・原子力規制委員会メンバーのガイドラインについて
・福島第一原発4号機冷却装置の故障について
2012年7月4日水曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
ちゃんと抜け道用意されています「原子力規制委員会の人選基準」
7/3報道ステ(書き出し)&7/4東京新聞
規制委員選考のガイドラインについて、報道ステーションの番組内容と、東京新聞の記事です。
福島第一原発4号機冷却停止6/30
冷却できずに100度を超える日は7月5日
4号機プール冷却停止に関する記事3件
東京電力のホームページからの転載。
武田邦彦先生のブログ。
冷却装置が起動したという東電からのメール
4号機プール冷却停止 予備装置も機能せず
ANN(07/02 22:36)
福島第一原発4号機の使用済み燃料プールで、
冷却装置が30日朝から1日午後3時までの約33時間にわたって停止した問題。
バックアップ用の冷却装置も動かなかった原因が改めて分かった。
東京電力、松本純一原子力・立地本部長代理:
「予備機のほうに切り替えるような運用を当然考えていたが、
あの制御装置のほうに関してはまだそこまで対応ができない状況で」
停止した原因は、冷却装置を制御する機械の電源故障だ。
この機械1台で正規の冷却装置とバックアップ用の冷却装置の両方を制御していたため、
バックアップも動かなかったのだ。
そもそも第一原発の事故では、非常用の発電機が2台とも地下にあったため
、同時に津波で被災し、バックアップ本来の働きをしなかった。
東京電力は、将来的には4号機燃料プールのバックアップ冷却装置用にもう1台の電源装置も導入したいとしている。
続きを読むに
番組内容を書き出しました。
原子力規制委員会メンバーのガイドラインについて
水野:
まずですね、原子力の安全をつかさどる原子力規制委員会のメンバーを誰にするか?
というガイドラインが明らかになってきました。
委員長と委員4人合わせて5人を選ぶ基準なんですが、
簡単に申し上げますと、この委員、委員長に就任する前の3年間にわたって調べられるんですね。
原子力事業者や、関連団体の役員、従業員だった人はダメ。
いうたら、電力会社や原子炉メーカーに勤めていたり、役員だった人はダメということですね。
それから、同じ原子力事業者から、一定額以上の報酬を受け取った人もダメ。
で、この一定額ってなんぼやねん?というと、
大体、年間50万円程度が考えられているそうです。
ですから、講演料とか原稿を書いたお金とか、コンサルタントの委託料など、
これも全部この報酬の中に考えられるという事です。
で、こうした人たちを除いて選びますという基準が出てきたんですが、
小出先生、
わたしなんかは、逆に言うと
「これまでこんな人でも良かったんや!」
「原子炉メーカーに勤めている人でも良かったんやっていうことにビックリしたんですが、
実態はどんなもんだったんですか?
小出:
これまでは水野さんがおっしゃったとおりです。
電力会社の社員が、大学にたとえば移ったりして、それが委員になったりするというのはもう山ほどあります。
水野:えっ?
じゃ、私たちはいま大学の先生だと思えば、研究者だと思ってしまうわけですよ。
しかしながら、その何年か前まで電力会社の社員だった人がいはるんですね?
小出:そうです。
水野:はぁ~~っ??ビックリしますわ。そんなのも今までOKだったと。
小出:はい。
水野:
で、細野環境大臣はですね、
ある程度以上の有識者の方だったら講演で年50万円という事もありうる話なので、
これは相当厳しい基準ですよと、おっしゃっているんですが、
小出さんからご覧になるとこの条件で、原子力ムラからの完全な決別というのはできるのかどうか?
十分な条件だと思われますか?
小出:もちろんできません。
水野:もちろんできないっ!?どういうところでしょう?
