「原子力規制委員会人事案に異議あり!」記者会見
2012年7月31日
参議院議員会館 B 108で 18:00開始
9:50 郡山から静岡に避難した長谷川氏
14:45 広瀬隆
自主避難 長谷川さん

私は昨年の8月、福島県郡山市から家族と静岡に自主避難をした長谷川と申します。
昨年の夏私たち夫婦は今までの全てを失っても子どもだけは守り抜くという選択をしました。
それから4カ月経った昨年12月6日は息子の6歳の誕生日でした。
しかし私にはこの日異郷の地で初めて誕生日を迎えた息子をおいても
行かなければならない場所がありました。
この日は政府の原子力賠償紛争審査会で、一つの決着がつく日でした。
自主的避難者の権利。
この問題は、福島が見舞われた数多くの問題の中で、私にとっては当事者中の当事者。
譲れない問題でした。
福島を離れるにあたって捨て去った多くのもの。
味わった屈辱。
そして、子どもたちの未来を背負って私はその場所に向かいました。
しかしそこには思いもよらない光景が待っていました。
賠償金は妊婦・子どもは50万、
40万、高すぎる!30万か
大人は10万以下だろう
8万、いや、5万だ!
私たちはセリにでもかけられているのだろうかと目を疑いました。
前に座って聴聞していたお母さん方の中には、嗚咽を漏らして泣き崩れる人もいました。
場内は怒涛に包まれました。
そして、そんな光景の最後にさらに異様な光景が続きました。
会合も終わろうとしている時、
一人の男性が半ば強引にマイクを握りました。
田中俊一氏でした。
田中氏は我々の目の前で
「放射線被ばくの恐怖と不安は個人差も大きく、
賠償という形で対応することが克服する最も適切な方法であるとは考えていません」
と言い放ちました。
私はここで、田中俊一氏が改めて私たち家族の敵、福島の敵であることを確認しました。
震災から1年5カ月が経とうとしている今、福島は不安と分断の中にいます。
「ふるさとを守りたい」
「子どもを守りたい」との狭間で、多くの親が心を痛めています。
そしてその原因となっている事柄は、
非常時の名のもとに、放射線基準値を20倍もの年間20ミリシーベルトにまでも引き上げ、
まずは経済を守ろうとの維持で
福島の人々を被ばく地に押しとどめて、
命を軽視し、命を値切る人々なのです。
そしてその集団の最たる人物が、
長崎からやってきて安全神話をいち早く構築し、
今も福島医大の副学長として居座り続ける山下俊一氏や、
また、彼自身が自らの口で、
「原子力の平和利用を先頭に立って進めてきた者として、国民に深く陳謝いたします」
と、謝罪会見をしたことでも明らかである、
日本の原子力問題の推進者中の推進者、田中俊一氏なのです。
私はあえて申します。
私たち自主避難者は福島を離れる時
「裏切り者」「非国民」との周囲の罵りを受けた人も少なくありません。
しかし、今もなお20ミリシーベルトを撤回せず、人命を軽視する彼らこそ、
福島県民、そして日本国民に対しての「裏切り者」「非国民」でありましょう!
私はこれからも叫び続けます。
「子どもたちを守ろう」と。
それが、あの日ひっそりと福島を後にした朝の、
家内と息子の寂しい笑顔に報いる自分自身の闘いである。
福島の親として、未来の子孫への責務と心得るからであります。
広瀬隆

今の長谷川さんの言葉を聴いて、本当に涙をこらえるのに必死でしたが、
私も長い間福島県に何度も足を運んで、原発問題の学習会をやってきた人間として、
本当に辛い思いがしておりますが、
皆さんご存じのとおり、今月、二つの事故調査委員会の報告書が出されました。
国会と政府の。
ここの事をちょっとご説明しておきますと、
国会の事故調査委員会には、
我々の信頼する原子力技術者である田中三彦さんと、
地震学についてかねてから原発震災を警告してこられた石橋克彦先生が入っていらっしゃいましたが、
政府の事故調には、専門家はひとりもいません。
この技術論ができる人がたった一人もいないという事を、まず知っておいてほしいと思います。
その畑村洋太郎のいわゆる失敗学の報告書が出されて、
新聞はそれをみんな並列に書いておりますが、
まるで、レベルの違う内容だという事をまず知っておいていただきたいと思います。
なぜ私がそういう事を申し上げるかというと、これは、
原子力規制委員会というのを英語で言えば”Nuclear Regulatory Commission”で
アメリカのNRCに相当する組織ですから、
これはそもそもですね、こういう原子力におきまして、
知識がしっかりとなければいけないというのがまず、
たとえばアメリカで言えば常識なことです。
その3つのポイントを言いますと、
どういう事を議論しなければいけないかという事が、
もう、今年に入りましてからほとんど議論がなされていないので、
