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01.10
Tue
・原発稼働の是非を問う住民投票実施を求る必要な署名数が集まったこと。
・「原発40年で廃炉」例外で延長ありについて
・政府の最悪のシナリオ・4号機の今は?



1月9日月曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]






<参考>
【原発市民投票@大阪】ニュースアンカー2012/01/09放送


大阪、原発住民投票を請求へ 署名5万人超える
北海道新聞 (01/09 20:42)

東京と大阪で原発稼働の是非を問う住民投票実施を求め署名活動している市民団体
「みんなで決めよう『原発』国民投票」の今井一事務局長は9日、
大阪市で記者会見し、同市で住民投票条例制定のための直接請求に必要な
約4万2670人分の署名数を超えたと発表した。

9日現在で5万人に到達し、最終的には約5万3500人となる見通し。
このうち2割が無効とされても、必要な署名数を超える見込みという。
16日に大阪市選挙管理委員会に署名簿を提出する予定だ。




原子炉等規制法改正案:細野担当相「原発、40年で廃炉」 通常国会提出へ

毎日新聞 2012年1月7日 東京朝刊
 
細野豪志・原発事故担当相は6日記者会見し、原発を運転開始から40年で原則廃炉とし、
東京電力福島第1原発事故のような過酷事故(シビアアクシデント)対策を事業者に義務付けることなどを盛り込んだ
原子炉等規制法改正案の骨子を発表した。

原発の寿命を法律で明記するのは初めて
細野担当相は「規制のあり方の発想を思い切って転換する」と述べ、原発の安全規制を強化する姿勢を強調した。
ただし、条件を満たせば一定期間の延長は認める例外を設けており、
具体的な判断基準の策定や運用が今後の課題となる。改正案は通常国会に提出する。

骨子によると、運転開始から40年を超えた原発は運転できないとする「40年運転制限制」を導入する。
例外的に事業者から申請があった場合には
(1)施設自体の老朽化の評価
(2)施設を保全できる技術的能力--を審査し、問題がない限り延長を承認する。

40年で区切った理由について、細野担当相は
「原発の老朽化についてさまざまな専門家の議論もあり、一つの線を引いた」と述べたが、
具体的な根拠は明らかにしなかった。
例外的な延長については「相当厳しいというのが大前提」と説明したが、
延長を認めるかどうかの審査基準については「今後、検討する」とした。

国内の商業原発54基のうち、40年を超えて運転しているのは
関西電力美浜原発1号機、日本原子力発電敦賀原発1号機がある。

このほか、福島第1原発事故のような「想定外」への対応として、原子炉ごとのリスク評価と公表を義務づける。
さらに、従来は事業者の自主的取り組みとされた過酷事故対策も法令の規制対象とする。
また、これまでは、運転の継続を前提に原発の耐震性の安全評価(バックチェック)を実施していたが、
既存原発にも地震や津波に関する最新の知見を取り入れた基準への適合を義務づける
「バックフィット制度」を導入する。【関東晋慈】

==============

 ◆原子炉等規制法改正のポイント◆

・電源の多重化・多様化、施設内への浸水防止など規制基準の抜本的強化
・事業者の自主的取り組みだった事故発生時対応(アクシデントマネジメント)を法令で義務化
・既存の原発にも最新基準への適合を義務付ける「バックフィット」制度の導入
・原発は40年を超えて運転できない。例外として問題がないものに限り一定の延長を認める
・事業者が第一義的に災害防止のために必要な措置を講ずる義務があると明記
・災害防止のための使用停止など緊急措置命令を導入
・電気事業法の原発に対する安全規制(工事計画認可、使用前検査など)を原子炉等規制法に一本化



原発事故直後、政府が作成した「公表されなかった最悪のシナリオ」

最悪のシナリオに関するニュース2件

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菅直人前首相の指示で、近藤駿介内閣府原子力委員長が試算、作成した
「最悪シナリオ」の強制移住地域の範囲



