「除染モデル事業参加報告・広野町/大熊町」藍原寛子さん2/11ビデオニュース・ドットコム(内容書き出し)


内閣府(税金)→100億円→日本原子力研究開発機構→大手建設会社(大成建設・鹿島建設・大林組)

→6億円(1市町村)×4(市町村)×3社(1社4市町村づつ)=72億円 
 
100億円-72億円=残り28兆円→日本原子力研究開発機構(粗利)

→部分的な除染→実験→60マイクロシーベルト/hまでしか下がらない



除染モデル事業に同行してわかったこと

http://www.videonews.com/fukushima/0001_5/002291.php


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福島報告 (2012年02月11日)
除染モデル事業に同行してわかったこと
報告:藍原寛子氏(医療ジャーナリスト)

神保哲生
今日は2012年2月9日木曜日です
今週も藍原さんは福島の方にいらっしゃいますので、
インターネットで音声をつなげて、福島との二元中継でお送りしたいと思います。



広野町・大熊町

藍原
今日取材をしてきたんですけれども、
福島県内の原発地域の方で、国と内閣府が発注した除染モデル事業がおこなわれていますて、
その内容を報道機関に公表されたものですから、参加して中の様子を見てきました。

神保
除染の作業を見てきたんですね

藍原
除染作業です。
除染作業なんですけれども、主には除染で出てきた、汚染土砂とか、木とか枯れ葉の処理の処理、
そういったものを、主に廃棄物作業の処理に今移っていまして、
その様子を中心に見てきました

神保
じゃ、土を削り取る作業は終わってという事ですか?

藍原
終わっています。
削り取った土をですね、大きな移送用の大きなバッグに詰めて、
それをトラックで仮置き場に運んで、積むという、そういう作業が中心になっていますね、今ね。

神保
今回の汚染土を入れるその袋ですね、ビニール袋、
あれは実際に見てみて、どんな物でしたか?材質的には。

藍原
これはちょっと現地の人もですね、
どういった素材かというのは後で調べてという事になっているんですけれども、
非常に大きいものでして、全部ぎっしりと土を詰めると大体100キロ位になるということで、
高さは1m弱、ま、1mぐらいですね。

神保
その辺は今日は映像もあるんですね

藍原
はい、映像はあります。
非常に大きなもので、一つ一つをクレーンで運んで仮置き場に置くというものです。
視察した場所なんですけれども、
神保さんの手元に地図があると思います。
広野町というところからまずスタートします。
そこから、大熊町というところに移動して、大熊町の仮置き場を視察して、

除染モデル11

神保
大熊町は原発のすぐ下というか、ま南ですね。

藍原
そうです。
原発から1.5キロぐらいのところまで、行って見てきました。
当初はその後、田村氏の方に行く予定だったんですけれども、
ちょっと、ここ一週間ぐらい雪が多くて、道路も除雪が進んでいないという事で、
今回はキャンセルになりまして、

神保
今回は広野町と大熊町

藍原:
まず最初にちょっと映像を見ていただいて、どんな感じだったかというのをちょっとご覧ください


続きはつづきをよむへ






映像の説明

03:31映像

こちらが集合場所になっていた広野町役場前です
みんなが最初に白い防護服を着ていたんですけれど、

除染モデル12

それを脱ぐように」という指示があって、
なぜ「脱ぎなさい」と言ったのかという事を、日本原子力開発機構の担当者の方が説明しています。

「先ほど申し上げたように、住民のみなさんがもう、普通に生活していらっしゃるエリアなので、
住民の方々が、タイベックスーツを着ている姿を見ると、不安に思われると・・・」

除染モデル13

何人かは脱いだ方もいたり、
全部は脱がなくて、下だけをはいたままの方もいて、上からジャケットを着た方が今バスに乗るところです。

除染モデル14

こちらが広野町の仮置き場です。

除染モデル15

この大きな土を入れたバッグを次々と仮置き場に置いています。
4:20
除染モデル16
(ここの部分の動画にチカチカした白いものが沢山見えます、放射線かな?)

これはですね、フレキシブルコンテナというようなものでして、
放射線を防ぐようなものではなくて、搬入する、移動するためのものという事です。

これはバスの中で、次のところは線量が高いので、フルフェイスのマスクをつけている。

除染モデル17

神保:高いというのはどれ位ですか?線量は。

藍原:
バスの中では大体30マイクロシーベルト、
20マイクロシーベルト位になってきた時からバスの中でマスクをつけていました。

神保:高いというのは広野町から大熊町に移動したときですか?

