03.09
Fri
「震災がれきは焼却して安全か」青木泰さん講演会その2完 神奈川 2/11(動画&内容書き出し)
上記講演会の中で、
青木泰:
この話は阪南中央病院の副委員長の、村田三郎さんからお聞きした話なんですけれども、
今、武田さんなんかがずっと言われてきたように、年間1ミリシーベルトが被ばく限度量である。
これは、国の法律でも決まっているし、国際的にも確認されている量です。
ただしそれは、それだけではなくて、
実際に原爆投下によって、原爆症を発症した人たちが、
今までは爆心地から2キロ以内でないと、原爆症認定が行われなかった。
だけど、実際にですね、症状からいったら、脱毛とか、身体に紫斑が出るとか、
2キロ以内の被ばく者と変わらないような原爆症の発症をした人たちが、
認定の変更をする訴訟を起こして、17回から18回の訴訟で勝ってきた
それが2008年にようやく、国もこの事を認めた。
国が爆心地から3.5キロまでを原爆による被ばくという事で認めた。
その、3;5キロというのは1ミリシーベルトのところなんです。
だから、1ミリシーベルトというのは単に国の法律で決めましたっていうんじゃなくて、
長崎原爆の被ばくという、我々にとっては本当に重い現実の中から示されてきている数字なんです。
村田さんは、この話を私にしてくれた時に、
現状は年間20ミリシーベルトになるようなホットスポットというのは
福島県を中心にして、多数あるんです。
どんな影響が出るのかという事が本当に心配だと、言っていました。
と青木さんが話していらっしゃいました。
その村田三郎さんの講演動画がありましたので、その中から後半部分を紹介します。
ーーーーーー
日時:2011年7月31日(日曜日)13時30分-16時
会場:三郷市文化会館 2F 大会議室・視聴覚室
講師:村田三郎医師 (阪南中央病院 副院長・内科医)
―《講演者紹介》――――――――――――――――――--
村田三郎医師
・阪南中央病院 副院長
・広島・長崎の原爆被爆者の健康診断や診療、実態調査をおこなってきた。
・原発の労働者被ばく問題に長年関わり,
被ばく労働に関する労災認定に尽力してこられた。
・低線量の被ばくによる放射線障害、内部被ばくの危険性に警鐘を鳴らし続けている。
01:24
このみなさんがお住まいのところでも、山内さんの汚染の調査にありましたように、
最高0.32とかのマイクロシーベルト/hの汚染がありましたし、
小学校の正門で見つかったものでは、セシウム134と137で、これだけの被ばくがあって、
空間線量が1.86マイクロシーベルト/hであったというふうに言われています。
週刊現代の記事であれば、浄水場の正門では0.41マイクロシーベルト/h
地表では0.55マイクロシーベルト/hということになりますので、
先程の計算式に戻りますと、
0.11マイクロシーベルト/hで1ミリシーベルト/年になりますので
そこの場所にいると5ミリシーベルト/年の被ばくをしてしまうと、
年間を通して言えばそういうふうになると。
つまり、一般の人達の許容限度の5倍になるという事が、言えると思います。
暫定規制値
もともとある汚染の地図をもとにして、ある先生が評価したところでは、
山に降った雨が、川に流れ、川の汚染も進んでいると。
ですから、淡水でも、海産物だけではなくて、淡水魚も一定のリスクがあるというふうに言っておられます。
原発で、低濃度の汚染水を放出して高濃度の汚染水をためるということを
無断で東電がやったわけですけれども、
そういう事によって非常に広範囲の海洋汚染がすすんだ。
三重大学の勝川さんという方ですが、
いろんなデータを集めていくと、セシウムが福島県沖、茨城県沖、千葉沖という事で測定すると、
暫定基準値は500ベクレル/Kgですけれども、
それを超える魚とかがいますと、
茨城県沖で取れた者にも結構な物がありますということで、
ある程度産地別を見ながら食べていった方がいいのではないでしょうかということです。
水道水の汚染の問題は、東京都でも非常に問題になりました。
東京の浄水場の水が汚染されていたという事が問題になりまして、
暫定基準値というものが問題になったんですが、
この暫定基準値案をご存じだと思いますが、
3月17日に突如暫定基準値が変わりました。
この時にはまだ、マスコミにもどこにもオープンになっていなくて、
後でわかったんですけれども、3月17日に突如変わりました。
で、水道水の汚染というのも、まだ、実際に調べられてなかったんです。
政府は、水道水への汚染がすぐに広がっていくだろうという事を見越して、
3月17日に暫定値を変えたということです。
ですから、私もこの事を知らなくて、殆どの方がそうだと思うんですが、
実は、その30分の1,50分の1だったということです。
それをわかっていて、こういうことを、
これを全部食べても年間20ミリシーベルト位にしかならないだろう
という根拠でこの数字が決められたんじゃないかと思います。
で、年間20ミリシーベルトという数字は安全ではない数字だという事をこれからお話しをしていく訳ですが、
私たち放射線の作業従事者、
私は今日フィルムバッチを持ってきていないんですけれども、
バッチを毎月付けて仕事をします。
で、私は30何年間放射線科の仕事もしていて、20ミリシーベルト以下になるように、
きちっとした防護の体制で仕事をしなさいという事が放射線作業者に対する法律です。
ですから、20ミリシーベルトのところで遊んでもいいとか、
放射線物資血が外に出ないようにきちんとした管理をする。
持ち出す時にはノートに書いてですね、
実験する時には誰それがどれだけのものを使ったかという事をちゃんとノートに書いて、
それが減ってないかどうかもチェックします。
そういうふうな被ばく管理を必ずして、そして、この下にあるような、
この検診は私に言わせると、ちょっと不十分な検診なんですけれども、
少なくてもこの検診、
この緊急事態を予想して20ミリシーベルト以下にする事しかいろんな対策がとれないから、
