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05.03
Thu
原発ゼロの日を迎えるにあたって
・節電、値上げ、電気料金に上乗せされているもの


2012年5月2日水曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]



<参考>
大飯原発再稼働できなきゃ20%強の節電
日刊スポーツ [2012年4月13日21時57分]
 
野田佳彦首相は13日夕、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向けて
枝野幸男経済産業相ら3閣僚との協議を官邸で開き、福井県に協力を要請することを決めた。
2基が新たな安全基準を満たしていると最終確認。
関電の供給力を上積みしても管内は厳しい電力不足に直面すると判断し、再稼働が必要だと結論づけた。
枝野経産相を14日に福井県に派遣する。

協議終了後に記者会見した枝野経産相は、再稼働を最終的に決定する時期に関し
「7月以降に猛暑が来る可能性が高いので、それまでに理解いただければありがたい」と述べた。

関電管内の電力不足が「社会的弱者にしわ寄せを与え、日本産業の屋台骨を揺るがす可能性が高い」と危機感を表明。
再稼働に理解が得られない場合、関電管内の企業や家庭に2010年夏の最大電力に比べ
「20%プラスアルファの節電をお願いする」と明言した。

この日の協議では、再稼働しない場合に見込まれる関電の火力発電燃料費の増加額や、
事故時の政府と電力会社の連携策も議論した。

この結果、関電の火力発電の燃料費増により
今の状況では、遠からず電気料金の値上げをお願いせざるを得なくなる」(枝野経産相)とした。

再稼働協議では今月3日の初会合から10日余りが経過し、この日が6回目だが、拙速との批判は収まっていない。
周辺自治体では、京都府の山田啓二知事と滋賀県の嘉田由紀子知事が慎重な姿勢。
関電の筆頭株主である大阪市の橋下徹市長も政府の手続きを批判しており、理解を得るまでには曲折が予想される。
(共同)

 

再生エネ発電 買い取り制には課題が多い
(5月1日付・読売社説

太陽光や風力など再生可能エネルギーの買い取り制度は、多くの難題を抱えている。

経済産業省の有識者委員会が、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取る価格の案をまとめた。
政府が5月中に正式決定し、7月から電力会社に買い取りが義務づけられる。
価格案は、1キロ・ワット時当たり、太陽光が42円、風力23円、地熱27円などとなっている。

有識者委は、それぞれの発電方法で通常かかる費用に、適正な利益を上乗せしたと説明している。
しかし、各発電業界が事前に示した要望額とほぼ同じで、大方の予想より割高と言える。

自然エネルギー発電への参入を後押しし、普及に弾みをつける狙いだろう。
だが、制度設計そのものに危ういところがある。

電力会社が高値で買い入れた負担分は電気料金に上乗せされる。
経産省は一般家庭の負担増は、初年度で月70~100円にとどまると試算しているが、
普及につれて負担額は増え続ける。

鉄鋼など電力多消費産業には、料金上乗せ分の8割以上を減免する特例が適用される。
料金の減収分を穴埋めする補助金が底をつくと、これも他業種や家庭の電気料金の上昇へと跳ね返る。
コスト負担のバランスを欠けば不公平感が拡大するだろう。

今は、原子力発電所が停止し、火力発電の燃料費が年3兆~4兆円も余計にかかる非常時である。
電力コストの上昇は、極力避けなければならない。
再生可能エネルギー買い取りの影響で電力料金の上昇幅が拡大した場合、
政府は買い取り価格を機動的に下げる必要があろう。

実際、買い取り制度で先行するドイツでは昨年、一般家庭の料金上乗せ分が月1200円に膨らんだ。
国民の反発を受け、今年春に買い取り価格を2~3割下げた。
スペインでは今年1月、新規買い取りの凍結に追い込まれた。
海外の事例は、再生可能エネルギーを政策支援で普及させても、
発電コストが高いままでは維持が難しいことを示している。

太陽光パネルなど新エネルギー関連の産業振興や雇用増を期待する声も多いが、現実は厳しい。
ドイツでは、割安な中国製に押されて、大手パネルメーカーなどの破綻が相次いだ。
太陽光、風力発電は、用地確保や発電設備の耐久性などに課題が多い。
「脱原発依存」への道は決して平坦(へいたん)ではない。


続きを読むに内容を書き出しました




原発ゼロ

水野:
まず、5月5日の夜に北海道の泊原発が定期点検のために止まります。
という事は日本の原発はすべて止まるという事になるんですね。
これについて小出先生のご感想はいかがでしょう?