藍原:
そうです。
最初の広野町が大体原発から22~23キロぐらいです。
そこから、原発から1.5キロぐらいのエリアに入っていく。
その途中でフルフェイスのマスクをつけるという形ですね。

除染モデル18

これが森林の除染をした後です。
これでも50マイクロから60マイクロ、50マイクロシーベルト位の空間線量がありました。

神保:もともとはどれ位あったんですか?

藍原:
最高の時に測った時には200マイクロシーベルト/hということで、
除染をする前は100マイクロシーベルト/h位。
そして除染をした後は60マイクロシーベルト/h位まで下がったという事です。

神保:逆にいうと60マイクロシーベルト/hまでしか下がらないんですね、除染をやっても。

藍原:
マイクロシーベルト/h位までしか下がらなくて、課題もあるということです。

これが福島第一原発の煙突です。

除染モデル19

神保:煙突があれ位に見えるところまで今回は行ったという事ですね

藍原:
はいそうです。
このような形で、除染作業、ま、モデル事業が進められています。



モデル事業について

神保:藍原さん、モデル事業というのは具体的にどういう意味なんですか?

藍原:
モデル事業というのは警戒区域、ま、今20キロ圏内で入れない警戒区域、
そして計画的避難区域などを対象にですね、国が実施する事業なんですけれども、
これは国がやると言っている事業なんですが、
それに対してどのような効果的な除染作業が進められるか?ということで、
内閣府日本原子力研究開発機構、これは略してJAEAなんですが、
そちらの方に100億円で事業を発注しました。
100億円を受けた日本原子力研究開発機構JAEAがですね、
大手企業建設業者ですね、大成建設、鹿島建設、大林組という、こういったところに
実際の除染モデル事業を発注した
んです。

神保:じゃ、やっているのは建設会社なんですね、今やっているのは。

藍原:
そうです。
で、各建設会社ごとに4市町村振り分けて、分担してエリア分けをして作業をしているという事です。

神保:
モデルという事は、その地域の全域をやるのではなくて、
いくつか選んで、サンプルになるような形でやっているという事なんですか?
モデルという事は。

藍原:
そうです。
まだ本格的には全面除染はやっていなくて、ポイントポイントをモデル的にやってみて、
どういうふうな作業がいいのかどうか、というような事を、ま、確認するという事なんですね。

神保:実験ですか?そうすると、一種のモデルというと

藍原:
ま、ある種実験です。トライアルですね
で、その見るポイントなんですけど、
対象の場所は、農地、宅地、それから建物、ビルとかですね、あるいは公共施設、道路、森林なんかを対象にしていまして、
除染によって、空間線量が下げられることの確認という、ことなんですよ。
下げられるかどうかを確認するんじゃなくて、
下げられることを確認する

もう、下がる事になっているという事が前提で、どの位下がるかっていうような話しですね。
で、こういういろんな場所をですね、
農地や宅地やいろんな所を実施することで、
新しい技術があるか?どういう事が有効なのかを確認するという、
また同時にですね、作業者の被ばく量がどのくらいになるかとか。
費用対効果ですね。
これ位のお金をかけたらこれ位の効果が出る。
ま、線量がどれぐらい下がるか、とかですね。
あと、汚染された廃棄物、土とか、汚染された木とか葉っぱとか、そういうゴミ。
それが、どれぐらいの量になるのか。
っていう事も合わせて確認するっていう事ですね。


森林の除染

神保:
先ほど映像で最後にね、大熊町の福島第一の煙突が見えるところまで近寄っているじゃないですか。
1.5キロ位って言ってましたけど、
あそこで大体、線量はどのくらいだったんですか?

藍原:
あのあたりで大体60ミリシーベルトぐらいです。毎時。

神保:
それは除染した後のレベルが60ミリ?

藍原:そうです。

神保:あ、60マイクロね。

藍原:ごめんなさい、60マイクロシーベルトです。

神保:そこは除染前はいくつだったっていう話だったんですか?

藍原:
除染前は、一番最初に測った時は毎時200マイクロシーベルト位
その後100マイクロシーベルト位に下がって、

神保:これは自然に下がった?

