「増子理香」2.11さようなら原発1000万人アクション
増子理香さん(つながろう!放射能から避難したママネット@東京)
こんにちは
繋がろう放射能から避難したママネット@東京の増子と申します。
壇上から僭越でございます。
本日は素晴らしい集会にお招きいただきまして、心から感謝しております
皆さまの脱原発、反原発活動に、敬意を表しております。
どうぞ引き続き福島の子どもを守る活動や、政府の心なき対応に物申す行動を
一緒につながって活動して下さるとうれしいです。
わたくしは福島県三春町から5月に娘と東京に避難してきた者です。
自主的避難者の立場として、一人の母親として、
わたくしメッセージで恐縮ですが、ささやかな思いを御拝聴いただければ嬉しいです。
わたくしは、黒毛和牛と、田んぼと畑を立てる農家に嫁ぎまして、
自分なりの農業をするために有機農業JASの認定を受けながら、
インターネットで全国宅配をしたり、近隣のお宅にお野菜を配達していました。
手には鍬の豆を作り、土と肥しにまみれたとても充実した日々を福島で送ってまいりました。
しかし、あの日を境に、私たちの福島は一変しました。
国や県から施行される安全宣言とは裏腹に
驚くような数値を示すガイガーカウンターの表示
自主的な非難を決断しなければならず、同居家族の軋轢を抱えたまま、
夫を福島に残し、小学生の娘と二人で身を寄せ合って暮らしています。
4月、小学校に入学した神々しい顔の娘の顔には、白く大きなマスクがありました。
文科省から配布された「年間20ミリシーベルト以下は安全だ」という、保護者への便り。
地産地消の学校給食。
その時、娘の学校の校庭は、毎時2.2マイクロシーベルトでした。
水道水への不安から娘に持たせた水筒は、一滴も娘の喉を潤すこと無く持ち帰られました。
「学校の水道水は安全だから水筒を持って来てはダメ」と担任の先生から言われたのです。
「ママが水道のお水は危ないからっていうから、私一滴も飲まなかったよ」
「のどが渇いたけど我慢したよ」
誇らしげに報告する娘がいました。
学校と行政、大人の間で翻弄される、この幼いわが子は
自分で自分の命の選択をしたのです。
5月、被災の証明がないという事で、都営住宅やURには受け入れを拒絶され、
現在は善意の一般の方から住宅を提供して頂き、娘と避難をする事が出来ました。
偶然にもおととい、家主さんが夕食にご招待して下さり、こう、おっしゃりました。
「あなたも東京都民になったのだから、子どもさんの新学期の前に都営住宅にでも移られたらどうですか」
避難を相談した時の落胆した夫の顔。
見送りにも出てこなかった義理の父。
荷物をまとめて東京に来た時の事が、走馬灯のようにゆっくり脳裡を流れました。
私たちはまた、あの日に戻ってしまったのでしょうか。
「また、転校だね」ぽつりと言う娘。
幼いわが子は大人たちの中で繰り返される会話を聞き、咀嚼し、そして、子どもなりの理解をしたのです。
ひと月先の寝どこさえもままならぬ事を。
学期途中で転校し、やっとの思いで溶け込んだ学校や友達。
定住出来ないからと、何件も受けてやっと決まった職場。
あれから一年もたたないうちに小さな娘に押し付けられる人生の選択は、
あまりにも厳しい試練のように思えてなりません。
私たち福島県民は、儚い一艘の小舟です。
さざ波の上をくるくると流れていく、枯れ葉の小舟です。
この手にしっかりと携えていたはずのオールは何処かに流され、
今握りしめているものは、幼いわが子の小さな、小さな手だけです。
「この子だけでも守りたい」
「この子に夢と希望のある未来を見せてあげたい」
私たちの願いは人の親であれば誰でも思うささやかなものです。
これ以上福島の子どもに悲しみを負わせないでほしい。
もう、これ以上生きる希望や夢を奪わないでほしい。
福島に残してきた自分と、ここにいる自分が、いつも心の中で叫んでいます。
引き裂かれた二つの自分が、いつか一つになれることを夢見て。
どうか、福島から学び、同じ過ちを繰り返さぬよう、
私達が出来ることの限りを尽くしたいと思います。
皆さまと繋がって、力を蓄えたい。
私たち避難者にもできる事はあります。
避難者が立ち上げた
繋がろう放射能から避難したママネット@東京は、
福島の子どもを守るため、避難した子どもを守るため、
