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06.02
Sat

大飯原発再稼働、「夏限定」で福井県内猛反発 
知事、原発相来県で念押しへ

福井新聞ONLINE 6月2日(土)10時8分配信

関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を事実上容認した
関西広域連合の一部首長が運転期間は電力需給の逼迫(ひっぱく)する夏期に限定すべきだと主張している点に対し、
県内では「ご都合主義」(西川知事)などと反発の声が強まっている。
政府は既に期間限定の稼働を否定しているが、
近く来県する細野豪志原発事故担当相に知事はあらためてくぎを刺す見通しだ。

限定的な再稼働は、19日の同連合の会合で橋下徹大阪市長が初めて言及した。
藤村修官房長官は「需給の厳しさだけを踏まえた臨時的な稼働を念頭に置いているわけではない」と否定。
枝野幸男経済産業相も「福井県やおおい町の皆さんに提示することはとてもできない」と
取り合わない方針を示している。

関西広域連合は30日、再稼働を事実上容認する一方で、声明で
「政府の暫定的な安全判断であることを前提に、限定的なものとして適切な判断をされるよう強く求める」とした。

「限定的」の意味について統一した解釈は示していないが、一部の首長は
「需給をにらんだ暫定的、限定的な稼働」(山田啓二京都府知事)、
「あくまで限定的な期間、対象に限る」(嘉田由紀子滋賀県知事)と夏限定の運転を主張。
橋下市長は1日も「ずるずると動き続けることは絶対阻止しなければならない」と述べた。

「安全は不十分」(橋下市長)としながら、電力不足を回避するため、短期的な再稼働を求める関西の姿勢に、
県内の関係者は猛反発している。

24日に「ご都合主義の勝手なことは話にならない」と述べていた西川知事は、
31日にはあらためて「暫定的とはどういう意味か」と不快感を示した。

福井商工会議所の川田達男会頭は1日の通常議員総会で
「関西は上から目線で『動かしていいよ』と言っているよう。そんなことを言われる筋合いはない」と批判。
「暫定、臨時などという訳の分からないものでは非常に収まらないものがあるが、
(再稼働を)ノーだとも言いがたい状況。県民感情として納得できない」と言い放った。

「電気を送ろうという気にならない。(再稼働問題は)地元経済の懸念がなければ放っておく」と
不満をあらわにするのは田中敏幸県議会議長。
安全確保して再稼働する以上、法定通り13カ月運転して定期検査に入るべきだと指摘した。

立地市町も「安全面からみれば動かす期間は関係なく、理屈に合わない」(河瀬一治敦賀市長)と
限定的運転に否定的。
一方、時岡忍おおい町長は1日、
「(原子力行政は)国が一元的責任を負っている。その国の判断に委ねたい」とだけ記者団に述べた。



大飯再稼働 「暫定」では安全守れぬ(6月1日)
北海道新聞
 
野田佳彦首相は関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、来週にも再稼働を決断する見通しだ。

関西広域連合が「限定的」との条件付きながら再稼働を容認する姿勢に転じた。
首相は周辺自治体の理解が得られたと判断し、「最終的に私の責任で判断する」と表明した。

細野豪志原発事故担当相は再稼働の判断を「暫定的」と述べた。
政府自ら見切り発車と認めたようなものだ。

これでは原発の安全性に対する国民の不安は解消できない。

再稼働については、刷新された規制体制の下、
福島第1原発事故を踏まえた厳格な安全基準を策定した上で、その是非を判断するのが筋だ。
いずれの条件も満たしていない現状では、再稼働に踏み切る根拠はない。

原発依存度の高い関西電力管内では、猛暑だった一昨年に比べ15%の電力不足が見込まれている。
運転再開した原発がフル稼働するには1カ月程度かかるとされる。
大飯原発の再稼働を急ぎ、節電が始まる7月初旬に間に合わせたいという首相の意図は明らかだ。

安全性への配慮よりも、電力不足の回避を優先させたと言わざるを得ない。

再稼働に慎重姿勢をとってきた関西広域連合が方針転換したのは、
他地域よりも深刻な電力事情が住民生活に及ぼす影響を考慮せざるを得なかったからだろう。
一方で、広域連合の首長たちは、稼働を電力需給逼迫(ひっぱく)時に限定するといった条件を挙げ、
大飯以外の原発になし崩しに再稼働が広がるのは認めないことも強調した。

こうした声を受け、細野氏は、原子力規制庁など新たに発足する規制機関が策定する安全基準によって、
再稼働の判断を見直す可能性もあるとの認識を示した。
だが、規制庁の設置関連法案は、ようやく衆院で審議入りしたばかりだ。
組織の形をめぐって与野党の主張には隔たりがあり、成立するめどは立たない。
発足の見通しが立たない規制庁で安全を担保すると言っても、空手形に終わりかねない。
そもそも福島の事故の原因究明もまだだ。


