「冷温停止状態」って?後藤政志氏・愛川欽也パックイン/ジャーナル①12/7(動画・内容書き出し)

野田総理の冷温停止状態会見について


後藤政志:言葉というのはそれなりの、当然内容を表す訳ですから、
      「冷温停止」ってなんだろう?っていうと、
      普通は温度が冷えて、冷却出来ていて、ちゃんと収まったという、
      背景に収まったという意味合いが感じ取れるんですね。
      あのね、停止したっていう感覚がおかしいでしょ?
      爆発してメチャクチャになったものをね、停止とかっていう表現じゃないですよ。

愛川欽也:つまり見えないんだもの、見るどころじゃない。
      完全に分かってないものに対して日本の総理大臣が世界に向けてこういう事を言う事自体、
      これ、なんでこの方は、こんな自信を持って言えるんですかね?
      僕にはわからないね。

二木啓孝:「言葉のいい替え」って言いますか「誤魔化し」って言うね、
       「冷温停止状態」って、「冷温停止」とは違う訳ですよね。だから、「状態」って付けるでしょ。
       「~のようなもの」っていう事でしょ?
       「~のようなもの」ってたとえば、「女のような格好が」って言う時、中は男でしょ?
      
マエキタ:「安全です」って安全宣言の安売りをしていると思うんですよ。
     で、うちの中2の子どもはそれ見て
     「ママ、危険だって言っているよ」って言う訳ですよ。
     「安全だ」って言っているから「危険」に違いない。


愛川欽也 パックイン・ジャーナル 20111217
「"原発冷温停止達成"とは何ですか」1



<コメンテーター>
田岡俊次(朝日ニュースターコメンテーター)、
斎藤貴男(ジャーナリスト)、
二木啓孝(ジャーナリスト)、
マエキタミヤコ(メディア・クリエイティブデ­ィレクター)、
横尾和博(社会評論家)
<コーナーゲスト>
後藤政志(元東芝原子力設計技術者・工学博士)


番組の内容を続きを読むに文字起こししました


最初の新聞記事はこちらです
野田総理大臣は16日、福島第一原発の原子炉が冷温停止状態になったとして、
事故の収束に向けた行程表のステップ2を達成したと宣言しました。以上です。


「冷温停止達成」とはなんですか

愛川:
あのね、僕これすごい新聞記事だと思うんだけど、
一番最初の「冷温停止状態を確認」というのは、まぁ、後でこれから専門家、
今日はスタジオに後藤政志さんがきていますので後で紹介しますが、
その前にね、「原発事故収束宣言」って・・・
こんなこと世界に向けてね、ま、一国の総理大臣が言っちゃったら、
この責任は僕は相当大きいと思うところからスタートするんで、
今日はいつもこの番組には、
3月11日の事故以来、何回も、何回も、出ていただいている後藤さんに来ていただいています。
後藤さんどうを、今日は丁寧に分かりやすくよろしくおねがいします

後藤:はい、よろしくお願いします

愛川:
あの・・まずそういう訳で、総理大臣がですね、世界に向けて、もちろん日本に向けてだけど
こういう事を言っちゃったっていう事に対して、そしてその内容のことについて
ま、総理大臣がおっしゃったから、っていうより、
僕ら、正直言うとね、総理大臣が言ったり東京電力が言うとほとんど信用しないっていう
悪い癖が付いちゃっているんだけど、
ま、それを、ちょっとゆったりと聞く意味でも、後藤さんは専門家として、設計者として原発に携わってきたところから、
ご自身の考え方を180度転回して、そのころから、「ま、あぶねぇな」って思ったらそうなったじゃないかと。
特に僕が後藤さんを一番信用しているのは
後藤さんが最初に出たのは、3月中のこの番組に出た時に
「メルトダウンが起きているんじゃないかな」って、おっしゃったんですね。
で、その頃僕はメルトダウンってなんだかよく分からなかった。
なんか…どっかのベルトが崩れるのかな、外れるのかなって思ってて、
そしたら「いやいやこういうことだ」って、「しかしそれが起きている可能性がある」とおっしゃって
「ないことをとにかく祈りますね」って言ったら
「ないどころじゃない。ちゃんと起きてて今も続いている」って言うじゃないですか。
で、ここでこういう事を言った総理大臣の首相のね、新聞、発表、
その、ご覧になって、まず最初、どういう印象をお持ちになりましたか?

