03.02
Fri
小出裕章氏がテレビ局のスタジオに直接出演されているのはとても珍しいです。
VTRとか、電話ではあちこち出ているけれど、番組にこうして出られるのは
あれ~?始めてかなぁ(。◔‸◔。)??
★私がこの番組内で「これだ!」と思った小出先生の言葉
・ですから、重油代・天然ガス代を新たに払うということであれば、
それだけはもちろん高くなるわけですね、
でもそんな事は今現在起きている原子力発電所の事故の補償費用から考えたら、
もう、本当、微々たるものも微々たるもので、
「そんなものいったい何なんだ」と言って笑い飛ばせばいいほどの金でしかない
・人類がもう、滅亡するかもしれない位の長い期間に渡って、
毒性が消えない毒物を、子ども、孫、子ども、孫と、
ずーっと押しつけなければならないという選択を、私たちはしているのですね。
ですから、
たかが電気のためにこんなことをするのかと私は思います
ーーー
原発問題のすべてを小出さんに聞く
愛川欽也パックインジャーナル2/25(土)
愛川欽也パックインジャーナル2/25(土)原発問題のすべてを小出さんに聞く
【今週の出演者】(敬称略)
早野 透(桜美林大学教授)
今井 一(ジャーナリスト)
川村晃司(テレビ朝日コメンテーター)
マエキタミヤコ(メディア・クリエイティブディレクター)
横尾和博(社会評論家)
※コーナーゲスト
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
【内容】
(1)原発問題のすべてを小出さんに聞く
東日本大震災、原発事故からまもなく1年を迎えます。
そこで京都大学助教の小出裕章さんをコーナーゲストに迎え、
原発問題のすべてをトークします。
最初の新聞記事紹介は、
関西電力高浜3号機が定期検査のため20日発電を停止し、
西日本では原発稼働がゼロになった記事を紹介します。
原発の全てを小出さんに聞く
愛川:
小出先生は出世しなかったですよね
「出世なんか関係ないよ」っていう感じはするんですけど
原子力という勉強をなさっていて、「こんな危ないもの」っていう事に気がつかれた時から
何か小出先生は「ま、これでいいや」っていうふうに、思われています?
小出:
私はもともと、出世なんかしたくないのです。
誰かを導いていくとか指導者になるとかカリスマになるとかいう事は
一番嫌いで一番苦手なのです。
で、自分のやりたい事はやりたいと思いますし、
やりたくない事を命令されるのは大嫌いです。
ただ誰かにこれをやれという命令するのも嫌いというそういう人間ですので
むしろ出世はしないというのでここまで来ました
愛川:
今一番気になるのは僕らが原発で電気を作らなければ足らなくなると、
それはどうしても石油を買ったり天然ガスを買ったりしなくちゃならなくなるから、
徐々に減らしていくために仕方がないと、
こういうふうに教育されているのか洗脳されちゃっているのかは知らないけれど
僕はこの番組で暗くなってもいいじゃないかと。多少、そんな危ないもの。
だって、現に福島の事故以来ね、何にも収束していないと思うのですよ。
なおかつ、最終的には動いている原発も全部、あの炉心をね、やがて廃炉にしたところで、
どこに埋めてどうするかと。
そうするといろんな話を、ま、各先生方とお話しをすると、何十万年も先に。うっかりすると、
そいつを、もう今の言葉も使っていないかもしれないし、人間も変わっていたりするかもしれないけど
「なんだろこれ?」って言った時に、まだ放射能が生きているんだって言う話を聞くと、
「なんて恐ろしいものを作っちゃったんだろうな」って、どうしても思います。
で、一方現実的に思えば
しかしそれを、まぁ、使って、電気を発電してもらわない事には、
あちこちがみんな足りなくなるっていうんですね。
そのためにあちこちの工場はみんな海外に行っちゃって、
日本はまるで、こう、国家として成り立たないみたいな事が言われたりするんですね、大きく言えば。
で、そんな中で、みんな、
「じゃ、仕方がないから徐々に」
でもね、変だなと思うのは。徐々に減らしていったって同じなんじゃないかなってw
たとえばそうやって企業が潰れていくんだったら、徐々に潰れていくだけの話で、
徐々に減らしていくっていう事をね、特に小出さんはどう思われますか?原発。
小出:
私は原子力発電は「即刻すべてやめなければいけない」と、ずーっと発言してきた人間ですから、
徐々に減らすなんていう事は私から見ると論外です。
まず、愛川さんも含めてですけれども、多分誤解があると思うのですが、
日本に今ある原子力発電所を全て即刻止めたところで、
日本の電力供給には何の支障もないのです。
水力発電所と火力発電所をきちんと動かすことが出来るのであれば、電力が足りなくなる事はありませんから、
