六ヶ所村再処理工場
恐るべき再処理の実態
六ヶ所村再処理工場
・目的は長崎原爆のプルトニウムを取り出すこと
・使用済み燃料棒からプルトニウムを取り出す方法
・33京ベクレルはクリプトン85だけの数字
・国も認める「一切捕捉しないで全量を放出する」ワケ
2012年7月12日木曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>六ヶ所再処理工場


千葉:
先週このコーナーでリスナーの方から頂いた質問で、
青森県六ケ所村の再処理工場から環境に出される放射性物質がメチャメチャ多いということで、
年間で33京ベクレルもあるというお話しについてうかがったんですけれども、
平均的な原子力発電所から環境に出される放射性物質の1年分を
この際処理工場から出される量は一日で抜いてしまうということでしたよね?
小出:そうです。
千葉:
再処理工場は、それぐらい多くの放射性物質を環境に出すという話で
わたくし、メチャメチャ驚いたものですから、もう少しこの事について、今日は詳しくお伺いしたいと思っております。
小出:はい。
千葉:
で、早速なんですが、
なんで、再処理工場はそんなに放射性物質が出るんですか?
小出:
再処理工場という名前を聞くとですね、
普通の方の中には
「原子力発電所が生み出す放射能をなにか処理してくれる、消してくれる工場なのか」
と考える方が結構いらっしゃる事に私は気が付きました。
しかし、再処理工場と言うのは、もちろん放射能を消したりできるわけではありませんで、
やることは、「プルトニウムという、長崎原爆の材料になった物質をただ取り出す」という事をやる工場です。
それでちょっと皆さんにイメージを持っていただきたいのですが、
原子力発電所でウランを燃やしていますが、
そのウランは、直径1cm、高さ1cmという、ちょっと大きめの枝豆の丸いような大きさのものが
セトモノで焼き固められてあります。
燃料棒という、細長い物干しざおのようなものの中にズラリと並べて詰めてあるのです。
で、運転中はそのウランが燃えて核分裂生成物、いわゆる死の灰ができていくのですが、
それと同時にプルトニウムという長崎原爆の材料も出来ていくという、そういう物理的な性質を持っています。
原子力発電所が長い間運転していると、
燃料を焼き固めた瀬戸物の中に、核分裂生成物とプルトニウムがどんどん溜まってきますし、
燃え残りのウランもまだ残っているという状態で、いわゆる使用済み燃料になります。
通常運転中は、それら全てが燃料棒という金属のさやの中に閉じ込められていることになっていますので、
原子力発電所から出てくる放射能は、基本的にはあまり多くないという状態にしてきたのです。
ただし、再処理という作業の目的はプルトニウムを取り出すという事なのです。
一体、じゃあ、瀬戸物に焼き固めたウランの塊の中から、
プルトニウムをどうやったら取り出すことができるのか?と言う事をみなさんに想像してほしいのですが、
まず、金属の棒の中に入っていたら全く手を付けることができませんから、
金属の棒を再処理工場で一番初めにちょん切ってしまいます。
つまり、せっかく放射性物質を閉じ込めておいた金属の鞘をバラバラにしてしまって、
セトモノをむき出しにするという作業から作業が始まるのです。
次にセトモノの中には核分裂生成物とプルトニウムと燃え残りのウランが、
混然一体となって一つのセトモノの塊をつくっているのですが、
その中からプルトニウムだけを取り出すという事をしようとしたら、どうしたらいいでしょうか?
千葉:ん・・・バラバラにしちゃうんですか?
小出:
はい、
バラバラにセトモノを砕くという事もいいかもしれませんけれど、
砕いたところで、いずれにしてもウランと燃え残りのウランと、核分裂生成物とプルトニウムが混然一体となって、
ただただバラバラとなったセトモノになるだけなのですね。
ですからどうするか?というと、
セトモノをドロドロに溶かして液体にすると言っているのです。
みなさん家庭の茶碗とかですね、お皿とか、箸置き。
それをドロドロに溶かすという事が想像できるでしょうか?
