fc2ブログ
03.21
Wed
・東海原発汚染水漏れにあらためて知る福島第一原発事故の大きさ
・福島第二原発について保安員が運転管理方針を認める
・駆け込み認可・伊方原発
・斑目委員長は自己の進退について考えあぐねるタフな男



2012年3月20日火曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]




<参考>
東海原発、防護服洗浄の低濃度汚染水1・5トン水漏れ
Sankei Biz 2012.3.20 13:30

経済産業省原子力安全・保安院は19日、
廃炉作業中の日本原子力発電東海原発(茨城県東海村)の放射性廃液処理建屋地下2階の貯蔵タンクから、
低濃度の放射性物質を含む水約1・5トンが漏れたと発表した。
漏れた水は建屋内にとどまっているとみられるが、
保安院は海への流出の有無や原因を調べるよう、日本原電に指示した。

保安院によると、漏れたのは防護服などを洗浄した廃液で、
1立方センチメートル当たり33ベクレルの放射性物質を含むという。
14日に廃液をタンクに移したところ、19日に
タンク下部の配管の弁を操作する部屋で、約4・2トンの水たまりが見つかった。

今回、漏れた量よりも多いため、雨水の流入や、過去にも同様の流出があった可能性があるという。

タンクの水位の低下は15日から観察されていたというが、
日本原電の報告は19日で、保安院は「対応が遅い」と口頭注意した。


福島第二原発について
番組中「福島第二原発について、東電は、この10年間の運転管理方針というのを提出し、
経済産業省原子力安全保安院がそれを認める」という内容は朝日新聞の記事からのようです。
内容はほとんど水野さんが話しているのと同じです

19日に経済産業省原子力安全保安院が
運転開始から30年(4月20日)を迎える福島第二原発1号機にかんして、
「東電が提出した今後10年間の運転管理方針を認める審査書案を専門家会合で示した」ということです。
現在、東電は津波で被災した福島第二原発の原子炉の冷温停止を維持する管理を続ている。
3月11日の大震災で運転中だった全4基全てが自動停止。
非常用発電機が津波で浸水するなどして、1、2、4号機が全交流電源を喪失したこと
15日までに復旧作業で冷温停止になったこと、
けれど、福島第二原発は、炉心溶融や水素爆発は免れたが、
国内の原発で過去になかった「レベル3」の深刻な事態に至ったという事が書かれていました。


「妥当」審査書作成へ/伊方3号機の安全評価
四国新聞 2012/03/20 09:42

定期検査で停止中の四国電力伊方原発3号機(愛媛県)が
再稼働する際の前提となる安全評価(ストレステスト)の1次評価結果について、
経済産業省原子力安全・保安院は19日、
専門家会議の議論を終え、「妥当」とする正式な審査書を近くまとめることを決めた。
審査書は原子力安全委員会に報告する。

審査書作成は関西電力大飯原発3、4号機(福井県)に次ぎ3基目。
ただ保安院と安全委を統合してできる原子力規制庁は4月1日発足が遅れる見込みで、
発足までの間、安全委が伊方3号機の審査書の確認作業を進めるかどうか、状況は不透明だ。
最終的な再稼働の可否は野田佳彦首相らが、地元の情勢を見極めた上で政治判断する。

保安院は審査書案で
「東京電力福島第1原発を襲ったような地震、津波が来襲しても、
同原発事故のような状況に至らせない対策が講じられている」との見解を提示。
想定する最大の地震の揺れの1・5倍まで炉心が損傷せずに耐えられるとした点を
1・5倍は十分に大きい」と認めた。

この日の会議で、専門家から
「周辺の活断層の評価によって(地震の)基準が変わることもある。『十分』と言う必要はないのではないか」
「『第1原発を襲ったような地震、津波』は意味が分かりにくい」などの指摘があり、
保安院は表現の仕方を検討するとした。