ここを暗くしたりする必要もないのです。
もちろん暗くした方が私はいいと思いますよ。
電力は節約したほうがいいと思うけれども、
今まで通り使ったとしても何にも困らないのです。
ただし、原子力を止めた分は火力で補うというような事をしなくてはいけませんから、
重油を買うよ、天然ガスを買うよという事はもちろん必要になります。
そのための費用も必要になるでしょうけれども、
でもみなさん考えて下さい。
福島第一原子力発電所の事故が起きて、猛烈な被害が今出ている。
で、その被害を本当に補償しようと思ったら、
東京電力が何度潰れても購いきれないと言うほどの被害がすでに出ているし、
本当に日本の法律をきちっと守って、人々を守ろうとするならば、
日本という国家が潰れても足りない位の被害が出ているのです。
重油代どころの話ではないという被害がでているわけですから、
まともな経済人であるなら、きちっとした経営感覚を持って、
そういう評価をして欲しいと私は思います。
つづきは

横尾和博(社会評論家):
今その甚大な被害というふうにね、ま、あって、それはメディアでも一部報道されていると思うんですけれども、
なかなか我々素人が分かっていないのは、
今、福島第一原発事故があって、
たとえば比喩の、たとえなんですけれども、
広島に落ちたウラン型原爆の何千倍でしたっけ?
どれ位の放射性物質が降ったという事が良く言われているんですが。
小出:
日本の政府がIAEAという、国際的な原子力推進団体に対して報告書を出しました。
その報告書によると、大気中に放出したセシウム137の量は、
広島の原爆が放出したセシウム137の168発分だと言っていて
横尾:168発分、
小出:はい、私はそれを確実な過小評価だと
横尾:IAEAの過小評価だと
小出:
日本の国というのは今回の事故を起こした最大の責任者
私はむしろ犯罪者と呼びたいのですが、
犯罪者が自分の罪を正しく申告する事は、普通はない。
なるべく小さく申告するという事になっているのですから、
原理的に過小評価だし、海外の研究者などは
日本の政府の報告の2倍3倍の評価を出していると。
つまり、広島の原爆が振りまいた放射能のすでに、数100発というものがすでに大気中に放出してしまった。
そして今現在も海に向かって放出しているという、そういう状況です。
横尾:
という事は福島の今自主避難されている方、それから残っている方色々あると思うんですけれども
小出先生のお考えだと、やはり今の福島の状態というのは、即刻避難したほうがいいとか、
そういう具体的なアドバイスとかそういうのはありますか?
小出:
私は京都大学の原子炉実験所というところで、
原子炉を動かしたり、放射能を扱って仕事をしている人間です。
その私は、ですから普通のみなさんとは違う人間として法律的にも定められている
「放射線業務従事者」という特殊な名前がつけられているんですね。
普通のみなさんが1年間に被ばくをしてもいい上限は1ミリシーベルトという限度なのですが、
私は「放射線業務従事者として働いて給料をもらっているから、被ばくは我慢しろ」と言われていて、
皆さんの20倍の20ミリシーベルトまでは我慢しろと言われてきた特殊な人間なんですね。
でも今、日本の政府は、
福島原発の周辺の猛烈な汚染地帯の人だけを避難させています。
約十万人近い人々を避難させている訳ですけれども、
その基準は一年間に20ミリシーベルトを超えて被ばくしてしまうような、ところの人は避難しなさいと言っているんですね。
つまり、私のような人間でも許されないというような被ばくのところだけを避難させている。
でも、19.9ミリシーベルトの人はそこにいていいし、逃げたければ勝手に逃げろと。
10ミリシーベルトの人も5ミリシーベルトの人も、
もう、国としては面倒は見ない、勝手に逃げなさいというような事をしている。
つまり、もうすでに国家地震が法律を破って、人々を被曝させてるという、そういう状況になっているのですね。
私は被ばくというのは必ず危険があると思っていますので、
日本がもしも法治国家であるというのならば、
きちんと法律を守って、福島の人達を避難させなければいけないと思います。

早野透(桜美林大学教授・元朝日新聞編集委員):
アメリカの方から伝わってくるのは、あの時の危機というのは、日本政府が想定したものよりもはるかに危機であったと、
で、アメリカは80キロよりも先に逃げろと言っていましてね、
そして、日本の方でもあの時実は3000万人ぐらいが避難しなければなかったんだという話が、
このごろ、田坂広志さん(元内閣官房参与工学博士(原子力工学))なんかがおっしゃったりしていますけれどもね、
そんなようなことなんですか?