小出:
原子力ムラというのは、大変広い組織なのです。
多分原子力学会という学会だけでも、6000人とか8000人位いると思います。
その中には、モーレツな推進の人からですね、電力会社の社員も含めているわけですけれども、
そうではないという人もまた、山ほどいるわけで、
人選をすること位は容易なことです。
水野:あ、そうですか。
小出:はい
水野:
新聞を見ていますと、人選出来るのだろうか?あまりに厳しい基準で、前途多難だ。
なんていう文字が躍っているんですが、
それは甘い味方なんですね。
小出:
ようするに、日本という国が原子力を進めるということを決めた訳ですね。
先日原子力委員会の設置法かなんかも書きかえられましたけれども、
その中には新たに「我が国の安全保障」などという言葉をいきなりすべり込ませたりしてきたわけですね。
で、そうやりながら原子力を進めるという事を日本の国が歌っているわけですから、
それに沿うような人をただ選べばいいというだけのことであって、
人材など山ほどいるのです。
水野:あ、いるんですか。
小出:はい
水野:
つまり、原子力開発を、
原発を続けていくという中のお仲間から選ぶっていう話に変わりはないっていうことですね。
小出そうです。
水野:つまり小出先生に声はかからないであろうという事なんですか、
小出:もちろんかかりません( ´艸`)★。、::。.::・'゜
水野:(つ∀`*)っ))⌒☆アハハハハ・・もちろんかからないんですか、
小出:はい。
水野:もし小出先生が引き受けるとしたら、どうしはりますのん?
小出:
まず、先程の「わが国の安全保障のため」とか、
そういう文言を削除していただかなければ、わたしは嫌ですし、
何よりも原子力基本法、原子力を推進すると書いてあるのですね、基本法に。
わたしはですからそれをなくしてもらわないと、わたしはやりません。
水野:ああ・・・そうか、
小出:はい。
水野:もう大元のところで、小出さんは引き受けることができないとおっしゃるわけですね。
小出:
要するに国がやると決めている以上は、誰がなっても同じなのです。
結局は引きずられることになります。
水野:
わたくしはシロウトで、想像ですけどね、
今回50万円という、年間のお一定の額が示されていますが、
こういうはっきりとしたお金じゃなく、
形でいろいろと便宜を図るというような事も原子力ムラにはあるんじゃないかと思うんですよ。
小出:
もちろんそれもあるでしょうし、
これまでたまたま50万円を貰わなかったという人だって、山ほどいるんですね。
ですからそういう人をただただ指名すればいいのですから、
人選が難しいということはないと思います。
水野:近藤さんいかがですか?
近藤:
これは先生、その、人選が、何とでも選びようがあるということになりますとね、
ん・・その段階で、やっぱりクレームを付けるっていう作業はマスコミの側にゆだねられてきますよね。
小出:そうですね、
マスコミの方にしっかりしてほしいと私は願います。
近藤:
ですよね。
そうすると・・・何を調べればいいんですかね?
やっぱり経歴的なことですか?
経歴は明らかになりますよね、すぐに。
小出:
はい、もちろんなりますね。
ただこれまでどれだけ原子力推進に加担してきたか、とか
そういうことはもちろんマスコミの方達に調べていただきたいと思いますが、
ただ私は今聞いていただいたように、
どんな人がなったとしても、国がやるという基本方針を決めている以上は、
結局はそれに引きずられるだけだと思います。
近藤:
ということだよね。
だからそれを認め、「ハイ」って引き受けた人っていうのは、
それを認めているというのが前提になるよね?
小出:
もちろんです、
それを認めない限りは委員になれないはずですし、
みんなですから、それを認めたうえで委員になってしまうのであれば、
結局は原子力を推進することに加担するということです。
近藤:そこんところだから、中立もクソもないよね。
小出:だとおもいます。
近藤:ん・・・・なるほど・・
福島第一原発4号機冷却装置の故障について
水野:
それではもうひとつ、
福島第一原発4号機のプールについてうかがいたいと思います。
この4号機プールの冷却装置が6月30日の朝自動停止しました。
原因はまだ明らかになっておりません。
ま、何らかの理由で故障したということですよね。
今度、その時に必要なのは予備として設置されている別の系統の冷却装置なんですが、
この冷やす装置も起動しませんでした。できませんでした。
また、この原因も分からない、のです。
そして7月1日。ま、応急的な普及作業が行なわれて、冷却を再開したと東電が発表いたしました。
で、気になるのはですね、温度です。
水温が変化しました。
この冷却装置が停止した時は、33.3度だったんですって、
それがですね、翌日、7月1日の午後に冷却再開した時の水温は10度ほど上がって、42.9度。
こんな状況なんですけど、
これもしもですよ、冷却が再開できていなかったらどうなるんですか?
小出:どんどん温度が上がります。
水野:となるとどうなるんですか?
小出:
もし100度を越えてしまいますと、水は蒸発していってしまいますので、
プールの水の量が減っていくということになると思います。
水野:そうするとその中に眠っている、燃料、核燃料、使用済み核燃料、は・・・・溶けだすんですよね。
小出:
プールの深さが10数mありますので、
そこまで水がどんどん蒸発してなくなるまでにはまた時間がかかるとおもいます。
水野:
はい、これ、
わたしたちはじゃあ、
「まぁまぁ、次の日にちゃんと冷却再開されたんだから、安心だわ」と思っていいんですか?
