをとにかく、何が何でも3文字にはめるっていう。
だからコントロールルームだって、その向こうがどんなにメチャクチャであっても、コントロールルームは、なんかこう、冷静で「すべてがちゃんと制御できてまーす」って、そういう演出ですよね。
樋口健二:ということだね。
アーサービナード:見事。
樋口健二:これ、30km、その先の子は一つも書いてありませんね。
アーサービナード:いやいや、UPZがそれなんですよ。あ、自分も間違えた。OILがそれなんだ。30km以遠、
樋口健二:
それはね、逃げるのはいいんだけれども、
30km圏内には相当の人が住んでてね、それで何か起きたらここに帰れないということは書いてないね。
アーサービナード:そうです。
樋口健二:こういうところがインチキなんだよね。
アーサービナード:そうです。
樋口健二:
本質的には皆さん、僕もね、かつて今から、ほら、73年ごろ。
電力会社に行けばパンフレットをこんなにくれるのよ。
デメリットは一つも書いていない。
それと同じなんだよね、これ(原子力だよりかごしま)。
見事ですね、この
アーサービナード:
でね、樋口さんの作品をずっと見ていくと、労働者がどういうことをさせられているか、どういう被曝をさせられているかっていうことが見えてくるんだけど、それがさっきのバスの写真を通じて、今度は地域の農民漁民、一般市民、そこにいる人たちの生活がいかに被曝の残酷なカラクリに吸い込まれていくんですよね。
でも、それが30km圏だったりするんですよね。
でも本当はそうじゃなくて、この日本という国の生活者はみんな、実は同じように触手が伸びて、僕らの毎日の消費行動も結局ここに吸い込まれているんですよね。
その延長線上に僕らが居るという。
つづくーー
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2016年1月16日、澤昭裕さんが膵臓癌で58歳で死去されました。
膵臓癌では6日前の1月10日にジャーナリストの竹田圭吾さんが膵臓がんのため51歳で死去されたばかりです。
ご冥福をお祈りいたします
エネルギー政策へ提言 澤昭裕さん死去
2016年1月17日 15時05分 NHK
エネルギー問題に詳しい論客として、原子力政策や地球温暖化対策などへの提言を続けてきた、「21世紀政策研究所」の澤昭裕さんが、16日、すい臓がんのため亡くなりました。58歳でした。
澤さんは大阪府出身で、一橋大学を卒業後、昭和56年に当時の通商産業省に入り、経済産業省や資源エネルギー庁で環境や資源の問題を担当する課長などを歴任しました。
その後、東京大学の教授を経て、平成19年からは経団連のシンクタンク「21世紀政策研究所」の研究主幹を務め、エネルギーの安定供給を重視した地球温暖化対策の必要性を論じ、原発事故が起きて以降は、安全性を確保したうえでの原発再稼働の必要性を指摘するなど、エネルギー政策への提言を続けてきました。
澤さんはインターネットでも提言を発信していて、今月4日には「私の提言-総集編-」と題し、これまでの活動や提言をまとめる形で自身のブログを更新していました。
澤さんは去年秋ごろから体調不良を訴え、その後、療養を続けていたということで、16日未明、すい臓がんのため、東京都内の病院で亡くなりました。
澤昭裕さん
<大飯原発再稼働差し止め判決>「新幹線の事故と原発の事故」澤昭裕氏・小出裕章氏5/29そもそも総研(内容書き出し)より一部抜粋
澤昭裕研究主幹 21世紀政策研究所:
裁判所のロジックというのは非常に乱暴で、
具体的な危険が少しでもあれば何をやってもダメだというロジックになってしまうので、
原発にとどまらず、全てのまァ、
非常に大きな複雑な技術を使った施設や設備というのは絶対認められないという事になってしまうので、
あまり汎用的に通じるロジックではないと思うんですね。
ナレーション:
判決では、「万が一にでも危険がある場合には原発を動かすべきではない」と指摘していますが、
澤氏はこの事に異を唱えています。
澤昭裕:
例えば新幹線なんかもそうですけれども、相当そのリスクは大きい訳で、
新幹線が線路の上を走っていますよね、
そうなった時にたとえば南海トラフ地震が起きたとしますよ。
そうする(地震が)起きている、たとえば5分間揺れが続くとすると、
その東海地方全部に新幹線がどこかで走っている訳ですから、相当そのリスクは大きい訳で、
玉川:脱線とか・・ああ
澤昭裕:
脱線とかね。
そうすると、その近隣の住民の、そのー、
たとえば家に落ちてくるという事も、可能性としてはもちろんあり得るわけですね。
例えば新幹線を止めてくれという差し止め請求が来た場合に、
この判決のロジックで言えばですね、「それについては確かにあるね」と。
新幹線のレールがある下の地盤、これについては非常に揺れるかもしれないと。
従って具体的に危険があるとみなしてですね、「新幹線は止める」というロジックになってしまう訳です。
2015年
1月21日 井本隆さんが65歳(元プロ野球選手)、
2月21日 坂東三津五郎さんが59歳に膵臓癌でお亡くなりになっている。
昭和天皇の玉音放送について「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び」私はこの部分しか知らなかった。
今までに玉音放送の中身全てを聞いたことも読んだこともなかったし、読んでみようと思ったこともなかったから。
「なぜ、昭和天皇やA級戦犯の正力松太郎などの人々の地位が守られたのか?」
アメリカ人のアーサーが玉音放送を読み解くと、その中ある答えがあった。
「おっ!日本人は知っておくべきだ」
と思ったので、以下その部分の文字起こしをしました。
ーーー
2015年12月20日
樋口健二氏&アーサービナード氏 コラボトーク講演会

文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=47m27s
アーサービナード:
原子力の利権のそもそもの出発点はどこか。
僕はずっとそれが気になってて。
というのは、僕が生まれ育った国は日本と違って本当に原子力を作った輩がいるんですよ。
アメリカは日本みたいにどこからか買ってきて英語のマニュアルを和訳して、そして福島で湯沸かしをしているっていうのと違うんですよ。
米国とロシアは自分たちで作ったんだから、だから本物のワルなんです。
日本はプチの可愛いペットみたいなやつで。
日本の原発業界は悪質だけど、小物ばっかり。
だけどアメリカは本当の大物がいるから。
彼らは原発労働者の前のマンハッタン計画の中で労働者を被ばくさせて殺し、実験に使って、被ばく。
放射能汚染をテネシー州で、ネバダ州で、ユタ州で、ニュウメキシコ、ワシントンのコロンビアタワーを殺して、もうすごいことを。
アメリカ国民に一切知らせないでマンハッタン計画の秘密の中でやったでしょ。
でも日本がいつ「原子力やるぞ」っていう一部の人たちがくっついて決めたかって。
樋口健二:
1957年ごろ。
かつて読売に正力松太郎というのがいて、
その正力松太郎はA級戦犯だったからアメリカから公職追放を食らった。
それでね、東京大学法学部を出ている男ですよ。
まだ50代ですよ。
自分はこのままじゃいけない。このままじゃ追放のままだ。アメリカにくっついたら何かできるだろう。
それが原子力なんです。
だからウエスティングハウスとGEの機械を持ち込んできたんだ、彼が。
それでこれだけじゃ入れられないから彼は衆議院議員になったんだよ。
それで科学技術庁の長官になりやがった。
それで東海村へ原子力研究所を作る。
だから原子力の父というのは正力松太郎なんだ。
その時にくっついてたのが、政治家の中曽根。
もう一人が読売の、ナベツネ。
これは20代の東大出のピンピンの記者がいて、これがみんなくっついてって、原子力をはじめてったんだよね。
言ってみれば読売の社主がアメリカの機械を持ち込んできた。
こういうことなんです。
アーサービナード:
正力松太郎って、日本語で考えると大物政治家とか読売で。
でもアメリカから見るとね、なんか違ってて。
うちでは正力松太郎じゃなくて正力ネギ太郎って言ってる(笑)
中曽根さんは中曽根康弘じゃなくて、中曽根康カモ。
それでネギ太郎と康カモでカモネギであの二人がやったんですよね。
樋口健二:これからは俺もそういう言葉でやろう(笑)
アーサービナード:
その歴史を僕もいろんなところで学ばせてもらったんですけど、
一つずっと気になっている、出発点というよりも、一つのなんか谷みたいな言葉がずーっと僕に刺さっていて、
その言葉が日本国民の耳に入ったのが1945年の8月15日正午からなんですよね。
昭和天皇が国民に対して幾つかの事を知らせたんですね。
それを玉音放送というふうに言われるんですけど、
録音したのはその前の日なんですよね。
そのなかで「朕(ちん)深く世界の体勢と帝国の現状とに鑑み(かんがみ)非常の措置を以て時局を収集せむと欲し茲(ここ)に忠良(ちゅうりょう)なる爾臣民(なんじしんみん)に告ぐ。朕は帝国政府をして米英支蘇四国(べいえいしそしこく)に対しその共同宣言を受諾する旨通告せしめたり」そこから始まったのね。
で、その後にいかに大東亜戦争が世紀の戦争であったかみたいな文言が続くんですよね。
ポツダム宣言違反の文言を盛り込みながらポツダム宣言の受諾を発表しているという不思議な文章なんです。
その後に、なんで戦争をやめて、なんでポツダム宣言を受諾するのか?っていう事を説明するんですね。
ちょとね、古い言葉なのでもしかしたら2回ぐらい読んだほうがいいかもしれないけど、こういう言葉なんですね。
「最善を尽くせるに拘わらず、戦局を必ずしも好転せず、世界の大勢亦(また)我に利あらず。加之(しかのみならず)敵は新に残虐なる爆弾を使用して頻に(しきりに)無辜(むく)を殺傷し惨害(さんがい)の及ぶ所(ところ)真(まこと)に測るべからざるに至る而も(しかも)尚交戦を継続せむか終に(ついに)我が民族の滅亡を招来するのみならず延て(ひいて)人類の文明をも破却すべし」
っていうのがあって、これをちょと読み解くとね、
なんで戦争を止めるか?っていうと、「敵は新たに残虐な爆弾を使ったから」なんです。
その「新たな残虐なる爆弾」は、広島のウラン弾と長崎のプルトニウム弾のことを言っているらしいんですよね。
具体的には何も言ってないんです。
だからプルトニウムも出てこないし、ウランも出てこない。
でも、この「新たな残虐なる爆弾」が使われて、たくさんの人が殺されて、
「慘害の及ぶところまことに測るべからざるに至る」もう測り知れない被害が出ているから、それでやめます。
で、もしも戦争をこれ以上続けたらどうなるか。
「なお交戦を継続せむか終に(ついに)我が民族の滅亡を招来するのみならず延て(ひいて)人類の文明をも破却すべし」というふうに書いているんですね。
これは日本政府の中枢にいる人が、もしもこれ以上戦争をやったら核兵器をさらに多く使われる。
核兵器をまた使われたら、「核の冬」というものが来て、「日本人の滅亡だけではなくて、人類の文明が全て破壊されるから、なのでここで戦争をやめます」とおっしゃるんですよね。
僕が知りたいのは、なんで千代田区1番地のところに「核の冬」の情報がきてるの?
なんでそれを知っているんですか?
こういう事を知っているのは、マンハッタン計画の極秘のプロジェクトの中枢にいる物理の専門家と、彼らの話を聞いている大統領や国務長官。
これ、書けない文章なんですよ、内部資料がなければ。
なんで「核の冬」がこの時点でおっしゃる事ができるんですか?
で、それが原子力に、僕のなかでは繋がっていくんですよ。
つまり、日本政府にとっても原爆投下は戦争を終わらせる口実になったんです。
口実として使えたんです。
しかも、国体が護持されて、一部の人を除いてはみんな再就職先が出来たんです。
正力さんも中曽根さんも、それだけじゃなくて、この玉音放送を読み上げたお方もみんなちゃんと地位が守られて再就職先があったんですよ。
その再就職先を得ることを可能にしたのは、実はこの「残虐なる爆弾」の利用なんですよ。
だから核の利用は実はここからPRとしてというか、逃げ道、口実、その使い方が実はここから始まっているんじゃないかと、僕は読んでるんですね。
だから僕らがこの原子力の問題を考えて市民として何か行動する時に、核開発。
原爆、核兵器、今の世界の核支配。
それと樋口さんがずーっと撮って、同じ目線で、同じ立ち位置で撮られた労働者。
これは全部、深〜いところで全部繋がっている。
だから、日本政府、日本の一流企業、電事連の皆さんが、
「下々の労働者を被曝させて殺しても平気」という、この彼らの心、彼らの心境は実はこういうところと繋がっていると思うんですよね。
樋口健二:
いい話でした。
僕知らなかったもの。
皆さんしてました?
僕は知らなかった。
ー拍手ー
「ポツダム宣言について僕はこう考えています」って安倍さんが言ったら安倍政権は潰されるんです。樋口健二×アーサービナード(文字起こし)
続きを読むに↓玉音放送の原文&現代語訳文
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なんで安倍総理はこういう言い回しで逃げたか?っていうと、
「ポツダム宣言を読んでます」で、「ポツダム宣言について僕はこう考えています」って安倍さんが言ったら、安倍政権は潰されるんです。
「受け入れられない」と言ったら米政府は安倍政権潰します。
「僕はポツダム宣言を100%受け入れます」って言ったら、自分の支持基盤、家系の右翼が全部破綻します。
だからどっちも言えないから、安倍さんは「わかんない」と逃げた
共産党の志位委員長は王手をかけていたということだったのだろうか…
「ポツダム宣言も読んでない総理大臣」という、安倍はただのおバカかと思っていたが、
「読んだ」とは言えない事情があったのだ。
「へぇ〜そうだったんだ」と納得しちゃう話なので、文字起こししました。
2015年12月20日
樋口健二氏&アーサービナード氏 コラボトーク講演会
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/YhZIRwFjtec?t=59m26s
アーサービナード:
5月に共産党の志位さんがとても鋭い質問を党首討論の時にしたんですよね。
安倍総理に対して「ポツダム宣言の認識はどうですか?」って。
あれはすごい、見事な質問ですよね。
樋口健二:面白かった。
アーサービナード:
面白かったね。
安倍総理はなんて言ったか?って、
樋口健二:「読んでません」って言ったんだよね(笑)
アーサービナード:
あのね、厳密に言うと、樋口さんちょっと大雑把でした。
「読んでません」って言ったらそれはまずいですね。
安倍さんが言ったのは、
「まぁ、このポツダム宣言を我々は受諾をし、そして敗戦となったわけでございます。
そして今、えー、わたしも、つまびらかに承知をしているわけではございませんが、ポツダム宣言の中にあった連合国側の理解、たとえば日本の、日本が世界征服をたくらんだ、えー、ということを、どうも、あのー、いまもね、紹介になられました、えー、わたしは、わたしもいま、えー、この部分を、つまびらかに読んでおりませんので、えー、承知は、承知はしておりませんから、え、いまここで、直ちに論評することは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、えー、ですね、いずれにせよ、えー、まさに先の大戦の痛切な反省によって今日の歩みが、あるわけでありました」
樋口健二:よく取ってきましたね。「読んでない」っていうところだけ聞いてた(笑)
アーサービナード:
「読んでない」んじゃなくて「つまびらかに」
これ、日本語、特殊な日本語の使い方。
樋口健二:僕が直訳するとね、「読んでない」と同じなんだ。

アーサービナード:
そう、心境的には正しいんですけど、
「つまびらかに読んでいないので、承知はしていない」
「承知はしていないので、直ちに論評することは差し控えたい」ですね。
だったらさ、6月に読んだ上でなんか言えよ。
だったらさ、志位さんは機会あるごとに、志位さんだけじゃなくて「読んだか?」「読んで来い」って、
毎日毎日誰かがこれをつきつけなきゃダメなんですよ。
だって8月に、つまびらかにポツダム宣言を読まずに70年談話を出しやがって。
つまびらかにポツダム宣言を読んでいない奴がどうやって70年談話を書くんですか?
だから、いまからでも遅くないから、皆さん聞いてくださいよ、安倍さんに。
つまびらかに読んだか?
じゃあどうなんだ?って。
で、なんで安倍総理はこういう言い回しで逃げたか?っていうと、
「ポツダム宣言を読んでます」で、「ポツダム宣言について僕はこう考えています」って安倍さんが言ったら、安倍政権は潰されるんです。
選択肢は二つあるんです。
「ポツダム宣言を読んだ」って言っちゃうと、あとは進む道は二つしかないんです。
一つは、「ポツダム宣言にはいろんな問題があって、歴史的事実と食い違っているところがあるので、そこは受け入れられない」
そう言ったら安倍さんの支持の基盤になっているはずの、右寄りの人たちは、もしかしたらね「ポツダム宣言は問題がある」って、ずっと右翼の伝統としてあるから喜ぶかもしれないけど、安倍総理がそんなことを言ったら、もうその日の日付が変わる前に総辞職ですよ。
ポツダム宣言に文句をつけるっていうことはもう政治生命終わり。
米政府は安倍政権潰します。
で、アメリカ国内でばーっと爆発します。
「ポツダム宣言を受け入れない?コノヤロー!70年経って何を言いやがるんだ」ってなって、安倍さんは政治を、総理大臣を辞めるんじゃなくて議員の生命が終わりなんです。
だから「ポツダム宣言に問題がある」なんていうことは口が裂けても言えないんです。
でも、じゃあ、「ポツダム宣言に何の問題もありません」「ポツダム宣言大好きです。僕はポツダム宣言を100%受け入れます」って言ったら、自分の支持基盤、自分の伝統、家系の右翼が全部破綻しますから。
だからどっちも言えないから、安倍さんは、
高校生と話をすると彼らもよく使うんです。
追い込まれるとね「わかんない」
で、安倍さんは「わかんない」
ちょっと違う「つまびらか」とかっていう言葉は使っているけれど、要するに「わかんない」
なんでポツダム宣言を利用するとこういうことがあぶり出されるかというと、
ポツダム宣言はすごい文章がいいんですよ。
みんな読むべきなんです。
なんでこれがまかり通るかというと、皆さんもポツダム宣言を読んでいないからなんです。
樋口健二:僕は読んでますから。
アーサービナード:
でも、訳がイマイチなんで、僕は今和訳を作ろうとしていて。
来年(2016年)はポツダム宣言をつまびらかに読むっていうのを。
で、ポツダム宣言の中に番号が振ってあって、すっごくまともなことが書いてあるんです。
6番が安倍さんと直接関わる部分なんですけど、6番にはなんて書いてあるか?というと、
6. There must be eliminated for all time the authority and influence of those who have deceived and misled the people of Japan into embarking on world conquest, 世界征服ってここなんですよね。
for we insist that a new order of peace, security and justice will be impossible until irresponsible militarism is driven from the world.
まだちょっと訳が、
樋口健二:訳して〜。
アーサービナード:日本国民をペテンにかけて、
樋口健二:(笑)
アーサービナード:いや、本当ですよ。
misled(間違った方向に導いた)とdeceived(人を〉だます,欺(あざむ)く)
ペテンって訳さないと伝わらないです。
日本国民をあざむいて世界征服のペテンにかけ、袋小路に導いてしまう指導者たち。彼らの支配力、権威、あらゆる影響力を社会から永久に追放しなければなりません。
これですよ。
だから、また権力を握ったり権威になったり支配力を持つということは絶対にありえないです。
ポツダム宣言受諾というのはそういうことを意味するのだから。
日本国民を欺いた指導者たちの支配力、権威、あらゆる影響力を社会から永久に追放しなければなりません。
無責任な軍国主義を根絶やしにしない限りは、正義と安全を基調とする世界の秩序は生まれないからだ。
っていうことなんです。
で、この「ポツダム宣言を受諾しました」って言いながらも、実は何も遂行していないわけです。
何も現実と噛み合わせていないんですよね。
なにもしてない。
それは、日本政府の生き残りっていうか日本の権力者、支配階級の生き残りの作戦だったんだけど、
このポツダム宣言に一番違反して、ポツダム宣言を反故にして、このポツダム宣言を作り上げたアメリカ国民を一番バカにしているのは米政府なんです。
樋口健二:てめぇの国ですか。
アーサービナード:
そうです。
ポツダム宣言に違反しているのは、もちろん日本政府もそうだけど、日本政府はポチの、属国の、米属機関でしょ。
樋口健二:そのとおり。
アーサービナード:
ポツダム宣言を実行に移す権限と力を持っていたのはアメリカ政府なんです。
GHQ(連合国最高司令官総司令部 General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied Powers)なんですから。
で、こういう文章を作って、アメリカ国民に大々的に発表して、「大日本帝國の悪い奴をみんなこれでやっつけます」「彼らは日本社会から摘出して、まともな日本に生まれ変われるように俺たちがするから任せてください」って言って、アメリカ国民を1945年の7月下旬に、そういうことを発表して、ある意味信頼を得たんです。
ところが結局、占領が始まると全然そういうことをしないで、ポツダム宣言を全部米政府が反故にした。
その蓋がまた開くと、米政府がヤバい。
だから彼らの無責任、彼らの恨み、アメリカ国民を裏切った米政府の問題があぶり出されるから、絶対取り上げちゃいけない。
樋口健二:共同通信というところがおそらく、「ポツダム宣言読みませんか」なんていう本を出しているはずなんだよね。
アーサービナード:
だろうね、出したほうがいいと思うよ。
僕がやると時間がかかるから。
樋口健二:でも、あなたのほうが明確な日本語になるじゃない。
アーサービナード:
本にする前に、インターネットにバーッとアップしてみんなで読みたい。
「ポツダム宣言をつまびらかに読む」ホームページを作りましょう。
樋口健二:本にしてよ。僕は本で読みたい。
アーサービナード:わかりました。
安倍総理の答弁2分過ぎから→https://youtu.be/XsKrST00fBg?t=2m9s
続きを読むに↓「ポツダム宣言」
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質問
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/HbYSys-u2jU?t=1h6m3s
愛媛新聞:
今回は愛媛県の地元合意のことなんですけど、
結局愛媛県と伊方町の合意をもって再稼動を容認したんですけれども、
これは従来と変わらない
広瀬隆:そうですよね。
愛媛新聞:その辺に関する意見を

広瀬隆:
もう、意見も何もないんですけど、要するに、県民の声を聞いてないじゃないですか。
ね、これはもうみなさんずっと経過を見ていてご存知の通り、
最初から、中村知事は県民って、要するに一般の県民の声を聞くことを一回もやってないですよ、彼は。
最初から条件の中に「県の同意」なんて言ってますけど、「県」というのは、いまおっしゃっているね、県議会とかね、県知事とかね、それから伊方町長だとか。
いや、はっきり言うと、言葉は悪いけどどうでもいい人たちがね、勝手に決めるわけでしょ。
こんなことでこの69.3%の人の命はどうなるんですか。
しかも、ロシアンルーレットをかけるような、命生活をかけるようなことをね、いまやろうとしているわけでしょ、目の前で。
そんなことをね、要するに県民が許してはいけないと思います。
それはもちろん
菅直人:ちょっと私からも。
広瀬隆:はい、どうぞ。
菅直人:
ちょっと聞きたいのはね、逆に、
30km圏と言うときに、伊方町と県以外のところで30km圏の自治体というのはどういうところがあるんですか?
愛媛新聞:八幡浜市とか、大洲市とか、山口県の上関町も入ってます。

菅直人:
で、その自治体の合意っていうのは無いわけですよね?
私は川内のときも同じことを言ったんですけど、実は国会でも質疑をしたんですけど、
30km圏と言うのは、原子力災害対策指針、
これは減災法に元づいて原子力規制委員会が出しているのが原子力災害対策指針なわけですよ。
その指針の中に、いわゆる30km圏と言う言葉が入っているわけですよ。
と言うことはですね、その30km圏の人たちに「避難計画を作るように」という義務付けをしているんです。
ということは義務付けされているということは、一生懸命作ろうと思ったけれど、とても安全というところまでできないということになったら、事実上拒否になるわけですよ。
その場合にどうなるんですか?ということを言ったときに、
実はその権限責任がはっきりしないんですよ。
一つだけ、実は私との東電の、あのときはヘッドのやりとりで、
川内原発の再稼動に関して九電を呼ぼうとしたんですよ。
そしたら自民党がOKしなくて、東電なら呼んでいいと。
つまり事故を起こしたから。
それでそのときに東電の立地対策の常務が出てきたんですよ。
それで私が詰めたんですよ。
つまり、30km圏の各自治体、つまり、県と立地自治体だけじゃなくて、各県の自治体が、さっき言った減災の原子力対策指針からすれば、30km圏の各自治体が了解しなければ条件が満たされたことにならないんじゃないですかと。
その前に、電力事業者はそれでも再稼動ができるんですか?と言ったら、
彼は、常務はですね、「それは条件が満たされない」ということを認めたんですよ。
私との議員のやりとりで。
広瀬隆:これは、東京新聞でしたっけ?
菅直人:どこかが書いていました。
広瀬隆:
東京新聞かなんかに大きくでたんです。
菅さんのそれは。
菅直人:
だから厳密に言うとですね、なぜ私が東電というか電力会社に聞いたかというと、
規制委員会に聞いたら、規制委員会は「私は避難のことについては最終的に判断しません」と言うんですよ。
それから国は「自治体が基本で私たちはそれを支援します」という言い方。
で、自治体は、立地自治体は一応法律には書いていないけれども、それが存在する自治体だから、
ここでいうと伊方町と県で。
かつ議会と首長と。
だから県議会と知事、町議会と町長。
川内もそこまではいっているわけですよ。
他のいちき串木野市とか、30km圏内の自治体でも了解がとれていないんですよ。
だからそこは、私は違法だと思っています。
当時も言いました。
つまり、その原子力災害対策指針というのは減災法に基づいて、30km圏というのは法律条項ではないけれど、
その指針の中に入っているんです。
広瀬隆:決めたんですよ、だって。ねぇ。
菅直人:
ですから、それを決めている。
つまり事実上の法律的には30km圏というのは決まっているんですね。
その決まっているところの了解を取らないで、電力会社がやったというのは、少なくとも東電の立地対策常務は「それは条件が満たされていない」
つまり条件が満たされていないのに九電はやったということだから、もしここでやったら四国もやったということだから、これはまたどこかの段階で訴えるべきだと思っているんです。
まだちょっと弁護士さんとそこまで詰めていませんけれども、
少なくてもその論理は、私の単に個人的意見というんじゃなくて、そういう国会でのやりとりの中でそういうのがあるということです。
広瀬隆:
だから、規制委員会が完全におかしいんですよ。
30km圏に「考えろ」って言っておいて、自分たちはやらないんですから、なにも。
こんな馬鹿な委員会ってないでしょ?
菅直人:まだ他にありますか?質問は。
愛媛新聞:
是非お聞きしたいのは、中村時広愛媛県知事が安倍首相の「事故の最終責任というのを取ります」という言質を取ることに非常にこだわりまして、それを非常に判断材料の一つの重きを置いたわけなんですけど、国の責任って一体なんなんだ?っていう、
菅直人:
ですからね、これもそうなんです。
つまり、他の自治体もさっき言った避難計画についてですね、一応その、ハードの面はやる、新規性基準、これも色々あるにしても新規制基準を専門家の集団である規制委員会が審査するということで、一応ルールが、ま、十分であるかどうかは別としてあるわけですよ。
ただその避難の問題ははっきりしないんで、大体の県知事とかがですね「国がちゃんと責任持ってくれ」っていうんですよ。
ただ、責任を持つという意味は、政治的な意味だけの責任なのか、法律的に決まっているのかですね。
例えば減災法によると、避難は、原子力災害対策本部がやるんですよ。
逆に言うと、電力会社はやらないですからね。
だから電力会社は、福島原発があっても職員のことは考えるけれど、周りの人が逃げることは、考えないというか、法律的には考える立場にないというのがアレであって。
だからそういう意味で言うとですね、知事が中村時広知事が「政府が責任を持ってくれるのか」っていうのは、あくまでそれは言葉の問題だけで、法律的に政府がそこまで責任を持つとどこにも書いてないんですよ。
広瀬隆:書いてないですよそんなこと。
菅直人:どこにも。
広瀬隆:何も考えてないです。
菅直人:
それで詰めが何回も詰めた。
結局のところね、内閣府に原子力本部という、内閣府というのはいろんな会議があるわけです。
その会議の議長が総理で、その会議が避難の問題も色々と按配するから、みたいな話で、
結局権限として、例えば閣議決定なら閣議決定で、本当に知事が国が責任を持つなら、閣議決定で、こういう場合はこうしますという閣議決定すれば、それは一応内閣の責任です。
だから言葉の中の責任というのはね、ほとんど何を意味しているかが不明で意味を持たないっていうのがこれが現実です。
広瀬隆:
そうだからやっぱり一番、
我々は、ま、そこまではね。
やりとりの問題じゃなくて、現実論から考えますけど、
もう結論は出ていて、誰も責任は取れないんですよ、事故の。
これはもう、
菅直人:
それからね、もう一つ、ちょっと今日言う機会がなかったので最後に。
たしかヤツコさんに一回来てもらいましたよね、こちらにね。
八幡浜でやった時にですね、福島事故当時のアメリカのNRCの委員長だったヤツコさん(グレゴリー・ヤツコ前米国原子力規制委員会(NRC)委員長)。
私は彼が言うですね、考え方が非常に、ま、感銘を受けたというかですけど。
どういうことを言ったかというとですね、ヤツコさんはもともともちろん原子力の専門家ですが、しかし福島原発事故の後に福島に来て何をやったかというと、多くの被災者たちと会っているわけですよ。
だからどちらかというと、ハードの面のあれがこうだこうだというよりも、被害を受けた人と話をずーっとしてるんですね。
それで彼が出した彼の結論ですよ。
そういう八幡浜の会合でもアメリカのシンポジウムからずーっと言ってましたけど、
「原発事故がいつどこで起きるかはわからないけれども、いつか必ずどこかで起きる」と。
「必ずいつかどこかで起きる」と。
「だから、起きるか起きないかを議論するのではなくて、起きた時にどういう被害が出るかを議論するべきだ」
そして、彼の結論は、
「大勢の人が逃げなきゃいけないようなところに原発を設置すべきでない」と。
私は全くその通りだと思う。
ということは、日本には置けるところが無いんですよ。
広瀬隆:無いんです。
菅直人:
アメリカでさえですね、そりゃ、砂漠の真ん中に1基ぐらいおいても大丈夫なところがあるかもしれないけれど、
現実にある場所というのは、ロサンゼルスの近くにあったり、ワシントンの近くにあったり、ハドソン川のほとりにあったりするわけで、つまりアメリカでさえその原則、安岡さんの言う、起きた時に大勢の人が逃げなきゃないけないところに原発を置くべきではないという、この原則が一番私はなんというか正しいというか、また国民が一番納得できると思いますね。
それをちょっと追加しておきます。
広瀬隆:はい、以上です。
おわり
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2015年 11月 1日 菅元首相&広瀬隆氏 対談

文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/HbYSys-u2jU?t=33m11s
広瀬隆:
伊方のこと。
テーマを大きく変えますけど、
伊方の今回までの流れについて、先にちょっとわたしの意見を言わせていただきますとね、
これが、ちょっと写していただきます?

