・日本学術会議「高レベル核廃棄物の処分方法を白紙に戻して考え直す」
・福島第一原発の原子炉内を監視する機械が今次々と壊れている
2012年9月13日木曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
●メインキャスター
(月~水・金)水野晶子 (木)千葉猛
●コメンテーター
(月・火)平野幸夫/毎日新聞「ほっと兵庫」編集長
(水・金)近藤勝重/毎日新聞専門編集委員
(木)[週替わり]池田昭、近藤伸二、藤田悟、二木一夫 /毎日新聞・大阪本社論説委員
千葉:
今日は毎日新聞論説委員の池田昭さんとお話を伺います。
まず最初のニュースなんですけれども、こんなニュースが伝わってきています。
日本学術会議が、今政府が考えている300m以上の地下深くに、
原発から出る高レベル廃棄物を埋めるという最終処分法は火山活動が活発な日本では難しいとして、
白紙に戻して考え直すよう提言したということなんですけれども、これを小出さんはどう思われますか?
小出:
当り前のことをようやくにして学術会議が言いだしたという事だと思いますが、
あまりにも遅すぎると私は思います。
日本の学問を背負ってきた人たちがこれまで原子力のゴミの始末の仕方に関して、
何も発言をしないまま、むしろ容認を続けてきたということなわけで、
今になって言って下さるのはありがたいけれども、
なんで今まで黙っていたのか?と私は思います。
池田:従来から小出さんはおっしゃっていましたよね。
小出:はい。
池田:それが今になてという、ね。
小出:
もう何十年も前からこの問題があるという事は誰の目にも明らかだったし、
日本というような世界一の地震国に、放射能のごみを埋め捨てに出来るという場所はないと
私はもちろん思ってきましたし、
普通の常識のある方ならばどなたでもそう思わなければいけなかったのですが、
日本の原子力を進めている人達は、しゃにむに「出来る出来る」と言って今日まで来てしまいました。
池田:学術会議が今になって「なぜ?」って思われますか?
小出:
w、思います。
一体何なんだと、この人達は何なんだろうと、ま、大変私としては悲しいですけれども、
思ったことは善は急げで言って下さった事はもちろんいい事だと思いますけれども、
「何で今か」という思いはぬぐえずに残ります。
千葉:
今世界中を見渡してみても
最終処分法として安全性が確立されたものというのはないんですよね?
小出:何一つありません。
千葉:
うーん、
今回学術会議はですね、いつでも廃棄物を取り出せる施設をつくって、
数十年から数百年を目安に一時的に、
一時的に保管することを提言したという事なんですけれども、
この保管だけでも簡単にできることではないですよね。
小出:
もちろんとてつもなく難しいです。
ただ、今日学術会議が言ったことは、私がもう何十年も言い続けてきたことです。
地下に埋め捨てにすることは許せないことなので、
とにかく私たちの目の黒い場所で保管し続けるしかやり方が無いと私も言ってきました。
ただしそれ自身が何百年で終えることが出来るのか、何千年やらなければいけないのか、
それすら私にも分からないのです。
小池:あれですか…これを一時的って言えるんですかね?
小出:
w全く無意味な言い方だと私は思います。
これまでも原子力発電をやることによって出るゴミというのは沢山ありまして、
今学術会議が言いだしたのは高レベル放射性廃物というのですけれども、
その他にも膨大な堆積の低レベル放射性廃物というのが毎日毎日生み出されてきて、
それは青森県の六ヶ所村に全て押し付けられることになってきました。
すでに二十万本を超えるドラム缶が六ヶ所村に埋め捨てにされてしまいましたが、
それが管理を続けていって、「管理をしなくてもいいという日が来るのは300年後に来る」と
日本の政府は言ってきました。
しかし300年後って、私は死んでいますし、原子力を進めてきた人たちもみーんな死んででいますし、
多分自民党も民主党もありません。
そういった時まで、いったい誰がどういう責任で面倒を見ることが出来るのか
私にはそれすらが分からないで来ました。
ましてや高レベルの放射性は異物というのは
十万年百万年という長い間にわたって隔離をしなければいけないゴミなのであって、
そんなものをいったい、誰がどういう権限で生みだすことができるのか、
それがまず私は不思議です。
千葉:でも、今まさにもう、高レベル廃棄物というものがあるんですよね?
