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07.26
Thu
●25日に2度鳴った大飯原発4号機の警報について
・「原子炉の中の一次冷却水の温度が上がりすぎた」という事を示す警報
・「非常用ディーゼル発電機の補助のモータが異常である」という事を示す警報
●関西電力社長の発言「高浜原発3号機4号機が次の再稼働の対象として最有力」
●文科省が10都県で確認したストロンチウムについて




2012年7月25日水曜日 
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]








<参考>

大飯4号機 1次冷却水の警報
NHK 7月25日 11時16分

25日未明に原子炉が「フル稼働」に達した、福井県にある大飯原子力発電所4号機で、
午前5時半ごろ、原子炉内の温度を監視する温度計の1つで警報が作動しました。

関西電力は、ほかの温度計は通常の値を示し、原子炉の圧力などのデータに異常がないことから、
出力を下げるなどの対応はとらずに監視を続けるとしています。

福井県にある大飯原発4号機で、25日午前5時半ごろ、
原子炉内の核燃料の真上にある1次冷却水の温度を測定している温度計が
上昇したことを示す警報が作動しました。

この温度計は、1次冷却水の温度が上昇しすぎていないかを監視するため、
336度に達すると警報が鳴る設定になっていて、
25日朝は、瞬間的にこの値を超えたということです。

関西電力によりますと、1次冷却水を監視しているほかの温度計は通常の値を示し、
原子炉の圧力などのデータに異常がないことから、
温度計の警報は、水の流れなどの影響で一時的に温度が上がったためとみて、
出力を下げるなどの対応はとらずに監視を続けるとしています。

大飯原発では、今回と同じような温度計の警報は過去に2回起きていますが、
いずれも運転に問題はなかったということです。
25日朝のトラブルで、外部に放射性物質が漏れるなどの影響はないということです。
大飯原発4号機は、3号機に続いて、
25日午前1時に、原子炉の出力が100%になる「フル稼働」に達していました。


保安院の発表
大飯4号機12


以前にも警報非常用ディーゼル↓

大飯原発4号、非常用発電機で警報 再稼働作業に影響なし

福井新聞 2012年7月17日午前7時00分

16日午前1時20分ごろ、関西電力大飯原発4号機の中央制御室で、
非常用ディーゼル発電機の補助モーターに過負荷が生じ停止したことを示す警報が作動した。

経済産業省原子力安全・保安院と関電によると、
補助モーターは、保守のために非常用発電機のギアを定期的に回転させて、潤滑油を行き渡らせる装置。
非常用発電機の自動起動の際に使用するものではない。
警報作動後の試験で、非常用発電機は正常に起動、運転できることを確認した。
4号機の再稼働作業に影響はないという。

関電によると、16日未明に補助モーターを起動したが、ギアが動かず、警報が作動した。
同日午後、起動したところモーター、ギアともに問題はなかったため、
ギアのかみ合わせに不具合があった可能性があるとみている。


大飯4号機臨界。
「早く動かしたいな~♪高浜3、4号機」関電八木社長

関電社長、次の原発再稼働に言及 / 「国は早く審査を」
2012年07月25日 12時47分 佐賀新聞の記事


文部科学省・ストロンチウム全国飛散調査結果公表
(事故後のストロンチウム検出地域まとめました)

<福島第1原発>ストロンチウム、10都県で最大値以上
7月24日(火)19時47分配信 毎日新聞 の記事と、文部科学省ホームページ






続きを読むに番組内容を書き出し&関西電力のプレスリリース添付





水野:
今日はまず、大飯原発について伺いしたいんです。
大飯原発4号機が今日未明にフル稼働になったばかりなんですが、
午前5時半ごろに中央制御室で、警報が鳴りました。
で、どういう事かと言いますと、
「原子炉の中の一次冷却水の温度が上がりすぎた」という事を示す警報が鳴ったっていうんですね。
この原因について関西電力はこう言っています。
冷却水の流れの影響で、局所的に温度が上下したのが原因だ」というものなんです。
この説明は小出さんからご覧になって納得いくものですか?

小出:おかしいとおもいます

水野:どういうことでしょうか?

小出:
局所的にそういう流れがですね、どこかで、たとえば滞ってしまう。
というような事になると温度が上がってしまうわけで、
そんなことはあってはいけないことなのです。

水野:あってはいけないことなんですか?

小出:はい
そのために温度を測っているわけで、
「局所的な流れの影響で」なんていうことは全く理由にならないで、
もし、局所的な流れの影響で温度が上がったんだとすれば、
それこそ問題なのです。

水野:
あらっ!そうなんですか!!
あの、これ温度計って50個位付いているんですよね。
で、その一つだけの温度が上がったんだから、
局所的だから気にしなくていいのかと素人考えで思っていたんですけれど、
逆に言うと局所的に流れがもし、おかしいんだったら、それこそが問題だということですか?

小出:そうです。
その部分だけに水流が減少しているんだという事になると、そこの燃料が傷んでしまいますので、
それがないようにわざわざ監視をしている訳です。
その温度が上がったということは重要なことな訳で、
えー、簡単に切り捨てるような事はしてはいけません。


水野:あ、そうなんですか。
またですね、そういうふうになりましたら今度は2時40分ごろのことです。
大飯原発4号機の中央制御室で、今度は、
「非常用ディーゼル発電機の補助のモータが異常である」という事を示す警報がまた鳴ったんですよ。
これは16日にも同じ警報が鳴ったんですけれども、
これはどうですか?
放って置いていいことなんですか?

