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02.14
Tue

シュミーヒナ・タチアナ部長(小児血液病科)

今年の3月に亡くなった、ビクトル君の例をお話ししましょう。
この子は、ホイニキという町で育ちましたが、そこはかなり放射能汚染が激しい地域です。
ビクトル君の白血病は病状の悪化が驚くほど速くて、
しかも、肝臓も脾臓もリンパ節も急激に腫れていきました。
その上、中枢神経にも癌細胞が入りこんでいました。
こうした白血病はめったに見られないタイプのもので、
やはり、放射能の影響があったのではないかと私は考えています。




チェルノブイリ小児病棟~5年目の報告~

1991年8月4日放送




続きを読むに内容書き出し


なぜ子どもたちの白血病が増えたのか
3人の広島の医師たちは事故の前にさかのぼって、過去15年間の子どもたちのカルテを全て調べる事にしました。

白血病は広島・長崎の被爆者や
放射線業務の従事者に多いことから、
放射線の影響によっても発病すると考えられています。

しかし、その因果関係は明らかではありません。

カルテの中にこれまでは見られなかった特異な4つの症例が見つかりました

いずれも白血球の増殖がきわめて速く、治療が追いつかないまま死亡したケースです。
4人とも避難対象になっている高濃度汚染地帯に住んでいました。

5年後148

小熊信夫助教授(広島大学原爆医療研究所):
最近、まれなケースが、少し経験されていて、ま、4例ですけど、
そういったのが、ひょっとしたら放射能の影響かもしれないと、いうことで、
今日僕らはちょっとカルテを見たんですが、
先生もそういうふうにお考えだろうと思うんですよ。

5年後149

シュミーヒナ・タチアナ部長(小児血液病科):
放射能との関係ははっきりしませんが、推測することは可能です。
具体的には今年の3月に亡くなった、ビクトル君の例をお話ししましょう。
この子は、ホイニキという町で育ちましたが、そこはかなり放射能汚染が激しい地域です。
ビクトル君の白血病は病状の悪化が驚くほど速くて、
しかも、肝臓も脾臓もリンパ節も急激に腫れていきました。
その上、中枢神経にも癌細胞が入りこんでいました。
こうした白血病はめったに見られないタイプのもので、
やはり、放射能の影響があったのではないかと私は考えています。


ゼベノク・ビクトル君のカルテです。
ビクトル君が急性白血病で死亡したのは、今年の3月、11歳でした。

5年後150

2月中旬、ベクトル君は突然胃の痛みを訴えました。
地元ホイニキの病院で診てもらったところ、白血球の数は正常で、軽い貧血と診断されました。

8日後、突然高熱が出て、ゴメリ州立病院で検査が行われました。
この時初めて白血球が増加している事が分かりました。

すぐに抗がん剤が投与されましたが、効果はなく、
わずか2週間で、白血球は健康な人の10倍になりました。

白血病の進行とともに、肝臓、腎臓、脾臓なども腫れ、
ビクトル君は3月3日、肺出血が原因で死亡しました。

発病からわずか20日後のことです。


5年後151
小熊:
非常に興味を持ったというのはですね、むこうのドクターも言っておられましたけど、
4例ほど、非常に進行の速い白血病。
僕らはよくアグレッシブという言葉を使うんですが、
非常に進行の速い白血病を経験したという事で、
ひょっとしたら、こういうふうに放射能に影響した白血病というのは、
こういうふうな、臨床的には非常に特徴のある白血病の経過を取るのかもしれないと、
ま、これは、印象だけで、
今後こういう点についてですね、細かく分析を、その目で注意しておかなければならないと考えております。


広島の医師たちはビクトル君が育ったホイニキを尋ねました。
ホイニキはチェルノブイリから北へ70キロ
1平方キロあたり、5キュリーから15キュリーの汚染地帯です。

5年後152


しかも町のあちこちに、局地的に非常に強く汚染された場所があります。
いわゆる、ホットスポットです。


ホイニキ

ホットスポットではチェルノブイリ原発の周辺と同じレベルの値を示すことがあります。
しかし、それがどこにあるのか市民には分かりません。

ホイニキの町が放射能で汚染されている事が分かったのは、事故から3年もたってからの事でした。

佐藤教授はビクトル君が暮らしていたアパート周辺の放射線量の測定を行いました。

5年後153

佐藤:あ、0.32になった・・・0.33。0.33っていうと、

Q:かなり強いですか?これは、

佐藤:
うーん・・・そうですね、
あの、ここにいたからすぐに危険が起こるっていう事じゃないけど、
広島の6倍ぐらいになりましたね。
広島は0.06~7なので5、6倍。・・・・0.38



