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08.22
Wed
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小出先生登場!!






吉田照美:
今朝は大勢の方から是非お話を伺いたいと、毎回ご希望を頂いております。
こちらでございます。
原子力の専門家としてのお立場からその危険性を訴え続けていらっしゃいます、オピニオンリーダー。
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生でございます。
今朝もお電話、生で今出ていらっしゃると思います。
小出先生お早うございまーす。

この夏はオリンピックに沸いたわけですけれども、
小出先生もオリンピックとかはご覧になったことはあったんですか?


小出裕章:全く見ません。

吉田:全く見ませんか、

小出:はい。

吉田:見たくない?

小出:国威発揚に利用されているように私にはみえて、見たくありませんでした。
     ※国威発揚(こくいはつよう)
      国家が国外に対する威信を奮い立たせること、
      外国に対して発奮し威勢を示すこと、国威を発揚すること、などの意味の表現。



吉田:
そういうふに言われると僕なんか見ちゃったからなぁ~っていうことなんですけれど、
ま、大メディアの報道は、
そのオリンピック、それから尖閣諸島、竹島問題のニュースばかりだったんですけれども、
「収束しない原発事故のニュースは片隅に」という状況はありましたが、
朝日新聞で、昨日でしたかね、
とにかく大飯原発関西の電力事情、この夏の電力不足をとずっと言っていて再稼働した、
持って行った政府なんですけれども、
小出先生のおっしゃっていたとおり!
「電力は余っていた」と。

小出:はい、あたりまえです。

吉田:
はーん。
これだから要するにウソをついていた訳ですね。

小出:そうです。

吉田:
はーん。
電力会社も嘘をついていたし、メディアもその片棒を担いでいたと、

小出:そうです。

吉田:いうことですよね。

小出:そうです。

吉田:
うーん、
これ、だから、次の再稼働とかいう事で狙われているのはどこの原発になるんですか?これ。

小出:多分次は伊方だと思います。

吉田:あ~、そういう事になるんだ。

小出:はい。


福島第一原発

吉田:
んー・・・・、
とにかく今日もいろいろと小出先生にお話を伺いたいんですが、
一番気になっている東京電力福島第一原発の現状なんですけれども、
これは、1号機2号機3号機の様子っていうのは、
小出先生はその後どういうふうに捉えていらっしゃるんでしょうか?

小出:
まず皆さんに確認していただきたいのですが、
私たちが戦っている相手は放射能です。

放射能というのは生き物ではありませんけれども、
自分で動き出そうとする能動的な毒物なのです。


1号機から3号機までは事故が起きた時には運転中だった訳ですが、
ようするに放射能、私たちがったかっている敵の最精鋭部隊は原子炉の中にいたのです。
そして残りは使用済み燃料プールというところにいました。
事故が起きて、最精鋭部隊がとにかく暴れ始めまして、簡単に人間側が敗れてしまったのです。
で、その放射能の塊は今どこにあるのかすらが分かりません。
人間の方が見に行くこともできないという、そういう状態になっています。

残りの使用済み燃料プールの中にいた放射能の部隊は、
いまだに多分そこにいるのだと思いますが、
それもまだ見に行くことすらが出来ないという、そういう状況です。

東京電力は、何とかその、今どうなっているのか?という事を知りたいと思って、
さまざまな手段で、現場にロボットを入れたりですね、カメラを入れたりして見ているわけですけれども、
やはりなかなか分からないというそういう状態が現在でも続いています。


高濃度汚染水漏れ・4号機

吉田:
この4号機ですけれども、先週高濃度汚染水が4.2トンが漏れているのが発見されて、
1立方cmあたり7万7000ベクレルっていう、
大変な放射性セシウムが検出されたという事なんですけれども、
これは、ど、どういうふうに捉えたらよろしいんですか?

