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06.15
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・おおい町長と福井県議会
・原発は動かした時と止まっている時の危険度は違うの?
・「津波が原因」と言えなくなるから2号機の大量放出の原因を明記できない東電
・節電不要!「原発を動かさないと電気は足りない」は国の脅し

2012年6月14日木曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]



<参考>

おおい町長再稼働同意 町議から安堵の声

(2012年6月15日 読売新聞)

おおい町の時岡忍町長が14日、関西電力大飯原発3、4号機(おおい町大島)の再稼働に同意し、
県庁で西川知事に伝えたことで、地元同意を巡る町の手続きが終わった。
枝野経済産業相の要請から2か月、町議会の判断から1か月が経過し、町議からは安堵(あんど)の声が上がった。
(島田喜行、藤戸健志、熱田純一)

新谷欣也議長の全員協議会開会宣言後、時岡町長がすぐに同意を表明。
その理由として
「野田首相が国民に向け原発の必要性を呼びかけたこと」
「原子力規制庁の設置まで特別な監視体制の構築」に加えて、
▽大飯原発の安全性について、県原子力安全専門委員会が妥当と評価
▽町議会の容認の判断
▽立地町として電力供給責任を果たすべきとの思い――の計5点を挙げた。

「安全性の評価作業で本日まで至り、心配をかけたことをおわびする」。
町議会の判断から1か月経過したことについては謝罪。質疑はなく全協は終了した。

町議会原子力発電対策特別委員長の松井栄治町議は
「ほっとした。町長の最後の言葉で、今までもやもやした思いはあったが納得できた」と話し、
新谷議長は
「この1か月、国にはしごをはずされるのではとの不安があった。
これからも議会として重い責任を背負わないといけない。肩の荷が下りた訳ではない」と表情を引き締めた。

一方、時岡町長の表明中、「断固反対」の紙を掲げた共産党の議員は
「今度事故があれば、取り返しがつかなくなる。自分の思いを町長に伝えたかった」と話していた。



福井・大飯原発:再稼働問題 県議会の議論低調 知事に一任
毎日新聞 2012年06月14日 大阪夕刊

しかし、議会の関心や議論は低調だった。
政府や関電の説明を聞く会合の開催を検討した5月初旬の自民の総会では、
開催すれば、よその議会と議論のレベルが比較される。開催せず静観するのも一つの手では」と、
後ろ向きの意見が出た。
再稼働についての意見集約についても、
再稼働は知事の判断だ。議会に意見を表明させて責任を負わせるというばかな話はない」と
消極意見が相次いだ。
自民も民主も、再稼働に慎重な支持者と期待する支持者を抱えており、
意見集約の難しさは早期から指摘されていたが、結局は判断を避けた形だ。

首相会見を知事が評価し、再稼働同意が既定路線になったことも、議会の審議意欲を失わせた。
「ゴールは大体決まっている」
「(会派の意見を)言っても言わなくても同じ。セレモニーだ」。
全協を前に12、13日の2日間にわたって議論された自民の総会では、
冷めた意見が相次ぎ、活発な議論とはほど遠い状況だった。
民主も、再稼働は野田内閣の方針ながら、再稼働に賛成する意見は出なかったという。
民主幹部は「野田首相は再稼働と言ったが、会派としては再稼働ありきではない」とし、問題の複雑さをのぞかせた。


2号機、損傷箇所特定できず 東電最終報告書
中日新聞 2012年6月12日 19時10分

東京電力の福島第1原発事故調査委員会(社内事故調)がまとめた最終報告書案の全容が12日、判明した。
深刻な環境汚染を招いた放射性物質が
2号機の格納容器から漏れ出たとの分析結果などをあらためて盛り込んだが、
2号機の詳しい損傷箇所の特定は避けた。
東電は外部の専門家による検証委員会の評価とともに近く公表する。

報告書案はA4判約360ページ。
地震による原発の主要設備への損傷は「ほとんどなかった」と説明。
大気中に放出された放射性物質の推定量が90万テラベクレル(テラは1兆)に上ったことを、
飛散状況を示す図解とともに記載した。
(共同)




続きを読むに番組内容を書き出しました。







おおい町長と福井県議会


千葉:
ニュースでもお伝えしたんですけれども、福井県の大飯原発3,4号機に関しての再稼動につきまして、
地元のおおい町の町長が再稼動を認める意向を示して福井県知事に伝えたということです。
今週中には県知事が同意して、総理大臣に伝えられて再稼動ということになる見通しなんですけれども、
この事についてまず小出先生のご感想を頂けませんか?

小出:
はい、大変残念です。
ただし、残念と言うだけでは済まないものがここにはあると思います。
要するに原子力をやってきたながーい歴史というものがあって、
おおい町もそうですけれども地域全体が原子力にすがらなければ生きて行かれないという、
そのような状況に追い込まれてしまったうえで、原子力を受け入れてしまいました。
そして一度受け入れてしまうと、それに依存するような町になってしまう訳ですし、
次々とまた新しいお金を欲しがる以外にないという事になってきたというのが日本の原子力のやり方だったと思います。
えーっと、言葉は悪いですけど、いわゆる麻薬患者を作って、
ますます麻薬漬けにしていくという歴史が続いてきたと私にはみえます。
地域の人達にそれを簡単に抜けろという事がすぐには言えない。
どうやればその街全体がきちっと生き延びる事ができるのかという、
その事を考えなければいけないのだと思います。
ただし町議会にしても福井県議会あるいは福井県知事にしても、
その人たちこそがそういう事を考える責任がある人たちだと思いますので、しっかり考えて欲しいと思います。

