2016年3月12日
311甲状腺がん家族の会
http://311kazoku.jimdo.com/
https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=3m54s
311原発事故後、福島県では事故当時18歳以下の子供たちを対象とした甲状腺検査が行われ、私たちの子供たちを含め166の子供達が、小児甲状腺がんやその疑いと診断されています。
さらに北茨城などの関東地方でも小児甲状腺がんやその疑いの子供達が確認されています。
これら小児甲状腺がんの多発やそれぞれの個別の小児甲状腺がんについて、いま多くの専門家が「東京電力福島第一原発事故が原因とは考えにくい」と主張しています。
しかし、私たちはその言葉に戸惑いを感じています。
福島原発事故で大量の放射性物質が放出され私たちと私たち家族は被ばくしました。
「福島原発事故が原因ではない」と否定する根拠は見当たりません。
私たちの子供は唐突に甲状腺がんと宣告され、その瞬間からがんと向き合わざるを得ないという人生を強いられています。
同時に、甲状腺がんと診断された子供を持つ私たち家族は、周りの目を恐れるなど、様々な理由で孤立を余儀なくされてきました。
そのため必要な情報も共有できず、さらに悩みを深めています。
この会は、こうした患者家族同士が交流するために設立しました。
今後患者の治療、及び生活の質を高めることができるように、情報交換を行い、家族間の交流で見えてきた様々な課題の解決策のために取り組んでいきたいと思います。
311甲状腺がん家族の会
河合弘之弁護士

これが設立された団体の概要でございますが、私の代表世話人の一人としての考えを説明したいと思います。
311以降、本当にひどい、規模の大きい深刻な被害が出ているわけですが、ADR(Alternative* Dispute Resolution 裁判外紛争解決手続)で問題にされ、訴訟で問題にされているのは、、全部財物損害と慰謝料だけです。
放射能被ばくの被害、損害の核心は、その放射線から発生した病気であります。
健康被害などという甘い表現は、私はしません。
放射線による病気として、とりわけ小児甲状腺がん、それから、小児にも青年にも大人にも発症する白血病。
これが被害の核心であるというふうに考えます。
そして、日本全国で今、大変なADRの争いと訴訟の争いが発生しています。
訴訟も1万人が起こしています。
でもそれは、全部財物損害と慰謝料だけなんです。

こういうふうに膨大な損害賠償請求がきているわけですね。
それが財物の損害です。
それから精神的な、苦痛とか恐怖に対する慰謝料です。
それだけが問題にされていて、白血病になった人や甲状腺がんになった人の、病気になった、それから身体に障害を被ったという損害がスポッと抜けているんです。
みなさん、メディアの方に感じて欲しいんですけど、変だなと。
一番大事な損害の救済の追求が欠けてるなと。
それはみんな、「なんのせいか?」というと、「原発と因果関係があると考えられない」と「考えにくい」ということで押さえ込まれている。
否定されているから。
「考えにくい」というのは「考えられない」というのと社会的には同義語です。
そして、この財物損害は、要するに放射能の高いところにいると健康被害を被るから、病気になるから、怖いから出るわけですよね。
子供が病気になるのが怖いから出るわけですよ。
だから、財物損害の原因も放射能によって病気になる恐れなんです。
それから慰謝料も、「もしかしたら病気になるんじゃないか」放射能で病気になるんじゃないかと思うから、心に苦痛を感じるわけです。
だから、膨大に発生し、追求されている損害のうちの中核部分がスポッと台風の目のように空白になっているんです。
これがあるかどうかわからないということになると、
「因果関係があるとは考えにくい」ということになると、
全部、財物損害とか慰謝料の根拠がなくなるんです。
「気のせいだよ」とか「大丈夫だよ」っていうことになると、全部根拠がなくなるんです。
全てここから発生するから、財物損害や慰謝料が発生する。
で、ここ(核心)をなくしてしまおうというのが今のやり方であろうと私は考えています。
マルデジグゾーパズルの一番中核の部分がスポッと抜けているわけですが、
そこが抜けているままだとどうなるか?
文字通り底抜けになるんです。
要するに、放射能の被害はよくわからない。
気のせいだよ。
因果関係が考えにくい。
そうなると、じゃあ財物損害も発生しないということになりかねません。
慰謝料というのも、それも気のせいだよ。
家が放射能で住めなくなる。
それも本当にそれで病気が発生するかどうかわからないからハッキリとしないんだよ。ということになると、
「放射能は怖くない」
放射能が怖くなければ「原発は怖くない」
だから原発を再稼働しよう、原発をどんどんやろう。
こういう論理になっていくんです。
だからまさに、中心の部分をきちんと事実を明らかにして、そして因果関係があるんだということをハッキリさせていくことが全ての面に。
だから被害者の救済にも重要だし、原発をなくしていくことにも重要になるんだというのが私の考えです。
ここはまさに天下分け目の戦いという、一番大事な部分の戦いにこれからなっていきます。
いままではこの問題がなぜスポッと抜けていたかというと、患者の皆さんが完全に分断されていたんです。
お互い顔見知りでもありません。
だから団結も生まれていません。
名前もお互い知りません。
完全に分断されているのと、治療の過程において、いまの現代の医療において当然求められるべきインフォームドコンセントとセカンドオピニオンが完全に否定された状態です。
「なんで私こんなことになったんでしょうか?」
その時に、あなたわこういうわけでこうこうなんだよ。って説明して、
だからこういうふうに治療するんだよ、だからこうやって手術するんだよ。
いや、それはちょっと不安で。
それはこうでだいじょうぶだよ。って、
こやってやっていくのが医療じゃないですか、いまの。
それが「はい、あなたがんです」「はい、切りましょう」
で、「あの原発事故が原因でしょうか?」って言ったら「違う!」
そういうふうに言われてしまうわけですよね。
もうそこには問答無用のおんけい的なかふちょう的な治療はあってもインフォームドコンセントはないんです。
そして、不安だからセカンドオピニオンを求めようと思うと、
「そんなことをしてバレようものなら大変なことになる」という恐怖感をもっているから、セカンドオピニオンを求められない。
セカンドオピニオンが本来なら出せる人たちも、いまの体制の中で、福島県立医大だとか、福島県とかに遠慮して、余計なことを言うと後で面倒なことになるから、ということで、
「私福島県から来て、被ばくしてガンなんですけど」「ガンと言われているんですが本当でしょうか?」って聞こうにもですね、お医者さんの方が福島の方だってわかった途端、「福島県立医大に行ってください」ということになって、セカンドオピニオンも求められないんです。
こうやって完全に分断され、完全に押さえ込まれていて、そして僕たちも、さっき申し上げたようにここが原発の放射能被害の中核ですから、なんとかアプローチをしようとしました。
一切アプローチできませんでした。
例えば県立医大の方、福島県の方、そういう方県庁の方にしようと思っても、「とんでもない」「個人情報ですからそんなこと教えられません」
だから分断されていて、個人情報保護ということと、その二つの壁で、私たちは166人の数は分かっても、どこの誰かわからなかったんです。
これがこのまま放置されていたら、本当に憂慮すべき事態だなというふうに僕が考えていたところに、「もう本当にこれは我慢できない」って名乗ってくださった。カミングアウトしてくれる人たちが出てきた。
これはやっぱりもう、抑えきれないんだと思います。
で、そこで、僕に相談があったので、私が最終的に代表世話人になることになったんですが、それまではもちろんお二方が大変尽力されたわけですけど、私の問題意識はそうです。
で、だから全ては何から始まるか?っていうと、
患者さん同士がお互いに住所氏名を知り合い、どういう状態か?ということを情報を交換し合うことから始まる。
そこからスタートだというのが今日の会の趣旨です。

https://youtu.be/Vsf0FAjJqYk?t=30m47s
そして、福島にある原発から大量の放射性物質が放出されて、そしてその範囲に住んでいる人間が甲状腺がんになったら、原則としてその甲状腺ガンや白血病は「その原発の事故のせいだ」というふうに認定すべきだ。
で、逆に「その子供の甲状腺がんは別の理由だ」ということをきちんと立証できたらそれは別ですよ。
たとえば、Aという子供はレントゲン検査の時に誤って甲状腺に大量に被ばくをしてしまったから甲状腺がんになったんですとか、別の理由をきちんと立証できない限り、いま言った三つの条件にかなう場合は原発事故で放出された放射性物質と因果関係があると認定するべきだというふうに思うんです。
そもそもですね、福島県発から発せられた放射性物質が、この子に取り付いて、こういうふうに流れていってそして甲状腺にくっついて、そこから発ガンしたんだなんていうことを立証することは不可能なことなんです。
その不可能な立証が出来ていないということを理由に「考えにくい」という言葉をもって否定するのは、法律的にも間違いです。
法律では因果関係というのは被害を訴える方が立証しなければいけないんですが、本件のような場合とか公害の場合には立証責任は転換されるんだということになっています。
まさにさっきの三つの条件が備わった時には立証責任は転換されている。
否定する方が例外的な事実を立証しなければいけないという考え方。
そういう判断枠組みを変えないと、被害者は全く救済されないんだということを私は強く訴えたいと思います。
もう一つ、ここに(ネックレス)すごく手術の跡が残っている。
そして、それだけでは足りなくてここまで(首の上の方)出来ている女の子がいます。
もし、交通事故でそういうことになったら、女子の要望に著しい醜状を残すということで、後遺障害慰謝料を何百万円と、それも上の方がもらえる数字なんです。
でも、そういう子供たちが何人も発生しているのに、その子供たちは一切そういう請求をしていません。
そんなことができる環境じゃないんです。
で、仮にいまやっても、ADRをやっても、多分東京電力は否定すると思います。
「いや、それは因果関係が考えにくいって専門家が言ってますよ」
そういうことになる。
だけどそんなことで許されていいんでしょうか?
僕は現物は見ていませんけど、テレビや新聞で見ました。
ネックレスの位置と首の上の方に手術跡があるんですよ。
そのことだけでも重要なことです。
そこからさらに悪化することもあるけれども、そのことだけでも救われなきゃいけないのに、それも放置されているというのがいまの状態なんだということを是非皆さんに知っていただきたいということを考えています。
以上です。
何をそんなに急いでいるのか?
じっくり会見を聞いている時間もない><;
高浜原発1、2号機 審査「適合」 規制委、老朽原発で初
2016年4月20日 東京新聞 夕刊
原子力規制委員会は二十日の定例会合で、運転開始から四十年超の関西電力高浜原発1、2号機(福井県)が、原子炉建屋の放射能対策やケーブルを防火シートで包むなどの対策をすれば新規制基準に適合するとの審査書を正式決定した。 =耐震性確認後回し<2>面
新基準に適合すると判断された原発は四例目で、老朽原発では初めて。運転を延長するかどうかを判断する期限が七月七日に迫っており、規制委は老朽原発の運転延長に必要な審査も急ぐ構えだ。
二基は運転満了となる七月七日までに、設備の具体的な工事計画の認可を得るほか、放射線の影響で原子炉がもろくなっていないかなど、老朽原発に特化した審査にも通る必要がある。ただし、耐震性の評価に必要な試験は改修工事後に行えばよいとした。
再稼働には地元同意の手続きも必要で、三年以上先となる。二基の審査は昨年三月に関電が申請した。
原子力規制委員会 定例記者会見(平成28年04月20日)

7月7日で40歳
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=6m31s
読売新聞 おおやま:
今日高浜1、2号機について審査書の決定をしましたけれども、今後まだ工事計画と運転所認可の審査が残っていますが、あと2ヶ月余りしかありませんが、どのように審査に望まれるかお聞かせください。
田中俊一委員長:
あの、7月7日で40年、40歳になるので、それまでに工事認可の審査を終わって、その結果どうなるかわかりませんけれども、仮にあの、延長運転する、すると、そこの工事認可公認までの認可が終わってないといけないということに法律が決まっていますので、それをまずきちっと、事業者も努力するだろうし、私どもとしても私どもに課せられたミッションですから、あのー、仕事ですので、そういうふうな形で進むと思います。
その後はあの、とこ、あのいろんな実際の工事とか、使用前検査とかそういうのはいま全然、あの、何も考えるような段階ではないと思ってますぅー。
なんとなく不安だ
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=7m53s
NHK はなだ:
高浜1、2号関連なんですけど、今日の定例会のほうで保安院から社会老朽化原発でやっぱり社会の関心も高いので、今後審査とかも丁寧のというか、根拠なのか説明を求める意見が出されました。
今日のパブコメでも、ケーブルとか今後の耐震性の試験とかについての、要は設置許可の、変更許可の後に行われるということへの意見とかも出されてということへの意見とかも出されていましたが、今後そういう不安の声とかもあると思うんですけど、今後委員長として老朽化原発の今後の審査の説明というのにどう望まれるのか,望まれようと思うのか、お考えのほうをお聞かせください。
田中俊一委員長:
あの、◯×▽「なんとなく不安だ」っていうこえが、まぁわからんこともないですけれども、パブコメについては私も全部読ませていただきました。
非常にこう、私以上にプラントの中身をよく知っているコメントもたくさんありまして、ちょっとびっくりしたようなところもあります。
で、そういうこともありますし、いろんな後は、非常に今日もありましたけれども、「原発そのものに反対だ」という意見も非常に多かったと思います。
だから、「老朽化であるがゆえにどういうところが心配だ」ということについては、パブコメの中ではきちっと答えていますが、まああのー、どういうんですかね、特に多分これから地元なんかの自治体なんかからもこういうお話があればそういうところで「どういう判断でどうしているか」というところの説明はやっていく必要はあるだろうなと思っております。
NHK :
あと、許可委員とかですね、石渡委員からも基準地震動についての説明をもっと丁寧に、ホームページなどで行うべきだというお話もあって、情報発信についての感度が高くなっているというふうな印象を受けました。
やっぱり熊本地震の情報発信の反省を踏まえて委員の方からそういった意見が相次いだのかなという印象を感じたんですけどそれについては委員長はどのように感じているでしょうか?
田中俊一委員長:
まぁ先ほど国会から戻ってきてそういう発言があったって聞いたということがあったんで、今日も国会の質疑の中で、基準地震動と実際に益城で観測された表面での、ま、3次元の1580ガルとの関係とかいろいろ聞かれたんだけれども非常に説明しにくい問題です。
で、水平も東西南北、それから上下っていう垂直、そういったものについて違ってきているんですね。
それをどういうふうに見ていくか,ということ。
そういうこともありますので、確かにあの、おっしゃる通りうまく説明できるように工夫していく必要はあるんだと思います。
ただ、なかなか難しいので、石渡さんと規制庁の担当者の中でよく検討して、出来るだけ分かりやすくしていくことがいいというふうには思います。
ぜひやってもらおうと思いますけど。
高浜1、2号の運転延長の差し止め裁判
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=11m44s
共同通信 ながお:
先週なんですけれども、名古屋地裁の方に高浜1、2号の運転延長の差し止めを求める裁判が起こされました。
これまで大体原発の裁判って電力が被告で規制庁の方は直接裁判の当事者じゃないということでご説明されてきましたけれど、今回は国が被告ということになろうかと思いますが、どのように裁判に対応されるかお聞かせください。
田中俊一委員長:
届いてないんですよね、ううん、ですから私がそういうのがまだ見てないから、きたらそれを踏まえてきちっと対応することになると思います。
それは私たちがやっていることについてきちっと説明をしていくということになるんだと思いますけど。
まぁ、いま 課長が言ったように、まだ訴状を見ていないから中身がよくわからないっていうのも今日の段階です。
圧力容器の脆化
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=17m40s
NBジャーナリスト しみず:
高浜1、2号の40年越えの審査に関してなんですが、以前40年越え、高経年になると中性子の照射が非常に大きくなって、長年たつと格納容器が脆弱するという話を、壁ですかね、聞いたことがあるんですが。
その辺の判断というのは特に問題がないという判断なのでしょうか?
もう一点は、他の40年経炉、高経年炉に対しても、今回の審査結果というのがモデルケースといいますか、そういうことで他の炉にも十分その考え方、あるいは安全審査の哲学というか、ここのチェックが全部モデルケースになるという理解でよろしいでしょうか?
田中俊一委員長:
まず中性子の照射をたくさん受けると金属、圧力容器が脆化してくるということは言われていまして、その試験片として中に●試験というのがあって、それを定期的に取り出してその温度変化。
あのー、温度が。
要するに脆性破壊を。
何か冷たい水が入った時とか、脆性破壊することが一番懸念されるわけで、あの、そういうことがないような範囲にあるかどうか、っていう判断をするためにそういった試験片を見ながらやってるということです。
で、中性子の照射量っていうのはこれはかなり正確にわかりますから、そういうことでそういう遷移温度の変化を見ていくということになって、それであの、「まだそれは大丈夫」という。
それは共通の判断ですね。
それから40年延長については、まず基本的には新しい規制基準に合致してるかどうかということが最初にあって、その後で今のような高経年化とか、今後20年間きちっと動かしていって大丈夫かどうか?っていう機器の、ま、経年劣化とかそういうことを見ていくということになりますので、それはあの、今回の審査がモデルになるかどうかっていうのは炉によって色々違いますし、基本的な考え方は同じだと思います。
認可後に瑕疵試験。結果、認可取り消しはある?
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=36m8s
毎日 しゅどう:
今日の高浜についてうかがいます。
パブコメでもありましたけれども、一時系冷却系のですね減水乗数の問題について、瑕疵試験を認可後に行うというのは、これは問題の先送りではないかという意見が複数寄せられています。
これは実質的に7月7日までに認可を取らなければいけないという、期限の実質的な先送りではないかという、そういう疑問があるわけですが、委員長はこの件についてはどのようにお考えですか?
田中俊一委員長:
あのー、そんなことはないと思います。
あのー要するに工事認可で、そういった工事認可の段階までにそれを確認して、それを、そういう実証データが得られない場合は、結局今日出した許可も取り消し、無効になってきますよね。
見直しになるのかな。

市村知也 (安全規制管理官):
これは非常に重要な問題でございますので、これは工事認可の段階でですね、先送りということではなくて、工事計画認可の中にどういう風にデータを取るのかということを含めてしっかり書かせて、それで技術基準が満たせるかというのをまず審査をして、で、それで認可を出せるかどうかというのをこれから判断をします。
その上で、使用前検査というもので、言った通りのデータがちゃんと取れているかどうかっていうのを確認をする。
そして、もし言った通りのようなデータが取れないことがあれば、それはなんらかの措置をまた改めてしていただくということになりますので、技術的にもしっかりとしたステップを踏んでいけるという段取りだと思います。
毎日:
そこで確認したいんですけど、試験結果がうまくいかなかった場合は認可の取り消しになるんですか?
認可を取り消すんですか?
そこをちょっとはっきりしていただきたくて、認可の取り消しにならないのであれば、一度おろしてしまった認可をですね、後で、事業者として後で手を打つということがいくらでも可能になるので、そこをちょっと確認したいんですけど。
市村知也 (安全規制管理官):
まず、宣言をした通りのデータが取れない。
あるいは言った通りの、これは減水乗数3%ということですけれども、これが満たされないということがあれば検査には合格はしないです。
検査を合格をしない上で、改めてなんらかの工事をしないともう直らないということであれば改めて工事計画の変更をしていただいて、えー、その認可を取っていただいて工事をするという手続きを取っていただくということになります。
(※答えになっていない)
毎日:
これは委員長にお答えいただきたいんですけど、認可を。
ようするに、工事計画を通らなくてもですね、そこで補強をすれば、もう一度やったら通るかもしれないんですよ。
そうすると、7月7日までにこの認可を取らなければいけないという時間的な制約というか縛りが、実質的に意味をなさなくなるのではないかと。
つまりその後で。
今日のパブコメの中でも後出しジャンケンというコメントがありましたけれども、後で事業者が対応できるのではないか。
それは実質的には期限をなくすのと同じではないのかという疑問があるわけですが、委員長はその点についてはどうお考えですか?
これは認可の取り消しをするのが妥当なのではないでしょうか?
田中俊一委員長:
いままでも工事認可をしても、それを実際に工事をしたところできちっと基準をその通りにいかない時にはその認可に合うように手当てをしていただくということはずっとやってきていると思うんです。
だからその工事認可、あの、工事認可というのはどういうレベルなのか、
それでもう完全にパーフェクトかどうか、っていうことはまだ書類上の問題なんです。
全てがそれで終わりかっていうことは多分ないと思いますよ。
(※答えになってない)
毎日:
ええ、いままでそうやってきたことは理解していて、ただ今回の認可は7月7かという期限があるからこうやってお聞きしているんです。
ようは、期限までに取らなければいけないのに、その期限が過ぎた後でやっぱりそうじゃダメでしたということだったら、やっぱりこれは遡って取り消すべきなんじゃないかなというのが普通の考えなんだと思うんですが、
いま委員長がおっしゃったように、後で手当てができるのであれば期限の意味がなくなるんじゃないか?という疑問なんですが。
それはどうお答えになりますか?
田中俊一委員長:
その内容とかあれによるんじゃないですか?多分。
いち、一律に何かをそういう検測論で決めるということは、工事というそういうものの性質上できないと思いますけどね。
(※噛み合っていない)
トリチウムの海洋放出
https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=34m48s
朝日新聞;
それから、昨日経済産業省のトリチウム水タスクフォースの方で、まだ最終報告は先なんですけれども、一応そのトリチウムの分離記述が実証試験結果で極めて困難だということと、5つの案の中では海洋放出が比較的期間が短く費用も安くできるという検討結果が示されたんですけれども。
これに対してのお受け止めがあればお願いいたします。

