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02.22
Wed

・「ストレステスト一次評価だけでは不十分だ」斑目委員長の発言について
・四国電力の伊方原発3号機ストレステストの耐震
 「近いうちに現地に調査に行く」でも行く前から「妥当だ」と決めていることについて
・新しく4月からできる、保安院+安全委員=キセイ庁について



2月21日火曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]




<参考>
再稼働影響 懸念広がる
読売新聞 2012年2月22日

班目委員長発言「判断にぶれ」批判も

原発を再稼働させる条件とされている「ストレステスト(耐性検査)」1次評価について、
内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が
「原発の安全性を評価するには不十分」と発言したことに対し、
県内市町の首長らからは21日、戸惑いの声が聞かれた。

耐性検査には1次と2次の評価があり、
1次評価は原発の安全確保に必要な機器が設計基準上、
地震や津波などに対してどれだけの「余裕度」があるのかを調べる。
2次評価は、想定を大幅に超える条件を与え、安全性が究極的にどこまで維持されるのかを調べる。

班目委員長は20日の記者会見で
「安全委員会として我々の要求を満たすには、2次評価まで終わらないといけないと思う。
1次だけでは総合的な安全確認が終わったわけではないと理解している」と述べた。

再稼働は、経済産業省原子力安全・保安院が実施した耐性検査の審査に問題がないことを安全委が確認し、
首相と関係閣僚が地元の同意を得て判断する。
班目委員長は
「再稼働は政府が決めること。その方針に反対しているわけではない」とも述べたが、
判断の前提となる安全性について、1次評価だけでは十分ではないと表明したことになる。

安全委は21日、関西電力大飯原発3、4号機の耐性検査の審査の検証を始めたが、
おおい町の時岡忍町長は読売新聞の取材に対して
「安全委の中で再稼働に対してのハードルが上がったのか。クリアしないといけないことがまた増えるのかも」
疑心暗鬼の心情を吐露した
原発立地地域の県議
「再稼働について地元で合意を検討することの前提が崩れかねない。
国の方針が変われば、また遅れる。それならそうと、はじめから言ってほしい」といら立ちを隠さなかった

班目委員長の姿勢を批判したのは
学識者でつくる「県原子力安全専門委員会」の中川英之委員長(福井大名誉教授)
今こういう発言をする必要があったのか。専門家レベルで判断する委員会なのに、ずいぶんぶれている」
と指摘した。

一方、市議会が脱原発を求める意見書を可決した小浜市の松崎晃治市長
「より安全なものにもっていこうという考え方なのだろう」と評価し、
世論への影響について「少なからずあると思う」と答えた。




想定1・5倍で炉心損傷 伊方3号耐震性
愛媛新聞 愛媛のニュース2012年02月21日(火)
 
経済産業省原子力安全・保安院は20日、
四国電力伊方原発3号機のストレステスト(耐性評価)1次評価を審査する有識者会議を開き、
想定する最大の揺れである基準地震動570ガル1・86倍まで耐えられるとした四電の報告を下方修正し、
1・50倍の揺れで炉心損傷に至るとする保安院の評価を報告した。
 
四電は昨年6月、基準地震動の2倍程度の耐震性を確保する姿勢を中村時広知事らに示していたが、
今回の保安院の評価で新たな耐震対策の追加が不可避の情勢となった。

会議に出席した四電担当者は既に耐震補強の検討に入っていることを明らかにした。
 
四電によると、これまで施設内の電源供給に必要なドロッパ盤という設備の裕度が最も小さく、
基準地震動の1・86倍で炉心損傷すると説明していたが、
有識者の指摘を受けて特定周期の揺れに対する建物のひずみを考慮した耐性評価をあらためて実施した結果、
同様の電源設備で1・97倍の裕度があるとしていた充電器盤が
1・50倍の揺れで機能喪失することが分かったという。


朝日新聞に現地調査をする前から「妥当」とするという記事がありました。↓
http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY201202200734.html
保安院は近く、現地調査をしたうえで全体的には「妥当」との評価案を示す方針。

保安院による判断は関西電力大飯原発3、4号機に続き3基目になる。
四電は伊方3号機について、想定する地震の揺れの1.86倍、
津波は高さ14.2メートルまでは、核燃料が壊れる事故にならず、耐えられると評価していた。



続きを読むに内容を書き出しました。







水野:
斑目さんの発言に関してお伺いしたいと思います
ストレステスト一次評価だけでは不十分だ」と斑目さんがおっしゃっていますが、これはどういう事なんですか?

