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05.10
Thu
・アメリカ講演を終えて
・シカゴは原子力原点の町
・大阪での瓦礫処理問題



2012年5月9日水曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]





<参考>

小出先生ニューヨーク講演

小出裕章先生NY講演 - 2012年5月3日(木) 動画のみ

「福島原発事故・放出されたセシウムと今後の危険」小出裕章氏5/5NY記者会見(動画・内容書き出し)

小出裕章氏NY講演会をモーニングバードが取材・放送5/8(動画・番組内容書き出し)


震災がれき:大阪の人工島・夢洲で埋め立て方針
毎日新聞 2012年05月09日 15時26分(最終更新 05月09日 16時01分)

東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)受け入れを表明している大阪府と大阪市は、
同市の焼却場で焼却した上で、焼却灰を
大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま=大阪市此花区)の北港処分地で埋め立てる方針を固めた。
環境省は、がれきの放射性セシウムが海に流出しない方策について今月末にも府・市に提示する見通し。
それを受け、府は専門家会議で安全性を確認し、正式決定する。

北港処分地は、同市内で排出されたごみの最終処分地。
夢洲の385万平方メートルのうち、現在は73万平方メートルを処分場として利用している。

がれきを巡っては、府が岩手県分18万トンの受け入れ方針を表明。
昨年12月、放射性セシウムについて、
国基準よりも厳しい「がれき1キロあたり100ベクレル以下」との基準を策定した。
府は1月から焼却場を持つ府内の市町村に焼却の受け入れを要請し、処理手順や基準を説明。
しかし、住民の反発などへの懸念から大半は慎重姿勢で、受け入れ表明は大阪市にとどまっている。

同市は2月、北港処分地について、
環境省に安全性の審査を依頼。同省は月内にも安全な埋め立て方法を提示するとみられる。



震災がれき、埋め立て処分する方針…橋下市長
読売新聞 2012年5月9日14時35分

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大阪府・市が受け入れを表明している東日本大震災で発生した岩手県内のがれきの処分を巡り、
橋下徹・大阪市長は9日、大阪湾岸の夢洲(ゆめしま)(此花区)にある市の焼却灰処分施設
「北港処分地」(73ヘクタール)で埋め立て処分する方針を明らかにした。

今後、環境省との協議を経て受け入れを正式決定する。

北港処分地は市有では唯一の最終処分場で、市は1985年からごみ焼却灰などで埋め立てを続けている。
橋下市長は市役所で読売新聞などの取材に対し、
「安全確認して、(がれきを)受け入れる。住民にはしっかり説明していきたい」と語った。

がれき処分を巡っては、大阪府の松井一郎知事が今年2月、北港処分地での受け入れ検討を表明。
これまで、府市と環境省が焼却灰の処理について
▽処分地への直接埋め立て
▽放射性セシウムを吸着させる鉱物「ゼオライト」を利用して埋め立て

――の2案について意見交換してきた。




大阪維新の会「瓦礫広域処理についての勉強会」小出裕章氏2/8
小出先生による維新の会の勉強会の内容全てです。

被ばくという事「瓦礫広域処理についての勉強会」その1
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)


放射能のゴミ人形峠の場合「瓦礫広域処理についての勉強会」その2
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)


福島第一原発から出た汚染 「瓦礫広域処理についての勉強会」その3
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)


では、どうすればいいのか? 「瓦礫広域処理についての勉強会」その4
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)


質疑応答 「瓦礫広域処理についての勉強会」その5完 
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)



続きを読むに番組の内容を書き出しました



アメリカ講演を終えて

水野:
小出さんはアメリカに行ってらしたというふうに聞いております。
3.11以降データのある場所にいておきたいんだとおっしゃっておりましたけれど
1年すこしたって、やっとアメリカに招かれていたのを行けるようになられたんだとおもうんですが、
あちらでいろんな方ともお会いになったでしょう。
一番印象に強く残ったのはどんな事だったですか?