田中俊一委員長:
まぁ、受け止めですか。
ごく当たり前のことに落ち着いたと思うんで。
ま、5つの案に対して私は、安全上の問題の評価を是非してほしいと思いますけれども。
あのー、私どもとして「5つの案どれでも大丈夫です」とは申し上げられませんね。
そういう感じ、そういう印象です。
5つの案↓
地層注入、海洋放出、水蒸気放出、水素放出、地下埋設
福島・汚染水
海洋放出が最も短期間で低コスト
毎日新聞2016年4月19日 06時30分(最終更新 4月19日 09時27分)
汚染水の貯蔵タンクが並ぶ東京電力福島第1原発=本社ヘリから喜屋武真之介撮影
東京電力福島第1原発事故の放射性汚染水問題について、浄化処理で取り除けない放射性トリチウム(三重水素)の処分方法を検討している経済産業省が、海へ流すことが最も短期間で低コストで処分できるとの試算結果をまとめたことが分かった。19日開催の専門家部会で提示する。同部会は処分方法の決定は見送る方針だが、試算結果が国や東電の判断に影響を与える可能性がある。
同省は、海洋放出のほか、(1)地下に埋設する(2)水蒸気化する(3)水素ガスに還元して大気放出する−−など五つの処分方法を検討。それぞれについて、トリチウムを含む水の総量を80万トン、1日の処分量を400トンなどと仮定し、処分期間やコストを計算、比較した。
試算結果はトリチウム濃度によって変動するが、海洋放出は最長7〜8年で処理することができ、最大でも35億〜45億円程度のコストで、五つの中でも最も低かった。一方、地下埋設は最長76年の管理が必要で、コストも高かった。
汚染水は、汚染水を処理する多核種除去設備「ALPS(アルプス)」で62種類の放射性物質が除去されるが、トリチウムだけは取り除けない。トリチウムを含む汚染水は敷地内のタンクに貯蔵されて日々増え続けており、同部会で処分方法を検討してきた。【岡田英】
地球環境と生命体への影響を考えればコスト(金)の問題ではないと思うのだけど。
日本では、福島第一原発事故前にはトリチウムが及ぼす健康被害に関しての研究もされていました。
トリチウムが人体に与える影響 放医研実験結果など
トリチウムによる染色体異常~ヒト培養リンパ球での実験結果~
<両棲類と哺乳類のトリチウム取り込み比較>「トリチウム水投与後10日目では脂肪組織に最も多く、 次いで脳、睾丸、肝の順」放射線医学総合研究(内容書き出し)
トリチウム水の魚卵発生に及ぼす影響~「孵化稚魚の眼径は有意に小さい」放射線医学総合研究所資料集(書き出し)
<トリチウムの動向ー動物系>数時間で全身にほぼ一様に拡散分布 /脂肪組織、脳、筋肉に高いトリチウム残留(放射線医学総合研究所資料集書き出し)
<トリチウムの動向ー植物>部位によるトリチウ摂取量の違い/トリチウム水蒸気の葉からの取り込み(放射線医学総合研究所資料集書き出し)
フクシマ原発からの放射能漏洩はトテツモナイ量に! 全く報道されない「トリチウム」の危険性(ダイヤモンド社より)
<福島第一原発>タンクに入っている地上の汚染水〜トリチウムの処分方法「薄めて海洋へ放出or地下深くに注入して地下水として」2015年4/13 NHKラジオ 後半(文字起こし)
トリチウム関係ブログまとめ
経済産業省が考えるトリチウムの捨て方
トリチウム水タスクフォース(第14回)
平成28年4月19日
トリチウム水タスクフォース(第14回)が開催されました。
議事次第(PDF形式:205KB)PDFファイル
3. 議題 :
(1)トリチウム水の取扱いに係る各選択肢(評価ケース)
についての評価について
(2)トリチウム分離技術検証試験事業について
(3)トリチウム水タスクフォース報告書 骨子について
名簿(PDF形式:196KB)PDFファイル
平成28年4月19日時点 トリチウム水タスクフォース
主 査:
山本 一良 名古屋大学 参与・名誉教授、名古屋学芸大学 教授(汚染水処理対策委員会委員)
委員員:
柿内 秀樹 (公財)環境科学技術研究所 環境影響研究部 研究員
高倉 吉久 東北放射線科学センター理事
立崎 英夫 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所 被ばく医療センター センター長
田内 広 茨城大学理学部教授(生物科学領域)
野中 俊吉 協同組合コープふくしま専務理事
森田 貴己 国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所 海洋・生態系研究センター 放射能調査グループ
山西 敏彦 国立研究開発法人 量子科学研究開発機構 核融合エネルギー研究開発部門
六ヶ所核融合研究所 ブランケットシステム研究開発部長
山本 徳洋 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所 所長(汚染水処理対策委員会委員)
規制当局:
今井 俊博 原子力規制庁原子力規制部東京電力福島第一原子力発電所事故対策室長
オブザーバ:
竹葉 友記 水産庁増殖推進部 研究指導課長
村山 綾介 文部科学省研究開発局原子力課 廃炉技術開発企画官
臼井 将人 外務省軍縮不拡散・科学部 国際原子力協力室長
藤原 博次 技術研究組合 国際廃炉研究開発機構 理事
今津 雅紀 原子力損害賠償・廃炉等支援機構 技術グループ審議役
松本 純 東京電力ホールディングス(株)福島第一廃炉推進カンパニー バイスプレジデント
菅野 信志 福島県危機管理部 原子力安全対策課長
資料1 トリチウム水の取扱いに係る各選択肢(評価ケース)についての評価(案)
本資料の位置づけ
トリチウム水タスクフォース第8回会合において、成立しうる最終的な処分の在り方として、地層注入、海洋放出、水蒸気放出、水素放出、地下埋設の5つの選択肢(前処理(希釈・同位体分離)を含めると11の選択肢)の洗い出しを行った。(参考1、参考2)
トリチウム水タスクフォース第13回会合(前回会合)において、地層注入、海洋放出、水蒸気放出、水素放出、地下埋設の各選択肢を同様の条件下で比較検討するための条件設定※を行い、これに基づく概念設計の検討を実施した。
(※これらの条件は、比較検討のため便宜的に設定。実際の処分条件を意図するものではない)
今回、事務局において、各選択肢の評価ケースについて、当該概念設計に基づき、処分に必要な期間、コスト、施設規模、処分に伴う二次廃棄物の発生量、処分に伴う作業員被ばく等の評価結果を整理した。
資料1別紙 各評価ケースの評価結果一覧
資料2 トリチウム分離技術検証試験事業 事業概要報告
資料3 トリチウム分離技術検証試験事業 総括及び評価
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文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=24m54s
ファクター みやじま:
10日ほど前新潟県が東電に対してメルトダウンの公表の遅れの問題に対して70項目の指摘をし、その釈明を求めているんですが、大変私は興味深くそれを注目しているんですが、その70項目について、10日ほど前ですが、もう委員長はこれをご覧いただいて、ご感想があれば伺いたいんですけど。
田中俊一委員長:
えっと、申し訳ありませんけど、それはまだ拝見しておりません。
みやじま:
ぜひ読んでいただきたい。
それで、4月27日に改めて東電の廣瀬さんが呼ばれるわけですが、ある意味で新潟県は本来、この組織の諸相事務上である3.11以降の内容についてこちらに変わって調査をしているとかって。
で、その結論というのは「東電に安全文化が浸透しているとは思えない」と。
で、この件についてはいわゆる「減災法15条に明確に違反しているんじゃないか」という見解で、まさにここの諸相事務上での問題になるようなことが書いてあるんですが、やはり27日にはやはりこの今一番問題が、これが通らないと、これを越えないとなかなか柏崎は動かないんですけどね。
こういう問題についてやはりしっかりと東電の方を問いただしていただけるとみていいんでしょうか?
田中俊一委員長:
えっと、できるだけそういった点についても含めて、東電の安全への取り組みとか安全文化の問題については、改めてきちっと問いただしたいと、ま、色々と意見を交わしたいと思っています。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=30m54s
朝日新聞 くまい:
来週の臨時会議で廣瀬社長(東電)をお呼びするんですけれども、一番どんなことを廣瀬社長にお尋ねしたいか?お伺いできればと思います。
田中俊一委員長:
まぁいろいろ、いくつかあるんですが、最近でいうとケーブルの問題とかがありますね。
そういったことについて、なぜああいう問題が特に東京、ほかでも起こっていますけど東京電力で多発してるか?っていうことについて、やはりあのー一つ、なんていうんですかね、まぁ、やっぱり組織運営のやり方について、そういう根っこがあるんじゃないか、っていうことはまぁあの、お話ししたいと思いますし。
えっと、やっぱり柏崎刈羽についての審査についても、地震動の評価っていうのは、やったときに、ほかの九電とか先行プラントの状況をきちんとフォローしていないというような姿勢っていうのはそれは非常に反省していただかなければならないということです。
(※三菱自動車もだけど、こういう会社の体質って、変わらないものなんだなぁとつくづく思う。)
で、今日の国会でも、多分誤解だと思いますけど、全部規制委員会が、「審査が遅れているのは規制委員会が戦力が足りないからだ」っていうご指摘があったんですが、「それだけじゃないんですよ」と話は今日はしておきました。
「事業者の方にも問題があるんですよ」と。
だからそういうことについてはやっぱり、東京電力としてどうするのかと。
それから、イチエフ事故を起こしたという東京電力は、ほかの電力とは全く同じようには扱えないところがありますので、その辺についてどういった工夫をされて行こうとしているのか、先ほどみやじまさんからありましたが、安全文化の問題とか、言葉だけじゃなくて具体的にそういうことをま、きちっと確認していきたいなというふうに思ってますけど。
ちょと、来ていただいてから議論しないとわからないですね。
朝日新聞:
逆に言うと審査側からしても、やっぱり事故を起こした当事者の、当事業者の審査は、ほかとは違って厳しくやっていくということですか?
田中俊一委員長:
厳しいっていうかね、ハードの問題は共通かもしれないけど、ソフト的なもの。
運転とか、そのなんていうんでしょうかね、運転能力、技術的能力だね。
技術的能力っていう言葉の評価の軸があるんですが、それをどう見るか、っていうことですよね。
単に車の運転免許を持っていても事故を起こす人と起こさない人といろいろありますから、そういうことと同じですね。
やっぱり、起こしてもらっては困りますので、それから何か起こったときに新しいた言おうがきちっとできるかどうか、いろいろイチエフの反省を踏まえれば、まだまだそういう点は反省するべきところがいっぱいあると思いますので、そういうところを、やっぱりきちっと求めていかざるを得ないと思ってますけど。
東電柏崎刈羽原発、ケーブル不備2500本 規制委に報告
2016/1/29 23:53 日経新聞
東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)で安全確保にかかわるケーブルが不適切に敷設されていた問題で、東電は29日、1~7号機で合わせて2500本の不備があったと発表した。同日、調査結果と再発防止策をまとめ、原子力規制委員会に報告した。
東電はケーブルを敷設する計画や現場を直接、確認しなかった点に問題があったとみている。施工の状況を記した図面にも誤りがあった。
再稼働の前提となる規制委の審査を受けている同原発6、7号機の中央制御室での不備は改善したが、すべてのケーブルで対応を終える時期は未定という。
緊急時に原子炉を止める信号を送るなど安全上重要なケーブルは火災による延焼を防ぐため、他と分けて敷設する必要がある。同原発では重要なケーブルとその他のケーブルが混在していることが明らかになっていた。
柏崎刈羽原発で装置のバッテリーから液体漏れ
4月21日 22時20分 NHK
東京電力が再稼働を目指す新潟県の柏崎刈羽原子力発電所にある建物の中で、21日午後、「電源盤から煙が出ている」と消防に通報がありました。実際は煙ではなく装置のバッテリーからの液体が漏れて霧状になっていたと分かりましたが、一時、消防車などが出動する騒ぎとなりました。
21日午後2時すぎ、柏崎刈羽原発の6号機と7号機の「廃棄物処理建屋」という建物の地下1階で、作業員が「電源盤から煙のようなものが出ている」と消防に通報しました。
通報を受け、消防車など8台が出動しましたが詳しく調べた結果、装置のバッテリーの液体が漏れ出て霧状になっていたことが分かり、火や煙は確認されませんでした。
電源盤は作業員が連絡を取り合うための通信設備の電源で、中にバッテリーが入っていました。東京電力によりますと、このトラブルで放射性物質が漏れ出すなどの異常はなかったということです。
柏崎刈羽原発を巡っては、重要なケーブルが不適切に敷設されていたほか、5号機で原子炉内の制御棒が勝手に動き出すなどのトラブルが相次いでいます。
熊本地震。
トカラ列島が何度も揺れはじめています。
大きく揺れて、緊急停止する前に、川内原発はとりあえず止めておくべきじゃないか。
そんな声が日に日に大きくなってきています。
4月18日に続いて、20日の規制委員会記者会見を文字起こししました。
この日は老朽化原発高浜1、2号機の認可についての内容もありました。
内容別に文字起こししました。
まずは、「意地でも止めない川内原発」についての部分です。
原子力規制委員会 定例記者会見(平成28年04月20日)

https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=2m38s
西日本新聞 まえだ:
明日で熊本地震から1週間経ちますが、地震がおさまる傾向は見えませんが今の所運転を続けることに問題はないとお考えか?
もう一つ、運転を続けている九州電力に対して何か求めることがあればおっしゃってください。

田中俊一委員長:
ま、これは何度も申し上げていますけれども、
今日も国会で散々同じことを言ってきていますけれども、運転を続けることについて今安全上の懸念があるというふうには
いま私たちは判断していないということです。
ですからま、あの、そういう意味ではあの、なんら変わりはないんですが、九州電力、事業者は事業者として、やっぱりこういう時期、国民の関心も非常に高い時ですから、特にトラブルのないように十分、注意深く運転していただきたいと猪はありますけれども。
それもー、コントロールできるものと出来ないものとありますから、あんまりそこについてはなにか特にこう申し上げるべき、特に事業者に申し上げるべきことはありません。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=4m44s
日本テレビ 川崎:
熊本の地震に関して、いま「安全のため」というのは聞きましたが、「安全」ではなく、住民の「安心」のための停止という部分で委員長のご見解。
安心というかその不安という部分に対してどう思いますか?
田中俊一委員長:
まぁそれは色々な判断があると思いますけど、そういう判断は我々がすべきミッションは「ない」ということですね。
日本テレビ:
規制法64条には急に止める部分であったり、それが不安ということでは全然合わないという捉え方をしたほうがいいんですか・
田中俊一委員長:
あくまでも科学的に判断して、「これは止めたほうがいい」という判断をするということですよね。
「不安」というのは、どういうレベルの不安なのかっていうのがもう、この地震が起こる前から不安だらけですよね、もしそういうことを言えば。
だから全て世の中不安がないようなことは何もないですよね。
新幹線が走ることだって不安に思っている人がいっぱいいますよね。でも「電車止めろ」っていう人はいませんよね。
だからやっぱりそこは、あるレベルである常識的っていうのかな、そういう判断で、我々の常識は「安全上の問題があるかどうかっていうのを科学的に判断して」っていうことになると思います。
※地震や火山などの市z年災害に対することをどうのようにして「科学的に判断」できるのか?←私の疑問
それ以上のことをやるとですね、あの、何をやってるのかわからなくなります。
※原子力規制委員会は今のままでも十分何をやっているのかわかりません(もともとやっちゃいけないことをやっているのだから)
繰り返し起こる地震
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=12m55s
日経新聞 あべ:
熊本地震について2点。
1点目は繰り返し起こる地震に対してどのような設計の余裕を見ているのか?ということについて改めて教えていただきたいんですけれども、いまだに余震が続いていて、昨日も震度5弱の地震がありました。
川内原発は620ガルで想定しているとおもうんですが、何度も起こるこういった地震について改めて。
前回もご説明ありましたけれども、改めてどのような設計の余裕を見ているのかということについてお聞かせいただけますでしょうか。
田中俊一委員長:
えっとー、重要な機器ですね、安全上。
それはあのー、いわゆる弾性範囲に収まるようにという設計を求めています。
だから弾性範囲にある部分には5回、10回、100回ぐらい繰り返したって何も起こらない。
ま、疲労試験っていう、金属たんかの疲労っていうのがあって、それはもう、ものすごい数10万回とか何百万回とかっていうことをやれば金属っていうのはポキってこう。
みなさんもやったことある、針金を手でこうやっていると折れたりするっていう、そういうことは金属にはありますけど、普通はないですよね。だから、ですから少し言いますと、SSに耐えられるSDという弾性範囲のそういったものによっては、基準地震動を超えるようなことがあれば、変形を、変形が出るような構造物もゼロではないということですけれども、安全上に影響を及ぼすことはないと思う。
ただ、熊本で起こっているような地震の繰り返しで何か起こるか、っていうことはおよそ考えなくていいと思いますけど。
地面の変形
日経新聞:
もう一点、今回は益城町を中心に地盤の変化なども非常に激しく起こっています。
で、川内原発の場合はそうして地面の変形とか、そうしたことの発生の可能性なども考慮しているのか?どうか?ということについて改めて教えてください。

田中俊一委員長:
もともと新しい規制基準では、そういった地震に限らず地滑りとかいろんなことによって「地盤に変形をもたらすような場合には、原子炉の運転そのものを認めない」というそういうことになっていまして、ですから「そういう変形をもたらすようなことはない」ということをまず確認しています。
ただしあのー、要するにえーー、あれですね。
その、活断層、つまりその12万年とか14万年という、以後に動いた形跡がないかどうかということを確認をしているわけですね。
だけど、その、そうは言っても「隠れた断層もあるじゃないか」っていうこともあって、それがいわゆる震源を特定しない断層ということで、これまであの、ま、マグニチュード5以上ぐらいのアレが16回ぐらいだったと思ったけどね。
違ったかね。
16回ぐらい日本では、最近100年ぐらいの間に起こっていて、その中からピックアップして、川内の場合は留萌の、その、留萌で起こったかなり最近の地震ですけれども、それをベースにして評価した結果、近辺の活断層からの影響よりは震源を特定しない断層による評価値の方が高くなって、それが620。
SSが620、水平方向かな?そういうことになっています。
基準地震動を超える
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=20m47s
共同通信 にい:
今の熊本の地震とは別の前提で伺いたいんですけれども、今の規制基準においてSSを超える地震に見舞われるという場合は、これは規制委員として想定しているんでしょうか?
田中俊一委員長:
えっと、SSを超えることはあの、基本的にはそれを想定した対策というよりは、そういったSSをベースにして設計されている、その設計を、基準設計、設計基準を超えるという事象は考慮しているという。
だから地震動だけじゃなくていろんな場合にいろんな状況が起こった、なにか外乱が起こったりして今のセ、今のアン、安全対策っていうのか、設計基準事象を超えるような、あのー、ものについては、わわ、あのー、そういう事故についての対策は、あのー、考慮していると言ったほうがいいと思います。
共同通信:
えっと、じゃあ、若干質問を変えると
保安院の頃は何回かSSであるとかS2を超える地震が何回かあったと思うんですけれども、そういう地震が今後日本の原発にきた場合というのの対応を今規制委員として考えているんでしょうか?
田中俊一委員長:
あのー、考えうる最大の、まぁ、いろいろな知見を踏まえて考えうる最大の、あのー、加速度を、っていうか地震に耐えられるようにっていうことでやってますので、あのどこまで、どういう、どの程度の超え方をするか?っていうことになるかもしれません。
確かにあのーそのー、かつてはあのー、基準地震動SSを超えたていう経験は何回かあったということも踏まえ、そういったことも踏まえて、できるだけそこは保守的に評価しているということです。
共同通信:
最後に聞きますが、今の規制基準におけるSSというものは、やはりあくまで超えちゃまずい一線であるのか?
そうではなくて、保安院時代と言ったら語弊がありますけれども、超えてしまってもある程度余裕があるものなのか?
これはどっちで考えればいいんでしょうか?

耐震総括官 小林勝:
今のご質問の件なんですけど、私ども、新しい規制基準の中ではですね、これは十分余裕を持ってSSを設定するということになってますんで、えー、そこはまぁ、あの100%とは言い切れませんけど、ま、あの、十分な余裕があるということでございますね。
ただ、それを超えてご指摘の通り事故が起こった場合、これはまさに大規模損壊の対象とかですね、そういう風になるわけですから、そちらのほうで対応していくということになると思います。
共同通信:
じゃあ、仮に今後SSを超える地震があった場合でも、例えば基準の見直しであるとか、バックフィットをかけるとか全てがそれに直結するものではないという理解でいいんでしょうか?
耐震総括官 小林勝:
そこはですね、超え方によると思うんですよね。
あの、ちょっとこれは仮定の話なんであまり、あの、この場ではしたくないんですけど、
ま、少しであれば有炉の設計の範囲内になるし、大幅に超えればこれはなんらかの対応をしなければならないということになると思いますんで、ま、ここはちょっと仮の話なんで、ここまでに話は止めておきます。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=26m56s
ビデオニュースドットコム すずき:
今回の熊本の地震によって、規制委員会が取られている様々な基準というものを、ここは改めてのお尋ねですが見直す予定があるのか?というのが一点。
あとは、今回の熊本の地震とは直接関係がないかもしれませんが、様々な具体的な事故が起きたりという事象じゃない場合で、住民の安心不安という観点から原発を止める止めないという事態に至った場合ですね、明らかにこれは重大な事故であるから止めるという明確なものでなかったとすれば、これは誰がどの権限で止めることになるのか、あるいは止めないという判断をすることになるのか、これはちょっと雲をつかむような話で大変恐縮なんですが、この2点について委員長の見解を教えてください。
田中俊一委員長:
ちょっと答えますけれども、熊本のようないわゆる既存の活断層が動くということは今までの基準を作る上で全部考慮してて、今回の布田川・日奈久(ふたがわひなぐ)断層についても、92kmの長さを仮定して、全部一緒に動くということで、マグニチュード8.1という大きな、そういった想定もした上で評価してますので、基本的に、別に今回動いたところが例外的じゃなくて、あの、あのいろんな方がおっしゃるように、40、ここの東京だって動くかもしれません。あのそういうことは前提とした基準になってますので、見直す必要はないと思います。
それでいいですよね。
小林勝:
今委員長が申し上げたようにですね、今の時点でそれは、見直す必要はないと思っています。
で、いまお尋ねの点、どういうところを見直さなければいけないって、そういうことの具体性があれば聞かせ、聞かせられないものですから、そういうところちょっと、こういう点を見直すべきじゃないか、というところがあればですね、具体的にちょっと、お答えさせていただきたいなと思っています。
以上です。
田中俊一委員長:
それから、不安、「不安があるから止めるか」と言ったら私どもの判断としたら。不安があるから止めるっていうのは我々が安全上の、先ほどの繰り返しですけれども、安全上の懸念・不安というよりも安全上の問題が、の、懸念があるって場合には、その大きさによって、あの止め、止めてもらう要請をするとか、場合によっては46条に基づいて止めることを指示すると。
そういう判断はあると思います。
で、不安に対して止めるか止めないか、っていうのは、これは私から、何か誰がやるべきかとか、そういう判断を、そういう問題じゃないので、ここで何か申し上げるのは避けたいと思います。
川内原発を止められるのは規制委員会?国?
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/WnvAFvjxtw4?t=41m33s
共同通信 たけおか:川内原発の件で一点。
5年前に浜岡原発の中長期的な形で止めた時がありましたけど、一方で委員長は「科学技術的観点から止める必要はない」ということを繰り返しおっしゃっています。
それを踏まえた上でもし川内を止めるという判断があるとすれば、それは政治判断だとお考えでしょうか?
田中俊一委員長:
まぁ、浜岡を止めたのは当時の民主党政権、ま、昨日もちょっと菅(かん)さんがそういうことを自分で質問してましたけれども、そういう状況の中で止めたということで、止めたというよりも止めることを要請したということですね。
「自主的に止めていただきたい」ということを言ったということですね。
で、そういう判断は私どもはしないという。
だからそれは政治がやるのかどういうことになるのかわかりませんけれども、あんまりそこについて深くなんか私から申し上げることはすべきではないと思います。
共同通信:
委員長は繰り返しまとめる必要なないとおっしゃっていて、それは十分理解しているつもりなんですけれども、一方で政府の方は「専門家の規制委員会が止める必要はないと言っているから」という理由で「止める必要はない」と言っていて、ある意味なんか、ボールを委員会に投げているような、判断を委員会に投げているような感じも受けたもので。
で、繰り返しになってしまいますけれども、委員長としては「止める必要なない」とおっしゃっていたので、そんな状況の中でもし、今後国としてということなのか、止めるという判断がなされることがあるのならば、「それは規制委員会じゃなくて、政治でやるべきだ」というお考えかどうか?という
田中俊一委員長:
政治でやるべきかどうかということも申しませんけれども、少なくとも規制委員会が今の段階で止める必要がないということを、一応それを尊重していただいているということなんだと思います。
ーーー
稼働している原発って、中の燃料が冷めるまで止めてからどのくらいの日時が必要なんだっけ?
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文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=34m30s
L.C.M.PRESS おしどり:
今回の地震は気象庁の観測史上初めて長周期地震動の階級4の地域が2箇所あったと。
14日、16日とも階級4の地域が出てきたということですが、
検討会の審査資料も見直してきたんですが、川内原発の審査で長周期地震動については数秒程度であまり評価がされていないように思うのですが、配管系や液体の 現象など長周期地震動の影響については規制委員会としてどう評価されているんでしょうか?
小林 勝(長官官房耐震等規制総括官):
えーっとですね、川内の場合ですと特にですね、あの、長周期地震動の検討はしました。
南海トラフとかですね、そういったところの影響が非常に大きくなるんじゃないかということで、速度でいうと200海里という非常に大きな長周期地震動を検討してございます。
これについて、エーー、いろんな設備ですね、長周期が長いところの機器等についてはこれで評価している、ということでございますので、十分な対応がなされている、と思っております。

おしどり:
ありがとうございます。
震源が遠くて震度が低くても長周期地震動の影響を受けるということで。
でも今日の委員会の中で、石渡委員が「マグニチュード8.2、ま、でもその程度でも大丈夫」
まぁ安全性の設計がされているということですが、長周期地震動の階級4の地域に川内原発がなったとしても、「問題はない」ということなんでしょうか?
小林 勝(長官官房耐震等規制総括官):
えっと、ちょっとあの石渡委員の説明の補足をしますと、
この布田川(ふたがわ)、日奈久(ひなぐ)断層だけではなくて、いわゆる、本当に敷地の近傍にある活断層、それとか後、さっき言いました南海トラフとか、こういったものも全て評価した上での、おー、あの、基準地震動を設定してございますので、その中で長周期地震動というのはさっき言ったように、非常に高いレベルの長周期地震も想定した上でこれはきとうの評価をしているということでございます。
おしどり:
ありがとうございます。
すみません、確認なんですが「階級4でも安全性に問題はない」と。
布田川日奈久断層帯で長周期領域で卓越がみられるということは、すでに川内原発の審査の時に入っておりましたので、階級4でも問題はない。
小林 勝(長官官房耐震等規制総括官):そういうことです。
おしどり:
階級4でも問題はない、わかりました。
それから「川内原発を止めてほしい」という要望が原子力規制庁にきていると伺っていますが、具体的にどれくらいきているのか、ということを、もしカウントしておられれば教えていただきたいんですが。

規制庁:それはわからない
おしどり:きていることは、きているんでしょうか?メールや電話で。
規制庁:いや、きていません。
伊方原発
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=37m31s
愛媛新聞 まつもと:
委員会で「震源地の移動が懸念される」というのがありましたが、伊方原発近くにある中央構造線についてはどのように見ておられたりするでしょうか?
気象庁の方になるのかもしれませんが、どうでしょうか?