小出:
そうです。
あの時は事故がものすごくドラスティックに進行していて
いったいどうなっているのかという事が、はっきり分らないまま進行していたんですね。
で、防災というものの原則というのは、
「なるべく悪い方向に考えて、人々を守る」と。
それがやりすぎだったなら、「ちょっとやりすぎたな」と、後で頭を掻けばいいという、それが防災だと私は思うんです。
早野:そうですよね、それが危機というものに関する考え方ですね
小出;
はい、ですから米国の方はむしろそうしたのですね。
悪い事が起きるかもしれないと思って。
だから日本の国も、
私なんかはこれは本当に悪い方向に行ってしまうんじゃないかと事故直後から思っていた訳だし、
原子力の専門家の中には、悪い方向に行く可能性が高いと思ってきた人が実は沢山いるのですね。
ですから、東京電力だって、「もうこれはダメだからみんな逃げたい」というような事を当時言っていて、
菅さんが東京電力に乗り込むということまでやったんですね。
ですから本当に危機一髪のところで、今のところに、
かろうじて今のところで収まったわけですけれども、
本当であれば、もっともっと、きちっと人々を逃がさなければいけなかったし、
あの当時の対応が遅かったが為に、いらない被ばくをさせられてしまった人々も実は沢山いるという、
そういう状況です。
愛川:
原発という物を作るその基本は、僕は原爆を作ったところから始まるというふうに、あの信じているんですね。
原爆というのは、人を大勢なるべくたやすく殺せる兵器を作ったんですね。
で、日本はそれを二つ落とされたんですね。
その国で、こんな素晴らしい、つまり、石油やその他のエネルギーを作るのより、
安くて、しまいには、一回使ったものをもう一回リサイクルできるようなものだって教育されてきた私たちはですね、
どこかで、綺麗で安くて便利な安い電気は原子力。
そういうふうにして育てられてきちゃったんですね。
僕はもう、その頃はすでに育っていましたけれど、
そういう事をやってきた、これは・・・誰の責任なんだと思いますか?
ぼくはメディアは相当大きい責任がある気がするんだけども、
小出:
そうですね、メディアはもちろん責任があると思いますし、
原子力の旗を振ってきたのはもちろん国家で、国家が中心にまずは原子力をやると決めた訳ですから、
その国家の中心にいた人々に責任がありますし、
学者だって旗を沢山の人が振っ田、その人達にも責任があると思いますし、
愛川:そこでね、
小出:はい
愛川:
そうして旗を振ってきた人たちに対して、
今もまだ、小旗になったらしいんだけども振り続けている人達は、何のためなんでしょうかね?
現に、とてもじゃないけど、安いとか高いの、補償の問題を考えたら、その位の事は僕ら素人でもわかりますよ。
こんな高くて、こんな危険な物をね、まだ再稼働させようとしているんですよね。
何のためだと?
小出:
これまで原子力が進んできてしまった事には理由があるのですね。
たとえば原子力発電は安いと言いながら、
電力会社にとにかく原子力をやれと国が仕向けた訳ですし、
そのために電気需要方という法律を作って、電力会社が原子力をやると儲かるという仕組みを作ったわけです。
ですから電力会社とすれば、原子力をやれば、ただただ儲かるわけですから、どんどんやってきてしまった。
それから日本では、日立・三菱・東芝という
日本の産業の屋台骨を背負うような巨大な産業が、原子力から金儲けをしたいと思ったのですね。
そのために生産ラインを作って、技術者・労働者をはり付けて金儲けをしてきたわけですから、
もうそうなってしまうと、なかなか止まれないし、これからもそれで金儲けをしたいと。
経済をやっている人達は多分そう思うのだろうなと、私は思います。
ただし、それはもう全然金もうけにはならなかったという事が今回の事故で分かっている訳ですから、
本当に経済にいる方々であれば、私はもう、原子力から撤退するという選択しかあり得ないと思うのです。

愛川:
しかしどうも世の中はね、
最高に多いのは原子力から撤退するのには時間をかけて撤退しようじゃないかと、
そうじゃない?つまり、こういうふうに私達が仕込まれ来たという事は、
よほどこの、つまり「きれいな原発」という刷り込みがね、どっかに残っているんだとおもうんだけど、
だって危険でしょ?これ。
今ある、たとえば要するに止めておいて「どうしたらいいのかな」っていう、安全性を、
IAEAはどっかであるストレステストをしてて、
ストレステストなんか、この番組をやっている後藤先生なんかはね、
「そんなもので、冗談じゃない」って、こうおっしゃって帰っちゃうんですよ。
私たちは他のメディアでこういうものを見ないんですよ。
ここに座ってお尋ねすると、そこにお座りになる方からするとね、大変な話を聞いちゃうわけですよ。
で、これを見ている人たちは、どうすりゃいいのか分からないような状況の人々がいっぱい居ると思うんですよ。
でもとりあえず、じゃぁ原発をやめて、今日最初におっしゃった、「電気は足りるんだよ」と。
でもその足りるためには、やっぱり石油や天然ガスなんかを買わなければならないから、
お金が少々足りなくなるなんていう事はありますか?
