原子力規制法案で民・自・公が合意
”40年で廃炉”見直し規定
20120614 原子力規制法案 「40年で廃炉... 投稿者 PMG5
2012年6月14日
古舘伊知郎:
次にお届けするニュース。
ハッキリ言って環境省がすごい文章を作ったなという感があります。
これは議員立法とはいえ、官僚が作る文章の中に盛り込まれる1行というものが、
つくづく今も昔も、つくづくその1行が全てを変える。
あるいは変えるように見せて全く変えないという事が起きるんだなという事をちょっと痛感しちゃうんですよね。
具体的に言います。
原発の運転、この期間は原則40年。
しかしながらですね、今日出てきたものは、法案。
発足後、規制庁の発足後の規制委員会が、
「速やかにその40年を見直す」ということになっている。
「えっ?どういうことだ??」と。
それからもうひとつ加えますとね、独立の規制委員会、その下に規制庁、事務局扱いというようなことがありますが、
府省に戻れないようにするノーリターン・ルールというのを文章に法案に盛り込んでいるんですが、
「しかし、やむを得ない場合5年間に限り府省への復帰を認める」などなどです。
ーーー
原発を規制する新たな体制作りが決着した。
仙谷由人(民主党):
ご尽力をいただいて、ようやく成案ができたと。
これでまあ、万全の安心感が国民のみなさんがた持っていただけるとは思いませんけれども、
一つそういうところを達成できたと。

民主・自民・公明の3党は今日、原子力規制法案の内容について合意した。
経産省と一体化していた原子力安全・保安院は正式に廃止となる。
代わりに環境省の外に内閣から独立した専門家5人による原子力規制委員会を発足させ、
その下に職員1000人規模の原子力規制庁を置き、
原発をこれまでより厳しく規制するという。

その一方、”脱原発へのシンボル”ともいえるあの方針が骨抜きにされる可能性も出てきた。
1月

細野豪志:
原子炉の運転期間を40年とする、いわゆる40年運転制限制を導入いたします。
原発は原則40年で廃炉にする。
民主党政権はそう明言していたはずだ。

ところが3党が合意した内容では、
原発40年という原発の運転期間は
新たに発足する原子力規制委員会によって速やかに検討が加えられるとした。
40年の廃炉が見直される余地を残したのだ。
これは自民党サイドからの強い希望で付け加えられたものだった。
協議に参加していた自民党議員は、
吉野正芳(自民党):
専門家のきちんとした評価。
これも必要だろうという事で、「速やかなる見直し規定」これも入れさせたところです。
一律に40年というのが、ちょっとやっぱり納得できない。
「炉ごとにそれぞれ違うという事なので」という意見がありました。

自民党内では原発性先に関わっていた議員から
「40年での廃炉」に反対論が出ていた。
自民・原発推進議員:
部品は定期的に交換されていて、40年経ったからと言って技術的に劣化しているとは言えない。
国内にある原発のうち、現時点で運転40年を超えている原発は
敦賀原発1号機と美浜原発1号機(1970年に運転開始)のふたつだ。
さらに5年以内に島根原発1号機や玄海原発1号機など7基が40年という区切りを迎える。
海外ではアメリカが運転期間を原則40年として定めている(最大20年延長)が、
原発大国フランスでは原発の寿命を法律では定めていない。
では、政府が決めた40年という原発の寿命。
その根拠は何なのか?
衆議院本会議5月29日
細野豪志:
運転期間の年限を原則40年としているのは原子炉設置許可の審査に関して
必要な設備、機器等にかかる設計上の評価が、
運転開始後40年の使用を想定して行われていることが多いことを考慮したものです。
原発の老朽化に詳しい専門家は古い原発に懸念を示す。
井野博満 東京大学名誉教授:
70年代の原発は原発自体が非常に古いということですね。
材料劣化を起こしやすいし、製造法も悪いと。
緊急に炉心冷却をした時にですね、照射脆化(劣化)していますと、
その圧力容器全体が破裂してしまいますね。

原発の老朽化。
特に問題となるのは原発の中枢部、圧力容器の強度が劣化することだ。
その実験映像がある。
北海道大学 午後8時過ぎ
原発の圧力容器と同じ金属だ。

これを顕微鏡で見た映像だ。

放射線と同じ性質を持つ電子線をあてると、みるみると黒い模様のようなものが増殖していく。
この部分は金属の原子が崩れて劣化しているという。
大貫惣明 北海道大学工学研究院教授:
非常に硬くなって、材料が硬くなって最終的にはもろくなる。
温度を上げたり下げたり、あるいは外部からすごい力を加えると、ま、折れると。

