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「テレビの原発報道は酷過ぎる」 日テレ元報道局ディレクターが抗議の辞任~週刊ポストの記事に思う


日本テレビの報道局社会部のデスクの木下黄太さんに続く
日本テレビの元報道局ディレクターが日テレに抗議を言って辞表を出しました。

木下黄太さんについては以前下記のブログで紹介させていただきました。
大手テレビ局を飛び出した報道社会部デスク「震災直後の報道の現場・現在の状況」
木下黄太氏9/9(動画・内容書き出し)


続・大手テレビ局を飛び出した報道社会部デスク「今の状況を国民みんなが等しく知るために」
木下黄太氏9/9(動画・内容書き出し)


日本テレビは震災後殆ど私は見ていません。
「日テレ元報道局ディレクターが抗議の辞任」という週刊ポストの記事を
「平和ボケの産物の大友涼介です」というブログで、書き出しをして下さっています。
その方が書き出して下さった内容をこちらでもぜひ紹介させていただきたいと思います。

転記ここからーーー

「テレビの原発報道は酷過ぎる」
日テレ元報道局ディレクターが抗議の辞任~週刊ポスト2012/06/

2012-05-21 12:58:48NEW !
テーマ:原発・東電

<書き起こし開始→

震災以降、視聴者が抱いたテレビ報道への不信感を、一番肌身で感じていたのは当事者であるテレビマンたちだった。
この3月に日本テレビを退社した元エースディレクターが告白する。


■酷い番組を酷いと言えない。それでジャーナリズムですか?


テレビ各局が震災後1年の特番を放送した3月11日の翌日、
日本テレビ解説委員だった水島宏明氏(54)は周囲に辞意を伝え、古巣を後にした。
同氏は『NNNドキュメント』ディレクターとして「ネットカフェ難民」シリーズなどを制作し、
芸術選奨・文部科学大臣賞などを受賞。
『ズームイン!!SUPER』にはニュース解説委員として出演していた。
現在は法政大学社会学部教授となった水島氏が、
「報道現場が良くなる一助になれば」と退社の経験を初めて明かした。

きっかけは、原発報道です。
報道局の幹部が突然、「今後はドキュメント番組も基本的に震災と原発のみでいく」と宣言しました。
もちろん、あれだけの大災害ですから報じるのは当然ですが、それだけだと報道の多様性がなくなってしまいます。
私のライフワークである貧困問題は「そんな暇ネタはボツだ」という扱いを受けました。

しかも、NNNドキュメントの企画会議では、
うちは読売グループだから、原発問題では読売新聞の社論を超えることはするな」と通達された。
そんなことを言われたのは初めてでした。
先年3月28日に日テレの氏家(齋一郎)会長が他界しましたが、グループ内で影響力を誇る人物がなくなったことで、
読売の日テレに対する影響力がどうなるかわからないという配慮から、そうした発言が出たのかもしれません。

これは日テレに限らず、今のテレビ局全体の問題だと思いますが、
プロデューサーやデスクの幹部・中堅社員が、
あらかじめ報道内容のディテールまで会議で決める傾向が強まっています。
現場に出る若手社員や下請けの派遣社員は、その指示に従った取材しか許されない。
でも、我々は社員である前にジャーナリストですから、
本来は自分の目で現場を見た上で、自ら報道すべきことを判断すべきです。
震災以降、現場軽視をますます痛感し、私は会社を辞める決意を固めました。

震災1周年の日、私は各局の特番を総長から深夜までザッピングして見ていましたが、
正直、日テレが一番酷いと感じた。
被災地と直接関係のないタレントの歌を流し、キャスターは被災地を訪れて「復興」を強調するものの、
そこには報道の基本である視聴者の教訓になる情報がない。
取材も表面的で、被災地者のリアリティが伝わってきませんでした。
そのことをみんな感じていたのに、
放送後の報道局会議では、幹部の「良かった」という声に押され、誰も何も言えなかった。

最後の出勤日となった3月30日、私は報道フロアに集まった同僚に対し、
酷い番組を酷いと言えない。それではジャーナリズムとは言えない。事実を伝える仕事なのに。
もっと議論して、言いたいことを言い合おうよ」と話しました。
幹部が同席していたため、その場はシーンと静まり返っていましたが、
後で何人かが「僕もそう思ってました」と寄ってきた。「じゃあ言えよ」って。(笑)


