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たねまきJ「使用済み核燃料の処理方法を原子力委員会が試算した内容について」小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)4/19

・使用済み核燃料の再処理ってなぁに?
・一番コストが安いケース

2012年4月19日木曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]




<参考>
使用済み核燃料:全量再処理は高コスト 原子力委試算
毎日新聞 2012年04月19日 15時00分(最終更新 04月19日 15時00分)

原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」のあり方を検討している
内閣府原子力委員会の小委員会(鈴木達治郎座長)は19日、
処理方法ごとに2030年までにかかる総事業費の試算を明らかにした。
原発を継続する場合、使用済み核燃料を再処理しながら一部を地中などに埋める直接処分もする
「併存方式」が最も安価とされた。
全量を直接処分する方式では、コストに再処理工場の廃止費用などを加算している。【阿部周一】

「脱原発」を含めた将来の政策パターンごとに核燃料サイクルのコスト試算の結果が示されるのは初めて。
小委員会は結果を基に実現可能性なども加味し、
5月にも「政策の選択肢」として、政府のエネルギー・環境会議に報告。
同会議はエネルギーの中長期戦略に反映させる。

試算は、使用済み核燃料を、全量再処理
▽全量直接処分
▽両者の併存--の3方法ごとに事業費を計算。
その上で、将来の発電量全体に占める原発の比率が
(1)30年に35%
(2)同20%
(3)20年に0%--となる3パターンに分けて比較した。

その結果、(1)と(2)では、
六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)で再処理をしながら一部を直接処分する併存方式が
8兆1000億~9兆1000億円となり、
全量再処理(8兆3000億~9兆7000億円)や
全量直接処分(10兆3000億~11兆9000億円)と比べ最も安くなるとされた。
再処理工場廃止費用などを新たに盛り込む必要がない上に、
全量再処理に比べて再処理費用が減ることが理由という。

一方、(3)の「脱原発シナリオ」を選んだ場合、
再処理の必要性はなくなり、原発から出る使用済み核燃料も少ないため、
全量直接処分の6兆7000億~7兆1000億円で済む。

ただし、いずれの場合も全量直接処分の費用のうち4兆7000億円は、
日本原燃が青森県で計画している六ケ所再処理工場やMOX燃料工場の廃止費用などを含んだ「政策変更コスト」。
これを加算しなければ、全量直接処分は2兆~6兆9000億円と、
いずれのパターンでもその他の処分方法に比べて格段に安くなる。

 【ことば】核燃料サイクル

使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムやウランを燃料として利用する流れ。
プルトニウムを使う高速増殖炉が計画の要だが、
高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)は実用化のめどが立たず、
プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を軽水炉で使うプルサーマル発電が中心となっている。
米国などは再処理は費用がかかるなどとして、すべて埋めて処分している。



続きを読むに内容を書き出しました。読売新聞と東京新聞の記事も転記。




千葉:
まず最初の質問なんですけれども、
内閣府の原子力委員会の小委員会が、
使用済み核燃料の2030年までにかかる処理費用の試算というものを発表しております。
で、その内容なんですが、
今後原発を維持するのか、減らすのか、無くすのか、という3つのやり方を仮定したうえで、
これまで出たもの、そして、その間に出た使用済み核燃料を
再処理するのか、それともそのまま土に埋めてしまうのか、という方法について、
それぞれかかるお金を計算したということなんですけれども、
ちょっとこのニュース分かりにくくてですね、
まず、使用済み核燃料の再処理という事なんですが、これはいったいどういう事なのか?というのを
改めて教えていただけませんか?


使用済み核燃料の再処理ってなぁに?

小出:
はい。
天然に存在している核分裂する物質というのは、ウランしかないのです。
ただ、ウランの中にも、核分裂するウランと核分裂しないウランというものがありまして、
核分裂するウランは235番という番号が付いているのですが、
それはウラン全体の0.7%しかないのです。

で、米国は、その核分裂するウランを、何とか原爆にしようとして、
ウラン全体の中から235番というウランだけを必死で集めるという作業をしました。
それを「濃縮」と私たちは呼んでいるのですが、
その作業を成し遂げて広島原爆を作りました。

しかし、殆どのウランは核分裂しないウランなのであって、
「それを何とかできないか」という事で、また物理学者が別の事を教えたのです。
要するに役に立たないウラン、核分裂しないウランは238番という番号が付いているのですが、
それに中性子をぶつける事が出来れば、プルトニウムという物質が自然にできる。
それも実は核分裂するんだと。
それで原爆を作った方が手っ取り早いぞという事を教えまして、
米国はそちらの方向の原爆開発に力を入れるようになりました。
そして長崎原爆を作り上げるという事をやったのです。

では原子力というものをエネルギー源にするとどうなるか?っていうことですが、
核分裂をするウラン、235番のウランは、何といっても0.7パーセントしかないし、
それをいくら使ったところで原子力はエネルギー資源にならないという事が初めから分かっていたのです。
ですから、現在日本もやっている普通の原子力なんていうものは、
エネルギー源なんていうものにはもともとならないものだという事が、
わたしたちのような専門家の中では、もうとうの昔から解っていた事
なのです。


千葉:すぐに燃料が無くなってしまうという事ですか?

