fc2ブログ
02.09
Thu
アイリーン・未緒子・スミスさんがゲスト
・福島第一4号機は大きな余震に耐えられるか
・地下水への汚染の流出について
・海外の人は日本をどう見ているのか

2月8日水曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]



小出先生のコーナーの続きはこちら↓
今日の特集「水俣病から見つめる原発事故の未来」
アイリーン・未緒子・スミス たねまきJ2/8(内容書き出し)





続きを読むに内容を書き出しました






水野:
小出さん、今日はたねまきジャーナルのスタジオに
グリーンアクション代表のアイリーン・未緒子・スミスさんがお越しでございます。
小出さんはアイリーンさんとは面識は?

小出:はい、仲良しです。

水野:
あ、そうだったんですか、それはどうも。
アイリーン・未緒子・スミスさんも、原発の問題にかかわられて、もう、何十年もという事ですけれども、
今日、せっかくですから、小出さんに今お聞きになりたい質問がありましたらどうぞ。

アイリーン・未緒子・スミス:
ちょうど、今日も今さっき地震があって、地震の事がすごく心配で、
やはり、福島県とかその付近で地震があるたびに、すごく心配なので、
今の原発の状況からみて、また、地震が、結構大きいのがあったらどうなるのか、
特に4号炉の使用済み燃料プールとか、

水野:福島第一原発の4号機のプールですね。

アイリーン:はい。
だから、その事をぜひ聞きたいという事と、
あと、事故が結構ひどいので、地下水に汚染が入っていくという問題について、
その2点ぜひ聞きたいなと思っています。

水野:小出さん今一番心配していらっしゃるのはどの点なのでしょうか

小出:
いま、アイリーンさんがちゃんと言って下さったけれども、
4号機の使用済み燃料プールというのは、宙ぶらりんのような形になっていたんですね。
で、東京電力が耐震補強工事をしたと言っていますけれども、
その工事も猛烈な放射線被ばく環境で行われたわけで、
どこまできちんとできたかすらが分からない。
本当に大きな余震が来た時にどうなってしまうんだろうかと、
それは私も不安ですし、多分東京電力も不安だろうと思います。
そのため東京電力が作っている工程表では、
とにかく4号機の使用済み燃料プールの中に溜まっている燃料を、一番初めに取りだしたいという、
そういう工程表になっています。
もちろんそうしなければいけません。
大きな地震が来ない事を願うという、それしかできる事がありませんので、

水野:
見込みとしては、4号機のプールから使用済み核燃料を全部取りだせるのって、
何年ぐらいかかるんですか

小出:
東京電力の工程表では確か3年とか、4年後だったと思います。
とっても難しいことです。

水野:3~4年で出来ると小出先生は思われますか?

小出:え・・・わかりません。
それより前に、本当に余震でまた崩れてしまえばおしまいになってしまうわけですし、
何とも予測の出来ないことです。

水野:
それから、アイリーンさんがおっしゃった、やはりこの地下水への汚染水の流出ですよね

小出:
はい、これはもう、私は去年の3月からずーっと言っていますが、
日常的にどんどん漏れていますので、

水野:今も漏れているんですよね

小出:
当然です。
建屋の地下とかですね、トレンチとかピットとかいう、コンクリート構造物の中に汚染水が溜まっているわけで、
割れてない筈がない。のです。
どんどん、どんどん漏れている筈で、
私はもう、一刻も早くタンカーに移してくれと3月から言い続けたのですが、
とうとう、ほぼ、もう一年経っても何もしてくれないという、そういう状況です。

水野:
アイリーンスミスさんは今も、
原子力行政をつかさどっている経済産業省の前で、座り込みをなさっていたりという活動を
具体的になさいますよね。
で、小出先生はよくおっしゃるんですけれども、
「私は政治に絶望しました」とおっしゃるじゃないですか、

小出:(笑)はい

水野:
そういう意味では、この原発問題に対する動き方って言うかね、
係わり方というのが、お二人はどうなのかなぁ・・
同じところもあり、違うところもありなのかな?と私は想像するんですが、

小出:
アイリーンさんの方が僕より遥かに偉いし、活動的だし、パワフルだし、
頼りにしています。

アイリーン:
あの、私、一番言いたいのが、いつも先生、先生って言っちゃった、ごめんなさい(笑)
えっと、小出さんはもう、政治に絶望したとかなんか言いながら、
そういうふうに言っているけれども、行動はそれを示していないと。
行動はやっぱり希望を持っていると、やっぱりどんどん言っていかなきゃと、
やっぱり物事を変えていかなきゃという、
もう、その勢いがすごく見えるので、はい、
おっしゃっている事と実際にやっている事と、やっていることの方が実際すごく活動的なので、
そういううふうに思います。