ささやかではありますが、目に見える活動を進めています。
皆さま、どうぞ一緒に繋がって下さい。
今日はありがとうございました。
増子理香さん(つながろう!放射能から避難したママネット@東京)
こんにちは
繋がろう放射能から避難したママネット@東京の増子と申します。
壇上から僭越でございます。
本日は素晴らしい集会にお招きいただきまして、心から感謝しております
皆さまの脱原発、反原発活動に、敬意を表しております。
どうぞ引き続き福島の子どもを守る活動や、政府の心なき対応に物申す行動を
一緒につながって活動して下さるとうれしいです。
わたくしは福島県三春町から5月に娘と東京に避難してきた者です。
自主的避難者の立場として、一人の母親として、
わたくしメッセージで恐縮ですが、ささやかな思いを御拝聴いただければ嬉しいです。
わたくしは、黒毛和牛と、田んぼと畑を立てる農家に嫁ぎまして、
自分なりの農業をするために有機農業JASの認定を受けながら、
インターネットで全国宅配をしたり、近隣のお宅にお野菜を配達していました。
手には鍬の豆を作り、土と肥しにまみれたとても充実した日々を福島で送ってまいりました。
しかし、あの日を境に、私たちの福島は一変しました。
国や県から施行される安全宣言とは裏腹に
驚くような数値を示すガイガーカウンターの表示
自主的な非難を決断しなければならず、同居家族の軋轢を抱えたまま、
夫を福島に残し、小学生の娘と二人で身を寄せ合って暮らしています。
4月、小学校に入学した神々しい顔の娘の顔には、白く大きなマスクがありました。
文科省から配布された「年間20ミリシーベルト以下は安全だ」という、保護者への便り。
地産地消の学校給食。
その時、娘の学校の校庭は、毎時2.2マイクロシーベルトでした。
水道水への不安から娘に持たせた水筒は、一滴も娘の喉を潤すこと無く持ち帰られました。
「学校の水道水は安全だから水筒を持って来てはダメ」と担任の先生から言われたのです。
「ママが水道のお水は危ないからっていうから、私一滴も飲まなかったよ」
「のどが渇いたけど我慢したよ」
誇らしげに報告する娘がいました。
学校と行政、大人の間で翻弄される、この幼いわが子は
自分で自分の命の選択をしたのです。
5月、被災の証明がないという事で、都営住宅やURには受け入れを拒絶され、
現在は善意の一般の方から住宅を提供して頂き、娘と避難をする事が出来ました。
偶然にもおととい、家主さんが夕食にご招待して下さり、こう、おっしゃりました。
「あなたも東京都民になったのだから、子どもさんの新学期の前に都営住宅にでも移られたらどうですか」
避難を相談した時の落胆した夫の顔。
見送りにも出てこなかった義理の父。
荷物をまとめて東京に来た時の事が、走馬灯のようにゆっくり脳裡を流れました。
私たちはまた、あの日に戻ってしまったのでしょうか。
「また、転校だね」ぽつりと言う娘。
幼いわが子は大人たちの中で繰り返される会話を聞き、咀嚼し、そして、子どもなりの理解をしたのです。
ひと月先の寝どこさえもままならぬ事を。
学期途中で転校し、やっとの思いで溶け込んだ学校や友達。
定住出来ないからと、何件も受けてやっと決まった職場。
あれから一年もたたないうちに小さな娘に押し付けられる人生の選択は、
あまりにも厳しい試練のように思えてなりません。
私たち福島県民は、儚い一艘の小舟です。
さざ波の上をくるくると流れていく、枯れ葉の小舟です。
この手にしっかりと携えていたはずのオールは何処かに流され、
今握りしめているものは、幼いわが子の小さな、小さな手だけです。
「この子だけでも守りたい」
「この子に夢と希望のある未来を見せてあげたい」
私たちの願いは人の親であれば誰でも思うささやかなものです。
これ以上福島の子どもに悲しみを負わせないでほしい。
もう、これ以上生きる希望や夢を奪わないでほしい。
福島に残してきた自分と、ここにいる自分が、いつも心の中で叫んでいます。
引き裂かれた二つの自分が、いつか一つになれることを夢見て。
どうか、福島から学び、同じ過ちを繰り返さぬよう、
私達が出来ることの限りを尽くしたいと思います。
皆さまと繋がって、力を蓄えたい。
私たち避難者にもできる事はあります。
避難者が立ち上げた
繋がろう放射能から避難したママネット@東京は、
福島の子どもを守るため、避難した子どもを守るため、