小出:
ですから、重油代・天然ガス代を新たに払うということであれば、
それだけはもちろん高くなるわけですね、
でもそんな事は今現在起きている原子力発電所の事故の補償費用から考えたら、
もう、本当、微々たるものも微々たるもので、
「そんなものいったい何なんだ」と言って笑い飛ばせばいいほどの金でしかない。
マエキタミヤコ(メディアクリエイティブディレクター):
なんで、再稼働に執着する人がこんなにいるのかというのを考える時に、
日本人ってものすごく心優しいから、
「原子力ムラとか、原子力発電にかかわっている人たちが可哀想なことになるんじゃないか」という、
ちょっとした心の躊躇があるんじゃないかと思うんですが、
その人達って、実際何人ぐらいいるんですか?
小出:
原子力発電所で働いている労働者は、被ばくで登録されている人だけでも10万人位いますよね。
ですから、そういう労働者が今まで通りの仕事が無くなるという事はあると思うし、
そういう労働者の生活を保障するという事はもちろん大切なことだと私は思います。
愛川:あの、質問がおかしいと思うのはね、
マエキタ:ええ
愛川:
たとえば、人殺しの兵器を作っている人はそれを失うと、あなたも食えなくなるから、可哀想だから、
少し、作りなさいと。
そういう事は意味がないことなんだよ。
マエキタ:そうそう、そうそう
愛川:
本当はつまり、そういう話を僕らが、この番組は堂々とやってのけようと思っているんだけど、
-2-
愛川:
それよりも、今原発を再稼働していったところでですね、
あの中に入っている炉心、つまり、放射性物質を”おっぱなす”物は、永遠に出すんですね?
小出:そうです。
愛川:つまり、普通の火事と違うんですよね。燃え尽きてただの灰じゃないんですね。
小出:はい
愛川:こんなものを作ってくれた学者が偉いなんて、僕は思えないんですよ。
小出:(笑・うなづき)
愛川:
止めて、じゃ続けてて行こうっていう人たちに、我々はいつの間にやら、
ちょっと足りないからしょうがないじゃないかと、
原発を動かさないと、絶対量が、
石油やなんかを買うと高すぎる、
やっぱりそれが、しかし石油やなんかを買う事によって、
今、17%の料金を東電が上げようとする中に入っているからだっておっしゃるけど、
そういう事がいつの間にか、じゃぁ仕方がないからお金を少し出し合って原発を守ろうという事になりませんか?