続きを読むに番組の内容書き出しました


水野:
今ニュースで聞いていただいたかと思いますけれども、
原発の是非を住民投票で問いたいとする署名活動
これが、必要な署名の数が集まったというふうに市民グループが今日発表いたしました。
これについてどんな感想をお持ちでしょう

小出:
良かったと思います。
あまりにも政治がひどいわけですから、政治にはもう任しておけない。
自分たちで決定したいとみなさんが思われたのだと思いますし、
私はもともと、一人ひとりが物を考えて下さいとみなさんにお願いしてきましたし、
こういう条例が出来る事を私は願います。

水野:
これからまた、いくつか議会に通してというようなハードルはありますけども、
まずは第一歩が踏み出せるという事に市民グループとしてはなったということですね。

小出:はい、

水野:
そしてですね、次に伺いたいのは、
原発の稼働を40年とする。40年経ったら、おしまいにする、廃炉にするという事を法で決めますと、
いう方針を細野原発大臣が発表しました。
で、国が原発の運転の期間を法で定めるのはこれが初めてという事なんですね、
ただこれ、例外で延長もあり得るんだというふうに文言が付いております。

小出:だそうですね。

水野:これについては小出さんはどんな風に見ていらっしゃいますか?

小出:
私は、もうこの番組でも何度も聞いていただきましたけれども、
「全ての原子力発電所を即刻止めるべきだ」と言ってきたわけで、
40年経ったから止めろとか、30年で止めろとか、そういうふうに言ってきたつもりはありません。
「新しく動き始めた原子力発電所でも、全て止めなければいけない」と私は言ってきたわけですから、
政府が40年で止める、それも例外を認めるだなんていう話はですね、
私から見れば、もう言語道断な事だと思います。

水野:
あの、この例外はね、どういうふうに認めるというふうに今言っているのかと言いますとね、
電力事業社から申請があった時は、
施設自体の老朽化と、施設を保全できる技術的能力について審査をして、問題がない限り延長を承認する。
という事なんですね。

これ、小出先生からご覧になったら、
ま、小出先生は大前提からしておかしいという考え方ではありますが、
本当にこういう事が法的にね、Go したときにですよ、
審査する基準は施設自体が老朽化していないか、そして、施設をちゃんとやっていける技術的能力があるかどうか、
「それで問題がなかったら」っていう前提なんです。
これは、どれ位科学的なものなんですか?

小出:
福島第一原子力発電所に対しても、国は厳重な安全審査をして、
東京電力に技術的な能力がある、老朽化の問題もないと言って、お墨付きを与えながら来て事故になっている、のです。

水野:そっか、

小出:
それをまた偉そうに国が審査をして、「安全であることを認めてやる」という事を言っている訳で、
「まずはあなた達すべてやめた方がいいんじゃないですか」、と私は言いたくなります。

水野:
うーん、これ、逆に言うとざる法といいますかね、例外規定もありますので。
意味がなさないというような恐れもあるんじゃないかと、

小出:
ま、私から見ればそうですけれども、
40年という年限を切ったという事が、皆さんにとっては真新しく見えるかもしれませんし、
それなりの一つのステップを踏んだという事は確かに、あるとは、おもい、ます。
でも本当はそんなことではないんだという事を、みなさんに分かって欲しいのです。

