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02.28
Tue

・3キロ圏内の空からの映像を見て
 汚染水は見えない所でどんどん漏れている (見えない=漏れていない)
・事故調査堅調委員会が海外から専門家の意見を聞いたことについて
 アメリカ&フランスの専門家の意見



2月27日月曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]





<参考>
福島第1原発 空から見た3キロ圏の惨状
毎日新聞 2012年2月26日

2263キロ上空11
(※画像をクリックすると↑毎日新聞の記事が開きます)

元の形をとどめない原子炉建屋。海際の一帯は、津波で大きな被害を受けた惨状のまま放置されていた。
東日本大震災の発生から間もなく1年。
飛行禁止区域が半径20キロから3キロに縮小された東京電力福島第1原発とその周辺を
26日、ヘリコプターから見た。


2263キロ上空13
(※画像をクリックすると↑毎日新聞の記事が開きます)

初めて見た第1原発の壊れ方に、あらためて驚かされた。
かつて整然と並ぶサイコロのように見えた原子炉建屋は、鉄骨がむき出し。
海側のガードレールはひしゃげ、タンク類も変形していた。

2263キロ上空12
(※画像をクリックすると↑毎日新聞の記事が開きます)

周囲には汚染水を貯蔵するタンクが山のように積まれている。
がれきや放射線の影響で、復旧作業は順調に進まない様子だ。(共同)




原発事故調、海外専門家から批判続出 
中日新聞 2012年2月26日 02時14分

福島第1原発の事故をめぐり、政府の事故調査・検証委員会が
海外の原子力専門家から意見を聞く会合は25日、2日間の日程を終えた。
専門家からは、日本の原発事故への備えの甘さや、
政府による「冷温停止状態」宣言の拙速さを批判する声が相次いだ。

米原子力規制委員会(NRC)元委員長のリチャード・メザーブ氏は、
事故現場で線量計が作業員に行き渡るまで3週間もかかったことを問題視し、
「信じられない対応だ。もっと早くそろえられたはずだ」と批判した。

フランス原子力安全局長のアンドレ・ラコスト氏は、
1999年の茨城県東海村での臨界事故や、2004年に関西電力美浜原発で起きた配管破裂事故を例に挙げ
「日本では5年に一度、事故が起きていた。大事故があるなら日本だと思っていた」と、
教訓を十分に生かしてこなかったことが大事故につながったとの認識を示した。

韓国原子力協会長・張舜興(チャンスンフン)氏は、
政府の「冷温停止状態」宣言に疑問を呈し
「原子炉内の状態を特定せずに、どうして安全と言えるのか」と、拙速さを批判した。

事故調も、安全意識の甘さがなぜまかり通ってきたのか、今夏の最終報告で解き明かす考え。
委員長の畑村洋太郎・東大名誉教授
「安全文化という考え方に真正面から向き合わなければならないと感じた」と述べた。


続きを読むに内容を書き出しました。






水野:
まずですね、福島第一原発の上空は20キロ圏内まで飛行禁止区域だったんですね、
それが3キロまでに縮小されました。
それが空から見た3キロ圏内の空からの映像というのを小出さんもご覧になったと思うんですが、
どんな、

小出:
あ、すみません。
私は週末ずっとあわただしく過ごしていて、
実は、新聞記事の写真ぐらいしか見ていないで、申し訳ありません。

水野:いえいえ、記事でも非常に近いところから取った物もありましたね。

小出:はい、一枚だけありました。

水野:これは何か小出さんから見られてありましたか?

小出:
私が見た一枚に関しては特別にはありません。
私が思っていた通りというかですね、
破壊もひどいし、今現在雪も降り積っているというような、写真で、
あ、作業員の人達は大変だろうなと、その写真を見た限りではそう思っただけでした。

水野:汚水のタンクらしきものが、ものすごい数になっているようなんですよね。

小出:
あ、そうですか。
私が見た写真にはそれはありませんでしたが、当然のことであって、
これからもどんどん、どんどんタンクを作っていかなければ間に合いません。

平野:先生、これ、汚水処理って言うのは、その場ではもう、なかなかできにくいんですか?

小出:
出来ますけれども、今現在もどんどん、どんどん水を入れなければいけないという事になっているのですね。
とにかく原子炉を冷やさなければいけませんので、
減る事は無いのだし、必ず増えていってしまう。
そして放射能で汚れている訳ですから、出来る限り食い止めなければいけない。
もちろん食い止められずに今でも海にどんどん流れていっている訳ですけれども、
出来る限り安全な場所に移さなければなりませんので、
今現在できる事は、私自身はタンカー、とにかく巨大タンカーがいいと言っているのですけれども、
それが出来ない限りはタンクを構造する以外の逃げ道はありません。

水野:
ただこのような現状がですね、
しっかりとして情報で、言葉で伝えられるっていう事が、
本当に無くなってきていると思うんですよ。

小出:そうですね。

水野:
いま、小出さんがおっしゃった、汚染水が海に流れているっていう話もね、
以前だったら、まぁ、わずかな数字であっても出てくる時がありましたけど、
もう、そんな数字すらも全く出ない。
汚染水が海に流れ出しているなんていう事を
みなさん、もう全く頭にない方が多くなっているのではないかと思いますが。