小出:
電気代という事でいうなら、これまで通産省とか経産省が原子力発電の電気は安いという宣伝を流してきたんですね。
でもそれは、彼らの都合のいい仮定に、仮定を積み重ねた結果出てきた数字なのであって、
立命館大学の大島堅一さんっていう人が、そういう仮定を積み重ねた結果はダメだと。
実際の電力会社の経営データで計算をする方がいいという事で、
有価証券報告書を使って計算し直した結果、原子力発電が一番高かったのです。
ですから、もともと原子力発電は高いのであって、火力発電に転換すれば、むしろ安くなるんです、本当であれば。
その上今度のような事故を招いてしまったのですから、
「原子力発電が安い」なんていう論理は、もう一切崩壊してしまっているんです、いまは。
星野:
にもかかわらずね、なんかこう、再稼働だ、原発もすぐ無くすわけにいかないんだ。
というような、また空気がぶり返しているのは、
なんかこう、安全性はちょっと心配なんだけど、ま、何とかなるだろうと、
なんかそういうね、何となく日本人は楽観論者なのかどうか知らないけれども、
あれだけの目にあっても、
「ま、なんとかなるかな」・・・・・
もともと原子力ってそういうところがありましてね、
小出:そうです
星野:
その、今回明るみになった全電源喪失だっていう事自体も想定されていたのに、
まさに「なんとかなるだろう」
核燃料が何時までも何時までも放射能を出し続ける使用済み燃料棒も
これも「なんとかなるだろう」
それは何ともならない事が分かったんだけど、どうしそんな感じになっちゃうのかなぁと・・・
あの、小出先生に伺うような質問じゃないのかもしれませんけれど、
小出:
大変私も不思議に思いますけれども、
原子力というのは願望に基づいて進められてきたのですね。
私だって、今回のような事故が起きて欲しいなんて思った事は一度もありません。
「起きるかもしれない」と、ずっと警告はしてきましたけれども、
「起きないでほしい」と願い続けてきましたし、
原子力を推進してきた人々も、
「まぁ起きないだろうし、起きないでくれよ」という願望に基づいてここまで来てしまったのですね。
しかし、残念ながら願望で安全は守れないのです。
それで事実がこうなっているのだし、
この事実を前にして、なおかつ教訓を得ないのであれば、本当に悲惨な国だなと。
星野:
だから政治家も官僚も、メディアの部分も、そのあたりをちゃんと認識せずに、
一番認識しているのはやっぱりね、子どもを持っているお母さんですね。
つまり、「ちょっとでも放射能があったら嫌だ」
それを、「基準から比べれば大丈夫なんだ、大丈夫なんだ」と、一生懸命説得しているんだけれども、
この基本的な信頼がなくなっちゃったから、
僕はそこが一番、これからの時代を掴んでいる人は、「やっぱり”おかあちゃん”だな」と思っているんですけれどもね。
あの、つまり、やっぱり世代の問題があるんですよね。
一体これをこのまま次の世代に残してもいいのか?というのも色々と感じるんですけれども、
小出先生はどんな風にお考えなのかなと思って。
小出:
さっきから、愛川さんがおっしゃってくださったけれども、
私達が原子力というものをやってしまうと、
核分裂生成物という放射能をどうしても作ってしまうのですね。
それは生き物に対して圧倒的に危険だという事が分かっている物で、それは作りださなければできないというもので、
事故になって、それが吹きだしてしまえば今みたいな悲劇になる。
でも仮に事故が起きなくても、その核分裂生成物は消えないのですね。
ずーっと、愛川さんがおっしゃってくれたように10万年とかね、
そういう期間に渡って毒物であり続けるというものを生み出している。
それを生み出しているのは私たち大人の世代が今やっているわけですけれども、
その毒物は子どもに全て託して、またその子どもに託していくと。
人類がもう、滅亡するかもしれない位の長い期間に渡って、
毒性が消えない毒物を、子ども、孫、子ども、孫と、
ずーっと押しつけなければならないという選択を、私たちはしているのですね。
ですから、
星野:電力の自給なんていう話じゃなくて、
小出:そうです
星野:もっと人類的課題なんですよね。
小出:そうです。
たかが電気のためにこんなことをするのかと私は思います。
マエキタ:
メディアが1点集中で、これだけは国民全員に知らせなくちゃいけないって、先生が思う事。
つまり、今知らせてなくて、これを伝えるべきだ、まず最初に伝えるべきだって思われる事ってなんですか?
