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飯田哲也氏「廃炉に向けた行程表」についてTBSラジオ・Dig12/21(内容文字起こし)





飯田哲也氏

今回の工程表は、全くできる見通しは無いわけですよね。
むしろ、私は最初から数百年というか、
もう溶融燃料を取りださないオプションも最初から検討するべきですし、
おそらく、そうなる可能性が高いと思うんですよね。

今後、本当に事態が改善していくためのステップとして、
一本道じゃなくてですね、おそらく複数のオプションを絶えず考えながら

本当に実質的な本当の真実と、
そして同時にある不確実性と両方提示しながらですね、やっていくという、
国民はもうその位成熟していますし、世界の人もですね、そういう形にしないともうバカにされると思うんですが




飯田哲也 「廃炉」工程表 2011.12.21


TBSラジオ・Dig 荻上チキ 外山惠理 飯田哲也さんが電話出演


政府と東京電力は福島第一原子力発電所の1号機から4号機の廃炉を検討する会議を開き、
「廃炉完了を30年から40年後」などとする工程表を発表しました。
今夜はこのニュースについて環境エネルギー政策研究所所長、飯田哲也さんに電話で伺います。




続きを読むに番組内容を文字起こししました








外山:飯田さんは今回発表された廃炉の行程表をどうごらんになったんでしょうか

飯田:
全般に政治的な都合で作られているというか、
不透明だとか分からない事とか不確実な事がいっぱいあるんですが、
それ全体があたかも出来るかのような政治的なメッセージが優先しているということと、
そもそも、「廃炉」ということ自身が私は非常に違和感があって、
「廃炉」というのは通常の原子炉を廃止していく措置ですけど、
今回は事故をいかに収めていくかというですね、
「事故収束」のロードマップっていうんならいいんですけど「廃炉」っていうのはちょっと、ま、
この国の政府にはよくあることですが、
ことば自体をですね、深刻ではないように言い替える、すり替えるという言い方ですね


荻上:あらかも脱原発のために動き出しているぞ感のアピールにもね、使われそうな言葉でもありますよね。

飯田:
そうですね、
廃炉っていうのはあんまり、もうちょっと、本来は違う意味ですけれども、
いつの間にかメディアがみんな追随するから定着しましたけれども

外山:
そうですよね、
で、この工程表なんですけれども
その第一期から第三期まで廃炉に向けた行程が示されているという事なんですが、
その中身を説明していただいてもよろしいでしょうか

飯田:
はい、
第一期という事で今年から、2013年度にかけて細野さんが強く言ったという
4号機の今一番危うい状態にある使用済み燃料プールからの燃料取り出しを一年前倒しをして着手するということと、

今外側にホースがうねっている汚染水処理、これをもうちょっとしっかりした新型装置に替えるっていう事を
来年度にやっていくというような事を掲げているという事ですね。

それから第二期という事で2013年から2021年位にかけて、ちょっとできるとは思えないですが、
全てのプールからの燃料取り出しを終えて、
で、さらに原子炉を捨てて、水に浸ける形で溶けた、いわゆるメルトダウンした燃料を取りだすと、いう事に着手して
なおかつ汚染処理施設を小型化するという事が書いてあると。

で、最後、溶融燃料、溶けてメルトダウンした燃料を
30年から40年かけて取りだすというようなことが書いてあるという事ですけれど、

外山:
うーん、でも今回のその12月までにステップ2を無理やり完了させてっていうか、
しかも冷温停止状態っていうことでしたよね、

飯田:ああそうでしたね、そこもかなりウソがあるわけですけど

外山:
そういうことですよね。
それでこれ、30年から40年後、40年ってすごい遠いなと思いますけど、
本当に40年で済むのかっていう問題もありますよね。

飯田:
全くできる見通しは無いわけですよね。
チェルノブイリが25年経って、しかもあれは溶融燃料が全て幸か不幸か飛び散って
燃料が無くなったチェルノブイリですらですね
わずかに残された核燃料で中がボロボロになって
昔作った石棺の上にさらに大規模の石棺を作るというような状況でですね、
工学的な見通しがないままに、タイム、時間スケジュールだけの願望が書いてあるとしか読めなくて
むしろ、私は最初から数百年というか、
もう溶融燃料を取りださないオプションも最初から検討するべきですし、
おそらく、そうなる可能性が高いと思うんですよね。