小出:
そうです。
広島原爆がばら撒いた核分裂生成物に比べると、
120万発分をすでに生み出してしまっていてそれがあります。
千葉:それは今、どうやって管理されているんですか?そんなの。
小出:
一部が原子力発電所の使用済み燃料プールの底に沈んだままになっています。
東京電力の福島第一原発も同じでした。
一部は六ヶ所村の再処理工場に3000トンという燃料プールをつくって、そこに沈めてあります。
一部はイギリスとフランスの再処理工場に送ってしまって、
そこで再処理という作業をしてガラス固化になった形で、まだ残っています。
いずれ全てが日本に戻ってきます。
池田:
そうですね、最近のニュースでもイギリスとフランスが、
「高レベルの廃棄物を引き取れ」と言っているんですよね。
小出:そうです。当然のことなのですよね、契約がしてありますし。
千葉:
でも、プールの中に何時までも入れておくわけにもいかないだろうし、
そのガラス固化体になったものも野ざらしにしておくわけにはいかないという事でを考えると、
学術会議はですね、
「十万年単位で安全に保管できる容器の開発」というのを提言しているんですけれども、
十万年前というと旧石器時代で、日本にマンモスが住んでいた時代なんですけれどもww
小出:そうです。
千葉:今の科学技術がそんな事が出来る可能性があるんですかね…?
小出:ありません。
千葉:ないですよね。
小出:はい。明確にありません。
千葉:ないですよね。
小出:はい。
千葉:
という事は最終処分地というのは、
「その高レベルの放射性廃棄物と十万年お付き合いしなさい」という土地を選ぶという事なんですよね。
小出:
そうです。
日本というこの国でも原子力安全保安院という組織がですね、
埋め捨てにする場所をこれまでに20年近く探し求めてきました。
「調査をさせてくれれば20億円やるぞ」という金をちらつかせて候補地を探し求めてきたのですが、
さすがにこれに関してはどこの自治体も「うん」とは言いませんでした。
そのため、とうとうこの日本という国は「高レベル放射性廃物をモンゴルに捨てに行く」という、
そういう案まで出すようになっています。
千葉:
今回日本学術会議は最終処分法で、
「深い土の中に埋めるというのは考え直すように」と言っていますけれども、
今のような十万年単位で安全に保管できるような容器の開発とか言っているという事を考えると、
ま、結論の先延ばしが意図なのかな?と思えなくもないんですが。
小出:
そうですね。
わたしも、大変申し訳ありませんが、私にしてもどうしたらいいのか分からないのです。
学術会議というのは日本の学者のトップの組織ですけれども、
そこにいる人達にすら、どうしていいのか全く分からない課題なのです。
全く分からないという事は私自身も何十年も前から分かっていましたし、
学術会議は当然分からなければいけなかったのですが、
今の今までないも言わないまま原子力をやりたい放題にさせてきたんですね、学術会議も含めて。
千葉:
で、今回の学術会議でもうひとつ驚くこととして、
「総量規制」
つまり原発から出る廃棄物の量の上限を決めようというように提言しているんですが、
という事は、今までは処分法も決まっていないけれども、廃棄物はどんどんどんどん出していいという
出し放題の状態だった訳ですか?
小出:
そうです、原子力をやり始めた当時から原子力はトイレノないマンションだと言われていた訳で、
皆が知っていました。
「ゴミの始末が出来ない」という事は。
でもいつか何とかなるだろうという期待のもとにここまで来てしまったのです。
日本というこの国はまだ「原子力発電所の再稼動」なんていう事を言っているわけですし、
2030年に何パーセントだなんていう議論をしているわけですけれども、
やればやるだけ自分で始末の出来ないゴミが溜まってきてしまいます。
千葉:
んー、わかりました。もう一問質問させて下さい。
東京新聞が伝えるところですと、
「福島第一原発の原子炉内を監視する機械が今次々と壊れている」といったような情報がありまして、
まず、2号機の原子炉の底にある温度計が4つのうち3つ壊れて残り1つになっているという事なんですが、
これが壊れると原子炉の底の温度が測れなくなりますけれども、
これによってどんな事が起こる可能性があるんですかね?
小出:
原子炉の圧力容器の底には確か4つ、
そのまた上部に4つ位づつ何段階かについているはずなんですけれども、
一番底部の温度を測ることによって、溶けてしまった炉心がどこにあるのか?
あるいは再臨界という現象が起きているのかどうなのか、という事の目安にしてこようとしてきました。
それが次々と壊れていってしまっているという事ですから、
大変、これから難しい状況になるだろうなと私は思います。
ただし、もともと彼ら自身はこんな事故が起こるとは思っていなかった訳ですし、
圧力容器の底にあった温度計も、
もともとこういう事故の時の原子炉の状況を知るためにそこに設置していた訳ではなくて、
通常運転時の情報を得るためだったのですね。
で、それが曲がりなりにもそこにあったからと言って、
今の事故の現在の状況を知るために使っている訳ですけれども、
もともと目的があってそこにあったわけではありませんし、もともと不十分な情報しかくれませんでした。
それすらがこれからどんどん奪われていくという事になるわけで、
事故の収束というものがますます難しくなっていくことになりますし、
でも避けられないことです。
機械は必ず壊れます。
池田:これ、温度計の修復というか修理は出来ないんでしょうか?
