・警報が鳴った大飯原発3号機
・大阪市のがれき受け入れ
2012年6月20日水曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
大飯原発3号機水位低下の警報作動
(たねまきジャーナル 番組内のニュース書き出し)
再稼働に向けた準備が進んでいる福井県大飯町の関西電力大飯原子力発電所3号機で昨日、
発電機の冷却タンクについて水位の低下を示す警報気が一時的に作動するというトラブルがありました。
関西電力によりますと、大飯原発3号機の冷却タンクの水位低下を示す警報気は、
昨夜9時51分から55分に作動しました。
この警報機はタンク内の水位が基準の値より10センチ下がると作動するという設定でしたが、
作業員が目で見て点検をしたところ、水位は基準値よりもおよそ5cm低くなっていました。
関西電力では
「タンク内の水の流れで一時的に水面が上下して警報機が作動した。
安全上問題はなく、法令上の異常事態ではない」と話しまして、
再稼働の作業には影響しないとしました。
そして発表が今朝行われまして、トラブルから半日以上経っていたということについては、
「深夜に発表する内容ではなかった」というふうに釈明をしました。
さらに関西電力は
「再稼働決定後初めての警報の作動だったため、国と協議して発表を決めた」と説明しました。
一方、経済産業省の原子力安全保安院は今日、発表が遅れたことを陳謝しました。
また関西電力は、きょう午後には福井県おおい町でも記者会見をして、その時には、
「今後同じ程度のトラブルがあれば、定例会見を待たずにすぐに公表する」という方針を表明しました。
<起動準備>大飯3号機「水位低下の警報」発表は半日後
(読売新聞記事第一報)
11月に試験焼却 大阪市 がれき受け入れ決定
MBS 06/20 19:01
大阪市は東日本大震災で発生した、がれきの受け入れを正式に決めました。
11月に試験焼却し、今年度だけで6,000トンを海上輸送で受け入れる方針です。
橋下市長が既に表明していた岩手県内の震災がれきの受け入れは、
20日の市の戦略会議で正式に決定しました。
がれきは、まず此花区舞洲のごみ焼却施設で燃やし、
焼却灰は、大阪湾にある夢洲の北港処分場に埋立処分する計画です。
放射性セシウムについては環境省が安全性について確認し、
府の専門家会議がセシウムを吸着する能力のあるゼオライトを敷き詰めた上に埋立てるとする処理指針を定めました。
「岩手県のがれきは基本的には普通のがれきと変わらないんです。
通常のがれきと変わらないだれきということを、市民のみなさんにこれからご理解して頂く」
(大阪市 橋下徹市長)
橋下市長は今月末から3回此花区民に対し住民説明会を開き、
受け入れに理解を求めた上で11月に試験焼却し、
今年度だけで6,000トン、来年度は3万トンを受け入れる方針です。
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番組内容を書き出しました。
02:51~
警報が鳴った大飯原発3号機
水野:
まずですね、ニュースでお伝えしましたこの大飯の3号機、警報が鳴ったという事なんですが、
これについて小出さんはどんな風に感想をお持ちでしょう?
小出:はい、まだ私自身どういう経過で警報が鳴ったのかと、得心出来る位に理解していないのですが、
水野:情報がそこまでありませんよね。
小出:
まあ、小さなトラブルというのは日常的にあちこちで起きるわけで、
警報が鳴るということは・・多分よくあることだと思います。
問題はそれが本当に重要なことで鳴ったのか、あるいはそうではない単なる誤動作であったりですとかね、
比較的軽微と判断出来るものであったかという、これをもう少し私は知りたいと思います。
水野:
これは、発電機の冷却水が、の、水のレベルが低下をしたという事を示す警報機が
一時的に作動したという話なんですね。
この発電機の冷却タンクというのは、原子炉を冷やす水とはまた違うんですか?
小出:はい、全く違います。
水野:はぁ・・・
それがもし、発電機の冷却水の水が減っていったとしたらどうなるんですか?