小出:
そうです。
ウランの235なんていうものはもうすぐに無くなってしまって、
エネルギー源にはならないという事は解っていたのです。

そこで、長崎原爆を作ったのと同じように、
ウラン全体の99.3%を占めている、238番のウランの方を、
プルトニウムに何とか変えてやる事が出来れば、少しはエネルギー資源になると考えたのです。

で、そのために必要な作業が高速増殖炉という、特殊な原子炉をまず造らなければいけませんし、
その原子炉の中でプルトニウムをどんどん効率的に生み出して、
それを再処理という工程で、取り出す。プルトニウムを。

それをまた次に高速増殖炉で燃やしながら、
どんどん、どんどん増殖していこうと言う、そういう考え方だったのです。

しかし一向に再処理もできませんし、高速増殖炉もできないという事で、
もう世界中がその路線から撤退してしまっているのです。
ですから日本も早く夢から覚めるべきなんですけれども、
相変わらずこの日本という国は再処理だ、高速増殖炉だというような事を言い続けてきてしまったのです。


千葉:再処理っていうのは今日本では行われていないんですよね?

小出:
もともと、ですから「原爆を作りたいという事で、プルトニウムを取り出す」という事がその再処理の技術なのです。
ですから、極めて高度な軍事技術なのであって、
外国は決して教えてくれないのですね、その事を、技術の内容を。

で、日本は先の戦争に負けましたので、いわゆる核技術、原子力技術という点では、
もう圧倒的に後進国になってしまいまして、再処理という事も、もう全くできなかったのです。
そのためこれまではイギリスとフランスに日本の原発の使用済み核燃料を送って、
イギリス、フランスに再処理をしてもらってきたのです。


千葉:はぁ!

小出:
それでも何とか自分でも再処理をしたいという事で、
1977年に、茨城県の東海村に小さな再処理工場をフランスに造ってもらって、動かし始めました。

で、その技術を何とか日本が学んで、六ヶ所村に大きな再処理工場を造りたいと計画していたのですが、
とうとう日本ではやっぱり作れないという事で、六ヶ所村にもフランスに造ってもらってきているのですけれども、
その再処理工場すらが、一部日本の技術でやろうとしたところで失敗しまして、
いまだに動かないという状態になってしまっています。


千葉:
そんな中で、これは一種の国策を変えることも検討しているのかとも思うんですけれども、
内閣府の小委員会は一番安いケースとして、お金がかからないケースとして、
2020年までに原発を全て止めて廃止して、
出された使用済み核燃料は再処理という作業をしないで、
そのまま土に埋めてしまうという事の試算も出しているんですけれども、、
これは小出さんはどう思われますか?


一番コストが安いケース

小出:
もちろんそうだと思います。
要するに再処理なんていうものは、もう途方もない危険を抱えていますし、大変危険な作業ですので、
それをやらない方がもちろん安くつきますし、
原子力全体に対しても、もう止めてしまった方がお金がかからないということは、
私は当然のことだと思いますし、
再処理もやらない、原子力も本当はもうやらないというのが一番望ましい事だと思います。

ただし。ですけれども、
使用済み燃料が、もうすでに作ってしまった物が膨大にありまして、
それを再処理をやらないにしても、何とかしなければならない。
それを直接地面に埋めてしまおうというのが、今回原子力安全委員会が考えたもう一方の策なんですけれども、
それすらがとても大変な作業なのであって、
埋めたとしても100万年間環境に出てこないようにしなければいけないというようなものですから、
お金勘定は実際にはできないんです。

千葉:
そうですね、
藤田さんいかがですか?

藤田:
う~ん、いや・・そういう事は想定した試算ではないんですね。
100万年間かかる。
その間、面倒を見ようという試算は想定されていないんですね。

小出:埋めてしまえばもう大丈夫だというのが、そういう試算で想定をするので、

藤田:大丈夫とは言えない訳でしょ?

小出:
科学が100万年なんていう期間を保証できる道理がないのであって、
あたかもそれが出来るかの様に、
これまで原子力を進めてきた人たちが言って、まあ、金勘定もしてきたんですね。
そのこと自身が私はバカげたことだと思っています。

藤田:んー…、まだ、土に埋めたから大丈夫だなんて言うことが実証出来ている訳ではないですよね?