このような数字が設定された
それから、アイソトープ協会の放射線関係の中では著名な権威者なんですけれども、
こういうふうな事を言っています。
「年間20ミリシーベルトの放射線労を浴びても、吐き気ややけどなどの身体的な影響は出ない」と。
「発がんのリスクはあるとされるけれども、被ばくしないで済むとのメリットがあれば、
こういうふうな数字でもやむを得ないでしょう」と。
そういう数字ですね。
で、もともと1ミリシーベルトであったところをICRPという、
国際放射線防護委員会というところに勧告をしてもらったみたいな形になって、
この勧告があるのでここまでにしますと、勧告は実は100ミリシーベルトまではあげてもいいと
言っていたんだけど、日本の政府としては20ミリにとどめますと、いうふうな、そういう論理です。
東京とか福島のお母さんたちのいろんな運動によって、
とりあえず1ミリシーベルト以下を目指すというふうに変更はしましたけれども、
決してそれが実現されている訳ではない
学校の校庭の土をはがしたり色々としていますけれども、
それは確かに一時的には減っているかもしれませんけれども、
今言いましたように放射性物質が今まだどんどん広がっている訳ですから、
拡散がされている訳ですから、ずっと減っている訳ではないし、
その処理した土をどこに持っていくかについても非常に問題になっている
今、測定の回数なども見直しをするという事で、
データをなるべく隠すというふうになっているんじゃないかというふうに思います。
尿検査
9:30
こういう事態の中で福島の子どもさん達が、内部被曝が深刻になっているという事で、
非常に特定の方ですけれども、
10人の子どもさん達の尿を調べられたんですね。
尿を調べますと、尿からセシウムが検出されたという事で、
セシウム134,137が1リットルに換算してですけれども、
134は最少0.4ベクレル/ℓ、最高1.06ベクレル/ℓ
137の場合は最低0.43ベクレル/ℓ、最高1.30ベクレル/ℓ
というベクレルが検出されたという事になっています。
この数字が、果たして、多いのか少ないかというのを見ていただかなければいけないので、お話ししますが、
1959年から64年ごろ大気圏の核実験が、ソ連、アメリカ、中国、フランス、イギリス、沢山の国でやられていました。
その頃に日本人の中学生の尿のセシウム濃度を測っていたんです。
そうしますと、1960年以前にやられていた頃も1ベクレル/ℓの尿が検出されています。
しかし、ちょっと実験が少なくなった頃には0.5ベクレル/ℓぐらい
そしてさらに1964年位に、また、激しく実験がされるようになった時には5ベクレル/ℓまで上がったわけです。
で、この数字と先程の数字を見ていただきますと、
0.5ベクレル/ℓというのは、核実験が下火になった頃の数字なんですね。
ですから、1.3ベクレル/ℓというような数字は明らかに、この福島の事故によって汚染され、
セシウムを身体の中に吸収しているとそれが尿になって排出されているという事が分かると思います。
ーーここから音が聞こえなくなりました。
14:53
セシウムの体内量です
それがつい最近、福島県の県民調査の数字が出ました。
続きを読むに
つづく
パイロット、客室乗務員には悪性リンパ腫の頻度が高い
「パイロットが、飛行する事によって被ばくすると、あの被ばくに比べたら大したことはない」
という事をよく言われますけれども、
実際、パイロットの人達、客室乗務員の人達の調査をしますと、
悪性リンパ腫の発生頻度が高いというような疫学的データも出ています。
被ばく労働者の労災認定
これが私が関係した労災認定の人達ですが、
原発で働く人たちの労災を認定されたのが最近公表されました。
10人の方が労災認定されているんですけれども、わずか10人です。
被ばく労働者は30何万人いますけれども、それで亡くなっている人も何万人もいるはずなんですけれども、
労災認定をされたのはわずか10人しかいません。
そのうちの3人が私が関係した人なんですけれども、
労災認定された人のこの数字を見ていただいたら分かると思います。
一番少ない人は5ミリシーベルトで労災認定されています。
100ミリシーベルトでも労災認定されます。
ですから、100ミリシーベルト以下では、癌、白血病は起こらないと言われているんですが、
これ、殆ど白血病とよく似た病気ばかりなんですけれども、
100ミリシーベルト以下でも労災認定しているんですよね。
これは、国は
「100ミリシーベルト以下は本当に労災と関係したというふうには私たちは認めていません」と言います。
「しかし、労働者保護の立場からいうと認めました」と言うんです。
ここを、これからまた被ばくされた人、福島県の住民の人達、これが非常に大事だと思いますけど、
労災認定は労働者を保護の立場から認定すると言ってくるのですから、
今度の福島の事故で被ばくした人が、もし、癌とか白血病になった時は、
100ミリシーベルト以下では起こらないと言うか、県民の保護の立場で認めるか、ですね。
それがものすごく大事だと思います。
これは、もう、私は運動の力だと、
声をどれだけあげて、みんながまとまって、どれだけ攻めていくか、
攻めていくっていうのはおかしいですけれども、付きつけていくかという事によって変わると思います。
被ばく労働者は少なくても30万人近くいます
20ミリシーベルト以上の被ばく労働者は3万5000人ぐらいいます。
ですから、この人達ががんとか白血病になったら、先程の労災認定のような形でやるべきだと
少なくても私は考えていますし、
今度の事故でも100ミリシーベルトを超えている人がすでに110人います。
250ミリシーベルトを超えている人が6人。
最高は600ミリシーベルト位です。
ですから、私は被ばく労働者のこれから、
福島の県民の人達の将来を非常に心配していますし、
同時に被ばく労働者の事が非常に心配です。
健康問題で大事なことはなにか?