これが10月9日に県議会が再稼動を容認した時の翌日の愛媛新聞の1面トップなんですね。
で、この社説がいいんです。

これが、文字が小さいので中身だけちょっとピックアップしたのをいいますと、

要するに、愛媛県議会の審議には、参考人として原子力規制庁・経済産業省・四国電力しか呼んでいないって。
こんなの全然意味がないじゃないかとね。
それからもう一つ県民、これが大事なんですけど、県民世論でね、2月3月にかけて愛媛新聞がアンケート調査をしたら、県民ですよ。69.3%が再稼動に反対しているんだ。
なんでこんなことが起こるんだと。
それから3番目が今度の中村時広知事が同意した原因に関わることで、
安倍晋三が「大事故が起これば責任をもって対処する」と語ったけどフクシマ原発事故の被害者に対して何にもやってないじゃないかと。
今日もね、集会で皆さんが言ってたけど、それを「評価する」と中村時広知事が言ったんです。
そんなことは信じられないということを言ってて、
それからもちろん避難の問題。
佐田岬半島はこんなノコギリみたいな形になっていて、その首根っこに原発があるわけですから、先にいる人は絶対に逃げられない。
そういうことを考えましても絶対に不可能なことを、いいですか、ここ。
「具体的かつ合理的」と判断する政府って、信用できるのか?あたりまえですよ。
それからもう一つは愛媛県民の皆さんが求めている公開討論会、これも鹿児島と同じですけれども、公開討論会は行わない。
こんなことで一体大丈夫なのか?許されないということをハッキリ書いてくれたんですね。
だからわたしはこの記事を見た時、これは勝てると思ったんです。
要するに、県民がね7割というのは、わたしが知っている限りでもおそらく愛媛県政始まって以来ぐらいじゃないですか。
というような再稼動を認めないような人たちが。
今まではもっと少なかったですよ、わたしの記憶では。
それがここまで来ているというのは、本当にみなさんがなさってきた運動がここまで実っているんだなというのを強く感じましたね。
だから、その先ちょっといいですか。
菅直人:はい。
広瀬隆:わたしは絶対止めたいんですよ。
菅直人:はい。
広瀬隆:
さっきもあそこのステージの上で言いましたけど、わたしはね、これは止めたいのでみなさんインターネットでご覧になっている方にね、お伝えしたいことがあるんですけど。

これが、ちょと前なんですけど2012年ね。
これは菅さんじゃない時代だ。

菅直人:もちろん、11年の9月に辞めてますから。
広瀬隆:
だけど、朝日新聞が面白い記事を出したんですよ。
「電力の利益、家庭から7割」
要するに消費量は家庭から4割ぐらいですよね、平均すると。
だけど、そこから電力会社は7割の利益を得ている。
つまり、6割の大企業には安くして、家庭からぼっているわけですよね。
そういう構造であると。
それが面白いことに各社、北電から東北電力ね、みんな1社ずつ全部書いてあるんですが、
特に驚くべきは東京。我々の首都圏ね。
91%!
91%を東電は家庭から得ている。
これでたまげましたけど。
ここの四国で言いますと、54%になっているんです。
菅直人:54ですね。
広瀬隆:54%が家庭から得ている利益。
菅直人:東京が91になっていますね。
広瀬隆:91でしょ!たまげるでしょ!!
菅直人:ええ。
広瀬隆:
これはま、産業構造もあるんでしょうけど、
ということは、もう一つの記事をいいますとね、これは今年の3月10日に東京新聞に出たんですけど、
中身はこういうことなんです。
来年の4月1日に電力自由化。
今度自由化、さっき言った4割の家庭の電気を我々が家庭で選べるようになるんです。
菅直人:そうですね。
広瀬隆:
菅さんでもね、この四国の人全員が選べるようになるわけです。
それを、東京だけじゃないんですよ。
博報堂が実施した全国調査、だから全国平均の数字なんで。
で、今度我々は原発をやる電力会社から買いたくないんですよ。
その人たちが何%ぐらいいるか?と。
要するに新電力にいわゆる電気事業社から新しい発電PPSですね。
つまり、電気を生産してなおかつ売れる企業に切り替えたい人は何人ぐらいいるか?それが64%だったんですよ。
でね、だから四国ですと54%に64%かけるとね、これ、皆さん電卓持っているといいんですけど、
35%になるんです。
だけれど、さっきの県民の調査で愛媛県で69.3%でしょ。
この人たちは絶対に買わないと思うんですよ。
四国電力から新電力に。
で、その先を言っておきますと、じゃあ新電力っていうのはどんなのがあるか?というと、
今わたしも、ここに来る前にちょっと調べてみたんで、
四国電力エリアの新電力事業者PPSって書いてある。

これを出すと一番トップにエネットって出てくるんです。
これは、わたしが最も信頼している電力。
つまり、東京ガスと大阪ガス、大ガスはここ四国は繋がっていますから、ケーブルでね。
あとNTTファシリティーズ、この3社が出しているPPSで最大企業です。
ほとんど、半分以上やっているところです。
あとはね、パナソニックはね、これは大阪が本社ですけど、もう本当にエネルギーの本部で。
それから、新出光もありますけど、出光興産の系列のはずです。
新出光だから。
わたしはこの3社とも15年前にエネルギー産業で取材したことがあって、信頼できるんです。
本当に真剣に環境問題を考えている人たちで。
ただこの中の15社が今申請している中に1社ちょっとみなさんに切り替えて欲しくない会社。
エネックス。
これは日立東芝系なので、出資者が。
だから原子力メーカーですから。
こういう怪しいのも入っているので、そこには切り替えないでほしい。
だけれど、わたしはとにかくエネットかパナソニックか、新出光だったらみなさんどんどん切り替えて欲しい。
そしてその切り替えをどんどんやっていけばね、さっき言った数字がもっと大きくなります。
つまり54%に例えば69.3%をかけると37%を超えるぐらいで。
だからだいたい4割の利益が吹っ飛ぶんですよ。
そうなると菅さん、どうなると思います?四電の経営は。

菅直人:ん…
広瀬隆:菅さんが四電の佐伯社長だとしたら、どうすると思います?
菅直人:
ま、ちょっとその前にですね、もちろん自由化になるということはわたしも知っていて、経産からレクチャーを受けているんですけど、そこでのだいぶやり取りは実はどの会社がどういう電力かということを表示できるかできないかというのをだいぶ経産は押さえ込もうとしていたんですが、
広瀬隆:そうですね。
菅直人:
それはかなり、民主党というか、ま、反発して、
ドイツと同じように、いわば食べ物で言えば出所表示なんだから、認めるべきだというのをだいぶ押し合いしています。
ただそのあとですね、わたしも今広瀬さんがおっしゃるようにどんどん変わって、そちらにどんどんシフトしていけばいいと思っているんですが、それが容量的に、エネットならエネットにシフトした時に供給する、供給側の能力と同時に、それを送電線に受け入れる、それを既存の9電力がOKするかどうか?
つまりご存知のようにまだ発送電分離ができていませんから。
だからそこが、本当に発送電分離ができない状況で3割4割切り替えということになった時に、どうなるのかですね。
ちょっとそこはまだわたしも、
広瀬隆:
それもね、わたしも迷いましてね。
で、ある議員さんの事務所に知り合いの を呼んだんですよ。
レクチャーするということでね。
それでどうなったかというと、ま、最大の問題になったところはそこですよ。
発送電分離ですよ。
そのあと見ていたら、発送電分離を先送りしていますよね。
だから、結果を見ていると発送電分離の送電部門は電力の子会社の形態にしていくというパターンになっているんです。
だけれど、だけれど我々が選択して切り替える。
だけど少なくてもこの今までの経過を見ていると、電力会社は四電もふくめて九州電力・関西電力ね。
特に再稼動に向かっている電力会社はみんな値上げがすごいんですよ。
値上げ幅が。
それで、企業が今電力会社離れをどんどん進めているんです。
で、エネットやなんかは単に自分の施設、発電施設だけじゃなくていろんなエリアの物を買う能力もすごく高い。
だからね、わたしは少なくとも四国電力の範囲だとできると思っています。
能力的に。
で、いろんな、実を言うと一般紙には出てこない新電力のそういうのを、このエネットはかなりコントロールできる。
つまり買い取ってですね、それを自分の資本として売ることができる。
で、かなり下げられます。
電力会社がこれだけ値上げしてきましたから。
だからわたしはこれから、特に四国、愛媛県だけの問題じゃないですよね。
四国電力を相手にして、この伊方を止めさせるのに。
原理的には愛媛県、それから香川県ね、徳島県、高知県、この4県の住民の人たちが、
ま、本当におそらく7割近いと思う、反対はね。
だからそういう形で進んでいくと、最終的にともかく大幅な減損が起こると思います。
減損というか、損失がパッと増えると思うんですね。
四電の利益、つまり収益そのものが、

菅直人:
ですからわたしも基本的にはですね、かつてドイツでやっぱりそういう選んでいくと。
場合によったらある地域では女性を中心にして、送電網まで買い取るという形で変わっていったんですけど、
わたしも非常に注意深くは見ているつもりなんですが、一方で、例の九州電力がですね、太陽光はこれ以上増設をしないとか、そういう送電網を今九州電力が握っている中で、今おっしゃったようなことが、どこまで進めることができるのかがですね、ちょっとまだわたし自身が、経産の話を聞いていても、そこがちょっとハッキリしないんですね。
ですからそうなることは非常にいいと思います。
もうちょっと一般論で言えば、今日少し集会でもしゃべりましたけど、
逆にいうと四国はまだ伊方以外にありませんから、逆にいうと原発依存率は、今も止まっているからゼロですけれども、そういう意味ではもう、逆に伊方を動かさなくて、そうすると原発依存はゼロのままで、それで再エネにどんどんシフトしていくというのが、本来は、わたしが四国の電力の経営者だったらそうしますね。
広瀬隆:そりゃそうですよ。
菅直人:
そしたら、逆にいうと、他の人が
「もう伊方はやめて四国はどんどん再エネにシフトします」と言ったら、逆に全国から。
広瀬隆:
それは理想論ですよ。
それはそれでいいんですけど、長期的に見て。
だけど今はとにかく動かしかねない状態まできているわけですから、こうやってね。
だからやっぱりこれを止めないといけないんで、
だからそれにはここで、一般市民が追い詰められるわけですよ、四電の経営を。
それを今の佐伯社長に世論として見せていくわけです。
そうするとね、四電は仮に4割ぐらいの利益というか、収益が減っちゃう。
要するにユーザーがなくなっちゃう。
そしたら彼らは経営上、わたしだったら真っ青になります。
だから、いいですか。
そういう結果に移った時には、四電は打つ手はたった一つ。
電気料金の値上げしかないんですよ、もう一回。
それをやらざるを得ない。
それで今までやってきているんですよ、関電だってみんな。
同じことをやって、九電だって北電だってね、北海道も。
要するに追い詰められると電気料金の値上げをしてきているんです。
だからそれで何が起こっているかというと、九電ばなれ、北海道でも北電ばなれ、関電ばなれすごいですから。
だから結局わたしは、彼らはこのまま行けば自分で墓穴を掘ると思っている。
四電も同じ道を歩んでいる。
そうすると、この残りの「再稼動したほうがいいんじゃないか」みたいなね、本心でどう思っているか知らないけど、
まだ3割ぐらいの人がね、考えを保留して、「まあ再稼動認めちゃおう」というような人たちも、おそらくその人たちは企業の関係の人たちが多いと思うんですけど、その人たちも再値上げになったら、またどーっと四電離れを起こすと思います。
わたしはそこに持っていけるのが、今のチャンスだろうと思っているんですよ。
どうですか。
菅直人:
いや、だからそこはもう、広瀬さんが非常によく調べられて、そういう形に持っていけば四電の利益の大半が、半分がなくなるという、まさにそれは追い込めば四電としてですね、逆にもう再稼動をやめるのかどうするのかですね、そこに追い込まれるというのは、あの、おっしゃる意味はわかります。
ただわたしがさっき言ったのは全体の仕組みの中で、そういう風に確実に進むかどうかというのはちょっと、わたしが検証できていないという意味でですね。
つまり、今おっしゃったように同じことが他の電力会社でも起こる可能性があるわけですよね。
広瀬隆:
起こします。
そりゃわれわれが
菅直人:
ということは、いまの9電力以外から供給しなければいけない。
わたしはそれを再生可能でやるべきだと思うんですが、
送電網はまだ9電力が持っているという、ここがですね、乗り越えて、その制約を乗り越えて、電力需要者である国民が選択すればそれで全部受け取ることができるか、そこがちょっとまだわたしに、まだ検証ができていないという意味です。

広瀬隆:
はい、わたしが、
だから皆さんがね、菅さんもそうなんですけれど、自然エネルギーに移行していこうというのは、それはわたしは決して否定するわけじゃない。
ただ、その時に大抵ドイツを引き合いに出して考えられるでしょ。
でもわたしはドイツ取材を1993年からずっと全土を調べてきて、あの時のドイツと今の日本を比べてみると違う事があるんですよ。
それは何か?というと、あの時はベルリンの壁崩壊の直後だったんですよ。
まだ東ドイツも旅ができないくらい危険な状態な、そういう状態だったんですけど、
あの時にドイツの国境線がなくなったわけですよね。
あれがね、大事件だったんです。
それは、何かというと、そこにずーっと、不思議なことですけど、みんな高レベル、低レベル、中レベルの廃棄物の処分場が、東ドイツも西ドイツもお互いに国境線にずーっと並べてたんです。
つまり、自分たちの一番遠いところ。
それがスポッと抜けた途端にその人たちは富豪の土地だったんですよ、ドイツの。
要するに別荘地だったの。
それでみんな怒り出したんですよね。
つまり、金持ちたちが怒り出したんです。
それが産業界を変え始めたんです。
だからドイツは市民運動だけが変えてきたんじゃないんです、反原発という。
あれは電力会社が原発をやめるということを言い出したんです。
わたしは驚いたんですけど。
だから今とちょっと違う。
日本の場合は廃棄物の処分場が一番遠くね、青森・北海道、あるいは南大隅町ね、鹿児島。あるいは対馬。
一番端っこにありますから、そういう条件が今ないんですよ。
だから今の日本と条件がちょっと変わっているんですよね。
しかもあれから20何年経って、今まだ8基原発が動いているんですね、ドイツ。
菅直人:ドイツですね、はい。
広瀬隆:で、今日本は2基なんですよ。
菅直人:そうです。
広瀬隆:こっちのが少ないでしょ。
菅直人:もちろんそうです。
広瀬隆:
それから、地形も違うんですよ。
本当に真っ平らですよ、ドイツって。
菅直人:ドイツはね。
広瀬隆:
本当に、自動車で走ると驚くぐらいに真っ平らで。
日本は全部坂だから。
だから自然エネルギーといっても簡単にドイツを真似できない。
むしろシェーナウみたいなね、ドイツの一番南、スイス国境の。
ああいうところは日本に非常に近いんです。
だからそこで自然エネルギーをやっているシェーナウは送電線とか民間の素晴らしい。
あそこは我々のモデルになるだろうと。
山、山岳地帯。
で、やっぱり調べてみるとほとんど水力とソーラーはやっていますけどね。
だから、わたしが考えている自然エネルギーの理想に近いなと思います。
だから今はドイツのパターンを全部置き換えてね、行くより、とにかく地震国ですから。
菅さんだって。
もう時間がないですよ。
だって、万が一なんていう言葉じゃなくて、わたしは本当に大地震はまた近いと思っています。
菅直人:
再生可能エネルギーについてはですね、ちょっとわたしも、この間はだいぶ見てきたんです。
だから、若干もしかしたら、広瀬さんと見方が違うかもしれませんが、
狭いところでうまくいっているのはデンマークですよね。
デンマークも何年か前には原発を入れるかどうか大議論をやって、それから原発をやめると決めて、
そうすると、ま、風力が多いですが、相当と沢山のものができていると。
それからスペインが、あそこは発送電分離ができて、送電会社は1社なんですね。
それで全国が、太陽光、風力、バイオマスがあって、あそこの天気予報を正確にとって、どの地域が当たらないと。
だったらこの発電でと外から。
いま40%ぐらいまでいっているんです。
で、いまの、わたしが見る技術はですね、
従来はそれこそ日本で言えば9社が電力供給している。
何百万あるいは何千万という需要者がそれを受けると。
そういうシステムが、再エネというのは電力供給者も、少なくとも数万とか数十万で、それを数百万、数千万が受けると。
で、これが、かつての電力業界は難しいんだと、そんなのできないと。
わたしは勝俣さん(3.11時の東京電力の会長)と以前議論したことがありますけど、
しかしいまはコンピューター技術とか、いろんな予測技術で十分可能なんです。
ですから、不安定になるということは基本的に無いですね。
ですからそういう意味では、技術的にちゃんと再エネが発電量があるならば、それをマッチングさせることはそんなに難しく無いというのが基本的認識です。
それで、ドイツの例が、日本といろんな自然状況が違います。
そこはどちらかというと、南に工業地帯があって、原発があって、それを北の風力でまかなうのに送電網をどうするかと、このあいだ行った時も言っていました。
ただ、地下にケーブルを埋設するということで、話し合いがつきつつあるとは言っていましたが、
そういういろんな国の違いはありますけど、
わたしは基本的には再エネでエネルギーを供給することは相当のレベルで進むだろうし、
もっとちょっと大げさなことを言うと、大げさというか、断定的にいうとですね、
今世紀の終わりには、原発は無くなっている。
それから、化石燃料の使用もなくなる。

広瀬隆:いや、それはわかっているんです。
菅直人:それで、ですね、
広瀬隆:今世紀の終わりまでわたし生きていないから。
菅直人:
もちろんもっと早いほうがいいんです。わたしも今世紀の終わりまで生きていませんから。
で、あえて言いたいことをもうちょっと言わせていただくと、
再エネが持っている意味というのは、クリーンということと同時に、各国があえて言えば各地域が自給できるということなんですよね。
ということは、日本からホルムズ海峡まで石油を買いに行かなくたっていいし、
それから日本と中国が、海底の天然ガスを巡ってガチャガチャやらなくても、
自分の国の中で自分のエネルギーをまかなえる。
あるいは地域の中でまかなえるということはですね、国際紛争の一番大きな種も無くすることができる。
だからそういう二重の意味を含めてですね、再エネにしようとすると、
それは技術的には大きいレベルで見えてきているというのがわたしの認識です。
広瀬隆:
それは全く否定しません。
だけどそれはね、長い時間をかけていけることです。
だけど我々がいま切迫している問題はそれじゃない。
つまり、地震と火山の脅威なんです。
津波の脅威なんです。
で、これはドイツやなんかに無いことなんです。
だから、わたしが見てきたこの20数年のドイツの変化というのは、よくやったなと思いますよ。
だからわたしもドイツに、2年前に全土回ってきましたけど、
菅直人:もちろんわたしもですね、日本について言えば、もう再稼動は一切しないで
広瀬隆:
だから、だけど今、電力会社がやろうとしているから、我々は止めなきゃいけないでしょ。
これは今はね、当面石油と、石油はほとんど今は使ってないです。
ガスと石炭でね。
当面止めちゃうと。
止めちゃって、今こうやって電気を使って、こうやってね、全部電気ですから。
だから要するに、我々が今どうしてこうやって原発ゼロで大丈夫か、っていうと、
それはガスと石炭なんですよ。
ほとんどが。
菅直人:今は、ですよね。

広瀬隆:
今です。
だから、この今の状態を少なくとも何年か続けて、そして同時に菅さんの言うね。
それはわたしは否定しているんじゃないんですよ、自然エネルギー、再生エネルギー。

菅直人:
もう、それはもう社会説法で恐縮なんですけど、
この事故があった後大体日本でエネルギー量というか、電力需給量が10%ぐらい下がりましたよね。
それから今、建物の断熱材とか、いろんなことが動き出していますから、
よく、前の東大の学長の小宮山さんが言ってたのは20世紀というのはGDP(国内総生産)が伸びるのにつれて、エネルギー使用量が伸びるのが一般的だったと。
そして、彼が言うのは、彼が言うのは「21世紀はGDPが伸びても、実はエネルギー使用量は減っていくんだ」と。
その一番典型的な例がこのLED電球とかですね。
いま言った快適な住宅をエネルギーをあんまり使わないで生み出すとか。
わたしはそちらに、まだ遅いけれども日本も向きつつあるし、世界は基本的にそちらに向いていると思うんです。
エイモリー・ロビンスさんをご存知だと思いますけど、やはりそういう考え方が、アメリカの中でも強くなっています。
ですから時間がかかるのは確かに。
それは1年や2年では無理ですが、10年ぐらいの長さで見れば、いまの原発がこれまでですね、生み出していた電力は、あるいは省エネプラス再エネで充分カバーできるし。
広瀬隆:
そうですよ、だから一番はね、要するに再エネで一番の欠点は変動ですからね、発電の。
それはね、何でカバーできるか。
一番簡単なのは揚水発電なんですよ。
揚水発電という余計なものを原発用に作りましたからね。
これはね、すごい出力があるんです。
だから、要するにまずそれもあるんです。
菅直人:
それに、これも社会説法ですけど、今年は夏が暑かったけれども、九州電力は確かピークの時の12%ぐらいを太陽光で賄っています。
広瀬隆:そうですよ。
菅直人:だから逆に言うと、変動が激しいといっても、太陽光は夜はゼロだけど、
広瀬隆:ピークの時には発電しますよね。
菅直人:
ええ、発電量が多いので、そういうマッチングの技術は大きい意味でもかなり細かい意味でも可能ですから、わたしはそちらの方に政策の方針を明確にシフトすれば、まぁ10年ぐらいの展望で、ほぼ、少なくても原発が従来の賄っていたものは、充分まかなえるし、さらに先に行けば、化石燃料も減りますと、そう思っていますけどね。
広瀬隆:
問題は、でも、いいですか。でも問題はそれでも動かそうと言っているわけですからね、四電も。
九州電力はとうとう動かしちゃったんですから。
菅直人:そこはもう完全なですね、
広瀬隆:
だけど菅さんがいま総理大臣で止める権利を持っていればいいんだけど、いま、そういう、正反対の人間が総理大臣をやっているわけですから。
これはね、冗談じゃないんですよ。
我々国民としてね、一般。
だって、川内原発にしろ伊方原発にしろ、事故があったら全部放射能で、陸も海も全滅ですからね、今度は。
だから、
菅直人:
いやそこはまったく思いは同じなんです。
だからまさにそれをですね、どう変えていけるか?というのは、
ま、わたしなんかが一番、逆に言うと責任を感じているんです。
どういう意味か?というと、裁判ではかなり前向きな判決が出たり、これだけ多くの人が運動を起こし、
まさに世論調査でも7割の人が脱原発にいきながら、
残念ながら国会がその国民の声を反映できていない。
あるいはそういう選挙の結果をですね、いまの、ま、民主党を含めて政党が満たしてない。
それはまさに当事者中の当事者の一人として、非常に責任を感じているんです。
ですからそこをもちろんどうするかというですね、
いま言われている参議院で言えば、一人区では野党はまとまってやっているとか、
広瀬隆:そう!
菅直人:
そういうことはわたしもぜひやるべきだと思うんですよ。
そういう政治的な力の結集をどうするか。
それともう一つが、先ほど言われた経済 ぞうをいい意味で使って、
原発がより高いと。
これは専門家の中では常識みたいなものですよね。
結局は税金とか未来にツケを残すことによって、安い安いと言っているだけですから。
そこが非常に明らかにだんだんなりつつありますから、
まさに広瀬さんのようなパイオニアから始まって、今日非常にひどくなっていますから、
その力をどう結集するかが、まぁ、もちろんずっとやられている広瀬さんに言うのはあれですけど、
まさにいまの状況かなと思っています。