小出:
原子力というのは圧倒的に危険な毒物を生み出す機械です。
それをたかが電気のために使ってはいけない。というのが私の基本です。
愛川:
僕らがずーっと、あの福島の事故があってから、一貫して協力して下さった皆さん、
小出先生にもすぐ電話しましたよね、電話で出演いただいて、
小出:ありがとうございます、はい。
愛川:
「小出先生はどうもテレビにお出になるのが嫌いらしい。電話だけで」っていうんで、
だから今日は初対面の気がしないんですけど、こうやってきたんで、
だけどまだまだこれから再開を始めたいと思っている人達は、
仮に商売のため、あるいは自分の地位を守るため、
なんか、そういう事でやっているんだとすれば、それは人間としてはそんな事言ったって通用しないと思うんですね。
そこで、どういうふうな伝え方をしたら、多くの人が、
なかなか、つまり、自分のところで爆発がしないと、わからないんですよね。
だから福島の実際に犠牲になっちゃった人達は、
「そんな事言っている場合じゃないよ」って言っているぐらいに困っているんですね。
で、この人達の気持ちは分かりますけど、
それをどう伝えたって、別に分からないんですね。
どういう言葉で、「原発はもういいんじゃないか」と「僕は、だから、ちょっと暗くてもいいじゃないか」と。
ちょっとだけうつればいいじゃないかと乱暴な言い方をしています。
沢山料金が高くなるという事になればそれは大変だけども、
皆さんに聞いてもそんなでもないみたいで、
それから、二酸化ガスとかなんかそういう燃焼したときに出る問題もあります。
田岡さんなんかは
「しかし、愛川君、過去の戦争は全部石油の奪い合いという、地下資源の戦争で、何千万という人が死んでいる」
だから、「じゃぁ原発の事故は良いんですか?」って聞くと
「いや、そう言っているんじゃないけど、そういうものである」という言い方をされるんですね。
そうすると、何千万から思えば3人ぐらいかもしれないというと、いいのかなと思っちゃったりする人が
いないとも限らないですね。
アドバイスするとしたら、私に、「こういう言い方が一番いいんじゃないかな」と学者として、
学者、僕はこう言いますよ。
小出さんは原子力を勉強してきた人で、最初からかかわってきた人が、
「とんでもない危ないものだ」とおっしゃっているよと、いうのは今後とも使わせていただいていいですね。
小出:
それはもちろんです。
わたしは、原子力に携わってきた人間として、
私の知り得た事を私は発信するということを私はこれからもやりたいと思いますし、
愛川さんは映画を作られたり、こうやってテレビで司会をやられたりすると、
それが愛川さんの個性な訳だし、
愛川さんはその個性を生かして発信を続けて下さると、
私とこうやって愛川さんと何か共同で出来る事があれば、
またそれが発信力になるわけですし、
みなさん、お一人お一人個性豊かな方がいらっしゃるわけで、
その方々が、それぞれの個性で発信を続けて下さるならば、
私は原子力なんて簡単に止まると、実は思っているのです。
川村晃司(テレビ朝日コメンテーター):
多くの人がそういう発信をして、いわば政治のプロセスの中で、
今の政権もそういう認識を持ってくれればいいんですけれども、
実は40年間は使えるんだと、そして40年経ったら廃炉するとかですね、
そういう法律を ま、作っていく訳ですよね。
そうすると、こう、いくらメディアが発信しても、
いったん決まった法律のもとで、政治そのものも変わらないと、
小出先生がおっしゃった、
いわゆる国策として推進してきた、その中で多くの原子力の学者たちが推進してきたなかでですね、
本当は今起きている事を一番分かっていても、
福島の事を教訓にしてより安全な原発を作るんだとか、
あるいは日本が製造した原発をベトナムや海外に輸出する事は日本の技術が一番高いから、というんですけれど、
そこで、海外でも事故が起きたらという事を考えますとね、
何故、もう少し地球全体で原発を考えて、廃止していこうとかやめようという方向にならないのは、
各国の原発の推進論者、研究者があまりにも力があるという事ですかね?
小出:
世界的に、みんな原子力から利潤を得ようとして、巨大な産業が群がったという歴史があったのですし、
今日、きちっと聞いていただく時間はありませんけれども、
原子力というのは実は「核」なんですね。
ですから、原子力をやるという事は、核兵器を作る能力を得たいという事が、
ずーっと、基礎にあるわけですから、
世界中の国々が、核兵器を持つ潜在的な力をとにかく持ちたいということで、
原子力に踏み込んできたという歴史ももちろんあるわけです。
ですから、簡単には抜けられないと、私は思います。
横尾:
あの、3.11以降、ずっと、脱原発とか、反原発の動きが、全国津々浦々で起こっていると思うんですが、
ずーっと40年間反原発の立場で、小出さんは奮闘していらっしゃいましたけれども、
3.11を潮目に日本の社会って変わると思われますか?
いろんな講演会でいろんな人たちと接してきたりして、どのようにお感じになりますか?