小出:
多分出来ないです。
ですから新しいものをまた差し込んでみるという事は出来るかもしれませんが、
圧力容器にぴったりとくっつけるという事も多分至難の業だと思います。
千葉:んーーーー、
じゃあ修復が不可能という事になると、
本当に限られたデータの中で推測で、これからはいろんな事を進めていかなければいけないという事に
小出:
これからはというか、今までも推測でやってきたんですね。
もともと事故の情報をキッチリと知れるような測定器はなかったわけで、
たまたまある測定器の情報から、なん・なん・なんとか推測しようとしてこれまでもきたわけですし、
これからはまたその、貴重な情報の一つが奪われていくという事になると思います。
次々と、でも、奪われていきます。
千葉:あー・・・分かりました小出さん、どうもありがとうございました。
続きを読むに
<参考いろいろ>
高レベル廃棄物:学術会議が処分地選定方法見直しを提言
毎日新聞 2012年09月11日 10時58分(最終更新 09月11日 11時06分)
原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物について、日本学術会議(大西隆会長)は11日、
現在の公募による最終処分地選定を抜本的に見直すよう求める提言をまとめ、
内閣府原子力委員会に提出した。将来的に取り出しが可能な状態で数十〜数百年間「暫定保管」し、
その間に最終処分の方法や場所を決めるよう求めている。
高レベル放射性廃棄物は法に基づき、
溶かしてガラスと一緒に固め、地下数百メートルの安定した地層に埋めることになっている。
原子力発電環境整備機構(NUMO)が02年から最終処分地を公募しているが、応募した自治体はなく、
原子力委が10年9月、学術会議に解決策の審議を依頼した。
提言では、処分地選定が行き詰まった理由は
(1)今の科学技術では10万年単位の地層の安定性を確約できない
(2)原子力政策そのものへの国民的な合意がないまま処分地選定という個別課題を先行させた
−−ことなどにあると指摘。
処分地を引き受ける代償として自治体に交付金を配る政策も「不適切」と批判した。
改善策として、廃棄物の総量に上限を設けるなどした上で、
原発に批判的な科学者らも加えて討論し、地層の安定性などの科学的知識を整理することを挙げた。
数十〜数百年の暫定保管であれば、将来の技術進展による再選択が可能とした。
幹事として提言をまとめた舩橋晴俊・法政大教授は
「今までの原子力政策は、廃棄物問題を軽視して進められた。提言でスタート地点に立てる」と話した。
東京電力福島第1原発事故を踏まえ、核燃料サイクルの見直しが政府内で議論されているが、
提言は使用済み核燃料の直接処分地選定にも適用できるという。【西川拓】
核のごみ 地中廃棄「白紙に」 学術会議 原子力委へ提言
2012年9月11日 夕刊
地中深くで最終処分するとしながら、
原発で使った核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の行き先は一向に決まらない。
打開策を検討していた日本学術会議(会長・大西隆東大大学院教授)は11日、
地中深くに埋める国の最終処分計画は安全とは言えないとし、
処分に関する政策の白紙見直しを求める提言をまとめ、原子力委員会に提出した。
使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物は、
毎時1500シーベルト(150万ミリシーベルト)と人がわずか20秒で死に至る放射線を放つ。
国は2000年、廃棄物をガラスで固め、
地下300メートル以上の地層に埋める「地層処分」とするよう関連法で決めたが、処分地は白紙のままだ。
今回の提言は、原子力委から打開の糸口を見つけてほしいと要請された学術会議が、
原子力工学や地質学、歴史、社会、経済など各分野の研究者で検討委をつくり、2年がかりで検討してきた。
提言は、地震や火山活動が活発な日本列島で、万年単位で安定した地層を見つけるのは難しいと指摘。
処分場が決まらない理由は、どれくらいの量の核のごみなら受容できるか社会的な合意がないまま、
一部の関係者で原発の稼働、そこから出る核のごみの処分といった方針を決定してきたことにあると批判。
交付金などのお金で処分地を決めようとする方針は、
「かえって問題を深刻化させる」と根源的な問題があると指摘した。
その上で、「政策をいったん白紙に戻す覚悟で見直すべきだ」と結論付けた。
安全な処分方法が見つかるまでの数十~数百年の間は、地中深くではなく、
いつでも移送できる形で暫定的に保管するよう提言。
保管を担う地域には交付金などで無理やり納得させるのではなく、
保管地に政府機能の一部を移転して安全性への信頼を得るべきだと訴えた。
ただ、提言内容の通り、将来に安全な処分方法が確実に見つかる保証はない上、
暫定的に保管といっても、事実上の最終処分になってしまわないか、地域の懸念をなくすのは難しい。
提言の実効性には疑問があり、核のごみの根源的な問題点を見せつけた。 (榊原智康)
日本政府の「原発ゼロ」方針に米・英・仏が懸念示す
NHK 09/13 21:27
「2030年代に原発ゼロを目指す」とする日本政府の方針について、
アメリカ、イギリス、フランスが懸念を示していることがわかった。
民主党の前原政調会長は
「(米国側から)意図せざる影響もあり得る」、
「柔軟性を残してほしい」、
「原発ゼロを目指すということを日本政府が決めた場合の負の影響を、
なるべく最小化してもらいたい(との話があった)」と述べた。