小出:
多分発電機が動かなくなりますので、
自動的にインターロックというものがかかっている筈だとおもいますし、
原子炉を停止させることになると思います。
水野:あっ!そんなに重大な事なんですか?発電機の冷却ポンプって・・・
小出:
発電機が動かなければもちろん原子炉は停止させなければなりません。
ですから発電機を停止しなければいけない程に冷却水が減ってしまうとか、冷却に支障を及ぼすかとか、
その辺の判断が分かれ道になると思います。
水野:
今入ってきている情報ではですね、
「作業員が目で見て点検したら、水位が基準に比べておよそ5cm低かった」っていうんですね。
この警報機が鳴る設定はですね、基準よりも10cm低ければ警報機が鳴る設定になっていたということです。
小出:そうですね。
水野:
10cmと5cmの違いが私には全く分からない訳ですけれども、
これ、10cm水のラインが低下するということで警報機がもし鳴っているということであればですね、
それはやはり問題なことなんですか?
小出:
もちろんですね。
警報というのは正常な動作ができなくなるからこそ、警報が鳴るわけですから、
本当に10cm減ってしまって警報が出るべくして出たのだとすれば、
なんでそれが減ってきてしまったのかという原因をきちんと突き止めなければいけないです。
水野:
はぁ~、今のところ作業員が目で見て「およそ5cm低くなっていた」という話は、
本当にそれが何センチだって、目で見て分かるのかどうか?というのが私にはわからないんですが、
このあたりのことで、どれぐらい大丈夫なんだというふうに、全体を見ていいんですか?
小出:すみません、私には今の情報の範囲でいうとよく分かりません。
水野:
関西電力はね、
タンク内の水の流れで、一時的に水面が上下して警報器が作動したんだというふうにしているんですが、
小出:それはあり得ないと思います。
水野:あり得ない。
小出:
もしそれだとすればこれまでにもたびたびそういう事が起きた筈ですし、
これまでは多分警報が鳴らなかったという事だから、そこで警報点を設定したのだと思います。
水野:
あ、警報点を10cm下がるというふうに設定したということは、
しょっちゅう鳴ったら困るから10cmに設定しているであろうと。
小出:はい。
水野:ということは他に事実がある可能性が高いと、
小出:はい、私はそう思っていますし、それを知りたいと思います。
水野:たとえばどんな可能性があるというふうに思われますか?
小出:
タンク自身の水位が本当に減っていてですね、
作業員の方が5cmと見たのが、もう実は警報点に達していたという事もあり得ると思います。
そうであれば何故タンクの水が減ったのかを、きちっと調べなければいけません。
水野:
そうですね、
本当に警報機がどう潰れていたのか潰れていなかったのかという事が分からなければ、
ここのところが明らかにならないんですね。
小出:そうです。
水野:
で、もしも警報機が鳴るような実態であったとしたならば、
これは最終的には原子炉は止まる、ということにもなり得る可能性があるんですね?
小出:
はい、ただ発電機の冷却水ですから、
そのタンクさえ水を溜められる構造が保てるのであればそれでいい筈だと私は思いますので、
もしどこかに漏れがあるというのならばその漏れを塞ぐための工事が必要になると思います。
それにどのくらいの日数がかかるのかで、再稼働がそれにつれて遅れるのだと思います。
水野:
じゃ、本来だったら、
やっぱり今回のことは全部調べ上げないと、次へ進んじゃいけないっていうことですか?
小出:
はい、もちろんそうですけど、
すぐに関電は調べるでしょうし、そんなに難しい調査が必要だとは思いません。
水野:そうですか、じゃ、すぐに発表してもらわなければ困るやん。
小出:多分明日か明後日のうちには発表される筈だと私は期待しています。
水野:その期待通りにいくかどうかは見ておかなければいけない訳ですね。
小出:ふふっ・・そうですね。
近藤:
先生ね、このニュースっていうのはやっぱり、僕が引っ掛かるのは、
要するに再稼動を決めてね、で、その時に総理が「責任を持つ」って言ったんだけど、
そういう責任は持ちようがないわけですから、
いずれにしても情報の公開をですね、前提として、要するに責任というのがあると思うのですが、
その情報の公開性に於いたら、これ
「法令に抵触するようなレベルじゃなかった」とか
「深夜に発表する内容ではなかった」とか、つべこべ言っているわけですよ。
僕は「法令に抵触するようなトラブルではない」というような言い方も、「その段階で何でわかるんだ?」と思うし、
「深夜に発表する内容」っていうのも「深夜だからこそ発表せなあかん」ということもあるわけでね、
情報の公開性ということについてものすごく疑問を持ちますね、これ。
小出:
はい。
ま・・・関電の自覚が足りないという事だと思います。
水野:
これは「安全上問題はない」と関電は言っています。
この文言をどういうふうに小出さんはとられますか?
