<福島第1原発>ストロンチウム、10都県で最大値以上
毎日新聞 7月24日(火)19時47分配信
文部科学省は24日、
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ストロンチウム90(半減期約29年)の
全国規模の飛散調査結果を公表した。
事故後の調査で土壌から検出された宮城、福島両県以外に、関東・東北の10都県で、
1960年代の米ソによる大気圏核実験の影響が残っていた2000年~事故前の最大値以上となった。
これ以外の地域では、事故の影響は確認されなかった。
ストロンチウムは口から摂取すると骨に蓄積しやすいが、
同省によると今回の検出量はごくわずかで、健康を害するような影響の恐れはないという。
調査は、
屋外に置いた容器(直径約2メートル)に降ったちりに含まれるストロンチウムを測り、濃度に換算した。
過去の最大値は、1963年6月に宮城県で観測された1平方メートル当たり358ベクレル。
2000年以降では06年2月、北海道の同0.3ベクレルだった。
今回、茨城県で同6ベクレルを観測し、
北海道での値を超えたほか、
群馬、山形、栃木、埼玉、東京、岩手、神奈川、千葉、秋田でも、値が00年以降の最大値と同じか上回った。
宮城、福島では事故後の土壌調査では同数十~数千ベクレルを検出したが、
今回の手法による調査はできていない。【野田武】
文部科学省
平成24年7月24日
都道府県別環境放射能水準調査(月間降下物)における
ストロンチウム90 の分析結果について
今般、平成22 年4 月から平成23 年12 月までの期間に都道府県が採取した月間降下物※1について、
(財)日本分析センターにおいてストロンチウム90 の分析を行った結果について、
事故後から昨年末までの福島近隣10 都県の分析結果が概ねまとまったので公表いたします。
1.月間降下物のストロンチウム90 の分析について
文部科学省においては環境放射能水準調査として、都道府県及び(財)日本分析センターに委託し、
毎年度、前年度上半期までに採取された月間降下物について分析を行い、
年度明けに測定結果をとりまとめて公表してきたところです。
また事故後は、東京電力(株)福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の飛散状況を確認するため、
月間降下物中のガンマ線放出核種(ヨウ素131 及びセシウム134、137)の分析結果について、
随時、定期的に公表してきたところですが、
このたび、事故後、平成23 年12 月までの月間降下物のストロンチウム90 の、
福島近隣10 都県の分析結果が概ねまとまったため、
これを公表するとともに、事故前との比較に用いることのできる
平成22 年度分の結果も併せて公表いたします。
なお、震災の影響により、福島県の平成23 年2 月以降の分析結果、
宮城県の平成22年9 月以降の分析結果等については含まれていません。
本測定結果は、下記の環境放射線データベースにおいても掲載されます。
日本の環境放射能と放射線「環境放射線データベース」
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/servlet/search.top
※1:
各都道府県が設置した大型の水盤において、
1 ヶ月間の間に大気中から雨風等に伴い降下したちり等の降下物を収集した上で、
収集した試料について、イオン交換法等によりストロンチウム90 を分離・精製し、
低バックグラウンド用ベータ線測定装置でストロンチウム90 のベータ線を測定するもの。
今回の分析におけるストロンチウム90 の検出下限値は、0.07MBq/km2 程度。
2.今回のストロンチウム90 の分析結果について
○ 今回、平成22年4 月から平成23 年12 月まで都道府県が採取した月間降下物について、
ストロンチウム90 の分析を行った結果、
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、47 都道府県中10 都県※2で採取された
月間降下物のストロンチウム90 の分析結果において、
事故前の11 年間に全国で観測されたストロンチウム90 の最大値(0.30MBq/km2)を超える値が
確認されました。(詳細は別紙参照)
※2:
秋田県、岩手県、茨城県、神奈川県、群馬県、埼玉県、東京都、栃木県、千葉県、山形県
3.今回のストロンチウム90 の分析結果に関する考察
○ 事故前の11 年間で観測されたストロンチウム90 の放射能濃度※3は、不検出~0.30MBq/km2 でしたが、
今回、分析を行った月間降下物のうち、
主に平成23 年3 月もしくは4 月に10 都県で採取された月間降下物においては、
事故前の11 年間に全国で観測されたストロンチウム90 の最大値を超える値が検出されました。
これらの試料については、福島第一原子力発電所の事故直後に観測されたこともあり、
福島第一原子力発電所の事故由来のストロンチウム90 が含まれている可能性が高いと考えられます。
なお、これらの福島第一原子力発電所の事故由来と考えられる
10 都県のストロンチウム90 の分析結果を比較したところ、
原子力発電所から距離が離れるほど、放射能濃度が低下する傾向が確認されました。
※3:
環境放射能水準調査で平成12 年4 月~平成23 年2 月の月間降下物の結果。
この期間で検出されたストロンチウム90 は過去の核実験等の影響によるものであり、
最大値の0.30MBq/km2は平成18 年2 月に北海道で観測された値。
○ 今回、確認されたストロンチウム90 の放射能濃度の最大値は、
平成23 年3 月の1ヶ月間において茨城県(ひたちなか市)で採取された月間降下物であり、
その値は6.0MBq/km2(6.0Bq/m2)でした。
なお、事故前11 年間の環境放射能水準調査において観測された、
茨城県内の土壌中のストロンチウム90 の沈着量は72~950 MBq/km2 の範囲にあり、
これと比べると、今回月間降下物で観測されたストロンチウム90 の放射能濃度の値は
0.6~8.3%と小さい値となっています。
○ また、事故前の11 年間に全国で観測された
ストロンチウム90 の放射能濃度の最大値を超える値が測定された10 都県について、
同じ月の降下物中に含まれていたストロンチウム90 の最大値と
放射性セシウム※4の比率を確認したところ、
ストロンチウム90 の放射能濃度は放射性セシウムに比べて19,000 分の1から600 分の1程度と、
非常に少ないことが確認されました(表1 参照)。
※4:
放射性セシウムは、低バックグラウンド用ベータ線測定装置で測定したセシウム137とセシウム134の合計値
表1:
今回の調査において、
東京電力福島第一原子力発電所事故発生以前(11年間)に観測された
月間降下物中のストロンチウム90の放射能濃度の最大値を超える値が検出された各都県の測定結果

