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07.24
Tue
「放射能の直接的な影響で亡くなった方というのは、一人もいらっしゃいません」
「それが、今後、5年10年経っても、この状況は変わらないというふうに考えています」
テレビのニュースでもたびたび流れた中部電力の社員の方の発言。
全部書きだしてみました。


武田邦彦先生は、この報道を見てこのようにおっしゃっています↓
「中部電力課長の発言から一夜」7/17武田邦彦氏(音声書き出し)





エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会 [名古屋会場]


2012年7月16日

40:48~


それでは、意見番号3番の方は20~25シナリオについ意見表明と伺っております。
では3番の方、よろしくお願いいたします。


中電 原子力部 課長級の岡本道明さん(46):
はい、名古屋市在住の岡本と申します。
え、職業ですけれども、中部電力に勤める会社員でございます。
えー、ですが、本日は個人として意見を述べさせていただくために参りました。
え、よろしくお願いいたします。

えー、今ご紹介がありました通りわたくしは、え、20~25%シナリオを選択してございます。
え、今回のように原子力発電の必要性についての論議になりますと、
たいてい安全か経済かの、え、二個対立になることが多くございます。
ま、具体的には、え、「経済成長よりも安全や命の方が大事です」というような論調になります。

しかし私はこの二つを全く別のものだとは考えておりません。
え、世界では、え、貧困で亡くなっていられる方が多数いらっしゃいます。
えー、薬や医療技術があっても、えー、救えないと、
お金がないために救えない命というものが沢山あります。

え、以前、「おにぎりが食べたい」と言って亡くなった方がいらっしゃいました。
これも経済が回って、地域にお金が行きとどいていれば、救えた命ではないかと私は思っております。

中部電力11

え、昨年の、え、福島事故でもそうだというふうに考えています。
えーー、放射能の直接的な影響で亡くなった方というのは、え、一人もいらっしゃいません。
それが、今後、5年10年経っても、この状況は変わらないというふうに考えています。

・・・・
・・・・

あのー・・

いや、中部電力であることは事実です。
しかしこれは疫学のデータから見たらまぎれもない事実です。
それは5年10年経てば分かります!


えー、続けさせていただきます。

えー、じゃあ実質的な福島事故の被害ってなんでしょうか?というと、
これは警戒区域等を設定する事によって、
家ですとか、仕事を失ってしまったり、
あるいは、風評被害ですとか、過剰な食品基準値の設定によって、
せっかく作った作物が売れなくなってしまったりと、
こういう事によって、先行きを悲観して、
えー、自らの命を絶たれてしまったりですとか、
え、体調を崩してしまったりですとか、
えー、生活が立ちゆかないという事が発生しております。


これはまさに経済的な影響が、安全や命を犯してしまった例であるというふうに私は考えています。

私は経済的なリスクが、
命や環境の安全リスクに繋がることとして捉えられていないということを強く懸念しています。

経済が冷え込んで、消費が衰退して、企業の国際競争力が低下してしまえば、
福島事故と同じ事、あるいはそれ以上のことが日本全体で起こるというふうに考えています。

そういう視点で、
私たちは各シナリオのリスクが、どれだけ共有されているかという事を問いたいと思います。

え、放射能の影響に対する過剰反応で、脱原発の論調が席巻されております。
しかしながら、報道されている内容に偏りはないでしょうか?

えー、経済的なリスクを安全に無関係だというふうにして、最初から切り捨ててはいないでしょうか?

わたくしは各シナリオのリスクを全て理解したうえで、
国民がそのシナリオを選択するならば、それは仕方がないというふうに考えています。
でも、それで本当にやっていけるでしょうか?
私は無理だと思っています。

たとえば、再生可能エネルギーのリスク認識、これがどれだけ共有されているでしょうか?
一般的には天候に左右されるですとか、あるいは出力が低いですとか、
電力系統が不安定になるですとか、
こういった問題は、えー、共有されているように感じます。

しかし、もっと見逃せない問題がございます。
それは、お金の問題です。


たとえば太陽光発電になりますけれども、
えー、0%シナリオの場合、
先程の方もちょっとございましたけれども、
昭和55年以降に建築された一戸建て。
1200万戸すべてに太陽光パネルを設置しなければならない。
しかも、このうち200万戸は、えー、パネルを乗せたら潰れてしまうので、
改修が必要な住宅になってくる。
これは資料にあった通りです。
この設置や改修に必要な費用というのは、先程もございましたけれどもだれが負担するんでしょうか?

みなさんそれをご自分で負担するという覚悟はございますか?
もちろん払えない人もいるでしょう。
そういう方達は、国が補てんして下さるんでしょうか?

それは結局税金としてかえってきたりとか、
あるいは、900兆円を超えると言われている国債に、これにさらに上乗せをして、
結局将来の子供や孫たちのために、への、ツケとして残ってしまうという、
こういうことになってしまいます。

それとも電力会社に払わせるという事を考えるのでしょうか?
しかしそれは電気料金として、結局みなさんのところへ返ってくることになります。

そういう覚悟はあるでしょうか?