後藤政志(元東芝原子力設計技術者 工学博士):
前から、「冷温停止」って言うことの意味ですかね、
言葉というのはそれなりの、当然内容を表す訳ですから、
「冷温停止」ってなんだろう?っていうと、
普通は温度が冷えて、冷却出来ていて、ちゃんと収まったという、
背景に収まったという意味合いが感じ取れるんですね。

それは何故かと言いますと「冷温停止」っていうのは、
通常の原子炉に制御棒を入れて、核反応を止めて、
放射性物質は、放射能はその管の中に入ってて、
圧力容器は健全で、
格納容器は当然、建屋も何も傷がない
この状態で100℃を切った時に運転してたものが止まる時に「冷温停止」と称している訳ですよ。

愛川:
ちょっと、しつこい・・私は素人ですから、
つまり、後藤さんがおっしゃるのは、

通常平常通りに運転している原子炉が、そこが、ま、どっかちょっとおかしいような時に
なんか、ひとつこう調べなきゃなんない
ところが、後藤さんがおっしゃるのは、つまりその事で「冷温停止」という言葉が通用するんで、
こんなになっちゃったところに「冷温停止」、

後藤:
あの、
何のトラブルもなくて、そのまま原子炉を止める
止める時に、いわゆるブレーキをかけたらスーッっと車が止まりました。
なにも問題がございませんと。これが「冷温停止」なんですね

愛川:
なるほど、
検査する時に止めますね。これを冷温停止といってもいいですね

後藤:
そうです、そうです。そのために使うんです

愛川:なるほど

後藤:
ですから、それがですね
現在の時に、「冷温停止」、さすがにねその後は言わないんで「冷温停止状態」と言っていますね。
ですからこれはですね、たとえばですよ、
あるところで、化学プラントなんかがありますよね。
爆発してボンッ!となったと。
だけど温度が低くなったから、それを停止だというか?
冷温停止って言いますか?

あのね、停止したっていう感覚がおかしいでしょ?
爆発してメチャクチャになったものをね、停止とかっていう表現じゃないですよ。

愛川:(笑)

後藤:破壊してるんですよ。
要するに、原子炉を破壊して、格納容器も破壊して、現在も放射性物質がどこにあるか分からない。
そういう状態で、その・・放射性物質が分からないっていうのは、
そのまま今でも、熱を出しています。崩壊熱を。
つまり、現在進行形の事故なんです。

その現在進行形の事故をですね、
水を入れていくと一定のところまで冷却、ま、温度が下がりますよね。

だからそれが一応収めているという
あの、何て言うんですかね、過渡状態、中間なんですね。
いまずーっといくと、途中でバーッっとなっていたのが、だんだん落ちてきたっていうレベルであって、
決して安定しているわけじゃない。

というのは、つい先月、以前もありましたけど、
何か新しい放射性物質が出てくると
もしかしたら、核反応はまだ続いているかないですか
再臨界が起こったんじゃないかって心配しましたよね。
あとは、
中を検査したら水素がいっぱいたまってた。
「えっ!水素爆発を起こすかもしれない。大変だ」っていってこう議論になるでしょ

なんでかって言うと元の原因が良く分かっていないからなんです。
分かってないのに温度とか、鉄板の外から聴診器を当てているようなものなんですね。
そういう状態でものを見て判断していますから、収束とか程遠い事を言ってるんですよ、技術的にはですね。

もう明らかな、意図的に今の状態を納める、収まっているという事を言わんが為にだけに言っている言葉なんですね。
それは非常に、私はまずいと思います。
極端に言えば不謹慎なものの言い方になるというふうに私は思っております。


愛川:みなさんどういうふうに取られますか?

