「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」12月28日NHK(動画・内容書き出し)

年末にNHKが放送した低線量被ばくに関しての番組です。
30分という時間の放送ですが、ICRPの実態を理解することが出来ます。

「わたしたちは放射能のリスクにこれから立ち向かって行かなければならないのです」  番組の最後の言葉です。




低線量被ばく 揺らぐ国際基準 12月28日(水)

低線量被ばく_揺らぐ国際基準_追跡!真相ファイル 投稿者 gomizeromirai

低線量被ばく_揺らぐ国際基準_追跡!真相ファイル

鎌田靖(NHK解説委員)
室井佑月




続きを読むに番組の内容を書き出しました





ーーー千葉・柏

室井:幼稚園とか普通にやっていますね、こんな住宅街の中にあるんですかね。


福島第一原子力発電所の事故から9カ月
私は作家の室井佑月さんとともに千葉県柏市を尋ねました。


鎌田:あ、これだ。これだ

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原発からおよそ200キロ
一部の場所で今も放射性物質が検出されています。

鎌田:住民の人達にとってここも本当に驚きだろうし、

室井:不安だと思いますよ


一児の母親でもある室井さんは、同じように不安を抱える人達からの依頼を受けて、
各地で放射線量を測る活動を続けてきました。

室井:0.55毎時です。

鎌田:年間にすると、4.8ミリシーベルト


食品に含まれる放射性物質を調べる、民間の施設です。
国は生涯100ミリシーベルトを上限に食品の安全基準を定めています。
しかし、人々の反応は、


お母さん:子どもに関してはこの数値でも心配だなとは思ってはいます。

女性:みなさん、今の基準を信じている方って殆どいらっしゃらないと思うんです、ええ。

室井:
だからやっぱり、根拠なんですよ。
「直ちに影響はない」とか言われても、根拠がないんで、だから、よけい、いっそう不安なんですよ。


国が根拠としているのがICRP(国際放射線防護委員会)が定める基準です。
「100ミリシーベルト以下の低線量の被爆リスクは極めて小さくほとんど影響がない」としています。
本当にそうなのか・・・?


ーーースウェーデン

低線量被ばくの実態を調べるため、追跡チームは海外を取材しました。
チェルノブイリ原発事故の影響を受けた北欧スウェーデン。
放射線のレベルがあまり高くなかったこの地域でも、癌が増えていました。
食べ物を通して被害が広まったとみられています。

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私たちは何も悪くないのになぜこんな目に遭うのでしょうか。


さらに、国際基準を作ったICRPの当事者達にも取材。
低線量のリスクは、どう決められたのか?
驚くべき事実が明らかになりました。


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ICRP名誉委員:
低線量のリスクはどうせ解らないのだから、半分に減らしたところで大した問題はない。

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ICRP名誉委員:
科学的な根拠はなかった。我々の判断で決めたのだ。


揺れ動く国際基準、
知られざる低線量被ばくの実態とは、
追跡が始まる。


低線量被ばく 揺らぐ国際基準


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これまでほとんど影響がないとされてきた低線量被ばく
それに疑問を投げかける事態が世界で起きています。

スウェーデン北部ベステルボッケンデン。古くから少数民族サーメの人々が暮らしてきました。

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いま周辺でガンが増えています。
放射能が原因ではないかと疑っています。



原因とみられているのは25年前に起きたチェルノブイリ原発事故(19986年)。
放射性物質を含んだ死の灰は、1500キロ離れたサーメの村まで降り注ぎました
当時の放射線レベルは、年間およそ0.2マイクロシーベルト
国際基準の5分の1程度(ICRP基準1μシーベルト)の低いレベルでした。

しかし、今、ガンになる住民が増えています。
事故の前と比べると34%(1年当たり)増加しました。


事故直後スウェーデン政府は、食べ物に含まれる放射性物質の安全基準を設けました。
人々が良く食べるトナカイの肉は1Kg当たりの上限300ベクレル。
現在の日本の暫定基準値(500Bq)より厳しい値です。

サーべの人々は食べる肉の量も減らし、身体への影響を抑えようとしてきました。

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いつガンになるかも分からないし、子や孫への影響も心配です。


何故ガンが増えたのか、
住民の調査を進めてきたマーディン・トンデル博士(サールグレーンスカ大学病院)は
汚染された食べ物を体内に取り込むことでリスクが高まったのではないかと見ています。

トンデル博士は汚染地域で暮らす全ての住民、110万人のデータを解析、
ガンになった人の被ばく量を調べると事故後10年間の積算で、いずれも10ミリシーベルト以下だった事が分かりました。

