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12.23
Fri
・環境省が指定した「汚染状況重点調査地域」について
・政府の警戒区域の見直しについて
・原発担当大臣の発言について



12月22日木曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]




<参考>
国負担で8県102市町村除染
NHK 12月19日 16時23分 動画あり

原発事故によって拡散した放射性物質を取り除く除染について、
環境省は来月施行される特別措置法に基づき、
国が財政負担をして除染を行う地域のある自治体として、
東北地方と関東地方の8つの県の102の市町村を指定することを決めました。

放射性物質を取り除く除染については、来年1月に施行される特別措置法で、
年間の被ばく線量が1ミリシーベルト以上、
1時間当たりの放射線量にすると0.23マイクロシーベルト以上の地域を含む自治体を
汚染状況重点調査地域」に指定し、
各自治体が国の財政負担を受けて除染を行うことになっています。

環境省は、19日、
岩手県の、3つの市と町、宮城県の8つの市と町、福島県の40の市町村、
茨城県の20の市町村、栃木県の8つの市と町、群馬県の12の市町村、埼玉県の2つの市、
千葉県の9つの市の合わせて8つの県の102の市町村を「汚染状況重点調査地域」に指定することを決めました。
こうした自治体では、今後、詳しい放射線量を測定して実際に除染を行う地域を絞り込み、
計画を立てた上で作業を行うことになります。

一方、福島県の警戒区域と、年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以上となる計画的避難区域については
「除染特別地域」と定めて、国が直接除染を行うことになっており、11の市町村の地域を指定することを決めました。
この地域では、国が効果的な除染方法を探るためのモデル事業を先月から行っているほか、
来月末からは道路や電気・水道といったインフラ設備を中心に本格的な除染を始める予定です。
原発事故から9か月がたってようやく本格的な除染を行う仕組みが整うことになりますが、
住民が安心して暮らせる程度まで放射線量を下げることができるかどうかや、
各市町村のどの地域を実際の除染の対象とするか、
それに除染に伴って出る大量の土を保管する場所をどう確保するかなどが課題となります。



国費除染吉川、三郷市で  地域/埼玉
(2011年12月20日 読売新聞)

5市1町、東電に賠償要求へ

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、自治体が国の財政負担で放射性物質の除染を行う
「汚染状況重点調査地域」。環境省は19日、県内の指定自治体は三郷、吉川両市と発表した。
28日に告示される。指定を受け、両市は国と協議した上で、除染実施計画を策定する。

吉川市の戸張胤茂市長は「子どもたちの安全・安心のため、地域指定を受けることにした。
国とともに除染に取り組み、安全できれいな古里をアピールしていく」とコメントした。

同市はすでに11月14日に除染実施計画を策定、今年中に小学校や公園など21施設の除染を行うとしている。
担当者は「すでに除染に約7000万円をかけている。指定を受けることで、求償しやすくなるはず」と期待を込める。

三郷市放射能対策室の戸張正雄・グループリーダーは、「除染実施計画の策定を急ぐ必要がある」と話す。

同市は9~12月にかけ、保育所や小学校など25施設の除染を行ってきたが、除染実施計画を策定しておらず、
「除染で出た廃棄物の処理方法や仮置き場の問題など、計画を策定する中で、国に説明を求めていきたい」としている。

また、吉川、三郷両市と、越谷市、草加市、八潮市、松伏町の5市1町は、
9月に設置した「県東南部地域放射線対策協議会」で、共通の除染方針の策定や東電への賠償方法を検討している。越谷市環境政策課によると、週内にも、東京電力に対して賠償に関する要求書を手渡す予定。

地域指定をめぐり環境省は、
文部科学省の航空機調査で空間放射線量が毎時0・23マイクロ・シーベルト(地表から1メートル)以上だったとして、
秩父市、小鹿野町、横瀬町にも意向調査を行っていたが、
これら3自治体は、風評被害の懸念などを理由に辞退していた

辞退が認められたことについて、県は
「汚染は山間部の一部地域でしか確認されていないなど、示した理由が妥当だと判断された結果」(水環境課)
としている。
また、県は、
「今後、指定を受けたいという自治体があれば、放射線測定機器を貸し出すなど、支援を行っていきたい」としている。