千葉:いやぁ.....あんまり想像できませんよね
小出:
出来ないですよね。
要するに大変困難なことをしようとしているわけで、
濃度の濃い硝酸を温度をかけて温めて、
その中でセトモノをドロドロに溶かしてしまうというのです。
そのうえで薬品を加えていって、燃え残りのウランと核分裂生成物とプルトニウムを、
ケミカル、化学的な操作をして分けるというのが再処理の作業なのです。
原子力発電所の中では、
せっかくセトモノの中に閉じ込めていた、あるいは燃料棒の中に閉じ込めていたという放射能を、
全部バラバラにしてむき出しにして液体にして分離するというのが再処理という作業なのです。
もう、途方もない危険な作業ですし、
放射能が外に出てきてしまうということは、もうどうしようもない事なのです。
千葉:
せっかく閉じ込めていた放射能、放射性物質を、
バラバラにする事によって外に出しちゃうという事なんですか..
小出:そうです。
千葉:えぇぇ・・・・・でも、そんなに沢山環境に出てしまうという事を国は認めているんですか?
小出:
もちろんです。
もともとこの再処理という作業は初めに聞いていただきましたように、
長崎原爆の材料だったプルトニウムをどうしても取り出さなければいけないという、
軍事的な要請で始められたのです。
軍事的な要請というのは、「安全性も経済性も無視出来る」という条件がありますので、
ようやくにして成り立った技術なのです。
ただ、日本というこの国は、
「取り出したプルトニウムを原爆にするのではなくてまた原子力発電所の燃料に使うんだ」という事を言って、
再処理という事をやろうとしたんです。
でも、軍事的な目的でやろうと、商業的な目的でやろうと、やることは同じな訳ですから、
膨大な放射性物質が環境に出てくるということは避けられないことになったのです。
千葉:え!?でも、33京ベクレルってすごい量の放射性物質がでてくる訳ですから、
小出:
はい、それはクリプトン85という、たった1種類の放射性物質でそれだけです。
その他にもトリチウムであるとか炭素14であるとか、
もうさまざまな放射性物質を環境に出すことになります。
千葉:これは、出すのを防ぐ技術というのはないんですか?
小出:
クリプトン85というのは「希ガス」と私たちが呼んでいる放射性物質でして、
完全なガス体で、どんなことをやっても他の物質と化合しないし、
フィルターというものにもくっつかないという、そういう特殊な性質を持っています。
そのため再処理工場側は、クリプトン85に関しては、
「一切捕捉しないで全量を放出する」と言っています。
ただし、やり方はあるのです。
たとえばクリプトン85というガスなのですけれども、
マイナス153度まで冷やすことができれば、液体に出来ます。
液体にできればもちろん閉じ込めることができるわけですから、
お金をかけてやる気になればできるのです。
ただし「そんなことはしない」というふうに再処理工場は言っています。
千葉:お金がかかるからですか?
小出:
お金がかかるからです。
すでに国の方はクリプトン85を閉じ込める技術を開発するために、
確か160億円だったと思いますが、研究開発資金を投入しました。
そして「出来る」という事が分かったのですが、
実際にやろうと思うとお金がかかるし、
仮に閉じ込めたとしてもそれをずーっとお守をするのも大変なので、
もう初めから放出してしまうという事にしました。
池田:
あの、小出さん、先日ですね、
例の福島原発からですね、使用済み燃料棒ではないとはいえ、燃料棒の取り出しの映像が映っていますよね。
あれ見ても、ま、多くの人達が見たと思うんですが、
かなりゾッとする話なんですが、
小出:そうですね
池田:
それをドロドロにしちゃうということになるとですね、
これはかなり愚かな行為の繰り返しと...ですね
小出:私はやるべきではないと思います
池田:
ですよね。
あれでもぞっとするような映像を見せつけられているような気がするんです。
小出:
そうですね、
原子力というものに手を染めてしまえば、どうしても放射性物質をつくってしまうわけです。
大変に困難な問題をこれからずーっと抱えていくことになります。
千葉:わかりました、小出さんどうもありがとうございました。
先週のたねまきジャーナル↓
たねまきJ
「福一4号機解体による粉じん・伊方原発再稼働の懸念・六ヶ所村再処理工場から放出される放射能」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)7/12
<一部抜粋>
千葉:
六ヶ所再処理工場から放出される放射能の量を調べてみて驚いております。
なんと、年間で大気中にクリプトン85というのが、33京ベクレル。
トリチウム、炭素、ヨウ素、セシウムなどなどが出ていると推定されております。
これらの放出量は生物に対して何の影響もないのでしょうか?