ICRPがほとんど影響がないとしている低線量でもガンになる人が増えていたのです。


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トンデル博士:
この結果に驚きました。
明らかにリスクがICRPよりも高かったからです。
リスクは外からの被ばくだけでなく、内部被ばくに左右されるのです。


ーーーアメリカ

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次に追跡チームが向かったのは世界一の原発大国、アメリカ。
ここでは、より影響を受けやすい子どもたちに深刻な問題が起きていました

イリノイ州シカゴ郊外。
周辺に3つの原発が集中しています。
原発から排水される汚水には放射性トリチウムが含まれていますが、
アメリカ政府(米原子力規制委員会)は国際基準以下なので影響はないとしてきました。
しかし、近くの町では子どもたちが癌などの難病で亡くなっていました。

6年前に建てられた慰霊碑

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足元のレンガにはこれまでに亡くなった100人の名前が刻まれています。

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これが亡くなった息子の写真です。
この痛みは誰にも伝えずに抱えてきました。


住民を代表し、被害を訴えている親子がいます。
シンシア・ソウヤーさんとその娘セーラさん(18)です。

セーラさんは10年前突然脳腫瘍を患いました。
治療の後遺症で18歳になった今も身長は140センチほどしかありません。

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セーラ:
みんな死んでしまったのに、私だけが生きていて悲しいです

セーラさんが脳腫瘍になったのはこの町に引っ越してきて4年目の事でした。

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シンシア:
セーラはあの井戸の水を撒いて遊び食事をしていたんです。
病気になってからはシカゴから水を取り寄せるようになりました
怖かったので、その水で料理をし、皿を洗い、歯を磨かせていました。


ソウヤーさん夫妻は癌と原発との関係を証明するため、
州政府からあるデータを取り寄せました。
過去20年間、全住民1200万人がどんな病気にかかったかを記した記録です。
小児科医の夫、チョセフさんが調査したところ
原発周辺の地域だけが脳腫瘍や白血病が30%以上も増加。
中でも小児がんはおよそ2倍に増えていました。

ソウヤーさん夫妻は全住民の徹底した健康調査を求めました。
しかし国は「井戸水による被ばく量は年間1μシーベルトと微量で、健康を脅かすことはない」と、回答してきました。

シンシア:
あまりに多くのものがセーラから奪われてしまいました。
低線量の被ばくが何をもたらすのか知って欲しいのです。


ーーースタジオ


室井:
今のVTRはショックでしたね。
基準値以内だとリスクは低いっていう言い方をするんですけど、
癌にかからない人もいるだろうけど、セーラさんみたいにかかってしまう人もいる訳で、
だから、「リスクは少ない」っていう言い方は、逆にして言うと
「リスクを背負い込む人たちがいる」っていう事なんだと思いますね。
それは「確実にいる」っていう事なんでしょうね。

鎌田:
彼女の場合は具体的に、じゃぁどれくらいの量の被ばくをしたというふうに考えられるんですか?

西脇:
それが、彼女がどれだけ被曝をしたかっていうのは実は分かっていないんですね。
政府や電力会社は、基準以下だったので健康被害はないとして、
その実際の被ばく量を測っていないんです。

室井:そんなのすごい分かりずらいですって。
子どもが病気になったとしたらですよ、別に、損害を求めたいわけじゃなくて、
病気にかかる前の健康な状態に戻してもらいたいと思うけど、
それは罹ってからだと、言っても無理な話じゃないですか。


西脇:これはどれだけ被曝したら癌になるリスクが高まるかという事を示したグラフです。

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ICRPではここの100ミリシーベルトでは0.5%癌になるリスクが増えるとしています。
一見すると、「大したことないじゃないか」と思われるかもしれませんが、
たとえばこれが、1万人の人がこれを浴びた場合は50人死亡、
100万人の人が浴びた場合は5000人が、亡くならなくてもいい人が癌によるリスクを負ってしまうと。


鎌田:
我々がいつも、疑問なのは、じゃぁ、100ミリシーベルトよりも低い場合
これ(赤い点線)が正しいかどうかも含めて、本当にこれでいいのかという事が分からない。

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室井:しかも、幼児とか子どもはもっとリスクが上がるんじゃないんですか?

西脇:
まさにそこのところがVTRで見ていただいたように、
内部被ばくの影響とか、感受性の高い子どもへの影響という事で、
やはり、「低線量であっても影響が高いんではないか」っていう意見もある一方で、
「少しずつ浴びていく場合には、細胞が放射線に対して抵抗力をもつ」とか、そういうふうな理由で低いのではないかと、
いうふうな意見もあって、100ミリシーベルト以下での意見は分かれているわけですね。

鎌田:じゃ、意見が分かれているという現状について、ICRPはいま、どういう事をやろうとしているの?