自治体   空間放射線量
吉川市  0.211 
三郷市  0.211 
秩父市  0.103※ 辞退
小鹿野町 0.084  辞退
横瀬町  0.070  辞退

(単位はマイクロ・シーベルト毎時。測定は14日、高さ1メートルで県が実施)
 ※秩父市は2か所測定しており、高い方を表示



福島第1原発事故 避難区域、4月にも3区分 「帰還困難」将来も居住制限

毎日新聞 2011年12月19日 東京朝刊
 
政府は18日、東京電力福島第1原発事故に伴い設定した警戒区域と計画的避難区域について、
早ければ来年4月1日にも見直し
被ばく放射線量に応じ新たに三つの区域に再編する方針案を地元自治体に示した。
枝野幸男経済産業相が18日、福島県を訪れ、佐藤雄平知事や避難区域内11市町村長らに対し方針案を説明した。
政府はさらに自治体と協議を進め、年内に成案を公表する。

方針案は、事故収束の工程表のステップ2達成で
「住民の生命、身体が緊急かつ重大な危険性にさらされるおそれはなくなった」として、
原発から半径20キロ圏内で立ち入りを禁じている警戒区域について「解除することが基本」と明記
「3月末をめどに(区域の)線引きの見直しを行う」とした。
枝野氏は記者団に、年間被ばく線量が20ミリシーベルトを超える計画的避難区域についても
「前後して新しい避難の指示(区域)に変わる」と語った。

新たな3区分は
▽年間20ミリシーベルト未満の「避難指示解除準備区域」
▽年間20ミリシーベルト以上50ミリシーベルト未満の「居住制限区域」
▽現時点で年間50ミリシーベルト以上の「帰還困難区域」。
ただ、これですぐに住民の帰宅が始まるわけではない。

避難指示解除準備区域では、当面避難指示は維持しつつ、
子どもの生活圏の除染や生活インフラ復旧の進捗(しんちょく)状況を踏まえ、段階的に解除する。
事業再開を認めるなど弾力的運用も行う。居住制限区域では、住民の帰還を目指し除染やインフラ復旧を実施する。

帰還困難区域は、現時点で線量が高く、5年以上にわたり年間20ミリシーベルトを下回らないとみられる区域。
「将来にわたって居住を制限することを原則とする」と明記、立ち入りも原則禁止する。
土地の買い取りを検討するほか、避難の長期化や自治体機能の維持などに国が責任を持って対応する。
区域の範囲は5年間固定するが、復興状況によっては見直しもあり得る。【笈田直樹】




日本外国特派員協会での記者会見・細野大臣1
2/19(動画・内容書き出し)


原発担当大臣は新聞のインタビューだけでなく外国人記者の前でもはっきりとこのように言っています。


100ミリシーベルトを超える被ばく線量については
原爆被害しゃのですね疫学的データが集まっておりまして、
一定の発がん率が増加されることが確認されております
具体的には100ミリシーベルトで将来の癌死亡率が0.5%増化するという疫学的データが出ています。

しかし100ミリシーベルト以下という事になると、疫学的な調査はお行われてきましたけれども、
他の癌のリスクに隠れてしまいまして、それほど小さいものですから、
放射線による発がん率は明らかな増加を証明することは難しいと、
そういう報告がでております。

我々が設定しております20ミリシーベルト/年という基準は、
実際にそこに生活している人々の被ばく線量は大体その4分の1
現実的には5ミリから4ミリぐらいという事が明らかになってまいりました。
それだけ保守的な基準を作っているという事です。

福島を放射線医療の専門的な場所にすべきだという事を申し上げました。
その中で、しっかりとした高い目標も掲げていくべきだと考えております。
例えば、福島県の癌の発生率を、もっとも全国で低い県にする。
これは私は可能であると、専門家とも議論して可能であると考えております。

福島は長寿健康県になり得るんです。
で、我々は福島を、そういう再生の場所にしたいと思っています。
日本社会はそれをしっかりとサポートします。

(上記記者会見より一部転記)




続きを読むに番組の内容書き出しました






千葉:
神戸大学大学院教授の山内知也さんにスタジオにお越しいただいていますので、
小出さんのコーナーでもご一緒にお話しを伺って行こうと思っています

小出:ありがとうございます楽しみです

山内:よろしくおねがいします

小出:はい、山内さんこんばんは

山内:こんばんは


千葉:
それでは早速なんですけれども、今日はこんなニュースが入っております。
環境省が東北や関東地方の8つの県の102の市町村を「汚染状況重点調査地域」に指定したということなんです。
で、指定されると国から除染の財政支援が受けられるという事で、
放射線量が毎時0.23μシーベルト以上で、
事故による追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以上あることが条件という事なんですが、
これについて小出さんはどう思われますか?

