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・関西広域連合が大飯原発の限定稼働を事実上容認する声明を出した事について
・浜岡原発の5号機、運転停止作業中に細管が壊れ、少なくとも11カ所の穴が開いた事について
・今保安検査が大飯原発で進められている事について



2012年5月31日木曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]




<参考>

大飯再稼働 政府、最終決定へ 関西連合が事実上容認

東京新聞 2012年5月31日 07時05分

関西広域連合は三十日、関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について、
条件付きで政府に最終判断を委ねる声明を発表した。
これを受け、野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係三閣僚は同日夜、
再稼働に関する四者会合を官邸で開き、周辺自治体は再稼働を容認したと判断。
立地自治体の県と町の理解が得られれば、再稼働を最終決定する方針を確認した。
安全に対する不安が強い国民の声を置き去りに、政府は再稼働に向けて走りだした。 

四者会合は四月十三日に再稼働方針を決め、福井県などの理解を求め始めて以来初。
首相は、関西広域連合の声明を踏まえ「関係自治体の一定の理解が得られつつある」と強調。
夏の電力確保だけでなく、経済の安定と発展のため原発は引き続き重要だ。
立地自治体の理解が得られれば、最終的に首相の責任で(再稼働を)判断したい」と述べた。

会合では、細野豪志原発事故担当相が三十日、鳥取県での広域連合の会合で、
原子力規制を一元的に担う原子力規制庁設置までの暫定的な安全確保策として、
現地に特別な体制をつくる案を示したことなどを報告。
広域連合側は松井一郎大阪府知事らが「安全基準が万全でないのに再稼働を決めるのか」と反発したが、
理解は得られたと判断した。

ただ、再稼働させる原発の安全性を判断する基準が暫定的という問題は残ったまま。
規制庁設置の関連法案は二十九日に審議入りしたものの、成立の見通しは立っていない。
民主党内にも少なくない再稼働慎重派から「拙速だ」との反対論が噴出するのは確実だ。



浜岡原発5号機 さびで腐食し貯蔵槽に穴
スポニチ 2012年5月28日 13:17
 
中部電力は28日、
運転停止中の浜岡原発5号機(静岡県御前崎市)の復水貯蔵槽内に穴やへこみ計40カ所ができた原因について、
貯蔵槽内に粉状のさびが堆積して鋼材が化学反応を起こし、腐食しやすい環境になっていたと発表した。

貯蔵槽は、原発の運転中に原子炉冷却のための水を一時的にためる設備。
内部が縦約7メートル、横約33メートル、深さ約13メートルで、厚さ4ミリの鋼材で造られている。

昨年5月、政府の要請を受けた運転停止の作業中に、原子炉を冷やすための細管が壊れ、貯蔵槽に海水が流入。
底部の少なくとも11カ所に鋼材を貫通する穴が開いた。

中部電は、貯蔵槽の漏えい検出装置の排水弁を調べたところ、
鋼材に穴が開いたことでわずかな放射線を含む水が約40ミリリットル漏れ出たと明らかにした。

その上で、再発防止に向けた対策として、
原子炉につながる給水経路に大量の海水が混入した場合、貯蔵槽に水を送るのを止め、
原子炉を緊急止させることも運転操作手順に追加した。



大飯原発:保安検査、各機器の状態を確認 
来月8日まで実施 /福井

毎日新聞 2012年05月29日 地方版

経済産業省原子力安全・保安院による関西電力大飯原発の保安検査が28日始まった。
4基全てが定期検査中として長期間停止していることや、3、4号機の再稼働問題を踏まえて、
地元の大飯原子力保安検査官事務所の担当者らが6月8日までの予定で実施する。

年4回実施している検査の一環。
今回は、各原子炉の長期停止を受けて関電側が法令に基づき策定した
「特別な保全計画」の内容が適切かどうかや、計画の実施状況に関する検査などが中心。
同事務所が原発内で通常実施している現場調査も踏まえて計画文書を基にチェックする。

具体的には原子炉停止に伴い、
2次冷却系など各機器が適正な状態に保たれているかなどについて確認するとみられる。
他に、福島第1原発事故を受けた短期・中長期の安全対策の実施状況や計画が適切かどうかも検査する。
【松野和生】