ワシントンを訪れている前原政調会長は、エネルギー省のポネマン副長官と会談し、
この中で、ポネマン副長官が、原発ゼロを目指す日本政府の方針について、
「重要かつ深い結果をアメリカにももたらすことになる」と、懸念を示したことを明らかにした。
ポネマン氏は「唯一の被爆国として、プルトニウムのストックを最小限に」するよう求めたほか、
石油が値上がりしていることに触れ、
「第3位の経済大国が石油を買いあされば価格に影響する」とも指摘した。
一方、藤村官房長官は、
日本が使用済み核燃料の再処理を委託しているイギリスから、
再処理後に日本に返還する放射性廃棄物を、
エネルギー政策の転換後も継続して引き取るよう求められたことを明らかにした。
日本駐在のイギリスのウォーレン大使が11日、首相官邸を訪れて、藤村長官に要請し、
藤村長官は「イギリスと日本の信頼関係を損なわないようにする」と答えた。
また、日本駐在のフランスのマセ大使が13日午後、首相官邸を訪れ、藤村長官と会談し、
「2030年代に原発ゼロを目指す」とする日本政府の方針について意見交換した。
フランスのマセ駐日大使は
「エネルギー分野で、フランスと日本がこれまで培ってきた協力関係に、全幅の信頼を置いている」
と述べた。
日本は、フランスにも使用済み核燃料の再処理を委託しており、
藤村長官は、使用済み核燃料の再処理事業を継続する方針を説明し、理解を求めたとみられる。
斑目VS小出(内容書き出し)
<上記より一部>
斑目:最後の処分地の話しは、最後は結局お金でしょ?
あのー、どうしてもその、えーっと、みんなが受け入れてくれないとなったら
じゃぁ、お宅にはこの・・じゃぁ・・今までこれこれと言っていたけどその2倍払いましょう
それでも手挙げないんだったら 5倍払いましょう10倍払いましょう
どっかで国民が納得することがでてきますよ
ーQ:今は確か最終処分地を受け入れてくれるボーリング調査をさせてくれるだけで
斑目:すごいお金流してますよね
ーQ:20億円ですよ
斑目:あれがたかが知れてるらしいですよ あの世界は
「東芝がモンゴルに国際的な貯蔵・処分場」東芝の素顔。
東芝 モンゴルに核燃処分場構想
東京新聞2011年7月2日 朝刊の記事
「化石賞」ありがとうございます。モンゴルにも感謝。
核処分場:モンゴル政府、計画を断念 反対高まり、日本に伝達
毎日新聞 2011年10月15日 東京朝刊の記事あり
福島第一 原子炉内監視ピンチ 2号機温度計一つだけに
東京新聞 2012年9月11日
←クリックすると大きくなります。
事故発生から1年半を迎えた東京電力福島第一原発で、原子炉内を監視する機器が次々と壊れている。
2号機では、炉の温度計が残り1つになり、格納容器内の水素濃度などを測る装置でもトラブルがあった。
炉内が急変した時に対応が遅れる危険がある。
冷却に欠かせない注水も一時不安定になった。
「残る温度計は1つ。これが壊れると原子炉底部温度が測れなくなる」。
経済産業省原子力安全・保安院の担当者は苦り切る。
炉内の状況はわからないことが多いが、炉の底部の温度は状態を判断する重要な目安になる。
政府は昨年12月、「冷温停止状態になった」と宣言。
最大の根拠はこの温度が安定的に80度を下回ったことだった。
底部には4つの温度計があるが、うち3つまでが故障し、宣言の根拠が揺らぐことにもなる。
今後は残る1つで計測するが、振れ幅が大きく、故障しそうな気配がある。
東電は10月上旬に新たな温度計を設置しようとしているが、うまくいくかどうかは不透明だ。
温度計が全滅した場合、原子炉の別の場所にある温度計や各種の計測データを
「総合的に判断する」ことになる。
格納容器内の空気に含まれる水素や放射性物質の濃度を測る装置も総合的に判断するための機器の一つ。
今度はその機器にトラブルが起きた。
配管に小さな穴が開き、少量の気体や水滴が漏れていた。
テープで穴は塞いだが、原因は分かっていない。
原子炉の安定に不可欠な冷却水は8月30日以降、1~3号機ともに減り始めた。
ごみが混入し、配管内で目詰まりを起こしたのが原因とみられる。
塩ビホースからポリエチレン製の配管に交換した際、切りくずが入ったらしい。
注水用のタンクには、無数の白いごみのようなものが漂っていた。
こうしたトラブルの一つ一つは小さいが、廃炉までの道は遠く、重なると大きな問題に発展することもある。

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「日本のジャーナリズムがどういうものかという事への試金石になる」
小出裕章氏・たね蒔きジャーナル存続の陳情8/27MBS(動画・内容書き出し)
・福島第一原発の原子炉内を監視する機械が今次々と壊れている
2012年9月13日木曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
●メインキャスター
(月~水・金)水野晶子 (木)千葉猛
●コメンテーター
(月・火)平野幸夫/毎日新聞「ほっと兵庫」編集長
(水・金)近藤勝重/毎日新聞専門編集委員
(木)[週替わり]池田昭、近藤伸二、藤田悟、二木一夫 /毎日新聞・大阪本社論説委員
千葉:
今日は毎日新聞論説委員の池田昭さんとお話を伺います。
まず最初のニュースなんですけれども、こんなニュースが伝わってきています。
日本学術会議が、今政府が考えている300m以上の地下深くに、
原発から出る高レベル廃棄物を埋めるという最終処分法は火山活動が活発な日本では難しいとして、
白紙に戻して考え直すよう提言したということなんですけれども、これを小出さんはどう思われますか?
