4月28日 熊日新聞夕刊
百人百話 病理学者 ユーリ・バンダジェフスキー

チェルノブイリの影響研究
日本は子ども守る施策を

Yury・Bandazhevsky
1957年ベラルーシ生まれ。
医科大学で病理解剖学を学び、卒業後に中央科学研究所に入り、のちの所長に。
チェルノブイリ事故後の90年、ゴメリ医科大を設立し学長に就任。
放射性セシウムが体内に与える影響を論文で発表後の99年、
収賄容疑で逮捕、実刑判決を受けたが、国際世論の抗議もあって刑期途中に出所した。
現在はウクライナに在住。
最初のレベル7の原発事故となった1986年のチェルノブイリ原発事故。
深刻な被害を受けたベラルーシで放射性物質による内部被ばくの影響を調査してきたが、
論文発表後の99年、突然収賄容疑で逮捕。
一貫して無実を訴えたが実刑判決を受けた。
東京電力福島第一原発事故で、研究結果が改めて注目されている。
チェルノブイリ事故後、ベラルーシのゴメリ医科大で行った研究では、
現在の日本にとっても有効な研究結果を蓄積する事ができました。
ベラルーシ国民の死因で最も多いのは心臓血管系の疾患です。
煙草やアルコールの影響が指摘されていますが、
私は放射性物質のセシウム137が影響しているという事を、病理解剖や臨床データなどによって突き止めました。
セシウム137は食事とともに体に入り、心筋に蓄積されます。
汚染地区に住む子供たちの心電図を分析すると、
心電図の異常と体内のセシウム濃度に相関関係がありました。
低線量被ばくでも、遺伝的な傾向と組み合わさり、
突然死するなどの影響が出ています。
専門家の多くが放射性物質を心臓疾患の原因と認めていないのは悲しいことです。
逮捕されたのは、研究が「国家へのクーデター」とみなされたためだと思っています。
ベラルーシ政府は私の研究結果を不都合とみなし、認めていません。
残念ながらルカシェンコ大統領の独裁政治に勝つことができなくて、刑務所に入ることになりました。
逮捕された後、大学で行ってきた研究や実験はすべて中止されました。
今でもゴメリ医科大では私の研究テーマにかかわる調査・研究は一切、行われていません。
実はベラルーシでは、チェルノブイリ事故前の60年代からセシウム137の汚染があったんです。
それは国家的な秘密とされていましたが、私はこの事実をゴメリ州の図書館にあった古い書籍から発見しました。
放射性物質による汚染の結果、
ベラルーシでは60年代から出生率が下がっており、
その一方で、死亡率は上がり続けています。
にもかかわらず、汚染地区に住む人々に対して放射性物質の影響は一度も説明されていませんでした。
国家権力がいかにその影響を隠したがるかという例です。
釈放後、国外追放処分を受け、る異国ウクライナで研究活動を続けている。
3月には市民団体の招きで初来日、内部被ばくの恐ろしさなどについて各地で講演した。
福島の事故による汚染規模はチェルノブイリに及ばないという専門家もいます。
しかし原子力施設の破壊の度合いを考えると、汚染はチャルノブイリよりももっと危険だと思っています。
大事なことは放射性物質に汚染された食べ物を身体に入れないことです。
日本政府は国民の健康に責任を持たないといけません。
特に子どもたちを守るような施策を取るべきです。
低線量だからという事とは関係なく、環境保全と健康保護の良き見本となる国になって欲しい。
私ははっきりとものを言うので、口が悪いと言われます。
気に入らない人もいるでしょう。
しかし、私の研究結果を聞いて結論を出すのはみなさんです。
(聞き手 挙動通信記者・丹羽祐二、写真井田公雄)
百人百話 病理学者 ユーリ・バンダジェフスキー

