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06.20
Wed
福島原子力事故調査報告書 別紙2(主な時系列)より
1~4号機の中で一番大量の致命的ともいえる放射性物質を放出した2号機の時系列が、
本日東京電力・福島原子力事故調査報告書の公表について平成24年6月20日で公表されました。

見た目は一番きれいな2号機がどのような経過をたどり、
1号機3号機4号機と比べケタ違いの放射性物質を大気中にまき散らしたのか知りたかったので、
報告書の中から時系列の部分のみ(全体は155ページ)転記しておきます。
「東京電力が作った報告書である」という事を忘れずにd(◕‿-。) ネ❤




福島第一原子力発電所2号機における
地震発生から3月15日(火)までの主な時系列

61ページ(サイト上では63ページから)

平成23年3月11日(金)
14:46 東北地方太平洋沖地震発生。第3 非常態勢を自動発令。
14:47 原子炉自動スクラム,主タービン自動停止。非常用ディーゼル発電機自動起動。
14:50 原子炉隔離時冷却系(以下,「RCIC」)手動起動。
14:51 RCIC 自動停止(原子炉水位高)
15:01 原子炉未臨界確認。
15:02 RCIC 手動起動。
15:06 非常災害対策本部を本店に設置(地震による被害状況の把握,停電等の復旧)
15:27 津波第一波到達。
15:28 RCIC 自動停止(原子炉水位高)。
15:35 津波第二波到達。
15:39 RCIC 手動起動。
15:41 全交流電源喪失。
15:42 原子力災害対策特別措置法(以下,「原災法」)第10 条第1 項の規定に基づく特定事象
      (全交流電源喪失)が発生したと判断,官庁等に通報。
15:42 第1 次緊急時態勢を発令。緊急時対策本部を設置(非常災害対策本部との合同本部となる)。
16:00頃 構内道路の健全性確認を開始。
16:00頃 電源設備(外部電源)の健全性確認を開始。
16:10 本店配電部門から全店に高・低圧電源車の確保と移動経路の確認指示。
16:36 原子炉水位が確認出来ず,注水状況が不明なため,原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象
     (非常用炉心冷却装置注水不能)が発生したと判断,16:45 官庁等に通報。
16:36 第2 次緊急時態勢を発令。
16:50頃 全店の高・低圧電源車が福島に向け順次出発。
17:12 発電所長は,アクシデントマネジメント対策として設置した消火系ライン,
     及び消防車を使用した原子炉への注水方法の検討開始を指示。
18:00頃 電源設備(所内電源)の健全性確認を開始。
19:00頃 2,3 号機の間にあるゲートを開放,1~4 号機への車両の通行ルートを確保。
19:24 構内道路の健全性確認の結果を発電所対策本部に報告。
20:47 中央制御室内の仮設照明が点灯。
20:50 福島県が福島第一原子力発電所から半径2km の住民に避難指示。
20:56 電源設備(外部電源,所内電源)の健全性確認結果を発電所対策本部に報告。
21:02 原子炉水位が不明であり,RCIC による原子炉への注水状況が確認できないため,
     原子炉水位が有効燃料頂部(以下,「TAF」)に到達する可能性があることを官庁等に連絡。
21:13 TAF 到達時間を21:40 と評価,官庁等に連絡。
21:23 内閣総理大臣が福島第一原子力発電所から半径3km 圏内の避難,
     半径3km~10km 圏内の屋内退避を指示。
21:50 原子炉水位が判明し,TAF+3400mm にあることを確認したことから,
     TAF 到達まで時間がかかると評価
,22:10,官庁等に通報。
22:00頃 東北電力第一陣,高圧電源車1 台の到着を確認。


平成23年3月12日(土)
0:30 国による避難住民の避難措置完了確認(双葉町及び大熊町の3km 以内避難措置完了確認,
     1:45 に再度確認)。
1:20 ディーゼル駆動消火ポンプが停止していることを確認。
1:20頃 当社の高圧電源車1 台の到着を確認。
1:30頃 1号機及び2 号機のベントの実施について,
     内閣総理大臣,経済産業大臣,原子力安全・保安院に申し入れ,了解を得る。
2:55 発電所対策本部はRCIC が運転していることを確認。
3:06 ベント実施に関するプレス会見実施。
3:33 ベントを実施した場合の被ばく評価結果を官庁等に連絡。
4:20 RCICの水源切替を開始。
4:55 発電所構内における放射線量が上昇
     (正門付近 0.069μSv/h(4:00) →0.59μSv/h(4:23))したことを確認,官庁等に連絡。
5:00 RCIC水源切替完了。
5:44 内閣総理大臣が福島第一原子力発電所から半径10km 圏内の住民に避難指示。
6:50 経済産業大臣より法令に基づくベントの実施命令(手動によるベント)。
7:11 内閣総理大臣が福島第一原子力発電所に到着。
8:04 内閣総理大臣が福島第一原子力発電所を出発。
10:15頃 当社及び東北電力が派遣した電源車72 台が,福島に到着していることを確認
    (高圧電源車:福島第一12 台,福島第二42 台,低圧電源車:福島第一7 台,福島第二11 台)。
15:30頃 高圧電源車から2 号機P/C を介して1 号機MCC に電源を供給する経路を構成,
     1 号機ほう酸水注入系ポンプ手前まで送電を開始し,高圧電源車の調整が完了。
15:36 1号機原子炉建屋で爆発発生。
16:27 モニタリングポストNo.4 付近で500μSv/h を超える放射線量1,015μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1 項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     官庁等に通報。
17:30 ベントの準備を開始するよう発電所長指示。
18:25 内閣総理大臣が,福島第一原子力発電所から半径20km 圏内の住民に対し避難指示。