田中俊一委員長:
別の評価だよね、これね。
中央構造線は伊方原発の審査の際は、中央構造線の地震動が一番あのー、懸念されて、それについては十分検討させていただいている、ということです。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=38m23s
西日本新聞 くろいし:
先ほど「原発を規制委員として止めるかどうか」という話で、仮に近くの1km、2kmの断層が動いた場合っていうふうなお話がありましたけれど、
自動停止する前に規制委員会が予備的に止めるというふうになった場合は、近くの断層でかなり地震があった場合以外にどういった場合が考えられるんでしょうか?
田中俊一委員長:地震ですか?地震に関してですか?
西日本新聞:地震に関してです、はい。
田中俊一委員長:他の要因ではなくて地震に関してですか?今のご質問は。
西日本新聞:あ、そうです。地震で自動停止、
田中俊一委員長:
まあ、あの、当然敷地近傍での地震の程度によってはそういうことは、あの、今後の予測も含めてそういう判断をする場合はあると思いますが、あの〜、ただ闇雲に近いから止めるということではなくて、当然そこは評価をして、あの止め、止めていただくという場合はあると思います。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=39m40s
TBSラジオ さきやま:情報発信の内容について
田中俊一委員長:
なぜ止めないのかというご質問に対しては、今こういう状況であるから止めないということも含めて情報を発信する必要もあるかもしれないということで、どういう発信の仕方をするかというのは非常に難しいんですけれども、そこは少し検討させていただく。
いや、要するにこういう理由で、
どうして止めないのか、って言ったら、こういう理由、これだけの、その、マグニチュードが予測されますが、こういう距離があって、あの、SSに関してとか、いろんなことと照らし合わせて、こういうことだから、っていう話をしないといけないので、そういうことを言っても今おっしゃったように非常にわかりにくいっていうことになりますので、そこをどういうふうにわかりやすく発信できるかっていうことについては少し工夫させてもらうことになると思います。
避難
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=41m45s
IWJ ぎぎ:
今回の熊本地震で九州新幹線が脱線し、高速道路も通行止めになりました。
住民の避難計画では高速道路や電車が含まれていたと思いますけれども、ま、原子力規制委員会が直接の責任者ではないと思いますが、停止せずに稼働したままでいいという根拠を示されているので、この点をどうお考えになっているのか?というのをまずお聞かせください。
田中俊一委員長:
それは内閣府げんぼうのほうで、あのー、多分、お答えしていると思いますので、私のほうからはあの、申し上げることではないと思います。
ただ、あの、要するにそういった、ある程度そういった土砂崩れが起こるとかいろんなそういう問題が起こる、複合災害が起こるということを前提とした避難計画を作っていただいているんだろうというふうに思っております。
IWJ:
もし、例えば今回自治体からこの地震を受けて、「避難計画の前提の一部が崩れたという判断で、計画を見直したい」と。
「一度川内原発を止めてくれないか」と、もし仮に要望があった場合、それは政府の判断検討になるっていうことですよね?
田中俊一委員長:
要望がどこからどういうふうに出てくるか、よくわかりませんので私は今何もお答えすることができません。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=43m26s
フリー にしなか:
今回の熊本の地震というのは、その活断層で起こること自体が、非常に突発的で予測もできなかったわけですし、なおかつ複数の断層が関わっている、それから中央構造線の末端で起きているんじゃないか、っていうことが、あるいは南西方向に動くんじゃないか、とか、あまりにも予測不可能なことが多いし、実際に地震が起こった時にどれだけのガルで動くか、とか、地質がどうこうと言っても、複数が絡み合った時にどういうふうに土壌が崩れ落ちるかわからないというのが実際の現状だと思うんですけど、その中で今の川内原発にしても、それから伊方の原発にしても、非常に机上的な机上的な計算でしか物事を判断しないというふうにみてとれるんですけれども、今回の現場の現状を見て、地震の現状を見てですね、あるいは火山が噴火するかもしれない斗いう、そういう現状を見て、本当に今までの審査でいいのか。
安倍首相なんかは前々から「世界一厳しい基準で」ということを言っているわけですが、それに対しても規制委員会は「そうではない」ということをはっきり言わないと、それこそ国民に対して誤解を与えることになると思うんですが、今までの政府と規制委員会の関係、それから今の熊本の現状を見て、やっぱり規制委員会のあり方を改めるべきじゃないか、政府との関係を改めるべきじゃないかと思うんですが、その辺基本的な考えをお聞かせください。
そこから払拭しないと国民は絶対に安心しないと思います。


小林 勝(長官官房耐震等規制総括官):
ちょと、誤解を解く意味でも私のほうからちょっと最初にお答えしますけど、
あのー、例の布田川日奈久断層ですね、これについては今、部分部分が活動してるんですね。
それで7.3とか6.8とか、そういう地震動になっています。
私どもは審査の中でですね、川内原発の地震動については、これが、全害が一度に動くと。
いっぺんに動くということで、マグニチュード8.1という非常に大きな地震動を考えています。

で、それを含めた上で、それを評価した上で、最後に川内原発としての地震動が決まりますんで、決めてますんで。
ですから、だからいっぺんに動いたという、非常に、言って見れば予想できないようなことも予想してですね、えー、地震動を決めているというのが、あー、今回の審査の結果でございますので、その辺ちょっと、説明不足のところもあるかもしれませんけど、十分お含みおきいただきたいというふうに思います。
フリーにしなか:
今言ったように、マグニチュード8.1というのは数字だけの上の話で、実際に起こる地震の現場っていうのは全然違う動き方で気象庁も予測できないような動き方をするわけですよね。
そこはどう考えているんでしょうか?

小林 勝(長官官房耐震等規制総括官):
気象庁の発言っていうのはよくご存知ですか?
あの、今後のことはよくわからないという発言であって、地震動が予測できないとかそういう話ではございません。
で、今までのいろんな実績を踏まえてですね、マグニチュード8.1の、そのぉー、断層についてどういう動きをするかと、いうような、のを評価した上で、最後に川内原発の基準地震動を決めているということでございますんで、
動きがわからないとかそういうことではなくて、きちっとそういったものを評価した上で、地震動を決めているということでございます。
田中俊一委員長:
あの、気象庁もね、責任ありますので、どこで、どの場所でいつごろ起きるか、っていうところまでは正確には予測できないというのも、そういうことも含めて言っているんであって、「予測できない」というと、「何もかもわからない」というふうに捉えるのは間違いだということを申し上げたいと思います。
それはあのー、科学者としてやっぱりそういう点できちっと、わかっていることとわかんないことを区別して発言するんだけども、その「わからない」というところについて不明だというところの判断できないというところだけが捉えられがちなんですが、そういうことは必ずしも正しい理解ではないと思います。
私どもはそういうことも踏まえて、不確実性も踏まえて、先ほど小林さんの方からあったように、最大の不確実性を踏まえて評価しているわけです。
そういうレベルの評価だというふうに理解していただいたらいいと思います。
(※ すごい。最大の不確実性を踏まえて評価。計算上の640ガルに想定外は無いということか?すごいな、この自信。原発壊れたらどう言い訳するのかな?逃げるのかな?あ、そうか、絶対に何があっても壊れないんだっけ!)
想定外はありません
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=48m9s
フリー たけうち:
今、委員長の方から「不確実性を踏まえて評価をされているということなんですけれども、福島第一原発事故の時に「想定外」という言葉がたくさん出ましたけれども、今回また「想定外」という言葉が出てしまったらデスね、もう国民は本当に不安になるし許せないと思うんですね、この評価がですね。
ですので、そこのところ、「想定外」という言葉はもう言わない、というような評価ということでしょうか?
田中俊一委員長:
想定外じゃありません。
想定内で判断しています、全て。
「想定外」ということはあのー、
「想定外」と言わない、言っちゃいけないということは肝に銘じて我々も規制をしています。
たけうち:
ですので、今国民の中で起こっている懸念ですね。
その懸念に対して本当に起こってしまった時に「想定外だった」というふうにはおっしゃっていただくことはできないかと思うんですけれども、そこは、
田中俊一委員長:
今の熊本地震がどういう進展をするか、っていうところには疑義点があるということは気象庁が申し上げていますけれども、その範囲でどういう状況が起こっても、今の川内原発について、想定外の事故が起きるというふうには判断しておりません。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=49m51s
日経新聞 あべ:
川内原発現地での安全確認について一点教えてください。
今、検査官が入ってやっているというお話がありました。
熊本地震がどうやって収束するかがまだわからない中で、今の状態が続いた場合に、検査官をこれから増やすとか、そういったことは今後考えられるかどうか、その点はいかがでしょうか?
田中俊一委員長:
今検査体制はどうなってますかね?
あの、かなりあの、ある意味じゃいつも以上にされているとおもいますけど。

市村知也 (安全規制管理官):
現地には保安検査官というのが常駐していて、日々保安調査ということで巡視点検をしてございます。
今の時点で日々の保安調査をしっかりとし続けていますので、この体制を今変えるという状況にはございませんけれども、これをしっかりやっていくと。
それから、あの、事業者ももちろん社内の手続きを整えて、震度が相当程度低い場合でもですね、巡視点検を事業者もしているということで、そういう形でですね、現場の確認というのは日々しっかりされているという状況でございます。
伊方原発
日経新聞:
伊方原発についてなんですけれども、今使用前検査ということで進めていらっしゃるところだと思います。
これが7月下旬を今めどにされていると思うんですが、震源は北東の方にもちょっとあって、昨日は伊予灘でも地震があったと思います。
こうした中で使用前検査での影響という点では、今の時点でどのように考えていらっしゃるでしょうか?
市村知也 (安全規制管理官):
現時点では予定通り障害検査を続けるということで、支障が出たり、あるいはその予定を変更するという状況ではございません。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=52m1s
訂正です。先ほど私は国民と言いましたが、国民及び影響も含めて全住民と言いかたを改めます。
あと先ほどのおしどりさんの質問の中に、これは確認なんですが、規制委員会に対して(川内原発を)止めて欲しいという一般市民の方からの要望は一件も無いということでよろしいでしょうか?

規制庁:
現時点で私の方に入ってきていませんが、ホームページなど、またEメールなどできているかもしれませんので、そこは確認させていただきます。
フリー:それはまだ未確認ということですね。
規制庁:未確認です。
フリー:わかりました。
私は今日は取材としてきていますが、そういうことでしたら一個人に立ち返った時に仲間にも呼びかけて、ですから、これはもう予測ですけれども、おそらく、「止めて欲しい」との声が少ないのなら、届けようという声は殺到すると思います。
その場合ですが、止める判断をなさらないとおっしゃられたんで、止める判断をなさった場合に、いろんな要望やもちろん科学的な提言も考えていると思うんです。だから止めて欲しい。
そういうことが殺到した場合、実際にでは「止める」という判断をなさった場合。
やっぱり止めた方がいいだろうという判断をなさった場合、どういうふうな権限があるのかを確認させてください。
福島でもね、津波がなくても地震だけだった場合に何が起きていてのかは、まだ判断ついていないですよね、黄瀬委員会さんは。
それとも津波がなければ福島は無事だったという考え方で科学的根拠があるなら教えてください。
そうじゃないのなら、いくら「8.1でも耐えうる原子炉だ」と口で説明されても、実際に原子炉をその威力で揺さぶった経験をお持ちじゃないわけですから、やっぱりここは止めた上でもうしばらく、九州の地震動が落ち着くまで、せめて経過を見るためにも止めておいていただきたいのが、やっぱり僕を含めた大多数の意見だと思うんですが、そういう提言ができないならその理由をおっしゃってください。
こういう判断を規制委員会はした。やっぱり止める判断をしたというだけでも十分政治的には影響力はあるし、それがやっぱり納税者の要望でもあるとおもうので、そこのところできるのかできないのか、どこまでできるのか、お答えください。

田中俊一委員長:
どこまで答えて、大演説をされたんでアレですけれども、原子炉規制法は安全上重大な懸念がある場合には止めることができます。
でもそれは根拠がなく、「そうすべきだというみなさんのお声があるからそうします」ということはするつもりはありません!
政治家に言われてもそうするつもりはありません!
根拠が科学的に我々が納得できるものでなければそういう判断はしません!
はい。

それでは今日の会見はこれで終わりにさせていただきます。
原子力規制委員長 川内原発の運転止める必要ない
4月18日 16時57分 NHK
熊本県などで活発な地震活動が続いていることを受けて、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、稼働中の川内原子力発電所について、「不確実性があることも踏まえて評価しており、想定外の事故が起きるとは判断していない」として、今のところ運転を止める必要はないという考えを示しました。
記者会見では、気象庁が今後の活動について正確な予測ができないとしていることから、予防的に止めることはないのかと質問が出されました。
これに対し、田中委員長は、川内原発の審査の過程で今回の震源とみられる布田川・日奈久断層帯の地震を含め、不確実性があることも踏まえて評価しているとして、「川内原発で想定外の事故が起きるとは判断していない」と述べ、今のところ、川内原発の運転を止める必要はないという考えを示しました。
今後の地震対応については、「法律上、安全上、懸念がある場合は止めることができるが、今のところ科学的根拠がない。大きな地震を起こす震源と原発の距離が重要で、原発の間近で大きな地震が起きたのであれば行政で止める判断もありえると思う」と述べ、今後の地震の動向を注視する考えを示しました。
また、川内原発より震源に近い熊本県益城町では、防災科学技術研究所の分析で1580ガルの地震の揺れが観測されたことが分かっていますが、川内原発で想定される最大規模の地震の揺れが地下の岩盤の部分で620ガルとされていることについても質問が出されました。
これに対し、原子力規制庁の担当者は、観測された場所や周辺の地質によっては揺れが増幅されることもあるとして、今後分析する考えを示し、これを受けて田中委員長は「地質構造などいろんなことが影響するので一概には評価できないが、今判断を変える理由はないと思う」と答えました。
川内原発の「基準地震動」とは
原子力発電所であらかじめ想定する最大規模の地震の揺れは「基準地震動」と呼ばれ、これを基に原子炉建屋や冷却設備など重要な施設の地震対策を取ります。
新しい規制基準では、原発の周辺にあるすでに存在が分かっている活断層による地震の揺れと、存在が分かっていない活断層による地震が起きた場合の揺れのいずれについても、過去の地震や周辺の地質構造を調べて、基準地震動を決めるよう定めています。
川内原発の場合、まず、存在が分かっている活断層による地震の想定では、熊本地震の震源とみられる布田川・日奈久断層帯を含めて検討が行われ、原発の南に20キロほど離れた断層を震源とする地震の影響が最も大きいとして、基準地震動を540ガルとしました。
また、存在が分かっていない活断層による地震の想定では、震源に近い観測点で比較的精度の高いデータが得られ、地質学的にもありうるケースの地震として、2004年に起きた「北海道留萌支庁南部地震」の記録を基に最大の基準地震動を620ガルとして妥当とされました。「北海道留萌支庁南部地震」のケースでは、震源に近い地表の観測設備で1127ガルという揺れが記録され、地下の固い岩盤の表面での揺れは585ガルと推計されています。九州電力はこの評価結果を参考に不確実性があることも踏まえて620ガルという値を導き出したとしています。
これに対し、川内原発の運転停止を求めて訴えを起こしている住民側は、日本の原発では過去5回、基準地震動を超える地震の揺れが実際に観測されているとして、「川内原発の基準地震動は過小評価されていて、安全性が確保されていない」などと主張しています。
原子力規制委員会 臨時記者会見(平成28年04月18日)
川内原発は620ガル規模の地震が何度も繰り返し起こっても平気?
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=5m44s
産経新聞:
安全上のレベルについて一点だけ伺いますけれども、今回川内では基準地震動水平加速で620ガルと出ていますけれども、例えばですね、このように1日2日で震度6レベルが6回続くというような形の地震が起きた場合、例えば620がるというレベルの揺れが何回も続いた場合。
そういった時でも耐震設計で問題ないというような審査はされてるんですか?
私が審査を見た限りでは、「620ガルが来た時に安全だ」というレベルはあったんですけれども、それが何回も続くと、それは耐震上確認ができないままにどんどんくる、っていう形での審査はされているんでしょうか?
田中俊一委員長:それは●範囲内のアレでしょうから、ちょっとそっちからお願い

小林 勝(長官官房耐震等規制総括官):
耐震総括官の小林です。
えーっと、今おっしゃられたところですね、
女川発電所ですね。
これは度々大きな地震に見舞われているのは多分ご存知だと思うんですけれども、そこでの評価ですけれど、工事認可とかいったところでですね、すこしその、建物の剛性、いわゆるその”しなり”とかですね、そういうのをすこし低めに見積もったような解析もしますんで、そういったことも加味したような評価、というのがありますんで、そういったものをやっていく、といったようなことになると思います。
いざこういった大きな地震動ですね、に、発電所が直接見舞われた場合なんですけど、そういったことは前例としてございますんで、ま、その辺十分評価していくっていうことでございます。
※「(東日本大震災で)女川が大丈夫だったことが前例としてある」ということのようだが、気象庁は「(熊本の地震は)前例のない地震だ」と会見で言っている。
産経新聞:
確認ですが、620ガルという基準地震動が数日間で何回来たとしてもこれは「耐えられるという審査はしている」ということなんですか?

田中俊一:
だから弾性範囲内での構造設計になっているから「耐えられる」ということですよね。
あのー、一般の家屋が何回も繰り返して、今回もそうですけど2回目の地震で倒壊したというのは、結局1回目で塑性変形弾性領域(そせいへんけいだんせいりょういき)を超えているということなんですよね。
ですから、あのー、原子力施設については、そういう設計はしていませんので、その620ガルっていうのは、そういう意味で、「弾性範囲内である」ということです。
川内原発を止められない理由
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=8m7s
フリーランス 山本;
今現在も、日本で唯一稼働中の原発の直近で地震が起こり続けている今、やっぱり国民最大の疑問は「なぜ止めることで予防しないのか?」ということだと思います。
福島においても「想定外のことが起こり得た」ということが最大の教訓だと思うんですね。
地震に関しても、水素爆発に関しても、核爆発ではないかと疑われている3号機の爆発に関しても。
そういういろんなことを考えても、今本当に最大の地震対策をすべきは、もちろん福島も、…
簡潔にまとめます。
なぜ止められないのか?
想定外のことを考えれば、止めることが最大の安全策であり、近道であり、地元の方への避難の大騒ぎを避けるためにも、理由だと思うんですが、
エネルギー需給のためも全く無いと思います。
「なぜ止められないのか?」
カメラの前で、ラジオの向こうで聞いている国民に向かって簡潔にお答えください。
止められない理由をお尋ねしたいです。

田中俊一:
一応ですね、私どもは科学的、科学技術としての判断基準に基づいて、そのー、停止するか稼働に値するか、あの、停止させるかどうかっていうことを決めてるわけですね。
ですから、あのー、そういったものがあるから止めた方がいい、それも一つのお考えかもしれませんけれど、それは規制委員会とか我々の判断ではなくて、安全上の問題があるなら当然我々は止めなきゃいけないと思います。
でも「そういうことではない」ということなんですね。
山本:「安全上の問題はない」という?
田中:はい。
今は、今の段階でずっと見ている限りでは「安全上の問題はありません」
山本:それまでの…
規制庁:質問はちゃんと手を上げていってください!他にありませんか。
※フリーランスの山本さんは途中で質問をぶった切られた><;
原発近くの断層が動いても川内原発の安全は保たれる?
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=10m47s
朝日新聞くまい:
委員会の方でバン委員の方から世の中で懸念されているのは震源地の移動、特に南西方向への移動というのが懸念されているという質問がありまして、これに対して石渡委員の方からは、「川内近くの断層帯でマグニチュード8.1が来ても150ガル程度の揺れ」と。
つまり「原子炉の自動停止の設定値以内に収まる」ということで、一応原発の安全性は保たれるという理解でいいのでしょうか?
田中俊一委員長:
あのー二川、あそこの断層が全部動いたとして、最大で8.1位というふうに評価されています。
それで、それの影響として大体150ガル位の影響が、ま、地震動が原発のサイトに来るということです。
ですから当然そのレベルになりますと、場合によっては多分、原子炉が自動停止になるんですね?150ぐらいだとね?
ですから原子炉は止まります。
で、原子炉が止まるっていうことは、先ほどちょっと私も念のため確認したんですけども、まぁ言うなれば十分余裕を持って止めるわけですね。
ですからそういった意味では別に安全上の問題が起こるというわけではないというふうに理解しておいてもらっていいと思います。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=12m31s
大地震が何度来ても大丈夫なように審査を見直す?
NHK しげた:
さきほど大きな地震が繰り返し起きているということで、そういった面も見ているという話だったんですけれども、再度マグニチュード6、7クラスが何度も起きても大丈夫というように審査を見直すということはありませんか?
田中俊一:
先ほどもお答えしましたけれども、あのー、”繰り返し”ってどういうことを言っているのか?
いま、ま、少なくとも間隔でいえば、構造物とかいろんな施設の剛性というのは失われるわけではありませんので、それを見直さなければならないということはないと思います。
繰り返し起こる大地震に備えた訓練は?
NHK しげた:
大きな地震が繰り返し起きているという今回の熊本地震なんですけれども、重大事故対策では屋外の作業、電源車を持っていくとか、ポンプを持ってくるとか、そういった作業が多く対策としてあげられていると思うんですが、
こういった繰り返し起きている想定で訓練をしているのかと感じているところなんですけど、そういった面を検査などで確認する必要とかあるとお感じでしょうか?
もしくはそういった対策を。
つまり、繰り返し起きた場合の対策も講じられているとお感じでしょうか?