平野:
そうですね、
美浜の関電の1号機とか敦賀の日本原電の1号機、これはもう41年になっているわけですよね。

小出:そうです

平野:
だから、40年で本当に切ってやる気があるんであれば、これはもう、
先生が先ほど言われた即刻廃炉ですよね。

小出:そうです

平野:それをやる覚悟みたいなものが全く無さそうですし、

小出:また例外で、生き延びさせようというふうにしているんだろうなと思いました

平野:
だから逆にいうと、再稼働への地ならしみたいな
延長容認でですね、やる気配が、なんか濃厚ですよね。

小出:そうですね

水野:これだって、新しい原発も作れそうに読めますがね。

小出:もちろんですね、40年間は動かしてもいいよとそういう宣言をしているわけですね。

平野:そうですよね

水野:ふぅ~ん
今まででも、30年経ったら10年ごとに国に延長を申請して寿命を延ばしてきたんですよね。

小出:はい。

水野:これは法律では決められていなかったけれども、現行はそうだったんですよね。

小出:はい

水野:
という事はなんか逆に30年ではもう申請しなくて、
40年まで申請しなくても良い
というふうに、わたしは、素人ながら読んだんですけど。

小出:
まァ、どんな風にも読めるだろうし、
国の方がどんな風にも運用しようかと思うかによって、全てが決まってしまう事だと思います。


水野:
それからこの老朽化ということのメカニズムについても伺いたいんですけどね、
福島第一原発では、運転40年が経過した1号機の建屋は吹っ飛びましたよね、水素爆発で。
しかしながら東電や保安院はこう言っています。
「老朽化で事故が拡大したというような影響は無かった」というんですね。
原発というのは老朽化しても、やりよう次第で安全を確保できるんですか?

小出:
事故というものは、老朽化によって起きる事故もあるし、

水野:も、あるんですか?

小出:はい
老朽化とは全く関係なく起きる事故もあるわけですね。
たとえば、人間が遭遇した最大の原子力発電所事故はチェルノブイリ原子力発電所の事故でしたけれども、
あの原子炉はソ連切っての最新鋭の原子力発電所で、2年しか運転していませんでした。

水野:2年でしたか!

小出:はい
その前には米国のスリーマイル島の原子力発電所が事故を起こしたのですが、
あの原子力発電所は動き始めて3か月でした。

水野:3か月・・・!

小出:
ですから、老朽化なんていう事とは全く関係なく事故は起きるのです。
そうではなくて老朽化が原因で事故が起きるという事もありまして、
たとえば美浜3号機で、二次系の配管が破断して、5人の作業員が熱湯を浴びて死ぬというような事がありましたけれども、
あれはまさに老朽化で、パイプが削り取られていて破断をしたという事でした。

水野:何で削り取られていたんですか?

小出:
これはですね、大変難しいんですけれども、
流量を測るためのオリフィスという、そういう測定器があるのですが、
そのオリフィスの下流に冷却水が渦を巻くんですね、
その渦を巻くことによって、配管が炭素鋼ですけれども、それが削り取られていって、
どんどん、どんどん薄くなっていって、ある時点で耐えられなくなって破れたというのがあの事故、でした。
ですから、それはまさに年月との戦いだったのですけれども、
まともな検査もしていないまま、破れるに任せてしまったという、そういう事故でした。

水野:そうか、・・事故は新しくても起こるし、古くてもまた、違う意味で起こると。

小出:そうです

水野:ハァ~・・

小出:
福島第一の場合に老朽化というのがどこまで寄与したかという事は、
今のところよく分かりませんし、残念ながら多分、それを調べる事も出来ない

水野:できないですか、

小出:
要するに、近づく事がもうできませんので、
事故原因を調べることもでき無いという、そういう状態になっていますので、
福島に関しては多分分からないまま行くだろうと思います。


水野:
それからもう一つ伺いたいんですが、
福島第一原発の事故の2週間後の段階で、
「政府が想定していた最悪のシナリオ」というものが今になって明らかになってきました。
で、これはですね、4号機の使用済み核燃料のプールの中にある燃料が溶けるという事を想定したんだそうです
で、最悪の場合どういう事が起こるかと言いますと、
住民で希望する人たちがいたら移転を認めるべきだという地域は、どこまでかというのが、
半径250キロの外側まで発生する可能性があるっていうんですね。
250キロっていうとどこかというと、横浜あたりになります。
つまり、東京も含めて首都圏の多くの地域から非難が必要であるという事態を、政府が想定していたと、
いう話が出てきました。
で、わたくし思いだしたんですが、
小出先生は、確か、
4号機というのはいまだ、いろいろと心配な事があるんだよと、おっしゃった時があったかと思うんですね。

小出:そうです

水野:4号機のプールというのは今どういう状況なんですか?

