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チェルノブイリ事故後、病理解剖で内部被ばくを研究したバンダジェフスキー氏の調査結果

Wikipediaの記事を一部転記します。
ユーリ・バンダジェフスキー氏は病理解剖によって内部被ばくの人体に及ぼす影響を調べられました。
心臓の細胞は細胞分裂がほとんどないため放射性物質が溜まりやすい。
小児の場合は10Bq/kg程度の蓄積でも、特に心筋における代謝異常が起きるとのことです。
研究論文を発表した直後逮捕・拘留されてしまいました。




ユーリ・バンダジェフスキー(Yury Bandazhevsky)
医師・病理解剖学者。ゴメリ医科大学初代学長。
チェルノブイリ原発事故の影響を調べるために、被曝した人体や動物の病理解剖を行い、
体内臓器のセシウム137などの放射性同位元素を測定する研究を行った。

220px-Yury_Bandazhevsky,_Geneva
生誕 1957年1月9日 ベラルーシ
著名な実績
チェルノブイリ原発事故後の人体における内部被曝調査
チェルノブイリ原発事故


220px-Heart_YuriBandashevsky.jpg
突然死した43歳の心臓の病理組織像
びまん性(広範な)心筋細胞の融解、筋線維間浮腫、著しい筋線維の断裂が認められる。
この心臓のセシウム137の放射線量は45.4Bq/kg。(HE染色・倍率125倍)


日本の福島原発事故に関するバンダジェフスキーのコメント

日本の子供がセシウム137で体重1キロあたり20~30ベクレルの内部被曝をしていると伝えられましたが
(※下記参照)
この事態は大変に深刻です。
特に子供の体に入ったセシウムは、心臓に凝縮されて心筋や血管の障害につながるためです。
1キロ当たり20~30ベクレルの放射能は、体外にあれば大きな危険はありません。
それが内部被曝で深刻なのは、全身の平均値だからです。
心筋細胞はほとんど分裂しないため放射能が蓄積しやすい
子供の心臓は全身平均の10倍以上ということもあるのです

被曝の影響は、胎児や小さい子供に大きく出る。遺伝の影響で次世代に現れる可能性もあります。
遠慮抜きにいわせてもらえば、日本の暫定規制値は大変に危険です。
今後、放射能が土壌に浸透して野菜が吸収しやすくなる。内部被曝の心配はこれからです

今の私は(ベラルーシを)国外追放の身です。
驚かせたくはないのですが、すでに日本の子供の心臓から20~30ベクレルみつかっています。
(註:日本で子供の心臓の病理解剖をしていなければ、この数値は全身の平均線量との誤訳の可能性あり)
(NNN特命報道記者X2011 2011年12月18日放送)


動画9分30秒から

ー追記ーこの動画の内容書き出しました ↓
原発事故25年目の現実 「心臓障害」・・・医師の告発(動画・内容書き出し)



続きを読むにつづく





小児の臓器におけるセシウム137の長期的な取り込み
(チェルノブイリ原発事故被曝の病理学的検討)


バンダジェフスキーは突然死を含む被曝小児患者の病理解剖を行い、セシウム137の体内分布を調査した。
心臓をはじめとして、腎臓、肝臓、甲状腺・胸腺・副腎などの内分泌臓器に
高いセシウム137の集積と組織障害が認められた(内部被曝線量の全身平均の約10倍)


再生能力が高い骨格筋細胞と違い、心筋細胞はほとんど分裂しないためにセシウム137が過剰に蓄積しやすく、
心筋障害や不整脈などの心臓疾患を惹起すると考えられる。
バンダジェフスキーは、セシウムにより人間や動物の体内に引き起こされる病理学的変化を
『長寿命放射性元素体内取り込み症候群
=Syndrome of long-living incorporated radioisotopes(SLIR)』
としてまとめることができるかもしれない、と述べた。
SLIRは生体に放射性セシウムが取り込まれた場合に生じ、その程度は取り込まれたセシウムの量と時間で決まる。

そして、その症候群は
心臓血管系・神経系・内分泌系・免疫系・生殖系・消化器系・尿排泄系・肝臓系における
組織的・機能的変異によって規定される。

SLIRを惹起する放射性セシウムの量は,年齢、性別、臓器の機能的状態により異なる。
小児の臓器と臓器系統では、50Bq/kg以上の取りこみによって著しい病理学的変化が起きる。

10Bq/kg程度の蓄積でも、特に心筋における代謝異常が起きる。

ゴメリ州に住む小児のうち、体内放射性元素濃度が
11~26Bq/kgの者は心電図異常の発生率の割合が6割に達し、
37~74Bq/kgの蓄積の者では9割に至る。


1997年に死亡したベラルーシの小児の心臓からは平均600Bq/kg以上、
成人からは平均100Bq/kg以上のセシウムが検出された。

例えば突然死した43歳の心臓ではセシウム137が45.4Bq/kg検出され、
びまん性(広範な)心筋細胞融解、筋線維間浮腫、著明な筋線維断裂が認められた。 

ベラルーシで医療活動を行った長野県松本市長の菅谷昭(外科医)は、バンダジェフスキーの論文を読み、
「ベラルーシにいる時に心臓血管系の病気が増えていることを不思議に思っていましたが、
この(バンダジェフスキー)論文で納得しました。
解剖した結果ですから、非常に信頼性が高い。がんもさることながら今後は福島の子どもたちの心臓が心配です」
と発言した。