小出:
えーっと、もちろん冷却をしなければいけないわけですから、
ポンプが回らなかった原因を突き止めて、きちっとまた回るようにするという事をやらなければならなかった訳で、
1日の間にできたから良かったということですね。
それが1週間できなければ、水がたぶん100度を超えて沸騰するような状態になった筈だと思います。
水野:ハァ・・1週間という、それぐらいの単位なんですね。
小出:
1日で約10度上がっているのですね。
それでもう40度になっているのですから、あと5,6日経てば100度になってしまうということです。
水野:
ハァ~これ4号機のプールでは
6月4日から6日にかけても循環水ポンプの故障で冷却が停止したと。
その時水温が42度まで上がったという事実もあったばかりなんですけれども、
これ、私たちはどう受け止めたらいいんですか?
小出:
冷却するということは一番大切なことな訳ですから、
そこに不具合が生じないように東京電力が本当は、
もっとちゃんとやっておかなければいけないのだと私は思いますが、
猛烈な被ばく環境な訳ですし、
作業員の方々は被ばくしながら作業をしているわけですから、
ま、こんなことはあると覚悟するしかないと思います。
水野:
だけど4号機のプールはもうプール自体がですね、地震で相当いたんでいると、
で、その中には沢山核燃料が入っているとおっしゃいましたとね?確か。
小出:そうです。
水野:これ、セシウムの量で言うと広島原爆の何倍・・・?
小出:5000発分だと思います。
水野:
はぁー。
広島原爆の5000発分のセシウムの量が中にある。
だけどこれ、地震でなくともこうやって冷却装置が傷むっていう恐れがあるんですね。
平時でも。
小出:
あったんですね。
ただそれが1日位でなおるという、…今回はなおったのですし、
そういう範囲でとどまっているなら大丈夫ということですね。
水野:はい、でもこれいうたら全国の原子炉にある訳ですよね?プールって。
小出:そうです。
水野:はい、どうもありがとうございます。
・福島第一原発4号機冷却装置の故障について
2012年7月4日水曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>
ちゃんと抜け道用意されています「原子力規制委員会の人選基準」
7/3報道ステ(書き出し)&7/4東京新聞
規制委員選考のガイドラインについて、報道ステーションの番組内容と、東京新聞の記事です。
福島第一原発4号機冷却停止6/30
冷却できずに100度を超える日は7月5日
4号機プール冷却停止に関する記事3件
東京電力のホームページからの転載。
武田邦彦先生のブログ。
冷却装置が起動したという東電からのメール
4号機プール冷却停止 予備装置も機能せず
ANN(07/02 22:36)
福島第一原発4号機の使用済み燃料プールで、
冷却装置が30日朝から1日午後3時までの約33時間にわたって停止した問題。
バックアップ用の冷却装置も動かなかった原因が改めて分かった。
東京電力、松本純一原子力・立地本部長代理:
「予備機のほうに切り替えるような運用を当然考えていたが、
あの制御装置のほうに関してはまだそこまで対応ができない状況で」
停止した原因は、冷却装置を制御する機械の電源故障だ。
この機械1台で正規の冷却装置とバックアップ用の冷却装置の両方を制御していたため、
バックアップも動かなかったのだ。
そもそも第一原発の事故では、非常用の発電機が2台とも地下にあったため
、同時に津波で被災し、バックアップ本来の働きをしなかった。
東京電力は、将来的には4号機燃料プールのバックアップ冷却装置用にもう1台の電源装置も導入したいとしている。
続きを読むに

原子力規制委員会メンバーのガイドラインについて
水野:
まずですね、原子力の安全をつかさどる原子力規制委員会のメンバーを誰にするか?
