「ストレステスト審査書提出に抗議する緊急声明」井野博満氏・後藤政志氏

後藤政志氏のブログに「関西電力大飯3・4号機ストレステスト審査書提出に抗議する緊急声明」が
載っていました。


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関西電力大飯3・4号機ストレステスト審査書提出に抗議する緊急声明

ストレステスト意見聴取会委員
​ 井野博満・後藤政志

原子力安全・保安院は、本日、関西電力大飯原発3・4号機の
一次評価を「妥当」とする審査書を原子力安全委員会に提出しました。
私たちは、このような拙速なやり方は、とうてい認められません。

2月8日の第8回意見聴取会では、様々な技術的な課題が残されていることが明らかになりました。
原子力安全・保安院も、その場で議論を終了するとは明言しませんでした。当然、継続審議となると思いました。
審査書が原子力安全委員会に提出されたことに対して意見聴取会の委員として抗議します。

ストレステスト意見聴取会では、徹底して議論を尽くすことが、国民に対する原子力安全・保安院の責務です。
次のような根本的な問題が残っています。

(1)判断基準について、保安院は
  「福島第一原子力発電所を襲ったような地震・津波が来襲しても
  同原子力発電所のような状況にならないことを技術的に確認する」としています。
  しかし、津波の想定は11.4メートルで、福島事故の14メートルよりも低くなっています
  そもそも、福島事故は収束しておらず、原因もわからない状態です。

(2)評価の対象、基準の適用について以下の技術的な疑問があります。
① 制御棒の挿入性を検討の対象から外しています
② 基礎ボルトなど機器の強度については、安全率を削って評価しています。 
③ 原子炉建屋などの構造強度に関わる許容値について、
  耐震バックチェックの基準より甘い許容値を適用することを認めています
④ 本来の設備は福島原発事故前から改善せず、
  消防車や非常発電装置などの外部仮設設備だけで安全だとしています。

(3)ストレステストは、過酷事故対策の検証を含めた二次評価と合わせて評価しなければ、
  地域住民が安全性を判断する上では意味がありません。
  電力事業者は、原子力安全・保安院の指示により、これを2011年末を目処に提出するはずでしたが、
  関西電力は二次評価結果を未だに提出していません。

原子力安全・保安院が、現時点で「妥当」としたことは、
はじめに再稼働ありきの見切り発車と言わざるを得ません。
このような姿勢こそが、福島原発事故を招いた要因です。
このように原子力安全・保安院は、規制当局としての役割を十分に果たしていません。
まずすべきことは、自らのありようについて根本的な反省をすることです。
本日の審査書の提出は、「安全性に関する総合的評価」とされるストレステスト評価の体をなしていません。

以上

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関西電力株式会社大飯発電所3号機及び4号機の安全性に関する
総合的評価(いわゆるストレステスト)一次評価に係る審査結果について

原子力安全・保安院原子力安全技術基盤課   平成24年2月13日(月)

本件の概要

原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、平成23年10月28日に関西電力株式会社から報告のあった、
「東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた
大飯発電所3号機の安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告)」及び、
同年11月17日に同社から報告のあった、
「東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた
大飯発電所4号機の安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告)」について、
これまでに専門家のご意見も伺いながら審査を行ってまいりましたが、
本日、当院としての審査結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。
今後、当院の審査結果の妥当性について原子力安全委員会の確認を受けることとなります。



発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価に係る意見聴取会」名簿

氏 名 所 属
阿部 豊 国立大学筑波大学大学院 システム情報工学研究科教授
井野 博満 国立大学法人東京大学 名誉教授
岡本 孝司 国立大学法人東京大学 工学研究科原子力専攻教授
後藤 政志 芝浦工業大学 非常勤講師
小林 信之 青山学院大学 理工学部機械創造工学科教授
佐竹 健治 国立大学法人東京大学 地震研究所教授
高田 毅士 国立大学法人東京大学大学院 工学系研究科建築学専攻教授
奈良林 直 国立大学法人北海道大学大学院 工学研究院・工学院教授
西川 孝夫 公立大学法人首都大学東京 名誉教授
山口 彰 国立大学法人大阪大学大学院 工学研究科教授
渡邉 憲夫 日本原子力研究開発機構安全研究センター
リスク評価・防災研究グループリーダー


このうち赤字の3名が原子力業界から多額の奨学寄付金や共同研究費を受け取っています。




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緊急声明

この緊急声明は、二次評価と合わせて判断しなければ地域住民が安全性を判断する上で意味がないと主張しています。
しかしストレステストは所詮コンピュータ・シュミレーションで、二次評価もシュミレーションである事実は変わりません。

結局この声明は、シュミレーションの内容を増やせば(二次評価)、シュミレーションだけで安全性が判断できると言っているに過ぎないのではないでしょうか。