fc2ブログ
06.29
Fri
福島第一原発1号機建屋地下で10.3シーベルト
日本の原発 危険度ランキング

2012年6月28日木曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]



<参考>
福島第1原発1号機、圧力抑制室周辺で毎時10シーベルト
日本経済新聞 2012/6/27 20:26

東京電力は27日、
福島第1原子力発電所1号機の格納容器下部にある圧力抑制室を収めた
「トーラス室」にたまった汚染水の放射線量を測定したところ、最大で毎時10シーベルト超だったと発表した。
格納容器内では2号機で毎時73シーベルトと高い数値を測定しているが、
格納容器の外での実測値として過去最大レベルという。

東電は原子炉に注水した水が格納容器からトーラス室を経由して、流出しているとみている。
今回の放射線量の測定は、損傷場所の特定などに役立てるつもりだが、
毎時10シーベルトは人が1時間いると高い確率で死亡する放射線量。
廃炉作業が極めて難航することが改めて浮き彫りになった。

放射線量は汚染水近くの空気中で毎時19.5ミリシーベルト~4520ミリシーベルトで、
水面のすぐ真上になると毎時10.3シーベルトに達した。
その後、水中では底部に近づくにつれて徐々に値は下がったが、ある地点を境に桁違いな数値に跳ね上がった。
東電はこの数値について「線量計が故障したとみられる」と説明した。

工業用内視鏡で汚染水の深さが5メートル超であることを確認した。
底面などにさびのような堆積物があったが、汚染水の漏洩箇所は特定できなかった。
水中が濁っており、60センチメートル先までしか内視鏡で見通せなかった。


東日本大震災:福島第1原発事故 
1号機で10.3シーベルト 原子炉建屋内で最高値

毎日新聞 2012年06月28日 東京朝刊

東京電力は27日、福島第1原発1号機の原子炉建屋内にある圧力抑制室外側で
毎時1万300ミリシーベルト(毎時10・3シーベルト)の放射線量を検出したと発表した。
1号機の原子炉建屋内では最高だった。
1号機は、1~3号機の中で最も核燃料の損傷度が大きく、
放射性物質を含む水が外に漏れているのが原因とみられる。

東電によると、26日に建屋1階から地下1階へ線量計などを挿入して調べると、
汚染水の高さは5・2メートル、水温は32~37度だったことが分かった。
線量は水面に近いほど高く、直上で同1万300ミリシーベルトを示した。
汚染水の透明度は約60センチで、配管には事故直後の海水注入の影響で、さびが生じていた。

人体は1000ミリシーベルトを全身に浴びると吐き気などが生じ、1万ミリシーベルトは致死量に当たる。
2号機の格納容器内では今春、同7万2900ミリシーベルトを検出した。

東電の松本純一原子力・立地本部長代理は27日の記者会見で、
「これだけの高線量下では、ロボットに作業を頼らざるを得ない」と述べた。【中西拓司】




原発危険度:24基「即時廃炉」 超党派議員がランキング
毎日新聞 2012年06月28日 23時00分(最終更新 06月28日 23時10分)

超党派の国会議員で作る「原発ゼロの会」は28日、
全国の原発50基を経過年数や地盤の状況、周辺人口などで採点した「原発危険度ランキング」を発表した。
危険度が最高だった日本原子力発電敦賀原発1号機(福井県)など24基は
過去の地震で被災したり、活断層上に立地していることから、
点数に関わらず「即時廃炉にすべきだ」と位置付け、
残り26基を危険度順に並べた。


NPO法人「原子力資料情報室」や原子力安全・保安院などの情報提供に基づき、
▽原子炉(炉型、経過年数、事故率など=配点6)
▽地盤など(耐震性、地盤状況=配点5)
▽社会環境面(周辺人口、事業者への行政処分の実績=配点4)
--の3分野9項目から、15点満点で評価したという。

「即時廃炉」の24基のうち、
敦賀1、2号機や菅直人前首相の要請で停止中の中部電力浜岡原発3~5号機(静岡県)は
「活断層上にある」ことが理由。
東京電力福島第1、第2原発(福島県)、
東電が13年度以降の再稼働を目指す柏崎刈羽原発1~7号機(新潟県)などは、
東日本大震災や07年の新潟県中越沖地震で被災したため「再稼働は危ない」と判定した。

10年間の運転延長が認められた関西電力美浜原発2号機(福井県)も、
91年2月に緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動する事故があったことから、即時廃炉を主張した。

「順次廃炉」を求める26基のランキングでは、
関電大飯原発1、2号機(同)が地盤の危険度が満点の5となるなど、計10.75で1位。
運転開始から40年が経過した美浜1号機は原子炉の危険度が4.6などで3位となった。
政府が再稼働を決定した大飯3、4号機は12位だった。