というガイドラインが明らかになってきました。
委員長と委員4人合わせて5人を選ぶ基準なんですが、
簡単に申し上げますと、この委員、委員長に就任する前の3年間にわたって調べられるんですね。
原子力事業者や、関連団体の役員、従業員だった人はダメ。
いうたら、電力会社や原子炉メーカーに勤めていたり、役員だった人はダメということですね。
それから、同じ原子力事業者から、一定額以上の報酬を受け取った人もダメ。
で、この一定額ってなんぼやねん?というと、
大体、年間50万円程度が考えられているそうです。
ですから、講演料とか原稿を書いたお金とか、コンサルタントの委託料など、
これも全部この報酬の中に考えられるという事です。
で、こうした人たちを除いて選びますという基準が出てきたんですが、
小出先生、
わたしなんかは、逆に言うと
「これまでこんな人でも良かったんや!」
「原子炉メーカーに勤めている人でも良かったんやっていうことにビックリしたんですが、
実態はどんなもんだったんですか?
小出:
これまでは水野さんがおっしゃったとおりです。
電力会社の社員が、大学にたとえば移ったりして、それが委員になったりするというのはもう山ほどあります。
水野:えっ?
じゃ、私たちはいま大学の先生だと思えば、研究者だと思ってしまうわけですよ。
しかしながら、その何年か前まで電力会社の社員だった人がいはるんですね?
小出:そうです。
水野:はぁ~~っ??ビックリしますわ。そんなのも今までOKだったと。
小出:はい。
水野:
で、細野環境大臣はですね、
ある程度以上の有識者の方だったら講演で年50万円という事もありうる話なので、
これは相当厳しい基準ですよと、おっしゃっているんですが、
小出さんからご覧になるとこの条件で、原子力ムラからの完全な決別というのはできるのかどうか?
十分な条件だと思われますか?
小出:もちろんできません。
水野:もちろんできないっ!?どういうところでしょう?
小出:
原子力ムラというのは、大変広い組織なのです。
多分原子力学会という学会だけでも、6000人とか8000人位いると思います。
その中には、モーレツな推進の人からですね、電力会社の社員も含めているわけですけれども、
そうではないという人もまた、山ほどいるわけで、
人選をすること位は容易なことです。
水野:あ、そうですか。
小出:はい
水野:
新聞を見ていますと、人選出来るのだろうか?あまりに厳しい基準で、前途多難だ。
なんていう文字が躍っているんですが、
それは甘い味方なんですね。
小出:
ようするに、日本という国が原子力を進めるということを決めた訳ですね。
先日原子力委員会の設置法かなんかも書きかえられましたけれども、
その中には新たに「我が国の安全保障」などという言葉をいきなりすべり込ませたりしてきたわけですね。
で、そうやりながら原子力を進めるという事を日本の国が歌っているわけですから、
それに沿うような人をただ選べばいいというだけのことであって、
人材など山ほどいるのです。
水野:あ、いるんですか。
小出:はい
水野:
つまり、原子力開発を、
原発を続けていくという中のお仲間から選ぶっていう話に変わりはないっていうことですね。
小出そうです。
水野:つまり小出先生に声はかからないであろうという事なんですか、
小出:もちろんかかりません( ´艸`)★。、::。.::・'゜
水野:(つ∀`*)っ))⌒☆アハハハハ・・もちろんかからないんですか、
小出:はい。
水野:もし小出先生が引き受けるとしたら、どうしはりますのん?
小出:
まず、先程の「わが国の安全保障のため」とか、
そういう文言を削除していただかなければ、わたしは嫌ですし、
何よりも原子力基本法、原子力を推進すると書いてあるのですね、基本法に。
わたしはですからそれをなくしてもらわないと、わたしはやりません。
水野:ああ・・・そうか、
小出:はい。
水野:もう大元のところで、小出さんは引き受けることができないとおっしゃるわけですね。
小出:
要するに国がやると決めている以上は、誰がなっても同じなのです。
結局は引きずられることになります。
水野:
わたくしはシロウトで、想像ですけどね、
今回50万円という、年間のお一定の額が示されていますが、
こういうはっきりとしたお金じゃなく、
形でいろいろと便宜を図るというような事も原子力ムラにはあるんじゃないかと思うんですよ。
小出:
もちろんそれもあるでしょうし、
これまでたまたま50万円を貰わなかったという人だって、山ほどいるんですね。
ですからそういう人をただただ指名すればいいのですから、
人選が難しいということはないと思います。
水野:近藤さんいかがですか?
近藤:
これは先生、その、人選が、何とでも選びようがあるということになりますとね、
ん・・その段階で、やっぱりクレームを付けるっていう作業はマスコミの側にゆだねられてきますよね。
小出:そうですね、
マスコミの方にしっかりしてほしいと私は願います。
近藤:
ですよね。
そうすると・・・何を調べればいいんですかね?
やっぱり経歴的なことですか?