外山:これまだ、だって、中がどうなっているのか。っていうのも分かってないんですものね。

飯田:
いまだに分かってなくて、
単に冷却水の水温が100度を超えなくなったことを冷温停止と呼んでいるだけですから、
一方で、どこに燃料があるかもわからないし、
しかも地下水や海水にどんどん、
地下水が流れ込んでしかも汚染水はおそらく海にどんどん流れ込んでいるという
水系の汚染は全く手の打ちようがない状況ですね。
何が冷温停止と呼んでいるんだという(笑)・・あのう、ムチャクチャですよね、はっきり言って。

外山:
ね~、しかも総理大臣もね、
なんかそんなこと言ってもいいのか?というような、収束したようなこと言っちゃったしね、

飯田:収束宣言って言って福島から反発受けて、さっそく、

荻上:
宣言をするために、こう、それが覆るというのが続いていると、
政治的な信用を得られないどころか逆に混乱を招くという事になっていくという事は
この9ヶ月間の一つの大きな教訓ではあるわけですけどね。

飯田:
そうですね。
ま、政府内部では今回、収束というか冷温停止で事故収束と呼ばないと政権が持たないといった、
政治的都合で今回のメッセージになったらしいんですが、
その、そういう政治的都合でメッセージをしたことがむしろ政権を危うくしているとしか思えないですけどね。

外山:そうですね、

荻上:
多分どっちに転んでも、もう政権は持たないと思いますけれども、
ただその、今回の工程表というのが、
あくまで、その、大きく掲げた「僕の考えで夢を見たような行程表だ」という事は非常に理解できるわけですが、
となれば、「真の工程表」というものを出させなおすというか、あるいはそういったプランというものの検討をですね、
民間の学者などで出し合ったりしないと、本当のところはまだ見えてこないという段階が続くわけですよね。

飯田:そうですね

荻上:
となるとまた、まだ見通しのつかない、見通しの見えない作業が
これからもまだ続くということを覚悟しなければいけないということですよね。

飯田:
ですから、ま、本当に、官邸にいる政治家の都合で、いろんな物が歪められている訳ですけれども、
本来では、本当に不確実な状況だというのはみんな分かっている事なので、
もうあそこの現場に、国内、国内だけでなくて、世界的にエキスパートを集めてですね
今後、本当に事態が改善していくためのステップとして、
一本道じゃなくてですね、おそらく複数のオプションを絶えず考えながらですね
で、その方向を探っていきながら、そしてしっかりとあるステージで、たとえば、
「空気に対する汚染度はこれで下がった」と、
今回のは、だから冷温停止と呼ぶんではなくて、
「大気系の汚染は今回100度を下回ったので、従来ほどはひどくはおそらくは無くなった」と、
せいぜいその位であって、
というような形で、本当に実質的な本当の真実と、
そして同時にある不確実性と両方提示しながらですね、やっていくという、
国民はもうその位成熟していますし、世界の人もですね、そういう形にしないともうバカにされると思うんですが、
そこらへんが非常に矮小(わいしょう:こじんまりとした)な政治に歪められているという気がするんですよね

外山:でもこれ実際に工程表通りには進まないっていう事ですよね

飯田:
間違いなくそうです。
こんな一本道で進む訳はないので、絶えず複数のオプションを、
ベストを探りながらコンティン前進プランを作りながらやっていくという事をやらないとしょうがないわけですよね。

荻上:二つ三つの道を線を引いて行かないといけないわけですよね。

飯田:
最終的には核燃料を取りださないで
そこで固定化して閉じ込めるというオプションも、最後まで私は持つべきだと思いますよね。

荻上:
飯田さんさっき40年では終わらないと、100年以上かかるんじゃないかというものが
現実的な試算じゃないかというお話しがありましたけれど、
そうなりますと、今生きている人というのが全て入れ替わってもまだ問題は残り続けていくと、

飯田:そう思いますね。

荻上:
そう言ったものじゃないですか、となると、
今必要なのは一本道の行程表ではなくて、
世紀をまたいだ改善収束のための基本指針であるとか、
あるいは基本的な阻害をするものを妨げるようなものを撤去する法律とか、
いろんなものが必要だと思うんですが、
今すべきはこの工程表でないとすれば、なにをすべきだったんでしょうね。