小熊助教授はビクトル君の家をたずねました。
ビクトル君は両親、そして4つ年下の妹とともにこのアパートで暮らしていました。
ビクトル君の家族は事故の3年前、母親の故郷であるホイニキに引っ越してきました。

5年後154

小熊助教授は妹のユーリアちゃん(7)の健康を心配しています。
ビクトル君の白血病が放射能によるものだとすれば、
同じ環境で暮らしてきた妹にも影響が出ていると考えられるからです。


5年後155

母フィリポナさん:
妹の事がとても心配です。
胆のうとリンパ肥大があるんです。
娘のためにすぐに移住するように医者に言われました。

5年後156

小熊:
少しリンパ腺がはれていますね、
これは・・・・

診察の結果ユーリアちゃんは軽い貧血症でした。
さらに、首やわきの下など6カ所のリンパ節がはれている事が分かりました。

小熊助教授は両親の許可を得て、ユーリアちゃんの血液を採取しました。
持ち帰って、染色体検査をするためです。

5年後157

「終わったわ、いい子だわ。
きっと検査の結果は大丈夫よ」


広島

広島大学原爆放射能医学研究所

広島に帰った小熊助教授はさっそく血液の染色体検査に取り掛かりました。
持ち帰ったのはビクトル君の妹ユーリアちゃんと、集団検診の時に採取した8人の血液です。

血液から白血球を取りだし、細胞の標本を作ります。
細胞の核の中には遺伝を司る46本の染色体があります。
染色体は放射線によって傷つきやすい事が分かっています。
その1本1本について、傷があるかどうかを調べていきます。

染色体検査の結果、8人のうち3人から異常が見つかりました。
これはビクトル君の妹ユーリアちゃんの染色体です。
ユーリアちゃんからも異常が見つかりました。

5年後158

3番の染色体の一部分が欠けています。

5年後159

これ(17番)が3番からちぎれた染色体です。

5年後160



この子どもは10番の染色体が切れていました。
この子の妹は現在白血病で、入院しています。
5年後161


いずれの場合も今すぐ障害が出るという事はありませんが、
将来何らかの要因が加わって、癌などを引き起こす可能性があります。



ーーーつづく

<その5完より>繋がりの部分なので転記
5年後162

小熊:
この中に二人程、兄弟が白血病の方がいらっしゃいまして、
特にその二人の子どもさんについて注目して、いろいろと調べてみましたら、
二人ともですね、染色体異常が、安定型の染色体異常というのが認められたわけですね。
これはもちろん、非常に放射能の量としたら1ラド以下で少ない事なんですが、
これくらいの子どもさんで、こういう安定型異常が見られるということは、
過去に、おそらく放射能の影響でですね、
こういうDNAの傷が付いたという、証拠にななると思うんですね。



ーーーーー

「ホイニキは5~15キュリーの汚染地帯」
これは、今日本で使われているシーベルトで換算するとどの位なのか?
下記のサイトに答が書いてあったので転記します

専門家が答える 暮らしの放射線Q&A
日本保健物理学会


Q:ベラルーシの放射線量は何マイクロシーベルトだったのでしょうか。
A:最も濃度の高い地域として40 Ci/km2(1平方キロ当たり40キュリー)以上として示されていて、
 その中の最高汚染濃度がどれぐらいかはわかりません。
 この境界値は、40 Ci = 40 × 3.7 × 1010 = 1.48 × 1012Bq/km2ですので、
 これがすべてセシウム137と仮定して、
 沈着放射能と線量率の換算係数 0.00268(μSv/h)/(kBq/m2) を使って計算しますと、4.0μSv/h となります。

40キュリー=4.0マイクロシーベルト/h

ということは、ホイキニの汚染は
0.5~1.5マイクロシーベルト/hという事のようです。


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コメント
40 Ci/km2
=40 * 3.7*10^10 Bq/km2
=148 *ゼロ10個 Bq/km2
=148*ゼロ4個 Bq/m2
=1480000 Bq/m2
=1480 kBq/m2

沈着放射能と線量率の換算係数 0.00268(μSv/h)/(kBq/m2) を使って計算しますと
1480 * 0.00268 = 3.9664μSv/h
pochifx | 2012.11.24 13:17 | 編集
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