藍原:下がって、除染をしたら60に下がったと。

神保:ま、100から60って確かに下がっていますが、逆に言うと60までしか下がらないということなんですか。

藍原:そこまでしか下がらない。今のところ。

神保:60じゃちょっと、除染したって言ってもとてもじゃないけど人が入れませんよね、60じゃ。

藍原:入れないですね~。

神保:その原因とかっていうのは説明はありましたか?

藍原:
はい、ありました。
端的に言いますと、そこの山林の木の葉ですとか、そういったところに付いたものまでは取り除いていないんですね。
つまり、上から降ってきているんです。
木々の上から降ってきている。
なので、今後はJAEAとしては、あるいはその事業をやっている事業者としては、
例えば木の枝を切り取るだとか、そういうような事をしなければいけないんじゃないかという事ですね。

神保:
まぁ、木の幹にもたくさん入りこんでいますからね。
線量計を木に近づけると上がりますもんね、こういうところは。

藍原:
そうですね、
ましてや、前にも神保さんと一緒に郡山で取材したように、
非常に木というものが放射性物質を吸いあげるというか、吸着しやすいというか、

神保:木目に入っちゃうんですよね、どうもね。

藍原:
ええ。
そういう事があるんで自然に線量が高くなってしまう。
で、今回のモデル事業でやったのは、腐葉土、
下に溜まった葉っぱですとか、土とか、その下の部分だけを取り除いたんですね。
それで、60マイクロシーベルト位にまで下がった。
だから、残りは木自体、もしくは葉っぱとか枝とかいうのを切り落とすという事になると、
ひょっとすると、木を全部切り取って、山を丸裸にしないと、下がらないという可能性も示唆している訳ですよね。

神保:なるほど。森林の除染はそう容易ではないという事ですね。

藍原:大変だっていう事です。


仮置き場

神保:さっきね、取り除いた土をバッグに詰めて、

藍原:フレキシブルコンテナというものですね。

神保:
フレキシブルコンテナですか、柔らかいコンテナですね。
それを、こう、上に積んでましたけれど、あそこはまずどういう場所なんですか?
仮置き場というような言い方をされていましたけれど、

藍原:
仮置き場はですね、この廃棄物を置くために、整地をして、その下に保護シート、
ま、シートを二重、三重にいろんな種類のシートを敷くんですね。
いろんなタイプの仮置き場が考えられるんですけれども、
ここの場合は、最初に保護シートというのを敷いて、その上に遮水シート、水を遮るシートを敷いて、
その上にコンテナバッグを置いていると。フレキシブルコンテナを置いていると。
で、その周辺に排水用のラインというか、側溝のようなものを作って、
水を一旦、収水タンクというか、収水升のようなところに溜めて、水の線量を測りながらその水を捨てるというような、
分かりやすくいうと、廃棄物の処分場がありますね。
あれと基本考え方は一緒で、なるべく敷地の外に放射性物質が出ないような形で、仮置き場を新しく設置した、
作ったという事ですね。

神保:これは、さっきの置き場は広野町ですよね。

藍原:はい。あれは広野町です。

神保:広野町っていうのは、もう、20キロ圏外だから戻ってる方々もいるんですか?いま。

藍原:はい、いますね。

神保:
戻っている方がいる、ま、最初から避難しなかった方もいるんですよね?
そうすると、あれですか?
そういう方々がいるのに仮置き場をどこにするかについては、特に大きな問題とかはなかったんですか?

藍原:
問題は無くて、むしろ町の方からですね、「ここがいいのではないか」ということで、
役場の方から「ここがいい」という事で、指定があったという事なんですね。

神保:それは広野町の土砂や除染した土じゃない物でも、広野町のそこに今持ってきている状態なんですか?

藍原:
いえ、基本的にはここは広野町の廃棄物を置いているもので、
ちょっと映像には出てこなかったんですが、この後に、大熊町の同じような仮置き場っていうのも、
大熊町の方で選定して、
で、大熊町が選定した仮置き場の場所というのは、大熊町の野球場、市のグラウンドなんですね。
スコアーボードがあったり、ギャラリー、観客が座るようなスタンドがあったり、
その前に、そういった廃棄物を置いているバッグが次々に並んでいるという状態です。

神保:
う~ん・・・なかなかそれもちょっと、辛いところですね。
野球場でそうなっているというのはね。
あの、当然その仮置き場というのは線量が高くなるんですね。

藍原:はいそうです。

神保:どれくらいいってましたか?仮置き場っていうのは。測ってきましたか?