これからの皆さんの健康問題で、どういう事が大事かという事を
最後にお話しをしておきたいと思いますけれども、
とにかく健康診断というものはですね、
先程私が言いましたように少ない線量の被爆でも、
身体に安全という事は決してないという事はお分かりいただけたと思いますけれども、
しかし、国とかがやる検診というものは、
あくまでも健康不安を解消するための検診という考え方です。
けれども私は、健康被害を発見するための検診でなければならないと思っています。
で、年間許容線量の1ミリシーベルトを超えた人達をすべて対象にする。
それから、今後いろんな問題が起こってくる時にどうしても必要なのは、
汚染地図をきちんとすること。
汚染状況を明らかにすること。
そして、それぞれの人がどれだけの被ばくをしたかという事をきちっと評価するという事ですね。
それは、内部被ばくを含めてきちっとした評価をするという事と、
それからみなさんに是非ともしていただきたいのは、
今から思いだすのはなかなか難しいかもしれませんけれども、
エピソード、いろんなエピソード
こんなことがあった、こんなことがあったという事を
日記とか、公式の物に残しておいて欲しいという事です。
それから、その時々の健康の状態。
それから、もし検査をしたなら、その検査の結果とかを記録をしておいて欲しい。
その記録がなかったら、もう、証拠がないという事で、全部切り捨てられてしまいます。
先程の県民調査のデータのようにですね、
検出限界以下というのはゼロとしてしか見ませんから、
記録がないものは無いとしかみませんので、
それを自分のものとして残しておく。
先程、私が関係した被ばく労働者の労災認定、3人させていただいたんですけれども、
全員がですね、自分の被ばく記録を全部持っていました。
で、労災申請が出来ない労働者は全て、自分の記録をほとんど持っていません。
ですから証拠がないんですね。
証拠を必ず作っておくことが大事だという事で、
記録の評価と、自分たちがいる町の調査という事が大事だと。
あと、そういう事を基にして、長期間の調査が必要だという事と、
誰が、どこへ行っても、
全国津々浦々どこの病院に行っても、
健康診断を受けられるような状態にする、健康手帳をみんなが持つという、
それがなければ、自分たちのお金で健康診断をするというのは、なかなかできませんし、
子どもさんが大きくなった時に、どこそこに行ったら、
あるところに戻ってこないと健康診断が出来ないと言う事だったら、なかなか健康診断が出来ないので、
どこでもできるような体制を作らせるという事が、必ず大事です。
これは広島・長崎の被爆者が50年、60年かかって勝ち取ってきた成果ですけれども、
それを、同じようにみなさんの力でやっていただきたいというふうに思います。
あと、基準値の見直しがされようとしていますけれども、
少なくても内部被ばくの評価をちゃんとした見直しでないといけないというふうに思います。
健康被害を防ぐためにはどうしたらいいか
とにかく、被ばくに安全な量は無いという事と、
今出されている線量というのはあくまでも我慢線量である
で、今度の事故の被ばくは無用の被ばくであるので、
これはもう、極力少なくするという事が非常に大事である事で、
わたしのような医者がですね、例えばお酒を飲んだ人に「肝臓が悪くならないようにしよう」と言うんですが、
お酒を飲んでいる限りは絶対によくなりません。と言う訳ですよね。
だから、被ばくによる健康被害を無くそうと思ったら、
被ばくを無しにしない事にはならない。
ですから、自然放射能はこれは避ける事が出来ないと思いますけれど、
原発による被ばくは絶対になしにしなければならない。
つまり、元を断つという事で、私は最後に、
原発そのものを止めるしかない。
そして、止めた後の冷却と言うか、そういうものを封じ込めるという、
両方の努力をして初めて、我々の健康は守られるんではないかというふうに思います。
今日、こういう形でお話しさせてもらっているのは、
とにかくみなさんの健康を守ることと、被ばくをなくすこと、両方が車の両輪であるという事である
と言う事をお話しさせて、しゃべらせていただきました。
ありがとうございました。
8:41
参加者からの質問
原爆と原発事故は違いますか?
11:58
質問:原爆の影響と今回の原発事故とどこが違いますか?
村田:
原爆の放射線の影響と、原発の事故で放出された放射能の影響は同じかどうか?という、そういう意味ですか?
はい、基本的には同じだと考えていただいていいと思います。
先程ちょっとお話ししましたように、放射線というのは、
アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線というようにいろいろとあるんですけれども、
原爆で出来た放射性物質と今回の原発事故で出たものの放射性物質には違いがあります。
例えばストロンチウムが多かったとか、中性子線を出す核種が多かったというのは、
広島・長崎の原爆ではそういう特徴があるんですけれども、
今回はヨウ素とセシウムという物が多いというのがありますよね、
ですから、そういう点では放射線核種の違いはありますけれども、
それぞれが出すガンマ線、ベータ線と言うのは、放射能は一緒ですから、影響は一緒です。
ですから、量とか、物は違っても、浴び方ですね、それもちょっと違います。
要するに原爆の場合は一瞬のうちに浴びたものと、
プラス残留放射能というものから、徐々に体の中に吸い込んだりしたものという物とが
両方加わっているんですけれども、
今回の原発事故の場合には、一瞬に浴びた量としては比較的少ない。
ですが、あとあと少しずつ汚染が広がった時に身体の中に吸い込んで、吸入したり、
身体の外から受ける放射線によって浴びる。
浴びる兆は違いますが、基本的には放射線の作用は同じと考えていただいたらいいと思います。
傷口からも被ばくしますか?
14:10
子どもが汚染地域のひどいところで怪我をする時、傷からも被ばくするんですか?
低線量被ばくの地域で気を付けて暮らしていても子どもが将来発病する確率というのは
やっぱりどうしても避けられないんでしょうか
村田
擦り傷からの被ばくは
傷口から入る被ばくというのはかなり少ないと思います。
どういうものに接していたかにもよりますが
口から飲んだりとか灰から吸入する量に比べたら非常に小さいと思う
普通は身体の表面をよく洗えば取れる量で
傷口からの被ばくは殆ど無視できる量だと思っていただいていいです。
たとえば火傷をしてですね、
非常に広範囲に火傷して、そこに強い汚染水を浴びたとか言う事になると、
量としては非常に多いという事になると思いますが、
汚染水の中で傷をしたのと違って、こういう空気中の中である傷口からの被ばくは少ないものと思う。
あ、すり傷、土ですか?