小出:
えっと、そんな事で驚いていてはいけないのです。
1立方cmあたり7万7000というのは、
平常時であれば環境に放出していいという濃度の100万倍というようなモーレツな濃度ですけれども、
それが4.2トン。
ま、たまたま漏れてはいけない所で漏れていたと言うのですけれども、
実はもう、敷地の中には何十万トンも、そういうものが溜まってしまっているのです。

吉田:何10万トン!

小出:
はい。
10万20万だと思いますが、
そのうちの一部を循環させながら、原子炉を冷やそうとしているのですが、
それがたまたまそこで、4トン分だけ漏れたというだけであって、
漏れようと漏れまいと、そういう汚染水はもうすでに膨大にあってですね、
実際にはほとんど管理もできていませんので、
溜まってしまっている地下から外へ出ていってしまっていると、私は思います。

吉田:確実に外へ出ていっていると、

小出:はい。


4号機使用済み燃料プールは?


吉田:
あの、4号機で一番心配なのは、その使用済み燃料プールの状況なんですけれども、
この状況というのは今、小出先生はどういうふうにご覧になっているんですか?

小出:
東京電力も4号機の使用済み燃料プールが危険な状態にあるという事を初めから承知していました。
そのため東京電力は4号機の使用済み燃料プールが崩壊しないように耐震補強工事というものをやりました。
しかし、工事をするにしても被ばくをしながらの作業であって、
なかなか完璧にゆっくりと工事をするという状況ではありませんでした。
そのため私は「どこまで工事がちゃんとできたか?」という事を不安に思っています。

東京電力は、今でも余震が沢山あるわけですが、
「大きな余震があっても崩れることはない」と、東京電力は言っています。

「本当にそうなのか?」という事を私は不安に思っていまして、
もし、大きな余震が襲ってきて、4号機のプールが崩壊するような事になれば、
そこに大量の放射能、ま、私たちが戦っている敵が今でもあるのわけすから、
これからまた大きい災害が襲ってくるという可能性はあると思います。


吉田:
これは、とんでもないことになってしまった場合というのを、
もう、アメリカとかヨーロッパの各国は知っているわけですよね?

小出:もちろんみんな知っていますし、日本の関係者も知っているのです。

吉田:
ただ、その事に対する報道というのは、
なんか日本の場合は規制がかかって、知らせない形を取っているような気がしてしょうがないんですけど。

小出:
吉田さん達がこうやって私の発言などを拾ってくれる訳ですけど、
ほとんどのマスコミは、政府あるいは東京電力の発表をそのまま流してしまうという、
そういう状況が続いてきたと思います。

吉田:
これが、
つまり4号機の使用済み燃料プールが崩れるようなことがあったら、
世界的な規模で大変なことになってしまうわけですよね。

小出:
4号機の使用済み燃料プールの中には、
広島の原爆がばら撒いたセシウム137の、たぶん5000発が今でも存在しています。

吉田:はぁーー

小出:
これまで大気中に放出されたセシウム137の量というのは、
日本政府の主張によると168発分です。
ですから、それの、ま、10倍以上というものがまだ4号機の使用済み燃料プールにあるし、
それは放射能を閉じ込めるという防壁が全く無い状態で、野放しでプールがあるのですね。
それが崩壊するような事になれば、これまでの10倍以上の汚染が生じる可能性があるわけです。


吉田:
だからいまね、日本で原発推進とか、反原発、脱原発と、ま、分かれていたりするわけですけど、
でもそこらへんの原発推進を相変わらず考えているかたは、
ここら辺の4号機の認識っていうのはどういうふうになっているんですか
ね?