小出:もちろん、実証するには100万年かかるわけですから、決してできないのです。

藤田:
はぁ~・・・そういった中で、こんな論議がなされていると、
で、お金計算もそういう状況の中で、成されているという事ですね。

小出:
そうです、
ですから、まあ、お金の計算もいずれにしてもインチキなのです。

藤田:ハアァァァ・・・・・わかりました、小出さんどうもありがとうございました。




ーーー
<参考2>

核燃料の地中埋めて処分、再処理より2兆円割高
読売新聞 2012年4月19日19時24分

核燃料サイクル政策のあり方を議論する内閣府原子力委員会の小委員会は19日、
使用済み核燃料を再処理する現行路線をやめてすべて地中に埋めて処分(直接処分)する場合は、
2030年までにかかる総費用は約2兆円高く、約10兆~12兆円になるとの試算を公表した。

20年に原発を全廃した場合の総費用は約7兆円となった。処理方法別のコスト試算が示されたのは初めて。

小委員会は、
〈1〉使用済み燃料をすべて再処理
〈2〉再処理と直接処分の併存
〈3〉すべて直接処分――の三つのケースを検討した。

すべて直接処分する場合は、
再処理工場や燃料加工工場の早期廃止により建設費に見合う使用ができないことなどで、
約5兆円の追加費用がかかる計算
になることがわかった。


原発ゼロが最安7.1兆円 使用済み核燃料処理費用
東京新聞 2012年4月20日 07時07分

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原子力政策のあり方を議論している原子力委員会の小委員会は19日、
どのくらい原発を稼働させ、使用済み核燃料をどう処分するとコストはどう変わるのか試算を公表した。

2020年に原発をなくせば、30年までにかかる費用は約7.1兆円にとどまり、
原発を動かし続けた場合より、核燃料サイクルに関連する総費用は安いとの結果になった。
原発ゼロを含めたコスト試算は初めて

小委では、
(1)使用済み燃料を全て再処理
(2)再処理はせず全て直接処分
(3)両者を併用-の三つのシナリオを検討。
それぞれに、総発電量に占める原発の割合を35%、20%、0%と仮定した場合の費用を算出した。

その結果、シナリオと原発の割合の全ての組み合わせのうち、
最もコストが少なかったのは、20年に原発をゼロにし、核燃料サイクルをやめる道。
30年までに7.1兆円がかかり、巨額の資金を投じてきた再処理施設などをあきらめることを意味する。

直接処分の場合、再処理施設の廃止費用約5兆円が上乗せされているため割高感はあるが、
それでも原発ゼロとすれば、処分する使用済み核燃料も少ないため、安く済むとの結果だった。
逆に、原発への依存度を高めるほど費用もかさみ、直接処分と組み合わせると最も高コストとなった

核燃料サイクルをめぐっては、これまで約十兆円をつぎ込んでも再利用の輪が完成するめどは立っていない。
そこに、試算とはいえコスト面の問題も浮かび上がってきた。
今後のエネルギー論議に影響が出そうだ。

◆ありえぬ想定「原発35%」


一見、脱原発、脱核燃料サイクル事業の道を指し示したかのような原子力委員会小委員会のコスト試算。
しかし、総発電量に占める原発の割合を35%と近年の実績値よりずっと高い設定の試算も出されたことで、
委員らからは「原発維持のためにわざと高めの数字を出しているのか」といぶかる声も上がっている。

政府は原発の運転を認める期間(寿命)を40年とする方針を決めている。
日本には50基(東京電力福島第一1~4号機を除く)の原発があるが、
運転開始から30年以上たったものが多く、試算した2030年には18基に減るはず。

福島事故前でも、原発の割合は26%だったから、
仮に全ての原発の再稼働が認められたとしても、10%を維持できるかどうかがいいところだ。

それなのに、脱原発を示す0%のほかは、20%や35%の設定がなされた。
こうした数字になるためには、電力需要が激減するか、原発がどんどん新増設されるかしかない。
新増設が極めて困難なのは明らかだ。このため、小委員会ばかりか、同委新大綱策定会議でも批判が続出している。

NGO気候ネットワーク代表の浅岡美恵委員
「新増設はリアリティーがない。35%で費用計算することは賛成できない」と批判。

慶応大教授の金子勝委員
「0、20、35の数字の設定が恣意(しい)的。20が真ん中に見えるようにしている」と指摘した。

一方、近藤駿介原子力委員長は、
現行の国のエネルギー基本計画の30年時点の原発の割合は45%とされていることを挙げ、
「35%も減原発の範疇(はんちゅう)」と説明している。
ただでさえ「原発推進側」とされる原子力委。
現実の施策を反映した議論を展開しないと、試算も信用されなくなりそうだ。

(大村歩・東京新聞)


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コメント

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No title

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。