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03.28
Wed

拝啓 野田首相様             鎌田慧

いよいよ日本の全原発が止まる日が近づきました。
1966年7月、すでに廃炉になった東海原発が、運転を開始してから46年、
初めての商業炉として敦賀1号炉の送電開始から42年、
ようやくホッとする朝を迎えられます。

あのころ、原発は夢とかクリーンとか未来とか宣伝されていました。
が、今では国民の8割が原発の無い社会を望んでいます。
夢から覚めたのです。
賛成という人も、依存から脱する道が明らかになれば、原発など必要としなくなります。

このまま原発が全部止まったにせよ、
プールの中にある「使用済み核燃料」は膨大な死の灰を抱え続けます。
その処分方法は未解決です。
今まで被ばくした労働者、さらに福島の人達のまだ見えない被害、
気が遠くなるような不安です。

野田首相。
再稼働のために先頭に立つとおっしゃいますが、
まるでヒロシマの後の首相のようですね。
国民を玉砕戦に引き込むつもりですか。

原発立地地域の少数の首長は
「国が安全というから」と国にげたを預ける無責任さです。
その安全が、原発推進機関の「不安全・保安院」の判断、という八百長にもう依拠できないはずです。

国民の8割が嫌だというのに、
先頭で向かってくるのは独裁者のやることです。

若き日のように、駅頭に立って民の声を聞いてみたらいかがですか。


本音のコラム 東京新聞朝刊28面 2012年3月27日紙面より

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comment 1
コメント
結局、首長が信念を持ってヤルヤル言えば
国民はただ引き吊られるだけ。 それが、官僚に操られた、根拠も無い無茶苦茶な暴論だとしても。
日本国民が目覚めない限り 奴らはやりたい放題。問題はわたしたちの意識にある。
去勢された 哀れな日本人たちよ。
一般人 | 2012.03.28 21:02 | 編集
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