小出:
うれしいです。
毎日、電気というのはどんなに頑張っても使わざるを得ない訳ですが、
その一部が原子力から来ているという事が私にとっては苦痛の一つでしたので、
泊が止まって全て原子力の電気が無くなるというのであれば、大変嬉しく思います。

水野:
ただですね、原発ゼロになったらどうなるかという事を想像しますとね、
一つには節電の要求は高まるでしょう。
あるいは電気料金の値上げという事も待っているのではないでしょうか。
そのあたりについては小出さんはどうお考えですか?


節電

小出:
節電することはもともといい事です。
なんか、スイッチを入れたら電気がつくよ、
何でもその思う通りに電気があるよというようなこと自身が、
みなさん、おかしいと思わなければいけないのだと思いますし、
私自身は日ごろから、電気はなるべく使わないようにしてきましたので、
節電という事自体はいいことだと思いますが、
今現在国や電力会社は、私達が節電をしないと何か電気が足りなくなると脅しをかけてきているのですね。
でもそれは全く嘘なのです。
原子力が全部止まったとしても火力発電所と水力発電所がきちっと運転できるのであれば、
いついかなる時でも電気は十分に足りますので、
皆さんは節電なんていう事をする必要もありませんし、
脅かされる必要もないという事をしっかりと心に止めておいてほしいと思います。


水野:
ただですね、今止まっている火力発電所。
こうしたものを再稼働させていかなければいけないという、そういう必要性は出てくるんですか?

小出:
もちろんです。
これまで電力会社は火力発電所のほとんどを停止させてきたわけで、
長期間にわたって動いていない火力発電所もあるのです。
それをまたきちっと運転出来るように、電力会社はしなければいけません。

水野:
ただそうした、長期間休ませていた火力発電所を再稼働させるためには、
また多額なお金が必要なんではないですか?

小出:
(笑)そうですね。
ですから電力会社の経営が間違えていたという事なのですね。
ちゃんと火力発電所を運転して間に合うのであれば、原子力発電なんて造らなくても済んだのに、
すでにある火力発電所を全部止めながら、
原子力発電をやればもうかるという事で進めてきてしまった電力会社の責任なのです。

水野:近藤さんはいかがですか?

近藤:
ぼくはあの福島原発の事故直後の計画停電の区域に入っていたものですから、
計画停電というのを体験しているんですが、
えー、なんちゅうんでしょう、
わりと新鮮な時間やったですね。
新鮮というのはちょっと分かりにくいかもしれませんが、
なんか一つ価値観というものを考える時に、
この、よく言いますけれども身の丈に合った日本というのはどういう事なんだろうと、
「相当無駄な電気と無駄な時間を我々は費やしているんじゃないか」っていう思いが改めてその時に感じました。
ですから、やってみたらいいんじゃないかってい気持ちの方が強いです。

水野:はぁ・・

近藤:節電は。

水野:
ただ、枝野さんはですね、経済産業大臣の枝野さんは、
関電管内の電力不足が社会的弱者にしわ寄せを与え、
日本産業の屋台骨を揺るがす可能性が高い

こんなふうにもおっしゃってますよね。

近藤:
あの、水野さんね、
その辺の実態どう捉えているのかは分かりませんが、
私は東京以上に大阪の方が、そういう意味での節電対策っていうのがショック度が大きいと思うんです。
東京の方が規模が大きいんだから大きいと思うでしょうけれども、
ぼくは電気を止めるとか、計画的にそういう事に対して、
大阪の方がもっとこう、自由闊達にビジネスを展開してきたような気がしましてね、
だからそういう意味で中小企業とかいろんな事を考えますと、
東京より、なんていうんだろう・・
大きいところを東京は押さえればいいんだけども、
大阪はそうでもないだろうなっていう事を思うと、ショック度は大きいと思うんです。
ですけど、いろんな価値判断、価値の基準を置いた時に、
一度体験するっていうのもここは必要なんじゃないかなという気がいたします。


値上げ

水野:
この節電とともに電気料金の話しも大きな課題かと思うんですね。
小出さん、再稼働しない限り電気料金は上がるんだと、
いう方向の話が政府や電力会社から聞こえてくるんですけれど、
これについてはどうお考えですか?