同会は民主、自民、公明、みんな、共産、社民、新党きづなの7党の衆参議員10人で構成。
山内康一衆院議員(みんな)は
「ドイツのように危険な原発から順に廃炉とする発想で、脱原発を考えるたたき台にしたい」と説明した。
【笈田直樹】


<2012年6月29日モーニングバードより>
全国50基の原発のうち即時廃炉に指定されたのはおよそ半分の24基の原発
「即時廃炉」の24基
危険度ランキング11

さらにそのほか残りの26基の原発の危険度ランキング
「順次廃炉」を求める26基のランキング
危険度ランキング12



続きを読むに番組内容を書き出しました。








福島第一原発1号機建屋地下で10.3シーベルト


千葉:
東京電力が昨日福島第一原発1号機の原子炉建屋地下の放射線量が、
毎時最大10.3シーベルトだったと発表しました。
それについてリスナーの方から質問がきています。
神奈川県にお住まいの方です。
「福島第一原発1号機の地下で毎時10.3シーベルトが観測されたそうです。
メルトダウンしたのだから『そうだろうな』と思うのですが、
小出さんはこの数値をどのようにお考えになりますか?」という質問です。


小出:
はい、今ご質問下さった方のおっしゃるとおりで、
すでに炉心が溶け落ちてしまっているのですから、その程度の値は十分出ますし、
多分もっともっと高いところもあると思います。

千葉:
あの改めてお伺いいたしますけれども、毎時10.3シーベルトというのは
ミリシーベルトに直すと1万300ミリシーベルト、ということは、
これを人間が浴びたらどうなるんでしょうか?

小出:
1時間当たりの被ばく量になっているのですが、
人間というのは8シーベルト被ばくをしますと全員死んでしまいます。
ですからその場所に1時間、ま、1時間弱いれば
全ての人は死ぬという、それほどの被ばく量になります。

千葉:あの、この量というのは法律が一般の人が1年間に浴びるという限度にしている1ミリシーベルトの

小出:1万倍ですね

千葉:あ・・・・・
それだけ高い数値が出たという事なんですけれども、
この数値はですね、トーラス室というところで計測されたという事なんですが、
ここはどんな場所なんでしょうか?

小出:
格納容器というものはドライウェルという、理科のフラスコのような形をしているものと、
サプレッションチェンバーと私たちが呼んでいるドーナツのようなもの、トーラスと呼ぶ時もあるんですが、
その二つが繋がった状態で格納容器というものを構成しているのです。
そして、トーラス室というのはドーナツ状のトーラス、あるいはサプレッションチェンバーと呼んでいるものが、
格納されている地下室です。

千葉:んー・・・
あの、その場所にこれから入るらなければいけないというような事も出てくるかと思うんですが、
このままではとても無理ですよね。

小出:とても無理です。

千葉:で、この数値というのは将来下がるんでしょうか?

小出:基本的に下がりません。

千葉:
ということはこれから何年たっても何十年経っても何百年経っても
この場所に人が近づいて廃炉作業というのは出来ないということですか?

小出:人間が行くことは多分出来ないと思います。

千葉:ハァ~・・・
となると将来ロボットかなんかを開発して、
近づかないようにして廃炉作業を進めていかなければいけないということですか?

小出:はい、
もう大変難しい作業になると思いますし、
作業自身を断念しなければならない可能性も高いと思います。

千葉:断念するということになるともうそのまんま…

小出:
はい、そのまんまチェルノブイリ原子力発電所の事故の時にやったように、
トーラス室を含めて原子炉建屋全体を石棺という形で封じ込めることになるという可能性があると思います。

近藤伸二:
小出さん、今回こういう高い値が出たんですが、
これはもう、ある局部だけが出たというよりは、そのあたり一帯は同じような値だと考えた方がいいんですか?

小出:
むしろ、もっと別のところにいけばもっと高いところがあるとわたしは思います。
たまたまその場所がその値だったというだけで、
若干低いところもあるでしょうし、もっと高いところもあると思います。

千葉:
でも、これくらいの数値が出ているということは、
本当に今の段階ではどうしようもないという状況なんですね。

小出:そうですね、人間が行くということは少なくても全くできません。


日本の原発 危険度ランキング


千葉:ん・・・・はいわかりました。
続きましては朝日新聞が伝えるところによりますと、
与野党の超党派議員でつくる「原発ゼロの会」が、
全国に50ある原発の危険度ランキングをまとめたという事なんです。
年数や、炉のタイプ、耐震性や地盤状況、周辺人口などを含めて評価したという事なんですが、
実は上位には福井県にある原発がずらりと並んでいまして、
1位から6位までが全部福井県にある原発でして、
1位2位が大飯原発1号機2号機。
3位が敦賀1号機。
4位が美浜2号機。
5位が美浜1号機。
6位が美浜3号機ということになっているんですが、
小出さん、これだけ福井県の原発が上位に並ぶのはどういう訳なんでしょうか?