市村知也(原子力規制部安全規制管理官):
安全規制管理官の市村と申します。
今般の審査においてはですね、もちろんその繰り返し地震が起こっているときに地震が起こっているときにその、屋外の作業をするっていうことは、あのー、おそらくできないと思いますけれども、例えば地震が起きて、地盤が緩くなって、アクセスルートですね、想定したアクセスルートが使えなくなってしまわないか、とかですね。
あるいはそのー、保管している場所からですね、必要な機器が取り出せないようにならないか、とかですね、そういうことを含めて審査をしております。
そういうことも含めて、さらに保安検査で手続き、あ、保安規定で手続きも担保され、それも踏まえて訓練もやるということで、あのーー、おー、十分に対応ができるのではないかというふうに考えております。
※ふっと思い出したけど、川内原発には免震重要棟が無い。
NHK しげた:
繰り返しかもしれないんですけど、その点でいわゆる本震レベルが何度も起きた場合でも屋外の作業がスムーズに行える審査、もしくは検査をされているという理解でよろしでしょうか?
田中俊一委員長:
えっとーー、屋外の作業が一般に必要になるのは、ま、設計基準地震動を超えるような重大な事故が起きた場合、ということですが、そういう場合に、ま、多分屋外作業も含めて、あの〜、やることになります。
で、繰り返し起こるって、どれくらいの頻度でどれくらい起こるか、っていうことーですけれども、あのー、大きな地震が起これば繰り返しいままでも、余震なりなんなりとかという格好で起こりますので、そういったことを踏まえて、あのー、先程言ったように、いろんな、崖崩れがあったり、いろんなことがあってもそれに対応できるような、あの、準備をするということを求めていますので、あのー、特に今、あのーー、熊本のような地震の繰り返しが起こっても、今特に問題になるということは無いと思います。
それよりもまず、屋外作業を必要とするような重大事故に至る前に、きちっと原子炉は止めて対策をとると、そういうふうになってますので、あのー、そこんところはご心配いただかなくていいと思います。
「熊本は7.3。川内原発はマグニチュード8.1で評価をしている」
NHK しげた:
今回は14日に大きな地震があって、16日にさらに大きな地震があって本震とされたと。
専門家でもこういった地震の予測は難しいということが改めて浮き彫りになった形なんですけれども、こうした地震による不確定要素が多い中で、審査のあり方を厳しくしたりとか、変えていく必要性についてはどうお考えでしょうか?
田中俊一委員長:
エットーーー、予測、正確に余震があって本震が来るのか、本震があって余震が来るのか、ま、いろいろ順番はあるかもしれませんけれども、起こるという最大の地震動としては、先程もちょっと説明がありましたように、今回7.3でしたかね?本震がね。
で、8.1という評価をした上で評価していますので、かなりそういう意味じゃ、あのジュ十分な姿勢を持って見ていると思います。
8.1と7.3って言ったら、エネルギーにしてどのくらい違いますかね?
何十倍って違うはずですよね。
小林 勝(長官官房耐震等規制総括官):
単純に言うとですね、マグニチュードが2違うとですね2000倍というようなことになってますんで、
エネルギーがですね、そのくらい、ま、違うということ。
田中俊一委員長:
ですから、8.1と7.3っていうのはものすごい違いだというふうに思っていただければいいと思います。
NHK しげた:特に変える必要も今の所感じていないということで
田中俊一:ええ、あのー、どっちかというと、そんなに厳しすぎるんじゃないかという意見も、多々寄せられますけれども、私どもとしては、あの、保守的に安全サイドで評価をするということを貫いていますので、今かえら、かえなきゃいけないという知見は何もないと思います。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=18m44s
福島民友 かんの:
そもそも基準地震動SSは陸域とか海域とかプレート間断層とか、いろんなものを想定して一番高いものに、その内容ということで、今回の川内原発は現在動いている日奈久(ひなぐ)断層帯も評価に入っているということですけれども、これを評価するときに91.7キロで全体が動いたらマグニチュード8.1動いてもSSの範囲内に収まると、そういうことでよろしんですよね?

田中俊一委員長:
あのーー、距離も、今回のあのー、断層帯は30kmよりも遠いので、先ほども言いましたように、それも一応評価した上で150ガルぐらいですから、あの、ま、十分今の基準620ガル以下であるっていうことは確認しているっていうことです。
福島民友 かんの:
先ほど委員の方からもありましたけれども、現在八代までの長さにしておよそ3分の2ぐらいのものが動いて、最大のマグニチュードが7.3だということですけれども、気象庁が南西方向に震源域が伸びるんじゃないか、という予測をしているんですね。
これは想定でもなんでもなくて、実際動いているという話を聞きますけれども、細かい地震動が。
そうあった場合に、危機的に大丈夫かもしれないけど、マグニチュード8.1が起きる恐れがあるわけですよね。
まだ本震が終わっているとは限らないわけで。
それを機器が耐えられないから止めるということじゃなくて、予備的に止められないのか?というのが現在の議論だと思うんですけれども、そこはいかがでしょうか?
田中俊一委員長:
ん、それはあの先ほど申し上げましたように、あの安全上の問題があるということが確認できればあの、ってか、そういう判断をすればですけれども、わたしどもとしては、いまその、いまの状況の中で、あのーー、安全上の問題があるというふうには判断していないということです。
で、我々以外に政治的判断とかいろんなことがあるかもしれませんけれども、あのー、わたしどもとしては技術的に見てそういう判断をするだけのものには至っていないというふうに思っています。
気象庁が南の方に移っているということを含めまして、我々はそういうことを踏まえた上でそういう判断をしています。
福島民友 かんの:
情報発信の不備とか、国民に乖離ということがありますけれども、
まず、現在正しい情報を出しているのか?という不審の他に、やはり今後どうなるのか?というのが一番国民の心配事だと思うんですね。
その場合に「起きても大丈夫だ」っていうのとですね、また次元の違うお話なんです。
原子力規制委員会は安全上科学的に判断するんでしょうけれども、今後起きるかもしれないのに止めないのかというのが疑問のところであって、そこはもう規制委員会の範囲ではなくて、いわゆる原子力行政、政治の判断だということでしょうか?
田中俊一委員長:
いやあの、起きるかもしれないといういろんな想定はした上で、かつそれが起こったとしても、あのーいまの断層帯の中からの影響は発電サイトには、発電所には施設にはあの、安全上の心配をもたらすようなことはないという判断なんですね。
福島民友 かんの:
法的なたてつけとして、いわゆる「予備的に原子力発電所を止めましょうか」という法的な権限は規制委員会にはないということですね?
田中俊一委員長:
そうですね、あのーやはり原子力発電所は事業者が動かしているし、いろんな意味で社会的にも非常に大きなものですから、そのー、それを予備的に、特段の根拠がないのに止める、止めなさいというふうにはそう簡単には判断できないということはあります。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=24m
日経新聞 あべ:
今日委員会で検査をして、これからなんですけれども、念のためにという意味でも、直接規制庁の方が現地での確認とか、そういうことはいまの時点でお考えになっていますか?
田中俊一委員長:それは検査官が入ってやっていますよね?ずっとね、はい。
丸川環境相の発言に対して
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=24m32s
フリーランス かみで:
今回、丸川環境相は「全面的に原子力規制庁が安全と言っているんだから安全だ」ということを言っています。
で、一方で田中委員長は日頃から「最終的に止めるのは政治的な判断だ」と言っています。
これは明らかに矛盾しているといえば矛盾しているわけです。
経産省は2030年原発の構成比率が22%。
このままだと、気象庁は「これからいったい、日本全国地震がどうなるかわからない」と言っていて、
これは根本的にやっぱり見直すべきじゃないかというふうに考えます。
これまでも何回も聞いていますが、そういうことはこの規制庁の役割じゃないと言っていますけれども、そういう提言をなさってもいいんじゃないかと思うくらいに国民は心配していると思っています。
これについて国民にわかりやすく説明していただけますでしょうか?

田中俊一委員長:
まずあのー、丸川大臣の発言ですけれども、まぁ、あのー、私どもの、ま、判断というものをきちんと尊重して、あの、それを踏まえてという意味でおっしゃったんだろうと思いますので、私たちはあの、我々としては、今日も再三お答えしていますけれども、今止める、止めるべきという判断はしていないということですので、あとはそのー、止めるかどうかっていうことは別のファクター(要素。要因。因子。)もあるかと思いますので、それはここでま、何も言う必要はないと思います。
川内原発「停止の必要なし」=丸川担当相―熊本地震
時事通信 4月16日(土)13時26分配信
丸川珠代原子力防災担当相は16日午前、熊本地震の非常災害対策本部で、運転中の九州電力川内原発(鹿児島県)について、観測された地震動が自動停止させる基準値を下回っているとして「現在のところ、原子力規制委員会は停止させる必要はないと判断している」と報告した。
丸川珠代(まるかわたまよ)所属院 選挙区 政党:参議院 東京都 自民党
プロフィール:1971年1月19日生 初当選/2007年 当選回数/2回(写真提供:時事通信社)
それから、エネルギー需給のパーセントをどうするかということと、それから気象庁は「どこでどうなるかわからない」っていう言い方は、必ずしも私は、気象庁の今回はそういう意味でおっしゃっているんではないと。
もう少しきちっと科学的なベースに基づいて、どこがわからなくてどこがわかっているかということは相当はっきりとしていると思うんですね。
で、今回の地震だって2003年ぐらいにもう、「マグニチュード8ぐらいの地震が最大起こる」ということをもう評価しているんですよね。
それがたまたま時間的な予測よりは確率みたいなこと、パーセントみたいなことを多分出してたと思いますけれども、それがたまたま今回起こってしまったということ。
それから起こり方が今までの地震とはちょっと違うとか、そういう意味で専門的に見て、あの、わからないことが多いということで、そのことが即、すなわち原発の稼働に割合どうのということの、原子力エネルギーの原発の割合をどうこうするっていうことはもう再参かみでさんには申し上げていますけれども、私どもの範囲ではないと、所掌の範囲ではないということをです。
ただそのことと今の気象庁の地震についての見解ということは必ずしも一介のものではないということは申し上げられると思います。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=29m52s
やまぐち:
要するに、震源地の方では1580ガルを記録したと。
ただ、川内原発の方は620ガルなので、基準地震動見直しを要請したいと。
ま、委員長が今おっしゃったように「それは場所が違うでしょ」というご回答になるかと思うんですが、こういう動きに関しての御見解を。
田中俊一委員長:
あのーー、650ガルっていうま、原子力施設の基準地震動っていうものは、解放基盤での値ですから、今その1200なんぼっていうのは(1580ガルだけど)地表面じゃないですかね。
ちょと、小林さんの方から。

小林 勝(長官官房耐震等規制総括官):
あの、1500ガルを観測したのは多分あの、防災関係の地震計かと思うんですけれども、あれ自体は言って見れば地表面に置く場合もあれば、地中少し深い場合もあるし、いろいろあります。
で、今回のやつがですね、どの程度の地層の状態か、っていうのはまだ発表されていません、実は。
だからそういったことも分析した上で色々と評価していくことになろうかと思いますので。
ただ、一概にはやはり地表面での測定では多いんで、非常に地表面では増幅することが多いんでね。
例えば岩手宮城内陸地震なんていうのは、地表面で4000ガルとか想定されています。
あれはまさにそういうことでございますんで、やっぱり分析してみなきゃわからないっていうことと、
今言えること自体はそういった地表面での測定じゃないかな、というふうに思っています。
ただ、あの、今後詳しい分析は必要だというふうに思っています。
やまぐち:そうすると今の所は今の基準地震動を維持していくというスタンス
田中俊一委員長:
まぁ、そうですね。
今までも地表面ではね、柏崎刈羽の時も地表、あの、上の方では非常に大きな揺れを記録していますので、だからそこはあのー、深さとか、地質構造とかいろんなことが影響してくるし、かつその上の建物もありますので一概には評価できないと思います。
で、今そういう点も踏まえて、あのーー、川内原発については評価を、地質も見て、評価してますので、今そこをなんか、判断を変えなきゃならない理由はちょっと私どもとしてはないと思っています。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/eL4uJuHQgSQ?t=32m41s

フリーランス たなか:
気象庁が震源が西に広がっていっていると言っていまして、ずっとその質問が出ているんですが、
田中委員長は「危なくなったら止まるから、自動停止できるようになっているから大丈夫だと」お答えになっているんですが、これは、山火事がすぐそばまで迫っているのに花火大会をやってると。
で、本当に危なくなったらアラームがなって花火大会を中止させるような仕組みがあるから大丈夫だよと、これ、いっているに等しいですね。
それはどう思われますか?
はやくやっぱり花火大会をやめさせる時じゃないでしょうか。
田中俊一委員長:
あんまりそのたとえ話は私には全然実感としてわかりませんけれども、先ほどから入っていますように今の布田川(ふたがわ)だっけ、断層帯というのは、今南西方向にのびてるって言っても、先ほど石渡委員がおっしゃったように八代市あたりまでは来ていると。
それより南西には来ていないと。
仮に来たとしても、今の断層帯の南西の端から川内原発っていうのは30km以上遠いわけですよね。
たなか:私は行ったことがあるから知っています。
田中俊一委員長:
ですからそういうことを踏まえて評価しているわけです。
ですから今の花火大会と山火事との関係はよくわかりませんけれども、そういうことです。
つづく
が、一夜にして、熊本から大分と、そして、14日の地震は前震だったと。
「16日未明の地震が本震だ」といま気象庁は言っていますが、
まだ、何が起こるか全くわからない状態にあります。
九州の方は夜も寝ることができず、度重なる大地震で、とても恐ろしい思いをしていらっしゃることと思います。
今夜からは大雨と強風という予報も出ています。
南阿蘇村のがけ崩れ、阿蘇大橋の崩落、などなど信じられないような光景が画面を通じて映し出されてきます。
「どうぞ、お気をつけてください」としか、ここからは言うことしかできませんが、これ以上悲惨なことにならないよう、心から祈っています。
ーー
2016年4月15日 モーニングショー(テレビ朝日)

羽鳥:
去年の5月口永良部島、阿蘇山は去年の9月10月に噴火しています。
そして桜島が今年の2月。
桜島は頻繁に最近噴火を繰り返しています。
そして、今回地震が起きたのがこの熊本県なんですけれども、ここ(オレンジの線)に霧島火山帯という火山が集まっている火山帯というところがありますね。
そしてこちら(黄色の線)普賢岳も含まれますけれども、これが白山火山帯、こういうものがあります。
これで阿蘇山がここにあるわけなんですけれども、島村さん、今回の地震によって阿蘇山周辺の火山への影響というのはどうなってくるんでしょうか?

島村:
残念ながら学問的にははっきりわかりません。
基本的に言えばですね、プレートが動いて、地下で動いてある限界を超えるとそこで起きてしまうのが地震。
プレートが動いたことによって、マグマというものが動いて、マグマ溜まりを作りながら上がってきて、噴火するのが火山ということになりますね。
ですから、地震と火山はいわば兄弟分。
地震が直接、火山は間接ということになります。
羽鳥:関連がないということは言えないと、
島村:
関連がないということは決して言えませんが、ただし、明日あるとか明後日あるとか来月あるとか、そういった意味の関連はまだ分かっておりません。
ですけど、基本的には関連はないことは決してないと思いますね。

羽鳥:
断層帯が少なくとも今27あるということが分かっているということなんですけれども、これは島田先生、少なくとも27なんですけれども実際には分かっていない部分は、これも推測になってしまうと思うんですがどのくらいあるんですか?
島村:
日本全体で言いますと、分かっている活断層だけで2000あります。
分かっていないのはその倍、3倍ぐらいあるんじゃないですかね。
羽鳥:
分かっていないのが3倍ある。
じゃあ九州も、今もう27ですけど、
島村:
隠れていて未だにわからない活断層というのがいっぱいあると思います。
起きて初めてわかるという。
玉川:
さっき先生は構造線の話をされましたけど、
別府ー万年山断層の方から、左下に伸びる方の構造線がずれてる。
で、その構造線の上に、今回気になっている方がいっぱいいらっしゃると思うんですけど、川内原発が乗っかっているわけですよ。
そのポコっと膨れたところ。

羽鳥:ここ
玉川:
その辺にあるんですけど、そこには今分かっている断層は無いことになっていますよね?
しかしもしかしたら既知じゃない未知の断層がある可能性というのはあるわけですよね?
島村:
あります、大いにあると思います。
地震が起きて初めて断層があったということが分かったということも結構あるんですよね。
だから、そういった意味では僕たちが知っている、あるいは人間が知っている分かっている活断層というのは非常に限られていると思います。

玉川:
そうすると、そこに、構造線が斜めに通っているということなんだから、
上には断層があってもなんらおかしくないということになるんですよね。
島村:
そうですね、特に中央構造線の一部ですから、中央構造線というのは日本の、ま、日本人が見ていない以前ですか、度々繰り返してきた大活断層帯なんですね、日本最長の。
そういった意味では、その一部が今度初めて日本人が見ているときに地震を起こしたというのが今回の地震ですので、

羽鳥:
別府ー万年山断層帯の方に通っているのが、ここが佐田岬半島ですが、ここに伊方原発があるんですけれども、このちょうど…

島村:そう、伊方原発のすぐ北側を通っています。
羽鳥:やっぱり心配ですね、それ。
玉川:心配になりますよね。
羽鳥:
こちらは佐賀県になりますけれども、佐賀に玄海原発。
この佐賀への影響っていうのはどうですか?
島村:
この絵を見てご覧になるように、活断層がずいぶんたくさんありますし、分かっているだけでもこれだけありますので、そういった意味では連動するというかお互いに影響するということはあり得ると思いますね。
ただし地球のスケールで影響するということで、それが人間のスケール、つまり明日とか来年とかじゃないかもしれません。
それはわかりません。
羽鳥:
でもやっぱり吉永さん、そこが気になるところでは、もちろんありますよね。

吉永:
もし、今回はね、原発に問題はなかったという発表になっていますけれども、もしこれが川内原発の近くだったらどうだったんだろうか?と。
で、いま稼働していない原発がありますけど、もしそれが稼働しているときに起きたときに、どういうことが起きるんだろうかということをやっぱり想定していかなきゃいけないですよね。
島村:そうですね。
吉永:
いままでわかっていることをもとにして「ここはない」と言っても実は「あるかもしれない」ということで。
この日本の中で活断層がないところを探すほうが難しいっていう、
玉川:かもしれない。
羽鳥:分かっているのの3倍分かっていないんですよ、活断層。
長島:だからこれいま、赤い字で出ているのがなんとなく出ているのが今わかっている活断層っていうことなんですよね。
羽鳥:ここね、この部分、赤い線
長島:3倍赤くなるっていうことですよね。
羽鳥:そういうことです。

長島:
っていうことは、羽鳥くんが言った川内原発も含めて海岸沿いに作るわけじゃないですか。
今回は内陸で起きたけれども、やっぱり海の下のところ、上のところか、そこで地震が起きたら、やっぱり横でも、
先生、縦が津波が起きるんでしたっけ?横は起きない?
島村:はい。
長島:でも、縦が起こる可能性ももちろんあるんですよね?
島村:はい、あります。
長島:恐ろしいことですよね。
羽鳥:
その時に、東日本じゃないですけれども、津波が発生するということになってくると思うんですけれども。
で、また不安なのは余震だと思うんですけれども、先ほどちょっと話も出ました。
改めて余震も見てみたいと思うんですけれども、余震がですね、続いているんですね、

9時26分の震度7というのが本震です。
そのあとも赤い部分、震度6弱、震度5弱、6強、震度6弱、強い余震が起きている。
本震とほぼ変わらない揺れなんじゃないかというくらいなんですけれども、
阿蘇山火山活動 「影響ないとは言いきれない」
4月16日 4時06分 NHK
阿蘇山のある熊本県南阿蘇村で震度6強を観測するなど地震が相次いでいて、専門家は「火山活動に影響が無いとは言いきれない状況にある」と指摘しています。
阿蘇山のある熊本県南阿蘇村では、16日午前1時すぎのマグニチュード7.1の地震で震度6強を観測したほか、午前3時すぎには熊本県阿蘇地方の深さ20キロを震源をするマグニチュード5.8の地震があり、熊本県の阿蘇市と南阿蘇村で震度5強を観測しています。
火山噴火予知連絡会の副会長を務める九州大学の清水洋教授は、「震源の位置を詳しく解析しないとはっきりしたことは分からないが、きのうまでの地震活動と比べると、阿蘇山のかなり近い場所で規模の大きな地震が発生しているため、火山活動に影響がないとは言いきれない状況にある」と指摘しています。
そのうえで、「震度6強の地震のあと、阿蘇山の近くを震源とする地震が起きるなど、地震活動が阿蘇山の近くまで広がっていて、今後、注意深く監視する必要がある」と指摘しています。
平成28年04月16日01時40分 気象庁発表
16日01時25分頃地震がありました。
震源地は熊本県熊本地方(北緯32.8度、東経130.8度、長崎の東90km付近)
震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は7.1と推定。

この地震では鹿児島も大きく揺れています

さつま町やいちき串木野市で震度4
川内原発が再稼働のために規制委員会に提出した耐震強度はたったの620ガルです!
<安全審査優先>川内原発だけが厳しく想定“620ガル”まで引き上げ(←東日本大震災は2933ガルだけど)&30圏内避難問題3/13ニュース7(内容書き出し)
今回本震と言われている16日未明の地震ではなく、14日の震度7の地震で1580ガルだそうだ。
熊本地震の本震、最大加速度が阪神大震災の2倍
2016年04月16日 01時11分
14日夜の熊本地震の本震の揺れは、震度7を観測した熊本県益城ましき町で最大加速度1580ガル、最大速度92カインをそれぞれ記録、加速度は1995年の阪神大震災の891ガルを大きく上回ったことが防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の地震波の解析でわかった。
加速度と速度はともに、地震の揺れの大きさを示す指標で、両方がそろって大きいほど地震の破壊力が強いとされる。加速度は速度の変化率で、地震のインパクトの強さを知る手がかりとなる。速度は自動車などのスピードと同じ単位で、建物の被害の程度と関係が深い。今回の揺れは両方とも大きく、家屋の倒壊などの被害拡大につながった可能性が高い。
阪神大震災の揺れは891ガルと112カイン、2004年の新潟県中越地震は1722ガルと148カインだった。今回の熊本地震の最大加速度は、阪神大震災の約2倍で、新潟県中越地震より少し小さかった。
川内原発など異常なし 午前10時現在
04月16日 10時05分 NHK
原子力規制庁によりますと、16日午前10時現在、全国の原子力発電所で唯一稼働している鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の川内原発1号機と2号機は、地震による異常はなく運転を続けているということです。また、いずれも運転を停止している佐賀県玄海町にある九州電力の玄海原発と愛媛県伊方町にある四国電力の伊方原発、松江市にある中国電力の島根原発も一連の地震による異常はないということです。これらの原発の周辺で放射線量を測定しているモニタリングポストの値にも変化はないということです。
地震は広がりをみせている。
さっきのニュースでは阿蘇山が噴火したと言っていた。
「モニタリングポストの値にも変化はない」じゃなくて、変化があってからでは遅いのだから、即刻停止するべきだと思う。
巨大地震、火山の噴火、がけ崩れなどの災害に加えて放射能被害まで九州に背負わせるつもりでしょうか?
九電は変な意地を張らないでください。
このような異常事態に臨機応変な対応をするのは、原子力発電所を動かすことが許された事業者としての当たり前の責任だと思います。
ほんの10日前のことです。
川内原発の差し止めが棄却されたのは。(2016年04月06日)
この時に運転差し止めの判決が出ていれば、今現在川内原発は稼働していません。
それでも燃料棒は冷えていないでしょうが、実際に臨界を起こして稼働しているのとは大違いです。
福岡高裁宮崎支部の西川知一郎裁判長はいま、どのようなお気持ちでいるのでしょうか?
本人に是非お聞きしたいです。
何か川内原発に起きた時には責任を取っていただけるのでしょうか?
と、お聞きしたいです(責任なんて、人間に取れるはずないけど)
専門家が指摘する「異変」
これまでに51人が、がんまたはがんの疑いとされている福島甲状腺検査の2巡目。
福島検討委員会では唯一の甲状腺がんの専門家、清水一雄医師が指摘する。

福島検討委員 日本医科大学 清水一雄名誉教授:
2巡目で51人というのは比較的多いですよね。
1巡目の検査の時にA1(異常なし)」が一番多いんですよ、その中に。
なのでちょっと、少し気になるかな。
清水氏は2巡目で見つかった腫瘍の中に30mm以上にまで成長したものがあることに注目した。

日本医科大学 清水一雄名誉教授:
2年間で3cmまで大きくなっていくっていうことなんですね。
これはあまり考えにくいことなんですよ。
2巡目の数はおかしい。
専門家ではなく、全く違う分野からこの異変を研究した学者がいる。
神戸大学大学院の牧野淳一郎教授。専門は「計算科学」
驚きの結果が出てきた。
少し難しいが紹介したい。

1巡目。
検査当時17歳以下で10万人中18人という甲状腺がんの数をイメージとして三角形にしてみる。

もし放射線の影響がないとすると、2年目に行う2巡目検査でも、ほぼ同じ数の甲状腺がんが見つかるはずだ。

ただし、実際に二つの三角形は2年分ずれて重なっている。

黄色の部分は1巡目に見つかっているから、2巡目で見つかる甲状腺がんはピンクの部分。


神戸大学大学院 牧野淳一郎教授:
ピンクの部分というのが、そういう意味では、実際に先行検査(1巡目)があって、今回の本格検査(2巡目)で見つかると予想される数だということになるわけですね。
この2巡目で予想される甲状腺がんの数は、牧野教授の計算では10万人あたり7人となった。

ところが、2014年に実際に発生したのは10万人あたり22人と、予想を大幅に上回る値になってしまった。

2巡目の検査は今も続いているが、この時点でもこれだけ違うということは「誤差の範囲では説明できない」という。
神戸大学大学院 牧野淳一郎教授:被ばくの影響も考えの一つには入ってくるのではないかと、
今週月曜、検討委員会の星座長が外国特派員協会で会見を行った。
外国特派員協会 2016年3月7日

Q:今後も甲状腺がんは増えるのか?