西脇:実は、ICRP自信が、この基準を見直すべきかどうか議論を進めている事が分かってきたんです。


ーーーアメリカ メリーランド州

2011年10月アメリカでICRPの会議が開かれました。
ICRPはおよそ30カ国。
250人の科学者や政府関係者が作るネットワークです。
会議の一部だけが音声での取材を許可されました。

福島第一原発の事故を受けて、低線量被ばくのリスクの見直しを求める声が相次ぎました。


音声女性:
8歳や10歳の子どもが、なぜ原発労働者と同じ基準なのか
福島の母親や子どもたちは心配している

音声男性:
ICRPの低線量リスクがこのままでいいのか、大きな疑問が持ち上がっている。



ーーーカナダ オタワ

ICRPは、低線量のリスクをどう見直そうとしているのか?
カナダのオタワにある本部に直接聞くことにしました。

事務局長のクリストファー・クレメント氏(ICRP科学事務局長)です。
すでに作業部会を作り議論を始めているといいます。

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クレメント:
問題は低線量のリスクをどうするかです


クレメント氏は私達に驚くべき事実を語りました。
これまでICRPでは低線量の被ばくのリスクは低いとみなし、半分にとどめてきたというのです。

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クレメント:
低線量のリスクを半分にしている事が本当に妥当なのか議論している。


低線量のリスクをめぐる議論は、実は1980年代後半から始まっていました。
基準の根拠となっていた広島・長崎の被ばく者データがこのころ修正されることになったのです。
それまで原爆で1000ミリシーベルトの被ばくをした人は5%癌のリスクが高まるとされてきました。
それが日米の合同調査で、実際はその半分500ミリシーベルトしか浴びていなかった事が分かったのです。
半分の被ばく量で同じ5%という事は、リスクは逆に2倍になります。

しかしICRPでは低線量は半分のまま据え置き、引き上げないことにしたのです。

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クレメント:この問題は何度も議論されてきた

Q:なんで引き上げなかった?

クレメント:私が委員になる前の事なので詳細には分からない


なぜ低線量のリスクを引き上げなかったのか。
私たちは議論にかかわったICRPの元委員に取材することにしました。
調べてみるとある事実が分かりました。
当時の主要メンバーは17人。
そのうち13人が核開発や原子力政策を担う官庁とその研究所の出身者だったのです。

そのひとり、チャールズ・マインホールド氏
アメリカエネルギー省で核関連施設の安全対策に当たっていた人物です。

電話での交渉を重ねてようやく私たちの取材に応じました。

チャールズ・マインホールド氏、1970年代から90年代の半ばまでICRPの基準作りに携わってきました。
低線量被ばくのリスクを引き上げなかった背景には
「原発や核関連施設への配慮があった」といいます。

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マインホールド:
原発や核施設は労働者の基準を甘くして欲しいと訴えていた。
その立場はエネルギー省も同じだった。
基準が厳しくなれば核施設の運転に支障が出ないか心配していたのだ。


マインホールド氏は自らも作成にかかわったというエネルギー省の内部文書を取りだしました。
1990年、ICRPへの要望をまとめた報告書です。
低線量のリスクが引き上げられれば
対策費に莫大なコスト(3億6900万ドル)がかかると試算し、懸念を示していました。

マインホールド氏はアメリカの他の委員と協力し、リスクの引き上げに強く抵抗したといいます。

マインホールド:
アメリカの委員が、低線量では逆に引き下げるべきだと主張したのだ。
低線量のリスクを引き上げようとする委員に抵抗するためだった。


その後ICRPは原発などで働く労働者のために特別な基準を作ります。
半分のまま据え置かれた低線量のリスクを、さらに20%引き下げ、
労働者がより多くの被ばくを許容できるようにしたのです。

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マインホールド:
労働者に子どもや高齢者はいないのでリスクは下げてもよいと判断した。
科学的根拠はなかったがICRPの判断で決めたのだ。



ーーーアメリカ テネシー州

いま、アメリカでは原発や核関連施設で働いていた人達が、相次いで健康被害を訴えています。
女性たちは核燃料の再処理施設で長年清掃の仕事をしていました。
身体に異変が起きたのは、仕事をやめてしばらくたってからのことでした。

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元労働者:
乳がんと喉頭がん、そして顔には皮膚がんを患っています。