広瀬隆:
えー、ということでよろしいでしょうか。
はい、どうも。
つづくー
中村時広愛媛県知事

山下和彦伊方町長

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菅直人:
ある時期からかなり意図的な部分が起きました。
それが先ほど広瀬さんが言われた、実は浜岡原発を経産大臣と私で止めてくれと言った、5月6日です。
その後から非常に動きが、今考えてみると強まったんです。
ちょっと順を追って言うとですね、
浜岡原発を止めるというのはですね、実は経産大臣が特に私に言わないで、5月2日に現地に視察に行ったんです。
広瀬隆:そうですね。
菅直人:
帰ってきて翌日に私のところに来て、それで「止めた方がいい」と。
私も個人的には止めた方がいいと思ってたので、
担当大臣が言ってくれたので、ある意味では渡りに船で、「じゃあそうしましょう」と、止める様相をしたんですが。
お膳立ては、実は経産の事務方が一つのシナリオを書いていたというのが後でわかるんです。
広瀬隆:えっ!それは知らなかったです。

菅直人:
証拠が100%あるわけじゃないんですけど、ほぼ分かる。
どういうシナリオか?というと、
浜岡はやはり南海トラフの一番の震源地ということがみんなね、心配していると。
だから、ここは、ある意味で止めようと。
つまり経産大臣に手柄をさせようと。
しかしこれはあくまで、一番地震で危険なところだから止めるので、「他は大丈夫です」と。
これは止めるけど他は大丈夫ですというのを、浜岡を止める時の記者会見のごがんに、経産大臣用のごがんには入ってたんです。
ただ、私が「記者会見は自分でやるから」と言って、結果的に経産大臣じゃなくて私がやったものですから、私はそういうのは初めから言うつもりはなかったからですね、止める理由しか言わなかったんですね。
速報!!浜岡原発全て停止(追記あり5/7)
6日19時すぎからおこなわれた菅総理の記者会見の全文
その後からですね、ほぼその翌日とか翌々日から玄海原発の再稼動の動きが始まったんです。
経産大臣が現地に行って、今衆議院議員になっている知事(古川康)とかですね、いろんなところと話を始めて、それで新聞紙上でも玄海原発の再稼動の話がどんどん出るわけです。
その時にある記事がですね、当時の佐賀県知事が、簡単にいうと経産大臣は了解のようなことを言っているけれども、総理はどうなんだ?ということを記者に。
総理はどうなのか?ということを言っていたのが記事に出たんですよ。
ま、簡単に言えば私に聞いてきたみたいなものですよね。
だから私はすぐに経産大臣に電話を入れて、
「玄海について再稼動するかしないかは最終的に法律でいうと誰が決めるんだ?」と聞いたんです。
そうしたら経産大臣が、事務方のサポートもあったんでしょうが、「原子力安全保安院です」と。
古川康
ふるかわ やすし、1958年(昭和33年)7月15日 -日本の政治家、自治・総務官僚。自由民主党所属の衆議院議員(1期)。元佐賀県知事(第55・56・57代)
2003年佐賀県知事選挙に自由民主党の支持を受けて無所属で出馬し、初当選した。以後、3期連続当選。2007年の佐賀県知事選では自民・公明両党の推薦を受け、2011年の佐賀県知事選では自民・公明に加え、民主党からも推薦を受けて再選された。
2014年11月25日、佐賀県議会本会議において、次期衆議院議員総選挙に佐賀2区から自由民主党公認で出馬する意向を表明。同年12月14日投開票の第47回衆議院議員総選挙では、佐賀2区で民主党前職の大串博志を破り、当選した(大串も比例復活
広瀬隆:ん〜〜
菅直人:
言うから、
「原子力安全保安院だけで決められるのか?」と聞いたら「そうです」と。
しかしいくらなんでもですね、あの事故を止められなかった原子力安全保安院がですね、単独で決めるというのは国民的に理解できないんじゃないの、と。
それで、多少のやり取りはその後ありますけれども、条件を厳しくしたんです。
一つは例のストレステスト。
一つは原子力安全委員会の介入。
それから地元合意。
最後は総理と官房長官と経産大臣と原子力担当大臣4人の最終的な判断。
この条件を暫定的にルールとしたんです。
法改正はすぐにはできませんから。
それでその後、その全ての条件を定期点検に入った原発がほとんどクリアできなくて、それで順次止まっていったんです。
それで唯一そのルールで再稼動になったのが、野田内閣の時の大飯原発です。

広瀬隆:ええ。
菅直人:
あの時も当初は関西のいろんなところが反対していたんです。
たとえば当時の橋下市長はね、最初は反対してたんです。
広瀬隆:そうですよ。
菅直人:で、ある時にコロッとなって、
広瀬隆:そう!
菅直人:
もう動いたでしょ。
結果的に関西連合という自治体も「OKだ」となったんで、
それから経産省も、特に関電は原発比率が高いから、これで全部止まったままだと電気が足らなくなるから。
停電起こすから。とかいろいろ言ってきて、
最後は、野田内閣の時ですけれども、さっき言った条件、つまりはストレステスト、安全委員会、保安院、それから4人の閣僚、地元の合意ですね、それをクリアして唯一再稼動が認められたのがあの大飯なんです。
ま、相当、当時非難をされました
広瀬隆:
いや、だけどね、あの時は。
動かすって言う前、6月29日、忘れもしない国会議事堂前というか、首相官邸前に20万人ですよ。
菅直人:はいはい。

広瀬隆:
だから本当にみなさん、報道界のみんなも歴史的瞬間だって言ってね、この国民の怒りを。
まあ結局、今現在と比較しますと、結局あの野田内閣のああいう暴挙が民主党を崩壊させたんです。
あの時に、民主党の政権が終わったんですよ。
そのあと一応12月まで維持しましたけど、結局はあれが、要するに国民の怒り。
で、翌月の代々木公園の大集会もすごかったですけど、結局そのままずるずる来てね、最後に崩壊しちゃったんです。
それで作ったのが、出てきたのが安倍晋三内閣なんです。
だから、
菅直人:
もうちょっとですね、あの。
今言われた部分は、さっき言ったように、
私はギリギリ、ま、経産省の体質もわかっていましたから、「足らない足らない」と言ってくるだろうと。
しかし、やりようによればなんとかなるんじゃないかと個人的には思っていたんですが。
一応さっき言った私が総理の時に決めた暫定ルールはクリアしたので、良い悪いは別としてですよ。
結果として内閣がそれを容認したんです。
で、それが今言われたように非常に大きな反発を買うわけですが。
もう一つ実は、浜岡の原発を停止したあとから、
さっき言ったように、経産省としては次々と再稼動しようと思っていたわけです。
それが、条件を厳しくしたために、逆に再稼働どころかどんどん定期点検で止まっていったわけですよ。
そこで、私が見るとですね、経産省が猛烈に危機感を持ったんです。
猛烈に危機感を持った。
広瀬隆:なるほど。

菅直人:
菅政権のままだと本気で原発を全部止められちゃうと。
それで、ある段階から東電と組んで、私の引き下ろしに入るわけです。
広瀬隆:なるほど。
菅直人:
一番わかりやすい例は、同じ5月の20日ですか、
今の総理の安倍さんが自分のメルマガで、
「3月12日の1号機に海水注入してたのを止めたのは菅総理だ」というのを書いたんです。
それで、翌日の朝の読売新聞1面トップが
広瀬隆:それはリークですよ。
菅直人:
1面トップが「菅総理が止めた」と。
1面トップですよ。
書いたんですよ。
それで、書いたのは読売と産経です。
読売はトップです。
産経も1面です。
それで、それをベースに今度は国会で自民党が私に対してそのことをどんどん攻撃して、
最後はそれを理由に入れて、不信任案を出したんです。
それが6月2日に出てきたんです。
当時、民主党の中もガタガタしていたこともあって、それで私がギリギリ目処がついたらあとは譲るという話につながるんですが。
で、そのあとの経過をいろいろ調べてみたんですよ。
そしたら、東電がその情報を流したんです。
東電がいろんなマスコミに話に行って、
ある社は裏を取ろうと思って取ってみたら「どうもはっきりしない」と。
必ずしも当時の菅総理が止めろと言って止めたということははっきりしないと言って書かなかったんですよ。
書いたのは読売と産経。
一部テレビがやりました。
実はそこもですね、非常に微妙な問題なんですよ。
その報道が出た1週間後に吉田所長が自ら「実は止めてなかった」と言ったんですよ。
広瀬隆:そうですよね。
菅直人:
そうでしょ。
そこのプロセスというのは結局、私の方は12日の夕方渡辺さんたちと会った時に、
一つは水素爆発のことがあったので海水を入れた時の塩分の影響はどうか?とか、
メルトスルーした時の再臨界のことを、時間が1時間半ぐらい余裕があるというんで聞いていてんですね。
それでその、海水を入れることについては誰も反対してなかったんですが、
そのあとですね、打ち合わせが終わったあと、竹黒フェローが1時間半は準備にかかるというから、1時間半のうちにそのことについて検討してくれと言っていたら、電話してみたらもう始まっちゃってたんです、海水注入が。
そして彼(竹黒フェロー)がどういうわけか、「止めろ止めろ」と言ったんです。
私はこれが、一番実はわからないんです。
竹黒さんというのは原子力の専門家ですからね、ご存知のように。
その人が、淡水が無くなれば海水しかないんだから、当然入れるべきなのに、
もう始まっていると聞いたら「止めろ止めろ」と言って、
それで副社長まで引っ張り出して「止めろ止めろ」と言って、
それで吉田所長は困って、それで芝居を打ったんです。
実際は「止めるなよ」と部下に言っておいて、
わざとテレビ会議に聞こえるように「止めろ」と言ったわけです。
それで本店は止まったとその時に思ったんですよ。
その情報を政治家でいうと安倍さんに、マスコミでいうと川上さんに全部流して。
ですから、安倍さんがメルマガに書いた5月20日と読売と産経が書いた5月21日というのは、
まだ、本店の一部は確かな情報を持っていなかったんですよ。
つまりさっき言ったように、現地と本店の情報が食い違っている、まさにその例で、
現地は何人か知っているはずだけど、吉田所長が命令しているんだから。
だけど、テレビ対応しか見ていない連中は止まったと思ったんですよ。
それで、その情報を持ってマスコミが動いて、
実は竹黒氏が言ったとなったということは本店はわかっているのに、菅が言って止まったと。
「官邸が」っていう言い方がですね、竹黒さんが官邸に来ているから。
「官邸が」というと、なんか私が言ったようなこととごっちゃごっちゃにしたんです。
それからわずか5日ぐらい経った時に、IAEAが来るというんで、
それで吉田所長が、「あの時ああいう芝居を打ったけどやっぱりちゃんと言っておかなきゃまずい」と言って、
「実は止まっていなかったんだ」と言うんですね。
ちょっと話が非常に細かい話になりましたが、
さっき言われた「足を引っ張る」という意味じゃ、非常にそこから強烈だったんです。
広瀬隆:悪意のある作戦ですね。
菅直人:もう決定的ですよ。
広瀬隆:ね!
菅直人:そのシナリオを書いたのは東電と経産省だと私はみています。
広瀬隆:
なるほどね、それはそうですよ。
そういう裏があったというのは私気がつきませんでした、いろいろ読みましたけど。
https://youtu.be/HbYSys-u2jU?t=27m58s

菅直人:2年前にそのことを根拠にして、安倍総理に名誉毀損で告発しているんです。
広瀬隆:そうだったんですか?
菅直人:
全部表に出てるんですよ。
マスコミ呼んで告発して文書も全部。
マスコミが書かないんですよ。
広瀬隆:おかしいですよ、今の。
菅直人:
だからまさにマスコミ問題をさっき広瀬さんは言われましたけど、
私を叩く時のマスコミの書き方も、明らかに読売が、つまりそういう情報を積極的に流す。
そして逆に私がそれを理由に名誉毀損で訴えたのは一切扱わない。
当然知ってるんですよ、もちらん。
だからそういう意味ではものすごくですね、今度の問題は、
特に読売・産経は、私の引き摺り下ろしから現在の再稼動の推進まで徹底してます。
この2社はですね。
広瀬隆:
そうですね。
ま、読売と産経については私はよく知ってますけれど、
だけどそうやって菅さんが消されたというかね、要するに権力から遠ざけられて、
菅直人:
ま、それだけが理由では、それだけではないんですけれど、
つまり、民主党の中がもうちょっとまとまっていれば、それをはね返せたんですが、
一つの少なくとも不信任案を自民党が出す時の根拠に、私の、そういう海水注入を止めたというのが非常に事故を拡大させたんだという、それも事実上の理由にして。
それを回避するために私が結果的に後に譲るということで、結果9月2日に辞めたんですが。
ま、不信任案が出されたのは一応否決はしたんですけど、そういう経緯があったということです。
広瀬隆:
でもそもそも、あの吉田所長は一面でいうと、亡くなった人だからあんまり悪口は言いたくないけど、タヌキですよ。
そもそも彼が、管理部長の肩書きかな、あの時代に全部「津波は大丈夫」みたいな、ね、見逃した当人で。
しかも、後で本当にたまげましたけど、
「水素爆発が頭になかった」って言ったんですもんね。
菅直人:あっ、彼もですか?
広瀬隆:そうですよ。
菅直人:私が聞いたのは、全然別の、つまり班目さんが言われただけで。

広瀬隆:
いや、そうじゃなくて、後のいろんな議事録なんかでね、彼が。
「水素爆発は頭になかった」
所長ですよ。
私が自宅にいてわかることを所長が「わからない」って、もうこんな会社なのかと思ってね。
私が菅さんだったら、本当にもっと大きな声で怒鳴りつけたと思いますけどね。
だから、
菅直人:
わたしは、吉田所長はですね、偶然大学の後輩ではあったんですが、全く面識はなくて、
初めて会ったのは翌日の朝なんですが、
少なくてもその現場の、12日の朝会った時の対応は非常にはっきりしていました。
つまりは、ベントが出来ない理由を、「こうこうこういう理由で。だから最後は決死隊を作ってもやります」と。
だから、わたしはその時の感じは「この男ならしっかりやってくれるだろう」というのは。
基本はその思いは今でも変わりません。
ただ、いま広瀬さんが言われたように、彼がそのポストに就く以前にですね、色々と津波のことが検討されたのに配慮しなかったというのをその後のいろんな検証の中で読みましたけど、直接会った時に感じたのは、少なくとも割とずけずけものを言うですね、
広瀬隆:一応、ま、部下を守るというか、そういう意味で発言して、なおかつ現場を守ろうという。
菅直人:そうですね。
広瀬隆:
その流れはわかっています。
ただ、あの説明の中に随分すっ飛ばしている部分があるだろうな、というのを我々は感じるんです、実を言うと。
本当のことをまだ言っていない。
要するに、はっきりもっと言うべきことを言ってあの世に行って欲しかったな、というのは今思うんですけどね。
ま、じゃあ、福島の事故についてはそのぐらいにしておきましょう。
つづくー
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2015年 11月 1日 菅元首相&広瀬隆氏 対談

https://youtu.be/HbYSys-u2jU?t=55s

広瀬隆:
菅さんともあちこちで会うようになって、前回が川内原発のスピーチでしたね。
あの時の菅さんの演説はすごかったです。
川内原発のゲート前で、やめなかったですね、もうずーーっと、始まったら。
菅直人:はい。
広瀬隆:
いやだから、この人は変わったな、と。
いや、正直なことを言わせていただくと、福島の事故が起こる前は僕は批判してたんですね。
ベトナムへ行って(原発を)売り込んだりしてたから。
でも最初は、簡単に感想を言わせていただくと、
菅さんというよりは枝野、彼が出てきて健康問題をね、かなりいい加減なことを言っているので、
その辺から、僕はともかく政府そのものより、本当にみんなをどうやって助けようかって、ま、そっちの方に頭が言ったんですけど。
5月でしたよね、菅さんがはっきり「浜岡止めよう」ということを言ってくださって、
ものすごく嬉しかったんです。
速報!!浜岡原発全て停止(追記あり5/7)
6日19時すぎからおこなわれた菅総理の記者会見の全文
僕はその時、こういう風に。
失礼かもしれないけど「菅さんは変わったな」と、僕はそう思って。
それからは菅さんを支持するように、みんなに言ったんですが、

菅直人:ありがとうございます。
広瀬隆:
ところが、なんですか、マスコミが。
むしろあの頃から菅さんを引き下ろすような、なんか動きになってきて、
結局最後、マスコミに殺されたような形でね、
菅直人:はい
広瀬隆:
菅さんが辞めることになって、
「やめるなー!」って僕は家の中でずーっと。
喧嘩しても、社会を敵に回しても辞めるな、って叫んでたんですけど、ま、結局野田政権になってあの通りできたんでね。
そのあと菅さんが各地で本当に反対の演説をなさっていて、
その中身が非常に濃いので、私もいつも心を打たれているんです。
特に、今日もそうですけど、川内原発の時の、
要するに事故経過をきちっと語ってくださるんですよね。
菅直人:はい。
広瀬隆:
で、改めて菅さんに、ようするに当時、いわゆるマスコミに流れたことは私から見ると、
菅さんにちょっと一回言ったことがあるんですが、菅さんに「絶対やめなければよかったのに」申し上げましたよね。
菅直人:はい。
広瀬隆:
だけれど、いろいろ内幕があったと思うんですけど、思い切って。
自由な身ですから。
少し、その当時のことを喋っていただけませんでしょうか。
菅直人:はい。
広瀬隆:
それから今日最大のテーマである伊方の問題ね。
お互いに意見をかわしていただきたいです。
菅直人:
まず私は広瀬さんの、30年以上前の本ですが、「東京に原発を」というのをかなり前に読ませてもらって、
当時から広瀬さんの存在はずーっと、実は自分の中にあったんです。
で、うちの家内もそういう広瀬さんの意見とか、いろんな、同じような意見を持った人たちからいろいろ言われていて、
これは私自身の、ある意味での反省でもあるんですが、そういうことをある程度心配しながら、しかし、日本の技術というのはかなり高いからチェルノブイリのような、ああいう事故は起こさないだろうと、どこかで自分自身を、ま、納得させたというか、それは政治的にはいろんな、結果的には廃炉もあったのかと自分でも思ってまして。
広瀬隆:いや、過去はいいです。
菅直人:
だからま、そこは。
いやわかりました。
だからそこは別として、私としては広瀬さんにはあって初めてこういう機会なんですから。
その原点だけは申し上げておこうと思ってですね。
そういう意味では、今日はいい機会を与えていただきました。
それで今早速の話ですが、
まず情報がですね、非常に、あの。
報道はもちろんですが、私が、官房長官がいろいろ発信したことも含めていろいろ。
場合によったら「隠したんじゃないか」とかいろいろなことがありました。
で、私なりに整理してみますと、まず事実関係でいうと、
3種類の間違った情報が出てきた理由があるんです。
第1のパターンは、これは広瀬さんはよくご存知だと思いますが、例えばメルトダウンがまだ始まっていないというのがですね、11日の夜まで、つまり夜の10時頃までですね、もっと遅くまで水があると、1号機に。
そういう報告がきていました。
広瀬隆:当初は2号機でしたよ。
菅直人:
2号機も危ないと言われていて、ええ。
2号、1号が行ったり来たりするんですけど、ええ。
広瀬隆:それが途中で消えたんですよね、2号機が。
菅直人:そうです。
広瀬隆:で、われわれは「おやっ?」と思ったんですよ。

菅直人:
まず、一つのパターンをまず言いますと、
まず1号機が夜の10時頃まで水があると言っていたのは、結局水位計がもうまともに動いていなかったものを、現場も気がつかなかったんです。
だから吉田所長も「まだ水がある」とあの時は思っていて。
それともう一つはICが動いていると、どうも。
これは後でわかるんですが、思ってた。
だから現場が思っていればですね、それを本店を経由して私の方にきた時に、それを前提に考えますから。
そういう一つの、今考えてみれば間違った情報がきたというのの第1パターンです。
第2のパターンはですね、現場はわかっていたんだけど、本店を経由してくる情報、あるいはどこかを経由してくる情報が、それが正確に伝わらなかった。
で、その一番の典型が、やはり11日の夜「ベントをしたい」と。
班目安全委員長なんかにも意見を求めて。
「格納容器が壊れちゃうといけないから、ベントは仕方ないだろう」と。
で、やることになっても、何時間たってもやらないわけですね。
それで私が東電から来ていた竹黒フェローに「なぜやらないんだ?」と、「やらなきゃいけない」と言いながら。
そしたら「わかりません」と、彼も答えたんですよ。
つまり、原発のオペレーションは東電の責任なんですが、避難については減災本部、本部長は当時総理の私ですが。
そうすると、避難を考える時に原子炉がどういう状況なのかというのが全くわからなかったら、考えもられないんですね。
広瀬隆:それはそうですね。
菅直人:
そういう意味でベントが、やらなきゃいけないと言いながら始まらない。
なぜか理由がわからない。
それが実は私が翌日の朝一番で福島に飛んだ、第一サイトに飛んだ直接の最大の理由なんです。

広瀬隆:
それで私も菅さんに申し上げたこと、あれを言ってね、正しいと。
「私でもそうしただろう」と言いましたけど、
私の自分の体験で言いますと、ともかくもう夕方「これはやばい」と思って。
私はスリーマイル島の事故も頭に浮かんだので、まず一番最初に水素爆発を考えたんです。
で、テレビ局も11時頃だったと思うんですけど、電話をかけてくるので、
ぼくは「100km圏全部避難を始めさせろ」って言ったんです。
もちろん爆発する前ですけど。
菅直人:はい。
広瀬隆:
このまま保安院の、ああいう連中とね、やっていたら爆発しちゃうと思ったので。
夜はずっとまんじりともせずテレビつけっぱなしで、
朝すぐに写真家の、原発ロードを撮っている樋口健二さんに電話して、もう水素爆発するから、このままじゃダメだからいってくれって言って、福島県民に逃げるように。
樋口さんが言えば逃げ出すからってすぐにいったんですけど、
樋口さんは「今自動車制限で入れないから」。
で、あきらめて。
それで朝になって新聞社がいろいろ電話をかけてくるんだけど、
当時会見をやってましたよ、テレビで。
菅直人:はい。
広瀬隆:
それがね、水素爆発を誰も言わないんですよ。
これはもうダメだと思って。
ぼくは確信を持っていましたから、これはもう時間の問題だというのを。
なんであなた達、あんなバカな記者会見をやって。
水素爆発がもうすぐ起こるぞ。
「早く追求しろ」って言ったんです。
その直後ぐらいにボンといっちゃったんですよね。
だからその頃菅さんは本当に大変で、
要するにわからないわけでしょ?
菅直人:
ちょっと話すとですね、もう一回順番に戻しますと、まさに今の問題につながってくるんですけど、
さっき言ったように現場がわからなくて、間違った情報が出てくる。
それから現場はわかっていたけれども、伝達がうまくいかなくて、例えばベントが遅れた理由がわからなかったり、
これは会って吉田所長に聞いたらですね、非常にはっきり言ってくれました。
つまり、「スイッチ一つで普通だったらベントができるんだけど、電気がなくてできない」と。
で、「手動でやろうと思って人を送ったら、線量が高くて、作業が本当に短時間しか、交代でしかできない」と。
「それで遅れているんだ」と。
「最後は決死隊を作ってでもやる」と。
それで私は現場から離れたんですが、そういう二つ目のパターン。
3つ目はですね、やはり東電が自分たちの責任を免れたくて、嘘を言った。
あるいは隠した。
その一番わかりやすい例が、清水社長が、例の撤退問題ですね。
わざわざ何回も海江田経産大臣に電話をかけているわけです。
官房長官にもかけているわけです。
で、私は撤退を考えること自体はたいした撤退でもいいんですが、
職員の安全性を考えたらそれは考えることは当然だと思うんです。
広瀬隆:それはそうですよね。
菅直人:
ただそれをどうするかはね、退避されたら後がコントロールできないわけですから。
ですから撤退を考えたことを悪いと言っているんじゃないんです。
しかしその後になって、「自分はそんなことは言ってません」と。
広瀬隆:ああ、そうですよね。
菅直人:
清水さんはいろんなところで言っているんです。
国会でも。
だからそういう風に後になってですね、「自分たちが撤退を考えたことはないんだ」というようなことをですね、嘘をつくというのはですね。
この3つなんです。
だからいろんな報道なり、その時の私や官房長官の発言が、事実と必ずしも、後になってみたら一致していないのは、大体この3つのうちのどれかになります。
それで今言われた水素爆発の問題もついでに言いますと、
実は12日の朝、ヘリコプターで行く時に班目原子力安全委員長に同行していただいて、
実は私も、法律的には政府の方でいうと、原子力安全保安院が事務方として総理をサポートする。
つまり減災本部長をサポートすると。
それから原子力安全委員長が助言をするという仕組みになっていたので、そこに助言を求めたわけですが、
それ以外にもかなり専門的な人に、個人的には聞いていました。
例えば、もう今なら言ってもいいでしょうけど、大前研一さんですね。
彼はもともと原子力の専門家ですから
大前研一(一部抜粋)
おおまえ けんいち、1943年2月21日 - 日本の経営コンサルタント、起業家。
神奈川県立横浜翠嵐高等学校を経て、早稲田大学理工学部卒業。東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を取得。1970年マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所へ入社(原子力開発部技師)
広瀬隆:彼は私の同期です。
菅直人:
あ、そうですか。
だから水素爆発の話とか、それからメルトスルーした後の再臨界の危険性とかを彼から聞いていたんで、
それでまず水素爆発についてヘリコプターの中で班目さんにハッキリ聞いたんです。
「水素爆発の可能性はないですか?」って言ったら、
「いや、それは全く心配ありません」と。
「格納容器の中はチッ素で充填されているから、たとえ圧力容器から格納容器内に水素が漏れても反応しないから全く心配ありません」と。
専門家の安全委員長が言われるんだから、
広瀬隆:彼は格納容器の専門なんですよ。本当は。
菅直人:
そうなんですか?
それで結局翌日の午後3時頃にボーンッ!といったのを一緒にテレビを見ていまして、
で、結局彼(班目)が言うのは、
「格納容器からさらに出るというのまでは頭が回らなかった」と言われたんですけど。
ま、いずれにしてもそういうですね、ことがあって、初日、二日と推移するわけですね。
ですからあの、ま、後で事実関係はいろいろありますけど、先ほどの話にあえて戻るとですね、
報道は情報のいろんなミス、なんていいましょうか、いろんな理由で正しいことが伝わらなかった部分と、
ある時期からかなり意図的な部分が起きました。
つづく
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「実はボクも北茨城に行った次の日、朝起きたら、こんな量がでるのかってくらい、吐血!?って思うくらい、布団が鼻血まみれになっていたことがあったんです」
あの頃、本当にみんな鼻血を出していました。
「原発は「大丈夫だ」って言うけど「大丈夫じゃないっぽいな」とボクは思っています」
田村淳さんがごく普通の感覚の持ち主だということ、安心しました。
ロンブー淳 原発問題。都合の悪い歴史こそ残そう
日刊スポーツ 1月9日(土)10時13分配信
福島でJビレッジなどの取材に行ったときに寄った豚丼やさん
ロンドンブーツ1号2号の田村淳に、日刊スポーツのさまざまな分野の記者が話を聞く連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」。今回は、まもなく5年が経とうとしている東日本大震災で発生した「福島第1原発」の事故とその後について考えました。
震災の後は毎年、石巻に行っていました。だんだんとがれきがなくなって整備されて、3年くらい見た後、町が動きだしたから、今度は違うところを見たいと思って福島に行ったんです。
原発は「大丈夫だ」って言うけど「大丈夫じゃないっぽいな」とボクは思っています。でも、自分の目で見ていないのに「大丈夫じゃない」とは言いたくなかったので、行きました。Jビレッジとか、国道6号線とか。国道から海の方へ向かって、東京電力福島第1原発と第2原発の間の岬にも行ってみた。枯れた草とかも当時のままで、線量計がずっとビービービービー鳴ってるんですけど、そんなことにも慣れちゃうんですよね…慣れちゃいけない事なのに…あまりにも当たり前に鳴りっぱなしで、おかしな感覚になるんですよね。
国道6号沿いの田んぼに、汚染土が入った黒い袋を積んだ山みたいのがあるんですよね。震災から復興に向かってちょっと動いてるのかなと思っていたんですが、むしろ被害が広がっていると感じた。あの黒い山が被害そのものですよね。
今まで、どこにも言ってなかったですけど…、「美味しんぼ」で鼻血の話があったじゃないですか。実はボクも北茨城に行った次の日、朝起きたら、こんな量がでるのかってくらい、吐血!?って思うくらい、布団が鼻血まみれになっていたことがあったんです。北茨城に行って興奮していたのか、いきなり線量高いのに当たってそうなったのか、それはわからない…。今となっては調べようがないですからね。でも、だからこそ「美味しんぼ」のような話も、ボクはなくはないと思っていたんです。
ボクは自粛をするタイプの人間ではない方ですが、完全に黙ることを選びました。伝え方と、伝える時期って本当に難しい…でもあの時のボクは黙る事を選びました…真意が伝わらないのも嫌だし、話がそれるのも嫌だったし、鼻血と放射能の因果関係、事実確認が取れてない事を言いたくなかったからです。こうやって自分の言葉で伝えられて、捻じ曲げられず伝えられる場所があれば、あの時、鼻血が出た理由は分からないけれど、聞かれればしゃべるようにしています。
毎年3・11が近づくと、市場が活気を取り戻したとか、コミュニティーが明るくなってきたとか、いろいろ報道されますよね。でも切り取り方がちょっと偏っているなぁと思うんです。復興に向かっている場所もあるけど、そうじゃない場所もたくさんある。テレビから流れてくることに、うそくささを感じている。もっとリアルにザラザラしているのが、ボクのツイキャスだったら伝えられるなと思って、やりたいと思っています。
双葉町に「原子力明るい未来のエネルギー」っていう看板がありました。残したかったですよね…。ボクもツイッターで残そう、と呼び掛けたけれど。マイナス面を消し去るってことは、絶対しちゃいけないと思ってるんです。
東京電力が街にやって来て良いこともあったし悪いこともあった。事故も実際起きた。そこを全部知ることが歴史じゃないかと思うんです。戦国大名みたいに、“勝ったら都合が悪い歴史を塗り替えていく”みたいなことをしだしたら、これから先の人が見て学ぶ術や、情報を減らすことになってしまう。ああいうものって、残せるだけ残した方がいいとボクは思います。
当たり前のようにあの下を車がバンバン通って、何にも思わない時期もあった。むしろ「原子力ありがとう」っていう時期もあったはず。でも今あそこの下をくぐる時には、ものすごいいろんなことを考えさせられる。だから、看板はあった方がいい。残していると都合が悪い人がいるんでしょうね…。すげえ必死になって撤去しようとしたのが、ボクはなんか不自然だなと思いました。
政治家は事故は収束したっていうけれど、収束はしていないですよね。今年行ったJビレッジも、バスのピストン輸送がひっきりなしに動いていて…。
そんな中で、第1原発で作業を終えてバスで帰ってきた人が、「ロンドンハーツいつも見てます」って話しかけてきてくれたんですよ。「作業で疲れて、くったくたになって、家帰ってビール飲みながらロンドンハーツ見るときがすげえ幸せです」って。
それ言われた時に、なんか…すごく複雑な思いだったけれど感動しました。テレビに出る仕事やっていてよかったと思いました。
※今回は「福島第1原発」について、社会部の清水優が取材しました。(ニッカンスポーツ・コム連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」)
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解剖から甲状腺がん調査 原発事故の影響有無解明へ
2015年12月31日 08時15分 福島民友
甲状腺がん調査の手順
福島医大医学部の法医学講座は本年度から、警察から依頼を受けた「法医解剖」の際、亡くなった人が甲状腺がんを発症していたかどうかに関する研究を進めている。
甲状腺がんは一般的に発症しても生存率が高く、別の死因で亡くなった人の遺体から見つかるケースも多い。将来的に同大は、各医療機関の協力を得て県外でも同様の手法で発症頻度を調べて地域ごとに比較、東京電力福島第1原発事故に伴う放射線が甲状腺がんの発症に影響を与えたかを知る手掛かりにする考えだ。
研究では、遺体解剖の一環として甲状腺を摘出し、一定の厚さに切って標本を作り、肉眼や顕微鏡でがんなど異常がないか調べる。司法解剖など死因究明のために行う「法医解剖」は、県内では福島医大だけで行われている。子どもや大人まで対象が幅広いため、年間に約200件ある。このうち調査対象は、損傷により調べるのが困難なケースを除く半数以上の遺体。既に2013(平成25)年以降の約200体について調査を済ませた。
従来、法医解剖では全ての臓器を調べている。同講座によると、体に悪い影響を与えていない甲状腺がんが遺体から見つかることは珍しくない。こうして見つかる甲状腺がんについては国内の医療機関が取り組んだいくつかの先行研究があるが、発症頻度は研究ごとに2~35%と開きがある。調査手法がそれぞれ異なることなどが理由とみられ、今回の研究では、手順を決めた上で精密に調査していく方針だ。
結果はどのように公表されるのだろう?
日本語の論文になるかな??
九州電力は詐欺師だ!
これは犯罪にならないのだろうか?
はじめから免震重要棟を造る予定はなかった、としか思えない
まずはこちら。
去年(2015年12月18日)の報道ステーションの番組の内容を書き出します。