経歴は明らかになりますよね、すぐに。
小出:
はい、もちろんなりますね。
ただこれまでどれだけ原子力推進に加担してきたか、とか
そういうことはもちろんマスコミの方達に調べていただきたいと思いますが、
ただ私は今聞いていただいたように、
どんな人がなったとしても、国がやるという基本方針を決めている以上は、
結局はそれに引きずられるだけだと思います。
近藤:
ということだよね。
だからそれを認め、「ハイ」って引き受けた人っていうのは、
それを認めているというのが前提になるよね?
小出:
もちろんです、
それを認めない限りは委員になれないはずですし、
みんなですから、それを認めたうえで委員になってしまうのであれば、
結局は原子力を推進することに加担するということです。
近藤:そこんところだから、中立もクソもないよね。
小出:だとおもいます。
近藤:ん・・・・なるほど・・
福島第一原発4号機冷却装置の故障について
水野:
それではもうひとつ、
福島第一原発4号機のプールについてうかがいたいと思います。
この4号機プールの冷却装置が6月30日の朝自動停止しました。
原因はまだ明らかになっておりません。
ま、何らかの理由で故障したということですよね。
今度、その時に必要なのは予備として設置されている別の系統の冷却装置なんですが、
この冷やす装置も起動しませんでした。できませんでした。
また、この原因も分からない、のです。
そして7月1日。ま、応急的な普及作業が行なわれて、冷却を再開したと東電が発表いたしました。
で、気になるのはですね、温度です。
水温が変化しました。
この冷却装置が停止した時は、33.3度だったんですって、
それがですね、翌日、7月1日の午後に冷却再開した時の水温は10度ほど上がって、42.9度。
こんな状況なんですけど、
これもしもですよ、冷却が再開できていなかったらどうなるんですか?
小出:どんどん温度が上がります。
水野:となるとどうなるんですか?
小出:
もし100度を越えてしまいますと、水は蒸発していってしまいますので、
プールの水の量が減っていくということになると思います。
水野:そうするとその中に眠っている、燃料、核燃料、使用済み核燃料、は・・・・溶けだすんですよね。
小出:
プールの深さが10数mありますので、
そこまで水がどんどん蒸発してなくなるまでにはまた時間がかかるとおもいます。
水野:
はい、これ、
わたしたちはじゃあ、
「まぁまぁ、次の日にちゃんと冷却再開されたんだから、安心だわ」と思っていいんですか?
小出:
えーっと、もちろん冷却をしなければいけないわけですから、
ポンプが回らなかった原因を突き止めて、きちっとまた回るようにするという事をやらなければならなかった訳で、
1日の間にできたから良かったということですね。
それが1週間できなければ、水がたぶん100度を超えて沸騰するような状態になった筈だと思います。
水野:ハァ・・1週間という、それぐらいの単位なんですね。
小出:
1日で約10度上がっているのですね。
それでもう40度になっているのですから、あと5,6日経てば100度になってしまうということです。
水野:
ハァ~これ4号機のプールでは
6月4日から6日にかけても循環水ポンプの故障で冷却が停止したと。
その時水温が42度まで上がったという事実もあったばかりなんですけれども、
これ、私たちはどう受け止めたらいいんですか?
小出:
冷却するということは一番大切なことな訳ですから、
そこに不具合が生じないように東京電力が本当は、
もっとちゃんとやっておかなければいけないのだと私は思いますが、
猛烈な被ばく環境な訳ですし、
作業員の方々は被ばくしながら作業をしているわけですから、
ま、こんなことはあると覚悟するしかないと思います。
水野:
だけど4号機のプールはもうプール自体がですね、地震で相当いたんでいると、
で、その中には沢山核燃料が入っているとおっしゃいましたとね?確か。
小出:そうです。
水野:これ、セシウムの量で言うと広島原爆の何倍・・・?
小出:5000発分だと思います。
水野:
はぁー。
広島原爆の5000発分のセシウムの量が中にある。
だけどこれ、地震でなくともこうやって冷却装置が傷むっていう恐れがあるんですね。
平時でも。
小出:
あったんですね。
ただそれが1日位でなおるという、…今回はなおったのですし、
そういう範囲でとどまっているなら大丈夫ということですね。
水野:はい、でもこれいうたら全国の原子炉にある訳ですよね?プールって。
小出:そうです。
水野:はい、どうもありがとうございます。
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| 2012.07.05 13:33 | 編集