小出:
もちろん影響はあります。
ありますけれども、クリプトン85、炭素14、トリチウムというような放射性物質は、
捕捉しようとするとなかなか手間がかかるというそういう放射性物質でして、
六ヶ所再処理工場はそれらを何の手だても取らずに全量放出するとしています。
ですから大量に出てしまうということになっているのです。
で、今ご指摘がありましたけれども33京ベクレルという量を六ヶ所再処理工場は出すと言っています。
坂本龍一さん 16日、さようなら原発集会 ぶらり参加でいい
7/14東京新聞こちら特報部(書き出し)
<一部抜粋>
90年代から環境問題に関心を持ち始めたという。
原発に詳しくなかったが、2006年3月、グリーンピースのホームページ(HP)で、
青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場(再処理工場)の実態を知ったことが
脱原発に向かうきっかけとなった。
衝撃を受けたのは
「再処理工場から一日に出る放射性物質の量が、原発から一年に出る量と同じ」との事実。
「これを、愛する人たちに伝えなければと感じました」
ーーー過去の六ヶ所村関連ブログの一部
暴走する原子力ムラ「六ヶ所村再処理工場試運転再開」
日本原燃が、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の試運転を3年半ぶりに再開した。
福島第1原発事故で原子力を取り巻く情勢が一変した中で、既定路線への強い執着が際立った。
(2012年6月19日の記事3社)
「青森県六ケ所村の現実」核廃棄物再処理工場(完全内容書き出し)
核のゴミ抱える村 青森・六ヶ所村の現実 2011年7月4日放送の番組
「六ヶ所村の真実」長野智子 6/11/2011放送(動画&内容書き出し)
続きを読むに
つづく
「100000年後の安全」飯田哲也講演会(内容書き出し)7/9より抜粋
飯田哲也:
六ヶ所の再処理工場で処理をすればあたかも
魔法のようにゴミがなくなるかのように一般の人で誤解している人が多いのでびっくりした
六ヶ所再処理工場を動かすと、ゴミが無茶苦茶散らばって増えるんですね
まず、そのことを皆さん知らなければいけないです
何にたとえたらいいかな・・
家の中で、マヨネーズでもケチャップでもいいので
ケチャップが入っている物をぶち切って部屋の中にバーンとぶちまけるような状態ですね
そうすると、それをもう一回すくってケチャップのかたまりの部分は少なくなるけど
家じゅうに散らかった毒入りケチャップ、それをふき取ったペーパータオル
そんな物もみんな汚れてしまう
六ヶ所から出てくる核のゴミは使用済み燃料の数100倍、数1000倍の量が
同じような危険性のゴミが広がって行く
肥田舜太郎医師2007年の講演(低線量内部被曝と原発について)より抜粋
肥田舜太郎:
六ヶ所再処理工場は、原発1基1年分以上もの放射能を、1日で環境に出すといわれています。
本格稼動したら、三陸沿岸の漁業に深刻な悪影響が出るでしょう。
坂本龍一が語る環境問題。六ヶ所村(内容書き出し)より、一部抜粋
坂本龍一:
そのプルトニウムを作ると、その工場からは
普通の原発の一年で出すくらいの放射能が一日で出てきちゃうんです
それくらい放射能の危険度が高い訳です
で、それはどこに出しちゃうかって言うと
あの、・・・高い煙突を作って・・こう
伊藤:えっ!そうなの?