千葉:
その県議会なんですけれどもね、
全員協議会を開いて再稼働問題を話合ったそうなんですけれども、
その結果、
「再稼働は知事の判断だから、議会に意見を表明させて責任を負わせると言ったバカな話はない」といった意見がでて、
県議会として採決や意見集約はしないで知事に判断を一任した
という事で、
あの~、いろいろ報道を聞いていますと、なんだか総理が決めたから、町長が決めたから、知事がこう考えたからって、
みんな責任から逃げているっていう感じがするんですけど、

小出:
そうですね。情けない議会ですねww
議員一人ひとりがちゃんと自分の思いを発信しなければいけないと思うし、
一人ひとりが個人の責任を負わなければいけないと私は思うんですが、
残念ながら、ま、少なくても原子力の世界というのは個人としての責任を誰も負わないという、
そういうまま今日まで来てしまいました。


原発は動かした時と止まっている時の危険度は違うの?

千葉:
本当に変な世界ですよね。
えーー、それから、リスナーの方から質問がきていまして、
大阪府にお住まいの方です。
「分かりきったような質問をして申し訳ないんですけれども、
大飯原発を動かさないのと、動かしたのとでは、危険度は違うのですか?」
という質問なんですが、先生改めて教えていただけますか?

小出:
もちろん危険度は違います。
運転中に全所停電をした場合には、事故が劇的に進行してしまいます。
福島第一原発の1号機から3号機で進行したように、
もう本当に手の着けようがないまま事故が進行してしまいますので、
まずは動いている状態をやめるということは徹底的に大切だと思います。

では動いていなければ安全か?と言えば、もちろんそうではありません。
すでにこれまで日本で原子力発電をやってきてしまったが為に、
広島原爆がまき散らした放射性物質の120万発分に相当する核分裂生成物を日本は作ってしまった。

千葉120万発分ですか

小出:はい。
それは消すことができないゴミとして、それぞれの原子力発電所の中に溜まっている訳ですし、
今でも福島第一原子力発電所の進行中の事故の中でもそれの危機に直面しているのです。
ですから止めれば安全だという事ではありませんが、
まずは止めなければいけないと私は思います。


「津波が原因」と言えなくなるから2号機の大量放出の原因を明記できない東電


千葉:
はいわかりました。
つぎはですね、
東京電力の社内の原発事故調査委員会が近く最終報告書を出す予定だというニュースが入ってきていまして、
その案が明らかになたという事です。
それによりますと、原発の北西の方向に重大な原因を引き起こした最大の原因は
当初言われていたベントではなく、2号機の格納容器から漏れ出したガスだと結論付けているんですけれども、
詳しい損傷の個所や原因については書かれていなかったということです。
これ、詳しい損傷の原因がない報告書というのはほとんど意味がないと思うんですけれども、

小出:
はいおっしゃるとおりです。
もちろん現場に誰もいくことはできませんし、
原因を確定するということはこれから10年後20年後、あるいは30年後になるかもしれないと私は思います。
ただし私自身は2号機の放射性物質の漏えいが生じた場所というのは私なりの推測があります。
それはサプレッションチェンバーと私たちが呼んでいる格納容器の一部なんですけれども、
格納容器本来体はドライウェルと呼んでいますが、そことサプレッションチェンバーを結んでいる配管があるんです。
配管と言っても巨大なパイプなんですが、
そこが私は破損してそこから出てきたと思っています。
それは福島第一原子力発電所の最大の安全問題だと、
もともとジェネラルエレクトロニクス社の設計者たちが指摘していたことで、
それが多分あらわれたのだと思いますし、

そうなると、政府と東京電力は津波が原因だと言いたかったわけですけれども、
「そうではない」ということになってしまいますので

どうしても東電としては言いたくないことだと思います。

千葉:ハァ・・藤田さんいかがですか?


節電不要!「原発を動かさないと電気は足りない」は国の脅し

藤田:ええ
今回おおい町長の同意の表明を受けまして、
数日中に福井県知事の同意を受けて、政府が大飯3,4号機の再稼動を正式に発表するということになりますが、
しかしこの一連の手続きを見るとですね、
せっかくこの夏みんなで節電をしてですね、原発なしでも節電して何とかやっていこうと、
原発がなくても乗り切れるという、そういう事を証明できる非常にいいチャンスであったと思うんですが、
ま、そういうチャンスを奪われて非常に残念な気がするんですが、小出さんはいかがですか?

小出:
はい
藤田さんがおっしゃる通りです。十分今年の夏は乗り切れたはずだと私は思います。
それも藤田さんはいま「国民が節電をしようと思ってきた」とおっしゃっているわけですけれども、
全く節電もしなくても乗り切れるのです。
それは日本の国家の統計データがそれを示していますので、
なんの節電もしなくても、日本はいついかなる時も電力供給に支障がないのです、本当は。

ただし「原発を動かさないと停電してしまうぞ」との脅しに、国がこれを使って、
殆どのみなさんがそれに騙されてきてしまっているわけです。
それでも国民の方は「まァ節電ぐらいやろうか」という気になっている訳ですけれども、
それでも野田さんは「国民の生活を守るため」だとか、
いかにもなんか国民に恩着せがましくですね、理由を付けてやろうとするのですね。
本当に異常な人たちだと私は思います。

千葉:はい、小出さんどうもありがとうございました。








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