古舘:
免震需要等はどうして造らなくてもいいのか?
ここに集約されます。
文章の中に、今日の漢字「等」というのがあれば造らなくてもよくなる。
なんて便利な文字でしょうか!

その文字は原発の規制基準の関連文書に埋め込まれていた。
「免震機能等」この「等」こそが川内原発に免震棟を造らなくてもいいとする根拠だ。

覚えているだろうか。
誰もが無力を感じたあの日を。
2011年3月 福島第一原発

東京電力吉田所長(当時):
水素爆発があるかもわからないということで今、作業員を全部引きあげたんですよ。
福島第一原発の事故。
あの時作業員たちの対応拠点となったのが放射能を遮断し、強い地震の揺れも防ぐ、この免震需要棟だった。

ここがなければ福島の事故の被害はさらに深刻になっていた。
そもそもは2007年、新潟の中越沖地震。
当時免震重要棟がなかった柏崎刈羽原発では地震の影響で緊急対策室の部屋のドアが開かなくなり、機能不全に陥った。

その教訓から必要性が認識されたのが免震重要棟だ。
ところがだ。
今年8月に再稼動した川内原発。
昨日九州電力が一転してこう発表した。
「免震重要棟を造らない」

いったい何故なのか?
今日、東京霞が関の資源エネルギー庁。
電力10社が集まった場に九州電力の瓜生道明社長の姿が。

聞いてみた。

瓜生:造らないのではなくて、より一層いいものにしようとしているんです
山口:
明確な理由がわからないんですが、教えていただけますか?
免震重要棟を造らない理由を教えていただけないですか?
瓜生:(完全無視)
山口:今、瓜生社長なんですが、明確なお答えをいただけませんでした。
九電は事故の時の対応拠点として「代替緊急時対策所」と呼ばれる建物を建設し、これで原子力規制委員会の規制基準をクリアし、再稼働にこぎつけた。
ただ、これまで示していた計画では、来年3月までに新たに免震重要棟を建設し、こちらに緊急時の機能を移すとしてきた。

しかし、この免震重要棟の建設を撤回し、今ある対策所の隣に医務室や宿泊所などからなる耐震支援棟をこれから造り、ここで緊急時の対応を行うことにした。


九州電力鹿児島市社の会見(きのう2015年12月17日)
免震重要棟だと規模的に大きくなるわけですね。
耐震支援棟だと、ま、コンパクトに、少しコンパクトになるということになりますけど、
厳密にまだ、この試算といいますかね、細かくどっちがどっちというのはなかったんじゃないかと思っています。

質問:コストは関係ないんですか?
九電:いや、コストは関係なくはないと思いますけど、はい。
今ある対策所は耐震構造。
一方で造る予定だった免震重要棟は揺れを逃す免震構造という違いがある。

九州電力によると「免震重要棟でなくても機能的に劣るものではない」と判断し、対策所の拡充で済ませることにしたという。
ただ、原子力安全の専門家はこう指摘した。

佐藤暁氏 原子力コンサルタント(元GE原発技術者):
いうまでもなく、免震の方が。
それは揺れるよりは揺れない方がいいのは、これはもう明らかだと思いますね。
(揺れる中では)判断も操作もできないと思うんですよね。
会話もできないでしょうし。
私に言わせれば性能を落としたと。
一方九州電力は。

電力会社の社員は管理部門もはじめ、地震が起きても平常心を維持できるよう特別な訓練を重ねている。免震重要棟が必ずしも優れているわけではない。
これまでイメージ図まで作って地元にアピールしてきた免震重要棟の計画。

そもそもそれを取りやめて再稼働の規制基準に引っかからないのか?
原子力規制委員会に尋ねてみた。
すると、緊急対応の施設についての規制基準を示すある紙が示された。

「免震機能等により機能を喪失しないようにする」
免震機能等。
「等」なのだから必ずしも免震である必要はないという理屈だ。
免震重要棟の予定地だった場所の今日の様子。

来年3月までに完成させるはずだったのに建築は始まっていなかった。
白紙撤回はいつ頃決まっていたのだろうか?
鹿児島・薩摩川内市 地元住民:
やっぱり福島の時も(免震重要棟は)重要な施設だったと思うので、なんかあった時にはちょっとどうなのかなと思います。
ギリギリでの変更はどうなのかな、って思いますね。
やっぱり再稼働も、それ前提でやったのかな、とかも思ったりします。
地元住民:
やはり安全性を考えますと、市民としてはやはりきちんとした最初の計画通りのことをやって欲しいって思われるんじゃないかなって思うんですね。
やはり変更の説明というのは、きちんとして欲しいなと思いますね。

古舘:
いや……、我々もダメですね。
この典型的霞が関文学とも言える「等」が入っているからどうなるかを見抜けていないわけですよ。
小川:あるのとないのでは大きな違いがあるんですね。
古舘:これは…、でもこういうのを羊頭狗肉(ようとうくにく)っていうんじゃないですかね。
全然納得できないですね、これは。
小川:はい。
古舘:
大前提と思っていましたから。
ベントのフィルターとか、免震重要棟は。
ちょっとこれはついていけません。
どういうことだろうと思いますね。
羊頭狗肉(ようとうくにく)
意味:実質や内容が見かけと一致しないこと。見掛け倒しのこと。
羊頭狗肉の語源・由来:
羊頭狗肉は「羊頭を掲げて狗肉を売る」を略した四字熟語で、出典は中国宋時代の禅書『無関門(むかんもん)』。
店頭の看板には「羊頭(羊の頭)」を掲げ、実際には「狗肉(犬の肉)」を売る意味が転じて、見せ掛けは立派だが実物は違うといった意味になり、ごまかしの喩えとして、羊頭狗肉は使われるようになった。
類句には、「晏子春秋(あんししゅんじゅう)」の「牛首を掲げて馬肉を売る」がある。
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そして、1月7日の東京新聞と大竹まことのゴールデンラジオ
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大竹まことのゴールデンラジオ(2016年1月7日放送)より文字起こし
(↓クリックすると大きく見ることができます)

文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/xvYitqQum6s?t=3m59s
大竹:
まあね、川内原発はどうしているか?というと「免震棟撤回に不快感」という記事が出てるけども、
「免震棟を造りますから再稼働を許可してください」っていう話があったんだけど、
その造る免震棟がお金がなくて随分先送りになると。
太田:
そうですね、再稼働してから先送りを決めたんで、流石に
「ちょっとお前ダメじゃないか」と原子力の規制委員会の委員長も怒っていると。
光浦:えーーっ、それはダメでしょ。
太田:今日の東京新聞に。
大竹:
「再稼働をしてから先送り」っていうね、
これはもう本末転倒も甚だしいっていう記事がこっちには出ているけどね。
光浦:ずるい!
大竹:相変わらずこの福島問題と、新たに作る再稼働問題は、ずーーーっと番組でも言い続けてきているね。
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九電、免震棟新設を撤回 川内原発 再稼働の前提ほご
2015年12月26日 夕刊 東京新聞
福島第一原発事故時に対応拠点としての役割を果たした免震重要棟=2011年4月(東京電力提供)
九州電力は八月に再稼働した川内(せんだい)原発(鹿児島県)をめぐり、事故が起きた際に対策所を置くとしていた免震重要棟の新設計画を撤回した。川内原発の免震棟は原子力規制委員会の審査でも設置が前提とされていたが、対策所の広さが三分の一以下の暫定施設を使い続けるとしている。
九電は「方針変更は総合的に判断した。費用面も全く無関係ではない」としている。規制委幹部は「一度設置すると約束したものをやめるのならば説明が必要だ」として、九電に経緯や機能の説明を求める方針だ。
九電が当初示していた計画では、川内原発の免震棟は地上三階建てで、延べ床面積約六千六百平方メートル、二階部分に広さ約六百二十平方メートルの対策所を置くことになっていた。
しかし建設に時間がかかるため、再稼働を急ぐ九電は免震棟ができるまでの措置として平屋建ての暫定施設を新設。施設内の対策所は約百七十平方メートルしかない。
九電は免震棟の新設を撤回する代わりに、暫定施設の近くに地上二階地下二階建ての「耐震支援棟」を設置し、医務室や宿泊室などを置くとしている。
ただ広さや収容人数などが未定な上、事故時に建物間を移動することになり作業員が無用な被ばくをする恐れも生じる。規制委幹部は「免震棟と比べて安全性が落ちるのであれば認められない」との姿勢を示している。
◆「再稼働すればどうにでも」疑念浮かぶ
原子力規制委員会の新規制基準作成に携わった勝田忠広明治大准教授(原子力政策)の話 安全対策の内容を再稼働後に変更するのは重大で、このタイミングの方針転換は「再稼働してしまえばどうにでもなる」という姿勢の表れではないかとの疑念が浮かぶ。九州電力は規制委の審査会合のような透明性がある場で説明する必要がある。最近、テロ対策施設の設置期限を緩和するなど、規制委の電力側への配慮も目立つ。ここで規制委が厳しくチェックしなければ、福島第一原発事故以前のように、なし崩し的に規制が機能しなくなるかもしれない。
<免震重要棟> 2007年の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発の事務棟が使えなくなった教訓から東京電力が所有する原発に設置し、福島第一原発事故では対応拠点として極めて重要な役割を果たした。免震装置で地震の揺れを大幅に低減する構造で、自家発電機や通信設備、被ばく対策設備のほか、休憩施設や物資置き場も備える。原発の新規制基準では義務付けられていないが、ほとんどの原発で設置が進んでいる。
ーーー確信犯!! 確定!
なんと!「玄海原発の免震重要棟も造らない」と言いだした。
玄海原発
免震重要棟、九電が「白紙」
毎日新聞2016年1月9日 00時27分(最終更新 1月9日 00時27分)
九州電力は8日、玄海原発(佐賀県玄海町)の重大事故時の対応拠点となる「免震重要棟」の建設計画について「白紙だ」とする見解を明らかにした。山元春義取締役が佐賀県唐津市議会の特別委で、免震装置を伴わない「耐震支援棟」への変更の可能性に言及した。委員から「約束したものを後退させるような発言はあってはならない」と批判の声が上がった。山元取締役は、免震重要棟について原子力規制委員会の審査の厳しさを強調し「免震でいくのか耐震でいくのか白紙」と述べた。ただ「技術が上がってくるかもしれない」と「免震」を維持する可能性にも言及した。九電によると、整備済みの「代替緊急時対策所」の近くに耐震支援棟を建設する案が「選択肢」として浮上しているという。

2910
木野:
護岸付近の観測孔は、以前から海の出入りを含めて遮垂壁が機能しているかどうかの確認で塩分濃度って大事だと思うんですけれども、これはなんで公表しないんでしょうか。
白井:
基本的には放射性物質の流出といったものが一番の大きな問題だと思っておりますし、遮水壁の内側より外側の方が高いですし、海の水が入るということよりは逆の流れになるかと思います。
特に塩分濃度について公表しないというのではなくて、重要なのは放射性物質というふうに考えています。
木野:
放射性物質の数字を出すのは当然だと思うんですけれども、一方で、塩分濃度は遮水壁、海の流出が問題になった時に、2年前ですけどね。
塩分濃度がどうかというのは大事なポイントになったはずで、水の行き来があるかどうかがすぐにわかるわけじゃないですか。
なので、これは公表してもいいんじゃないかと思うんですけれども、公表できない理由というのがもしなければ、出していただいてもいいのかなと思うんですけどいかがですか。

白井:
先ほども話しましたように、基本的に海側遮水壁が現段階で閉じた状態として、海側遮水壁の内側の方が水位が十分高い段階で維持されております。
そういった意味で海の、逆のパターンはあるかとおもいますけれども、
海の水が内側に入ってきているということは、まずないのかなというふうに考えています。
ですので、そういった必要性は今の所ないのではないかと思いますが。
木野:
水位が高い状態で維持されているというお話ですけれども、
じゃあ、水位は一定で変わらないということですか?
白井:
基本的に、OPでお話しますけれども、
OPでいった時の3.4とか、それぐらいで今一定で、制御はしております。
木野:
海側の行き来がないということは、その水位が変わらないということと、
それ以外には「出ていない」ということの裏付けになるようなデータというのは、
海の港湾内の濃度ということなんですか?
白井:
えーっと、木野さんのおっしゃる「出ていない」というのは、
「中の水が外に出ていない」ということですよね。
木野:そうです。
白井:それとも「外の水が中に入ってきていない」ということですか?
木野:
中の水が出ていれば、行き来があるということなので、それは水位の変動によって当然外のが中にも入ってくると思うんですけど。
どっちでも結構なんですけど、中の水が出ていないことの裏付けになるのは、海側の港湾内の濃度ということになるんですか?
白井:
そうですよ。
港湾内の濃度が特に、大きく放射能濃度が上昇しないといったことになると思います。
木野:
その港湾内の濃度なんですけれども、以前にもご説明があったような気がするんですが、
一定程度下がった後下がりきっていないですよね。
これは継続的に出ているということの証左だと思うんですけれども、
だとするとやっぱりどこからどのように出ていて、どう流れているかというのは確認が必要じゃないかと思うんですが、
それは今後も調査する予定というのはないんでしょうか?
白井:
今のところ港湾内につきましてはすぐに、遮水壁をとおしてすぐにといったものではないというふにかんがえております。
また港湾の中には排水路等からも水が入り込んでいるといった状況ですので、
長期的にその効果を確認していく必要があると考えています。
ですので今、トリチウム等の分析結果、なかなか、2週間とかそのぐらいかかりますので、
それがなるべく早くまとまった段階でお示しするようにはしてございますけれども、そちらを。
で、まとまった段階で適時お示しをさせていただいています。
そちらでもまだ、下がりきったとか、そういう状態ではないと判断をしています。
木野:遮水壁を閉じてすぐに下がったものではない?
白井:遮水壁を閉じてすぐに下がって、また一定になるとか、ゼロになるというものではないと思っています。
木野:
「遮水壁を閉じてゼロになるものではない」というのは、「排水路から入り込んでいる」というお話だったんですけど、
排水路からどれくらいの量が入り込んで、今のこういう汚染の濃度になっているというような、その分析はあるんでしょうか?評価は。
白井:
そういった評価をするのにも、ですから時間がかかるので長期的に様子を見ていくというふうにお話を申し上げております。
木野:どのぐらいかかるんでしょうか?
白井:
それはその下がり具合ですとか、分析結果に応じて判断していくことになると思いますので、今の段階で何ヶ月とか、何時ということをお示しするのは難しいと思います。
ただ、途中の進捗状況ですとか、分析の状況につきましては、適時お示しして公表をさせていただいています。
木野:
そうするとそれまでは「遮水壁の効果がきちんと出ているのかどうかはよくわからない」ことになるんでしょうか?
ようするに遮水壁があっても海に出ているものが全部止まるわけではないし、
一方で遮水壁の効果自体もどの程度のものかというのが判定しにくいということなんでしょうか?
白井:
遮水壁を閉じたことによって放射性物質の濃度は下がっていると。
「低下傾向にある」といったことはすでにお示しをさせていただいているかと思います。
後は「これがどのくらいになっているか」といったことを確認をしている。
で、それで「ちゃんと効き目があるか」ということはその結果を見て判断をしたいと申し上げているだけです。
木野:
要するに判断をまだされていないということは遮水壁の効果というのがどのくらいかというのもまだ判断ができていないということですね?
白井:
ですから定量的な判断ではなくて、低下傾向にあるということまでは出てきていると。
定量的な判断はまだしていないと申し上げています。
木野:
定量的な判断ができない以上は、排水溝、排水路から入り込んでいるだけなのかどうかというのも分からないわけですよね。
だからそれを早くやらなければいけないのではないかと思うんですが、そのへんはされないんでしょうか?
白井:
そういったことも含めて評価するのには時間がかかるので、長期的に分析等を今も継続しているところです。
木野:
時間がかかるというのは御社の判断ですか?それとも何か分析機関が、研究機関とかですね、というところがそういう判断をされているのか、
白井:もちろん当社でそう考えております。
木野:
なぜ時間がかかってもいいというふうに判断されているんでしょうか?
先ほど一定の汚染水に関して一定のめどが立ったというようなお話もあったんですけど、
めどが立っていないと思うんですけど、それでは。
その辺をちょっと、細かいことですが、言葉に齟齬があるように思うんですけど、
その辺は判断しなくていいという判断があったんですかね。
白井:
繰り返しお話していますけれども、低下傾向にあるということはもう確認ができておりますので、一定の効果は出ているということは言えると思います。
その結果として具体的に定量的は評価をするには時間がかかるというふうにお話をさせていただいております。
木野:
ですから「効果が出るまでの時間がわからない」とおっしゃるので、早くする必要はないのかなと思ったんですが、
それは「早くする必要はない」ということなんですね、じゃあ。
「時間がかかる」というのは御社の判断であって、それ以外のところがそう判断したわけじゃないですよね。
であれば、早くする方法がもしかしたら御社以外の所でですね、色々と調査をするとですね、
早くする方法なり手法があると思うんですけど、そういうのはされないんでしょうか?
白井:基本的には分析結果の評価ですので、当社が自ら分析した結果を評価していきたいと考えています。
木野:ずーっとまあ、そういったものは後回しにしても一定のめどは出ているといった判断があったということですかね?
白井:
繰り返しになりますけれども、現段階で開渠内で放射性物質の濃度が下がったといったことは確認ができていると。
下がっている傾向があるといったことは何回もお話させていただいている通りです。
今後もこの結果を見て全体の評価をしていきたいということをお話しております。
木野:
それはわかっているんですけれども、お伺いしたいのはその時間がわからないもので。
いつ結果が出るのか。
それを早くする必要はないんですか?ということなんですけど。
「それはない」という判断ですよね、今のお答えだと。
白井:
明確に期限を切って評価する必要はないかと思います。
そういったものではなくてしっかりとした正しい評価をする方が優先だと思います。3900
48:40
ファクター宮島:
これは1日最大汲み上げて建屋に戻した時の最大量っていうのは色々と凹凸があるでしょうけど、
1日最大でどのくらい汲み上げていますか?
要するに継続的っていうことじゃないんですよね。
その日その日で量が違うわけだけど、1日最大どのくらい建屋に戻した日がありましたか?
白井;
ウェルポイントで言いますと、こちらに大雨が降った時などにつきましては、1日ではなくて1週間になりますけど、
1週間で1800トンとか700トンといったものを汲み上げたことはございます。
現在は大体1日両方合わせて300〜400トンぐらいの水をくみ上げてタービン建屋に移送しています。
宮島:
私が聞いている話だと1日に600トン汲み上げて建屋に戻した日があったというふうに聞いていますけど、
要するにね、僕らがここへ週二回来ているのはやっぱりイチエフがどうなっているのかという変化を知りたいわけで、継続的に汲み上げているわけじゃないんですよね。
その時々で大量に汲み上げてみたり、いろんなことをしているわけですよね。
それは上からね、注水している注水量みたいに入れているわけじゃなくてTP2m前後の所で、その日の様子で大量に汲み上げたりしているわけだから、私は日報に「地下水のくみ上げを継続に行っており、これこれを建屋に戻している」というようなのを出していただかないと。
要するに、1日に600トン戻した日と、1日に200トンしか戻さない日というのは、これはイチエフのなかで最大の変化じゃないですか。
そういうことをデイリーでなくてもいいですけど、週間ごとに出していただけませんと、この記者会見をボイコットするぐらいにね、私は今の東京電力の質疑は疑問です。
要するに事実を公表しなければいけないわけでね。
じゃあもう一つ聞きますけど、TP2mの所でね、汲み上げるようになった理由というのはなんでしたっけ?
地下水ドレンの所2mで汲み上げるのは、なぜ今汲み上げざるを得なくなっているんですか?
白井:
地下水ドレンの汲み上げについては、海側の遮水壁を閉じたことによって、地下水の流れが食い止められます。
その結果、海側遮水壁の内側に水の水位が上昇していますので、その水位、をTPEで、え、2mぐらいで制御する、ということで、そちらに設定をして、汲み上げていると。
そういったものになります。
で、……
宮島:
いや、もっと早く言えば要するに、
海側遮水壁が、このまま放っておいたら海側に倒れちゃうからでしょ?
基本的にそういう問題があるから、TP2mの所で汲み上げざるを得ないような状況になっているわけですよね?
だから「遮水壁を閉じて汚染量が下がった」って言っているけど、
汲み上げるのをやめたら、地下ダム構造にまでなっていないわけだから、それ自体が破損する可能性もあるわけですよね。
だから、その必要性があって何百万トンか知らんけどね、毎日建屋に200トン戻しているとか、
そういう説明をしてくれないとね、なんのために記者会見に来ているのかよくわからないですよ。
さっき木野さんもおっしゃってたけど、やっぱり僕らが知りたいのは変化ですから。
皆さんはそれを希望的観測でおっしゃっているけど。
もっと言うと、今度規制庁の監視委員会があるのを確認したら2月だそうですね。
すると1ヶ月間我々には情報がないんですかね?
この記者会見は、例えば1日雨が降って800トンとかなんかをもしも建屋に戻すことがあっても、東電は公表しないと。
そういうのってほとんど、東京電力が去年「情報は公開するんだ」って言っている元々の条件に私は違反していると思うんですね。
やっぱり事実なんだから、そういうのをなぜ公表できないのか?
毎日毎日の炉心の温度とかそういうことよりもイチエフで起こっている変化は明らかに遮水壁を閉めたことで起こっているんだから、それについては要するに情報は公開して欲しいと。
なんでそれができないんですか?
経産省がそこの所の文句を言っているの?
なんでこんなことを公表しないのかということが私はわからないんですけど。
公表する気はありませんか?毎日でも、その数字を。
白井:
まず最初にお断りさせてあげたいんですが、陸側遮水壁、あ、失礼いたしました。
えっと、海側遮水壁を閉めて地下水をTP2mぐらいで汲み上げているのは倒れるからではありません。
どなたからそういう話を聞いたのか知りませんが、
そのせいで、倒れることを防止するために汲み上げているのではございません。
これは明確に否定させていただきます。
このままだと水が、OP4mの地面の所まで水位が上がってきてしまう。
それを避けるために水の汲み上げをしています。
これ以上やっていくと乗り越えてしまう。
移水することを防止するためであって、倒れることを防止するためではございません!
まずここは明確に否定をさせていただきます。
で、現在3.5ぐらいで評価をして、倒れることはないと評価をして、
折れるとかそういった、え…、損傷はないといったことはすでに公表をし、え、差し上げてございます。
あと、水位等の公開になりますけれども、サブドレイント、おー、…失礼いたしました。
えーっと、ウェルポイントと地下水ドレンの汲み上げ量につきましては、え、え、2週間、あるいは3週間に一回、平均の値になりますけども、そちらにつきましては毎週金曜日に、タイムリーではないですけれども、公表はしてございます。
今のお話は、日々もっと早くデータを公開すべきというご意見かと思いますので、
そちらについては社内の方でちょっと検討させていただきたいと思います。
宮島:
あの白井さん、わたしね、それが将棋倒、バタッと倒れるとは思っていませんよ。
だけど基本的に、上にいろいろ構造的にやっているということは、それだけ水圧がかかったら、やっぱり際どい状況になると。
部分的にゆがんだりたわんだりするということはあるわけだから、そういうことですよね。
だから別にね、全部が倒れるとは言っていませんけど、そこは破損する可能性があると。
だから汲み上げているんじゃなくて、越流が怖いから。
TP2mというのは、そっちが主な原因なんですね?
白井:はい。
宮島:
要するに越流が怖いと。
そうするとTP2mというのをコントロールしないといけない理由というのは、
荷重がかかることより越流だということなんですね?
本当にそうなんですね?
白井:はい。
宮島:
はぁ〜。
すると、雨が降ったりしたとしても、とにかくどんな状況になっても2m以上にしない。
2mより越えてきたらどんどん越流するとみていいんですか。
2mを越えると越流しちゃうの?
どれぐらい余裕があるんですか?越流するまでの距離は。
白井:
海側遮水壁の薄っぺらな所になりますので、
TP以外、OPでいうと
宮島:OPは3.5
白井:OPでいったら4mのところになりますが、
宮島:50cm余裕があるということですね。
白井:はい。
宮島:
わかりました。
それで、もう一回伺いますけど、なんでこの数字が公表できないのか。
それは東京電力がしているんですね。
これは経産省から言われてやっているんではなくて、自らそういう数字は記者に公開しないでいいと。
要するにそういう判断なんですか?
白井:
「公表しないではいい」ではなくて、先ほども話しましたように、時間遅れはありますけれども、1週間に一遍、1週間にどれぐらい汲み上げているかを
宮島:
だからさっきから言っているように1日に600トンも汲み上げたら、その600トンを汲み上げましたっていうことを公表しないでいいんですか?
2〜300だとあなたたちは言っているけれども、多い日は600トン汲み上げた日があるってわたしは聞いているんだけど、そういう日はやっぱり公表するのが当たり前なんじゃないですか?
それが東京電力の姿勢じゃないの?
要するにどれだけ汲み上げたかということについて、継続的にこれだけ汲み上げているというわけじゃないんですよ。
その時の状況で大量に汲み上げたりいろんなことをしているわけじゃないですか。
だからそういう時の公表姿勢ってどうなっているんですか?って。
毎日ったって、雨が降ったらこうするとか、なんでその数字が出せないのかというのがわからないんですけど。
そんなのは電話で聞けばわかるんじゃないですか、イチエフに。
そういうもんじゃないんですか?難しいんですか?その数字を出すのが、何トン汲み上げたっていうのは。
何トン汲み上げて建屋に戻したという数字がなぜ出せないのか?
それが今イチエフに起こっている一番の変化じゃないですか?
それ以外に何か変化があるんですか?
白井:
繰り返しになりますけれども、データにつきましては時間がタイムリーじゃないかもしれませんけれども、公表は差し上げてございます。
毎日にでも公表すべきというのはご意見として承りたいと思います。
車内の方で対応について検討させていただきたいと思います。
5856
木野:
今のウェルポイントと地下水のくみ上げの件なんですけれども、
これは去年の秋口ぐらいに僕を含めて何人か記者から質問があった際に「その数字は公表しない」という回答があった以降、その時点で月に1度ぐらいは数字が出ていたんですが。
一方で11月ぐらいから規制庁で毎週毎週週単位で1週間にどのくらい汲み上げているという数字は報告をしているわけですよね。
これを載せてくれればいいだけの話なんですが、なぜそれができないのかがちょっとやっぱりわからないんですけれども。
規制庁には毎週毎週報告をして、一方で会見で配布している資料には週単位のものが毎週同じタイミングで出るわけでもなく、なんでこの対応のズレがあるのかもわからないんですが。
その辺、揃えられないものなんですか?
白井:
先ほどの回答の繰り返しになりますけれども、タイミングとしてはぴったし規制庁にお出ししているのと一緒になっていないですけれども、ある程度、1週間とか2週間遅れた状況での公表はすでに差し上げてございます。
木野:毎週、週単位のものですか?
白井:
週単位で毎週金曜日に、えー、タービン建屋東側の分析結果といった資料をお出ししております。
確実にタイミングよく1週間ごとじゃなくて、時々2週間分まとめてというふうになっていますけれども、そういった中で全体についてはお示してございます。
ただ、今おっしゃっているように規制庁に出したものからは若干、時間的に遅れているのは事実です。
木野:
規制庁に出している資料をそのままこちらにも配布すればいいだけの話だと思うので、
それは是非お願いいたします。
1:1:8
ニコニコ七尾:
関連してなんですけど、お二方が仰った通りだと思うんですけど、
どうして規制庁とこの会見と、資料のタイムラグがあるんですか?
なぜですか?
規制庁から遅れてこちらに報告するというのは、単純に理由がわからないんですけど。
記者の方々からリクエストがあるのに、普通に答えていただけない理由がわからないんですけど。
白井:
基本的には確か、当社の公表の方が時間遅れがあったけれど早かったと思います。
そのあと規制庁の方に報告するようになったというふうに私は確か記憶をしております。
特にその公表の仕方の見直しをしていないと。
七尾:んっ???
白井:金曜日の資料の中には以前から入れておりました。
七尾:
普通にあっさりと「前向きに検討する」と言ってくださればいいと思うんですけど。
なんか、あんまりこれはもめるようなことでもないと思うんですけど。
これっていかがですか?
白井:データの公表の仕方につきましては、先ほどもお話ししましたように社内で検討させていただきたいと思います。
七尾:
「検討」という言葉の意味なんですけど、
わりと政府の会見でも、実は「検討」というのはほとんど「やる」という意味なんですよ、実は、一般には。
だけど東京電力の場合は「検討」というと「やらない」という意味になっていて。
そこは是非、「やる」方向で「検討」していただきたいと思います。
これだけリクエストがずっとあるので、きちっとやっぱり。
というのは、5年なんで、もうちょっとオープンに。
言葉だけじゃなくて、ベテラン記者からリクエストがある場合にはきちんと答える方向でよろしくお願いいたします。
白井:……。
七尾:感情的になるような話ではないと思うので、お願いします。
ーーー
2016年1月7日東京電力記者会見