坂本:
高い煙突
そこがおかしいんだけど
わざわざ高いの作って出しちゃう
それから
青森の沖の海に4Kのパイプを作って海に流しちゃう。太平洋に
伊藤:へぇー。すごいね
坂本:
だから、その辺の海岸じゃないところがちょっと、もう笑わせるんだけど
でも、結局さ
このぼくたちの地球なんて惑星は
大気は循環しているし水も循環してるから
どこに出したって全部まわっちゃうんだよね
だから、そんな姑息なことやってる
だけども、そんな危険なものがあるんだけど
ほとんど知らないじゃない
ぼくも知らなかったし、みんなも知らないじゃない
青森での講演会。再処理工場とは? 小出裕章氏(内容書き出し)より、一部抜粋
小出裕章:
みなさんどうやって取り出します?プルトニウム
瀬戸物の中に混然一体として含まれているのですから
ナイフで削ったってとれないし トンカチで割ったってとりだせない つまむ事も出来ない
どうするかといえば、その瀬戸物をドロドロに溶かすというのです
みなさん家庭でお茶碗とかお皿とか瀬戸物はいっぱい使っていると思うけれども
それを溶かすって出来ますか?
想像できないですよね
瀬戸物を溶かすなんてまずできない
でも、再処理工場ではそれをやらなければ仕事にならないのです
そのために原子力発電所から運ばれてきた使用済み燃料は
まずは、燃料棒を、被覆管をズタズタにちょん切って
その被覆管というものはようやくにして放射能を閉じ込めていたのですけれども
その被覆管をズタズタにちょん切ってペレットをボロボロと取り出すんですね
でも、さっき聞いていただいたように
核分裂生成物という物は200種類ぐらいの放射能の集合体でして
中には気体になりやすい放射能があります
ですから被覆管をちょん切った時にその時に気体になりやすい放射能は溢れて出てくるのですね
それをどうするのかというと
敷地の中ですぐそこで外に出したら大変なので
高さ150メートルの煙突を作って その煙突の先から捨てるから・・・・・・・・・・
恐るべき再処理の実態
六ヶ所村再処理工場
・目的は長崎原爆のプルトニウムを取り出すこと
・使用済み燃料棒からプルトニウムを取り出す方法
・33京ベクレルはクリプトン85だけの数字
・国も認める「一切捕捉しないで全量を放出する」ワケ
2012年7月12日木曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
<参考>六ヶ所再処理工場


千葉:
先週このコーナーでリスナーの方から頂いた質問で、
青森県六ケ所村の再処理工場から環境に出される放射性物質がメチャメチャ多いということで、
年間で33京ベクレルもあるというお話しについてうかがったんですけれども、
平均的な原子力発電所から環境に出される放射性物質の1年分を
この際処理工場から出される量は一日で抜いてしまうということでしたよね?
小出:そうです。
千葉:
再処理工場は、それぐらい多くの放射性物質を環境に出すという話で
わたくし、メチャメチャ驚いたものですから、もう少しこの事について、今日は詳しくお伺いしたいと思っております。
小出:はい。
千葉:
で、早速なんですが、
なんで、再処理工場はそんなに放射性物質が出るんですか?