土もkg当たり何ベクレルという程度で計算しますよね、
泥とか、砂とかが仮に皮膚に当たったぐらいでは、
グラム単位では、何百分の1とか1000分の1とかになってしまいますから、
そういう点では量は少ないと考えていただいていいと思います。
それから、今のこの地域での被ばくが長期的にどの程度の影響を及ぼすかという事は、
なかなか予測することは難しいというふうにおもいます。
ただ、先程高線量のところで3ミリシーベルト位、
平均的な線量は0.05マイクロシーベルト。
ですから、1年間で、自然放射線のレベルのプラスになるかどうかという事になりますが、
それからずっと蓄積していって、30年か40年で計算すると、
5ミリシーベルトから10ミリシーベルトの程度だと思います。
それが先ほど直線で示した100ミリシーベルト以下でも何パーセントか起きるという
可能性があるというお話しをしましたけれども、
そういうところでそう蓄積線量で10ミリシーベルトで、先程の表でいうと1%増えるかどうかというところになりますが、
必ずなるという事はなかなか言えないと思います。
ただ、その可能性は自然放射線を浴びているよりは、可能性としては上がる可能性があるという事で、
ですから、僕がそれを心配していたら、
たとえば肥満の方が癌になる確率が高いですよとか
タバコの受動喫煙の方が頻度が高いですよとか
それに比べて心配ありませんよという事は私は言いません。
少なくても受動喫煙とか肥満とか、いろんなものはですね、
それも含めて危険だから、それは止めましょうというのが今の考え方ですから、
少なくてもそういう危険性と同じか少ないという事が仮にあったとしても、
それはできるだけ少なくなるような生活をしていただくのがいいのではないかと思います。
たとえば食事の問題とかで、被ばくの量を少なくするような努力をされる事は、
僕は当然される方がいいだろうと思います。
先ほど言いましたように、私にも孫がいますので、
孫にどういうものを食べさせるかという事で、家族の中でも話はやはり大阪にいてもしますから、
そういう意味では、より安全だと思われるものを選んで、
そればかり食べるんじゃなくて、少しずつ違うものも食べさせて行く事で気を付けて行こうということを
今家で話している次第ですから、
こちらにお住まいの方も、皆さんそんな気持ちでやられれう方がいいのではないかと、
それは考え過ぎですよという事ではなくて、
それを考える事は、僕は大事なことじゃないかなと思います。
避難できない人はどうしたらいい?
短期間でも避難するのは有効ですか?
05:41
松戸市2歳児の母
松戸市は三郷市よりも少し線量が高くて、私の住んでいる地域も0.3~4位の放射線量があります。
それで、以前他の勉強会に参加した時に、専門家の方から「被ばくが心配だったら避難すればいい」と言われましたが、
なかなか、私の周りも含めて特に避難できるという状況にはないのが現状です。
短期間の間でも線量の少ないところで生活する事によって、
繰り返し低線量被ばくによって壊れた細胞が治ってくるという話しも聞いたんですけれども、
たとえば1か月単位、数週間単位でそういった線量の少ない地域に子どもを避難させるという事は、
有効な手段なんでしょうか?それともただの気休めでしかないのでしょうか?
村田
私は「避難すればいいんじゃないか」という事はやっぱり言わないですね。
避難したらいいんじゃないかといっても、やっぱり、それぞれの方の事情がありますので、
避難できない人もいるわけですよね。
ちょっと例が違うかもしれませんけど、
原発で働いていた人が、この事故で、家族を遠くにやって、
しかし自分はまだ原発の中で働いているという人が結構いるんですよね。
その人はやっぱり生活しなければいけないから、やっぱり入らざるを得ないんですね。
そういう矛盾を抱えながら生活しているという。
わたしはそれは、その人を責めるわけにはいかないし、むしろ気の毒で仕方がないんですけれども、
それは逆に言えば原発を止めて早く違う生活が出来るようにするべきだと思うんですよね。
だから、例は違うかもしれませんけれども、
避難できない方は少なくてもそこで、先程言いましたように、
最小限の被ばくになるような環境をいろんな形で作っていく努力をするしかないと思います。
食生活の問題とか、部屋の問題とか、いろんな方法があると思います。
それをやることだと思います。
あと、子どもさんのことですけれども、
私は気休めとは思わないですね。
やはり、少量の被爆でも体力や免疫機能を低下させたりといろんな事があるということで、
一定の体に影響があると考えていますから、
少しでも、一時期でも気分を変えて生活するという事で、免疫機能が少し回復する、
そういう事によって、今おっしゃったような修復の機能が少し活発になるという事があるというふうに思います。
ただ、それは実証されたものではないので、あくまでも私の個人的な意見ですけれども、
そういう、場所を変えたりする事によって、子どもさんがもっと、非常に生き生きとして、
1週間でも3週間でも過ごされると思いますよね。
だから、それがやっぱり次の生活の場になる事もありますので、
そういう機会を作ってあげる事は、僕はやっぱり大事なことだと思います。
もう一つ大事なのは
子どもさんが自分の事について、親がそういう事について非常に関心を持って大事にしてくれているんだなと思う事が、
また、家族にとっても非常に大事な結びつきのきっかけになるんじゃないかなと思いますので、
それは健康の問題だけじゃなく、家族の絆を強めるという意味でも大事なことだし、
子どもさん達の共同生活での絆を作ることにもなると思いますので、
僕はやっていただいたらいいんじゃないかなと思います。
私の知っている人たちの中にもそういった集団疎開の一時疎開のような事をしている人達もいます
ですからそれに私も、夏休みの時期でも参加してみたいなと思っていますので、
参考になったかどうかは分かりませんが、まだそれは科学的に実証されたものではありません、
聞いたところでは免疫
ーーーYoutubeここでおわり
7:24~