朝日新聞の順位はポイント順に即時廃炉関係なく50基の原発の順位が表になっています。)

小出:
敦賀と美浜の1号炉は、今現在現存している日本最古の原発ですから、
当然上位に入ってくるでしょうし、
美浜2号機も美浜3号機も比較的早い時期に動き出している原子力発電所ですので、
ま、危険ランキングで言えば上位に入ると思います。
そして若狭湾は今、地震あるいは活断層という問題が出てきていますので、
それが評価されたのではないかと私は思います。
詳しくその評価のやり方を知りませんので何とも言えませんが多分そうだと思います。
で、大飯1号機と2号機というのは、非常に特殊な実は原子炉でして、
世界的にも多分10基ないんじゃないかと思う位の特殊な構造をしているのです。
格納容器というのが放射能を閉じ込める最後の防壁なのですが、
例えば昨年事故になった福島第一原子力発電所の1号機から4号機では、
格納容器の設計耐圧は約4気圧あります。
で、若狭湾にある関西電力の原子力発電所、加圧水型と言っているものも、
基本的には2.5気圧位あると思いますし、
大飯3号機4号機は4気圧の設計耐圧があります。
しかし1号機と2号機だけは0.84気圧しか設計耐圧が無いのです。
簡単に壊れてしまうという、そういう格納容器を使っていまして、
もし格納容器が壊れれば、放射能の防壁が一切なくなってしまいますので、
大変危険が大きいと考えなくてはなりません。

千葉:格納容器自体の強度が他の原発と比べると非常に低いという事なんですか?

小出:圧倒的に低いのです。

千葉:えぇぇぇーっ!!

小出:はい

千葉:あ、それでこんなに危険度が高くなっているわけなんですか。

小出:大飯1号2号を危険度ランキングで上にあげるとすれば、多分それだとおもいます。

千葉:あの、何でまた、そんなもともと低い状況になっているわけですか?

小出:
まあ、その当時の、大飯1号機2号機を造った時の設計思想の反映だと思うのですが、
原子炉が溶けたりすると大量の蒸気が噴き出してくるのですが、
それを、格納容器の中に大量の氷をあらかじめ入れておきまして、
氷で蒸気を冷却して、圧力が高くならないという、そういう設計だったのです。
アイスコンデンサーと私たちが呼ぶ、非常に特殊な設計で、大飯1号機2号機は造られました。

千葉:
でも、それが分かった時点で、たとえばそれを補強するだとか、
もう少し強めるだとかそういうことはされていなかったのですか?

小出:
もう今更出来ないと思いますし、
まぁもともと1号機も2号機も米国のウェスティングハウスという原子炉メーカーが造ったのですけれども、
ウェスティングハウスもやはり「この設計はまずい」という事で、
そのアイスコンデンサー式の格納容器はすぐに姿を消してしまったのです。

ですから、大飯1号機2号機は世界的にも特殊な、格納容器の設計耐圧が低い原子炉になっています。

千葉:はぁ・・・・・

近藤:
あの小出さん、
大飯3号機と4尾号機ですね、まさにこれから再稼働という段階なんですけれども、
これを見ますと26位という、かなり低いんですけれども、
1号機2号機と3号機4号機、これはまた違う設計なんですか?

小出:
はい。
今聞いていただいたように1号機2号機はアイスコンデンサーという非常に特殊な格納容器になっていますし、
3号機4号機はまた元に戻りまして、通常のPWR型の格納容器になっています。
そしてさらに格納容器の設計耐圧が、通常は2.5気圧位の物を、
大飯3号機4号機は確か4気圧まで高めていたと思います。

千葉:
じゃあ、同じ原発の中にある原子炉といっても、
1号機と2号機、3号機と4号機では大きく違っているのがあるということですねぇ。

小出:そうです。
その時代時代の設計を反映してしまいますので、
同じ大飯の原子炉といっても、違う原子炉なのです。

近藤:
その1号機2号機はこの補強といいますか、なんか改めて工事するとか、
そういうことはできないんですか?

小出:
格納容器というのは大変巨大な建屋ですので、
それをもし補強しようと思うと膨大なお金がかかってしまいますし、
多分出来ないだろうと私は思います。

千葉:ん~~
わかりました小出さん、どうもありがとうございました






関連記事
comment 2
コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2012.06.29 18:55 | 編集
オーストラリアABCが、福島第一原発4号機の燃料プールの問題について取材を行った。
初公開された4号機燃料プールも取材
小出裕章氏やロバート・アルバレス氏にインタビューを行い
その深刻な危険性について語ってもらっている。
鈴木智彦氏にも取材
氏の潜入取材映像も紹介
4号機建屋の補強工事の杜撰さについて現場作業員の証言
村田光平元駐スイス大使にも取材
http://www.youtube.com/watch?v=_TJo0HLFR_s&feature=player_embedded
AKB 3 | 2012.06.29 18:59 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top