福島検討委員 星北斗座長(福島県医師会副会長):
放射線の影響があって増えていくのかという質問ならば、現時点で私はそういうふうには見ていません。
ただ、それを頭から否定する気もありません。
福島 原発事故から5年
「なぜ私が甲状腺がんに…」
自分の身に何が起きたのか知りたい。
それは甲状腺がん患者の切実な問いかけだ。

甲状腺がんの手術をした 直美さん(仮名):
どのくらい被ばくしたのか?っていうのは知りたいですね。
やっぱり、そこを知って、本当に原発のせいなのか、せいじゃないのか、っていうのを一番、みんながそう思っているので、早く白黒はっきりして、本当にどうなのかというのはつけてもらいたいなというのはすごく思います。

古舘伊知郎:
検討委員会が言っている「考えにくい、因果関係は」というこの「考えにくい」という言葉っていうのは非常に都合のいい言葉だなというふうに私は感じています。
むしろ逆だと思うんですね。
因果関係というものがはっきりとはわからない。
「否定できない」と言っているのですから、「わからない」んだったら、「因果関係があるんじゃないか」という前提で、じっくりと探っていくというプロセスが必要なんじゃないかと思うんですよね。
まずですね、ここで申し上げたいのは、甲状腺がんの摘出手術を受けた女性、インタビューに応じてくださいました。
そしてそれとはまた別の、子供さんががんを抱えている親御さんにもインタビューを受けていただきました。
勇気を振り絞って、いろんな声がある中で”問題提起”ということで取材に応じてくださったということは、心から感謝をいたします。
そして、その前提でですけれども、やはり、これは未曾有の原発事故が福島で起きたわけですよね。
もちろんチェルノブイリやなんかの、スリーマイルとの程度の比較とか色々ありますが、未曾有の事故が起きて、”未曾有”ということは。これまでになかったことですから、これ、なかったことというのは、詳しいデータの積み重ねがあるわけはないので、まだ”端緒”という言葉も学者の先生から出てきましたけど、
小川:「前提も基準もない」ということですよね。
古舘:
はい。
ですから、やっぱりまだデータが完璧ではない段階では、謙虚に、気長に、粘り強く検査をしていき、調査をしていき、研究をしていくという姿勢が、例えば166人のご本人及び、これからもしかしたら増えるかもしれない方、ご家族にそういう誠意が伝わっていったときに、また違う境涯が生まれてくる可能性があると思うんですね。
境涯を変えることが免疫力を高めたり、いろんなことにもつながっていくという可能性すらあるわけですから、ここはひとつスタンスを一部変えていただかなければ困るなと強く考えております。
0歳で被ばく 甲状腺がんに
チェルノブイリから見た福島

事故から30年。
住民全員が避難し廃墟となった町。森の奥に見えるのがチェルノブイリ原発だ。

爆発した4号炉は溶け落ちた核燃料ごとコンクリートの塊に覆われた。
隣には建設が進む巨大なシェルター。
完成後にスライドさせ、老朽化した石棺を丸ごと覆う計画だ。
30年前、この場所から大量の放射性物質が撒き散らされた。

現在のウクライナとベラルーシ、そしてロシアの3カ国で35万人が強制避難。

事故当時18歳以下の子供7000人以上から被ばくが原因とみられる甲状腺がんが発生した。

我々がまず訪れたのは原発からおよそ80km離れたウクライナ北部の地チェルニーヒウ。
地域の汚染度は比較的少ないとされ、避難区域にはならなかった。

一方で、事故当時子供だった50人以上から甲状腺がんが見つかっているという。

そのひとり、エカテリーナ・チュードワさん30歳。
事故当時11ヶ月の時に原発事故が起きた。

エカテリーナさんの母:
具体的にどんな事故が起きたのかは全く知りませんでした。
子供たちへの避難指示も出されなかったので、外で娘を遊ばせていました。

事故直後の風向きなどから得られたデーター。
事故の三日後に放射性沃素がこの地域に流れたのがわかる。
エカテリーナさんの甲状腺にがんが見つかったのは14歳の時だった。

エカテリーナさんの母:
信じられませんでした。
娘が死んでしまうのではないかと、恐ろしかったし、甲状腺がんがどんな病気なのかもわかりませんでした。
原発事故の影響を受けるとは夢にも思っていなかったエカテリーナさん一家。

小児甲状腺がんを患った エカテリーナ・チュードワさん(30)(事故当時0歳):
年頃だったので傷跡を見て同級生がどう思うのか、とても気になりました。
今は目立ちませんが、当時は傷跡がはっきりと見えていたからです。
福島では今のところ出ていない事故当時0歳から5歳の甲状腺がん。
ここチェルニーヒウでは発生している。
地元医師はこの年齢層の発症に特徴があったと話す。

チェルニーヒウ市立診療所 ワレンチーナ・ワーヌシュ内科部長:
すぐに発症したわけではありません。
12歳から14歳になって初めて甲状腺がんが見つかったのです。

5歳以下の子供たちの発症は思春期に入ってから。
つまり、早くても事故から7〜8年経ってからだった。
ただ、なぜそうなったのか?はわかっていない。

我々は国境を越えベラルーシに入った。
2500人を超える子供の甲状腺がんが発生したベラルーシ。
研究拠点となっているのが、首都ミンスクにある国立甲状腺がんセンターだ。
長年甲状腺がんの研究を続けてきたユーリ・デミチク医師。
被ばく線量と甲状腺がんの関係について、まずこう指摘した。

ベラルーシ 国立甲状腺がんセンター ユーリ・デミチク所長:
被ばく線量が低くても甲状腺がんが発生する可能性はあります。
「これ以下なら大丈夫」という値はありません。
我々は福島県で行われている甲状腺検査の1巡目2巡目の資料を見てもらった。
彼の表情が変わったのは2巡目の検査結果を見た時だった。
ベラルーシ 国立甲状腺がんセンター ユーリ・デミチク所長:
1巡目の検査でがんが見つからなかった子供たちから、2巡目の検査になったなぜ見つかったのか、腑に落ちません。
デミチク氏は1巡目の検査で目立った異常がなかった人から、わずか2年でがんが見つかったことに関して関心を持ったという。
ベラルーシ 国立甲状腺がんセンター ユーリ・デミチク所長:
検査ミスがあったのかもしれません。
あるいは、信じがたいことが2年間で起きたのかもしれません。
甲状腺がんを知り尽くしている私でも興味深いものです。
なぜ2年間で現れたのか?
ベラルーシの専門家が異変を感じた2巡目。
日本の専門家も違和感を抱いていた。
つづく
専門家で割れる”関連性”


古舘:
色々な辛さを分かち合うことの本当に大事さっていうものがね、今後ご家族の方々に出てくると思うんですけれど。
ここから先のVTRについて、ちょっと説明をしたいんですが、
原発事故と甲状腺がんの因果関係は無いであろう」というこの考え方に対して、ま、幾つかの疑問にぶつかってきております。
一つは例えば単純な話、
「チェルノブイリの放射線量に比べて福島はぐーーーっと低いから」と。
「だから因果関係は無いであろう」というのには、甚だ疑問があるということ。
そしてもう一つなんですけれども、チェルノブイリのですね、あの原発事故当時のチェルノブイリ周辺で「0歳から5歳までの小さなお子さんに甲状腺がんが多発したんだ」と。
「福島の場合は原発事故時0歳から5歳の小さなお子さんには、今のところ発症が1例も見られていない。したがって因果関係は無いであろう」という、この考え方に対しても、やはり甚だ疑問です。
といいますのは、調べてみればすぐわかることですが、チェルノブイリの場合は0歳から5歳のとき、事故当時。
そのお子さんが発症せずに成長していって思春期に入り、例えば15歳になった。
この辺りで甲状腺がんが多発しているという事実がハッキリとわかっているからです。
福島県等委員会 弘前大学被曝医療総合研究所 床次寘司教授:
いや、「それだったら私の説明はいらないじゃ無い」って思ったわけです。

甲状腺がん増加の理由をめぐって割れる専門家の意見。
福島のがん手術を一手に担うキーマンを直撃した。
福島・いわき市 2月9日 「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」住民説明会

国連科学委員会・専門家 ミハイル・バロノフ氏:
甲状腺がんのリスクに影響する三つの重要な要素があります。
それは、線量、年齢、そして時間です。
先月9日(2016年2月9日)福島原発事故での被曝の実態などを調査した国連の科学委員会(UNSCEAR)が、福島の住民に向けて行った説明会。
ある男性が手を挙げた。

苅野小(浪江町)元校長 荒川秀則氏:
苅野小の子供達は、公表されていなかった「SPEEDI」の中の、「真っ赤な放射性物質が降りそそぐところを避難してきたんだなぁ」というふうに全員が心配し、「SPEEDI」の真っ赤なところを逃げた私達、子供達は本当に大丈夫なんでしょうか?
震災当時浪江町の校長だった男性。
児童たちとともに津島地区から川俣町へと避難した。


後にそのルートが、放射性物質が大量に流れた方向と一致することを知った。

国連科学位委員会事務局長 マルコム・クリック氏:
確かにそれは最も線量の高いルートです。
今のところ当時の子供達から甲状腺がんは見つかっていないという。
だが、放射性物質の中を逃げたという不安は消えない。

苅野小(浪江町)元校長 荒川秀則氏:
今後もっともっと(甲状腺がんが)出てきそうな、雰囲気はあると思うんですね。
どうしても、説明会に出たりすると「さほど心配することないですよ」ということの報がお多く広まっていて、
「果たしてそうなんだろうか?」という疑問は持ってます。
福島県の甲状腺検査では1巡目で115人、2巡目で51人が、がんんまたはがんの疑いとされた。
原発事故の影響なのか?
2015年10月

岡山大学大学院(環境疫学) 津田敏秀教授:
日本全国と比べまして、最も高いところで約50倍の甲状腺癌の多発が起こっていることが推定されました。

岡山大学の津田敏秀教授は原発事故前の日本全体と比べ事故後の福島県内での子供の甲状腺がん発生率は20倍から50倍になっているとする論文を発表。
こう主張した。
岡山大学大学院(環境疫学) 津田敏秀教授:
福島県内において放射線の影響による著しい甲状腺癌の多発が起こっていて、
福島の住民も疑問と不安を抱いている。
福島・郡山市 3月3日

Q:県の発表では「放射線の影響は考えにくい」という見解なんですけど。
住民:
素直にはそうとは受け取れないですね。
何かあるかもしれないという不安は常に持っているので

福島・検討委員 星座長:
「放射線の影響は考えにくい」という表現を改める必要はないと。

福島・検討委員 星座長:
原発の影響とは考えにくい

住民:
じゃあ、何が原因なんだ?と。
お医者さんが、ね、それじゃあ調べてくださいよと。

有識者による福島県の検討委員会は、事故から5年を機に中間報告をまとめようとしている。

その最終案では、1巡目に発見された甲状腺癌について、放射線の影響が完全には否定できないとしながらも、4つの項目を理由に挙げて結論付けた。

放射線の影響は考えにくいと評価する。
4つの理由のうち事故当時の年齢について、検討委員会のメンバーでチェルノブイリを何度も訪れたことのある長崎大学の高村昇教授が解説する。

長崎大学 原爆後生涯医療研究所 福島検討委員 高村昇教授:
福島で、えー、これまでですね、事故当時0歳から5歳という人で、甲状腺癌を発症した人はいません!
特にチェルノブイリではですね、事故当時0歳から3歳、あるいは0歳から5歳といった非常に若い世代で甲状腺癌が多発したと。
「チェルノブイリで多発した年齢で発生していない」
「被ばく線量が低い」
そうかもしれない。
だから「放射線の影響は考えにくい」
そうなのか?

我々には納得できない思いが残る。
かつて100万人に1人か2人といわれた子供の甲状腺癌が、なぜこれほど見つかるのか?

国立がん研究センター 福島検討委員 津金昌一郎氏:
決して要するに臨床症状をもたらさない、あるいは死には至らしめないような甲状腺癌を多数診断している。
いわゆる「過剰診断」であるというふうに考えるのが妥当で、
検討委員会のメンバーの一人、国立がんセンターの津金昌一郎氏。
彼が指摘する「過剰診断」とはこういうことだ。
これまで子供の甲状腺癌は症状が現れ、治療を受けることで初めて見つかっていた。
これが100万人に1人や2人という割合だった。

津金氏は現在の甲状腺検査が県民全体を積極的に調べることで、それまで見つけていなかったガンを拾い上げているのだと説明する。
ここで問題になるのが、甲状腺癌そのものの特徴なのだという。
国立がん研究センター 福島検討委員 津金昌一郎氏:
普通のガンのように、要するに、あのーどんどん大きくなって、リンパ節転移を起して、やがて遠隔転移を起して、人を死に至らしめるというのが普通のがんの想定のシナリオで考えると、やはりこの状況で考えるのは難しいと思います。
津金氏は甲状腺癌の多くが極端に成長速度が遅く、長期間症状としてでないものもあると考える。
それらを子供の頃の検査で発見しているというのが「過剰診断」で、
「見つける必要のないものを見つけている」というのだ。
だが、そうだとすると大きな疑問が生じる。
これまで甲状腺癌で手術を受けたのはすでに116人。
この中に必要ないものが含まれていたというのか?
ほとんどの手術が行われている福島県立医大。
そしてその全てに携わるのが鈴木眞一教授だ。
過剰診断なのかどうか聞いた。

福島県立医科大学 鈴木眞一教授:
今回見つけてあるものはもうすでにリンパ節に転移していたり甲状腺外に出ていたり。
またそれが強く疑われるものに対して治療していますので、臨床的には一生…

鈴木教授は摘出手術を行った甲状腺癌のおよそ75%にリンパ節への転移があったことなどから、「過剰診断ではない」と強調した。

一方で「放射線の影響は考えにくい」という立場だ。
とすると、手術が必要なこれだけの数の甲状腺がんが潜在的に存在していたというのか?
福島県立医科大学 鈴木眞一主任教授:そうだと思います。
Q:逆に、(これまでは)手術しなければいけない症例がほったらかしにされていたということかな?と思っちゃうんですよね。
福島県立医科大学 鈴木眞一主任教授:そこはだから。
Q:結果的にはみんな今手術しているわけじゃないですか?

福島県立医科大学 鈴木眞一主任教授:
難しい問題があります。
(子供の甲状腺癌は)転移までは早いかもしれませんが、その後進行してえー、他臓器に転移をするとか、えー、命に関わるっていうのは非常にゆっくりしている「がん」なんですね。

リンパ節などに転移しても今は症状がないが、将来発症し、しかも重い症状になるかもしれない甲状腺癌を検査で発見しているのだと説明する。
一方で、それらが実際にいつ発症するかについて確証は持てないという。


福島県立医科大学 鈴木眞一主任教授:
それは誰もわからないことなので、えー、えーっと、我々が治療させていただいたものでも多分すぐにでも見つかったいたであろうというものもあれば、しばらく見つからないものを見つけている可能性もあるだろう。
ただそれがこの先、急に大きくなるんおかならないのかっていうのは、我々は予測して治療はしません。
多くの甲状腺癌を手術した医師すらその「正体」をつかめないということなのか?
論争は福島県の検討委員会の内部でも激しくなっている。
先月15日(2016年2月15日)、被ばく医療の専門家、弘前大学の床次眞司教授が福島の住民の被ばく状況について説明した。

事故直後の混乱などのため被ばく線量のデータは極めて少ないが、床次教授のグループは、事故の翌月から調査を行っている。
沿岸部から避難した住民62人の甲状腺被ばく線量を測定。

内部被曝の線量が最も高かった子供で23ミリシーベルトだったという。

弘前大学被ばく医療総合研究所 福島・検討委員 床次眞司教授:
不確かさが常につきまとっているという理解のもとでですね、ただ、総じて言えば、この福島の事故における甲状腺の被ばく線量というものは、チェルノブイリ事故と比べて小さいだろうということは、ま、言えるだろうというふうには考えます。
床次氏の説明を受け「福島の被ばく線量はチェルノブイリと比べて極めて低い」とまとめた星北斗座長。
増加している甲状腺癌について

福島県医師会副会長 福島・検討委員 星北斗座長:
今回も説明がございましたが、チェルノブイリとの比較の線量の話、あるいは当時の年齢など、被ばく当時の年齢などから考えて、これらのがんにつきましては、えー、放射線の影響とは考えにくいという見解を、えー、このまま、え、継続する形に、
被ばく線量が低いから甲状腺癌への影響は考えにくい。
本当にそれでいいのか?
床次氏に真意を正した。
すると、意外な答えが返ってきたのである。

床次眞司教授:
「(星座長は)はるかに低いから考えにくい”なんですよ”」みたいな感じで言ってるから、
いや、そうじゃない。「それだったら私の説明はいらないじゃない」と思ったわけですよ。
今回私が説明したのは、あくまでも、集団として捉えた場合に、チェルノブイリの線量と福島原発事故の線量を、グループとして、集団として捉えた時の線量を比較したわけで、個人の、がんになった人たちのどうのこうのという議論じゃないですから。
「住民全体の被ばく線量を比較して、甲状腺癌と放射線との因果関係に直接結びつけるのは乱暴だ」という床次氏。
検討委員会の中間報告最終案に「放射線の影響は考えにくい」という見解が盛り込まれていることも批判した。



床次眞司教授:
「放射線の影響の可能性は小さいとはいえ、現段階ではまだ完全には否定できず」って書いてあるから、
だから、そう書いてあるんだったら「考えにくい」って書かないほうがいいですよね。
(最終案を)今の額面通りに受け入れるっていうのはちょっと難しいですよね。
ま、先ほども言っているように、まだ段階。ようやく端緒(たんちょ)を開いたばかりですよ、今。

メンバー間の認識の違いが明らかになった検討委員会の議論。
キーワードはチェルノブイリだ。
我々は現地に向かった。
つづく

古舘:
311、5年目の今日です。
小川さん、私たちが今日、1点に絞ってお届けをしたいと思っているテーマに関して、今日厚労大臣がそれに関する発言をされましたよね。
小川:されました。
古舘:ちょっとそれを見てください。
3月11日午前9時前
記者:
福島県の調査で子供の甲状腺ガンが116人見つかっています。
震災の前は100万人に一人か二人と言われていましたが、これだけ見つかっていることに関しまして見解をお聞かせください。

塩崎恭久厚生労働大臣:
この問題は委員会でもだいぶ取り上げられていましたが、ご指摘のデータというのは福島県で行った県民健康調査の結果によるものでございます。
福島県における放射線によります健康被害、健康影響の問題につきましては、環境省の所管でございますので、厚労省としてコメントする立場にはないというふに思います。
記者:国民の健康という側面から厚労省としての見解というのはいかがですか?
塩崎恭久厚生労働大臣:
今申し上げたように、放射線による健康影響の対応については環境省が担当ということでございます。

古舘:
これは紙に書かれている簡略化された組織図のご説明というふうに感じます。
私どもが聞きたいなと勝手ながら思っていたのは、やはり「厚労大臣としてのご見解、お考えはどうか?」ということを率直に聞きたかったということであります。
さて、今日のテーマですけれども、18歳以下、小さなお子さん、あるいは若い方の甲状腺癌は原発の事故および放射線との因果関係はあったのか、ないのか、このテーマで今日は進めてまいりたいと思います。
もちろんですね、福島の方々の中にはいろんなご意見があることは承知しております。
我々は取材をしていく中で、実際に甲状腺癌になってしまった若い方にお話を聞くことができました。
それから、それとはまた別に、自分のお子さんがガンになった、甲状腺癌になった。
その苦悩を抱えている親御さんにお話を聞くこともできた。
そういう取材を通じてやはり問題提起をさせていただこうという結論に至ったわけでございます。
さて福島におきましては2011年から1巡目と言われていますけれども、若い方の徹底した検査が始まっていた。
そして1巡目の検査が2014年に終わって、その時に甲状腺癌およびガンの疑いの方が、こちらに出ていますように115人出ました。
そして2014年から2巡目という形で検査がまた行われていった。
すると、まだ途中段階にありますが、2巡目の現段階において、ガンあるいはガンの疑いの方が51人という数字が出てきて、合わせますと166人の方がそうだということになったわけです。
一般的に18歳以下の甲状腺癌の方の発症率というものを見てみますと、
100万人に一人から二人と言われています。
二人で多い方を取っても5年経過しておりますから100万分の10人ということになります。
それと比べますと166人は異常に多い数字ということが言えます。
幾つかの角度から我々は取材を進めました。
福島原発事故から5年
「なぜ私が甲状腺癌に…」