小出:
当り前のことをようやくにして学術会議が言いだしたという事だと思いますが、
あまりにも遅すぎると私は思います。
日本の学問を背負ってきた人たちがこれまで原子力のゴミの始末の仕方に関して、
何も発言をしないまま、むしろ容認を続けてきたということなわけで、
今になって言って下さるのはありがたいけれども、
なんで今まで黙っていたのか?と私は思います。
池田:従来から小出さんはおっしゃっていましたよね。
小出:はい。
池田:それが今になてという、ね。
小出:
もう何十年も前からこの問題があるという事は誰の目にも明らかだったし、
日本というような世界一の地震国に、放射能のごみを埋め捨てに出来るという場所はないと
私はもちろん思ってきましたし、
普通の常識のある方ならばどなたでもそう思わなければいけなかったのですが、
日本の原子力を進めている人達は、しゃにむに「出来る出来る」と言って今日まで来てしまいました。
池田:学術会議が今になって「なぜ?」って思われますか?
小出:
w、思います。
一体何なんだと、この人達は何なんだろうと、ま、大変私としては悲しいですけれども、
思ったことは善は急げで言って下さった事はもちろんいい事だと思いますけれども、
「何で今か」という思いはぬぐえずに残ります。
千葉:
今世界中を見渡してみても
最終処分法として安全性が確立されたものというのはないんですよね?
小出:何一つありません。
千葉:
うーん、
今回学術会議はですね、いつでも廃棄物を取り出せる施設をつくって、
数十年から数百年を目安に一時的に、
一時的に保管することを提言したという事なんですけれども、
この保管だけでも簡単にできることではないですよね。
小出:
もちろんとてつもなく難しいです。
ただ、今日学術会議が言ったことは、私がもう何十年も言い続けてきたことです。
地下に埋め捨てにすることは許せないことなので、
とにかく私たちの目の黒い場所で保管し続けるしかやり方が無いと私も言ってきました。
ただしそれ自身が何百年で終えることが出来るのか、何千年やらなければいけないのか、
それすら私にも分からないのです。
小池:あれですか…これを一時的って言えるんですかね?
小出:
w全く無意味な言い方だと私は思います。
これまでも原子力発電をやることによって出るゴミというのは沢山ありまして、
今学術会議が言いだしたのは高レベル放射性廃物というのですけれども、
その他にも膨大な堆積の低レベル放射性廃物というのが毎日毎日生み出されてきて、
それは青森県の六ヶ所村に全て押し付けられることになってきました。
すでに二十万本を超えるドラム缶が六ヶ所村に埋め捨てにされてしまいましたが、
それが管理を続けていって、「管理をしなくてもいいという日が来るのは300年後に来る」と
日本の政府は言ってきました。
しかし300年後って、私は死んでいますし、原子力を進めてきた人たちもみーんな死んででいますし、
多分自民党も民主党もありません。
そういった時まで、いったい誰がどういう責任で面倒を見ることが出来るのか
私にはそれすらが分からないで来ました。
ましてや高レベルの放射性は異物というのは
十万年百万年という長い間にわたって隔離をしなければいけないゴミなのであって、
そんなものをいったい、誰がどういう権限で生みだすことができるのか、
それがまず私は不思議です。
千葉:でも、今まさにもう、高レベル廃棄物というものがあるんですよね?