藍原:
取材者が周りにいるところからの距離は2,300メートル離れているんですけれども、
その時点で測った時には、広野では高くても10マイクロ前後。
もっと高いところは20マイクロ位あるみたいなんですけれども、
大体、10マイクロ前後。
大熊町は20、高くても30行くかどうかっていう感じでした。

神保:
じゃぁ、除染をした土砂でも、そんなには高くないという事なんですね?

藍原:
いえ、実際には撤去した場所によって随分線量は違っていて、
土砂を仮置き場に置く際に、線量が高いものは、真ん中の方に積んで、
線量が低いものは外側に積むというような、
そういう積み方の工夫なんかもしているそうです。
なるべく、この周辺も車が通ったりもするので、影響がないように、
そういった積み上げ方もいろいろトライアルでやっているということでした。


「防護服を脱げ」との指示

神保:
最初に藍原さんがおっしゃっていた、白い防護服、タイベックすですか、
あれを脱ぐようにという指示が、
これは広野町の方からあったんですか?

藍原:
いいえ、広野町からではなくて、
日本原子力研究開発機構JAEAの担当者が、
説明があって、だいたい9時半に集合時間になっていまして、
殆どのメディアが9時位には集合していて、
その段階から、みんなが次々と防護服に着替え始めていて、
ほとんど、全員のメディアの記者が着替え終わった後に、何故かそういう指示が突然出まして、
「この白い防護服を着てメディアの人がみんなで集団で移動していると、
それを見た広野町の人が不安になるので、脱ぐように」というような指示だったんですね。

神保:それは、広野町はもう、警戒区域外なので、一般の人達が生活している人がいると。

藍原:そうです、そうです。

神保:あぁ、そういう方々が白い服の集団を見ると不安になるからと。

藍原:
という話なんですけれども、
それに対して、私を含め、何社かのメディアがですね、
「最初から着るようにという指示があったのに、今になって突然変えるは何故か?」という質問があったり、
あと、私個人としては、
「なるべく被ばくを避けたいというような、そう言った安全面からですね、
こういった防護服を自分個人の判断として着るというのは、わたしの自由ではないか」という事を主張したんですが、
JAEAの方では、
「それを見た人が不安になるという事があるのだとしたらば、JAEAとしては、そういった事は避けたい」と。
「まずは住民の方の事を第一に考えて欲しい」という事を言われたのと、
JAEAに対して、今回ではなくて、過去にそのような問い合わせがあったんだそうです。
住民の方から「あれはなんですか?」というのが。
なので、「そういう事もあったので、そこに配慮してほしい」ということで、
結局は脱ぐようにという事になったんですね。

神保:
まぁ国から100億円をもらってやっている側としては、
住民からクレームがつくと、あんまり具合が良くないのかもしれないですね、それは。
ふふん、なるほど。

藍原:
だからそんな事もありましたけれども、それでもメディアの方はですね、
だいたいそのメディアの人が、全部脱ぐのではなくて、
防護服の上に自分たちのジャンバーとか、黒いジャンバーとか、コートとかを着て、
真っ白い人間にならないようにっていうんですかね、
上から防護服が見えないようにうまく工夫をしたというのと、
1社だけアルジャジーラのカメラマンはそういう指示に対してはまったく無反応というか、
無視で、自分たちの判断で、ずっと着続けるという事で着ていましたね。

神保:
ただ、上からジャンバーとかいうのも、皆さんはどういうふうに理解しているんだろう?
タイベックすは全く放射能自体は、はじきませんから、はじかないっていうのか防ぎませんから、
あれは基本的には外に付いたやつを後で使い捨てにするためによって、持ち込まないで済むっていうやつですよね。
だから上から着るっていうのも、なんかちょっと、大丈夫かな?っていう感じですけれどもね。

藍原:
それについてはJAEAの方からももちろん説明もありましたし、メディアの方もそれは理解していて、
必ずしもこれによって防ぐ、放射線は通過してしまうものであるという事はみんな分かっている事なんですけれどね。
ま、私もそれはもちろんわかっていて、防護するっていうのは自分の、ま、分かっていてやっているという事なんです。

19:59

神保:
洋服だとね、やっぱり大変。そのまま事務所に戻ってきたら事務所にまき散らすことになりますからね、
そうするとその洋服を全部捨てるわけにもいかないですから、
結局ああいうのをきているとそのまま全部脱ぎ棄てていけばいいっていう意味では、
とっても便利は便利なんでしょうけれどもね。