えー、設備は永遠に使われると思われているでしょうか?
太陽光パネルの寿命は、えー、20年というふうに言われています。
あるいは周辺機器の寿命は10年というふうに言われています。

ということは10年、20年のスパンでこれらを廃棄して、
あるいは再設置すると、こういう事をやっていかなければならないのです。

風力発電はどうか?と言っても、
同じように19兆円ものコストがかかります。
えー、経産省の試算では0%シナリオを選択した場合には、
家庭の電気料金が最大2.3倍になるというふうに言われています。

えー、10%値上げをするという事ですらあれだけの大きな反響があるのに、
それができるんでしょうか?

えー、企業はもっと大変です。
電気料金が1000万円とか1億円とかかかっている産業はざらにあります。
それで国際競争ができていくんでしょうか?

電気をこまめに消すとか、冷房を扇風機に変えるとかで、
えー、何とかなるというレベルではないという事を御認識いただいてですね、

もっと困ったことがあります。
それでは、お金では解決できないという問題です。

えー、太陽光発電の場合新宿の住戸にこれから全て太陽光パネルを付けることを強制したとしても、
2030年に付けられるのは600万戸程度です。
つまり目標の半分。
この差をどう埋めるんでしょうか?

風力の場合は、えー、東京都の2.2倍の敷地が必要と。
そんな広大な土地をどうやって買収するんでしょうか?
そういうメドは立っているんでしょうか?

地熱発電の場合は自然公園ですとか、温泉地の近郊に建てることになります。
これは自然公園を破壊したりとか、
温泉のお湯が出なくなってしまって、温泉を廃業しなければならないと、
そういうリスクがあることをみなさん認識を頂いているでしょうか?

水力はどうでしょうか?
もう開発の余地はありません。

つまり再生エネルギー35%というのは最初から破たんしたシナリオになっています。
結局頼っていくのは火力発電ということになります。

現在どうなっているかというと、
毎日100億円、年間3兆円の資本が火力発電の燃料費として
海外に流出していることをみなさんご存知でしょうか?

もちろん電力会社の経費を節減せよというご意見もあるでしょう。
しかし、火力発電のコストというのは、大半が燃料費なんです。
ですから、電力会社の人件費をゼロにしたところで、
事態はほとんど変わらないという事をご存じでしょうか?

もっと困るのはお金で解決ができない問題です。
今年の初めのようにイランとアメリカがもめて、ホルムズ海峡が封鎖されることが現実になったら、
LNGの2割とか、石油の9割がストップしてしまう。
そうなったらお金をもういくら積んでもダメだということです。

私はとても無理だと思います。
省エネで頑張るという意見もありますけれども、ストーブが販売禁止になるとか、
ガソリン自動車がサカイヤイキ?に乗り入れできないとかいったことを本当にやる気があるんでしょうか?

日本国民の全員にこれが徹底できるんでしょうか?
私は出来ないと思っています。

最後に、公平のために、20~25%シナリオにもリスクがあるという事を申し上げて
話を終わりたいと思います。

ただしそれは原子力のリスクではありません。

再生可能エネルギーを23~30%に引き上げるという、前提が入っているというリスクです。
これは15%シナリオにも言える事なんですけれども、
程度の差こそあれ、財政負担ですとか、せきす・・え、スケジュールが困難であるということ、
用地の買収が不可能であるとか、そういった抱えているものの問題は0%シナリオと同じなんです。
つまり、このシナリオも破たんしたシナリオなんです。
結局最後は火力発電に依存して、中東の情勢が不安なのを、えー、
ヒヤヒヤしながら高い電気料金を払い続ける。
こういう結末は変わらないんです。

わたくしは
35%シナリオがあれば、35%。
45%シナリオがあれば、45%を選択しておりました。

それは、
その方が安全だからです。

提示された選択肢というのは他のリスクに比べて原子力のリスクを過大に評価していると思います。
えー、このままでは日本は衰退の一途をたどると思います。
えー、国民の皆様の冷静なご判断を望みたいと思います。
以上です。



ーーーー

全部書きだしてみて、
原子力に関してのリスクはないと彼がハッキリ言ったことに驚きました。
福島第一原発の事故は原発のリスクではなく、
自殺された方や避難されている方の苦しみも
その原因は、政府の避難区域の設定と風評被害、高すぎる食品の基準であり、
原子力発電所がばら撒いた放射能とは、全く関係ないようです。
非常にゆがんだ思考回路をじっくりと文字起こししてさらに実感することができました。




     
     



政府に原発NO!のパブリックコメントを提出しよう━━o(`・ω・´)○━━ッ!!