東電 岡村:
引き続きまして本社の岡村でございますが、
今週月曜日の会見の際に記者の皆様からご質問のありました、
地下水ドレンと経常的に汲んでおりますウェルポイントの汲み上げを、今、暫定的にタービン建屋の方に引き込んでいるという情報でございます。
それに対しまして、皆様方からの声という意味では、日々の情報を、どれだけの量をタービン建屋の方に汲み上げてしまっているという情報についてきちんと情報提供していただきたいという旨を伺いました。
我々の中で迅速に検討いたしまして、来週から日々の汲み上げの量につきまして取りまとめてご報告するというようなことを今般判断いたしました。
まずは来週、どういう形にするかも含めまして、お答えしてまいりたいと思っております。
本日はその旨の判断をしたという情報を提供させていただきたいと思います。
ーーー
汚染水が増加 海側の地下水、濃度が高く
毎日新聞2015年12月30日 22時06分(最終更新 12月31日 00時42分)
東京電力福島第1原発で、一連の放射性汚染水対策が効果を発揮せず、逆に全体の汚染水量を増やす事態に陥っている。海側に掘った「地下水ドレン」と言われる井戸から地下水をくみ上げ、海へ放出するはずだったが放射性物質の濃度が高く、原子炉建屋側へ移送せざるを得ないためだ。今年は汚染地下水が海へ流出するのを防ぐ「海側遮水壁」(総延長780メートル)が完成したことを受け、東電は「リスクを大きく低減できた1年だった」と総括するが、一進一退の状況は変わっていない。
東電は10月、地下水ドレンから地下水をくみ上げて海へ放出する作業を開始したが、5本ある井戸のうち4本の井戸水で、高濃度の放射性物質や塩分が検出され、海に流せなくなった。一方、海側遮水壁で流れをせき止められたため、地下水が増加。その水圧で、海側遮水壁が約20センチたわむトラブルも発生し、東電は補強工事をするなどの対応に追われた。
東電は、地下水ドレンや陸側の「サブドレン」と言われる井戸から地下水をくみ上げることで、1日300トンずつ増えていた汚染水を150トンに半減できるとしていたが、原子炉建屋側へ移送している汚染水は1日最大約400トンに上り、逆に増える結果となった。
東電第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者は記者会見で「(汚染水増加で)タンクを余計に作る結果になってしまったが、外部へは決して漏らさない」と述べた。
東電は、2016年度中には地下水の建屋への流入量を1日100トン未満に減らし、放射性物質を除去する多核種除去設備「ALPS」を稼働させることなどによって、東京五輪が開かれる2020年内に、汚染水の増加量をほぼゼロにすることを目指しているが、課題を積み残す結果となった。東電は廃炉作業全体については、2041〜51年の間に終えるとしている。【酒造唯】
(↓クリックすると大きく見ることができます)