聞いたところでは、免疫を測る機械があるんですけれども、
一時避難によってそれが一時的に回復したというデータもあります。
音が聞き取りにくいので書き出しはここまでにします。
動画はまだ続いています。質疑応答の部分は↓こちらです。
http://www.youtube.com/watch?v=qFwnK6L4R64&feature=related
上記講演会の中で、
青木泰:
この話は阪南中央病院の副委員長の、村田三郎さんからお聞きした話なんですけれども、
今、武田さんなんかがずっと言われてきたように、年間1ミリシーベルトが被ばく限度量である。
これは、国の法律でも決まっているし、国際的にも確認されている量です。
ただしそれは、それだけではなくて、
実際に原爆投下によって、原爆症を発症した人たちが、
今までは爆心地から2キロ以内でないと、原爆症認定が行われなかった。
だけど、実際にですね、症状からいったら、脱毛とか、身体に紫斑が出るとか、
2キロ以内の被ばく者と変わらないような原爆症の発症をした人たちが、
認定の変更をする訴訟を起こして、17回から18回の訴訟で勝ってきた
それが2008年にようやく、国もこの事を認めた。
国が爆心地から3.5キロまでを原爆による被ばくという事で認めた。
その、3;5キロというのは1ミリシーベルトのところなんです。
だから、1ミリシーベルトというのは単に国の法律で決めましたっていうんじゃなくて、
長崎原爆の被ばくという、我々にとっては本当に重い現実の中から示されてきている数字なんです。
村田さんは、この話を私にしてくれた時に、
現状は年間20ミリシーベルトになるようなホットスポットというのは
福島県を中心にして、多数あるんです。
どんな影響が出るのかという事が本当に心配だと、言っていました。
と青木さんが話していらっしゃいました。
その村田三郎さんの講演動画がありましたので、その中から後半部分を紹介します。
ーーーーーー
日時:2011年7月31日(日曜日)13時30分-16時
会場:三郷市文化会館 2F 大会議室・視聴覚室
講師:村田三郎医師 (阪南中央病院 副院長・内科医)
―《講演者紹介》――――――――――――――――――--
村田三郎医師
・阪南中央病院 副院長
・広島・長崎の原爆被爆者の健康診断や診療、実態調査をおこなってきた。
・原発の労働者被ばく問題に長年関わり,
被ばく労働に関する労災認定に尽力してこられた。
・低線量の被ばくによる放射線障害、内部被ばくの危険性に警鐘を鳴らし続けている。
01:24
このみなさんがお住まいのところでも、山内さんの汚染の調査にありましたように、
最高0.32とかのマイクロシーベルト/hの汚染がありましたし、
小学校の正門で見つかったものでは、セシウム134と137で、これだけの被ばくがあって、
空間線量が1.86マイクロシーベルト/hであったというふうに言われています。
週刊現代の記事であれば、浄水場の正門では0.41マイクロシーベルト/h
地表では0.55マイクロシーベルト/hということになりますので、
先程の計算式に戻りますと、
0.11マイクロシーベルト/hで1ミリシーベルト/年になりますので
そこの場所にいると5ミリシーベルト/年の被ばくをしてしまうと、
年間を通して言えばそういうふうになると。
つまり、一般の人達の許容限度の5倍になるという事が、言えると思います。
暫定規制値
もともとある汚染の地図をもとにして、ある先生が評価したところでは、
山に降った雨が、川に流れ、川の汚染も進んでいると。
ですから、淡水でも、海産物だけではなくて、淡水魚も一定のリスクがあるというふうに言っておられます。
原発で、低濃度の汚染水を放出して高濃度の汚染水をためるということを
無断で東電がやったわけですけれども、
そういう事によって非常に広範囲の海洋汚染がすすんだ。
三重大学の勝川さんという方ですが、
いろんなデータを集めていくと、セシウムが福島県沖、茨城県沖、千葉沖という事で測定すると、
暫定基準値は500ベクレル/Kgですけれども、
それを超える魚とかがいますと、
茨城県沖で取れた者にも結構な物がありますということで、
ある程度産地別を見ながら食べていった方がいいのではないでしょうかということです。
水道水の汚染の問題は、東京都でも非常に問題になりました。
東京の浄水場の水が汚染されていたという事が問題になりまして、
暫定基準値というものが問題になったんですが、
この暫定基準値案をご存じだと思いますが、
3月17日に突如暫定基準値が変わりました。
この時にはまだ、マスコミにもどこにもオープンになっていなくて、
後でわかったんですけれども、3月17日に突如変わりました。
で、水道水の汚染というのも、まだ、実際に調べられてなかったんです。
政府は、水道水への汚染がすぐに広がっていくだろうという事を見越して、
3月17日に暫定値を変えたということです。
ですから、私もこの事を知らなくて、殆どの方がそうだと思うんですが、
実は、その30分の1,50分の1だったということです。
それをわかっていて、こういうことを、
これを全部食べても年間20ミリシーベルト位にしかならないだろう
という根拠でこの数字が決められたんじゃないかと思います。
で、年間20ミリシーベルトという数字は安全ではない数字だという事をこれからお話しをしていく訳ですが、
私たち放射線の作業従事者、
私は今日フィルムバッチを持ってきていないんですけれども、
バッチを毎月付けて仕事をします。
で、私は30何年間放射線科の仕事もしていて、20ミリシーベルト以下になるように、
きちっとした防護の体制で仕事をしなさいという事が放射線作業者に対する法律です。
ですから、20ミリシーベルトのところで遊んでもいいとか、
放射線物資血が外に出ないようにきちんとした管理をする。
持ち出す時にはノートに書いてですね、
実験する時には誰それがどれだけのものを使ったかという事をちゃんとノートに書いて、
それが減ってないかどうかもチェックします。
そういうふうな被ばく管理を必ずして、そして、この下にあるような、