続きを読むに内容を書き出しました







千葉:
まず小出さん、関西広域連合が大飯原発の限定稼働を事実上容認する声明を出しまして、
夏だけ原発を動かすというような事が浮上してきているんですが、
FAXで質問がきていまして、これは以前もお伺いをした質問なんですが、
改めて今この段階でみなさんの関心が高いので、改めてお伺いしたいと思います。
「大阪市の橋下市長は原発を2,3か月限定で動かして止めることを提案していますが、
動かすにしても止めるにしてもそんなに簡単なものなのでしょうか?」
ということでして、

小出:
はい、原子力発電所を動かすためには、何日、あるいは何週間かの日数が必要になります。
それで動かしてしまうと、止めるのはまた、なるべくならやりたくないという事で、
これまでは13カ月間以内には定期検査に入れと言われていた訳で、
なるべく長く運転したいというのが電力会社のやり方でした。
でも今は「とにかく夏の電力ピークが足りないから困る」と国も電力会社も言っている訳ですから、
3か月なら3か月運転して、止めるという事はもちろんできます。

千葉:
しかしながらですね、オートバイのエンジンを急に吹かしたり減らしたりするのと同じで、
原発の機械については動かしたり止めたりという事を繰り返しているとどんな影響が出てくるんですか?

小出:
はい、いけないのです。
ですから、燃料棒にも負担がかかりますし、原子炉圧力容器という鋼鉄の圧力がまにも負担がかかりますので、
なるべく温度の変化を避けたいという事で、
一度使い始めたらそのまま運転をし続けて、13か月やって止めたいという事だった訳ですけれども、
もうこれから原子力発電所は動かさなくてもいいかもしれない訳ですから、
少なくても今度、この夏を乗り越えるという事だけで言うなら、
3か月なら3か月で止めるという選択はあり得ると思います。

千葉:
関西広域連合は公式では夏だけという形で言っているという事だけではないようなんですけれども、
もしかするとそのまま長く続いてしまうという事も、考えられるという事でしょうかね

小出:
そうですね。
わたしはもう大変不本意です。
ずーっとこの番組でも聞いていただきましたけれども、
原子力発電所を全て停止したとしても日本の電力供給に何の支障もないのです。
関西電力はたまたま原子力に過大な期待を持ってというか、まあ、
原子力に儲けを期待して、原子力の比率が50%にもなってしまいましたけれども、
他の電力会社はもちろんそうではない訳ですし、
全国が電力の送電網で結ばれていますので、
仮に関西電力が個別で電力が不足するとしても、ちゃんと融通してもらえるような体制をとるなら
何にも困らないというだけ電源施設はあるのです。
その事を国もきちっと言わないし、関西電力も言わないし、
広域連合も「なんで橋下さんがそこまで言わないのかな」と、私は大変不思議です。

近藤しんじ:
小出さん、原発のコスト面で火力などに比べてコストが安いんだという言い方をよくされるんですけれども、
こういった2,3か月限定で使うというような事がもし実現しましたら、コスト面では何か影響はあるんでしょうか?

小出:
コストは「もともと高かった」のです。
これまでも国や電力会社は原子力発電は安いと言ってきましたけれども、
それは彼らに都合のいい仮定に仮定を積み重ねて引き出してきたから安いと言ってきただけなのであって、
2年ほど前だったと思いますが、立命館大学の大島堅一さんという人が、
電力会社の有価証券報告書、つまり、実際の経営データで計算してみたら、
原子力発電が一番高かったという事はすでに分かってしまっているのです。
そのうえで今度のような事故が起きれば、
一体原子力発電の電気料金ってどれだけ高くなるのか、もう解らない程の事になっているのです。
ですから、本当に経営感覚を持っている経営者であれば、
やはり原子力からは撤退しなければならないという判断になる筈だと思うのですが、
それでも、これまでに造ってしまった発電所を全て捨てたならば損してしまうという、
ただそれだけにしがみついているように私には見えます。

千葉:
さらに気になるところではこんなニュースも入ってきているんですが、
「浜岡原発の5号機では、去年5月に政府の要請を受けた運転停止の作業中に、
原子炉を冷やすための細管が壊れて、貯水槽に海水が流れこんだということで、
底に少なくとも11カ所の穴が開いた」そうなんです。
やっぱり原発というのは動かしたり止めたりという作業をする時も、かなり慎重にやらないと
こういった事が起きる可能性があるんでしょうかね。