藍原:
あと、みんながスタンバイしちゃった段階で、シューズカバーまで全部装着しちゃったんですね。
なのでそれをはずすということになると、まぁ、防護服というのは使い捨てなので、
また脱ぐときにそれが汚れたりというのがあったり、やたらと面倒なんですね。

神保:一回着ちゃったら、脱いだらもうダメですからね、基本は使い捨てですからね。

藍原:
最初の指示で、防護服は各社自分たちで準備するようにと、
全てですね、手袋とかマスク、ゴーグルとかも全部準備して言ったんですけれども、

神保:ただみんなが集まったら「脱げ」と言われたと。

藍原:みんなが着ちゃった後だったんですね、それが。



10キロ圏内に入ってみて

神保:
今回藍原さん、10キロ圏内というのは事故以来初めてでしょ?入るのは。

藍原:はい初めてですね。

神保:
藍原さんは福島県の出身ではあるけれど、もともと福島市のご出身であるけれど、
10キロ圏内まで入ってみて、何か気付いた事はありましたか?

藍原:
やっぱりですね、こういった処分場の作業は、人の手でやっているんだなというのを強く実感しました。
いくら遠くで、ま、福島市とかですね、東京の方でいろいろな廃棄物の議論がなされていますけれども、
実際にそういった作業を自らの手でやっているっていうのは、人間がやっているんだなという事で、
私なんかは本当に、この時は仕事でもあるし、数10分いただけですかれども、
そこでずーっと長い時間、長い時間といっても、2時間ぐらいで区切ってやっているそうですけれども、
それでも、被ばくしながら、60マイクロ位のところで作業している人が実際にいる訳なんですよね。
そういった人を間近に見て、あぁ、本当にこれは、
特に山林の除染なんていうのは、木と木の間30センチ位のところの葉っぱとか土を取り除かなければいけない。
そういう作業を本当に人間がやっているんだというのを肌身で実感したというのが一つですね。

神保:はるほど

藍原:
それと、本当にこれだけの費用をかけて、効果が上がると言える効果、
費用対効果の問題ですね、
どういうふうに考えたらいいかっていう事です。

神保:
100から60っていうとね、随分下がったともいえるけれども、
「まだ60あったら人が住めないじゃん」っていうのもある訳ですよね。
だから、たとえば、5とか7がね、2とかになりましたっていうと、
ようやく住めないところから住めるところに近づいたかなって感じもするんだけど、
100から60じゃ、ちょっとねぇ、

下がり幅は大きいですけど、40とね。
んー、という感じはしますよね、ま、それも含めてモデル事業として今後の参考にするっていう事なんでしょうけれどもね。

藍原:
ただ、どうなんでしょうね、
この前提として、下がるという事を確認するという、
「下げられることの確認」という言葉使いなんですけれどね

神保:ちょっと嫌な感じがしますね

藍原:
もし下がらなかったら、もうそれは諦めるっていう事が、その延長にあるのかどうか、
でないと、どんどんお金をジャブジャブつぎ込んでですね、
「でも結局下がりませんでした。お金だけは使いました」っていうことになって

逆にいうとこの広野町の線量、大熊町ですか、線量が高い所の人にですね、
ものすごい期待をさせてですね、「いずれ自分の家に住めるようになるんじゃないか」って、
住んでみたら線量60でしたなんて、・・・ま、それはあり得ないですけれども、
結局は非常に高いところに住むような事に、なりはしないんでしょうね、っていう感じですけれどね。

神保:
さっきね、森林は100から60位に下がったという話でしたけれど、
森林以外の、ま、普通のところ、普通の市街地なんかでは、大熊町はどれ位まで下がったんですか?

藍原:バスで通過した範囲ですけれども、30マイクロシーベルトぐらいですね。

神保:それでもまだ30ですか

藍原:
30、場所によっては40とか50位になったところもありましたね。
ただ、もうそれは一瞬でした。

神保:
まだ全然高い。
それは除染が済んだところが30とか、40とかっていうこと?