ささやかではありますが、目に見える活動を進めています。
皆さま、どうぞ一緒に繋がって下さい。
今日はありがとうございました。
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コメント
三原町→三春町
| 2012.02.11 20:18 | 編集
増子さんは、文科省から「年間20ミリシーベルト以下は安全だ」という保護者向けの便りが配布された、とおっしゃってます。しかし、勘違いの可能性があります。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2011/11/04/1313005_01_2.pdf
これは文科省の小学生向けの放射線副読本です。この13ページに100mSv以下の被ばくについて「放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません」とあります。これは「疫学的に証明されていない」ということで、事実です。
そして文科省は「病気になった明確な証拠はない」と言っているだけで、「病気にはなりません」とも「安全です」とも言ってないのです。
これが文科省の狡猾なところで、事実の一部だけを書いて読んだ人が「証拠がないなら安全なんだな」と誤解するような書き方をしているのです。
だから増子さんもこの副読本のような書き方の便りをもらい、「安全だ」という便りをもらったと誤解している可能性があります。
もっとも実際に見てみないと断言は出来ないのですが、
①増子さんの誤解であるなら、ママネットをされているような方でさえ文科省の便りを誤解されてる
②実際に文科省が「安全だ」という便りを配布したのであれば、放射線被害には安全値はないという点から反論出来る
ということになります。
出来ればその文科省の便りを見てみたいです。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2011/11/04/1313005_01_2.pdf
これは文科省の小学生向けの放射線副読本です。この13ページに100mSv以下の被ばくについて「放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません」とあります。これは「疫学的に証明されていない」ということで、事実です。
そして文科省は「病気になった明確な証拠はない」と言っているだけで、「病気にはなりません」とも「安全です」とも言ってないのです。
これが文科省の狡猾なところで、事実の一部だけを書いて読んだ人が「証拠がないなら安全なんだな」と誤解するような書き方をしているのです。
だから増子さんもこの副読本のような書き方の便りをもらい、「安全だ」という便りをもらったと誤解している可能性があります。
もっとも実際に見てみないと断言は出来ないのですが、
①増子さんの誤解であるなら、ママネットをされているような方でさえ文科省の便りを誤解されてる
②実際に文科省が「安全だ」という便りを配布したのであれば、放射線被害には安全値はないという点から反論出来る
ということになります。
出来ればその文科省の便りを見てみたいです。
文字起こしご苦労様です。
コピペして私のブログで使わせていただきます。
私も昨日の集会に参加しました。
増子さん、途中で涙声になってこちらもホロリとなりました。
さて、上から2行目と下から4・5行目に誤字がありますので、訂正をお願いします。
>放射能から非難した
>非難したママネット
>非難した子どもを守るため、
非難 → 避難
コピペして私のブログで使わせていただきます。
私も昨日の集会に参加しました。
増子さん、途中で涙声になってこちらもホロリとなりました。
さて、上から2行目と下から4・5行目に誤字がありますので、訂正をお願いします。
>放射能から非難した
>非難したママネット
>非難した子どもを守るため、
非難 → 避難
yajiuma | 2012.02.12 17:32 | 編集
非難と避難ではあまりの違い(ノ>。☆)ノ キャッ!
教えて下さってありがとうございます。
訂正しました。
教えて下さってありがとうございます。
訂正しました。
ki-ko | 2012.02.12 18:06 | 編集