田岡:
僕は思ったんですが、経緯を変えるのはおかしいんで、たとえば、鎮火とか、消防署うが発表したりすると、
で、これは、火を消していなくても、近隣への延焼は防げますと、
家の中は燃えているんだけども、近隣への延焼は何とか防げそうな状態に成りましたことを、
「これは鎮火しました」って発表しているような、そんな気がするよね。

愛川:
でも、鎮火が・・・原子力というのは鎮火しないんですね。
ずーっと燃えているんですね。
どこに垂れていこうが,染み込もうが、燃えているんですね。
だから、生半可な火事って言ったら申し訳ないけど、火事なんかあるから、
だけど後藤さんそれとは意味が違うと・・・

田岡:だけどこれ、延焼は防いだような感じじゃありませんか、延焼も怪しいですか


後藤:
それはですね、あの、つまり、放射性物質があそのままありましてね
通常だと放射性物質があると核反応が進みますから、制御棒を入れて止めている訳ですよね。
ですけども、制御棒もグチャグチャになっていてどこにあるのかわからない。
で、核物質と制御棒の要素がどことなくグチャグチャになっている状態で、
そうするとこれは確率としてね、可能性としてどれくらいかって言ったらありますけど、
ある状態になったら、あの核物質だったら再度核反応をする可能性があるんですよ。
それは再臨界というんですけれども。
そういう状態まで、最悪の時あり得るんですよ。
その状態がね、

愛川:
再臨界前にはなったという事は言ってもいいかもしれないね
「再臨界になる前の静けさは起きた」と。

後藤:
え、ですから、今はそういう状態が起こっていることはない。
再臨界も起こっていないし、
それから、爆発的な現象は今は起こっていません
で、その起こる可能性も以前よりは少なくなって、低くなっているのも間違いありません。
ですけれども、
例えば水素一つとってもですね、
水素は放射線が強いと水が放射線分解で水素と酸素が出てくるんです。
その水素がずーっと溜まってきます。
そうするとほっておくと、それに火が付く可能性、万一の時、爆発しちゃいますから、
それで今窒素を注入したりしている訳です
それをやっているという事は、努力して安定させていることは間違いないんですが、
決して、その全体がプラントとして安定した状態で通常運転しているような状態じゃありませんから、
一つ間違えたら、何かが間違ったらそのままある、
非常に厳しい状態になり得ることがあるんです。
だから、事故収束宣言って言うのはものすごく違和感があるんですね。

愛川:
もうひとつね、
もう何回も後藤さんがここに出ていらしてお話しになっているのは、「誰も見た者がいない」
つまり、「ちゃんとした調査が出来ているなんてとんでもない、できっこないんだ」と

後藤:不可能ですね

愛川:
つまり、見えないんだもの
見えないものを見て外の方から聴診器あてたようにして温度が下がったとかね、
それから、上の方の温度が下がったから、
下の方の温度がって言ったって、
一番の問題の温度なんか誰も見ていない。
見るどころじゃない。完全に分かってないものに対して日本の総理大臣が世界に向けてこういう事を言う事自体、
これ、なんでこの方は、こんな自信を持って言えるんですかね?
僕にはわからないね。

二木:
ほんとに私は、あの「言葉のいい替え」って言いますか「誤魔化し」って言うね
この、「冷温停止状態」って、今後藤さんもおっしゃいましたが「冷温停止」とは違う訳ですよね。
だから、「状態」って付けるでしょ。
「~のようなもの」っていう事でしょ、「~のようなもの」なんですよ。
「~のようなもの」ってたとえば、「女のような格好が」って言う時、中は男でしょ?
だから、「女のような格好をしました」みたいなことを言ってて、女じゃないんだから、男なんだから
だからそういうふうになるんだ、
冷温停止状態」っていうのは・・・こんな言い替え、もうずっとですよね。
例えば「滞留水」なんていうじゃないですか、
「滞留水」って、なんかこうお水が溜まっているっていう感じだけど、そうじゃない
「放射能で手がつけられない汚染水」のことを「滞留水」と言ったりとか、
経年劣化」とかですね、
「経年劣化」ってありますよ、でも「経年劣化」って何かって言うと「老朽化」のことだけども、
絶対に「老朽化」って言わないという、
東京電力のそういうふうな一個一個の言葉のごまかしの上に、ずーっとあって、
野田さんは何でか知らないけども、全部鵜呑みにして、「収束しました」というね、
これはもう、田岡さんの、あれ、あれなんですが、
大本営発表って全部そうですよね。

田岡:
そう、僕は思ったのね、たとえばね
日本が降伏したでしょ、あれも「降伏」じゃなくて「終戦」って言う訳。
占領軍」がきても「進駐軍」って言う訳ね
全部そうやって言葉でごまかすね、