小出:
と、おもいますけれども、
でもみなさん、普通に考えていただければ、いいのです。
汚染水は原子炉建屋とか、タービン建屋とか、トレンチピット、建抗というところに溜まっているのです。
ジャージャージャージャー入れている訳ですから、そういうところに溜まるしかない。
それはコンクリートでできているものなのです。
必ずひび割れているし、必ず漏れる以外にないのです。

水野:
以前のひび割れ、建抗だとか、いろんな話がいっぱい出ていましたよね、漏れていたって。
それが、どうなったかっていう後の話は出てこないまま

小出:
ピットで例えば、漏れていたのが、
ジャージャー漏れているのが見えたから、そこを止めたと言っている訳ですけれども、
殆どは地下に、原子炉建屋の地下も、タービン建屋の地下も、漏れたって見えないのです。
だから、ただただ放置されている。というだけのことであって、

水野:見に行く事も出来ない。

小出:できないのです。

水野:危なくて

小出:そうです。

水野:見えない事が「無いこと」になっているという恐ろしさですね。

小出:
そうですね、
それで当然そんな事は誰にでもわかる筈だけど、言わないという事なんです。

水野:言われないと想像しないと。

小出:はい

水野:無かったことにすると。

小出:そうですね。

水野:
という、こんな悪循環に入っているような気がします。
それから、この週末2日間、政府の事故調査堅調委員会というところが、
海外から専門家を招いて、意見を聞いた
んだそうです。
その海外から来た人たちの意見というのがですね、いくつかご紹介したいと思います。

小出:はい

水野:
小出さんどう思われるか、感想を教えて下さい。
アメリカの原子力規制委員会の元委員長さんです。
リチャード・メザーブさんという方はこう言っています。
事故現場で線量計が作業員に行きわたるまで、3週間もかかった。
これについては、「信じられない対応だ。もっと早くそろえられた筈だ」と、おっしゃっています。
これはどうですか?

小出:
私もそう思います。
当時も、私はそんな事は発言したことはありましたけれども、

水野:ええ、おっしゃっていました

小出
線量計自信が届きませんので、線量計自信はたとえば東電の福島第二にもあった訳ですし、
柏崎刈羽にもあったわけですし、
もちろんメーカーの在庫もあったわけですし、
そんなものはすぐにでも借り集めてきて作業しなければいけなかったのです。
それが足りないから渡さないまま仕事をさせていたという事ですから、
言い逃れることはできないし、信じられない事だと私も思います。
ただ、ただ、と思うけれども、福島の第一原発はですね、本当に悲惨な状況だったのです、事故後は。
吉田所長という人が今はもう辞めていますけれど、
彼も「死ぬかと思った」ということを彼自身が言っている訳ですし、
もう、持ちこたえる事が出来ないから、全員撤退するというところまで、彼らは追い込まれていたのです。
それほどひどい状況の中で、事故が進行していた訳ですから、
確かに私も信じられないという気持はあるけれども、
原子力発電所の事故というのはそれほど悲惨なものなのだということを
改めて示したのだという事だと思います。

水野:そういう事なんですね

平野:
だけどこういう事を判断する、例えば線量計の話でも、
やっぱりこう、現場だけの話じゃなくて、国とかですね、原子力安全委員会とか、
司令塔が機能していなかったという事が改めて浮き彫りになっていますよね。

小出:
はい、そうです。
平野さんのおっしゃる通りで、司令塔地震がもう何の機能も果たさなかった。
官邸と保安院、そして原子力安全委員会の連絡自身が殆ど何にもないまま
指揮命令機能が何にもないまま、ただ事故が過ぎて行ってしまったという、
その問題は大変大きいと思います。

水野:
フランス原子力安全局長のアンドレ・ラコストさんという方はですね、
日本では5年に一度、原子力関係の事故が起きていた。大事故があるなら日本だと思っていた
そんな事今言われたって、私も大変ショックを受けましたが、
それぐらい、日本は外国から見たら、そう見えるんですか?

小出:ああ、もちろんですね。

水野:へぇー

小出:
あのう、日本のみなさんは、何か日本っていうのは
すごい知的レベルの高い国で、科学技術が進歩している国で、
皆さんそう思っているかもしれませんけれども、
もちろんそんな事は初めからないし、
事原子力に関する限りは、米国から全部教えてもらって、
米国に付き従ってきたという、ただそれだけのことなのであって、
日本が原子力の先進国だなんて言うならば本当に世界の物笑いになってしまうわけです。

水野:そうなんですか

小出:
はい。
ただし、私はフランスがそういうふうに言うという事に関しては、ちょっと異議もありまして、
これまで原子力を進めてきた国、イギリス・米国・ロシア・フランス・日本というような国ですけれども、
イギリスでもウインズケルの再処理工場というのが膨大な汚染を引き起こしたし、
ウインズケルの原子炉の事故も起きたし、
ロシアのチェルノブイリでも起きたし、
米国のスリーマイルでも起きたし、
残っていたのがフランスと日本な訳で、
どっちかで事故が次に起きると、私は思っていました。
まぁ、幸か不幸か日本で起きたということなのであって、
「フランスが安全だ」なんていうのであれば、多分次はフランスです。

水野:なるほど、ありがとうございました。




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