小出:
それは私としては先ほどから申し上げているように、
情報が不足しているのでどこまで重要かということは今の時点で判断できませんので、
場合によっては関電が言っているように本当に大したことなかったのかもしれないと思います。
大阪市のがれき受け入れ
水野:
それでは大阪市のがれき処理が正式に決定したということについてうかがいたいと思うんです。
これまで小出さんは、がれきは焼却はいたし方ないとしてもですね、
焼却した灰を海に埋め立てては絶対にいけないとおっしゃっていたかと思います。
小出:はい、そうです。
水野:
しかしながら今回の大阪市の決定は、
結局、大阪湾にある夢洲の北港処分場に埋め立て処分する計画だと、いうことですね。
え・・小出さんがおっしゃっていた案は全く通らなかったということになりますか。
小出:
そうですね、放射能を取り扱う時の原則というものを知らないんですね。
橋下さんを含めて。
水野:だけど維新の会の方々は何十人と小出さんのところにいらして、話を聞かれたと聞きましたが、
小出:
そうです。
一番初めに36人だったでしょうか、団の方がいらっしゃいましたし
その後もまた訪ねて来てくれたかたも、
水野:何度かいらした人もいたんですね。
小出:はい、そうです。
水野:で、「海に埋め立てちゃいけない」と小出さんはおっしゃったんですね。
小出:
わたしは、そういうやり方は放射能に向き合う原則を逸脱しているので、やってはいけない。
放射能で汚れたものというのは専用に保管をして、隔離できるような保管をしなければいけないと、
何度も言いました。
え・・・残念ながらそうはいかなかったようです。
水野:
環境省はですね、安全性についてこう言っています。
処分地の中の海面ですね、
「海面や整備していない陸地に埋め立てても安全性は確保できる」といっているんです。
小出:
ずーっと今回の事故からそうなんですけど、
「安全性が確保できる」という表現がですね、しきりに出てくるのですけれども、
放射能に関する限りはどんなに微量でも危険なのです。
「安全性」という言葉を本来使うべきではないし、
「どれだけの危険がある」ということをむしろ言わなければいけない思います。
水野:
そのリスクについて、たとえばですね、
海の産物ですね、魚介や海藻などへの影響というのは、将来的にどうでしょう?
小出:
えー、ま、予測をすることは大変難しいのですが、
多分、海面に埋め立ててしまうというような事にすれば、
いずれにしても海へ溶けだしてくると思います。
ですから私は海へ放射性物質を、
海へ埋め立てに使うべきではないと思います。
もっと陸で、それなりに環境へ漏れないような管理型の処分場というものを作って、
そこにまとめて保管するべきだと思います。
近藤:水野さーん、これ地元っていうのは此花区ですか?
水野:そうですね。
近藤:
大体このがれきの問題というのは、各ところで住民がいろいろ運動を起こしていますけれど、
これは、橋下さんはなんか市民に説明会を開くようにとか言っているけれども、
住民の動きというのは今のところないんですか?