甲状腺癌の手術をした女性:
「なんで私なんだろう」というのは思ったことあるんですけど。
ナレーション:
福島の検査でわかった甲状腺癌。
手術を受けた女性が語った苦悩。
原発事故との関係はあるのか?
あれから5年、子供の甲状腺癌が増え続けている。

福島検討委員星座長:放射線の影響とは考えにくい。
本当なのか?
答えを求めて取材班は事故から30年目のチェルノブイリへ。
甲状腺癌の手術をした直美さん(仮名)
本当に手術の後の1週間はすごい辛かったです。
何回も吐いちゃうんで、やっぱまず気持ち悪くて、ご飯とかも全然、のどが痛くて食べられなかったので、
お腹は空いてたんですけど、食べられないのが辛かったです。
ナレーション:
福島県中通り地方に住む直美さん。
高校生の時に甲状腺癌とわかり、甲状腺を摘出する手術を受けた。
年齢や手術の時期など具体的なことは、本人の確定につながるためお伝えできない。
直美さん:
手術に対する不安とかが一番大きくて、だからあんまり考えないようにしてて、
手術で治るなら、手術はしようとは思いました。
ナレーション:首元には、今も手術の跡が残る。

直美さん:やっぱり傷があるので、ちょっと傷を隠す服とかばかり選んじゃうので、
あんまり、なんかお洋服が選べないっていうのがちょっと、今辛いです。
すごい自分でも気にしちゃうので。
なんか、やっぱり「どうしたの」とはあんまり聞かれたくないので、
やっぱりできるだけ隠すようにはしています。

甲状腺に異常が見つかったのは、福島県が震災か7ヶ月後に始めた甲状腺検査だった。
1時検査で甲状腺に異常がなければA判定となるが、
甲状腺癌の可能性がある場合にはB判定、C判定となり、より詳しい二次検査を受けなければならない。

喉仏の下にある小さな臓器が甲状腺だ。
改装などに含まれるヨウ素を取り込んで甲状腺ホルモンを作り全身に送り出す。
子供の発育や成長を促したり、新陳代謝を高めたりする体に欠かせないホルモンだ。
甲状腺を手術で全て摘出すると、ホルモン剤を毎日、それも一生飲み続けなければならない。

問題なのは甲状腺が原発事故で放出された放射性ヨウ素も取り込んでしまうことだ。

甲状腺に放射性ヨウ素が集まると、その放射線によって内部被曝氏、がんになるリスクが高まる。
特に、子供は大人より放射線の影響を受けやすい。
原発事故の後、福島県が子供の甲状腺検査を続けているのもそのためだ。

これは甲状腺にできたしこりに針を刺し、細胞を取ってがんかどうかを調べる様子。
直美さんもこの検査を受けた。
検査から一週間後、医師からこう告げられた。

甲状腺の、その、やっぱガンというか、ガンというか「腫瘍があります」と言われて、「手術したほうがいいですよ」とか、「結構大きくなっていたので手術しましょう」みたいな感じで言われました。

甲状腺癌にはいくつか種類があるが、中でも最も多い甲状腺乳頭がんは、体の他のがんに比べて命に関わることは少ないと言われている。

日本医科大学付属病院内分泌科 杉谷嚴教授
治療は手術が基本で、甲状腺の取り方は病気の広がりだとか、病気がどの程度危うそうかというところに応じて決めていくんですけれども、それによって、ま、9分9厘治るというものが大半です。

一方で子供の場合は首のリンパ節への転移が激しいという特徴がある。
また、治療後の再発も多く、肺に転移する頻度も高いとされている。
ただ、比較的珍しい疾患で、まだ分かっていないことが多い。


これは摘出された子供の甲状腺とリンパ節だ。
下の部分が甲状腺。
周りにあるリンパ節はがんが転移したために大きく膨らんでいる。

福島県による検査でも、手術を行った子供のうち実に74%がリンパ節に転移していた。
甲状腺がんの手術をした直美さん(仮名):
腫瘍をとって、後はちょっとリンパとかにもちょっと転移してたんで、それも周りのもとって手術して、3ヶ月ぐらいはちょっと声がかすれちゃって、声が出なかったのがちょっと、一番辛かったかな、って思います。

福島県の甲状腺検査で、がんまたはがんの疑いと診断されたのは、2011年から行った先行検査、いわゆる1巡目では115人。
そして2015年から同じ子供達を対象に行われた本格検査、2巡目では去年末時点で51人。
合わせて166人だ。
166人の患者。
心配なのは子供の今後
甲状腺がん 家族の苦しみ
取材ディレクター 平野貴人:
皆さん、今日は集まっていただいてありがとうございます。
悩んでいるのは患者だけではなく家族も同じだ。
ある3人の親に話を聞いた。


息子が甲状腺癌Aさん:
わたしらもまさかそういった検査でひっかかるなんていうのは、本当にあの、夢にも思っていなかったですから。
まさかね。
Aさんは、当時10代の息子が甲状腺癌と宣告されるとは全く思っていなかった。
息子が甲状腺癌Aさん:
ダイレクトにわたしと息子の前で「息子さんはがんです」とストレートに言われました、はい。
平野:息子さんはどうでしたか?
息子が甲状腺癌Aさん:
もう本当にあの、顔面蒼白といいますか血の気が引いちゃって。
わたしも当然びっくりしましたけれども、息子も相当なショックを受けてました。
事故当時娘が10代だった母親のBさん。

娘が甲状腺癌 Bさん:
娘もやっぱり(甲状腺癌と)聞いた瞬間は、「えっ、なんで」っていう感じで顔色は青ざめて、もう、ぼろぼろ涙は流しました。
わたしもそれを見て、堪えなければいけないんですけども、ぽろっと涙を流しました。
やはり一番心配なのは子供の今後のこと。
Cさんは娘のがんが将来再発しないか心配していた。

娘が甲状腺癌 Cさん:
今後ちょっとその具合が悪くなってですね、まぁ働けないとか、ま、そういった場合、まだ親が元気なうちはいいんですけど、再発することはないと祈るしかないんです。
息子が甲状腺癌Aさん:
親としてみれば悪いものは取っていただきたい。
それは確かに当たり前の話なんですけれども、
取ったからじゃあ、もうがんは無くなったのか?っていうと、それはまた別の話じゃないかなと。1201
県の部会が出した報告書に、こう書かれている。

「甲状腺癌(乳頭がん)は発見時点での病態が必ずしも生命に影響を与えるものではない(生命予後の良い)がんであることを県民にはわかりやすく説明」
「治療をすれば命に関わることはあまりない」ということだ。
娘が甲状腺癌Bさん:
やっぱり女の子なので、いずれは結婚して出産も考えてるとは思いますけど、「自分はがんになってしまったんだから」っていう、そういう負い目はあると思うんですね。
それを考えた時に、親として、なんかやっぱりつらい面はあります。

親は皆、「死なないならたいしたことはない」と思って欲しくない
「なぜ私が甲状腺がんに…」
夢断たれ再発の不安
手術を受けた直美さん。
その後体調が悪くなり、進学した学校を辞めざるを得なかった。

甲状腺癌の手術をした直美さん:
進学していた時期に夢があったんですね。
本当は夢を追いかけてそれを仕事にしたかったんですけど、やっぱりそれを諦めてしまったことが一番つらいです。
治療に専念しなきゃいけないのかなっていうのは、ちょっと、薄々は思っていて、なんか、人生を左右じゃないですけど、大きく変わっちゃうのかなとは思いました。
人生を大きく変えてしまった甲状腺癌。
原発事故との因果関係はあるのか。
2011年3月

枝野幸男官房長官(当時):えーー、直ちに人体に影響を及ぼすような数値ではない

これは2011年4月1日時点で放射性ヨウ素がどのように広がったのかを示した地図。
SPEEDIをもとに推計したものだ。
福島県に広く放射性ヨウ素が拡散したことがわかる。
当時直美さんは通学や体育の授業や買い物など、日常生活で外にいる時間も多かったと言う。
甲状腺癌の手術をした直美さん(仮名):
もしかしていると、潔癖症じゃないけど、なんか「変わってるな」とか思われたくなかったので、みんなと一緒に、マスクはあんまりつけずにずっと生活とかはしていました。
今も全然、自分がどのくらい被曝しているんだろう?っていうのは分かってないです。
今も、がんの再発や転移に怯える日々が続いている。
甲状腺癌の手術をした直美さん(仮名):
「なんでわたしなんだろう」というのは思ったことはあるんですけど、
でも、もしかしたら、「誰かがなんなきゃいけないのかな」と思ったり、
やっぱでも、なったからにはがんと闘っていくしかないのかなとは思います。
多分、これからずっと向き合っていかなきゃならないのかなとは思っています。

なぜ甲状腺癌になったのか?
被曝の影響はあるのか?
息子が甲状腺癌になったAさんも医師に何度も尋ねた。
息子が甲状腺癌Aさん:
「今回の原発事故との関連性は高いんですか?」っていうふうにわたしはあの、あの、素朴な疑問ですけれども、先生の報にお伺いしたら、あの…「原発とは関係はございません」
何回聞いてもそうですね。
平野:「(被曝の影響が)あるかどうかわからない」じゃなくて「ない」と答えるんですか?
Aさん:「ない」ですね。
「身内にしか話せない…」
甲状腺がん家族の”孤立”
今回の3人を含めて多くの家族を取材する中で様々な悩みを聞いた。

「医師とコミュニケーションがうまくいかない」
「いわれなき差別を受けた」
「(他の病院での)セカンドオピニオンの受け方がわからない」
しかし、その悩みを相談する相手がいない。
娘が甲状腺癌 Bさん:
周りに自分から「うちの子は甲状腺癌だよ」なんて言うものでもないし、やっぱり、本当にごくごく身内の人にしか話はしなかったし。
息子が甲状腺癌 Aさん:
人にこう、話をしてみたところで、やっぱりそれが発端で話が大きくなっていくのが本当に嫌だし。
孤立していた家族。
彼らが中心となって会を作ることとなった。
会の名前は「311甲状腺がん家族の会」
地元の方などが世話人となり、原発事故後に甲状腺がんと診断された子供の家族に会への参加を呼びかけるという。
会の世話人 竹本泰さん:
健康調査を見ていますと、どんどんどんどん患者数が増えてくるわけですね。
その中でやはり患者、あるいは保護者同士が繋がらなきゃいけないんじゃないかと。