太田英明:
これは昨日の東京新聞の記事なんですけれども、
今年は東京電力福島第一原発の事故が起きてから間もなく5年になろうとしていますが、
放射能を含む汚染水との戦いが落ち着くどころか、現場に予想もしなかった作業が降りかかっているという記事なんですね。
大竹まこと:何が起こっているのかな?
太田:
福島大地原発では、今も原子炉を冷やすために大量の高濃度の汚染水が発生しています。
これを液体で貯蔵するのは危険性が高いんですね。
そのために特殊な薬剤、薬を混ぜて、放射性物質をその薬にくっつけて泥のような形の廃液にして、硬い容器に閉じ込める作業をしておりました。
ところが去年の4月、一部の容器の上の方や周辺の床に溜まった水が見つかりまして、
他の容器を調べたところ合わせて34基で水が溢れ出しているということが分かったと。
で、これはどういうことかというと、
高濃度の放射性物質を含んだ、その泥のようにしたものが容器の中に沈んで、これが水と反応して水素ガスが生まれます。
そうすると、汚れた泥がどんどんどんどん膨らんできて、上に乗っかっている上澄み水を押し上げて、上のガス抜き穴から溢れ出ていた。
「ガスが発生することはわかっていたんですけれども、まさか水があふれるとは思っていなかった」ということなんです。
そんな容器が今、およそ1700基ある。
いずれの容器からも水が溢れ出る恐れがあるので、今現場で何をしているかというと、
完全防護の体制で、毎日の点検の他容器ごとにガスの発生量を予測して、
漏れが起きる恐れの高いものから順番に手作業でホースを使った水抜きを進めている。
ただ、この水が危なくて、放射性物質の濃度が高くて危ない!
放射性セシウムが1リットル当たりでおよそ1万ベクレル。
放射性ストロンチウムがおよそ3000万ベクレルと、近づくだけで被曝する恐れがある高い濃度。
さらにこのうちのおよそ、1700基のうちの1000基が箱の中で三段積みにして収納されている。
容器を一つ一つクレーンで動かして、チェックして水を手作業で抜いて、別の容器をさらに移動させて、再びしまうという、気の遠くなるような作業を今続けている。ということなんですね。
大竹:
もう、なにしろ…ね、
ま、でもある程度まで水素が出るって予測してたんだけど、
これが容器からあふれるまでには、そこまでは考えが及ばなかった。
だから、それが想定していないから、
この1.5mのなんだっけ?
太田:直径1.5m、高さ1.8mの容器にその汚れた泥を閉じ込めている。
大竹:
閉じ込めてるんだね。
これはだから、そういうことを予定していないから、3段重ねになっているわけだよ!
光浦靖子:うわ〜っ
大竹:3っつ縦に重なっているわけだよ。
光浦:もちろん下が古いよね。
大竹:もちろんそうだね。
光浦:だから下から溢れていくよね。
大竹:だから予測するんだけど、どれが溢れるかまだ分からない訳だよね。
光浦:全部
大竹:
上下取り替えて、しかも高濃度。
これを手作業で。
防護服を着ながらやっている訳だよね。
ま、本当に気の遠くなるような、えぇぇーっ!っていうような作業を現場の人はしている訳だよね。
光浦:これ、
大竹:収まっているの?これで。
太田:これは想定していない作業だから、収まってもいないですし、これからもやらなきゃいけないですし、
光浦:手作業でしかもう、仕様がないんだね。
太田:
そうですね、手作業でやるしかないという。
危険を防ぎながら。
で、こういうことに関わっていると、やっぱり、今までやろうとしていた廃炉作業は当然後送り。
光浦:そうだよね。
太田:先送りになっていくという。
福島第一原発 廃液漏れで危険作業増 貯蔵容器で水素ガス発生
2016年1月6日 朝刊 東京新聞
東京電力福島第一原発事故の発生から間もなく5年。しかし放射能を含む汚染水との闘いが落ち着くどころか、現場に予想もしなかった作業が降り掛かっている。高濃度汚染水処理の際に出る廃液の貯蔵容器で、水素ガスの発生により汚染水があふれることが分かったためだ。作業員たちは日々、点検や危険な水抜き作業に向き合っている。 (小倉貞俊)
福島第一では、今も原子炉を常に冷やすため大量の高濃度汚染水が発生する。液体で貯蔵するのはリスクが高い。このため特殊な薬剤を混ぜて放射性物質を付着させ、泥状の廃液にし、強固な容器(直径1.5メートル、高さ1.8メートル)に閉じ込める。
ところが昨年4月、一部の容器の上部や周辺の床にたまった水が見つかり、他の容器をチェックしたところ、計34基で水があふれているのが見つかった。
東電が原因を調べたところ、高濃度の放射性物質を含んだ汚泥が容器内に沈殿し、水と反応して水素ガスが発生。汚泥が膨張して上澄み水を押し上げ、上部のガス抜き穴からあふれたことが判明した。ガスが発生することは分かっていたが、水があふれる事態は想定外だったという。
この容器は現在、約1700基まで増えている。遮蔽(しゃへい)用のコンクリート製の箱に収納しているため、漏えいはただちに外部に影響があるわけではない。
しかし、いずれの容器からも水があふれる恐れがあるため、現場では完全防護の態勢で毎日の点検のほか、容器ごとにガスの発生量を予測し、漏れが起きる可能性が高いものから順次、手作業でホースを使った水抜きを進めている。
ただ、この水は放射性物質の濃度が高く、作業には危険が伴う。放射性セシウムが一リットル当たり約1万ベクレル、放射性ストロンチウムが約3000万ベクレルと、近づくだけで被ばくする恐れのある濃度だ。
さらにやっかいなのは、このうちの約千基が箱内で、三段積みにして収納されている点だ。容器を一つ一つクレーンで動かし、チェックして水を抜き、別の容器を移動させて再び収納する、と気の遠くなるような作業を続けることが必要になっている。
東電の担当者は「どれをどこに動かすかなどパズル状態。被ばくを最小限に抑えながら、慎重にやっていきたい」と説明している。本来の目標である廃炉に向けたマンパワーを、余計な作業に割かざるを得ない状況だ。
<福島第一原発の汚染水処理> 事故で原子炉内に溶け落ちた核燃料を冷やすためには大量の水が必要。冷却後、発生した高濃度汚染水は、放射性セシウムの大半とストロンチウムの一部を除去し、さらに別の装置で塩分などを取り除く。淡水になった分は再び炉の冷却に使い、塩分を含む水は再度除染しタンクに保管する。この処理過程で出た汚泥状の廃液を貯蔵容器にため敷地内に保管している。
交流ですとか、子供達の遊びとかが中心で、そういうようなことをやっております。
登壇されている皆さんとも、先ほど発言した皆さんとも4年半以上のお付き合いになっていまして、隣の部屋で今子供たちが遊んでいるんですけれども、前はまだ赤ちゃんで避難所のホテルで、ベットの上で、まだ乳児で転がっていたような子供たちが、幼稚園、小学校というふうに成長してきています。
そういう姿を見ていると、本当に避難生活というものの厳しさですとか、それから子供たちが今度抱えています将来へのいろいろな様々な課題。
健康問題ですとか、現在の避難生活がどういうふうに続いていくのかというのが、そのようなことを今回のディスカッションの中でもお話ししていけたらなと思いますのでよろしくお願いいたします。
それでは最初に、先ほどの避難者の皆様の発言をお聞きしまして、現在避難者の方々が置かれている状況についてざっともう一度概要をお話ししていただければと思います。
現在避難者がおかれている状況
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=1m49s
私は福島県のいわき市から避難してきております。
区域外避難ということになります。
先ほどまで多くの方々のお話を伺いました。
それぞれ皆さん、かなり様々な苦労をされていまして、やはり共通しているところもありますね。
私なんかですと車の事故がありました。
最初の1年半は母子避難だったものですから、その間避難先と働いていたいわき市とで往復を週末にして、仕事で戻るということをやっていたんですけど、その中で人生初の事故を。
それ以降もうないので、本当にその時だけなんです。
本当に危険な状況になって、家を追い出されて、
追い出されてということですと、家を汚されてということですね。
住める状況じゃなくなったので、泣く泣く出るしかなく、
そんなプレッシャーの中で先が見えない避難生活を続けていて、
お金も余計にかかっている状態なのに、仕事は続けるしかないような状況で往復しているので、非常に神経をすり減らしまして、そんな状態の中で私も事故を起こしたと思っているんですけれども、
別に車の事故だけじゃなく、やはり非常にこの不安定な状況の中でなんとか避難生活を続けるしかないという、そういうプレッシャーに常に避難者は晒されています。
そしてこのような、特に避難の指示が出なかったところの避難の問題というのは、
あまりというかほとんど、マスコミで正しくそのままの声としてなかなかでないものですから、
なかなか知ってもらえる機会がありませんで、
こんな所に来ていただいて直接お話を聞いてもらえるというのは、本当に私たちとしてはありがたいです。
是非、ここで話を聞いたことを広く伝えていただきたいというふうに考えています。
この避難住宅、私たちはそろそろ5年ということになりますけれども、
生半可な気持ちで避難しているわけではないんですね。
戻った方も、お話がありましたが、安心だと思って帰った方なんてまずいないんですよね。
私の周りには全然いないです。
いろいろな事情があって、親の調子が悪くなって戻らざるを得ないとか、泣く泣く戻っている方が多いわけです。
やはりそのような状況の中で打ち切りということは、私たちも長いこと政府に対して要求とかやってきましたけれども、打ち切っていいような話は一切していないのにこのようなことになってしまって、非常に困惑しております。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=5m30s
ありがとうございました。
様々な場所の避難者の方たちの相談活動をされていらっしゃいますが、
現在、実感としてどういう相談が多いんでしょうか?
やっぱり住宅についての不安というのがすごく多いですね。
ですからそういうものは、基本的には運動でなんとか伝えていけるような形で、それでこういう集会に結び付けたりとか、そういうふうな形でできるということで運動。
あと、現実的には来年(2016年)の2月に、例えば宮城の方が出なければいけないという話がありましたが、
そういうような話を含めて、その辺も含めてサポートしていくというような所を、交渉したりですね。
個別の交渉も進めていくことも必要だなというふうには思っています。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=6m34s
ありがとうございます。
それでは山形県に避難されている方にお聞きしたいと思います。
先ほどのご発言の中でいろいろ山形県に避難の状況のことがありましたが、
また東京都状況がいろいろと違うと思うんですけれども、
ちょっとその辺をご説明頂けますでしょうか?
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=6m59s
山形はまず、福島の横ですぐ近かったんですけど、「こんなに雪が降るのか」とびっくりするほど知らなかった。
スキー場ぐらいかなと思っていたんですね。
スキー場に行っていたのもあるんですけど、まさか街にこんなに雪が降るとは思いませんでした。
ダンプカーで除雪をして、排雪作業までします。
民家の方たちは一家に一台除雪機を持っています。
それがないと家が潰れます。
一生懸命雪をかいて、両脇が人間よりも高くなります。
車一台見えません。
車がひょこっと出てきても、本当にわからないぐらいの、だからこんなに道路が広いんだなというのをその時にわかったんです。
冬がこんなに厳しい、マイナス10度になるんですけど、
マイナス10度を経験したことがないので、ここは北海道じゃないかなって。
そんな対応を避難してすぐ5月6月7月、夏の時に考えるわけがないんですね。
「なんとかしてくれるかな」という、ちょっとした甘えもあったんですけど、
雪の対策というものをその時せまられました。
長靴を買わなくてはいけない。
雪がぐちゃぐちゃになるので、普通の靴では歩けません。
長靴を履かないと滑ってしまってハネが上がったり、下は凍るんですけど上には雪が毎日のように20cmぐらい積もります。
その上をツルッ!
私は何回も最初尻餅をつきました。
子供をおんぶして駐車場まで行くんですけれども、本当にこれは「危ない」と思いました。
雪に慣れていない人は米沢の生活は本当に危険です。
障害者になった方も、実は他県からいらっしゃった方で聞いたことがあります。
滑って足を骨折したまま障害者になったという、避難者じゃないんですけど、それほど雪国というところはちょっと心得なきゃいけない。
窓も凍って開きません。
お風呂なんかも通常の倍ぐらい焚かないと、うちの方は住宅雇用促進で古いところなんですけど、カンカンカンカンって、回さないといけません。
40分間でようやく。
シャワーは付いていないところです。
1箇所だけシャワーの付いている設備も雇用促進にはあるんですけど、入居後住み替えが認められないので、妊娠中私は5階にいたんですね。
3人目を産んだんですけど、その時に5階から、毎日のように子供を保育園に送って買い物をして往復毎日していたら出血しました。
出血したのでこれはどうしようと相談しました。
そしたら「診断書がないと住み替えはできない」と言われました。
山川弁護士にお願いをして県の方に抗議をしていただきまして、すぐに「下の階に」というふうにおっしゃっていただけて、本当にあの時は助かったんですけど、お腹の子も助かったということで本当に、あの時は本当に助けていただきました。
住み替えの方も柔軟にしていただけなかったので、いまだに5階に住んでいる方は5階です。
出て行っている方は、2階3階、後から避難してきた方は2階3階と下の方の階で、最初に避難を決めた方は5階から埋めていったので、5階から下の階に下ろしてもらえないんですけど、それはできません。
1階は除雪機が入るので、毎日のように。
重機が入ります。
そうすると雪を押し付けていくので1階はすごく湿ってカビが生えます。
押入れが落ちているところもあります。
1階は危ないです。
2階に住みたいんですけど、2階は今度は寒さで、下からの冷気で寝られませんので3階にしました。
3階でなんとなく、引越しを終えた途端に今度早産になってしまって、入院を迫られました。
入院をしてようやく、1ヶ月ぐらいで、3.11に生まれてしまいました。
3番目は3月11日に生まれて、来年(2016年)の3月で2歳になります。
今日は子供3人なので、ちょっと主人は仕事で都合がつかなかったので、私一人だったものですから、
子供達は保育園と学童と、後上は部活ということでみんな出ていますので、今日は時間どうりに戻らせていただくというのがありまして3時には帰らないといけないんですけど。
とにかく山形の冬というのはもう比較にならないぐらい、北海道と思っていただいていいぐらいかもしれません。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=11m23s
ありがとうございます。
山形県に避難している人たちと交流させていただいている私たちの方にも、
「何を支援して欲しいですか?」と言ったら、
家族全員分の長靴の費用、長靴そのもの現物とか、1シーズンに何回か買いかえないと、毎日長靴で学校に行ったりするので、そういう費用もかさんだり。
それからさっきおっしゃっていた除雪の費用ですとか、そういった福島では必要のなかった費用が非常にかかっている。
また岩手県の方は、山形もとても自然豊かなところなんですが、雇用促進住宅が建っているところが、駅が、駅というか市内でもかなりあちこちに分散していますよね。
しかも駅から遠くて、本当にバスもないような、1時間に1本ぐらいしかないようなところにも建っているので、
最初の頃は本当に皆さん、生活するのだけでも大変だったというような状況があると思います。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=12m35s
では、先ほどのお話の続きといいますか、
何か言い足りなかったこととか。
じゃあ、無償の住宅についてなぜ必要かということを先ほどもちょっと話してくださっていましたけれども、
東京都内の避難者たちの声というか、皆さんでよくお話されていると思いますが、
やっぱり住宅問題は避難者の中で切実な問題として普段語っていらっしゃいますか?
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=13m9s
はい、そうですね。
住宅って、生活、生きていく上で、ってすごく大げさっぽいかもしれないんですけど、生活していく上で家がどこに住むかとか、いつまで住めるかとか、あんまり多分、普段は考えないことが多いと思うんです。
ここの家に住もうと、例えば実家があったら実家に住んでいるとか、ここに住もうと思って、そこに住んだらずっとそこに住み続けるとかというのがあると思うんですけど、一応、応急仮設扱い状態みたいな形になるんですが、都営住宅とか雇用促進住宅とか、あと国家公務員宿舎と、都内だとあと一般の賃貸物件。
金額がいくらまでと決まっている、7万でしたっけ。
決まっていると思うんですけれども、一般の賃貸物件と種類はあるんですけれども、そこに期限が毎年区切られるような形で、延長というふうになっていて、毎年更新で、来年住めるのかどうかわからないという状況が、この4年ないし5年続いているというのが今の現状になっています。
で、そこに住み続けられるかどうかがわかるのが、だいたい今ぐらいの時期ですね。
「来年度4月以降も大丈夫ですよ」っていう連絡がくるのは年が押し迫った11月とか12月とか1月ぐらいに「来年度も延長されます」という発表があるので、「来年どこに住んでいるんだろう?」っていう不安は、ずーっとここの、震災以降こちらの方に避難してきてからはある状況なので、そういうのは話すことは多いです。
特に年月が経ってきて、子供が大きくなって、うちの子はまだ5歳なので保育園に通っているんですけれども、中には小学校に入学されたりとか、もっと大きいお子さんだと中学生になってしまったお子さんなんかもいらっしゃるので、学校に入ってくると状況が変わってきていて。
幼稚園とか保育園って、休ませることも簡単、簡単っていうか、親の都合で休ませることとか、転園するとかいうのも、ま、多少小さいので柔軟に行けるかなと思うんですけれども、小学校というふうになってくると、子供たちのコミニュティもすごく強くなってくるので、そこを離れたくないっていうふうに望む、親よりも子供が多いというのが現状です。
やっぱりそこに住めるのか住めないのか。
居られるのか居られないのかというのは、子供にとってもすごく気持ち的な不安というのか、負担で、
「僕たちはいつまでここに居れるんだろう」
「どっか行かなくちゃいけないの?」というのを子供に言われるという母親の気持ち。
でも、なんて答えていいのかわからない。
というか、答えられない。
というお母さんもいて、そういうのはよく話し合ったりしています。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=16m27s
さんも上のお子さんがちょっと大きいと思うんですけれど、その辺の入学とか進学とかにあわせて、子供たちの避難生活、住宅問題をどのように感じますか?
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=16m44s
子供の進学の時の住宅が不安定だという問題は非常に大きいです。
やはり進学するにあたり受験するという場合ですと、どこの学校に行くのかということと、どこに住むのかというのは直結していますから、そうするとこの家に来年居られないかもしれないという状況で学校を、正直選べないに近いですが、それでも選ぶしかないので、その受験の状況にもよりますけど、例えば地元枠があるような公立学校なんかですと、それが使えるか使えないかというのはその時になって問い合わせないとわからないという。
去年実際にそういう学校に確認をしたところ、「あなたのところがその地元枠にあたるのかどうかはその時になってみないとわからない」というふうに言われまして、例えば地元枠を使うんだとしたら、出ちゃったら退学になるような学校もありますし、本当に子供たちが勉強するモチベーションという上で、単純に頑張れば入れるだけじゃな区て、でも家はどうなるの?というところを子供の方が気にしなければならないというのは、非常に子供にとってハンデになります。
その問題は非常に大きいです。
長期で家が確保されていればこんなことは起きないです。
今回は打ち切られてしまっているのでもっと深刻な状況です。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=18m26s
ありがとうございます、
その辺りのことも含めてお話しいただきます。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=18m30s
今、長期というような話があったんですが、長期無償の住宅が必要だと。
特に原発事故の特性というかそういうふうな事例だとですね。
で、広域に避難していると。
もともと避難住宅の仕組みも1年ごとに更新させられて、居られるのか居られないのか不安だというお話しもあったようにですね、もともと建設型の仮設住宅をベースにして運用をしているといのがやっぱり最大の問題だと思っています。
皆さんのお手元に去年の調査結果報告書といって去年の2014とまとめた資料の中に13ページを見ていただきますと、一番上のところに住宅の種類ごとに延長を希望するのかしないのかというのがあります。
これを見ていると、建設型仮設住宅の方は50%ぐらい希望しないというふうになっていて、他の住宅みなしのほうはですね、住宅の設備が雇用促進住宅のように問題がある住宅もあるんですが、一応形上ちゃんと基礎があったりとか壁があったり、それなりに壁があったりということがあって、延長を希望する人が多いわけですね。
ですから、建設型仮設というのはだいたい2年ぐらいで壊すことを予定してつくられていますので、それを1年ごとに延長していくという仕組みになっていて、それで仮設住宅が運営されていて、それがみなし仮設に適用すると、運用するという形で今になっているんです。
逆に言うとみなし仮設独自の運用基準ですね、行政の方の判断で長期にするということも実はできるんです。
だからそれをやっていないというのが今の現状で、そういう点が問題だというふうに言えると思います。
ですからみなし仮設の方が、今広域で避難している人はほとんどそういう状態ですから、それにあった形の運用基準を作って、そして今言ったようなニーズの合う中で打ち切りというのは撤回されていくべきだろうというふうに思っているわけです。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=20m35s
では、3人の避難者の皆さんに、ちょっとざっくりとしたご質問なんですが、
例えば、福島の支援策はなぜダメなのか?というようなところですとか、
あと皆さんが考えていらっしゃるこの国の責任。
原発事故を含めて、避難者の方に対しての国の責任ということで強く感じることがありましたら、ご発言いただけたらなと思うんですが。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=21m14s
かなり色々あると思うんですが、やはりまず最初の出発点として、私たちはもともと自立した生活をしていまして、それができなくなってしまったのは、原発事故で家を含め家の中も、先ほど家そのものが汚染されて外も中もないというお話しがありましたけど、私の家も今に至ってはあんまり違いはないですね。
木造でそんなに古い家ではないんですけれども、事故当初は多少違いがあったけれども今は(外と中の差は)ほとんどない。
で、そういうふうに中も外もないという状況で、止むに止まれず避難の選択をしたわけです。
事故がなければ避難なんてする必要はなかったので、やはりそれに伴って家を自力で確保してくださいというのは、非常にひどいやり方だというふうに思います。
国策で運営されて進められてきた原子力ですから、そこは国にもしっかりと対応していただきたい。
もちろんこれは東電が対応してももちろんいい訳ですけれど、国にはしっかりと対応していただきたいと思っています。
それは無償の住宅を提供し続けるということですね。
この避難できるかできないかが、経済力がある人は避難がなんとか可能で、経済力がない人は帰ってくるなんていう、そういう不平等なことは絶対にやってはいけないと思っています。
それから避難者はほとんどが避難を続けたいと思っていますので、それの意に反して打ち切って帰すというのは本当にひどい話だというふうに思います。
ーー:福島からの支援って何かされているんですか?
福島県が入っている新たな支援策というのは、避難先での公営住宅に入りやすくする。
公営住宅って大抵の場合倍率が高いので、その倍率を下げるということとか、
それから所得次第では家賃の一部補助。
それも2年限定という形だそうですが、それも予定ということで、
ただ福島県の話を直接聞きますと、もうなんか「災害基本法では現行の避難住宅はもう限界だから新しい支援策を用意しました」みたいなことの言われ方をされるんですけれども、限界な訳ではないのでそのままやればいいことなんですが、そうしてその新しい支援策というのは、なんか「先のことを頑張って公表しているんです」って言うんです。
「1年半後の先の話をわざわざ頑張って用意してるんです」と言われるんですけれども、本当にこれでは漏れるところも非常に多い上にやはり不安定であることには違いないし、あと、結局出なきゃならないんです。
「新たに公営住宅に入れ」ということなので、居続ける訳じゃなくて、「今のところは出てどこか公営住宅に入れ」という話なので、そこを支援しましょうという話なので、これは全然。
結局子供は天候を伴いますし、そもそも入れるかどうかもわからないという状況で。
全く不安定なところに更に負担が上乗せされるだけ、こういう状況です。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=25m7s
知りませんでした。
今山形の米沢市ではお隣福島との友好関係があるために誘致というか戻ってきてくださいということを全面的に打ち出してこなかったんですけど、今は「戻りたい方は是非戻ってください」という方に、山形県ではそのようになってきています、そういえば。
そういう記事が出ていました、この前。
それは避難先の方達のご厚意ではあるんでしょうけれども、それは地元に溶け込んでいきたい方にはそれでいいかもしれないんですけど、避難というのを続けていくにあたり、やっぱり住宅問題。
住宅がなくなってしまうことの不安というのは、子供がいる家庭では一番だと思うんですね。
学校の進路もありますし、子供を抱えて母子でなおかつ家賃まで発生して。
今まで実家に入ればお金がかかることはなかったであろういろんなお金を払いながら、避難生活をしてきている上に、勝手に向こうで「避難していいよ」というokを出してきたくせに、今度は「帰りなさい」と勝手にまた期限を区切ってくるというのは、いったい何を考えているのか?という。
何を証拠に「戻っていいよ」という、全然出てない、100人も甲状腺癌の子が出ているという話もあるのに、安心して帰れるわけがなくて。
アドバイザーだって市によっていろんな変な人がいましたけれども、暗示をかけるような、催眠をかけるような、「大丈夫だよ」って。
そこに安心して暮らしている農家の方達とか、販売をしていた方たちは、「大丈夫だ」というふうなことで売ってしまうという状況にしている、それを食べれてしまうという状況にしているというところに、戻らざるを得ない人もいます。
住まざるを得ないと言いますけれども、そういうので喧嘩をするわけではないんですけど、別に福島に住んでいる方との仲たがいとかそういうのは全然話がすり替えになってしまうんですけれども、現実問題、もう福島の中で仲たがいというのはあるわけですよね、避難者と地元の方との。
そういうのもありますし、理解をお互いに、逃げている人っていうのはどうして逃げているのか?というのを地元に残っている方にも理解していただければ。
「もう逃げてる必要はないべ」などというそういうのではなくて、理由があって逃げているんだから、その支援の継続というのも必要だというのが、みなさんの気持ちの理解で持っていただきたいと思いますけど。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=28m2s
ほぼお二人が政策等をお話しされているので、個人的な私の意見で述べさせていただきたいんですけれども、とっても個人的なのでokなのかどうかわからない話なのですが。
あのー、多分、東京オリンピックもあるし、海外に向けてもあるし、「もう日本は大丈夫なんだよ、福島は大丈夫なんだよ」っていうのをアピールしたいんだろうなっていうのが、私の個人的な意見です。
「もう大丈夫だよ」って言って、今回の住宅提供の打ち切りなんかも、避難区域外の人たちに対しての打ち切りですよね。
打ち切りが29年の3月っていうことなので、今避難区域とされているところの人たちはまた別途という話になっているんですね。
で、区域外の人と言いますけど、大体がほとんどもう区域を外されているので、大体が区域外になっています。
で、区域外の人に対しては「もう、自分が好きで逃げているだけでしょ、だからあとは勝手にやってね」っていうようなことを言いたいんだろうな、と。
これも個人的な意見です。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=29m19s
避難区域がどんどんまた解除されてきて、今まで区域だったと指定されていたところも新たに「帰っていいよ」ということになっていっていますので、その方たちも避難先に残りたかったら残っていいけど、いわゆる自主避難というか、区域外になっていくわけですよね。
それがどんどんと今進められていると思います。
区域外の方達の住宅については今追い出しに向けた動きだとか、そういうことを聞くこともあるんですけれども、
その辺のところいかがでしょうか?
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=30m1s
まず、「災害救助法だと限界です」といって福島の方が今打ち切ろうとしているんですけど、でもさっき言ったように区域内の人についてはまだ順次ということで全然打ち切りという話にはなっていないのですから、だから災害救助法に限界があるわけではない。
現実に岩手の方では災害公営住宅の建設が進んでいなくて仮設にいなければいけない。
むしろいなければいけない人というのが多数いるというような状況ですから、建設関係ですね。
ですからそういう意味では災害救助法に限界があるんではなく、やっぱりなんらかの政策的な意図があって今打ち切ろうとしていると。
で、今個人的見解というふうに言ってらしたけど、そういうふうな意図を含めていろんなことがあるのかなというふうに思うんですが。
「追い出しへの準備」というふうな言葉もありますが、現実問題追い出すというふうなことになっていった場合どうなるのかというと、まず、今のみなし仮設住宅の使用許可という形で許可を得て、そこで仮設住宅ということで無償の提供を受けているわけですね。
で、許可の期限がいつということになっていて、その期限が切れるとその許可がなくなるというような状態になります。
その許可がなくなるということはそこに住む根拠がなくなるという扱いになるわけですね、法律上の。
だからそれで「出て行きなさい」というふうになるわけです。
で、根拠がないという状況の中で出ていかなければどうなるのか?というと、
一つには裁判を起こされる可能性があるというところになってきます。
そういうリスクを抱えてくるというふうになります。
あとは裁判を起こされる過程の中で、家賃相当額を払えというふうな部分というものも民事訴訟という形で出てくるのかなというふうに思います。
こっちから最初に、あれですね、打ち切りが断行されてしまったと。
撤回できれば一番いいわけですが、撤回が間に合わなくてですね、打ち切りだと。
一つはそこで裁判を起こすかどうかという、無理やり追い出すことをやるかどうかというのが、政府やこの場合東京だと東京都、山形だと山形県。
そういうところがそういう形をやるのかどうかということが一つ大きな問題としてあるわけですね。
ですけれど、それなりにみんな事情を抱えている中でですね、それなりにニーズがあって、それをどこまでやるのかというところ。
それはむしろ政治的な問題というふうになってくるのかなというふうに思います。
当然それであと、家賃が発生するというような、家賃相当額を払えという話も当然どこかで出てくる可能性はあるわけです。
ですからそういう部分で今後、打ち切りを撤回させるということとともに、打ち切りの撤回が間に合わなかった場合に無償の住宅を維持してもらうというところも含めて「無理やり追い出すようなことはしない」ということをやっぱり求めていく必要があるのかなというふうに思います。
ですからそういうところが結構ですね、この問題、運動をどういうふうに展開していくのかというところがあるわけですが、そういうところを考えてやっていかなければいけない。
ですからやっぱりリスクは当然ある。
その中でですけど、やっぱりでも、そこまでやるか?と。
避難所の時は無理やり追い出すような形で避難所を閉鎖するというところでですね、東京災害ネットで交渉した時にですね、やはりいわき市の避難所をいわき市の方でその避難所を維持すると。
皆さんがきちっと出て行けるまで維持するというようなことはありました。
あと東京でも避難所で次に行くところが決まっていないという状況でいろいろトラブルが発生して、東京都もある程度反省して対応をしたという経緯があります。
ですからそういう部分を含めて、東京都や山形県と交渉していくということも大事なのかなというふうに思います。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=34m18s
では最後のご質問。
皆さんからのご意見をいただきたいんですが、今日このような集会で、住宅問題が中心でしたけれども、様々な避難者の方が抱えていらっしゃる問題について皆さんからの発言もありましたけれども、ここの会場にいらっしゃっている市民の皆さんも含めて、社会に対して具体的にどういうことをこれから支援していったらいいんだろう、って思っていらっしゃる方もいると思いますので、皆さんがこれから、自分たちをどういうふうに支援して欲しいというふうに思っているかというところ。
別に署名してください、協力してくださいと、そういうことだけでなくていいと思うんですけれども、それぞれご発言いただけたらと思います。
どんなことでも結構ですので。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=35m16s
その前に一点、追い出しに向けての動きみたいなことがあります。
都営住宅の中なんかですと、申し込みの書類がきて、そして「これに申し込みなさい」とは書いてないんですけれども、いかにもなんか申し込まなきゃいけないのかなふうの感じで掲示がなされていて、あとそれから、私が今入っているところは区域外ばかりで、皆さん危機感が強い場所にいるんですけれども、むしろ区域内の方が多くて、そのままとりあえず今は関係なくても打ち切りになってもすでに出た賠償金でなんとか動ける区域内の方が多いところなんかで意図的にこういう説明会なんかを開いていてという、そういう問題もあります。
そういうふうな形でプレッシャーを感じます、住んでいる上でですね。
それで支援、
私としてはですね、とにかく、避難を続けたい避難者が追い出されてしまうかもしれないということをなんとか広めていただきたいというのがあります。
そして、皆さんが何か集まりをやるような時に読んでいただければ「このような状況になっています」というようなことを私は出て行って話すのはこの会の代表の役目として当たり前だと思っておりますので、是非そういう機会がありましたら、ご紹介いただきたいと思っています。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=37m17s
今ちょっと思っているのは、うちに3人子供がいる中で1番目なんですけど福島市の籍のままなんです。下の二人は米沢市に保育所の関係とか出産の関係で移してありますけど、上の子だけ支援策で1万円、住んでいなくても市民であれば1万円くれるというのがきました。
主人が「あとの二人はどうなるんだ?」と問い合わせたら、住民票登録なんだよね、って。
ええーって。
そんなことしてちょと、戻って来いっていうことだよね、って。
なにやってるの?避難している子供にくれないで、なんだそりゃ。
じゃ、全員住民票を移している人に通知こないじゃないね、っていう話をしながら、
こんなことしやがってというのが最近思ったことです。
支援して欲しいことは、
現状、こうやって避難生活を自力でしている人たちが、まだまだたくさんいて、しかも大多数が子供がいて、子供のことを思って逃げています。
帰った時の今後の子供の生活はどうなるのか?
給食だって地元のものを使ってますし、牛乳だって飲まないといけなくなります。
うちの子は牛乳は飲ませていないんですけど、
なんかもう本当に子供のためじゃなくて、地域のための運営をしているようなところがあって、本当に戻りたくないんです。
戻らざるを得ないという方もいますけど、そういう方がいろいろいて、福島が二分割されてしまっているという状況があって、それを誰がしたのかということですね。
東電がしたことを国がちゃんと責任を問わなくて、私達みたいなどっちつかずの人たちがまだまだ大勢いて、そういう人たちを、まだまだ支援が必要だということを皆さんでもっと周りの方に伝えていただきたいです。
もう本当に困っている人がたくさんいるっていうことが。
普通に生活をしてますけど、やってられないんですもの、生活を普通にしていないと。
生活はいっぱいいっぱいなんですけど、「避難者です」なんてもう言えないので、そういう人たちは普通の生活をして、黙っているということを皆さんももっと周りの方に言っていただいて応援していただければと思います。
お願いします。
ーー:ありがとうございます。
福島県から避難している方、あるいは福島県から福島県外に避難している方は、まだそれぞれ4万人以上なので10万人近くいらっしゃるんですね。
そういう状況を皆さんもご理解いただければと思います。
https://youtu.be/3bO90q2G5VE?t=40m15s
支援していただきたいことというのは、今来ていただいている皆様にもそうですし、一番は国とか福島県に対して、”避難する権利”をきちんと与えて欲しい、私達に。
線量とか、何キロとかそういうのではなくて、福島県民、もしかしたら隣の茨城だったり宮城だったり近隣の県の方もそうかもしれませんけれども、都内の方も避難している人はいるという話は聞くので、「あぶない」と思って「避難したい」と思った人には、”避難する権利”というものをきちんと与えて欲しい。
何をするしないとかお金が欲しいとかではなくて、避難していると「避難者」っていつまでも言われるんですよ。
なんかすごく後ろめたいというか、なんていうんでしょう、はい。
なので、避難を安心して、なんの後ろめたい気持ちも持たずにできる、”避難する権利”というものを、福島県に今残っている人にも、もしかしたら「避難してもいいんだよ」と言ってくれたら避難したい人もたくさんいるかもしれません。
「今はもう避難することはないからね」って言われているのが県内の人にはほとんどなので、そういうことが言えないから、言い出せないから、できないから、いろんな理由があって避難できない人ももちろんいます。
避難している人は避難しているということを隠さないといけない生活をしている人もたくさんいます。
なので、きちんと避難したいと思う人がいるのであれば”避難する権利”というものを与えてほしい。
そしてこうやって、ここにお集まりいただいている方々で、都内の方でも関心を持ってきていただいている方がほとんどだと思うんですけれども、今私が住んでいる都営住宅では、ご一緒の方もいらっしゃるのでよくご存知の方もいらっしゃると思うんですが、「避難者の自転車置き場」って書いてあります。
よく話すとびっくりされます。
「避難者の自転車置き場」
あと、集会とかいろんなものに出ても「避難者はこうだから」「避難者はああだから」
私は去年も今年も中の、自治会の中の方達に「避難者だろうが永住者だろうが関係ないから、避難者でもやらなきゃいけないのよ」と言われることがすごく多いので、役員をやっています。
子供と二人で生活をしていて子供を連れて行かなければいけない集会なんかに対しても「子供なんか連れてきて」と言われたりもします。
そういう…ご理解いただけない方ももちろんいるのもわかっているんですけれども、
少しでもこうやって関心を持っていただける、今日来ていただけている方々には、お友達の方々にお互いに住んでいる方だったりお近くの方に「こういう人たちって実はいるんだよ」って話したり、「こういうふうにしている人たちっているんだよ」と言って一人二人につなげていただきたいと思いますし、一番の希望は”避難する権利”をきちんと与えて欲しくて寄り添って欲しい、それが私の希望です。
原発事故5年 問われる住民帰還と復興の加速
2016年1月2日 4時04分 NHK
東京電力福島第一原子力発電所の事故からことし3月で5年となりますが、福島県では今も10万人余りが避難を続けています。ことしは、春に3つの市町村が避難指示の解除を目指していて、国や地元の自治体が放射線や生活環境への不安をどう解消し、住民の帰還や復興を加速させるのかが問われる年になります。
原発事故の影響で、福島県では今も9つの市町村に国の避難指示が出され、避難者の数は県内が5万7000人余り、県外が4万3000人余りで、合わせて10万1450人となっています。
避難指示の解除は、去年9月、役場とすべての住民が避難した自治体として初めて、楢葉町で実現したのに続いて、ことし春には、南相馬市と川俣町、葛尾村の3つの市町村で一部地域の解除を目指しています。
しかし、楢葉町に戻った住民は全体の5%ほどで、避難指示が解除されたあとも放射線による被ばくや、仕事や医療などの生活環境への不安が、住民の帰還の妨げとなることが明らかになってきています。
このほか福島県内では、除染で出た大量の廃棄物を保管する中間貯蔵施設の用地の確保が進まず、地権者2300人余りのうち、契約できたのが22人にとどまるなど、多くの課題が山積みとなっています。
震災と原発事故から5年となることしは、国や地元の自治体が、放射線の不安の解消や廃棄物の処理をどう進め、住民の帰還と復興を加速させるのかが問われる年になります。
自主避難者の声 文字起こしブログ
Aさん「カエルの卵みたいなのがうじゃうじゃありました」〜自主避難の現状〜東京電力福島第一原発事故避難者の声
Bさん「戻りたくないのに『戻れ』というのはちょっと」〜自主避難の現状〜東京電力福島第一原発事故避難者の声
Cさん「安全かどうかは国や東電が決める話じゃない」〜自主避難の現状〜東京電力福島第一原発事故避難者の声
Dさん「 皆さんは帰れますか?」〜自主避難の現状〜東京電力福島第一原発事故避難者の声
Eさん「都営住宅の無償提供が打ち切られます」〜自主避難の現状〜東京電力福島第一原発事故避難者の声
Fさん「どうしてあなたはそんなにサイレントなの?」〜自主避難の現状〜東京電力福島第一原発事故避難者の声
Gさん「2週間1回主人に1万円を渡すのが精一杯です」〜自主避難の現状〜東京電力福島第一原発事故避難者の声
銀座大行進―安保関連法の廃止を求める学生・学者・市民の共同行動
2015年12月6日
石田純一さん

https://youtu.be/PUE8bNnaIRw?t=4m
皆さんこんにちは。
本日はわたしは皆さまと、勇気とそして共感を分かち合うためにやってまいりました。
ご存知のように我々一人一人というものはそんなに力はございません。
もちろんそうです。
けれどもこの度SEALDsをはじめとした若い人たちが、本当に久しぶりにですね声を上げて、
今この、潮目が変わってしまったと思われる戦後の歩み、ここをなぜ今変える必要があるんだ?と、そういう声を上げられたんだと思います。
無関心、それから無感動といいますか、
そういうことがずっとまかり通ってきているな、とわたし自身思っていましたけれども、
こうやってみなさまとお会いできるということは、やはりいろんな国ですから、国の中でいろんな考え方があるのはわかりますが、かつては自由民主党も、もっと悔悟性がありました。
昔のデモを見て、田中角栄、当時の首相が
「いいじゃないか。若者はこれぐらい元気があっていい。女のお尻を追いかける若者よりもよっぽど頼もしい」
というふうにおっしゃられました。
今回は、僕らが今。先ほども言いましたが、
この平和で安全な国をなぜ変えようとしているのか?ちょと理解に苦しみます。
僕は本当に二つのことを危惧しております。
それは、この間も申しましたように、戦後70年というものがいろんな規制のもとに、日本人だけではありません。
中国の方や、近隣のアジアの国、いろんな方に。
本当に犠牲になられて。
その上に成り立っているこの平和と自由の国だったと思っております。
これを、みなさん!
世界一平和で安全な国をなぜ変える必要があるのかと。
それが僕の本当に、危惧でございます。
ま、いろんなことを。
同じ日本人ですから「これがいい」と思ってやってられる方もおられますし、
僕らもこうやって声を上げさせてもらっています。
けれどもやはり、この戦後というものをもう何十年も何百年も続けていきたい。
一つ、
わたしはこの間デモに参加させていただいて、いろんなところでお叱りを受けます。
はい。
大丈夫です。
もちろん僕は、いろんな意見があるのは、右でも左でもニュートラル、中道でもいいと思うんです。
でも言論の自由は、やっぱりこれがあって初めて我々は成り立っているんだというふうに思います。
ちょっとお酒を飲んでいても、街を歩いていても、
「石田くん、君が言ってたことは間違っているよ」
「中国が攻めてきたら、丸腰でどうやって戦うんだ」と。
そういうことをよく言われます。
あのですね、質問、これは非常に深い質問でありまして、こういうのを反知性主義というものではないかと。
中国が攻めてきても今まではこの、我々の周辺ですね、
周辺事態法というのがありまして、亡くなられた小渕さんもおっしゃっておられました。
「日本の周辺だよ」と。「ここはやっぱり守れるんだよ」
ここを個別的自衛権と申します。
法律も、もちろんその上の最高の憲法も、あるいは憲法のもちろんいろんな解釈も、
微妙なところはありましたけれども、
「法律そのものの安定性と継続性が一番大事だ」というふうに、
我々がもう、コンセンサスをもって、戦後をずーっとやってきたわけですよ。
自民党も野党もなく。
それを、ま、内閣の法制局だけのせいにするわけではありませんが、
ある人物が持ってこられて、それで一挙に憲法の解釈を変えてしまったというのは、非常にすごいことだなと。
どこを目指しているんだろう?と。
ちょっと心配になります。
ちょっとじゃありませんけれども。
そして先ほど言いました反知性主義というのは、やはり、本当に首相も言っておられますけれども、
「今、国民に理解をいただいていない」と。
「理解が進んでいない」
これね、進んだら「反対」ということになっちゃうんですよね。
本当に、本当に考えていただければ。
だから、僕らを叱られるその方たちも、もう皆さん自民党や安倍政権を支持しているのは全然、それはその人の自由ですから。
民主主義ですから結構なんですけれども、
「君が丸腰で戦えるか」
そんなことは、どこにも今までそんなことは無いんです。
そんなのはどこを勉強しても。

それから一つだけ、今日は最後に言わせてください。
我々が安保法政に反対した本当の理由というのは、
10個近くの法律をいっぺんに、審議もなるたけしないようにして、そして証拠も残さずに。
いろんな記録もとってないそうです。
そういうものがですね、例えば昔ありました、不良債権を金融機関がどこかに買ってもらう時に、
一番ひどいものをそーっと、そーっとこう忍ばせて、忍ばせて全部まとめて買ってもらうみたいな、
そんなやり方で、この大事な、しかも一番民意、国民の政党であるということを標榜している自由民主党がですね。
そういうことをやってしまう。
反対の方が多いんですよ、明らかに。
各種どの機関でも、NHKでも新聞でも、もちろん民放さんでも、全部反対の方が多かった。
それをやっぱり審議を尽くして、大事なことですから。
ここを僕らはもう一回求めたいと思います。
ちゃんと審議、しましょうよ。
周辺事態方の方が。
ね、重要環境事態法(重要影響事態法)ってなんですか!?
わかりにくくて、官僚の方も今日いらっしゃるかもしれませんが、すみません。
非常にレトリックな面白いやり方で、やっぱりまずいものを隠すという、
そういうのが最近の傾向だと思いますけれども。
これをやはりもう一度表に出して、ちゃんと話し合おうじゃないか、というふうに思います。
私個人は、すみません、本当に3分しか与えられてなくて5分ぐらいしゃべってしまって。

本当に我々の子供だとか、皆さんのお子さん、お孫さんに、
これからも世界一平和で世界一安全で、そしてどこの国にも戦争に行かない。
そういうやっぱり日本でありたいと強く願っております。
よろしくお願いします。
東京都知事 報道されない石田純一さんの記者会見文字起こし2016年7月8日
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私と同じように神社に行って驚いた人々がたくさんいた。
その中で写真があって場所が判明しているものをピックアップしてみた。
今まで何の疑いもなく神社にお参りしていた。
今回のことは世の中を知る意味で本当に勉強になったと思う。
そして、心底恐ろしくなった。
昨日は安倍が靖国神社に参拝したというニュースを何度も何度もテレビで見せられた。
伊勢神宮の外宮を参拝した安倍首相=5日午後、三重県伊勢市

安倍首相が伊勢神宮参拝
2016.1.5 12:47 産経新聞
参拝客に手を振りながら、伊勢神宮の外宮の参拝に向かう安倍首相=5日午後、三重県伊勢市
安倍晋三首相は5日午後、三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝した。歴代首相による伊勢神宮参拝は毎年恒例となっており、安倍首相が新春に参拝するのは平成24年12月の第2次政権発足後、4年連続。甘利明経済再生担当相ら閣僚も同行して外宮と内宮を参拝し、同日中に帰京する。
伊勢神宮参拝は通常、新年の仕事始め当日か直前だが、今年は通常国会の召集が例年に比べて早い1月4日となったため、国会開会後にずれ込んだ。
安倍首相は今年5月26、27両日に三重県で開催される伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)に合わせ、各国首脳とともに伊勢神宮を訪問したいとの期待を示しており、昨年10月に準備状況を視察した際にも伊勢神宮を訪れている。
東京杉並 大宮八幡宮

東京港区 乃木神社入り口

東京港区赤坂 氷川神社

淡路島 伊弉諾神宮

神社の入口に山谷えり子の看板。拝殿前に「憲法改正」の旗が幾つも。
淡路島 神社(↑上と同じ?伊弉諾神宮?)