小出:
非常用ディーゼル発電機が動かなくなるということになれば、
福島原発事故の二の舞になってしまうんですね。


水野:
あ!イザという時に発電出来るかどうかが、
水で冷やせるかどうかですよね?

小出:そうです。
大変重要な機器な訳ですし、
福島原発事故を受けて、いっそう注意をしなければいけない装置の筈なのですが、
そこで警報が頻発するということは、
やはりそれも、ん..大切に考えなければいけないと思います。

水野:
この水の温度についてはですね、関西電力は
「温度の揺らぎが原因で、安定運転に影響はない」と言っているんです。

小出:
(* >ω<)=3
揺らぎというのはもちろんありますけれども、通常あるような揺らぎで警報が出ては困る訳で、
警報というのはそれを、揺らぎを考慮したうえで決めているのですね。
ですから通常ではない揺らぎがあったからこそ警報が鳴っているわけですから、
「どうしてなのか?」という原因をまずしっかりと究明するべきだと思います。

水野:
近藤さん、警報が鳴っても「問題がないんだ」って言われるという事を、
私たちはどう受け止めるのか?って言うことですよね・・

近藤:
なんかね・・・要するに、本当にちゃんと説明する気があって言っているのか?っていう感じが、
もう、ずっとしているんですね・・・
あの、例のその下を走っている活断層の話にしたって、なんにしたって、
もうずーっと、なんていうんでしょうか、
「動かして当たり前だ」っていう事が大前提にあるものだから、
そういう返事になるのかなって思うんですけれども、
いろいろと不信感が多いです。

水野:
その活断層に関連して言いますとね、
今度、次に再稼働させる原発について、関西電力の社長が取材に応じまして、
「高浜原発3号機4号機が次の再稼働の対象として最有力である」というふうに答えたんですが、
この高浜3号機4号機というのは、小出さん、どういう原発なんでしょうか?

小出:
関西電力は3カ所に原子力発電所を持っています。
一番初めに造ったところは美浜というところで、そこに3基原子炉が動いてきました。
そして次に作ったところが高浜で、1号機2号機をつくり、そして3号機4号機をつくりとして、
4基高浜に造りました。
それの次に造ったのが、大飯というところで、
1号機2号機をつくり、そして3号機4号機をつくりという事をやったのです。
で、いま、大飯3号機4号機というのが、ま、無理やり動かし始めたのですが、
関西電力が持っている原子炉で一番新しいのが、大飯3号機4号機だったのです。
次に新しいのが、高浜の3号機4号機なんです。
出力も87万kwという事で、関西電力が持っている原子炉の中では比較的大きいほうですし、
比較的新しいという事で、
ま・・・動かし始めるとすれば、まァ順当な選択だろうと私は思いますけれども、
「何でこの時期にそんな事を社長が発言するのかな」と、
私は意外というか、不審感を持って聞きました。


水野:あの、ストレステストの一次評価の手続きを、もう保安院は始めているわけですよね。

小出:そうです。

水野:
ただ、断層の事で言いますとね、
下の地層の部分に破砕帯というものがあって、
活断層が動いた時に連動するのではないかと、
そういう恐れはないのかという事を「調査することが必要だ」と、保安院も言っているんですよね。
しかしながら、やはりこの再稼働の話が出てきているのかとおもいます。
こういう地層との関係については小出さんはどのようにみられますか?

小出:
私は地層の専門家ではありませんので、どこまで破砕帯が重要か、とかですね、
その事の判断は控えたいと思うのですけれども、
でも、いずれにしても福島の原発事故の原因すらが分からない。
そして各種、いくつもできた事故調査委員会が、
「これまでのやり方ではだめだ」
「これまでの組織ではだめだ」と、異口同音にして指摘をしてきているのですね。
それなのに今まで通りの組織が今まで通りのやり方で動かすという事の判断が、
一体どこから出てくるのかと、私にはそれがまず分からないのです。

水野:
はい、それともうひとつ一言だけ伺いたいんですが、
ストロンチウムについて、福島宮城県以外の10の都県で確認されたという事がございますけれども、
文部科学省は「健康への影響はほとんど考えられない」と言っています。
これについてリスナーの方から、
「そうなのか?」「政府の言うことは信じられない」というご意見もきているんです。
どうお考えですか?

小出:
えー、何度もこの番組でも聞いていただきましたけれど、
放射線に被曝をするということは、どんなに微量でも危険を伴いますので、
「安全」ということはありません。
ただし、今回検出されたストロンチウムは、同じ場所で検出されてきたセシウムに比べると、
圧倒的に少ないです。
1000分の1以下だと思います。
ですから、健康への影響という事で言うなら、圧倒的にセシウムが重要なので、
セシウムに注目すべきだと私は思います。

水野:どうもありがとうございました。




大飯発電所4号機「一次冷却材飽和温度注意」警報の発信について(お知らせ)
2012年7月25日  関西電力株式会社


添付資料1
大飯4号機13




大飯4号機1次冷却材飽和温度注意警報第2報
大飯4号機11
第2報には日付も時間も誰が、どこが作成したのかも書いてありません。
7月25日に関西電力が公表したことは確かですが、
一流企業がこのような書式で公表いうところがちょっと不思議でした。






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