来歴

1957年 1月9日にベラルーシ(Belarus)フロドナ州(Grodno)で生まれた。
1978年 小児科医であるガリーナ・バンダジェフスキー(Galina Bandazhevskaja)と結婚。
1980年 国立フロドナ医科大学を卒業、臨床研修を終え病理解剖学の専門家となる。
1989年 ベラルーシの中央科学研究所所長(The Central Laboratory of Scientific Research)に就任。
      ベラルーシコムソモール賞、アルバート・シュバイツァーのゴールドメダル賞、
      ポーランド医学アカデミーのゴールドスター賞を授与される。
1990年 ゴメリ(Gomel)医科大学を創設、初代学長・病理学部長を務める

1986年のチェルノブイリ原発事故以来、セシウム137の人体への影響を明らかにするために、
      被曝して死亡した患者の病理解剖と臓器別の放射線測定や、
      セシウムを含有する食品を摂取した動物実験を行った。

1999年 ベラルーシ政府当局により、ゴメリ医科大学の受験者の家族から賄賂を受け取った容疑で逮捕・拘留された。
      バンダジェフスキーの弁護士は、
      警察によって強要された2人の証言以外に何ら証拠がないと無罪を主張したが、
      2001年6月18日、裁判で求刑9年・懲役8年の実刑判決を受けた。
      ゴメリ医大副学長のウラジミール・ラブコフ(Vladimir Ravkov)も8年の実刑を受けている。

この裁判は政治的意図による冤罪だとして、海外の多くの人権保護団体がベラルーシ政府に抗議した。
国際的な人権保護団体であるアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、
「バンダジェフスキー博士の有罪判決は、博士のチェルノブイリ原発事故における医学研究と、
被曝したゴメリ住民への対応に対するベラルーシ政府への批判に関連していると広く信じられている。」と発表。

実際にバンダジェフスキーの逮捕は、彼が主任研究者として行った
チェルノブイリ事故におけるセシウムの医学的影響に関する研究論文を発表した直後に行われた

この経緯はスイスTVの特集番組「Nuclear Controvesy(核論争)」で取り上げられた。
ベラルーシ政府は
「(チェルノブイリ原発事故による)放射線は人体の健康にほとんど影響しない」という見解を現在でも堅持しており、
アレクサンドル・ルカシェンコ大統領(1994年より独裁体制)は
「ベラルーシ国内農地の4分の1が放射能汚染を理由に放置されていることは認めがたい」として、
バンダジェフスキーが逮捕された1999年に原発事故以来人々が避難していた汚染地への再入植を施政方針とした。

バンダジェフスキーの投獄に対する国際世論の高まりに押される形で、刑期途中の2005年8月5日に釈放されたが、
5か月間はベラルーシから退去することを禁じられた。
その後、フランスの クレルモンフェラン(Clermont-Ferrand)市長から招聘され、
現地の大学や病院で研究や治療に携わった。
クレルモンフェラン市は1977年からゴメリ市と姉妹都市の関係にある。
フランスでは、環境保護NGOであるクリラッド(放射能調査および情報提供の独立委員会)の学術指導を行い、
また自身の研究をサポートされている。
現在、ベラルーシを国外追放となり、ウクライナ・キエフ州のイヴァンキブ(Ivankiv)中央病院に勤務している。


1999年に逮捕・拘留された際、
ネステレンコ博士を通じてベラルーシ市民にあてた手紙


親愛なる皆様:
私に起きた悲劇的事件の間に、これまでそして現在の、私と私の家族に対するみなさんからの支持に感謝申し上げます。
真実は明らかになる、と確信しています。

ここで述べておきたいのは、この10年間私は、
1986年に起きたチェルノブイリ事故の
健康影響と人体組織内に摂取された放射性物質の影響研究に没頭してきたことです。
それに関連して、私の指導のもとで設立されたゴメリ医科大学では、
放射能汚染地域住民の大規模な健康調査、汚染食料を用いた動物飼育実験、といった
広範な科学的研究に取り組んできました。

こうした研究は、放射能が体内に取り込まれたときの現象と病理学的プロセスを解明するとともに、
放射能からの防護に関する基準を設定することに寄与しました。
ゴメリ医科大学では、私の指導のもと、30もの博士論文が作成され、
多数の科学的文献が発表されました(私の分だけで200篇に及んでいます)。