審査書案では、中央防災会議が南海トラフの巨大地震のモデルについて検討しており、
伊方原発で想定される最大の揺れの大きさや津波の高さに影響があるかどうか、
同会議の議論を注視するとしたほか、四国電力に津波の漂流物対策強化などを求めた。

四国電力は当初、想定する地震の1・86倍まで炉心が損傷せず耐えられるとしたが、
その後、原子炉建屋などの機器の一部で地震の揺れに対する余裕が少なく
耐えられるのは1・5倍までと変更した。




班目委員長:「3月末退任」のはずが… 強い慰留で迷い

毎日新聞 2012年3月19日 21時36分(最終更新 3月19日 21時56分)

内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は19日の記者会見で、自身の進退について
「(3月末で)区切りをつけたいが、他の委員から強く慰留を受けており、安全委員は国会同意人事でもある。
どうしたものか考えあぐねている」と述べた。

班目氏の任期は来年4月20日までだが、
今月1日の衆院予算委員会で委員から辞任を求められた際に
「4月になると新組織(原子力規制庁)になり、安全委自体がなくなる。当然辞めることになる」と答弁していた。

規制庁は設置などを盛り込んだ法案審議が遅れ、4月1日の発足が絶望視されている。【西川拓】


続きを読むに番組の内容書き出し


水野:
今、千葉アナウンサーが一生懸命計算をしたという話しを聞いていただいたかと思いますが、
東海原発の汚染水の漏れです。
これは濃度が1グラム当たり33ベクレルだという数字がきているんですね。
私なんかパッっと聞くと33ベクレルなんか小さい数字だなんていう気がするんですが、
これが、1.5トンの汚染水という事で計算しますと、
ぜんぶで、これ、33が1グラム当たりのベクレル数だったら、
それ×1.5トンであってます?計算式は。

小出:そうです。

水野:あ、そうなんですか。
その水に含まれている放射性物質から出る放射線量っていうのは、これでいいんですね。

小出:放射性物質の量ですね。

水野:
量です。
ということは、計算しますと、4950万ベクレルです。
これはどんな数字ですか?

小出:エェ・・みなさん驚きますか?

水野:いや、そりゃ驚きますよ。

平野:ちょっと高い気がしますけどね。

小出:
ええっと・・・福島の原子力発電所の周辺は、
1平方メートル当たり、何万ベクレル、何10万ベクレル、あるいは何100万ベクレルで汚れています。

水野:1平方メートル当たりですか?

小出:
そうです、はい。
もうすべての大地がそれだけ汚れているのです。

平野・水野:・・・・・

小出:
そんなものに比べたら私はもう、些細なものというですかね、
みなさんなんか数字で言われるとビックリするようですけれど、
今の福島第一原子力発電所の事故というのは、
そんな数字でビックリしてはいけない程の膨大な汚染を周辺に及ぼしているということなんです。

水野:
ああ、そうなんだ!
このニュースを通じて、福島第一原発の現実を私たちは知らされるわけですね。

小出:そうです。
1平方メートルごとに何万、何10万、何100万というような汚染が、もうすでに生じているのです。

水野:
えっと、もう本当にお恥ずかしいんですけれども、
じゃ、3.11以前はですね、1平方メートル当たりは大体どの位のもんだったんでしょうか。

小出:
たぶん、えーっとですね、
大気圏内の核実験というものが1950年代から60年代にかけて行われまして、
その10数年20数年という、ま、その位の間で、
日本では約5000ベクレルぐらいが、1平方メートルに降ってきました
何十年かかけてですね。

水野:何十年かかけて5000ベクレルぐらい。

小出:はい、そうです。
で、チェルノブイリ原子力発電所の事故の時には、一回の事故だった訳ですが、
1平方メートル当たり、100ベクレルほど降ってきました。
それが今、福島原子力発電所の事故の場合には、
はるかに強い量で、福島県内、あるいは東北地方、関東地方を汚染してしまっているのです。