田中さんも、石橋先生もわたくしも、ずーーっと、苛立ってきたのはですね、
要するに技術論が今年に入ってからほとんどないんです。
社会論・文化論ばっかりですね。
一番だいじなことは、
まず第一に原子力の機械工学的なメカニックな事だけ、
事故回避ができる人間でなければ、
こんな規制委員会なんているものは成り立たないんですね。
それが無能な人間であったために、保安院屋、安全委員会であったためにですね、
福島の事故が起こったんです。
彼らは完全な無能者集団。
そうした人間の一人が、彼自身は保安員ではなかったにしろ、その田中俊一はですね、
彼には敬語は使いません。
あとで、その意味はお話ししますが、
山下俊一だって田中俊一だって、
日本中の俊一さんがみんな名前を変えなきゃいけないです、これじゃあね。
そんな…こんなブラックジョークはないぐらいの、
とんでもない、要するに無能者です。
事故を起こした最高責任者です。
この人物はね。
それから第二の技術論で知っておかなければいけないのは、
どうしても日本が今、差し迫った地震の活動期にあって、
地震学と地質学と、それから津波について、詳しく解析できる人間でなければ、
もう、この委員会のメンバーである資格はありません。
その3つの点で田中俊一は全くその能力を持っていません。
それから、第3がですね、これが一番だいじなことになるんですが、
いま、長谷川さんがおっしゃった、
人体医学、放射能被ばくの問題です。
彼は今長谷川さんがお話しになった通り、
もう全くですね、人命を軽視する行動に終始してきました。
なぜそういう事ができるかというと、人体医学を全く知らないからです。
私はずっと医学をやってまいりまして、
放射線被ばくというものが低線量でどれだけ怖いかという事を、
今日本中の人たちに教えて回っている人間としてですね、言わせてもらいますが、
この中村佳代子を含めましてですけれど、
日本アイソトープ協会と一度、私は彼らと対談をしたことがあります。
集会でですね。
そして、この日本アイソトープ協会がどれほどひどい集団であるかという事を公衆の面前でやりまして、
そして彼らは、敗北しました。
それほどひどい、このお配りしてある資料の中に「最終処分場計画中で」と書いてありますが、
ま、この問題で論争して、そして彼らはしっぽを巻いて逃げた。
もう、まったくですね、無茶苦茶な、
「チェルノブイリは40人ぐらいの人しか死んでいない」という、
デタラメをしゃべるようなそういう集団なんですね。
ですから、きょう今から大事なことを申し上げますが、
私は去年の7月にルポライターの明石昇二郎さんと二人で、刑事告発をいたしました。
20人ほどの人間をですね。
そして、今日明石さんと相談いたしまして、
この田中俊一をその中に加えることにしました。
これは東京地検に告発します、この人物をですね。
だからこの人物に敬語は使いません。
という事で、結論をもうちょっと言わせてもらいますと、
こういう人選をしたのが誰か?ということが最大の問題だと思います。
それは野田佳彦、そして細野豪志。
この連中ですよ。
この連中はそういう意図を持ってこの悪質な人間をですね、選んだという事は、
内閣そのものがですよ、
田中俊一は、ハッキリ言っておきますが犯罪者ですから、私は今ここでハッキリ言いますけれど、
犯罪者をこういう委員長に選ぶ人間たちは同じです、犯罪者です。
ですから私はですね、皆さんと違って、この原子力規制委員会そのものの存在に対して、
「あり得ない事だ」と。
もうすでにですね、こういう流れを見ている限りですね、
「こういう委員会はあってはならない」
もう、むしろですね、この「委員会そのものを私は否定する」ということを断言しておきたいと思います。
それが全部入れかわる、
たとえば田中三彦さんや石橋克彦先生がこの委員会のトップに就くんなら、我々はそれを指示しますが、
そういう選択肢がないんでしたら、この委員会そのものがですね、
もう、報道界では既定路線のように報道しておりますが、
これは既定の路線ではないという事で、
もう白紙に戻すべきだというのが私の考えです。
以上です。
広瀬隆氏&明石昇二郎 刑事告発 記者会見(広瀬氏会見内容書き出しました)7/15
広瀬隆氏刑事告発質疑応答(広瀬氏の部分一部書き出し)
福島みずほ氏・満田夏花 氏(発言書き出し)7/31
「原子力規制委員会人事案に異議あり!」記者会見&東京新聞社説
落合恵子さん・澤井正子さん(発言書き出し)7/31
「原子力規制委員会人事案に異議あり!」記者会見
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コメント
いつも書き起こしありがとうございます!
とても参考になっています。
とても参考になっています。
しずみん | 2012.08.01 11:39 | 編集