小出:
わかりません。
一次評価だけでも二次評価だけでも不十分だし、何をやっても不十分なのです。

水野:
リスナーの方が、
小出先生はおそらく再稼働は認めるべきではないとおっしゃるんでしょうが、
でも、再稼働するにしたって、斑目さんが言っているのは二次評価で安全性をさらに審査する事は
「やらないよりもやった方がまし」という、そういう程度の事なんでしょうか?お聞かせ下さい。
と、くださいました。

小出:と、おもいます。

水野:ま、やらないよりはやった方がましっていうことですか。

小出:
ま、「まし」と言ったところでやれば安全が確認できるものではない
という事がこれまでの審査のやり方で分かってきた、というか、事実で証明されてきた事なのですから、
これまでと同じようにある想定をして、
その想定がどこまで安全の保障になるかという考え方がもうダメだと、
皆さん、どうして気づかないのかな?と私は思うのですけれども、はい。

水野:
ただ、あの斑目さんでも二次評価が必要であるとおっしゃっているにもかかわらず、
政府は一次評価だけで判断をするという方針を、これまだ続けるという事だと思うんですね。
これについてどうですか?
斑目さんでさえ二次評価必要だとおっしゃっているのに、
政府のこの一次評価だけで十分だという考え方についていかがでしょう。

小出:
そうですね・・もともとストレステストをやろうと言ったのは菅さんだったのですけれども、
その菅さんが追い落とされて、野田さんに変わった。
野田さんも一応は「脱原発社会を目指す」というような事は言って入るわけですけれども、
結局はやはり、原発は輸出するし、
電気が足りなくなるから原発の再稼働をさせるというような方向に、次々と打って出てきているわけですから、
え・・斑目さんがどんなに抵抗しても、多分ダメなんでしょうね。

平野:
斑目さんは、「二次評価は原発の究極的な余裕がどこまであるかを評価するものだ」
というような事を発言されているのですけれども、
この「究極的な余裕」というのは何を言っているのかと

水野:どういう意味ですか?

小出:(笑)
私は、だから、意味は不明です。
津波をどこまで考えればどれだけの余裕がある、
地震をどれだけ考えればどれだけ余裕があるということは、もちろんそれなりの評価は出来ますけれども、
それを超えるような津波がきたらどうするのか、
それを超えるような地震が来たらどうするのか
あるいは地震とか津波ではない、別の要因のトラブルが起きたらどうするのかという事を考えたら、
いつまで経っても結果は出ないのですね。

平野:
ま、一次評価二次評価、すべてクリアしたとしても、審査そのものに欠陥があれば何の意味もないですよね。

小出:はい、私はそう思います。

平野:
あの~、私ちょっと個人的に思うのは、
これだけ頻繁に定期検査をしているというシステムというものをあんまり無いんじゃないかなと思うんですけれども、
これは、せざるを得ない訳ですよね、定期検査を。

小出:
ええ、ま、原子力を始めた時に不安だったのですね。
こういう技術を本当にやりきることが出来るのかという事が不安だったから、
定期検査という制度を作って、ま、一年にいっぺんはやろうという事できたわけです。
私が属している京都大学原子炉実験所でも一年に一度はやはり定期検査を受けて、
あちこち検査をしてみようと。
やはりそれは、始めて手をつけた技術だった訳ですから、そうせざるを得なかったという事だと思います。

