・坂田記念ジャーナリズム賞特別賞受賞式 渡辺武達氏の高評
・原子力安全協定の在り方について
2012年3月19日月曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
渡辺武達(わたなべ たけさと、1944年6月 - )
同志社大学社会学部メディア学科教授。専攻はジャーナリズムの倫理、国際コミュニケーション論。
愛知県中島郡(現在の稲沢市)出身。同志社大学文学部英文学科卒業。
同大学院文学研究科修士課程新聞学専攻修了。京都産業大学教授を経て、1990年より同志社大学教授。
2001年ハーバード大学客員研究員。新聞等での発信多数。
また、日本マス・コミュニケーション学会理事、日本セイシェル協会理事長、
関西テレビ放送番組審議会委員長などを務めている。
また大学の同僚である浅野健一とは犬猿の仲で知られている。
言論の自由は、
民衆が政府を監視するのが目的であり、その目的を外れた言論が、何を言っても良い訳ではないとする信念を持つ。
放射性物質拡散予測:
福井・大飯で福島級事故仮定 大阪25市町村、被ばく恐れ--府公表
大阪府は16日、
福井県内の原発で福島第1原発事故クラスの事故が起きたと仮定して
滋賀県が作成した放射性物質拡散予測に基づき、想定される府内での影響を公表した。
その結果、同県が気象条件などをもとに策定した106例の予測のうち、甲状腺内部被ばく線量について、
安定ヨウ素剤の投与が必要とされる50ミリシーベルト以上の府内地域が出るケースが11例あることがわかった。
そのうち1例では屋内退避の指標となる100~500ミリシーベルトに達する地域が一部含まれていた。
【佐藤慶、林由紀子、熊谷豪】

予測は滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)が作成したもの。
福井県の敦賀、美浜、大飯、高浜の各原発で事故が発生し、
放射性ヨウ素が6時間にわたって計2万4000テラベクレル放出されたという状況を想定。
北よりの風が吹いた過去の気象状況の中から106例を選び、
予想される24時間の積算の被ばく線量をシミュレーションした。
府が同県にデータの提供を依頼し、106例中、府内で影響が出る11例を公表した。
予測結果によると、最も広範囲に影響があったのは
10年3月6日の気象状況の下、大飯原発で事故が発生した場合で、
府内では高槻、大阪、河内長野市など25市町村で50~100ミリシーベルトが予測された。
また高浜原発で同日発生した場合には
能勢町の一部で100~500ミリシーベルトに達することが予測された。
これを受け、箕面市は16日、
独自に空間放射線量を近く観測し、公表する方針を発表。開始時期や観測地点数は今後検討する。
一方、松井一郎知事は16日、
「悪い情報も公開する。事業者に対しては意見は言っていく」と述べ、
停止中の大飯原発3、4号機について、関西電力に対して安全性を確認しない限り再稼働しないよう求める考えを示した。
一方、大阪市の橋下徹市長は
「大阪のリスクを分析し、(原発再稼働に対する地元の)同意権まで主張できるのなら主張する」と述べ、
政府に対して大阪府の同意が必要と求めていく構えを示した。
続きを読むに
番組の内容書き出し
水野:
まずですね、リスナーの皆様には先程もお伝えしたんですが、
坂田記念ジャーナリズム賞特別賞という賞の授賞式が今日ありまして、
そこで、審査員の方が高評をなさったんです。
で、その高評をこれから、小出先生にも聞いていただきたいなと思うんですが、
小出先生、この1年小出先生にこうやってお世話になり続けてきた、
私どもの原発報道が、どんな意味を持っているかという事をこの審査員の方が表現して下さっているものですから、
是非、聞いていただきたいなと思います。
これはもちろん、たねまきジャーナルの番組を一緒に作って下さっている、
リスナーの皆さんにも欠けて下さっている言葉だと思いますので、
今日はですね、これから同志社大学の渡辺武達(わたなべ たけさと)さんが
この原発報道に関してお話しになった部分をお聞きください。どうぞ。
渡辺武達:
毎日ラジオ局番組センターのたねまきジャーナルでございますが、
これは、もう、様々なところで、すでにいろいろな話題になっておりますし、
私どもも、これまでいわゆる、原子力発電の、本当の問題とはどういうものなのかという事を、
事故がこれほど大きくなるまでは我々が本当に知り得なかった。
特にメディアが、残念ながら、原発の安全神話というようなものに、
いくらか加担してきたというような問題が指摘されておりますけれども、
その背景にある問題も含めて、
科学者、小出さんという方を起用して、連日この問題をラジオで発信し、
それが世界中に伝えられて、大きな反響を巻き起こしたと。
そして、この問題についての日本の世論までもを変えていくという、大きな働きをされたという事で、
貢献報道としても高く評価させていただいたということでございます。
水野:
小出さ~ん、ま、こういうふうに高評していただきました。
本当に小出さんにお話しをし続けてきていただいたおかげで、
多くの方が「原発とは何ぞや」「原発事故とはなんぞや」という事を、深く考えて下さったのではないかと思うんです。
小出さんはどんな風にこれ、捉えられていらっしゃいますか?