藍原:それは、車が通る、ま、通れる道路ですね。そこは警戒区域の中ですけれども。

神保:
その10キロ圏内の、除染作業以外のところで、町並みとかを見て
ま、10キロ圏はもちろん誰も住んでいない訳ですけれど、お店も開いていない訳ですけど、
町並みとか見て何か、
自分のある種故郷の福島の10キロの町並みを見て、何かありましたか?
藍原さんとして思うところは。

藍原:
非常に悲しい思いがしましたね。
左側に海が見えて、入る時ですけれども、左側に海が風光明美な、とてもきれいに見えて、
右手に目を転じるとですね、大きなスーパーのようなお店が、窓が割れていて、
中に人が入ったのかはちょっと、分からないんですけれども、
ぐちゃぐちゃになっている状態のまま放置されている。

神保:6線沿いですね

藍原:
6号線で、道路はでこぼこがないように修理されているんですけれども、
左側に海が見えて右側に壊れたり、ガラスが割れたままで放置されているような商店が大分経ち並んでいてですね、
本当に人がいない町ですね。
さびしい雰囲気。

神保:
大熊町から6号線で広野町まで下がっていったっていう事は、
途中で福島第二の横も通られましたよね、

藍原:えーっと、楢葉の方を通っていったんですね。

神保:
そうか、あそこはやっぱり、6号線はまだ開通していないのかしら、
6号線の福島第二のあたりのところが、道路が完全に陥没してしまって、通れなくなっていたんですね。

藍原:ちょっとその辺は私は・・

神保:あ、そうですか、でも、楢葉をまわったというのは何か目的があったんですか?

藍原:ちょっとそれも確認してみないと分からない

神保:
ルートなんですかね、もしかしたら6号前がまだ、開通していないのかもしれない。
だから、楢葉をまわったのかなって思ったりもしますけれどね。
いや、ようするに線量が高いところで道路工事まで、
大規模な工事になるような大きな陥没なんです。
陥没というか、道路自体が完全に寸断されているんですね、あるところから
福島第二のあたりでね。

藍原:
はい、
場所場所によっては看板が出ていまして、「急いで工事しています」のようなですね、

神保:あ~、工事しているんだ、

藍原:
しているというような看板がどんどんたっているんですけれども、
実際に人影が見えるわけではなくて看板がたっている状態だけというところも結構ありました。

神保:
その工事もね、やっぱり被ばくしながらの工事になりますから、
ま、大変だろうなとは思って見ていたんですけれどもね。

藍原:
作業をしている人の様子なんかを見ますとね、
じゃぁ、「原発の中で働いている人はどうなんだろうか」というふうに、やっぱり、考えてしまった訳なんですが、
若い人なんかも原発の中に入っていますし、
やっぱり被ばくの危険とか、そういうのをね、生み出してしまう、この原発の事故っていうのは、
本当にどれぐらいまで広がるのかっていうのは、恐ろしい感じがします。
ま、神保さんもそうだと思いますけれども、メディアの中もですね、
メディアの人達も、自分も含めて、こういった形で、本当に短時間だけ中を見ていますけれどもね、
やっぱり凄く感じるところがありますし、なるべく、あの、
私は震災で、福島県出身なので、
こういった意味で「原発を推進してしまったんじゃないか」っていう熟知たる思いがあるんですね。
特に、地元の新聞社に勤めていて、
JCOの事故なんかも体験していながらですね、
そういった原発に対してちゃんと見てこなかったんじゃないかという、
そういうような、自分としての反省があって、
今回はやはり取材をしようと思った訳なんですけれども、
やはりどうですか?
こういった現場を見るというか、誰にでもお勧めするようなものではないですけれども、
見たことによって、よりリアルなっていうかですね、ものを伝えなきゃいけないという、
そんな感じがより強く感じましたけどね。

神保:誰でも行けるところではないので、非常に貴重な映像だし、貴重な報告だったと思います。


100億円 除染事業 28億がJAEA

藍原:
あとですね、今回の事業に関しては、
内閣府の方からJAEAの方に、だいたい100億円で事業が発注されているんですね。
で、JAEAのほうが、3つの大きな共同企業体に、またそれを発注しているんですね
これは、大成建設、鹿島建設、大林組を中心としたJV、共同企業体なんですけれども、
各企業体ごとに4自治体を担当しているんですね。
4市町村を担当していて、1市町村当たり大体6億円位かけて、モデル事業をやるんですよ。
で、これ、4自治体×6億なので、24億円ずつ各JVが取るんですが、
足してみると、24億×3JVなので72億
そうすると28億
っていうのが、すごく分かりやすくシンプルに言ってしまうと、
JAEA日本原子力開発機構のところにあると。