放射線による圧力容器の劣化は、完全に予想できない難しさがある。
たとえば運転開始から37年目を迎える玄海原発の1号機。
圧力容器の金属が予測を上回るスピードで劣化していた。
九州電力は「健全性には問題がないレベルだ」としてるが、その原因ははっきりと特定できていない。
井野博満:
70年代の原発はもう、早くやめなきゃいけないんですよ。
(見直しすると)脱原発というふうに掲げたその政策はどうなったんだということになると思いますね。
もう、3.11前と変わらないじゃないかという事に、そういう心配がありますね。
3党による合意法案。
40年という運転期限の見直し以外にも、妥協の産物とみられる内容があった。

原子力規制庁の他に、新たな組織を作るのだと言う。
その名は原子力防災会議。
トップが総理大臣で、規制委員会が作る安全、防災対策などに大きな影響力を持つ余地を残した。
屋上横行を重ねるような追加措置。
こちらは政府が
「住民の避難計画などは政府全体で関わる必要がある」と強くこだわって反映させた結果だ。
さらに独立性をもたらすためのノーリターン・ルール。
関係省庁から規制庁に移った職員が元の省庁に戻る事を禁止するものだが、
これについても「5年間はやむを得ない場合は適用しない」という例外措置を設けた。

この原発の規制法案は3党が6日間水面下で交渉しまとめた。
明日にも衆議院を通過し、今国会で成立する見通しだ。
古舘伊知郎:
民主党も自民党も、増税と原発ではぴったり息が合うんですね。
ーーーーー
<自民・原発推進議員>
何故か番組中では名前が伏せられていますが、細田博之元官房長官の発言です。

細田元官房長官がこういう事をおっしゃっていまして、
「部品は定期的に交換されており、40年経った物を技術的に劣化しているとは断じがたい」
たねまきJ「原発の寿命・もんじゅメーカーと契約1億円・文科省とSPEEDI・アメリカと再稼働・野田会見」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)6/13
<仙谷由人>
ワイドショーやニュースで報道されないホントの話「仙谷、女性記者に下半身でセクハラ」と事実認定
野田政権・癒着の構図(しんぶん赤旗4/22)
「私はむしろ政治の集団自殺ではないかという気さえする」報道ステーション4/19(動画・内容書き出し)
大飯再稼働で突然出てきた仙谷由人「ミクロの民には寄り添えない」4/14
<脆性遷移温度>
たねまきJ「高浜原発1号機圧力容器の脆弱性・農林水産省放射能検査に関しての通達」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)4/25
たねまきJ「原発の寿命について(どこまでも伸びる寿命と危険な玄海1号)」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)11/29
不純物が6倍も入っていた玄海原発1号機・パリンッ!
玄海原発1号機の危険度
たねまきJ「鋼鉄がガラスのように割れる」小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)7/4
”40年で廃炉”見直し規定
20120614 原子力規制法案 「40年で廃炉... 投稿者 PMG5
2012年6月14日
古舘伊知郎:
次にお届けするニュース。
ハッキリ言って環境省がすごい文章を作ったなという感があります。
これは議員立法とはいえ、官僚が作る文章の中に盛り込まれる1行というものが、
つくづく今も昔も、つくづくその1行が全てを変える。
あるいは変えるように見せて全く変えないという事が起きるんだなという事をちょっと痛感しちゃうんですよね。
具体的に言います。
原発の運転、この期間は原則40年。
しかしながらですね、今日出てきたものは、法案。
発足後、規制庁の発足後の規制委員会が、
「速やかにその40年を見直す」ということになっている。
「えっ?どういうことだ??」と。
それからもうひとつ加えますとね、独立の規制委員会、その下に規制庁、事務局扱いというようなことがありますが、
府省に戻れないようにするノーリターン・ルールというのを文章に法案に盛り込んでいるんですが、
「しかし、やむを得ない場合5年間に限り府省への復帰を認める」などなどです。
ーーー
原発を規制する新たな体制作りが決着した。
仙谷由人(民主党):
ご尽力をいただいて、ようやく成案ができたと。
これでまあ、万全の安心感が国民のみなさんがた持っていただけるとは思いませんけれども、
一つそういうところを達成できたと。

民主・自民・公明の3党は今日、原子力規制法案の内容について合意した。
経産省と一体化していた原子力安全・保安院は正式に廃止となる。
代わりに環境省の外に内閣から独立した専門家5人による原子力規制委員会を発足させ、
その下に職員1000人規模の原子力規制庁を置き、
原発をこれまでより厳しく規制するという。

その一方、”脱原発へのシンボル”ともいえるあの方針が骨抜きにされる可能性も出てきた。
1月

細野豪志:
原子炉の運転期間を40年とする、いわゆる40年運転制限制を導入いたします。
原発は原則40年で廃炉にする。
民主党政権はそう明言していたはずだ。

ところが3党が合意した内容では、
原発40年という原発の運転期間は
新たに発足する原子力規制委員会によって速やかに検討が加えられるとした。
40年の廃炉が見直される余地を残したのだ。
これは自民党サイドからの強い希望で付け加えられたものだった。
協議に参加していた自民党議員は、
吉野正芳(自民党):
専門家のきちんとした評価。
これも必要だろうという事で、「速やかなる見直し規定」これも入れさせたところです。
一律に40年というのが、ちょっとやっぱり納得できない。
「炉ごとにそれぞれ違うという事なので」という意見がありました。