二木:
戦争でほとんど壊滅状態で撤退することを「任務を終え転戦した」っていう

田岡:
そそ、転進、転進って言うんだよ

二木:転進ってね、
だから、そういうような事をね、私も記者のはしくれなんだけれども、
どうしてそういう事を一個一個、こういう発言の時に、「それ言い替えでしょ」「ごまかしでしょ」って
ずーっと言い続ければ、その「冷温停止状態」女のようなもの、それ男でしょ?っていうので
一個一個言えばいいのになって思うんですよ。

マエキタ:
安心させたいのは分かるんですけど、
でも、中2のうちの子もテレビ見ていて・・・
「安全です」って安全宣言の安売りをしていると思うんですよ。
で、うちの子どもはそれ見ると「ママ、危険だって言っているよ」って言う訳ですよ。
「安全だ」って言っているから「危険」に違いない。


斎藤:
これじゃもう、だれも信用しないですよね
一人もいないんじゃないですか
なんか、いつかの沖縄の、中山知事が例の田中発言に対して
「口にするのもけがらわしい」って言ったけど、そういう感じですね。

横尾:
私すみません、後藤さんに質問があるんですけれども、
普通の良心的な研究者とか学者とか、技術者というのは
今後藤さんが言ったように「本当にこんなものはインチキだ」って言う事は分かっているんですよね

後藤:当然だと思います

横尾:
ところが、東京電力の技術者や経産省の技術者であり大学の先生であり、
だけど、やっぱりそういう事は言わない。

後藤:
それは分かりませんけれども、少なくても
これを「事故の収束」とかになったら、もう、それはもうとんでもない話しだというふうに思うと思いますね、技術者は。

愛川:
あのね、これはコピーですけど、これは朝日新聞の見出しですよ。
原発事故収束を宣言」ですよ
これどう思います?

1219.jpg
(朝日新聞17日付)

後藤:ね、これあまりにもギャップが大きすぎて、

愛川:
これ、ちゃんと、しかも、一面のトップですよ。
で、こういう事は、ただこれなぞって出しているだけじゃなくて、
世界に飛んでいく訳ですよ。


田岡:
あの、ブッシュがね、アメリカの空母の上でねイラク戦争の勝利宣言したじゃないですか、6月
これからいよいよという時にね、「勝ちました勝ちました終わりました」ってね、似てますよね。

マエキタ:
「やらせって違法じゃないんですよ」って、この間郷原先生が言っていましたけど
「国民を騙すのも違法じゃない」というならば、これは違法だって言った方がいいと思うんですよ。
国民の知る権利を損なっているわけだから、国民を騙しちゃダメなんだって
嘘だってみんな思っているんだから、嘘だって大きな声で言わないと共犯者になっちゃう、学者の先生たちは。

田岡:
見出しが違うだけで、内容は分かってるけど、ウソは言ってないよこれは。

後藤:問題だと思う

マエキタ:
事故収束を宣言。
だから朝日新聞がいけないって言うんじゃなくって、もちろんですよ

田岡:
政府がね、政府が付けた見出しがおかしいんで、
別に内容は全部終わりましたって言っているわけじゃないんでね、

マエキタ:見出しは嘘は言っちゃいけない

後藤:
海外なんですね、海外に発信する時に、
そうでなくてもかなり信用が落ちていますのでね、国際的に、日本の発表は。
その時にこんなことをやったらですね、海外のメディアだって分かっていますからね、
「収束宣言って何か」って、だって、
まだずっと、帰る見通しは立つわけないんで、汚染が進んでいるんです、現状。
しかもプラントの状態も安心しているというには程遠い状態にある
その時にこういう宣言をするというのは、やはり国際的に見た時に非常に問題があるというふうに私は思いますね。

田岡:
もうすでにアメリカの新聞とかね中国の新聞とかではもう「これはウソだ」って言って、
もうバカにされちゃっていますよ本当に

愛川:
あとね、後藤さんちょっと打ち合わせで言った、他の原発の、その話ししてくれませんか


ーーーつづく

つづきはこちら↓
「絶対安全」って?後藤政志氏・愛川欽也パックイン/ジャーナル②12/7(動画・内容書き出し)

「のだ」って?後藤政志氏NPO立ち上げ・愛川欽也パックイン/ジャーナル③12/7(動画・内容書き出し)




野田首相、冷温停止状態達成を宣言12/16(会見内容全て文字起こし)

騙されちゃうよね。言葉の言い換え



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