小出:
( ´艸`)ムププ・・・ えー、私は米国という国が大嫌いなんです。
で・・行きたくなかったのですけれども、
米国に行ってみても、やはりそこに生きている人はみんなおんなじ人間だと、
朝起きて、ご飯を食べて、子どもを育てて、
みんな苦労しながら生きている人がそこにいるという事を改めて思いました。

水野:この日本の放射能については、あちらの方々はどんな見方をしていらっしゃいますか?

小出:
それはですね、
事故が起きてから日本の政府、マスコミが様々な情報を流してきたのですけれども、
その情報が世界で流されている情報と、乖離(かいり)があったと思います。

水野:ほぉ

小出:
で、世界の方々は日本政府が流している情報をどんどん信じることができなくなってきたということになっていて、
一体本当はどうなのか?という事で大変困っておられたんだなという事を改めて思いました。

水野:アメリカの方がより実態に近いものを伝えていたんですか?

小出:
そうですね、事故が進行していた時に、
ま、人類が初めて経験するような事故だったわけで、
どんなふうにこの事故が進展するかわからない。
わからないまま、たとえば原子炉建屋が爆発していくという事があったわけで、
大変みんな不安に思っていたのですね。
その時に日本の政府は、ただただ「大丈夫だ」「たいしたことはない」という情報を流し続けていた訳ですが、
もちろんそんな事はないわけで、
みんな世界中が不安に思っていた。
そして米国にしても「50マイル以内の米国人は全部逃げろ」という指示を出していたわけで、
そういう世界での認識と、日本での情報の流れ方が違っていたという事が、
・・・大変みなさんに対して重荷を負わせたんだと思います。


シカゴは原子力原点の町

水野:
シカゴでも公演をなさったと聞いていますけれども、
このシカゴという町は原子力にとっては歴史的な場所なんですってね?

小出:そうです
米国がナチスに対抗して原爆を作らないといけないと決意をしまして、
その原爆をつくるためには原子炉を作らないといけないまず思いました。
みなさんは、日本のみなさんは原子炉というと原子力発電と思うかもしれませんが、
もともと原子炉というのは
原爆の材料にするプルトニウムをどうやって作ることができるかという事で作られたものなのです。

水野:
もともと電力をつくるために考え出されたものではない。
兵器のためのプルトニウムを生産するための原子炉。

小出:そうです
その人類初の原子炉が動いたのが、
シカゴ大学のフットボール場があったのですが、その観客席の下側にちょっとした巨大な空間がありまして、
そこで初めて原子炉が動き出したという、そういう歴史があった町です。

水野:ハァ~・・じゃあそこで取りだされたプルトニウムが、結局は原爆として使われた事になるわけですよね。

小出:
ただ、シカゴ大学に出来た原子炉はいわゆるおもちゃみたいな原子炉で、
要するに原子炉というものができるかどうか?という、
その事すらわからなかった訳で、
ようやく原子炉が動く問う事がそこでわかった。
あとは、プルトニウムをつくるための原子炉は、
ワシントン州のハンフォードというところに巨大な原子炉を造って、初めて取り出すことができました。

水野:「原子力がどういう形でこの世に存在し始めたか」っていう歴史を見ると、それは戦争だったという事ですね。

小出:そうです。
それが私にとっては自分が歩み始めた原点な訳ですから、一度は行ってみたいと思っていました。

水野:そこでどんなメッセージを送られたんですか?

小出:
日本というこの国が福島原子力発電所の事故に直面している訳ですが、
それがどういう内容なのかという事と、
日本というこの国がどのように原子炉にかかわってきてしまってきたかという事を聞いていただいて、
やはり原子力は放棄するべきだという話を聞いていただきました。


大阪での瓦礫処理問題

水野:
さて、帰ってこられたら、大阪で、いま注目されている問題がの一つがですね、がれきの処理です。
これにつきまして大阪府と大阪市が震災がれきをですね、
此花区にある人口の島であります夢洲(ゆめしま)で焼却した灰を埋め立てて処分するという方針を固めた模様です。
この「焼却した灰を埋め立てる」という事についてどうお感じですか?