各種世論調査では、再稼働に反対する意見が過半数を占めている。
原発ゼロの夏を節電で乗り切る覚悟を固めた国民も多いだろう。

政府は、この民意を重く受け止めるべきだ。

今は、新たな規制機関を早急に設立し、原子力行政への国民の信頼回復に全力を尽くす時だ。
再稼働を急いではならない。

ーーー

橋下氏「今回の政府の安全判断は暫定的なものだと認めたということか」。
細野氏「安全(対策)に終わりはない、常に高みを目指していくプロセスにおいて、
    現段階の判断について、市長が暫定的な安全と解釈されるならそれは結構です」

ーーー


大飯原発再稼働問題 安全確認の姿勢貫くべき 【論説】
福井新聞 2012年5月31日午前8時53分

夏場を前に、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題が大きく動きだした。
細野豪志原発事故担当相は安全強化へ、
原子力規制庁発足まで暫定的に経済産業副大臣ら政務三役を現地に常駐させる考えを表明。
関西広域連合は条件付きで再稼働を事実上容認した。

本県が強く求めてきた「特別な安全監視体制」と電力消費地関西の理解の2点で前進。
こうした流れに沿って、野田佳彦首相は3閣僚との会合で
「立地自治体の判断が得られれば最終的には私の責任で判断したい」との考えを明確にした。
関西の難関を越え、動きが一気に加速。
政府は近く新たな対策を県側に提案、了承を得て来月上旬にも最終決断したい意向である。

曲折を経てきた再稼働問題がここにきて急転したのは、夏場の電力需給が逼迫(ひっぱく)しているからだ。
関電管内の節電要請期間は7月2日から始まる。
2基の再稼働には6週間を要し、タイムリミットが迫る。
前のめりとなる国の焦りがありありである。

東京電力福島第1原発事故以来、本県が繰り返し国や電力側に安全対策を求めてきた。
これで整ったといえるかだ。

政府は事故対応に問題のあった経産省原子力安全・保安院や原子力安全委員会に代わり、
4月1日には原子力規制庁を発足させる考えだった。
大幅に遅れ29日にようやく設置関連法案が衆院で審議入りしたばかり。
政府は審議入りをもって、規制強化を前面に打ち出し、再稼働の安全根拠とする考えだろうが、
いかにも形式的で、スケジュールありきではないのか。

これまでの慎重、反対姿勢を一転させた関西広域連合の宣言も、寄り合い所帯による「妥協の産物」であろう。
大阪維新の会をリードする橋下徹大阪市長や松井一郎府知事は脱原発を唱え、再稼働に反対してきた。
会合でも
「政府の安全基準が万全でない」
「規制庁の発足を待たずに再稼働するのか」と政府対応を批判した。

一方で、電力不足による市民生活や経済の混乱を憂慮する他県の知事からは
「止めるのが目的ではない」との本音も交錯。条件付きで政府に最終判断を委ねる宣言文を編み出した。
地元対策に財政措置を求める「ごね得」も垣間見えた。
宣言文で
「関西の現在の発展はこうした(福井県の)取り組みがなければあり得なかった」と評価したが、
どこまで立地県のリスクと苦悩を共有しているだろうか。

本県はまだ安全確認の途上にある。県の原子力安全専門委員会は正式結論を示していない。
おおい町長の判断や県議会の議論もこれからだ。
最終結論を出す西川知事は
「立地の立場からなすべきことをしっかり行っていく」として、安全監視体制を十分確認する姿勢を示した。

原発の再稼働を夏場限定で容認するというなら、安全性確保の観点で論理矛盾している
場当たり的な対応や言動が目立つ閣僚とご都合主義の関西圏。
首相の「覚悟」も福井にしっかり向き合って表明するのが筋であろう。
県はあくまで県民の安全第一の観点で議論を尽くし、慎重に判断を下すべきである。


ーーーー

どんな事をしたって、原発に安全は確保されない。



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コメント
原発銀座通り抜け(以下のブログほか)
http://www.asyura2.com/12/genpatu24/msg/301.html

福井県民は原発と心中確定。

もし事故が起こったら、滋賀、京都、石川、岐阜に各県は、県境を封鎖する権利がある。
それで放射能を防げるわけじゃないが、汚染地の始末はこれまで交付金を受け取ってきた連中にやらせるのがスジ。
鼻炎 | 2012.06.02 14:20 | 編集
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