自民党内では原発性先に関わっていた議員から
「40年での廃炉」に反対論が出ていた。
自民・原発推進議員:
部品は定期的に交換されていて、40年経ったからと言って技術的に劣化しているとは言えない。
国内にある原発のうち、現時点で運転40年を超えている原発は
敦賀原発1号機と美浜原発1号機(1970年に運転開始)のふたつだ。
さらに5年以内に島根原発1号機や玄海原発1号機など7基が40年という区切りを迎える。
海外ではアメリカが運転期間を原則40年として定めている(最大20年延長)が、
原発大国フランスでは原発の寿命を法律では定めていない。
では、政府が決めた40年という原発の寿命。
その根拠は何なのか?
衆議院本会議5月29日
細野豪志:
運転期間の年限を原則40年としているのは原子炉設置許可の審査に関して
必要な設備、機器等にかかる設計上の評価が、
運転開始後40年の使用を想定して行われていることが多いことを考慮したものです。
原発の老朽化に詳しい専門家は古い原発に懸念を示す。
井野博満 東京大学名誉教授:
70年代の原発は原発自体が非常に古いということですね。
材料劣化を起こしやすいし、製造法も悪いと。
緊急に炉心冷却をした時にですね、照射脆化(劣化)していますと、
その圧力容器全体が破裂してしまいますね。

原発の老朽化。
特に問題となるのは原発の中枢部、圧力容器の強度が劣化することだ。
その実験映像がある。
北海道大学 午後8時過ぎ
原発の圧力容器と同じ金属だ。

これを顕微鏡で見た映像だ。

放射線と同じ性質を持つ電子線をあてると、みるみると黒い模様のようなものが増殖していく。
この部分は金属の原子が崩れて劣化しているという。
大貫惣明 北海道大学工学研究院教授:
非常に硬くなって、材料が硬くなって最終的にはもろくなる。
温度を上げたり下げたり、あるいは外部からすごい力を加えると、ま、折れると。

放射線による圧力容器の劣化は、完全に予想できない難しさがある。
たとえば運転開始から37年目を迎える玄海原発の1号機。
圧力容器の金属が予測を上回るスピードで劣化していた。
九州電力は「健全性には問題がないレベルだ」としてるが、その原因ははっきりと特定できていない。
井野博満:
70年代の原発はもう、早くやめなきゃいけないんですよ。
(見直しすると)脱原発というふうに掲げたその政策はどうなったんだということになると思いますね。
もう、3.11前と変わらないじゃないかという事に、そういう心配がありますね。
3党による合意法案。
40年という運転期限の見直し以外にも、妥協の産物とみられる内容があった。

原子力規制庁の他に、新たな組織を作るのだと言う。
その名は原子力防災会議。
トップが総理大臣で、規制委員会が作る安全、防災対策などに大きな影響力を持つ余地を残した。
屋上横行を重ねるような追加措置。
こちらは政府が
「住民の避難計画などは政府全体で関わる必要がある」と強くこだわって反映させた結果だ。
さらに独立性をもたらすためのノーリターン・ルール。
関係省庁から規制庁に移った職員が元の省庁に戻る事を禁止するものだが、
これについても「5年間はやむを得ない場合は適用しない」という例外措置を設けた。

この原発の規制法案は3党が6日間水面下で交渉しまとめた。
明日にも衆議院を通過し、今国会で成立する見通しだ。
古舘伊知郎:
民主党も自民党も、増税と原発ではぴったり息が合うんですね。
ーーーーー
<自民・原発推進議員>
何故か番組中では名前が伏せられていますが、細田博之元官房長官の発言です。

細田元官房長官がこういう事をおっしゃっていまして、
「部品は定期的に交換されており、40年経った物を技術的に劣化しているとは断じがたい」
たねまきJ「原発の寿命・もんじゅメーカーと契約1億円・文科省とSPEEDI・アメリカと再稼働・野田会見」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)6/13
<仙谷由人>
ワイドショーやニュースで報道されないホントの話「仙谷、女性記者に下半身でセクハラ」と事実認定
野田政権・癒着の構図(しんぶん赤旗4/22)
「私はむしろ政治の集団自殺ではないかという気さえする」報道ステーション4/19(動画・内容書き出し)
大飯再稼働で突然出てきた仙谷由人「ミクロの民には寄り添えない」4/14
<脆性遷移温度>
たねまきJ「高浜原発1号機圧力容器の脆弱性・農林水産省放射能検査に関しての通達」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)4/25
たねまきJ「原発の寿命について(どこまでも伸びる寿命と危険な玄海1号)」
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たねまきJ「鋼鉄がガラスのように割れる」小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)7/4
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