飯田:
ま、そういうですね、絵に描いた餅ではなくて、
長期的な事故対応が出来るような体制と組織と予算の枠組み
そして世界的な協力体制を含むというような、そういった枠組みを作ることが優先だと思うんですな。

荻上:
なるほど。
チームとスキームと予算関連法案などを通していくという事になるわけですかね。

飯田:
とりわけ、まぁ、非常に微妙な話題になるんですが、
東京電力の中で福島の部分だけをですね、早いうちに東京電力から切り離して、
もちろんそれが東京電力を単に律することになったら困るんですが、
今は東京電力に全てやらせている。
実は東京電力の持っている、人とお金と知識と、優先度合いに全て国が委ねている状況なので
常に後手後手に回っているんですね

ですからこれを、もう国の責任で事故修復は全部やるんだと、そしてそこに半ば恒久的な予算の枠組みがあるような、
国側のリストラクチュリーを全面的に建てて、ここに万全の態勢で臨んでいくという形を取らないとですね、
100年200年になる可能性がある個の事故修復に、やっぱり望めないという事だと思うんですね。

外山:
実際に、だから「政府は東京電力を事実上国有化するという方向で調整を始めた」
っていうニュースもありましたよね。
それは・・

飯田:
東京電力はホームページで否定(※下記参照)していますけれど、
おそらく国有化で今仙石さんをはじめとして政権チームはその方向に走っていて、
あそこは、  なんですけれども、
ま、私も国有化は必要なステップだと思うんですね。
で、国有化をして望ましいプロセスを3つに分けると、
東京電力を Good東電と、Bad東電と、Worst東電に分けると。

Worst東電はこの福島の事故の修復で、
国の全くくだらないもんじゅとかの研究の予算を全部ここに充ててですね、
で、今のチーム福島の東京電力の人達も国有社員になりますから、そこで事故修復に当てていく。
Bad東電というのは損害賠償ですね。
Good東電は、行く行く電力を市場開放するための、まずいったん国有化したうえで発送電分離をして再民営化をする。
という、ま、そういう段取りを取るというのが理想的なシナリオだと思うんですが、

ま、国有化した後、政治とかいろんな思惑でぐちゃぐちゃになる可能性がありますので、
そこのプロセス管理というのが果たしてできるのかどうかというところが
今の弱体化した政権の中ではですね、非常に不確実な状況だと思うんですね。

荻上:
今は東京電力が、
東京電力は別に原発事故収束のプロフェッショナルではなく、
たまたま責任を担っている主体になっている訳ですよね。
しかし、その東京電力が出した方針に対して、例えば政府などがそれを伝えたり、
あるいはそれに対してダメ出しをするという形でですね、で、またそれをメディアが報道するという、
なんか、できの悪い伝言ゲームみたいな仕方で、情報が伝わっていくという状況があるので、
それを改善するためにも国有化というのは一つ重要な選択肢に上がってくると思うんですが、
一方で国有化したところで、ガバナンス(リスクを継続的に最適化する為の組織的な仕組み)不足と言いますか、
しっかりとした指針を決められなかったという事に関しては
全然国有化したところで一気に改善される訳ではないので、
それは切り分けたうえで厳しいチェックが必要になっていくという事になるわけですよね。

飯田:
そうですね、
特に日本の国有組織で原子炉というのはむしろ民間組織より悪いというこれまでの実績がありますから、
ま、もんじゅの事故であるとかですね。

ですから同じ国有化と言っても、それを仕切るチームというのは本当に、しっかりとしたスーパーチームで、
しかも、非常に変なですね、デモクラシーに侵されない、
そういう体制で事故処理に関しても損害賠償にしても望んでいかないといけないので、
そういう、何て言うか背筋の伸びた開かれた組織にできるかどうかという事ですけどね。

外山:んー・・・夜分遅くにありがとうございました。

この時間は政府と東京電力が福島第一原子力発電所の廃炉に向けた三段階の工程表を発表した
というニュースについて、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんにお話しを伺いました。



数時間の間に消えた記事「東電実質国有化」



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