この検診は私に言わせると、ちょっと不十分な検診なんですけれども、
少なくてもこの検診、
この緊急事態を予想して20ミリシーベルト以下にする事しかいろんな対策がとれないから、
このような数字が設定された
それから、アイソトープ協会の放射線関係の中では著名な権威者なんですけれども、
こういうふうな事を言っています。
「年間20ミリシーベルトの放射線労を浴びても、吐き気ややけどなどの身体的な影響は出ない」と。
「発がんのリスクはあるとされるけれども、被ばくしないで済むとのメリットがあれば、
こういうふうな数字でもやむを得ないでしょう」と。
そういう数字ですね。
で、もともと1ミリシーベルトであったところをICRPという、
国際放射線防護委員会というところに勧告をしてもらったみたいな形になって、
この勧告があるのでここまでにしますと、勧告は実は100ミリシーベルトまではあげてもいいと
言っていたんだけど、日本の政府としては20ミリにとどめますと、いうふうな、そういう論理です。
東京とか福島のお母さんたちのいろんな運動によって、
とりあえず1ミリシーベルト以下を目指すというふうに変更はしましたけれども、
決してそれが実現されている訳ではない
学校の校庭の土をはがしたり色々としていますけれども、
それは確かに一時的には減っているかもしれませんけれども、
今言いましたように放射性物質が今まだどんどん広がっている訳ですから、
拡散がされている訳ですから、ずっと減っている訳ではないし、
その処理した土をどこに持っていくかについても非常に問題になっている
今、測定の回数なども見直しをするという事で、
データをなるべく隠すというふうになっているんじゃないかというふうに思います。
尿検査
9:30
こういう事態の中で福島の子どもさん達が、内部被曝が深刻になっているという事で、
非常に特定の方ですけれども、
10人の子どもさん達の尿を調べられたんですね。
尿を調べますと、尿からセシウムが検出されたという事で、
セシウム134,137が1リットルに換算してですけれども、
134は最少0.4ベクレル/ℓ、最高1.06ベクレル/ℓ
137の場合は最低0.43ベクレル/ℓ、最高1.30ベクレル/ℓ
というベクレルが検出されたという事になっています。
この数字が、果たして、多いのか少ないかというのを見ていただかなければいけないので、お話ししますが、
1959年から64年ごろ大気圏の核実験が、ソ連、アメリカ、中国、フランス、イギリス、沢山の国でやられていました。
その頃に日本人の中学生の尿のセシウム濃度を測っていたんです。
そうしますと、1960年以前にやられていた頃も1ベクレル/ℓの尿が検出されています。
しかし、ちょっと実験が少なくなった頃には0.5ベクレル/ℓぐらい
そしてさらに1964年位に、また、激しく実験がされるようになった時には5ベクレル/ℓまで上がったわけです。
で、この数字と先程の数字を見ていただきますと、
0.5ベクレル/ℓというのは、核実験が下火になった頃の数字なんですね。
ですから、1.3ベクレル/ℓというような数字は明らかに、この福島の事故によって汚染され、
セシウムを身体の中に吸収しているとそれが尿になって排出されているという事が分かると思います。
ーーここから音が聞こえなくなりました。
14:53
セシウムの体内量です
それがつい最近、福島県の県民調査の数字が出ました。
続きを読むに

パイロット、客室乗務員には悪性リンパ腫の頻度が高い
「パイロットが、飛行する事によって被ばくすると、あの被ばくに比べたら大したことはない」
という事をよく言われますけれども、
実際、パイロットの人達、客室乗務員の人達の調査をしますと、
悪性リンパ腫の発生頻度が高いというような疫学的データも出ています。
被ばく労働者の労災認定
これが私が関係した労災認定の人達ですが、
原発で働く人たちの労災を認定されたのが最近公表されました。
10人の方が労災認定されているんですけれども、わずか10人です。
被ばく労働者は30何万人いますけれども、それで亡くなっている人も何万人もいるはずなんですけれども、
労災認定をされたのはわずか10人しかいません。
そのうちの3人が私が関係した人なんですけれども、
労災認定された人のこの数字を見ていただいたら分かると思います。
一番少ない人は5ミリシーベルトで労災認定されています。
100ミリシーベルトでも労災認定されます。
ですから、100ミリシーベルト以下では、癌、白血病は起こらないと言われているんですが、
これ、殆ど白血病とよく似た病気ばかりなんですけれども、
100ミリシーベルト以下でも労災認定しているんですよね。
これは、国は
「100ミリシーベルト以下は本当に労災と関係したというふうには私たちは認めていません」と言います。
「しかし、労働者保護の立場からいうと認めました」と言うんです。
ここを、これからまた被ばくされた人、福島県の住民の人達、これが非常に大事だと思いますけど、
労災認定は労働者を保護の立場から認定すると言ってくるのですから、
今度の福島の事故で被ばくした人が、もし、癌とか白血病になった時は、
100ミリシーベルト以下では起こらないと言うか、県民の保護の立場で認めるか、ですね。
それがものすごく大事だと思います。
これは、もう、私は運動の力だと、
声をどれだけあげて、みんながまとまって、どれだけ攻めていくか、
攻めていくっていうのはおかしいですけれども、付きつけていくかという事によって変わると思います。
被ばく労働者は少なくても30万人近くいます
20ミリシーベルト以上の被ばく労働者は3万5000人ぐらいいます。
ですから、この人達ががんとか白血病になったら、先程の労災認定のような形でやるべきだと
少なくても私は考えていますし、
今度の事故でも100ミリシーベルトを超えている人がすでに110人います。
250ミリシーベルトを超えている人が6人。
最高は600ミリシーベルト位です。
ですから、私は被ばく労働者のこれから、
福島の県民の人達の将来を非常に心配していますし、
同時に被ばく労働者の事が非常に心配です。
健康問題で大事なことはなにか?