研究には国からの資金を受けていません。
我々の研究成果は定期的に、新聞、ラジオ、テレビといったメディアや国会に報告してきました。
残念ながら、私の逮捕と収監は、ゴメリ医科大学の研究活動を妨害するための口実となってしまいました。
もともときわめて困難な状況下で設立された医科大学は、破壊されてしまいました。

汚染地域住民の健康状態は現在、破局的な状態です。ゴメリ州の1999年の死亡率は、出生率の1.6倍でした。
我々の国家は存亡の危機にあります。
ベラルーシならびに国外の人々にとって、病理学的プロセスを解明や放射線防護方法の確立といった、
体内放射能の健康影響問題の研究がきわめて重要であると私は確信しております。
そこで私は、こうした問題に興味をもつ市民社会と科学者のすべての構成員に対し、
我々の努力を連帯させるよう要請と提案をするものであります。

こうした行動のひとつは、チェルノブイリ原発事故によって汚染された地域に、
病理学と放射線防護の研究に関する国際独立科学センターを設立することでしょう。
そこでの研究により、実際の人体への放射線影響に関する知見が得られるでしょう。
このセンターの活動は、資金源をふくめ、政府組織から独立したものでなければなりません。
世界中のさまざまな国の科学者がセンターにやって来て、そこで得られた知見はすべての人々に明らかにされるでしょう。

もしあなた方が私のこの提案に興味を抱かれるなら、
資金の問題も含め、あなた方の意見と私の意見を議論し問題解決へ向けてともに取り組みましょう。
私を助けるため活動して下さったり、現在も活動されている全ての方々に改めて感謝致します。
敬具

2000年1月13日 Y.I. Bandazhevsky 





※朝日新聞 2011年10月25日5時33分
小中学生の体内から少量のセシウム 福島・南相馬で検出

福島県南相馬市の市立総合病院は、9月下旬から検査した市内の小中学生の半数から少量の放射性セシウム137が検出されたことを明らかにした。事故直後に呼吸で取り込んだものか、事故後に飲食物を通じて取り続けたものか不明のため、病院の責任者は「定期的に調べて健康管理につなげたい」と話している。

小中学生527人を最新の内部被曝(ひばく)測定装置で調べたところ、199人から体重1キロあたり10ベクレル未満、65人から同10~20ベクレル未満、3人から同20~30ベクレル未満、1人から同30~35ベクレル未満のセシウム137を検出した。

セシウム137が半分になるまでは約30年かかるが、体からは便などとともに排出されるため、大人で100日程度、新陳代謝が高い小学校低学年生で30日程度で半分が出ていく。



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放射性物質の蓄積

先日見たNHKの番組で、ラットに放射性物質を経口摂取させて体内のどの部分に蓄積するかを可視化する映像を見ました。
よく言われているようにヨウ素は甲状腺に、他の物は背骨やらどこそこに蓄積しやすいという傾向は確かにありましたが、知識を度外視して映像だけ見ると基本的には体全体に広がっている印象を受けました。

考えてみれば非常に小さい物質なのですから、いろんな経路でいろんなとこに行くのは当然で、その性質から「留まりやすい場所」はあるものの「ここには絶対に行かない」という場所はないような感じです。

放射線被害を過小評価する人たちはおそらくそういった映像を見たことがなく(まぁ私も初めて見たわけですが)、単にたくさんの情報から影響が少ないと思えることだけを切り貼りして主張しているのに過ぎません。
また小学生の体から検出されたセシウムについて述べれば、今後も外部被ばく・内部被ばくが続くわけですから、何日で半分になるとか言っても詭弁に過ぎないことは明らかです。

政府、東電、保安院や原発推進派の学者も同様で、1mSvというのが日本の法律の規定、ICRP勧告は勧告に過ぎずそれを国内法としては取り入れていない現状で「いやICRPではこうこう定めている」と訳知り顔で主張する「論客」らは、法律は国民のみでなく政府をも拘束するという民主国家の大原則さえ知らない。

笑えるのは武田教授に対して「ICRPでは云々」と「反論」する人は、「日本ではその勧告に従った法整備がなされていない」という事実をその人自身が自白していることに気づいていないということです。

除染に関してはきーこさんもいろいろ悩まれた上で幻想を捨てられましたが、除染活動が本格化しいよいよメッキが剥がれてきた感もありますね。
険しい道ですが、きーこさんの情報発信によって直接ソースにあたり、確信を持って前に進んでいる人も多いと思います。
時節柄健康に気をつけて、出来る範囲で活動を続けられるよう切に願います。

心電図の異常所見例

> ゴメリ州に住む小児のうち、体内放射性元素濃度が
> 11~26Bq/kgの者は心電図異常の発生率の割合が6割に達し

この心電図がどういうった異常の心電図か、もし情報がわかったら教えてほしいです。

この方の論文等も調べましたが、異常所見の心電図の事例が見つからないので…

それがわかれば、心電図検査は学校集団検診でも行なっているのですからその際にチェックできますし、循環器科の医師にも情報共有することができます。