チェルノブイリの影響研究
日本は子ども守る施策を

Yury・Bandazhevsky
1957年ベラルーシ生まれ。
医科大学で病理解剖学を学び、卒業後に中央科学研究所に入り、のちの所長に。
チェルノブイリ事故後の90年、ゴメリ医科大を設立し学長に就任。
放射性セシウムが体内に与える影響を論文で発表後の99年、
収賄容疑で逮捕、実刑判決を受けたが、国際世論の抗議もあって刑期途中に出所した。
現在はウクライナに在住。
最初のレベル7の原発事故となった1986年のチェルノブイリ原発事故。
深刻な被害を受けたベラルーシで放射性物質による内部被ばくの影響を調査してきたが、
論文発表後の99年、突然収賄容疑で逮捕。
一貫して無実を訴えたが実刑判決を受けた。
東京電力福島第一原発事故で、研究結果が改めて注目されている。
チェルノブイリ事故後、ベラルーシのゴメリ医科大で行った研究では、
現在の日本にとっても有効な研究結果を蓄積する事ができました。
ベラルーシ国民の死因で最も多いのは心臓血管系の疾患です。
煙草やアルコールの影響が指摘されていますが、
私は放射性物質のセシウム137が影響しているという事を、病理解剖や臨床データなどによって突き止めました。
セシウム137は食事とともに体に入り、心筋に蓄積されます。
汚染地区に住む子供たちの心電図を分析すると、
心電図の異常と体内のセシウム濃度に相関関係がありました。
低線量被ばくでも、遺伝的な傾向と組み合わさり、
突然死するなどの影響が出ています。
専門家の多くが放射性物質を心臓疾患の原因と認めていないのは悲しいことです。
逮捕されたのは、研究が「国家へのクーデター」とみなされたためだと思っています。
ベラルーシ政府は私の研究結果を不都合とみなし、認めていません。
残念ながらルカシェンコ大統領の独裁政治に勝つことができなくて、刑務所に入ることになりました。
逮捕された後、大学で行ってきた研究や実験はすべて中止されました。
今でもゴメリ医科大では私の研究テーマにかかわる調査・研究は一切、行われていません。
実はベラルーシでは、チェルノブイリ事故前の60年代からセシウム137の汚染があったんです。
それは国家的な秘密とされていましたが、私はこの事実をゴメリ州の図書館にあった古い書籍から発見しました。
放射性物質による汚染の結果、
ベラルーシでは60年代から出生率が下がっており、
その一方で、死亡率は上がり続けています。
にもかかわらず、汚染地区に住む人々に対して放射性物質の影響は一度も説明されていませんでした。
国家権力がいかにその影響を隠したがるかという例です。
釈放後、国外追放処分を受け、る異国ウクライナで研究活動を続けている。
3月には市民団体の招きで初来日、内部被ばくの恐ろしさなどについて各地で講演した。
福島の事故による汚染規模はチェルノブイリに及ばないという専門家もいます。
しかし原子力施設の破壊の度合いを考えると、汚染はチャルノブイリよりももっと危険だと思っています。
大事なことは放射性物質に汚染された食べ物を身体に入れないことです。
日本政府は国民の健康に責任を持たないといけません。
特に子どもたちを守るような施策を取るべきです。
低線量だからという事とは関係なく、環境保全と健康保護の良き見本となる国になって欲しい。
私ははっきりとものを言うので、口が悪いと言われます。
気に入らない人もいるでしょう。
しかし、私の研究結果を聞いて結論を出すのはみなさんです。
(聞き手 挙動通信記者・丹羽祐二、写真井田公雄)
- 関連記事
-
- 日本生態系協会長「奇形児発生率があがる」発言に思う
- ものすごくショックを受けたニュース「子ども甲状腺にしこり3人に1人」8/27たねまきJ(内容書き出し)
- 疑問だらけ!放射能汚染による甲状腺検査「福島県民安心のために他県と比べる(国)」「日本崩壊しないよう導く(山下俊一)」「調査の邪魔したくない(医師)」
- 「いま福島の子どもたちに起こっていること」山田真医師6/7たねまきJ(内容書き出し)
- 私はあえてタブーに触れます「福島県子どもの病死者数推移」
- 「大人よりも子どもの方が被ばくに強い」と、信じられない・・・福島民報5/20
- 子どもの甲状腺「おおむね良好」方法説明に親は不信5/18
- 栃木県、子供3700人に線量計 2カ月間調査
- ボクとママの放射能教室 5/12東京新聞より(書き出し)「クマムシ」になりたいw
- 「チェルノブイリの影響研究 日本は子ども守る施策を」ユーリ・バンダジェフスキー4/28熊日新聞(書き出し)
- 「チェルノブイリ症候群」は「ジャパン症候群」かもしれないので。
- ベラルーシの二人の女性が来日5/1(書きだし)
- 山田 真氏(小児科医)「子どもたちの命を守るために」市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
- 沢田昭二氏「放射線内部被曝研究の現状と課題」 市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
- 被爆放置、高まる危険 7月26日 東京新聞夕刊
コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2012.05.13 08:35 | 編集