これからの皆さんの健康問題で、どういう事が大事かという事を
最後にお話しをしておきたいと思いますけれども、
とにかく健康診断というものはですね、
先程私が言いましたように少ない線量の被爆でも、
身体に安全という事は決してないという事はお分かりいただけたと思いますけれども、
しかし、国とかがやる検診というものは、
あくまでも健康不安を解消するための検診という考え方です。
けれども私は、健康被害を発見するための検診でなければならないと思っています。
で、年間許容線量の1ミリシーベルトを超えた人達をすべて対象にする。
それから、今後いろんな問題が起こってくる時にどうしても必要なのは、
汚染地図をきちんとすること。
汚染状況を明らかにすること。
そして、それぞれの人がどれだけの被ばくをしたかという事をきちっと評価するという事ですね。
それは、内部被ばくを含めてきちっとした評価をするという事と、
それからみなさんに是非ともしていただきたいのは、
今から思いだすのはなかなか難しいかもしれませんけれども、
エピソード、いろんなエピソード
こんなことがあった、こんなことがあったという事を
日記とか、公式の物に残しておいて欲しいという事です。
それから、その時々の健康の状態。
それから、もし検査をしたなら、その検査の結果とかを記録をしておいて欲しい。
その記録がなかったら、もう、証拠がないという事で、全部切り捨てられてしまいます。
先程の県民調査のデータのようにですね、
検出限界以下というのはゼロとしてしか見ませんから、
記録がないものは無いとしかみませんので、
それを自分のものとして残しておく。
先程、私が関係した被ばく労働者の労災認定、3人させていただいたんですけれども、
全員がですね、自分の被ばく記録を全部持っていました。
で、労災申請が出来ない労働者は全て、自分の記録をほとんど持っていません。
ですから証拠がないんですね。
証拠を必ず作っておくことが大事だという事で、
記録の評価と、自分たちがいる町の調査という事が大事だと。
あと、そういう事を基にして、長期間の調査が必要だという事と、
誰が、どこへ行っても、
全国津々浦々どこの病院に行っても、
健康診断を受けられるような状態にする、健康手帳をみんなが持つという、
それがなければ、自分たちのお金で健康診断をするというのは、なかなかできませんし、
子どもさんが大きくなった時に、どこそこに行ったら、
あるところに戻ってこないと健康診断が出来ないと言う事だったら、なかなか健康診断が出来ないので、
どこでもできるような体制を作らせるという事が、必ず大事です。
これは広島・長崎の被爆者が50年、60年かかって勝ち取ってきた成果ですけれども、
それを、同じようにみなさんの力でやっていただきたいというふうに思います。
あと、基準値の見直しがされようとしていますけれども、
少なくても内部被ばくの評価をちゃんとした見直しでないといけないというふうに思います。
健康被害を防ぐためにはどうしたらいいか
とにかく、被ばくに安全な量は無いという事と、
今出されている線量というのはあくまでも我慢線量である
で、今度の事故の被ばくは無用の被ばくであるので、
これはもう、極力少なくするという事が非常に大事である事で、
わたしのような医者がですね、例えばお酒を飲んだ人に「肝臓が悪くならないようにしよう」と言うんですが、
お酒を飲んでいる限りは絶対によくなりません。と言う訳ですよね。
だから、被ばくによる健康被害を無くそうと思ったら、
被ばくを無しにしない事にはならない。
ですから、自然放射能はこれは避ける事が出来ないと思いますけれど、
原発による被ばくは絶対になしにしなければならない。
つまり、元を断つという事で、私は最後に、
原発そのものを止めるしかない。
そして、止めた後の冷却と言うか、そういうものを封じ込めるという、
両方の努力をして初めて、我々の健康は守られるんではないかというふうに思います。
今日、こういう形でお話しさせてもらっているのは、
とにかくみなさんの健康を守ることと、被ばくをなくすこと、両方が車の両輪であるという事である
と言う事をお話しさせて、しゃべらせていただきました。
ありがとうございました。
8:41
参加者からの質問
原爆と原発事故は違いますか?
11:58
質問:原爆の影響と今回の原発事故とどこが違いますか?
村田:
原爆の放射線の影響と、原発の事故で放出された放射能の影響は同じかどうか?という、そういう意味ですか?
はい、基本的には同じだと考えていただいていいと思います。
先程ちょっとお話ししましたように、放射線というのは、
アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線というようにいろいろとあるんですけれども、
原爆で出来た放射性物質と今回の原発事故で出たものの放射性物質には違いがあります。
例えばストロンチウムが多かったとか、中性子線を出す核種が多かったというのは、
広島・長崎の原爆ではそういう特徴があるんですけれども、
今回はヨウ素とセシウムという物が多いというのがありますよね、
ですから、そういう点では放射線核種の違いはありますけれども、
それぞれが出すガンマ線、ベータ線と言うのは、放射能は一緒ですから、影響は一緒です。
ですから、量とか、物は違っても、浴び方ですね、それもちょっと違います。
要するに原爆の場合は一瞬のうちに浴びたものと、
プラス残留放射能というものから、徐々に体の中に吸い込んだりしたものという物とが
両方加わっているんですけれども、
今回の原発事故の場合には、一瞬に浴びた量としては比較的少ない。
ですが、あとあと少しずつ汚染が広がった時に身体の中に吸い込んで、吸入したり、
身体の外から受ける放射線によって浴びる。
浴びる兆は違いますが、基本的には放射線の作用は同じと考えていただいたらいいと思います。
傷口からも被ばくしますか?
14:10
子どもが汚染地域のひどいところで怪我をする時、傷からも被ばくするんですか?
低線量被ばくの地域で気を付けて暮らしていても子どもが将来発病する確率というのは
やっぱりどうしても避けられないんでしょうか
村田
擦り傷からの被ばくは
傷口から入る被ばくというのはかなり少ないと思います。
どういうものに接していたかにもよりますが
口から飲んだりとか灰から吸入する量に比べたら非常に小さいと思う
普通は身体の表面をよく洗えば取れる量で
傷口からの被ばくは殆ど無視できる量だと思っていただいていいです。
たとえば火傷をしてですね、
非常に広範囲に火傷して、そこに強い汚染水を浴びたとか言う事になると、
量としては非常に多いという事になると思いますが、
汚染水の中で傷をしたのと違って、こういう空気中の中である傷口からの被ばくは少ないものと思う。
あ、すり傷、土ですか?