平成23年3月13日(日)
8:10 格納容器(以下,「PCV」)ベント弁(MO 弁)開
8:30 高圧電源車を起動し,2 号機P/C への再送電を試みるも過電流リレーが動作し,送電できず
8:56 モニタリングポストNo.4 付近で500μSv/h を超える放射線量(882μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     9:01官庁等に通報。
10:15 ベントを実施するよう発電所長指示。
11:00 ラプチャーディスクを除く,ベントライン構成完了。
11:20 ベント実施に関するプレス発表。
12:05 海水を使用する準備を進めるよう発電所長指示。
13:10 バッテリーを逃がし安全弁(以下,「SRV」)制御盤に繋ぎ込み,操作スイッチで開操作出来る状態を構成。
14:15 モニタリングポストNo.4 付近で500μSv/h を超える放射線量(905μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     14:23官庁等に通報。
15:18 ベントを実施した場合の被ばく評価結果を官庁等へ連絡。


平成23年3月14日(月)
2:20 正門付近で500μSv/h を超える放射線量(751μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     4:24 官庁等に通報。
2:40 モニタリングポストNo.2 付近で500μSv/h を超える放射線量(650μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     5:37官庁等に通報。
4:00 モニタリングポストNo.2 付近で500μSv/h を超える放射線量(820μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     8:00官庁等に通報。
9:12 モニタリングポストNo.3 付近で500μSv/h を超える放射線量(518.7μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     9:34官庁等に通報。
11:01 3号機原子炉建屋の爆発。
12:50 圧力抑制室(以下,「S/C」)ベント弁(AO 弁)大弁の電磁弁励磁用回路が外れ閉を確認。
13:05 準備が完了していた注水ラインは,消防車及びホースが破損して使用不可能であったことから,
     消防車を含む海水注入のライン構成を再開。
13:18 原子炉水位が低下傾向であったことから,
     直ちに原子炉への海水注入操作などの準備作業を進めることを官庁等に連絡。
13:25 原子炉の水位が低下していることからRCIC の機能が喪失している可能性があり,
     原災法第15 条第1 項の規定に基づく特定事象(原子炉冷却機能喪失)が発生したと判断,
     13:38 官庁等に通報。
15:28 TAF 到達時間を16:30 と評価,官庁等に連絡。
15:30頃 原子炉への海水注入を行うため消防車を起動。
16:34 原子炉減圧操作を開始するとともに,消火系ラインから海水注入を開始することを官庁等に連絡。
17:17 原子炉水位がTAF に到達。17:25 官庁等に連絡。
18:02 原子炉減圧開始(原子炉圧力5.4MPa→19:03 0.63MPa)。
18:22 原子炉水位がTAF-3,700mm に到達し,燃料全体が露出したものと判断
     19:32 官庁等に連絡。
19:20 原子炉への海水注入のための消防車が燃料切れで停止していることを確認。
19:54 原子炉内に消火系ラインから消防車(19:54,19:57 に各1 台起動)による海水注入開始。
21:00頃 S/C ベント弁(AO 弁)小弁開操作。ラプチャーディスクを除く,ベントライン構成完了。
21:20 SRV を2 弁開し,原子炉水位が回復してきたことを確認,
     21:34 官庁等に連絡(21:30 現在:原子炉水位TAF-3,000mm)。
21:35 正門付近で500μSv/h を超える放射線量(760μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     22:35 官庁等に通報。
22:50 ドライウェル(以下,「D/W」)圧力が最高使用圧力427kPa[gage]を超えたことから,
     原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(格納容器圧力異常上昇)が発生したと判断,
     23:39 官庁等に通報。
23:35 S/C 側の圧力がラプチャーディスク作動圧よりも低く,D/W 側の圧力が上昇していることから,
     D/W ベント弁小弁の開によりベントを実施する方針を決定。