小出:
再処理工場という名前を聞くとですね、
普通の方の中には
「原子力発電所が生み出す放射能をなにか処理してくれる、消してくれる工場なのか」
と考える方が結構いらっしゃる事に私は気が付きました。
しかし、再処理工場と言うのは、もちろん放射能を消したりできるわけではありませんで、
やることは、「プルトニウムという、長崎原爆の材料になった物質をただ取り出す」という事をやる工場です。
それでちょっと皆さんにイメージを持っていただきたいのですが、
原子力発電所でウランを燃やしていますが、
そのウランは、直径1cm、高さ1cmという、ちょっと大きめの枝豆の丸いような大きさのものが
セトモノで焼き固められてあります。
燃料棒という、細長い物干しざおのようなものの中にズラリと並べて詰めてあるのです。
で、運転中はそのウランが燃えて核分裂生成物、いわゆる死の灰ができていくのですが、
それと同時にプルトニウムという長崎原爆の材料も出来ていくという、そういう物理的な性質を持っています。
原子力発電所が長い間運転していると、
燃料を焼き固めた瀬戸物の中に、核分裂生成物とプルトニウムがどんどん溜まってきますし、
燃え残りのウランもまだ残っているという状態で、いわゆる使用済み燃料になります。
通常運転中は、それら全てが燃料棒という金属のさやの中に閉じ込められていることになっていますので、
原子力発電所から出てくる放射能は、基本的にはあまり多くないという状態にしてきたのです。
ただし、再処理という作業の目的はプルトニウムを取り出すという事なのです。
一体、じゃあ、瀬戸物に焼き固めたウランの塊の中から、
プルトニウムをどうやったら取り出すことができるのか?と言う事をみなさんに想像してほしいのですが、
まず、金属の棒の中に入っていたら全く手を付けることができませんから、
金属の棒を再処理工場で一番初めにちょん切ってしまいます。
つまり、せっかく放射性物質を閉じ込めておいた金属の鞘をバラバラにしてしまって、
セトモノをむき出しにするという作業から作業が始まるのです。
次にセトモノの中には核分裂生成物とプルトニウムと燃え残りのウランが、
混然一体となって一つのセトモノの塊をつくっているのですが、
その中からプルトニウムだけを取り出すという事をしようとしたら、どうしたらいいでしょうか?
千葉:ん・・・バラバラにしちゃうんですか?
小出:
はい、
バラバラにセトモノを砕くという事もいいかもしれませんけれど、
砕いたところで、いずれにしてもウランと燃え残りのウランと、核分裂生成物とプルトニウムが混然一体となって、
ただただバラバラとなったセトモノになるだけなのですね。
ですからどうするか?というと、
セトモノをドロドロに溶かして液体にすると言っているのです。
みなさん家庭の茶碗とかですね、お皿とか、箸置き。
それをドロドロに溶かすという事が想像できるでしょうか?
千葉:いやぁ.....あんまり想像できませんよね
小出:
出来ないですよね。
要するに大変困難なことをしようとしているわけで、
濃度の濃い硝酸を温度をかけて温めて、
その中でセトモノをドロドロに溶かしてしまうというのです。
そのうえで薬品を加えていって、燃え残りのウランと核分裂生成物とプルトニウムを、
ケミカル、化学的な操作をして分けるというのが再処理の作業なのです。
原子力発電所の中では、
せっかくセトモノの中に閉じ込めていた、あるいは燃料棒の中に閉じ込めていたという放射能を、
全部バラバラにしてむき出しにして液体にして分離するというのが再処理という作業なのです。
もう、途方もない危険な作業ですし、
放射能が外に出てきてしまうということは、もうどうしようもない事なのです。
千葉:
せっかく閉じ込めていた放射能、放射性物質を、
バラバラにする事によって外に出しちゃうという事なんですか..
小出:そうです。
千葉:えぇぇ・・・・・でも、そんなに沢山環境に出てしまうという事を国は認めているんですか?
小出:
もちろんです。
もともとこの再処理という作業は初めに聞いていただきましたように、
長崎原爆の材料だったプルトニウムをどうしても取り出さなければいけないという、
軍事的な要請で始められたのです。
軍事的な要請というのは、「安全性も経済性も無視出来る」という条件がありますので、
ようやくにして成り立った技術なのです。
ただ、日本というこの国は、
「取り出したプルトニウムを原爆にするのではなくてまた原子力発電所の燃料に使うんだ」という事を言って、
再処理という事をやろうとしたんです。
でも、軍事的な目的でやろうと、商業的な目的でやろうと、やることは同じな訳ですから、
膨大な放射性物質が環境に出てくるということは避けられないことになったのです。
千葉:え!?でも、33京ベクレルってすごい量の放射性物質がでてくる訳ですから、
小出:
はい、それはクリプトン85という、たった1種類の放射性物質でそれだけです。
その他にもトリチウムであるとか炭素14であるとか、
もうさまざまな放射性物質を環境に出すことになります。
千葉:これは、出すのを防ぐ技術というのはないんですか?