土もkg当たり何ベクレルという程度で計算しますよね、
泥とか、砂とかが仮に皮膚に当たったぐらいでは、
グラム単位では、何百分の1とか1000分の1とかになってしまいますから、
そういう点では量は少ないと考えていただいていいと思います。
それから、今のこの地域での被ばくが長期的にどの程度の影響を及ぼすかという事は、
なかなか予測することは難しいというふうにおもいます。
ただ、先程高線量のところで3ミリシーベルト位、
平均的な線量は0.05マイクロシーベルト。
ですから、1年間で、自然放射線のレベルのプラスになるかどうかという事になりますが、
それからずっと蓄積していって、30年か40年で計算すると、
5ミリシーベルトから10ミリシーベルトの程度だと思います。
それが先ほど直線で示した100ミリシーベルト以下でも何パーセントか起きるという
可能性があるというお話しをしましたけれども、
そういうところでそう蓄積線量で10ミリシーベルトで、先程の表でいうと1%増えるかどうかというところになりますが、
必ずなるという事はなかなか言えないと思います。
ただ、その可能性は自然放射線を浴びているよりは、可能性としては上がる可能性があるという事で、
ですから、僕がそれを心配していたら、
たとえば肥満の方が癌になる確率が高いですよとか
タバコの受動喫煙の方が頻度が高いですよとか
それに比べて心配ありませんよという事は私は言いません。
少なくても受動喫煙とか肥満とか、いろんなものはですね、
それも含めて危険だから、それは止めましょうというのが今の考え方ですから、
少なくてもそういう危険性と同じか少ないという事が仮にあったとしても、
それはできるだけ少なくなるような生活をしていただくのがいいのではないかと思います。
たとえば食事の問題とかで、被ばくの量を少なくするような努力をされる事は、
僕は当然される方がいいだろうと思います。
先ほど言いましたように、私にも孫がいますので、
孫にどういうものを食べさせるかという事で、家族の中でも話はやはり大阪にいてもしますから、
そういう意味では、より安全だと思われるものを選んで、
そればかり食べるんじゃなくて、少しずつ違うものも食べさせて行く事で気を付けて行こうということを
今家で話している次第ですから、
こちらにお住まいの方も、皆さんそんな気持ちでやられれう方がいいのではないかと、
それは考え過ぎですよという事ではなくて、
それを考える事は、僕は大事なことじゃないかなと思います。
避難できない人はどうしたらいい?
短期間でも避難するのは有効ですか?
05:41
松戸市2歳児の母
松戸市は三郷市よりも少し線量が高くて、私の住んでいる地域も0.3~4位の放射線量があります。
それで、以前他の勉強会に参加した時に、専門家の方から「被ばくが心配だったら避難すればいい」と言われましたが、
なかなか、私の周りも含めて特に避難できるという状況にはないのが現状です。
短期間の間でも線量の少ないところで生活する事によって、
繰り返し低線量被ばくによって壊れた細胞が治ってくるという話しも聞いたんですけれども、
たとえば1か月単位、数週間単位でそういった線量の少ない地域に子どもを避難させるという事は、
有効な手段なんでしょうか?それともただの気休めでしかないのでしょうか?
村田
私は「避難すればいいんじゃないか」という事はやっぱり言わないですね。
避難したらいいんじゃないかといっても、やっぱり、それぞれの方の事情がありますので、
避難できない人もいるわけですよね。
ちょっと例が違うかもしれませんけど、
原発で働いていた人が、この事故で、家族を遠くにやって、
しかし自分はまだ原発の中で働いているという人が結構いるんですよね。
その人はやっぱり生活しなければいけないから、やっぱり入らざるを得ないんですね。
そういう矛盾を抱えながら生活しているという。
わたしはそれは、その人を責めるわけにはいかないし、むしろ気の毒で仕方がないんですけれども、
それは逆に言えば原発を止めて早く違う生活が出来るようにするべきだと思うんですよね。
だから、例は違うかもしれませんけれども、
避難できない方は少なくてもそこで、先程言いましたように、
最小限の被ばくになるような環境をいろんな形で作っていく努力をするしかないと思います。
食生活の問題とか、部屋の問題とか、いろんな方法があると思います。
それをやることだと思います。
あと、子どもさんのことですけれども、
私は気休めとは思わないですね。
やはり、少量の被爆でも体力や免疫機能を低下させたりといろんな事があるということで、
一定の体に影響があると考えていますから、
少しでも、一時期でも気分を変えて生活するという事で、免疫機能が少し回復する、
そういう事によって、今おっしゃったような修復の機能が少し活発になるという事があるというふうに思います。
ただ、それは実証されたものではないので、あくまでも私の個人的な意見ですけれども、
そういう、場所を変えたりする事によって、子どもさんがもっと、非常に生き生きとして、
1週間でも3週間でも過ごされると思いますよね。
だから、それがやっぱり次の生活の場になる事もありますので、
そういう機会を作ってあげる事は、僕はやっぱり大事なことだと思います。
もう一つ大事なのは
子どもさんが自分の事について、親がそういう事について非常に関心を持って大事にしてくれているんだなと思う事が、
また、家族にとっても非常に大事な結びつきのきっかけになるんじゃないかなと思いますので、
それは健康の問題だけじゃなく、家族の絆を強めるという意味でも大事なことだし、
子どもさん達の共同生活での絆を作ることにもなると思いますので、
僕はやっていただいたらいいんじゃないかなと思います。
私の知っている人たちの中にもそういった集団疎開の一時疎開のような事をしている人達もいます
ですからそれに私も、夏休みの時期でも参加してみたいなと思っていますので、
参考になったかどうかは分かりませんが、まだそれは科学的に実証されたものではありません、
聞いたところでは免疫
ーーーYoutubeここでおわり
7:24~
聞いたところでは、免疫を測る機械があるんですけれども、
一時避難によってそれが一時的に回復したというデータもあります。
音が聞き取りにくいので書き出しはここまでにします。
動画はまだ続いています。質疑応答の部分は↓こちらです。
http://www.youtube.com/watch?v=qFwnK6L4R64&feature=related
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