参加家族は福島県中通り地方の4家族と、浜通り地方の1家族。
合わせて5家族だ。
家族会で見えてきた問題を解決するため、倹約になどに働きかけるという。
明日12日に記者会見(OurPlanetTVに動画あり)を行う。
娘が甲状腺がん Cさん:
自分と思っていたことが同じで、涙を流してね、話されたお母さんもいたりして、ためていたものを人に言えたと言うことが一番大きいのかなと思いました。
つづくーー
大竹まことのゴールデンラジオ
大竹メインディッシュ
町亞聖さん
鎌田實さん
http://podcast.joqr.co.jp/podcast_qr/main/main160316.mp3
町亞:
本日のお客様です。チェルノブイリ連帯基金理事長、日本医学メディカル代表など、命の大切さを伝えて世界平和のために尽力されています。
諏訪中央病院名誉委員長の鎌田實(かまたみのる)先生です。
よろしくお願いします、
大竹:
よくいらっしゃいました。
もう本当にどこにそんな体力が残っているのか、もうね、ほんと頭がさがるよ。
ほんとすごいなと思うんだよね。
さて、いろいろイラクのお話もありますし、福島のお話もありますが、
最初に、今日週刊誌に出ていた、
この間「甲状腺癌の増加」っていう問題を報道ステーションでやってたんだけど、古舘さんがお話をしたんだけど、
今日の、今月の週刊新潮にそれをかなり批判する記事が載ってましたね。
鎌田:
僕は報道ステーションは見ていないんですけれども、福島の甲状腺癌は、
子供達の甲状腺癌1巡目の検診38万人の子供18歳未満の子供を調べて、100人がガンの確定がされるんですよね。
で、15人が疑いになるんですよね。
「疑い」ってついているのは、手術していないから絶対ガンとは言えないけれども、もう細胞診で癌細胞が出ているからほぼ「ガン」と考えていいです。
大竹:疑いっていうのはほぼ癌って考えていい…
鎌田:この福島の子供の検診に関してはそうなんです。
大竹:じゃあ115人ということに、
鎌田:
癌に疑わしいということですね。
で、この数も、医者としてチェルノブイリに101回師団を送って、チェルノブイリは、当時僕が行き続けていた時期には6千数百人の子供が。
チェルノブイリ原発の事故で I131という放射性ヨウ素を吸い込んだために6千数百名の子供が甲状腺癌になった。
これに関しても初めはWHOという世界保健機関なんかも「放射線ノイローゼかよ」って、僕が行きだした頃は言ってたんですね。
だけど、僕らのNGOや外国からのNGOがたくさん入って調べていくうちに、やっぱり原発事故と子供の甲状腺癌の因果関係は間違いないということになって、WHOというところも認めて、おそらく世界が「原発事故と子供の甲状腺癌は影響しあったんだ」ということ。
今回福島は、たくさん出たとしてもI131の放出された量は、おそらく10分の1ぐらいじゃないかと想定されているんですよね。
だから「低いから起きないんじゃないか」と。
ただ一番いけないのは、日本の本当に原発に関することでいけないのは、「臭い物に蓋をする」っていうか。
2011年3月の事故があった直後に1回子供の被曝量を簡式で1080人まで調べ出したんですよ。
でもなんか「調べてそのデータが表沙汰になると、みんな県民が不安になるからやめよう」って言って止めちゃったんですよ。
で、弘前大学の研究チームが今度入って、簡式じゃなくて本当に甲状腺の被曝量を直接測定するっていうことをし出して、それは60数名やったんです。
でもそこも途中でなんか手が加わったのか、止めちゃったんですね。
大竹:それは何?なんか、不安を煽るみたいなこと?
鎌田:
そう、だからその時にきちっとした被曝量や I131という放射性ヨウ素の放出量を測定しておけば、因果関係がもっとはっきりしたと。
だからそれをやらなかった日本の、やっぱり原発に関わる人たちの、なんか「隠しておきたい」ということがいけないんじゃないかな、と僕は思っています。
大竹:
ヨウ素が、喉のあたりで、海草とかいろんなものからヨウ素を取り込むんだよね、そこに。
鎌田:そう。
大竹:そこの部分が喉のところにあって、放射性ヨウ素131が喉に溜まっちゃう。
鎌田:
そうなんです。
甲状腺に溜まりやすいので、そして内部被曝でずーっと中から甲状腺に照射されちゃうとそこが内部被曝をずっとし続けるから、そこで癌になるんじゃないかって言われていて、
で、今回1巡目でそれだけでたことも、僕の想定では、チェルノブイリを見てきた僕としては「多いんじゃないかな」と。
大竹:普通は100万人に
鎌田:一人か二人
大竹:
一人か二人って言われているわけだよね。
それが福島では結構多い人数が出た、1巡目で。
鎌田:
はい。
で、2巡目をやる時にはもう、1巡目でかなりきちんとした、超音波を入れた検診をしてますから、
「もう、ほとんど出ないんじゃないか」と。
「1、2例の見過ごしはあっても、何例かは出るけれども、二桁なんか出ないんじゃないか」と思っていたら、
もう16名が2巡目で甲状腺癌が確定されて、さらに35名癌の疑いがある。
合わせると51名が癌になる可能性がある、2巡目でね。
で、この2巡目に多いっていうのはやっぱり、1巡目で何にもなかったのが1、2年の間に癌が見つかったということは、急速な発育をしている可能性があるわけですよ。
それから「75%がリンパ腺転移をしている」
これは福島医大の発表で「75%のリンパ腺転移がある」と。
だから「福島医大は見つける必要のないものを検診で見つけてんじゃないか」っていう批判をして、
大竹:たくさん検査したためにね。
町亞:今までにやってなかった検査をね。
鎌田:
前立腺癌と甲状腺癌って”たちのいい”、癌は癌だけど”たちがいい”んです。
どっちかっていうと、放っておいて大丈夫な癌も結構あることは確かなんです。
癌なんだけど。
だからそういうものを偶然見つけたんじゃないかと大々的な検診を、世界がやったことないようなことをやったから見つかったんじゃないか。
「だから関係ない」と言っている人たちがいるんだけれども、
2年間ぐらいでゼロだったものが2cmぐらいの腫瘍ができるような急激な発育をしていることと、
リンパ腺転移をしているということは、見つける必要のないものを見つけたわけじゃなくて。
それは福島医大の教授も、やっぱり「自分達は必要があって治療した」と、一方で言ってるんですよね。
でも福島医大の人たちが中心になっている福島県民健康調査検討委員会っていうのは、手術しているその教授も含めて「原発事故とは関係ない」って言ってるんですよね。
大竹:
でも「関係ない」とも言い切れないんじゃないかと僕は思うんですよ。
っていうのは遡って言えば
だったら初動の時にもっとちゃんとやっていればいいじゃないかと。
そこで関係ないなら「関係ない」っていうことも証明されるわけだよね。
それが途中で、どういうわけか出しちゃったものだから、今も因果関係があるのかないのかも定かじゃなくかる
鎌田:そうです。
大竹:日本のこういう原発に関わることってものすごく曖昧にしていることが多いですよね。
鎌田:
ヤッパリこの体質をちょっと変えて、できるだけ透明性を高めて、議論を徹底的にしていく必要があって。
僕はチェルノブイリでね、ヨリジェームシックというベラルーシ共和国の甲状腺外科の大家と何度もなんども僕は会ってきているんですけど、
やっぱりヨリジェーマシックがいうには6千数百名の甲状腺癌のほとんどは●死んでいないというんですよ。
データによって一桁というデータと15人死んだというデータがあるんだけど、
その15人も甲状腺癌で死んだのか違う理由で死んだのか、経済危機などで食べ物などもすごい粗末になってましたから。
だから実際のところは、ほとんど死んでないということなんですね。
だから福島の問題は、きちっとした検診で早く見つけてちゃんとした治療をしていけば、一人も福島の子供を死なせないで、守りきることができるから。
つまらない空中戦の議論をしていないで、「関係があったかもしれない」という前提できちっと検査をし続けて、
早く見つけてきちっとした治療をしてあげることが福島の子供の命を守ることなんじゃないかと。
大竹:
チェルノブイリは今はWHOなんかが入って「関係がある」と。
でも先生はその前に、一番最初にイラクを訪れた時には、アメリカの劣化ウラン弾の問題があって、
劣化ウラン弾でイラクの子供達に癌が増えてたりするんだけど、
「劣化ウラン弾だ」と、ここは言い切れていない。
鎌田:
これも言い切れていないですね。
放射能と病気の関係って、なかなか言い切れないんですよね。
大竹:
で、そういう現状のまま。
でも実はイラクでも、白血病とか
鎌田:
ものすごく多くなっている。
ユーイング肉腫というのがどうしてこんなに多いのかなぁと思って、
ナブラスちゃんという女の子が今年の1月に
大竹:チョコレートのね、
町亞:ポインセチアの絵を。
大竹:花の絵をね。
鎌田:
シンジャール山で5000人の人たちが殺されたり、ISに3000人の女の子が性奴隷にされたりした村に僕、
トラック一杯分の救援物質を持って行ってきたわけ。
ナブラスはシンジャール出身なのよ。
「やっとISを追い出したぞ。君のふるさとは追い出したぞ、ナブラス帰りたいかい?」と僕が言ったら、
「帰りたい」と言うんですよね。
「帰ったら何するの?」と僕が聞いたら、ナブラスが「学校に行きたい」って。
で、その1週間後、ユーイング肉腫というので腫瘍で亡くなったんです。
ユーイング肉腫
ユーイング肉腫は、主として小児や若年者の骨(まれに軟部組織)に発生する肉腫です。粘膜や皮膚などの上皮組織に発生する悪性腫瘍は「がん」といい、骨、軟骨、筋肉や神経などの非上皮組織に発生する悪性腫瘍を「肉腫」と呼びます。
大竹:
ま、週刊新潮の記事と報道ステーション。
先生はどっちかって言ったら、「ちゃんと初動がうまくいかなかったんじゃないか」と言うお考えと、
それからやっぱり、これはちょっと「甲状腺との関係はあるんじゃないか」っていうふうに思ってらっしゃるっていう、
鎌田:
(原発事故と関係が)「ある」と思いながらきちっとした体制を作ってやって行ったほうがいい。
「ない」と言い切れる理由は、あんまり明確ではないんじゃないかなと。
大竹:
というふうにお考えになっているわけね。
いやあ、僕はテレビを見たんだけどさ、変な言い方だけど、
あの女の子が福島ネックレスっていうんだよね、
町亞:首に傷跡が
大竹:
首に傷跡がね、甲状腺の癌を取った痕。
で、癌は今のお話を聞いていても、癌の中では…、ま、いいほうの癌だというお話だけど、
でも、これを取っちゃったとなると、取った後、この福島ネックレスも、外側の傷ね、これが治るのにも時間がかかるだろうし、しかも、ずーっと薬を飲み続けなきゃいけないということがあると。
町亞:ホルモン剤を。
鎌田:
全摘、甲状腺の全摘をした場合には、もう本当に一生ホルモン剤を飲まなければいけないんですよね。
子供にとってはとてもつらいことですよね。
大竹:
それともう一つ俺が思うのは、ちゃんとして欲しいなと思うのはね、
自分がその子だったり、その子の親だったりした時にさ、
こう…「毎年検査を受ける」っていうこと自体もね、結構しんどいことだよね。
鎌田:
そうですね。
ただ、やっぱり子供の命を守るためには、もう本当に申し訳ないけど、やっぱり受けてもらって、
大竹:
いや、だからね、
毎年検査を受けなければならない現状っていうのは、誰が、どうしてこうなったんだ?っていう話を、
町亞:その子には罪はないですものね。
大竹:
たまたま外に出て遊んでいたとか。
ただそれが心に与える影響とか、大きいじゃない、だって。
鎌田:
そうですよ。
だからもうちょっと家族や子供が、甲状腺癌になった子供のサポート体制とかを十分に作ってあげて、
その子がちゃんと成人して、社会人として活躍ができるようになるまでサポート体制を作っていく必要があるし、
ひらた中央病院というところが無料で体内被曝、ベビースキャンという、すごくお金の高い機械を買って、
1歳未満の小さな体重の子供でも体内被曝の量を測定できるようにして。
それがつい最近発表したデータによると、2000人の子供に測定をして、体内被曝は一人もいなかったんです。
だからよくやっているんですよ。
福島は本当に頑張ってよくやっているんだけれども、
申し訳ないけど、なんか、だんだんだんだん検査は、いろんな検査はいらないじゃないかと。
食べ物の測定もなんか「100ベクレル以下になることはもう間違いがないんだから、基準は守っているんだからいいじゃないか」って言うんだけど、
僕はね、全部放射能のお見える化をしたほうがいいと思うから、時々
「このニンジンは100ベクレル以下だけれども15ベクレルです」とか、ちゃんと発表したほうがいいと思うんです。
大竹:
そうそう。
あれね、「基準値以下」っていう発表が嫌なのよ。
鎌田:そうだよね。
町亞:以下でも幅がありますもんね。
大竹:
そうそうそうそう。
ね、ギリギリ基準値以下なのかもわからないし。
今おっしゃったように「何ベクレルです」っていうような表示の仕方をしてもらったほうが、
それでね、別に困らないものね。
鎌田:
そう。
で、僕とか大竹さんの年齢になったら、35ベクレルのニンジンでも、むしろ買って応援してあげようっていう気になるし、小さなお子さんのいる家では、「ちょっと申し訳ないけどもう2〜3年は他の県のを買わしてください」
そういう選択ができていいんですよね。
だからもっと全部、検診についても、体内被曝の量についても、食べ物についても、
もっともっと透明性を高めて発表したほうが福島を応援しやすくなる。
大竹:
こういうことになったんだからちゃんと数値を全部いろんなことに関して。
例えばね、線量計なんかも無くしちゃうんじゃなくて、そこに置いておいて、ちゃんと測れるようにする、って。
そういうふうに基準がしっかりしたほうが。
これは何がこうすればいいかって言ったら、これで風評がなくなるんだよ。
鎌田:むしろね。
町亞:そうですよね。
大竹:
ちゃんとしたほうが。
今度のことでも鎌田先生は初動のあれだって、そこら辺をもっとしっかりやればいいって言ったけど、
これだって、やっぱりずーっと検査しなければいけないっていうのは本人にとって大変なことじゃない。
その負担もあるわけじゃない。
でもこれは因果関係、たとえば、「他の県はどうなってるんだ?」と。
で、甲状腺をとるかとらないか、っていうことをもっとさ、ね。
っていうのはさっき言った女の子じゃないけど、福島ネックレスって言われる傷。
あれだって、大変なことじゃない、女の人にとっては。
だったらもっと、これをうまく隠せるような方法論だって、整形だって出てくるかもしれないもんね。
鎌田:そうですね、そうですね。
大竹:
そういうことがたとえば、親御さんのね、心配だとか。
それはね、だって親だったらそういうことで、なんかこの子の人生が別の方向になっちゃったりしたら、ずいぶん悩むもんね。
鎌田:
それから、福島に通い続けて思うのは、
20kmゾーンの中が、楢葉町を先頭にいろんなところが帰還解除されていくわけですよね。
で、帰還解除されていくと、いい面はもちろん。
「帰りたい」と言っているお年寄りが帰れる選択ができるようになるわけだけでいいんだけれども、
お年寄りは3世代で住んでたのに帰るのはお年寄りだけで、若者や孫は帰れないという。
大竹:ある町は「解除したら、帰ってきたのが6%でしかもお年寄りだった」っていう記事が出たけど。
鎌田:
そうなんですよね。
それで解除されるとやっぱり東京や埼玉なんかに避難を、自主避難をしている人たちが住宅補償をされていたのが、徐々に打ち切られていくんですよね。
自分勝手に避難してるんだから、って。
「帰還ができる許可が出たのに帰らないのはあんたのせいだ」っていうのは、すっごい可哀想で。
被災者であり被害者なんだから、住宅の手当てまで無くなると、
あの小さな子供を抱えている世代って、旦那が福島で働いてて、お母さんとお子さんで。
二世帯での生活費ってすごいかかるのに、住宅手当が出なくなっちゃうと。
だから帰還解除になっているのをよーく見ていると、
そういうことによってまた被害を受ける被災者、被害者が出てくるということを忘れちゃいけないんじゃないかな
大竹:
現場でいろんなね、区別みたいなのが起こってきちゃうわけだよね。
だから、フツーに考えてだよ、「ここは避難解除です、帰れますよ」って言われて、
「お宅は大丈夫だけど、前の山ちょっとね」って。
鎌田:あ、そうですね。
町亞:そうですよね。
鎌田:そうですよ、生活圏は確か1mSv/になるように、年間ね、1mSvになるように
町亞:森林とかの除染はね、まだ手つかずのところも
鎌田:あれは難しいですよ。
町亞:
しかも、5年放置されているところに「帰れるから帰っていいよ」って言われても、
もう、生活基盤はもう、ズタズタになっているわけじゃないですか。
大竹:そうだよね。
で、今の話じゃないけど、たとえば帰還困難区域とかさ、こっからここまでが帰還困難区域って線を引かれてさ、
道路の向こう側が帰還困難区域じゃここは住めるのかい?と。
町亞:ここの差はなんだろう?ってね。
鎌田:
そういうものに徐々に徐々に、なんか、臭いものに蓋をしていこう臭いものに蓋をしていこうとしているところが。
で、やっぱり国も県も補償がこれ以上大きくならないようにそれを切り捨てようと思っているんだけど、
本当に福島の人たちって、災害関連死もものすごく、宮城や岩手よりも倍ぐらい多いし、自殺も倍ぐらい多いんですよ。
本当に福島の人たちは今心が疲れきっているので。
やっぱり、本当に被害者なんだっていう視点で、福島の人たちを応援し続けることってすごく大事なんじゃないかと思うんですよね。
大竹:先生はでも、福島の方にも行ってたんですよね。
鎌田:はい、飯舘の中学校に行ったり、南相馬とか、浪江とか楢葉とか、いろいろ行き続けているんですけどね。
大竹:先生のお知り合いではなんか向こうの方で諏訪中央病院の若い人が
町亞:お医者さんね
大竹:お医者さんが
町亞:石巻で
大竹:石巻でお医者さんになっちゃったみたいですよ。
鎌田:
そうなんですよ。
だからね、みんなで拍手して送り出しましたよ。
「かっこいいな」って言って。
諏訪中央病院で1ヶ月石巻に行っているうちに、
「東北の人々によくしていただいたから恩返しに石巻で地域医療やります」って。
町亞:少なからず、私の知り合いで訪問看護師さんで向こうに住み着いた人もいるので、
鎌田:東北はあったかいから向かい入れてくれるんですよね。
町亞:人がね。
大竹:
まぁまぁ、先生は忙しいけれども、御本も書いたりして忙しいんだろうけれども、
やっぱりでも、悪いんだけれども、もっと、もっと頑張ってもらわないと。
(笑)
町亞:休んでくださいじゃないんですか?
大竹さん、鎌田先生は休まないんです。
実は特番があるんですよ。
おわり
音声↓
http://podcast.joqr.co.jp/podcast_qr/main/main160316.mp3
川内原発運転差し止めの仮処分請求 福岡高裁が退ける!判決理由のポイントは。
鹿児島県にある九州電力の川内原発1号機と2号機について、鹿児島熊本宮崎3県の住民12人が運転差し止めの仮処分を求めた申立てについて、福岡高裁宮崎支部は今日、それを退ける決定をしました。
西川知一郎裁判長は原発の新規制基準や原子力規制委員会の判断が不合理とは言えないと判断。
住民側は最高裁に特別抗告する方針です。
原発の運転差し止めをめぐっては大津地裁が先月福井県の関西電力高浜原発3号機と4号機について差し止めの仮処分を認める決定をしたため、国内で稼働している原発は川内原発だけとなっています。
原発の運転差し止めを求める裁判、今回の判断のポイントなど、TBSラジオの崎山敏也記者に伝えてもらいます。
Q:崎山さん、まず今回の争点は何がどうなっていたことなんですか?
崎山敏也:
住民側が問題視していたのは3つでして、
まず一つは新しい規制基準というものが安全を守るのに十分なのか?
そしてその新しい規制基準で審査した原子力規制委員会のやり方はちゃんとやれていたのか?と。
特に、やはり地震津波。
中でも基準地震動と言われて、その原発の建っている土地で一番強い地震があったとしたらどれくらいか?それに耐えうる建物にしなければいけないということで、まずこの地震を中心とした新しい規制基準のことが一つの争点ですね。
それからこれは川内原発に独特のものですけれども、川内原発の周りには数万年から数10万年に一回、超巨大噴火。
大きなカルデラを作ってしまうような、阿蘇山のようなですね。
ああいう噴火を起こす可能性のある火山があると。
その火山から本当に安全と言えるのか?
あるいは対策は取られていると言えるのか?
それから3番目が避難計画が十分とは言えないという指摘があるんだけれども、それでも動かしていいのか?と。
この三つですね。
Q:で、今回の判断というのは、結局全部住民の訴えを退けたという…
崎山:
基本的にはそうなんですけれども、ただ、まず新しい規制基準については、これまでに退けた判断と大体同じで、「新しい規制基準というのは特に不合理な点はない」と。
「ちゃんと地震の計算もされている」と。
そしてそれを審査した原子力規制委員会の判断も特におかしくはないと、単純にきているんですが、
実は火山の方での決定分を見てみますと、
「現在の科学的技術的知見を持ってしても、原子力発電所の運用期間中にある火山が噴火する可能性、あるいはその時期や規模を的確に予測することは困難である」と言わざるを得ないから、火山ガイドというのがあるんですけど、これは新しい規制基準で火山のことを考えるガイドラインですが、「火山ガイドの定めは内容は不合理である」と。
つまり規制基準の火山についての部分はちょっと不十分だと言っているのですが、そう言いながら、「ただ少なくとも我が国においてはもう何万年に一遍。少なくとも歴史時代において経験したことのないような危険性については、建築規制をはじめとして相当の根拠がない限りは特に考慮しないのが実情であって、これは原発にも当てはまる社会通念がある」と。
つまり、「何万年に1回とかというのは、確かに我々がビルを建てようとしてビルを建てる時に10万年に一回の地震がということを考えないのは普通ですよと。それを原発に当てはめてもいい」というふうに読めるんですよね。
それが果たして、んー、ちょっとこの判断は、これは私は疑問を持つところですが、
裁判所としては、「火山ガイドは不十分だ」と言いながらも、その判断は、今回の判断については少なくとも「不合理な点はない」にしたんですね。
それからこれは同じく、避難計画についてもなんですけれども、避難計画についてもですね、
「避難計画にはいろんな問題点がある」と。
「避難体制、避難手段、避難先の確保など、あるいは避難車両の燃料補給、いろいろあるが、だからと言って住民の避難計画が全く存在しないというふうなことと同じに見ることはできない」
Q:(苦笑)何だか苦しいですね
崎山:
なので、直ちにこの避難計画が不十分だから、訴えた人たちの人格権、自分の生命や身体に関わる権利ですね。
そういったものを侵していると、侵害しているということはできないというような言い方をしているんですね。
だから、「不十分なことがあることは認めるが、現時点での判断ではこんなもんじゃないですか」と言っているようにも読めますが。
私がやや批判的に読んだ読み方ですけどね。
Q:崎山さん、原発を止めた大津地裁がありましたね。あの判断とどの辺りが違うんですけ?
崎山:
火山はこの場合大津地裁高浜原発は入っていないのでなんとも言えないんですけど、避難計画については大津地裁は「国がちゃんと避難計画を作るべきだ」と。
Q:そうですよね。
崎山:
で、「規制基準にも避難計画を入れて審査するべきだ」ということを言っていましたし、地震動についてはいろんな意見がある中、「関西電力も説明が尽くされたとは言えない」と言っているので、これは明らかに全く違います。
ほぼ同じことを論じているんですが、もう正反対の結論が出たことになりますね。
Q:ですよね。そうすると今後どういう動きになっていくんでしょうか?
崎山:
それが、いま30件ぐらいの原発関係の裁判というのが全国でいま起こされているんですけれども、実はこの宮崎高裁、他にも大飯原発の名古屋高裁とかいろいろあるんですが、川内原発の福岡高裁のやつは、たぶん住民が特別抗告して、最高裁に行くでしょう。
そうすると、福島第一原発の事故があって初めて、最高裁が原発というものをどう我々が判断するべきなのか、司法というものが。ということを考えることになるんですね。
その最初の例になる可能性があるので、これは大変注目の裁判になるはずです。
Q:そうですね。
崎山:
まちがいないです、はい。
その時に是非いろんな、反対賛成いろんなのがありますから、公平に最高裁は見て欲しいですね。
Q:そうですね〜。
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先読み!夕方ニュース
4月6日 司法で問われる原発の規制基準
鹿児島県にある川内原子力発電所1号機と2号機の運転停止を求めている住民の仮処分の申し立てについて、
福岡高等裁判所宮崎支部は「原子力規制委員会の安全性の判断が不合理とは言えない」として、退ける決定を出しました。
鹿児島県にある九州電力川内原発の1号機と2号機について、
鹿児島県や熊本県などの住民12人は運転の停止を求める仮処分を申し立て、
去年4月、鹿児島地方裁判所が退けたため、福岡高等裁判所宮崎支部に抗告していました。
原発を巡る仮処分では、先月、大津地方裁判所が稼働中の原発としては初めて、福井県にある高浜原子力発電所の
3号機と4号機の運転停止を命じましたが、裁判所の判断が分かれる結果になりました。
番組では、原発の新しい規制基準を巡って、なぜ裁判所の判断が分かれてきたのか、
今後原発の安全性を高めるためには何が求められているのか、考えます。
みなさんは、川内原発や高浜原発に対して裁判所が示した判断について、どう思いますか?
これから原発の安全性を高めるためには、どんな取り組みが必要でしょうか?
みなさんからのご意見をお待ちしています。
出演:
佐藤 暁さん(原子力情報コンサルタント、元GE原子力技術者)
水野 倫之 解説委員
【キャスター】畠山智之,黒崎瞳
畠山智之:
ニュースでもお伝えしていますように、鹿児島県の川内原子力発電所、1号機2号機の運転停止を求めている住民の仮処分申立について、今日、福岡高等裁判所宮崎支部は「新しい規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断が不合理とは言えない」として
黒崎瞳退ける決定を出しました。
黒崎瞳:
原発をめぐる仮処分では、先月大津地方裁判所が「福島の事故を踏まえた事故対策に疑問が残る」として稼働中の原発としては初めて福井県の高浜原発の3号機と4号機の運転停止を命じましたが、裁判所の判断が分かれる結果になりました。
畠山智之:
今日の特集では、原発の新しい規制基準を巡って、なぜ裁判所の判断が分かれてきたのか?
そして、原発の安全性を高めるために何が求められているのかを話します。
黒崎瞳:
皆さんは川内原発や高浜原発に対して裁判所が示した判断についてどう思いますか?
これから原発の安全性を高めるためにはどんな取り組みが必要でしょうか?
ご意見をお待ちしています。
ご意見はこちら→https://www6.nhk.or.jp/hitokoto/bbs/commentinput.html?i=43859
川内原発や高浜原発に対して裁判所の示した判断について東京都内で聞いてきました。
年配の男性:
人が決めることだからね、こればっかりはもうしょうがないんじゃないですか。
原発推進派の人もいるわけだし、反対派の人もいるわけでしょ。
やっぱり司法の、裁判官のそういう意見がわかるような考えの人がいるんじゃないですか。
確かにね、原発は必要なのかもしれないけど、もう、今はやっぱり福島のね、あの事故の後のね、処理からいったらね、ちょっと無理でしょ、
ドイツで止めたようにね、日本もどこかでやっぱり踏ん切りをつけないと。
男性2:
判断した手段って、本当に知識があるのかどうかもわからないしね。稼働に賛成です。
総合的に考えてやはり、本当にそこに代替的なものがあって先が見えているんならいいけど、そうじゃなかったら現代日本を考えたらやっぱり必要でしょ。
ただね、何か事故があったときに「想定外だったじゃ済まないぞ」というのはありますけど、そこに対しての対策というのは別に必要ではあるけれども、
黒崎瞳:
今日のゲストは海外での原子力規制に詳しい原子力情報コンサルタントの佐藤暁(さとうさとし)さんです。
よろしくお願いいたします。
佐藤さんはかつてアメリカのジェネラルエレクトリック社で原発の設計や検査に関わり現在は新潟県の原発の安全管理に関する技術委員会の委員を務めていらっしゃいます。
そして、科学技術庁原子力専門の水野倫之(みずののりゆき)解説委員にも聞いていきます。
畠山智之:
まず水野解説委員に聞きますけれども、今回の福岡高裁宮崎支部の判断ですね、川内原発についての判断。
これをどういう風に受け止めましたか?
水野倫之 :
まずはあの、「裁判官の立ち位置によってこの決定の内容というのは大きく変わるな」と。
先月と今月ということで、ま、真逆の決定が出ているわけなんですが、
今回の決定分を読むとですね、「社会通念」という言葉が何回も出てくるのが特徴なんですね。
今回は、リスクが、原発にはリスクがあるわけなんですが、
それが一切許されないのか、それともある程度許されるのかということを考えたときに、社会通念上許される範囲であれば認められるという立場に今回は立っているという感じがします。
そういう立ち位置が違うと違う判定が出てくると。
畠山智之:佐藤さんは如何ですか?
佐藤暁:
私も全く同じ見方をしているんですけれども、まず争点として人格権への侵害ということだったんですけれども、それがやはり、人の生命とか健康とかという、非常に重いものですね、高いものを争点にしているということと、
それから基準に”社会通念”というものを使っているということですね。
”社会通念”とはどんなものなのか?という風に言いますと、判決文の中にも出てくるんですけれど、
姶良カルデラってあるんですね。
直径が20kmもあるような、非常に巨大な噴火があったところなんですけれども、
「現にその周りに人々が生活をしているではないか」と。
つまり「そういうものを受け入れている」と。
「社会通念上許されている」ということなんですね。
ま、そういうふうにしてみますとですね、この争点が、この人格権という非常に重いものを”社会通念”という尺度で判定するというふうになりますと、「むしろ原子力規制委員会の判定よりもゆるい判断になる」ということもありえるわけでして、
それがどういうふうに、どこで線引きするかということによって、ま、判決が分かれるということで、
今回の場合には今回のような決定がなされたというふうに見ております。
黒崎瞳:
では、その争点について改めて整理したいと思います。
水野さん、住民と九州電力の間で争われたポイントというのはどこでしょうか?
水野倫之 :
主に3つでして、一つは地震の揺れですね、基準地震動と言いますけど。
それから二つ目が先ほどお話がありました巨大噴火の影響。
それから、最後に3つ目としましては避難計画についてです。
まず地震の揺れなんですが、住民側は「川内原発で起こりうる地震の揺れが過小評価されている」と。
それから過去に基準地震動という、その原発で想定される最大の揺れを想定しなければいけないんですが、
「それを上回る揺れが過去に5回あったじゃないか」という主張をしていました。
これに対しまして今回の決定では、「この基準地震動は最新の知見を踏まえている」と。
それから「不確実性も考慮されて検討されているので不合理な点はないんだ」ということを言っています。
それから先ほどの基準地震動を上回った例が5回あるということに関してはですね、
「これは今の基準の前の話、事故以前の話であって、その点だけを持って不合理とはいえない」と。
それから電力会社の活断層の調査についても「不合理な点はない」ということで、「規制の判断に不合理な点はなかった」というふうに結論付けています。
それから火山の巨大噴火についてなんですが、
これについては住民側が審議の過程で、火山学者から聞いた話を裁判所に提出したりして、「巨大噴火が来る可能性は否定できない」と。
それから「時間的余裕を持って判断することも難しいんじゃないか」と。
そして電力側は「前兆が確認されれば運転を停止して核燃料を運び出す」と言っていますけれども、「そういった時間的余裕はない」というふうに主張していました。
この件に関しましての決定は、一つ特徴的なのは、
「この基準は、ある程度噴火が起こるということを前もって予測できることを前提にしているけれど、それはおかしい」と。
「色々と専門家の話を聞くと、今の科学的知見では巨大噴火を前もって予測するというのは非常に難しいのでこの点では不合理である」と。
しかし、先ほど佐藤さんがおっしゃられたように、
「実際に巨大噴火が迫っているかというと、そうではない。という点でいうと、不合理な点はない」というふうに結論付けています。
それから3つ目の避難計画についてなんですけれども、これについての決定も、
「色々問題はあるんだけれども、これだけでもって住民の人格権を侵害する恐れがあるとはいえない」ということで、
結果的には「原発の運転を認める」ということになったんですね。
黒崎瞳:
いま、毛五島軒の仙台原発を含めて全国の原発の再稼動の現状というのはどうなっているんでしょうか?
水野倫之 :
事故以前は17原発54基ありましたけれども、事故を経て福島第一原発6基が廃炉になりまして、それから老朽化原発ですね、基本的に原発の運転は40年ということになりましたので、それを受けて5基が廃炉になりました。
現在は16原発43基となっているんですけれども、愛媛県の伊方原発が廃炉になることが決まっていますので、これも入れますと42基ですね。
このうち再稼動の申請が出されたのは16原発26基あるんですけれども、
このうち規制の審査に合格したのは今回の
川内原発1、2号機。
福井県にあります高浜原発3、4号機。
愛媛県にある伊方原発の3号機。
このうち川内原発と高浜原発の4基が一旦再稼動したんですけれども、先月高浜原発については運転してはならないという仮処分の決定が出ましたので、現在稼働中の原発は今回の川内原発1、2号機だけということになっています。
畠山智之:
その高浜原発3号機と4号機については大津裁判所の判断というのは、「原発が安全だということについて関西電力の説明が不十分だ」として「再稼動を認めない」と。
稼働中の原発として初めて運転停止が命じられたということになるんですね。
:
そこのところで高浜原発と今回の川内原発で判断が分かれているんですけれども、
なぜその、違いはなんなんでしょうかね?佐藤さん如何ですか?
佐藤暁:
先ほどもちょっと申し上げたんですけれども、まずは「原子力が絶対安全なものではない」と。
ですけれども「絶対不安全なものでもない」というところで、ま、中間にあるんですね。
結局そこでの線引きというのは、どれだけ安全だったらいいのか?
これは昔から、アメリカ等でもどのぐらい安全ならばそれを許容するのか?という議論をしてきたわけです。
ですけれどもこれは、一応数値的なものもあったりするのですが、はっきりとそこのところの統計があるわけでもありませんし、非常に判断が難しいところで、実際にはそこのところの判断のところで、いろんなものによって左右されてきたということだと思うんですね。
で、国際的に原子力の安全の考え方からすれば、安全不安全の分水嶺とでもいいましょうか、
そこの境というのは、これは原子力ですから50、50ではないというのは誰でもわかることだと思うんです。
そこのところを9,999対1位のところにその分水嶺を置いているんですね。
ですけれどもそれも、そういう評価をする技術もあるんですけれども、なかなか未熟な分野でもあってですね、判断しにくい。
そこでこの”社会通念”というものが出てきたわけで、どうしても曖昧さがあって判断が分かれる、ということになっているんだと思います。
畠山智之:
その判断によって、日本の安全基準が本当に満たされていると言えるのだろうか?そのことも含めて後半話してもらいます。
黒崎瞳:
水野さん、先ほど今回の川内原発の裁判の判断に”社会通念”ということでしたけれども、この裁判での判断基準について伺っていきたいんですが、
原子力規制委員会が規制基準に適合していると認めている高浜原発、これに関しては去年の4月から2回の運転を認めない司法判断が出たことになります。
この裁判の判断というのはどういう風に?
水野倫之 :
最初に言いましたように、リスクをどう考えるか?というのがあるんですけれども、
やはりその背景にあるのは、あの福島の事故をそれぞれの裁判官がどう捉えるか?で違ってくると思うんですね。
先月の高浜の「運転を認めない」っていう決定は、決定文を読んでますと、やっぱり福島の事故のことをかなり言及しているんですね。
「あの不幸の原因がまだわかっていないじゃないか」と。
やはり、あれだけの事故を経験して、そうなると被害があれだけになるというのを目の当たりにすると「これまでのような判断でいいのか?」ということに裁判官がなるんだと思うんですね。
”これまでの判断”というのはどういうことか?と言いますと、事故以前は裁判所は国の規制当局の意見を尊重する傾向があったんですけれど、その背景にあるのは1992年に四国電力伊方原発訴訟の最高裁判決というのがあリマして、この判決というのは、「原発の基準というのは専門家が高度な知見をもとに作ったものなので、審査の過程に重大な誤りがない限り行政の判断は適法だ」と、ま、国のサイドを広く認めた判断を示したんですね。
最高裁判決ですのでその後もやはり原発訴訟の判決を縛ってきたわけなんですけれども、
事故以前はですね、原発とは非常に高度な科学技術の塊なので、やはり専門家への信頼を前提に判断してたんですね。
「専門家の言うことなので」と。
ところがですね、やはり福島第一の甚大な被害を見て、やはりその「専門家の信頼というのも地に落ちた」というのを目の当たりにすると、やはり専門家任せにせず自分たちで、独自に安全性を判断していかなければならないんじゃないかというふうに考え始めている裁判官が増えているんではないかと。
その決定の一つが先月の決定であり、それからこの1年だと仮処分の決定が全部で5回出てるんですけれども、去年の4月にも福井地裁で高浜に関してもそういった決定が出ていますので、そこらへんがこういう風に現れているのかなと思います。
:ただそういった個々の裁判官が判断していくことになる訳ですけれども、そもそも原発の安全性には高度なサイエンスを求められるわけですし、専門機関として原子力規制委員会ができた訳ですよね。
そこで、この裁判所が安全基準に関して、あるいは原発の安全性について判断するというのはそもそもこれ「妥当」と言えるんでしょうかね?
佐藤暁:
そうですね、あの、非常に短時間の間で司法の関係の方々がですね、一生懸命勉強をして審議をされている訳ですけれども、ま、そうであってもですね、やはり例えば2年前に設計基準地震動とか、500ガルとかですね、噴火のスケールがVEIの5だとかですね、おそらく全くご存知なかったようなそういうものをですね、ま、俄かに勉強してですね、一気に判決まで持っていくということを迫られる訳ですので、非常に負担としては大きいと。
ですから、専門の原子力規制委員会が、ま、できればですね、しっかりと審議をしてですね、なるべく裁判を煩わせるというようなことが無いに越したことは無いというふうに思うんですけれども。
ただ日本の場合、今そうなっているのは、やはり「それなりの理由がある」というふうに私は思っておりまして、
というのはですね、まず規制基準を制定するときのプロセスにさかのぼるんですけれども、いろんな違う意見を持っている専門家が当時いた訳です。
で、その案が出てきたときに色々とそれと異なるような専門的な意見を出されていた専門家もいる訳ですね。
ですけれども、これが3週間ぐらいのパブリックコメントの日付ということで締め切られて、しかもその提出されたパブリックコメントにたいしての分析、フィードバック、これが無かった訳です。
それで規制基準が出来たという背景がまず一つと、
それから個別の審査においてもパブリックコメントという機会が非常に狭められている。
これはパブリックコメントを出す専門家の方々の気持ちからすればですね、非常に忙しい時間を割いて、少しでも安全に、国民の安全にという思いでコメントを出している訳で、それが受け入れられ無いというのは非常に不安が残るんですね。
それをぶつける場が結局ずっと無いまま来てしまって、それがこの裁判という形に移されて審議されているということなんですね。
畠山智之:
そこで日本は裁判所で「運転を止めて欲しい」という住民のお願いが妥当かどうかという判断をするという状況になっているということですね。
あの水野さんもう一点。
裁判の司法とはちょっと違うんですけれども、いわゆる”避難”の事なんですけれども、原発の周辺の人たちにとってみれば、もし万が一何かがあった場合避難をするという道順、”避難計画”ですね、あれがあるかどうかというのが非常に気になるところなんですけれども、司法による判断において繰り返し言われるようになったのがこの”避難計画”。
福島原発の事故によって、この”避難計画”の必要性が明らかになっているんですけれども、新しい規制基準に避難計画が含まれていませんよね。
これ、どういうふうに考えればいいんですか?
水野倫之 :
再稼動した原発について避難計画が無い訳じゃなくて、避難計画はあるんですね。
それで国の原子力防災会議が、その計画が具体的であることを確認した上で再稼働しているんですけれども。
ただ、あるのは、ペーパーではもちろんあるんですけれども、一番重要なのはそれが果たして機能するのかどうかという、ま、実効性があるのか?という点なんですね。
それを住民の方々は心配していると。
で、私も取材してみていると、最大限それは訓練はやらなければいけないんですが、訓練を見ていても例えば福島の事故の場合には何十日も何ヶ月もずっと事故が続いた訳で、ま、今も続いているというふうに言えるかもしれませんけれども、
訓練は大体2日、3日で終わるんですね。
で、電源が失われると、燃料が溶けるということがくるんですが、なぜか、「電源は回復する」というシナリオになっていまして、だんだん収束していくと。
それから実際に住民が避難する訓練もあるんですけれども、例えば船を使った訓練とかもあるんですけれども、それも実際に普通の人、健康な人が乗っている。
実際に避難のときに一番大変になるのは、体が不自由な人とか、支援が必要な人たちですよね。
じゃあそういう人たちが果たしてフェリーのような船に乗れるのか?
フェリーの狭い階段を上っていけるのか?とかですね、そういったところが検証されていない。
で、実際に福島の事故では、支援が必要な人たち、この人たちの避難の計画がきちんと無かったことから、何十人もの方が亡くなっているという現実がある訳なんですね。
そこらへんが大丈夫なのかどうなのか?という点に関しては、政府は「大丈夫だ」と言っているんですけれども、やっぱり先ほど言われたようにこれは審査されている訳じゃないんですよね。
原発の安全性施作については規制がきちんと審査しましたと。
けれど、審査するとしないのが、これが大違いなのは、やはり審査する側は後からいろいろ言われないように相当綿密にやるんですね。「ひょっとしたら裁判を起こされるかもしれない」ということで、見る目が違ってくると思うんです。
で、審査がないと、当然ある程度書類を見たりはするんですけれど、やはりそのチェックは審査ほどはならない可能性はあるかということで、私はきちんと規制が審査する体制にしたほうがいいと思いますし、それからこの点に関しては先月の高浜原発の大津地裁の仮処分でも、やっぱりそうしたほうがいいんじゃないかというくだりはあったんですけれども。
今回は避難計画、完全ではないけれどもそれでもって運転を止めなきゃならないっていうほどではなくて認めてしまったんですけれども、この点に関しては裁判に限らず課題になっていくことだと思います。
黒崎瞳:
佐藤さん、日本の場合は福島第一原発の事故以降、いろんな規制というものも変わりつつあるかもしれないということなんですけれども、世界というのは、世界の原発の規制基準というのはどうなっているんでしょうか?
佐藤暁:
まず、今の日本の規制基準。これがどうやって作られたかということを簡単に見てみますと、
福島の事故を経験して、そしてそれを白紙から、どういうところが欠落していたから入れていこうというふうにして作ったものでは無いと。
まずは福島の事故よりも、その時点までのアメリカの規制だとか、あるいはIAEAの国際原子力機関の基準と見比べて、いろいろ欠落しているところを補充するという形で、この規制基準が作られたという背景があるわけです。
ですからその時点でいろいろ欠落があって、そこのところが今の規制基準のベースになったというところがあるんですけれども。
実は世界は、例えばアメリカとかフランス等はこの福島の事故を見てですね、目撃して、もっと従来よりも追加で強化しないといけないところが色々あるというところを実行しているわけですね。
:そうなると、一番冒頭に市民の声にありましたけれど、安全に不安があるんだったら廃止するべきだと主張する方もいますよね。実際にドイツではもうすでに40年経ったら全て廃止するということを決めている訳ですけれども、そういうことを考えると多少でも安全性に疑いがあるんであれば廃止すべきだという声もありますけれども、その点どのように考えられますか?
佐藤暁:
それは究極的に原子炉事故の脅威から逃れるための選択ということになる訳です。
で、実は国民にとって必要なのは原子力ではない訳です。
電気なんですよね。
原子力というのはただその選択肢と。
で、かつては非常に有望な技術だというふうに思われていた訳です。
ですけれども例えばドイツの場合には、最初から、将来はもっと優れた発電技術があるはずだ。
原子力というのはそのつなぎ、ブリッジングテクノロジーというふうに呼んでいた訳ですけれども、そういう位置付けだったんですね。
ですから、最終的にもっと安全な技術としてそれを選択するという考え方は当然あってしかるべきで、安全というのは結局経済性とリンクしてくるものになってきてですね、で、どんどんどんどん安全を高めるということがコスト的に不利になってきている訳です。
ですからこれはドイツだけじゃなくて、どんどん他のヨーロッパの諸国、アメリカでも原子力をギブアップしていくという事業者が増えてきているということですね。
畠山智之:
水野さん、最後に時間が無くなってしまったんですが、これから安全性を高めていくためにどんな取り組みが求められていると思いますか?
水野倫之 :
この1年で5回決定があって、その度に規制基準というのが問題になったんですけれども、基準は確かに福島の事故を経て厳しくはなってはいるんですね。
ですけれども、規制委員会の田中委員長はですね、「基準に合格しても安全とは申し上げない」と言っています。
その言わんとしているところは、
「基準を守っていればリスクゼロという訳じゃなくて、事故は起こりうる」という立場なんですね。
ですので、基準に合格することを目標にするんではなくて、基準に合格するというのは最低限の条件で、さらに電力会社自らが安全性を独自に高めていく努力を怠ってはいけないということですね。
黒崎瞳:
今日は司法に問われる原発の規制基準について原子力情報コンサルタントの佐藤暁さん、水野倫之解説委員とお伝えしました。ありがとうございました。
川内原発、差し止め棄却「新基準不合理でない」
2016年04月06日 22時48分 読売新聞
国内で唯一、稼働している九州電力川内せんだい原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、脱原発派の住民12人が運転差し止めを求めた仮処分の即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部は6日、脱原発派の抗告を棄却した。
西川知一郎裁判長は、原子力規制委員会が原発の耐震性の強化を求めた新規制基準と安全審査を「不合理とはいえない」と判断し、運転停止の必要はないと結論付けた。
今年3月に関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定とは、逆の結果となった。抗告人側は最高裁に不服申し立てを行うかどうか検討する。
西川裁判長はまず、どのような事態が起きても放射能漏れを起こさないほどの安全性を原発に求めるのは、今の科学技術では不可能とし、「社会がどの程度の水準なら容認するかを基準として判断する」と指摘した。
そのうえで〈1〉新基準に基づき想定する最大規模の地震の揺れ(基準地震動)の妥当性〈2〉原発の安全性に影響を与えるほどの破局的噴火が起きる可能性〈3〉避難計画の妥当性――をそれぞれ判断。基準地震動に不合理な点はなく、破局的噴火が迫っているという具体的な根拠はないとして、抗告人側の主張を退けた。避難計画も政府が了承しており、住民の人格権を侵害するほどではないとした。
西川知一郎裁判長