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comment 8
コメント
ニュースでは部分しか彼の言葉を聞いていなかったので、改めて全文を書き起こしで見ると凄まじいですね…怒りで手が震えます。
ありがとう、Ki-koちゃん、書き起こし。
こんなんじゃマスゴミニュースでは全文流せないね。最後の方は脅迫だし。非は100%認めず、都合のよいことだけを強調、盗人猛々しい毒を吐く。
電力会社の本音の髄をついに言ってしまった!歴史的瞬間です。
この全文を聞いて、読んで、怒らなきゃ余程の鈍感。
武田先生じゃなくても倒れちゃう。
Necoco | 2012.07.24 13:04 | 編集
「えー」とか「あのー」を多発する発言者は信用出来ない
自分でも嘘を言ってるのを分かってるから
そういう言葉が出るのだ。

淀みなく嘘を言う奴はもっと危険ですけどね
江戸っ子気質 | 2012.07.24 13:14 | 編集
原発推進派というのは節操なく論点を変更するものですねぇ。
このコメント欄のURLで、私が81年NHK「いま原子力を考える」の番組内容をまとめたエントリーにリンクしてます。一度紹介したけどまた示します。

同番組内で原発推進派として日本原子力産業会議の森一久専務理事は、スリーマイル島原発事故を含め放射線に起因する被害は全然出ていないという2500年の安全実績がある、と主張していました。
放射線で直ちに死者が出るというのは高線量被ばくの場合の確定的影響ですが、ICRP自体累積100mSvで発がん死率が0.5%増加するという直線しきい値なし仮説に立っており、ことは確率的影響の問題なのです。
福島第一原発事故により空間線量による外部被ばく、素人が除染に関わること等による内部被ばく、食品からの内部被ばくと、ICRPの立場を前提にしても確率が上がったのは厳然たる事実です。

電気料金の話でいえば、税金から支払われる交付金も電気料金に上乗せされて支払われてきた寄付金も、消費者からすれば「原発の電気料金のコスト」であることは明白。
福井県知事は廃炉作業中でも交付金が支払われるよう、臆面もなく「法改悪」を主張しています。

企業が大変と言いますが、大企業は非常に割安な電気料金しか負担していない。

また原発の保険の問題もあります。

大体EUの優等生であるドイツが脱原発に舵をきれるわけだから、再生可能エネルギーに関する体制が日本では遅れているとは言え、原発がないと経済成長出来ないかの主張は説得力がない。
それに人口が減少し多くの企業が諸外国に安い労働力を求めている現在、電力がどれほど必要なのかの議論も必要です。

トイレのないマンションと評される高レベル放射性廃棄物をどうするかなど、原発をめぐってはさまざまな論点があります。
電力会社の社員であれば知っているはずの論点に触れない。

彼が言うように、国民は「冷静な判断」をして自分の意思を表明すべきです。
めぐ | 2012.07.24 14:59 | 編集
こちらはしゃべりまくる中電社員と逆にオスプレイ搬入に対してノーコメント黙認する政令指定都市広島市長のニュースです。

中国新聞の本日記事。記事中ただひとりコメント無しの平和宣言都市ヒロシマの現職広島市長は元厚労省「官僚」である。

>>http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201207240031.html
>周辺自治体の首長も強い懸念

 米海兵隊岩国基地(岩国市)に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機が陸揚げされた23日、広島県境や低空飛行訓練のルートがある同県北、島根県西部の自治体の首長は一様に安全性への懸念を示し、日米両政府の対応に疑問を呈した。

 大竹市の入山欣郎市長は「安全性について、いまだきちんとした説明はない。国は運用方法などを示してほしい」と強調。日米両政府にオスプレイ配備反対の要請文を2回送った廿日市市の真野勝弘市長は「地元の反対にもかかわらず搬入されたことに憤りを覚える」と述べ、試験飛行阻止へ県や関係自治体と連携していく構え。

 広島市の松井一実市長は当面、今後の動向を見守る考えだ。

 昨年度、米軍機の低空飛行の目撃が800件以上あった広島県北広島町。竹下正彦町長は「オスプレイが飛べば、住民は事故の不安を感じる」。

 三次市の増田和俊市長は「訓練には絶対反対。国は配備に慎重でなければいけない」と強調。騒音測定器を設置して低空飛行の監視を強める浜田市の宇津徹男市長は配備前提の政府の姿勢を批判した。

 一方、広島県の湯崎英彦知事は「再三の中止要請の中で(搬入が)強行されたのは遺憾」と述べ、日米両政府の対応を非難。安全性が確認されるまでは試験飛行をしないよう国に求める方針でいる。

(転載終わり)
通りがけ | 2012.07.24 15:11 | 編集
真実が見えないのか
| 2012.07.24 19:16 | 編集
はじめまして。
オールドボーイと申します。名古屋市在住で、自宅マンション前は中電の営業所があります。
仙台の聴取会での自作自演ぶりに呆れ、名古屋の意見聴取会の会場前で、こんなプラカード作って政府をおちょくっておりました。

名古屋駅近くで政府をおちょくる
http://ameblo.jp/mother-teresa/entry-11304090171.html

また、こんな動画を作って遊んでいます。

原発熱中時代 ~ぼくの代議士はフィーバー~

http://youtu.be/rt0czSn3-xI
オールドボーイ | 2012.07.24 21:04 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2012.07.24 22:36 | 編集
どうぞご自由にお使い下さい。
きーこより
きーこ | 2012.07.24 23:22 | 編集
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