水野:
住民のいろいろな反対の声というのはありますけれども、
橋下さんとしては此花区民に住民説明会をこれから3回開くと、
で、それでもう理解を求めるという、そういう形ですね。
近藤:色々すったもんだが起きているという雰囲気じゃないんですね。
水野:
今のところ、その大きなすったもんだにはなっていないんじゃないかと私は思うんですけれども、
どれぐらい大きな動きに、これでまた皆さんがなるか、ということは
注目しておかないともちろんいけないんでしょうね。
はい、どうもありがとうございました。
ーーー
大阪湾埋め立てに関して↓
大阪湾フェニックス「震災がれき”検証”海面埋め立て」
マル調6/6(動画・内容書き出し)
大阪維新の会小出先生の勉強会↓
被ばくという事「瓦礫広域処理についての勉強会」その1
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
放射能のゴミ人形峠の場合「瓦礫広域処理についての勉強会」その2
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
福島第一原発から出た汚染 「瓦礫広域処理についての勉強会」その3
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
では、どうすればいいのか? 「瓦礫広域処理についての勉強会」その4
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
質疑応答 「瓦礫広域処理についての勉強会」その5完
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
(※勉強会の動画は一般公開されてなく、見ることができなくなっていましたが、
写真入りで書き出していたので内容は分かると思います)
・大阪市のがれき受け入れ
2012年6月20日水曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
大飯原発3号機水位低下の警報作動
(たねまきジャーナル 番組内のニュース書き出し)
再稼働に向けた準備が進んでいる福井県大飯町の関西電力大飯原子力発電所3号機で昨日、
発電機の冷却タンクについて水位の低下を示す警報気が一時的に作動するというトラブルがありました。
関西電力によりますと、大飯原発3号機の冷却タンクの水位低下を示す警報気は、
昨夜9時51分から55分に作動しました。
この警報機はタンク内の水位が基準の値より10センチ下がると作動するという設定でしたが、
作業員が目で見て点検をしたところ、水位は基準値よりもおよそ5cm低くなっていました。
関西電力では
「タンク内の水の流れで一時的に水面が上下して警報機が作動した。
安全上問題はなく、法令上の異常事態ではない」と話しまして、
再稼働の作業には影響しないとしました。
そして発表が今朝行われまして、トラブルから半日以上経っていたということについては、
「深夜に発表する内容ではなかった」というふうに釈明をしました。
さらに関西電力は
「再稼働決定後初めての警報の作動だったため、国と協議して発表を決めた」と説明しました。
一方、経済産業省の原子力安全保安院は今日、発表が遅れたことを陳謝しました。
また関西電力は、きょう午後には福井県おおい町でも記者会見をして、その時には、
「今後同じ程度のトラブルがあれば、定例会見を待たずにすぐに公表する」という方針を表明しました。
<起動準備>大飯3号機「水位低下の警報」発表は半日後
(読売新聞記事第一報)
11月に試験焼却 大阪市 がれき受け入れ決定
MBS 06/20 19:01
大阪市は東日本大震災で発生した、がれきの受け入れを正式に決めました。
11月に試験焼却し、今年度だけで6,000トンを海上輸送で受け入れる方針です。
橋下市長が既に表明していた岩手県内の震災がれきの受け入れは、
20日の市の戦略会議で正式に決定しました。
がれきは、まず此花区舞洲のごみ焼却施設で燃やし、
焼却灰は、大阪湾にある夢洲の北港処分場に埋立処分する計画です。
放射性セシウムについては環境省が安全性について確認し、
府の専門家会議がセシウムを吸着する能力のあるゼオライトを敷き詰めた上に埋立てるとする処理指針を定めました。
「岩手県のがれきは基本的には普通のがれきと変わらないんです。
通常のがれきと変わらないだれきということを、市民のみなさんにこれからご理解して頂く」
(大阪市 橋下徹市長)
橋下市長は今月末から3回此花区民に対し住民説明会を開き、
受け入れに理解を求めた上で11月に試験焼却し、
今年度だけで6,000トン、来年度は3万トンを受け入れる方針です。
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02:51~
警報が鳴った大飯原発3号機
水野:
まずですね、ニュースでお伝えしましたこの大飯の3号機、警報が鳴ったという事なんですが、
これについて小出さんはどんな風に感想をお持ちでしょう?
小出:はい、まだ私自身どういう経過で警報が鳴ったのかと、得心出来る位に理解していないのですが、
水野:情報がそこまでありませんよね。
小出:
まあ、小さなトラブルというのは日常的にあちこちで起きるわけで、
警報が鳴るということは・・多分よくあることだと思います。
問題はそれが本当に重要なことで鳴ったのか、あるいはそうではない単なる誤動作であったりですとかね、
比較的軽微と判断出来るものであったかという、これをもう少し私は知りたいと思います。
水野:
これは、発電機の冷却水が、の、水のレベルが低下をしたという事を示す警報機が
一時的に作動したという話なんですね。
この発電機の冷却タンクというのは、原子炉を冷やす水とはまた違うんですか?
小出:はい、全く違います。
水野:はぁ・・・
それがもし、発電機の冷却水の水が減っていったとしたらどうなるんですか?