水野:
は~・・・チェルノブイリの時に1平方メートルあたり100ベクレルぐらいなのが、
今回は何100万ベクレル

小出:そうです、
ま、そういうところが今避難管理区域にされている訳ですけれど、

水野:
あらめて、こういうふうに比べていただくと分かりやすいんですが、
何故か、こう、政府・東電から、発表される数字の多くはですね、これまで、
チェルノブイリに比べたら小さいんだというような数字の取り方が多いんですよね。

小出:
チェルノブイリの原子力発電所の事故自身も、とてつもない悲惨な事故だった訳ですし、
今回もそれに匹敵するような汚染がすでに生じてしまっているのです。
皆さんはその事をもう少しちゃんと数字で、理解してほしいなと私は思います。

水野:
そうなんですか。はぁ~・・はい、
1年経っても分かっていない所が本当に多くて、
というか、だんだんわからなくされるようなね、いろんな数字が出てくると、
え、そんなに軽いのか。っていう印象をもたれる皆さんが多いんではないかと思うんですよ。

小出:そうですね。

水野:
そうではないという事を、しっかりと知らないとダメですね。
そして、あの、伺いたいのはですね、
今、東海原発は廃炉作業を行っているという話ですけれども、
福島第二原発について伺いたいんです。
福島第二原発についてもですね、もちろん津波の被害があったわけで、
地元の福島県は、「もう廃炉にしてくれ」と、「やめてくれ」というふうに求めていますよね。
しかしながら、今回東電は、この10年間の運転管理方針というのを提出しまして、
経済産業省原子力安全保安院がそれを認める、
つまり、10年延長を認可するという方向なんだそうです。

小出:はい(笑)

水野:今の小出先生の「はい」というお声はびっくりなさったのかと思ったんですが、いかがですか?

小出:
驚き、呆れたというか、
もう、・・つい笑ってしまうというような、程の、ひどいことだと思います。

水野:福島第二原発はですね、運転中だった4基すべてが、自動停止したんですね、大震災の時に。

小出:そうです

水野:
そして、非常用発電機が津波で浸水して、
1号機2号機4号機と、交流電源を失いました。

小出:そうです

水野:
でも、3月15日には冷温停止にはなったんですよね。
ただ、これを、冷温停止状態のまま管理すると、維持管理するというのが東電の今の方針なんだそうですが、
これはつまり、「廃炉には今はしない」と読みとったらいいんですか?

小出:「もう一度動かす」と言っているんですね、東京電力は。

平野:やっぱり再稼働ですか

水野:あ、そういうこと

小出:はい

水野:再稼働へ向けての動きと、見るべきですか?

小出:そうです

水野:ハァ~

平野:
これ、でも、当初政府はもう、「第二原発はもう使えないだろう」という事を
事故の直後は言っていたような気がするんですが。

水野:気がしますよ。

小出:
そうですね
当然私はそうだと思ってきましたが、
東京電力はそうではなくて、第二原子力発電所に関しては、「再稼働させたい」と言っている訳です。

平野:ん・・・・

水野:はぁ・・・
再稼働するなら改めて保安院の評価を受ける必要はあるそうですが、

小出:保安院ももう、4月にはなくなってしまうんですけど・・・

水野:
そうですよね、原子力規制庁の立ち上げが4月にはちょっと遅れるなんていう話しもありますが、
結局、保安院は何の責任も取らないまま原子力規制庁に移るんですよね。

小出:そうです。

水野:エェッ!!