小出:
まぁ、馬鹿げているとまずは思います。
もともと、1年間に1ミリシーベルト以上の被ばくをしてはいけないし、させてはいけないというのが日本の法律なんですね。
そういうところに人々を日本の国が今、放置しているのです。
ほんとうであれば、そういうところに住んでいる方々を、私は避難をさせなければいけないと思うのですが、
それをさせないまま、「逃げる人は勝手に逃げろ」と、「国は知らない」。と言い続けてきて、
今現在も人々がそこに住んでいる。
そこで今度除染をすると言っている訳で、
もちろん、住まわせる限りは除染をしなければいけませんけれども、
でも除染は結局は効果がないのです。
「どうやって自分たちの責任逃れをするのかなぁ」と、
「相変わらずそんな姿勢で国は動いているのかな」と私は思います。

千葉:
この「汚染状況重点調査地域」というのはもう意味がないというふうにお考えですね。

小出:
はい、
要するに、今聞いていただいたように、基本的には本当は避難をさせなければいけない。
でも、なんか除染をすれば少しはよくなるかのような、言い方なんですね。
そんなことは、でもあり得ないのです、本当は。

千葉:山内さんはいかがですか?

山内:
除染は非常に厳しいと思いますね。
で、0.23という数字は、おそらく航空機からのモニタリングエリアで範囲を決めたんだと思うんですけれども、
現地とかに入りますと、もう9か月ですよね、
雨もずっと降りましたから、セシウムの分布は計測した時からもうすでに変わっています
町中に濃淡が出来あがっているんですよね。

千葉:多いところと少ないところというのが出来あがってきている

山内:
そうなんですね。
ですから、除染をするにしても、どこをしたらいいのかという事が、
地元の人には計測しない限り分かりませんから、
そういう濃いところをしっかりと見つけて、
そこから優先的にしいて行くという事を早くしなければいけないと思うんですけれども、
そうはなっていないんですよね。
で、結果的に小出さんがおっしゃるように、住民をその土地に縛り付けることにつながっていると思います。
わたしも、そう思います。

千葉:
あの、この本当に意味がないと思われる「汚染状況重点調査地域」を決める時にも
ちょっと、問題かなと思われるようなことがありまして、
自治体に「指定を受けるかどうか」というのを聞いていたということで、
「線量が高くても指定を受けない自治体があってもいい」と国はしているんです。
で、いわゆる局所的に線量が高いホットスポットがあるだけの市町村は除外されている
という形で決めていったりとかしているんですけれども、
こういう国の姿勢については小出さんはどう思いますか

小出:
もう、私よりも、山内さんは現場にたびたび行かれて、現場の状況を見て、
そして除染をしてみた結果というものを肌身でご存じな筈ですので、
私よりもむしろ山内さんに聞いていただいた方がいいと思いますけれども、
何よりも国というものがこういう事態を引き起こした責任を、
まずはちゃんと、私は、自覚をするべきだと思うのですけれども、
何か自分たちの責任を一切放棄したまま、なんか手当てをしてやっているんだからいいんだという、
なんかそういう姿勢のように私は聞こえてですね、大変不快です。

千葉:山内さんはいかがですか

山内:
そうですね、なんか、風評被害が起こるからというので辞退した自治体があるんですよね。
でもこれは、風評じゃないんですよね
もう、数値はみなさんご存知です。
新聞等にも公表されたものなので、もう、ある意味客観的な値として出ている訳で、
「風評被害が起こるからうちは受けません」というような自治体に対して、指導しないといけないと思います。
で、私の考えでは、0.23より低いところでもホットスポットはありますから、
そういうところを見つけるように奨励しなければいけないと思います。
そのために、検出器を貸与するとか用意するとか、そういう事をしないといけないと思います。