■なぜすぐ爆発映像を流さなかったか

水島氏は、現在のテレビジャーナリズムの構造的な問題点を指摘する。

この間の震災・原発報道を通じて露わになったのは、自らの在り様を検証できないテレビ局の体質です。

日テレ系列の福島中央テレビは震災翌日、
福島第一原発1号機の水素爆発の瞬間をメディアで唯一、撮影して速報しました。
ところが、その映像が日テレの全国ネットで流れたのは1時間後のことです。
報道局の幹部が専門家などの確認が取れるまで映像を控えると決めたからです。
状況が確認できないまま映像を流せば、国民の不安を煽って後で責任を問われるという状況になりかねない
というわけです。

しかし、影響がどこまで及ぶか分からないからこそ、
本来なら「確認は取れていませんが、爆発のように見える現象が起きました」と言ってすぐ映像を流すべきでした。
実際、あれを見て避難を始めた人もいて、国民の映像にかかわる映像でした。
私自身、福島中央テレビの人間から「すぐに放映しなかったのはおかしい」と責められました。
しかし、その経緯は未だに社内で検証されていません。


その後も、本社や記者クラブ詰めの記者の多くは、原発事故で信頼を失った後でさえ、
国や東電など「権威」の言うことを机に座ってメモするだけでした。
発表内容をそのまま報じるものの、実際の現場に行って、
たとえば本当に除染の効果が得られたかどうかを確かめるようなことはほとんどしません。
カネと時間と労力がかかるので、楽な方に流れてしまうのです

本当に独自性のあるネタを報じれば、
かつてのテレ朝系『ニュースステーション』の「ダイオキシン問題(※注1)」のような問題を生みかねないと、
先んじた報道を避ける傾向があります。

(※注1 テレビ朝日系『ニュースステーション』が
99年2月に埼玉県所沢市産の野菜から高濃度のダイオキシンが検出されたと報道したことを契機として、
同市産の野菜価格が急落。同市の農家側が損害賠償などを求めて起訴し、
テレビ朝日は謝罪した上、1000万円を支払うことで和解が成立した)

ワイドショーの現場では、報道局が撮ってきた映像を使い回し、
短時間だけ現地に入るレポーターが番組名のついたマイクを使うなど、見せ掛けだけの独自性で勝負している。

テレビ報道が「権威」から離れる道もあるはずです。
たとえば霞が関の官僚たちを、匿名を許さず「原子力安全・保安院○○課長補佐○歳」というように実名にして、
何を言ってどう行動したか詳しく伝えるだけでも、責任を追及する報道に変わるはずです。
事実、すでに地方局ではやっていることなのに、キー局は変わろうとしない。
私はこの現状を変えるため、何色にも染まっていない学生に、本来のジャーナリズムを教えていく道を選びました。

←書き起こし終了>

ーーー転記ここまで


現場にいて、このようなお考えで、天下の日本テレビを退職されることには、
計り知れない勇気が必要だったことだと思います。
水島宏明さんのその勇気と決断にとても感謝の気持ちでいっぱいです。
ジャーナリズムとして真実を報じることにかけて下さる方々は沢山いらっしゃいます。
そして、このように公表して下さる姿勢は今の私にはとても心強く思えます。
ジャーナリストの方々の中に一人一人、真実を求めて行動していかれる方が増えていくことによって、
もしかしたら今の日本の状況が少しでもよりよい方へと舵を切れるようになるのではないかと、
私は、この記事を読んで思いました。

私自身も、正直、最近疲れてきています。
あまりにも常に、見張らなければならないことが多すぎて・・・

福島第一原発の現状はどうなのか
国民の健康被害と避難の問題
勝手に突っ走る再稼働問題
瓦礫問題
食品の汚染問題
汚泥や焼却灰、水も海も・・なにもかも
地震が起きれば原発を心配し、
竜巻でも原発を心配し、
台風でも4号機に不安になり、

注意を払わなければならないことが多すぎるのに、
どこかに注目している間に別の問題が勝手に進行している。
原子力を推進している人は脂ぎった顔をして、疲れを知らないモンスターに見えます。
いつだって、出来る限りアンテナを広げていなければと思いながら、負けないぞって自分に言い聞かせています。