京都 上賀茂神社

札幌、北海道神宮の本殿の前

続きを読むにIWJブログとリテラの記事
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北朝鮮
朝鮮中央テレビ通じ「水爆実験に成功」と発表
毎日新聞2016年1月6日 12時38分(最終更新 1月6日 15時21分)
北朝鮮の水爆実験実施を伝える街頭テレビに見入る人たち=東京都千代田区で2016年1月6日午後0時39分、森田剛史撮影
【ソウル大貫智子】北朝鮮は6日、朝鮮中央テレビを通じ「水爆実験に成功した」と発表した。日本の気象庁は6日午前10時半ごろ、北緯41.6度、東経129.2度の地点を震源とするマグニチュード(M)5.1の地震を観測した。震源の深さは0キロ。
水素爆弾
放射性核物質のウランやプルトニウムの核分裂の連鎖反応でエネルギーを発生させる原子爆弾に対し、水素など軽い原子核を融合させる核融合反応によって、広島・長崎級の原爆の数百倍のエネルギーを発生させることができる。水素と陽子の数が同じ同位体の重水素や三重水素(トリチウム)を高温・高圧で融合させるが、技術的に原爆より製造が難しい。1954年に米国が太平洋マーシャル諸島のビキニ環礁で水爆実験を行い、日本の漁船「第五福竜丸」の船員が被ばくし、被害を受けたことで知られる。
北朝鮮「水爆実験」
日本政府内に懐疑的な見方も
毎日新聞2016年1月6日 19時14分(最終更新 1月6日 21時02分)
一般的な水爆の仕組み
北朝鮮が「水爆」実験に成功したとの発表に、日本政府内で疑問の声が出ている。政府筋は「爆発の威力は水爆と原爆では全然違う」と指摘。自衛隊幹部は、今回の地震波の大きさが過去3回の核実験と同程度だったことから「水爆だったらもっと大きな威力になるはずだ」と首をかしげ、北朝鮮が「水爆」と発表した理由を「威力がある手段を得たというアピールになるのでは」と推測する。別の政府関係者も「今回のは地震の波形などから見て水爆ではないようだ」との見方を示した。
菅義偉官房長官は6日夕の記者会見で「政府は『水爆』との認識か」と問われ「詳細についてはまだ確定していない。我が国の分析と同時に、米国、韓国と連携して対応したい」と述べた。
原子力規制庁
北朝鮮による核実験による放射能影響の観測結果についての臨時ブリーフィング
平成28年1月6日 原子力規制委員会
本日、北朝鮮による核実験実施の事実が判明しましたので、下記のとおり、放射能影響の観測結果について会見を予定しています。
また会見はモニタリングデータとW-SPEEDIのデータの取りまとまるのを受けて、実施します。
なお、18:00ではなく多少前後の可能性があるのでご了承いただきますようお願いします。
記
○日 時:平成28年1月6日(水)18:00目途(データが取りまとまり次第実施します。)
○場 所:原子力規制委員会庁舎 記者会見室(六本木ファーストビル5階)
○説明者:松浦総務課長、山本放射線環境対策室長
会見映像Youtube

会見はここから始まります→https://youtu.be/y0IELXFaXd0?t=25m25s
北朝鮮による核実験実施発表に対する放射能影響の観測結果等について
平成28年1月6日 原 子 力 規 制 委 員 会
<<資料を参照する際の注意>>
※一般的に、地下核実験の場合は大気中に放射性物質が放出されることは想定されません。
※本試算は、航空における放射線モニタリング実施の際の飛行経路設定の参考情報として一定の計算条件を仮定し拡散予測を行ったものであり、実際にこのような放射性物質が観測されているわけではありません。
北朝鮮による核実験実施に係る放射線モニタングの実施の際に参考となるデータについて
平成28年1月6日
原子力規制庁長官官房放射線防護グループ 監視情報課放射線環境対策室
1月6日の北朝鮮の核実験実施に係る、航空自衛隊機による高空の大気浮遊じん等の採取の際の参考として、WSPEEDIによる拡散予測結果を防衛省に提供しましたのでお知らせいたします。
ーーー
資料には高度が地上、上空 1,000m、上空 2,000m、上空 3,000mと、それぞれの放射性物質ごとに4種類の分布図が公表されているが、このブログには地上のみ抜き出した。
① I-131(ヨウ素131) の大気中濃度の水平分布図 高度:地上
2016/1/7 9時

2016/1/712時

2016/1/715時

2016/1/718時

② Xe-133(キセノン133) の大気中濃度の水平分布図 高度:地上
2016/1/7 9時

2016/1/712時

2016/1/715時

2016/1/718時

③ Cs-137(セシウム137) の大気中濃度の水平分布図 高度:地上
2016/1/7 9時

2016/1/712時

2016/1/715時

2016/1/718時

ーーー
原子力規制庁の、この素早い反応。
他国が原因だと(自分の国の事じゃないと)SPEEDIもこの早さで活用されます。
つまり、放射性物質は危険だということです。
本当は、3.11の時だってこのように迅速にSPEEDIでの予測は出来たということも証明されました。
1月7日15時〜は放射性物質が広範囲に日本にやってくるようです。
(地下核実験なら放射性物質は放出されないと規制庁の資料には書いてあります)
注意しましょう。
東電社長 新潟県知事に原発再稼働へ理解求める
2016年1月5日 17時21分 NHK
東京電力の廣瀬社長が5日、新潟県庁を訪れ、泉田知事に柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を目指す取り組みなどに理解を求めました。泉田知事は、「東京電力は、みずから問題点を直す意識がない」などと厳しく批判し、議論は平行線をたどりました。
東京電力の廣瀬社長は年始のあいさつのために5日午後、新潟県庁を訪れ、泉田知事と会談しました。
廣瀬社長は「福島の事故から5回目の正月となり、長い間ご迷惑をおかけしていることを深くおわびします。柏崎刈羽原発については事故を踏まえ、補強工事を行っているほか、安全訓練を6000回近く実施するなど対策を強化している」などと理解を求めました。
これに対し、泉田知事は「問題なのは技術的な対策だけでなく、組織の運営体制にある。メルトダウンを公表するまでに2か月もかかった理由など疑問に答えず、みずから問題を明らかにし直そうという姿勢が全くない」などと厳しく批判し、議論は平行線をたどりました。
会談のあと廣瀬社長は「われわれとしては、すべてを見せているつもりだが、知事に理解してもらうために、さらに何が必要なのかを考えたい。柏崎刈羽原発の再稼働には、知事を含めた県民の理解が必要だと考えている」と話していました。
柏崎刈羽原発の審査の状況は
東京電力柏崎刈羽原発の原子力規制委員会による審査は、5年前に事故を起こした福島第一原発と同じタイプの中では最も進んでいて、初めて合格することになるか注目されます。
原発事故の教訓を踏まえて3年前に施行された新しい規制基準の下では、これまでに全国の16原発26基で審査の申請が行われました。このうち、去年、再稼働した鹿児島県にある川内原発の1号機と2号機、ことし再稼働する見通しの福井県にある高浜原発3号機と4号機、愛媛県にある伊方原発3号機と、これまでに合格したのはいずれも福島第一原発とは異なる「加圧水型」と呼ばれるタイプの原発です。
福島第一原発と同じ「沸騰水型」と呼ばれるタイプの中では、柏崎刈羽原発6号機と7号機の審査が先行して進んでいます。これまでに、審査の重要項目の1つになっている原発で想定される最大規模の津波の高さが了承され、重大事故に備えた設備の審査が集中的に進められています。現在、想定される最大規模の地震の揺れの議論が終盤を迎えていますが、防潮堤の下を走る断層の活動性を巡り、規制委員会がデータ不足を指摘したことから、追加調査が行われており、沸騰水型の中で初めて合格することになるか、今後の審査が注目されます。
また、仮に合格したあとも、原発事故を起こした当事者が目指す再稼働だけに、東京電力が行った安全対策や組織体質の見直しが地元などの理解を得られるか課題になります。
初詣に行って、激しい嫌悪感を感じて帰ってきた。
下記の記事の存在を教えていただきました。
神社に対して、今日わたしが感じたこと、そのままのようです。
それにしても安倍晋三って…
テレビ新聞マスコミを手の内に入れ、そして宗教も安倍ものだなんて…
続きを読むにリテラの記事を転記させていただきます。
続きを読む
「九条を守ろう。憲法を守ろう」というと、政治的だからと問題にされる。
「憲法改正を推進します」と言って神社の境内の中で署名のお願いをすることは政治的問題ではないのか?
お正月の参拝に数多くの人々が訪れる神社がそのような政治的活動をしてもいいものなのか?
このような行為は許されることなのかどうか、わたしはすべての人に問いたい。
2016年、あけまして おめでとう ございます。
お正月なので、初詣に神社に行ってきました。
久しぶりにお祓いもしてもらおうと思い、大枚払ってお祓いを申し込み、待機場所へ行く時。
なんか背筋が寒くなった気がして振り返るとそこにはあったのは・・・

なにっ?
憲法の内容を見直しましょう
賛同署名のお願い

美しい日本を子供たちへ
これだけパッと見たら、なんか、いいことのようみ見える。
署名しちゃおうかな〜。
どんな内容の署名なのかな?チラシに書いてあることを読んでみる↓
美しい日本を子供たちへ
国民の手で作ろう、美しい日本の憲法
あなたのご協力で、憲法改正を実現する1000万賛同者の輪を!
世界に躍進する日本を創造するため、今や憲法改正は現実の課題です。
悠久の歴史に育まれた美しい伝統や文化、そして世界の平和と繁栄に貢献する日本の使命、それらを盛り込んだ憲法が、今こそ求められています。
憲法改正には国会発議とともに、国民投票で過半数(30000万票以上)の賛成が必要となります。そのため、私どもは今「美しい日本の憲法を作る1000万人の賛同者」を全国に呼びかけています。
美しい日本を大切な衣たちに伝えていくため、どうか皆さんご協力ください。
いいことばっかり書かれている。
具体的にはどんなふうに憲法を変えるのか、そんなことはひとつも書かれていないけど
子供達の笑顔もとっても可愛い❤︎
「未来の子供達のために署名しなくっちゃ」と、この私でさえ思ってしまうくらい。
わたしが署名を思いとどまれたのは、櫻井よしこが全面的に押し出されていので、本能でキケンを察知できたからなのだけど、櫻井よしこっていう人の本心を知らない人はコロコロコロッと騙されて署名してしまうかもしれない。
「あ、この人テレビで見たことある」くらいの感覚だと、署名しそうだ。
だって、ここはご利益がたくさんある神社だもの。
しかも、結構有名な大きな神社で参拝者もとても多い東京都杉並区の大宮八幡宮
東京のへそで縁結び・子育てで有名な神社。
最近は「20cmぐらいのおじさんの妖精が出る」ということで、パワースポットとしても有名になっている神社だ。
櫻井よしこについては最近ブログに書いたばかりで、それを見ていただければどのような思想の持ち主か理解できると思うけど、
櫻井よしこの意見広告「もんじゅ」稼働は政府が決めろ〜名前を連ねる人そして外れる人々
横尾忠則氏が抗議した。櫻井よしこ氏の「原発推進意見広告」
原発大賛成。
もんじゅは動かせ。
安保法制大賛成。
憲法を改正して国防軍を持とう!
等々
あの石原慎太郎と仲良しの女史なのだ。
昨年こんなことがあった。
<国分寺まつり>九条の会の出店を拒否!補助金を出すな!8/29東京新聞記事と国分寺市議事録
東京都国分寺市で11月に開かれる「国分寺まつり」で、毎年ブースを出している護憲団体
「国分寺9条の会」が今年の参加を拒否されたことが28日、分かった。
市などでつくる実行委員会は、内容が政治的であることを理由としている。
このように「政治的活動」と言われて、場所を借りることができなかったりイベントに参加できなかったり、何件も国分寺のようなことがあった。
お祭りに毎年参加していた9条の会が政治的だから拒否されたのならば、
お正月に参拝者でにぎわう神社で改憲のための署名をこのように大々的に広く場所をとるということは、政治的である以外に何であろうか?
神社で政治的活動をしてもいいのか?
こんなこともあった↓
作文”平和な国を作りたい”「政治的批判含むので書き直せ」と指示(東京都公立小学校)&”平和展”「平和は左翼的用語」と開催断る(岐阜県公民館)2/28おしどり(文字起こし)
「自分は将来大きくなったら、夢ができた。一生懸命勉強して国会議員になりたい」と。
集団的自衛権のことや武器三原則の輸出ができるようになったことなども書かれていて、
「自分は大きくなったら平和な国を作りたい」と
今自分が色々勉強をしていても、安倍さんたちが自分の周りだけで話し合っていろんなことを決めていってるように思う。
自分は大きくなったら勉強して国会議員になって、世界に自慢できる平和な国を作りたいっていう、
素晴らしい作文を書いたんです。
「実はあの作文が卒業文集に載らなかった」と。なぜかというと、
「政治的批判を含んでいるので、載せられない、書き直せ」と言われたんです。
そして署名用の紙を見て私はまたまたおったまげた!

署名集めの母体は東京神社庁
Tel 03-3404-65265
Fax 03-3404-6547
東京神社庁ってなに?

「東京都神社庁は、東京都内にある1,398の神社を包括している組織です」と書いてある。
ということは、東京都の他の神社でも、このような署名活動を大々的にしているということなのか!?
とりあえず渋谷区の東京都神社庁所属の神社の名前を見てみた。
http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/syoukai/index.html
渋谷区
明治神宮
東郷神社
金王八幡宮
氷川神社
代々木八幡宮
八幡神社
熊野神社
北谷稲荷神社
等々
う・・・・
神社という神社全部が東京神社庁というところのもののようだ><。
明治神宮もちゃんと入っている。
明治神宮は明治天皇の神社。
今の天皇は憲法改正には賛成していないと思うのだけど、
天皇陛下の意思を無視して、神社は安倍望む憲法改正を支持していることをはっきりと表明しているのだ。
お伊勢さまと氏神様って、いったいなんなんだろう?
ありがたいものだと思っていたけど、こんなに政治的で右翼的な思想を持っていたなんて・・・
わたしはおそろしくてたまりません。
ーー以下は今日のわたしの私的なご報告ーー
実は今日、お祓いをしてもらうために1万円を支払った。
久しぶりだったので、ご利益たくさんいただこうと、5000円、8000円、1万円の中から、一番高い金額を支払ったのだ。
貯金もないのに…
そして、お祓いの支払いを済ませて、待合場所へ入ろうとした時、この署名のテントに遭遇し、待機場所の中にもこの署名のお願いは貼られていて、わたしは1万円支払ったことをどんどん後悔していった。
ご利益をいただいて、怪我や病気なく元気で過ごせるようにささやかな幸せを願って神様にお願いしようと思ったけど、神様の心は悪魔に乗っ取られているということがわかってしまった今、お祓いしてもらうことに何か意味があるのだろうか?
幼い頃から何の疑いももがず、お正月は神社でお参りして、厄年になれば厄払いしたり、学業成就でお願いしたり、ずーーっとなんとなくだけど神社に行けばいいことがあると信じていた。
待機所のビニールテントの中でそれがガタガタと壊れていく音が聞こえた。
神様ってなに?
信心深くいれば良いことがある?
だいたい神社ってなに?
あーー、1万円返して欲しい…
そんなことを考えていたら名前を呼ばれたので、わたしは神殿に入っていった。
なかなか始まらない。
少しすると神殿の舞台のそでから石原伸晃夫妻が入ってきて、舞台の上に座った。
↓写真の黄色い丸の部分に石原伸晃夫妻