小出:やってはいけません

水野:
これは、小出さんはやってはいけないとおっしゃっていたんですが、
でももう、環境省と最終調整に入った模様なんです。
で、具体的な方法を環境省がいくつか提示しております。
ひとつづつ、どういう意味なのか教えていただきたいんですが、
まず一つの案は
焼却した灰を処分地に直接埋め立てる」これはどうですか?

小出:いけません。

水野:全くいけません?

小出:はい!

水野:では、
セメントで固めた灰を埋め立てる」これはどうですか?

小出:いけません。

水野:なんでセメントで固めてもダメなんですか?

小出:
放射性物質というのは、発生した現場に閉じ込めるという事が原則であって、
もともと福島、あるいは汚染地のものを大阪に持ってくるという、そのこと自身がいけないのです、やっては。
やってはいけないし、出てきた焼却灰というものは放射性物質を濃縮していますので、
それをそれぞれのところで受け入れるなんていう事を引き受けてはいけないのです。
元のあった場所に戻して一括して責任を持ってお守をするという事をやらねばいけないのです。
どんな形でも受け入れてはいけません。

水野:灰は受け入れてはいけない。
じゃあ、どんな形でも受け入れてはいけないとおっしゃいましたが、
今の案でですね、セメントで固めるのはコスト的に高いから、一番有力だとみられているのは
「ゼオライトを使う案」だそうです。

小出:( ´艸`)★。、::。.::・'゜

水野:
これは、
放射性セシウムを吸着させるゼオライトをまず敷いて、その上に灰を埋め立てる」という案です。

小出:
はい、あの・・・何がしかは効果はもちろんあります。
ゼオライトにはセシウムが吸着するという性質がありますので、何がしかは効果があるし、
セメントで固めてしまえば、セメントが崩れ落ちるまでは、何がしかの効果があります。
しかし、・・・本当はだから、そんなことはやってはいけない。
原理原則という事をやはり今考えて頂きたいと私は思うし、
本来であれば、それぞれの場所に焼却施設を造って、そこで焼くという事を政府にやらせなければいけないのです。
なんでそれをやらせないままにそれぞれの自治体が安易に引き受けてしまうのか、私にはそれがまず分かりません。

水野:
確かですね、2月ごろでしたか、大阪維新の会の方たちが、小出さんのところに大勢で出向かわれて、
このがれきの処理の話を聞かれたんじゃないんですか?

小出:
そうです。
私はその時にも今聞いていただいたように、
原則は現地でちゃんと処理をして、焼却施設を造ってそこで焼くことだと私は聞いていただきましたし、
でも、今のような無策な政府がある限りは、仕方がないから全国の施設で引き受ける

水野:焼くことについてはですね。

小出:はい

水野:引き受けるとしても、

小出:
はい、焼く可能性はあると言いましたし
焼く場合もちゃんと環境に放射性物質をばらまかないようなフィルターをきちっとつけなければいけない。
そして出てきた焼却灰は現地へ返さなければいけないと言って、
維新の会の人達に、もう本当に何度も何度も言ったつもりです。

水野:
皆さん反応はいかがでした?

小出:
ええ、まァ・・私がいた場所ではみなさん聞いていて下さっていたようでしたけれども、
今のような結末になるのだとすれば、
「何を聞いて下さっていたのかな?」と思います。

水野:こんどうさ~ん、いかがですか?

近藤:
ん・・・それは、先生が言っている意見が通らなかったというのは
大阪の維新の会の人達をコントロールするもっと偉い人がそういう考え方だっていう事なんですかね?

小出:多分そうだと思います。

近藤:んーーー・・・・・・

水野:そうですか・・・
ゼオライトで幾分かは効果はあるけれども、
ま・・・抜本的な考え方が方向性が違うというふうな小出さんのお考えですよね。

小出そうです。

水野:
う~ん・・・・このまま行ってしまうんでしょうか・・・
大阪府と市は国と調整をしているようです。
どうもありがとうございました。




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