平野:駆け込み認可ですかね。

小出:もう、そうしている訳ですね。

平野:駆け込みですよね。

小出:
安全委員会の方は到底それはもう止めたと言って、
斑目さんがそう言っているわけですけれども、
保安院の方は、「もう、今のうちに全部認可してしまおう!」ということで、
六ヶ所再処理工場がらみの、MOX燃料工場ですとか、そんなものも、
「とにかく今のうちに全部認可をしてしまおう!」という事で、突き進んでいる訳です。

水野:
しかし、原子力規制庁になったら、本来責任を取るべき人もどっかに行ってしまいますやんね、
肩書きが変わりますよね。

小出:
肩書きが変わるだけで、その人たちが残りますので、
規制庁になったところで何にも変わりはないだろうと、私は思っています。

平野:先生、この伊方原発も保安員が妥当評価っていうのも、これも駆け込みですよね

小出:そうです

平野:ね!!
これは本当に無責任な話しですね。
無くなるところが、そんな「妥当評価」だなんかして、その後どうなるのか

水野:どうなるんですか?

小出:
私は、その保安院の人達は、本来であれば
福島の第一原子力発電所もゴーサインを出した人たちな訳ですし、
「安全だ」と言ってきた人たちだったんですね。
その人たちの評価が間違えていて事故になってしまったわけですし、
もう、大変な悲惨な被害が出ている事を思えば、
間違えたことの責任を取ってもらわなければいけないと思うし、
私は刑務所に入って欲しいと思っているわけですけれども、
その人たちが、相変わらず何の責任も取らないまま、
また、ゴーサイン、「安全だ」という事を言い続けるという・・・

どうしてこんなことがなされて、皆さん黙っているのかな?と、
大変不思議で、仕方がありません。

平野:
あの斑目委員長でさえ、体制検査の検証困難みたいなことを言って、
ま、これは、ある意味無責任ですけれども、
「再稼働不透明」という、なんかニュースになっていますけれども、
やっている事がなんか、てんでんバラバラですね。

小出:はい
もう、政府というか、一つの国家の組織を成していないように私には見えます。

水野:
その斑目さんも原子力安全委員会の委員長を「辞める、辞める」とおっしゃったけれど、
「3月末では辞めないかも」なんて、そんな話も出てきて、

小出・平野:(笑)

水野:他の委員から強く慰留を受けていらはるんですって!

小出:ああ、そうですか

水野:で、「どうしたもんか、考えあぐねている」とご自身がおっしゃっているそうです。

小出:タフな方ですね

水野:タフですよ、ねー。
こんなふうにして3月末を迎え、また4月になって、
規制という名前がつくけれども、新しい省庁は増えるが、
ま、やる人は同じという、・・・ことですね。

小出:フフッ・・そうですね。

水野:はい。
小出先生が思わず苦笑なさったという、今日のニュースでした。





ーーー追記3月22日 
東海原発1.7トンが3.7トンに19日から21日の間に増えている><;




東海原発:3.7トン廃水漏れか 流出先は建物内の可能性 /茨城
毎日新聞 2012年3月22日 地方版

日本原子力発電(原電)は21日、
廃炉措置中の東海原子力発電所(東海村)で、
低レベルの放射性物質を含んだ廃水計3・7トンがタンクから漏れた可能性があると発表した。
同時に、同じ建物内でタンクと配管を通してつながる室内に4・2トンの廃水がたまっていることも判明。
3・7トンの廃水は同室内へ流れ出た可能性があるとみて、詳細な原因を調べている。
 
原電によると、今月15日、タンク内部に、防護服の洗濯などに使用した廃水をポンプで注入。
16日に内部の水位計を調べたところ、
当初の165センチから146センチに、さらに17日には135センチまで低下した。
低下した廃水の量は計1・5トンで、1立方センチ当たり33ベクレルの放射性物質を含む。

原電が今回のトラブル以前のタンクの水量も調べたところ、
10年10月以降、2・2トンの水位低下があったことが分かり、
合わせて計3・7トンの水が漏れ出た可能性があることが判明した。

一方で、19日に、タンク上部にあるバルブが設置されている室内を調査したところ、
推定4・2トンの水がたまっているのが見つかった。
漏れ出た可能性がある廃水3・7トンとほぼ同量であることから、
廃水が配管を通って同室内に流れ込んだ可能性が高いという。【大久保陽一】


関連記事
comment 0
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top