小出:はい、まず、おめでとうございます。
水野:あ、いえいえいえ、あの、小出先生のおかげです。
小出:
水野さん、平野さん、近藤さん等を含めて、スタッフの皆さんの努力のたまものですし、
リスナーの方々のお力添えもあったんだと思います。
水野:ええ、大きいですね。
小出:
わたしは、一つの素材に加えていただいて、ありがたいことだと思いますし、
これからも、賞に恥じないように正確な報道を続けて頂きたいと願います。
水野:
そうですね、これからもまだまだ教えていただかなければいけない事ばかりです。
この高評の中で一つあったのは、
「メディアが残念ながら安全神話というものにいくらか加担していた」と言う指摘があるという部分は、
本当に、なんと・・・なんと申し開きをしたらいいのやらという思いがございます。
平野:
やっぱり、発表報道に、やっぱり我々は流されていますね、今も。
だから、小出先生のお話しというのはその都度その都度、やっぱり聞きたくなるというか、
それを検証したくなるという意味から言っても、ずっと小出先生のお話しをお伺いしたいなと思いますね。
水野:
そうですね、だから、
「ホンマかいな?」って思う素人なりの直感みたいなものって、
小出さん、科学者の小出さんにこんな事を申し上げるのは何なんですけれど、
素人の「ホンマか?それは」という、この直感も意味はありますよね。
小出:
あまりにもひどいウソをつき続けてきたわけですから、
これに気がつかなければ、余程おかしいと、私は思いますし、
マスコミが果たしてきた役割も、なんか、いくらかというような表現よりも
もっとずっと重い旗振り役を果たしてきたと私には思えます。
水野:
はい。
リスナーのみなさんがずっと後押しして下さった事が何より大きかったと思いますので、
またこれからも、本当に皆さんもよろしくお願いいたします。
そして、今日も早速、
「これホンマにそうでええのん?」と思う事えお一つ伺いたいと思います。
これは原子力安全協定についてなんですが、
原子力安全協定というのは何かと申しますと、
自治体と、原発を持つ電力会社等が結ぶ物なんだそうで、
「原発の運転を停止させる」というような、
その「停止を求める権限」もあるんだそうですね。
小出:はい
水野:
で、今、全国で「原発の再稼働をどうするか」というのが焦点ですから、
「地元が同意しないと再稼働が出来ない」という条件。ということは、
この、地元というのが、どこからどこまでの自治体を含むのか、
非常に大きな問題かと思います。
で、これまで原子力安全協定を電力会社と結んでいたのは、
原発が立地している。そこにある。という自治体だけだったんですね。
福島第一原発の事故を見ますと、じゃ、
その地元の範囲は原発が立地している自治体だけでいいのか?どうなのか?
というのが一つの問題点となって浮かんでいるかと思います。
小出さんはどんなお考えでしょうか?