小出:
そうです。
広島原爆がばら撒いた核分裂生成物に比べると、
120万発分をすでに生み出してしまっていてそれがあります。
千葉:それは今、どうやって管理されているんですか?そんなの。
小出:
一部が原子力発電所の使用済み燃料プールの底に沈んだままになっています。
東京電力の福島第一原発も同じでした。
一部は六ヶ所村の再処理工場に3000トンという燃料プールをつくって、そこに沈めてあります。
一部はイギリスとフランスの再処理工場に送ってしまって、
そこで再処理という作業をしてガラス固化になった形で、まだ残っています。
いずれ全てが日本に戻ってきます。
池田:
そうですね、最近のニュースでもイギリスとフランスが、
「高レベルの廃棄物を引き取れ」と言っているんですよね。
小出:そうです。当然のことなのですよね、契約がしてありますし。
千葉:
でも、プールの中に何時までも入れておくわけにもいかないだろうし、
そのガラス固化体になったものも野ざらしにしておくわけにはいかないという事でを考えると、
学術会議はですね、
「十万年単位で安全に保管できる容器の開発」というのを提言しているんですけれども、
十万年前というと旧石器時代で、日本にマンモスが住んでいた時代なんですけれどもww
小出:そうです。
千葉:今の科学技術がそんな事が出来る可能性があるんですかね…?
小出:ありません。
千葉:ないですよね。
小出:はい。明確にありません。
千葉:ないですよね。
小出:はい。
千葉:
という事は最終処分地というのは、
「その高レベルの放射性廃棄物と十万年お付き合いしなさい」という土地を選ぶという事なんですよね。
小出:
そうです。
日本というこの国でも原子力安全保安院という組織がですね、
埋め捨てにする場所をこれまでに20年近く探し求めてきました。
「調査をさせてくれれば20億円やるぞ」という金をちらつかせて候補地を探し求めてきたのですが、
さすがにこれに関してはどこの自治体も「うん」とは言いませんでした。
そのため、とうとうこの日本という国は「高レベル放射性廃物をモンゴルに捨てに行く」という、
そういう案まで出すようになっています。
千葉:
今回日本学術会議は最終処分法で、
「深い土の中に埋めるというのは考え直すように」と言っていますけれども、
今のような十万年単位で安全に保管できるような容器の開発とか言っているという事を考えると、
ま、結論の先延ばしが意図なのかな?と思えなくもないんですが。
小出:
そうですね。
わたしも、大変申し訳ありませんが、私にしてもどうしたらいいのか分からないのです。
学術会議というのは日本の学者のトップの組織ですけれども、
そこにいる人達にすら、どうしていいのか全く分からない課題なのです。
全く分からないという事は私自身も何十年も前から分かっていましたし、
学術会議は当然分からなければいけなかったのですが、
今の今までないも言わないまま原子力をやりたい放題にさせてきたんですね、学術会議も含めて。
千葉:
で、今回の学術会議でもうひとつ驚くこととして、
「総量規制」
つまり原発から出る廃棄物の量の上限を決めようというように提言しているんですが、
という事は、今までは処分法も決まっていないけれども、廃棄物はどんどんどんどん出していいという
出し放題の状態だった訳ですか?
小出:
そうです、原子力をやり始めた当時から原子力はトイレノないマンションだと言われていた訳で、
皆が知っていました。
「ゴミの始末が出来ない」という事は。
でもいつか何とかなるだろうという期待のもとにここまで来てしまったのです。
日本というこの国はまだ「原子力発電所の再稼動」なんていう事を言っているわけですし、
2030年に何パーセントだなんていう議論をしているわけですけれども、
やればやるだけ自分で始末の出来ないゴミが溜まってきてしまいます。
千葉:
んー、わかりました。もう一問質問させて下さい。
東京新聞が伝えるところですと、
「福島第一原発の原子炉内を監視する機械が今次々と壊れている」といったような情報がありまして、
まず、2号機の原子炉の底にある温度計が4つのうち3つ壊れて残り1つになっているという事なんですが、
これが壊れると原子炉の底の温度が測れなくなりますけれども、
これによってどんな事が起こる可能性があるんですかね?
小出:
原子炉の圧力容器の底には確か4つ、
そのまた上部に4つ位づつ何段階かについているはずなんですけれども、
一番底部の温度を測ることによって、溶けてしまった炉心がどこにあるのか?
あるいは再臨界という現象が起きているのかどうなのか、という事の目安にしてこようとしてきました。
それが次々と壊れていってしまっているという事ですから、
大変、これから難しい状況になるだろうなと私は思います。
ただし、もともと彼ら自身はこんな事故が起こるとは思っていなかった訳ですし、
圧力容器の底にあった温度計も、
もともとこういう事故の時の原子炉の状況を知るためにそこに設置していた訳ではなくて、
通常運転時の情報を得るためだったのですね。
で、それが曲がりなりにもそこにあったからと言って、
今の事故の現在の状況を知るために使っている訳ですけれども、
もともと目的があってそこにあったわけではありませんし、もともと不十分な情報しかくれませんでした。
それすらがこれからどんどん奪われていくという事になるわけで、
事故の収束というものがますます難しくなっていくことになりますし、
でも避けられないことです。
機械は必ず壊れます。
池田:これ、温度計の修復というか修理は出来ないんでしょうか?