小出:
使用済みの燃料プールというものは、放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器という容器の
さらに外側にあるのですね。
つまり、その放射能を閉じ込めるという防壁に関していえば、
何もないという場所に使用済み燃料プールがあるのです。
そしてそのプールのなかに、
4号機の場合には原子炉の中に通常入っている燃料の、
2倍、あるいは3倍ぐらいの使用済み燃料が溜まっている
のです。

水野:2倍3倍溜まっている。

小出:はい、
そして、4号機というあの建物はですね、水素爆発でやはり吹き飛んでいるのですけれども、
4号機の場合の水素爆発は非常に変わった形で起きていまして、
1号機も3号機もオペレーションフロアーと私達が呼ぶ最上階の部分で爆発が起きて
いわゆる体育館のようなどんがらな部分が吹き飛んでいるのですが、

4号機だけはそうではないのです。

そのどんがらの部分も吹き飛んでいるし、さらにその下の1階、
さらにまた、そのもっと下の1階分位の建屋が爆発で吹き飛んでいる
のです。
実は、だからそこに、使用済み燃料が埋め込まれている場所というのが、すでに爆発で破壊されている訳で、
何時、使用済み燃料プールが崩壊してしまうかがわからないという、
そういう状態が、3月15日でしたでしょうか、4号機の爆発以降ずーっと続いているのです。



水野:
えっ!今も続いているっていうことですね、
その、プールが崩壊の危機にさらされている方今日は今も続いているんですね。


小出:
ただし、東京電力ももちろんそのことの重大性に気が付いていまして、
4号機の使用済み燃料プールをとにかく崩壊から守ろうとして、
耐震補強工事というのをやったのです。
でも、あまりにもひどい作業環境で工事を行ってきているわけだし、それしかできないわけで、
ゆっくりゆっくり、きちっとした工事をしていくという事が実際上出来ない現場なんですね。
そこでまた、東京電力は「苦闘しながらやった」と言っているんですけれども、
これからまだ余震も来るでしょうし、
次に大きな余震が来た時に4号機の使用済み燃料プールが「本当に壊れないんだろうか」ということが
私は不安なのです。

もし壊れてしまえば、政府が3月15日の頃に予想したように、
250キロというようなところも膨大な汚染を受けることになると思います。

水野:そういう不安な状況が今も続いていると認識しなければいけないんですね

小出:そうなのです。







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コメント
近藤駿介内閣府原子力委員長が作成した「最悪シナリオ」は、、
最悪シナリオと言いながら、水蒸気爆発を想定していない点で、
甘かったとしか表現の仕様がない。
専門家からは、再三水蒸気爆発の危険性が指摘されていた。
それなのに,この報告書には水蒸気爆発の時の被害予想が書かれていない。
「1~3号機のいずれかでさらに水素爆発が起き原発内の放射線量が上昇。余震も続いて冷却作業が長期間できなくなり、4号機プールの核燃料が全て溶融したと仮定した。」場合の被害予想にしかすぎない。
決して、最悪のシナリオとは、呼べるものではなかった。

もし、1号基から6号基のすべての原子炉が、
水蒸気爆発を起こし、
さらに、すべての使用済み核燃料が燃料溶融を起こしていたら、どこまで被害は拡大したのであろうか。
それが、本当の最悪のシナリオだった。

急性の死者の数も、数十万人に達していたし、
さらに、晩発性のガン発症数は,数百万人に達していただろう。

また、福島第二原発も同じ事態になっていたら、今頃どうなっていたのか。


私達は、ほんの10ヶ月前に日本が、
国家の存亡の危機に直面していたことを決して忘れてはならない。

チャリ77 | 2012.01.11 01:27 | 編集
いつも貴重な情報をありがとうございます。
ホットスポットの千葉県我孫子市の市民団体「原発のない社会をめざす会」です。原発市民投票@大阪の記事を転載させていただきました。
かつて、常設型市民投票条例制定の折、事務局長の今井一氏を講師にお招きしたことがあります。
原発のない社会をめざす会 | 2012.01.11 10:32 | 編集
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