小出:
多分発電機が動かなくなりますので、
自動的にインターロックというものがかかっている筈だとおもいますし、
原子炉を停止させることになると思います。
水野:あっ!そんなに重大な事なんですか?発電機の冷却ポンプって・・・
小出:
発電機が動かなければもちろん原子炉は停止させなければなりません。
ですから発電機を停止しなければいけない程に冷却水が減ってしまうとか、冷却に支障を及ぼすかとか、
その辺の判断が分かれ道になると思います。
水野:
今入ってきている情報ではですね、
「作業員が目で見て点検したら、水位が基準に比べておよそ5cm低かった」っていうんですね。
この警報機が鳴る設定はですね、基準よりも10cm低ければ警報機が鳴る設定になっていたということです。
小出:そうですね。
水野:
10cmと5cmの違いが私には全く分からない訳ですけれども、
これ、10cm水のラインが低下するということで警報機がもし鳴っているということであればですね、
それはやはり問題なことなんですか?
小出:
もちろんですね。
警報というのは正常な動作ができなくなるからこそ、警報が鳴るわけですから、
本当に10cm減ってしまって警報が出るべくして出たのだとすれば、
なんでそれが減ってきてしまったのかという原因をきちんと突き止めなければいけないです。
水野:
はぁ~、今のところ作業員が目で見て「およそ5cm低くなっていた」という話は、
本当にそれが何センチだって、目で見て分かるのかどうか?というのが私にはわからないんですが、
このあたりのことで、どれぐらい大丈夫なんだというふうに、全体を見ていいんですか?
小出:すみません、私には今の情報の範囲でいうとよく分かりません。
水野:
関西電力はね、
タンク内の水の流れで、一時的に水面が上下して警報器が作動したんだというふうにしているんですが、
小出:それはあり得ないと思います。
水野:あり得ない。
小出:
もしそれだとすればこれまでにもたびたびそういう事が起きた筈ですし、
これまでは多分警報が鳴らなかったという事だから、そこで警報点を設定したのだと思います。
水野:
あ、警報点を10cm下がるというふうに設定したということは、
しょっちゅう鳴ったら困るから10cmに設定しているであろうと。
小出:はい。
水野:ということは他に事実がある可能性が高いと、
小出:はい、私はそう思っていますし、それを知りたいと思います。
水野:たとえばどんな可能性があるというふうに思われますか?
小出:
タンク自身の水位が本当に減っていてですね、
作業員の方が5cmと見たのが、もう実は警報点に達していたという事もあり得ると思います。
そうであれば何故タンクの水が減ったのかを、きちっと調べなければいけません。
水野:
そうですね、
本当に警報機がどう潰れていたのか潰れていなかったのかという事が分からなければ、
ここのところが明らかにならないんですね。
小出:そうです。
水野:
で、もしも警報機が鳴るような実態であったとしたならば、
これは最終的には原子炉は止まる、ということにもなり得る可能性があるんですね?
小出:
はい、ただ発電機の冷却水ですから、
そのタンクさえ水を溜められる構造が保てるのであればそれでいい筈だと私は思いますので、
もしどこかに漏れがあるというのならばその漏れを塞ぐための工事が必要になると思います。
それにどのくらいの日数がかかるのかで、再稼働がそれにつれて遅れるのだと思います。
水野:
じゃ、本来だったら、
やっぱり今回のことは全部調べ上げないと、次へ進んじゃいけないっていうことですか?
小出:
はい、もちろんそうですけど、
すぐに関電は調べるでしょうし、そんなに難しい調査が必要だとは思いません。
水野:そうですか、じゃ、すぐに発表してもらわなければ困るやん。
小出:多分明日か明後日のうちには発表される筈だと私は期待しています。
水野:その期待通りにいくかどうかは見ておかなければいけない訳ですね。
小出:ふふっ・・そうですね。
近藤:
先生ね、このニュースっていうのはやっぱり、僕が引っ掛かるのは、
要するに再稼動を決めてね、で、その時に総理が「責任を持つ」って言ったんだけど、
そういう責任は持ちようがないわけですから、
いずれにしても情報の公開をですね、前提として、要するに責任というのがあると思うのですが、
その情報の公開性に於いたら、これ
「法令に抵触するようなレベルじゃなかった」とか
「深夜に発表する内容ではなかった」とか、つべこべ言っているわけですよ。
僕は「法令に抵触するようなトラブルではない」というような言い方も、「その段階で何でわかるんだ?」と思うし、
「深夜に発表する内容」っていうのも「深夜だからこそ発表せなあかん」ということもあるわけでね、
情報の公開性ということについてものすごく疑問を持ちますね、これ。
小出:
はい。
ま・・・関電の自覚が足りないという事だと思います。
水野:
これは「安全上問題はない」と関電は言っています。
この文言をどういうふうに小出さんはとられますか?