小出:
多分出来ないです。
ですから新しいものをまた差し込んでみるという事は出来るかもしれませんが、
圧力容器にぴったりとくっつけるという事も多分至難の業だと思います。
千葉:んーーーー、
じゃあ修復が不可能という事になると、
本当に限られたデータの中で推測で、これからはいろんな事を進めていかなければいけないという事に
小出:
これからはというか、今までも推測でやってきたんですね。
もともと事故の情報をキッチリと知れるような測定器はなかったわけで、
たまたまある測定器の情報から、なん・なん・なんとか推測しようとしてこれまでもきたわけですし、
これからはまたその、貴重な情報の一つが奪われていくという事になると思います。
次々と、でも、奪われていきます。
千葉:あー・・・分かりました小出さん、どうもありがとうございました。
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高レベル廃棄物:学術会議が処分地選定方法見直しを提言
毎日新聞 2012年09月11日 10時58分(最終更新 09月11日 11時06分)
原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物について、日本学術会議(大西隆会長)は11日、
現在の公募による最終処分地選定を抜本的に見直すよう求める提言をまとめ、
内閣府原子力委員会に提出した。将来的に取り出しが可能な状態で数十〜数百年間「暫定保管」し、
その間に最終処分の方法や場所を決めるよう求めている。
高レベル放射性廃棄物は法に基づき、
溶かしてガラスと一緒に固め、地下数百メートルの安定した地層に埋めることになっている。
原子力発電環境整備機構(NUMO)が02年から最終処分地を公募しているが、応募した自治体はなく、
原子力委が10年9月、学術会議に解決策の審議を依頼した。
提言では、処分地選定が行き詰まった理由は
(1)今の科学技術では10万年単位の地層の安定性を確約できない
(2)原子力政策そのものへの国民的な合意がないまま処分地選定という個別課題を先行させた
−−ことなどにあると指摘。
処分地を引き受ける代償として自治体に交付金を配る政策も「不適切」と批判した。
改善策として、廃棄物の総量に上限を設けるなどした上で、
原発に批判的な科学者らも加えて討論し、地層の安定性などの科学的知識を整理することを挙げた。
数十〜数百年の暫定保管であれば、将来の技術進展による再選択が可能とした。
幹事として提言をまとめた舩橋晴俊・法政大教授は
「今までの原子力政策は、廃棄物問題を軽視して進められた。提言でスタート地点に立てる」と話した。
東京電力福島第1原発事故を踏まえ、核燃料サイクルの見直しが政府内で議論されているが、
提言は使用済み核燃料の直接処分地選定にも適用できるという。【西川拓】
核のごみ 地中廃棄「白紙に」 学術会議 原子力委へ提言
2012年9月11日 夕刊
地中深くで最終処分するとしながら、
原発で使った核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の行き先は一向に決まらない。
打開策を検討していた日本学術会議(会長・大西隆東大大学院教授)は11日、
地中深くに埋める国の最終処分計画は安全とは言えないとし、
処分に関する政策の白紙見直しを求める提言をまとめ、原子力委員会に提出した。
使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物は、
毎時1500シーベルト(150万ミリシーベルト)と人がわずか20秒で死に至る放射線を放つ。
国は2000年、廃棄物をガラスで固め、
地下300メートル以上の地層に埋める「地層処分」とするよう関連法で決めたが、処分地は白紙のままだ。
今回の提言は、原子力委から打開の糸口を見つけてほしいと要請された学術会議が、
原子力工学や地質学、歴史、社会、経済など各分野の研究者で検討委をつくり、2年がかりで検討してきた。
提言は、地震や火山活動が活発な日本列島で、万年単位で安定した地層を見つけるのは難しいと指摘。
処分場が決まらない理由は、どれくらいの量の核のごみなら受容できるか社会的な合意がないまま、
一部の関係者で原発の稼働、そこから出る核のごみの処分といった方針を決定してきたことにあると批判。
交付金などのお金で処分地を決めようとする方針は、
「かえって問題を深刻化させる」と根源的な問題があると指摘した。
その上で、「政策をいったん白紙に戻す覚悟で見直すべきだ」と結論付けた。
安全な処分方法が見つかるまでの数十~数百年の間は、地中深くではなく、
いつでも移送できる形で暫定的に保管するよう提言。
保管を担う地域には交付金などで無理やり納得させるのではなく、
保管地に政府機能の一部を移転して安全性への信頼を得るべきだと訴えた。
ただ、提言内容の通り、将来に安全な処分方法が確実に見つかる保証はない上、
暫定的に保管といっても、事実上の最終処分になってしまわないか、地域の懸念をなくすのは難しい。
提言の実効性には疑問があり、核のごみの根源的な問題点を見せつけた。 (榊原智康)
日本政府の「原発ゼロ」方針に米・英・仏が懸念示す