小出:
もちろん危険だっていうのは承知している訳で、
東京電力もとにかく4号機の使用済み燃料プールの底から燃料を取り出さなければいけないという事で、
最優先で東京電力は作業をしています。
ただし、それをやろうとすると猛烈な危険を背負わなければいけなくてですね、
たとえば使用済み燃料プールをそのままプールの底からつり上げてしまうようなことをすれば、
その、人々がバタバタと死んでしまうというほどのモーレツな毒物なのです。

ですから、簡単には釣りだすことができませんので、
釣りだすための準備作業というのが必要になっています。
そのために東京電力は来年の12月までかかってしまうと言っています。
多分そうだとおもいますし、「それで済むのかな?」と私は疑っている位です。


吉田:小出先生としてはそれで済まないだろうというお考えな訳ですよね?

小出:
えーっと、大変な工事になりますので、
来年の12月までに、その「準備の工事ができるかどうか?」という事に不安を感じています。
そして作業が始まったとしても、大変な作業ですので、危険と向き合いながらの作業で、
労働者の人達も被ばくをするでしょうし、
何とかうまい方法を考えながらやるしかないと思います。


アメリカNRCの判断に日本は?

吉田:
後、小出先生に伺いたいのは、
原発大国アメリカの原子力規制委員会NRCですか?
今月、「核廃棄物の最終処分場が決まるまで原発の新設、それから稼働期間の延長凍結」
というふうに発表したんですけど、
これはそのまま受け取っていいんですかね?
この条件は。

小出:
多分今回の決定はそうだと思います。
ただし、だからと言って米国の原発が無くなるわけではありませんし、
すでに生み出してしまった放射性物質は消えてくれるわけでもありませんので、
問題はまだまだ抱え続けなければなりません。

ま、でも、
日本というこの国に比べれば、遥かにマシ。
マシというかですね、非常にまっとうな判断だと思います。

吉田:日本にももちろん核廃棄物の最終処分場なんていうものは無いわけですけれども、

小出:全くありません。

吉田:アメリカに習って、日本もその、凍結みたいなことっていうのは出来ないんですかね?これ。

小出:当然私は「すべき」だと思いますけれども、

吉田:そうですよね。

小出:
原子力ムラの人達はそういう判断を「決してしない」ような人たちがこれまでやってきているし、
これからもやって行くのだと思います。

吉田:
なんで、その原子力ムラの方々は
そこまで、その…そんな状況下にあるにもかかわらず
その…止めようとしないんですかね?

小出:
え…、先の戦争もそうでした。
始めてしまって、とにかく国家として一つの方向に向かってしまったらば、
それをもう止めることはできないし、
個人としての発言すらがもう出来なくなってしまっているという、
まさにそういう状況だと思います。


金曜日官邸前デモ

吉田:
とにかく今、今までなかった再稼働反対への国民の声っていうのが、
金曜日になると首相官邸前でデモがありますけれども、
あれに関して小出先生は、今どういうふうに感じていらっしゃるでしょうか?

小出:
私自身は原子力を専門にする一人の人間にすぎない訳で、
何とか「原子力の暴走を止めたい」と思ってきましたけれども、
止められないままここまで来てしまいました。
でも今は、原子力を専門とする人でないような人たちが、
それぞれ自分の意思で立ち上がって下さっているわけですから、
私としては大変ありがたいし、力強く思っています。

吉田:
わかりました。
朝早くに、また今日もありがとうございました。
またよろしくお願いします。ありがとうございました。



ーーー


アメリカの原子力規制委員会が原発の延長と新設の凍結を決断したニュース↓

原子力規制委員の重要性を考える「米NRCの大胆決断」
8/17報道ステ(内容書き出し)




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comment 5
コメント
むしろ原発推進の既得権益確保のみに関心のある勢力、麻薬ジャブジャブの立地自治体、御用学者や「御用国民」のウソ、辛い現実から逃避をしたいという誘惑、本当の意味での負担や責任の分かち合い(放射能や汚染食物の分かち合いでなく)で、めぐが提案してるのは多くの被災者を避難させた上でのワーク・シェアリングや堂々と生活保護を受けることのできる空気の醸成など、ガチンコで取り組まなければならない問題に直面してると認識しています。