平野:ん・・・

水野:
あの、でも、ストレステストが再稼働の条件になっていますけれど、
それについてお墨付きをあげる立場に、いまだに斑目さんはいらっしゃるんですよね。

小出:そうですね

水野:これ、今回の福島の事故対策の責任者ですよね。

小出:はい

水野:
で、「SPEEDI をちゃんと活用できていたら、上手く避難できたというのは全くの誤解だ」という発言も、
先日なさいましたよね。

小出:そうですね

水野:で、その時は問題になりませんでしたよね

小出:はい

水野:
で、今回になったら、
その、政府の方針に対して、ある程度ノーをおっしゃると問題になるんですね。

小出:(笑)みたいですね。


水野:
はぁ・・・
今度はですね、四国電力の伊方原発3号機の、これもストレステストについて伺いたいと思うんですが、
これは、一次評価で四国電力が、原発が耐えられる地震、
地震が来た時にどれぐらいまでの地震にだったら、この3号機が耐えられるのかという事をテストしました。
そうすると、「想定の1.86倍の地震に耐えられる」というふうに言ったんだそうです。
1.86倍というのは意味があるんですか?

小出:ま、要するに計算をするとそういう数字が出てきてしまうという事で、私は意味がないと思います。

水野:あ、計算なんですよね

小出:そうですね

水野:
ところがですね、じゃ、あ今度
経済産業省原子力安全保安院が計算しましたら、
いやいや、こういう場合もあるからという事で「1.5倍しかない」と。
つまり、四国電力の主張に比べますと、耐震性、どれだけの地震に耐えられるかという力は、
2割ほど低いという結果を出したんです。
で、つまり、電力会社は1.86倍耐えられますよ。
いや、だけど役所は1.5倍しかないですよ。
ですから、わたくしはここまで聞いた結果でですね、
ストレステストでの再稼働は認めないと言うんだろう、と、思ったんです。
今の文脈って、普通、思いますよね

小出:でも、原子力の世界は違うのですね(笑)

水野:
ああ・・違うんですか・・・
私って分かってないなぁ~と、実際どうかと言いますと、
小出さんがおっしゃっている通り、保安院がですね、今言っているのはどういう事かと言いますと、
近いうちに現地に調査に行く。で、現地調査をしたうえで、全体的には妥当だという、
評価の案を示す方針だ
」と言うんです。

小出:はい

水野:これ、「妥当だ」って言うのは、まぁまぁOKだって言う事ですよね?

小出:そうですね

水野:
ということは、
まだ現地に行っていないですよね、平野さん。

平野:行く前から、もう…

水野:そう!

平野:結論出ていますよね。

水野:
私はせめて現地に行ってみたら大丈夫やったというのかなと、
現地にまだ行っていない
あるいは計算をやり直せって言うのかと思ったら、それでもない。
行く前からOKすることを決めている
これは、素人の私には全く分からない文脈なんですよ。
小出先生教えて下さい。

小出:
(〃^∇^)o彡あははははっはっ・・
すみません、私にもわかりません。

水野:なんで・・・なんでこうなるんですか・・・?

小出:
でも、原子力安全保安院というのは、
原子力発電所の安全を守ると言う事が建前のようになっていたわけですけれども、
でも、昨年の暮れに「やらせ問題」と言うのが出て明らかになったように、(水野:あ・・そうか・・)
保安院自身やらせを仕組んで、原子力発電所を推進するという役目を担ってきたわけですね。
そういう役所が、日本中の原子力発電所は絶対に安全ですというお墨付きを与えてきて、
そして、福島第一原子力発電所の事故が起きたのです。
私は保安院はもう、抜本的に解体しなければいけないと思いますし、
そこにいた人たちを刑務所に入れたいと私は思っているのですけれども、
いまだに保安院はあるし、
その人たち自身が相変わらず「原子力発電は安全ですよ」という事を言い続けているという状態なんですね。

水野:
そうですよね
で、責任を取る方はいらっしゃらず、
そして4月になったら、斑目さんのところの原子力安全委員会と一緒になって、
新しいお役所が出来るんでしょ?

小出:はい、規制庁と言うのが出来ます

水野:寄生している人が規制庁になったりとか・・・ねぇ

小出:(笑)

平野:まさに寄生ですね

水野:どのキセイ庁って・・どんな字をあてるんですかって思ってしまうんですが・・

平野:検疫での「寄生」ですねぇ

小出:(笑)はい

水野:
ああ・・これが、実態。
でも、再稼働へどんどんとステップは踏んでいる事になるんですね

小出:
そうですね、今日本の政府は原子力発電所を次々と再稼働させるというレールを
着々と敷いてきていると私には見えます。



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