小出:
クリプトン85というのは「希ガス」と私たちが呼んでいる放射性物質でして、
完全なガス体で、どんなことをやっても他の物質と化合しないし、
フィルターというものにもくっつかないという、そういう特殊な性質を持っています。
そのため再処理工場側は、クリプトン85に関しては、
「一切捕捉しないで全量を放出する」と言っています。
ただし、やり方はあるのです。
たとえばクリプトン85というガスなのですけれども、
マイナス153度まで冷やすことができれば、液体に出来ます。
液体にできればもちろん閉じ込めることができるわけですから、
お金をかけてやる気になればできるのです。
ただし「そんなことはしない」というふうに再処理工場は言っています。
千葉:お金がかかるからですか?
小出:
お金がかかるからです。
すでに国の方はクリプトン85を閉じ込める技術を開発するために、
確か160億円だったと思いますが、研究開発資金を投入しました。
そして「出来る」という事が分かったのですが、
実際にやろうと思うとお金がかかるし、
仮に閉じ込めたとしてもそれをずーっとお守をするのも大変なので、
もう初めから放出してしまうという事にしました。
池田:
あの、小出さん、先日ですね、
例の福島原発からですね、使用済み燃料棒ではないとはいえ、燃料棒の取り出しの映像が映っていますよね。
あれ見ても、ま、多くの人達が見たと思うんですが、
かなりゾッとする話なんですが、
小出:そうですね
池田:
それをドロドロにしちゃうということになるとですね、
これはかなり愚かな行為の繰り返しと...ですね
小出:私はやるべきではないと思います
池田:
ですよね。
あれでもぞっとするような映像を見せつけられているような気がするんです。
小出:
そうですね、
原子力というものに手を染めてしまえば、どうしても放射性物質をつくってしまうわけです。
大変に困難な問題をこれからずーっと抱えていくことになります。
千葉:わかりました、小出さんどうもありがとうございました。
先週のたねまきジャーナル↓
たねまきJ
「福一4号機解体による粉じん・伊方原発再稼働の懸念・六ヶ所村再処理工場から放出される放射能」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)7/12
<一部抜粋>
千葉:
六ヶ所再処理工場から放出される放射能の量を調べてみて驚いております。
なんと、年間で大気中にクリプトン85というのが、33京ベクレル。
トリチウム、炭素、ヨウ素、セシウムなどなどが出ていると推定されております。
これらの放出量は生物に対して何の影響もないのでしょうか?
小出:
もちろん影響はあります。
ありますけれども、クリプトン85、炭素14、トリチウムというような放射性物質は、
捕捉しようとするとなかなか手間がかかるというそういう放射性物質でして、
六ヶ所再処理工場はそれらを何の手だても取らずに全量放出するとしています。
ですから大量に出てしまうということになっているのです。
で、今ご指摘がありましたけれども33京ベクレルという量を六ヶ所再処理工場は出すと言っています。
坂本龍一さん 16日、さようなら原発集会 ぶらり参加でいい
7/14東京新聞こちら特報部(書き出し)
<一部抜粋>
90年代から環境問題に関心を持ち始めたという。
原発に詳しくなかったが、2006年3月、グリーンピースのホームページ(HP)で、
青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場(再処理工場)の実態を知ったことが
脱原発に向かうきっかけとなった。
衝撃を受けたのは
「再処理工場から一日に出る放射性物質の量が、原発から一年に出る量と同じ」との事実。
「これを、愛する人たちに伝えなければと感じました」
ーーー過去の六ヶ所村関連ブログの一部
暴走する原子力ムラ「六ヶ所村再処理工場試運転再開」
日本原燃が、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の試運転を3年半ぶりに再開した。