小出:
ほんとにふざけた話だと思います。
これまでどの電源が一番高かったかと言えば、
電力会社の経営データ、有価証券報告書で調べる限りは、原子力発電が一番高かったんです。
ですから原子力発電なんてもともと手を染めなければ私たち消費者はもっと安い電気でこれたはずなんです。
それを電力会社が経営判断、
自分がただただ儲かればいいという、その判断でここまでやってきてしまったんですね。
すでに建った原子力発電所が今動かせないという事になれば、
火力発電所の燃料費が必要になるという、そのこと自身は、ま、当然そうだろうと思います。
でもそれは電力会社の放漫経営のために生じている事なのであって、
損害賠償を、私は消費者が求めるべきことだと、そのぐらいに思ってしまいます。
いずれにしても原子力なんて足を洗えば、これから長期的に見れば必ず電気料金が安くなります。


自然エネルギー買い取り制度


水野:
ただ、そうした電力を、この新しい形にしていこうという自然エネルギーですね。
この自然エネルギーを一定の価格で買い取る制度、これが7月に始まります。
自然エネルギーを増やしていこうという制度なんだろうと思うのですが、
その買い取りの費用をだれが出すのかっていうと、
これ、家庭の電気料金に上乗せされるんですってね?


小出:そうです。

水野:はぁーっ

小出:
これは大変難しい問題です。
私自身はもうずっと前から発言していますが、
「火力発電所と水力発電所があればいついかなる時でも電力供給に支障がない」と言い続けてきていますので、
自然エネルギーを今すぐやらなければいけないという必然性はありません。
ですから高い値段で買い取るという事も今すぐやらなければいけないかといわれると、私はそうではないと思います。
ただし、いずれにしても最終的には自然エネルギーに移行しなければならないので、
その間の、投資というんでしょうか、
未来への価値の移行という事で、
何がしかのものをやはり私達が負わざるを得ないという事はあるかもしれないと思います。

水野:ん・・・
ただこれ、自然エネルギーが増えていけばいくほど、電気料金がその分上がる仕組みなんだそうで、

小出:えーっと、そうではないと思います。

水野:えーそうですか?

小出:
はい、自然エネルギーがちゃんと使えるような技術開発が進めば、
自然エネルギーもきちっと市場で価格競争ができるものになるだろうと私は思いますし、
これまで原子力に投資してきた膨大なお金をきちっと自然エネルギーに投資するのであれば、
原子力なんかよりもはるかに有益なエネルギー源に、自然エネルギーが有益なエネルギー源になると思います。


電気料金に加算されているもの

水野:
ただ、今、小出さんがおっしゃったように、
ちゃんとした公正な電力の取引市場が自由に確立されるためには、
もっともっと自由に、電力の発送電分離など、改革が伴わないとそうはならないんじゃないですか?

小出:フフッ
もちろんです。
これまではとにかく電気事業法という法律で電力会社がもう何重にも守られてきてしまっていて、
ひたすら原子力さえやればもうかるという仕組みのままきてしまいました。
発電も送電も全部自分のものであって、
地域独占だという、大変優遇された地位にいたが為にこうなってしまったんですね。
もっともっとそれを自由化していって、
本当に必要な電気を必要なやり方で発電するという方法に持っていかなければならないと思います。

水野:
実は、仮定の電気料金に上乗せされているのは
原発造るのにかかる費用も上乗せされているんですってね?

小出:そうです。

水野:実は。

小出:はい。

水野:自治体などに配るお金の財源も・・それも・・上乗せされているんですね。

小出:そうです。

近藤:広告費なんかも入っているんじゃないですか?全部。

小出:そうです。

近藤:ねっ
水野:ハァ・・・

小出:それはマスコミを丸抱えするためのお金も全部電気料金に入っています。

水野:
電源開発促進税というのがあるんだそうです。
これが毎月113円だということです。
ま、こうした仕組みが、そのままの、
今までの形のままで、結局原発ゼロの日を私たちは迎えるという事になりそうですね。

小出:はい。

水野:どうもありがとうございました。





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comment 1
コメント
原発をすべて再稼動しないと、電気料金が20%位高くなる。
一般家庭で、2,000円前後だろうか。
しかし、原発で破局的事故が起きれば、損害賠償額は数百兆円だ。
当然、電気料金は世界一高くなる。
消費税も25%位にあげないと、政府が損害賠償額を支払えなくなる。
つまり、我々国民が被害者でありながら、税金という形で支払わされることになる。
所得税や法人税も、大幅にあがる。
日本は、世界一の重税国家になってしまう。
世界一の重税国家になれば、スウーデェンのような社会保障の充実した国になるのかといえば、そうではない。
原発の被害の損害賠償に税金が当てられるので、日本の社会保障は大幅に削られる。
さらに、深刻な放射能汚染と高い税金のため、企業が海外に流失して国内の産業の空洞化が起こる。
富裕層も海外に移住していくだろう。
日本の富の流失と減少に歯止めをかけることは、出来なくなってしまう。

東京のメッシ | 2012.05.03 14:26 | 編集
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