小出:
それは私としては先ほどから申し上げているように、
情報が不足しているのでどこまで重要かということは今の時点で判断できませんので、
場合によっては関電が言っているように本当に大したことなかったのかもしれないと思います。
大阪市のがれき受け入れ
水野:
それでは大阪市のがれき処理が正式に決定したということについてうかがいたいと思うんです。
これまで小出さんは、がれきは焼却はいたし方ないとしてもですね、
焼却した灰を海に埋め立てては絶対にいけないとおっしゃっていたかと思います。
小出:はい、そうです。
水野:
しかしながら今回の大阪市の決定は、
結局、大阪湾にある夢洲の北港処分場に埋め立て処分する計画だと、いうことですね。
え・・小出さんがおっしゃっていた案は全く通らなかったということになりますか。
小出:
そうですね、放射能を取り扱う時の原則というものを知らないんですね。
橋下さんを含めて。
水野:だけど維新の会の方々は何十人と小出さんのところにいらして、話を聞かれたと聞きましたが、
小出:
そうです。
一番初めに36人だったでしょうか、団の方がいらっしゃいましたし
その後もまた訪ねて来てくれたかたも、
水野:何度かいらした人もいたんですね。
小出:はい、そうです。
水野:で、「海に埋め立てちゃいけない」と小出さんはおっしゃったんですね。
小出:
わたしは、そういうやり方は放射能に向き合う原則を逸脱しているので、やってはいけない。
放射能で汚れたものというのは専用に保管をして、隔離できるような保管をしなければいけないと、
何度も言いました。
え・・・残念ながらそうはいかなかったようです。
水野:
環境省はですね、安全性についてこう言っています。
処分地の中の海面ですね、
「海面や整備していない陸地に埋め立てても安全性は確保できる」といっているんです。
小出:
ずーっと今回の事故からそうなんですけど、
「安全性が確保できる」という表現がですね、しきりに出てくるのですけれども、
放射能に関する限りはどんなに微量でも危険なのです。
「安全性」という言葉を本来使うべきではないし、
「どれだけの危険がある」ということをむしろ言わなければいけない思います。
水野:
そのリスクについて、たとえばですね、
海の産物ですね、魚介や海藻などへの影響というのは、将来的にどうでしょう?
小出:
えー、ま、予測をすることは大変難しいのですが、
多分、海面に埋め立ててしまうというような事にすれば、
いずれにしても海へ溶けだしてくると思います。
ですから私は海へ放射性物質を、
海へ埋め立てに使うべきではないと思います。
もっと陸で、それなりに環境へ漏れないような管理型の処分場というものを作って、
そこにまとめて保管するべきだと思います。
近藤:水野さーん、これ地元っていうのは此花区ですか?
水野:そうですね。
近藤:
大体このがれきの問題というのは、各ところで住民がいろいろ運動を起こしていますけれど、
これは、橋下さんはなんか市民に説明会を開くようにとか言っているけれども、
住民の動きというのは今のところないんですか?
水野:
住民のいろいろな反対の声というのはありますけれども、
橋下さんとしては此花区民に住民説明会をこれから3回開くと、
で、それでもう理解を求めるという、そういう形ですね。
近藤:色々すったもんだが起きているという雰囲気じゃないんですね。
水野:
今のところ、その大きなすったもんだにはなっていないんじゃないかと私は思うんですけれども、
どれぐらい大きな動きに、これでまた皆さんがなるか、ということは
注目しておかないともちろんいけないんでしょうね。
はい、どうもありがとうございました。
ーーー
大阪湾埋め立てに関して↓
大阪湾フェニックス「震災がれき”検証”海面埋め立て」
マル調6/6(動画・内容書き出し)
大阪維新の会小出先生の勉強会↓
被ばくという事「瓦礫広域処理についての勉強会」その1
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
放射能のゴミ人形峠の場合「瓦礫広域処理についての勉強会」その2
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
福島第一原発から出た汚染 「瓦礫広域処理についての勉強会」その3
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
では、どうすればいいのか? 「瓦礫広域処理についての勉強会」その4
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
質疑応答 「瓦礫広域処理についての勉強会」その5完
小出裕章氏・大阪維新の会2/8(動画&内容書き出し)
(※勉強会の動画は一般公開されてなく、見ることができなくなっていましたが、
写真入りで書き出していたので内容は分かると思います)
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