人間、いつかは死ぬ訳ですが、どうせ次世代に渡さなければならない松明です。
明るく、大きな松明を渡したい。恥ずかしくない襷をバトンタッチしたい。
国民一人一人が、人間としての生き方を問われている。
もう、国民の知る権利でなく知る義務です。
野田首相はあまりにひどく、国民の憤りを結集させてくれた。ネットというツールも携帯やスマホで利用できる。

笑顔で死にたいんだ、めぐは。
めぐ | 2012.08.22 10:02 | 編集
日本の社会構造をズバリと言い当てている、素晴らしい小出氏の指摘だったと思います。
| 2012.08.22 20:50 | 編集
キーコちゃん、いつもありがとう!

誤字訂正
▼そして「の頃」は使用済み燃料プールというところにいました→そして「残り」は
▼1立法cmあたり→1立方cmあたり
▼正常時であれば→平常時であれば
▼4号機で一番心配なのは会使用済み燃料プールの状況なんですけれども→4号機で一番心配なのは「その」使用済み燃料プール・・・
▼日本で原発推進とか、反原発、脱原発と、ま、別れていたりするわけですけど→分かれていたり・・・

小出先生がいつもおっしゃっているのは
第二次世界大戦と原発との類似点だ

確かに
戦前は
「東亜の解放」というデマのもとに
軍部や軍需産業を中心とした一部の人々の利権のために
中国や東南アジアを一方的に侵略し
多くのアジア人やアメリカ人を殺し
数百万人の日本人も殺されてしまった訳だが

当時の日本の政府やマスコミや文化人は
今の北朝鮮みたいに
「大日本帝国万歳」「天皇陛下万歳」と叫び
日本は「神国」だから絶対負けない
物量や軍備においてはアメリカに全然適わないけど
日本は「大和魂」という精神力があるから絶対負けない
とばかりに
大本営発表を鵜呑みにし
国威発揚のために無批判にそれを垂れ流し続けた訳だし、
大多数の日本人は
マスコミの発表を信じ
騙され、羊のように従順に
無抵抗に殺されていったのだと思う

翻って現在の日本政府や多くのマスコミや御用学者や文化人は
原発は「安全」だ
原発は「クリーン」だ
原発は「安い」
原発は「国防」のために必要だ
放射能は「精神力」で助かる→クヨクヨしなければ癌にならない
原発を再稼働しなければ
→「電力が足りない」
→「日本経済が衰退する」、
→「多くの人々の命が助からない」
などという
全くのデマを垂れ流し続け
多くの日本人の無批判・無関心・無抵抗を
よいことに

福島の被害者を見捨て
東電を救済し
一部の人々の利益のために
全く必要のなかった原発を一方的に再稼働してしまった

日本人はもう少し賢くならなければいけない!
先の大戦と同じように
間違った歴史を繰り返してはいけない!
大飯を再稼働したように
伊方を再稼働させてはならない!

全ての原発を今すぐ廃炉にするために
自分自身の持ち場で
声を上げていかなきゃいけない!!!


himadarake | 2012.08.23 04:07 | 編集
「地位協定破棄と福一石棺桶化」

今度の選挙は独立選挙である。

国会で地位協定破棄すると公約する候補者にだけ黒ボールペンで投票する。それ以外の候補者しか居なければ白紙ではなく強く×印をつけてから投票する。政党名投票はすべて×印で投票する。助成金目当ての政党がこれであぶり出せる。

よって白紙投票および鉛筆書き投票は絶対禁忌である。

日本国憲法上最強の自分の主権「1票」を選管の不正改ざんから黒ボールペンで最強に防御して粛々と執行しよう。
通りがけ | 2012.08.23 07:06 | 編集
ありがとうございます。
間違いが沢山ありました(ノ>。☆)ノ キャッ!
訂正しました~♪
きーこ | 2012.08.23 07:40 | 編集
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