水野:こんどうさ~ん、
お二人がそれぞれ、もう何十年と、原発問題と向き合ってこられたわけですよね。
やっぱり、そういう方が実はいらっしゃったんだということをね、
なかなか私は、申し訳ないけれども、
3.11以前に、ちゃんと認識できていなかったなというところが私にあるんですよね。

近藤:
今の事態はともかくも、
本当に、技術過信の時代がこれからどうなっていくのかという事に対して、
いろんな方が実は警世っていうか、警告的な物を書いたり、しゃべったりしていますよね。
僕らはそれを改めて読んで、「そうだったんだ」という事を今かみしめているわけで、
本当に、膨大な空白の時間を、我々は過ごしていたなという思いに今、囚われていますよ。
で、私はそれにつけてもですね、たとえば、
原発誘致のいろんな自治体が立派な絵をもらったり、体育館を建ててもらったり、
ま、あれもね、小出先生、
ああいう自治体というのは地元に対して多少そのいろんな思いというものを私は持つんですけれども、
いずれにしても住民の命を担保にしてお金が流れるわけじゃないですか

小出:そうですね

近藤:
その事を考える。
そして、東大の原子力ムラを頂点としたですね、
原子力ムラの頂点の東大の研究にどんどんお金が流れていたという事もいろんな形で示されています。
そういうことが、いろんな、
金にいろんな事がまみれてこういう実態があるにもかかわらず、
なおかつ平然とその状況が続いているこの国のありよう
って言うんですか、
これに何の痛みも覚えず、走っている役所があるとしたら、
とてもじゃないけど、先生その、政治への絶望もさることながら、
なんて言うんでしょう、
いろんな日本の仕組みそのものが我々を包括しているとはとても思えないし、
我々を幸せにしてくれるシステムになっているなんて到底思えないんですよね。
だから、そういう意味で絶望する事も無く、しかし・・・

水野:絶望もせず、

近藤:
なんかやっぱり、限界というものを感じつつ立ち上がるっていうかなぁ・・・
そういう思いを最近強くしますね。

水野:去年の3月11日にアイリーンスミスさんはアメリカにいらっしゃったんでしたっけ?

アイリーン:はい。事故の事を聞いた時はアメリカにいました。

水野:そのアメリカなど海外はね、どういうふうに見ているんですか?

アイリーン:
当時は海外はものすごく、それまで警告していた科学者とか市民に関心があって、
ものすごくインタビューを受けたんですけど、
でも、日本のメディアは全くそういう方にインタビューしないというか、
特に、たとえば地元でずっと反対してきて、原子力発電所を建設するのを止めた人たちとか、
それから、警告してきた科学者とか、学者の方ですね。
地震が危ないとか、そういう方がインタビューされなかったと。
で、いまですけれども、
今海外がどういうふうに見ているかというと、
やはり、非常に外から客観的に地震国だとみているので

水野:地震が多いんだと

アイリーン:そうですね、
で、福島の結果をヨーロッパとかはものすごく影響を受けて、
実はドイツは原発を延命しましょうと決めていた最中に福島の事故が起こって、
それで、脱原発を決定したんですよね

水野:えー!?、ドイツはいったんは原発延命に動いていたんですか

アイリーン:
ハイそうなんです。
だから海外で、自分たちの国はものすごく影響を受けたけれど、
じゃぁ実際事故が起こった国では、どういう選択をするのか。
原子力についてこれから本当に運転を再開してしまうのかどうか、っていうこと。
そういう事を注目されていると思います
ね。

水野:
小出先生はそれこそいろんな海外からのインタビューを受けられたでしょうけれど、
現在海外の人達がどういうところに一番注目しているって感じていらっしゃいますか?

小出:
この日本という国が大変不思議な国だと、
皆さん思っているように私は感じます。
マスコミとかジャーナリズムと呼ばれているような世界の人達が、
いわゆる政府の報道をそのまま垂れ流すというんでしょうか、
報道してきたという事に「なんでなんだ?」と私は聞かれるんですね。
「ジャーナリズムってそんなもんじゃない筈だ」と彼らは言って、
「どうして日本って、そんな国なんだ?」と私は聞かれて、答えに詰まるという、
そういう状況がずーっと続いてきました。
日本のマスコミとかジャーナリズムの人には、良くこの事態を考えて欲しいと私は思います。





関連記事
comment 0
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top