福島第1原発事故で原子力を取り巻く情勢が一変した中で、既定路線への強い執着が際立った。
(2012年6月19日の記事3社)
「青森県六ケ所村の現実」核廃棄物再処理工場(完全内容書き出し)
核のゴミ抱える村 青森・六ヶ所村の現実 2011年7月4日放送の番組
「六ヶ所村の真実」長野智子 6/11/2011放送(動画&内容書き出し)
続きを読むに

「100000年後の安全」飯田哲也講演会(内容書き出し)7/9より抜粋
飯田哲也:
六ヶ所の再処理工場で処理をすればあたかも
魔法のようにゴミがなくなるかのように一般の人で誤解している人が多いのでびっくりした
六ヶ所再処理工場を動かすと、ゴミが無茶苦茶散らばって増えるんですね
まず、そのことを皆さん知らなければいけないです
何にたとえたらいいかな・・
家の中で、マヨネーズでもケチャップでもいいので
ケチャップが入っている物をぶち切って部屋の中にバーンとぶちまけるような状態ですね
そうすると、それをもう一回すくってケチャップのかたまりの部分は少なくなるけど
家じゅうに散らかった毒入りケチャップ、それをふき取ったペーパータオル
そんな物もみんな汚れてしまう
六ヶ所から出てくる核のゴミは使用済み燃料の数100倍、数1000倍の量が
同じような危険性のゴミが広がって行く
肥田舜太郎医師2007年の講演(低線量内部被曝と原発について)より抜粋
肥田舜太郎:
六ヶ所再処理工場は、原発1基1年分以上もの放射能を、1日で環境に出すといわれています。
本格稼動したら、三陸沿岸の漁業に深刻な悪影響が出るでしょう。
坂本龍一が語る環境問題。六ヶ所村(内容書き出し)より、一部抜粋
坂本龍一:
そのプルトニウムを作ると、その工場からは
普通の原発の一年で出すくらいの放射能が一日で出てきちゃうんです
それくらい放射能の危険度が高い訳です
で、それはどこに出しちゃうかって言うと
あの、・・・高い煙突を作って・・こう
伊藤:えっ!そうなの?
坂本:
高い煙突
そこがおかしいんだけど
わざわざ高いの作って出しちゃう
それから
青森の沖の海に4Kのパイプを作って海に流しちゃう。太平洋に
伊藤:へぇー。すごいね
坂本:
だから、その辺の海岸じゃないところがちょっと、もう笑わせるんだけど
でも、結局さ
このぼくたちの地球なんて惑星は
大気は循環しているし水も循環してるから
どこに出したって全部まわっちゃうんだよね
だから、そんな姑息なことやってる
だけども、そんな危険なものがあるんだけど
ほとんど知らないじゃない
ぼくも知らなかったし、みんなも知らないじゃない
青森での講演会。再処理工場とは? 小出裕章氏(内容書き出し)より、一部抜粋
小出裕章:
みなさんどうやって取り出します?プルトニウム
瀬戸物の中に混然一体として含まれているのですから
ナイフで削ったってとれないし トンカチで割ったってとりだせない つまむ事も出来ない
どうするかといえば、その瀬戸物をドロドロに溶かすというのです
みなさん家庭でお茶碗とかお皿とか瀬戸物はいっぱい使っていると思うけれども
それを溶かすって出来ますか?
想像できないですよね
瀬戸物を溶かすなんてまずできない
でも、再処理工場ではそれをやらなければ仕事にならないのです
そのために原子力発電所から運ばれてきた使用済み燃料は
まずは、燃料棒を、被覆管をズタズタにちょん切って
その被覆管というものはようやくにして放射能を閉じ込めていたのですけれども
その被覆管をズタズタにちょん切ってペレットをボロボロと取り出すんですね
でも、さっき聞いていただいたように
核分裂生成物という物は200種類ぐらいの放射能の集合体でして
中には気体になりやすい放射能があります
ですから被覆管をちょん切った時にその時に気体になりやすい放射能は溢れて出てくるのですね
それをどうするのかというと
敷地の中ですぐそこで外に出したら大変なので
高さ150メートルの煙突を作って その煙突の先から捨てるから・・・・・・・・・・
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