小出:
たとえば福島第一原子力発電所の場合には、
大熊町、双葉町という町に立地していた訳ですね。
ですから、再稼働するという事になっても、
大熊町が「うん」と言わない、双葉町が「うん」と言わなければ、もちろんできない事になっている訳ですが、
東京電力としては、その二つの町に関しては、もう、お金を山ほどばら撒いて、
もう、反対することの力もないような町にしてしまっている訳ですから、
「いつでも好きなように出来る」という事にしてやってきたわけですね。
しかし、事故が起きてしまえば、飯館村というような、日本一美しい山村だというように認められた村。
原子力発電からは何の利益も受けてこなかったような村までが、
全村離村になってしまうというような事になっているのですね。
ですから、本当の事を言えばちゃんとそういう村々の意見も聞かなければいけない訳ですが、
電力会社としては、自分がやりたいようにやれるように、金で操釣れる範囲というのは極限化したいという、
そういう思惑で動いてきたのだと思います。
平野:
先生、先週ですね、大阪府が大飯原発で事故を仮定した時に、
「大阪の25市町村も被ばくの恐れ」というようなデータも一応出しているんですけれども、
放射性物質の拡散予測というものが、今回の福島の事故でもいろいろと良く分かってきたんですけれども、
この、「立地自治体だけでの安全協定」というのは本当におかしいなと思いまして、
ま、複数県に当然わたってもおかしくないですよね。
小出:はい、平野さんがおっしゃっている通りだと私は思います。
平野:
ただ、そのたとえば、私の故郷でもある四国の伊方原発なんかも、海岸の近くのはじっこですけれども、
当然、大分とか山口なんかとも安全協定を結ぶべきだし、
玄海原発もそうですよね。
長崎とか佐賀だけじゃなくて、福岡とか、
水野:ああ、そうか、海を超える場合もあるものね。
平野:
そう思うと、もう、日本全国すべてに、なんか被ってくるような気がするんですけれどもね。
だから安全協定そのものの在り方というものを根本的に、もう見直さなきゃダメなんじゃないでしょうか?
小出:はい、その通りだと思います。
水野:これは大きな焦点の一つでしょうね。どうもありがとうございました。
ーーーー
福島第一原発の事故を見れば分かる!何で10キロ?
「政府、合意を得る地方自治体の範囲を原発から半径10キロメートル圏内」
日本経済新聞 2012/3/16 20:14
政府は16日、定期検査で運転停止中の原子力発電所の再稼働の手続きで、
事前に説明して合意を得る地方自治体の範囲を、原則として原発から半径10キロメートル圏内
とする方針を固めた。
・原子力安全協定の在り方について
2012年3月19日月曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
渡辺武達(わたなべ たけさと、1944年6月 - )
同志社大学社会学部メディア学科教授。専攻はジャーナリズムの倫理、国際コミュニケーション論。
愛知県中島郡(現在の稲沢市)出身。同志社大学文学部英文学科卒業。
同大学院文学研究科修士課程新聞学専攻修了。京都産業大学教授を経て、1990年より同志社大学教授。
2001年ハーバード大学客員研究員。新聞等での発信多数。
また、日本マス・コミュニケーション学会理事、日本セイシェル協会理事長、
関西テレビ放送番組審議会委員長などを務めている。
また大学の同僚である浅野健一とは犬猿の仲で知られている。
言論の自由は、
民衆が政府を監視するのが目的であり、その目的を外れた言論が、何を言っても良い訳ではないとする信念を持つ。
放射性物質拡散予測:
福井・大飯で福島級事故仮定 大阪25市町村、被ばく恐れ--府公表
大阪府は16日、
福井県内の原発で福島第1原発事故クラスの事故が起きたと仮定して
滋賀県が作成した放射性物質拡散予測に基づき、想定される府内での影響を公表した。