小出:
もちろんそうです。
どんな機械でもそうですけれども、
ずーっと定常状態で動かしているという事が一番いいのであって、
動かしたり止めたりする時に一番の危険がきます。
たとえば皆さん飛行機を考えて下さい。
飛行機の事故というのは離陸する時と、それから着陸する時に起きるのです。
そういう急激に変化が起こる時に起きるのであって、
だからこそ飛行機の時にはシートベルトをしなさいとかという警告が出るのです。
どんな機械でも同じであって、原子力発電所でも、起動する時、あるいは停止する時に危険が来るので、
なるべく動かし始めたら定常運転で運転したいという事で今日まできました。

千葉:やっぱり、システムにもかなり負担がくるという事なんですね。

小出:もちろんどんな機械でもそうなのです。

千葉:
あと、このニュースでもう一点気になったところが、
貯水槽というところに海水が流れ込んで、そこに穴が開いたんですけれども、
このほうは厚さ4mmの鋼鉄で作られているということでして、
少し薄いような印象があるんですけれども、

小出:
はい、それは、原子力発電所というのは巨大な構造物でして、
今おっしゃっているところは一次系と二次系ですかね、
本来は原子炉の冷却とは関係ないところの構造物なのです。
でもそれでもトラブルが起これば困るという事で、穴があくことはもちろんあってはいけないのですけれども、
原子炉を本来冷やすという、その構造物とは違うところなので、比較的薄くても許されてきたという事なのです。

千葉:
しかしながらですね、ここに入っている冷却のための水というものは
放射性物質に汚染されてはいないんですか?

小出:
一次系の水は汚染されていますが、二次系が海水なのです。
それで、実は二次系の方が圧力が高いので、
仮にそこが破れたとしても放射能が海水の方へ移ることはないという、そういう想定のもとで設計されてきました。

千葉:でも、実際に移ったというような事はないんですか?

小出:
えーーっと・・ありますもちろん。
ありますというか、トラブルは様々にあったわけですし、
原子力発電所の中で、放射能に汚れた水というのは日常的に出てきている訳で、
一部処理できない水は意図的に海水に捨てるという事も、もちろんこれまでも行われてきました。


千葉:ハァ・・・(ため息)・・・
そんなような状況だった訳ですね・・・・・

小出:はい。

千葉:
あともう一問お願いします。
大飯原発の話に戻りますけれども、
大飯原発では今保安検査という検査が進められていると伝えられていまして、
この全国の原発で3か月に一回行っている検査という事なんですが、
これは、どんな事を検査するんですか?

小出:
それはどこでもやっています。
わたしは京都大学原子炉実験所で働いていますが、
保安検査というものは3か月に一遍ごとに受けることになっていまして、
私の原子炉実験所は文部科学省から受けていますし、
大飯原子力発電所、他の原子力発電所は経済産業省から受けることになっている筈だと思います。
それは、手続きに沿った検査というものはもともとやらなければいけないし、そうやってやってきたのです。
ただしそんな事をどんなふうにやっても、事故が防げなかったという事が事実として示されている訳で、
「やったから安全という事とは違う」と思っていただきたいとおもいます。

千葉:この検査自体は特に再稼働に向けて動き出した第一歩という事ではなさそうですね。

小出:はい、と思います。




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コメント
橋下は人気もあるし、実行力もあるし、官僚どもにも対決しうる度量があると思って
ずいぶん期待してたのに。。。
とうとう裏切ったね(>_<)

古賀さんや飯田さんも付いてるから、反原発路線は譲らないだろうって期待してたのに、
ブルータス!お前もか?!
って心境だよ

ショックだなぁ。。。

関西広域連合の首長たちも
橋下が屈服したら、全員右に習えなんだろうか???

せめて一人ぐらい、反原発→再稼働粉砕!
って言ってくれる首長はいないんだろうか?
君たちは全員、橋下のエピゴーネンでしかないのか?!!!

古賀さんも、橋下の屈服を許さず
再稼働粉砕路線で橋下を
粘り強く説得してほしい!!!

一体、橋下はなぜこんなに簡単に
原発ムラに屈服したんだろうか?

やっぱり金だろうか?

それとも、
何か大きな政治的裏取引があったんだろうか?

橋下豹変の秘密がわかる人がいれば教えて下さい!!!

小出先生がだいぶ前に
たねまきで
橋下は自分が強くなりたいだけの人だから
自分は評価しない
っておっしゃっていた意味がようやく
オレもわかった気がする

橋下の本質を見抜いていた
小出先生の慧眼には
感服した

こうなったら
小出先生と山本太郎さんと
広瀬隆さんに
国会議員になってもらうしか
日本の政治を変えることはできないんじゃないだろうか???

himadarake | 2012.06.01 23:52 | 編集
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