舞台の下にはパイプに布張りの青い椅子が4列置かれていて、お祓いをしてもらう人は3列目までいっぱいに座り、付き添いの人は4列目に座っている。満員だ。
わたしはちょっと端の一番前。
見上げても神主さんの顔は見えないが、石原伸晃夫妻の顔はよく見える。
神主さんが祝詞を読み上げる。
一番最後に入ってきた石原伸晃一家の名前が一番先に読まれる。
あとは、下の方に座っている平民たちの住所と名前を読んで終わった。
まずは石原伸晃夫妻が壇上で榊をお供えして二礼二拍手一礼。
そのあと、下の方にいる平民たちが榊をお供えして二礼二拍手一礼。
自分の席で二礼二拍手一礼をするものだから、わたしは石原伸晃夫妻を拝んでいるような形になった。
ああそうか、石原伸晃は石原慎太郎の息子だっけ。
ああそうか、櫻井よしこともお友達なのか。
どうしてわたしが石原伸晃夫妻に向かって二礼二拍手一礼をして拝まなければいけないんだろう?
こうして神社でお祓いしてもらうのもこれが最後だ。
もう二度とここへは来ないだろう。
頭を下げて鈴をチャリンチャリンと頭の上で鳴らされながら、わたしはそんなことを考えていた。
ーー私的なご報告はここまでーー
大宮八幡宮の神様は、神社で政治的活動をしていることをどう思ってらっしゃるのか?
この状態で神社に神様は本当にいらっしゃるというのか?
ああ…日本の神様ってなんなんだ!!!
宗教ってなんだんだ!
と叫んでふと思った。
様々な宗教家が団結していろいろと正しい行いをしているじゃないかと。
たとえばこれ↓
”宗派の枠を超え集結”原子力行政を問い直す宗教者の会福井県庁へ「大飯原発再稼働反対」要望書提出(動画・内容書き出し)
神社は宗教じゃないんだ!
と、おもっていいのかな?
なんだか、なんだか、なんだかな…
今までわたしがしてきたことって、なんだったんだろう??
神社って なんなんだーーーっ!
2016年1月3日
私は1万円の授業料を払って、神社の正体を知ることができたと思うことにした。
これからはお賽銭は入れない。
神社ではお祓いもしない。
おみくじも買わない。
だって、わたしの払ったお金が、タカ派の資金になって、結果
独裁政治で軍国主義の道への手助けになるから
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あんまり慣れていないので書いてきたものを読ませていただきます。
私たちは避難して5年目になります。
私たち家族は2011年3月14日に福島県いわき市を出ました。
自宅は第一原発からだいたい45km強の場所にあります。
その頃娘は11ヶ月でした。
今この子は5歳7ヶ月になります。
子供が大きくなるほどに、この事故がたってからの日々が長く過ぎているんだなって、すごく感じています。
はじめは何が起きているのかわけがわからず、とにかく、とにかく逃げなくちゃみたいな、そういう思い出3月14日に福島県を出てきました。
事故から2年3年と経っていくにつれて状況の変化を感じられないまま過ごしていて、
「とにかく」という思いから、とりあえず、とりあえずまだこういう生活を続けていかなくちゃいけないねって、
「とりあえずまだ帰れないよね」って言って過ごしていました。
4年目以降は、「とりあえず」とか「とにかく」とか、そういうことは言ってられない状況にはなっていますが、毎日頑張って日々を過ごしています。
私たち家族の望みはひとつです。
子供が大人になって、家庭を持って、この子が出産をするとき、
今、私はお腹に赤ちゃんがいまして、来年(2016年)の1月に出てくるんですけれども、
この子たちが子供を産むときに、安心して、何の不安もなく出産ができる。
どうしよう、なにか、お腹の子供に何かがあるんじゃないか、どうしよう。
そういう思いを持たないで子供が過ごせるように。
それだけが私たち夫婦の望みです。
よくチェルノブイリと比較されますが、先日ある団体さんがウクライナに行ってきたという方たちがいて、
そちらの映像を見せてもらったんですけれども、
やっぱりまだ、まだというか、もう29年以上経って、2世3世と言われる方たちが出産したり子育てをしたりしていると思うんですけれども、
その子供たちにやっぱり何かしらの影響が出てきていて、その見せてもらった映像の中でも、生まれて3年しか生きられないというお子さんの映像を見せてもらったりとか、そういうのを見ていると、もしかしたらそういうことは福島にも起きうる話なのかな、って、やっぱり比較してしまうことが多くて、そういうものなく過ごせる環境が一番だなとは思っていますが。
チェルノブイリである地区、ゴメリという地区なんですけれども、
以前に見たニュースだと98%の子供たちが、何かしらの疾患、心臓疾患が一番多いそうなんですけれども、
そういうものを背負って生まれてきていて、たった2%しか普通に、正常に生まれてくる子供がいないというものを見たときに、やっぱりそういう思いを自分たちの子供にさせたくないという思いが一番強くて、こういう避難生活を続けています。
今すでに福島は安全とされていることも多いですけれども、本当にそうなのでしょうか?
まだまだ納得して帰れるとは私たちは思っていません。
でもいま、国や福島県の方針で帰らせられそうな状況になっています。
平成29年の3月いっぱいで、いま住んでいる住宅というものが打ち切られるようになって、
私たち自主避難者は、特に何の保証もありません。
「自主避難というよりは、自費避難だよね」と、友達と話していたこともあるんですけれども、
そういう話って笑って「なんか私たちって本当に自主避難じゃなくて自費避難だよね」と笑って話しますけど、
笑っている内情では、実はありません。
私たち母子避難は、パパが仕事で地元に残って、生活をするために仕事をしていて離れて暮らしていることがほとんどです。
もちろん福島でいままで住んでいた家というものには主人が住んでいるのでそちらの家賃と水光熱費というものはかかってきます。
避難していると、東京なら東京、山形なら山形、避難している先でそちらにかかる生活費用というものも二重にかかってくるので、二重生活ってよく言われますけれども、出費も大体二倍ぐらいになってくることがほとんどだと思います。
主人は、一人暮らしをしたことのない人だったので、日勤と夜勤とを繰り返すような仕事をしているので、
体力的にもギリギリなところがあって、自炊ができないことも多くて、コンビニでご飯を食べることが1日だったりとか、休みの日だともう疲れて何もしたくないから1日何も食べないとか、よくあることみたいです。
いま、住宅が無償提供されているので、なんとかギリギリ生活していくことができていますけれども、
それがそういうことでなかったり、自分たちでどうにかしていこうと考えることもありますけれども、
事実上、ちょっと難しいかなと、選択せざるを得ない状況です。
地元の友達からはよく「お金があるから避難できるんだよね」って、
「お金があるから避難しているんでしょ」ってよく言われるんですけど、
お金があるないとかじゃなくて、お金が無いなら無いなりに、
やらなければならない自分たちの子供に対しての責任っていうものを感じてやっていますし、
私も都内に出てきてパートも始めましたし、
東京に住んでいることの一つは、福島県のいわき市から主人が通えるギリギリの距離。
大体200〜250kmぐらいですかね。
離れているのがこれ以上かかると、主人が会いに来れるペースというのが、いまですら2週間に一度ぐらいなのに、それがもっと遠くなると月に1回だったり、半年に1回だったりというふうになってしまうと、子供が寂しい思いをするので、ギリギリの距離は東京かなと思って都内を選んでいます。
主人はすごく頑張って仕事をしてくれていますが、生活状況からすると、クレジットとかもあるのでそちらを使用することもありますが、2週間に1回主人が来たときに、「ごめんね、これで頑張ってね」と言って1万円を渡すのが精一杯です。
それで彼は次に来るまで過ごします。
本当にギリギリの生活をしています。
いま家から追い出されたら、私たちはどこへ行けばいいのでしょうか。
不安だな、子供のことが心配だなと思いながら、福島に帰らなければいけないのでしょうか。
それとも地べたに座るように生活をするんでしょうか。
いま本当に住宅が打ち切られることが切実な悩みです。
ちょうど打ち切られるときが子供が小学校に入るときです。
子供が大きくなっていくということも考慮して、国や福島県や、そういう私たちの思いを一緒に伝えてくださる皆さまも、子供が成長しているということも踏まえて一緒に戦っていきたいなって思って今日は参らせていただきました。
どうもありがとうございました。
<ディスカッション>「避難を続けたい避難者が追い出されてしまうかもしれない」現在避難者がおかれている状況(文字起こし)
たくさん、皆さん、初めて話を聞きました。
同じ避難者でもあるんですが、
私は避難者でもあり、母親でもあり、あの…、過去では妻でもありましたが、あの…、
全部最初は、消してったんです。
一番最初にママであろうと思って、
それで2年間自分でやっていたこととを、2年間やれませんでした。
私は、歌を歌う仕事をしています。
子供も二人います。
この娘の、二人のために、こちらに、東京都に避難してきましたが、それが今、自分のことを守ることになっています。
今年、フランスに行ってきました。
フランスに行った時の、皆さんの対応にびっくりしました。
一緒に、私と一緒に怒ってくれて、そして一緒に疑問を考えていました。
「どうしてあなたはそんなにサイレント(無言・静か)なの?」って言ってました。
私のことを呼んだ取材者の人は、その事情を日本人であるから事情もよくわかっているし、フランスから何回も取材に来ている彼女だったので、そのサイレントの意味を私と同じく感じることができました。
なので、フランスの方の取材では、受けたんですが、サイレントと書かれていました。
どうして、ただ母親だったというそれだけで、こんなに苦しんでいるお母さんたちがいるんでしょうか。
私は不思議です。
仕事柄私は、一つ一つこういう場所で出会いが生活の糧になり、そして、その一つ一つがまた次につながるわけですが、
最初に皆さんに会った場所が、この避難者の声というステージでもあります。
ですが、私の仕事は歌い手なので、昨日、この場に立つということで書いたものがありますので、
お手元にある黄色の紙を見ていただいて、即席で書いたので、私。
これを、アドリブなんですけど歌ってみたいと思います。
ー拍手
ありがとうございます。
歌♪
いま語ります
いま歌います
福島のふるさとを離れ たどり着いたもう一つの我が家
落ち着いたこの家に 子供達の笑い声が響く
それだけでいい
このままこの笑顔を見つめたい
ー拍手
経験から生まれた2年間の思いを書いた歌を歌い続けています。
歌手活動を始めて2年目になります、2013年から始めました。
その歌をいろんなところで歌っています、学校を含めて。
3.11はきっと5周年、周年と言わないかもしれないのですが、5年になるまで3.11はいろんなところでイベントがあると思います。
(黄色い紙の)裏に私の活動もありますので、是非、来てください。
歌を聴いてください。
ありがとうございます。
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本日は指名にて、簡単ですがお話しさせていただきます。
福島県いわき市から江戸川区に避難生活をしております。
私が住んでおります都営住宅では84世帯の被災者が避難生活を送っています。
そのうち8割が福島で残り2割が宮城岩手で被災した方です。
早い方で来年の2月には現在の都営住宅から転居しなければならないというお話しを伺っています。
避難されてきた方々の多くが津波で田や土地を流され、帰る場所を失ってしまいました。
経済的な問題ではなく、高齢や病気の問題もあるため、スムーズな転居が難しい状態です。
私自身も4人の子どもと90歳を過ぎた高齢の両親とともに現在生活を送っております。
東京へ避難してきた当初は何度か転居を繰り返し、やっとの思いで今の江戸川区に落ち着くことができたのです。
慣れない土地で何度もつまづき、病気も抱えながら暮らしてまいりました。
また子供達も、奨学金とアルバイトをしながら学校へ通っております。
私たち夫婦は生活するだけで精一杯で、子供達には何もしてやることができません。
親としての義務も果たすことができません。
私たち自主避難者も高額な賠償金が支払われていると思われておりますが、実際にはそういった援助はあまりにも少ないものでした。
こうした各自がギリギリの生活を送っている中、平成29年3月には現在の都営住宅の無償提供が打ち切られます。
震災から4年ほどの月日は経ちましたが、未だ生活が立ち直っていません。
悩みや不景気の問題は10人10色ですが、混乱する被災者世帯全員が願うのは家を追い出さないで欲しいということです。
どうか、安心なところで少しでも長く住まわせてください。
「もう大丈夫です。ありがとうございました」と言えるまで、家から追い出さないでください。
どうか、どうか、よろしくお願いいたします。
最後にお集まりの皆様、諦めず団結して頑張っていきましょう。
以上です。
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みなさん話すのが上手なんですけれども、私はちょっと下手なので、原稿を書いてきましたので読ませていただきます。
皆さん、先日千葉で起こったこんな事件を記憶していますでしょうか?
東日本大震災の津波で家がダメになり、目と足が不自由な姉を山へ置き去りにして死なせたという弟の事件のことです。
震災後住む場所を亡くしたこの方々は親戚宅を転々としましたが、それもなかなか難しくなったのでしょう。
日々生きていくのが大変で、障害のある姉が煩わしくなり、山へ置き去りにしたのです。
一見、弟の勝手な行動と思われるかもしれませんが、私には他人事に思えませんでした。
福島県いわき市の海沿いに嫁いだ家は津波で流され、原発30km内ではありませんでしたが、町は大混乱でした。
海が目の前にある主人が勤めていた病院も車も、津波でダメになりました。
生後10ヶ月だった娘と私は、たまたま友人宅にいて難を逃れましたが、いえでお昼寝をさせていたら、多分助からなかったでしょう。
私が嫁いでから一人で頑張っていた脊髄小脳変性症で歩行困難な母は無事だったので、近くの集会場に避難しましたが、
母は四つんばえになって這って歩くしかなく、トイレに行くのが大変で、娘はミルクも水も無く、昼夜関係無く大泣きし、大きな余震も続き周りの方々も恐怖で寝れず、食べ物も無く、徐々に疲れからイライラしたのでしょう。
咳払いをしたり、「うるさい!」って大きな声で言われたり、障害者の母と赤ちゃんを連れて、それだけで肩身も狭く、集会場にいるのは二日間が限界でした。
母の指示で住宅を片付け、勤務先で津波にあった主人は生きていて合流し、3月16日までそこで生活しましたが、ガソリンが手に入ったので唯一残った私の軽自動車で福島県から脱出することにしました。
でも、軽自動車は4人乗り。
娘のミルクを作るためのお水とお湯を入れたポット。
やっとの思いで集めた離乳食、オムツ、着替え、タオル。
多少日持ちしそうなお菓子、もしもの時の毛布を積むと、チャイルドシートもあり、母を乗せる余裕がないのです。
一旦どこかに避難してから母を連れに戻るのか、
でも、当初携帯でのネットは使えず、どこが避難所になっているのかわかりません。
親戚宅に行くか、
でも震災から1週間、いわき市にいる親戚は津波で亡くなったり、流されたり、他に避難したりでいません。
他県の親戚も家族4人の受け入れとなると難しく、渋られました。
元JR勤務の親戚が「電車で来たらいいじゃん」と言いましたが、震災と原発の影響で常磐線は動いておらず、「それも知らないのか」と、福島県と他県の温度差を感じました。
そして頭をよぎったのは母を置いていく。
そんなずるい事でした。
本当にずるい娘かもしれませんが、その時は本気でそう思いました。
支えられてやっと一歩足が出る母。
田舎なのでガス欠になったら山道を歩くしかありません。
外に出れば被曝する。
止むを得ず出た時は上着を捨てて室内に持ち込まないように言われていました。
でも、途中何もないところでトイレとなるかもしれません。
そしたら車から出るしかないのです。
もしかしたら車の中で寝る事になるかもしれません。
私たちはできます。
でも高齢で障害のある母にはやはり難しく、足手まといになってしまうのです。
でもいわき市から食料の支援はありませんでした。
このまま家にいたら全員餓死です。
タクシーも使えません。
飛行機も、空も危険という事で飛ぶか飛ばないかわかりませんでした。
餓死するか、一か八か車で行けるところまで行って、あとは被曝して歩くか、
その選択しかなかったのです。
原発はいつまた爆発するかわからず、物資もいわき市に入ってこない。
ガソリンも無く、逃げたくても逃げる事ができません。
お金を下ろしたくても金額が制限され、着の身着のままで印鑑も通帳も身分証明もないままの方もたくさんいて、すごく困っていました。
幸いな事に茨城県に住む主人の友達が私たち家族4人を受け入れてくれて、4日間お世話になり、
今はみなし仮設に入れ就職もでき、千葉の事件のようにはなりませんでした。
でも、もしかしたらそうなっていたかもしれないのです。
地元で再建するために家を建てると300万円助成されますが、私たちの住んでいた場所は家を建ててはダメな地区になりました。
主人の勤めていた病院も建て直しの話が出ましたが、津波被害もあった事から、同じ場所で再建する考えと、違う場所で再建したい意見の違いからドクターが別れたり、再建して病院が再開しても、亡くなった方や避難した人が多く、介護職だった主人は入院病棟がないと仕事がないので復帰ができません。
「いつか復帰して欲しい」と言われても、それがいつなのかがわからないのです。
お金が入ってこないのです。
通勤するための車も購入しないといけません。
車はダメになりましたが、津浪被害なので保険金は出ません。
自分たちの再建のために、私も次の年からフルで働き始めましたが、国民健康保険から社会保険に切り替わるため免除がなくなりました。
母も一緒に都内に避難させたので、一人暮らしをしていた市営住宅の家賃も払い続けなければなりませんでした。
そして住む家も職場も車もなくした私たちは全員避難し、母子避難ではないのでこうしょく無料の対象ではありません。
有料です。
原発が怖く、子どものために避難した周りも親と同じです。
ですが私たちは対象に入らないのです。
仮払い100万円もありませんでした。
何でしょう、この差はどこから出るんでしょう。
母の市営住宅の片付けや荷物取りに何度も何度も高速道路を使用しました。
ですが、無料ではないんです。
みなし仮設には入れましたが、あかくりや避難所を出た方々のように、おむつやミルク、服等の物資、情報源の新聞支援もありませんでした。
羨ましいのは食事もでていたことです。
被災した私たちは避難してからずっと、ほとんど自分たちでやりくりするしかなく、時間もお金も使い果たしました。
今住んでいる場所から出ろと言われたら、もう生活していけません。
身障者で車椅子の高齢の母と、保育園に通う5歳の娘を連れてやっと避難した私たちから住む場所をとらないでください。
毎月賠償金が出て、医療費無料、高速無料、家財道具補償もある避難者家族とは、生活レベルがとても違いすぎます。
線引きをしないでください。
汚染した地下水が海へ流出するのを防ぐための海外遮水壁が完成して1ヶ月が過ぎましたが、海水に含まれる放射性セシウムの濃度は変わらないそうです。
また、汚染土を詰めた黒い袋がたくさん積まれていたことも、皆さんもご存知かと思います。
それが今年の9月の大雨で240袋流され、うち2袋は中身がなかったと環境省が発表しました。
汚染水処理機アルプスも故障してばかりです。
その土地へ子どもを連れて私たちは帰れません。
皆さんは帰れますか?
どうかみなさん、ご自身がそうなったときを想像してみてください。
横須賀にも原子力空母が配備されています。
何かあったら大田区も30km範囲に入ってきます。
今はテロもあります。
大きな事故がないとも限りません。
一度で構いません、一緒に考えてもらえませんか。
以上です。
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福島県の二本松というところから来ました。
郡山と福島の間です。
家族は全員で6人います。
いま女房と、一番下、今年高校1年生になった息子が米沢に避難していまして、
私は仕事とか様々な関係があって、米沢と二本松、そして仕事といいますか、福島に絶対に必要だという「保養」をやっています。
「保養」をやるために佐渡島に今保養センターというのを立ち上げていて、そこに通っていますので、
福島と二本松と佐渡島と米沢と行ったり来たりという生活をずっとしています。
なぜ避難したか?
簡単です。
放射能が怖いからです。
私は1986年の時にチェルノブイリのことを経験して、大変だということがよくわかっていました。
ですから直ぐに避難させたかったんだけども、なかなか場所がない。
ということで、1年がかりでようやく米沢の先ほどお話が出た方と同じような雇用促進住宅に入ることができたわけです。
あとはなぜ避難したのかというのは、放射能が高い。
あとは、家屋が汚染されているんですよね。
うちの家は女房のおじいちゃん家だったんだけど、古い家でした。
戦争中にどこからか長屋を移築したということです。
ですから、隙間だらけなんです。
あの当時、2011年の3月27日に家に初めて線量計がきたんだけれども、
その時に外で9マイクロシーベルト。
家の中で3〜4マイクロシーベルトありました。
今は除染というのが去年終わって、その剥いだやつを全部庭を掘ってそこに埋めたんですよね。
だいたいその時で0.2ぐらい。
それが今は0.1〜0.2の間ぐらいなんですけれども、家の中も外も一緒なんですよ。
つまり埃が入る。
猫を飼っているから、猫は出たり入ったりする。
猫を殺すわけいかないでしょ。
しょうがないから拭いて中に入れたりするんだけど、そんなの長く続かないでしょ。
だんだん、だんだん、線量は上がります。
家の直ぐ後ろは山で、山というかお寺さんで上から落ち葉がいっぱい落ちてくるんですよ。
そういうところに住んでいます。
2012年に土を測った時には8万ベクレルありました。
今もそこにいて、庭は除染したけれども、後ろのお寺の土手は除染していませんから上がったままです。
なんで避難を続けるか?と言ったら、さっき言ったように除染しても下がらない現状がある。
それから、もうすでに新しい暮らしが始まっているんです。
それを変えるのはすごく大変です。
赤ん坊の時は出るのは楽なんです。
ところが、僕の一番下の子は当時小学校6年生。
泣いて暴れて「なんで俺がここを出なきゃならないんだよ」という感じで、本当に大変でした。
最初は「岩手県のおばあちゃんのところに行け」と言ったら「行きたくない!」
とにかく説得して「ここには住めないんだ」。
「実際にみんな出て行くんだ」って言って、1年がかりで泣く泣く行きました。
でも、一人ぼっちの入学式は大変だったと思います。
それで、入学式の日に、車を蹴飛ばして「1ヶ月で友達ができなかったら二本松に帰るからな!」
でも、避難していた福島の子たちがいっぱいいて、同じサッカー部で、そして友達もできてなんとかやってきました。
学校もよく休んでいました。
本当に不登校になるかなと思うくらいに。
でもサッカー部をやっていたので、なんとね、県大会で優勝できたんです。
で、「福島から来た子のおかげだね」って言ってね、みんなで手を取って泣きました。
その息子がやはり、「高校は二本松に帰りたい」
「おとうさん、おかあさんは俺のこと、無理やり転校させたんだから、高校ぐらい好きにさせろ。いいでしょ」
って言ったんです。
ところが、幸か不幸か勉強ができなかった。
だから二本松の安達高等学校に入れなかった。
「お前の成績では行けないぞ」と言ったら、結局は私立の高校に今行っているんですけれども。
今はそこで落ち着いて、なんとかいけています。
私は本当にホッとしています。
戻らないのはそういうふうに生活が安定してきているということと、
やはり、原発が全然安定していないわけですよ。
メルトアウトして、いつかまた逃げなきゃならないような状況にある中で、
なんでここにいなきゃならないんだということです。
そもそも国と原発の責任は、国と東電にあるわけだから、ありとあらゆる選択肢を用意して、
「居たい人はどうぞ」の話だと私は思います。
だけど、
「ここに住みたくない」
「心配だ。だから出たい」
という人のことも補助するべきだと思うんですよ。
それをしないで、「今線量が下がったから戻ってきていいぞ」とか、
「心配するな、色々考えすぎなんだ」とかいうけれども、安全かどうかは国や東電が決める話じゃない。
俺が決めるんだ。
理屈が合うとか合わないとかじゃない。
現実、家の線量が下がってもあそこには帰れない。
そして、仮に向こうの基準が下がりましたと言ったって、西日本とか全然ないところと比べたら高いんですよ。
だから、そこに戻って被曝を防ぐのは無理だから、私は帰らない。と決めています。
ただいまなんで住み続けているかといえば、仕事の絡みもあるし、福島の人をなんとか外に出したいと思っていて保養とかをやっています。
あとは息子、長男と次男がいますけれども、仕事の関係でやっぱり出ません。
なかなか難しいんだけど、しばらくはそばにいてあげたいと思っています。
やっぱり雇用促進住宅の人にしてもね、結構出てます。
出てます。
それはだけど福島に戻る人だけじゃないんです。
全然他県に行くとか、他県の親のところに行くとか、福島に戻る話ばかりじゃないです。
だからうちも今現在家賃を払わないで家にいたわけだから、それが今後4万幾らって言ったら、どうすっぺな、っていう話だよね。
だけど戻らないですよ。
戻らないって決めているんだから。
これは必死になって、どこかまた安いところかタダのところを探すように頑張りますよ。
でもうちの女房は実は保険の仕事をしているから、
二本松と福島と米沢と行ったり来たりしなきゃならないということはあります。
だから当面ここでやるしかないんだけれども、国と東電に責任があるんだから、少なくとも自分たちが納得して子育ても終わった。
だったらここ出てもいいよねということになる時まで。
「本人達が納得するまでは手当を続けろ」と言いたい。
一切責任を、何も取りもしないで、ふざけるんじゃないぞということを言いたいです。
色々言いたいことがいっぱいあるんですけれども、私たちは出ないで頑張りたいと思います。
本当に、生活も苦しくなっています。
私は米沢と行ったり来たりして、あとは「保養」ということでこういう活動に来たり、子供達を佐渡に連れて行ったりすることで、ガソリン代もね、月に5万ぐらいかかるんです。
これでやっていけないですよ。
私の給料は10万ちょっとですよ。
まぁ、歳も歳だからね、そんなに高くもらえないのはしょうがないけれども、
だから、本当に苦しくなっています。
ジリジリと殺していくようなことを国はやりたい。
そして、兵糧攻めで帰ってくるのを待っているつもりかもしれないけど、そうはならない。
それは死ぬことを選ぶのは嫌だからです。
とにかく頑張っていきます。
ありがとうございました。
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山形県の米沢市に避難しております。
私の場合は主人が福島市で働いておりますので、そのまま主人は実家の方でお世話になってて、
私と子ども二人で、当時小学校3年生の娘と2歳の娘です。
二人を連れて、職場の方で転籍ができるということで、そちらでお世話になることが決まりまして、
保育所にも入れることが決まったので、自主避難を受け入れているという雇用促進住宅の方にお世話になることができました。
5月から避難先を確保できることになりまして、どうして避難に至ったかというと、
小学校の方への送り迎えで、道路の除染もしていないのに大丈夫なのか?問い合わせたところ、
全然関係ないんですね、学校の人は。
先生たちは何も答えることができないんです。
「上から通知がこなければ答えられない」ということで。
私ともう一人避難した友達がいるんですけど、本当にその学年、当時小学校3年生の娘の学年二人だけで、校長先生とかに問い合わせなどをいろいろしたんですが、なんの返答もなかったです。
で、ちょっと不安に思ったので、市民団体の方に加わりまして、放射能の測定の機会を得ました。
渡利地方の方を測ってみたんですけど、校庭の方で60マイクロシーベルト。
私はちょっと測って警報機を見ても意味が全然わかりませんでした。
すごく、専門家の方もたくさん来て騒いでいる状態を私は側から見て「なんかすごいことになっているのかな」ぐらいだったんですけど、勉強していくにつれて「危ない」と。
「ここで避難しないと危ない」という、直ぐに逃げないとという気持ちが働きました。
子どもももう一人欲しかったので、ちょっとこのままここで。
環境的にどうなんだろうという気持ちですぐに避難しました。
今、4年経過しているんですけれども、雇用促進住宅の、当初5階に入っていました。
階段しかありません。
建物は昭和60年代に造られたもので、部屋の間取りも小さいものなんですけれども、
当時は何の設備もなくて、ガスコンロから何から何も無くて、寒い冬に、シャワーもないんですね。
なので、今もシャワーが付いていないところで生活しているんですけど、そういう不便なところに住んでいまして、
当初1〜2年は母子避難の人が沢山いたんですけど、「もう大変だ」ということでだんだん引き返しまして、
今残っている世帯は数が少なくなってきました。
何箇所かあるんですけれども。
それと、母子の方が多くて男手がないというところで、
フラットというところがありまして、そちらでちょっとお茶を飲みながら皆さんでお子さんを一緒に見ながら生活のことを語ったりしています。
現在、戻っている方たちというのは、小さいお子さんが来年小学校に上がるとか、そういうタイミングで帰っているんですね。
で、私からしたら、まだ除染も、当時していなかったので、
「(除染も)してないところに戻るというのは、ちょっとどうなんだろう?」と心配してたんですけれども、
もう当人たちは、お父さんも行き来で大変疲れていますし、
子供も、パパが来て帰るという生活にちょっと泣いてしまったりとか、それに慣れてしまって逆に何も思わなくなってしまっているとか、悲しい事態が起きてきていていました。
家族がバラバラになるよりは、一緒に生活をしたいという方たちが多くて、
それで戻っていったように思います。
あとは、放射能の不安から離婚ですね、離婚問題がすごくありました。
うちの周りでも何件かありますけれども、
パパさんたちの見解と、お母さんたちの見解がちょっと違って。
米沢に避難している人が多いというのは、通える距離なんですね、福島から。
車でうちの実家まで40分ぐらい。
40分ぐらいで帰れるので、通っている方もいます、お仕事に。
その中で「戻りなさい」とかそういう施策で29年で終わりですとか、
期間期間で区切られてしまうのと、
私の子供は今中学1年に上がったところです。
ようやく慣れました。
友達もいます。
急に「帰れ」と施策が、支援が打ち切りになっても、子供の成長に合わせてもらわないとこっちも困るんですね。
子供も困りますけど、戻りたくないのに「戻れ」というのはちょっとどうなのかな?と。
支援の方、これからも継続していただきたいと思いますので、皆さんに周知して、どういうことが起こっているのか?というのを知らない方にも関心を持っていただいて、応援していただければなと思います。
以上です。
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さいたま市から来ました。
私の妻と子が埼玉のほうに母子避難中です。
妻と小学校2年生の長男と、幼稚園の年長、年少。あと、1歳になる男の子がいます。
なぜまだ避難を続けているのか?というと、信じられないことがすごくたくさんあるんですよね。
まず原発事故が起こった時からいろいろ思い起こすと、政府の話というのは、本当は信じたいです。
「安全だ」「安心だ」
信じたいんですけど、いろいろ調べれば調べるほど分からないことが多いです。
リスクアドバイザーという方がよく来ます。
素晴らしい話をしてくれます。
だいたい1時間半ぐらいの公演だと、1時間ぐらい「安全だ」という話を永遠と続けるんですね。
そして、安全だと思いこました後半なって、「交通事故程度の危険性があるよ」と、なぜか言います。
ここで「おかしいぞ」というふにして質問するのは私みたいなタイプの人間らしいです。
他の人たちはなんか「安心だ」「安心だ」「安心だ」
「交通事故、どうってことないや」で終わってしまうらしいんですが。
実際のところ私は交通事故に二度ほどあっていまして、交通事故は結構遭うものかな、と。
それで実際除染が、郡山とか福島とか。
福島にも家があるので除染の状況を見ています。
実際「科学的にしっかり除染をしました。帰っていいですよ」
郡山市は言います。
ただ、実際の除染がどのように行われたか?というと、
「除染」という形は行いました。
本当に線量を下げるようにしっかりと除染したのか?というと、そうでもありません。
除染したゴミ、置く場所がない。
だからうちは除染しない。
そういう所も沢山あります。
あと、郡山市、福島市。
木を切ったり切らなかったりします。
片方は木を切ってくれます。
焼却炉でバンバン燃やしています。
片方では焼却炉で燃やせません。
だから木を切りません。
どっちがありがたいのか、正直わからないところがあります。
それと不思議な話、「木は切っても線量は下がらない」っていうんですけど、
うちの家は除染しても線量は下がらなかったんですが、隣の家の木を半分ぐらい切り倒したら、なぜか線量が半分ぐらい下がりました。
言っていることとやっていることが思いっきり違います。
例えば森林の除染。
「してもあんまり効果はありませんよ、放射線は来ませんよ」と言いながら、福島の渡利地区の話を聞いていると、「一生懸命除染した、雨が降ると元どおり」そういう話も実際に言います。
で、車で渡利を通ると未だに線量はやっぱりあります。
「除染」のまやかし 神戸大学大学院教授 山内知也氏12/22たねまきジャーナル(内容全て文字起こし)
そういう状況の中で、本当のことを誰が話しているんだろう?
本当に心配になってきます。
そしてうちの子供達は泥んこになって遊んでいます、埼玉で。
で、家に帰ってくると母親に怒られます。
「なんてことするのよ!」
でも私はニコッとします。
「男の子はこうだよな」と言いながら頭をポンと叩いて、
「お前ちゃんと払ってこい」というんですけど、
これ、福島でやったら頭ポンじゃ済まないですよね。
「除染した」と言いますが、したところはやらないというところでして、
実際吹き溜まっているところがあって、後やっていないところがあって、その辺分からないんですよ。
線量計を持ってウロウロすると、突然線量がピクンっというところがまだ沢山あります。
それと、郡山の自宅は悲しいんですが、線量計のスイッチを入れておいて部屋の掃除なんかをすると、鳴るんですよ。
ピピピッ。
悲しいかな、自宅の中に(放射性物質が)いるんですね。
あの粉みたいなやつが綺麗に取れているのか?
まぁ、「取れている」という人もいるし、「取れていない」という人もいるし。
あと、怖い話道路の除染は進んでいないし、側溝の除染は進んでいません。
私が住んでいる郡山の家の前は、大雨が降るといっぺんに水が上がります。
大体このくらいまで水が上がってきます。
泥が道路にたまります。
乾くとそれが舞い飛びます。
郡山市あたりに電話して「こういう状況なんだけどどう?」と聞くと、
「もう手いっぱいで何もできません」というような返事があります。
「安全ですから帰りなさい」と言われても帰る状況ではないです。
それと母子避難になってしまった最大のネックは私の度胸のなさなんです。
度胸のいいお父さんたちはピッと仕事を辞めて新しい職をちゃんと求めます。
高校入試、大学入試、それほど大変じゃなかった気がします。
就職試験、すごく大変だった記憶があります。
この年齢になってもう一度就職試験を受け直す、悲しいかな、度胸がないです。
けれど妻子を福島に戻す、そういう気持ちにはなれないです。
そうこうしているうちに貯金はどんどん目減りをしていきます。
行き帰りの中で車はどんどん痛んでいきまして、これが長期間続くと疲労がたまるんですね。
で、最近妻が事故を起こしまして、車が一台廃車になりました。
(子どもが)育ってくると本当にお金は厳しいものがあります。
で、住宅の支援が打ち切られるぞ。
どうすればいいのかな?
どうすればこのまま残れるんだろう?
となった場合に、私の収入がネックになります。
新しい福島県の政策であれば多分、なんの保証もないのです。
んー、どうしよう。
福島にあるもう誰も住んでいない親の家を売るべきなのか、悩みます。
放射性物質にまみれたところを売っていいのかな?
放射性物質のゴミが庭の中にデーンと埋めてある場所、人に言うべきなんだろうか?
だけど売れるんです。
浜通りの人は買うんです。
向こうの方が線量はめちゃめちゃ高いんです。
でも、そういう土地って本当に売っていいのかな?
私の中にある人間としての理性がどうしてもそこを止めるんです。
それでどうするべきなのか?
退職して退職金をもらうべきなのか?
ただ、一番下の子はまだ1歳で、これから先のことを考えると非常に厳しいものがあります。
それで今現在福島で暮らしている人たちの中にも、すごいリスクを抱えていて、
「本当は出たいよ」
でも、福島県は新たな避難というものは認めておりません。
チェルノブイリでは4〜5年後からがんの子ども、甲状腺がんの子どもが爆発的に増えたという話がありました。
4〜5年経ってきました。
事実はどうでしょうか?
信じられない数の子どもが手術をしています。
それでも「関係ない」と言い切ります。
どう関係ないのか説明してもらいたいんですけど、一生懸命もみ消している感じがします。
うちの子供達も上の二人は最初は何もなかったんです。
今回(検査を)やったら、カエルの卵みたいなのがうじゃうじゃありました。
「小さな嚢胞は関係ないよ。出たり消えたりするものだよ」
そう言う福島県立医科大学の先生の診断がどうしても信用できないんです。
だからいくら「除染をした」と言われても、はるかに線量の高い地元には帰れないんです。
そして、経済的にだいぶ疲弊してきているので、住宅の保証、これが途切れてしまった場合には、路頭に迷いたくはないのですが、いろんなものを切り崩していきます。
貯金はとりあえず無くなりました。
この後どうしようかな、生命保険を解約しようかな?
これも悩むところなんです。
交通事故のリスクはすごく高いんです。
この前こちらに車で来たんですけど、ノーマルタイヤです。
帰り、途中の峠道で雪が降ってきたんですよ。
で、みると氷点下まではいかないんですけど0度なんです。
その時に、小ちゃな子どもを二十歳までは見ていたいなというのをしょっちゅうやっていますと、私自身の心身はどんどんボロボロになっていきます。
国はどうなのかな?
国の説明会とかいろいろ聞いてくると、「安全です」「安心です」を繰り返します。
そして、彼らに何を話しても答えは決まっているんです。
彼らの解答用紙というのがあって、それを延々と繰り返すだけなんです。
壊れたテープレコーダーと同じと言えます。
そして復興庁の役人もこういうことをやるんです。
すごく腹が立ったんです。
なんでこういうことだけはきっちりとやるの、あんた。
あんた公務員でしょ、服務の宣誓したの?っていうような感じが致しました。
もっと話したいことは1時間ぐらいあるんですがこれで終わります。
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