その結果、同県が気象条件などをもとに策定した106例の予測のうち、甲状腺内部被ばく線量について、
安定ヨウ素剤の投与が必要とされる50ミリシーベルト以上の府内地域が出るケースが11例あることがわかった。
そのうち1例では屋内退避の指標となる100~500ミリシーベルトに達する地域が一部含まれていた。
【佐藤慶、林由紀子、熊谷豪】

予測は滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)が作成したもの。
福井県の敦賀、美浜、大飯、高浜の各原発で事故が発生し、
放射性ヨウ素が6時間にわたって計2万4000テラベクレル放出されたという状況を想定。
北よりの風が吹いた過去の気象状況の中から106例を選び、
予想される24時間の積算の被ばく線量をシミュレーションした。
府が同県にデータの提供を依頼し、106例中、府内で影響が出る11例を公表した。
予測結果によると、最も広範囲に影響があったのは
10年3月6日の気象状況の下、大飯原発で事故が発生した場合で、
府内では高槻、大阪、河内長野市など25市町村で50~100ミリシーベルトが予測された。
また高浜原発で同日発生した場合には
能勢町の一部で100~500ミリシーベルトに達することが予測された。
これを受け、箕面市は16日、
独自に空間放射線量を近く観測し、公表する方針を発表。開始時期や観測地点数は今後検討する。
一方、松井一郎知事は16日、
「悪い情報も公開する。事業者に対しては意見は言っていく」と述べ、
停止中の大飯原発3、4号機について、関西電力に対して安全性を確認しない限り再稼働しないよう求める考えを示した。
一方、大阪市の橋下徹市長は
「大阪のリスクを分析し、(原発再稼働に対する地元の)同意権まで主張できるのなら主張する」と述べ、
政府に対して大阪府の同意が必要と求めていく構えを示した。
続きを読むに

水野:
まずですね、リスナーの皆様には先程もお伝えしたんですが、
坂田記念ジャーナリズム賞特別賞という賞の授賞式が今日ありまして、
そこで、審査員の方が高評をなさったんです。
で、その高評をこれから、小出先生にも聞いていただきたいなと思うんですが、
小出先生、この1年小出先生にこうやってお世話になり続けてきた、
私どもの原発報道が、どんな意味を持っているかという事をこの審査員の方が表現して下さっているものですから、
是非、聞いていただきたいなと思います。
これはもちろん、たねまきジャーナルの番組を一緒に作って下さっている、
リスナーの皆さんにも欠けて下さっている言葉だと思いますので、
今日はですね、これから同志社大学の渡辺武達(わたなべ たけさと)さんが
この原発報道に関してお話しになった部分をお聞きください。どうぞ。
渡辺武達:
毎日ラジオ局番組センターのたねまきジャーナルでございますが、
これは、もう、様々なところで、すでにいろいろな話題になっておりますし、
私どもも、これまでいわゆる、原子力発電の、本当の問題とはどういうものなのかという事を、
事故がこれほど大きくなるまでは我々が本当に知り得なかった。
特にメディアが、残念ながら、原発の安全神話というようなものに、
いくらか加担してきたというような問題が指摘されておりますけれども、
その背景にある問題も含めて、
科学者、小出さんという方を起用して、連日この問題をラジオで発信し、
それが世界中に伝えられて、大きな反響を巻き起こしたと。
そして、この問題についての日本の世論までもを変えていくという、大きな働きをされたという事で、
貢献報道としても高く評価させていただいたということでございます。
水野:
小出さ~ん、ま、こういうふうに高評していただきました。
本当に小出さんにお話しをし続けてきていただいたおかげで、
多くの方が「原発とは何ぞや」「原発事故とはなんぞや」という事を、深く考えて下さったのではないかと思うんです。
小出さんはどんな風にこれ、捉えられていらっしゃいますか?