2015年10月に担当の裁判長が佐藤明から西川知一郎に変わっていた
セシウム検査、48品目対象に 16年度、ウメなど追加
中日新聞 2016年3月25日 18時42分
政府は25日、東京電力福島第1原発事故後に東北や関東などの17都県が実施している食品の放射性セシウム検査の対象見直しを発表した。4月以降に検査が必要なのは48品目・類となる。
厚生労働省によると、2015年度の対象(45品目・類)からミョウガなどを除き、ウメやブロッコリーなどを追加。山菜類は「野生」と「栽培」に区分し、それぞれ個別に出荷の可否を判断する。
検査対象となるのは、昨年4月~今年2月に国の基準値の2分の1を超えたことがある食品。自治体は対象以外でも自主的に検査している。
政府は16年度中に、17都県の絞り込みや、新たな検査体制を検討する。
基準の2分の1を超えたことがある食品
基準とは?
厚生労働省 食品中の放射性物質と対策についてより

厚生労働省
食品中の放射性物質に関する「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」の改正
(原子力災害対策本部策定)
【主な改正点の概要】
○ 検査対象品目の見直し
・ 直近約1年間の基準値を超えた、若しくは基準値の1/2を超えた食品等の検査結果を踏まえ、検査対象品目を見直し
○ 個別品目の取扱いの見直し
・ 山菜類等については、栽培等の管理の程度に応じ、「野生」と「栽培」に区別して出荷制限の設定・解除することができる旨を記載。
○ その他
・ 検査対象品目・自治体のあり方等を含む、科学的知見に基づいた今後の検査体制のあり方について、関係者の意向や理解を踏まえつつ、平成28年度の早い時期に関係省省庁により、検査体制の方向性及びその導入時期を検討することを「趣旨」に記載。
※ 改正経緯
平成23年4月4日: 「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」を公表。
平成23年6月27日: 放射性ヨウ素の減少を踏まえ、放射性セシウム対策を主眼とするとともに、茶、水産物、麦類の取扱いを規定。検査対象に国民の摂取量の多い食品を追加。
平成23年8月4日: 個別品目に牛肉、米の取扱いを追加。
平成24年3月12日: 平成23年の検査結果、平成24年4月1日施行の基準値を踏まえた改正。
平成24年7月12日: 平成24年4月以降の検査結果及び出荷制限対象食品の多様化を踏まえ、検査対象品目、出荷制限の解除要件等を改正。個別品目に大豆及びそばの取扱いを追加。
平成25年3月19日: 平成24年4月以降の検査結果の集積を踏まえた検査対象品目及び対象自治体の見直し。水産物や野生鳥獣の移動性及びきのこ等の管理の重要性等を考慮した出荷制限等の解除要件等について改正。個別品目に原木きのこ類を追加。
平成26年3月20日: 平成25年4月以降の検査結果の集積を踏まえた検査対象品目及び対象自治体の見直し。検査対象品目に事故後初めて出荷するものであって、検査実績が無い品目を追加。
平成27年3月20日: 平成26年4月以降の検査結果の集積を踏まえた検査対象品目及び対象自治体の見直し。牛肉の検査頻度について、農家ごとに3ヶ月に1回程度から、12ヶ月に1回程度とすることができることを追加。
平成28年3月25日
検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方
原子力災害対策本部
より、一部抜粋
3 検査対象品目
下記の品目とし、過去の検出値(Ge検出器による精密検査によるもの)
等に基づき、生産者、製造・加工者の情報が明らかなものを対象として
選択する。なお、以下(1)、(2)及び(4)に掲げる品目は、平成27年4
月1日から平成28年2月29日までの検査結果に基づくものであり、平成
28年3月1日以降該当する品目についても対象とする。
(1) 基準値を超える放射性セシウムが検出された品目
ア きのこ・山菜類等(露地物を優先して選択。栽培物を含む。) 野生きのこ類、うど、くさそてつ(こごみ)、こしあぶら、ぜんまい、たけのこ、たらのめ、ふき、ふきのとう、わらび、おおばぎぼうし
イ 野生鳥獣の肉類 イノシシ、クマ、シカ、ヤマドリの肉
ウ 穀類 そば
(2) 基準値の1/2を超える放射性セシウムが検出された品目((1)に掲げる品目を除く。)
ア 野菜類 コマツナ、ブロッコリー
イ 果実類(露地物を優先して選択。) ユズ、クリ、ウメ、カキ、ギンナン、ビワ
ウ きのこ・山菜類等(露地物を優先して選択。栽培物を含む。)原木しいたけ(露地栽培、施設栽培)、原木まいたけ(露地栽培)、
うわばみそう(みず)、ねまがりたけ、さんしょう(野生)、もみじがさ(しどけ)
エ 穀類 米
オ 豆類 大豆
カ はちみつ
(3) 飼養管理の影響を大きく受けるため、継続的なモニタリング検査が必要な品目
ア 乳(岩手県、宮城県、福島県、栃木県及び群馬県で検査対象とする。)
イ 牛肉(岩手県、宮城県、福島県、栃木県及び群馬県で検査対象とする。)
(4) 水産物(基準値の1/2を超える放射性セシウムが検出された品目)(以下に示すものは品目群による表記である。具体的な品目群とこれに対応する品目は別添参考の「水産物の類別分類」を参照。)
ア 海産魚種 ヒラメ、カレイ類(2群)、メバル・ソイ・カサゴ類(主な生息域が100m以浅の品目)、エイ類、クロダイ、スズキ、マダコ
イ 内水面魚種(基準値の1/2を超える放射性セシウムを検出した自治体で検査対象とする。) ワカサギ、イワナ・ヤマメ・マス類、ギンブナ・コイ・ウグイ、ウナギ、アユ、アメリカナマズ
(5) 計画策定の際に考慮する品目
ア 国民の摂取量を勘案した主要品目(参考) 国民健康・栄養調査の摂取量上位品目(平成25年調査より) 米、飲用茶、牛乳、ダイコン・キャベツ・ハクサイ・タマネギ・キュウリ等の淡色野菜、ニンジン・ホウレンソウ・トマト等の緑黄色野菜、卵、豚肉、ジャガイモ・サツマイモ・サトイモ等のイモ類、かんきつ類、リンゴ・ブドウ・ナシ等の果実類、魚介類、きのこ類、鶏肉、牛肉、藻類等
イ 生産状況を勘案した主要農林水産物
(6) 当該自治体において、平成27年4月1日以降に出荷制限を解除された品目((1)から(4)に掲げる品目に限る。)
(7) 市場において流通している食品(生産者及び製造・加工者の情報が明らかなもの)
(8) 乾燥きのこ類、乾燥海藻類、乾燥魚介類、乾燥野菜類及び乾燥果 実 類 等 乾 燥 し て 食 用 に 供 さ れ る も の ( 水 戻 し し て基 準 値(100Bq/kg)が適用される食品を除く。)等の加工品
(9) 被覆資材の不適切な保管・使用等の生産管理の不備が原因で基準値の1/2を超える放射性セシウムが検出されたと考えられる品目
(10) 当該自治体内の市町村等ごとに、事故後初めて出荷するもので
あって、検査実績が無い品目(ただし、非結球性葉菜類のように品目
群単位で、代表的な指標作物を設定して検査をすることもできる。)
(11) 検出状況等に応じて国が別途指示する品目
(参考1) 米ぬか及び菜種等の油脂原料の検査を行う場合には、加工
後の油脂の検査を行い、管理する。
(参考2) (8)の加工品は必要に応じて原料又は製品で検査を行い管
理する。
4 検査対象市町村等の設定
地域的な広がりを把握するため、生産等の実態や産地表示の状況も
踏まえて少なくとも下記の検査を実施する。
(1) Ⅱ3の(1)に掲げる品目(別に定める場合を除く。)の検査
ア 平成27年4月以降、当該食品分類で基準値を超える放射性セシ
ウムが確認された自治体 (表中◎)
当該品目から基準値の1/2を超える放射性セシウムを検出した
地域及び主要な産地において市町村ごとに3検体以上実施する。
その他の市町村では1検体以上実施する(生息等の実態を踏ま
え、県内を市町村を越えて複数の区域に分割し、区域単位で3検体
以上実施することもできる。)。
イ 平成27年4月以降、当該食品分類で基準値の1/2を超える放
射性セシウムが確認された自治体(アを除く。)(表中○)
当該品目から基準値の1/2を超える放射性セシウムを検出した
地域において市町村ごとに3検体以上実施する。
その他の市町村では1検体以上実施する(生息等の実態を踏ま
え、県内を市町村を越えて複数の区域に分割し、区域単位で3検体
以上実施することもできる。)。
(2) Ⅱ3の(2)の検査(別に定める場合を除く。)は、平成27年4月以
降、当該食品分類で基準値の1/2を超える品目が確認された自
治体で、当該品目から基準値の1/2を超える放射性セシウムを検
出した地域においては市町村ごとに3検体以上、その他の地域にお
いては市町村ごとに1検体以上(生息等の実態を踏まえ、県内を市
町村を越えて複数の区域に分割し、区域単位で3検体以上とするこ
ともできる。)、それぞれ実施する。(表中○)
(3) 検体採取を行う地点の選択に当たっては、土壌中のセシウム濃
度、環境モニタリング検査結果、過去に当該品目の検査で基準値の
1/2を超える放射性セシウムを検出した地点等を勘案するととも
に、放射性セシウム濃度が高くなる原因の一部が判明している品目
については、当該要因が当てはまる地点を優先して選択する。
5 検査の頻度
品目の生産・出荷等の実態に応じて計画し、定期的(原則として曜日
などを指定して週1回程度)に実施すること。野生のきのこ・山菜のように
収穫時期が限定されている品目については、収穫の段階で検査を実施
する。Ⅱ3の(3)の検査は、別添に定める。
水産物の検査は、原則として週1回程度とし、漁期のある品目につい
ては、漁期開始前に検査を実施し、漁期開始後は週 1 回程度の検査を
継続する。また、Ⅱ3の(4)アの岩手県の海産魚種の検査、並びにⅡ3
の(5)及び(7)から(9)に該当する水産物の検査については、過去の検
査結果を考慮して検査の頻度を設定する。
ただし、基準値を超える又は基準値に近い放射性物質が検出された
場合は検査頻度を強化する。また、検査頻度については、必要に応じて
国が自治体に別途指示することがある。
6 検査計画の策定、公表及び報告
検査計画は、四半期ごとに策定し、ホームページなどで公表するととも
に、国に報告する。
厚生労働省参考資料
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11135000-Shokuhinanzenbu-Kanshianzenka/0000117421.pdf

(注1)平成27年4月1日から平成28年2月29日までの検査結果に基づき分類。
・基準値(水産物においては基準値の1/2)超過が検出されたもの(凡例 ◎)
・基準値の1/2の超過が検出されたもの(基準値超過が検出されたものを除く。)(凡例 ○)
・Ⅱ3(3)及び別添において検査対象となっているもの並びに対象品目の移動性又は管理の困難性を考慮
し検査が必要なもの。水産物においては、出荷制限の設定状況を考慮し検査が必要なもの。(凡例 □)
(注2)表中◎または○の自治体であっても、別添で検査点数を定めている場合は、別添を優先する。
(注3)表中□の自治体のうち、別添で検査点数を定めていない場合(水産物を除く。)は、○の自治体の検査点
数に準じて検査を実施する。
水産物の類別分類
水産物の放射性物質の検査にあたっては、主な食性、生息水深、これまでの検査結果等を考慮して、下表の各品目群の(a)及び(b)の列中で放射性セ
シウム濃度が高い品目を選択して検査し、その結果を品目群に共通する検査結果とすることができる。品目群は最大限まとめられる品目の括りであ
り、各県の判断で細分化することができる。なお、各県が策定する検査計画には各県が設けた品目群を添付することとする。

普通によく食べる食材で気をつけて購入したほうがいいもの
たけのこ
きのこ類
山菜(うど、ぜんまい、たらのめ、ふき、ふきのとう、わらび など)
そば
コマツナ
ブロッコリー
梅
ギンナン
ユズ
クリ
カキ
ビワ
さんしょう
米
大豆
はちみつ
ーー
ヒラメ
カレイ類
メバル・ソイ・カサゴ類
エイ類
クロダイ
スズキ
マダコ
ワカサギ
イワナ
ヤマメ
マス類
ギンブナ
コイ
ウグイ
ウナギ
アユ
アメリカナマズ