(参考)
事故発生以前の11 年間(平成12 年4 月~平成23 年2 月)の月間降下物の放射能濃度の範囲は、
不検出~0.30MBq/km2。
この期間で検出されたストロンチウム90 は過去の核実験等の影響によるものであり、
最大値の0.30MBq/km2 は平成18 年2 月に北海道で観測された値。
<担当> 文部科学省 原子力災害対策支援本部
加藤(内線4604、4605)
電話:03-5253-4111(代表)
続きを読むに

今回公表された2011年12月まで
宮城県は分析不可
福島県は分析環境がっ整っていないため未実施

上記の事から、宮城県と福島県を除き、
降下物としてストロンチウムが検出された地域のみ抜き出しました。
参考のために分析中、分析不可の地域も載せます。
2011年3月

2011年4月

2011年5月

2011年6月

2011年7月

2011年8月

2011年9月

2011年10月

2011年11月

2011年12月
12月はほとんどの地域が分析中でしたので、
ストロンチウムNDの地域のみ抜き出しました。

2012年7月24日に公表されたものです。
まず思ったのは、ストロンチウムって、分析するのにものすごく時間がかかるんだなっていう事。
すでに一年以上経ってもなお、分析中の地域があるのは(。◔‸◔。)??なぜ?
茨城県ひたちなか市は12月は分析中ですが
3月から11月まで全てストロンチウムが観測されています。
2011年4月には四国地方にまで広くストロンチウムが計測されています。
しかし、文科省の公表は2012年の7月末です。
時間が経ち過ぎていると思います。
ーーーー
2011年10月・岩上さんが初めてストロンチウムが首都圏にあることを立証した日↓
スクープ!首都圏で初めて検出されたストロンチウム岩上安身氏ー
文科省記者会見&ラジオ番組&統合記者会見ー(内容全て書き出し)
ーー追記
ストロンチウム 本当に影響ない? 監視・実測の継続必要
東京新聞 2012年7月27日 朝刊

福島第一原発から出たとみられる放射性のストロンチウム90の降下量が、
関東と東北の十都県分について、ようやく報告された。
1960年代に大気圏内の核実験で降った量に比べて少なく、専門家らは健康影響はまずないとみるが、
ストロンチウムは測定が難しく、セシウムほどのデータがない。
本当に少ないことを示すため今後の監視が必要だ。
文部科学省によると、2010年4月~11年12月の観測で、
一カ月間のストロンチウム90降下量の最大値は、茨城県の一平方メートル当たり6.0ベクレルだった。
事故が起きた昨年三月の数値だ。
一方、1940~60年代前半には、大気圏での核実験が行われ、放射性物質が降った。
ピーク時の63年にはストロンチウム90も
国内で最大一平方メートル当たり月間358ベクレル(仙台市)を記録している。
それに比べ今回の値は60分の一程度。
広瀬勝己・上智大客員教授は「健康などへの影響はないだろう」とみる。
ただし「もっと早く測れば事故特有のストロンチウム89が見つかり、
福島第一原発から出たとはっきり言えたはず」という。
ストロンチウム90の測定は複雑で時間がかかる。
このため食品検査ではセシウム137を測り、
ストロンチウム90やプルトニウムは自動的にセシウム137の12%が含まれると仮定している。
甲斐倫明・大分県立看護科学大教授は
「実際に含まれている量は、基準の12%より低いレベルだと思うが、
言うだけでなく実測して示していくべきだ」と指摘する。
厚生労働省では「具体的な計画はまだ。2,3年かけて検証する予定」という。
福島と宮城両県は地震や原発事故の影響で測定していないという。
たねまきJ「大飯4号機警報2件・次は高浜3,4号・ストロンチウム文科省」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)7/25
「議院運営委員会での田中氏の発言・ストロンチウム」
8/2たねまきJ小出裕章氏(内容書き出し)
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