小出:はい、まず、おめでとうございます。
水野:あ、いえいえいえ、あの、小出先生のおかげです。
小出:
水野さん、平野さん、近藤さん等を含めて、スタッフの皆さんの努力のたまものですし、
リスナーの方々のお力添えもあったんだと思います。
水野:ええ、大きいですね。
小出:
わたしは、一つの素材に加えていただいて、ありがたいことだと思いますし、
これからも、賞に恥じないように正確な報道を続けて頂きたいと願います。
水野:
そうですね、これからもまだまだ教えていただかなければいけない事ばかりです。
この高評の中で一つあったのは、
「メディアが残念ながら安全神話というものにいくらか加担していた」と言う指摘があるという部分は、
本当に、なんと・・・なんと申し開きをしたらいいのやらという思いがございます。
平野:
やっぱり、発表報道に、やっぱり我々は流されていますね、今も。
だから、小出先生のお話しというのはその都度その都度、やっぱり聞きたくなるというか、
それを検証したくなるという意味から言っても、ずっと小出先生のお話しをお伺いしたいなと思いますね。
水野:
そうですね、だから、
「ホンマかいな?」って思う素人なりの直感みたいなものって、
小出さん、科学者の小出さんにこんな事を申し上げるのは何なんですけれど、
素人の「ホンマか?それは」という、この直感も意味はありますよね。
小出:
あまりにもひどいウソをつき続けてきたわけですから、
これに気がつかなければ、余程おかしいと、私は思いますし、
マスコミが果たしてきた役割も、なんか、いくらかというような表現よりも
もっとずっと重い旗振り役を果たしてきたと私には思えます。
水野:
はい。
リスナーのみなさんがずっと後押しして下さった事が何より大きかったと思いますので、
またこれからも、本当に皆さんもよろしくお願いいたします。
そして、今日も早速、
「これホンマにそうでええのん?」と思う事えお一つ伺いたいと思います。
これは原子力安全協定についてなんですが、
原子力安全協定というのは何かと申しますと、
自治体と、原発を持つ電力会社等が結ぶ物なんだそうで、
「原発の運転を停止させる」というような、
その「停止を求める権限」もあるんだそうですね。
小出:はい
水野:
で、今、全国で「原発の再稼働をどうするか」というのが焦点ですから、
「地元が同意しないと再稼働が出来ない」という条件。ということは、
この、地元というのが、どこからどこまでの自治体を含むのか、
非常に大きな問題かと思います。
で、これまで原子力安全協定を電力会社と結んでいたのは、
原発が立地している。そこにある。という自治体だけだったんですね。
福島第一原発の事故を見ますと、じゃ、
その地元の範囲は原発が立地している自治体だけでいいのか?どうなのか?
というのが一つの問題点となって浮かんでいるかと思います。
小出さんはどんなお考えでしょうか?
小出:
たとえば福島第一原子力発電所の場合には、
大熊町、双葉町という町に立地していた訳ですね。
ですから、再稼働するという事になっても、
大熊町が「うん」と言わない、双葉町が「うん」と言わなければ、もちろんできない事になっている訳ですが、
東京電力としては、その二つの町に関しては、もう、お金を山ほどばら撒いて、
もう、反対することの力もないような町にしてしまっている訳ですから、
「いつでも好きなように出来る」という事にしてやってきたわけですね。
しかし、事故が起きてしまえば、飯館村というような、日本一美しい山村だというように認められた村。
原子力発電からは何の利益も受けてこなかったような村までが、
全村離村になってしまうというような事になっているのですね。
ですから、本当の事を言えばちゃんとそういう村々の意見も聞かなければいけない訳ですが、
電力会社としては、自分がやりたいようにやれるように、金で操釣れる範囲というのは極限化したいという、
そういう思惑で動いてきたのだと思います。
平野:
先生、先週ですね、大阪府が大飯原発で事故を仮定した時に、
「大阪の25市町村も被ばくの恐れ」というようなデータも一応出しているんですけれども、
放射性物質の拡散予測というものが、今回の福島の事故でもいろいろと良く分かってきたんですけれども、
この、「立地自治体だけでの安全協定」というのは本当におかしいなと思いまして、
ま、複数県に当然わたってもおかしくないですよね。
小出:はい、平野さんがおっしゃっている通りだと私は思います。
平野:
ただ、そのたとえば、私の故郷でもある四国の伊方原発なんかも、海岸の近くのはじっこですけれども、
当然、大分とか山口なんかとも安全協定を結ぶべきだし、
玄海原発もそうですよね。
長崎とか佐賀だけじゃなくて、福岡とか、
水野:ああ、そうか、海を超える場合もあるものね。
平野:
そう思うと、もう、日本全国すべてに、なんか被ってくるような気がするんですけれどもね。
だから安全協定そのものの在り方というものを根本的に、もう見直さなきゃダメなんじゃないでしょうか?
小出:はい、その通りだと思います。
水野:これは大きな焦点の一つでしょうね。どうもありがとうございました。
ーーーー
福島第一原発の事故を見れば分かる!何で10キロ?
「政府、合意を得る地方自治体の範囲を原発から半径10キロメートル圏内」
日本経済新聞 2012/3/16 20:14
政府は16日、定期検査で運転停止中の原子力発電所の再稼働の手続きで、
事前に説明して合意を得る地方自治体の範囲を、原則として原発から半径10キロメートル圏内
とする方針を固めた。
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