小出:
私は多分、かなり悲観論者だと思うのですが、
ま、40年間、私は「原子力は即刻止めて欲しい」と言いながら、やめさせることが出来ないでここまで来ているんですね。
その中には、運動だって、盛り上がった時もあれば、まぁ、快調した時だってありますけれども、
それでも私から見たらずーっと負け続けてきたし、
原子力を止められないままここまで来てしまった歴史だったのです。
で、3月11日以降、少し明るさが見えてきたと思わない訳ではありませんけれども、
今国の方は、また猛烈な巻き返しを始めているわけですね。
横尾:そうですね
小出:
先ほど川村さんは40年間という数字を出されて、40年で廃炉にすると言ったら、
メディアはなんか、一斉にそれで、それがいい事かのように報道した。
でも私は「違うだろう」と思ったんですね。
要するに私はすべて、今止めなければいけないのに、
国の方は「40年経つまでは動かしてもいいんだよ」とそういう宣言をした、
「もう強烈な巻き返しを彼らが始めたな」と私は思いました。
今井一(ジャーナリスト):
負け続けた反原発運動だったんですが、
ずっとこの間、反原発運動は何十年も続いてきましたけれども、
始めてね、東京と大阪という大都市で、
原発の問題を「都民投票で決めさせろ」、「市民投票で決めさせろ」
私なんかは国民投票で決めるべきだと思っているんですが、
あの、選挙では本当の民意は反映されないと思っています。
小出さんはずっと持論として、
原発を続けるのか続けないのかという問題とか、大事な問題はね、
他人に決めてもらう問題じゃないし、指図されるべき問題でもなくて、
一人ひとりが自分で考えて結論を出さなければいけないと、
そういう観点からもね、
本当にイタリアやスイスのように国民投票で原発の問題は決着を付ける時がきたと私は思っているんですが、
小出さんはその辺はどうお考えになっていますか?
小出:
わたしは、今、今井さんが正しく言って下さったけれども、
この問題は
「一人ひとりが自分の問題として考えるという事をやらなければ乗り越えられない」と思っていますので、
全ての国民に向き合って欲しいのです。
ですから、その向き合うやり方をどうやってやったらいいかという事なのですけれども、
ま、今井さんがずっとやってきた国民投票というやり方も一つのやり方だと思います。
私自身がその国民投票の運動に係わるのかといわれると、
ウーーンと・・・実は、首をかしげてしまう。
私には私のやるべきことはあるだろうと思いますので、そちらをやりたいと思っておりますけれども、
今井さんのやっておられる事も一つの価値ある運動だと私は思っていますし、
その運動の中で、「多くの人が自分の問題として原子力を考えて欲しい」と願っています。
愛川:
あのね、原発推進の学者さん達も、
まあ、いろんな処にお出になって、で、前よりは若干トーンが下がっているけれど、
「しばらくはしょうがないか」というお立場でお話しになっているような番組は全部見ます。
そういうところでは気を付けて見ているつもりですが、
そうじゃない、小出さんや後藤さん達の学者のみなさん達も集まって、
逆に言えば一つの運動を僕たちに、こう、見せてくれるような動きっていうのは、
どうなんですかね?
小出:えー、
愛川:
いや、わかりますよ。
それぞれの方がみなさん、「いや、私は私のやり方で」っていうのはその通りだと思います。
別に運動にならなかったら出来ないんだという問題じゃないんだけど、
なんか、こういって見ていると、さっきの中で小出先生がね、
「やや悲観的です」とおっしゃったのがね、
小出:(笑)すみません
愛川:
いや、「すみません」じゃないんですよ、事実です。
この番組で、こんなに、
ほぼ3月11日以降、もう間もなく来ますから、1年、毎週やっているんですよ、これ。
それでいて、何とか原発を何とかして止めようじゃないかっていう番組は
「明るく放送はできないのか?」っていうのはね、本当に感じますね。
だからなんか、遠くの方から「フッ」って息をかけているような気がしてね、
それをしみじみと、
だから、僕なんかと違って、ずっと勉強していらっしゃった小出先生が
「やや悲観的です」って言うのは、これから一つ訂正していただいて、
マエキタ:
カメラに向かって是非、
「選ぶのは私たちなんです」って言って下さい。

小出:(笑)マエキタさんが今言って下さったので
マエキタ:小出先生にそう言われたらみんな・・
川村:我々もがんばりますんで、是非
愛川:あの、僕あんまりシュプレヒコールって好きじゃないんですけど、
マエキタ:シュプレヒコールじゃないww
ーここでYoutubeが終わっちゃってるー
ので、今日コメントで教えて頂いたほうのYoutubeを見てみることにしました。
(教えて下さってありがとうございます)
ーーーー
14:31
愛川:あの、というよりも、またお時間がありましたら。どうもありがとうございました。またよろしく。
小出:ありがとうございました。
ーーーー
という事で小出先生のカメラ目線のシュプレヒコールはなかった模様ですw
愛川欽也パックインジャーナル5/7(土)小出裕章先生出演
↑番組内で話していた 以前電話で小出先生が出演なさった放送です。
今みたいに完全に書き出してはいませんが、小出先生の部分まとめてあります。
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コメント
書き出しおつかれさまです。
ありがとうございます。
映像を全部見る時間がなかなか無いので、とても助かっています。
キーコさんの書き出しは、とても読みやすいです。
スペースがたっぷりして目で追いやすいし、呼吸が伝わってきます。
たまに、自分の考えが挿入してあるところも、そうだそうだ、って相槌を打ちながら力をもらう感じです。
小出先生のおっしゃることは毎回一貫しているのですが、毎回新鮮にきこえます。
それだけ自分が、毎日情報に洗脳され続けていたり、自分の弱い心が、楽な方に傾いていくからなのかな、っておもいました。
何度も何度も先生に同じ事を言ってもらって、最確認しなくてはならない自分が情けなくなりますが、先生のおっしゃるように、核を自分の問題として、自分の中で向きあい、答えを出す、という作業を日々続けていきたいとおもいます。
キーコさんにはお世話になりっぱなしです。
まだ、寒い日が続きますので、体調に気をつけてくださいね!