健康への影響はないと信じて働いてきた女性たち、今、国に補償を求める訴えを起こしています。


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元労働者:
私たちはモルモットでした。
どんなに危険か知らされていませんでした。



ーーースタジオ

室井:
ICRPの人が出てきましたけど、あの、根拠がないって・・・
だから半分に減らしておいてもかまわない位の事を言っていましたけど、
「根拠がない」って、それ、初めて聞いたんでチョット驚いちゃったんです。

西脇:
ちょっとこちらをご覧いただきたいんですけれども、
これはですね2010年のICRPの予算がどこからきているかを示したものなんですけれども

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アメリカの原子力規制委員会を筆頭にですね
こうした、原子力政策を担う各国の官庁から、各国政府の寄付によって成り立っている訳なんですね。
で、日本もですね、原子力を推進する日本原子力研究開発機構が毎年それなりの額を寄付していると。

室井:
ICRP自体が、もう、原発を進めたい人たちの側が作ったものだったから、
安全基準値を決めるわけだから、それじゃぁいけないんですよね。

西脇:
ICRPっていうと、日本では科学的な情報を提供してくれるようなイメージがあるんですけれども、
彼ら自身も繰り返し言ってたんですけど、
彼らは、「政策的な判断」、政策的に判断する集団だと。
そういう、どこまでが許容出来て許容できないのかを、政治的に判断する組織だと。

室井:
っていうことは、もう、自分で判断していくしかないと思うんですよ。
どれだけ、・・・安全な方に、どれだけ取らないようにするか、っていうのを
自分で決めて行った方がいいのかなっていうふうに思いますね

鎌田:
低線量でも実は被害が出ているのではないかという、海外のケースをこれまで見てきたんですけど、
多分、今の我々と決定的に違うのは、
彼らはこういう事だっていう事を全く知らなかった訳ですよね。
つまり、その基準自体も曖昧だ。
そのい基準にそっていればいい訳ではないという事を、多分彼らは知らなかった訳で、
ただ、我々は少なくとも知っている訳ですから、
国に対してこういう事を求めたいという事が、もしあるとすればどうですか?

室井:
正しく怖がるには、やっぱりある程度情報公開してくれないと、・・「知らないのが恐い」と思うんです。
知ったらそれを元に考える事が出来るから、
一番情報を上げてこないっていうのが良くない気がします。

鎌田:政府に求めたいという事ですね。

室井:求めたいですね。




原発の近くで暮らし、幼いころ脳腫瘍を患った18歳のセーラ・ソウヤさんです。
治療の後遺症で右手が麻痺し、今も思うように動かすことができません。
被ばくから健康を守るための基準があるのに、
自分のような被害が後を絶たない事にやりきれないような思いを感じています。


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セーラ:
科学者には私達が単なる統計の数値でない事を知って欲しい。
私たちは生きています。空気と水をきれいにして下さい。
沢山の苦しみを味わいました。誰にも同じ思いをして欲しくありません。


日本政府は食品のさらに厳しい安全基準を新たに示し、4月から適応することにしています。
「自分と同じ苦しみを誰にも味わってほしくない」セーラさんの言葉を重く受け止めて、
わたしたちは放射能のリスクにこれから立ち向かって行かなければならないのです。






ーーーNHKホームページより

12月28日(水)午後10:55~11:23

“生涯100ミリシーベルトとされる被ばくの基準で、本当に健康への影響はないのか?”
福島をはじめ、全国の人々が現実に直面している放射能の脅威。
国は「直ちに体への影響はない」と繰り返すばかりだ。
その拠り所としているのが、ICRP(=国際放射線防護委員会)の勧告。
広島・長崎の被爆者の調査データをベースに作られ、事実上の国際的な安全基準となっている。

しかし関係者に取材を進めると、1980年代後半、ICRPが「政治的な判断」で、
被ばくでガンになるリスクを実際の半分に減らしていた事実が浮かびあがってきた。
当時ICRPには、原子力産業やそれを監督する各国の政府機関から、強い反発が寄せられていたのだ。
そしていま、世界各地で低線量被ばくの脅威を物語る、新たな報告や研究が相次いでいる。

アメリカでは原発から流れ出た微量の放射性トリチウムが地下水を汚染し、周辺地域でガンが急増。
25年前のチェルノブイリ原発事故で、大量の放射性セシウムが降り注いだスウェーデンでは、
ICRP基準を大きく上回るガンのリスクが報告されている。
いま、誰もが不安に感じている「低線量被ばく」による健康被害。
国際基準をつくるICRPの知られざる実態を追跡する。



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