千葉:そんな、自治体に「どうしますか?」なんて聞いている場合じゃなくて、

山内:ダメです。

千葉:もう、国自体が強制的に動いて

山内:
国が原発を一元的に安全性を管理すると言って失敗した訳なんですよね。
となると国が全て責任を持たなくてはいけません。
自治体に任せたらあきません。
自治体は何もできませんから、結局、地域の人に任すんですよね、
となると、住民がいがみ合うという結果になってしまっているんですね。

千葉:やっぱり国が国としての責任をきちっと果たしていないということですよね

山内:そう思います。

千葉:
いや、こんな中ですね、また、こんなニュースが入っているんですが、
これもちょっと・・・本当に今のにも関連するんですけれども、
政府は来年4月1日をめどに現在の警戒区域というのを解除して、
年間放射線量に応じて三つの区域に編成し直して、
年間20ミリシーベルト未満の地域は、早ければ来年の春から指定解除して家に帰れるようにするという事なんですが、
これは・・・小出さんどう思われますか?

小出:
もう、何度も私はこの番組で聞いていただきましたけれども、
普通のみなさんは一年間に1ミリシーベルトしか被ばくをしてはいけないのです。
で、私は放射線業務従事者というレッテルを貼られている人間ですけれども、
わたしのように、ひじょーーに特殊な人間だけが一年間に20ミリシーベルトまでは我慢をしろといわれてきたのです。
それなのに一年間20ミリシーベルトまで、普通の人々、
それも、子どもを含めて我慢をしろなんて事はあり得ないと私は思います。
どうしてもそんな事を言うのなら、まず国会議員は家族ともどもみなさんそういうところに行くべきだと思います。

千葉:
あの、これに関連して原発事故の担当大臣が、
「被ばく量は100ミリシーベルトを上回れば疫学的に癌の発生率が高まる」と
「それ以外なら他の要因にまぎれて疫学的な数値としては現れない位にリスクは小さい。
20ミリシーベルトのところで生活しても、実際の被ばく量は4ミリから5ミリシーベルトだ」。
というふうに新聞のインタビューの中で話しているという事なんですけれども、
もう、この認識に対してはどう思われます?

小出:
学問的に言えばあきれ果てるとしか言いようがありません。
疫学的なものでもちろん証明できるレベルのものというのはある程度決まってしまっていて、
それが100ミリシーベルト、50ミリシーベルトというのはそうだろうと私も思いますけれども、
そんな事とはまた別に、実験的なデータとか、生物物理学的な考え方というのがあって、
放射線の被曝というものはどんなに少なくても危険があるという事は現在の学問の到達点なのです。
それを無視するような発言をしたとするならば、本当におかしな人たちだと私は思いますし、
本当に安全だと思うなら、今聞いていただいたように、
その方が子どもも家族も連れて、そういうところで生活するという事をお勧めしたいと思います。

千葉:う~~ん・・山内さんはいかがですか

山内:
20は、圧倒的に高すぎます
子どもをそんなところに置いている基準を持っている国は、どこを探してもないですよね。
ウクライナなんかでしたら5ミリシーベルト基準になっていますけど、
子どもに対してはそれでも、さらに低い被ばくになるように、食品であるとか、全身の計測をするとか、
そのようなこともやっていますよね。
日本政府の方は何もしていないです。

千葉:
う~~~ん・・・
じゃ、原発の担当大臣がこういう認識で発言をしているんですけれども、
それというのはやっぱり、もう、認識としては大きな間違いですね。

山内:
わたしは間違っていると思います。
ですけど、その周辺の学者の方がそういうふうに教えているんでしょうね。

千葉:
はぁ~~ん・・・
それはもう、その周辺の学者の認識をちょっと改めてもらわないといけないという事ですよね。
ここで、小出さんは時間となりましたので、どうもありがとうございました。

小出:ありがとうございました。


ーーーー


このつづきの山下先生のお話しはこちら ↓


「除染」のまやかし 神戸大学大学院教授 山内知也氏12/22たねまきジャーナル(内容全て文字起こし)

優しい語り口で、バッサリと「できません」「いけません」とおっしゃいます。
是非お聞きください。


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