だから、私にとってこの記事はとても嬉しい記事でした。
ありがとうございます。




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コメント

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はじめまして。

大友涼介です。
ご丁寧なご連絡の書き込みありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

読売新聞の社論

読売新聞は原発推進ですからね。

新聞の場合、社説で社としての主張はするが報道は公平に、が建前です。
もちろん新聞の報道が公平でないという場合もあるし、情報の取捨選択自体が価値観に基づく選択です。
従って報道といえども「社の姿勢」と無関係ではあり得ないのですが、社説を読むことで基本的なスタンスが分かりその上で報道部分を読むことが出来ます。

他方テレビの場合は社説に相当する部分がない。
まぁ個別の番組中で「~~テレビとしては」とテレビ局の立場を説明することはありますが(誘拐報道を控えていたとか、被告人を実名報道するかという場合にはありますね)、新聞のように毎日、これが社としての主張でございます、というのはない。

その分全てが公平な報道だという印象を与えるので、タチが悪い。
日本テレビには是非とも「読売グループなので読売新聞の社論を超えることはしません」と堂々と認めて欲しい。
そうでなければ詐欺と言えます。

No title

こんばんは。
毎日 更新ありがとうございます。

本当ですね。心が こころが 疲れてしまいますよね。

ただただ 感謝しております。
もう1度 有難う御座います。

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まえより感謝

震災以降、情報をあげてくださるブログを毎日数件ウォッチしていて思うのは、

これまでは隠されていて気を付けなければ見えなかったことがたくさんあったということ。

それに気付いて、他の人にも知らせてくれようとするブロガーの方々がいて、
それは心身にとても大変な作業であるだろうということ。

一方で、震災以前より人に感謝することが増えた。
現状があまりに酷いので、私は無宗教ですが人の誠意や頑張りが身にしみるようになりました。
心から素直にありがとう、って思います。

私も去年から体調はあまり良くないですが、頑張んなきゃね、と思います。

KI-KOちゃん、みなさま、あらためてありがとうございます。

いつもありがとうございます

40代後半の助産婦と教員の夫婦です。
いつも、いい情報をありがとうございます。

毎日、PCを立ち上げて、まっさきにこのサイトを一番にチェックしています。
大切な記事はメールニュースに転載して、友人・知人に送っています。

20数年前に原発の恐ろしさに気づいて、「原発やめて、命が大事」と、原発を止めるためにやれることをやりました。
四国電力に泊まりこんだり、関西電力を数週間封鎖したり・・・

それでも、止まらなかったんです・・・
それで、疲れ果ててしまいました。
あきらめたわけじゃないのですが・・・

今回の事故で目が覚めました。
翌日の3月12日に子ども3人と大阪から福岡へ逃げ、3号機の爆発で沖縄まで逃げました(娘はそのまま沖縄県民です)。

このサイトからとっても力をいただいています。
私たちに力を与えてくれるのは、若い力です。

おそらく長い闘いになります。
私たちのようにあせって、燃え尽きないでほしいと思います。
どうか、心身に気をつけてくださいね。

キーコちゃん・ 大本千佳・達也さま

キーコちゃん、いつもありがとう!

大本千佳・達也さまのおっしゃる通り
長く厳しい闘いになると思います

日本という国が
政治・官僚・財界・学者・マスコミからなる
原発マフィアに支配されているからです

小出先生が40年間、
負け続けてきた意味が実感される昨今ですね

でも原発マフィアどもも
5・5までに原発再稼働させることはできなかったのです

これは鎌田慧さんのいう通り
世論の勝利だと思います

国民は民主・自民の暴政に
苛立っています

それが橋下ブームに繋がっているんだと思います

反原発=脱原発の国民世論を
みんなで力を合わせて形成し
長く険しい闘いに、
一歩ずつ、
勝利していきましょう!


★まともな人が排除される仕組み★

管理人さま

素晴らしい記事、ありがとうございます。

私の感想ですが、大手メディアは「政治的な組織(≒非合理的な組織)」であるという一つの証明なのでしょう。

政治的な組織(≒非合理的な組織)においては、経産省を辞めた古賀茂明氏、財務省を辞めた高橋洋一氏などと同様に、内部に残って改革するよりも、外部から変えたいと考えてしまうのでしょうね。

水島宏明氏個人におけるスタンスの問題では無く、組織的な、仕組み的な問題に目を向けるべきなのでしょう。

水島宏明氏の暴露を、雑誌メディア以外が報じないということは、日本テレビ/読売新聞と同じ様なことが、全ての大手メディアにも共通しているという証拠なのだと思います。

自浄作用は期待できませんので、遠慮なく、容赦なく、外部から批判して変えていくしか無いのでしょうね。