神保:JAEAの粗利が28億

藍原:
粗利というと生々しいですが、ある種分かりやすい。そんな感じなんですね。
これ、ざっと計算ですけどね。
だから、そういう意味ではすごいお金が、
しかもこの事業は11月から3月で終了という事ですので、
ま、5カ月ですか、5カ月位でそれだけのお金が動いた訳なんですよね。
ですから、モデル事業でこれだけですから、
仮に本格的に除染活動がこのエリアで始まった場合、
ものすごいお金がかかる。
実際に、環境省には除染の予算だけで、1兆円を超す予算が使われるんじゃないかという見込みも出されていまして、
ものすごく、何て言うんですかね、大きな事業になるんですよ。

神保:
なるほど、だからそれをね、決してやけ太りみたいなことにさせてはいけないという意味では、
今回はモデル事業なんだから、
モデル事業の中身をですね、
実際、藍原さんは現場を見たわけだし、
これからモデル事業の報告書みたいなものが当然上がってくるはずですよね。
税金使ってやっているものですから、
それについて中身をちょっと厳しくウオッチする必要が出てくるかもしれないですね。
その除染が、なんかこう、本当に焼け太りみたいなものになってしまうというのは、
で、結局たいした効果は無くて、、
住民は戻れないのに税金だけ使いましたと、
結局得したのはJAEAとそこから仕事をもらった大手ゼネコンだけですと言うのは
ちょっといただけないと思いますので、
そこらへんは、もしウオッチする、干渉するとすれば、メディアの、
本当は国会なんかでもやらなければいけないんでしょうけれど、
予算の使い道ですからね、これは。
なかなか国会議員は現地に見に行くという事をしないでしょうから、予算委員会の委員がですね。
だから、やっぱりメディアもそこはひとつ責任を負っているのかなという気持ちがしますね。

藍原:そうですね、はい。

神保:
僕も是非、次に機会があったら原発の、今度は中まで行きたいなと思うんですけれども、
今度はなんか、視察がまた計画されているんですよね、メディアの。

藍原:そうです

神保:またクラブ中心でなかなかちょっと、回って来そうもないような話しですが、

藍原:
でも今回はですね、非常にユニークなって言ったらなんですが、
海外メディアも、アルジャジ―ラガ入ってきていたりですとか、
BBCが入ったりですとか、
海外のメディアの人達も入ってきていて、

神保:今回のこれね、この除染の視察ね。

藍原:
この除染の視察ですけれどもね、
あと、ドイツのメディアの人も入ってきたりという事で、
海外メディアも取材をしているということですので、
色々な形で、いろんな切り口でレポートされると思うんですが、
BBCなんかの記者はですね、これを見ていて、日本のメディアの在り方というか、
そういった物も一つ簡単な番組として作れそうな気がしてきたと言っていましたので、
その防護服を着るとか脱ぐとかいう事を含めてですね、
そういう広報体制だとか、住民に与える影響がどうなのかとか、
そういった事をレポートにするかもとは言っていましたけどね。

神保:なるほど、ハイわかりました。藍原さんどうもありがとうございました。



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アメリカCBSは1月に南相馬の除染を視察したようです↓
「校庭に汚染土を埋めている!」日本で報道されない南相馬の除染方法 
米CBSニュース1/16(動画&字幕書き出し)



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タイベックスーツ

タイベックスーツには放射線を防ぐ効果はありません。従って着ていようが脱ごうが、全身が被ばくすることに変わりはありません。
なぜ着るかといえば、放射性物質を口から取り込まない、汚染現場で服に付いた放射性物質を他の場所に「持ち帰らない」ために着るのです。
このような基本的な知識が欠落したまま取材をするというのは、文字通り命がけです。
http://tyvek.co.jp/protect/information/index.html
↑デュポン自体がそのようにアナウンスしています。

なお自衛隊の特注品などでは遮蔽物が含まれた素材の防護服があり、それらは遮蔽物がある「面」のみ遮蔽効果が期待できるのですが、全身をそっくり覆うと作業に支障が出る。
従って全身を放射線から防護する防護服はないと思います。

いつもサンクスでっす

いつも詳細かつソースを明示した情報、ありがとうございます。
タイベックスーツに放射線防護の機能がないということに関して記事を書きましたが、きーこさんのこのエントリー内容を含めて簡単な記事を書くにあたりリンクいたしたく、よろしくお願いいたします。