ありがとうございます。
映像を全部見る時間がなかなか無いので、とても助かっています。
キーコさんの書き出しは、とても読みやすいです。
スペースがたっぷりして目で追いやすいし、呼吸が伝わってきます。
たまに、自分の考えが挿入してあるところも、そうだそうだ、って相槌を打ちながら力をもらう感じです。
小出先生のおっしゃることは毎回一貫しているのですが、毎回新鮮にきこえます。
それだけ自分が、毎日情報に洗脳され続けていたり、自分の弱い心が、楽な方に傾いていくからなのかな、っておもいました。
何度も何度も先生に同じ事を言ってもらって、最確認しなくてはならない自分が情けなくなりますが、先生のおっしゃるように、核を自分の問題として、自分の中で向きあい、答えを出す、という作業を日々続けていきたいとおもいます。
キーコさんにはお世話になりっぱなしです。
まだ、寒い日が続きますので、体調に気をつけてくださいね!
けん | 2012.03.02 16:48 | 編集
ご苦労様、そしてありがとう。視聴後アップしないとと思いつつできていなかった。がんばって広げましょう。
キーコちゃん いつもありがとう!
小出先生のシャイな表情がキュートだねw
オレはインターネットで
パックインジャーナル2/25を全部見ました
そこで橋下徹が、
思想調査をするファシストなんだと知り、ショックを受けました。
オレはそのブレーンに古賀茂明氏・飯田哲也氏がついているから、
橋下徹は当然脱原発だと信じていましたが、
「脱原発<依存>」に過ぎないんだと知り、かなり失望しました。
橋下徹の船中八策には
原発のことは全く触れていないらしいです。
ガッカリ↓↓↓
愛川欽也によれば
橋下徹ブームは
庶民が<政党政治>や<官僚>に絶望した時に出現する
<英雄待望>現象であり、
結果的にファシズムの台頭を招く畏れがあるそうです
(。◔‸◔。)??
そういえば橋下徹は
石原慎太郎や小沢一郎とも仲がいいみたいだし。。。。。
橋下徹には十分注意した方がいいみたい。。。
戦前の日本に逆戻りしないことを祈ります。
小出先生のシャイな表情がキュートだねw
オレはインターネットで
パックインジャーナル2/25を全部見ました
そこで橋下徹が、
思想調査をするファシストなんだと知り、ショックを受けました。
オレはそのブレーンに古賀茂明氏・飯田哲也氏がついているから、
橋下徹は当然脱原発だと信じていましたが、
「脱原発<依存>」に過ぎないんだと知り、かなり失望しました。
橋下徹の船中八策には
原発のことは全く触れていないらしいです。
ガッカリ↓↓↓
愛川欽也によれば
橋下徹ブームは
庶民が<政党政治>や<官僚>に絶望した時に出現する
<英雄待望>現象であり、
結果的にファシズムの台頭を招く畏れがあるそうです
(。◔‸◔。)??
そういえば橋下徹は
石原慎太郎や小沢一郎とも仲がいいみたいだし。。。。。
橋下徹には十分注意した方がいいみたい。。。
戦前の日本に逆戻りしないことを祈ります。
himadarake | 2012.03.03 03:03 | 編集