平成23年3月15日(火)
0:01 D/Wベント弁(AO 弁)小弁開操作,数分後に閉であることを確認。
3:00 D/W圧力が設計上の最高使用圧力を超えたことから,減圧操作および、
    原子炉内への注水操作を試みているが,まだ減圧しきれていない状況であることを4:17 官庁等に連絡。
5:35 福島原子力発電所事故対策統合本部設置。
6:14頃 大きな衝撃音と振動が発生。S/C 圧力の指示値がダウンスケールとなる。
6:50 正門付近で500μSv/h を超える放射線量(583.7μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1 項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     7:00 官庁等に通報。
7:00 監視,作業に必要な要員を除き,福島第二へ一時退避することを官庁等に連絡。
8:11 正門付近で500μSv/h を超える放射線量(807μSv/h)を計測したことから,
    原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(火災爆発等による放射性物質異常放出)が発生したと断,
    8:36 官庁等に通報。
8:25 原子炉建屋5 階付近壁より白い煙(湯気らしきもの)があがっていることを確認,9:18 官庁等に連絡。
10:30 経済産業大臣より法令に基づく命令(極力早期に原子炉への注水を行うこと。
     必要に応じ,ドライウェルのベントを行うこと。)
11:00 内閣総理大臣が,福島第一原子力発電所から半径20km 以上30km 圏内の住民に対し屋内退避指示。
16:00 正門付近で500μSv/h を超える放射線量(531.6μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1 項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     16:22 官庁等に通報。
23:05 正門付近で500μSv/h を超える放射線量(4,548μSv/h)を計測したことから,
     原災法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断,
     23:20 官庁等に通報。
以 上


福島第一原発2号機からどれだけ多くの放射性物質が放出されたかはこちらをご覧ください↓
福島第一原発から出た汚染 「瓦礫広域処理についての勉強会」
その3小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)



2号機の大量放出の原因を明記しない東電の報告書についてはこちら↓
たねまきJ「おおい町と福井県議・原発の稼働と停止の危険度の違い・東電の調査報告書・節電は不要」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)6/14

<一部抜粋>
小出:
もちろん現場に誰も行くことはできませんし、
原因を確定するということはこれから10年後20年後、あるいは30年後になるかもしれないと私は思います。
ただし私自身は2号機の放射性物質の漏えいが生じた場所というのは私なりの推測があります。
それはサプレッションチェンバーと私たちが呼んでいる格納容器の一部なんですけれども、
格納容器本来体はドライウェルと呼んでいますが、そことサプレッションチェンバーを結んでいる配管があるんです。
配管と言っても巨大なパイプなんですが、そこが私は破損してそこから出てきたと思っています。
それは福島第一原子力発電所の最大の安全問題だと、
もともとジェネラルエレクトロニクス社の設計者たちが指摘していたことで、
それが多分現れたのだと思いますし、
そうなると、政府と東京電力は津波が原因だと言いたかったわけですけれども、
「そうではない」ということになってしまいますので、
どうしても東電としては言いたくないことだと思います



福島第一原発2号機「サプレッションチェンバーは地震で壊れていた」
神保哲生 x 小出裕章 9/15 (内容書き出し・参考あり)

<一部抜粋>
小出:
たとえば2号機という原子炉で、ある時に
サプレッションチェンバーという所で爆発が起きているのですが
それはどうして起きたかって言うと、水素が酸素と結び付いて爆発したのですね
しかし、本来サプレッションチェンバーの中には酸素は全くありませんので
そこで爆発が起きたという事は、すでにサプレッションチェンバーの構造体が壊れていて
外部にある酸素と内部にある水素が結びついて爆発したということしか説明が付かないのです

津波でサプレッションチェンバーが壊れるという事はありませんので
私はサプレッションチェンバーはすでに地震で壊れていたと思います




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comment 2
コメント
東電は事故原因を「想定をこえた津波」と繰り返したようですが、これは原賠法の免責事由にある”異常に巨大な天災地変”に該当すると、今も主張しているんでしょう。
となると2号機のサプレッションチェンバーの件が一般的に知られていても、原因として明記する訳にはいかない・・ 分かります。

なぜ、サプレッションチェンバーの配管関係の場合 津波が原因と言えないのかなら、ご自身のこの記事も紹介されてみてはいかがでしょうか。
ttp://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-832.html

もう1点、当時の東電のHPで地震対策・津波対策についての考え方が示されています。「過去最大の津波を上回る~」という一文を確認できます。 *魚拓です。
ttp://megalodon.jp/2011-0312-2001-17/www.tepco.co.jp/nu/knowledge/quake/index-j.html
ktpage | 2012.06.21 00:21 | 編集
ありがとうございます。
2号機に関してもう少し詳しい物を書いた記憶があって探したけれど、
自分で見つけられなかったΣ(゚д゚lll)のですww
教えて下さってありがとうございます。
記事に追記させていただきました。

魚拓もすごいですね。
東京電力の事故前のホームページの記事!!

ki-ko | 2012.06.22 09:25 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
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