NHK 09/13 21:27
「2030年代に原発ゼロを目指す」とする日本政府の方針について、
アメリカ、イギリス、フランスが懸念を示していることがわかった。
民主党の前原政調会長は
「(米国側から)意図せざる影響もあり得る」、
「柔軟性を残してほしい」、
「原発ゼロを目指すということを日本政府が決めた場合の負の影響を、
なるべく最小化してもらいたい(との話があった)」と述べた。
ワシントンを訪れている前原政調会長は、エネルギー省のポネマン副長官と会談し、
この中で、ポネマン副長官が、原発ゼロを目指す日本政府の方針について、
「重要かつ深い結果をアメリカにももたらすことになる」と、懸念を示したことを明らかにした。
ポネマン氏は「唯一の被爆国として、プルトニウムのストックを最小限に」するよう求めたほか、
石油が値上がりしていることに触れ、
「第3位の経済大国が石油を買いあされば価格に影響する」とも指摘した。
一方、藤村官房長官は、
日本が使用済み核燃料の再処理を委託しているイギリスから、
再処理後に日本に返還する放射性廃棄物を、
エネルギー政策の転換後も継続して引き取るよう求められたことを明らかにした。
日本駐在のイギリスのウォーレン大使が11日、首相官邸を訪れて、藤村長官に要請し、
藤村長官は「イギリスと日本の信頼関係を損なわないようにする」と答えた。
また、日本駐在のフランスのマセ大使が13日午後、首相官邸を訪れ、藤村長官と会談し、
「2030年代に原発ゼロを目指す」とする日本政府の方針について意見交換した。
フランスのマセ駐日大使は
「エネルギー分野で、フランスと日本がこれまで培ってきた協力関係に、全幅の信頼を置いている」
と述べた。
日本は、フランスにも使用済み核燃料の再処理を委託しており、
藤村長官は、使用済み核燃料の再処理事業を継続する方針を説明し、理解を求めたとみられる。
斑目VS小出(内容書き出し)
<上記より一部>
斑目:最後の処分地の話しは、最後は結局お金でしょ?
あのー、どうしてもその、えーっと、みんなが受け入れてくれないとなったら
じゃぁ、お宅にはこの・・じゃぁ・・今までこれこれと言っていたけどその2倍払いましょう
それでも手挙げないんだったら 5倍払いましょう10倍払いましょう
どっかで国民が納得することがでてきますよ
ーQ:今は確か最終処分地を受け入れてくれるボーリング調査をさせてくれるだけで
斑目:すごいお金流してますよね
ーQ:20億円ですよ
斑目:あれがたかが知れてるらしいですよ あの世界は
「東芝がモンゴルに国際的な貯蔵・処分場」東芝の素顔。
東芝 モンゴルに核燃処分場構想
東京新聞2011年7月2日 朝刊の記事
「化石賞」ありがとうございます。モンゴルにも感謝。
核処分場:モンゴル政府、計画を断念 反対高まり、日本に伝達
毎日新聞 2011年10月15日 東京朝刊の記事あり
福島第一 原子炉内監視ピンチ 2号機温度計一つだけに
東京新聞 2012年9月11日

事故発生から1年半を迎えた東京電力福島第一原発で、原子炉内を監視する機器が次々と壊れている。
2号機では、炉の温度計が残り1つになり、格納容器内の水素濃度などを測る装置でもトラブルがあった。
炉内が急変した時に対応が遅れる危険がある。
冷却に欠かせない注水も一時不安定になった。
「残る温度計は1つ。これが壊れると原子炉底部温度が測れなくなる」。
経済産業省原子力安全・保安院の担当者は苦り切る。
炉内の状況はわからないことが多いが、炉の底部の温度は状態を判断する重要な目安になる。
政府は昨年12月、「冷温停止状態になった」と宣言。
最大の根拠はこの温度が安定的に80度を下回ったことだった。
底部には4つの温度計があるが、うち3つまでが故障し、宣言の根拠が揺らぐことにもなる。
今後は残る1つで計測するが、振れ幅が大きく、故障しそうな気配がある。
東電は10月上旬に新たな温度計を設置しようとしているが、うまくいくかどうかは不透明だ。
温度計が全滅した場合、原子炉の別の場所にある温度計や各種の計測データを
「総合的に判断する」ことになる。
格納容器内の空気に含まれる水素や放射性物質の濃度を測る装置も総合的に判断するための機器の一つ。
今度はその機器にトラブルが起きた。
配管に小さな穴が開き、少量の気体や水滴が漏れていた。
テープで穴は塞いだが、原因は分かっていない。
原子炉の安定に不可欠な冷却水は8月30日以降、1~3号機ともに減り始めた。
ごみが混入し、配管内で目詰まりを起こしたのが原因とみられる。
塩ビホースからポリエチレン製の配管に交換した際、切りくずが入ったらしい。
注水用のタンクには、無数の白いごみのようなものが漂っていた。
こうしたトラブルの一つ一つは小さいが、廃炉までの道は遠く、重なると大きな問題に発展することもある。

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「日本のジャーナリズムがどういうものかという事への試金石になる」
小出裕章氏・たね蒔きジャーナル存続の陳情8/27MBS(動画・内容書き出し)
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